説明

撮影装置、撮影条件制御方法、プログラム

【課題】前回の撮影時と次回の撮影時とにおいて撮影環境が異なる場合であっても、次回の撮影時に、ユーザに煩雑な操作を強いることなく前回の撮影時にマニュアル設定された撮影条件を使用することによる撮影の失敗を未然に防止する。
【解決手段】撮影モードの電源がオンされたとき、前回の撮影時の撮影対象と次回の撮影時の撮影対象とが異なる可能性が高いと判断できる場合には(SB5:NO、SB7:NO)、マニュアル設定され保存されている撮影条件を無効とし、次回の撮影時に使用する撮影条件を初期状態に設定する(SB2)。また、前回の撮影時の撮影対象と次回の撮影時の撮影対象とが同一である可能性が高いと判断できる場合には(SB3:NO、SB7:YES)、マニュアル設定され保存されている撮影条件を有効とし、その撮影条件を次回の撮影時に使用する撮影条件とする(SB9)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影時に任意の撮影条件を設定可能な撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影装置の一種であるデジタルカメラにおいては、撮影時における撮影条件をユーザが好みや必要に応じてマニュアル設定することができるものが一般的である。ここで、マニュアル設定とは、ユーザが、撮影条件を構成する複数の条件項目の1又は複数の設定値を予め決められている初期値とは異なる値に変更する操作である。なお、設定可能な条件項目としては、例えばISO感度や、露出値(EV)のシフト量、ストロボの使用の有無である。
【0003】
また、いったんマニュアル設定された撮影条件は、電源がオフ操作されなければ保持され、さらに所謂ラストメモリ機能を有するデジタルカメラであれば、電源がいったんオフ操作された後、再びオン操作された場合であっても、保持される。
【0004】
そのため、撮影条件をマニュアル設定している場合においてユーザは、前回の撮影時と次回の撮影時とにおいて撮影環境(撮影対象や撮影シーン)が同一である場合には、撮影条件を設定し直すことなく次回の撮影を直ちに行うことができる。しかし、前回の撮影時と次回の撮影時とにおいて撮影環境が異なる場合、ユーザは、撮影条件を新たな撮影環境に応じて設定し直すか、又は撮影条件をマニュアル設定で変更される前の初期値に戻さなければ、次回の撮影に失敗することとなる。
【0005】
これを解決可能とする技術として、例えば下記特許文献1には、ラストメモリ機能を有するデジタルカメラにおいて、電源投入時に撮影条件を所定の初期値と前回の設定値とのいずれに設定するかを予め選択可能とする技術が記載されている。つまりラストメモリ機能をオン/オフ設定可能とする技術が記載されている。より具体的には、撮影条件として設定可能な複数の設定項目についてラストメモリ機能を個別にオン/オフ設定可能とする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−299814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の技術においては、前回の撮影時と次回の撮影時とにおいて被写体が異なる場合に、適正な撮影条件での撮影を行うためには、ユーザが事前にラストメモリ機能をオン/オフ設定する必要がある。したがって、電源をオフ操作する直前の前回の撮影時と、次に電源をオン操作した直後の次回の撮影時とにおいて被写体が同一か否かが予め分かっていればよいが、それが不確定である場合には対応することができないという問題があった。
【0008】
また、次に電源をオン操作した直後の次回の撮影時において被写体が同一か否かが予め分かっている場合であっても、ユーザは、例えば電源をオフする際、自己の予測に基づいてラストメモリ機能をいちいちオン/オフ設定しなければならず、次回の撮影に先立つ操作が煩雑にならざるを得ないという問題があった。
【0009】
さらに、ユーザが電源をオフ操作することなく撮影を行っている間については、被写体が前回の撮影時と異なる場合、依然として、ユーザは撮影条件を設定し直すか、又は初期値に戻す必要があるという問題があった。
【0010】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、前回の撮影時と次回の撮影時とにおいて撮影環境が異なる場合であっても、次回の撮影時に、ユーザに煩雑な操作を強いることなく前回の撮影時にマニュアル設定された撮影条件を使用することによる撮影の失敗を未然に防止することが可能となる撮影装置、及び撮影条件制御方法、それらの実現に使用されるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明においては、撮像手段と、前記撮像手段による撮影時に使用される撮影条件として、使用者により設定された撮影条件を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている撮影条件が使用された前回の撮影から、前回の撮影の直後における次回の撮影が使用者により指示されるまでの間における特定の取得タイミングで、前回の撮影時の撮影環境と次回の撮影時の撮影環境とにおける異同の判断基準となる撮影環境を示す情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された撮影環境を示す情報に基づき、前記記憶手段に記憶されている撮影条件を無効とするか有効とするかを決定する撮影条件制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前回の撮影時と次回の撮影時とにおいて撮影環境が異なる場合であっても、次回の撮影時に、煩雑な操作を強いることなく前回の撮影時にマニュアル設定された撮影条件を使用することによる撮影の失敗を未然に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図2】プログラム記憶部の記憶領域、及び格納データを示す概念図である。
【図3】撮影モードでの動作を示すフローチャートである。
【図4】電源オン直後の撮影モードでの動作を示すフローチャートである。
【図5】ベストショット撮影モードで選択可能な撮影シーンと、各撮影シーンが選択されているときに判断基準として使用する情報の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、撮影時における撮影条件をユーザが好みや必要に応じてマニュアル設定することができるとともに、背景技術において説明したラストメモリ機能を有するデジタルカメラに関するものである。
【0015】
図1は、本発明を適用した撮影装置の一種であるデジタルカメラ1の電気的構成の概略を示すブロック図である。図1に示したように、デジタルカメラ1は装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)2を有している。CPU2には、現在の日付と時刻とを得るためのカレンダー機能を有する内蔵時計2aが含まれる。
【0016】
CPU2には、光学レンズ装置3と、イメージセンサ4、画像メモリ5、液晶モニタ6、画像処理部7、画像記録部8、プログラム記憶部9、キー入力部10、GPS部11、方位検出部12が接続されている。
【0017】
光学レンズ装置3は、被写体の光学像を集光するズームレンズ及びフォーカスレンズを含む撮影レンズや、撮影レンズを駆動するアクチュエータ等から構成される。撮影レンズは沈胴式であり、多段階に伸縮する鏡筒の内部にズームレンズ等が保持されている。なお、図示しないが光学レンズ装置3には絞りが含まれる。
【0018】
イメージセンサ4は、光学レンズ装置3で集光された光学像をデジタル化して取り込むためのCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Meta1 0xide Semiconductor)等の固体撮像素子である。
【0019】
画像メモリ5は、SDRAM(Synchronous dynamic random-access memory)等により構成され、主としてイメージセンサ4が取り込んだ画像、つまりイメージセンサ4により撮像された画像のデータを一時記憶するためのメモリである。
【0020】
キー入力部10は、電源キーや、シャッターキー、基本となる動作モードである撮影モードと再生モードとの設定に使用される動作モード設定キー、ユーザによる各種の設定操作に使用されるカーソルキー、及び決定キー等の複数の操作キーから構成される。キー入力部10における各操作キーの操作状態はCPU2において随時監視される。
【0021】
なお、シャッターキーは、ユーザが撮影予告を行うための半押し位置と、撮影を指示するための全押し位置との2段階の操作が可能な所謂ハーフシャッター機能を有するものである。
【0022】
また、前記カーソルキー、及び決定キーは、デジタルカメラ1に撮影モードの下位モードとして用意されている撮影モードの選択にも使用される。デジタルカメラ1には、下位の撮影モードとして、マニュアル撮影モード、オート撮影モード、プログラムオート撮影モード、ベストショット撮影モードの4種類の撮影モードが用意されている。
【0023】
ここで、オート撮影モードは、シャッター速度や絞り等の露出に関する撮影条件を、被写体、及び周りの状況に応じた最適な設定内容に自動的に設定し撮影する、全ての撮影シーンに対応する一般的な撮影モードであり、基本となる撮影モードである。
【0024】
また、プログラムオート撮影モードは、シャッター速度や絞り等の露出に関する撮影条件を、スポーツ、ポートレート、風景等の特定の撮影シーンに応じた最適な設定内容に自動的に設定し撮影する撮影モードである。
【0025】
ベストショット撮影モード(簡易マニュアル撮影モード)は、オート撮影モードやプログラムオート撮影モードと同様に、シャッター速度や絞り等の露出に関する撮影条件の設定に加え、ISO感度や、露出値(EV)のシフト量、ホワイトバランス(光源の種類)、フォーカスの制御内容等の他の撮影条件を、ユーザに選択させた特定の撮影シーンに応じて決められている値に設定する撮影モードである。
【0026】
画像処理部7は、DSP(Digital Signal Processor)等により構成され、画像メモリ5に一時記憶された後、CPU2を介して供給される画像データを画素毎のRGBデータに変換する。さらに、画像処理部7は、RGBデータを輝度(Y)成分及び色差(UV)成分からなるYUVデータに変換する。変換後のYUVデータは、撮影モードでの撮影待機状態では液晶モニタ6へ供給され、液晶モニタ6の画面上にライブビュー画像(スルー画像)として表示される。
【0027】
また、画像処理部7は、撮影モードでシャッターキーが押された撮影時に、YUVデータに変換後の画像データをJPEG(Joint Photographic Expert Group)方式により圧縮する。圧縮後の画像データは、CPU2によってカメラのモデル名や、撮影日時、被写体距離を含む複数種の付属情報が付加され、Exif(Exchangeable Image File Format)等の規格に準拠した静止画ファイルとして画像記録部8に記憶される。
【0028】
画像記録部8は、例えばデジタルカメラ1に着脱自在な各種のメモリカードや、デジタルカメラ1に内蔵された内蔵フラッシュメモリによって構成される。
【0029】
また、画像処理部7は、デジタルカメラ1に再生モードが設定されているときには、CPU2により画像記録部8から読み出された圧縮状態にある画像データを伸張する。伸張後の画像データ(YUVデータ)は、CPU2を介して液晶モニタ6へ供給され、液晶モニタ6において再生画像として表示される。
【0030】
GPS部11は、公知のGPS(Global Positioning System)を利用した測位(現在位置の計測)を行う。すなわちGPS部11は、複数のGPS衛星から送られてくる電波を受信することにより、地球上の現在位置、つまり電波の受信位置を示す位置情報(緯度、経度)を演算し、位置データとしてCPU2へ供給する。
【0031】
方位検出部12は、主として地磁気を検出する2軸又は3軸の地磁気センサにより構成され、2又は3軸の地磁気成分に基づいて撮影方向を示す情報を取得し、方向データとしてCPU2へ供給する。方位検出部12が取得する撮影方向を示す情報は、具体的には真北を0°としたときの撮影方向の角度を示す情報である。
【0032】
プログラム記憶部9は、フラッシュメモリ等の記憶データが随時書き換え可能な不揮発性メモリから構成される。プログラム記憶部9には、図2に示したように、プログラム格納領域9aと、それ以外のデータ格納領域9bとが確保されている。
【0033】
プログラム格納領域9aには、CPU2に撮影時における各種制御、例えばAF(オートフォーカス)制御、AE(自動露出)制御、AWB(オートホワイトバランス)制御を行わせるための制御プログラム等が記憶されている。なお、プログラム格納領域9aには、上記の各制御に際して使用されるデータ、例えばAE制御で使用されるプログラム線図を構成するプログラムAEデータ等も記憶されている。
【0034】
データ格納領域9bには、主として設定データと、撮影条件データ、撮影環境データが記憶される。ここで、設定データは、デジタルカメラ1の基本的な動作内容を規定するデータであり、例えばデジタルカメラ1が有する種々の機能のオン/オフ状態を示すデータである。
【0035】
また、撮影条件データと撮影環境データとは、必要に応じて記憶されるデータである。撮影条件データは、前回の撮影時に使用された撮影条件であって、マニュアル撮影モードにおいてユーザによりマニュアル設定された撮影条件を示すデータ、あるいはベストショット撮影モードにおいてユーザにより選択された撮影シーンに対応する撮影条件表件を示すデータである。なお、マニュアル撮影モードにおいてマニュアル設定可能な撮影条件には、例えばISO感度や、露出値(EV)、赤や青等の色フィルターの使用の可否等の複数の条件項目が含まれる。
【0036】
撮影環境データは、撮影モードが設定されている状態で電源がオフ操作された時点の撮影環境を示す複数のデータである。本実施形態において撮影環境を示す複数のデータは、具体的には、内蔵時計2aにより取得された時刻データ、GPS部11により取得された位置データ、及び方位検出部12により取得された方向データである。
【0037】
次に、以上の構成からなるデジタルカメラ1の本発明に係る動作について説明する。図3は、デジタルカメラ1に、動作モードとして撮影モードが設定され、かつ具体的な撮影モードとして前述したマニュアル撮影モード又はベストショット撮影モードが設定されているときにCPU2が実行する処理の一部を示したフローチャートである。
【0038】
図3に示したように、撮影モードが設定されているときCPU2は、キー入力部10における各操作キーの操作状態を逐次検出することにより、ユーザからのマニュアルによる撮影条件の設定要求の有無(マニュアル撮影モードの場合)、ユーザからの撮影シーンの選択要求の有無(ベストショット撮影モードの場合)、さらに、電源のオフ操作の有無を確認する(ステップSA1、ステップSA3)。
【0039】
CPU2は、マニュアルによる撮影条件の設定要求又は撮影シーンの選択要求があった場合には(ステップSA1:YES)、撮影時に使用する撮影条件をユーザの要求に応じて変更する(ステップSA2)。より具体的に説明すると、マニュアル撮影モードの場合、ステップSA2の処理においてCPU2は、液晶モニタ6に所定の設定画面を表示させた状態で、ユーザのキー操作に応じて、撮影条件を構成する複数の条件項目の1又は複数の条件項目の設定値を変更する。撮影条件を構成する複数の条件項目は、ISO感度や、露出値(EV)等である。また、ベストショット撮影モードの場合は、同時又は択一的に表示される複数の撮影シーン画像の中から所望の撮影シーンがユーザのキー操作によりマニュアル選択されると、選択された撮影シーンに対応する撮影条件がマニュアル設定される。
【0040】
なお、ステップSA2の処理時における変更前の設定値は、予め決められている初期値、又はそれ以前にステップSA2において設定(変更)された設定値である。また、ステップSA2の処理においてCPU2は変更後の撮影条件を内部メモリに記憶することにより、それ以降の撮影時におけるAE制御等に使用する。
【0041】
一方、CPU2は、撮影モードでの動作中に、いずれかの時点で電源のオフ操作があったときには(ステップSA3:YES)、まず撮影レンズをカメラ本体に収納する(ステップSA4)。そして、CPU2は、現在の撮影条件がユーザによりマニュアル設定されたものでなれば(ステップSA5:NO)、直ちに電源をオフし(ステップSA8)、全ての処理を終了する。
【0042】
一方、電源のオフ操作があったときの撮影条件がユーザによりマニュアル設定されたものであった場合(ステップSA5:YES)、CPU2は以下の処理を実行する。まず、CPU2は、現在の撮影条件を示す撮影条件データをプログラム記憶部9のデータ格納領域9bに記憶する(ステップSA6)。
【0043】
次に、CPU2は、現在の撮影環境情報を保存する(ステップSA7)。すなわちCPU2は、内蔵時計2aから時刻データを取得し、GPS部11から位置データを取得し、方位検出部12から方向データを取得し、取得した時刻データと位置データと方向データとを撮影環境データとしてプログラム記憶部9のデータ格納領域9bに記憶する。しかる後、電源をオフし(ステップSA8)、全ての処理を終了する。
【0044】
一方、図4は、デジタルカメラ1に、モード切替キーにより撮影モードが設定されている状態で、ユーザによって電源キーがオン操作されたときCPU2が実行する処理の一部を示したフローチャートである。
【0045】
図4に示したように、CPU2は、電源オンに伴い処理を開始したとき、マニュアル設定された撮影条件を保存していない場合、つまりプログラム記憶部9のデータ格納領域9bに、前回の撮影で使用した撮影条件を示す撮影条件データが保存されていない場合には(ステップSB1:NO)、直ちに撮影条件を初期状態に設定する(ステップSB2)。つまり撮影条件を構成する全ての条件項目の設定値を予め決められている初期値に設定する。なお、ステップSB2の処理に際してCPU2は、設定した撮影条件を撮影時に使用する撮影条件として内部メモリに記憶する。また、撮影条件を初期値にするのではなく、例えば撮影モードとしてオート撮影モードやプログラムオート撮影モードを設定するようにすることで、撮影時において最適な撮影条件が自動的に設定されるようにしてもよい。
【0046】
そして、CPU2は、ライブビュー画像の表示を開始する(ステップSB10)。つまり撮影モードでの他の処理へ移行する。
【0047】
一方、マニュアル設定された撮影条件を保存している場合(ステップSB1:YES)、CPU2は、後述する処理を行う。
【0048】
まず、CPU2は、内蔵時計2aにより示される現在時刻と、プログラム記憶部9のデータ格納領域9bに撮影環境データとして記憶されている時刻データにより示される時刻とから、前回電源がオフされてから2分以上経過しているか否かを確認する(ステップSB3)。
【0049】
ここで、前回電源がオフされてから2分以上経過していない場合(ステップSB3:NO)、つまり前回電源がオフされてからの経過時間が僅かであり、前回の撮影時と撮影環境が同一である可能性が高いと判断できる場合、CPU2は保存されている撮影条件を有効として以下の処理を行う。
【0050】
すなわちCPU2は、直ちにプログラム記憶部9のデータ格納領域9bから、前回電源がオフされた時に記憶した撮影条件データを読み出し(ステップSB8)、撮影時に使用する撮影条件として、前回と同一の撮影条件を設定する(ステップSB9)。なお、ステップSB9の処理で設定された撮影条件もCPU2の内部メモリに記憶される。その後、CPU2は、ライブビュー画像の表示を開始する(ステップSB10)。つまり撮影モードでの他の処理へ移行する。
【0051】
一方、電源オン時において、前回電源がオフされてから2分以上経過していた場合(ステップSB3:YES)、つまり前回電源がオフされてからの経過時間が長く、前回の撮影時と撮影環境が異なる可能性が高いと判断できる場合、CPU2は以下の処理を行う。
【0052】
まず、CPU2は、GPS部11によって現在位置を取得する(ステップSB4)。しかる後、CPU2は、プログラム記憶部9のデータ格納領域9bに撮影環境データとして記憶されている位置データを参照することによって、現在位置が、前回電源オフ時の地点から100m以内の地点であるか否かを確認する(ステップSB5)。
【0053】
ここで、現在位置が前回電源オフ時から100m以内の地点であれば(ステップSB5:YES)、CPU2は、引き続き、方位検出部12によって現在の撮影方向を取得する(ステップSB6)。しかる後、CPU2は、プログラム記憶部9のデータ格納領域9bに撮影環境データとして記憶されている方向データを参照することによって、現在の撮影方向が、前回電源オフ時の撮影方向から±10度の角度範囲に含まれるか否かを確認する(ステップSB7)。
【0054】
そして、現在の撮影方向が、前回電源オフ時の撮影方向から±10度の角度範囲に含まれる場合(ステップSB7:YES)、CPU2は、撮影時に使用する撮影条件として、前回と同一の撮影条件を設定する(ステップSB9)。
【0055】
つまり、前回電源がオフされてからの経過時間が長くとも、前回電源がオフされてからの撮影場所と撮影方向の変化が基準以下であり、前回の撮影時と撮影環境が同一である可能性が高いと判断できる場合、CPU2は保存されている撮影条件を有効として、撮影時に使用する撮影条件として、マニュアル設定されていた前回と同一の撮影条件を設定する。以後、ライブビュー画像の表示を開始する(ステップSB10)。
【0056】
一方、上記の場合とは異なり、現在位置が前回電源オフ時から100m以内の地点でない場合(ステップSB5:NO)、及び現在の撮影方向が前回電源オフ時の撮影方向から±10度の角度範囲に含まれない場合(ステップSB7:NO)、CPU2は、撮影条件を初期状態に設定する(ステップSB2)。
【0057】
つまり、前回電源がオフされてからの撮影場所あるいは撮影方向の変化が基準を超える程に大きく、前回の撮影時と撮影環境が異なる可能性が高いと判断できる場合、CPU2は、前回の撮影時にマニュアル設定されていた撮影条件を無効とし、撮影時に使用する撮影条件として、基本となる撮影条件を設定する。そして、CPU2は、ライブビュー画像の表示を開始する(ステップSB10)。
【0058】
なお、ここでは、撮影モードが設定されている状態で電源がオン操作されたときのCPU2の処理について説明した。しかし、デジタルカメラ1においては、再生モードが設定されている状態で電源がオン操作された後、動作モードが撮影モードへ切り替えられたときにも、CPU2は、図4に示した処理を実行する。
【0059】
以上のように本実施形態のデジタルカメラ1においては、撮影モードで電源がオンされたとき、前回の撮影時と撮影環境が同一である可能性が高いと判断できる場合には、前回の撮影時にマニュアル設定された撮影条件を次回の撮影時に使用する。逆に、撮影モードで電源がオンされたとき、前回の撮影時と撮影環境が異なる可能性が高いと判断できる場合には、前回の撮影時にマニュアル設定されていた撮影条件を無効とし、次回の撮影時には、基本となる初期状態(マニュアル設定前)の撮影条件あるいはオート撮影モードやプログラムオート撮影モードを使用する。
【0060】
したがって、ユーザが撮影条件をマニュアル設定して前回の撮影を行った後、いったん電源をオフ操作し、再び電源をオン操作して次回の撮影を行う際に撮影環境が変わっていた場合であっても、ユーザにおいては、撮影条件を自ら設定し直したり、初期状態に戻したり、オート撮影モードやプログラムオート撮影モードを設定するといった煩雑な操作を行わなくとも、マニュアル設定されていた撮影条件を使用することによる撮影の失敗を未然に防止することができる。
【0061】
なお、係る効果は、いったん電源をオフ操作し、再び電源をオン操作したときの動作モードが再生モードであって、ユーザが再び電源をオン操作した後、動作モードを撮影モードへ切り替えて次回の撮影を行う場合においても同様である。
【0062】
ここで、本実施形態においては、撮影モードで電源がオンされたとき、撮影モードで前回電源がオフされた時点からの経過時間が予め決められている時間(2分)以上でない場合については、無条件に、前回の撮影時にマニュアル設定された撮影条件を次回の撮影時に使用するようにした。
【0063】
しかし、本発明の実施に際しては、撮影モードで電源がオンされたときには、撮影モードで前回電源がオフされた時点からの経過時間を確認することなく、常に、撮影モードで電源がオンされたときの位置データ及び又は方向データと、撮影モードで前回電源がオフされた時点の位置データ及び又は方向データとの比較結果のみに基づいて、前回の撮影時にマニュアル設定されていた撮影条件を有効とし、それをそのまま使用するか、又はそれを無効とし、撮影条件を基本となる初期状態に設定して(戻して)使用するかを判断する構成としてもよい。
【0064】
つまり図4に示したステップSB3の処理を廃止し、プログラム記憶部9のデータ格納領域9bにマニュアル設定された撮影条件を保存している場合には(ステップSB1:YES)、直ちにステップSB4以降の処理を実行させる構成としてもよい。ただし、前回の撮影時にマニュアル設定されていた撮影条件を有効とするか、又は無効とするかの判断に使用する情報を本発明のように複数とすれば、その数をより多くすることにより、その判断をより正確に行うことができる。
【0065】
また、本実施形態においては、撮影モードで電源がオンされたときの撮影環境を、撮影モードで前回電源がオフされた時点の撮影環境と比較することにより、前回の撮影時にマニュアル設定されていた撮影条件を有効とするか、又は無効とするかを判断する構成とした。
【0066】
しかし、撮影モードで電源がオンされたときの撮影環境の比較対象は、撮影モードで前回電源がオフされた時点の撮影環境でなくともよく、例えば前回電源がオフされる直前の撮影時における撮影環境であっても構わない。その場合には、マニュアル設定された撮影条件を用いた撮影を行う毎に新たな撮影環境データを取得するとともに、最新の撮影環境データのみをプログラム記憶部9のデータ格納領域9bに記憶するようにすればよい。
【0067】
また、本実施形態においては、撮影モードで電源がオンされたときの撮影環境を、撮影モードで前回電源がオフされた時点の撮影環境と比較したが、撮影モードで電源がオンされたときの撮影環境は、電源がオンされた後に最初の撮影が行われる時点の撮影環境としてもよい。
【0068】
ここで、電源がオンされた後に最初の撮影が行われる時点の撮影環境とは、例えばシャッターキーが半押しされた時点の撮影環境である。その場合には、シャッターキーが半押しされた時点で、CPU2に、図4に示したステップSB3〜SB9の処理、又はステップSB4〜SB9の処理を行わせればよい。
【0069】
さらに、電源がオンされた後に最初の撮影が行われる時点の撮影環境の比較対象についても、先に述べたように、撮影モードで前回電源がオフされた時点の撮影環境ではなく、前回電源がオフされる直前の撮影時における撮影環境としても構わない。
【0070】
また、本実施形態においては、撮影モードで前回電源がオフされた時点の撮影環境、及び撮影モードで電源がオンされたときの撮影環境を示す情報として、内蔵時計2aにより取得された時刻情報、GPS部11により取得された位置情報(緯度、経度)、及び方位検出部12により取得された撮影方向情報を用いる場合について説明した。
【0071】
しかし、撮影環境を示す情報には、時刻情報、位置情報または撮影方向情報のいずれか1つのみを用いてもよいし、ユーザにより任意に選択された1つ又は複数の撮影環境を示す情報を用いるようにしてもよい。また、撮影環境を示す情報には、時刻情報、位置情報、撮影方向情報以外にも、上下方向の撮像角度(仰角又は俯角)等の他の情報を使用しても構わない。なお、撮影環境を示す情報として上下方向の撮像角度を使用する場合には、デジタルカメラ1に傾斜センサ等を別途設ければよい。
【0072】
また、本実施形態においては、撮影モードで電源がオンされた時点や、電源がオンされた後に動作モードが撮影モードへ切り替えられた時点で、マニュアル設定されている撮影条件を必要に応じて解除する構成とした。しかし、マニュアル設定されている撮影条件を必要に応じて解除する時期は、マニュアル設定された撮影条件を用いた撮影が行われた直後における次回の撮影に先立つ特定のタイミングであればよい。
【0073】
したがって、マニュアル設定されている撮影条件を必要に応じて解除する時期は、例えば電源がオフされることなく複数回の撮影が行われる間であっても構わない。その場合には、前述した比較対象となる一方の撮影環境を前回の撮影時の撮影環境とし、かつ他方の撮影環境を次回の撮影時の撮影環境とすればよい。なお、次回の撮影時の撮影環境とは、先に述べたように例えばシャッターキーが半押しされた時点の撮影環境である。
【0074】
さらに、マニュアル設定されている撮影条件を必要に応じて解除する時期は、例えばマニュアル設定された撮影条件を使用した前回の撮影が行われた後、その直後の次回の撮影が行われるまでの間の任意の時点としてもよい。マニュアル設定されている撮影条件を必要に応じて解除する時期を、上記の任意の時点とする場合には、以下の構成を採用することができる。
【0075】
すなわち本発明の実施に際しては、例えば前述した比較対象となる一方の撮影環境を前回の撮影時の撮影環境とし、かつ他方の撮影環境を、次回の撮影が行われるまでの間に一定時間毎に確認した撮影環境とし、任意の時点で前回の撮影時と撮影環境が異なる可能性が高いと判断できた時点で、マニュアル設定されている撮影条件を必要に応じて解除する構成を採用することができる。更に、上記の任意の時点を次回の撮影が行われるまでの間に限定しないようにしてもよい。このようにすれば、次回の撮影時には撮影環境が変化していない場合には前回の撮影時にマニュアル設定された撮影条件を用いて撮影することができ、その直後に撮影環境が変化した場合にはマニュアル設定されている撮影条件が解除されて次々回の撮影時にはマニュアル設定されていた撮影条件を使用することによる撮影の失敗を未然に防止することが可能になる。
【0076】
また、以上の説明においては、撮影環境を示す情報として、時刻情報、位置情報、撮影方向情報等を用いる場合について説明した。しかし、本発明の実施に際しては、撮影環境を示す情報として、例えば被写体の内容を示す情報を使用することもできる。ここで、被写体の内容とは、撮影環境において実際に撮影画像として記録される部分に関する情報である。
【0077】
被写体の内容を示す情報としては、例えば撮影時における被写体距離を使用することができる。つまり比較対象となる一方の被写体距離を前回の撮影時の被写体距離とし、かつ他方の被写体距離を次回の撮影時の被写体距離とする。その場合、双方間における被写体距離の差が予め決められている基準以上大きくなった場合に、マニュアル設定されている撮影条件を無効とすればよい。
【0078】
なお、上記の被写体距離は、例えばAF制御でピント合わせが行われた時点において、レンズ位置の調整位置等から割り出される被写体距離である。また、双方間における被写体距離の差が予め決められている基準以上となった場合とは、例えば前回の撮影時の被写体距離がマクロ撮影で確保される距離範囲内で、かつ次回の撮影時の被写体距離が無限遠を含む遠方側の撮影範囲内であった場合である。
【0079】
さらに、被写体の内容を示す情報としては、例えば撮影時における被写体の明るさを使用することができる。つまり比較対象となる一方の被写体の明るさを前回の撮影時の被写体の明るさとし、かつ他方の被写体の明るさを次回の撮影時の被写体の明るさ、又は撮影待機状態でライブビュー画像として表示している被写体の明るさとする。その場合、双方間における被写体の明るさの差が予め決められている基準以上大きくなった場合に、マニュアル設定されている撮影条件を無効とすればよい。
【0080】
さらに、被写体の内容を示す情報としては、例えば撮影時に画角内に収まっている被写体の色数や、画角内で特定の色が占める割合といった色情報を使用することができる。具体的には、比較対象となる一方の被写体の色情報を前回の撮影で記録された撮影画像から取得した色情報とし、かつ他方の被写体の色情報を次回の撮影時における被写体の色情報、又は撮影待機状態でライブビュー画像として表示している被写体の色情報とする。その場合、双方間における被写体の色情報の差が予め決められている基準以上大きくなった場合に、マニュアル設定されている撮影条件を無効とすればよい。
【0081】
また、以上の説明においては、撮影モードで電源がオンされた時点等の撮影に先立つ特定のタイミングで必要に応じて無効とする撮影条件が、ユーザがマニュアル設定した撮影条件、すなわちユーザが好みや必要に応じて1又は複数の条件項目の設定値を初期値とは異なる値に変更することにより設定したものである場合について詳細に説明した。
【0082】
しかし、以上の説明において簡単に説明したように、撮影に先立つ特定のタイミングで必要に応じて無効とする撮影条件は、ユーザが自己の意思に基づき意図的に設定したものであればよく、ユーザが撮影モードとしてベストショット撮影モードを設定することにより間接的に設定した撮影条件、つまりユーザが選択した特定の撮影シーンに対応する撮影条件でもよい。その場合には、設定されている撮影条件を無効とする際には、撮影モードを自動的にオート撮影モードやプログラムオート撮影モードへ切り替えればよい。
【0083】
上記のように撮影に先立つ特定のタイミングで必要に応じて無効とする撮影条件が、ベストショット撮影モードの使用に際して設定されるものである場合、ユーザにおいては、任意の撮影シーンを選択して撮影を行った後、次回の撮影時に撮影環境が異なっていたときでも、撮影モードをオート撮影モードやプログラムオート撮影モードへ切り替えるといった様な煩雑な操作を行うことなく、マニュアル設定されていた撮影条件を使用することによる撮影の失敗を未然に防止することができる。
【0084】
また、撮影に先立つ特定のタイミングで必要に応じて無効とする撮影条件が、ベストショット撮影モードの使用に際して設定されるものである場合には、撮影環境を示す情報として使用する情報を以下のようにしてもよい。すなわちその撮影環境を示す情報として使用する情報をベストショット撮影モードで選択可能な撮影シーンに応じて予め決めておき、判断基準として使用する撮影環境を示す情報を撮影シーンに応じて変更するようにしても構わない。
【0085】
図5は、ベストショット撮影モードで選択可能な撮影シーンと、各撮影シーンが選択されているとき撮影環境を示す情報として使用する情報の一例を示した図である。
【0086】
図に示した撮影シーンのうち「花のアップ」は、花をアップで撮影する際に選択されるものであり、このシーンが選択される際に設定される撮影条件は、フォーカス、測光方式、彩度である。なお、各条件項目の設定内容は、フォーカスが「マクロ」、測光方式が「マルチ」、彩度が「高」である。「花のアップ」が選択されている場合の撮影環境を示す情報には、撮影角度(上下方向の撮像角度)を使用することができる。すなわち花をアップで撮影する際には撮影角度が伏角となる場合が多いためである。この場合には、撮影に先立つ特定のタイミングでの撮影角度が伏角でない場合に、設定されている撮影条件を無効とすればよい。
【0087】
また、図に示した撮影シーンのうち「夕日」は、夕日を撮影する際に選択されるものであり、このシーンが選択される際に設定される撮影条件は、フォーカス、フィルター、測光方式、ホワイトバランス、彩度である。「夕日」が選択されている場合の撮影環境を示す情報には、時刻、及び撮影方向(真北を0°としたときの撮影方向の角度)を使用することができる。すなわち夕日を撮影する際には、時刻が夕方の時間帯であり、かつ撮影方向が西向きであるためである。この場合には、撮影に先立つ特定のタイミングでの時刻が夕方の時間帯でなく、かつ撮影方向が西向きでない場合に、設定されている撮影条件を無効とすればよい。
【0088】
また、図に示した撮影シーンのうち「夜景」は、夜景を撮影する際に選択されるものであり、このシーンが選択される際に設定される撮影条件は、フォーカス、感度、測光方式、ホワイトバランスである。「夜景」が選択されている場合の撮影環境を示す情報には、時刻、及び現在位置を使用することができる。すなわち夜景を撮影する際には、時刻が夜間の時間帯であるためである。この場合には、撮影に先立つ特定のタイミングでの時刻が、現在の撮影場所での夜間の時間帯でない場合に、設定されている撮影条件を無効とすればよい。
【0089】
以上、本発明の実施形態、及びその変形例について説明したが、これらの実施形態は本発明の作用効果が得られる範囲内であれば適宜変更が可能であり、変更後の実施形態も特許請求の範囲に記載された発明、及びその発明と均等の発明の範囲に含まれる。以下に、本出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[請求項1]
撮像手段と、前記撮像手段による撮影時に使用される撮影条件として、使用者により設定された撮影条件を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている撮影条件が使用された前回の撮影から、前回の撮影の直後における次回の撮影が使用者により指示されるまでの間における特定の取得タイミングで、前回の撮影時の撮影環境と次回の撮影時の撮影環境とにおける異同の判断基準となる撮影環境を示す情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された撮影環境を示す情報に基づき、前記記憶手段に記憶されている撮影条件を無効とするか有効とするかを決定する撮影条件制御手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
[請求項2]
前記取得手段は、使用者による、電源オン操作、撮影モード設定操作、又はシャッター半押し操作のタイミングを前記特定の取得タイミングとして、前記撮影環境を示す情報を取得することを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
[請求項3]
前記取得手段は、次回の撮影が行われる以前における一定時間毎のタイミングを前記特定の取得タイミングとして、前記撮影環境を示す情報を繰り返し取得することを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
[請求項4]
前記記憶手段は、電源がオフされた後にも前記撮影条件を保持することを特徴とする請求項1又は2,3記載の撮影装置。
[請求項5]
前記記憶手段に記憶されている撮影条件が使用された前回の撮影から、前回の撮影の直後に電源がオフされるまでの間における特定の取得タイミングで前記撮影環境を示す情報を取得する第2の取得手段をさらに備え、前記撮影条件制御手段は、前記取得手段により取得された撮影環境を示す情報と前記第2の取得手段により取得された撮影環境を示す情報との比較結果に基づき、前記記憶手段に記憶されている撮影条件を無効とするか有効とするかを決定する ことを特徴とする請求項1乃至4記載の撮影装置。
[請求項6]
前記第2の取得手段は、使用者による、電源オフ操作、撮影モード解除操作、又は前回の撮影時のタイミングを前記特定の取得タイミングとして、前記撮影環境を示す情報を取得することを特徴とする請求項5記載の撮影装置。
[請求項7]
使用者により設定され前記記憶手段に記憶される撮影条件は、特定の撮影シーンでの使用が前提とされている撮影条件であり、前記取得手段が特定の取得タイミングで取得する撮影環境を示す情報を、前記記憶手段に記憶されている撮影条件の使用を前提とする撮影シーンに対応して予め決められている情報に制御する取得情報制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の撮影装置。
[請求項8]
前記取得手段は、前記撮影環境を示す情報として、予め決められている複数の情報、又は使用者により任意に選択された1つあるいは複数の情報を取得することを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の撮影装置。
[請求項9]
前記取得手段により取得される撮影環境を示す情報には、時刻情報、現在位置情報、被写体距離、及び又は前記撮像手段により取得された画像の内容に関する情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載の撮影装置。
[請求項10]
撮影時に使用される撮影条件として、使用者により設定された撮影条件を記憶する工程と、記憶した撮影条件が使用された前回の撮影から、前回の撮影の直後における次回の撮影が使用者により指示されるまでの間における特定の取得タイミングで、前回の撮影時の撮影環境と次回の撮影時の撮影環境とにおける異同の判断基準となる撮影環境を示す情報を取得する工程と、前記撮影環境を示す情報に基づき前回の撮影時の撮影対象と次回の撮影時の撮影対象とが異なる可能性が高いと判断できる場合には、前記記憶した撮影条件を無効とし、かつ前記取得手段により取得された特定情報に基づき前回の撮影時の撮影対象と次回の撮影時の撮影対象とが同一である可能性が高いと判断できる場合には、前記記憶した撮影条件を有効とする工程とを含むことを特徴とする撮影条件制御方法。
[請求項11]
コンピュータに、撮像手段により取得された画像を撮影画像として記録する撮影時に使用される撮影条件として、使用者により設定された撮影条件を記憶手段に記憶する処理と、前記記憶手段に記憶されている撮影条件が使用された前回の撮影から、前回の撮影の直後における次回の撮影が使用者により指示されるまでの間における特定の取得タイミングで、前回の撮影時の撮影環境と次回の撮影時の撮影環境とにおける異同の判断基準となる撮影環境を示す情報を取得する処理と、取得した撮影環境を示す情報に基づき、前回の撮影時の撮影対象と次回の撮影時の撮影対象とが異なる可能性が高いと判断できる場合には、前記記憶手段に記憶されている撮影条件を無効とし、かつ前記取得手段により取得された特定情報に基づき、前回の撮影時の撮影対象と次回の撮影時の撮影対象とが同一である可能性が高いと判断できる場合には、前記記憶手段に記憶されている撮影条件を有効とする処理とを実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0090】
1 デジタルカメラ
2 CPU
2a 内蔵時計
3 光学レンズ装置
4 イメージセンサ
5 画像メモリ
6 液晶モニタ
7 画像処理部
8 画像記録部
9 プログラム記憶部
9a プログラム格納領域
9b データ格納領域
10 キー入力部
11 GPS部
12 方位検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段による撮影時に使用される撮影条件として、使用者により設定された撮影条件を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている撮影条件が使用された前回の撮影から、前回の撮影の直後における次回の撮影が使用者により指示されるまでの間における特定の取得タイミングで、前回の撮影時の撮影環境と次回の撮影時の撮影環境とにおける異同の判断基準となる撮影環境を示す情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された撮影環境を示す情報に基づき、前記記憶手段に記憶されている撮影条件を無効とするか有効とするかを決定する撮影条件制御手段と
を備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記取得手段は、使用者による、電源オン操作、撮影モード設定操作、又はシャッター半押し操作のタイミングを前記特定の取得タイミングとして、前記撮影環境を示す情報を取得することを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記取得手段は、次回の撮影が行われる以前における一定時間毎のタイミングを前記特定の取得タイミングとして、前記撮影環境を示す情報を繰り返し取得することを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、電源がオフされた後にも前記撮影条件を保持することを特徴とする請求項1又は2,3記載の撮影装置。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶されている撮影条件が使用された前回の撮影から、前回の撮影の直後に電源がオフされるまでの間における特定の取得タイミングで前記撮影環境を示す情報を取得する第2の取得手段をさらに備え、
前記撮影条件制御手段は、前記取得手段により取得された撮影環境を示す情報と前記第2の取得手段により取得された撮影環境を示す情報との比較結果に基づき、前記記憶手段に記憶されている撮影条件を無効とするか有効とするかを決定する ことを特徴とする請求項1乃至4記載の撮影装置。
【請求項6】
前記第2の取得手段は、使用者による、電源オフ操作、撮影モード解除操作、又は前回の撮影時のタイミングを前記特定の取得タイミングとして、前記撮影環境を示す情報を取得することを特徴とする請求項5記載の撮影装置。
【請求項7】
使用者により設定され前記記憶手段に記憶される撮影条件は、特定の撮影シーンでの使用が前提とされている撮影条件であり、
前記取得手段が特定の取得タイミングで取得する撮影環境を示す情報を、前記記憶手段に記憶されている撮影条件の使用を前提とする撮影シーンに対応して予め決められている情報に制御する取得情報制御手段を更に備えた
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の撮影装置。
【請求項8】
前記取得手段は、前記撮影環境を示す情報として、予め決められている複数の情報、又は使用者により任意に選択された1つあるいは複数の情報を取得することを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の撮影装置。
【請求項9】
前記取得手段により取得される撮影環境を示す情報には、時刻情報、現在位置情報、被写体距離、及び又は前記撮像手段により取得された画像の内容に関する情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載の撮影装置。
【請求項10】
撮影時に使用される撮影条件として、使用者により設定された撮影条件を記憶する工程と、
記憶した撮影条件が使用された前回の撮影から、前回の撮影の直後における次回の撮影が使用者により指示されるまでの間における特定の取得タイミングで、前回の撮影時の撮影環境と次回の撮影時の撮影環境とにおける異同の判断基準となる撮影環境を示す情報を取得する工程と、
前記撮影環境を示す情報に基づき前回の撮影時の撮影対象と次回の撮影時の撮影対象とが異なる可能性が高いと判断できる場合には、前記記憶した撮影条件を無効とし、かつ前記取得手段により取得された特定情報に基づき前回の撮影時の撮影対象と次回の撮影時の撮影対象とが同一である可能性が高いと判断できる場合には、前記記憶した撮影条件を有効とする工程と
を含むことを特徴とする撮影条件制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
撮像手段により取得された画像を撮影画像として記録する撮影時に使用される撮影条件として、使用者により設定された撮影条件を記憶手段に記憶する処理と、
前記記憶手段に記憶されている撮影条件が使用された前回の撮影から、前回の撮影の直後における次回の撮影が使用者により指示されるまでの間における特定の取得タイミングで、前回の撮影時の撮影環境と次回の撮影時の撮影環境とにおける異同の判断基準となる撮影環境を示す情報を取得する処理と、
取得した撮影環境を示す情報に基づき、前回の撮影時の撮影対象と次回の撮影時の撮影対象とが異なる可能性が高いと判断できる場合には、前記記憶手段に記憶されている撮影条件を無効とし、かつ前記取得手段により取得された特定情報に基づき、前回の撮影時の撮影対象と次回の撮影時の撮影対象とが同一である可能性が高いと判断できる場合には、前記記憶手段に記憶されている撮影条件を有効とする処理と
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−16928(P2013−16928A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146760(P2011−146760)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】