説明

撮像装置防御構造

【課題】
本発明は、降雨時に、車体進行方向側に向けて取り付けた撮像装置のレンズに、雨が付着しないように防御し、良好な視野を継続して撮ることが課題となる。
【解決手段】
車体の進行方向側の外板1に設けた穴2の車体内側に、撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11の周縁9と穴2との間を、筒状体19によって空間7を形成させ、この空間7内に気体噴出口5を設けるか、又は穴2の車体内側に、開口部4に透明板10を嵌め込んだ容器8を設け、この容器8が形成している空腔18内に撮像装置のレンズ11を設け、この透明板10と穴2との間に空間7を形成させ、この空間7内に設けた気体噴出口5から吹き出した気体6を、撮像装置のレンズ11又は透明板10に吹き付けるようにした構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降雨、降雪時(以下、降雨と言う)において、良好な視界に撮ることができる影像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車体、船体、機体などの運転席の窓ガラスに付着した雨、雪、泥(以下、雨と言う)は、ワイパーを作動させて除去している。降雨中ワイパーの動作は上下又は左右の円状に動く往復動であり、雨の付着しないはっきりした視界は、ワイパーの動作の後にしか見ることは出来ず、走行中の情報も目視できる範囲であり限定されている。そしてワイパーで雨を除去する時は、運転者の目の前を横切ることになるので目障りである。
【0003】
撮像関連の機器の発達により、晴天時においても望遠レンズの使用、設置カメラからの送信によって事前にその場所の情報を取り、運転席でより多くの情報を画面で見ることができる。撮像装置の進歩も目覚しく解像度も向上し、3Dカメラで立体影像を見ることができる。映像画面の切り替え、画面上に情報を表示する技術なども進歩している。カメラを車体進行歩行に向けて取り付け、あらゆる気象状況においてもカメラのレンズを防御し、車体前方の良好な視野を継続してカメラで撮り、運転席で見ることは、車体の安全走行にとって重要視されている。近年交通事故の状況など、後日撮像した記録が、降雨時の事故の状況などを検証する手段として役に立っている。車体内にはカーナビゲーションが標準装備されるようになり、撮像装置や映像装置は小型化、高性能化して安価に成り、この映像装置をインパネ、ダッシュボードなど運転席前面に設け、降雨時においてワイパーの動作頻度を抑えて、車体前方の良好な視野を画面で見るようにしていくことは可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−176488
【特許文献2】特開2006−73013
【特許文献3】特開2005−247139
【0005】
特許文献1には、自動車の窓ガラスの上部に、車載カメラが設けてあり、ワイパーの領域外であり、降雨量の多い時は鮮明な影像を見ることができない。
【0006】
特許文献2には、カメラにより道路上の白線を認識させ、画像処理を制御装置によって行っているので、風景を見ることはできない。
【0007】
特許文献3には、車体の前方を撮像するCCDカメラと、車体の室内に設置されて画像を表示するモニターを、速度設定したワイパースイッチによって画像を切り換えているが、CCDカメラのレンズは降雨中防御されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
撮像装置を車体進行方向側に向けて取り付けた場合、小型の撮像装置は車体から突出することなく、車体の外観に影響しないように取り付けることができる。そして撮像装置で撮った映像を、インパネ、窓ガラスなど運転者の前面に設けた映像装置によって見ることも容易にできる。しかし降雨中の走行時に、車体の外面に取り付けた撮像装置のレンズには、雨が付着して良好な視野を継続して見ることが出来ないという問題点がある。本発明は、降雨時に、車体進行方向側に向けて取り付けた撮像装置のレンズに、雨が付着しないように防御し、良好な視野を継続して撮ることが課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
車体、船体、機体の進行方向側の外板1に設けた穴2の車体内側に、撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11の周縁9と穴2との間を、筒状体19によって空間7を形成させ、この空間7内に気体噴出口5を設けるか、又は穴2の車体内側に、開口部4に透明板10を嵌め込んだ容器8を設け、この容器8が形成している空腔18内に撮像装置のレンズ11を設け、透明板10と穴2との間に空間7を形成させ、この空間7内に気体噴出口5を設け、この気体噴出口5から吹き出した気体6を、撮像装置のレンズ11又は透明板10に吹き付け、穴2を開閉するように透明なシャッター12を設けた構造である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、撮像装置のレンズ11の前方に空間7を設け、この空間7内に気体噴出口5から高圧の気体6を吹き出し続けることによって、この空間7内の気圧を高圧に保ち、降雨時の走行風以上の高圧状態を継続することによって、雨の侵入を阻止することができる。撮像装置のレンズ11を小型化することは可能であり、小型化することによって、空間7も小さくできるので、高圧の気体6の噴出量も減少させることができる。この撮像装置のレンズ11で撮像した画像を、運転席の前面の見易い位置に設けた情報表示が多く表示されている画面と共に鮮明な視界を見ることができる。車体外側に突出する部分は無く、稼動する部分も無く車体の美観を損なうことはない。晴天時に撮像装置、が汚れた場合、洗浄液と高圧の空気を同時に吹き出すことによって、レンズ11や透明板10やシャッター12を洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明1の実施例を示す斜視図及びAA線による横断面図である。
【図2】本発明1の実施例を示す斜視図及びBB線による横断面図である。
【図3】本発明2の実施例を示す斜視図及びCC線による横断面図である。
【図4】本発明2の実施例を示す斜視図及びDD線による横断面図である。
【図5】本発明3の実施例を示す斜視図及びEE線による横断面図である。
【図6】本発明3の実施例を示す斜視図及びFF線による横断面図である。
【図7】本発明4の実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明4の実施例を示す斜視図及びGG、HH線による横断面図である。
【図9】本発明5の実施例を示す斜視図及びII線による横断面図である。
【図10】本発明5の実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明6の実施例を示す斜視図及びJJ線による横断面図である。
【図12】本発明6の実施例を示す斜視図及びKK線による横断面図である。
【図13】本発明7の実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
車体、船体、機体(以下、車体と言う)の進行方向側の外板1に穴2を設け、この穴2の車体内側に進行方向側に向けて撮像装置のレンズ11を設け、この撮像装置のレンズ11と穴2との間に空間7を形成させるか、方向指示器灯13又は前照灯14又は側灯15を格納している筐体16或いは筐体16のカバー17に穴22を設け、この穴22と撮像装置のレンズ11の間に空間7を形成させるか、一方端に穴26を有し、他端に向かって流線形を成して閉じられている流線形容器25を車体に取り付け、この流線形容器25内に進行方向側に向けて設けた撮像装置のレンズ11と穴28との間に空間7を形成させ、この其々の空間7に気体噴出口5から気体6を吹き出すように構成することである。
【実施例1】
【0013】
そこで、本発明の請求項1記載の撮像装置防御構造(以下、本発明1と言う)は、車体、船体、機体(以下、車体と言う)進行方向側の外板1に穴2を設け、この穴2の車体内側に進行方向側に向けて撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11の周縁9と上記穴2との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個又は複数個の気体噴出口5、5・・・を設けるか、又は上記穴2の車体内側に開口部4を有する容器8を設け、この容器8の開口部4に透明板10を嵌め込み、この容器8が形成している空腔18内に撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11が進行方向側に向くように成されていて、上記透明板10と上記穴2との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個又は複数個の気体噴出口5、5・・・を設け、上記気体噴出口5から吹き出した気体6が、上記撮像装置のレンズ11又は上記透明板10に吹き付けられるように成されていて、上記穴2を密閉するために上記外板1と上記筒状体19との間の隙間21に透明なシャッター12を設け、上記穴2が開閉自在に構成されていることを特徴としている。
【0014】
実施の形態の一例として、第1(a)図は本発明1の斜視図であり、第1(b)図は第1(a)図のAA線による横断面図である。車体の外板1に円形の穴2を設け、この穴2の車体内側に撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11の周縁9と穴2との間を、筒状体19で連結することによって空間7を形成させ、この筒状体19の壁面に1個の気体噴出口5を設け、外板1と筒状体19との間に設けた隙間を利用して、この隙間の上端と下端に枠体24、24を嵌め込んで取り付け、この其々の枠体24、24に透明なシャッター12を嵌め込み、このシャッター12で穴2を密閉できる構造を示している。
【0015】
かかる構成により、コンプレッサーに接続したエァーホース23を筒状体19に連結し、気体6を気体噴出口5から撮像装置のレンズ11に吹き付け、空間7内の高圧の気体6を吹き出して気圧を上げ、穴2から進行方向に吹き出すことによって、降雨時において、空間7内への雨の侵入を阻止し、撮像装置のレンズ11に雨が付着しないように防御し、車体進行方向の良好な景色を継続して撮ることができる。透明なシャッター26で穴2を密閉することによって、走行中に塵、ホコリ、砂などの浸入を防御し、車体の空気抵抗を減少させることができる。駐車中の降雨に対しては、シャッター12を閉めることによって、雨を防御している。シャッター12の取り付け角度は限定することなく、前後左右斜め方向、垂直方向、円周などである。
【0016】
車体の外板1に設けた穴2及び筒状体19の縦切断面の形状は、円形、楕円形、トラック形、方形、長方形など限定しない。撮像装置のレンズ11の円周内に設けた穴2を楕円形、トラック形、長方形にすることによって、穴2の面積はレンズ11の面積より小さくなり、高圧の気体6を空間7内に噴出することによって、空間7内の気圧を高圧に保ち続けて走行風の侵入を阻止し、雨の侵入を完全に防御することができる。
【0017】
本発明で言う車体とは自動車、バス、トラック、モーターバイク、電車、新幹線などである。船体とは、船舶のことであり、タンカー、客船、ヨット、漁船、クルーザー、フェリーなどである。機体とは、航空機のことであり、旅客機、ヘリコプター、輸送機などである。本発明で言う気体6とは空気、圧搾空気、エンジンの排気ガスなどである。本発明で言う運転席とは、自動車の場合であり、船舶の場合は操舵席であり、航空機の場合は操縦席である。
【0018】
自動車の降雨時の走行中の場合、本発明の撮像装置で撮った車体前方の風景を、運転席の窓ガラスに映し出すか、又は運転者の前方に映像装置を置き、降雨中の実際の景色と同じサイズの解像度の高い3Dの映像を映して、この映像を見ながら運転することは可能になる。自動車の穴2の位置は、車体の進行方向側の外板1であり、バンパー、吸気のために設けられた穴の中など限定しない。
【0019】
新幹線、電車の場合、解像度の高い3Dカメラ、望遠レンズ付きカメラなどを取り付けることによって、目視できない遠方まで見ることができれば安全運転に役立つ。予め危険度の高い場所にカメラを設置して、その場所に近づく前に、その場所の映像を走行中の運転席の映像装置に送信することによって、事前にその場所の状況を知ることができる。
【0020】
航空機の降雨時の走行中の場合、通常、操縦士はモニターに映る機体のバランスを見て離陸、着陸をしているので、離陸するまでの滑走路状況や窓ガラスに雨粒が付かなくなる速度に達するまでの間は、解像度の高いモニター又は3Dの影像を見て機体を誘導することはできる。ワイパーを取り外すことによって空気抵抗を減少させ、長時間のフライトにおいては省エネに役立つ。
【0021】
船舶の降雨時の航行中の場合、前方が良く見える場所に本発明1の撮像装置のレンズとして、望遠レンズ付きカメラのレンズや3Dカメラのレンズを取り付けて、同じ視点から降雨時の状況や進行方向の状況を解像度の高いモニターで長時間監視することができる。
【0022】
本発明の撮像装置は3Dカメラ、CCD(電荷結合素子)カメラ、CMOSカメラ、CCTV、赤外線カメラなどの光学センサを用いて、マクロレンズ、望遠レンズ、標準レンズなどのレンズを使用し、必要に応じた範囲の視界を撮ることができる。
【0023】
本発明1は設置場所が限定されず、結線のできる場所や無線LANを使用することによって、離れた場所の映像を様々な場所で、画面で見ることができるので、大きな船舶、航空機、電車、バスなどの大きな乗り物の前方の安全確認に適している。高圧の気体を大量に発生させることができるコンプレッサーを搭載して、安全確認のできる車体、船体、機体の種類は多数存在する。天気の良い時も、安全運転に必要な進行方向の情報を画面で見ることができる。また撮像した記録のデータを残すこともできる。
【0024】
実施の形態の一例として、第2(a)図は本発明1の斜視図であり、第2(b)図は、第2(a)図のBB線による横断面図である。穴2の車体内側に開口部4を有する容器8を設け、この容器8の開口部4に透明板10を嵌め込み、この容器8が形成している空腔18内に撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11の前面が進行方向側に向くように成されていて、透明板10と穴2との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個の気体噴出口5を設け、気体噴出口5から吹き出した気体6が、透明板10に吹き付けられるように成されていて、外板1と筒状体19との間に設けた隙間を利用して、この隙間の上端と下端に枠体24、24を嵌め込んで取り付け、この其々の枠体24、24に透明なシャッター12を嵌め込み、このシャッター12で穴2を密閉自在にできる構造を示している。
【0025】
かかる構成により、コンプレッサーに接続したエァーホース23を筒状体19に連結し、高圧の気体6を気体噴出口5から透明板10に吹き付け、空間7内の気圧を上げ、穴2から進行方向に吹き出すことによって、降雨時において、空間7内への雨の侵入を阻止し、撮像装置のレンズ11に雨が付着しないように防御し、車体進行方向の良好な景色を継続して撮ることができる。透明なシャッター26で穴2を密閉することによって、走行中に塵、ホコリ、砂などの浸入を防御し、車体の空気抵抗を減少させることができる。駐車中の降雨に対しては、シャッター12を閉めることによって、雨を防御している。
【0026】
本発明1の容器8の空腔18に設けた撮像装置のレンズ11は、回動自在に取り付けことによって、撮像する方向を変えることができる。容器8の形状は限定することはなく、円形、楕円形、方形、三角形、台形などである。実施の形態の一例として、本発明の容器3の材質は、プラスチック、ステンレス、アルミニューム、鋼板、メッキ加工材などで腐食し難い材質あり、透明板10の材質は、ガラス、プラスチックである。
【実施例2】
【0027】
本発明の請求項2記載の撮像装置防御構造(以下、本発明2と言う)は、車体進行方向側に取り付けられている方向指示器灯13及び/又は前照灯14及び/又は側灯15を格納している筐体16或いは筐体16のカバー17に穴22を設け、この穴22の車体内側に進行方向側に向けて撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11の周縁9と上記穴22との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個又は複数個の気体噴出口5、5・・・を設けるか、又は上記穴22の車体内側に開口部4を有する容器8を設け、この容器8の開口部4に透明板10を嵌め込み、この容器8が形成している空腔18内に撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11が進行方向側に向くように成されていて、上記透明板10と上記穴22との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個又は複数個の気体噴出口5、5・・・を設け、上記気体噴出口5、5・・・から吹き出した気体6が、上記撮像装置のレンズ11又は上記透明板10に吹き付けられるように成されていて、上記穴22を密閉するために上記筐体16或いは筐体16の上記カバー17と上記筒状体19との間の隙間21に透明なシャッター12を設け、上記穴22が開閉自在に構成されていることを特徴としている。
【0028】
実施の形態の一例として、第3(a)図は、車体進行方向の側面に取り付けられている方向指示器灯13に、本発明1の撮像装置防御構造を取り付けた斜視図であり、第3(b)図は、第3(a)図のCC線による横断面図である。車体に取り付けられている方向指示器灯13を格納している筐体16のカバー17に穴22を設け、車体内側に進行方向側に向けて撮像装置のレンズ11を設け、この撮像装置のレンズ11の周縁9と穴22との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個の気体噴出口5を設けカバー17と筒状体19との間に設けた隙間を利用して、この隙間の上端と下端に枠体24、24を略水平に嵌め込んで取り付け、この其々の枠体24、24に透明なシャッター12を嵌め込み、このシャッター12で穴2を密閉自在にできる構造を示している。
【0029】
第3図の撮像装置のレンズ11は、方向指示器灯13を格納している筐体16のカバー17に穴22を設けている点が、本発明1との相違点であり、雨が付着しないように防御する原理は、第1図で説明しているので、ここでは省略する。
【0030】
実施の形態の一例として、第4(a)図は、車体進行方向の側面に取り付けられている前照灯14に、本発明2の撮像装置防御構造を取り付けた斜視図であり、第4(b)図は、第4(a)図のDD線による横断面図である。車体に取り付けられている前照灯14を格納している筐体16のカバー17に穴22を設け、穴22の車体内側に開口部4を有する容器8を設け、この容器8の開口部4に透明板10を嵌め込み、この容器8が形成している空腔18内に撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11が進行方向側に向くように成されていて、透明板10と穴2との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個の気体噴出口5を設け、穴2と筒状体19との間に設けた隙間を利用して、この隙間の上端と下端に枠体24、24を略水平に嵌め込んで取り付け、この其々の枠体24、24に透明なシャッター12を嵌め込み、このシャッター12で穴2を密閉自在にできる構造を示している。
【0031】
第4図の容器8の透明板10は、前照灯14を格納している筐体16のカバー17内に設けている点が、本発明1との相違点であり、雨が付着しないように防御する原理は、第2図で説明しているので、ここでは省略する。
【実施例3】
【0032】
本発明の請求項3記載の撮像装置防御構造(以下、本発明3と言う)は、車体進行方向側の外板1に、一方端に穴26を有し、他端に向かって流線形を成して閉じられている流線形容器25を取り付け、上記穴26の流線形容器25内側に進行方向側に向けて撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11の周縁9と上記穴26との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個又は複数個の気体噴出口5、5・・・を設けるか、又は上記穴26の車体内側に開口部4を有する容器8を設け、この容器8の開口部4に透明板10を嵌め込み、この容器8が形成している空腔18内に撮像装置のレンズ11を取り付け、この撮像装置のレンズ11が進行方向側に向くように成されていて、上記透明板10と上記穴26との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個又は複数個の気体噴出口5、5・・・を設け、上記気体噴出口5、5・・・から吹き出した気体6が、上記撮像装置のレンズ11又は上記透明板10に吹き付けられるように成されていて、上記穴26を密閉するために上記流線形容器25と上記筒状体19との間の隙間21に透明なシャッター12を設け、上記穴2が開閉自在に構成されていることを特徴としている。
【0033】
実施の形態の一例として、第5(a)図は本発明3の撮像装置防御構造の斜視図であり、第5(b)図は、第5(a)図のEE線による横断面図である。車体進行方向側の外板1に、一方端に穴26を有し、他端に向かって流線形を成して閉じられている流線形容器25を取り付け、この穴26の流線形容器25内側に進行方向側に向けて撮像装置のレンズ11を設け、この撮像装置のレンズ11の周縁9と穴26との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個の気体噴出口5を設け、気体噴出口5から吹き出した気体6が、撮像装置のレンズ11に吹き付けられるように成されていて、流線形容器25と筒状体19との間に設けた隙間を利用して、この隙間の上端と下端に枠体24、24を略水平に嵌め込んで取り付け、この其々の枠体24、24に透明なシャッター12を嵌め込み、このシャッター12で穴2を密閉自在にできる構造を示している。
【0034】
第5図の撮像装置のレンズ11は、一方端に穴26を有し、他端に向かって流線形を成して閉じられている流線形容器25に穴26を設けている点が、本発明1との相違点であり、雨が付着しないように防御する原理は、第1図で説明しているので、ここでは省略する。
【0035】
実施の形態の一例として、第6(a)図は本発明3の撮像装置防御構造の斜視図であり、第6(b)図は、第6(a)図のFF線による横断面図である。穴26の車体内側に開口部4を有する容器8の開口部4に透明板10を嵌め込み、この容器8が形成している空腔18内に撮像装置のレンズ11を設け、この撮像装置のレンズ11が進行方向側に向くように設けられていて、透明板10と穴26との間を、筒状体19で連結することによって空間7が形成され、この筒状体19の壁面に1個の気体噴出口5を設け、気体噴出口5から吹き出した気体6が、透明板10に吹き付けられるように成されていて、流線形容器25と筒状体19との間に設けた隙間を利用して、この隙間の上端と下端に枠体24、24を略水平に嵌め込んで取り付け、この其々の枠体24、24に透明なシャッター12を嵌め込み、このシャッター12で穴2を密閉自在にできる構造を示している。
【0036】
第6図の容器8の透明板10は、一方端に穴26を有し、他端に向かって流線形を成して閉じられている流線形容器25に穴26を設けている点が、本発明1との相違点であり、雨が付着しないように防御する原理は、第2図で説明しているので、ここでは省略する。
【実施例4】
【0037】
本発明の請求項4記載の撮像装置防御構造(以下、本発明4と言う)は、上記シャッター12の代わりに、上記筒状体19を摺動枠体27とし、上記撮像装置のレンズ11又は上記容器8を、上記穴2に対して摺動可能に設けることによって、上記穴2が開閉自在に構成されていることを特徴としている。
【0038】
実施の形態の一例として、第7(a)図は本発明4の撮像装置防御構造の斜視図であり、本発明1の穴2が開いた状態を示す図であり、第7(b)図は本発明1の穴2が閉じた状態を示す図である。シャッター12の代わりに、撮像装置のレンズ11の周縁9と穴2との間を連結している筒状体19を摺動枠体27として、穴2に対して撮像装置のレンズ11を摺動可能に設けることによって、穴2が開閉自在にできる構造を示している。
撮像装置のレンズ11の前面は略垂直でも良く、車体の外板1と同一面となるので、車体の外板1の形状に合わせた形状でも良い。
【0039】
実施の形態の一例として、第7(c)図は本発明4の撮像装置防御構造の斜視図であり、本発明1の穴2が開いた状態を示す図であり、第7(d)図は本発明1の穴2が閉じた状態を示す図である。シャッター12の代わりに、容器8に嵌め込んだ透明版10と穴2との間を連結している筒状体19を摺動枠体27として、穴2に対して容器8を摺動可能に設けることによって、穴2が開閉自在にできる構造を示している。透明版10の前面は略垂直でも良く、車体の外板1と同一面となるので、車体の外板1の形状に合わせた形状でも良い。
【0040】
実施の形態の一例として、第8(a)図は、本発明7の撮像装置防御構造の斜視図であり、第8(b)図は第8(a)図のGG線による横断面図であり、本発明1の穴2の縦切断面の面積より大きな筒状体19を設けることによって、空間7の容積が大きくなり、細長い撮像装置のレンズ11を摺動枠体2に摺動可能にして嵌め込み、穴2が開いた状態を示している。第8(c)図は、本発明7の撮像装置防御構造の斜視図であり、第8(d)図は第8(c)図のHH線による横断面図であり、本発明1の穴2を細長い撮像装置のレンズ11を摺動して穴2閉じた状態を示している。
【0041】
本発明2の方向指示器灯13、前照灯14、側灯15、本発明3の流線形容器25においても、撮像装置のレンズ11の周縁9と穴2との間を連結している筒状体19を摺動枠体27とし、容器8に嵌め込んだ透明版10と穴2との間を連結している筒状体19を摺動枠体27として、同様にして穴2を開閉自在にすることができる。
【実施例5】
【0042】
本発明の請求項5記載の撮像装置防御構造(以下、本発明5と言う)は、上記穴2、22、26の面積が、上記撮像装置のレンズ11又は上記透明板10の面積より小さく構成されていることを特徴としている。
【0043】
実施の形態の一例として、第9(a)図は、本発明5の撮像装置防御構造の斜視図であり、第9(b)図は、第9(a)図のII線による横断面図であり、本発明1の穴2の面積が、撮像装置のレンズ11の面積より小さく構成されていることを示している。気体6の出口になる穴2が小さい程、外気が入り難く混ざり難い。空間7の奥に設けられている気体噴出口5から噴出した気体6は、撮像装置のレンズ11又は透明板10近傍では高圧が保たれ、小さくした穴2から出る時に圧縮作用により、高圧状態が持続されて走行風の侵入を阻止し、雨を完全に防御することができる。
【0044】
実施の形態の一例として、第10(a)図は、本発明5の撮像装置防御構造の斜視図であり、本発明3の流線形容器25の中に設けられた撮像装置のレンズ11より小さい面積の穴26を取り付けられている図であり、第9図と同様の作用効果がある。第10(b)図は、流線形容器25の中に設けられた容器8の開口部の透明板10に、この透明板10より小さい面積の穴26が取り付けられている図であり、第9図と同様の作用効果がある。筒状体19の奥行きを長くすることによって、外気が中まで入り難く雨を防御する作用効果は向上する。
【実施例6】
【0045】
本発明の請求項6記載の撮像装置防御構造(以下、本発明6と言う)は、上記筒状体19の縦切断面の面積が、上記穴2、22、26及び/又は上記撮像装置のレンズ11及び/又は上記容器8の縦切断面の面積より大きく成されていることを特徴としている。
【0046】
実施の形態の一例として、第11(a)図は、本発明7の撮像装置防御構造の斜視図であり、第11(b)図は第11(a)図のJJ線による横断面図であり、本発明1の穴2の面積より、縦切断面の大きな面積の筒状体19を設けることによって、空間7の容積が大きくなり、容積の大きい空間7に噴出した高圧の気体6を、面積の小さい穴2から噴出させることによって、高圧の気体6を空間7外に噴き出すことができる。この気体6によって走行風の侵入を阻止し、雨を完全に防御できる状態を示している。気体6の出口になる穴2が小さい程、外気が入り難く混ざり難い。
【0047】
実施の形態の一例として、第12(a)図は、本発明7の撮像装置防御構造の斜視図であり、前照灯14を格納している筐体16のカバー17内に容器8を設けている図であり、第12(b)図は第12(a)図の部分拡大図であり、第12(c)図は、第12(b)図のKK線による横断面図である。本発明1の容器8の縦切断面の面積より、縦切断面の大きな面積の筒状体19を設けることによって、空間7の容積が大きくなる。容積の大きい空間7に噴出した高圧の気体6を、面積の小さい穴2から噴出させることによって、高圧の気体6を空間7外に噴き出すことができる。この気体6によって走行風の侵入を阻止し、雨を完全に防御できる状態を示している。気体6の出口になる穴2が小さい程、外気が入り難く混ざり難い。
【実施例7】
【0048】
本発明の請求項6記載の撮像装置防御構造(以下、本発明6と言う)は、上記筒状体19の壁面に、1個又は複数個の洗浄液用口20、20・・・が設けられていることを特徴としている。
【0049】
実施の形態の一例として、第13(a)図は、本発明6の撮像装置防御構造の斜視図であり、前照灯14に設けた筒状体19の壁面に、1個の洗浄液用口20を設け、洗浄液と同時に高圧の気体6が気体噴出口5から吹き出された状態を示している。第13(b)図は、方向指示器13に設けた筒状体19の壁面に、1個の洗浄液用口20を設け、洗浄液と同時に高圧の気体6が気体噴出口5から吹き出された状態を示している。高圧の気体6によって、洗浄液は空間7内で高速攪拌されて汚れを落とし周辺を奇麗にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、本発明の撮像装置防御構造は、降雨、降雪時において、雨、雪、泥が付着しないように完全に防御した撮像装置のレンズ11で撮った映像を記録しながら、3Dの映像又は解像の高い映像に各種情報を加えて表示した画像を、フロントガラス周縁やフロントガラスに投影して見るなど、運転者の見易い位置と方法で見ることができるので、車体進行方向側の安全確認をする装置として本発明の撮像装置防御構造は適している。
【符号の説明】
【0051】
1 外板
2 穴
3 窓枠
4 開口部
5 気体噴出口
6 気体
7 空間
8 容器
9 周縁
10 透明板
11 レンズ
12 シャッター
13 方向指示器灯
14 前照灯
15 側灯
16 筐体
17 カバー
18 空腔
19 筒状体
20 洗浄液用口
21 隙間
22 穴
23 エァーホース
24 枠体
25 流線形容器
26 穴
27 摺動枠体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体、船体、機体(以下、車体と言う)進行方向側の外板(1)に穴(2)を設け、この穴(2)の車体内側に進行方向側に向けて撮像装置のレンズ(11)を取り付け、この撮像装置のレンズ(11)の周縁(9)と上記穴(2)との間を、筒状体(19)で連結することによって空間(7)が形成され、この筒状体(19)の壁面に1個又は複数個の気体噴出口(5、5・・・)を設けるか、又は上記穴(2)の車体内側に開口部(4)を有する容器(8)を設け、この容器(8)の開口部(4)に透明板(10)を嵌め込み、この容器(8)が形成している空腔(18)内に撮像装置のレンズ(11)を取り付け、この撮像装置のレンズ(11)が進行方向側に向くように成されていて、上記透明板(10)と上記穴(2)との間を、筒状体(19)で連結することによって空間(7)が形成され、この筒状体(19)の壁面に1個又は複数個の気体噴出口(5、5・・・)を設け、上記気体噴出口(5)から吹き出した気体(6)が、上記撮像装置のレンズ(11)又は上記透明板(10)に吹き付けられるように成されていて、上記穴(2)を密閉するために上記外板(1)と上記筒状体19との間の隙間(21)に透明なシャッター(12)を設け、上記穴(2)が開閉自在に構成されていることを特徴とする撮像装置防御構造。
【請求項2】
車体進行方向側に取り付けられている方向指示器灯(13)及び/又は前照灯(14)及び/又は側灯(15)を格納している筐体(16)或いは筐体(16)のカバー(17)に穴(22)を設け、この穴(22)の車体内側に進行方向側に向けて撮像装置のレンズ(11)を取り付け、この撮像装置のレンズ(11)の周縁(9)と上記穴(22)との間を、筒状体(19)で連結することによって空間(7)が形成され、この筒状体(19)の壁面に1個又は複数個の気体噴出口(5、5・・・)を設けるか、又は上記穴(22)の車体内側に開口部(4)を有する容器(8)を設け、この容器(8)の開口部(4)に透明板(10)を嵌め込み、この容器(8)が形成している空腔(18)内に撮像装置のレンズ(11)を取り付け、この撮像装置のレンズ(11)が進行方向側に向くように成されていて、上記透明板(10)と上記穴(22)との間を、筒状体(19)で連結することによって空間(7)が形成され、この筒状体(19)の壁面に1個又は複数個の気体噴出口(5、5・・・)を設け、上記気体噴出口(5、5・・・)から吹き出した気体(6)が、上記撮像装置のレンズ(11)又は上記透明板(10)に吹き付けられるように成されていて、上記穴(22)を密閉するために上記筐体(16)或いは筐体(16)の上記カバー(17)と上記筒状体(19)との間の隙間(21)に透明なシャッター(12)を設け、上記穴(22)が開閉自在に構成されていることを特徴とする撮像装置防御構造。
【請求項3】
車体進行方向側の外板(1)に、一方端に穴(26)を有し、他端に向かって流線形を成して閉じられている流線形容器(25)を取り付け、上記穴(26)の流線形容器(25)内側に進行方向側に向けて撮像装置のレンズ(11)を取り付け、この撮像装置のレンズ(11)の周縁(9)と上記穴(26)との間を、筒状体(19)で連結することによって空間(7)が形成され、この筒状体(19)の壁面に1個又は複数個の気体噴出口(5、5・・・)を設けるか、又は上記穴(26)の車体内側に開口部(4)を有する容器(8)を設け、この容器(8)の開口部(4)に透明板(10)を嵌め込み、この容器(8)が形成している空腔(18)内に撮像装置のレンズ(11)を取り付け、この撮像装置のレンズ(11)が進行方向側に向くように成されていて、上記透明板(10)と上記穴(26)との間を、筒状体(19)で連結することによって空間(7)が形成され、この筒状体(19)の壁面に1個又は複数個の気体噴出口(5、5・・・)を設け、上記気体噴出口(5、5・・・)から吹き出した気体(6)が、上記撮像装置のレンズ(11)又は上記透明板(10)に吹き付けられるように成されていて、上記穴(26)を密閉するために上記流線形容器(25)と上記筒状体(19)との間の隙間(21)に透明なシャッター(12)を設け、上記穴(2)が開閉自在に構成されていることを特徴とする撮像装置防御構造。
【請求項4】
上記シャッター(12)の代わりに、上記筒状体(19)を摺動枠体(27)とし、上記撮像装置のレンズ(11)又は上記容器(8)を、上記穴(2)に対して摺動可能に設けることによって、上記穴(2)が開閉自在に構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の撮像装置防御構造。
【請求項5】
上記穴(2、22、26)の面積が、上記撮像装置のレンズ(11)又は上記透明板(10)の面積より小さく構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の撮像装置防御構造。
【請求項6】
上記筒状体(19)の縦切断面の面積が、上記穴(2、22、26)及び/又は上記撮像装置のレンズ(11)及び/又は上記容器(8)の縦切断面の面積より大きく成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の撮像装置防御構造。
【請求項7】
上記筒状体(19)の壁面に、1個又は複数個の洗浄液用口(20、20・・・)が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の撮像装置防御構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−171499(P2010−171499A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9768(P2009−9768)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【特許番号】特許第4318089号(P4318089)
【特許公報発行日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(599138054)
【Fターム(参考)】