説明

撮像装置及びその制御方法

【課題】ファインダを覗きながら撮影者がタッチパネルを操作するときの操作性を向上させる。
【解決手段】被写体光像を観察可能な光学式ファインダと表示装置の表示画像からの光像を前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像に重畳する電子式ファインダとを併せ持つファインダと、焦点距離を変更可能な撮影レンズと、前記撮影レンズを通して被写体からの入射光を受光して被写体光像に応じた撮像画像信号を出力する固体撮像素子と、前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像上の位置をタッチ操作によって指定するタッチパネルとを備える撮像装置において、前記タッチパネル上においてタッチ操作を行えるタッチ領域のサイズを前記焦点距離が大きいほど小さく変更し、かつ、該タッチ領域のサイズが、前記タッチ操作可能な最小限界である限界サイズよりも小さくなるのを制限する(ステップS5,S6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式ビューファインダと電子式ビューファインダの両方を併せ持つファインダを搭載した撮像装置に係り、特に、撮像画像を表示する表示部に設けられたタッチパネル機能とファインダ機能とを組み合わせて撮像装置を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子を搭載し、撮像画像データをカメラ内でデジタル処理して記録媒体に保存するデジタルカメラにも、従来は、光学式ビューファインダ(以下、OVFとも記す。)が設けられ、撮影者はファインダを覗き、被写体の構図などを確認してから、シャッタボタンを押す様になっていた。光学式ビューファインダは、被写体の実際の光像をそのまま覗くことができるため、動きのある被写体であっても、シャッタチャンスを逃すことなく、シャッタボタンを押すことができるという利点がある。
【0003】
しかし、近年のデジタルカメラは、光学式ビューファインダを設けずに、カメラ背面に設けた大型液晶表示装置に固体撮像素子から出力されるスルー画像を表示し、ファインダ代わりとするのが一般的となっている。そして、特許文献1に記載されている様に、大型液晶表示装置にタッチパネルを取り付け、表示画面上の主要被写体画像を指先でタッチし指定することにより、その主要被写体にピントを合わせたり、露出を合わせる様になっている。
【0004】
しかしながら、カメラ背面の大型液晶表示装置にスルー画像を表示する形式のデジタルカメラでは、このスルー画像を確認するためにカメラを顔から離して見なければならず、シャッタボタンを押したとき手振れが発生してしまうという問題がある。また、固体撮像素子から出力され画像処理されたスルー画像を表示するため、実際の被写体の状態に比べて若干のタイムラグが存在し、表示画面上で確認した画像とは異なる、時間がずれた画像が撮像されてしまうという課題もある。
【0005】
スルー画像を大型液晶表示装置に表示するデジタルカメラでも、光学式ビューファインダを搭載したものがある。この様なデジタルカメラでは、下記の特許文献2に記載されている様に、撮影者は光学式ビューファインダを覗きながら、大型液晶表示装置に取り付けられたタッチパネルを指先でタッチ操作し、シャッタ速度や測距点等を操作することができるものもある。
【0006】
しかし、この従来技術では、光学式ビューファインダを通して見える範囲と、撮影レンズを通し固体撮像素子(イメージセンサ)に受光されスルー画像として表示される範囲との差つまりパララックスについて考慮していないため、タッチパネルを通して操作する対象は、パララックスとは関係ない情報に限られてしまう。
【0007】
光学式ビューファインダの代わりに、電子式ビューファインダ(以下、EVFとも記す。)を搭載したデジタルカメラもある。電子式ビューファインダは、小さなファインダの覗き窓内に小型液晶表示装置を設け、ここに固体撮像素子から出力されるスルー画像を表示し、撮影者に被写体の構図などを確認させるものである。
【0008】
この電子ビューファインダは、スルー画像を表示する小型液晶表示装置の画素数が少ないため、粗い画像しか表示できず、撮影者が被写体の細かな部分の確認ができないという課題がある。また、上記と同様に、固体撮像素子から出力され画像処理されたスルー画像を表示するため、実際の被写体の状態に比べて若干のタイムラグが存在するという課題もある。
【0009】
光学式ビューファインダと電子式ビューファインダとは上述した様に一長一短があるため、例えば下記の特許文献3に記載されている様なファインダ装置が考えられている。
【0010】
このファインダ装置は、光学式ビューファインダの光路の途中に斜め45度のハーフミラーを置き、このハーフミラーに、小型液晶表示装置の画面に表示した画像の光を投射する構成となっている。そして、光学式ビューファインダを通した被写体の光像と、小型液晶表示装置の表示画面(電子ビューファインダの表示画像)の画像のいずれか一方を選択してファインダ窓を通して撮影者の目に投影し、或いは、両者を混合して撮影者の目に投影する様になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11―355617号公報
【特許文献2】特開2008―268726号公報
【特許文献3】特開平3―292067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献3に記載されているファインダは、光学式ビューファインダ像が直接透過するため、鮮明で、しかも、被写体の動きに対して電気的なタイムラグがなく、即時性の高い撮影が可能となる、一方、オートフォーカス(AF)やマニュアルフォーカス(MF)での合焦位置や、ホワイトバランス(WB)の設定効果等は、電子式ビューファインダの小型液晶表示装置に表示すれば良く、両者の長所を利用することが可能となる。
【0013】
しかし、ここで問題となるのが上述したパララックスの問題であり、カメラ背面の液晶表示装置等に取り付けられているタッチパネルを併用してカメラ操作を行う構成とした場合、光学式ビューファインダを通して撮影者が見ている光学像上の位置と、タッチ位置とが一致しないと、使い勝手が悪くなってしまう。
【0014】
撮影者は、光学式ビューファインダを覗いているため、タッチ操作はブラインドタッチになっており、パララックスのために、光学式ビューファインダを覗くのを一々止めてタッチパネル上でのタッチ位置を確認するのでは、光学式ビューファインダを用いる利点を阻害することになってしまう。
【0015】
特に、近年のカメラは、ズームレンズを搭載したり、レンズ交換式が多くなっており、光学式ビューファインダを通して見る光学像の見える範囲とタッチ位置との間の差がズーム毎に又はレンズ交換毎に異なってくる。そこで、操作性が高く使い勝手の良い操作方法の開発が望まれている。
【0016】
本発明の目的は、光学式ファインダと電子式ファインダとを併せ持つファインダを搭載した撮像装置で、ファインダを通して得られる被写体光学像から目を離すことなくタッチパネルを用いて各種操作を精度良く直感的に行うことができる撮像装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の撮像装置及びその制御方法は、被写体光像を観察可能な光学式ファインダと表示装置の表示画像からの光像を前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像に重畳する電子式ファインダとを併せ持つファインダと、焦点距離を変更可能な撮影レンズと、前記撮影レンズを通して被写体からの入射光を受光して被写体光像に応じた撮像画像信号を出力する固体撮像素子と、前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像上の位置をタッチ操作によって指定するタッチパネルとを備える撮像装置において、前記タッチパネル上においてタッチ操作を行えるタッチ領域のサイズを前記焦点距離が大きいほど小さく変更し、かつ、該タッチ領域のサイズが、前記タッチ操作可能な最小限界である限界サイズよりも小さくなるのを制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ファインダを通して得られる被写体光学像から目を離すことなく、撮影者は違和感無くタッチパネルを用いて各種操作を精度良く直感的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの外観斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの機能ブロック構成図である。
【図3】図1のデジタルカメラの背面図である。
【図4】図1のデジタルカメラに搭載されているファインダを通して得られる被写体光像と撮影画角枠とAFエリア枠(フォーカスエリア枠)とを示す図である。
【図5】図1に示すファインダを通した視野内におけるズーム前後の撮影画角枠の変化前(a)と変化後(b)を示す図である。
【図6】図5に対応したタッチパネルのズーム前後の操作領域(タッチ領域)の変化前(a)と変化後(b)を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るタッチ領域限界サイズの説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るタッチ領域の大きさを制御する処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係るタッチ領域の補正前と補正後を示すグラフである。
【図10】変倍ズームファインダを用いたときの不具合説明図である。
【図11】図10で説明した不具合を解決する本発明の第2実施形態に係るタッチ領域の補正説明図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係るタッチ領域の大きさを制御する処理手順を示すフローチャートである。
【図13】変倍ズームファインダと撮影レンズとの組み合わせで起きる不具合説明図である。
【図14】変倍ズームファインダと撮影レンズとの組み合わせで起きる別の不具合説明図である。
【図15】変倍ズームファインダと撮影レンズとの組み合わせで起きる更に別の不具合説明図である。
【図16】図13,図14,図15で説明した本発明の第3実施形態に係るタッチ領域の補正説明図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係るタッチ領域の大きさを制御する処理手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第4実施形態に係る手振れによるタッチ領域の補正説明図である。
【図19】本発明の第4実施形態に係るタッチ領域の大きさを制御する処理手順を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第5実施形態に係るタッチ領域内のフォーカスエリアの移動制御説明図である。
【図21】本発明の第5実施形態に係るタッチ領域内のフォーカスエリアの移動制御処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係るファインダ付き撮像装置(デジタルカメラ)の外観斜視図である。本実施形態の撮像装置10は、横長矩形の筐体11を備え、筐体11の正面中央には、交換可能な撮影レンズ13が着脱自在に取り付けられている。撮影レンズ13内には、後述するフォーカスレンズやズームレンズ等が収納されている。
【0022】
筐体11の上端面の片側にはシャッタレリーズボタン14が設けられ、シャッタレリーズボタン14とは反対側の角の筐体11内に、詳細は後述するファインダ装置15が設けられている。ファインダ装置15の被写体側ファインダ窓16が、筐体11正面の角部に設けられ、その背面側に、ファインダ装置15の撮影者側覗き窓17が設けられている。
【0023】
図2は、図1に示す撮像装置10の内部ブロック構成図である。撮像装置10は、撮像素子チップ21と、撮像素子チップ21の前段に置かれた撮影レンズ光学系13とを備える。
【0024】
撮像素子チップ21は、CMOS型やCCD型等の単板式カラー画像撮像用の固体撮像素子21aと、撮像素子21aの出力信号(撮像画像信号)をアナログ信号処理するCDSAMP(相関二重サンプリング(CDS),利得制御増幅器(AMP))21bと、CDSAMP21bのアナログ出力信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル(A/D)変換器21cとを備える。
【0025】
撮影レンズ光学系13は、ズームレンズ13aと、フォーカス用レンズ13bと、絞り(アイリス)13c等を備える。
【0026】
撮像装置10は、更に、A/D変換器21cから出力されるデジタル信号でなる撮像画像信号を取り込む画像入力コントローラ31と、この撮像装置10の全体を統括制御するシステム制御部(演算処理装置:CPU)32と、撮像画像信号を画像処理する画像信号処理回路(DSP)33と、固体撮像素子21aから出力される画像データから焦点位置を検出するAF検出回路34と、露出量,ホワイトバランスを自動検出するAE&AWB検出回路35と、ワークメモリとして使用するSDRAM36と、画像処理後の撮像画像データをJPEG画像やMPEG画像に圧縮する圧縮処理回路39と、カメラ背面等に設けられた液晶表示装置40やファインダ装置15内の液晶表示装置(EVF)61に撮像画像やスルー画像,各種撮影情報を表示する表示制御回路41と、記録メディア42に撮像画像データを保存するメディアコントローラ43と、これらを相互接続するバス44とを備える。
【0027】
液晶表示装置40とEVF61とは、ユーザからの指示入力に基づいて排他的にいずれか一方のみ画像データを表示する構成になっている。また、液晶表示装置40には、図示省略のタッチパネルが取り付けられており、タッチパネルからの入力指示信号はCPU32に伝送される。
【0028】
この撮像装置10は、更に、ズームレンズ13aの駆動モータに駆動パルスを供給するモータドライバ46と、フォーカスレンズ13bの位置を駆動するモータに駆動パルスを供給するモータドライバ47と、絞り13cの絞り位置制御を行う駆動モータに駆動パルスを供給するモータドライバ48と、固体撮像素子21aに駆動タイミングパルス(電子シャッタパルス,読み出しパルス等)を供給するタイミングジェネレータ49と、ファインダ装置15内の後述する液晶シャッタ(OVFシャッタ)62を駆動する液晶ドライバ53や変倍レンズ64を駆動するモータドライバ54とを備える。
【0029】
これらは、CPU32からの指令に基づいて動作する。また、CDSAMP21bもCPU32からの指令に基づいて動作する。CPU32には操作部50が接続され、シャッタボタンを含む操作部50からの入力指示に基づいてCPU32は動作する。
【0030】
ファインダ装置15は、被写体側ファインダ窓16と撮影者側覗き窓17との間に、OVFシャッタ62と、2段構成の変倍レンズ64a,64bと、対物レンズ65と、ハーフミラー63を内部に持つプリズム66とがこの順に収納されている。本実施形態では、段の変倍レンズを備えるが、1つの変倍レンズだけでも,3つ以上の変倍レンズを備える場合もあり、或いは変倍レンズは用いずに、撮影レンズ光学系がズームしても、ファインダ内の視野を変更させない場合もある。
【0031】
ハーフミラー63は、好適には、50%の光を透過し50%の光を反射する例えば銀膜などで構成されるが、この比率に限るものではない。他の比率、例えば、70%(または60%)の光を透過し30%(または40%)の光を反射する膜でも良く、或いは逆に、30%(または40%)の光を透過し70%(または60%)の光を反射する膜でも良く、透過光と反射光とが両方存在すればよい。
【0032】
ハーフミラー63は、被写体からの入射光軸Lに対して斜め45度に設置されており、ハーフミラー63に隣接し且つ入射光軸Lに対し平行にEVF用の前述の液晶表示装置61が設けられている。これにより、ハーフミラー63を透過した被写体からの入射光と、液晶表示装置61から発せされハーフミラー63で反射した光とが重なった状態で撮影者の目に投影される。
【0033】
液晶表示装置61の表示情報は、固体撮像素子21aから出力されるスルー画像情報や、撮影後の撮影画像情報であるが、シャッタ速度や露出値,AFエリア枠(フォーカスエリア枠)等の撮影条件情報も表示される。
【0034】
OVFシャッタ62を「開」状態とし且つEVF用表示装置61を非表示とすることで、ファインダ装置15を光学式ビューファインダ(OVF)だけで使用でき、OVFシャッタ62を「閉」状態とし且つEVF用表示装置61を表示することで、ファインダ装置15を電子ビューファインダ(EVF)だけで使用することもできる。
【0035】
また、EVF用表示装置61に撮影情報等の情報を表示させ、OVFシャッタ62を「開」状態とすることで、被写体の構図を光学式ビューファインダを通した被写体光学像で確認しながら、撮影条件情報を同時に同一ファインダ枠内で確認することができる。
【0036】
本実施形態に係る撮像装置10は、カメラ背面の液晶表示装置40に設けられたタッチパネルを入力操作に使用し、タッチパネル上で指先でタッチ指示した内容をEVF用表示装置61内に表示することにしている。
【0037】
例えば、EVF用表示装置61内に表示されたAEエリア枠をタッチ操作で移動させてピントを合わせる被写体を選択できる。このタッチパネルによる入力指示は、液晶表示装置40に情報を表示していない状態つまり液晶表示装置40が消灯状態でも行える構成になっている。
【0038】
以下に述べる実施形態では、タッチパネルとファインダのEVF表示情報とを組み合わせることで各種入力操作を行うのであるが、ファインダを覗きながらのタッチパネルの操作であるため、つまり、ブラインドタッチによる操作であるため、その操作のし易さに問題が生じる。更に、撮影レンズ光学系13が交換されたときや、撮影レンズ光学系13のズーム倍率とファインダ装置15内におけるズーム倍率とが整合しないとき、タッチパネル上の操作可能領域が変更されるため、これに対しての使い勝手も問題となる。以下、これらの問題を解決する実施形態について説明する。
【0039】
図3は、デジタルカメラ10の背面図である。左肩にファインダ装置15が内蔵されたカメラ10の背面には、液晶表示装置40が設けられている。この液晶表示装置40には、タッチパネルが取り付けられている。
【0040】
このファインダ装置15の図2の液晶シャッタ62を開けると共に、EVF61にも情報を表示する。図4に示す例では、光学式ビューファインダを通して得られる被写体光学像に、EVF61に表示したAFエリア枠70が重ねて表示されている。
【0041】
撮影者は、ファインダ窓17を覗きながら、AFエリア枠70が中抜け状態で主要被写体に合わず、遠方に合焦してしまう虞があることを知ったとき、ファインダ装置15を覗きながらタッチパネルを起動し、タッチパネルに触れた指先を移動させることで、AFエリア枠70を所望のフォーカス位置に移動させる。例えば人物光像上に移動させる。これにより、撮影画像が意図しないピントになることを防ぐことができる。
【0042】
この様に、AFエリア枠70の位置をタッチパネルを通して制御する場合、レンズ交換式のカメラでは、光学式ビューファインダによる被写体光学像の表示領域(視野範囲)が、撮影レンズの撮影領域に対して1:1に対応しないため、撮影レンズ13をズームしたとき、ファインダ装置15内の変倍レンズ64a,64bが撮影レンズ13に伴って1:1にズームできず、光学式ビューファインダを通した被写体光学像の画角と、撮影レンズ13を通して撮影される被写体画像の画角(撮影画角)とが一致しない。
【0043】
撮影レンズ13がズームされたとき、ファインダ内の被写体光学像の表示領域(視野範囲)と、撮影レンズ13を通した撮像領域の画角とが一致しない場合には、図5に示す様に、電子式ビューファインダの表示画像として画角枠71を表示させて撮影範囲を撮影者に提示する。図5(a)はズーム前の画角枠71を示し、図5(b)はズーム後の画角枠71を示している。ズーム後の画角枠71内にあるAFエリア枠70は、当然に、ズーム前の画角枠AFエリア枠70より縮小されることになる。
【0044】
このときに、図6(a)及び図6(b)に示す様に、タッチパネル上におけるタッチ領域(タッチ操作可能領域)72も、ズームに合わせて縮小しないと、タッチ操作上の違和感が生じる。
【0045】
しかし完全に撮影レンズ13のズームに合わせてタッチ領域72のサイズを縮小してしまうと、タッチエリアが小さくなり過ぎてしまい、指先でのタッチ操作が困難となる。図6(b)のタッチ領域72内でもAFエリア枠70を指し示す領域も小さくなり、AFエリア枠70の位置を自在に設定することが難しくなってしまう。
【0046】
しかしながら、その一方で、撮影レンズ13をズームした後でも、タッチ領域72のサイズを、図6(a)に示すズーム前の最大サイズにしてしまうと、AFエリア枠70の位置操作は安定してできるが、実際に見えている大きさに対して指先を動かす量が大きくなるため、タッチ操作に違和感が生じ、結果として操作性を悪化させてしまう。
【0047】
そこで、本実施形態では、撮影レンズ13の画角と光学式ビューファインダ(OVF)の画角から、タッチ領域72のサイズを、撮影レンズ13のズームに対応した大きさと異なる大きさに決定する。図7で説明すると、タッチ領域を最大サイズを「72a」とし、ズーム倍率に対応したタッチ領域を「72b」としたとき、実際のタッチ領域72cを、「タッチ領域の最大サイズ72a>タッチ領域72c>ズーム倍率対応のタッチ領域サイズ72b」にする。
【0048】
図8は、図7のタッチ領域72cの大きさを決定する処理手順を示すフローチャートであり、図2のCPU32が実行する。先ず、ステップS1で、カメラ10に搭載されているタッチパネルの情報を取得する。即ち、タッチポイントを押し分けられる最小の限界サイズのデータを取得する。例えばズームに従ってAFエリア枠70があまりに小さくなり過ぎると、AFエリア枠70を指先で移動指定させるのが困難となるため、予め画角内をAFエリア枠70の数(例:5×5)で分割した際に、各分割エリア中央間の間隔が操作可能な距離(例えば0.5mm程度)を持つタッチ領域72cの限界サイズデータを、CPU32内のROMに記録しておく。
【0049】
次のステップS2では、光学式ビューファインダの画角情報を取得し、ステップS3で、撮影レンズ13のレンズ情報を取得する。即ちに、撮影レンズ13のワイド端の画角情報とテレ端の画角情報を取得する。ステップS4では、レンズ情報と光学式ビューファインダの画角情報を比較することで、最大サイズを決定する。即ち、ワイド端の画角(撮影領域)と光学式ビューファインダの画角(視野)とが1:1に対応するときのサイズをタッチ領域72の最大サイズと定義する。
【0050】
次のステップS5では、最大ズーム時(テレ端)にタッチ領域が限界サイズより小さくなるか否かを判定する。そして、その判定結果が肯定(Yes)の場合には、ステップS6に進み、ズームしてテレ端となった時のタッチ領域を限界サイズの大きさに設定し(即ち、タッチ領域を限界サイズ以下にはしない。)、図9に示す様に、中間ズーム時のタッチ領域(タッチエリア)の大きさを、最大サイズと限界サイズをつなぐような比で補正する。
【0051】
ステップS6の次にステップS7に進む。また、ステップS5の判定結果が否定(No)の場合には、タッチ領域の拡大補正は必要ないためステップS6を飛び越してステップS7に進む。このステップS7では、ファインダ装置15の光学式と電子式のファインダを両方用いているか否かを判定し、光学式ビューファインダ又は電子式ビューファインダの一方しか用いていない場合には、この処理を終了する。
【0052】
光学式ビューファインダ及び電子式ビューファインダの両方を使用している場合には、ステップS7からステップS8に進み、撮影レンズ13のレンズ情報と光学式ビューファインダの情報から、図5に示す画角枠71を表示する。そして次のステップS9で、この画角枠71に対応するタッチパネル上でタッチ操作を可能とするタッチ領域を設定する。
【0053】
次のステップS10では、タッチパネル操作の有無を判定する。タッチパネル操作「有り」の場合には次のステップS11で撮影レンズ13のズーム操作の有無を判定し、ズーム操作「有り」の場合にはステップS9に戻ってタッチ領域の再設定を行い、ズーム操作「無し」の場合またはタッチパネル操作「無し」の場合にはこの処理を終了する。
【0054】
撮影者がファインダ装置15を覗いているとき、タッチパネル上のどこを指先でタッチしているかは見えない。しかし、本実施形態では、AFエリア枠70をファインダ装置15のEVF61に表示するため、AFエリア枠70の移動操作をタッチパネル上で精度良く行うことが可能となり、間違った位置にピントを合わせて撮影してしまう虞がなくなる。勿論、タッチパネル上を指で触っている位置をポインタとしてEVF61上に表示することも可能である。
【0055】
このようにタッチパネルをブラインドタッチで操作するとき、撮影レンズ13を交換して撮影レンズをズームした場合でも、必要に応じてタッチ領域の適正な補正を行うため、撮影者はタッチ操作上の違和感を感じることなく、直感的な操作で的確なタッチ操作を行うことができる。
【0056】
なお、上述した実施形態では、AFエリア枠70の移動操作をタッチ操作で行う例について述べたが、この操作に限るものではない。例えば、近年のデジタルカメラでは、タッチパネル上を決められた方向に撫でるジェスチャ操作だけでシャッタを切る操作等を行う様になっているが、この様な操作にも上述した実施形態を適用することも可能である。
【0057】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。撮影レンズ13がズームされた場合、光学式ビューファインダ内の視野も変倍レンズ64a,64bの移動によりズームされる。撮影レンズ13が交換式でなく固定式の場合には、撮影レンズ13のズームと光学式ビューファインダ内の視野のズームも1:1に対応するように設計されるが、レンズ交換式の場合には、光学式ビューファインダ内のズームが連続的でなく、非連続にズームされるようなファインダ(変倍ズームファインダ)も存在する。つまり、光学式ビューファインダの被写体光学像の画角と、撮影レンズ13を通した撮影画角とが一致しないレンズ交換があり得る。
【0058】
図10(a)は、このような撮影レンズ13と変倍ズームファインダのファインダ装置15との組み合わせにおけるOVFのズーム位置と撮影レンズの撮影枠との関係を示す図である。図示の例では変倍ズームは2段に変化し、pos0〜pos1のズーム範囲とpos1以上テレ端までのズーム範囲とで、撮影枠サイズの変化が異なっている。ここで、pos0とは第1の変倍レンズの可動域の可動開始端の位置であり、pos1とはこの可動域の可動終了端且つ、第2の変倍レンズの可動域開始端の位置である。
【0059】
従って、この様な変倍ズームファインダを用いた場合、図9で説明した実施形態を各領域pos0〜pos1、pos1以上テレ端までに適用して、図10(b)に示す様に、各領域毎にタッチパネル上のタッチ領域が限界サイズ以下とならないようにしただけでは、pos1の位置すなわち両領域の境界位置でタッチ領域に段階的変化が起きてしまい、タッチ操作で違和感が生じてしまう。
【0060】
そこで、この様な変倍ズームファインダを用いる場合には、図11に示す様に、全領域(pos0〜テレ端)において、特性線75に示す様に、タッチ領域が連続的且つ一律に変化し且つ限界サイズ以下にならない様に制御するのが良い。
【0061】
図12は、図11で説明したタッチ領域の制御を行う処理手順を示すフローチャートである。図8の処理手順に同じステップには同一ステップ番号を付けてその説明は省略し、異なるステップについてのみ説明する。
【0062】
本実施形態では、図8のフローチャートに比べて、ステップS4とステップS5との間にステップS21,S22を設けた点だけが異なる。ステップS21では、カメラ10に搭載されたファインダ装置15が変倍ファインダであるか否かを判定し、変倍ファインダでない場合にはステップS22を飛び越してステップS5に進む。
【0063】
変倍ファインダの場合にはステップS21からステップS22に進み、変倍エリア補正(タッチパネルのタッチ領域を、図11で説明した特性線75に従って補正する処理)を行ってから、ステップS5に進む。
【0064】
この様に、図12の実施形態によれば、変倍間のタッチ領域サイズが連続的に変化する様に制御するため、変倍の切り替えポイントでもタッチ領域の大きさが極端に変動することなく、自然なタッチ操作を行うことができる。
【0065】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。レンズ交換式のデジタルカメラでは、撮影レンズ13とファインダ装置15の組み合わせによって、図13(a)に示す様に、光学式ファインダによる被写体光学像の視野領域(例えば、図13(a)のpos0の位置の視野範囲)が撮影レンズのワイド端における撮影領域よりも狭くなることがある。
【0066】
このような場合に、上述した実施形態の様に、図13(b)の特性線76に示す様にタッチ領域の補正を行い、タッチ領域サイズの最大サイズをOVF視野範囲(pos0の位置の視野範囲)と同じにし、テレ端で限界サイズにすると、周辺領域にピントを合わせたい時、きちんとAFエリア枠を設定できない可能性がある。
【0067】
そこで、図14の特性線77に示すように、ワイド端でタッチ領域を最大サイズとし、テレ端で限界サイズにすると、タッチ領域サイズがタッチパネルの範囲内に収まるというメリットはあるが、ワイド端付近におけるズームポジション位置で、OVF視野範囲と撮影領域とが1:1に対応するズーム領域以降から限界サイズまでの差78が少なくなってしまい、狭いタッチ領域内で操作しなければならない状態になってしまう。
【0068】
また、図15の特性線79に示す様に、撮影レンズのワイド端からpos0まで範囲(撮影領域≧OVF視野範囲)で最大サイズをクリップするような制御も考えられる。こうすると、撮影領域≧OVF視野範囲では、タッチパネル上を指で操作する移動量が同じでも、OVF内での移動量がどんどん大きくなってしまい、操作が困難になってしまう。
【0069】
そこで、本実施形態では、撮影領域≧OVF視野範囲となる領域では、図16に特性線80で示す様に、タッチ領域の補正を行う。即ち、撮影レンズのワイド端からpos0までの範囲では、ワイド端でタッチ領域を限界サイズとし、pos0位置ではタッチ領域を最大サイズとする。pos0からテレ端までの範囲では、pos0位置でタッチ領域を最大サイズとし、テレ端では限界サイズとする。
【0070】
これにより、撮影領域≧OVF視野範囲となるところでタッチ領域サイズが変わっても、ファインダ内のAFエリア枠の移動量が大きく変化しないようなタッチ領域の補正を行うことができ、ズーム位置が変わった場合でも自然なタッチ操作を行うことが可能となる。
【0071】
図17は、上述した実施形態を実施する処理手順を示すフローチャートである。図12の実施形態のフローチャートに対して、ステップS6とステップS7との間にステップS31,S32を追加した点だけが異なるため、同じステップには同一ステップ番号を付してその説明は省略し、異なるステップについてだけ説明する。
【0072】
ステップS31では、撮影領域≧OVF視野範囲であるか否かを判定する。この判定結果が肯定(Yes)の場合には、ステップS32に進み、OVF視野範囲外のワイド端でタッチ領域が限界サイズとなるように設定し、つまり、タッチ領域の大きさがズーム位置に応じて図16の特性線80となるように補正し、ステップS7に進む。ステップS31の判定結果が否定(No)の場合には、この補正は不要のため、ステップS7に進む。
【0073】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。レンズ交換式のカメラボディに装着されているファインダ装置15と撮影レンズ13との組み合わせによって、ズーム倍率が大きく手ブレが発生し易い状況になる場合がある。この様な場合、タッチパネルにブラインドタッチする際の指先も安定せず、特にタッチ領域が限界サイズに近いところでは、AFエリア枠の設定範囲もシビアになり、AFエリア枠の設定を安定して行えない可能性が生じる。
【0074】
このように、撮影レンズ13を通した撮影画角や変倍レンズを通した光学式ファインダの視野画角が揺れるような状況で、タッチ領域内の目的位置に正確にブラインドタッチすることは難しい。
【0075】
そこで、本実施形態では、ジャイロセンサ情報から手ブレの有無を判定し、手振れが有り、かつタッチ領域のサイズが限界サイズに近い場合には、ブレ量に応じてタッチ領域のエリアを拡大する処理を行う。図18で示すと、手振れが無いときのタッチ領域サイズの補正後の特性線81に対して、手振れが有るときは特性線82に補正する。
【0076】
なお、図2にはジャイロセンサは図示していないが、ジャイロセンサを図1の筐体11に固定して設け、この検出信号を図2のCPU32が取り込む構成とすればよい。
【0077】
図19は、本実施形態の処理手順を示すフローチャートである。図8の実施形態のフローチャートに比べてステップS8とステップS9との間にステップS41,S42を入れた点だけが異なるため、図8と同じ処理ステップには同じステップ番号を付けてその説明は省略し、異なる点だけを説明する。
【0078】
ステップS8で画角枠がファインダ内に表示された後、ステップS41でCPU32はジャイロ情報を取得する。そして、次のステップS42で、図18に示すように、ステップS6で設定された特性線81を、特性線82に補正する。どの程度、特性線81を特性線82にずらす(タッチ領域を拡大する)かは、ジャイロセンサが検出した手振れ量に応じ、手振れが大きいほどタッチ領域を大きくする。ずらす量の上限つまりタッチ領域の最大値は、ステップS4で決定した最大サイズである。
【0079】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。上述し図19の実施形態では、手振れ量に応じてタッチ領域を拡大してタッチし易い様に制御したが、手振れが極端にひどいときや、流し撮りなどを行っているときには、タッチ領域を拡大すると更に指先の移動量を大きくしないといけないため、却ってカメラのホールドが難しくなり、AFエリア枠のコントロールが難しくなるときがある。
【0080】
そこで、ジャイロセンサから得られる手ブレ量がある閾値を越えた場合には、
タッチ領域を拡大するのではなく、図20に示す様に、タッチ領域72に対応する画角枠71を複数領域(図示の例では5×5=25の領域)83に分割し、タッチ位置の移動方向つまり指先を動かした方向を解析し、指先を動かした方向にある分割エリア83にAFエリア枠70を移動させる様にする。
【0081】
前述の第4実施形態では、AFエリア枠70を任意にタッチ位置に応じて移動させたが、本実施形態では、離散的な分割エリア83毎に移動させるため、手振れが酷いときに安定したAFエリア枠83の設定が可能となる。
【0082】
図21は、第5実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。図19の処理手順に比較してステップS43〜S49を追加したフローチャートとなってるため、同じ処理ステップには同じステップ番号を付してその説明は省略し、異なるステップを中心に説明する。
【0083】
第4実施形態と同様に、ステップS41でジャイロ情報を取得し、ステップS42でタッチ領域サイズをブレ補正した後、次のステップS43で、ブレ量が閾値より大であるか否かを判定する。閾値以下のブレ量の場合には、ステップS44に進み、フリーエリア方式(第4の実施形態と同じ)を選択してステップS9に進み、タッチ領域(タッチエリア)を設定する。ブレ量が閾値より大の場合にはステップS45に進み、方向判別エリア選択方式(図20で説明した方式)を選択してステップS9に進み、タッチ領域を設定する。
【0084】
ステップS10でタッチパネルの操作有りと判定された場合にはステップS46に進み、方向判別エリア方式が選択されたか否かを判定する。この判定結果が否定の場合にはステップS49に進んでフリーエリアによるエリア設定、つまりステップS9で設定されたタッチ領域内でタッチされた位置にAFエリア枠を設定し、ステップS11に進む。
【0085】
ステップS46で方向判別エリア方式が選択されていると判定された場合つまり判定結果が肯定(Yes)の場合には、ステップS47に進み、指先の動く方向を識別し、次のステップS48で指先の動く先の図20で説明した分割エリア83をAFエリア枠として選択して、ステップS11に進む。
【0086】
以上述べた実施形態によれば、手振れが閾値より大きい場合には、AFエリア枠の設定を自由設定状態から分割エリア選択制御方式に切り替えるため、安定したフォーカスエリア枠の設定が実現可能となる。
【0087】
以上述べた様に、実施形態の撮像装置及びその制御方法は、被写体光像を観察可能な光学式ファインダと表示装置の表示画像からの光像を前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像に重畳する電子式ファインダとを併せ持つファインダと、焦点距離を変更可能な撮影レンズと、前記撮影レンズを通して被写体からの入射光を受光して被写体光像に応じた撮像画像信号を出力する固体撮像素子と、前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像上の位置をタッチ操作によって指定するタッチパネルとを備える撮像装置において、前記タッチパネル上においてタッチ操作を行えるタッチ領域のサイズを前記焦点距離が大きいほど小さく変更し、かつ、該タッチ領域のサイズが、前記タッチ操作可能な最小限界である限界サイズよりも小さくなるのを制限する制御手段を備えることを特徴とする。
【0088】
また、実施形態の撮像装置の前記制御手段は、前記タッチ領域の最大サイズと前記限界サイズとの間で、前記焦点距離に対して単調減少するように前記タッチ領域のサイズを変更することを特徴とする。
【0089】
また、実施形態の撮像装置は、前記光学式ファインダの倍率を前記焦点距離に応じて段階的に変更する変倍手段を備え、前記制御手段は、前記光学式ファインダの倍率にかかわらず前記焦点距離を変更可能な範囲に渡って、該焦点距離に応じて単調減少するように前記タッチ領域のサイズを変更することを特徴とする。
【0090】
また、実施形態の撮像装置の前記制御手段は、前記撮影レンズの撮影領域が前記光学式ファインダの視野範囲よりも大きくなる前記焦点距離の範囲では、前記限界サイズと前記最大サイズとの間で、前記焦点距離に対して単調増加するように前記タッチ領域のサイズを変更することを特徴とする。
【0091】
また、実施形態の撮像装置は、手振れを検出する手振れ検出手段を備え、前記制御手段は、前記手振れが大きいほど前記タッチ領域のサイズを大きく補正することを特徴とする。
【0092】
また、実施形態の撮像装置は、手振れを検出する手振れ検出手段と、前記手振れの大きさが閾値未満の場合は、前記タッチ操作で指定した位置に基づいて、前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像上の領域を決定し、前記手振れの大きさが閾値以上の場合は、前記被写体光像上の複数の部分領域のうちの少なくとも1つを、前記タッチ操作で指定した位置の変化に応じて選択する領域決定手段とを備えることを特徴とする。
【0093】
以上述べた実施形態によれば、撮影者は、ファインダを覗きながらブラインドタッチ操作でタッチパネルを操作するときの操作感が阻害されることがなくなり、直感的にタッチ操作することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係る制御方法は、タッチパネル上のタッチ領域の広さを、撮影レンズのズーム倍率に応じて変化させるとき限界サイズ以下にはしないようにしているため、ファインダを覗きながらブラインドタッチ操作するときの操作感を阻害することなく直感的にタッチ操作することができ、ファインダを搭載したデジタルカメラに適用すると有用である。
【符号の説明】
【0095】
10 デジタルカメラ(撮像装置)
11 カメラ筐体
13 レンズ交換式の撮影レンズ
14 シャッタボタン
15 ファインダ装置
16 ファインダ窓
17 撮影者側ファインダ覗き窓
32 CPU
40 タッチパネル付きの液晶表示装置
61 EVF
62 液晶シャッタ
63 ハーフミラー
64a,64b 変倍レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体光像を観察可能な光学式ファインダと表示装置の表示画像からの光像を前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像に重畳する電子式ファインダとを併せ持つファインダと、焦点距離を変更可能な撮影レンズと、前記撮影レンズを通して被写体からの入射光を受光して被写体光像に応じた撮像画像信号を出力する固体撮像素子と、前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像上の位置をタッチ操作によって指定するタッチパネルと、該タッチパネル上においてタッチ操作を行えるタッチ領域のサイズを前記焦点距離が大きいほど小さく変更し、かつ、該タッチ領域のサイズが、前記タッチ操作可能な最小限界である限界サイズよりも小さくなるのを制限する制御手段とを備える撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置であって、前記制御手段は、前記タッチ領域の最大サイズと前記限界サイズとの間で、前記焦点距離に対して単調減少するように前記タッチ領域のサイズを変更する撮像装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の撮像装置であって、前記光学式ファインダの倍率を前記焦点距離に応じて段階的に変更する変倍手段を備え、前記制御手段は、前記光学式ファインダの倍率にかかわらず前記焦点距離を変更可能な範囲に渡って、該焦点距離に応じて単調減少するように前記タッチ領域のサイズを変更する撮像装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の撮像装置であって、前記制御手段は、前記撮影レンズの撮影領域が前記光学式ファインダの視野範囲よりも大きくなる前記焦点距離の範囲では、前記限界サイズと前記最大サイズとの間で、前記焦点距離に対して単調増加するように前記タッチ領域のサイズを変更する撮像装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置であって、手振れを検出する手振れ検出手段を備え、前記制御手段は、前記手振れが大きいほど前記タッチ領域のサイズを大きく補正する撮像装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置であって、手振れを検出する手振れ検出手段と、前記手振れの大きさが閾値未満の場合は、前記タッチ操作で指定した位置に基づいて、前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像上の領域を決定し、前記手振れの大きさが閾値以上の場合は、前記被写体光像上の複数の部分領域のうちの少なくとも1つを、前記タッチ操作で指定した位置の変化に応じて選択する領域決定手段とを備えた撮像装置。
【請求項7】
被写体光像を観察可能な光学式ファインダと表示装置の表示画像からの光像を前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像に重畳する電子式ファインダとを併せ持つファインダと、焦点距離を変更可能な撮影レンズと、前記撮影レンズを通して被写体からの入射光を受光して被写体光像に応じた撮像画像信号を出力する固体撮像素子と、前記光学式ファインダにおいて観察される被写体光像上の位置をタッチ操作によって指定するタッチパネルとを備える撮像装置の制御方法であって、前記タッチパネル上においてタッチ操作を行えるタッチ領域のサイズを前記焦点距離が大きいほど小さく変更し、かつ、該タッチ領域のサイズが、前記タッチ操作可能な最小限界である限界サイズよりも小さくなるのを制限する撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−80996(P2013−80996A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218534(P2011−218534)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】