説明

操作パネルの防水構造

【課題】 画像形成装置等の非携帯型電子機器の操作パネルに適した防水構造を提供する。
【解決手段】 回路基板15の上方側を覆うようにラバーキー17を配設し、ラバーキー17のうち回路基板15の外縁部15Aに対応する部位に、その外縁部15Aを覆うように回路基板15より下方側に延びる第1スカート部17Cを設け、さらに、第1スカート部17Cの下方側に第1スカート部17Cの下端に沿うように延びる溝部23Aを設ける。これにより、回路基板15の上方側がラバーキー17で覆われた構造となるので、回路基板15が直接的に被水することはなく、回路基板15が被水から保護される。そして仮に、操作パネル13が被水した場合には、その水は、回路基板15に流れることなく、第1スカート部17Cにより回路基板15より下方側に導かれた後、溝部23Aに集合し、排水される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネルの防水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の発明では、ゴム等の弾性変形可能な材質にて形成された蓋板と硬質な樹脂からなる底板とで回路基板を挟み込むことにより、回路基板全体を覆う水密なケーシングを構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−82007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の防水構造を、そのままプリンタ等の電子機器の操作パネルに適用することは妥当ではない。
すなわち、特許文献1に記載の発明は、ワイヤレスキー等の携帯型の小型電子機器に内蔵された回路基板の防水構造であり、プリンタ等の非携帯型電子機器の操作パネルに適した防水構造とは言い難い。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、非携帯型電子機器の操作パネルに適した防水構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、電気回路が形成された回路基板(15)と、回路基板(15)の上方側を覆うように配設され、ユーザからの操作力を受けて弾性変形する弾性キー(17)とを備え、弾性キー(17)のうち回路基板(15)の外縁部に対応する部位には、その外縁部を覆うように回路基板(15)より下方側に延びるスカート部(17C)が設けられており、さらに、スカート部(17C)の下方側には、スカート部(17C)の下端に沿うように延びる溝部(23A)が設けられていることを特徴とする。
【0007】
これにより、本発明では、回路基板(15)の上方側が弾性キー(17)で覆われた構造となるので、回路基板(15)が直接的に被水することはなく、回路基板(15)が被水から保護される。そして仮に、操作パネルが被水した場合には、その水は、回路基板(15)に流れることなく、スカート部(17C)により回路基板(15)より下方側に導かれた後、溝部(23A)に集合し、排水される。
【0008】
以上のように、本発明では、特許文献1に記載の発明と異なり、完全密封構造とすることなく、実用上十分な防水能力を得ることができるので、非携帯型電子機器の操作パネルに適した防水構造を得ることができ得る。
【0009】
なお、スカート部(17C)は、例えば、弾性キー(17)に一体形成する、又は回路基板(15)の下方側に弾性キー(17)より硬質な材料にて形成されたベース部材(23)を配設し、当該ベース部材(23)に溝部(23A)を設けてもよい。
【0010】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置1の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る操作パネル13の上面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】(a)は図4の一部拡大図であり、(b)は図3の一部拡大図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るボス部17H及びその周囲の拡大断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るボス部17H及びその周囲の拡大断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るラバーキー17の特徴を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態は、本発明に係る操作パネルの防水構造を印刷機能及び画像読取機能を兼ね備えた画像形成装置1に適用したものであり、以下に本実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.画像形成装置の概要
本実施形態に係る画像形成装置1は、図1に示すように、画像形成部3の上方側に画像読取部5が一体化されたもので、画像形成部3と画像読取部5との間には、画像形成部3にて画像形成(印刷)が終了した記録用紙やOHPシート等の記録シート(以下、用紙という。)が排出される排出口7が設けられている。
【0013】
なお、本実施形態に係る画像形成部3は、用紙に現像剤像を転写することにより用紙に画像を形成する電子写真方式の画像形成手段にて構成され、画像読取部5は、静止状態で載置された原稿の画像を読み取るフラットベッド方式の画像読取機能、及びオートドキュメントフィーダ(自動原稿送り装置)に原稿を自動搬送しながら原稿の画像を読み取る自動読取機能を兼ね備えた画像読取手段である。
【0014】
そして、画像形成部3の上方側のうち排出口7側(本実施形態では、前面側)には、水平方向に対して傾斜した傾斜面13Aを有して構成された操作パネル13が設けられており、この操作パネル13の傾斜面13Aには、各種の操作キー9や情報を表示する表示パネル11等が設けられている。
【0015】
因みに、本実施形態に係る画像形成装置1では、操作キー9として、例えば図2に示すように、数字を入力する際に利用されるテンキー9A、表示部11の表示内容を選択又は切り替えるための選択キー9B、及び画像形成装置1の動作モードを選択するためのモード選択キー9C等が設けられている。
【0016】
2.操作パネルの防止構造
操作パネル13は、図1に示すように、排出口7の開口方向(本実施形態では、前後方向)と直交する水平方向(本実施形態では、左右方向)に延びる帯板状のパネル部分であって、図3に示すように、回路基板15、ラバーキー17、ラバーキー17の上方側を覆う第1カバー19及び第2カバー21、並びにベース部材23等から構成されている。
【0017】
回路基板15は操作キー9の操作を受け付け、その操作に対応する電気信号を発するための電気回路が形成された電気基板であり、この回路基板15は、第2カバー21(傾斜面13A)と略平行となるように、鉛直方向に対して傾斜した状態で配設されている。
【0018】
ラバーキー17は、回路基板15の上方側を覆うように配設されてユーザからの操作力を受けて弾性変形しながら、その操作力を回路基板15に伝達する弾性キーであり、このラバーキー17は、回路基板15と略平行なプレート部17A、及びプレート部17Aから上方側に突出してユーザが触れることにより、操作力を直接的に受ける操作突起部17Bを有して構成されている。このため、本実施形態では、操作突起部17Bそれ自体が操作キー9を構成する。
【0019】
そして、ラバーキー17のうち回路基板15の下端側外縁部(以下、下端部という。)15Aに対応する部位には、その下端部15Aを覆うように回路基板15より下方側に延びる第1スカート部17Cが設けられており、この第1スカート部17Cは、プレート部17A及び操作突起部17Bと共にシリコーンゴム等の弾性材料にて一体成形されている。
【0020】
因みに、ラバーキー17のうち操作突起部17Bの根元部には、操作突起部17Bの先端部がユーザにより押圧されたときに、回路基板15に設けられたスイッチ部(図示せず。)に接触してそのスイッチ部を押圧する押圧突起部17Dが設けられており、この押圧突起部17Dの周囲には、回路基板15との間に空間を構成するための凹部17Eが形成されている。
【0021】
また、第1カバー19は、プレート部17Aの上方側を覆うとともに、操作突起部17Bが貫通する貫通穴19Aが設けられたカバー部材であり、この第1カバー19には、図4に示すように、回路基板15を吊り下げるように支持(保持)する第1保持フック19B及び第2保持フック19Cが設けられている。
【0022】
すなわち、第1カバー19は、第1カバー本体19D、第2スカート部19E、並びに第1保持フック19B及び第2保持フック19Cを有しており、これら19A〜19Eは、ラバーキー17より硬質な樹脂(例えば、ポリスチレン)にて一体成形されている。
【0023】
そして、第1カバー本体19Dは、回路基板15に沿うように鉛直方向に対して傾斜した状態で配設された略板状の部分であり、この第1カバー本体19Dの下端部に第2スカート部19E及び第1保持フック19Bが設けられ、上端側に第2保持フック19Cが設けられている。
【0024】
第2スカート部19Eは、第1スカート部17Cを上方側から覆うように第1スカート部17Cと同一の向きに延びており、この第2スカート部19Eに第1保持フック19Bが設けられている。
【0025】
なお、第1保持フック19B及び第2保持フック19Cは、操作パネル13の延び方向(以下、幅方向という。)全域に設けられておらず、離散して複数箇所に設けられているので、図3に示すように、両保持フック19B、19Cが設けられていない部位もある。
【0026】
このため、両保持フック19B、19Cが設けられていない部位においては、第1スカート部17C及び第2スカート部19Eは、回路基板15と直交する方向に真っ直ぐ下方側に延びている。
【0027】
一方、両保持フック19B、19Cが設けられている部位においては、図4に示すように、第1スカート部17C及び第2スカート部19Eは、第1保持フック19Bを避けるようにクランク状に屈曲しながら、回路基板15と直交する方向において下方側に延びている。
【0028】
しかし、第2スカート部19Eは、両保持フック19B、19Cの有無によらず、巨視的には、第1スカート部17Cを上方側から覆うように第1スカート部17Cと同一の向きに延びた構成となっている。このため、第1スカート部17C及び第2スカート部19Eは、回路基板15の下端部15A側全域を覆うように、幅方向略全域に亘って連続的に連なる壁状に形成されている。
【0029】
すなわち、第1保持フック19Bは、第2スカート部19Eの延び方向略中央部から第2スカート部19Eから分岐するように回路基板15側に延びた形状となっており、第1保持フック19Bの延び方向先端側(下端側)には、図5(a)に示すように、第2スカート部19E側から回路基板15の下面側に突出して回路基板15を支持する支持爪19Fが設けられている。
【0030】
一方、第1スカート部17Cのうち支持爪19Fに対応する部位には、支持爪19Fを覆うように支持爪19Fの突出方向に陥没した凹部17Fが形成されている。
このため、第1スカート部17C及び第2スカート部19Eのうち、両保持フック19B、19Cが設けられている部位は、図5(a)に示すように、クランク状に屈曲した形状となり、両保持フック19B、19Cが設けられていない部位は、図5(b)に示すように、回路基板15と直交する方向に真っ直ぐ下方側に延びた形状となっている。
【0031】
また、ベース部材23は、ラバーキー17より硬質な樹脂(本実施形態では、ポリスチレン)で成形された操作パネル13に作用する荷重を支える筐体の一部であり、このベース部材23は、回路基板15の下方側に配設されて第1カバー19を下方側から支持する。
【0032】
そして、ベース部材23のうち両スカート部17C、19Eの下方側に対応する部位には、両スカート部17C、19Eの下端部17G、19Gを囲むように略U字状に形成された溝部23Aが設けられており、この溝部23Aは、両スカート部17C、19Eの下端部17G、19Gに沿って幅方向略全域に亘って延びている。
【0033】
このため、本実施形態では、両スカート部17C、19Eの下端部17G、19Gは、溝部23Aにより囲まれて溝部23A内に位置した構成となり、一方、溝部23Aの上端23Bは、両スカート部17C、19Eの下端部17G、19Gより上方側に位置することとなる。
【0034】
つまり、溝部23Aは、水平方向(本実施形態では、前後方向)に離隔した一対の側壁部23E及びこれら側壁部23Eの下欄側を繋ぐように下方側を閉塞する底部23Fからなる略U字状の断面形状を有するものである。そして、水平方向から両スカート部17C、19Eを見ると、その下端部17G、19Gは、一対の側壁23Eにより挟まれるように、側壁23Eと重なる部位に位置する。
【0035】
また、溝部23Aは、その延び方向(本実施形態では、左右方向)一端側が、延び方向他端側に比べて低くなるように鉛直方向に対して傾斜しているとともに、その延び方向と直交する水平方向(本実施形態では、前後方向)一端側が他端側より低くなるように設定されている。
【0036】
具体的には、本実施形態に係る溝部23Aは、左端側が右端側に比べて低くなるように左右方向に延びているとともに、前方側が後方側より低くなるように溝部形状(U形状)が設定されている。そして、溝部23Aの最下端部(本実施形態では、左端側前方)に、溝部23Aに流れ込んだ水等の液体を排出する排出口23Cが設けられている。
【0037】
なお、第1カバー19はベース部材23に固定され、回路基板15は第1カバー19に吊り下げられた状態で保持されており、第2カバー21は係止部19Hに係止された状態で第1カバー19に組み付けられている。因みに、第2カバー21は、外観意匠面を構成する意匠パネルである。
【0038】
ところで、ラバーキー17には、図6に示すように、回路基板15側に突出する突起状のボス部17Hが一体形成されており、一方、回路基板15には、ボス部17Hが嵌り込む穴15Aが設けられている。そして、ボス部17Hが穴部15Bに嵌り込むことにより、ラバーキー17が回路基板15に対して位置決めされ、かつ、穴部15Bがボス部17Hにより覆われるように閉塞された状態となる。
【0039】
つまり、ボス部17Hは、中実丸棒又は一端側が閉塞されたコップ状(本実施形態では、コップ状)に形成され、かつ、ボス部17H及びボス部17H周囲のプレート部17Aによりハット状のプラグ(栓)が構成されているので、ボス部17Hが穴部15Bに嵌り込むと、穴部15Bラバーキー17により覆われた状態となる。
【0040】
また、本実施形態に係るボス部17Hは、回路基板15側に凹んだコップ状に形成され、かつ、このボス部17Hの凹みに嵌り込む突起部19Jが第1カバー19に設けられているため、本実施形態では、突起部19Jにより回路基板15及びラバーキー17が第1カバー19に対して位置決めされる。
【0041】
なお、第1保持フック19B及び第2保持フック19Cは、回路基板15等を吊り下げ支持することを主たる目的としており、第1カバー19に対する回路基板15等の位置決めは、穴部15Bに嵌り込んだボス部17Hの凹みに突起部19Jが嵌り込むことにより行われる。
【0042】
因みに、ボス部17H及び穴部15Bは、操作突起部17Bに対して幅方向にずれた部位に設けられており、本実施形態では、ボス部17H及び穴部15Bは、幅方向にずれた位置に少なくとも2箇所設定されている。
【0043】
また、ベース部材23には、図4に示すように、下面側から回路基板15側に突出した支柱部23Dが一体成形されており、この支柱部23Dは、操作パネル13に過度な荷重が作用した際に、下方側から回路基板15を支えることにより、回路基板15が大きく撓み変形することを抑制する。
【0044】
3.本実施形態に係る画像形成装置1(特に、操作パネル13の防水構造)の特徴
本実施形態では、図3に示すように、回路基板15の上方側がラバーキー17で覆われた構造となるので、回路基板15が直接的に被水することはなく、回路基板15が被水から保護される。そして仮に、操作パネル13が被水した場合には、その水は、回路基板15に流れることなく、第1スカート部17Cにより回路基板15より下方側に導かれた後、溝部23Aに集合し、排出口23Cから排水される。
【0045】
以上のように、本実施形態では、操作パネル13を完全密封構造とすることなく、実用上十分な防水能力を得ることができるので、画像形成装置1の操作パネル13に適した防水構造を得ることができ得る。
【0046】
また、本実施形態では、溝部23Aの上端が第1スカート部17C及び第2スカート部19Eの下端17G、19Gより上方側に設定されていることを特徴としているので、第1スカート部17C及び第2スカート部19Eから溝部23Aに水を確実に導くことができ、回路基板15が被水してしまうことを確実に防止できる。
【0047】
また、溝部23Aの上端23Eが第1スカート部17Cの下端17Gより上方側に設定されているので、溝部23A内に第1スカート部17Cの下端側が嵌り込んだ状態となり、溝部23A内の空間が迷路構造(ラビリンス構造)となる。
【0048】
このため、外部から回路基板15に至る空間(例えば、図3の破線で示す通路)が蛇行した構成となり、回路基板15までの実質的な電気絶縁距離が大きくなるので、帯電したユーザの指先等から放電する静電気等から回路基板15を有効的に保護することができる。
【0049】
なお、第1スカート部17Cのうち凹部17Fが設けられた部位は、図4から明らかなように、凹部17Fが設けられていない部位に比べて、より大きく蛇行した迷路構造となる。このため、本実施形態では、幅方向全域にて迷路構造が設けられた構成となるので、回路基板15を確実に静電気等から保護することができる。
【0050】
また、本実施形態では、第1カバー19に、溝部23Aに向けて下方側に延びる第2スカート部19Eが設けられていることを特徴としているので、図3及び図4に示すように、ラバーキー17の第1スカート部17Cの上に第1カバー19の第2スカート部19Eが設けられた2重構造となり、回路基板15が被水してしまうことを確実に防止することができる。
【0051】
また、本実施形態では、第1カバー19及び第2スカート部19Eは、ラバーキー17より硬質な材料にて一体成形され、第1カバー19には、第2スカート部19E側から回路基板15の下面側に突出して回路基板15を支持する支持爪19Fが設けられており、さらに、第1スカート部17Cには、支持爪19Fを覆うように支持爪19Fの突出方向に陥没した凹部17Fが形成されていることを特徴としている。
【0052】
これにより、本実施形態では、図5(a)に示すように、第1スカート部17Cに形成された凹部17Fにより支持爪19Fの回路基板15側が覆われた構成となるので、仮に、操作パネル13が被水して水が支持爪19Fを伝って流れた場合であっても、回路基板15が間接的に被水してしまうことを確実に防止できる。
【0053】
また、本実施形態では、溝部23Aの延び方向は、鉛直方向に対して傾斜しており、さらに、溝部23Aの下端に溝部23Aに流れ込んだ液体を排出する排出口23Cが設けられていることを特徴とするので、確実に排水することができる。
【0054】
また、本実施形態では、ラバーキー17には、回路基板15に設けられた穴部15Bに嵌り込んで回路基板15に対してラバーキー17を位置決めするとともに、穴部15Bを覆うボス部17Hが設けられていることを特徴としている。
【0055】
これにより、回路基板15に対してラバーキー17を位置決めしつつ、仮に、操作パネル13が被水して水がラバーキー17に水が溜まった場合であっても、回路基板15が間接的に被水してしまうことを確実に防止できる。
【0056】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、ラバーキー17が特許請求の範囲に記載された弾性キーに相当し、第1スカート部17Cが特許請求の範囲に記載されたスカート部に相当し、第1カバー19が特許請求の範囲に記載されたカバー部材に相当し、第2スカート部19Eが特許請求の範囲に記載されたカバースカート部に相当し、支持爪19Fが特許請求の範囲に記載された支持突起部に相当する。
【0057】
(第2実施形態)
上述の実施形態に係るボス部17Hは、凹みが設けられたコップ状であったが、本実施形態は、図7に示すように、ボス部17Hを中実丸棒状としたものである。
【0058】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、プレート部17Aは単純な平板状であったが、本実施形態は、図8に示すように、プレート部17Aのうち隣り合う操作突起部17B間に排水用の水路17Jを設けるとともに、操作突起部17Bの根元が水路17Jより高くなるようにプレート部17Aに傾斜を設けたものである。
【0059】
そして、隣り合う操作突起部17B間に排水用の水路17Jは、幅方向に延びる水路17J及び幅方向と交差する方向に延びる水路17Jがあり、いずれの水路17Jも最終的には、流れ込んだ水を第1スカート部17C側に導くように構成されている。したがって、回路基板15が間接的に被水してしまうことを確実に防止できる。
【0060】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、ベース部材23に溝部23Aを設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばラバーキー17に溝部23Aを一体的に形成してもよい。
【0061】
また、上述の実施形態では、溝部23Aは、左端側が右端側に比べて低くなるように左右方向に延びていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、延び方向端部(左端及び右端)に近づくほど低くなる構成、又は延び方向中央部に近づくほど低くなる構成としてもよい。
【0062】
また、上述の実施形態では、溝部23Aは、前側が後側より低くなるように設定されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、後側が前側より低くなる構成、又は前後方向において高低差が無い構成としてもよい。
【0063】
また、上述の実施形態では、第2スカート部19Eを設けたが、これを廃止してもよい。
また、上述の実施形態では、支持爪19Fを覆うように支持爪19Fの突出方向に陥没した凹部17Fを第1スカート部17Cに設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹部17Fを設けることなく、支持爪19Fを避けた形状としてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、回路基板15等が傾斜した状態で配設されていたので、下端部15A側のみに第1スカート部17C及び溝部23A等を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、回路基板15の外縁部に対応する部位全周に第1スカート部17C及び溝部23A等を設けてもよい。
【0065】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1…画像形成装置、3…画像形成部、5…画像読取部、7…排出口、9…操作キー、
13…操作パネル、15…回路基板、15A…下端部、15B…穴部、
17…ラバーキー、17A…プレート部、17B…操作突起部、
17C…第1スカート部、17D…押圧突起部、17E…凹部、17F…凹部、
17H…ボス部、17J…水路、19…第1カバー、19A…貫通穴、
19B…第1保持フック、19C…第2保持フック、19D…第1カバー本体、
19E…第2スカート部、19F…支持爪、19H…係止部、19J…突起部、
21…第2カバー、23…ベース部材、23A…溝部、23C…排出口、
23D…支柱部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気回路が形成された回路基板と、
前記回路基板の上方側を覆うように配設され、ユーザからの操作力を受けて弾性変形する弾性キーとを備え、
前記弾性キーのうち前記回路基板の外縁部に対応する部位には、その外縁部を覆うように前記回路基板より下方側に延びるスカート部が設けられており、
さらに、前記スカート部の下方側には、前記スカート部の下端に沿うように延びる溝部が設けられていることを特徴とする操作パネルの防水構造。
【請求項2】
前記回路基板の下方側には、前記弾性キーより硬質な材料にて形成されたベース部材が配設されており、
さらに、前記溝部は、前記ベース部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の操作パネルの防水構造。
【請求項3】
前記溝部の上端は、前記スカート部の下端より上方側に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の操作パネルの防水構造。
【請求項4】
前記弾性キーは、前記回路基板と略平行なプレート部、及び前記プレート部から上方側に突出して前記操作力を受ける操作突起部を有して構成され、
前記プレート部を覆うとともに、前記操作突起部が貫通する貫通穴が設けられたカバー部材を備え、
さらに、前記カバー部材には、前記溝部に向けて下方側に延びるカバースカート部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の操作パネルの防水構造。
【請求項5】
前記カバー部材及び前記カバースカート部は、前記弾性キーより硬質な材料にて一体成形され、
前記カバー部材には、前記カバースカート部側から前記回路基板の下面側に突出して前記回路基板を支持する支持突起部が設けられており、
さらに、前記スカート部には、前記支持突起部を覆うように前記支持突起部の突出方向に陥没した凹部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の操作パネルの防水構造。
【請求項6】
前記回路基板は、鉛直方向に対して傾斜した状態で配設されており、
さらに、前記溝部は、少なくとも前記回路基板の下端側に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の操作パネルの防水構造。
【請求項7】
前記溝部の延び方向は、鉛直方向に対して傾斜しており、
さらに、前記溝部の下端には、前記溝部に流れ込んだ液体を排出する排出口が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の操作パネルの防水構造。
【請求項8】
前記弾性キーには、前記回路基板に設けられた穴部に嵌り込んで前記回路基板に対して前記弾性キーを位置決めするとともに、前記穴部を覆うボス部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−203989(P2012−203989A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64359(P2011−64359)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】