撮像装置及び光量調節機構
【課題】 小型化を図る。
【解決手段】 撮像光学系の光路を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根16、17と、撮像光学系の光路となる透過孔26aを有し光量調節羽根を移動自在に支持するベース体26と、光量調節羽根に摺動自在に係合される係合ピン27b、27bを有し光量調節羽根を並進移動させる回動アーム27と、回動アームを回動させる駆動モーター18と、少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて透過孔を開閉する補助調節用羽根23とを設け、透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔を閉塞し、透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔を開放するようにした。
【解決手段】 撮像光学系の光路を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根16、17と、撮像光学系の光路となる透過孔26aを有し光量調節羽根を移動自在に支持するベース体26と、光量調節羽根に摺動自在に係合される係合ピン27b、27bを有し光量調節羽根を並進移動させる回動アーム27と、回動アームを回動させる駆動モーター18と、少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて透過孔を開閉する補助調節用羽根23とを設け、透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔を閉塞し、透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔を開放するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及び光量調節機構についての技術分野に関する。詳しくは、光量調節羽根に加え撮像光学系の光路となる透過孔を開閉する補助調節用羽根を設け、撮像装置及び光量調節機構の小型化を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置には、一対の光量調節羽根(絞り羽根)を撮像光学系の光軸に対して直交する面内において駆動モーターの駆動力によって並進移動させることにより、撮像光学系の光路を開閉し光量調節を行うようにした光量調節機構を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下に、このような撮像装置に設けられた従来の光量調節機構の一例を示す(図9及び図10参照)。
【0004】
光量調節機構aは、一対の絞り羽根として機能する光量調節羽根b、cを有しており、該光量調節羽根b、cが互いに離接する方向(上下方向)へ並進移動されることにより入射光量の調節が行われる。
【0005】
光量調節羽根bには下方に開口された開口用切欠dが形成され、左右両側縁に上下に長い被案内孔e、eが形成されている。光量調節羽根bには左右に長い摺動孔fが形成されている。
【0006】
光量調節羽根cには上方に開口された開口用切欠gが形成され、左右両側縁に上下に長い被案内孔h、hが形成されている。光量調節羽根cには左右に長い摺動孔iが形成されている。
【0007】
光量調節羽根b、cはそれぞれベース体jに上下方向へ移動自在に支持されている。ベース体jは縦長の略矩形状に形成され、略中央部に撮像光学系の光路となる透過孔kを有し、光学系の光軸が透過孔kの中心を通る位置に設定されている。
【0008】
ベース体jには前方へ突出された4つの案内ピンl、l、・・・が設けられている。ベース体jの案内ピンl、l、・・・は、それぞれ光量調節羽根b、cの被案内孔e、e、h、hに挿入されて摺動自在に係合される。
【0009】
ベース体jの後方には図示しない駆動モーターが配置され、該駆動モーターのモーター軸がベース体jを貫通され、該モーター軸に回動アームmが固定されている。
【0010】
回動アームmはアーム部nと該アーム部nの両端部から突出された係合ピンo、oとから成る。アーム部nは、長手方向における中央部がモーター軸に固定されている。回動アームmの係合ピンo、oは、それぞれ光量調節羽根b、cの摺動孔f、iに摺動自在に係合されている。
【0011】
駆動モーターの回転に伴って回動アームmが回動されると、回動アームmの係合ピンo、oがそれぞれ光量調節羽根b、cの摺動孔f、iに対して摺動され、光量調節羽根b、cが案内ピンl、l、・・・に案内されて互いに離接する方向(上下方向)へ並進移動される。
【0012】
このとき駆動モーターが一方の方向へ回転されると、図9に示すように、光量調節羽根b、cが互いに離れる方向へ移動され、光量調節羽根b、cの開口用切欠d、gによって形成される開口の面積が大きくなり透過孔kが開放されていくことにより入射光量が増加する。逆に、回動アームmが、他方の方向へ回転されると、図10に示すように、光量調節羽根b、cが互いに近づく方向へ移動され、光量調節羽根b、cの開口用切欠d、gによって形成される開口の面積が小さくなり透過孔kが閉塞されていくことにより入射光量が減少する。
【0013】
従って、ベース体jの透過孔kを透過する光については、光量調節羽根b、cの開口用切欠d、gによって形成される開口の大きさによって光量調節が行われる。
【0014】
【特許文献1】特開2001−272709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、上記のような一対の光量調節羽根b、cによって構成された光量調節機構aにあっては、各部品の組立時の誤差が生じた場合においても確実な遮光性能を確保するために、光量調節羽根b、cによって透過孔kが閉塞されたときにオーバーラップ部分A(図10参照)が形成されるようにしている。また、光量調節機構aが静止画撮影時におけるシャッターとしても使用される場合があり、この場合には、光量調節羽根b、cを高速で閉じる動作が行われ、このとき発生し得る光量調節羽根b、cの閉塞状態から開放状態への移動であるリバウンドによる再露光を防止するためにも、上記したオーバーラップ部分Aが必要とされる。
【0016】
また、透過孔kの開放時には、光量調節羽根b、cが透過孔kより外側に回避されていなければならないが、この回避した位置は組立時の誤差を考慮して定められるため、組立誤差分の余裕B(図10参照)が必要とされる。
【0017】
従って、光量調節羽根b、cには開口用切欠d、gの外側に、移動方向において、オーバーラップ部分Aの半分+組立誤差分の余裕B+透過孔kの半径Cの長さが必要とされ、その分、光量調節機構aが大型となってしまうという問題がある。
【0018】
このような光量調節機構aをレンズ鏡筒に組み込んだ場合には、光量調節機構aが大型となることから、その一部がレンズ鏡筒から外側へ突出されてしまうことが多く、レンズ鏡筒が配置されたビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置の小型化を阻害してしまう。
【0019】
加えて、撮像装置における光量調節機構aの周囲には、設計上、ストロボ、マイク、オートフォーカス補助光発光装置等の各部品が配置されることが多いが、これらの各部品とレンズ鏡筒から突出された光量調節機構aの一部とが位置的に干渉し、各部品の配置の自由度が阻害され、デザイン上及び機能上の自由度が阻害されるおそれがある。
【0020】
また、レンズ鏡筒から光量調節機構aの一部が突出される場合には、レンズ鏡筒を含むレンズユニットの取扱時に、不測の外力を受ける機会が増加し、この外力による光量調節機構aの動作不良を引き起こすおそれもある。
【0021】
そこで、本発明は、上記した問題点を克服し、撮像装置及び光量調節機構の小型化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明撮像装置は、上記した課題を解決するために、内部に撮像光学系が配置されたレンズ鏡筒と、互いに離接する方向へ並進移動され撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを設け、上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔を閉塞し、上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔を開放するようにしたものである。
【0023】
本発明光量調節機構は、上記した課題を解決するために、互いに離接する方向へ並進移動されレンズ鏡筒の内部に配置された撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを設け、上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔を閉塞し、上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する位置関係となる状態で透過孔を開放するようにしたものである。
【0024】
従って、本発明撮像装置及び光量調節機構にあっては、撮像光学系の光路となる透過孔が一対の光量調節羽根及び補助調節用羽根によって閉塞され、透過孔の閉塞時に同じ方向へ動作される光量調節羽根と補助調節用羽根が重なった状態で位置される。
【発明の効果】
【0025】
本発明撮像装置は、内部に撮像光学系が配置されたレンズ鏡筒と、互いに離接する方向へ並進移動され撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを備え、上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔が閉塞され、上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔が開放されるようにしたことを特徴とする。
【0026】
従って、一対の光量調節羽根のみによって透過孔を開閉するようにした場合に比し、同じ方向へ移動される光量調節羽根及び補助調節用羽根の移動方向における長さが短くて済み、その分、光量調節機構の小型化による撮像装置の小型化を図ることができる。
【0027】
また、光量調節機構の小型化を図ることができるため、光量調節機構をレンズ鏡筒に対して外側に突出させない状態で配置し易くなり、他の部品との配置上の干渉を回避することが可能となり、レンズ鏡筒の周囲に配置される各部品の配置の自由度の向上を図ることができる。
【0028】
さらに、光量調節機構をレンズ鏡筒に対して外側に突出させない状態で配置し易くなるため、光量調節機構において不測の外力を受ける機会が低減し、この外力による光量調節機構の動作不良を防止することができる。
【0029】
請求項2に記載した発明にあっては、上記回動アームに、該回動アームの回動支点から上記係合ピンまでの間の位置に補助調節用羽根に摺動自在に係合される係合突部を設け、回動アームの回動動作によって補助調節用羽根が並進移動されるようにしたので、部品点数を少なくすることができると共に配置スペースの低減による小型化を図ることができる。
【0030】
本発明光量調節機構は、互いに離接する方向へ並進移動されレンズ鏡筒の内部に配置された撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを備え、上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔が閉塞され、上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔が開放されるようにしたことを特徴とする。
【0031】
従って、一対の光量調節羽根のみによって透過孔を開閉するようにした場合に比し、同じ方向へ移動される光量調節羽根及び補助調節用羽根の移動方向における長さが短くて済み、その分、光量調節機構の小型化を図ることができる。
【0032】
また、光量調節機構の小型化を図ることができるため、光量調節機構をレンズ鏡筒に対して外側に突出させない状態で配置し易くなり、他の部品との配置上の干渉を回避することが可能となり、レンズ鏡筒の周囲に配置される各部品の配置の自由度の向上を図ることができる。
【0033】
さらに、光量調節機構をレンズ鏡筒に対して外側に突出させない状態で配置し易くなるため、光量調節機構において不測の外力を受ける機会が低減し、この外力による光量調節機構の動作不良を防止することができる。
【0034】
請求項4に記載した発明にあっては、上記回動アームに、該回動アームの回動支点から上記係合ピンまでの間の位置に補助調節用羽根に摺動自在に係合される係合突部を設け、回動アームの回動動作によって補助調節用羽根が並進移動されるようにしたので、部品点数を少なくすることができると共に配置スペースの低減による小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本発明撮像装置及び光量調節機構を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。以下に示す最良の形態は、本発明撮像装置をスチルカメラに適用し、本発明光量調節機構をこのスチルカメラに用いられた光量調節機構に適用したものである。尚、本発明の適用範囲はスチルカメラ又はスチルカメラに用いられた機構に限られることはなく、本発明は、ビデオカメラの他、動画撮影又は静止画撮影の機能を有する各種の撮像装置又はこれらの撮像装置に用いられた各種の光量調節機構に適用することができる。
【0036】
撮像装置1(デジタルスチルカメラ)は、図1に示すように、撮像機能を有するカメラブロック2と、撮影された画像信号のアナログ−デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部3と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部4と、撮影された画像等を表示する表示部5と、記録媒体100に対する記録/再生を行う記録再生部6と、撮像装置1の全体を制御する中央演算処理装置7と、ユーザーによる操作入力を行うための入力操作部8と、カメラブロック2の各種のレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部9とを備えている。
【0037】
カメラブロック2は、レンズ鏡筒10、該レンズ鏡筒10内に配置された各レンズ等の撮像光学系及びCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子11等により構成される。
【0038】
カメラ信号処理部3は、撮像素子11からの出力信号(アナログ信号)のデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度信号や色差信号への変換等の信号処理を行う。
【0039】
画像処理部4は、所定の画像データーフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化、伸長復号化処理、解像度等のデーター仕様の変換処理等を行う。
【0040】
記録媒体100は、例えば、着脱可能な半導体メモリーである。
【0041】
表示部5は、例えば、液晶ディスプレイである。
【0042】
記録再生部6は、画像処理部4によって符号化された画像データーの記録媒体100への書込や記録媒体100に記録された画像データーの読出を行う。
【0043】
中央演算処理装置7は、撮像装置1に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部であり、入力操作部8からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
【0044】
入力操作部8は、例えば、シャッター操作を行うためのシャッターレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等により構成され、ユーザーによる操作に応じた指示入力信号を中央演算処理装置7に対して出力する。
【0045】
レンズ駆動制御部9は、中央演算処理装置7からの制御信号に基づいて、レンズ鏡筒10の内部に配置された各レンズ、例えば、ズーム用の後述する変倍レンズやフォーカス用の後述するフォーカスレンズを駆動する図示しないモーター等を制御する。
【0046】
以下に、撮像装置1の動作を簡単に説明する。
【0047】
撮影の待機状態においては、中央演算処理装置7による制御の下で、カメラブロック2において撮影された画像信号が、カメラ信号処理部3を介して表示部5に出力され、カメラスルー画像として表示される。
【0048】
入力操作部8からのズーミングのための指示入力信号が入力されると、中央演算処理装置7がレンズ駆動制御部9に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部9の制御に基づいて、レンズ鏡筒10に配置された変倍レンズが移動される。
【0049】
フォーカシングは、例えば、シャッターレリーズボタンが半押しされた場合、又は、記録のために全押しされた場合等に、中央演算処理装置7からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部9がレンズ鏡筒10内のフォーカスレンズを移動させることにより行われる。
【0050】
入力操作部8からの指示入力信号によりカメラブロック2の図示しないシャッターが動作されると、画像信号がカメラ信号処理部3から画像処理部4に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデーターフォーマットのデジタルデーターに変換される。変換されたデーターは記録再生部6に出力され、記録媒体100に書き込まれる。
【0051】
記録媒体100に記録された画像データーを再生する場合は、入力操作部8による操作に応じて、記録再生部6により記録媒体100から所定の画像データーが読み出され、画像処理部4で伸張復号化処理された後、再生画像信号が表示部5に出力される。これにより再生画像が表示される。
【0052】
次に、カメラブロック2の構成例について説明する(図1参照)。
【0053】
カメラブロック2のレンズ鏡筒10には光量調節機構12が配置され、該光量調節機構12を挟んだ光軸方向における反対側の位置に変倍レンズ13とフォーカスレンズ14が光軸方向に移動可能な状態で配置されている。レンズ鏡筒10の前端部にはレンズ15が配置されている。
【0054】
光量調節機構12は、図2に示すように、一対の絞り羽根として機能する光量調節羽根16、17を有しており、該光量調節羽根16、17が互いに離接する方向(上下方向)へ並進移動されることにより入射光量の調節が行われる。光量調節羽根16、17は駆動モーター18の駆動力によって並進移動される。
【0055】
光量調節羽根16は主部19と該主部19の左端部から下方へ突出された突部20とが一体に形成されて成る。光量調節羽根16には上方に開口された開口用切欠16aが形成されている。
【0056】
主部19の左右両側縁には、それぞれ上下に長い被案内孔19a、19aが形成され、該被案内孔19a、19a間に開口用切欠16aが形成されている。
【0057】
突部20には上下に長い被案内孔20aが形成されている。突部20の下端部には、左右に長い摺動孔20bが形成されている。
【0058】
光量調節羽根17は主部21と該主部21の一方の側縁部から下方へ突出された突部22とが一体に形成されて成る。光量調節羽根17には下方に開口された開口用切欠17aが形成されている。
【0059】
主部21の左右両側縁には、それぞれ上下に長い被案内孔21a、21aが形成されている。
【0060】
突部22には上下に長い被案内孔22aが形成されている。突部22の下端部には左右に長い摺動孔22bが形成されている。
【0061】
光量調節機構12は、図2に示すように、補助調節用羽根23を有している。補助調節用羽根23は光量調節羽根17と同じ方向へ駆動モーター18の駆動力によって並進移動される。
【0062】
補助調節用羽根23は主部24と該主部24の一方の側縁部から下方へ突出された突部25とが一体に形成されて成る。補助調節用羽根23には下方に開口された開口用切欠23aが形成されている。主部24には、一方の側縁に上下に長い被案内孔24aが形成されている。
【0063】
突部25には上下に長い被案内孔25aが形成されている。突部25の下端部には左右に長い摺動孔25bが形成されている。
【0064】
光量調節羽根16、17及び補助調節用羽根23はそれぞれベース体26に上下方向へ移動自在に支持される(図2乃至図5参照)。
【0065】
ベース体26は、図2に示すように、縦長の略矩形状に形成され、略中央部に撮像光学系の光路となる透過孔26aを有し、光学系の光軸が透過孔26aの中心を通る位置に設定されている。ベース体26の下端寄りの位置には軸挿通孔26bが形成されている。ベース体26には上下左右に離隔して前方へ突出された4つの案内ピン26c、26c、・・・が設けられている。
【0066】
ベース体26の3つの案内ピン26c、26c、26cは、図3に示すように、それぞれ光量調節羽根16の被案内孔19a、19a、20aに挿入されて摺動自在に係合される。また、ベース体26の3つの案内ピン26c、26c、26cは、図4に示すように、それぞれ光量調節羽根17の被案内孔21a、21a、22aに挿入されて摺動自在に係合される。さらに、ベース体26の2つの案内ピン26c、26cは、図5に示すように、それぞれ補助調節用羽根23の被案内孔24a、25aに挿入されて摺動自在に係合される。
【0067】
即ち、1つ目の案内ピン26cは光量調節羽根16の被案内孔19aと光量調節羽根17の被案内孔21aとに係合され、2つ目の案内ピン26cは光量調節羽根16の被案内孔19aと光量調節羽根17の被案内孔21aと補助調節用羽根23の被案内孔24aに係合され、3つ目の案内ピン26cは光量調節羽根17の被案内孔22aと補助調節用羽根23の被案内孔25aに係合され、4つ目の案内ピン26cは光量調節羽根16の被案内孔20aのみに係合される。
【0068】
ベース体26に光量調節羽根16、17及び補助調節用羽根23が支持された状態において、光量調節羽根16、17及び補助調節用羽根23を閉塞する図示しないカバー体がベース体26に取り付けられる。カバー体にはベース体26の透過孔26aに対応して位置される開口部が形成されている。
【0069】
ベース体26の後方には駆動モーター18が配置される(図2参照)。駆動モーター18はモーター軸18aが前後に延びる向きで配置されている。駆動モーター18のモーター軸18aはベース体26の軸挿通孔26bを貫通されている。
【0070】
駆動モーター18のモーター軸18aには回動アーム27が固定されている。回動アーム27はアーム部27aと該アーム部27aの長手方向における両端部から突出された係合ピン27b、27bとアーム部27aの長手方向における中間部から突出された係合突部27cとから成る。係合突部27cは回動アーム27の回動支点と一方の係合ピン27bとの間の位置に設けられ、例えば、回動支点から係合突部27cまでの距離が回動支点から係合ピン27bまでの距離の2分の1にされている。
【0071】
回動アーム27の係合ピン27b、27bはそれぞれ光量調節羽根16、17の摺動孔20b、22bに摺動自在に係合される。回動アーム27の係合突部27cは補助調節用羽根23の摺動孔25bに摺動自在に係合される。
【0072】
上記のように、回動アーム27にあっては、回動支点から係合突部27cまでの距離が回動支点から係合ピン27bまでの距離の2分の1にされているため、回動アーム27が回動されたときの補助調節用羽根23の移動量は光量調節羽根17の移動量の2分の1になる。
【0073】
尚、補助調節用羽根23の移動量を必ずしも光量調節羽根17の移動量の2分の1に設定する必要はなく、回動支点から係合突部27cまでの距離と回動支点から係合ピン27bまでの距離との比を任意に設計することにより、補助調節用羽根23の移動量と光量調節羽根17の移動量の比を任意に設定することが可能である。
【0074】
以下に、駆動モーター18の回転に伴う光量調節羽根16、17及び補助調節用羽根23の動作について説明する(図6乃至図8参照)。
【0075】
駆動モーター18の回転に伴って回動アーム27が回動されると、回動アーム27の係合ピン27b、27bがそれぞれ光量調節羽根16、17の摺動孔20b、22bに対して摺動されることにより、光量調節羽根16、17が案内ピン26c、26c、・・・に案内されて互いに離接する方向(上下方向)へ並進移動される。同時に、回動アーム27の係合突部27cが補助調節用羽根23の摺動孔25bに対して摺動されることにより、補助調節用羽根23が案内ピン26c、26cに案内されて光量調節羽根17と同じ方向へ並進移動される。
【0076】
このとき駆動モーター18が一方の方向へ回転されると、図6に示す透過孔26aを開放する開放状態から、光量調節羽根16が上方へ移動されると共に光量調節羽根17及び補助調節用羽根23が下方へ移動され、光量調節羽根16、17の開口用切欠16a、17aによって形成される開口の面積が小さくなり透過孔26aが閉塞されていくことにより入射光量が漸次減少する(図7参照)。
【0077】
開放状態においては、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24とが厚み方向において重なる位置関係とされており、上記のように、補助調節用羽根23の移動量が光量調節羽根17の移動量の2分の1に設定されているため、開放状態からの上記移動に伴って、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24との厚み方向における重なる面積が漸次減少する状態とされていく。
【0078】
さらに駆動モーター18が一方の方向へ回転されることにより、図7に示す状態から、光量調節羽根16が上方へ移動されると共に光量調節羽根17及び補助調節用羽根23が下方へ移動され、光量調節羽根16、17の開口用切欠16a、17aによって形成される開口の面積が小さくなり透過孔26aが閉塞されていくことにより入射光量が漸次減少し、透過孔26aを閉塞する閉塞状態に至る(図8参照)。
【0079】
この閉塞状態に至る過程においても、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24との厚み方向における重なる面積が漸次減少する状態とされていく。
【0080】
透過孔26aが閉塞された閉塞状態においては、図8に示すように、光量調節羽根16の主部19と光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24とによって透過孔26aが閉塞される。
【0081】
逆に、駆動モーター18が他方の方向へ回転されると、図8に示す透過孔26aを閉塞する閉塞状態から、光量調節羽根16が下方へ移動されると共に光量調節羽根17及び補助調節用羽根23が上方へ移動され、光量調節羽根16、17の開口用切欠16a、17aによって形成される開口の面積が大きくなり透過孔26aが開放されていくことにより入射光量が漸次増加し、図7の状態から図6の開放状態に至る。
【0082】
閉塞状態から開放状態へ至るときには、光量調節羽根17と補助調節用羽根23の移動に伴って、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24との厚み方向における重なる面積が漸次増加する状態とされていく。
【0083】
以上に記載した通り、撮像装置1にあっては、光量調節羽根17と同じ方向へ移動されて透過孔26aを開閉する補助調節用羽根23を設け、透過孔26aを閉塞する閉塞動作時には、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24との厚み方向における重なる面積が漸次減少する状態となるようにし、透過孔26aを開放する開放動作時には、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24ととの厚み方向における重なる面積が漸次増加する状態となるようにしているため、光量調節羽根16と光量調節羽根17のみによって透過孔26aを開閉するようにした場合に比し、光量調節羽根17及び補助調節用羽根23の移動方向における長さが短くて済み、その分、光量調節機構12の小型化を図ることができる。
【0084】
また、光量調節機構12の小型化を図ることができるため、光量調節機構12をレンズ鏡筒10に対して外側に突出させない状態で配置し易くなり、他の部品との配置上の干渉を回避することが可能となり、レンズ鏡筒10の周囲に配置される各部品の配置の自由度の向上を図ることができる。
【0085】
さらに、光量調節機構12をレンズ鏡筒10に対して外側に突出させない状態で配置し易くなるため、光量調節機構12において不測の外力を受ける機会が低減し、この外力による光量調節機構12の動作不良を防止することができる。
【0086】
加えて、回動アーム27に係合ピン27b、27b及び係合突部27cを設けて1つの駆動モーター18によって光量調節羽根16、17及び補助調節用羽根23を動作させているため、その分、部品点数を少なくすることができると共に配置スペースの低減による一層の小型化を図ることができる。
【0087】
尚、上記には、光量調節羽根17と同じ方向に移動する補助調節用羽根23を例として示したが、これに代えて光量調節羽根16と同じ方向へ移動する補助調節用羽根を設けてもよく、また、光量調節羽根16と同じ方向へ移動する補助調節用羽根と光量調節羽根17と同じ方向へ移動する補助調節用羽根の双方を設けてもよい。光量調節羽根16と同じ方向へ移動する補助調節用羽根を設けた場合には、光量調節羽根16の移動方向における長さを短くすることができる。
【0088】
また、設ける補助調節用羽根の数は任意であり、同じ方向へ移動される移動量の異なる補助調節用羽根を複数設けることにより、光量調節機構の一層の小型化を図ることが可能である。
【0089】
さらに、光量調節羽根16、17を動作させるための駆動機構と補助調節用羽根を動作させるための駆動機構とを各別に設けることも可能である。
【0090】
尚、上記に示した上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、これらの方向に限定されることはない。
【0091】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図2乃至図8と共に本発明の最良の形態を示すものであり、本図は、撮像装置の基本構成を示す概念図である。
【図2】光量調節機構の分解斜視図である。
【図3】ベース体に一方の光量調節羽根が支持された状態を示す拡大正面図である。
【図4】ベース体に他方の光量調節羽根が支持された状態を示す拡大正面図である。
【図5】ベース体に補助調節用羽根が支持された状態を示す拡大正面図である。
【図6】図7及び図8とともに光量調節機構の動作を示すものであり、本図は開放状態を示す拡大正面図である。
【図7】動作途中の状態を示す拡大正面図である。
【図8】閉塞状態を示す拡大正面図である。
【図9】図10と共に従来の光量調節機構を示すものであり、本図は透過孔が開放された状態を示す拡大正面図である。
【図10】透過孔が閉塞された状態を示す拡大正面図である。
【符号の説明】
【0093】
1…撮像装置、10…レンズ鏡筒、16…光量調節羽根、17…光量調節羽根、18…駆動モーター、23…補助調節用羽根、26…ベース体、26a…透過孔、27…回動アーム、27b…係合ピン、27c…係合突部
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置及び光量調節機構についての技術分野に関する。詳しくは、光量調節羽根に加え撮像光学系の光路となる透過孔を開閉する補助調節用羽根を設け、撮像装置及び光量調節機構の小型化を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置には、一対の光量調節羽根(絞り羽根)を撮像光学系の光軸に対して直交する面内において駆動モーターの駆動力によって並進移動させることにより、撮像光学系の光路を開閉し光量調節を行うようにした光量調節機構を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下に、このような撮像装置に設けられた従来の光量調節機構の一例を示す(図9及び図10参照)。
【0004】
光量調節機構aは、一対の絞り羽根として機能する光量調節羽根b、cを有しており、該光量調節羽根b、cが互いに離接する方向(上下方向)へ並進移動されることにより入射光量の調節が行われる。
【0005】
光量調節羽根bには下方に開口された開口用切欠dが形成され、左右両側縁に上下に長い被案内孔e、eが形成されている。光量調節羽根bには左右に長い摺動孔fが形成されている。
【0006】
光量調節羽根cには上方に開口された開口用切欠gが形成され、左右両側縁に上下に長い被案内孔h、hが形成されている。光量調節羽根cには左右に長い摺動孔iが形成されている。
【0007】
光量調節羽根b、cはそれぞれベース体jに上下方向へ移動自在に支持されている。ベース体jは縦長の略矩形状に形成され、略中央部に撮像光学系の光路となる透過孔kを有し、光学系の光軸が透過孔kの中心を通る位置に設定されている。
【0008】
ベース体jには前方へ突出された4つの案内ピンl、l、・・・が設けられている。ベース体jの案内ピンl、l、・・・は、それぞれ光量調節羽根b、cの被案内孔e、e、h、hに挿入されて摺動自在に係合される。
【0009】
ベース体jの後方には図示しない駆動モーターが配置され、該駆動モーターのモーター軸がベース体jを貫通され、該モーター軸に回動アームmが固定されている。
【0010】
回動アームmはアーム部nと該アーム部nの両端部から突出された係合ピンo、oとから成る。アーム部nは、長手方向における中央部がモーター軸に固定されている。回動アームmの係合ピンo、oは、それぞれ光量調節羽根b、cの摺動孔f、iに摺動自在に係合されている。
【0011】
駆動モーターの回転に伴って回動アームmが回動されると、回動アームmの係合ピンo、oがそれぞれ光量調節羽根b、cの摺動孔f、iに対して摺動され、光量調節羽根b、cが案内ピンl、l、・・・に案内されて互いに離接する方向(上下方向)へ並進移動される。
【0012】
このとき駆動モーターが一方の方向へ回転されると、図9に示すように、光量調節羽根b、cが互いに離れる方向へ移動され、光量調節羽根b、cの開口用切欠d、gによって形成される開口の面積が大きくなり透過孔kが開放されていくことにより入射光量が増加する。逆に、回動アームmが、他方の方向へ回転されると、図10に示すように、光量調節羽根b、cが互いに近づく方向へ移動され、光量調節羽根b、cの開口用切欠d、gによって形成される開口の面積が小さくなり透過孔kが閉塞されていくことにより入射光量が減少する。
【0013】
従って、ベース体jの透過孔kを透過する光については、光量調節羽根b、cの開口用切欠d、gによって形成される開口の大きさによって光量調節が行われる。
【0014】
【特許文献1】特開2001−272709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、上記のような一対の光量調節羽根b、cによって構成された光量調節機構aにあっては、各部品の組立時の誤差が生じた場合においても確実な遮光性能を確保するために、光量調節羽根b、cによって透過孔kが閉塞されたときにオーバーラップ部分A(図10参照)が形成されるようにしている。また、光量調節機構aが静止画撮影時におけるシャッターとしても使用される場合があり、この場合には、光量調節羽根b、cを高速で閉じる動作が行われ、このとき発生し得る光量調節羽根b、cの閉塞状態から開放状態への移動であるリバウンドによる再露光を防止するためにも、上記したオーバーラップ部分Aが必要とされる。
【0016】
また、透過孔kの開放時には、光量調節羽根b、cが透過孔kより外側に回避されていなければならないが、この回避した位置は組立時の誤差を考慮して定められるため、組立誤差分の余裕B(図10参照)が必要とされる。
【0017】
従って、光量調節羽根b、cには開口用切欠d、gの外側に、移動方向において、オーバーラップ部分Aの半分+組立誤差分の余裕B+透過孔kの半径Cの長さが必要とされ、その分、光量調節機構aが大型となってしまうという問題がある。
【0018】
このような光量調節機構aをレンズ鏡筒に組み込んだ場合には、光量調節機構aが大型となることから、その一部がレンズ鏡筒から外側へ突出されてしまうことが多く、レンズ鏡筒が配置されたビデオカメラやスチルカメラ等の撮像装置の小型化を阻害してしまう。
【0019】
加えて、撮像装置における光量調節機構aの周囲には、設計上、ストロボ、マイク、オートフォーカス補助光発光装置等の各部品が配置されることが多いが、これらの各部品とレンズ鏡筒から突出された光量調節機構aの一部とが位置的に干渉し、各部品の配置の自由度が阻害され、デザイン上及び機能上の自由度が阻害されるおそれがある。
【0020】
また、レンズ鏡筒から光量調節機構aの一部が突出される場合には、レンズ鏡筒を含むレンズユニットの取扱時に、不測の外力を受ける機会が増加し、この外力による光量調節機構aの動作不良を引き起こすおそれもある。
【0021】
そこで、本発明は、上記した問題点を克服し、撮像装置及び光量調節機構の小型化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明撮像装置は、上記した課題を解決するために、内部に撮像光学系が配置されたレンズ鏡筒と、互いに離接する方向へ並進移動され撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを設け、上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔を閉塞し、上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔を開放するようにしたものである。
【0023】
本発明光量調節機構は、上記した課題を解決するために、互いに離接する方向へ並進移動されレンズ鏡筒の内部に配置された撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを設け、上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔を閉塞し、上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する位置関係となる状態で透過孔を開放するようにしたものである。
【0024】
従って、本発明撮像装置及び光量調節機構にあっては、撮像光学系の光路となる透過孔が一対の光量調節羽根及び補助調節用羽根によって閉塞され、透過孔の閉塞時に同じ方向へ動作される光量調節羽根と補助調節用羽根が重なった状態で位置される。
【発明の効果】
【0025】
本発明撮像装置は、内部に撮像光学系が配置されたレンズ鏡筒と、互いに離接する方向へ並進移動され撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを備え、上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔が閉塞され、上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔が開放されるようにしたことを特徴とする。
【0026】
従って、一対の光量調節羽根のみによって透過孔を開閉するようにした場合に比し、同じ方向へ移動される光量調節羽根及び補助調節用羽根の移動方向における長さが短くて済み、その分、光量調節機構の小型化による撮像装置の小型化を図ることができる。
【0027】
また、光量調節機構の小型化を図ることができるため、光量調節機構をレンズ鏡筒に対して外側に突出させない状態で配置し易くなり、他の部品との配置上の干渉を回避することが可能となり、レンズ鏡筒の周囲に配置される各部品の配置の自由度の向上を図ることができる。
【0028】
さらに、光量調節機構をレンズ鏡筒に対して外側に突出させない状態で配置し易くなるため、光量調節機構において不測の外力を受ける機会が低減し、この外力による光量調節機構の動作不良を防止することができる。
【0029】
請求項2に記載した発明にあっては、上記回動アームに、該回動アームの回動支点から上記係合ピンまでの間の位置に補助調節用羽根に摺動自在に係合される係合突部を設け、回動アームの回動動作によって補助調節用羽根が並進移動されるようにしたので、部品点数を少なくすることができると共に配置スペースの低減による小型化を図ることができる。
【0030】
本発明光量調節機構は、互いに離接する方向へ並進移動されレンズ鏡筒の内部に配置された撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを備え、上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔が閉塞され、上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔が開放されるようにしたことを特徴とする。
【0031】
従って、一対の光量調節羽根のみによって透過孔を開閉するようにした場合に比し、同じ方向へ移動される光量調節羽根及び補助調節用羽根の移動方向における長さが短くて済み、その分、光量調節機構の小型化を図ることができる。
【0032】
また、光量調節機構の小型化を図ることができるため、光量調節機構をレンズ鏡筒に対して外側に突出させない状態で配置し易くなり、他の部品との配置上の干渉を回避することが可能となり、レンズ鏡筒の周囲に配置される各部品の配置の自由度の向上を図ることができる。
【0033】
さらに、光量調節機構をレンズ鏡筒に対して外側に突出させない状態で配置し易くなるため、光量調節機構において不測の外力を受ける機会が低減し、この外力による光量調節機構の動作不良を防止することができる。
【0034】
請求項4に記載した発明にあっては、上記回動アームに、該回動アームの回動支点から上記係合ピンまでの間の位置に補助調節用羽根に摺動自在に係合される係合突部を設け、回動アームの回動動作によって補助調節用羽根が並進移動されるようにしたので、部品点数を少なくすることができると共に配置スペースの低減による小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本発明撮像装置及び光量調節機構を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。以下に示す最良の形態は、本発明撮像装置をスチルカメラに適用し、本発明光量調節機構をこのスチルカメラに用いられた光量調節機構に適用したものである。尚、本発明の適用範囲はスチルカメラ又はスチルカメラに用いられた機構に限られることはなく、本発明は、ビデオカメラの他、動画撮影又は静止画撮影の機能を有する各種の撮像装置又はこれらの撮像装置に用いられた各種の光量調節機構に適用することができる。
【0036】
撮像装置1(デジタルスチルカメラ)は、図1に示すように、撮像機能を有するカメラブロック2と、撮影された画像信号のアナログ−デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部3と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部4と、撮影された画像等を表示する表示部5と、記録媒体100に対する記録/再生を行う記録再生部6と、撮像装置1の全体を制御する中央演算処理装置7と、ユーザーによる操作入力を行うための入力操作部8と、カメラブロック2の各種のレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部9とを備えている。
【0037】
カメラブロック2は、レンズ鏡筒10、該レンズ鏡筒10内に配置された各レンズ等の撮像光学系及びCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子11等により構成される。
【0038】
カメラ信号処理部3は、撮像素子11からの出力信号(アナログ信号)のデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度信号や色差信号への変換等の信号処理を行う。
【0039】
画像処理部4は、所定の画像データーフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化、伸長復号化処理、解像度等のデーター仕様の変換処理等を行う。
【0040】
記録媒体100は、例えば、着脱可能な半導体メモリーである。
【0041】
表示部5は、例えば、液晶ディスプレイである。
【0042】
記録再生部6は、画像処理部4によって符号化された画像データーの記録媒体100への書込や記録媒体100に記録された画像データーの読出を行う。
【0043】
中央演算処理装置7は、撮像装置1に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部であり、入力操作部8からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
【0044】
入力操作部8は、例えば、シャッター操作を行うためのシャッターレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等により構成され、ユーザーによる操作に応じた指示入力信号を中央演算処理装置7に対して出力する。
【0045】
レンズ駆動制御部9は、中央演算処理装置7からの制御信号に基づいて、レンズ鏡筒10の内部に配置された各レンズ、例えば、ズーム用の後述する変倍レンズやフォーカス用の後述するフォーカスレンズを駆動する図示しないモーター等を制御する。
【0046】
以下に、撮像装置1の動作を簡単に説明する。
【0047】
撮影の待機状態においては、中央演算処理装置7による制御の下で、カメラブロック2において撮影された画像信号が、カメラ信号処理部3を介して表示部5に出力され、カメラスルー画像として表示される。
【0048】
入力操作部8からのズーミングのための指示入力信号が入力されると、中央演算処理装置7がレンズ駆動制御部9に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部9の制御に基づいて、レンズ鏡筒10に配置された変倍レンズが移動される。
【0049】
フォーカシングは、例えば、シャッターレリーズボタンが半押しされた場合、又は、記録のために全押しされた場合等に、中央演算処理装置7からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部9がレンズ鏡筒10内のフォーカスレンズを移動させることにより行われる。
【0050】
入力操作部8からの指示入力信号によりカメラブロック2の図示しないシャッターが動作されると、画像信号がカメラ信号処理部3から画像処理部4に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデーターフォーマットのデジタルデーターに変換される。変換されたデーターは記録再生部6に出力され、記録媒体100に書き込まれる。
【0051】
記録媒体100に記録された画像データーを再生する場合は、入力操作部8による操作に応じて、記録再生部6により記録媒体100から所定の画像データーが読み出され、画像処理部4で伸張復号化処理された後、再生画像信号が表示部5に出力される。これにより再生画像が表示される。
【0052】
次に、カメラブロック2の構成例について説明する(図1参照)。
【0053】
カメラブロック2のレンズ鏡筒10には光量調節機構12が配置され、該光量調節機構12を挟んだ光軸方向における反対側の位置に変倍レンズ13とフォーカスレンズ14が光軸方向に移動可能な状態で配置されている。レンズ鏡筒10の前端部にはレンズ15が配置されている。
【0054】
光量調節機構12は、図2に示すように、一対の絞り羽根として機能する光量調節羽根16、17を有しており、該光量調節羽根16、17が互いに離接する方向(上下方向)へ並進移動されることにより入射光量の調節が行われる。光量調節羽根16、17は駆動モーター18の駆動力によって並進移動される。
【0055】
光量調節羽根16は主部19と該主部19の左端部から下方へ突出された突部20とが一体に形成されて成る。光量調節羽根16には上方に開口された開口用切欠16aが形成されている。
【0056】
主部19の左右両側縁には、それぞれ上下に長い被案内孔19a、19aが形成され、該被案内孔19a、19a間に開口用切欠16aが形成されている。
【0057】
突部20には上下に長い被案内孔20aが形成されている。突部20の下端部には、左右に長い摺動孔20bが形成されている。
【0058】
光量調節羽根17は主部21と該主部21の一方の側縁部から下方へ突出された突部22とが一体に形成されて成る。光量調節羽根17には下方に開口された開口用切欠17aが形成されている。
【0059】
主部21の左右両側縁には、それぞれ上下に長い被案内孔21a、21aが形成されている。
【0060】
突部22には上下に長い被案内孔22aが形成されている。突部22の下端部には左右に長い摺動孔22bが形成されている。
【0061】
光量調節機構12は、図2に示すように、補助調節用羽根23を有している。補助調節用羽根23は光量調節羽根17と同じ方向へ駆動モーター18の駆動力によって並進移動される。
【0062】
補助調節用羽根23は主部24と該主部24の一方の側縁部から下方へ突出された突部25とが一体に形成されて成る。補助調節用羽根23には下方に開口された開口用切欠23aが形成されている。主部24には、一方の側縁に上下に長い被案内孔24aが形成されている。
【0063】
突部25には上下に長い被案内孔25aが形成されている。突部25の下端部には左右に長い摺動孔25bが形成されている。
【0064】
光量調節羽根16、17及び補助調節用羽根23はそれぞれベース体26に上下方向へ移動自在に支持される(図2乃至図5参照)。
【0065】
ベース体26は、図2に示すように、縦長の略矩形状に形成され、略中央部に撮像光学系の光路となる透過孔26aを有し、光学系の光軸が透過孔26aの中心を通る位置に設定されている。ベース体26の下端寄りの位置には軸挿通孔26bが形成されている。ベース体26には上下左右に離隔して前方へ突出された4つの案内ピン26c、26c、・・・が設けられている。
【0066】
ベース体26の3つの案内ピン26c、26c、26cは、図3に示すように、それぞれ光量調節羽根16の被案内孔19a、19a、20aに挿入されて摺動自在に係合される。また、ベース体26の3つの案内ピン26c、26c、26cは、図4に示すように、それぞれ光量調節羽根17の被案内孔21a、21a、22aに挿入されて摺動自在に係合される。さらに、ベース体26の2つの案内ピン26c、26cは、図5に示すように、それぞれ補助調節用羽根23の被案内孔24a、25aに挿入されて摺動自在に係合される。
【0067】
即ち、1つ目の案内ピン26cは光量調節羽根16の被案内孔19aと光量調節羽根17の被案内孔21aとに係合され、2つ目の案内ピン26cは光量調節羽根16の被案内孔19aと光量調節羽根17の被案内孔21aと補助調節用羽根23の被案内孔24aに係合され、3つ目の案内ピン26cは光量調節羽根17の被案内孔22aと補助調節用羽根23の被案内孔25aに係合され、4つ目の案内ピン26cは光量調節羽根16の被案内孔20aのみに係合される。
【0068】
ベース体26に光量調節羽根16、17及び補助調節用羽根23が支持された状態において、光量調節羽根16、17及び補助調節用羽根23を閉塞する図示しないカバー体がベース体26に取り付けられる。カバー体にはベース体26の透過孔26aに対応して位置される開口部が形成されている。
【0069】
ベース体26の後方には駆動モーター18が配置される(図2参照)。駆動モーター18はモーター軸18aが前後に延びる向きで配置されている。駆動モーター18のモーター軸18aはベース体26の軸挿通孔26bを貫通されている。
【0070】
駆動モーター18のモーター軸18aには回動アーム27が固定されている。回動アーム27はアーム部27aと該アーム部27aの長手方向における両端部から突出された係合ピン27b、27bとアーム部27aの長手方向における中間部から突出された係合突部27cとから成る。係合突部27cは回動アーム27の回動支点と一方の係合ピン27bとの間の位置に設けられ、例えば、回動支点から係合突部27cまでの距離が回動支点から係合ピン27bまでの距離の2分の1にされている。
【0071】
回動アーム27の係合ピン27b、27bはそれぞれ光量調節羽根16、17の摺動孔20b、22bに摺動自在に係合される。回動アーム27の係合突部27cは補助調節用羽根23の摺動孔25bに摺動自在に係合される。
【0072】
上記のように、回動アーム27にあっては、回動支点から係合突部27cまでの距離が回動支点から係合ピン27bまでの距離の2分の1にされているため、回動アーム27が回動されたときの補助調節用羽根23の移動量は光量調節羽根17の移動量の2分の1になる。
【0073】
尚、補助調節用羽根23の移動量を必ずしも光量調節羽根17の移動量の2分の1に設定する必要はなく、回動支点から係合突部27cまでの距離と回動支点から係合ピン27bまでの距離との比を任意に設計することにより、補助調節用羽根23の移動量と光量調節羽根17の移動量の比を任意に設定することが可能である。
【0074】
以下に、駆動モーター18の回転に伴う光量調節羽根16、17及び補助調節用羽根23の動作について説明する(図6乃至図8参照)。
【0075】
駆動モーター18の回転に伴って回動アーム27が回動されると、回動アーム27の係合ピン27b、27bがそれぞれ光量調節羽根16、17の摺動孔20b、22bに対して摺動されることにより、光量調節羽根16、17が案内ピン26c、26c、・・・に案内されて互いに離接する方向(上下方向)へ並進移動される。同時に、回動アーム27の係合突部27cが補助調節用羽根23の摺動孔25bに対して摺動されることにより、補助調節用羽根23が案内ピン26c、26cに案内されて光量調節羽根17と同じ方向へ並進移動される。
【0076】
このとき駆動モーター18が一方の方向へ回転されると、図6に示す透過孔26aを開放する開放状態から、光量調節羽根16が上方へ移動されると共に光量調節羽根17及び補助調節用羽根23が下方へ移動され、光量調節羽根16、17の開口用切欠16a、17aによって形成される開口の面積が小さくなり透過孔26aが閉塞されていくことにより入射光量が漸次減少する(図7参照)。
【0077】
開放状態においては、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24とが厚み方向において重なる位置関係とされており、上記のように、補助調節用羽根23の移動量が光量調節羽根17の移動量の2分の1に設定されているため、開放状態からの上記移動に伴って、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24との厚み方向における重なる面積が漸次減少する状態とされていく。
【0078】
さらに駆動モーター18が一方の方向へ回転されることにより、図7に示す状態から、光量調節羽根16が上方へ移動されると共に光量調節羽根17及び補助調節用羽根23が下方へ移動され、光量調節羽根16、17の開口用切欠16a、17aによって形成される開口の面積が小さくなり透過孔26aが閉塞されていくことにより入射光量が漸次減少し、透過孔26aを閉塞する閉塞状態に至る(図8参照)。
【0079】
この閉塞状態に至る過程においても、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24との厚み方向における重なる面積が漸次減少する状態とされていく。
【0080】
透過孔26aが閉塞された閉塞状態においては、図8に示すように、光量調節羽根16の主部19と光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24とによって透過孔26aが閉塞される。
【0081】
逆に、駆動モーター18が他方の方向へ回転されると、図8に示す透過孔26aを閉塞する閉塞状態から、光量調節羽根16が下方へ移動されると共に光量調節羽根17及び補助調節用羽根23が上方へ移動され、光量調節羽根16、17の開口用切欠16a、17aによって形成される開口の面積が大きくなり透過孔26aが開放されていくことにより入射光量が漸次増加し、図7の状態から図6の開放状態に至る。
【0082】
閉塞状態から開放状態へ至るときには、光量調節羽根17と補助調節用羽根23の移動に伴って、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24との厚み方向における重なる面積が漸次増加する状態とされていく。
【0083】
以上に記載した通り、撮像装置1にあっては、光量調節羽根17と同じ方向へ移動されて透過孔26aを開閉する補助調節用羽根23を設け、透過孔26aを閉塞する閉塞動作時には、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24との厚み方向における重なる面積が漸次減少する状態となるようにし、透過孔26aを開放する開放動作時には、光量調節羽根17の主部21と補助調節用羽根23の主部24ととの厚み方向における重なる面積が漸次増加する状態となるようにしているため、光量調節羽根16と光量調節羽根17のみによって透過孔26aを開閉するようにした場合に比し、光量調節羽根17及び補助調節用羽根23の移動方向における長さが短くて済み、その分、光量調節機構12の小型化を図ることができる。
【0084】
また、光量調節機構12の小型化を図ることができるため、光量調節機構12をレンズ鏡筒10に対して外側に突出させない状態で配置し易くなり、他の部品との配置上の干渉を回避することが可能となり、レンズ鏡筒10の周囲に配置される各部品の配置の自由度の向上を図ることができる。
【0085】
さらに、光量調節機構12をレンズ鏡筒10に対して外側に突出させない状態で配置し易くなるため、光量調節機構12において不測の外力を受ける機会が低減し、この外力による光量調節機構12の動作不良を防止することができる。
【0086】
加えて、回動アーム27に係合ピン27b、27b及び係合突部27cを設けて1つの駆動モーター18によって光量調節羽根16、17及び補助調節用羽根23を動作させているため、その分、部品点数を少なくすることができると共に配置スペースの低減による一層の小型化を図ることができる。
【0087】
尚、上記には、光量調節羽根17と同じ方向に移動する補助調節用羽根23を例として示したが、これに代えて光量調節羽根16と同じ方向へ移動する補助調節用羽根を設けてもよく、また、光量調節羽根16と同じ方向へ移動する補助調節用羽根と光量調節羽根17と同じ方向へ移動する補助調節用羽根の双方を設けてもよい。光量調節羽根16と同じ方向へ移動する補助調節用羽根を設けた場合には、光量調節羽根16の移動方向における長さを短くすることができる。
【0088】
また、設ける補助調節用羽根の数は任意であり、同じ方向へ移動される移動量の異なる補助調節用羽根を複数設けることにより、光量調節機構の一層の小型化を図ることが可能である。
【0089】
さらに、光量調節羽根16、17を動作させるための駆動機構と補助調節用羽根を動作させるための駆動機構とを各別に設けることも可能である。
【0090】
尚、上記に示した上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、これらの方向に限定されることはない。
【0091】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図2乃至図8と共に本発明の最良の形態を示すものであり、本図は、撮像装置の基本構成を示す概念図である。
【図2】光量調節機構の分解斜視図である。
【図3】ベース体に一方の光量調節羽根が支持された状態を示す拡大正面図である。
【図4】ベース体に他方の光量調節羽根が支持された状態を示す拡大正面図である。
【図5】ベース体に補助調節用羽根が支持された状態を示す拡大正面図である。
【図6】図7及び図8とともに光量調節機構の動作を示すものであり、本図は開放状態を示す拡大正面図である。
【図7】動作途中の状態を示す拡大正面図である。
【図8】閉塞状態を示す拡大正面図である。
【図9】図10と共に従来の光量調節機構を示すものであり、本図は透過孔が開放された状態を示す拡大正面図である。
【図10】透過孔が閉塞された状態を示す拡大正面図である。
【符号の説明】
【0093】
1…撮像装置、10…レンズ鏡筒、16…光量調節羽根、17…光量調節羽根、18…駆動モーター、23…補助調節用羽根、26…ベース体、26a…透過孔、27…回動アーム、27b…係合ピン、27c…係合突部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に撮像光学系が配置されたレンズ鏡筒と、
互いに離接する方向へ並進移動され撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、
撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、
上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、
該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、
上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを備え、
上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔が閉塞され、
上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔が開放されるようにした
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
上記回動アームに、該回動アームの回動支点から上記係合ピンまでの間の位置に補助調節用羽根に摺動自在に係合される係合突部を設け、
回動アームの回動動作によって補助調節用羽根が並進移動されるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
互いに離接する方向へ並進移動されレンズ鏡筒の内部に配置された撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、
撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、
上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、
該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、
上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを備え、
上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔が閉塞され、
上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔が開放されるようにした
ことを特徴とする光量調節機構。
【請求項4】
上記回動アームに、該回動アームの回動支点から上記係合ピンまでの間の位置に補助調節用羽根に摺動自在に係合される係合突部を設け、
回動アームの回動動作によって補助調節用羽根が並進移動されるようにした
ことを特徴とする請求項3に記載の光量調節機構。
【請求項1】
内部に撮像光学系が配置されたレンズ鏡筒と、
互いに離接する方向へ並進移動され撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、
撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、
上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、
該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、
上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを備え、
上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔が閉塞され、
上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔が開放されるようにした
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
上記回動アームに、該回動アームの回動支点から上記係合ピンまでの間の位置に補助調節用羽根に摺動自在に係合される係合突部を設け、
回動アームの回動動作によって補助調節用羽根が並進移動されるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
互いに離接する方向へ並進移動されレンズ鏡筒の内部に配置された撮像光学系の光路となる透過孔を開閉して光量の調節を行う一対の光量調節羽根と、
撮像光学系の光路となる上記透過孔を有し上記一対の光量調節羽根をそれぞれ移動自在に支持するベース体と、
上記一対の光量調節羽根にそれぞれ摺動自在に係合される係合ピンを有し回動動作されることにより一対の光量調節羽根を並進移動させる回動アームと、
該回動アームを回動させる駆動源となる駆動モーターと、
上記一対の光量調節羽根のうち少なくとも一方の光量調節羽根と同じ方向へ移動されて上記透過孔を開閉する補助調節用羽根とを備え、
上記透過孔の閉塞動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次減少する状態で透過孔が閉塞され、
上記透過孔の開放動作時には、同じ方向へ移動される光量調節羽根と補助調節用羽根が厚み方向において重なる面積が漸次増加する状態で透過孔が開放されるようにした
ことを特徴とする光量調節機構。
【請求項4】
上記回動アームに、該回動アームの回動支点から上記係合ピンまでの間の位置に補助調節用羽根に摺動自在に係合される係合突部を設け、
回動アームの回動動作によって補助調節用羽根が並進移動されるようにした
ことを特徴とする請求項3に記載の光量調節機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−145739(P2006−145739A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−334419(P2004−334419)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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