説明

撮像装置

【課題】撮像装置に取り込まれる撮影画像等へのゴミの写り込みを防止し、良質な画像を低コストで得ることができ、かつ、ゴミ清掃のメンテナンス周期を長くすることができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像素子18の正面側に配置される光学ローパスフィルター38には、超撥水性の薄膜が形成される。超撥水性の薄膜は、浮遊ゴミ(浮遊粒子状物質)の付着を防止する効果があり、光学ローパスフィルター38の表面に付着したゴミの撮影画像への写り込みが防止されると共に、光学ローパスフィルター38のゴミ清掃のためのメンテナンスも長期間行う必要がなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に係り、特に被写体を撮像する固体撮像素子を具備し、その固体撮像素子上のゴミ(浮遊粒子状物質)の付着を防止することができる撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像素子を搭載した撮像装置における撮影画像へのゴミの写り込みの問題に関して様々な解決案が提案されている。特許文献1では、撮像素子とシャッターとの間に透明でかつ圧電素子により振動される防塵フィルターを配備することが提案されている。これによれば、圧電素子に電圧を印加することにより透明防塵フィルターが加振され、防塵フィルターに付着したゴミが振るい落とされ、撮影画像へのゴミの写り込みが防止される。
【0003】
特許文献2では、フォーカルプレーンシャッターの撮像素子側の背面に透明な薄板部材を配備することが提案されている。これによれば、シャッターの開閉動作に伴い発生するゴミがその透明な薄板部材に捕獲され、薄板部材に付着したゴミが多くなったときは、その薄板部材を交換することにより簡単にゴミを除去することができる。
【0004】
特許文献3では、シャッター幕よりレンズ側に撮像素子をゴミや塵から保護する透明保護部材を配備することが提案されている。これによれば、ゴミは撮像素子に付着せずに透明保護部材に付着し、ゴミ清掃時にはシャッター幕を開放せずに(シャッター幕を動かす乱流が発生しゴミが舞い易いため)、透明保護部材のみを清掃することによりゴミの除去が可能となる。
【0005】
特許文献4では、撮像素子の面積よりも大きな光学ローパスフィルターを光軸と直角方向に移動可能にすることが提案されている。これによれば、露光時に光学ローパスフィルターを移動させることにより、ゴミの形をぼかし、撮像画像へのゴミの写り込みを軽減することができる。
【0006】
特許文献5では、撮像素子上に直接液晶層から形成されるセンサーカバーを配置することが提案されている。これによれば、製造工程での撮像素子へのゴミの付着が防止される。
【0007】
尚、特許文献6には、シャッターとして液晶を用いた一眼レフカメラが記載されており、これによりレンズ光学系の小型化及び薄型化が図られている。
【特許文献1】特開2003―348401号公報
【特許文献2】特開2003―23560号公報
【特許文献3】特開2002―90842号公報
【特許文献4】特開2002―10137号公報
【特許文献5】特開2004―260357号公報
【特許文献6】特開2003―344897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献では以下のような欠点があった。特許文献1では、防塵フィルター及び加振用駆動回路が必要であり高価になる。また、比較的大きなゴミ(数百μm程度)は振動で振るい落とすことができるが、微小なゴミ(数十μm程度)は振るい落とすことができない。防塵フィルター上の微小ゴミが撮像素子に結像しないようにするためには機構上防塵フィルターと撮像素子との距離を長くする必要があるため、小型化が難しくなる。
【0009】
特許文献2、3では、シャッター幕の開閉に伴い発生するゴミには効果があるが、空気中に浮遊するゴミ(SPM:Suspended Particulate Matter=浮遊粒子状物質)に対しては効果がない(実際のゴミはこのSPMが90%以上を占める)。従って、メンテナンス時期(薄板部材交換時期)は現状と変わらず、かつ、薄板部材保持が必要であり高価である。
【0010】
特許文献4では、光学ローパスフィルターを移動させる駆動手段が必要であり、装置が高価になるとともに移動機構が必要なため大型化する。また、ゴミ清掃のメンテナンス時期は現状と変わらないため、ユーザの負担は軽減できない。
【0011】
特許文献5では、完成品となった撮像素子へのゴミの付着に関しては防止することができず、また、特許文献6においては、ゴミ付着の防止については何ら対応も図られていない。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撮像装置において取り込まれる撮影画像等へのゴミの写り込みを防止し、良質な画像を低コストで得ることができ、かつ、ゴミ清掃のメンテナンス周期を長くすることができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の撮像装置は、入射した被写体から光を結像する撮影光学系と、前記撮影光学系により結像された像を受光面で受光して光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の受光面に対して被写体側に配置され、表面に超撥水性の薄膜が形成された光学フィルターと、を備えたことを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、撮像素子の近傍に配置される光学フィルターの表面に超撥水性の薄膜を形成することによって、空気中に浮遊するゴミの付着を防止することができ、ゴミの写り込みのない良質な撮影画像を長期間にわたって提供することができる。
【0015】
請求項2に記載の撮像装置は、請求項1に記載の発明において、前記超撥水性の薄膜は、水滴接触角が150度以上で、かつ、約400nm〜約500nmの波長の光の透過率が80%以上で、かつ、組成成分として少なくともシリコン又はフッ素を含むことを特徴としている。本発明は、ゴミの付着を防止することができる適正な薄膜の条件の一態様を示している。
【0016】
請求項3に記載の撮像装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記光学フィルターは、前記撮像素子の受光面との間を密閉した状態で保持され、前記超撥水性の薄膜は、少なくとも前記光学フィルターの被写体側の表面に形成されたことを特徴としている。
【0017】
本発明は、超撥水性の薄膜が形成される光学フィルターが、撮像素子の受光面を密閉するような構造で配置されているものに適用されることを示し、また、その場合に空気中に露出する被写体側の表面に少なくとも超撥水性の薄膜を形成すればよいことを示している。
【0018】
請求項4に記載の撮像装置は、請求項1、2、又は、3に記載の発明において、少なくとも前記光学フィルターの被写体側に浮遊ゴミを捕獲する捕獲手段を備えたことを特徴としている。
【0019】
本発明によれば、浮遊ゴミを捕獲手段によって捕獲することができるため、浮遊ゴミ自体を低減することができ光学フィルターへの浮遊ゴミの付着をより低減することができる。
【0020】
請求項5に記載の撮像装置は、請求項4の発明において、前記捕獲手段は、前記浮遊ゴミを粘着する粘着手段であることを特徴としている。本発明は、捕獲手段が粘着によって浮遊ゴミを捕獲する手段であることを示し、例えば、光学フィルターに連通する空間の壁面や、浮遊ゴミの侵入口などに粘着剤を塗布したり、粘着剤を塗布したテープを貼り付ける等の方法が考えられる。
【0021】
請求項6に記載の撮像装置は、請求項1〜5のうちいずれか1に記載の発明において、前記光学フィルターの周面に当接して前記光学フィルターを保持する保持部材を備え、前記光学フィルターに当接する前記保持部材の保持部において、前記光学フィルターの被写体側の表面が前記保持部材の被写体側の表面に対して被写体側に突出した位置、又は、同一の位置に配置されることを特徴としている。
【0022】
本発明によれば、光学フィルターに付着したゴミの拭き取り等を行うメンテナンス時に、光学フィルターの周部にゴミが堆積しない構造であるため、メンテナンス作業が簡単になると共に、メンテナンスの周期を長くすることができる。
【0023】
請求項7に記載の撮像装置は、請求項6に記載の発明において、前記保持部材の前記保持部において、前記光学フィルターの周面との間に部分的な隙間を形成したことを特徴としている。
【0024】
本発明によれば、光学フィルターに付着したゴミの拭き取り等を行うメンテナンス時に、拭き取れなかったゴミが撮影画像に影響のない隙間(光学フィルターと保持部材との隙間)に入り込み、光学フィルターの周部にゴミが堆積しない構造であるため、メンテナンス作業が簡単になると共に、メンテナンスの周期を長くすることができる。また、光学フィルターの周面に当接する保持部材の保持部の周面に凹凸ができ、光学フィルターを保持しやすい構造となる。
【0025】
請求項8に記載の撮像装置は、請求項1〜7のうちいずれか1に記載の発明において、レンズ交換式のカメラ本体部と、前記カメラ本体部にマウント結合されるレンズ鏡胴とからなり、前記撮影光学系は前記レンズ鏡胴内に配置され、前記撮像素子と前記光学フィルターは前記カメラ本体部の内部に配置されることを特徴としている。本発明は、レンズ交換式の電子カメラに請求項1〜7の発明を適用した場合の態様を示している。
【0026】
請求項9に記載の撮像装置は、入射した被写体から光を結像する撮影光学系と、前記撮影光学系により結像された像を受光面で受光して光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の受光面に対して被写体側に配置された光学フィルターと、浮遊ゴミを捕獲するために少なくとも前記光学フィルターの被写体側に配置された捕獲手段と、を備えたことを特徴としている。
【0027】
本発明によれば、浮遊ゴミを捕獲手段によって捕獲することができるため、浮遊ゴミを低減することができ光学フィルターへの浮遊ゴミの付着を低減することができる。
【0028】
請求項10に記載の撮像装置は、請求項9に記載の発明において、前記捕獲手段は、前記浮遊ゴミを粘着する粘着手段であることを特徴としている。本発明は、捕獲手段が粘着によって浮遊ゴミを捕獲する手段であることを示している。
【0029】
請求項11に記載の撮像装置は、入射した被写体から光を結像する撮影光学系と、前記撮影光学系により結像された像を受光面で受光して光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の受光面に対して被写体側に配置され、表面に超撥水性の薄膜が形成された光学フィルターと、応答速度0.25ms以下の液晶から構成される液晶シャッターと、を備えたことを特徴としている。本発明によれば、メカニカルに開閉動作しない液晶シャッターが使用されるため、浮遊ゴミの発生を防止することができる。
【0030】
請求項12に記載の撮像装置は、請求項11に記載の発明において、前記液晶は、強誘電性の液晶であることを特徴としている。強誘電性の液晶は応答特性が速いことで知られている。
【0031】
請求項13に記載の撮像装置は、着脱可能な光学式ファインダーを備える撮像装置において、前記光学式ファインダーの外装部材の内部に、浮遊ゴミを捕獲するための捕獲手段を備えたことを特徴としている。本発明によれば、着脱可能な光学式ファインダーの内部における浮遊ゴミを低減することができ、ファインダー像にゴミが映り込む不具合が防止される。
【0032】
請求項14に記載の撮像装置は、請求項13に記載の発明において、前記光学式ファインダーを構成するレンズの表面に超撥水性の薄膜が形成されていることを特徴としている。本発明によれば、光学式ファインダーのレンズの表面に浮遊ゴミが付着し難く、フィインダー像にゴミが映り込む不具合がより効果的に防止される。
【0033】
請求項15に記載の撮像装置は、レンズ鏡胴が着脱可能なカメラ本体からなる撮像装置において、前記レンズ鏡胴が装着される前記カメラ本体の開口部に設けられ、該開口部を開放した開放状態と、該開口部を閉塞した閉塞状態とに開閉動作するバリアと、前記レンズ鏡胴が前記カメラ本体に装着されたか否かを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記レンズ鏡胴が前記カメラ本体に装着されている場合には、前記バリアを開放状態に設定し、前記レンズ鏡胴が前記カメラ本体に装着されていない場合には、前記バリアを閉塞状態に設定するバリア制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0034】
本発明によれば、レンズ鏡胴をカメラ本体から取り外した際に、レンズ鏡胴が装着されるカメラ本体の開口部がバリアによって閉塞されるため、カメラ本体内へのゴミの侵入が防止される。
【0035】
請求項16に記載の撮像装置は、請求項15に記載の発明において、前記バリアの表面に超撥水性の薄膜が形成されていることを特徴としている。本発明によれば、バリアへのゴミの付着も生じ難いため、バリアに付着したゴミのカメラ本体内への巻き込みも防止される。
【0036】
請求項17に記載の撮像装置は、レンズ鏡胴が着脱可能なカメラ本体からなる撮像装置において、前記レンズ鏡胴が装着される前記カメラ本体の開口部に設けられ、該開口部を閉塞する閉塞部材であって、光透過率が80%以上で且つ超撥水性の薄膜が表面に形成されている閉塞部材を備えたことを特徴としている。
【0037】
本発明によれば、レンズ鏡胴をカメラ本体から取り外した際に、レンズ鏡胴が装着されるカメラ本体の開口部が閉塞部材によって閉塞されているため、カメラ本体内へのゴミの侵入が防止される。
【0038】
請求項18に記載の撮像装置は、請求項17に記載の発明において、閉塞部材は、弾性を有する弾性部材であることを特徴としている。本発明は閉塞部材の一態様を示している。
【0039】
請求項19に記載の撮像装置は、請求項1〜7、9〜14のうちいずれか1に記載の発明において、前記撮像装置は、レンズ一体式のデジタルスチルカメラであることを特徴としている。
【0040】
請求項20に記載の撮像装置は、請求項1〜18のうちいずれか1に記載の発明において、前記撮像装置は、顕微鏡用カメラであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、撮像装置において取り込まれる撮影画像等へのゴミの写り込みを防止し、良質な画像を低コストで得ることができ、かつ、ゴミ清掃のメンテナンス周期を長くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、添付図面に従って本発明に係る撮像装置を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第1の実施の形態を示した側面断面図である。同図の電子カメラ(以下、カメラという)は、カメラ本体部10とレンズ鏡胴12からなり、レンズ鏡胴12はカメラ本体部10のマウント14によってカメラ本体部10に対して着脱自在に装着されている。
【0044】
レンズ鏡胴12は複数のレンズやその駆動機構からなる撮影光学系16を内部に保持しており、撮影光学系16は、被写体からの光を透過させることで被写体の像を撮像素子18の光電変換面(受光面)に結像させる。尚、レンズ鏡胴12については、従来のカメラ等において一般的に使用されているものと同様なものが適用される。
【0045】
カメラ本体部10の内部には、撮影光学系16を透過した被写体光束を折り曲げて接眼窓20へと導くためのメインミラー22、ペンタプリズム24、接眼レンズ26等が配置されている。
【0046】
メインミラー22は、撮影光学系16の光軸28から退避する位置と、光軸28上の所定の位置との間で移動自在に配置され、通常状態では、光軸28上に配置されると共に、光軸28に対して所定の角度、例えば角度45度を有して配置されている。これにより、撮影光学系16を透過した被写体光束は、カメラ本体部10が通常状態にあるときは、メインミラー22によってその光軸28が折り曲げられてピント板30に結像され、結像された光束は、ファインダーの視認性を向上させるコンデンサレンズ32を通してペンタプリズム24へと導かれるようになっている。
【0047】
ペンタプリズム24へと導かれた光束は、ペンタプリズム24内で正立正像となるように反射した後、接眼レンズ26へと導かれ、接眼レンズ26により撮影者が最適な像を観測できるように拡大される。
【0048】
一方、カメラが撮影動作の実行中において、露光動作中のときにはメインミラー22は、光軸28から退避する所定の位置に移動する。同時にシャッター(フォーカルプレーンシャッター)を構成する先幕34及び後幕36の開放により、被写体光束は、撮像素子18の被写体側に設置された光学ローパスフィルター38を通過した後に、撮像素子18の受光面に結像する。
【0049】
光学ローパスフィルター38は、被写体像の空間周波数から、標本化空間周波数成分近傍の空間周波数成分を低減させることにより、被写体の画像データにモアレ等を発生させないための役割を果たす。
【0050】
撮像素子18の受光面に結像した被写体像は、光電変換された後、電気信号(画像信号)として撮像素子18により得られる。そして、撮像素子18により得られた画像信号は、回路基板40に実装された信号処理回路などの電気回路によって各種の信号処理が施され、メモリカード等の記録媒体に記録される。
【0051】
続いて、上記光学ローパスフィルター38について説明する。図2に示すように光学ローパスフィルター38は、従来の水晶やリチウムナイオベート等からなる複数(本形態では2枚)の複屈折板38b、38cをはり合わせることにより構成されると共に、複屈折板38bの被写体側の表面には、超撥水性の薄膜38aが形成されている。超撥水性の薄膜38aは、例えばプラズマCVD或いはゾルーゲル法などの手段で形成された水滴接触角150度以上で、しかも約400〜約600nmの波長の光に対して透過率80%以上の略透明で、厚みが数十nm〜数百nm程度のフッ素(F)系皮膜やシラン(SiH4)の薄膜で形成されている。尚、一般的な可視光線の波長は約380nm〜約780nmであるが、実際は約400nm〜約500nmの範囲で透過率80%以上得られていれば、得られる撮影画像には問題がない。
【0052】
この薄膜38aによれば、レンズ鏡胴12の交換時にカメラ本体部10の内部に油分を含む浮遊ゴミ(浮遊粒子状物質(数μm〜数十μm程度))が浸入した場合でも、その浮遊ゴミに対しても撥水性が非常に高いため、薄膜38aの表面に浮遊ゴミが付着することが防止される。従って、長期間に渡り良質な画像を安価なコストで提供できるという効果を有する。
【0053】
以上の実施の形態では、光学ローパスフィルター38の被写体側の表面(複屈折板38bの被写体側表面)に超撥水性の薄膜が形成されているが、光学ローパスフィルター38の全面に超撥水性の薄膜を形成することも可能であり、その場合であっても同様の効果を有する。
【0054】
図3は、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第2の実施の形態を示した側面断面図である。尚、図3において図1と同一の構成要素については図1と同一符号を付し、説明を省略する。
【0055】
撮影光学系16を透過した被写体光束は、メインミラー22で光軸28を折り曲げて接眼窓20へと導かれると同時に、一部は透過され、メインミラー22の背後にあるサブミラー50で折り曲げられて、カメラ本体部10の底部に配置されたAFセンサー52に導かれる。AFセンサー52は通常セパレータレンズ(図示せず)と共にモジュール化されており、露光動作直前まで被写体との距離を計測し続け、ピントずれのない良好な撮影画像を提供する。
【0056】
本実施の形態では、メインミラー22、サブミラー50が設置されているミラーボックス54内の壁面(図3は、ミラーボックス54の被写体側と上側が開口されている部分の断面であるため、下面のみ)に、例えば粘着性のあるUV硬化型粘着剤や、せん断接着力が700N(20nm/20mm:ステンレス同士)以上のアクリル系粘着剤が塗布された粘着テープ56等が粘着剤の塗布面を露出した状態で接着される。尚、ミラーボックス54内の壁面に前記粘着剤を直接塗布してもよい。
【0057】
ミラーボックス54内の壁面に上記粘着テープ56を接着し、又は、粘着剤を塗布することにより、レンズ交換時にカメラ本体部10の内部に浮遊ゴミ(浮遊粒子状物質)が浸入しても、浸入口で捕獲されるため、カメラ本体部10の内部で浮遊ゴミが浮遊することが軽減される。従って、光学ローパスフィルター38に形成された超撥水性の薄膜38aによる浮遊ゴミの付着防止効果以上に浮遊ゴミの付着を防止することができ、良質の画像を長期間に渡り、安価に提供することができる。
【0058】
同時に、カメラ本体部10の内部に浸入した浮遊ゴミがカメラ本体部10の底部に存在するAFセンサー52のセパレータレンズに付着することも防止できるため、AFセンサー52の誤動作を防止することができるという効果もある。
【0059】
図4は、上記第1、第2の実施の形態のように超撥水性の薄膜が形成された光学ローパスフィルター38を保持するための保持機構の第1の実施の形態を示した断面図であり、図5は、図4に示した構成部材の分解斜視図である。
【0060】
図2に示したように少なくとも被写体側の表面に超撥水性の薄膜38aが形成された光学ローパスフィルター38は、図4、図5に示すように背面側(撮像素子側)から矩形状の開口70Aを有し弾性変形するゴム部材70に嵌め込まれ、光学ローパスフィルター38の周面の背面側一部と、背面の周部にゴム部材70が密着される。また、光学ローパスフィルター38の正面側(被写体側)からは矩形状の開口72Aを有する保持部材72に嵌め込まれ、ゴム部材70と保持部材72との当接により規制される位置まで光学ローパスフィルター38が保持部材72の開口72A内に嵌入される。これにより、光学ローパスフィルター38は光軸方向に対して略決められた位置で保持部材72に保持される。
【0061】
一方、保持部材72は、矩形状の開口74Aを有する板状の固定部材74にネジにより取り付けられ、固定部材74は、撮像素子18が取り付けられている板状部材76を介して信号処理回路基板78に、ネジにより組み付けられる。これにより、撮像素子18の正面側に光学ローパスフィルター38が配置されると共に、撮像素子18の受光面と光学ローパスフィルター38の背面側表面との間が密閉された状態で保持される。
【0062】
ところで、カメラを数年間使用し続けると、超撥水性の薄膜38aが形成された光学ローパスフィルター38であっても、カメラ本体部10の内部に侵入した浮遊ゴミ(浮遊粒子状物質)が光学ローパスフィルター38の表面に付着する場合もあり、このような場合には、光学ローパスフィルター38を清掃する必要がある。光学ローパスフィルター38を清掃する場合、レンズ鏡胴12をカメラ本体部10から取り外した後に、カメラ本体部10のマウント14側より、ゴミの発生のない、例えば不織布のようなものにアルコール等を含侵させ、光学ローパスフィルター38の表面を拭く必要がある。
【0063】
図4、図5に示した光学ローパスフィルター38の保持機構によれば、このような清掃作業において光学ローパスフィルター38の表面に付着した浮遊ゴミを簡単に取り除くことができる。即ち、光学ローパスフィルター38は、その表面が保持部材の保持部72B(光学ローパスフィルター38の周面に当接する境界近傍部分)での正面側表面(被写体側の面)よりも光軸方向の被写体側に突出した状態で保持されている。従って、光学ローパスフィルター38の清掃作業のため、アルコールを含侵させた不織布等で光学ローパスフィルターの表面を拭いた際に、布に付着せずに取り除けなかったゴミが光学ローパスフィルター38の隅に堆積することなく、簡単に取り除くことができる。また、ゴミが堆積するとしても光学ローパスフィルター38の表面よりも外側の保持部材72との段差部分であるためその影響は受けない。従来では、清掃時に光学ローパスフィルター38と保持部材72との境界部分にゴミが堆積しやすく、作業熟練が必要であったが、上記実施の形態の保持機構の場合には、万が一光学ローパスフィルター38の清掃が必要となった場合であっても簡単に清掃作業を行うことができるという利点がある。
【0064】
尚、図4、図5に示した態様では、光学ローパスフィルター38が、その正面側表面が保持部材72の保持部72Bでの正面側表面よりも突出した状態で保持されているが、これに限らず光学ローパスフィルター38の正面側表面と保持部材72の保持部72Bの正面側表面とが同一位置となるように光学ローパスフィルター38を保持部材72で保持するようにしてもよい。
【0065】
図6は、超撥水性の薄膜が形成された光学ローパスフィルター38を保持するための保持機構の第2の実施の形態を示した断面図であり、図7は、図6に示した構成部材の分解斜視図である。尚、本第2の実施の形態の保持機構の構造は、図4、図5に示した第1の実施の形態の保持機構の構造と略一致しており、図4、図5と同一又は類似作用の構成部材には同一符号を付し説明を省略する。
【0066】
図6、図7に示すように光学ローパスフィルター38の保持部材72の左右の保持部72Bに断面が略半円状の複数の溝72C、72C、…が形成される。これによって光学ローパスフィルター38の周面と保持部材72との間に部分的な隙間が形成される。尚、第1の実施の形態と異なり、第2の実施の形態では、光学ローパスフィルター38の正面側表面と保持部材72の保持部72Bの正面側表面の位置が一致しているが、第1の実施の形態と同様に光学ローパスフィルター38の正面側表面が保持部材72の保持部72Bの正面側表面よりも突出している場合であってもよい。
【0067】
このような第2の実施の形態の保持機構によれば、光学ローパスフィルター38の清掃作業のため、アルコールを含侵させた不織布等で光学ローパスフィルターの表面を拭いた際に、ゴミが布に付着して除去されるか、又は、保持部材72の保持部72Bの溝72C、72C、…に入り込む。従って、光学ローパスフィルター38の清掃が必要となった場合であっても、簡単に清掃作業を行うことができ、かつ、清掃作業の際に光学ローパスフィルター38の周部にゴミが堆積することがないため、清掃作業の簡略化と清掃期間の大幅な長期化を図ることができる。
【0068】
尚、図6、図7では、保持部材72の保持部72Bの溝72C、72C、…を左右にのみ設けた場合について示したが、これに限らず、例えば、左右の溝72C、72C、…と同様に上下にも同様の溝を複数設けてもよいし、上下にのみ同様の溝を複数設けてもよい(いずれか一辺にのみ設けることも可能)。
【0069】
次に、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第3の実施の形態について説明する。図8は、第3の実施の形態の電子カメラを示した側面断面図である。尚、図8において図1と同一の構成要素については図1と同一符号を付し、説明を省略する。
【0070】
本実施の形態では、図1の第1の実施の形態におけるメカニカルシャッター(先幕34及び後幕36からなるシャッター)の代わりに液晶シャッター100が設置されている。通常のカメラでは、メカニカルシャッターを用いて所望のシャッター速度(1/4000秒以上)が得られるような構造となっている。図1に示した第1の実施の形態においても、2枚のシャッター幕(先幕34及び後幕36)を高速度で移動させて露光させるような仕組みとなっている。しかしながら、このようなシャッター動作では、シャッター開閉に伴い微妙なゴミがカメラ本体部10の内部に発生し易く、光学ローパスフィルター38に超撥水性の薄膜38aを付与しても、ゴミの発生を防止するという観点からは望ましくない。
【0071】
そこで、本実施の形態のようにシャッターとして液晶(液晶シャッター100)を用いることによって、メカニカルな動きがないためゴミの発生が防止される。液晶シャッター100は、液晶材料に印加する電圧を制御することによって被写体光束の透過する状態と遮断する状態とが切り替えられるようになっており、メカニカルシャッターの開閉動作と同等の作用が得られるようになっている。液晶シャッター100の液晶材料としては、応答性が速い強誘電液晶(強誘電性の液晶)が好ましく、特に応答速度が0.25ms以下の高速応答が可能な液晶材料が望ましい。例えば、このような特性を有する強誘電液晶の液晶材料は図9(A)のような構造を有するキラルドーパントを、キラル化合物を含まないベース液晶組成物に添加されて生成される。図9(A)の強誘電液晶用キラルドーパントは、含フッ素光活性化合物であり、キラル部とコア部がエーテル、エステルなどの各種結合子により結ばれた構造を有している。また、図9(A)のキラルドーパントの代わりに、図9(B)のように、エーテル結合を有するキラルドーパント、コア構造を変化させたキラルドーパント、又は、コア側鎖長を変化させたキラルドーパントを用いることもできる。尚、図9のようなキラルドーパントに限らず、キラル側鎖のフッ素位置の異なるキラルドーパントや、コア側鎖にフッ素基を用いたものであってもよいし、又は、他の液晶材料であってもよい。
【0072】
次に、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第4の実施の形態について説明する。図10は、第4の実施の形態の電子カメラを示した側面断面図である。尚、図10において図1と同一の構成要素については図1と同一符号を付し、説明を省略する。本実施の形態では、接眼窓20及び接眼レンズ26を含む光学ファインダーユニット102がカメラ本体部10に対して脱着可能な構成となっている。光学ファインダーユニット102は、接眼窓20や接眼レンズ26を保持すると共に、被写体光束が通過する光路以外の部分を遮蔽する枠部材(外装部材)104を備えている。その枠部材104の内面に、例えば図3の第2の実施の形態におけるミラーボックス54の壁面と同様に、粘着性のあるUV硬化型粘着剤や、せん断接着力が700N(20nm/20mm:ステンレス同士)以上のアクリル系粘着剤が塗布された粘着テープ106が粘着剤の塗布面を露出した状態で接着される。尚、枠部材104の内面に前記粘着剤を直接塗布してもよい。
【0073】
また、接眼レンズ26を構成する各レンズ群の表面には、光学ローパスフィルター38と同様の特性を有する超撥水性の薄膜が形成されている。
【0074】
本実施の形態によれば、光学ファインダーユニット102の内部に浮遊ゴミが浮遊することが防止される。また、接眼レンズ26にゴミが付着することが抑止されるため、良好な被写体像を視認することができる。更に、光学ファインダーユニット102自体を交換することができるため、光学ファインダーユニット102の内部にゴミが蓄積されたとしても安価に修復することができる。
【0075】
次に、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第5の実施の形態について説明する。図11は、本実施の形態においてレンズ鏡胴12をカメラ本体部10に装着した状態を示し、図12は、レンズ鏡胴12をカメラ本体部10から外した状態を示した電子カメラの側面断面図である。尚、図11、12において図1と同一の構成要素については図1と同一符号を付し、説明を省略する。
【0076】
本実施の形態では、カメラ本体部10のレンズ鏡胴12(交換レンズ)が装着されるマウント14の開口部にゴミ防止バリア110が設けられている。ゴミ防止バリア110は、図11のようにレンズ鏡胴12がカメラ本体部10に装着されている場合には、被写体光束が通過する光路から退避した状態(開放状態)となり、図12のようにレンズ鏡胴12がカメラ本体部10にから外されている場合は、マウント14の開口全体を閉塞する状態(閉塞状態)となるように開閉動作するようになっている。このゴミ防止バリア110の開閉動作は、モータ112の駆動によって行われるようになっている。尚、ゴミ防止バリア110は、上下に動く形式のバリア、又は、回転系バリア等どのような機構であってもよく、また、どのような材質であってもよい。
【0077】
一方、マウント14が形成された着脱リング内にはレンズ鏡胴12が装着されているか否かを検出する検出スイッチ114が埋設されている。その検出スイッチ114からは、レンズ鏡胴12が装着されているか否かを示す検出信号(オン/オフ信号)が出力され、その検出信号がカメラ本体部10に搭載された図示しない制御回路によって読み取られるようになっている。制御回路は、検出スイッチ114からの検出信号に基づいてゴミ防止バリア110のモータを制御し、検出信号によってレンズ鏡胴12がカメラ本体部10に装着されていることを検出した場合には、ゴミ防止バリア110を図11のように開放状態に設定し、レンズ鏡胴12がカメラ本体部10から外されていることを検出した場合には、ゴミ防止バリア110を図12のように閉塞状態に設定する。
【0078】
また、ゴミ防止バリア110の両面には光学ローパスフィルター38と同様の特性を有する超撥水性の薄膜が形成されている。
【0079】
本実施の形態によれば、ゴミ防止バリア110が設けられることによって、レンズ鏡胴12の着脱に伴う浮遊ゴミのカメラ本体部10内部への侵入が防止される。また、ゴミ防止バリア110に超撥水性の薄膜が形成されることによってゴミ防止バリア110の開閉に伴うカメラ本体部10内部へのゴミの巻き込みとゴミ防止バリア110へのゴミの付着が防止される。
【0080】
次に、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第6の実施の形態について説明する。図13は、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第6の実施の形態を示した側面断面図である。本実施の形態では、マウント14よりもカメラ本体部10内部側に、マウント14の開口部分全体を閉塞する透明の弾性部材120が装着されている。尚、この弾性部材120は光透過率80%以上であることが望ましい。弾性部材120は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)上に酸化スズ(ITO)、酸化インジュウ亜鉛(IZO)等の薄膜材料が形成され、更にこれらの上に光学ローパスフィルター38と同様の特性を有する超撥水性の薄膜が形成された構造となっている。
【0081】
図14(A)、(B)は、弾性部材120の構造の一例を示している。同図(A)では、PET130上(前側表面)にITO(又はIZO)132の薄膜が形成され、その表面(前側表面)に超撥水性の薄膜134が形成されている。同図(B)では、PET130の前側表面が同図(A)と同様に構成されると共に、PET130の後側表面にも同図(A)と同様にITO(又はIZO)136が形成され、その後側表面に超撥水性の薄膜138が形成されている。
【0082】
本実施の形態によれば、レンズ鏡胴12の着脱時に巻き込まれた浮遊ゴミがカメラ本体部10の内部に侵入することが防止され、また、弾性部材120にも付着せず、良好な撮影画像が得られる。尚、弾性部材120は弾性を有するが、必ずしも弾性を有していなくてもよい。
【0083】
以上、上記第1の実施の形態から第6の実施の形態までの各電子カメラで示したゴミの発生や付着等の防止に関する各構成要素は、1つの電子カメラに対して任意に組み合わせて適用することができる。いずれか1つの構成要素のみが適用されている場合であってもよい。
【0084】
また、上記実施の形態では、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。たとえば、ビデオカメラ、カメラ付き携帯電話機、顕微鏡用カメラ等において撮像素子(CCDやCMOS等の固体撮像素子)を有する撮像装置全てに適用することができる。また、上記実施の形態ではレンズ交換式一眼レフタイプのカメラにおいて本発明を適用した場合について説明したが、一眼レフタイプでないカメラであっても本発明を適用することができ、レンズ交換式でないレンズ一体式のカメラ(デジタルスチルカメラ等)であっても本発明を適用することができる。
【0085】
また、上記実施の形態では、撮像素子18の正面側に配置される光学フィルターとして光学ローパスフィルター18が配置される場合について説明したが、光学ローパスフィルター以外の光学フィルターが配置される場合にも本発明を適用できる。
【0086】
更に、上記実施の形態では、光学ローパスフィルター38と撮像素子18の受光面との間が密閉された状態であり、それによって浮遊ゴミの侵入が防止され光学ローパスフィルター38の背面と撮像素子18の受光面への浮遊ゴミの付着が防止されているが、撮像素子38の正面側に配置された光学フィルターの背面側にも浮遊ゴミが侵入するような構造であっても本発明を適用することができ、その光学フィルターの正面と背面の両方に超撥水性の薄膜を形成すれば、光学フィルターへの浮遊ゴミの付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第1の実施の形態を示した側面断面図。
【図2】光学ローパスフィルターの構成を示した図。
【図3】本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第2の実施の形態を示した側面断面図。
【図4】超撥水性の薄膜が形成された光学ローパスフィルターを保持するための保持機構の第1の実施の形態を示した断面図。
【図5】図4の構成部材を分解して示した分解斜視図。
【図6】超撥水性の薄膜が形成された光学ローパスフィルターを保持するための保持機構の第2の実施の形態を示した断面図。
【図7】図6の構成部材を分解して示した分解斜視図。
【図8】図8は、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第3の実施の形態を示した側面断面図である。
【図9】図9は、液晶シャッターの液晶材料として用いられる強有電液晶用キラルドーパントの化学構造を示した図である。
【図10】図10は、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第4の実施の形態を示した側面断面図である。
【図11】図11は、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第5の実施の形態を示した側面断面図であって、レンズ鏡胴をカメラ本体部に装着した状態を示した図である。
【図12】図12は、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第5の実施の形態を示した側面断面図であって、レンズ鏡胴をカメラ本体部から外した状態を示した図である。
【図13】図13は、本発明が適用されたレンズ交換式一眼レフタイプの電子カメラ(デジタルカメラ)の第6の実施の形態を示した側面断面図である。
【図14】図14は、図13の弾性部材の構造の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0088】
10…カメラ本体部、12…レンズ鏡胴、14…マウント、16…撮影光学系、18…撮像素子、20…接眼窓、22…メインミラー、24…ペンタプリズム、26…接眼レンズ、28…光軸、30…ピント板、32…コンデンサレンズ、34…先幕、36…後幕、38…光学ローパスフィルター、38a…薄膜、38b、38c…複屈折板、40…回路基板、50…サブミラー、52…AFセンサー、54…ミラーボックス、56…粘着テープ、70…ゴム部材、72…保持部材、72C…溝、74…固定部材、76…板状部材、78…信号処理回路基板、100…液晶シャッター、102…光学ファインダーユニット、106…粘着テープ、110…ゴミ防止バリア、112…モータ、114…検出スイッチ、120…弾性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射した被写体から光を結像する撮影光学系と、
前記撮影光学系により結像された像を受光面で受光して光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の受光面に対して被写体側に配置され、表面に超撥水性の薄膜が形成された光学フィルターと、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記超撥水性の薄膜は、水滴接触角が150度以上で、かつ、約400nm〜約500nmの波長の光の透過率が80%以上で、かつ、組成成分として少なくともシリコン又はフッ素を含むことを特徴とする請求項1の撮像装置。
【請求項3】
前記光学フィルターは、前記撮像素子の受光面との間を密閉した状態で保持され、前記超撥水性の薄膜は、少なくとも前記光学フィルターの被写体側の表面に形成されたことを特徴とする請求項1又は2の撮像装置。
【請求項4】
少なくとも前記光学フィルターの被写体側に浮遊ゴミを捕獲する捕獲手段を備えたことを特徴とする請求項1、2、又は、3の撮像装置。
【請求項5】
前記捕獲手段は、前記浮遊ゴミを粘着する粘着手段であることを特徴とする請求項4の撮像装置。
【請求項6】
前記光学フィルターの周面に当接して前記光学フィルターを保持する保持部材を備え、
前記光学フィルターの周面に当接する前記保持部材の保持部において、前記光学フィルターの被写体側の表面が前記保持部材の被写体側の表面に対して被写体側に突出した位置、又は、同一の位置に配置されることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記保持部材の前記保持部において、前記光学フィルターの周面との間に部分的な隙間を形成したことを特徴とする請求項6の撮像装置。
【請求項8】
レンズ交換式のカメラ本体部と、前記カメラ本体部にマウント結合されるレンズ鏡胴とからなり、前記撮影光学系は前記レンズ鏡胴内に配置され、前記撮像素子と前記光学フィルターは前記カメラ本体部の内部に配置されることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1に記載の撮像装置。
【請求項9】
入射した被写体から光を結像する撮影光学系と、
前記撮影光学系により結像された像を受光面で受光して光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の受光面に対して被写体側に配置された光学フィルターと、
浮遊ゴミを捕獲するために少なくとも前記光学フィルターの被写体側に配置された捕獲手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
前記捕獲手段は、前記浮遊ゴミを粘着する粘着手段であることを特徴とする請求項9の撮像装置。
【請求項11】
入射した被写体から光を結像する撮影光学系と、
前記撮影光学系により結像された像を受光面で受光して光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の受光面に対して被写体側に配置され、表面に超撥水性の薄膜が形成された光学フィルターと、
応答速度0.25ms以下の液晶から構成される液晶シャッターと、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
前記液晶は、強誘電性の液晶であることを特徴とする請求項11の撮像装置。
【請求項13】
着脱可能な光学式ファインダーを備える撮像装置において、
前記光学式ファインダーの外装部材の内部に、浮遊ゴミを捕獲するための捕獲手段を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項14】
前記光学式ファインダーを構成するレンズの表面に超撥水性の薄膜が形成されていることを特徴とする請求項13の撮像装置。
【請求項15】
レンズ鏡胴が着脱可能なカメラ本体からなる撮像装置において、
前記レンズ鏡胴が装着される前記カメラ本体の開口部に設けられ、該開口部を開放した開放状態と、該開口部を閉塞した閉塞状態とに開閉動作するバリアと、
前記レンズ鏡胴が前記カメラ本体に装着されたか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記レンズ鏡胴が前記カメラ本体に装着されている場合には、前記バリアを開放状態に設定し、前記レンズ鏡胴が前記カメラ本体に装着されていない場合には、前記バリアを閉塞状態に設定するバリア制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項16】
前記バリアの表面に超撥水性の薄膜が形成されていることを特徴とする請求項15の撮像装置。
【請求項17】
レンズ鏡胴が着脱可能なカメラ本体からなる撮像装置において、
前記レンズ鏡胴が装着される前記カメラ本体の開口部に設けられ、該開口部を閉塞する閉塞部材であって、光透過率が80%以上で且つ超撥水性の薄膜が表面に形成されている閉塞部材を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項18】
閉塞部材は、弾性を有する弾性部材であることを特徴とする請求項17の撮像装置。
【請求項19】
前記撮像装置は、レンズ一体式のデジタルスチルカメラであることを特徴とする請求項1〜7、9〜14のうちいずれか1に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記撮像装置は、顕微鏡用カメラであることを特徴とする請求項1〜18のうちいずれか1に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−352836(P2006−352836A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−100457(P2006−100457)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】