説明

撮影装置、撮影装置の画像保存制御方法およびプログラム

【課題】 撮影装置からパソコン等の外部装置へ画像を転送するに際し、画像の転送に失敗した場合でも、外部装置に転送すべく撮影された画像と、メディア等の保存手段に保存すべく撮影された画像との管理を容易に行うことができるようにする。
【解決手段】 撮影により取得した画像をパソコン等の外部装置へ転送するよう設定されている場合において、画像の外部装置への転送を失敗した場合に、転送に失敗した画像を通常の撮影により取得した画像を保存する保存手段の階層とは異なる階層に保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮影装置に関し、とくに撮影により取得した画像を撮影装置の保存手段に保存するか、外部装置に転送して保存するかを設定できるようにした撮影装置、撮影装置の画像保存制御方法、および画像保存制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラは、メモリカード等のメディアを備えており、通常、撮影により取得した画像はメディアに保存されることとなる。しかしながら、メディアの容量は限られており、とくにスタジオ撮影のように大量の画像を撮影する場合には、メディアの容量が不足してしまう場合がある。このため、大容量のメディアを備えるパソコンに、IEEE1394等の有線ケーブルを用いてデジタルカメラを接続し、撮影により取得された画像をカメラのメディアではなく、パソコンに転送してパソコンで保存することが行われている。なお、有線ケーブルではなく、無線LAN等を用いて撮影により取得された画像を転送することも可能である。
【0003】
ところで、デジタルカメラとパソコンとの通信においては、パソコンにデジタルカメラ以外の他の機器を接続することによるバスリセットが発生したり、通信ノイズが混入したり、無線の場合には通信可能なエリアから外れてしまうと、通信エラーが発生する。このような通信エラーが画像の転送中に発生すると、画像はデジタルカメラおよびパソコンのいずれにも保存されず、消失してしまう場合がある。このため、通信エラー等により画像が正常に転送されない場合には、転送に失敗した画像をデジタルカメラのメディアに保存する手法が提案されている(特許文献1参照)。この手法によれば、通信エラー等による画像の消失を防止することができる。
【特許文献1】特開2002−125186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の手法においては、転送に失敗した画像はメディアに保存されるため、メディアには転送に失敗した画像と、通常通りメディアに保存すべく撮影した画像とが混在して保存されることとなる。このため、後でメディアに保存された画像を見た場合、どの画像が転送すべきものであったのかが分からなくなり、画像の管理が複雑となるおそれがある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、画像の転送に失敗した場合でも、パソコン等の外部装置に転送すべく撮影された画像と、メディアに保存すべく撮影された画像との管理を容易に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による第1の撮影装置は、撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段と、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像を、前記保存手段における前記撮影により取得した画像を保存する階層とは異なる階層に保存する保存制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明による第2の撮影装置は、撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する複数の保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段と、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像を、前記撮影により取得した画像を保存する保存手段とは異なる保存手段に保存する保存制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明による第3の撮影装置は、撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段と、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像に該転送に失敗したことを表す情報を付与して前記保存手段に保存する保存制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
ここで、画像の外部装置への転送の態様は、IEEE1394等の有線ケーブルを用いるものであっても、無線によるものであってもよい。
【0010】
本発明による第1の画像保存制御方法は、撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段とを備えた撮影装置の画像保存制御方法において、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像を、前記保存手段における前記撮影により取得した画像を保存する階層とは異なる階層に保存することを特徴とするものである。
【0011】
本発明による第2の画像保存制御方法は、撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する複数の保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段とを備えた撮影装置の画像保存制御方法において、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像を、前記撮影により取得した画像を保存する保存手段とは異なる保存手段に保存することを特徴とするものである。
【0012】
本発明による第3の画像保存制御方法は、撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段とを備えた撮影装置の画像保存制御方法において、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像に該転送に失敗したことを表す情報を付与して前記保存手段に保存することを特徴とするものである。
【0013】
なお、本発明による第1から第3の画像保存制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の撮影装置およびその画像保存制御方法によれば、撮影により取得した画像を外部装置に転送するように設定されている場合において、画像の外部装置への転送に失敗すると、転送に失敗した画像が、保存手段における撮影により取得した画像が保存される階層とは異なる階層に保存される。このため、撮影により取得された画像と、転送に失敗した画像とを区別することができ、これにより、画像の管理を容易に行うことができる。
【0015】
本発明の第2の撮影装置およびその画像保存制御方法によれば、画像を外部装置に転送するように設定されている場合において、画像の外部装置への転送を失敗すると、転送に失敗した画像が撮影により取得された画像が保存される保存手段とは異なる保存手段に保存される。このため、撮影により取得された画像と、転送に失敗した画像とを区別することができ、これにより、画像の管理を容易に行うことができる。
【0016】
本発明の第3の撮影装置およびその画像保存制御方法によれば、画像を外部装置に転送するように設定されている場合において、画像の外部装置への転送を失敗すると、転送に失敗した画像に転送に失敗したことを表す情報が付与されて保存手段に保存される。このため、画像に付与された情報を参照することにより、撮影により取得された画像と、転送に失敗した画像とを区別することができ、これにより、画像の管理を容易に行うことができる。
【0017】
また保存手段に転送に失敗した画像が保存されている場合に、転送に失敗した画像を再度外部装置に転送するようにすれば、転送に失敗した画像が保存手段の容量を圧迫することもなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態による撮影装置を適用したデジタルカメラを用いた画像転送システムの概念図である。図1に示すようにこの画像転送システムは、デジタルカメラ1とパソコン100とをIEEE1394等のケーブル102により接続し、デジタルカメラ1が撮影により取得した画像をパソコン100に転送し、パソコン100において画像を保存するようにしたものである。
【0019】
図2は第1の実施形態によるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。デジタルカメラ1は、撮影レンズおよびCCD等からなり、被写体像をCCDの受光面に結像させて光電変換してアナログの画像データとして出力する撮像部40と、デジタルカメラ1全体の制御を行うとともに画像データのサンプリングタイミング制御、画像データの保存制御、通信制御および表示制御等の制御を行うCPU42と、アナログ情報の画像データをデジタルの画像データに変換して画像データを取得するA/D変換器44と、画像サイズの変更、階調処理、色変換処理、濃度変換処理、シャープネス処理およびホワイトバランス調整処理等の画像処理を行う信号処理部46と、ストロボ48と、ストロボ48の操作を制御するストロボ制御部50と、不図示のレリーズボタン、モード選択レバー、撮影モード選択ダイヤルおよび十字カーソル等のユーザが情報を入力する際に用いる入力部52と、入力部52の設定情報を入力するインターフェースであるI/O54とを備える。
【0020】
また、デジタルカメラ1は、画像データをJPEGに代表される手法で圧縮したり、圧縮した画像データを解凍する圧縮解凍部56と、メモリカードスロット58に着脱可能に装着されたメモリカード60に画像データを保存したり読み出したりするために画像データを変換するカードインターフェース62とを備える。メモリカード60は、半導体、磁気記録および光記録に代表される着脱可能な記録媒体である。
【0021】
また、デジタルカメラ1は、画像データの転送を行うプログラムを含むCPU42の動作プログラムや各定数が記憶されているROMおよびプログラム実行時の作業領域となる記憶手段であるRAMにより構成されているシステムメモリ64と、デジタルカメラ1の各種設定定数を電源遮断後も記憶し続けることが可能な書き替え可能な不揮発性メモリ66と、タイマ撮影時に駆動されるタイマ68と、現在の時刻を刻むカレンダ時計70と、画像データや各種情報を通信によって送受信する場合に用いるUSB、IEEE1394、Ethernet(登録商標)等の規格の有線インターフェース73と、画像データをLCD12に表示するためのD/A変換等を行うLCD制御部74と、CPU42から指令される表示用の画像データを一時的に記憶しておくVRAM等で構成されているフレームメモリ76と、CPU42から指令されるコード情報を表示する文字やメッセージデータに変換して画像とともにオンスクリーンディスプレイするOSD78とを備える。なお、電力を各部へ供給するバッテリ80も備える。
【0022】
有線インターフェース73には通信コネクタ32が接続されており、パソコン100等外部装置と画像データを含む各種情報の送受信を実施することが可能となっている。
【0023】
さらに、デジタルカメラ1は、パソコン100に撮影により取得した画像データを転送する際の一時記憶領域となる画像転送部82を備える。
【0024】
そしてCPU42がシステムメモリ64からプログラムを読み出して実行することにより、CPU42が設定手段および保存制御手段として機能する。また、有線インターフェース73および通信コネクタ32が転送手段として機能する。
【0025】
なお、本実施形態においては、通信コネクタ32に何らケーブルが接続されていない場合には、撮影部40が取得した画像データはメモリカード60に保存される。この状態を以降転送モードOFFと称する。一方、通信コネクタ32にケーブル102が接続されてパソコン100との通信が確立されていることをCPU42が検出した場合には、撮影部40が取得した画像データはパソコン100に転送され、パソコン100において保存される。この状態を以降転送モードONと称する。
【0026】
なお、転送モードのON/OFFの設定は、入力部52を用いることにより行ってもよい。
【0027】
図3は第1の実施形態におけるメモリカード60のフォルダ構造を示す図である。図3に示すようにメモリカード60には第1階層にDCIFフォルダが作成されており、その下位の階層にxxx(公序良俗違反につき、不掲載)フォルダおよびFAILフォルダが作成されている。xxx(公序良俗違反につき、不掲載)フォルダには、転送モードOFFの状態において撮影により取得された、すなわち通常の撮影により取得された画像データが保存される。一方、FAILフォルダには、転送モードONの状態において転送に失敗した画像データ(以下、転送失敗画像データとする)が保存される。
【0028】
次いで、第1の実施形態において行われる処理について説明する。図4は第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、転送モードはあらかじめユーザが所望とする状態に設定されているものとする。デジタルカメラ1のユーザが撮影を行うことによりCPU42が処理を開始し、まず転送モードがONとされているか否かを判定する(ステップST1)。
【0029】
ステップST1が否定されると、メモリカード60のxxx(公序良俗違反につき、不掲載)フォルダに撮影により取得した画像データを保存し(ステップST2)、処理を終了する。
【0030】
一方、ステップST1が肯定されると、画像転送部82に一時的に記憶されている撮影により取得した画像データをパソコン100に転送し(ステップST3)、転送に成功したか否かを判定する(ステップST4)。この判定は、パソコン100が送信した、転送完了の旨の信号を所定時間内に受信したか否かを判定することにより行う。転送に成功した場合は処理を終了する。転送に失敗した場合は、FAILフォルダに転送失敗画像データを保存し(ステップST5)、処理を終了する。
【0031】
このように、第1の実施形態においては、転送モードONの場合において、画像データのパソコン100への転送に失敗すると、転送失敗画像データをメモリカード60のFAILフォルダに保存するようにしたものである。ここで転送モードOFFの通常の撮影により取得された画像データはxxx(公序良俗違反につき、不掲載)フォルダに保存されるため、通常の撮影により取得された画像データと、転送失敗画像データとを区別することができる。したがって、画像データの管理を容易に行うことができる。
【0032】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は第2の実施形態によるデジタルカメラ1の構成を示す概略ブロック図である。なお、第2の実施形態において第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付与し、ここでは詳細な説明は省略する。第2の実施形態によるデジタルカメラ1′は、2つのメモリカードスロット58A,58Bを備え、そのそれぞれにメモリカード60A,60Bを装着し、通常の撮影により取得された画像データをメモリカード60Aに、転送失敗画像データをメモリカード60Bに保存するようにしたものである。
【0033】
次いで、第2の実施形態において行われる処理について説明する。図6は第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、転送モードはあらかじめユーザが所望とする状態に設定されているものとする。デジタルカメラ1のユーザが撮影を行うことによりCPU42が処理を開始し、まず転送モードがONとされているか否かを判定する(ステップST11)。
【0034】
ステップST11が否定されると、メモリカード60Aに撮影により取得した画像データを保存し(ステップST12)、処理を終了する。
【0035】
一方、ステップST11が肯定されると、画像転送部82に一時的に記憶されている撮影により取得した画像データをパソコン100に転送し(ステップST13)、転送に成功したか否かを判定する(ステップST14)。転送に成功した場合は処理を終了する。転送に失敗した場合は、メモリカード60Bに転送失敗画像データを保存し(ステップST15)、処理を終了する。
【0036】
このように、第2の実施形態においては、転送モードONの場合において、画像データのパソコン100への転送に失敗すると、転送失敗画像データをメモリカード60Bに保存するようにしたものである。ここで転送モードOFFの通常の撮影により取得された画像データはメモリカード60Aに保存されるため、通常の撮影により取得された画像データと転送失敗画像データとを区別することができる。したがって、画像データの管理を容易に行うことができる。
【0037】
次いで、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態によるデジタルカメラ1は第1の実施形態によるデジタルカメラ1と同一の構成を有するものであるため、その構成についての説明は省略する。第3の実施形態によるデジタルカメラ1″は、転送モードONの状態において画像データの転送に失敗した場合に、転送失敗画像データのタグ情報にその旨の情報を記述してメモリカード60に保存するようにしたものである。
【0038】
図7は画像データのファイル構造を示す図である。図7に示すように画像データのファイル20にはタグ情報21と画像本体22とが含まれている。タグ情報21には、ファイル名、撮影日時、転送FAIL情報、およびコメント等が記述されることにより、これらの情報が画像に付与されている。
【0039】
図8は転送FAIL情報の詳細を示す図である。図8に示すように転送FAIL情報は、転送FAIL、転送先、転送時刻およびFAIL原因の情報を含む。転送FAILはデフォルトとして0が記述されており、転送に失敗した場合に1が記述される。転送先は転送先を特定するための情報であり、転送時刻は転送が完了した時刻である。FAIL原因は、通信タイムアウト、ノイズ混入等の通信に失敗した原因を表すあらかじめ定められた数値である。例えば、通信タイムアウトの場合に1、ノイズ混入の場合に2が記述される。図8に示す転送FAIL情報においては、転送FAILに1が記述され、FAIL原因に1が記述されているため、転送に失敗し、その原因が通信タイムアウトであったことが分かる。
【0040】
次いで、第3の実施形態において行われる処理について説明する。図9は第3の実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。なお、転送モードはあらかじめユーザが所望とする状態に設定されているものとする。デジタルカメラ1のユーザが撮影を行うことによりCPU42が処理を開始し、まず転送モードがONとされているか否かを判定する(ステップST21)。
【0041】
ステップST21が否定されると、撮影により取得した画像データをメモリカード60Aに保存し(ステップST22)、処理を終了する。
【0042】
一方、ステップST21が肯定されると、画像転送部82に一時的に記憶されている撮影により取得した画像データをパソコン100に転送し(ステップST23)、転送に成功したか否かを判定する(ステップST24)。転送に成功した場合は処理を終了する。転送に失敗した場合は、転送失敗画像データのタグ情報21における転送FAIL情報の転送FAILに1、FAIL原因に転送失敗の原因の数値を記述し(ステップST25)、メモリカード60に転送失敗画像データを保存し(ステップST26)、処理を終了する。
【0043】
このように、第3の実施形態においては、転送モードONの場合において、画像データのパソコン100への転送に失敗すると、転送失敗画像データに転送に失敗した旨の情報を付与するようにしたため、その情報を参照することにより、通常の撮影により取得された画像データと、転送失敗画像データとを区別することができる。したがって、画像データの管理を容易に行うことができる。
【0044】
次いで、転送失敗画像データが保存されている場合に行われる処理について説明する。なお、この処理は、ユーザの指示により行ってもよいが、撮影が所定時間行われなかった場合、あるいはデジタルカメラの電源をオフの状態からオンとした場合にCPU42がそれを検出することにより行うようにしてもよい。図10は転送失敗画像データが保存されている場合に行われる処理を示すフローチャートである。まず、CPU42は転送モードがONとされているか否かを判定する(ステップST31)。ステップST31が否定されると処理を終了する。ステップST31が肯定されると、転送失敗画像データが保存されているか否かを確認し、転送失敗画像データの数(転送失敗画像数)Nを設定する(ステップST32)。さらに、転送失敗画像データの転送の順序を定める数値Kを初期値0に設定する(ステップST33)。ここで、転送の順序としては、例えばファイル名順とすればよい。
【0045】
なお、ステップST32の処理は、上記第1の実施形態によるデジタルカメラ1の場合は、メモリカード60のFAILフォルダに画像データが保存されているか否かを、第2の実施形態によるデジタルカメラ1′の場合は、メモリカード60Bに画像データが保存されているか否かを、第3の実施形態によるデジタルカメラ1″の場合は、タグ情報21の転送FAIL情報の転送FAILに1が記述されている画像データがメモリカード60に保存されているか否かを確認することにより行う。
【0046】
次いで、K<Nであるか否かを判定する(ステップST34)。ここで、転送失敗画像がない場合N=0となるため、ステップST34が否定され、処理を終了する。
【0047】
ステップST34が肯定されると、K+1番目(最初の場合はK=0であるため1番目)の転送失敗画像データをパソコン100に転送する(ステップST35)。そして転送に成功したか否かを判定し(ステップST36)、ステップST36が肯定されると、K+1番目の転送失敗画像データをメモリカード60,60Bから削除し(ステップST37)、Kの値を1つインクリメントして(ステップST38)、ステップST34に戻り、ステップST34以降の処理を繰り返す。
【0048】
一方、ステップST36が否定されると、ステップST38に進み、Kの値を1つインクリメントして(ステップST38)、ステップST34に戻り、ステップST34以降の処理を繰り返す。
【0049】
そして、すべての転送失敗画像データについて転送の処理が完了するとステップST34が否定されるため、処理を終了する。なお、ここでいう転送の処理とは、ステップST35の処理のことであり、転送が成功したか否かは問わないものである。
【0050】
このように、転送失敗画像データがメモリカード60,60Bに保存されている場合に、転送失敗画像データを再度転送するようにすれば、転送失敗画像データがメモリカード60,60Bの容量を圧迫することがなくなる。
【0051】
なお、上記実施形態においては、デジタルカメラ1,1′とパソコン100とをケーブル102により接続しているが、無線により接続して画像データの転送を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態による撮影装置を適用したデジタルカメラを用いた画像転送システムの概念図
【図2】第1の実施形態によるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【図3】第1の実施形態におけるメモリカードのフォルダ構造を示す図
【図4】第1の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図5】第2の実施形態によるデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図
【図6】第2の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図7】画像データのファイル構造を示す図
【図8】転送FAIL情報を示す図
【図9】第3の実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図10】転送失敗画像データが保存されている場合に行われる処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0053】
1,1′、1″ デジタルカメラ
32 通信コネクタ
40 撮像部
42 CPU
60,60A,60B メモリカード
82 画像転送部
100 パソコン
102 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段と、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像を、前記保存手段における前記撮影により取得した画像を保存する階層とは異なる階層に保存する保存制御手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する複数の保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段と、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像を、前記撮影により取得した画像を保存する保存手段とは異なる保存手段に保存する保存制御手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項3】
撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段と、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像に該転送に失敗したことを表す情報を付与して前記保存手段に保存する保存制御手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項4】
前記保存制御手段は、前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記転送に失敗した画像が前記保存手段に保存されているか否かを判断し、この判断が肯定された場合に、該転送に失敗した画像を前記外部装置へ再度転送する手段であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の撮影装置。
【請求項5】
撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段とを備えた撮影装置の画像保存制御方法において、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像を、前記保存手段における前記撮影により取得した画像を保存する階層とは異なる階層に保存することを特徴とする画像保存制御方法。
【請求項6】
撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する複数の保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段とを備えた撮影装置の画像保存制御方法において、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像を、前記撮影により取得した画像を保存する保存手段とは異なる保存手段に保存することを特徴とする画像保存制御方法。
【請求項7】
撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段とを備えた撮影装置の画像保存制御方法において、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像に該転送に失敗したことを表す情報を付与して前記保存手段に保存することを特徴とする画像保存制御方法。
【請求項8】
撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段とを備えた撮影装置の画像保存制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像を、前記保存手段における前記撮影により取得した画像を保存する階層とは異なる階層に保存する手順を有することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する複数の保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段とを備えた撮影装置の画像保存制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像を、前記撮影により取得した画像を保存する保存手段とは異なる保存手段に保存する手順を有することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
撮影により画像を取得する撮影手段と、
該撮影により取得した画像を保存する保存手段と、
該撮影により取得した画像を外部装置に転送する転送手段と、
前記撮影により取得した画像を前記保存手段へ保存するか、前記外部装置へ転送するかを設定する設定手段とを備えた撮影装置の画像保存制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
前記画像を前記外部装置へ転送するよう設定されている場合において、前記画像の前記外部装置への転送に失敗した場合に、該転送に失敗した画像に該転送に失敗したことを表す情報を付与して前記保存手段に保存する手順を有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−5983(P2007−5983A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−181863(P2005−181863)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により明細書の一部または全部を不掲載とする。
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【復代理人】
【識別番号】100104189
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 勲将
【Fターム(参考)】