説明

撮影装置、撮影方法、及びプログラム

【課題】被写体の前に障害物がある状況をより正確に判別し、かつ被写体に合焦した画像を容易に撮影可能とする。
【解決手段】CCD5の撮影画角内には、複数のオートフォーカス(AF)エリアが設けられている。CPU11は、所定のステップで近端ポイントから遠端ポイント(無限遠)までフォーカスレンズを移動し、所定のステップ毎にAFサーチ(合焦点検索)を行い、フォーカスレンズの位置と、AF検波のピーク数(合焦したAFエリア数)とに基づいて、複数の合焦点の中から1つの合焦点(被写体の合焦位置)を選択することで、デジタルカメラ1と被写体との間に存在する障害物40を排除し、被写体30にピントを合わせて撮影する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置、撮影方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オートフォーカスでは、近距離からAFサーチを開始し、最初のAF検波のピークを検出した時点で、その地点に合焦させるため、ガラスや、金網など透過する障害物の向こうに被写体がある場合に、障害物にフォーカスが合ってしまい、所望のフォーカス結果を得られなかった。
【0003】
そこで、ガラスや、金網など透過する障害物の向こうに被写体があり、合焦点が2点あった場合、輝度に応じて一方の合焦点を選択する技術(例えば、特許文献1参照)、合焦点が2点あった場合、遠方の合焦点を選択する技術(例えば、特許文献2参照)、複数の合焦点でそれぞれ撮影して、1つをユーザに選択させる技術(例えば、特許文献3参照)、複数の合焦点のうち、ユーザに選択させた1つの合焦点で撮影を実行する技術(例えば、特許文献4参照)、発光・受光による測距にてガラス越しを検知する技術(例えば、特許文献5参照)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−326506号公報
【特許文献2】特開2007−264536号公報
【特許文献3】特開2003−333411号公報
【特許文献4】特開2007−286118号公報
【特許文献5】特開平07−072379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1による従来技術では、被写体の前に障害物があった場合に、被写体と障害物との双方に対する複数の合焦点の輝度に応じて一方の合焦点を選択するものであるが、輝度などの画像特徴は、被写体が人物であればその服や、天気、照明などで、障害物と区別することが難しいという問題があった。
【0006】
また、特許文献2による従来技術では、被写体の背後に車両などがある場合に、背後の車両などに合焦してしまい、被写体に合焦しない場合があるという問題があった。それ以外の特許文献3、及び特許文献4による従来技術では、被写体の前に障害物があった場合に、被写体と障害物との双方に対する複数の合焦点からユーザに選択させる必要があり、面倒であったという問題があった。
【0007】
また、それ以外の特許文献5による従来技術では、発光によるガラスなどからの反射光に基づいて、ガラスなどの障害物の有無を検出しているが、金網などの反射光がない場合には、障害物を検出することができないという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、被写体の前に障害物がある状況をより正確に判別することができ、かつ被写体に合焦した画像を容易に撮影することができる撮影装置、撮影方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明は、フォーカスレンズを有し、被写体像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段の合焦範囲で、近端から遠端に至るまで所定のステップで前記フォーカスレンズを順次移動させる移動制御手段と、前記所定のステップ毎に、前記フォーカスレンズの位置での前記撮影手段による撮影画角内に設定された複数のフォーカシングエリアの合焦を検出する合焦検出手段と、前記合焦検出手段によって検出された前記複数のフォーカシングエリアでの合焦結果に基づいて、被写体に対する合焦位置を特定する被写体位置特定手段とを備えることを特徴とする撮影装置である。
【0010】
また、好ましい態様として、例えば請求項2記載のように、請求項1に記載の撮影装置において、前記合焦検出手段は、前記所定のステップ毎に、前記フォーカスレンズの位置で合焦したフォーカシングエリアを特定し、前記被写体位置特定手段は、前記フォーカスレンズの位置と、前記合焦検出手段によって特定された合焦したフォーカシングエリアの数とに基づいて、被写体に対する合焦位置を特定することを特徴とする。
【0011】
また、好ましい態様として、例えば請求項3記載のように、請求項2に記載の撮影装置において、前記移動制御手段によって、所定のステップで近端から遠端に至るまで前記フォーカスレンズを順次移動させる過程において、前記被写体位置特定手段が被写体に対する合焦位置を特定すると、前記移動制御手段による前記フォーカスレンズの移動、前記合焦検出手段による複数のフォーカシングエリアの合焦検出を停止する制御手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
また、好ましい態様として、例えば請求項4記載のように、請求項2に記載の撮影装置において、前記被写体位置特定手段は、前記フォーカスレンズの位置と、前記合焦検出手段によって特定された合焦したフォーカシングエリアの数と、前記合焦したフォーカシングエリアの分布状態とに基づいて、被写体に対する合焦位置を特定することを特徴とする。
【0013】
また、好ましい態様として、例えば請求項5記載のように、請求項1に記載の撮影装置において、前記被写体位置特定手段は、前記合焦検出手段によって前記複数のフォーカシングエリアの全てで合焦が検出された場合、そのフォーカスレンズの位置以外で、前記合焦検出手段によって前記複数のフォーカシングエリアのいずれかで合焦が検出された前記フォーカスレンズの位置を、被写体に対する合焦位置とすることを特徴とする。
【0014】
また、好ましい態様として、例えば請求項6記載のように、請求項1乃至5のいずれかに記載の撮影装置において、前記被写体位置特定手段によって被写体に対する合焦位置が特定されると、該特定された被写体に対する合焦位置に前記フォーカスレンズを移動させて撮影準備状態とする撮影準備手段を更に備えることを特徴とする。
【0015】
また、上記目的達成のため、請求項12記載の発明は、フォーカスレンズを有し、被写体像を撮影する撮影手段を備える撮影装置による撮影方法であって、前記撮影手段の合焦範囲で、近端から遠端に至るまで所定のステップで前記フォーカスレンズを順次移動させるステップと、前記所定のステップ毎に、前記フォーカスレンズの位置での前記撮影手段による撮影画角内に設定された複数のフォーカシングエリアの合焦を検出するステップと、前記検出された前記複数のフォーカシングエリアでの合焦結果に基づいて、被写体に対する合焦位置を特定するステップとを含むことを特徴とする撮影方法である。
【0016】
また、上記目的達成のため、請求項13記載の発明は、フォーカスレンズを有し、被写体像を撮影する撮影手段を備える撮影装置のコンピュータに、前記撮影手段の合焦範囲で、近端から遠端に至るまで所定のステップで前記フォーカスレンズを順次移動させる移動制御機能、前記所定のステップ毎に、前記フォーカスレンズの位置での前記撮影手段による撮影画角内に設定された複数のフォーカシングエリアの合焦を検出する合焦検出機能、前記合焦検出機能によって検出された前記複数のフォーカシングエリアでの合焦結果に基づいて、被写体に対する合焦位置を特定する被写体位置特定機能を実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、被写体の前に障害物がある状況をより正確に判別することができ、かつ被写体に合焦した画像を容易に撮影することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態によるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本第1実施形態によるデジタルカメラの略動作を説明するための概念図である。
【図3】本第1実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本第1実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本第1実施形態のデジタルカメラ1によるAFサーチ(合焦点検索)の一例を示す概念図である。
【図6】本第1実施形態の変形例による動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本第2実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本第2実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本第3実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】本第3実施形態のデジタルカメラ1によるAFサーチ(合焦点検索)の一例を示す概念図である。
【図11】本第3実施形態のデジタルカメラ1によるAFサーチ(合焦点検索)の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0020】
A.第1実施形態
A−1.第1実施形態の構成
図1は、本発明の第1実施形態によるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。図において、デジタルカメラ1は、撮影レンズ2、レンズ駆動部3、絞り4、CCD5、TG(Timing
Generator)6、ユニット回路7、画像処理部8、CPU11、DRAM12、メモリ13、フラッシュメモリ14、画像表示部15、キー入力部16、カードI/F22、及びメモリ・カード23を備えている。
【0021】
撮影レンズ2は、フォーカスレンズ、ズームレンズを含み、レンズ駆動部3が接続されている。このレンズ駆動部3は、撮影レンズ2を構成するフォーカスレンズ、ズームレンズをそれぞれ光軸方向に駆動させるモータと、CPU11からの制御信号に従ってフォーカスモータ、ズームモータをそれぞれ駆動させるフォーカスモータドライバ、ズームモータドライバから構成されている。
【0022】
絞り4は、図示しない駆動回路を含み、駆動回路はCPU11から送られてくる制御信号にしたがって絞り4を動作させる。この絞り4は、撮影レンズ2から入ってくる光の量を制御する。また、本実施形態によるデジタルカメラは、図示しない電子シャッタ機構を備えており、電子シャッタ機構により、CCD5に光を当てる時間を制御する。
【0023】
CCD(撮像素子)5は、撮影レンズ2、絞り4、ならびに図示しない電子シャッタ機構を介して投影された被写体の光を電気信号に変換し、撮像信号としてユニット回路7に出力する。また、CCD5は、TG6によって生成された所定周波数のタイミング信号に従って駆動される。
【0024】
ユニット回路7は、CCD5から出力される撮像信号を相関二重サンプリングして保持するCDS(Correlated
Double Sampling)回路、そのサンプリング後の撮像信号の自動利得調整を行うAGC(Automatic
Gain Control)回路、その自動利得調整後のアナログの撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器から構成されている。CCD5の撮像信号は、ユニット回路7を経てデジタル信号(画像データ)として画像処理部8に送られる。なお、ユニット回路7にはTG6が接続されている。
【0025】
画像処理部8は、ユニット回路7から送られてきた画像データの画像処理(画素補間処理、γ補正、輝度色差信号の生成、ホワイトバランス処理、露出補正処理等)、画像データの圧縮・伸張(例えば、JPEG形式やM−JPEG形式又はMPEG形式の圧縮・伸張)の処理などを行う。なお、画像処理部8にはTG6が接続されている。
【0026】
CPU11は、デジタルカメラ1の各部を制御するワンチップマイコンである。特に、本第1実施形態では、図2(a)に示すように、撮影画角内に複数のオートフォーカス(AF)エリアA1〜A5を備えており、CPU11は、所定のステップで近端ポイントから遠端ポイント(無限遠)までAFサーチ(合焦点検索)を行い、フォーカスレンズの位置と、AF検波のピーク(合焦したAFエリア数)とに基づいて、複数の合焦点の中から1つの合焦点(被写体30の合焦位置)を選択することで、図2(b)、(c)に示すように、デジタルカメラ1と被写体30との間に存在する金網や柵などの障害物40を排除し、被写体30にピントを合わせて撮影するようになっている。
【0027】
DRAM12は、CCD5によって撮影された後、CPU11に送られてきた画像データを一時記憶するバッファメモリとして使用されるとともに、CPU11のワーキングメモリとして使用される。メモリ13は、CPU11によるデジタルカメラ1の各部の制御に必要なプログラム、及び各部の制御に必要なデータが記録されており、CPU11は、このプログラムにしたがって処理を行う。フラッシュメモリ14や、メモリ・カード23は、CCD5によって撮影された画像データなどを保存しておく記録媒体である。
【0028】
画像表示部15は、カラーLCDとその駆動回路を含み、撮影待機状態にあるときには、CCD5によって撮影された被写体をスルー画像として表示し、記録画像の再生時には、フラッシュメモリ14や、メモリ・カード23から読み出され、伸張された記録画像を表示させる。キー入力部16は、シャッタSW、ズームSW、モードキー、SETキー、十字キー等の複数の操作キーを含み、ユーザのキー操作に応じた操作信号をCPU11に出力する。カードI/F22には、デジタルカメラ1本体の図示しないカードスロットに着脱自在に装着されているメモリ・カード23が接続されている。
【0029】
A−2.第1実施形態の動作
次に、上述した第1実施形態の動作について説明する。
図3、及び図4は、本第1実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。まず、各種レンズの初期位置設定などのイニシャライズ処理を行い(ステップS10)、シャッタSWが半押しされたか否かを判断する(ステップS12)。該シャッタSWの半押しは、合焦指示と同等である。そして、シャッタSWが半押しされない場合には、その他の処理を行い(ステップS14)、図示しないメインルーチンへ進むか、ステップS12に戻る。
【0030】
一方、シャッタSWが半押しされた場合には、メモリをクリアし(ステップS16)、近端ポイントにフォーカスレンズを移動する(ステップS18)。次に、そのポイント(フォーカスレンズの光軸上の位置)でAFエリアA1〜A5のうち、1つでも合焦を示すピークを検出したか否かを判断する(ステップS20)。そして、AFエリアA1〜A5のうち、1つでも合焦を示すピークを検出した場合には、そのポイント(位置)と、ピークが検出されたAFエリア数とをメモリに記憶する(ステップS22)。一方、ピークが検出されない場合には、何も記憶することなく、ステップS24へ進む。
【0031】
次に、次のポイントに所定のステップでフォーカスレンズを移動し(ステップS24)、遠端ポイントであるか否かを判断する(ステップS26)。そして、遠端ポイントでない場合には、ステップS20に戻り、上述したように、そのポイントで合焦を示すピーク検出が1つでもあれば、そのポイント(位置)と、ピークが検出されたAFエリア数とをメモリに記憶する。
【0032】
上述した動作を、フォーカスレンズの位置が遠端ポイントに達するまで続ける。そして、遠端ポイントに達すると(ステップS26のYES)、メモリに記憶データがあるか否かを判断する(ステップS28)。すなわち、所定のステップでフォーカスレンズを近端ポイントから遠端ポイントまで移動させる過程で、合焦を示すピークが検出されたポイント(位置)と、ピークが検出されたAFエリア数と(以下、データという)がメモリに記憶されているか否かを判断する。
【0033】
そして、メモリにデータが記憶されていない場合、すなわち、所定のステップでフォーカスレンズを近端ポイントから遠端ポイントまで移動させる過程で合焦点が1つもなかった場合には、遠端ポイントに至る間に被写体が存在しなかったことを示すので、遠端ポイントを合焦点として採用する(ステップS30)。
【0034】
一方、メモリにデータが記憶されている場合には、メモリに2ポイント以上のデータが記憶されているか否かを判断する(ステップS32)。そして、メモリに2ポイント以上のデータがない場合、すなわち、所定のステップでフォーカスレンズを近端ポイントから遠端ポイントまで移動させる過程で合焦点が1つのみであった場合には、デジタルカメラ1と被写体との間には障害物が存在せず、そのポイントが被写体の位置であると想定されるので、記憶されているポイントを被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS34)。
【0035】
一方、メモリに2ポイント以上のデータが記憶されている場合、すなわち、デジタルカメラ1と被写体との間には障害物があるか、被写体の後方に何らかの物体があると想定される場合には、メモリに記憶されている2ポイント以上のデータのうち、最も近端側(デジタルカメラ1に最も近い側)のポイントのピークが検出されたAFエリアが5つであるか否かを判断する(ステップS36)。
【0036】
すなわち、2ポイント以上のデータのうち、最も近端側(デジタルカメラ1に最も近い側)のポイントで、5つのAFエリアでピークが検出された場合には、デジタルカメラ1と被写体との間、言い換えると、被写体の前面に、画角の大部分を覆うような障害物があることが想定される。これに対して、2ポイント以上のデータのうち、最も近端側(デジタルカメラ1に最も近い側)のポイントで、5つのAFエリアでピークが検出されない場合には、この最も近端側(デジタルカメラ1に最も近い側)のポイントが被写体の位置であると想定される。
【0037】
そして、2ポイント以上のデータのうち、最も近端側(デジタルカメラ1に最も近い側)のポイントで、5つのAFエリアでピークが検出された場合には、2番目に近端側のポイントを被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS38)。一方、2ポイント以上のデータのうち、最も近端側(デジタルカメラ1に最も近い側)のポイントで、5つのAFエリアでピークが検出されない場合には、この最も近端側のポイントを被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS40)。
【0038】
次に、上記ステップS30、S34、S38、あるいはステップS40のいずれかで、被写体の位置(合焦点)として採用したポイントへフォーカスレンズを移動させ(ステップS42)、合焦した旨を通知(表示)する(ステップS44)。次に、シャッタSWがリリースされたか否かを判断し(ステップS46)、この時点で、シャッタSWがリリースされた場合には、ステップS10に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0039】
一方、シャッタSWがリリースされていない場合には、シャッタSWが全押しされたか否かを判断し(ステップS48)、シャッタSWが全押しされていない場合には、ステップS46に戻る。一方、シャッタSWが全押しされた場合には、撮影レンズ2を通った被写体像をCCD5により撮影画像として取り込み、ユニット回路7、画像処理部8により所定の処理を施した後、フラッシュメモリ14に保存する(ステップS50)。その後、ステップS12に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0040】
図5は、本第1実施形態のデジタルカメラ1によるAFサーチ(合焦点検索)の一例を示す概念図である。図5の例は、デジタルカメラ1と被写体30との間に障害物(金網など)40が存在するような状況を示している。本第1実施形態では、所定のステップで近端ポイントから遠端ポイント(無限遠)までAFサーチ(合焦点検索)を行う過程で、障害物40の位置(地点A)で合焦するので、5つのAFエリアA1〜A5でピークが検出される。さらに、障害物40の後方に存在する被写体30の位置(地点B)で合焦するので、3つのAFエリアA1、A3、A5でピークが検出される。
【0041】
したがって、図5に示す例では、2ポイントのデータがメモリに記憶されており、該2ポイントのうち、最も近端側(デジタルカメラ1に最も近い側)のポイントで、5つのAFエリアA1〜A5でピークが検出されているので、2番目に近端側のポイント、すなわち地点Bのポイントが被写体の位置(合焦点)として採用されることになり、被写体30にピントが合った画像が撮影されることになる。
【0042】
上述した第1実施形態によれば、デジタルカメラ1と被写体30との間に、金網や、柵など画角を覆うような障害物40があったとしても、被写体30にピントが合った画像を撮影することができる。
【0043】
A−3.第1実施形態の変形例
次に、本発明の第1実施形態の変形例について説明する。
図6は、本第1実施形態の変形例による動作を説明するためのフローチャートである。なお、第1実施形態と同様に、図3に示すステップS10〜S26が実行された後、図6に示すフローチャートへ移行する。すなわち、図6に示すフローチャートに移行する段階では、所定のステップでフォーカスレンズを近端ポイントから遠端ポイントまで移動させる過程で、合焦を示すピークが検出されたポイント(位置)と、ピークが検出されたAFエリア数とがメモリに記憶されている。
【0044】
まず、図3に示すステップS26で、遠端ポイントに達すると、メモリに記憶データがあるか否かを判断する(ステップS60)。すなわち、所定のステップでフォーカスレンズを近端ポイントから遠端ポイントまで移動させる過程で、合焦を示すピークが検出されたポイント(位置)とピークが検出されたAFエリア数とがメモリに記憶されているか否かを判断する。
【0045】
そして、メモリにデータが記憶されていない場合、すなわち、所定のステップでフォーカスレンズを近端ポイントから遠端ポイントまで移動させる過程で合焦点が1つもなかった場合には、遠端ポイントに至る間に被写体が存在しなかったことを示すので、遠端ポイントを合焦点として採用する(ステップS62)。
【0046】
一方、メモリにデータが記憶されている場合には、メモリに記憶されているデータのうち、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントがあるか否かを判断する(ステップS64)。すなわち、記憶されているデータのうち、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントがある場合には、そのポイントに、画角の大部分を覆うような障害物があることが想定される。これに対して、記憶されているデータのうち、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントがない場合には、デジタルカメラ1と被写体との間には障害物が存在しないと想定される。
【0047】
そして、記憶されているデータのうち、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントがある場合には、そのポイントより近端側のポイントの記憶データがあるか否かを判断する(ステップS66)。
【0048】
すなわち、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントがある場合には、上述したように、そのポイントに、画角の大部分を覆うような障害物があることが想定されるので、被写体は、障害物よりデジタルカメラ1側の近端側、もしくは障害物より遠端側に存在する可能性がある。そこで、まず、障害物より近端側に被写体を示すポイントが検出されているかを判断している。
【0049】
そして、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントより近端側のポイントの記憶データがない場合には、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントより遠端側のポイントの記憶データがあるか否を判断する(ステップS68)。すなわち、障害物よりデジタルカメラ1側の近端側に被写体を示すポイントがなかったので、障害物より遠端側に被写体を示すポイントが検出されているかを判断している。
【0050】
そして、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントより遠端側のポイントの記憶データがある場合には、その遠端側のポイントに被写体が存在すると想定されるので、その遠端側のポイントを被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS70)。
【0051】
一方、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントより遠端側のポイントの記憶データがない場合には、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントの近端側にも、遠端側にも記憶データがないので、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントを被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS72)。
【0052】
一方、メモリに記憶されているデータのうち、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントがない場合(ステップS64のNO)、あるいは、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントより近端側のポイントの記憶データがある場合(ステップS66のYES)には、記憶データのうち、最も近端側のポイントを被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS74)。
【0053】
すなわち、記憶されているデータのうち、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントがない場合には、デジタルカメラ1と被写体との間には障害物が存在しないと想定されるので、最も近端側のポイントを被写体の位置(合焦点)として採用すればよい。また、記憶されているデータのうち、AFエリアA1〜A5全てでピーク検出されたポイントがあり、かつ、そのポイントより近端側のポイントの記憶データがある場合には、障害物より近端側に被写体が存在すると想定されるので、最も近端側のポイントを被写体の位置(合焦点)として採用すればよいことになる。
【0054】
その後、図4に示すステップS42へ進み、上記ステップS62、S70、S72、あるいはステップS74のいずれかで、被写体の位置(合焦点)として採用したポイントへフォーカスレンズを移動させ、ステップS44で、合焦した旨を通知(表示)する。そして、シャッタSWが全押しされた場合には、ステップS50で、撮影レンズ2を通った被写体像をCCD5により撮影画像として取り込み、ユニット回路7、画像処理部8により所定の処理を施した後、フラッシュメモリ14に保存する。
【0055】
また、上述した第1実施形態の変形例によれば、記憶したデータに基づいて、まず、障害物のポイント(位置)を検出した後、その前後に被写体のポイント(位置)を特定するようにしたので、デジタルカメラ1と被写体30との間に、金網や、柵など画角を覆うような障害物40があったとしても、被写体30にピントが合った画像を撮影することができる。
【0056】
B.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
上述した第1実施形態では、合焦したポイントが障害物でない場合も、遠端(無限遠)までAFサーチを行う必要があり、被写体の位置を特定するまでに時間がかかる。これに対いて、本第2実施形態は、被写体の位置であると想定される合焦ポイントが検出されると、その時点で撮影処理へ移行可能とすることで、撮影するまでの時間を短縮することを特徴している。なお、デジタルカメラ1の構成は、図1と同様であるので説明を省略する。
【0057】
図7、及び図8は、本第2実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。まず、各種レンズの初期位置設定などのイニシャライズ処理を行い(ステップS80)、シャッタSWが半押しされたか否かを判断する(ステップS82)。該シャッタSWの半押しは、合焦指示と同等である。そして、シャッタSWが半押しされない場合には、その他の処理を行い(ステップS84)、図示しないメインルーチンへ進むか、ステップS82に戻る。
【0058】
一方、シャッタSWが半押しされた場合には、メモリをクリアし(ステップS86)、近端ポイントにフォーカスレンズを移動する(ステップS88)。次に、そのポイント(フォーカスレンズの光軸上の位置)でAFエリアA1〜A5のうち、1つでも合焦を示すピークを検出したか否かを判断する(ステップS90)。
【0059】
そして、AFエリアA1〜A5のうち、1つも合焦を示すピークを検出しなかった場合には、次のポイントに所定のステップでフォーカスレンズを移動し(ステップS96)、遠端ポイントであるか否かを判断する(ステップS98)。そして、遠端ポイントでない場合には、ステップS90に戻り、そのポイントで合焦を示すピーク検出を行うという上述した処理を繰り返す。
【0060】
一方、AFエリアA1〜A5のうち、1つでも合焦を示すピークを検出した場合には、その合焦を示すピークを検出したAFエリア数が5つであるか否か、すなわち、AFエリアA1〜A5全てで検出したか否かを判断する(ステップS92)。つまり、ピークを検出したポイントが障害物の位置であるか否かを判断する。
【0061】
そして、AFエリアA1〜A5全てで合焦を示すピークを検出した場合には、そのポイントをメモリに記憶(上書き)する(ステップS94)。次に、次のポイントに所定のステップでフォーカスレンズを移動し(ステップS96)、遠端ポイントであるか否かを判断する(ステップS98)。そして、遠端ポイントでない場合には、ステップS90に戻り、そのポイントで合焦を示すピーク検出を行うという上述した処理(AFサーチ)を繰り返す。
【0062】
一方、AFエリアA1〜A5のうち、1つでも合焦を示すピークを検出したものの、AFエリアA1〜A5全てで合焦を示すピークを検出していない場合には、ピークを検出したポイントが被写体の位置であると判断し、そのポイントを被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS100)。この場合、上述したAFサーチを抜けて、ステップS106へ進む。
【0063】
つまり、ピークを検出しない場合や、AFエリアA1〜A5全てで合焦を示すピークを検出した場合には、フォーカスレンズの位置が遠端ポイントに達するまで、上述した動作を繰り返し、AFエリアA1〜A5全てで合焦を示すピークを検出した場合には、そのポイントをメモリに記憶(上書き)していく。
【0064】
そして、遠端ポイントに達すると(ステップS98のYES)、メモリに記憶データがあるか否かを判断する(ステップS102)。すなわち、所定のステップでフォーカスレンズを近端ポイントから遠端ポイントまで移動させる過程で、AFエリアA1〜A5全てで合焦を示すピークが検出されたポイントがあったのか否かを判断する。そして、記憶データがある場合には、その記憶されているポイントを被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS104)。一方、記憶データがない場合には、遠端ポイントに至る間に被写体が存在しなかったことを示すので、遠端ポイントを合焦点として採用する(ステップS106)。
【0065】
次に、上記ステップS100、S104、あるいはステップS106のいずれかで、被写体の位置(合焦点)として採用したポイントへフォーカスレンズを移動させ(ステップS108)、合焦した旨を通知(表示)する(ステップS110)。次に、シャッタSWがリリースされたか否かを判断し(ステップS112)、この時点で、シャッタSWがリリースされた場合には、ステップS80に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0066】
一方、シャッタSWがリリースされていない場合には、シャッタSWが全押しされたか否かを判断し(ステップS114)、シャッタSWが全押しされていない場合には、ステップS112に戻る。一方、シャッタSWが全押しされた場合には、撮影レンズ2を通った被写体像をCCD5により撮影画像として取り込み、ユニット回路7、画像処理部8により所定の処理を施した後、フラッシュメモリ14に保存する(ステップS116)。その後、ステップS82に戻り、上述した処理を繰り返す。
【0067】
上述した第2実施形態によれば、被写体の位置であると想定される合焦ポイントが検出されると、その時点で撮影処理へ移行可能とするようにしたので、撮影するまでの時間を短縮することができる。
【0068】
C.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第1実施形態、第2実施形態では、合焦したポイントが障害物40であるか否かを、AFピークを検出したAFエリアの数により判定していたため、この方法では、隙間の大きい柵などのように、被写体と障害物とで同じようなAFエリアでピークを検出するような場合には、該障害物40を排除することができない。
【0069】
そこで、本第3実施形態は、このような被写体30と障害物40とで同じようなAFエリアでピークを検出するような場合であっても、障害物40を排除し、被写体30に確実にピントを合わせることができることを特徴としている。なお、デジタルカメラ1の構成は、図1と同様であるので説明を省略する。
【0070】
図9は、本第3実施形態によるデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。なお、第1実施形態と同様に、図3に示すステップS10〜S26が実行された後、図9に示すフローチャートへ移行する。すなわち、図9に示すフローチャートに移行する段階では、所定のステップでフォーカスレンズを近端ポイントから遠端ポイントまで移動させる過程で、合焦を示すピークが検出されたポイント(位置)とピークが検出されたAFエリア数とがメモリに記憶されている。
【0071】
まず、図3に示すステップS26で、遠端ポイントに達すると、メモリに記憶データがあるか否かを判断する(ステップS120)。すなわち、所定のステップでフォーカスレンズを近端ポイントから遠端ポイントまで移動させる過程で、合焦を示すピークが検出されたポイント(位置)とピークが検出されたAFエリア数とがメモリに記憶されているか否かを判断する。
【0072】
そして、メモリにデータが記憶されていない場合、すなわち、所定のステップでフォーカスレンズを近端ポイントから遠端ポイントまで移動させる過程で合焦点が1つもなかった場合には、遠端ポイントに至る間に被写体が存在しなかったことを示すので、遠端ポイントを合焦点として採用する(ステップS122)。一方、メモリにデータが記憶されている場合には、メモリに記憶されているデータのうち、3つ以上のAFエリアでピーク検出されたポイントがあるか否かを判断する(ステップS124)。
【0073】
そして、3つ以上のAFエリアでピーク検出されたポイントがある場合には、そのうちで最も近端側のポイント(MKP)よりも近端側でピーク検出されたポイントがメモリに記憶されているか否かを判断する(ステップS126)。つまり、被写体30または障害物40であると想定されるポイントより近端側に別の物体(例えば、人)があるか否かを判定している。
【0074】
そして、3つ以上のAFエリアでピーク検出されたポイントのうち、最も近端側のポイント(MKP)よりも近端側でピーク検出されたポイントがない場合には、上記MKPよりも遠端側のポイントがメモリに記憶されているか否かを判断する(ステップS128)。つまり、被写体30または障害物40であると想定されるポイントより遠端側に別の物体(例えば、人)があるか否かを判定している。
【0075】
そして、被写体30または障害物40であると想定されるポイントより遠端側にポイントが記憶されている場合には、記憶データの中で、上記MKPに直近の遠端側のポイント(CEP)を特定し(ステップS130)、上記CEPでピークが検出されたAFエリアの分布状態が、上記MKPでピークが検出されたAFエリアの分布状態に対して、高い類似性を有するか否かを判断する(ステップS132)。
【0076】
そして、上記CEPでピークが検出されたAFエリアの分布状態が、上記MKPでピークが検出されたAFエリアの分布状態に対して、高い類似性を有しない場合には、3つ以上のAFエリアでピーク検出されたポイントのうち、最も近端側のポイント(MKP)を被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS134)。
【0077】
一方、上記CEPでピークが検出されたAFエリアの分布状態が、上記MKPでピークが検出されたAFエリアの分布状態に対して、高い類似性を有する場合には、上記MKPに直近の遠端側のポイント(CEP)を被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS136)。
【0078】
また、3つ以上のAFエリアでピーク検出されたポイントのうち、最も近端側のポイント(MKP)よりも近端側でピーク検出されたポイントがなく(ステップS126のNO)、最も近端側のポイント(MKP)より遠端側にもポイントがない場合には(ステップS128のNO)、記憶されている、最も近端側のポイント(MKP)を被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS138)。
【0079】
また、3つ以上のAFエリアでピーク検出されたポイントがなく(ステップS124のNO)、あるいは3つ以上のAFエリアでピーク検出されたポイントがあるものの、最も近端側のポイント(MKP)よりも近端側でピーク検出されたポイントがある場合には(ステップS126のYES)、記憶されているデータのうち、最も近端側のポイントを被写体の位置(合焦点)として採用する(ステップS140)。
【0080】
その後、図4に示すステップS42へ進み、上記ステップS122、S134、S136、S138、あるいはステップS140のいずれかで、被写体の位置(合焦点)として採用したポイントへフォーカスレンズを移動させ、ステップS44で、合焦した旨を通知(表示)する。そして、シャッタSWが全押しされた場合には、ステップS50で、撮影レンズ2を通った被写体像をCCD5により撮影画像として取り込み、ユニット回路7、画像処理部8により所定の処理を施した後、フラッシュメモリ14に保存する。
【0081】
図10、及び図11は、本第3実施形態のデジタルカメラ1によるAFサーチ(合焦点検索)の一例を示す概念図である。図10に示すように、被写体30に対して、近端側にある障害物40の一部が重なっているような場合、上述した処理によれば、図11に示すように、障害物40は、AFエリアA1、A3、A4、A5でピークが検出される。一方、被写体30は、AFエリアA1、A2、A3、A5でピークが検出される。
【0082】
したがって、図示の例の場合、障害物40と被写体30とでは、AFエリアA1、A3、A5が一致するものの、AFエリアA2、A4で不一致となり、類似性が低いと判断されるので、障害物40に対して、AFエリアの一部だけでピークが検出されていても、被写体30のポイントが合焦点として採用されることになる。
【0083】
上述した第3実施形態によれば、障害物40に対してAFエリアの一部でピークが検出されない場合であっても、デジタルカメラ1と被写体30との間に存在する障害物40を避けて、被写体30にピントが合った画像を撮影することができる。
【0084】
なお、上述した第1乃至第3実施形態では、撮像装置としてデジタルカメラについて説明したが、これに限らず、撮像機能を有する電子機器であれば、例えば、携帯電話などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 デジタルカメラ
2 撮影レンズ
3 レンズ駆動部
4 絞り
5 CCD
6 TG
7 ユニット回路
8 画像処理部
11 CPU
12 DRAM
13 メモリ
14 フラッシュメモリ
15 画像表示部
16 キー入力部
22 カードI/F
23 メモリ・カード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスレンズを有し、被写体像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段の合焦範囲で、近端から遠端に至るまで所定のステップで前記フォーカスレンズを順次移動させる移動制御手段と、
前記所定のステップ毎に、前記フォーカスレンズの位置での前記撮影手段による撮影画角内に設定された複数のフォーカシングエリアの合焦を検出する合焦検出手段と、
前記合焦検出手段によって検出された前記複数のフォーカシングエリアでの合焦結果に基づいて、被写体に対する合焦位置を特定する被写体位置特定手段と
を備えることを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記合焦検出手段は、前記所定のステップ毎に、前記フォーカスレンズの位置で合焦したフォーカシングエリアを特定し、
前記被写体位置特定手段は、
前記フォーカスレンズの位置と、前記合焦検出手段によって特定された合焦したフォーカシングエリアの数とに基づいて、被写体に対する合焦位置を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記移動制御手段によって、所定のステップで近端から遠端に至るまで前記フォーカスレンズを順次移動させる過程において、前記被写体位置特定手段が被写体に対する合焦位置を特定すると、前記移動制御手段による前記フォーカスレンズの移動、前記合焦検出手段による複数のフォーカシングエリアの合焦検出を停止する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記被写体位置特定手段は、
前記フォーカスレンズの位置と、前記合焦検出手段によって特定された合焦したフォーカシングエリアの数と、前記合焦したフォーカシングエリアの分布状態とに基づいて、被写体に対する合焦位置を特定する
ことを特徴とする請求項2に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記被写体位置特定手段は、
前記合焦検出手段によって前記複数のフォーカシングエリアの全てで合焦が検出された場合、そのフォーカスレンズの位置以外で、前記合焦検出手段によって前記複数のフォーカシングエリアのいずれかで合焦が検出された前記フォーカスレンズの位置を、被写体に対する合焦位置とする
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記被写体位置特定手段によって被写体に対する合焦位置が特定されると、該特定された被写体に対する合焦位置に前記フォーカスレンズを移動させて撮影準備状態とする撮影準備手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の撮影装置。
【請求項7】
フォーカスレンズを有し、被写体像を撮影する撮影手段を備える撮影装置による撮影方法であって、
前記撮影手段の合焦範囲で、近端から遠端に至るまで所定のステップで前記フォーカスレンズを順次移動させるステップと、
前記所定のステップ毎に、前記フォーカスレンズの位置での前記撮影手段による撮影画角内に設定された複数のフォーカシングエリアの合焦を検出するステップと、
前記検出された前記複数のフォーカシングエリアでの合焦結果に基づいて、被写体に対する合焦位置を特定するステップと
を含むことを特徴とする撮影方法。
【請求項8】
フォーカスレンズを有し、被写体像を撮影する撮影手段を備える撮影装置のコンピュータに、
前記撮影手段の合焦範囲で、近端から遠端に至るまで所定のステップで前記フォーカスレンズを順次移動させる移動制御機能、
前記所定のステップ毎に、前記フォーカスレンズの位置での前記撮影手段による撮影画角内に設定された複数のフォーカシングエリアの合焦を検出する合焦検出機能、
前記合焦検出機能によって検出された前記複数のフォーカシングエリアでの合焦結果に基づいて、被写体に対する合焦位被写体の前に障害物がある場合でも、被写体に合焦した画像を容易に撮影することができる置を特定する被写体位置特定機能
を実行させることを特徴とするプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−215200(P2011−215200A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80613(P2010−80613)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】