説明

撮像装置

【課題】画像に含まれる個人の情報を表示可能な撮像装置において、個人の情報の視認性に関して使用者の利便性を向上した撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、人物に関する属性情報と優先度に関する情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、被写体を撮像し画像データを生成する撮像手段と、撮像手段により生成された画像データが示す画像に含まれる人物の属性情報を表示する表示手段と、を備える。表示手段は、複数の人物に関する属性情報を表示する際に、優先度のより高い人物に関する属性情報が優先度のより低い人物に関する属性情報よりも上側に表示されるように属性情報を重ねて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関し、特に、画像に含まれる人物の個人情報を表示可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、顔認識技術を適用した電子カメラが知られている。例えば、特許文献1は、顔認識技術を適用した電子カメラを開示する。この電子カメラは、個人情報が登録されている人物を認証すると、撮像した画像上にその個人情報を重ねて表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−165822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像した画像上に個人情報を重ねて表示する場合、個人情報の提示の仕方によっては、かえって使用者にとって個人情報を認識しづらくなり、使い勝手が悪くなる場合がある。例えば、画像上に重ねて表示された個人情報により、被写体本来の画像が識別し難くなったり、複数の個人情報が同時に表示されることで、個人情報を認識し難くなったりする場合がある。特に、使用者が画像の構図を決定するためスルー画像を参照している場合、上述の問題は個人情報の認識に関して使用者の利便性を損なう場合がある。
【0005】
本発明は、画像に含まれる個人の情報を表示可能な撮像装置において、個人の情報の視認性に関して使用者の利便性を向上した撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、人物に関する属性情報と人物の優先度に関する情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、被写体を撮像し画像データを生成する撮像手段と、前記撮像手段により生成された画像データが示す画像に含まれる人物の属性情報を表示する表示手段と、を備える撮像装置が提供される。表示手段は、複数の人物に関する属性情報を表示する際に、優先度のより高い人物に関する属性情報が優先度のより低い人物に関する属性情報よりも上側に表示されるように属性情報を重ねて表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の人物に関する属性情報(例えば、名前)を表示する際に、優先度のより高い人物に関する属性情報が優先度のより低い人物に関する属性情報よりも上側に表示される。これにより、使用者により優先度がより高いと考えられている人物の名前を優先的に使用者に提示することができ、属性情報の視認性において使用者の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態におけるデジタルビデオカメラの構成を示すブロック図
【図2】識別対象である人物の顔周辺に顔枠が表示された様子を示した図
【図3】デジタルビデオカメラにおける、識別対象である顔の登録処理を示すフローチャート
【図4】識別対象である顔の登録方法を説明するための図
【図5】実施の形態1における、認証された人物の名前を表示するための処理を示すフローチャート
【図6】実施の形態1における、スルー画像表示時の表示モニタの表示例を説明した図
【図7】実施の形態2における、認証された人物の名前を表示するための処理を示すフローチャート
【図8】実施の形態2における、スルー画像表示時の表示モニタの表示例を説明した図
【図9】実施の形態2における、認証された人物の名前を表示するための処理の別の例を示すフローチャート
【図10】実施の形態3における、認証された人物の名前を表示するための処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して実施の形態を説明する。
【0010】
1.実施の形態1
1−1.概要
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラは、撮像手段により撮影されている画像において、識別対象として事前に登録している人物の顔を識別することができる。デジタルビデオカメラは、識別対象として登録されている顔を識別した場合、表示モニタにスルー画像を表示する際に、識別対象である顔の周辺に、その顔を有する人物に関連した属性情報(例えば、名前)を表示することができる。
【0011】
1−2.構成
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100の電気的構成について図1を用いて説明する。図1は、デジタルビデオカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルビデオカメラ100は、1又は複数のレンズからなる光学系110により形成された被写体像をCCDイメージセンサー140で撮像する。CCDイメージセンサー140で生成された画像データは、画像処理部160で各種処理が施され、メモリカード200に格納される。以下、デジタルビデオカメラ100の構成を詳細に説明する。
【0012】
光学系110は、ズームレンズやフォーカスレンズにより構成される。ズームレンズを光軸に沿って移動させることにより、被写体像の拡大、縮小をすることができる。また、フォーカスレンズを光軸に沿って移動させることにより、被写体像のピントを調整することができる。
【0013】
レンズ駆動部120は、光学系110に含まれる各種レンズを駆動する。レンズ駆動部120は、例えばズームレンズを駆動するズームモータや、フォーカスレンズを駆動するフォーカスモータを含む。
【0014】
絞り300は、使用者の設定に応じて若しくは自動で、開口部の大きさを調整し、透過する光の量を調整する。
【0015】
シャッター130は、CCDイメージセンサー140に透過させる光を遮光するための手段である。
【0016】
CCDイメージセンサー140は、光学系110で形成された被写体像を撮像して、画像データを生成する。CCDイメージセンサー130は、露光、転送、電子シャッターなどの各種動作を行う。
【0017】
A/Dコンバータ150は、CCDイメージセンサー140で生成されたアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。
【0018】
画像処理部160は、CCDイメージセンサー140で生成された画像データに対して各種処理を施し、表示モニタ220に表示するための画像データを生成したり、メモリカード200に格納するための画像データを生成したりする。例えば、画像処理部160は、CCDイメージセンサー140で生成された画像データに対して、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、傷補正などの各種処理を行う。また、画像処理部160は、CCDイメージセンサー140で生成された画像データを、JPEG規格に準拠した圧縮形式等により圧縮する。画像処理部160は、DSPやマイコンなどで実現可能である。
【0019】
コントローラー180は、デジタルビデオカメラ全体を制御する制御手段である。コントローラー180は、半導体素子などで実現可能である。コントローラー180は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。コントローラー180は、マイコンなどで実現できる。コントローラー180は、被写体を撮影する撮影モードと、手動で被写体の顔を事前に登録する顔登録モードとを含む制御モードで、デジタルビデオカメラ100を制御する。
【0020】
コントローラー180は、画像処理部160で生成された画像データが示す画像の中から顔を検出する機能を有する(顔識別機能)。具体的には、内部メモリ240は、標準的な人物等の顔における目の位置、鼻の位置、口の位置等を記憶している。コントローラー180は、画像処理部160で生成された画像データが示す画像の中に、内部メモリ240に記憶されている目、鼻、口等の位置関係と類似する位置関係を有する部分があるか否かを判断する。コントローラー180は、類似する位置関係を有する部分があると判断すると、その部分を中心とする一定の範囲を顔として検出する。
【0021】
コントローラー180は、画像処理部160で生成された画像データが示す被写体の顔が、内部メモリ240に事前に登録されている顔(人物)と同一の顔(人物)か否かを識別する機能を有する(個人認証機能)。具体的には、コントローラー180は、画像処理部160で生成された画像データが示す画像の中から顔を検出する(顔識別機能)。コントローラー180は、顔を検出した際に、その顔のうちの目、鼻、口の位置関係、顔の色、顔の輪郭、眉毛等から顔の特徴を示す特徴量情報を数値化して抽出する。コントローラー180は、顔の特徴量情報を抽出すると、抽出した特徴量情報が内部メモリ240に事前に登録されている顔の特徴量情報と類似しているか否かを判断する。具体的には、コントローラー180は、抽出した特徴量情報を示す数値と、内部メモリ240に記憶されている顔の特徴量情報を示す数値とを比較して、その差が所定の範囲内かどうかで類似しているかどうかを判断する。類似していると判断すると、コントローラー180は、検出した顔が内部メモリ240に事前に登録されている顔と同一の顔であると識別する。一方、類似していないと判断すると、コントローラー180は、検出した顔が内部メモリ240に事前に登録されている顔とは別の顔であると識別する。このように、コントローラー180は、画像データ中において識別された顔すなわち人物が、内部メモリ240に事前に登録された顔すなわち人物であるか否かを認証できる(個人認証機能)。
【0022】
バッファ170は、画像処理部160及びコントローラー180のワークメモリとして機能する。バッファ170は、例えば、DRAM、強誘電体メモリなどで実現できる。
【0023】
カードスロット190は、メモリカード200を着脱可能である。カードスロット190は、機械的及び電気的にメモリカード200と接続可能である。メモリカード200は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどを内部に含み、画像処理部160で生成された画像ファイル等のデータを格納可能である。
【0024】
内部メモリ240は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどで構成される。内部メモリ240は、デジタルビデオカメラ100全体を制御するための制御プログラムや、顔検出に用いられる標準的な顔の目、鼻、口の位置関係に関する情報や、顔を識別するために事前に登録する顔に関する情報等を記憶している。
【0025】
操作部材210は、使用者からの操作を受け付けるユーザーインターフェースの総称である。操作部材210は、例えば、使用者からの操作を受け付ける十字キーや決定釦等がこれにあたる。
【0026】
表示モニタ220は、CCDイメージセンサー140で生成した画像データが示す画像(スルー画像)や、メモリカード200から読み出した画像データが示す画像を表示可能である。また、表示モニタ220は、デジタルビデオカメラ100の各種設定を行うための各種メニュー画面等も表示可能である。
【0027】
1−2−1.用語の対応
内部メモリ240は、記憶手段の一例である。CCDイメージセンサー140は、撮像手段の一例である。コントローラー180は抽出手段や判定手段の一例である。表示モニタ220は表示手段の一例である。
【0028】
1−3.顔識別機能
上述したように、デジタルビデオカメラ100は、事前に登録されている顔とCCDイメージセンサー140で撮像している被写体の顔とが同一の顔であるかを識別する機能である顔識別機能(個人認証機能)を有する。デジタルビデオカメラ100は、登録されている顔の特徴量と、撮像している画像に含まれる顔の特徴量とが類似しているか否かを判断する。類似していると判断した場合に、デジタルビデオカメラ100は、登録されている顔と撮像している顔とが同一の顔であると判断する。
【0029】
デジタルビデオカメラ100は、被写体の撮像を行う際に、撮像している被写体の中に登録されている顔が存在するか否かを識別する。登録している顔が存在すると識別した場合に、デジタルビデオカメラ100は、登録している顔に優先的にフォーカスを合わせる等の動作を行う。例えば、図2における最も左側の被写体である少年が識別対象として事前に登録されているとする。この場合、表示モニタ220は、識別対象である少年の顔の周辺に顔枠230を表示する。ここで、デジタルビデオカメラ100は、識別対象の少年の顔にフォーカスを合わせる。
【0030】
この機能によって、優先的にフォーカスを合わせたい被写体がいるような場合には、その被写体の顔を事前にデジタルビデオカメラ100に登録しておけば、その被写体に対して優先的にフォーカスを合わせることができる。
【0031】
1−3−1.識別対象の登録
識別対象とする顔を事前に手動で登録する方法について図3及び図4を用いて説明する。図3は、識別対象とする顔を事前に手動で登録する方法を示すフローチャートである。図4は、識別対象とする顔を事前に手動で登録する方法を説明するための模式図である。
【0032】
使用者が操作部材210を操作して、識別対象とする顔を事前に登録するための顔登録モードを選択することにより、手動の顔登録モードが開始される。デジタルビデオカメラ100のコントローラー180は、対象とする顔を撮影するモードを開始する(S110)。顔登録モードにおいて撮影が開始されると、例えば、表示モニタ220は図4(a)に示されるような画像を表示する。
【0033】
コントローラー180は、使用者により、識別対象とする顔が撮影されたかどうかを判断する(S120)。コントローラー180は、使用者により識別対象とする顔が撮影されるまで待機する。
【0034】
使用者により識別対象とする顔が撮影されると、表示モニタ220は、登録する識別対象についての各種情報の入力を促す画面を表示する(S130)。例えば、表示モニタ220は、図4(b)に示されるような、識別対象の名前、生年月日、及び識別優先度に関する情報の入力を促す画面を表示する。ここで、識別優先度とは、事前に登録されている顔が複数ある場合に、それらの複数の顔を撮影するような場面において、どの顔を優先的に識別するかを決定するパラメータである。
【0035】
コントローラー180は、使用者により、各種情報が入力されたかどうかを判断する(S140)。コントローラー180は、使用者により各種情報が入力されるまで待機する。
【0036】
各種情報が入力されると、コントローラー180は、登録された各種情報と顔の特徴量情報とを関連付けて内部メモリ240に記憶させて顔登録モードを終了する。
【0037】
このような方法によって、使用者は、識別したい顔とその顔に関連する人に関する情報をデジタルビデオカメラ100に登録することができる。
【0038】
1−3−2.顔識別機能(個人認証機能)を用いた撮影を行う際のモニタ表示
デジタルビデオカメラ100において顔識別機能(個人認証機能)を用いた撮影を行う際の表示モニタ220の表示動作について図5、図6を用いて説明する。図5は、顔識別機能を用いた撮影を行う際の表示モニタ220の表示動作のフローチャートである。図6は、表示モニタ220の表示例を示す模式図である。
【0039】
使用者は、操作部材210のうちのモード設定ダイヤルを操作することにより、デジタルビデオカメラ100を撮影モードに設定できる。デジタルビデオカメラ100が撮影モードに設定されると、コントローラー180は、個人認証を開始するまで待機する(S210)。具体的には、コントローラー180は、CCDイメージセンサー140により生成された画像データから顔(すなわち顔の領域)を検出し、検出した顔の特徴量を抽出する。特徴量を抽出すると、コントローラー180は、抽出した特徴量と、内部メモリ240に格納されている各人の顔の特徴量とが類似しているか否かを判断して、個人認証を実行する。このような個人認証処理は、抽出した複数の顔の特徴量全てに対してなされる。つまり、個人認証は複数の人物(顔)に対してなされる。
【0040】
個人認証の結果、画像データにおいて検出された人物が事前に登録された人物と同一であると認証されると(つまり、画像データから検出した顔が事前に登録された顔と同一であることが確認されると)、コントローラー180は、認証した人物の名前を図6(a)に示すように表示するよう、表示モニタ220を制御する(S220)。なお、図6(a)の例では、名前表示領域(四角の領域)を設け、その中に名前を表示している。名前表示領域の大きさや形状は固定でもよいし、表示される名前の文字数に応じて変化させてもよい。図6の例では、名前の背景色すなわち表示領域の色を白とし、表示する文字の色を黒に設定しているが、名前の背景色や文字の色を他の色に設定してもよい。例えば、名前の背景色を黒とし、表示する文字の色を白に設定してもよい。また、図6の例では、名前表示領域を顔の下側の位置に表示しているが、顔の上側や横側の位置に表示してもよい。すなわち、名前の表示方法は図6(a)に示す方法に限定されない。表示モニタ220に名前の表示を開始させると、コントローラー180は、名前の表示を開始してからの経過時間のカウントを開始する(S230)。
【0041】
時間のカウント開始後、コントローラー180は、カウントに基づき表示モニタ220に名前の表示を開始させてから所定時間が経過したか否かを判断する(S240)。
【0042】
所定時間が経過したと判断すると、コントローラー180は、認証した人物の名前の表示を停止するよう表示モニタ220を制御する(S260)。例えば、コントローラー180は、図6(b)に示すように、名前の表示を消去するよう表示モニタ220を制御する。
【0043】
一方、所定時間が経過していないと判断すると、コントローラー180は、現在個人認証している人物に加えて、画像データにおいて新たな人物が認証されたか否かを判断する(S250)。新たな人物が認証されていないと判断すると、コントローラー180は、時間のカウントを継続して行う。一方、新たな人物が個人認証されたと判断すると、コントローラー180は、新たな人物の名前についても表示されるよう表示モニタ220を制御する(S220)。そして、コントローラー180は、カウントをリセットし、新たな人物の個人認証を開始してから改めて時間のカウントを開始する(S230)。
【0044】
以上のように、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、スルー画像において個人認証した人物の名前の表示を開始してから所定時間が経過したときは、名前の表示を停止する。このように制御する理由を以下に説明する。
【0045】
例えば、個人認証を行っている間は常時名前が表示されると、撮像されている人物の名前を使用者に知らせることはできるが、名前の表示が実際に撮像している部分の映像を覆い隠すため、使用者は実際に撮像している画像の一部を認識することができない。そこで、本実施の形態では、個人認証した人物の名前の表示を開始してから所定時間経過後に、名前の表示を停止する。これにより、現在撮像している人物の名前を使用者に伝えることができるとともに、撮影時間中の殆どの場合において、使用者は、実際に撮像している画像の大部分を認識することができる。
【0046】
また、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、撮像している人物の個人認証を行っている際に、新たな人物の個人認証を開始したときは、個人認証を開始してからの時間のカウントをリセットする。これにより、新たに個人認証した人物の名前についても十分な時間使用者に伝えることができる。
【0047】
1−4.まとめ
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、スルー画像において個人認証した人物の名前の表示を開始してから所定時間が経過したときは、名前の表示を停止する。これにより、使用者は、顔が識別された人物の名前(属性情報)を認識できるとともに、名前の表示停止後は、被写体画像を明確に認識できるようになり、属性情報及び被写体画像の視認性において使用者の利便性を向上できる。
【0048】
2.実施の形態2
本実施形態では、顔識別機能を用いた撮影を行う際のモニタ表示動作の別の動作例を説明する。本実施形態では、認証された複数の人物の名前の表示において、名前が重ねて表示される恐れがある場合に、優先度の高い人物の名前が上側になるように名前の表示を行なう。なお、本実施形態のデジタルビデオカメラ100のハードウェア構成は実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0049】
図7、図8を用いて、本実施形態の、顔識別機能(個人認証機能)を用いた撮影を行う際のモニタ表示動作について説明する。図7は、顔識別機能を用いた撮影を行う際のモニタ表示動作を説明するためのフローチャートである。図8は、モニタ表示の例を説明するための模式図である。
【0050】
図7において、使用者によりデジタルビデオカメラ100が撮影モードに設定されると、コントローラー180は、個人認証を開始するまで待機する(S310)。
【0051】
個人認証を開始すると、コントローラー180は、複数の人物(被写体)を認証したか否かを判断し、複数の人物を認証したと判断した場合、認証した複数人の名前の表示が重なるおそれがあるか否かを判断する(S320)。ここで、本実施形態では、名前は、その人物の顔領域の位置を基準とし、顔領域の下側の所定の位置に表示されるように定められているとする。よって、認証された複数の人物の顔領域の位置を判断することで、名前の表示が重なるか否かを判断できる。
【0052】
名前の表示が重なる恐れがないと判断すると、コントローラー180は、認証した人物の名前を通常の表示方法で表示するように表示モニタ220を制御する(S330)。例えば、コントローラー180は、図8(a)に示すような表示がなされるように表示モニタ220を制御する。
【0053】
一方、名前の表示が重なる恐れがあると判断すると、コントローラー180は、個人認証した人物の優先度をそれぞれ確認する(S340)。具体的には、コントローラー180は、内部メモリ240に格納されている優先度情報にアクセスすることにより、優先度の確認を行う。
【0054】
優先度を確認すると、コントローラー180は、優先度のより高い人物の名前が優先度のより低い人物の名前の上側に表示されるように表示モニタ220を制御する(S350)。例えば、コントローラー180は、図8(b)に示すような表示が行われるように表示モニタ220を制御する。図8(b)の例では、「やまだ たろう」が「たなか はなこ」よりも優先度が高く設定されており、このため、「やまだ たろう」の名前が「たなか はなこ」の名前より上側に表示されている。すなわち、「たなか はなこ」の名前の一部は、「やまだ たろう」の表示に隠されてしまっている。
【0055】
なお、図7の処理に代えて、複数の人物が認証された場合に、より優先度の高い人物の名前を上側に表示させるようにする処理の別の例として図9の処理も考えられる。
【0056】
図9において、デジタルビデオカメラ100が撮影モードに設定されると、コントローラー180は、個人認証を開始するまで待機する(S410)。
【0057】
個人認証を開始すると、コントローラー180は、複数の人物について認証を行ったか否かを判断し、複数人を認証したと判断した場合、個人認証した各人物の優先度を確認する(S420)。そして、コントローラー180は、CCDイメージセンサー140で撮像された画像に対して、優先度のより低い人物の名前から順に合成して、スルー画像データを生成する(S430)。例えば、図8(b)に示す例のように、「やまだ たろう」が「たなか はなこ」よりも優先度が高い場合、CCDイメージセンサー140で撮像された画像に対して、まず、「たなか はなこ」の名前を合成し、その後に、「やまだ たろう」の名前を合成する。一般に画像合成において、後に合成された画像が先に合成された画像を上書きするため、後に合成された画像が先に合成された画像よりも上側に表示される。よって、このように優先度の低い人物の名前から合成することで、結果として、優先度の高い人物の名前が上側に表示されるようになる。
【0058】
その後、コントローラー180は、合成されたスルー画像データを表示するように表示モニタ220を制御する(S440)。
【0059】
このように、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、個人認証している複数人の名前を表示する場合であって、複数人の名前を重畳して表示するおそれがある場合に、予め設定されている各人の優先度を確認し、優先度のより高い人物の名前を優先度のより低い人物の名前の上側に重ねて表示することとした。これにより、デジタルビデオカメラ100は、使用者により優先度がより高いと考えられている人物の名前を優先的に使用者に提示することができる。
【0060】
なお、名前の表示が重なる場合に、上側に表示される名前及び/または名前表示領域の背景色を半透明にしてもよく、これにより、下側に表示される名前が視認できるようにしてもよい。また、上記の例では、名前の表示が重なるおそれがあるときは、優先度のより高い人物の名前が上側に表示されるよう構成したが、名前が重ならないように、優先度のより低い人物の名前の表示位置をずらしてもよい。
【0061】
以上のように、本実施形態に係るデジタルビデオカメラ100は、複数の人物に関する属性情報(例えば、名前)を表示する際に、優先度のより高い人物に関する属性情報が優先度のより低い人物に関する属性情報よりも上側に表示される。これにより、使用者により優先度がより高いと考えられている人物の名前を優先的に使用者に提示することができ、属性情報の視認性において使用者の利便性を向上できる。
【0062】
3.実施の形態3
本実施形態は、実施の形態1の思想と実施の形態2の思想の双方の思想を適用したデジタルビデオカメラ100の構成を説明する。本実施形態のデジタルビデオカメラ100のハードウェア構成は実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0063】
図10は、本実施形態の、顔識別機能を用いた撮影を行う際のモニタ表示動作を説明するためのフローチャートである。図10を用いて、本実施形態の、顔識別機能を用いた撮影を行う際のモニタ表示動作について説明する。
【0064】
図10において、使用者によりデジタルビデオカメラ100が撮影モードに設定されると、コントローラー180は、個人認証を開始するまで待機する(S310)。
【0065】
個人認証を開始すると、コントローラー180は、複数人の被写体について個人認証がなされたか否かを判断し、複数人が認証されたと判断した場合に、複数人の名前の表示が重なるおそれがあるか否かを判断する(S320)。
【0066】
名前の表示が重なる恐れがないと判断すると、コントローラー180は、認証した人物の名前を通常の表示方法で表示するように表示モニタ220を制御する(S330)。
【0067】
一方、名前の表示が重なる恐れがあると判断すると、コントローラー180は、個人認証した人物の優先度をそれぞれ確認する(S340)。優先度を確認すると、コントローラー180は、優先度のより高い人物の名前が優先度のより低い人物の名前の上側に表示されるように表示モニタ220を制御する(S350)。以上の処理は、実施の形態2で説明したとおりである。
【0068】
その後、コントローラー180は、名前の表示を開始させてから経過した時間のカウントを開始する(S360)。時間のカウント開始後、コントローラー180は、カウントに基づき、表示モニタ220に名前の表示を開始させてから所定の時間が経過したか否かを判断する(S370)。
【0069】
所定の時間が経過したと判断すると、コントローラー180は、個人認証している人物の名前の表示を停止するよう表示モニタ220を制御する(S380)。その後、ステップS320に戻る。
【0070】
一方、所定の時間が経過していないと判断すると、コントローラー180は、現在個人認証している人物に加えて、新たな人物が認証されたか否かを判断する(S390)。新たな人物が認証されていないと判断すると、コントローラー180は、時間のカウントを継続して行う。一方、新たな人物が個人認証されたと判断すると、コントローラー180は、新たな人物の名前についても表示されるよう表示モニタ220を制御する(S320)。そして、コントローラー180は、カウントをリセットし、新たな人物の個人認証を開始してから改めて時間のカウントを開始する(S360)。
【0071】
なお、図10の処理は、実施の形態1の図5の処理と、実施の形態2の図7の処理とを組み合わせたものである。ここで、実施の形態1の図5の処理に、実施の形態2の図7の処理に代えて図9の処理を組み合わせてもよい。具体的には、図10の処理において、ステップS320〜S350の代わりに、図9におけるステップS420〜S440を挿入してもよい。以上のように、実施の形態1の思想と実施の形態2の思想とを組み合わせることもできる。
【0072】
4.他の実施の形態
以上により、本発明の実施の形態として、実施の形態1を説明した。しかし、本発明は、これらには限定されない。そこで、本発明の他の実施の形態を本欄にまとめて説明する。
【0073】
上記の実施の形態では、撮像手段として、CCDイメージセンサー140を例示したが、撮像手段はこれに限定されない。例えば、撮像手段を、CMOSイメージセンサーやNMOSイメージセンサーで構成してもよい。
【0074】
また、画像処理部160とコントローラー180とは、1つの半導体チップで構成してもよく、別々の半導体チップで構成してもよい。
【0075】
また、上記の実施の形態では、コントローラー180が顔検出及び顔識別を行う構成としたが、必ずしもこのような構成とする必要はない。例えば、顔検出及び顔識別を行うチップをコントローラー180とは別のチップとしてもよい。また、顔検出を行うチップと顔識別を行うチップとを別のチップとしてもよい。
【0076】
また、上記の実施の形態では、認証された人物の属性情報として名前を表示したが、名前に加えて、または、名前に代えて、他の属性情報(住所、性別、血液型等)を表示してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、顔識別機能を備えた、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
100 デジタルビデオカメラ
110 光学系
120 レンズ駆動部
130 シャッター
140 CCDイメージセンサー
150 A/Dコンバータ
160 画像処理部
170 バッファ
180 コントローラー
190 カードスロット
200 メモリカード
210 操作部材
220 表示モニタ
230 顔枠
240 内部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物に関する属性情報と前記人物の優先度に関する情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
被写体を撮像し画像データを生成する撮像手段と、
前記撮像手段により生成された画像データが示す画像に含まれる人物の属性情報を表示する表示手段と、を備え、
前記表示手段は、複数の人物に関する属性情報を重ねて表示する際に、優先度のより高い人物に関する属性情報を優先度のより低い人物に関する属性情報よりも前面に表示する、
撮像装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、人物に関する属性情報と、前記人物の顔の特徴を示す特徴量と、前記人物の優先度に関する情報とを関連付けて記憶し、
前記撮像手段により生成された画像データに含まれる顔の特徴量を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された特徴量に基づき、前記抽出された特徴量に関連する人物が、前記記憶手段に記憶されている特徴量に関連する人物と同一か否かを判定する判定手段と、をさらに備え、
前記表示手段は、前記判定手段が同一であると判定したときに、前記特徴量に関連する人物に関する属性情報を表示する、
請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像手段により生成された画像データに対して属性情報を合成して表示用画像データを生成する合成手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記合成手段により生成された表示用画像データを表示し、
前記合成手段は、複数の人物に関する属性情報を表示する表示用画像データを生成する際に、前記撮像手段により生成された画像データに対して、人物の優先度の低い順に属性情報を合成して表示用画像データを生成する、
請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記属性情報は人物の名前である、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記属性情報は人物の名前である、請求項2に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−160413(P2011−160413A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283446(P2010−283446)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】