撮像装置
【課題】撮像素子の温度のみならず連続撮影動作の履歴等に応じて、より適切に欠陥画素を判別し、その欠陥画素について補正する。
【解決手段】撮像装置は、被写体像を撮像する撮像素子2と、撮像素子2に、静止画撮影動作及び連続撮影動作を行わせる制御手段3,4と、撮像素子2の温度に応じた検出温度を得る温度検出手段6と、検出温度並びに連続撮影動作の開始及び終了に基づいて、欠陥画素を判別する欠陥画素判別部13と、欠陥画素判別部13により判別された欠陥画素について、撮像素子2が撮像した画像に対する欠陥画素補正を行う欠陥画素補正部14とを備える。
【解決手段】撮像装置は、被写体像を撮像する撮像素子2と、撮像素子2に、静止画撮影動作及び連続撮影動作を行わせる制御手段3,4と、撮像素子2の温度に応じた検出温度を得る温度検出手段6と、検出温度並びに連続撮影動作の開始及び終了に基づいて、欠陥画素を判別する欠陥画素判別部13と、欠陥画素判別部13により判別された欠陥画素について、撮像素子2が撮像した画像に対する欠陥画素補正を行う欠陥画素補正部14とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体像を撮像する撮像素子を備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像素子が撮像した画像に対して欠陥画素補正を行う撮像装置が提供されている。画素欠陥は温度依存性を有する。そこで、下記特許文献1に開示されたビデオカメラでは、撮像素子の温度に応じて、撮像素子の欠陥画素を検出する判定基準を変えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−350926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、静止画を撮像する静止画撮影動作、及び、繰り返して連続的に撮像する連続撮影動作(例えば、いわゆるライブビュー動作や動画撮影動作など)を行う撮像装置では、単に撮像素子の温度に応じて撮像素子の欠陥画素を検出する判定基準を変えるだけでは、連続撮影動作の履歴等によっては必ずしも適切に欠陥画素を検出することができない場合があった。
【0005】
例えば、長時間露光の静止画撮影時においても撮像素子が高温となるとともに、連続撮影動作後の短時間露光の静止画撮影時においても直前の連続撮影動作により撮像素子が高温となる。一般的に、長時間露光の静止画撮影の場合は、長時間露光の静止画撮影用のノイズ低減処理が行われる一方、短時間露光の静止画撮影の場合は、そのようなノイズ低減処理は行われない。このため、同じく撮像素子が高温となっているとしても、長時間露光の静止画撮影時において撮像素子が高温になった場合と、連続撮影動作後の短時間露光の静止画撮影において撮像素子が高温になっている場合とでは、撮像素子の欠陥画素を判別する基準を変えることが、より適切に欠陥画素を判別するために好ましい。しかし、そのような基準の変更は、単に撮像素子の温度に応じて撮像素子の欠陥画素を検出する判定基準を変えるだけでは、不可能であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、撮像素子の温度のみならず連続撮影動作の履歴等に応じて、より適切に欠陥画素を判別し、その欠陥画素について補正することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による撮像装置は、被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子に、静止画を撮像する静止画撮影動作、及び、繰り返して連続的に撮像する連続撮影動作を行わせる制御手段と、前記撮像素子の温度に応じた検出温度を得る温度検出手段と、前記検出温度並びに前記連続撮影動作の開始及び終了に基づいて、欠陥画素を判別する欠陥画素判別部と、前記欠陥画素判別部により判別された欠陥画素について、前記撮像素子が撮像した画像に対する欠陥画素補正を行う欠陥画素補正部と、を備えたものである。
【0008】
第2の態様による撮像装置は、前記第1の態様において、前記欠陥画素判別部は、前記検出温度、前記連続撮影動作の開始及び終了、並びに、ISO感度の設定値に基づいて、欠陥画素を判別するものである。
【0009】
第3の態様による撮像装置は、前記第2の態様において、前記欠陥画素判別部は、前記検出温度が所定温度よりも高いときに第1のフラグを第1の値にセットするとともに、前記検出温度が前記所定温度以下であるときに前記第1のフラグを第2の値にセットする第1のフラグ処理手段と、前記連続撮影動作が開始されたときに第2のフラグを第3の値にセットするとともに、前記第1のフラグが前記第2の値である場合において前記連続撮影動作が終了されたとき、又は、前記第1のフラグが前記第1の値から前記第2の値へ変化したときに、前記第2のフラグを第4の値にセットする第2のフラグ処理手段と、前記第1のフラグが前記第1の値でありかつ前記第2のフラグが前記第3の値であるときに第3のフラグを第5の値にセットするとともに、前記第1のフラグが前記第2の値であるかあるいは前記第2のフラグが前記第4の値であるときに前記第3のフラグを第6の値にセットする第3のフラグ処理手段とを有し、前記欠陥画素判別部は、前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じて、欠陥画素を判別するものである。
【0010】
第4の態様による撮像装置は、前記第3の態様において、前記第2のフラグは、当該撮像装置の主電源がオフされた場合、前記主電源のオフ直前の値に保持されるものである。
【0011】
第5の態様による撮像装置は、前記第3又は第4の態様において、閾値と該閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを示す画素欠陥情報を記憶する画素欠陥情報記憶部と、前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じた前記閾値を示す判別基準情報を記憶する判別情報記憶部と、を備え、前記欠陥画素判別部は、前記判別基準情報を参照して、前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じた閾値を取得し、前記画素欠陥情報を参照して、前記取得した閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを取得するものである。
【0012】
第6の態様による撮像装置は、前記第3乃至第5の態様において、前記欠陥画素判別部は、前記第1乃至第3のフラグ処理手段の組を複数組有し、当該各組毎に前記所定温度が異なるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮像素子の温度のみならず連続撮影動作の履歴等に応じて、より適切に欠陥画素を判別し、その欠陥画素について補正することができる撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態による撮像装置を示す概略ブロック図である。
【図2】図1中のメモリの画素欠陥情報記憶領域の構造の例を模式的に示す図である。
【図3】図1に示す撮像装置の静止画撮影動作を示す概略フローチャートである。
【図4】図1に示す撮像装置の動画撮影動作を示す概略フローチャートである。
【図5】Tempフラグ(Hi)及びTempフラグ(Lo)を作成するための割り込み処理を示す概略フローチャートである。
【図6】LVフラグ(Hi)を作成するための割り込み処理を示す概略フローチャートである。
【図7】LVフラグ(Hi)を作成するための他の割り込み処理を示す概略フローチャートである。
【図8】LVフラグ(Lo)を作成するための割り込み処理を示す概略フローチャートである。
【図9】LVフラグ(Lo)を作成するための他の割り込み処理を示す概略フローチャートである。
【図10】図3及び図4中の欠陥画素補正処理を示す概略フローチャートである。
【図11】図10中のステップS11中の判定フラグの確認処理を示す概略フローチャートである。
【図12】図1中のメモリの判別基準情報記憶領域の構造の例を模式的に示す図である。
【図13】1回の長時間露光の静止画撮影の前後に渡る検出温度と各フラグとの関係の例を示す図である。
【図14】一連の連続撮影の開始から終了までの期間の前後に渡る検出温度と各フラグとの関係の例を示す図である。
【図15】一連の連続撮影の開始から終了までの期間及びこれに引き続く主電源オフ期間の、前後に渡る検出温度と各フラグとの関係の例を示す図である。
【図16】連続撮影の開始・終了を繰り返す期間の前後に渡る検出温度と各フラグとの関係の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による撮像装置について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態による撮像装置を示す概略ブロック図である。本実施の形態による撮像装置は、電子カメラとして構成されている。
【0017】
本実施の形態による撮像装置は、撮影レンズ1と、撮像素子2と、装置全体を統括制御するCPU等からなる主制御部3と、TG(タイミングジェネレータ)4と、主制御部3に種々の操作信号を供給するレリーズ釦や電源スイッチ等を含む操作部5と、温度センサ6と、信号処理部7と、メモリ8と、記録部9と、液晶パネル等の表示部10とを備えている。操作部5による電源オン・オフ操作により、装置全体に給電する主電源(図示せず)がオン・オフされるようになっている。また、操作部5によって、ISO感度を設定することができるようになっている。
【0018】
撮影レンズ1は、主制御部3からの指令を受けたレンズ制御部(図示せず)によってフォーカスや絞りが駆動される。この撮影レンズ1の像空間には、撮像素子2の撮像面が配置される。撮像素子2としては、例えば、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等が用いられる。撮像素子2は、主制御部3からの指令によりTG4が発生するタイミング信号によって駆動され、撮影レンズ1により形成される被写体像を撮像し、その画像信号を信号処理部7に出力する。
【0019】
信号処理部7は、主制御部3及びTG4との間で制御信号や同期信号等の授受を行い、以下に説明するような信号処理を行う。信号処理部7は、前信号処理部11と、後信号処理部12とを有している。前信号処理部11は、撮像素子2からのアナログの画像信号に対してアナログ増幅等の各種のアナログ処理を行った後に、A/D変換する。
【0020】
後信号処理部12は、主制御部3からの指令に従って、前信号処理部11から出力されたデジタルの画像信号に対して、デジタル増幅、色補間処理、ホワイトバランス処理などの画像処理や、画像データの圧縮処理及び伸張処理などを行う他、欠陥画素判別部13及び欠陥画素補正部14としての機能を担う。本実施の形態では、後信号処理部12は、長時間露光の静止画撮影の場合は、長時間露光の静止画撮影用のノイズ低減処理を行う一方、短時間露光の静止画撮影の場合は、そのようなノイズ低減処理は行わない。
【0021】
メモリ8には、欠陥画素判別部13の動作に必要な情報が記憶されている。メモリ8として不揮発性メモリが用いられ、前記主電源がオフされた後も、メモリ8内に記憶された情報は保持される。本実施の形態では、メモリ8は、画素欠陥情報記憶領域15と、判別基準情報記憶領域16と、フラグ記憶領域17とを有している。
【0022】
画素欠陥情報記憶領域15には、閾値と該閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを示す画素欠陥情報が、当該撮像装置の出荷前に、撮像素子2の検査結果に基づいて予め記憶されている。図2は、画素欠陥情報記憶領域15の構造の例を模式的に示す図である。この例では、画素欠陥情報記憶領域15は、個数記憶領域21とアドレス記憶領域22とから構成されている。この例では、欠陥レベルの単位をLSBとし、欠陥レベルを、3200LSB以上の範囲、1600LSB以上3200LSB未満(「1600〜3200LSB」)の範囲、800〜1600LSBの範囲、400〜800LSBの範囲、200〜400LSBの範囲、100〜200LSBの範囲、50〜100LSBの範囲、25〜50LSBの範囲、13〜25LSBの範囲に分けている。そして、個数記憶領域21には各範囲毎に当該範囲内の欠陥レベルを有する欠陥画素の個数(すなわち、欠陥画素のアドレスの個数)が記憶されている。アドレス記憶領域22には、前述した各範囲の順に、当該範囲内の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスが順次記憶されている。したがって、この例では、例えば、mを3200LSB以上の範囲内の欠陥レベルを有する欠陥画素の個数、nを1600〜3200LSBの範囲内の欠陥レベルを有する欠陥画素の個数とすると、閾値1600LSB以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスは、アドレス記憶領域22の先頭からm+n個のアドレスであることがわかる。なお、画素欠陥情報記憶領域15の構造は、図2に示す例に限られない。
【0023】
判別基準情報記憶領域16に記憶されている判別基準情報、及び、フラグ記憶領域17に記憶されるフラグについては、後述する。
【0024】
温度センサ6は、撮像素子2の温度を直接的又は間接的に検出し、撮像素子2の温度に応じた検出温度Tを示す検出温度データを出力する。この検出温度データは、主制御部3を介して欠陥画素判別部13に供給される。
【0025】
後信号処理部12による処理を経て出力される画像データは、主制御部3からの指令に従って、記録部9に着脱自在に装着された記憶媒体(図示せず)に記録されたり、表示部10に画像表示されたりする。
【0026】
本実施の形態による撮像装置は、操作部5の操作に応じて、静止画を撮像する静止画撮影動作、及び、繰り返して連続的に撮像する連続撮影動作を行う。そして、本実施の形態による撮像装置は、操作部5の操作に応じて、連続撮影動作として、連続的に繰り返して撮像した画像を記録する動画撮影動作、及び、連続的に繰り返して撮像した画像を表示部10に表示させるが記録しないライブビュー動作を行う。もっとも、連続撮影動作として、動画撮影動作及びライブビュー動作のいずか一方のみを行うようにしてもよい。
【0027】
図3は、本実施の形態による撮像装置の静止画撮影動作を示す概略フローチャートである。静止画撮影動作は、操作部5からの静止画撮影の指令に従って開始する。静止画撮影動作を開始すると、主制御部3は、まず、レンズ制御部(図示せず)に指令して撮影レンズ1のフォーカスや絞りを駆動するなどの、蓄積動作(露光動作)準備の動作を行う(ステップS1)。次いで、主制御部3は、図示しないシャッタ制御部を介して、メカニカルシャッタ(図示せず)を作動させて、蓄積動作を行わせる(ステップS2)。次に、主制御部3は、TG4に指令を与えて、撮像した被写体像の画像信号を撮像素子2から出力させる読み出し動作を行わせる(ステップS3)。引き続いて、撮像素子2からの画像信号は、前信号処理部11により、アナログ増幅等の各種のアナログ処理が行われた後、A/D変換される。このA/D変換された画像信号(画像データ)は、後信号処理部12によって、デジタル増幅、色補間処理、ホワイトバランス処理などの画像処理の他、後述する欠陥画素補正処理(ステップS4)が行われる。この欠陥画素補正処理(ステップS4)は、後信号処理部12の欠陥画素判別部13及び欠陥画素補正部14によって行われるが、その詳細は後述する。なお、信号処理部7による信号増幅は、操作部5によるISO感度の設定値に応じたゲインで行われるようになっている。その後、主制御部3は、記録部9を制御して、欠陥画素補正処理等が行われた画像データを、記録部9に装着されている記録媒体(図示せず)に記録させ(ステップS5)、静止画撮影動作を終了する。
【0028】
図4は、本実施の形態による撮像装置の動画撮影動作を示す概略フローチャートである。図4において、図3中のステップと同一又は対応するステップには同一符号を付し、その重複する説明は省略する。動画撮影動作が静止画撮影動作と異なる所は、主に、以下に説明する点である。動画撮影動作は、操作部5からの動画撮影開始指令に従って開始する。動画撮影動作では、主制御部3が、ステップS5の後に、動画撮影が開始した後に終了状態となったか否か(例えば、操作部からの動画撮影終了指令があったか否か)を判定し(ステップS6)、終了状態でなければステップS1へ戻る一方、終了状態であれば動画撮影動作を終了する。
【0029】
ライブビュー動作は、基本的に前述した動画撮影動作と同様である。ただし、ステップS5において、記録動作に代えて、主制御部3は、表示部10を制御して、欠陥画素補正処理等が行われた画像データを表示部10に画像表示させる。
【0030】
以下の説明では、動画撮影とライブビューとを区別することなく、それらのいずれであっても連続撮影と呼ぶ。なお、先の説明からわかるように、本実施の形態では、主制御部3及びTG4が、撮像素子2に、静止画撮影動作及び連続撮影動作を行わせる制御手段に相当している。
【0031】
本実施の形態では、欠陥画素判別部13は、前記検出温度T、連続撮影動作の開始及び終了、並びにISO感度の設定値に基づいて、欠陥画素を判別する。具体的には、本実施の形態では、欠陥画素判別部13は、図5に示す動作によりTempフラグ(第1のフラグ)を作成し、図6乃至図9に示す動作によりLVフラグ(第2のフラグ)を作成し、図10中のステップS11〜S13の動作(図11に示す判定フラグ(第3のフラグ)の作成を含む。)を行う。また、欠陥画素補正部14は、欠陥画素判別部13により判別された欠陥画素について、撮像素子2が撮像した画像に対する欠陥画素補正を行う。具体的には、本実施の形態では、欠陥画素補正部14は、図10中のステップS14の動作を行う。
【0032】
なお、後述するように、本実施の形態では、Tempフラグ、LVフラグ及び判定フラグの組は、予め定めた2つの基準温度(所定温度)T_Hi,T_Lo(T_Hi>T_Lo)に応じて、2組作成される。すなわち、基準温度T_Hiに応じて、Tempフラグ(Hi)、LVフラグ(Hi)及び判定フラグ(Hi)の組が作成され、基準温度T_Loに応じて、Tempフラグ(Lo)、LVフラグ(Lo)及び判定フラグ(Lo)の組が作成される。本実施の形態では、これらのフラグの値は、メモリ8のフラグ記憶領域17に記憶され、主電源がオフされた後も、メモリ8内に記憶された情報は保持される。ただし、図5に示す動作は主電源オン中に一定時間毎に定期的に開始されるので、Tempフラグ(Hi)及びTempフラグ(Lo)の値については、主電源がオフされた後に保持するメリットはない。
【0033】
図5は、Tempフラグ(Hi)及びTempフラグ(Lo)を作成するための、欠陥画素判別部13が行う割り込み処理を示すフローチャートである。この割り込み処理は、本実施の形態による撮像装置の主電源のオン中に、一定時間毎に定期的に開始される。欠陥画素判別部13は、主電源の投入時に、初期設定として、Tempフラグ(Hi)及びTempフラグ(Lo)をそれぞれ第2の値としての0にセットする。
【0034】
図5に示す割り込み処理が開始すると、欠陥画素判別部13は、まず、温度センサ6からの検出温度データ(検出温度T)を、主制御部3を介して所得する(ステップS21)。次に、欠陥画素判別部13は、ステップS21で取得した検出温度Tが基準温度T_Hiよりも高いか否かを判定し(ステップS22)、検出温度Tが基準温度T_Hiよりも高いければ、Tempフラグ(Hi)が第1の値としての1であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0035】
ステップS23においてTempフラグ(Hi)が1であると判定されると、そのままステップS27へ移行する。一方、ステップS23においてTempフラグ(Hi)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Hi)を1にセットした(ステップS24)後に、ステップS27へ移行する。
【0036】
ステップS22において検出温度Tが基準温度T_Hi以下であると判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Hi)が1であるか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25においてTempフラグ(Hi)が1であると判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Hi)を第2の値としての0にセットした(ステップS26)後に、ステップS27へ移行する。一方、ステップS25においてTempフラグ(Hi)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、そのままステップS27へ移行する。
【0037】
本実施の形態では、ステップS22〜S26が、検出温度Tが基準温度T_Hiよりも高いときにTempフラグ(Hi)を第1の値としての1にセットするとともに、検出温度Tが基準温度T_Hi以下であるときに、Tempフラグ(Hi)を第2の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。
【0038】
ステップS27において、欠陥画素判別部13は、ステップS21で取得した検出温度Tが基準温度T_Loよりも高いか否かを判定する。ステップS27において検出温度Tが基準温度T_Loよりも高いと判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Lo)が第1の値としての1であるか否かを判定する(ステップS28)。
【0039】
ステップS28においてTempフラグ(Lo)が1であると判定されると、欠陥画素判別部13は、図5に示す割り込み処理を終了する。一方、ステップS28においてTempフラグ(Lo)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Lo)を1にセットした(ステップS29)後に、図5に示す割り込み処理を終了する。
【0040】
ステップS27において検出温度Tが基準温度T_Lo以下であると判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Lo)が1であるか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30においてTempフラグ(Lo)が1であると判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Lo)を第2の値としての0にセットした(ステップS31)後に、図5に示す割り込み処理を終了する。一方、ステップS30においてTempフラグ(Lo)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、図5に示す割り込み処理を終了する。
【0041】
本実施の形態では、ステップS27〜S31が、検出温度Tが基準温度T_Loよりも高いときにTempフラグ(Lo)を第1の値としての1にセットするとともに、検出温度Tが基準温度T_Lo以下であるときに、Tempフラグ(Lo)を第2の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。
【0042】
図6及び図7はそれぞれ、LVフラグ(Hi)を作成するための、欠陥画素判別部13が行う割り込み処理を示すフローチャートである。
【0043】
図6に示す割り込み処理は、連続撮影動作の開始によって、開始する。連続撮影動作の開始を示す信号は、主制御部3から欠陥画素判別部13に供給される。図6に示す割り込み処理が開始すると、欠陥画素判別部13は、LVフラグ(Hi)を第3の値としての1にセットする(ステップS41)。ステップS41が終了すると、欠陥画素判別部13は、図6に示す割り込み処理を終了する。
【0044】
図7に示す割り込み処理は、連続撮影動作の終了によって、あるいは、Tempフラグ(Hi)の立ち下がり(1から0への変化)によって、開始する。連続撮影動作の終了を示す信号は、主制御部3から欠陥画素判別部13に供給される。
【0045】
図7に示す割り込み処理が開始すると、欠陥画素判別部13は、当該割り込み処理が、連続撮影動作の終了及びTempフラグ(Hi)の立ち下がりのうちのいずれによって開始したかを判定する(ステップS51)。連続撮影動作の終了によって開始した場合は、ステップS52へ移行する。一方、Tempフラグ(Hi)の立ち下がりによって開始した場合は、ステップS53へ移行する。
【0046】
ステップS52において、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Hi)が1であるか否かを判定する(ステップS52)。ステップS52においてTempフラグ(Hi)が1であると判定されると、欠陥画素判別部13は、図7に示す割り込み処理を終了する。ステップS52においてTempフラグ(Hi)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、欠陥画素判別部13は、LVフラグ(Hi)を第4の値としての0にセットした(ステップS53)後に、図7に示す割り込み処理を終了する。
【0047】
本実施の形態では、ステップS41,S51〜S53が、連続撮影動作が開始されたときにLVフラグ(Hi)を第3の値としての1にセットするとともに、Tempフラグ(Hi)が第2の値としての0である場合において連続撮影動作が終了されたとき、又は、Tempフラグ(Hi)が第1の値としての1から第2の値としての0へ変化したときに、LVフラグ(Hi)を第4の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。
【0048】
図8及び図9はそれぞれ、LVフラグ(Lo)を作成するための、欠陥画素判別部13が行う割り込み処理を示すフローチャートである。
【0049】
図8に示す割り込み処理は、連続撮影動作の開始によって、開始する。図8に示す割り込み処理が開始すると、欠陥画素判別部13は、LVフラグ(Lo)を第3の値としての1にセットする(ステップS61)。ステップS61が終了すると、欠陥画素判別部13は、図8に示す割り込み処理を終了する。
【0050】
図9に示す割り込み処理は、連続撮影動作の終了によって、あるいは、Tempフラグ(Lo)の立ち下がり(1から0への変化)によって、開始する。
【0051】
図9に示す割り込み処理が開始すると、欠陥画素判別部13は、当該割り込み処理が、連続撮影動作の終了及びTempフラグ(Lo)の立ち下がりのうちのいずれによって開始したかを判定する(ステップS71)。連続撮影動作の終了によって開始した場合は、ステップS72へ移行する。一方、Tempフラグ(Lo)の立ち下がりによって開始した場合は、ステップS73へ移行する。
【0052】
ステップS72において、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Lo)が1であるか否かを判定する(ステップS72)。ステップS72においてTempフラグ(Lo)が1であると判定されると、欠陥画素判別部13は、図9に示す割り込み処理を終了する。ステップS72においてTempフラグ(Lo)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、欠陥画素判別部13は、LVフラグ(Lo)を第4の値としての0にセットした(ステップS73)後に、図9に示す割り込み処理を終了する。
【0053】
本実施の形態では、ステップS61,S71〜S73が、連続撮影動作が開始されたときにLVフラグ(Lo)を第3の値としての1にセットするとともに、Tempフラグ(Lo)が第2の値としての0である場合において連続撮影動作が終了されたとき、又は、Tempフラグ(Lo)が第1の値としての1から第2の値としての0へ変化したときに、LVフラグ(Lo)を第4の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。
【0054】
次に、図3及び図4中の欠陥画素補正処理(ステップS4)について、説明する。この欠陥画素補正処理(ステップS4)は、静止画撮影動作時及び動画撮影動作時のみならず、ライブビュー動作時においても同様である。
【0055】
図10は、図3及び図4中の欠陥画素補正処理(ステップS4)を示す概略フローチャートである。この欠陥画素補正処理(ステップS4)においては、まず、欠陥画素判別部13が、現在のISO感度の設定値、並びに、現在の判定フラグ(Hi)及び判定フラグ(Lo)を確認する(ステップS11)。
【0056】
図11は、このステップS11中の現在の判定フラグ(Hi)及び判定フラグ(Lo)の確認処理を示す概略フローチャートである。この確認処理では、まず、欠陥画素判別部13は、現在のTempフラグ(Hi)と現在のLVフラグ(Hi)とのANDをとることによって、判定フラグ(Hi)を作成する(ステップS81)。すなわち、Tempフラグ(Hi)が1でかつLVフラグ(Hi)が1の場合に、判定フラグ(Hi)に第5の値としての1にセットし、Tempフラグ(Hi)及びLVフラグ(Hi)の少なくとも一方が0の場合に、判定フラグ(Hi)に第6の値としての0にセットする。次に、欠陥画素判別部13は、現在のTempフラグ(Lo)と現在のLVフラグ(Lo)とのANDをとることによって、判定フラグ(Lo)を作成する(ステップS82)。すなわち、Tempフラグ(Lo)及びLVフラグ(Lo)の両方が1の場合に、判定フラグ(Lo)に第5の値としての1にセットし、Tempフラグ(Lo)及びLVフラグ(Lo)の少なくとも一方が0の場合に、判定フラグ(Lo)に第6の値としての0にセットする。ステップS82が終了すると、判定フラグの確認処理は終了する。
【0057】
ステップS81が、Tempフラグ(Hi)が第1の値としての1でありかつLVフラグ(Hi)が第3の値としての1であるときに判定フラグ(Hi)を第5の値としての1にセットするとともに、Tempフラグ(Hi)が第2の値としての0であるかLVフラグ(Hi)が第4の値としての0であるときに判定フラグ(Hi)を第6の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。ステップS82が、Tempフラグ(Lo)が第1の値としての1でありかつLVフラグ(Lo)が第3の値としての1であるときに判定フラグ(Lo)を第5の値としての1にセットするとともに、Tempフラグ(Lo)が第2の値としての0であるかLVフラグ(Lo)が第4の値としての0であるときに判定フラグ(Lo)を第6の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。
【0058】
ここで、図13乃至図16に、各動作例に応じた検出温度Tと、前述したようにして作成されるフラグTempフラグ(Hi)、Tempフラグ(Lo)、LVフラグ(Hi)、LVフラグ(Lo)、判定フラグ(Hi)、判定フラグ(Lo)との関係を示している。
【0059】
図13は、1回の長時間露光の静止画撮影の前後に渡る検出温度Tと各フラグとの関係の例を示す図である。図13において、t1は長時間露光の静止画撮影の開始時点、t2は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Loに達した時点、t3は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Hiに達した時点、t4は長時間露光の静止画撮影の終了時点、t5は検出温度Tが下降中に基準温度T_Hiに達した時点、t6は検出温度Tが下降中に基準温度T_Loに達した時点を、それぞれ示す。図13に現れている期間中、主電源はオンしている。なお、図13では、LVフラグ(Hi)、LVフラグ(Lo)、判定フラグ(Hi)、判定フラグ(Lo)は、0のままである。
【0060】
図14は、一連の連続撮影の開始から終了までの期間の前後に渡る検出温度Tと各フラグとの関係の例を示す図である。図14において、t11は連続撮影の開始時点、t12は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Loに達した時点、t13は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Hiに達した時点、t14は連続撮影の終了時点、t15は検出温度Tが下降中に基準温度T_Hiに達した時点、t16は検出温度Tが下降中に基準温度T_Loに達した時点を、それぞれ示す。図14に現れている期間中、主電源はオンしている。
【0061】
図15は、一連の連続撮影の開始から終了までの期間及びこれに引き続く主電源オフ期間の、前後に渡る検出温度Tと各フラグとの関係の例を示す図である。時点t14から時点t25までの期間は主電源をオフし、他の期間は主電源をオンしている。図15において時点t14以前は、図13における時点t14以前と同じである。図15に示す例では、t25は検出温度Tが下降中に基準温度T_Hiに達した時点、t26は検出温度Tが下降中に基準温度T_Loに達した時点を、それぞれ示す。本実施の形態では、前述したように各フラグが記憶されるメモリ8が不揮発性メモリであるので、主電源がオフされた場合、LVフラグ(Hi)、LVフラグ(Lo)等は、主電源のオフ直前の値に保持される。
【0062】
図16は、連続撮影の開始・終了を繰り返す期間の前後に渡る検出温度Tと各フラグとの関係の例を示す図である。t31,t35,t39,t42,t46,t50は各連続撮影の開始時点、t33,t37,t41,t44,t48,t52は各連続撮影の終了時点、t32,t36,t40は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Loに達した時点、t34,t38,t54は検出温度Tが下降中に基準温度T_Loに達した時点、t43,t47,t51は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Hiに達した時点、t45,t49,t53は検出温度Tが下降中に基準温度T_Hiに達した時点を、それぞれ示す。図16に現れている期間中、主電源はオンしている。
【0063】
再び図10を参照すると、ステップS11の後に、欠陥画素判別部13は、ステップS11で確認したISO感度の設定値並びに判定フラグ(Hi)及び判定フラグ(Lo)の値に従って、閾値を取得する(ステップS12)。このとき、欠陥画素判別部13は、メモリ8の判別基準情報記憶領域16に予め記憶された判別基準情報を参照する。この判定基準情報は、ISO感度の設定値並びに判定フラグ(Hi)及び判定フラグ(Lo)の値に応じた閾値(当該閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素を、判別すべき欠陥画素とする閾値)である。図12は、判別基準情報記憶領域16に予め記憶された判別基準情報の例を示す図である。なお、判定フラグ(Hi)を得るための基準温度T_Hiが判定フラグ(Lo)を得るための基準温度T_Loよりも高いので、判定フラグ(Hi)が1でありかつ判定フラグ(Lo)が0であるという場合はない。例えば、ステップS11で確認したISO感度の設定値が800であるとともに、ステップS11で確認した判定フラグ(Hi)が0でありかつ判定フラグ(Lo)が1である場合、ステップS12において、欠陥画素判別部13は、図12に示す判別基準情報を参照して、閾値として200LSBを取得する。
【0064】
次に、欠陥画素判別部13は、ステップS12で取得した閾値に従って、判別した欠陥画素のアドレスを取得する(ステップS13)。このとき、欠陥画素判別部13は、メモリ8の画素欠陥情報記憶領域15に予め記憶された図2に示す画素欠陥情報を参照して、ステップS12で取得した閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを取得する。例えば、ステップS12で取得した閾値が200LSBである場合、欠陥画素判別部13は、図2に示す画素欠陥情報を参照して、欠陥画素の判別結果として、欠陥レベルが200LSB以上の欠陥画素のアドレスを取得する。
【0065】
その後、欠陥画素補正部14は、ステップS3で読み出され前信号処理部11による処理等を経た画像データに対して、ステップS13で取得されたアドレスの画素(判別された欠陥画素)について欠陥画素補正を行う(ステップS14)。欠陥画素補正の具体的な手法としては、例えば、公知の種々の手法を採用することができる。ステップS14が終了すると、ステップS4の欠陥画素補正処理が終了する。
【0066】
本実施の形態では、欠陥画素判別部13が、Tempフラグ(Hi)及びTempフラグ(Lo)のみならずLVフラグ(Hi)及びLVフラグ(Lo)を用いることで、検出温度Tのみならず連続撮影動作の開始及び終了にも基づいて欠陥画素を判別している。したがって、本実施の形態によれば、撮像素子2の温度のみならず連続撮影動作の履歴等に応じて、より適切に欠陥画素を判別し、その欠陥画素について補正することができる。
【0067】
例えば、図13に示すように長時間露光の静止画撮影時においても撮像素子が高温となるとともに、図14乃至図16に示すように連続撮影動作後の短時間露光の静止画撮影時においても直前の連続撮影動作により撮像素子が高温となる。前述したように、本実施の形態では、長時間露光の静止画撮影の場合は、長時間露光の静止画撮影用のノイズ低減処理が行われる一方、短時間露光の静止画撮影の場合は、そのようなノイズ低減処理は行われない。このため、同じく撮像素子2が高温となっているとしても、長時間露光の静止画撮影時において撮像素子2が高温になった場合と、連続撮影動作後の短時間露光の静止画撮影において撮像素子2が高温になっている場合とでは、撮像素子2の欠陥画素を判別する基準を変えることが、より適切に欠陥画素を判別するために好ましい。しかし、そのような基準の変更は、単に撮像素子2の温度に応じて撮像素子2の欠陥画素を判別する基準を変えるだけでは、不可能である。これに対し、本実施の形態では、検出温度Tのみならず連続撮影動作の開始及び終了にも基づいて欠陥画素を判別しているので、長時間露光の静止画撮影時において撮像素子2が高温になった場合と、連続撮影動作後の短時間露光の静止画撮影において撮像素子2が高温になっている場合とで、撮像素子2の欠陥画素を判別する基準を変えることができ、より適切に欠陥画素を判別することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、検出温度Tのみならず連続撮影動作の開始及び終了にも基づいて欠陥画素を判別しているので、静止画撮影動作時と連続撮影動作時とでゲインの配分(アナログゲインとデジタルゲインの配分)を変える場合であっても、そのゲイン配分の差異に応じて前記閾値を設定することができ、より適切に欠陥画素を判別することができる。
【0069】
さらに、本実施の形態では、LVフラグ(Hi)及びLVフラグ(Lo)は、不揮発性メモリであるメモリ8のフラグ記憶領域17に記憶され、主電源がオフされた場合、主電源のオフ直前の値に保持される。したがって、一旦主電源がオフされても、連続撮影動作の開始及び終了の履歴情報が失われてしまうことがないため、主電源オフ後に再び主電源を投入した直後であっても、適切に欠陥画素を判別することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、前述した図3及び図4からわかるように、撮像素子2が撮像する全てのフレームについて、欠陥画素補正処理(ステップS4)が行われることになる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0072】
例えば、前記実施の形態では、ISO感度の設定値にも基づいて欠陥画素を判別しているが、本発明では、必ずしもISO感度の設定値にも基づいて欠陥画素を判別する必要はない。また、必要に応じて、シャッタ秒時にも基づいて欠陥画素を判別してもよい。
【0073】
また、前記実施の形態では、2つの基準温度T_Hi,T_Loに応じて、Tempフラグ、LVフラグ及び判定フラグの組が2組(すなわち、Tempフラグ(Hi)、LVフラグ(Hi)及び判定フラグ(Hi)の組と、Tempフラグ(Lo)、LVフラグ(Lo)及び判定フラグ(Lo)の組)用いられている。しかしながら、本発明では、1つの基準温度に応じた1組のTempフラグ、LVフラグ及び判定フラグのみを用いてもよいし、3つ以上の基準温度に応じた3組以上のTempフラグ、LVフラグ及び判定フラグを用いてもよい。例えば、3つの基準温度T_Hi,T_Md,T_Lo(T_Hi>T_Md>T_Lo)に応じた3組のTempフラグ、LVフラグ及び判定フラグ(Tempフラグ(Hi)、LVフラグ(Hi)及び判定フラグ(Hi)の組と、Tempフラグ(Md)、LVフラグ(Md)及び判定フラグ(Md)の組、Tempフラグ(Lo)、LVフラグ(Lo)及び判定フラグ(Lo)の組)を用いてもよい。この場合、図12に示す判別基準情報を、(判定フラグ(Hi),判定フラグ(Lo))の(1,1)、(0,1)、(0,0)の各列に代えて、(判定フラグ(Hi),判定フラグ(Md),判定フラグ(Lo))の(1,1,1)、(0,1,1)、(0,0,1),(0,0,0)の各列となるように、改変すればよい。
【符号の説明】
【0074】
2 撮像素子
3 主制御部
6 温度センサ
13 欠陥画素判別部
14 欠陥画素補正部
15 画素欠陥情報記憶領域
16 判別基準情報記憶領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体像を撮像する撮像素子を備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮像素子が撮像した画像に対して欠陥画素補正を行う撮像装置が提供されている。画素欠陥は温度依存性を有する。そこで、下記特許文献1に開示されたビデオカメラでは、撮像素子の温度に応じて、撮像素子の欠陥画素を検出する判定基準を変えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−350926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、静止画を撮像する静止画撮影動作、及び、繰り返して連続的に撮像する連続撮影動作(例えば、いわゆるライブビュー動作や動画撮影動作など)を行う撮像装置では、単に撮像素子の温度に応じて撮像素子の欠陥画素を検出する判定基準を変えるだけでは、連続撮影動作の履歴等によっては必ずしも適切に欠陥画素を検出することができない場合があった。
【0005】
例えば、長時間露光の静止画撮影時においても撮像素子が高温となるとともに、連続撮影動作後の短時間露光の静止画撮影時においても直前の連続撮影動作により撮像素子が高温となる。一般的に、長時間露光の静止画撮影の場合は、長時間露光の静止画撮影用のノイズ低減処理が行われる一方、短時間露光の静止画撮影の場合は、そのようなノイズ低減処理は行われない。このため、同じく撮像素子が高温となっているとしても、長時間露光の静止画撮影時において撮像素子が高温になった場合と、連続撮影動作後の短時間露光の静止画撮影において撮像素子が高温になっている場合とでは、撮像素子の欠陥画素を判別する基準を変えることが、より適切に欠陥画素を判別するために好ましい。しかし、そのような基準の変更は、単に撮像素子の温度に応じて撮像素子の欠陥画素を検出する判定基準を変えるだけでは、不可能であった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、撮像素子の温度のみならず連続撮影動作の履歴等に応じて、より適切に欠陥画素を判別し、その欠陥画素について補正することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による撮像装置は、被写体像を撮像する撮像素子と、前記撮像素子に、静止画を撮像する静止画撮影動作、及び、繰り返して連続的に撮像する連続撮影動作を行わせる制御手段と、前記撮像素子の温度に応じた検出温度を得る温度検出手段と、前記検出温度並びに前記連続撮影動作の開始及び終了に基づいて、欠陥画素を判別する欠陥画素判別部と、前記欠陥画素判別部により判別された欠陥画素について、前記撮像素子が撮像した画像に対する欠陥画素補正を行う欠陥画素補正部と、を備えたものである。
【0008】
第2の態様による撮像装置は、前記第1の態様において、前記欠陥画素判別部は、前記検出温度、前記連続撮影動作の開始及び終了、並びに、ISO感度の設定値に基づいて、欠陥画素を判別するものである。
【0009】
第3の態様による撮像装置は、前記第2の態様において、前記欠陥画素判別部は、前記検出温度が所定温度よりも高いときに第1のフラグを第1の値にセットするとともに、前記検出温度が前記所定温度以下であるときに前記第1のフラグを第2の値にセットする第1のフラグ処理手段と、前記連続撮影動作が開始されたときに第2のフラグを第3の値にセットするとともに、前記第1のフラグが前記第2の値である場合において前記連続撮影動作が終了されたとき、又は、前記第1のフラグが前記第1の値から前記第2の値へ変化したときに、前記第2のフラグを第4の値にセットする第2のフラグ処理手段と、前記第1のフラグが前記第1の値でありかつ前記第2のフラグが前記第3の値であるときに第3のフラグを第5の値にセットするとともに、前記第1のフラグが前記第2の値であるかあるいは前記第2のフラグが前記第4の値であるときに前記第3のフラグを第6の値にセットする第3のフラグ処理手段とを有し、前記欠陥画素判別部は、前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じて、欠陥画素を判別するものである。
【0010】
第4の態様による撮像装置は、前記第3の態様において、前記第2のフラグは、当該撮像装置の主電源がオフされた場合、前記主電源のオフ直前の値に保持されるものである。
【0011】
第5の態様による撮像装置は、前記第3又は第4の態様において、閾値と該閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを示す画素欠陥情報を記憶する画素欠陥情報記憶部と、前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じた前記閾値を示す判別基準情報を記憶する判別情報記憶部と、を備え、前記欠陥画素判別部は、前記判別基準情報を参照して、前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じた閾値を取得し、前記画素欠陥情報を参照して、前記取得した閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを取得するものである。
【0012】
第6の態様による撮像装置は、前記第3乃至第5の態様において、前記欠陥画素判別部は、前記第1乃至第3のフラグ処理手段の組を複数組有し、当該各組毎に前記所定温度が異なるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮像素子の温度のみならず連続撮影動作の履歴等に応じて、より適切に欠陥画素を判別し、その欠陥画素について補正することができる撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態による撮像装置を示す概略ブロック図である。
【図2】図1中のメモリの画素欠陥情報記憶領域の構造の例を模式的に示す図である。
【図3】図1に示す撮像装置の静止画撮影動作を示す概略フローチャートである。
【図4】図1に示す撮像装置の動画撮影動作を示す概略フローチャートである。
【図5】Tempフラグ(Hi)及びTempフラグ(Lo)を作成するための割り込み処理を示す概略フローチャートである。
【図6】LVフラグ(Hi)を作成するための割り込み処理を示す概略フローチャートである。
【図7】LVフラグ(Hi)を作成するための他の割り込み処理を示す概略フローチャートである。
【図8】LVフラグ(Lo)を作成するための割り込み処理を示す概略フローチャートである。
【図9】LVフラグ(Lo)を作成するための他の割り込み処理を示す概略フローチャートである。
【図10】図3及び図4中の欠陥画素補正処理を示す概略フローチャートである。
【図11】図10中のステップS11中の判定フラグの確認処理を示す概略フローチャートである。
【図12】図1中のメモリの判別基準情報記憶領域の構造の例を模式的に示す図である。
【図13】1回の長時間露光の静止画撮影の前後に渡る検出温度と各フラグとの関係の例を示す図である。
【図14】一連の連続撮影の開始から終了までの期間の前後に渡る検出温度と各フラグとの関係の例を示す図である。
【図15】一連の連続撮影の開始から終了までの期間及びこれに引き続く主電源オフ期間の、前後に渡る検出温度と各フラグとの関係の例を示す図である。
【図16】連続撮影の開始・終了を繰り返す期間の前後に渡る検出温度と各フラグとの関係の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による撮像装置について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態による撮像装置を示す概略ブロック図である。本実施の形態による撮像装置は、電子カメラとして構成されている。
【0017】
本実施の形態による撮像装置は、撮影レンズ1と、撮像素子2と、装置全体を統括制御するCPU等からなる主制御部3と、TG(タイミングジェネレータ)4と、主制御部3に種々の操作信号を供給するレリーズ釦や電源スイッチ等を含む操作部5と、温度センサ6と、信号処理部7と、メモリ8と、記録部9と、液晶パネル等の表示部10とを備えている。操作部5による電源オン・オフ操作により、装置全体に給電する主電源(図示せず)がオン・オフされるようになっている。また、操作部5によって、ISO感度を設定することができるようになっている。
【0018】
撮影レンズ1は、主制御部3からの指令を受けたレンズ制御部(図示せず)によってフォーカスや絞りが駆動される。この撮影レンズ1の像空間には、撮像素子2の撮像面が配置される。撮像素子2としては、例えば、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等が用いられる。撮像素子2は、主制御部3からの指令によりTG4が発生するタイミング信号によって駆動され、撮影レンズ1により形成される被写体像を撮像し、その画像信号を信号処理部7に出力する。
【0019】
信号処理部7は、主制御部3及びTG4との間で制御信号や同期信号等の授受を行い、以下に説明するような信号処理を行う。信号処理部7は、前信号処理部11と、後信号処理部12とを有している。前信号処理部11は、撮像素子2からのアナログの画像信号に対してアナログ増幅等の各種のアナログ処理を行った後に、A/D変換する。
【0020】
後信号処理部12は、主制御部3からの指令に従って、前信号処理部11から出力されたデジタルの画像信号に対して、デジタル増幅、色補間処理、ホワイトバランス処理などの画像処理や、画像データの圧縮処理及び伸張処理などを行う他、欠陥画素判別部13及び欠陥画素補正部14としての機能を担う。本実施の形態では、後信号処理部12は、長時間露光の静止画撮影の場合は、長時間露光の静止画撮影用のノイズ低減処理を行う一方、短時間露光の静止画撮影の場合は、そのようなノイズ低減処理は行わない。
【0021】
メモリ8には、欠陥画素判別部13の動作に必要な情報が記憶されている。メモリ8として不揮発性メモリが用いられ、前記主電源がオフされた後も、メモリ8内に記憶された情報は保持される。本実施の形態では、メモリ8は、画素欠陥情報記憶領域15と、判別基準情報記憶領域16と、フラグ記憶領域17とを有している。
【0022】
画素欠陥情報記憶領域15には、閾値と該閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを示す画素欠陥情報が、当該撮像装置の出荷前に、撮像素子2の検査結果に基づいて予め記憶されている。図2は、画素欠陥情報記憶領域15の構造の例を模式的に示す図である。この例では、画素欠陥情報記憶領域15は、個数記憶領域21とアドレス記憶領域22とから構成されている。この例では、欠陥レベルの単位をLSBとし、欠陥レベルを、3200LSB以上の範囲、1600LSB以上3200LSB未満(「1600〜3200LSB」)の範囲、800〜1600LSBの範囲、400〜800LSBの範囲、200〜400LSBの範囲、100〜200LSBの範囲、50〜100LSBの範囲、25〜50LSBの範囲、13〜25LSBの範囲に分けている。そして、個数記憶領域21には各範囲毎に当該範囲内の欠陥レベルを有する欠陥画素の個数(すなわち、欠陥画素のアドレスの個数)が記憶されている。アドレス記憶領域22には、前述した各範囲の順に、当該範囲内の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスが順次記憶されている。したがって、この例では、例えば、mを3200LSB以上の範囲内の欠陥レベルを有する欠陥画素の個数、nを1600〜3200LSBの範囲内の欠陥レベルを有する欠陥画素の個数とすると、閾値1600LSB以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスは、アドレス記憶領域22の先頭からm+n個のアドレスであることがわかる。なお、画素欠陥情報記憶領域15の構造は、図2に示す例に限られない。
【0023】
判別基準情報記憶領域16に記憶されている判別基準情報、及び、フラグ記憶領域17に記憶されるフラグについては、後述する。
【0024】
温度センサ6は、撮像素子2の温度を直接的又は間接的に検出し、撮像素子2の温度に応じた検出温度Tを示す検出温度データを出力する。この検出温度データは、主制御部3を介して欠陥画素判別部13に供給される。
【0025】
後信号処理部12による処理を経て出力される画像データは、主制御部3からの指令に従って、記録部9に着脱自在に装着された記憶媒体(図示せず)に記録されたり、表示部10に画像表示されたりする。
【0026】
本実施の形態による撮像装置は、操作部5の操作に応じて、静止画を撮像する静止画撮影動作、及び、繰り返して連続的に撮像する連続撮影動作を行う。そして、本実施の形態による撮像装置は、操作部5の操作に応じて、連続撮影動作として、連続的に繰り返して撮像した画像を記録する動画撮影動作、及び、連続的に繰り返して撮像した画像を表示部10に表示させるが記録しないライブビュー動作を行う。もっとも、連続撮影動作として、動画撮影動作及びライブビュー動作のいずか一方のみを行うようにしてもよい。
【0027】
図3は、本実施の形態による撮像装置の静止画撮影動作を示す概略フローチャートである。静止画撮影動作は、操作部5からの静止画撮影の指令に従って開始する。静止画撮影動作を開始すると、主制御部3は、まず、レンズ制御部(図示せず)に指令して撮影レンズ1のフォーカスや絞りを駆動するなどの、蓄積動作(露光動作)準備の動作を行う(ステップS1)。次いで、主制御部3は、図示しないシャッタ制御部を介して、メカニカルシャッタ(図示せず)を作動させて、蓄積動作を行わせる(ステップS2)。次に、主制御部3は、TG4に指令を与えて、撮像した被写体像の画像信号を撮像素子2から出力させる読み出し動作を行わせる(ステップS3)。引き続いて、撮像素子2からの画像信号は、前信号処理部11により、アナログ増幅等の各種のアナログ処理が行われた後、A/D変換される。このA/D変換された画像信号(画像データ)は、後信号処理部12によって、デジタル増幅、色補間処理、ホワイトバランス処理などの画像処理の他、後述する欠陥画素補正処理(ステップS4)が行われる。この欠陥画素補正処理(ステップS4)は、後信号処理部12の欠陥画素判別部13及び欠陥画素補正部14によって行われるが、その詳細は後述する。なお、信号処理部7による信号増幅は、操作部5によるISO感度の設定値に応じたゲインで行われるようになっている。その後、主制御部3は、記録部9を制御して、欠陥画素補正処理等が行われた画像データを、記録部9に装着されている記録媒体(図示せず)に記録させ(ステップS5)、静止画撮影動作を終了する。
【0028】
図4は、本実施の形態による撮像装置の動画撮影動作を示す概略フローチャートである。図4において、図3中のステップと同一又は対応するステップには同一符号を付し、その重複する説明は省略する。動画撮影動作が静止画撮影動作と異なる所は、主に、以下に説明する点である。動画撮影動作は、操作部5からの動画撮影開始指令に従って開始する。動画撮影動作では、主制御部3が、ステップS5の後に、動画撮影が開始した後に終了状態となったか否か(例えば、操作部からの動画撮影終了指令があったか否か)を判定し(ステップS6)、終了状態でなければステップS1へ戻る一方、終了状態であれば動画撮影動作を終了する。
【0029】
ライブビュー動作は、基本的に前述した動画撮影動作と同様である。ただし、ステップS5において、記録動作に代えて、主制御部3は、表示部10を制御して、欠陥画素補正処理等が行われた画像データを表示部10に画像表示させる。
【0030】
以下の説明では、動画撮影とライブビューとを区別することなく、それらのいずれであっても連続撮影と呼ぶ。なお、先の説明からわかるように、本実施の形態では、主制御部3及びTG4が、撮像素子2に、静止画撮影動作及び連続撮影動作を行わせる制御手段に相当している。
【0031】
本実施の形態では、欠陥画素判別部13は、前記検出温度T、連続撮影動作の開始及び終了、並びにISO感度の設定値に基づいて、欠陥画素を判別する。具体的には、本実施の形態では、欠陥画素判別部13は、図5に示す動作によりTempフラグ(第1のフラグ)を作成し、図6乃至図9に示す動作によりLVフラグ(第2のフラグ)を作成し、図10中のステップS11〜S13の動作(図11に示す判定フラグ(第3のフラグ)の作成を含む。)を行う。また、欠陥画素補正部14は、欠陥画素判別部13により判別された欠陥画素について、撮像素子2が撮像した画像に対する欠陥画素補正を行う。具体的には、本実施の形態では、欠陥画素補正部14は、図10中のステップS14の動作を行う。
【0032】
なお、後述するように、本実施の形態では、Tempフラグ、LVフラグ及び判定フラグの組は、予め定めた2つの基準温度(所定温度)T_Hi,T_Lo(T_Hi>T_Lo)に応じて、2組作成される。すなわち、基準温度T_Hiに応じて、Tempフラグ(Hi)、LVフラグ(Hi)及び判定フラグ(Hi)の組が作成され、基準温度T_Loに応じて、Tempフラグ(Lo)、LVフラグ(Lo)及び判定フラグ(Lo)の組が作成される。本実施の形態では、これらのフラグの値は、メモリ8のフラグ記憶領域17に記憶され、主電源がオフされた後も、メモリ8内に記憶された情報は保持される。ただし、図5に示す動作は主電源オン中に一定時間毎に定期的に開始されるので、Tempフラグ(Hi)及びTempフラグ(Lo)の値については、主電源がオフされた後に保持するメリットはない。
【0033】
図5は、Tempフラグ(Hi)及びTempフラグ(Lo)を作成するための、欠陥画素判別部13が行う割り込み処理を示すフローチャートである。この割り込み処理は、本実施の形態による撮像装置の主電源のオン中に、一定時間毎に定期的に開始される。欠陥画素判別部13は、主電源の投入時に、初期設定として、Tempフラグ(Hi)及びTempフラグ(Lo)をそれぞれ第2の値としての0にセットする。
【0034】
図5に示す割り込み処理が開始すると、欠陥画素判別部13は、まず、温度センサ6からの検出温度データ(検出温度T)を、主制御部3を介して所得する(ステップS21)。次に、欠陥画素判別部13は、ステップS21で取得した検出温度Tが基準温度T_Hiよりも高いか否かを判定し(ステップS22)、検出温度Tが基準温度T_Hiよりも高いければ、Tempフラグ(Hi)が第1の値としての1であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0035】
ステップS23においてTempフラグ(Hi)が1であると判定されると、そのままステップS27へ移行する。一方、ステップS23においてTempフラグ(Hi)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Hi)を1にセットした(ステップS24)後に、ステップS27へ移行する。
【0036】
ステップS22において検出温度Tが基準温度T_Hi以下であると判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Hi)が1であるか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25においてTempフラグ(Hi)が1であると判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Hi)を第2の値としての0にセットした(ステップS26)後に、ステップS27へ移行する。一方、ステップS25においてTempフラグ(Hi)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、そのままステップS27へ移行する。
【0037】
本実施の形態では、ステップS22〜S26が、検出温度Tが基準温度T_Hiよりも高いときにTempフラグ(Hi)を第1の値としての1にセットするとともに、検出温度Tが基準温度T_Hi以下であるときに、Tempフラグ(Hi)を第2の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。
【0038】
ステップS27において、欠陥画素判別部13は、ステップS21で取得した検出温度Tが基準温度T_Loよりも高いか否かを判定する。ステップS27において検出温度Tが基準温度T_Loよりも高いと判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Lo)が第1の値としての1であるか否かを判定する(ステップS28)。
【0039】
ステップS28においてTempフラグ(Lo)が1であると判定されると、欠陥画素判別部13は、図5に示す割り込み処理を終了する。一方、ステップS28においてTempフラグ(Lo)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Lo)を1にセットした(ステップS29)後に、図5に示す割り込み処理を終了する。
【0040】
ステップS27において検出温度Tが基準温度T_Lo以下であると判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Lo)が1であるか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30においてTempフラグ(Lo)が1であると判定されると、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Lo)を第2の値としての0にセットした(ステップS31)後に、図5に示す割り込み処理を終了する。一方、ステップS30においてTempフラグ(Lo)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、図5に示す割り込み処理を終了する。
【0041】
本実施の形態では、ステップS27〜S31が、検出温度Tが基準温度T_Loよりも高いときにTempフラグ(Lo)を第1の値としての1にセットするとともに、検出温度Tが基準温度T_Lo以下であるときに、Tempフラグ(Lo)を第2の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。
【0042】
図6及び図7はそれぞれ、LVフラグ(Hi)を作成するための、欠陥画素判別部13が行う割り込み処理を示すフローチャートである。
【0043】
図6に示す割り込み処理は、連続撮影動作の開始によって、開始する。連続撮影動作の開始を示す信号は、主制御部3から欠陥画素判別部13に供給される。図6に示す割り込み処理が開始すると、欠陥画素判別部13は、LVフラグ(Hi)を第3の値としての1にセットする(ステップS41)。ステップS41が終了すると、欠陥画素判別部13は、図6に示す割り込み処理を終了する。
【0044】
図7に示す割り込み処理は、連続撮影動作の終了によって、あるいは、Tempフラグ(Hi)の立ち下がり(1から0への変化)によって、開始する。連続撮影動作の終了を示す信号は、主制御部3から欠陥画素判別部13に供給される。
【0045】
図7に示す割り込み処理が開始すると、欠陥画素判別部13は、当該割り込み処理が、連続撮影動作の終了及びTempフラグ(Hi)の立ち下がりのうちのいずれによって開始したかを判定する(ステップS51)。連続撮影動作の終了によって開始した場合は、ステップS52へ移行する。一方、Tempフラグ(Hi)の立ち下がりによって開始した場合は、ステップS53へ移行する。
【0046】
ステップS52において、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Hi)が1であるか否かを判定する(ステップS52)。ステップS52においてTempフラグ(Hi)が1であると判定されると、欠陥画素判別部13は、図7に示す割り込み処理を終了する。ステップS52においてTempフラグ(Hi)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、欠陥画素判別部13は、LVフラグ(Hi)を第4の値としての0にセットした(ステップS53)後に、図7に示す割り込み処理を終了する。
【0047】
本実施の形態では、ステップS41,S51〜S53が、連続撮影動作が開始されたときにLVフラグ(Hi)を第3の値としての1にセットするとともに、Tempフラグ(Hi)が第2の値としての0である場合において連続撮影動作が終了されたとき、又は、Tempフラグ(Hi)が第1の値としての1から第2の値としての0へ変化したときに、LVフラグ(Hi)を第4の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。
【0048】
図8及び図9はそれぞれ、LVフラグ(Lo)を作成するための、欠陥画素判別部13が行う割り込み処理を示すフローチャートである。
【0049】
図8に示す割り込み処理は、連続撮影動作の開始によって、開始する。図8に示す割り込み処理が開始すると、欠陥画素判別部13は、LVフラグ(Lo)を第3の値としての1にセットする(ステップS61)。ステップS61が終了すると、欠陥画素判別部13は、図8に示す割り込み処理を終了する。
【0050】
図9に示す割り込み処理は、連続撮影動作の終了によって、あるいは、Tempフラグ(Lo)の立ち下がり(1から0への変化)によって、開始する。
【0051】
図9に示す割り込み処理が開始すると、欠陥画素判別部13は、当該割り込み処理が、連続撮影動作の終了及びTempフラグ(Lo)の立ち下がりのうちのいずれによって開始したかを判定する(ステップS71)。連続撮影動作の終了によって開始した場合は、ステップS72へ移行する。一方、Tempフラグ(Lo)の立ち下がりによって開始した場合は、ステップS73へ移行する。
【0052】
ステップS72において、欠陥画素判別部13は、Tempフラグ(Lo)が1であるか否かを判定する(ステップS72)。ステップS72においてTempフラグ(Lo)が1であると判定されると、欠陥画素判別部13は、図9に示す割り込み処理を終了する。ステップS72においてTempフラグ(Lo)が1でない(すなわち、0である)と判定されると、欠陥画素判別部13は、LVフラグ(Lo)を第4の値としての0にセットした(ステップS73)後に、図9に示す割り込み処理を終了する。
【0053】
本実施の形態では、ステップS61,S71〜S73が、連続撮影動作が開始されたときにLVフラグ(Lo)を第3の値としての1にセットするとともに、Tempフラグ(Lo)が第2の値としての0である場合において連続撮影動作が終了されたとき、又は、Tempフラグ(Lo)が第1の値としての1から第2の値としての0へ変化したときに、LVフラグ(Lo)を第4の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。
【0054】
次に、図3及び図4中の欠陥画素補正処理(ステップS4)について、説明する。この欠陥画素補正処理(ステップS4)は、静止画撮影動作時及び動画撮影動作時のみならず、ライブビュー動作時においても同様である。
【0055】
図10は、図3及び図4中の欠陥画素補正処理(ステップS4)を示す概略フローチャートである。この欠陥画素補正処理(ステップS4)においては、まず、欠陥画素判別部13が、現在のISO感度の設定値、並びに、現在の判定フラグ(Hi)及び判定フラグ(Lo)を確認する(ステップS11)。
【0056】
図11は、このステップS11中の現在の判定フラグ(Hi)及び判定フラグ(Lo)の確認処理を示す概略フローチャートである。この確認処理では、まず、欠陥画素判別部13は、現在のTempフラグ(Hi)と現在のLVフラグ(Hi)とのANDをとることによって、判定フラグ(Hi)を作成する(ステップS81)。すなわち、Tempフラグ(Hi)が1でかつLVフラグ(Hi)が1の場合に、判定フラグ(Hi)に第5の値としての1にセットし、Tempフラグ(Hi)及びLVフラグ(Hi)の少なくとも一方が0の場合に、判定フラグ(Hi)に第6の値としての0にセットする。次に、欠陥画素判別部13は、現在のTempフラグ(Lo)と現在のLVフラグ(Lo)とのANDをとることによって、判定フラグ(Lo)を作成する(ステップS82)。すなわち、Tempフラグ(Lo)及びLVフラグ(Lo)の両方が1の場合に、判定フラグ(Lo)に第5の値としての1にセットし、Tempフラグ(Lo)及びLVフラグ(Lo)の少なくとも一方が0の場合に、判定フラグ(Lo)に第6の値としての0にセットする。ステップS82が終了すると、判定フラグの確認処理は終了する。
【0057】
ステップS81が、Tempフラグ(Hi)が第1の値としての1でありかつLVフラグ(Hi)が第3の値としての1であるときに判定フラグ(Hi)を第5の値としての1にセットするとともに、Tempフラグ(Hi)が第2の値としての0であるかLVフラグ(Hi)が第4の値としての0であるときに判定フラグ(Hi)を第6の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。ステップS82が、Tempフラグ(Lo)が第1の値としての1でありかつLVフラグ(Lo)が第3の値としての1であるときに判定フラグ(Lo)を第5の値としての1にセットするとともに、Tempフラグ(Lo)が第2の値としての0であるかLVフラグ(Lo)が第4の値としての0であるときに判定フラグ(Lo)を第6の値としての0にセットするフラグ処理手段に、相当している。
【0058】
ここで、図13乃至図16に、各動作例に応じた検出温度Tと、前述したようにして作成されるフラグTempフラグ(Hi)、Tempフラグ(Lo)、LVフラグ(Hi)、LVフラグ(Lo)、判定フラグ(Hi)、判定フラグ(Lo)との関係を示している。
【0059】
図13は、1回の長時間露光の静止画撮影の前後に渡る検出温度Tと各フラグとの関係の例を示す図である。図13において、t1は長時間露光の静止画撮影の開始時点、t2は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Loに達した時点、t3は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Hiに達した時点、t4は長時間露光の静止画撮影の終了時点、t5は検出温度Tが下降中に基準温度T_Hiに達した時点、t6は検出温度Tが下降中に基準温度T_Loに達した時点を、それぞれ示す。図13に現れている期間中、主電源はオンしている。なお、図13では、LVフラグ(Hi)、LVフラグ(Lo)、判定フラグ(Hi)、判定フラグ(Lo)は、0のままである。
【0060】
図14は、一連の連続撮影の開始から終了までの期間の前後に渡る検出温度Tと各フラグとの関係の例を示す図である。図14において、t11は連続撮影の開始時点、t12は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Loに達した時点、t13は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Hiに達した時点、t14は連続撮影の終了時点、t15は検出温度Tが下降中に基準温度T_Hiに達した時点、t16は検出温度Tが下降中に基準温度T_Loに達した時点を、それぞれ示す。図14に現れている期間中、主電源はオンしている。
【0061】
図15は、一連の連続撮影の開始から終了までの期間及びこれに引き続く主電源オフ期間の、前後に渡る検出温度Tと各フラグとの関係の例を示す図である。時点t14から時点t25までの期間は主電源をオフし、他の期間は主電源をオンしている。図15において時点t14以前は、図13における時点t14以前と同じである。図15に示す例では、t25は検出温度Tが下降中に基準温度T_Hiに達した時点、t26は検出温度Tが下降中に基準温度T_Loに達した時点を、それぞれ示す。本実施の形態では、前述したように各フラグが記憶されるメモリ8が不揮発性メモリであるので、主電源がオフされた場合、LVフラグ(Hi)、LVフラグ(Lo)等は、主電源のオフ直前の値に保持される。
【0062】
図16は、連続撮影の開始・終了を繰り返す期間の前後に渡る検出温度Tと各フラグとの関係の例を示す図である。t31,t35,t39,t42,t46,t50は各連続撮影の開始時点、t33,t37,t41,t44,t48,t52は各連続撮影の終了時点、t32,t36,t40は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Loに達した時点、t34,t38,t54は検出温度Tが下降中に基準温度T_Loに達した時点、t43,t47,t51は検出温度Tが上昇中に基準温度T_Hiに達した時点、t45,t49,t53は検出温度Tが下降中に基準温度T_Hiに達した時点を、それぞれ示す。図16に現れている期間中、主電源はオンしている。
【0063】
再び図10を参照すると、ステップS11の後に、欠陥画素判別部13は、ステップS11で確認したISO感度の設定値並びに判定フラグ(Hi)及び判定フラグ(Lo)の値に従って、閾値を取得する(ステップS12)。このとき、欠陥画素判別部13は、メモリ8の判別基準情報記憶領域16に予め記憶された判別基準情報を参照する。この判定基準情報は、ISO感度の設定値並びに判定フラグ(Hi)及び判定フラグ(Lo)の値に応じた閾値(当該閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素を、判別すべき欠陥画素とする閾値)である。図12は、判別基準情報記憶領域16に予め記憶された判別基準情報の例を示す図である。なお、判定フラグ(Hi)を得るための基準温度T_Hiが判定フラグ(Lo)を得るための基準温度T_Loよりも高いので、判定フラグ(Hi)が1でありかつ判定フラグ(Lo)が0であるという場合はない。例えば、ステップS11で確認したISO感度の設定値が800であるとともに、ステップS11で確認した判定フラグ(Hi)が0でありかつ判定フラグ(Lo)が1である場合、ステップS12において、欠陥画素判別部13は、図12に示す判別基準情報を参照して、閾値として200LSBを取得する。
【0064】
次に、欠陥画素判別部13は、ステップS12で取得した閾値に従って、判別した欠陥画素のアドレスを取得する(ステップS13)。このとき、欠陥画素判別部13は、メモリ8の画素欠陥情報記憶領域15に予め記憶された図2に示す画素欠陥情報を参照して、ステップS12で取得した閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを取得する。例えば、ステップS12で取得した閾値が200LSBである場合、欠陥画素判別部13は、図2に示す画素欠陥情報を参照して、欠陥画素の判別結果として、欠陥レベルが200LSB以上の欠陥画素のアドレスを取得する。
【0065】
その後、欠陥画素補正部14は、ステップS3で読み出され前信号処理部11による処理等を経た画像データに対して、ステップS13で取得されたアドレスの画素(判別された欠陥画素)について欠陥画素補正を行う(ステップS14)。欠陥画素補正の具体的な手法としては、例えば、公知の種々の手法を採用することができる。ステップS14が終了すると、ステップS4の欠陥画素補正処理が終了する。
【0066】
本実施の形態では、欠陥画素判別部13が、Tempフラグ(Hi)及びTempフラグ(Lo)のみならずLVフラグ(Hi)及びLVフラグ(Lo)を用いることで、検出温度Tのみならず連続撮影動作の開始及び終了にも基づいて欠陥画素を判別している。したがって、本実施の形態によれば、撮像素子2の温度のみならず連続撮影動作の履歴等に応じて、より適切に欠陥画素を判別し、その欠陥画素について補正することができる。
【0067】
例えば、図13に示すように長時間露光の静止画撮影時においても撮像素子が高温となるとともに、図14乃至図16に示すように連続撮影動作後の短時間露光の静止画撮影時においても直前の連続撮影動作により撮像素子が高温となる。前述したように、本実施の形態では、長時間露光の静止画撮影の場合は、長時間露光の静止画撮影用のノイズ低減処理が行われる一方、短時間露光の静止画撮影の場合は、そのようなノイズ低減処理は行われない。このため、同じく撮像素子2が高温となっているとしても、長時間露光の静止画撮影時において撮像素子2が高温になった場合と、連続撮影動作後の短時間露光の静止画撮影において撮像素子2が高温になっている場合とでは、撮像素子2の欠陥画素を判別する基準を変えることが、より適切に欠陥画素を判別するために好ましい。しかし、そのような基準の変更は、単に撮像素子2の温度に応じて撮像素子2の欠陥画素を判別する基準を変えるだけでは、不可能である。これに対し、本実施の形態では、検出温度Tのみならず連続撮影動作の開始及び終了にも基づいて欠陥画素を判別しているので、長時間露光の静止画撮影時において撮像素子2が高温になった場合と、連続撮影動作後の短時間露光の静止画撮影において撮像素子2が高温になっている場合とで、撮像素子2の欠陥画素を判別する基準を変えることができ、より適切に欠陥画素を判別することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、検出温度Tのみならず連続撮影動作の開始及び終了にも基づいて欠陥画素を判別しているので、静止画撮影動作時と連続撮影動作時とでゲインの配分(アナログゲインとデジタルゲインの配分)を変える場合であっても、そのゲイン配分の差異に応じて前記閾値を設定することができ、より適切に欠陥画素を判別することができる。
【0069】
さらに、本実施の形態では、LVフラグ(Hi)及びLVフラグ(Lo)は、不揮発性メモリであるメモリ8のフラグ記憶領域17に記憶され、主電源がオフされた場合、主電源のオフ直前の値に保持される。したがって、一旦主電源がオフされても、連続撮影動作の開始及び終了の履歴情報が失われてしまうことがないため、主電源オフ後に再び主電源を投入した直後であっても、適切に欠陥画素を判別することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、前述した図3及び図4からわかるように、撮像素子2が撮像する全てのフレームについて、欠陥画素補正処理(ステップS4)が行われることになる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0072】
例えば、前記実施の形態では、ISO感度の設定値にも基づいて欠陥画素を判別しているが、本発明では、必ずしもISO感度の設定値にも基づいて欠陥画素を判別する必要はない。また、必要に応じて、シャッタ秒時にも基づいて欠陥画素を判別してもよい。
【0073】
また、前記実施の形態では、2つの基準温度T_Hi,T_Loに応じて、Tempフラグ、LVフラグ及び判定フラグの組が2組(すなわち、Tempフラグ(Hi)、LVフラグ(Hi)及び判定フラグ(Hi)の組と、Tempフラグ(Lo)、LVフラグ(Lo)及び判定フラグ(Lo)の組)用いられている。しかしながら、本発明では、1つの基準温度に応じた1組のTempフラグ、LVフラグ及び判定フラグのみを用いてもよいし、3つ以上の基準温度に応じた3組以上のTempフラグ、LVフラグ及び判定フラグを用いてもよい。例えば、3つの基準温度T_Hi,T_Md,T_Lo(T_Hi>T_Md>T_Lo)に応じた3組のTempフラグ、LVフラグ及び判定フラグ(Tempフラグ(Hi)、LVフラグ(Hi)及び判定フラグ(Hi)の組と、Tempフラグ(Md)、LVフラグ(Md)及び判定フラグ(Md)の組、Tempフラグ(Lo)、LVフラグ(Lo)及び判定フラグ(Lo)の組)を用いてもよい。この場合、図12に示す判別基準情報を、(判定フラグ(Hi),判定フラグ(Lo))の(1,1)、(0,1)、(0,0)の各列に代えて、(判定フラグ(Hi),判定フラグ(Md),判定フラグ(Lo))の(1,1,1)、(0,1,1)、(0,0,1),(0,0,0)の各列となるように、改変すればよい。
【符号の説明】
【0074】
2 撮像素子
3 主制御部
6 温度センサ
13 欠陥画素判別部
14 欠陥画素補正部
15 画素欠陥情報記憶領域
16 判別基準情報記憶領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子に、静止画を撮像する静止画撮影動作、及び、繰り返して連続的に撮像する連続撮影動作を行わせる制御手段と、
前記撮像素子の温度に応じた検出温度を得る温度検出手段と、
前記検出温度並びに前記連続撮影動作の開始及び終了に基づいて、欠陥画素を判別する欠陥画素判別部と、
前記欠陥画素判別部により判別された欠陥画素について、前記撮像素子が撮像した画像に対する欠陥画素補正を行う欠陥画素補正部と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記欠陥画素判別部は、前記検出温度、前記連続撮影動作の開始及び終了、並びに、ISO感度の設定値に基づいて、欠陥画素を判別することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記欠陥画素判別部は、前記検出温度が所定温度よりも高いときに第1のフラグを第1の値にセットするとともに、前記検出温度が前記所定温度以下であるときに前記第1のフラグを第2の値にセットする第1のフラグ処理手段と、前記連続撮影動作が開始されたときに第2のフラグを第3の値にセットするとともに、前記第1のフラグが前記第2の値である場合において前記連続撮影動作が終了されたとき、又は、前記第1のフラグが前記第1の値から前記第2の値へ変化したときに、前記第2のフラグを第4の値にセットする第2のフラグ処理手段と、前記第1のフラグが前記第1の値でありかつ前記第2のフラグが前記第3の値であるときに第3のフラグを第5の値にセットするとともに、前記第1のフラグが前記第2の値であるかあるいは前記第2のフラグが前記第4の値であるときに前記第3のフラグを第6の値にセットする第3のフラグ処理手段とを有し、
前記欠陥画素判別部は、前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じて、欠陥画素を判別することを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第2のフラグは、当該撮像装置の主電源がオフされた場合、前記主電源のオフ直前の値に保持されることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
閾値と該閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを示す画素欠陥情報を記憶する画素欠陥情報記憶部と、
前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じた前記閾値を示す判別基準情報を記憶する判別情報記憶部と、
を備え、
前記欠陥画素判別部は、前記判別基準情報を参照して、前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じた閾値を取得し、前記画素欠陥情報を参照して、前記取得した閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを取得することを特徴とする請求項3又は4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記欠陥画素判別部は、前記第1乃至第3のフラグ処理手段の組を複数組有し、当該各組毎に前記所定温度が異なることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項1】
被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子に、静止画を撮像する静止画撮影動作、及び、繰り返して連続的に撮像する連続撮影動作を行わせる制御手段と、
前記撮像素子の温度に応じた検出温度を得る温度検出手段と、
前記検出温度並びに前記連続撮影動作の開始及び終了に基づいて、欠陥画素を判別する欠陥画素判別部と、
前記欠陥画素判別部により判別された欠陥画素について、前記撮像素子が撮像した画像に対する欠陥画素補正を行う欠陥画素補正部と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記欠陥画素判別部は、前記検出温度、前記連続撮影動作の開始及び終了、並びに、ISO感度の設定値に基づいて、欠陥画素を判別することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記欠陥画素判別部は、前記検出温度が所定温度よりも高いときに第1のフラグを第1の値にセットするとともに、前記検出温度が前記所定温度以下であるときに前記第1のフラグを第2の値にセットする第1のフラグ処理手段と、前記連続撮影動作が開始されたときに第2のフラグを第3の値にセットするとともに、前記第1のフラグが前記第2の値である場合において前記連続撮影動作が終了されたとき、又は、前記第1のフラグが前記第1の値から前記第2の値へ変化したときに、前記第2のフラグを第4の値にセットする第2のフラグ処理手段と、前記第1のフラグが前記第1の値でありかつ前記第2のフラグが前記第3の値であるときに第3のフラグを第5の値にセットするとともに、前記第1のフラグが前記第2の値であるかあるいは前記第2のフラグが前記第4の値であるときに前記第3のフラグを第6の値にセットする第3のフラグ処理手段とを有し、
前記欠陥画素判別部は、前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じて、欠陥画素を判別することを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第2のフラグは、当該撮像装置の主電源がオフされた場合、前記主電源のオフ直前の値に保持されることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
閾値と該閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを示す画素欠陥情報を記憶する画素欠陥情報記憶部と、
前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じた前記閾値を示す判別基準情報を記憶する判別情報記憶部と、
を備え、
前記欠陥画素判別部は、前記判別基準情報を参照して、前記第3のフラグの値及び前記ISO感度の設定値に応じた閾値を取得し、前記画素欠陥情報を参照して、前記取得した閾値以上の欠陥レベルを有する欠陥画素のアドレスを取得することを特徴とする請求項3又は4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記欠陥画素判別部は、前記第1乃至第3のフラグ処理手段の組を複数組有し、当該各組毎に前記所定温度が異なることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図11】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−175682(P2012−175682A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38946(P2011−38946)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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