説明

撮像装置

【課題】 単一の駆動ピンでシャッタ用のセクタと絞り用のセクタとを必要に応じて揺動することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 開口32HLにシャッタを切るためのシャッタ用セクタ33と開口32HLを絞るための絞り用セクタ34とを有する撮像装置1であって、シャッタ用セクタ33と絞り用セクタ34にはそれぞれカム穴332、342が設けられている。カム穴332はV字型をなし、カム穴342はヘの字型をなす。カム穴332、342には駆動アーム361の端に設けられたピン362が係合される。駆動アーム361を反時計回り駆動することで、開口32HLを全開→全閉→小絞りの状態と変化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特に開口部を絞りつつシャッタを切ることが可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像装置には、シャッタ用のセクタと絞り用のセクタとが設けられたものが存在する(例えば以下に示す特許文献1参照)。このような撮像装置では、絞り用のセクタを駆動することで、絞りの状態を切り換えていた。そのため、シャッタ用のセクタを駆動するための駆動部材と、絞り用のセクタを駆動するための駆動部材とが別々に設けられていた。
【特許文献1】特開2001−188276号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の構成では、シャッタ用のセクタと絞り用のセクタとを駆動するための構成が少なくとも2つ必要となるため、装置の大型化や消費電力の増大という問題を引き起こしていた。
【0004】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、シャッタ用のセクタと絞り用のセクタとを必要に応じて駆動することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために、本発明は、開口が設けられた基板と、第1のセクタと、前記開口から入射する光量を減少させる絞り部が設けられた第2のセクタと、前記第1及び第2のセクタを駆動して前記開口から前記第1及び第2のセクタを退避した前記開口の全開の状態と前記開口に前記第1及び第2のセクタを進入させた前記開口の全閉の状態と前記開口に前記第2のセクタの前記絞り部を進入させた小絞りの状態とに切り換える駆動手段とを有し、前記駆動手段が、前記全開の状態から前記全閉の状態若しくは前記全閉の状態から前記全開の状態に切り換える場合には、前記第1及び第2のセクタを駆動し、前記小絞りの状態から前記全閉の状態若しくは前記全閉の状態から前記小絞りの状態に切り換える場合には、前記第2のセクタを停止させた状態を保ちつつ前記第1のセクタを駆動するように構成される。第2のセクタを停止させた状態を保ちつつ第1のセクタを駆動する動作を1つの駆動手段で実現できるように構成することで、各々のセクタを必要に応じて駆動することが可能となる。結果、装置の小型化および消費電力の削減を実現することができる。また、全開の状態から全閉の状態にする場合、第1及び第2のセクタで開口を閉じるように構成することで、より素早い動作が可能となる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、全開の状態から全閉の状態若しくは全閉の状態から全開の状態に切り換える場合と小絞りの状態から全閉の状態若しくは全閉の状態から小絞りの状態とでシャッタ用のセクタの駆動を変える撮像装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、本発明による実施例1について図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の実施例1による撮像装置1の内部構成が確認できるように示した側面図である。撮像装置1は3つの主要なユニット部を含んで形成されている。すなわち、撮像装置1は撮像素子を含む撮像ユニット10、レンズを含む光学ユニット20及びセクタを駆動するセクタ駆動ユニット30を含んでいる。図1で図示されるように、撮像装置1は撮像ユニット10上に、光学ユニット20、セクタ駆動ユニット30が順に設けられた構造である。各ユニットは、上下で互いに一部が重なるように配置される。なお、撮像ユニット10と光学ユニット20とを合せて撮像光学モジュールと称する。
【0009】
撮像ユニット10は、撮像基板11、撮像素子12、鏡筒13、光学フィルタ14を含んでいる。撮像素子12はCCD、CMOS等のイメージセンサであり、撮像基板11上の所定位置に固定されている。鏡筒13は形状が略円筒型であり、撮像素子12の外周を囲むようにして撮像基板11上に固定されている。この鏡筒13の下部分13L内にはIRカットフィルタ等の光学フィルタ14が配置されている。また、鏡筒13の上部分13Uは、光学ユニット20及びセクタ駆動ユニット30側の一部と係合している。また、本撮像装置1をカメラ、携帯電話等の電子機器と接続するためのFPC(Flexible Printed Circuit)17が、撮像基板11に形成した配線パターン(図示せず)に接続されている。また、FPC17には電子機器側のメイン回路基板(マザーボード)等との接続を行うためのコネクタ18が設けられている。
【0010】
光学ユニット20の一部をなすレンズホルダ21が、上記鏡筒13の上部分13Uの内側に螺合している。このレンズホルダ21内に3個のレンズ22、23、24が保持されている。レンズホルダ21の外周面と鏡筒13の上部分13Uの内周面には互いに螺合するネジが形成されている。よって、鏡筒13に対してレンズホルダ21を回転させることで光軸方向LAでの位置を変更し、レンズ22、23、24を介して入射する光が撮像素子12上に結像するようにピント調整できる。ピント調整が完了した後に、例えば接着剤を用いてレンズホルダ21が鏡筒13内に固定される。
【0011】
また、レンズホルダ21の上端(被写体側の端部)には、外周を段状に切り欠いた切欠部25が形成されている。この切欠部25は光軸方向LAと垂直な環状面25Fを有している。後述するように、この環状面25Fにはセクタ駆動ユニット30のセクタ基板31が当接する。
【0012】
光学ユニット20の上部にセクタ駆動ユニット30が配置されている。このセクタ駆動ユニット30は、一般にセクタ駆動装置或いはシャッタ装置と称される構成を含んでいる。本撮像装置1では、セクタ駆動ユニット30が光学ユニット20よりも被写体側に配設されている。より詳細には、光学ユニット20のレンズホルダ21上に、セクタ駆動ユニット30に含まれているセクタ基板31の一部が固定される。このセクタ基板31と対向するようにセクタ押え板32が配置されている。セクタ基板31とセクタ押え板32との間の空間SP内にシャッタ用セクタ33と絞り用セクタ34との2枚のセクタが配設されている。
【0013】
セクタ基板31は、レンズホルダ21に当接すると共に鏡筒13の上部分13Uの上側を覆うように形成されている円筒部37と、アクチュエータとしてのステップモータ36が設置されるモータ収納部39とを含んでいる。円筒部37の上部にはシャッタ開口38が形成されている。このシャッタ開口38は、レンズホルダ21の上部に形成されている前述した切欠部25とちょうど嵌合するように形成されている。すなわち、このシャッタ開口38の周部38Cが、切欠部25の環状面25Fに当接した状態で固定される。なお、シャッタ開口38が形成されるセクタ基板31の部分は、光軸方向LAに対して垂直な平板状である。よって、切欠部25の環状面25Fとシャッタ開口38の周部38Cが当接することで、セクタ基板31が光軸方向LAに対して垂直に固定される。
【0014】
なお、レンズホルダ21側の切欠部25を断面が直角な段部に形成し、この切欠部25にちょうど嵌合するようにシャッタ開口38を形成しておけば、レンズホルダ21に対してセクタ基板31をさらに位置精度良く嵌合できる。
【0015】
レンズホルダ21は前述したように鏡筒13内に固定されている。そして、このレンズホルダ21にセクタ基板31のシャッタ開口38が嵌合されている。よって、撮像装置1では光学ユニット20内のレンズ22〜24とセクタ駆動ユニット30との相対位置が変化することがない。したがって、撮像装置1はレンズ22〜24の画角や入射光量が変化しない撮像装置となる。なお、撮像装置1ではレンズホルダ21にセクタ基板31のシャッタ開口38が嵌合しているので実質的に撮影用の開口として機能していない。撮像装置1では、セクタ押え板32に形成した開口32HLが先に指摘した撮影用の開口に相当することになる。
【0016】
また、セクタ基板31の円筒部37と鏡筒13の上部分13Uとの間には、位置決め構造が形成されている。
【0017】
また、セクタ基板31の側部にはステップモータ36の電極を撮像基板11に接続するためのプリント基板40が接合されている。このプリント基板はポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂等の基材で形成した硬質のプリント板である。このプリント基板40は半田41により撮像基板11と電気的に接続されると共に、撮像基板11に対して撮像基板11をほぼ直角に固定する。よって、セクタ駆動ユニット30は撮像基板11に対して電気的に接続されると共に、硬質のプリント基板40を介して撮像基板11により確実に支持される。さらに、前述したようにセクタ駆動ユニット30は円筒部37側が鏡筒13を介して撮像基板11に固定されている。このようにセクタ駆動ユニット30が撮像基板11により安定的に支持されるので、撮像装置1は耐衝撃性に優れ内部での負荷発生を軽減できる構造となる。よって、本撮像装置1はセクタ駆動ユニット30のセクタが周辺部に衝突して破損する等の問題を生じない。
【0018】
また、撮像装置1は上記のようにプリント基板40が撮像基板11に接続されているので、撮像基板11側からステップモータ36の制御を行うことが可能となっている。このような構造を採用すると、本来、セクタ駆動ユニット30側に配置すべきモータ用の電子部品等を撮像基板11側に配置することが可能となる。このように、撮像装置1は撮像基板11側にスペースがあるときには、そのスペースを活用することで装置全体としての小型化が図られている。このような小型化の工夫は撮像装置1内に限るものではない。例えば、セクタを駆動制御するセクタ駆動用IC(制御回路素子)は外形が比較的大きいので、電子機器側のマザーボード側に搭載すると大型化する。本撮像装置1はスペースを活用してこのセクタ駆動用IC15を撮像基板11上に配置している。よって、本撮像装置1を採用する電子機器側の小型化を図ることができる。
【0019】
撮像装置1では、セクタ駆動用IC15を撮像基板11側に配置しても大型化しないように工夫されている。この点ついて説明する。図1に示すように、鏡筒13とレンズホルダ21とが積層される右側部分は相対的に高くなる。これに対して、モータ収納部39に対向する撮像基板11上には空間的な余裕がある。このスペースにセクタ駆動用IC15を配置している。よって、撮像装置1はセクタ駆動ユニット30に用いる部品を撮像基板11側に移動したことで大型化することはなく、スペースを有効活用することで装置全体として小型化できる。
【0020】
また、前述したように撮像基板11には電子機器との接続用にFPC17が接続されており、このFPC17には電子機器側の回路基板(マザーボード等)と接続するためのコネクタ18が設けられている。よって、このコネクタ18を電子機器のマザーボード等に接続するだけで撮像ユニット10及びセクタ駆動ユニット30を制御できる。よって、従来のようにセクタ駆動ユニット30と撮像光学モジュールを個別に制御する場合と比較して、この撮像装置1は電気的な構成を簡略化できる。
【0021】
このほか、ステップモータ36の電極と電気的に接続されているプリント基板40は端子ピン45に接続されている。この端子ピン45は、撮像基板11に設けたコンタクトホール11HLに差し込まれると共に、半田41により撮像基板11に固定されている。
【0022】
次に、シャッタ用セクタ33と絞り用セクタ34との駆動例について図面と共に説明する。図2は開口32HLが全開の状態にある際の構成を示す図である。
【0023】
図2に示すように、シャッタ用セクタ33と絞り用セクタ34とにはそれぞれカム穴332、342が設けられている。図2に示すように、カム穴332はV字型を成しているのに対し、カム穴342はヘの字型を成している。すなわち、カム穴332、342はそれぞれ中央付近で折れ曲がっている。但し、折曲部は角がなく、なめらかな状態である。
【0024】
このカム穴332、342には駆動ピン362が係合されている。また、シャッタ用セクタ33には、軽量化のために穴333が設けられている。絞り用セクタ34には開口32HLより半径の小さい開口(絞り穴343)が設けられている。この絞り穴343は開口32HLを小口径とするための構成である。
【0025】
シャッタ用セクタ33は、これを揺動可能に取り付けるための固定ピン331により、セクタ基板31に支持される。同様に、絞り用セクタ34は、これを揺動可能に取り付けるための固定ピン341により、セクタ基板31に支持される。
【0026】
駆動ピン362は、ステップモータ36の回転軸に固定された駆動アーム361の一方の端に設けられる。したがって、ステップモータ36を駆動することで、駆動アーム361および駆動ピン362を介してシャッタ用セクタ33および絞り用セクタ34を揺動させることが可能である。このため、本実施の形態ではステップモータ36、駆動アーム361及び駆動ピン362で駆動手段を構成している。図3に、駆動アーム361を反時計回りに65°程度回転させた際の状態を示す。
【0027】
図3に示すように、駆動アーム361を65°程度回転させることで、駆動ピン362は、カム穴332、342の折曲部を境として一方(図面中右側)の辺の端から、この一方の辺(図面中右側の辺)を摺動し、折曲部分に差しかかる。この動作、すなわち図2から図3までの動作では、シャッタ用セクタ33を時計回りへ駆動し、絞り用セクタ34を反時計回りに駆動する。これにより、開口32HLは全開の状態から全閉の状態へ移行する。より詳細に説明すると、全開の状態からはシャッタ用セクタ33と絞り用セクタ34との2枚のセクタで開口32HLを全閉とする。2枚のセクタで開口32HLを全閉にする場合、1枚のセクタで開口32HLを全閉にする場合よりも素早い動作が可能である。
【0028】
また、駆動アーム361を更に15°程度、反時計周りに回転させると、図4に示すように、駆動ピン362は折曲部分を過ぎ、カム穴332、342の他の一方の辺(図面中左側の辺)に差しかかる。この際、絞り用セクタ34に設けられた絞り穴343は、開口32HLの中央に到達する。そして、シャッタ用セクタ33は今までとは逆向き(反時計回り)に駆動している。絞り穴343が開口32HLの中央に到達する間にシャッタ用セクタ33が開口32HLから退避し始めるので、その分、絞りにセットする時間を短縮できる。
【0029】
さらに、駆動アーム361を50°程度、反時計回りに回転させると、図5に示すように、駆動ピン362はカム穴332、342の他の一方の辺(図面中左側の辺)を摺動し、これらの他端に到達する。この動作、すなわち図4から図5までの動作では、シャッタ用セクタ33を時計回りに揺動させるが、絞り用セクタ34は揺動させない。すなわち、図4から図5の状態では、カム穴342の他の一方の辺(図面中左側の辺)がステップモータ36の回転軸を中心とした円に沿った位置、すなわち駆動ピン362が移動する範囲に沿った領域に設けられるように構成される。したがって、駆動アーム361を揺動させても、絞り用セクタ34は駆動されない。このように、駆動アーム361は絞り用セクタ34を停止させた状態を保ちつつシャッタ用セクタ33を揺動可能である。換言すれば、駆動アーム361は絞り穴343で開口32HLを小絞り状態に保ちつつシャッタ用セクタ33で開口32HLを開閉可能である。
【0030】
以上のように、本実施例によれば、駆動アーム361のみを反時計回りに回転させることで、開口32HLを全開状態→全閉状態→小絞り状態と切り換えることができる。また逆に、駆動アーム361のみを時計回りに回転させることで、開口32HLを小絞り状態→全閉状態→全開状態と切り換えることができる。
【0031】
したがって、絞りをせずに撮影を行う場合、駆動アーム361は図2の状態を経て図3の状態へ移行する。一方、小絞りの状態で撮影を行う場合、駆動アーム361は図5の状態を経て図4の状態へ移行する。このように本実施例では、絞りをせずに撮影を行う場合と小絞りの状態で撮影を行う場合とで駆動するセクタの数が変わる。小絞りの状態で撮影を行う場合は、シャッタ用セクタ33の1枚のみが駆動されるので省電力化ができる。また、1つの駆動ピン362を駆動するという単純な動作で絞りの有り無しを切り換えて撮影することが可能となる。また、駆動するピンまたはアームが1つであるため、消費電力を削減することもできる。さらに、絞り用セクタ34をシャッタ用セクタとして兼用することで、構成を簡略化でき、結果、装置の小型化を実現することができる。
【0032】
なお、上記の構成において、図4から図5まで(その逆も含む)の駆動の際、駆動ピン362が絞り用セクタ34のカム穴342に嵌合しないように構成することが望ましい。これは、以上で説明したように、図4から図5の状態において、カム穴342の他の一方の辺(図面中左側の辺)がステップモータ36の回転軸を中心とした円に沿った位置に配置することで実現することができる。このように、小絞り開口の状態でシャッタ用セクタ33のみを駆動する際、絞り用セクタ34のカム穴342に駆動ピン362が当接しないように構成することで、ステップモータ36の動力ロスを防ぐことが可能となり、より素早くスムーズな動作および消費電力の削減を実現することができる。
【実施例2】
【0033】
図6を参照して、実施例2を説明する。実施例1と共通部分は、符号を統一し説明を省略する。また、撮像ユニット10についても実施例1と同様のため説明を省略する。セクタ基板31には、開口32HLが設けられている。この開口32HLを開閉するために、セクタ基板31には、シャッタ用セクタ33及び絞り用セクタ34が設けられている。シャッタ用セクタ33は、シャッタ用アクチュエータであるステップモータ50により駆動される。シャッタ用セクタ33の回転中心は、ステップモータ50の回転中心と同軸となっている。ステップモータ50の回転軸から延びるアーム部51の先端にピン52が設けられ、ピン52が揺動することによりシャッタ用セクタ33が駆動される。同様に、絞り用セクタ34は、絞り用アクチュエータであるステップモータ60により駆動される。絞り用セクタ34の回転中心は、ステップモータ60の回転中心と同軸となっている。ステップモータ60の回転軸から延びるアーム部61の先端にピン62が設けられ、ピン62が揺動することにより絞り用セクタ34が駆動される。
【0034】
セクタ基板31には、シャッタ用セクタ33及び絞り用セクタ34の度決め部材のピン70〜73が設けられており、各セクタの揺動範囲を規制している。
次に、シャッタ用セクタ33と絞り用セクタ34との駆動例について図面で説明する。図6(a)は、全開の状態を示す図である。この状態から図6(b)の全閉の状態に切り換えるときは、ステップモータ50,60を作動して、シャッタ用セクタ33及び絞り用セクタ34の2つのセクタを駆動させる。シャッタ用セクタ33が度決めピン72に当接し、絞り用セクタ34が度決めピン71に当接する位置まで駆動されて、全閉の状態となる。全閉の状態から全開の状態に切り換えるときは、ステップモータ50,60を前述とは逆方向に作動してシャッタ用セクタ33及び絞り用セクタ34の2つのセクタを駆動させる。シャッタ用セクタ33が度決めピン74に当接し、絞り用セクタ34が度決めピン73に当接する位置まで駆動されて、全開の状態となる。
【0035】
また、図6(c)の小絞りの状態から図6(b)の全閉の状態に切り換えるときは、ステップモータ50のみを作動して、シャッタ用セクタ33を駆動させる。シャッタ用セクタ33が度決めピン72に当接し、絞り用セクタ34が度決めピン71に当接する位置まで駆動されて、全閉の状態となる。全閉の状態から小絞りの状態に切り換えるときは、ステップモータ50を前述とは逆方向に作動してシャッタ用セクタ33を駆動させる。シャッタ用セクタ33が度決めピン74に当接する位置まで駆動されて、小絞りの状態となる。
【0036】
このように、全開から全閉の状態になる露光時と小絞り状態から全閉になる露光時とで駆動するセクタの数が変わる。小絞りの状態で撮影を行う場合は、シャッタ用セクタ33の1枚のみが駆動されるので省電力化ができる。
【0037】
なお、上記実施例1及び2は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。例えば、絞り用セクタ34には小径の絞り穴343を設けていたが、これに限らず小径の穴にせずに開口32HLを覆うことが可能な位置にNDフィルタを設けるようにしてもよい。またセクタも揺動タイプに限らず、平行移動用タイプでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1による撮像装置1の内部構成が確認できるように示した側面図である。
【図2】図1の開口32HLが全開の状態にある際の構成を示す図である。
【図3】図1の開口32HLが全閉の状態にある際の構成を示す図である。
【図4】図1の開口32HLが全閉の状態であって絞り穴342が開口32HLの中央に位置した際の構成を示す図である。
【図5】図1の開口32HLが小絞りの状態にある際の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例2のセクタの駆動状態を示す図である。(a)は開口32HLが全開の状態を示す図である。(b)は開口32HLが全閉の状態を示す図である。(c)は開口32HLが小絞りの状態を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 撮像装置
10 撮像ユニット
11 撮像基板
11HL コンタクトホール
12 撮像素子
13 鏡筒
13L 鏡筒13の下部分
13U 鏡筒13の上部分
14 光学フィルタ
15 セクタ駆動用IC
17 FPC
18 コネクタ
20 光学ユニット
21 レンズホルダ
22、23、24 レンズ
25 切欠部
25F 環状面
30 セクタ駆動ユニット
31 セクタ基板
32 セクタ押え板
32HL 開口
33 シャッタ用セクタ
34 絞り用セクタ
36 ステップモータ
37 円筒部
38 シャッタ開口
38C シャッタ開口38の周部
39 モータ収納部
40 プリント基板
41 半田
45 端子ピン
331、341 固定ピン
332、342 カム穴
333 穴
343 絞り穴
361 駆動アーム
362 駆動ピン
LA 光軸
SP 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が設けられた基板と、
第1のセクタと、
前記開口から入射する光量を減少させる絞り部が設けられた第2のセクタと、
前記第1及び第2のセクタを駆動して前記開口から前記第1及び第2のセクタを退避した前記開口の全開の状態と前記開口に前記第1及び第2のセクタを進入させた前記開口の全閉の状態と前記開口に前記第2のセクタの前記絞り部を進入させた小絞りの状態とに切り換える駆動手段とを有し、
前記駆動手段は、前記全開の状態から前記全閉の状態若しくは前記全閉の状態から前記全開の状態に切り換える場合には、前記第1及び第2のセクタを駆動し、前記小絞りの状態から前記全閉の状態若しくは前記全閉の状態から前記小絞りの状態に切り換える場合には、前記第2のセクタを停止させた状態を保ちつつ前記第1のセクタを駆動することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−184616(P2006−184616A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378673(P2004−378673)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(396004981)セイコープレシジョン株式会社 (481)
【Fターム(参考)】