説明

撮像装置

【課題】記録用画像を露出アンダーで連続して撮像する必要がある場合でも、たとえばモニター用画像が露出不足にならないようにすること。
【解決手段】撮像装置1は、被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像部23と、撮像部23から出力された画像信号に基づく再生画像を逐次表示する表示部14と、撮像部23から出力された画像信号に基づく記録画像を記録媒体30へ記録する記録部17と、撮像部23を露出アンダーに設定する露出制御部11と、表示部14で表示される再生画像と記録部17で記録される記録画像とで異なる露出アンダー補正処理を行う補正処理部11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像の階調が適切な明るさ変化を表すように、ハイライト部やシャドー部および中間調を調整する機能が知られている(特許文献1参照)。ハイライト部の画像データが飽和しないように、適正露出よりもアンダーで静止画を撮像し、該撮像データに対して後から階調調整を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−39423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、適正露出よりアンダーで静止画を撮像し、該撮像データに対して後から階調調整を行う機能を、プリキャプチャー撮影や動画撮影のように連続して撮像を行う場合へ適用することが着目されていなかった。一般に、連続して撮像を行う場合はモニター用画像を表示するが、上述した階調調整を後から行っていてはモニター表示に間に合わないし、階調調整を行わずにモニター表示すると露出不足で暗いモニター表示画像になってしまう。ここで、プリキャプチャー撮影とは、シャッタータイミングが遅れることを考慮して、レリーズ操作時点より前のフレーム画像を取得することを目的としたものである。たとえば、レリーズ操作前から所定のフレームレートで静止画像を撮像してメモリに一時記憶しておき、レリーズ操作が行われた場合に、撮影指示後に撮像した静止画像と上記メモリに記憶されている静止画像とを記録媒体に保存(または選択された静止画像画像のみを保存)する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による撮像装置は、被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像部と、撮像部から出力された画像信号に基づく再生画像を逐次表示する表示部と、撮像部から出力された画像信号に基づく記録画像を記録媒体へ記録する記録部と、撮像部を露出アンダーに設定する露出制御部と、表示部で表示される再生画像と記録部で記録される記録画像とで異なる露出アンダー補正処理を行う補正処理部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、記録用画像を露出アンダーで連続して撮像する必要がある場合でも、モニター用画像が露出不足にならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施の形態による電子カメラの要部構成を説明するブロック図である。
【図2】プリキャプチャー撮影モードにおける画像の取得タイミングを説明する図である。
【図3】メインCPUが実行するプリキャプチャー撮影処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態による電子カメラ1の要部構成を説明するブロック図である。電子カメラ1は、メインCPU11によって制御される。
【0009】
撮像レンズ21は、撮像素子23の撮像面上に被写体像を結像させる。絞り22は、撮像レンズ21を通過した被写体光束を制限する。撮像素子23は、たとえばCMOSイメージセンサによって構成され、撮像面上の被写体像を撮像して光電変換信号を撮像回路24へ出力する。撮像回路24は、撮像素子23から出力される光電変換信号に対してアナログ処理(ゲインコントロールなど)を行う他、内蔵するA/D変換回路でアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。
【0010】
絞り駆動機構25は、メインCPU11からの指示に応じて絞り22の開口径を制御する。メインCPU11は、各ブロックから出力される信号を入力して所定の演算を行い、演算結果に基づく制御信号を各ブロックへ出力する。画像処理回路12は、たとえばASICとして構成され、撮像回路24から入力されるデジタル画像信号に対して画像処理を行う。画像処理には、たとえば、輪郭強調、色温度調整(ホワイトバランス調整)処理、階調補正処理、フォーマット変換処理などが含まれる。
【0011】
表示画像作成回路13は、撮像画像を液晶モニタ14に再生表示させるための表示用信号を生成する。液晶モニタ14は液晶パネルによって構成され、表示画像作成回路13から入力される表示用信号に基づいて画像や操作メニュー画面などを表示する。映像出力回路19は、表示画像作成回路13から入力される表示用信号に基づいて、画像や操作メニュー画面などを外部の表示装置に表示させるための映像信号を生成して出力する。
【0012】
バッファメモリ15は、画像処理前、画像処理後および画像処理途中のデータを一時的に記憶する他、記録媒体30へ記録する前の画像ファイルを記憶したり、記録媒体30から読み出した画像ファイルを記憶したりするために使用される。本実施形態では、撮影指示前(レリーズボタンの全押し操作前)に撮像素子23が所定のフレームレートで取得するプリキャプチャー画像を一時的に記憶する場合などにも使用される。プリキャプチャー画像については後述する。
【0013】
フラッシュメモリ16は、メインCPU11が実行するプログラムや、メインCPU11が行う処理に必要なデータなどが格納される。フラッシュメモリ16が格納するプログラムやデータの内容は、メインCPU11からの指示によって追加、変更が可能に構成されている。
【0014】
カードインターフェース(I/F)17は不図示のコネクタを有し、該コネクタにメモリカードなどの記録媒体30が接続される。カードインターフェース17は、メインCPU11からの指示により、接続された記録媒体30に対するデータの書き込みや、記録媒体30からのデータの読み込みを行う。記録媒体30は、半導体メモリを内蔵したメモリカード、またはハードディスクドライブなどで構成される。
【0015】
操作部材18は、電子カメラ1の各種ボタンやスイッチ類を含み、モード切替スイッチの切換操作など、各操作部材の操作内容に応じた操作信号をメインCPU11へ出力する。半押しスイッチ18aおよび全押しスイッチ18bは、レリーズボタン(不図示)の押下操作に連動して、それぞれがオン信号をメインCPU11へ出力する。半押しスイッチ18aからのオン信号(半押し操作信号)は、レリーズボタンが通常ストロークの半分程度まで押し下げ操作されると出力され、半ストロークの押し下げ操作解除で出力が解除される。全押しスイッチ18bからのオン信号(全押し操作信号)は、レリーズボタンが通常ストロークまで押し下げ操作されると出力され、通常ストロークの押し下げ操作が解除されると出力が解除される。半押し操作信号は、メインCPU11に対して撮影準備の開始を指示する。全押し操作信号は、メインCPU11に対して記録用画像の取得開始を指示する。
【0016】
<撮影モード>
電子カメラ1は、上記全押し操作信号に応じて1コマずつ撮影画像を取得して記録媒体30へ記録する通常の静止画撮影モードと、上記半押し操作信号を受けると所定のフレームレート(たとえば10フレーム/毎秒(10fps))で連続して撮像した画像をバッファメモリ15へ蓄積しておき、上記全押し操作信号を受けると当該全押し操作信号を受けた時点の前後に撮像した所定数のフレーム画像をそれぞれ記録媒体30へ記録するプリキャプチャー撮影モードと、録画指示に応じて所定のフレームレート(たとえば30フレーム/毎秒(30fps))で動画像を取得して記録媒体30へ記録する動画撮影モードと、を有する。各撮影モードは、操作部材18からの操作信号に応じて切替え可能に構成されている。
【0017】
<再生モード>
再生モードの電子カメラ1は、上記各撮影モードにおいて記録された画像を各コマごとに、あるいは所定のコマ数ごとに、液晶モニタ19に再生表示する。
【0018】
本実施形態は、上記プリキャプチャー撮影モードにおける動作に特徴を有するので、以下の説明はプリキャプチャー撮影モードを中心に行う。図2は、プリキャプチャー撮影モードにおける画像の取得タイミングを説明する図である。
【0019】
<プリキャプチャー撮影>
図2において、時刻t0に半押し操作信号が入力されると、メインCPU11はレリーズ待機処理を開始させる。レリーズ待機処理では、たとえば、10フレーム/毎秒(10fps)のフレームレートで被写体像を撮像するとともに、取得した画像データを逐次バッファメモリ15へ記憶する。
【0020】
プリキャプチャー撮影のために使用するバッファメモリ15のメモリ容量は、あらかじめ十分な容量が確保されている。メインCPU11は、時刻t0以降にバッファメモリ15内に記憶したフレーム画像のフレーム枚数が所定枚数(たとえばA枚)に達した場合には、古いフレーム画像から順に上書き消去する。これにより、プリキャプチャー撮影のために使用するバッファメモリ15のメモリ容量を制限できる。
【0021】
時刻t1に全押し操作信号が入力されると、メインCPU11はレリーズ処理を開始させる。レリーズ処理では、時刻t1以前に撮像したA枚のフレーム画像と、時刻t1以降に撮像されるB枚のフレーム画像とを合わせた(A+B)枚のフレーム画像を記録媒体30へ記録する。図2における黒い帯は、記録画像である(A+B)枚のフレーム画像が取得される区間を表す。斜線の帯は、バッファメモリ15に一旦は記憶されたものの、上書き消去されたフレーム画像が取得された区間を表す。
【0022】
なお、本実施形態では、記録方式として(A+B)枚のフレーム画像を全て記録媒体30へ記録する第1記録方式と、(A+B)枚のフレーム画像のうち、ユーザーによる選択操作に応じて選ぶC(C<(A+B))枚、またはメインCPU11が自動的に選ぶ上記C枚のフレーム画像を記録媒体30へ記録する第2記録方式とが操作部材18からの操作信号に応じて切替え可能に構成されている。本説明では、第1記録方式が選択されているものとして説明する。A、BおよびCの値は、それぞれユーザー操作で変更可能である。
【0023】
図3は、メインCPU11が実行するプリキャプチャー撮影処理の流れを説明するフローチャートである。メインCPU11は、プリキャプチャー撮影モードに設定されている場合において、半押し操作信号が入力されると図3に例示する処理を起動する。
【0024】
図3のステップS1において、メインCPU11は、撮像素子23に測光用画像を取得させてステップS2へ進む。ステップS2において、メインCPU11は、測光用画像の所定エリア(たとえば、画面中央エリア)に含まれる画素からの信号値に基づいて、所定の露出演算によって適正露出を算出してステップS3へ進む。
【0025】
ステップS3において、メインCPU11は、飽和抑制露出アンダー量を以下のように算出する。たとえば、上記適正露出が得られるようにシャッター秒時Tvおよび絞り値Avを制御して再度測光用画像を取得させ、取得した測光用画像の全画素からの信号値に基づいて輝度ヒストグラムを生成する。この輝度ヒストグラムに基づき、信号値が所定値以上となるハイライト部分で構成される画素領域(飽和領域量と呼ぶ)、および信号値を所定のレベルごとに分類した画素領域(各明るさの領域量と呼ぶ)を算出する。メインCPU11は、上記飽和領域量の飽和を抑えるために必要な露出のアンダー量(飽和抑制露出アンダー量と呼ぶ)を算出し、ステップS4へ進む。
【0026】
ステップS4において、メインCPU11は画像蓄積を開始させる。すなわち、上記飽和抑制露出アンダー量とするようにシャッター秒時Tvおよび絞り値Avを制御して撮像素子23に上述したレリーズ待機処理を開始させる。これにより、10フレーム/毎秒(10fps)のフレームレートで被写体像を撮像するとともに、取得した画像データを逐次バッファメモリ15へ記憶する。取得される画像は全て適正露出よりアンダーなので、高輝度被写体が存在しても画素信号値が飽和しない。本実施形態では、バッファメモリ15への画像蓄積終了までシャッター秒時Tvおよび絞り値Avの値を維持する。
【0027】
ステップS5において、メインCPU11は画像処理回路12へ指示を送り、表示用画像に対するゲインアップ処理を行わせる。本実施形態では、レリーズ待機中に取得する画像をモニター用画像として液晶モニタ14に逐次表示させる。取得画像は露出アンダーなので、そのまま再生表示すると表示画面が暗くて見づらい。そこで、メインCPU11は、上述した露出アンダーを補う(画像を適正露出で取得する場合と同様の明るさで液晶モニタ14にモニター用画像を再生表示する)ようにゲインアップを指示する。
【0028】
画像処理回路12は、たとえば、ホワイトバランスゲインを調整するための調整ゲインを、RGB各色に対してそれぞれ一律にアップさせて、設定されているホワイトバランスを維持したままで表示画像を明るくするようにゲインアップする。ステップS6において、メインCPU11は表示画像作成回路13に指示を送り、上記ゲインアップ後のモニター用画像(スルー画像)を液晶モニタ14に逐次再生表示させる。
【0029】
ステップS7において、メインCPU11は、レリーズボタンの全押し操作が行われたか否かを判定する。メインCPU11は、全押し操作信号が入力されると、ステップS7を肯定判定してステップS8へ進み、全押し操作信号が入力されない場合はステップS7を否定判定してステップS5へ戻る。ステップS5へ戻る場合は、古いフレーム画像を順に上書き消去しながら、バッファメモリ15への画像蓄積を繰り返す。
【0030】
ステップS8において、メインCPU11は画像処理回路12へ指示を送り、バッファメモリ15に蓄積されている画像群に対する階調補正処理を開始させる。取得画像は露出アンダーなので、そのままでは階調が不適切である。そこで、メインCPU11は、上述した露出アンダーを補う(画像を適正露出で取得する場合と同様の明るさを得る)とともに、画像の階調が適切な明るさ変化を表すようにハイライト部やシャドー部および中間調をそれぞれ調整する階調補正を指示する。
【0031】
画像処理回路12は、たとえば、蓄積されている画像ごとに、最も明るい画素信号値をダイナミックレンジの最大値に対応させ、最も暗い画素信号値をダイナミックレンジの最小値に対応させ、この間の中間調を構成する画素信号値をそれぞれ上記ダイナミックレンジ内で伸張処理することにより、画像の階調が適切な明るさ変化を表すように階調補正する。
【0032】
ステップS9において、メインCPU11は、全押し操作信号が入力された後もさらにバッファメモリ15への画像蓄積を継続する。全押し操作信号の入力後に画像を蓄積することをポストキャプチャーと呼ぶ。蓄積するコマ数は、図2を参照して説明したB枚である。ステップS10において、メインCPU11は画像処理回路12へ指示を送り、ステップS5と同様の表示用画像に対するゲインアップ処理を継続させる。ステップS11において、メインCPU11は表示画像作成回路13に指示を送り、上記ゲインアップ後のモニター用画像を液晶モニタ14に逐次再生表示させる。
【0033】
ステップS12において、メインCPU11は、バッファメモリ15に記憶されている全蓄積画像に対する階調補正処理を終了したか否かを判定する。メインCPU11は、画像処理回路12が全ての蓄積画像に対する階調補正処理を終了した場合にステップS12を肯定判定してステップS13へ進み、画像処理回路12が階調補正処理を終了していない場合には、ステップS12を否定判定して当該判定処理を繰り返す。判定処理を繰り返す場合は、画像処理回路12に階調補正処理を継続して行わせる。
【0034】
ステップS13において、メインCPU11はカードインターフェース17へ指示を送り、バッファメモリ15に記憶されている上記(A+B)枚の階調補正処理後の画像データを記録媒体30へ記録させてステップS3による処理を終了する。
【0035】
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)電子カメラ1は、被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像素子23と、撮像素子23から出力された画像信号に基づくモニター表示画像を逐次表示する液晶モニタ14と、撮像素子23から出力された画像信号に基づく記録画像を記録媒体30へ記録するカードインターフェース17と、撮像素子23を露出アンダーに設定するメインCPU11と、液晶モニタ14で表示されるモニター用画像とカードインターフェース17で記録される記録画像とで異なる露出アンダー補正処理を行うメインCPU11と、を備えるように構成したので、記録画像を露出アンダーで撮像する必要がある場合でも、たとえばモニター用画像が露出不足にならないようにすることができる。
【0036】
(2)上記(1)の電子カメラ1において、メインCPU11は、モニター用画像に対して露出アンダーを補うゲインアップ処理を行い、記録画像に対して露出アンダーを補う階調補正処理を行うようにしたので、モニター用画像を簡単に明るく表示でき、記録画像に対しては、たとえば画像の階調が適切な明るさ変化を表すように階調補正できる。
【0037】
(3)上記(2)の電子カメラ1において、メインCPU11は、ホワイトバランスゲインを制御してゲインアップ処理を行うように構成したので、新たなゲイン制御回路(処理)を追加することなく、既存のゲイン制御回路(処理)を用いてモニター用画像を明るく表示できる。さらに、ホワイトバランスゲイン調整は他の処理(ノイズリダクションなど)の前に行う場合が多いので、モニター表示用画像に対する他の処理は従来と同じものを適用できる。
【0038】
(4)上記(3)の電子カメラ1において、メインCPU11は、撮影指示前にモニター用画像に対するゲインアップ処理を開始するように構成したので、撮影指示前にモニター用画像を観察する場合に好適である。
【0039】
(5)上記(4)の電子カメラ1において、所定時間ごとに撮像された画像信号を蓄積するバッファメモリ15を備え、メインCPU11は、撮影指示前に撮像されバッファメモリ15に蓄積されている画像信号に対して撮影指示後に階調補正処理を開始するので、モニター用画像とは別個に、撮影指示後に階調補正処理を行い得る。
【0040】
(6)上記(5)の電子カメラ1において、メインCPU11は、モニター用画像の全てに対して同ゲインでゲインアップ処理を行うように構成したので、モニター用画像が1フレームずつ明るさ変化することがなく、フレーム前後のつながりがよいモニター用画像が得られる。
【0041】
(変形例1)
上述した説明では、撮像素子23で取得した測光用画像に基づいて適正露出を算出したり(ステップS1)、飽和抑制アンダー量を算出したり(ステップS3)する例を説明した。この代わりに、撮像素子23とは別に測光用センサーを設け、該測光用センサーを用いて適正露出や飽和抑制アンダー量を求めるように構成してもよい。
【0042】
(変形例2)
上記実施形態では、バッファメモリ15への画像蓄積を終了するまでの間、画像蓄積開始時(レリーズ待機処理の開始時)におけるシャッター秒時Tvおよび絞り値Avの値を維持する例を説明した。この代わりに、画像蓄積開始後に取得された画像の明るさを検出し、検出した明るさに応じて画像蓄積中のシャッター秒時Tvおよび絞り値Avの値を変化させてもよい。変形例2のメインCPU11は、飽和抑制露出アンダー量が画像蓄積開始時と比べて変化する場合には、表示画像作成回路13へ指示を送り、モニター用画像を液晶モニタ14に再生表示させるための表示信号に対するゲインアップ量を変化させることにより、表示画面の明るさを略一定に維持する。
【0043】
変形例2によれば、再生表示されるモニター用画像の明るさが適切に維持され、観察しやすくすることができる。
【0044】
(変形例3)
以上の説明では、プリキャプチャー撮影モードにおいて行う処理を例に説明したが、動画撮影モード時にも本発明を適用して構わない。すなわち、動画像を適正露出より露出アンダーで取得しながら、動画像を適正露出で取得する場合と同様の明るさでモニター用画像を液晶モニタ14に再生表示するようにゲインアップする。具体的には、ホワイトバランスゲインを調整するための調整ゲインをRGB各色に対して一律にアップさせることにより、露出アンダーを補うゲインアップ処理を行う。
【0045】
(変形例4)
また、連写撮影時において本発明を適用して構わない。すなわち、連写画像を適正露出より露出アンダーで取得しながら、連写画像を適正露出で取得する場合と同様の明るさでモニター用画像を液晶モニタ14に再生表示するようにゲインアップする。変形例4の場合にも、ホワイトバランスゲインを調整するための調整ゲインをRGB各色に対して一律にアップさせることにより、露出アンダーを補うゲインアップ処理を行う。
【0046】
(変形例5)
露出アンダーを補うゲインアップ処理を、ホワイトバランスゲインを調整するための調整ゲインをアップさせることによって行う例を説明したが、ゲインの変更は、たとえば階調変換時のゲインをアップさせることによって行うように構成してもよい。変形例5の場合の画像処理回路12は、モニター用画像を液晶モニタ14に再生表示する際に露出アンダーを補う(画像を適正露出で取得する場合と同様の明るさを得る)ためのゲインアップを階調変換時のゲインを制御して行い、バッファメモリ15に記憶されている蓄積画像に対して露出アンダーを補う(画像を適正露出で取得する場合と同様の明るさを得る)際には、画像の階調が適切な明るさ変化を表すようにハイライト部やシャドー部および中間調を、それぞれ階調変換ゲインを制御して階調補正する。
【0047】
(変形例6)
以上の説明では、レンズ一体型のデジタルカメラに本発明を適用するようにしたが、これに限らなくてもよい。たとえば、カメラボディに交換レンズが装着される構成のデジタルカメラにも本発明を適用することができる。
【0048】
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。また、上記実施形態に各変形例の構成を適宜組み合わせてもかまわない。
【符号の説明】
【0049】
1…電子カメラ
11…メインCPU
12…画像処理回路
13…表示画像作成回路
14…液晶モニタ
15…バッファメモリ
17…カードインターフェース
22…絞り
23…撮像素子
24…撮像回路
25…絞り駆動機構
30…記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像して画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像部から出力された画像信号に基づく再生画像を逐次表示する表示部と、
前記撮像部から出力された画像信号に基づく記録画像を記録媒体へ記録する記録部と、
前記撮像部を露出アンダーに設定する露出制御部と、
前記表示部で表示される再生画像と前記記録部で記録される記録画像とで異なる露出アンダー補正処理を行う補正処理部と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
前記補正処理部は、前記再生画像に対して前記露出アンダーを補うゲインアップ処理を行い、前記記録画像に対して前記露出アンダーを補う階調補正処理を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像装置において、
前記補正処理部は、ホワイトバランスゲインを制御して前記ゲインアップ処理を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像装置において、
前記補正処理部は、撮影指示前に前記再生画像に対する前記ゲインアップ処理を開始することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の撮像装置において、
前記所定時間ごとに撮像された画像信号を蓄積する画像蓄積部を備え、
前記補正処理部は、前記撮影指示前に撮像され前記蓄積部に蓄積されている画像信号に対して前記撮影指示後に前記階調補正処理を開始することを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
請求項5に記載の撮像装置において、
前記補正処理部は、前記再生画像の全てに対して同ゲインで前記ゲインアップ処理を行うことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−16905(P2013−16905A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146370(P2011−146370)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】