説明

撮像装置

【課題】液体レンズに変化が生じたことを判定できる撮像装置を提供する。
【解決手段】判定手段としてのCPU123が、所定のタイミング(工場出荷時及び実際の撮像時)で、同じ露出条件下で同じ被写体としてLEDを発光させてパターンPTを撮像し、得られた画像信号又は液体レンズの電圧値と、記憶された画像信号又は液体レンズの電圧値とを比較して、液体レンズ111,112の経時変化の度合いを判定するので、例えば液体レンズの経時変化の度合いが閾値を越えていた場合、アラームを発することで、ユーザーに補正等の有無を選択させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体レンズを用いた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などといった小型機器に、被写体を撮影してデジタルの撮影画像を取得する撮像装置を内蔵することが広範に行われている。
【0003】
このように、近年では、通常のデジタルカメラと比較してかなり小型の撮像装置が使用されてきているが、高画素の小型CCDや、高コントラストな小型レンズなどの開発によって、小型の撮像装置を使用して撮影される撮影画像の高画質化が急速に進んでいる。残る課題としては、小型の撮像装置に、通常のデジタルカメラには標準的に搭載されているオートフォーカス機能やズーム機能が搭載されることが強く望まれている。
【0004】
オートフォーカス機能やズーム機能は、撮像装置内で複数のレンズを光軸に沿う方向(以下では、光軸に沿う方向を前後方向と称する)に移動させることによって実現されることが一般的である。しかしながら、機械的構造が複雑であり、またモータやカム機構などを設けることにより大型化を招くといった問題もある。
【0005】
この点に関し、導電性の液体に電圧を印加して液面形状を変化させることにより焦点距離を変化させる液体レンズが提案されている(特許文献1参照)。液体レンズでは、導電性の水性液体に電圧が印加されていない状態では、水性液体は半球状の固まりとなっており、水性液体とオイルとの界面は凸状である。この界面は、導電性の水性液体に印加された電場の大きさに応じて、凸状から凹状まで変化する。このため、レンズとしての曲率半径が変化することとなり、焦点距離を自在に変えることができる。
【0006】
このような液体レンズによると、レンズを移動させずに焦点距離の変化などを行うことができるため、上述したモータやカム機構などを設けなくても、ズーム機能やフォーカス機能を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−206325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、液体レンズの一つの問題は、経時変化により液体に気泡が発生したり、本来透明であるべきところ黄状に変色したりするということである。このような経時変化は、ユーザーが気づかぬうちに、撮像装置により取得される画像の画質を低下させるおそれがある。これに対し、一定時間経過毎に液体レンズを強制的に交換することも考えられるが、かかる場合、液体レンズ個々に経時変化が異なるから、最も経時変化の早い個体に合わせて一律的な交換を行う必要があるが、それは未だ使用できる液体レンズであっても強制的に廃却することを意味するため、環境保護の観点からも問題がある。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、液体レンズに変化が生じたことを判定できる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の撮像素子は、
第1の液体と、前記第1の液体とは異なる屈折率を有する第2の液体とを備え、電圧を印加することによって前記第1の液体と前記第2の液体との界面の形状を変化させる液体レンズと、
前記液体レンズを介して入射した被写体光を画像信号に変換する撮像素子と、
基準光源と、
基準被写体と、
前記撮像素子から出力された画像信号を記憶する記憶手段と、
判定手段とを有し、
前記判定手段は、所定のタイミングで前記基準光源を発光させながら前記基準被写体を撮像し、得られた画像信号と、記憶された画像信号とを比較して、前記液体レンズの経時変化の度合いを判定することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、前記判定手段が、所定のタイミングで前記基準光源を発光させながら前記基準被写体を撮像し、得られた画像信号と、記憶された画像信号とを比較して、前記液体レンズの経時変化の度合いを判定するので、例えば前記液体レンズの経時変化の度合いが閾値を越えていた場合、アラームを発することで、ユーザーに補正等の有無を選択させることができる。
【0012】
請求項2に記載の撮像装置は、
第1の液体と、前記第1の液体とは異なる屈折率を有する第2の液体とを備え、電圧を印加することによって前記第1の液体と前記第2の液体との界面の形状を変化させる液体レンズと、
前記液体レンズを介して入射した被写体光を画像信号に変換する撮像素子と、
基準光源と、
基準被写体と、
撮像時に前記液体レンズに印加された電圧値を記憶する記憶手段と、
判定手段とを有し、
前記判定手段は、所定のタイミングで前記基準光源を発光させながら前記基準被写体を撮像し、その際に前記液体レンズに印加された電圧値と、記憶された電圧値とを比較して、前記液体レンズの経時変化の度合いを判定することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、前記判定手段が、所定のタイミングで前記基準光源を発光させながら前記基準被写体を撮像し、その際に前記液体レンズに印加された電圧値と、記憶された電圧値とを比較して、前記液体レンズの経時変化の度合いを判定するので、例えば前記液体レンズの経時変化の度合いが閾値を越えていた場合、アラームを発することで、ユーザーに補正等の有無を選択させることができる。
【0014】
請求項3に記載の撮像装置は、請求項2に記載の発明において、前記判定手段は、ベストピント位置のずれ量又はAF評価値の変化に応じて前記液体レンズの経時変化の度合いを判定することを特徴とする。AF評価値はコントラスト値を含む。
【0015】
請求項4に記載の撮像装置は、請求項1〜3のいずれかの発明において、前記判定手段は、前記液体レンズの経時変化の度合いが閾値を越えていた場合、アラームを発すると、部品の交換時期をユーザーが認識できるので好ましい。
【0016】
請求項5に記載の撮像装置は、請求項1〜4のいずれかの発明において、前記撮像装置は、前記液体レンズと前記撮像素子が設けられた本体と、前記基準被写体が設けられた蓋部とを有し、前記本体に対して前記蓋部は、前記基準被写体が前記液体レンズに対向する遮蔽位置と、前記蓋部から前記液体レンズが露出する撮像位置との間で移動可能となっていると、基準被写体を無くすことなどが回避されるので好ましい。
【0017】
請求項6に記載の撮像装置は、請求項1〜5のいずれかの発明において、前記基準被写体は白黒パターンを有すると好ましい。白黒パターンは、市松模様やバーコード状のパターンで或ると好ましい。
【0018】
請求項7に記載の撮像装置は、請求項1〜6のいずれかの発明において、前記所定のタイミングの一つは、工場出荷前であると好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、液体レンズに変化が生じたことを判定できる撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施形態の撮像装置を搭載した携帯電話100の斜視図である。
【図2】図1に示す携帯電話100の内部ブロック図である。
【図3】フォーカスレンズの概略構成図である。
【図4】携帯電話100の動作を示すフローチャートである。
【図5】コントラストを示す曲線の例を示す図である。
【図6】表示装置150の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施形態の撮像装置を搭載した携帯電話100の斜視図である。この携帯電話100は、本体101Aと、本体101Aに対して遮蔽位置と撮像位置との間をスライド移動可能に配置された蓋部101Bとを有する。図面では隠れて見えないが、図1(b)に示す蓋部101Bが開いた撮像位置では、露出する本体101Aの下面に、撮像時にユーザーに押されるシャッタボタン、メニュー画面や撮影画像を表示するための表示画面や、撮影画角や撮影モードなどを設定するための十字キーなどが備えられている。なお、図1(a)に示す蓋部101Bが閉じた遮蔽位置ではメインスイッチはオフとなり、図1(b)に示す蓋部101Bが開いた撮像位置ではメインスイッチはオンとしても良いが、本実施の形態ではメインスイッチMSWを備えてなる。
【0022】
蓋部101Bの下面には、図1(a)に示す蓋部101Bが閉じた遮蔽位置で、レンズ111に対向する位置に、基準被写体としてのパターンPTを形成しており、またパターンPTの背面には、基準光源としてのLEDが配置されている。図1(b)に示す撮像位置では、パターンPTは退避し、液体レンズ111,112が撮像可能に露出するようになっている。
【0023】
図2は、図1に示す携帯電話100の内部ブロック図である。携帯電話100には、ズームレンズ111、ズームコントローラ111a、フォーカスレンズ112、フォーカスコントローラ112a、アイリス113、アイリスモータ113a、モータドライバ114、固体撮像素子であるCCD(Charge Couple Device)115、TG(タイミングジェネレータ)116、CDS/AMP117、A/D(Analog/Degital)変換部118、画像入力コントローラ119、画像信号処理部120、圧縮処理部121、ビデオエンコーダ122、CPU123、AF検出部124、AE&AWB検出部125、SDRAM126、VRAM127、メディアコントローラ128、SRAM129、各種スイッチ130、サーミスタ140、LED、表示装置150、およびバックアップ電源170並びに通信装置180が具備されている。
【0024】
図1(b)に示す蓋部101Bが開いた撮像位置で、撮像を行うことができる。かかる場合、図2の携帯電話100の左方から被写体光が入射し、ズームレンズ111やフォーカスレンズ112を経て、被写体光の光量を調整するアイリス113を通過した後、CCD115上に結像する。本来、撮影レンズは複数のレンズで構成され、それら複数のレンズのうち少なくとも1つのレンズがピント調節に大きく関与し、各レンズの相対位置が焦点距離に関与するが、図2では、焦点距離の変更に係わるレンズをズームレンズ111として模式的に示しており、同じくピントの調節に係わるレンズをフォーカスレンズ112として模式的に示している。
【0025】
アイリス113は、アイリスモータ113aにより駆動され移動する。また、ズームレンズ111およびフォーカスレンズ112には、モータの替わりに、それらのレンズ形状を変化させるズームコントローラ111aおよびフォーカスコントローラ112aが設けられている。アイリスモータ113aを作動させる指示は、CPU123からモータドライバ114を通じて伝達されるとともに、ズームコントローラ111aおよびフォーカスコントローラ112aを作動させる指示は、CPU123から直接伝達される。ズームレンズ111およびフォーカスレンズ112は、本発明の液体レンズに相当し、CPU123とズームコントローラ111aとを合わせたもの、およびCPU123とフォーカスコントローラ112aとを合わせたものは、判定手段に相当する。
【0026】
ズームレンズ111は、撮影画角を設定するズーム機能を実現するためのレンズである。このズーム機能は、一般的には、光軸に沿う方向にズームレンズが移動されて、撮影レンズを構成する複数のレンズ間の相対的な位置が調整されることにより実現される。本実施形態においては、ズームレンズ111を実際に移動させる替わりに、ズームコントローラ112aでズームレンズ111のレンズ形状を変化させることによって、焦点距離が調整されて撮影画角が設定される。
【0027】
フォーカスレンズ112は、被写体に自動的に焦点を合わせるTTLAF(Through The Lens Auto Focus)機能を実現するためのレンズである。このTTLAF機能とは、一般的には、光軸に沿う方向にフォーカスレンズを移動させながら、CCDで得られた画像信号のコントラストを検出し、そのコントラストのピークが得られるレンズ位置をピント位置として、フォーカスレンズをピント位置に調節するものである。本実施形態においては、フォーカスレンズ112を移動させる替わりに、フォーカスコントローラ112aでフォーカスレンズ112のレンズ形状を変化させることによって、被写体に焦点を合わせる。
【0028】
ズームレンズ111およびフォーカスレンズ112の構成と、レンズ形状を変化させる方法については、後で詳しく説明する。
【0029】
アイリス113は、AE&AWB検出部125で検出された被写体輝度に基づいて駆動されることによって、被写体光の光量を調整する。
【0030】
CCD115は、ズームレンズ111およびフォーカスレンズ112を通ってきた被写体光を受光して、被写体光に基づく被写体像を、アナログ信号である被写体信号として読み取る。この携帯電話100では、不図示のシャッタボタンが押されて被写体が撮影される本撮影の前にも、上述したAF機能の実行や、スルー画像表示のために、解像度が低い一時的な画像データ(以下では、この解像度が低い一時的な画像データを低解像度データと称する)が生成される。CCD115で生成された被写体信号は、シャッタボタンが押されたときは、そのままCDS/AMP117に出力され、本撮影の前には、TG116から発せられる信号に同期したタイミングごとに、低解像度データ用に間引かれてCDS/AMP117に出力される。
【0031】
CDS/AMP117は、被写体信号の増幅およびゲインの調整を行う。A/D変換部118は、被写体信号をデジタルデータである画像データに変換する。前述したように、CCD115では所定のタイミングごとに間引かれた被写体信号が生成されるため、A/D変換部118でも所定のタイミングごとに低解像度データが生成され続ける。低解像度データは、画像入力コントローラ119を介して、AF検出部124やAE&AWB検出部125や画像信号処理部120に送られる。画像信号処理部120に送られた低解像度データは、所定の画像処理が施された後にビデオエンコーダ122に送られ、データ形式が変換された後に表示装置150に送られて、携帯電話100の背面に設けられた表示画面にスルー画像として表示される。また、本撮影時に生成される画像データ(以下では、本撮影時に生成される画像データを撮影画像データと称する)は、画像入力コントローラ119を介して一旦SDRAM126に送られる。
【0032】
携帯電話100には、この携帯電話100内で実行されるプログラムが記憶されたり、中間バッファとして用いられる記録速度が高速なSDRAM126、各種メニュー画面用のデータや、ユーザの設定内容などが記憶されたデータ保存用のメモリであるSRAM129、圧縮された画像データが記憶されるVRAM127の3つのメモリが設けられている。VRAM127は2つの領域に分割されており、画像データが領域A,Bに順番に記憶され、記憶された画像データはビデオエンコーダ122やメディアコントローラ128に順次に読み出される。
【0033】
AE&AWB検出部125は、画像入力コントローラ119から送られてきた低解像度データに基づいて、被写体の明るさやホワイトバランスを検出する。測定結果はCPU123に伝えられる。
【0034】
AF検出部124は、画像入力コントローラ119から送られてきた低解像度データに基づいて、撮影画像のコントラストを検出する。検出されたコントラストはCPU123に送られる。
【0035】
CPU123は、シャッタボタンや電源スイッチなどといった各種スイッチ130で設定された設定内容が伝えられ、その設定内容に応じて携帯電話100の各種要素を制御する。また、CPU123は、AE&AWB検出部125で測定された被写体の明るさに基づいてシャッタスピードや絞り値を決定するとともに、AF検出部124で検出されたコントラストに基づいて、フォーカスレンズ112の合焦位置を決定する。合焦位置の決定方法については、後で詳しく説明する。
【0036】
本撮影時に生成されてSDRAM126に記憶された撮影画像データは、CPU123からの指示に従って、画像信号処理部120によって取得される。画像信号処理部120は、撮影画像データにRGBレベルの調節処理、ガンマ調整処理などを施して、画像処理後の撮影画像データを圧縮処理部121に送る。圧縮処理部121は、撮影画像データに圧縮処理を施して、圧縮後の撮影画像データをVRAM127に送る。ビデオエンコーダ122は、CPU123からの指示に従い、VRAM127から圧縮後の撮影画像データを取得して、その圧縮後の撮影画像データを表示画面で表示することができるデータの形式に変換する。変換後の撮影画像データは、表示装置150に送られる。表示装置150は、撮影画像データが表す撮影画像を表示画面に表示する。メディアコントローラ128は、記録メディア160への撮影画像データの記録や読み出しを制御する。また、携帯電話100は、通信装置180を介して外部の端末と通話を行ったり、撮影画像データを送受信可能となっている。
【0037】
本実施形態の携帯電話100は、基本的には以上のように構成されている。
【0038】
ここで、携帯電話100における本発明の特徴は、ズームレンズ111およびフォーカスレンズ112にある。ズームレンズ111およびフォーカスレンズ112は、ほぼ同様の構成を有しているため、以下では、これらを代表して、フォーカスレンズ112について詳しく説明する。
【0039】
図3は、フォーカスレンズの概略構成図である。尚、図3においては、左側から矢印Oの方向に被写体光が入射し、光が入射する側(図の左側)を前側、光が出射する側(図の右側)を後側と称して説明を行う。
【0040】
フォーカスレンズ112は、液体収容器200内に、水性液体201と、水性液体201と不混和な油性液体202とが収容されて形成されている。
【0041】
液体収容器200は、外面が円筒形状を有し、内面が先細り形状を有する壁部210と、壁部210の両端を塞ぐキャップ231,232とで構成されている。キャップ231,232は、透明なガラスで構成されており、壁部210は、熱伝導率の良い材料で構成されている。壁部210を構成する材料としては、金属材料が用いられることが好ましく、特に、銅(温度0[℃]において、熱伝導率403[W/m・K])、アルミニウム(温度0[℃]において、熱伝導率236[W/m・K])、およびそれらを含む合金が好ましい。この液体収容器200は、本発明にいう液体収容器の一例に相当する。
【0042】
壁部210の外面は、断熱性を有する断熱材211で覆われており、壁部210の内面は、温度に応じて親疎水性が変化する被覆膜220で覆われている。断熱材211を構成する材料としては、プラスチックを好適に用いることができ、特に、ポリカーボネート(熱伝導率0.19[W/m・K]、4.6[10-4cal/cm・sec・℃])、PPO(ポリフェニレンオキサイド)(熱伝導率0.19[W/m・K]、4.5[10-4cal/cm・sec・℃])、ポリプロピレン(熱伝導率0.12[W/m・K]、2.8[10-4cal/cm・sec・℃])、およびABS(熱伝導率1.5〜8.6[10-4cal/cm・sec・℃])などが好ましい。また、プラスチックの他にも、ガラス、ゴム、紙や布やフェルトなどといった繊維質で空気を含むもの、およびセラミックや発砲スチロールのように多孔質で空気を含むものなども好適に使用することができる。
【0043】
また、壁部210の後側(図3の右側)には、被覆膜220の温度を調整するための温度調整機構300が設けられており、壁部210の側面には、被覆膜220の温度を検出するサーミスタ140が嵌め込まれている。
【0044】
更に携帯電話100について説明する。
【0045】
以上のように構成された液体収容器200に、相互に光屈折率が異なる水性液体201と、油性液体202とが収容される。本実施形態では、水性液体201として、エチレングリコール(屈折率1.43)が適用され、油性液体202として、有機溶媒であるアイソパー(エクソン社製:屈折率1.48)が適用される。この水性液体201は、本発明にいう水性液体の一例にあたり、油性液体202は、本発明にいう油性液体の一例に相当する。尚、エチレングリコールとアイソパーとの組み合わせは、0℃以下の温度環境下でも光学性能が保たれるという利点があるが、例えば、安価な液体の組み合わせとして、水性液体として水を用い、油性液体としてテトラリンを用いてもよい。
【0046】
図2に示すCPU123からの指示に従って、フォーカスコントローラ112aが電圧を印加すると、かかる電圧(印加電圧0〜50V)に応じて、水性液体201と油性液体202との境界の界面が、例えば、図3(a)に実線で示すような形状から、図3(b)に実線で示すような形状まで連続的に変化する。なお、電圧の印加により屈折率が異なる液体境界の界面を変化させて同様にレンズの光学性能(フォーカスやズーム)変化させことができるのであれば、以上の実施の形態のように、水性液体と油性液体の組み合わせに限定されるものではない。
【0047】
このフォーカスレンズ112を用いて、以下のような手順でAF機能が実現される。
【0048】
まず、フォーカスコントローラ112aの電圧印加によって、水性液体201と油性液体202との境界の形状が図3(a)に示すように制御される。このレンズ形状は、フォーカスレンズを光軸に沿う方向に移動させたときに、無限遠の被写体に焦点が合わせられるINF位置に相当する。このINF位置に相当するレンズ形状においてCCD115で被写体光が読み取られ、AF検出部124で撮影信号のコントラストが取得され、取得されたコントラストが暫定的な最大のコントラストとして保存される。
【0049】
続いて、フォーカスコントローラ112aによる通電が調整され、その結果、水性液体201と油性液体202とで形成されるレンズ形状のカーブが図3(a)よりも強く調整される。このレンズ形状において撮影信号のコントラストが取得され、さらに、今回のコントラストが保存されている最大のコントラストと比較され、今回のコントラストの方が保存されたコントラストよりも大きいときには、今回のコントラストが既に保存されているコントラストに替えて保存される。
【0050】
フォーカスコントローラ112aによる通電が調整されて、レンズ形状のカーブが順次に強く調整され、撮影信号のコントラスト値が取得されて、今回のコントラストと保存されているコントラスト(前回までの最大のコントラスト)とが比較される作業が、今回のコントラストが保存されているコントラストよりも小さくなるまで続けられる。
【0051】
通常、合焦状態に近づくほど撮影信号のコントラストは大きくなるため、図3(a)に示すINF位置に相当するレンズ形状から、図3(b)に示すNEAR位置(近くの被写体に焦点を合わせるときのレンズ位置)に相当するレンズ形状まで順次に変化させていくと、初めはレンズ形状が徐々に合焦状態に近づいてコントラストが増加していき、レンズ形状が合焦状態を通過した後は、コントラストは徐々に減少していく。このように、コントラストは山なりに変化するため、コントラストが増加傾向から減少傾向に変化したレンズ形状が合焦状態であると決定することができる。コントラストが増加傾向から減少傾向へと変化する変化点を取得して合焦状態を検出する方法は、「山登り方式AF(又は像面AF)」として従来から広く適用されている。
【0052】
フォーカスレンズ112のレンズ形状が決定された合焦状態に設定されることによって、フォーカスレンズ112を移動させずに、被写体に自動的に焦点を合わせることができる。以下、省略するがズームレンズ111も同様に機能する。
【0053】
本実施形態の携帯電話100では、従来のモータやカム機構などを使ってレンズを移動させる従来のデジタルカメラと比較して、AF機能やズーム機能を実現させるために必要な部品点数が少なく、組み立ても容易であるため、製造コストを抑えることができる。また、レンズを移動させる必要がないため、AF機能やズーム機能を実現させるのに必要な消費電力を抑えることができるうえ、被写体に高速にピントを合わせることができる。
【0054】
次に、本実施の形態にかかる携帯電話100の動作について、図面を参照して説明する。図4は、携帯電話100の動作の制御を示すフローチャートである。
【0055】
まず、携帯電話100は工場出荷時に、図1(a)に示す遮蔽位置にて、あらかじめLEDを背面から点灯させた状態でパターンPTを撮影し、CCD115からの画像信号(基準画像信号)及び液体レンズの電圧値(初期電圧値)をCPU123内部のメモリに記憶するようになっている。
【0056】
ここで、携帯電話100は図1(a)に示す遮蔽位置の状態にあるものとする。図4のステップS101において、メインスイッチMSWがオンとなっていれば、ステップS102で、CPU123はモード判定を行う。すなわちユーザーによるモード設定ボタン(不図示)の操作に応じて撮影モードが設定されていると判断した場合、CPU123は、例えばユーザーが図1の本体101Aに対して蓋部101Bが開く方向に力を加えたことに応じて、ユーザーに気づかせることなく、ステップ103で、図1(a)に示す遮蔽位置のままLEDを背面から点灯させた状態でパターンPTを撮影し、CCD115からの画像信号を読み出す。又、撮像時点における液体レンズの電圧値を測定する。その後、図1(b)に示すように蓋部101Bが移動して、撮像可能な状態になる。
【0057】
続くステップ104で、CPU123は内部メモリから基準画像信号(又は液体レンズの電圧値)を読み出し、実際に撮影したパターンPTの画像信号(又は液体レンズの電圧値)と比較する。比較の詳細については後述する。かかる比較の結果、ステップS105でCPU123は劣化度の判定を行う。
【0058】
劣化度が大であれば、閾値を超えたものとしてCPU123はステップS114でアラームを表示する。一方、劣化度が中であれば、CPU123はステップS115で、図1(b)に示す撮像位置になったことに応じて、液晶ディスプレイ等の表示装置150に被写体のプレビュー表示を行うと同時に、画像処理についてステップS116でユーザーの選択を待って、ステップS107に進む。これに対し、劣化度が小であれば、図1(b)に示す撮像位置になったことに応じて、液晶ディスプレイ等の表示装置150に被写体のプレビュー表示を行う。以上の内容については、後述する。
【0059】
ステップS107で、ユーザーがズームスイッチ(不図示)を操作すれば、ステップS108で、CPU123はズームコントローラ111aを駆動制御してズームレンズ111の界面を所望のズーム位置に変化させる。
【0060】
更にステップS109で、ユーザーがシャッターボタン(不図示)を操作すれば、ステップS110で、CPU123は、AE&AWB検出部125からの信号に応じてAE処理を行って露光条件を決定し、且つAF検出部124からの信号に応じてAF処理を行って、ズームコントローラ112aを駆動制御してフォーカスレンズ112の界面を所望の合焦位置へと駆動し、更にステップS111で撮像を行う。撮像後、CPU123は、ステップS112で画像信号処理部120を駆動制御して、CCD115から得られた画像信号を画像処理(後述する補正を含む)し、ステップS113でメディアコントローラ128を介して記録メディア160に記憶する。
【0061】
次に、本実施の形態における判定(ステップS105)と、それによる対応(画像処理について説明する。なお、以下の判定等の動作はCPU123の制御下で行われる。
1) パターンPTの白色部分の撮像を用いた判定及び補正例
CCD115からの画像信号が、RGBの8ビットの信号(256階調)で表されるとして、例えば工場出荷時に基準白色の(R、G、B)=(200,200,200)に調整されているものとする。これを基準画像信号として記憶する。液体レンズが黄色く劣化した場合、特にB値に変化が生じることが多い。そこで、パターンPTの白色部分の今回の撮像により得られたB値(現B値Bp)を、記憶された基準画像信号のB値(初期B値Bo)と比較して、その差を求める。
【0062】
より具体的には、劣化度合いを、(Bo―Bp)の差に応じて3段階に分ける。例えば0≦(Bo―Bp)<20の場合、[劣化度:小]と判定し、20≦(Bo―Bp)<40の場合、[劣化度:中]と判定し、40≦(Bo―Bp)の場合、[劣化度:大]と判定する。
【0063】
[劣化度:小]と判定された場合、液体レンズの黄変の度合いが低く、携帯電話100が自動的に補正処理を行っても撮像された画像に与える影響は少ない。そこで、CPU123は図4のステップS112で、撮像によって得られた生のB値に(Bo―Bp)の差分を加えて補正し、補正されたRGB値に基づく画像信号を記憶するよう制御する。あるいは、(Bo―Bp)の差分を加えなくてもよい。なお、かかる場合、ユーザーにB値の補正を知らせる必要はないので、プレビュー表示の際に補正に関する文字等の表示は行わない。
【0064】
[劣化度:中]と判定された場合、液体レンズの黄変の度合いが中程度であり、携帯電話100が自動的に補正処理を行うと、補正された画像に違和感が生じるおそれがある。そこで、かかる場合には、CPU123がプレビュー表示時に重ねて「補正処理を行ってよければOKボタン、ダメならNGボタンを押してください。」という文字を表示装置150に表示する(例えば図6で、表示装置150に文字列CHRとして表示)。この時、補正処理前の画像と補正処理後の画像とを並べて表示して、ユーザーに選択させる際の目安にすると好ましい。ユーザーがOKボタン(不図示)を操作した場合は、CPU123は図4のステップS112で、撮像によって得られた生のB値に(Bo―Bp)の差分を加えて補正し、補正されたRGB値に基づく画像信号を記憶するよう制御するが、ユーザーがNGボタン(不図示)を操作した場合は補正は行わない。
【0065】
[劣化度:大]と判定された場合、液体レンズの黄変の度合いが大きく、得られた画像信号を補正しても違和感が残る可能性が大である。かかる場合、CPU123が「適正な画像補正を行えません。」という文字を表示装置150に表示して、撮像を禁止する。なお、かかる場合にも、プレビュー画像を表示してユーザーに画像の劣化度合いを確認させた上で、撮像を許容しても良い。
【0066】
2) パターンPTの黒色部分の撮像を用いた判定及び補正例
CCD115からの画像信号の輝度が8ビットの信号(256階調)で表されるとする。液体レンズが劣化した場合、特に輝度値に変化が生じることが多い。そこで、今回の撮像により得られた輝度値(現輝度値Lp)を、記憶された基準画像信号の輝度値(初期輝度値Lo)と比較して、その差を求める。
【0067】
より具体的には、劣化度合いを、│Lo―Lp│に応じて3段階に分ける。例えば│Lo―Lp│≦15の場合、[劣化度:小]と判定し、16≦│Lo―Lp│≦20の場合、[劣化度:中]と判定し、21≦(Bo―Bp)の場合、[劣化度:大]と判定する。
【0068】
[劣化度:小]と判定された場合、液体レンズの劣化の度合いが低く、携帯電話100が自動的に補正処理を行っても撮像された画像に与える影響は少ない。そこで、CPU123は図4のステップS112で、撮像によって得られた生の輝度値に、│Lo―Lp│に応じたγカーブを変更してγ補正を行い(γ補正は、例えば特開2001-249655号公報に詳細に記載されている)、最適な輝度を得るように補正する。なお、かかる場合、ユーザーに輝度値の補正を知らせる必要はないので、プレビュー表示の際に補正に関する文字等の表示は行わない。
【0069】
[劣化度:中]と判定された場合、液体レンズの劣化度合いが中程度であり、携帯電話100が自動的に補正処理を行うと、補正された画像に違和感が生じるおそれがある。そこで、かかる場合には、CPU123がプレビュー表示時に重ねて「補正処理を行ってよければOKボタン、ダメならNGボタンを押してください。」という文字を表示装置150に表示する。この時、補正処理前の画像と補正処理後の画像とを並べて表示して、ユーザーに選択させる際の目安にすると好ましい。ユーザーがOKボタン(不図示)を操作した場合は、CPU123は図4のステップS112で、撮像によって得られた生の輝度値に、│Lo―Lp│に応じたγカーブを変更しγ補正を行い、最適な輝度を得るように補正し、補正された輝度値に基づく画像信号を記憶するよう制御するが、ユーザーがNGボタン(不図示)を操作した場合は補正は行わない。
【0070】
[劣化度:大]と判定された場合、液体レンズの劣化の度合いが大きく、得られた画像信号を補正しても違和感が残る可能性が大である。かかる場合、CPU123が「適正な画像補正を行えません。」という文字を表示装置150に表示して、撮像を禁止する。なお、かかる場合にも、プレビュー画像を表示してユーザーに画像の劣化度合いを確認させた上で、撮像を許容しても良い。
【0071】
3) パターンPTのコントラストを用いた判定及び補正例
液体レンズが劣化した場合、特に印加電圧に対する界面の形状が変化する場合がある。図5は、フォーカシングレンズ112における印加電圧に対するパターンPTのコントラストカーブ(即ち印加電圧に対する焦点距離に相当)を表したものであり、グラフの最も高い位置がピントのあった状態(ベストピント位置)を示す。例えば工場出荷時にパターンPTを撮像した際に、図5の実線に従い点Aがベストピント位置であったものとする。この際、その印加電圧(初期電圧値:ここでは37V)を記憶する。その後、使用時間に応じて液体レンズが劣化し、図5の点線に従いベストピント位置が点Bにずれる場合がある。例えば像面AFを用いれば、ベストピント位置がずれても大きな問題はないが、マクロ撮影などのように焦点位置を固定する場合には問題となる。そこで、ベストピント位置のずれに応じて液体レンズの劣化度合いを判定し、それに応じて固定焦点位置を変更すると好ましい。
【0072】
より具体的には、今回の撮像により得られたベストピント位置(点B)の印加電圧Vb(ここでは37V)を、記憶された初期印加電圧Va(ここでは40V)と比較して、その差(3V)を求める。
【0073】
なお、ベストピント位置以外でも判定は可能である。例えば工場出荷時にパターンPTを撮像した際、コントラスト値が150を出力している際の初期印加電圧A‘(初期電圧値:ここでは30V)を記憶する。その後、使用時間に応じて液体レンズが劣化し、図5の点線に従いベストピント位置に合焦させるための印加電圧が点B’にずれる場合がある。この場合の問題点も上述と同様である。そこで、ベストピント位置のずれに応じて液体レンズの劣化度合いを判定し、それに応じて固定焦点位置を変更することもできる。
【0074】
この場合、今回の撮像により得られたコントラスト値が150を出力する印加電圧B‘(ここでは33V)を、記憶された初期印加電圧A’(ここでは30V)と比較して、その差(3V)を求める。即ち、判定手段としてのCPU123は、ベストピント位置のずれ量又はコントラスト値の変化に応じて液体レンズの経時変化の度合いを判定することができる。尚、コントラスト値以外にも、オートフォーカスを評価するためのAF評価値であれば、特定の周波数成分等を用いることができる。
【0075】
より具体的に判定方法を述べると、劣化度合いを、(Vb―Va)に応じて3段階に分ける。例えば0<(Vb―Va)≦5の場合、[劣化度:小]と判定し、5<(Vb―Va)≦10の場合、[劣化度:中]と判定し、10≦(Vb―Va)の場合、[劣化度:大]と判定する。
【0076】
[劣化度:小]と判定された場合、液体レンズの劣化の度合いが低く、携帯電話100が自動的に焦点位置補正を行っても撮像された画像に与える影響は少ない。そこで、固定焦点撮像を行う場合には、CPU123は図4のステップS112で、記憶した固定焦点位置に対応する印加電圧に、(Vb―Va)を加えた値を、固定焦点位置に対応する新たな印加電圧に再設定して撮像を行う。なお、かかる場合、ユーザーに輝度値の補正を知らせる必要はないので、プレビュー表示の際に補正に関する文字等の表示は行わない。
【0077】
[劣化度:中]と判定された場合、液体レンズの劣化度合いが中程度であり、携帯電話100が自動的に焦点位置補正を行うと、ユーザーの撮像意図とずれが生じるおそれがある。そこで、かかる場合には、CPU123がプレビュー表示時に重ねて「焦点位置補正を行ってよければOKボタン、ダメならNGボタンを押してください。」という文字を表示装置150に表示する。この時、補正処理前の画像と補正処理後の画像とを並べて表示して、ユーザーに選択させる際の目安にすると好ましい。ユーザーがOKボタン(不図示)を操作した場合は、CPU123は図4のステップS112で、記憶した固定焦点位置に対応する印加電圧に、(Vb―Va)を加えた値を、固定焦点位置に対応する新たな印加電圧に再設定して撮像を行うよう制御するが、ユーザーがNGボタン(不図示)を操作した場合は補正は行わない。
【0078】
[劣化度:大]と判定された場合、液体レンズの劣化の度合いが大きく、ピントが合わない可能性が大である。かかる場合、CPU123が「適正な撮像を行えません。」という文字を表示装置150に表示して、撮像を禁止する。なお、かかる場合にも、プレビュー画像を表示してユーザーに画像のぼけ度合いを確認させた上で、撮像を許容しても良い。
【0079】
本発明によれば、判定手段としてのCPU123が、所定のタイミング(工場出荷時及び実際の撮像時)で、同じ露出条件下で同じ被写体としてLEDを発光させてパターンPTを撮像し、得られた画像信号又は液体レンズの電圧値と、記憶された画像信号又は液体レンズの電圧値とを比較して、液体レンズ111,112の経時変化の度合いを判定するので、例えば液体レンズの経時変化の度合いが閾値を越えていた場合、アラームを発することで、ユーザーに補正等の有無を選択させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の撮像装置は携帯電話に限られず、カメラ等種種の撮像装置に適用できる事は言うまでもない。また、LEDはパターンPTの背面でなくて、正面側(本体側)に設けても良い。
【符号の説明】
【0081】
100 携帯電話
111 ズームレンズ
111a ズームコントローラ
112 フォーカスレンズ
112a フォーカスコントローラ
113 アイリス
113a アイリスモータ
114 モータドライバ
115 CCD
116 TG
117 CDS/AMP
118 A/D変換部
119 画像入力コントローラ
120 画像信号処理部
121 圧縮処理部
122 ビデオエンコーダ
123 CPU
124 AF検出部
125 AE&AWB検出部
126 SDRAM
127 VRAM
128 メディアコントローラ
129 SRAM
130 各種スイッチ
140 サーミスタ
150 表示装置
170 バックアップ電源
180 通信装置
200 液体収容器
201 水性液体
202 油性液体
210 壁部
220 被覆膜
231,232 キャップ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の液体と、前記第1の液体とは異なる屈折率を有する第2の液体とを備え、電圧を印加することによって前記第1の液体と前記第2の液体との界面の形状を変化させる液体レンズと、
前記液体レンズを介して入射した被写体光を画像信号に変換する撮像素子と、
基準光源と、
基準被写体と、
前記撮像素子から出力された画像信号を記憶する記憶手段と、
判定手段とを有し、
前記判定手段は、所定のタイミングで前記基準光源を発光させながら前記基準被写体を撮像し、得られた画像信号と、記憶された画像信号とを比較して、前記液体レンズの経時変化の度合いを判定することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
第1の液体と、前記第1の液体とは異なる屈折率を有する第2の液体とを備え、電圧を印加することによって前記第1の液体と前記第2の液体との界面の形状を変化させる液体レンズと、
前記液体レンズを介して入射した被写体光を画像信号に変換する撮像素子と、
基準光源と、
基準被写体と、
撮像時に前記液体レンズに印加された電圧値を記憶する記憶手段と、
判定手段とを有し、
前記判定手段は、所定のタイミングで前記基準光源を発光させながら前記基準被写体を撮像し、その際に前記液体レンズに印加された電圧値と、記憶された電圧値とを比較して、前記液体レンズの経時変化の度合いを判定することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記判定手段は、ベストピント位置のずれ量又はAF評価値の変化に応じて前記液体レンズの経時変化の度合いを判定することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記液体レンズの経時変化の度合いが閾値を越えていた場合、アラームを発することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像装置は、前記液体レンズと前記撮像素子が設けられた本体と、前記基準被写体が設けられた蓋部とを有し、前記本体に対して前記蓋部は、前記基準被写体が前記液体レンズに対向する遮蔽位置と、前記蓋部から前記液体レンズが露出する撮像位置との間で移動可能となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記基準被写体は白黒パターンを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記所定のタイミングの一つは、工場出荷前であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−77876(P2011−77876A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227877(P2009−227877)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】