説明

操作入力装置及び操作入力検出装置

【課題】本発明は、低背化を容易に実現できる、操作入力装置の提供を目的とする。
の提供を目的とする。
【解決手段】操作者の手指による力をスライドキー30の操作面で受ける操作入力装置であって、発光部11と受光部12が所定の基準面に対して平行な方向に離間して設置される基板10と、スライドキー30の操作面で受けた操作入力により、拡散板14が発光部11と受光部12との間で可動することによって、受光部12が受光する光の密度を変化させる拡散板14とを備え、受光部12が受光する密度に応じた出力信号を出力することを特徴とする、操作入力装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作入力を受ける操作入力装置、及び操作入力を検出する操作入力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電極間の間隔が変化するときの静電容量の変化によって力を検出する検出装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。また、可動部材を操作することにより、携帯電話等の画面上のカーソルを移動させるための光入力デバイスが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−148833号公報
【特許文献2】特開平5−118942号公報
【特許文献3】特開2002−116876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1,2のように静電容量の変化を利用して、操作入力を検出する場合、電磁ノイズによって、操作入力を正しく検出できないことがある。
【0005】
この点、上述の特許文献3のように、光を利用して、操作入力を検出すれば、電磁ノイズに対しての耐性は、静電容量を利用する場合に比べて、高くなる。しかしながら、特許文献3に記載の技術では、可動部材の変位方向に対して光が直交方向に投光する構成を有しているので、低背構造を実現することが難しい。
【0006】
そこで、本発明は、低背化を容易に実現できる、操作入力装置及び操作入力検出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る操作入力装置は、
発光部と受光部が離間して設置された基部と、
前記発光部と前記受光部との間で操作入力により可動することによって、前記受光部が受光する光の密度を変化させる、光の拡散部材と、
前記密度に応じた出力信号を出力する出力部とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係る操作入力検出装置は、
発光部と受光部が離間して設置された基部と、
前記発光部と前記受光部との間で操作入力により可動することによって、前記受光部が受光する光の密度を変化させる、光の拡散部材と、
前記密度に応じた出力信号を出力する出力部と
前記出力信号に基づいて、前記拡散部材の動きを検知する検知手段とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低背化を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施例である操作入力装置1の分解図である。
【図2】操作入力装置1の斜視図である。
【図3】操作入力装置1の断面図である。
【図4】スライドキー30がX(−)方向に操作された状態での操作入力装置1の斜視図である。
【図5】スライドキー30がX(−)方向に操作された状態での操作入力装置1の分解図である。
【図6】スライドキー30がX(+)方向に操作された状態での操作入力装置1の斜視図である。
【図7】スライドキー30がX(+)方向に操作された状態での操作入力装置1の分解図である。
【図8】発光部11の光の照射方向を示した図である。
【図9】受光部12が導光部13を介して発光部11の照射光を受光する状態を示した図である。
【図10】発光部11の照射光がX(+)方向側に位置する拡散板14によって拡散された状態を示した図である。
【図11】発光部11の照射光がX軸原点に位置する拡散板14によって拡散された状態を示した図である。
【図12】発光部11の照射光がX(−)方向側に位置する拡散板14によって拡散された状態を示した図である。
【図13】拡散板の拡散機能を説明するための図である。
【図14】操作入力装置1によって操作入力を検出する操作入力検出装置の主要部を示したブロック図である。
【図15】本発明の第2の実施例である操作入力装置2の分解図である。
【図16】操作入力装置2の斜視図である。
【図17】操作入力装置2の断面図である。
【図18】発光部と受光部の配置位置関係を示した図である。
【図19】受光部25と導光部27の配置位置関係を示した図である。
【図20】スライドキー31と、ケース42と、スライドキーホルダー43とを組み合わせた状態での断面図である。
【図21】スライドキー31と、ケース42と、スライドキーホルダー43と、拡散板26とを組み合わせた状態での裏面図である。
【図22】操作者が力を加えていない状態での、発光部21〜24、受光部25、拡散板26の位置関係を示した図である。
【図23】操作者が力を加えていない状態での、発光部21から照射された光が拡散板25によって拡散した拡散状態を示した図である。
【図24】スライドキー31をX(+)方向にスライドさせた状態を示した図である。
【図25】スライドキー31をX(+)方向にスライドさせた状態での、発光部21〜24、受光部25、拡散板26の位置関係を示した図である。
【図26】発光部21から照射された光が拡散板26によって拡散した拡散状態を示した図である。
【図27】拡散板26と受光部25との距離と受光部25で受光した光の密度との関係を示した図である。
【図28】スライドキー31をX(+)方向とY(+)方向にスライドさせた状態を示した図である。
【図29】スライドキー31をX(+)方向とY(+)方向にスライドさせた状態での、スライドキー31と、拡散板26の位置関係を示した図である。
【図30】スライドキー31をX(+)方向とY(+)方向にスライドさせた状態での、発光部21〜24、受光部25、拡散板26の位置関係を示した図である。
【図31】発光部21から照射された光が拡散板26によって拡散した拡散状態を示した図である。
【図32】操作入力装置2を介して入力された操作入力を検出する操作入力検出装置の主要部を示したブロック図である。
【図33】拡散板26の変位量と変位方向の検出方法を説明するための図である。
【図34】2つの発光部と1つの受光部が配置される場合を示した図である。
【図35】本発明の第3の実施例である操作入力装置3の分解図である。
【図36】操作入力装置3の断面図である。
【図37】回転キー32と拡散板28が一体に組み合わされた状態を示した図である。
【図38】拡散板28と一体に組み合わされた回転キー32が、スライド板33に嵌合した状態を示した図である。
【図39】拡散板28の第1の回転状態を示した図である。
【図40】拡散板28の第2の回転状態を示した図である。
【図41】第2の回転状態の拡散板28がX(+)方向とY(+)方向に変位した状態を示した図である。
【図42】3種類の板厚の側面を有する拡散板29の形状を示した図である。
【図43】操作入力装置4の断面図である。
【図44】発光部85と受光部81〜84と導光部91〜94の配置図である。
【図45】導光部27の配置と光の拡散状態を示した図である。
【図46】発光部85が照射した光の光路を示した図である。
【図47】操作入力装置4を介して入力された操作入力を検出する操作入力検出装置の主要部を示したブロック図である。
【図48】環状拡散板28−1の形状を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の説明を行う。本発明の一実施形態である操作入力装置は、操作者の手指等による力を受ける操作インターフェイスである。また、本発明の一実施形態である操作入力検出装置は、操作入力装置からの信号に基づいて、操作者による操作入力を検出するものである。操作入力の検出によって、操作入力に応じた操作内容をコンピュータに把握させることができる。
【0012】
例えば、携帯電話等の携帯端末、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、電化製品などの電子機器の画面上のカーソルやポインタなどの指示表示を、操作者が意図した操作内容に従って、移動させることができる。また、例えば、冷暖房装置の設定温度を操作者が意図した操作内容に従って変更したり、照明装置の明かりを操作者の意図した操作内容に従って調光したりすることができる。
【0013】
以下、本実施形態の操作入力装置及び操作入力検出装置の具体例について説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施例である操作入力装置1の分解図である。図2は、操作入力装置1の斜視図である。図3は、操作入力装置1の断面図である。
【0015】
基板10は、一の基準面に対して平行な基準方向に、発光部11と受光部12が離間して設置された基部である。基板10は、発光部11と受光部12が設置される設置面10aを有している。設置面10aは、低背化の点で、平面であることが好ましい。基板10は、樹脂製の基板(例えば、プリント基板)でもよいし、鉄やアルミニウム等の金属製の基板でもよい。
【0016】
発光部11は、受光部12に向けて光を照射する光源である。発光部11は、例えば、電気信号の供給によって発光する発光素子である。発光素子の具体例として、発光ダイオード(LED)、半導体レーザなどが挙げられる。
【0017】
受光部12は、発光部11が照射した光を受光する。受光部12は、例えば、受光した光の光量又は受光した光の密度を電気信号に変換して出力する受光素子である。受光素子の具体例として、フォトダイオード、フォトトランジスタなどが挙げられる。
【0018】
拡散板14は、発光部11と受光部12との間で操作入力により可動することによって、受光部12が受光する光の密度を変化させる、光の拡散部材である。発光部11と受光部12との間に配置された拡散板14は、発光部11と受光部12との間で可動することによって、受光部12に向かう光の拡散状態が変化することによって、受光部12が受光する光の密度を変化させる。操作入力の方向と同じ方向に移動する拡散板14は、受光部12との距離が操作入力により変化することによって、受光部12に向けての光の拡散状態が変化する。言い換えれば、操作入力の方向と同じ方向に移動する拡散板14は、発光部11との距離が操作入力により変化することによって、受光部12に向けての光の拡散状態が変化する。
【0019】
拡散板14は、発光部11から照射された光を受光部12に向けて拡散させる。拡散板14の一方の面に発光部11が対向し、拡散板14の他方の面(すなわち、発光部11に対向する対向面に対して反対側の面)に受光部12が対向する。拡散板14の板厚(すなわち、発光部11が対向する側の表面と受光部12が対向する側の表面との間の距離)は、一定である。
【0020】
スライドキー30は、操作者の力が作用しうる操作面30aを有する操作部である。スライドキー30は、操作者の力が操作面30aに作用することにより、拡散板14を伴って基準方向に変位する変位部材である。これにより、拡散板14は、スライドキー30の変位と共に、スライドキー30と同じ変位方向に変位する。
【0021】
スライドキー30は、基準方向に変位可能にケース40によって支持され、例えば、基板10の設置面10aに対して平行な方向に変位可能に支持される。ケース40は、発光部11と受光部12と拡散板14を覆うことによって、発光部11と受光部12と拡散板14を保護することができる。ケース40は、基板10に固定される。
【0022】
スライドキー30は、ケース40の上面40aに配置され、ケース40の上面40aに基準方向に形成されたスライド溝41に沿って、ケース40の上面40a上を基準方向にスライドする。操作入力装置1の場合、スライド溝41は、発光部11と受光部12とを結ぶ直線に平行な方向に形成される。これにより、スライドキー30は、発光部11と受光部12とを結ぶ直線に平行な方向に変位させることができる。
【0023】
スライドキー30の基準方向の変位に連動して拡散板14がスライドキー30と一体となって基準方向に変位するように、スライドキー30に拡散板14が接続されている。例えば、拡散板14は、スライドキー30の操作面30aの反対側の面(すなわち、基板10の設置面10aに対向する対向面30b)に接続される。例えば、図3に示されるように、拡散板14の一部が、基準方向に形成されたスライド溝41を貫通してスライドキー30の対向面30b側に接続される。
【0024】
スライドキー30は、操作者の力が操作面30aに作用することによって、基板10の設置面10aに対して平行な方向である1軸方向に変位する。すなわち、スライドキー30は、発光部11と受光部12とを結ぶ直線に平行な1軸方向にスライドする。
【0025】
図4〜7に示されるように、拡散板14は、操作者の力が操作面30aに作用することによりスライドキー30がスライドする向きと同じ向きに移動することによって、受光部12が受光する光の密度を変化させる部材である。拡散板14の移動方向は、発光部11と受光部12とを結ぶ直線に平行な方向である。図4,5は、X軸負側方向であるX(−)方向にスライドキー30が操作された状態であって、拡散板14と受光部12とのX軸方向の距離が短い状態を示す。図6,7は、X軸正側方向であるX(+)方向にスライドキー30が操作された状態であって、拡散板14と受光部12とのX軸方向の距離が長い状態を示す。
【0026】
発光部11から照射された照射光が受光部12で受光されたときの適正な受光量を確保できるように、基板10、スライドキー40、ケース40は、遮光性の高い材質で生成されていることが好ましい。
【0027】
図8,9に示されるように、発光部11は、受光部12に向けて光を照射する。発光部11の発光面11aがX軸方向に向き、受光部12の受光面12aがX軸方向に直交するZ軸方向に向いている。発光部11の発光面11aから照射された照射光が受光部12の受光面12aで受光されたときの適正な受光量を確保できるように、発光部11の発光面11aから照射された照射光を受光部12の受光面12aに導光する導光部13を備える。導光部13は、発光部11の発光面11aからのX軸方向の入射光を、導光部13の反射面によって反射させて、受光部12の受光面12aに到達させる。導光部13の形状は、三角柱でもよいし、他の形状でもよい。また、導光部13は、基板10の設置面10a側に設置されており、図9の場合、受光部12の受光面12aに設置されている。
【0028】
図10〜12は、発光部11の照射光が拡散板14によって拡散された状態を示した図である。図10〜12は、Z軸方向から見た図である。発光部11と受光部12との距離が一定であるため、図10〜12から明らかなように、拡散板14のX(+)方向への変位量が大きくなるにつれて(すなわち、拡散板14と受光部12との距離が長くなるにつれて)、受光部12が受光する光量が少なくなるため、受光面12aの面積が一定である受光部12が受光した光の密度は小さくなる(疎になる)。逆に、拡散板14のX(−)方向への変位量が大きくなるにつれて(すなわち、拡散板14と受光部12との距離が短くなるにつれて)、受光部12が受光する光量は多くなるため、受光面12aの面積が一定である受光部12が受光した光の密度は大きくなる(密になる)。
【0029】
図13は、光の拡散部材である拡散板14の拡散機能を説明するための図である。光の透過性を有する拡散板の中に、同じく透過性を有し且つ屈折率が異なる物体(例えば、球状物体)が包含する。入射した光は、拡散板に包含された当該物体を透過する際、屈折を起こす。そして、その光が、複数の当該物体によって様々な角度で屈折を起こさせられることにより、無秩序な方向に広がっていく。まったく広がりを持たない光(無限光)であっても、拡散板を通過した後は、拡散板と受光部との距離が長くなるにつれて、受光部で受光した光の密度は減少する。
【0030】
図14は、操作入力装置1を介して入力された操作入力を検出する操作入力検出装置の主要部を示したブロック図である。本操作入力検出装置は、操作入力装置1と、受光部12が受光する光の密度に応じた出力信号に基づいて、拡散板14の動きを検知する検知手段とを備える。拡散板14の動きは操作入力に応じて変化するので、拡散板14の動きを検知することによって、拡散板14の動きに対応した操作入力を検出することができる。操作入力の検出によって、検出された操作入力に応じた操作内容を所定のコンピュータに把握させることができる。
【0031】
拡散板14の動きを検知する検知手段は、例えば、受光部12が発光部11の発光に同期して受光した光の密度に応じた出力信号に基づいて、拡散板14の動きを表す動作態様を検知する。つまり、該検知手段は、受光部12が受光した光の密度に応じた出力信号に基づいて、受光部12が発光部11の発光に同期して受光した光の密度に対応する拡散板14の動作態様を検知する。
【0032】
図14に例示した操作入力検出装置の検知手段は、受光部12が発光部11の発光に同期して受光した光の密度に対応する拡散板14の動作態様として、操作入力装置1の拡散板14の変位状態(特に、拡散板14のX軸方向の位置)を検知することができる。拡散板14の変位状態を検知できるのは、操作入力装置1の拡散板14のX軸方向の位置が、受光部12が発光部11の発光に同期して受信した光の密度に対応しているからである。
【0033】
図14に例示した操作入力検出装置は、拡散板14の動きを検知する検知手段として、演算手段であるCPU60と、CPU60の出力ポート61に接続された駆動回路66と、CPU60の入力ポートであるADポート63に接続された受信回路67とを備える。
【0034】
駆動回路66は、CPU60からの制御信号に従って、操作入力装置1の入力部11bを介して、操作入力装置1の発光部11を発光させるための駆動信号を出力する。駆動回路66は、例えば、発光部11を駆動するトランジスタ等の駆動ドライバーを備える。受信回路67は、操作入力装置1の出力部12bを介して、操作入力装置1の受光部12からの出力信号を受信する。
【0035】
出力部12bは、受光部12が受光した光の密度に応じた出力信号を出力する。受光部12は自身が受光した光の密度に応じた電圧信号を出力する。したがって、出力部12bは、例えば、光の密度に応じた出力信号を出力し、光の密度が大きくなるほど大きな出力電圧を出力し、光の密度が小さくなるほど小さな出力電圧を出力する。受信回路67は、出力部12bからの出力電圧に応じたアナログ電圧信号をCPU60のADポート63に出力する。
【0036】
なお、入力部11bは、例えば、発光部11と駆動回路66とを結ぶための配線、及び、発光部11を発光させるための駆動信号を駆動回路66から発光部11に入力するための入力端子である。出力部12bは、例えば、受光部12と受信回路67とを結ぶための配線、及び、受光部12で受光した光の密度に応じた出力信号を受光部12から受信回路67に出力するための出力端子である。
【0037】
したがって、CPU60は、発光部11を定期的に発光させる一方で、発光部11の発光に同期して受光部12が受光した光の密度に応じたアナログ電圧信号を、ADポート63を介して取得することによって、拡散板14及び拡散板14と一体となって変位するスライドキー30のX軸方向の位置を検知することができる。
【0038】
このように、本実施例によれば、スライドキー30の変位に伴って変位する拡散板14及び拡散板14と一体となって変位するスライドキー30のX軸方向の位置を検知することができるので、スライドキー30を操作した操作者が意図した操作内容を、所定のコンピュータに把握させることができる。また、本実施例によれば、スライドキー30の変位方向と拡散板14の変位方向が同じX軸方向であるので、操作入力装置1のZ軸方向の寸法が抑えられ、操作入力装置1の低背化を容易に実現することができる。
【0039】
図15は、本発明の第2の実施例である操作入力装置2の分解図である。図16は、操作入力装置2の斜視図である。図17は、操作入力装置2の断面図である。上述の実施例と同様の部分については、その説明を省略又は簡略する。
【0040】
操作入力装置2は、複数の発光部(本実施例の場合、4個の発光部21〜24)と一つの受光部25が、互いに離間して設置される設置面20aを有する基板20を備える。基板20は、X,Y,Z軸によって定まる直交座標系のXY平面に対して平行な基準方向に、発光部21〜24と受光部25が互いに離間して設置された基部である。設置面20aは、低背化の点で、平面であることが好ましい。基板20は、樹脂製の基板(例えば、プリント基板)でもよいし、鉄やアルミニウム等の金属製の基板でもよい。
【0041】
発光部21〜24は、図18に示されるように、二次元の直交座標系の基準点である原点Oとの距離が等しい点を結んでできる仮想的な円の円周方向に並べられている。発光部21〜24は、スライドキー31の基準点(例えば、スライドキー31の中心点)のXY平面上の位置を検知しやすくするという点で、その円周方向に等間隔に配置されることが好ましい。発光部21〜24は、X(+),X(−),Y(+),Y(−)の4方向に、その円周方向に90°毎に配置されている。X(−)方向は、XY平面上でX(+)方向に対して180°反対向きの方向であり、Y(−)方向は、XY平面上でY(+)方向に対して180°反対向きの方向である。発光部21は、原点Oに対して正側のX軸上に配置され、発光部22は、原点Oに対して負側のY軸上に配置され、発光部23は、原点Oに対して負側のX軸上に配置され、発光部24は、原点Oに対して正側のY軸上に配置されている。
【0042】
受光部25は、XY平面に直交し且つ原点Oを通る直線上に位置するように、設置面20aに配置される。
【0043】
拡散板26は、発光部21〜24と受光部25との間で操作入力により可動することによって、受光部25が受光する光の密度を変化させる、光の拡散部材である(図15,図17参照)。発光部21〜24と受光部25との間に配置された拡散板26は、発光部21〜24と受光部25との間で可動することによって、受光部25に向かう光の拡散状態が変化することによって、受光部25が受光する光の密度を変化させる。操作入力の方向と同じ方向に移動する拡散板26は、受光部25との距離が操作入力により変化することによって、受光部25に向けての光の拡散状態が変化する。言い換えれば、操作入力の方向と同じ方向に移動する拡散板26は、発光部21〜24それぞれとの距離が操作入力により変化することによって、受光部25に向けての光の拡散状態が変化する。
【0044】
導光部27は、各発光部の発光面から照射された照射光を、導光部27の凸面外側で屈折させて、受光部25の受光面25aに導光する。導光部27の形状は、ドーム形状でもよいし、他の形状でもよい。また、導光部27は、基板20の設置面20a側に設置されており、図19の場合、受光部25の受光面25aに設置されている。
【0045】
また、操作入力装置2は、XY平面に対して平行な方向に変位可能に支持された変位部材であるスライドキー31を備える。板状のスライドキー31が、基板20に設けられた発光部21〜24の上側に配置されている。スライドキー31は、発光部21〜24が設置された設置面20aに対向する対向面31b(図15において、下側の面)と、操作者の力が作用しうる操作面31a(図15において、上側の面)とを有している。スライドキー31は、操作者の力が操作面31aに作用することにより、拡散板26を伴ってXY平面内を変位する変位部材である。これにより、拡散板26は、スライドキー31の変位と共に、スライドキー31と同じ変位方向に変位する。
【0046】
スライドキー31は、図20に示されるように、ケース42及びスライドキーホルダー43によってXY平面に平行な方向に移動可能に支持されている。操作者の力が操作面31aに作用されていない待機状態(初期状態)でのスライドキー31の位置を待機位置として、ケース42及びスライドキーホルダー43は、操作者の力が操作面31aに作用することによって、その待機位置からXY平面に平行な方向に移動できるように支持する。ケース42は、基板20に固定されている。
【0047】
スライドキーホルダー43の内径は、スライドキー31の外径に比べて小さい。これにより、スライドキー31を、ケース42とスライドホルダー43との間に挟んで、XY平面に平行な方向に変位可能に支持することができる(図17,20参照)。
【0048】
スライドキー31、ケース42、基板20は、発光部21〜24から照射された光が外部に漏れないようにするため、遮光性の高い材質で生成されていることが好ましい。
【0049】
拡散板26は、図21に示されるように、スライドキー31の対向面31bに接続され、スライドキー31とともにXY平面に対して平行に変位自在に移動する。
【0050】
図22〜31は、操作者が操作入力装置2を操作するときの操作入力装置2の状態を説明するための図である。
【0051】
拡散板26は、図22に示されるように、複数の側面を有する環状の光の拡散部材である。拡散板26の各側面は、板状の側面である。拡散板26の第1の側面26aに発光部21が対向し、拡散板26の第2の側面26cに発光部22が対向し、拡散板26の第3の側面26eに発光部23が対向し、拡散板26の第4の側面26gに発光部24が対向する。つまり、発光部21〜24が拡散板26の側面に対して外側に並べられている。一方、受光部25は、拡散板26の側面に囲まれ、拡散板26の側面に対して内側に配置される。拡散板26の各側面の板厚は一定であり、各側面の板厚はすべて等しい。
【0052】
図22は、スライドキー31の背面である操作面31aに操作者が力を加えていない状態での、発光部21〜24、受光部25、拡散板26の位置関係を示した図である。操作者が力を加えていない図22の待機状態では、スライドキー31はXY平面のセンターに位置する。図23は、スライドキー31の背面である操作面31aに操作者が力を加えていない状態で、発光部21から照射された光が拡散板26の側面26aによって拡散した拡散状態を示した図である。
【0053】
図24は、スライドキー31をX(+)方向にスライドさせた状態を示した図である。図24は、スライドキー31の操作面31aを対向して見た図である。図25は、スライドキー31をX(+)方向にスライドさせた状態での、発光部21〜24、受光部25、拡散板26の位置関係を示した図である。図24,25に示されるように、スライドキー31のX(+)方向へのスライドに連動して、拡散板26がX(+)方向にスライドする。
【0054】
拡散板26は、操作者の力が操作面31aに作用することによりスライドキー31がスライドする向きと同じ向きに移動することによって、受光部25が受光する光の密度を変化させる部材である。
【0055】
図26は、発光部21から照射された光が拡散板26によって拡散した拡散状態を示した図である。図26(A)は、スライドキー31がX(−)方向にスライドした場合を示し、図26(B)は、スライドキー31が基準位置(XY平面のセンター)に位置する場合を示し、図26(C)は、スライドキー31がX(+)方向にスライドした場合を示している。拡散板26の側面26aと受光部21との距離は、図26(A)(B)(C)の順番で、短い。
【0056】
図27は、拡散板26と受光部25との距離と受光部25で受光した光の密度との関係を示した図である。発光部の発光面と受光部の受光面との距離が一定のとき、その間に配置された拡散板が発光部に近づくにつれて、拡散板から受光部までの距離が長くなる。拡散板から受光部までの距離が長くなれば、拡散板の面から拡散される光の拡散角度は変わらなくても、受光部の受光面積が変わらなければ、受光部で受ける光量は減少するため、受光部で受光する光の密度は小さく変化する。逆に、拡散板から受光部までの距離が短くなれば、受光部で受光する光の密度は大きく変化する。
【0057】
図28〜図31は、スライドキー31をX(+)方向とY(+)方向を合わせた斜め方向にスライドさせた状態を示している。図28は、スライドキー31の操作面31aを対向して見た図である。図29は、スライドキー31の対向面31bを対向して見た図である(基板20等を省略)。
【0058】
図30に示されるように、各発光部と各発光部に対向する拡散板の側面との距離に関し、発光部21と側面26aとの距離及び発光部24と側面26gとの距離が短くなり、発光部22と側面26cとの距離及び発光部23と側面26eとの距離が長くなる。
【0059】
また、拡散板26の一側面において板厚が一定部分の長さが、該一定部分の長さの方向(図31の場合、Y軸方向)に拡散板26が変位可能な最大変位量以上の長さとなるように、X軸方向とY軸方向のそれぞれについて、拡散板26の側面形状を形成する。このように形成することによって、該一定部分の長さの方向に拡散板26が変位しても、該一定部分の長さの方向に直交する方向(図31の場合、X軸方向)の変位の検出を担当する発光部から照射される光の拡散程度(すなわち、受光部25が受光した光の密度)を変わらないようにすることができる。つまり、X軸方向の変位とY軸方向の変位については、独立してそれらの方向の各変位量を取り出せる。このように形成した環状の拡散板26の外形は、4角形以上の多角形の形状になる。図示の拡散板26の外形は、8角形である。
【0060】
図32は、操作入力装置2を介して入力された操作入力を検出する操作入力検出装置の主要部を示したブロック図である。上述の操作入力装置1の場合と同様に、本操作入力検出装置は、操作入力装置2と、受光部25が受光する光の密度に応じた出力信号に基づいて、拡散板26の動きを検知する検知手段とを備える。
【0061】
拡散板26の動きを検知する検知手段は、例えば、受光部25が発光部21〜24それぞれの発光に同期して受光した光の密度に応じた出力信号に基づいて、拡散板26の動きを表す動作態様を検知する。つまり、該検知手段は、受光部25が受光した光の密度に応じた出力信号に基づいて、受光部25が発光部21〜25それぞれの発光に同期して受光した光の密度に対応する拡散板26の動作態様を検知する。
【0062】
図32に例示した操作入力検出装置の検知手段は、受光部25が発光部21〜24それぞれの発光に同期して受光した光の密度に対応する拡散板26の動作態様として、操作入力装置2の拡散板26の変位状態(特に、拡散板26のXY平面上の位置)を検知することができる。拡散板26の変位状態を検知できるのは、操作入力装置2の拡散板26のX軸方向の位置が、受光部25が発光部21の発光に同期して受光した光の密度と受光部25が発光部23の発光に同期して受光した光の密度との差であるX軸方向差分値に対応しているからである。同様に、操作入力装置2の拡散板26のY軸方向の位置が、受光部25が発光部22の発光に同期して受光した光の密度と受光部25が発光部24の発光に同期して受光した光の密度との差であるY軸方向差分値に対応しているからである。
【0063】
図32に例示した操作入力検出装置は、拡散板26の動きを検知する検知手段として、演算手段であるCPU60と、CPU60の出力ポート76に接続された駆動回路71と、CPU60の出力ポート77に接続された駆動回路72と、CPU60の出力ポート78に接続された駆動回路73と、CPU60の出力ポート79に接続された駆動回路74と、CPU60の入力ポートであるADポート63に接続された受信回路75とを備える。
【0064】
駆動回路71は、CPU60からの制御信号に従って、操作入力装置2の入力部21bを介して、操作入力装置2の発光部21を発光させるための駆動信号を出力する。駆動回路71は、例えば、発光部21を駆動するトランジスタ等の駆動ドライバーを備える。駆動回路72,73,74についても同様である。受信回路75は、操作入力装置2の出力部25bを介して、操作入力装置2の受光部25からの出力信号を受信する。
【0065】
出力部25bは、受光部25が受光した光の密度に応じた出力信号を出力する。受光部25は自身が受光した光の密度に応じた電圧信号を出力する。したがって、出力部25bは、例えば、光の密度に応じた出力信号を出力し、光の密度が大きくなるほど大きな出力電圧を出力し、光の密度が小さくなるほど小さな出力電圧を出力する。受信回路75は、出力部25bからの出力電圧に応じたアナログ電圧信号をCPU60のADポート63に出力する。
【0066】
なお、入力部21bは、例えば、発光部21と駆動回路71とを結ぶための配線、及び、発光部21を発光させるための駆動信号を駆動回路71から発光部21に入力するための入力端子である。入力部22b〜24bについても同様である。出力部25bは、例えば、受光部25と受信回路75とを結ぶための配線、及び、受光部25で受光した光の密度に応じた出力信号を受光部25から受信回路75に出力するための出力端子である。
【0067】
図33は、拡散板26及び拡散板26と一体となって移動するスライドキー31のXY平面上の位置(すなわち、XY平面上での変位量と変位方向)の検出方法を説明するための図である。操作入力検出装置のCPU60は、各発光部を逐次発光させ、それらの発光に同期して受光した信号を、各透過光量(光の密度)として評価する。複数の発光部が発光した光を同時に受光することを避けるため、CPU60によって、各発光部の発光タイミングが、ずらされている。拡散板26の動作態様は、全ての発光部からの光を受光部が一通り受光するたびに、CPU60によって検知される。
【0068】
図33(a)に示されるように、拡散板26の中心点がセンターにある場合、各受光信号は同じレベルである。一方、図33(b)に示されるように、拡散板26をY(+)方向に移動させると、発光部24から拡散板26までの距離が縮まる(拡散板26の側面のうち発光部24が対向している側面から受光部25までの距離が伸びる)ため、発光部24が照射した光を受光部25で受光することによって得られる受光量は減少すると同時に、受光部25で受光した光の密度は減少する。逆に、発光部24の対面に配置された発光部22から拡散板26までの距離が伸びる(拡散板26の側面のうち発光部22が対向している側面から受光部25までの距離が縮まる)ため、発光部22が照射した光を受光部25で受光することによって得られる受光量は増加すると同時に、受光部25で受光した光の密度は増加する。拡散板26をY(−)方向に移動させた場合は、その逆である。また、拡散板26をX(+)又はX(−)方向に移動させた場合も、同様に考えることができる。
【0069】
さらに、図33(c)に示されるように、Y(+)方向の入力に加え、X(+)方向にも拡散板26を移動させた場合、発光部22,24が照射した光の受光量は図33(b)の場合に対して変化せず、発光部21,23が照射した光の受光量が変化する。図33(c)の場合、発光部21が照射した光に対応する受光部25での受光量は減少すると同時に、受光部25で受光した光の密度は減少する一方で、発光部23が照射した光に対応する受光部25での受光量は増加すると同時に、受光部25で受光した光の密度は増加する。
【0070】
また、X方向とY方向のそれぞれで、発光部を対で配置しているため、対の発光部が照射した光の受光量が同じであれば、X方向とY方向それぞれのセンターの位置が正確に判断できる。
【0071】
このように、本実施例によれば、スライドキー31の変位に伴って変位する拡散板26及び拡散板26と一体となって変位するスライドキー31のXY平面の位置を検知することができるので、スライドキー31を操作した操作者が意図した操作内容を、所定のコンピュータに把握させることができる。また、本実施例によれば、スライドキー31の変位方向と拡散板26の変位方向が同じXY平面上であるので、操作入力装置2のZ軸方向の寸法が抑えられ、操作入力装置2の低背化を容易に実現することができる。
【0072】
なお、図34に示されるように、発光部は、X方向の位置検出用にX軸上に1個だけ備えるとともに、Y方向の位置検出用にY軸上に1個だけ備えた構成でもよい。予め機械的にXY平面のセンターにしたときのX,Yの各方向についての受光量を、XY平面のセンター位置(ゼロ点)に対応する受光量として予め記憶しておく。その記憶値をゼロ点として使って、X方向とY方向の検出を行えばよい。
【0073】
図35は、本発明の第3の実施例である操作入力装置3の分解図である。図36は、操作入力装置3の断面図である。上述の実施例と同様の部分については、その説明を省略又は簡略する。
【0074】
操作入力装置3は、XY平面に平行な方向に変位可能に支持された変位部材であるスライド板33及び回転キー32を備える。図38に示されるように、操作部である回転キー32は、スライド板33の中央部を貫通する孔にXY平面内で回転自在に嵌合した状態で、スライド板33によってXY平面に平行な方向に移動可能に支持されている。スライド板33は、ケース42によって、XY平面に平行な方向に移動可能に支持されている。これにより、回転キー32は、XY平面内で回転させることができるとともに、XY平面上を変位させることがする。
【0075】
拡散板28は、図37に示されるように、回転キー32と一体に組み合わされる、光の拡散部材である。したがって、回転キー32の回転方向と同じ方向に拡散板28は回転するとともに、回転キー32がXY平面上で変位した方向と同じ方向に拡散板28は変位する。
【0076】
図39に示されるように、外形が8角形の拡散板28が有する8つの側面のうち、外角45°で隣り合う2つの側面(例えば、側面28aと側面28b)の板厚は、互いに異なっている。また、拡散板28の対向する側面同士(例えば、側面28aと側面28e)の板厚は等しい。拡散板28を45°回転させる毎に、発光部と受光部とを結ぶ直線方向(光路方向)での拡散板の側面の板厚が変化することにより、受光部25で受光される光の密度が変化する。この場合、発光部と受光部とを結ぶ直線方向での拡散板の側面の厚みは2種類存在し、拡散板の側面の厚みが薄い方で受光部25が受光する光の密度が、拡散板の側面の厚みが厚い方で受光部25が受光する光の密度に比べて、高い。したがって、回転方向に関して2種類の回転角状態(すなわち、回転方向に回転したときの拡散板28の2状態)を検出できる。これにより、例えば、所定の電子機器の動作モードを2種類のモードの中から選択するモード選択機能を実現することができる。
【0077】
図39〜40は、拡散板28の変位状態を示している。図39は、拡散板28の全側面のうち板厚が厚い方の側面が発光部21〜24に対向している状態を示している。図39の状態から拡散板28が45°回転することにより、図40に示されるように、拡散板28の全側面のうち板厚が薄い方の側面が発光部22〜24に対向する。また、図41に示されるように、図40に示された対向状態から、回転キー32をX(+)方向とY(+)方向とを合わせた斜め方向に変位させることによって、図40に示された対向状態を維持したまま、拡散板28を当該斜め方向に変位させることができる。
【0078】
本実施例の操作入力装置3を介して入力された操作入力を検出する操作入力検出装置の主要部は、図32と同様でよい。拡散板28及び拡散板28と一体となってXY平面内を移動する回転キー32及びスライド板33のXY平面上の位置(すなわち、XY平面上での変位量と変位方向)の検出方法は、図33と同様でよい。
【0079】
操作入力装置3の操作入力を検出する操作入力検出装置の検知手段は、受光部25が発光部21〜24それぞれの発光に同期して受光した光の密度に対応する拡散板28の動作態様として、操作入力装置3の拡散板28の変位状態(特に、拡散板28のXY平面上の位置)及び拡散板28の回転した状態を検知することができる。拡散板28の回転した状態を検知できるのは、操作入力装置3の拡散板28がXY平面内を回転したときの拡散板28の位置状態が、受光部25が発光部21〜24それぞれの発光に同期して受光した光の密度の合計値に対応しているからである。
【0080】
このように、本実施例によれば、回転キー32及びスライド板33の変位に伴って変位する拡散板28及び拡散板26と一体となって変位する回転キー32及びスライド板33のXY平面の位置及びXY平面内での回転した状態を検知することができるので、回転キー32を操作した操作者が意図した操作内容を、所定のコンピュータに把握させることができる。また、本実施例によれば、回転キー32の変位方向と拡散板28の変位方向が同じXY平面上であるので、操作入力装置3のZ軸方向の寸法が抑えられ、操作入力装置3の低背化を容易に実現することができる。
【0081】
なお、図42に示されるように、拡散板28の一の側面の板厚が、該一の側面の両側の側面いずれの板厚とも異なるようにしてもよい。図42は、3種類の板厚の側面で構成された光の拡散部材である拡散板29の外形図である。拡散板29は、その外形が12角形である。拡散板29の側面29bの板厚d2は、側面29bの一方の側で隣り合う側面29aの板厚d1とも異なり、側面29bのもう一方の側で隣り合う側面29cの板厚d3とも異なる。また、拡散板29の対向する側面同士(例えば、側面29aと側面29g)の板厚は等しい。
【0082】
この場合、発光部と受光部とを結ぶ直線方向での拡散板の側面の厚みは3種類存在し、
拡散板の側面の厚みが薄い部分に対し拡散板の厚みが厚くなるにつれ拡散度合いが高くなり、受光部25が受光する光の密度が低くなる。したがって、回転方向に関して3種類の回転角状態(すなわち、回転方向に回転したときの拡散板29の3状態)を検出できる。これにより、例えば、所定の電子機器の動作モードを3種類のモードの中から選択するモード選択機能を実現することができる。
【0083】
さらに、発光部と受光部とを結ぶ直線方向での拡散板の側面の厚みを少なくとも3種類備えることによって、回転角の状態を3種類入力できるだけでなく、「回転方向」の検出ができるようになる。図42の場合、時計回りでは、状態1,3,2,1,3,2の順番で遷移し、反時計回りでは、状態1,2,3,1,2,3の順番で遷移する。例えば、状態2に対応する受光密度が検出されている状態から、状態1に対応する受光密度が検出されるか状態3に対応する受光密度が検出されるかで、拡散板29、すなわち回転キー32の回転している方向が検出できる。
【0084】
図43は、本発明の第4の実施例である操作入力装置4の分解図である。上述の実施例と同様の部分については、その説明を省略又は簡略する。
【0085】
操作入力装置4は、1つの発光部85と複数の受光部(本実施例の場合、4つの受光部81〜84)が、互いに離間して設置される設置面20aを有する基板20を備える。
【0086】
受光部81〜84は、図44に示されるように、二次元の直交座標系の基準点である原点Oとの距離が等しい点を結んでできる仮想的な円の円周方向に並べられている。受光部81〜84は、スライドキー31の基準点(例えば、スライドキー31の中心点)のXY平面上の位置を検知しやすくするという点で、その円周方向に等間隔に配置されることが好ましい。受光部81〜84は、X(+),X(−),Y(+),Y(−)の4方向に、その円周方向に90°毎に配置されている。受光部81は、原点Oに対して正側のX軸上に配置され、受光部82は、原点Oに対して負側のY軸上に配置され、受光部83は、原点Oに対して負側のX軸上に配置され、受光部84は、原点Oに対して正側のY軸上に配置されている。
【0087】
発光部85は、XY平面に直交し且つ原点Oを通る直線上に位置するように、設置面20aに配置される。
【0088】
拡散板26は、受光部81〜84と発光部85との間で操作入力により可動することによって、受光部81〜84それぞれが受光する光の密度を変化させる、光の拡散部材である。
【0089】
導光部27は、発光部の発光面から照射された照射光を、導光部27の凸面内側で屈折させて、受光部81〜84の各受光面に導光する。導光部27の形状は、ドーム形状でもよいし、他の形状でもよい。また、導光部27は、基板20の設置面20a側に設置されており、図45の場合、発光部85の発光面85aに設置されている。したがって、図46に示されるように、導光部27によって、互いに異なる4方面にそれぞれ位置する4つの受光部で光を受光させることができる。
【0090】
図47は、操作入力装置4を介して入力された操作入力を検出する操作入力検出装置の主要部を示したブロック図である。本操作入力検出装置は、操作入力装置4と、受光部81〜84が受光する光の密度に応じた出力信号に基づいて、拡散板26の動きを検知する検知手段とを備える。
【0091】
拡散板26の動きを検知する検知手段は、例えば、受光部81〜84が発光部85の発光に同期して受光した光の密度に応じた出力信号に基づいて、拡散板26の動きを表す動作態様を検知する。CPU60は、発光部85を定期的に発光させ、発光部85の発光に同期して各受光部で受光した信号を、拡散板26を透過した光の透過光量(密度)として評価する。
【0092】
操作入力装置4の場合、発光点を1箇所とし受光点を4箇所とすることにより、上述の実施例のように、発光部を受光タイミングに合わせて逐次発光する必要がなくなる。発光した光線を各方向に分散して各方向で同時に受光できるようにしているため、各受光部で受光された光の密度を同時に評価できる。つまり、操作入力装置2の場合に比べて、理論上、拡散板26及び回転キー31の位置及び回転の検出スピードを4倍にすることができる。
【0093】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形、改良及び置換を加えることができる。
【0094】
例えば、本発明に係る操作入力装置と操作入力検出装置の実施例は、上述の実施例を組み合わせたものでもよい。
【0095】
また、第1の実施例の操作入力装置1において、拡散板14をスライドさせることによって、受光した光の密度を変化させる場合を示したが、拡散板14を回動させることによって、受光した光の密度を変化させてもよい。また、環状の拡散板が構成された操作入力装置において、環状の拡散板がスライド移動せずに回動のみするものでもよい。
【0096】
また、手指に限らず、手のひらで操作するものあってもよい。また、足指や足の裏で操作するものであってもよい。また、操作部であるキーの操作面は、平面でも、凹面でも、凸面でもよい。
【0097】
また、環状拡散部材の隣り合う側面の板厚が互いに異なる実施例として、環状拡散板の外側の形状が多角形で形成された例を示したが、図48に示された環状の拡散板28−1のように、その内側の形状が多角形で形成されたものでもよい。
【符号の説明】
【0098】
1,2,3,4 操作入力装置
10,20 基板
10a,20a 設置面
11,21,22,23,24 発光部
11a 発光面
11b 入力部
12,25 受光部
12a 受光面
12b 出力部
13,27 導光部
14,26,28,28−1,29 拡散板
30,31 スライドキー
30a 操作面
30b 対向面
32 回転キー
33 スライド板
40,42 ケース
41 スライド溝
43 スライドキーホルダー
44 スライド板ホルダー
60 CPU
61,76,77,78,79 出力ポート
63 ADポート
66,71,72,73,74 駆動回路
67,75 受信回路
81,82,83,84 受光部
85 発光部
85a 発光面
91,92,93,94 導光部
101,102,103,104 受信回路
105 駆動回路
111 出力ポート
121,122,123,124 ADポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と受光部が離間して設置された基部と、
前記発光部と前記受光部との間で操作入力により可動することによって、前記受光部が受光する光の密度を変化させる、光の拡散部材と、
前記密度に応じた出力信号を出力する出力部とを備える、操作入力装置。
【請求項2】
前記拡散部材が、スライド及び/又は回動する、請求項1に記載の操作入力装置。
【請求項3】
前記拡散部材が、複数の側面を有する環状拡散部材であって、
前記発光部と前記受光部が該環状拡散部材の側面に対して内側と外側で隔てられる、請求項1又は2に記載の操作入力装置。
【請求項4】
前記発光部を複数有し、
前記発光部のそれぞれが、前記環状拡散部材の側面に対して外側に並べられ、
前記受光部が、前記環状拡散部材の側面に対して内側に設置される、請求項3に記載の操作入力装置。
【請求項5】
前記受光部を複数有し、
前記受光部のそれぞれが、前記環状拡散部材の側面に対して外側に設置される、請求項3に記載の操作入力装置。
【請求項6】
前記環状拡散部材の一側面において板厚が一定部分の長さが、該一定部分の長さの方向に前記環状拡散部材が変位可能な最大変位量以上の長さである、請求項3から5のいずれか一項に記載の操作入力装置。
【請求項7】
前記環状拡散部材の隣り合う側面の板厚が互いに異なる、請求項3から6のいずれか一項に記載の操作入力装置。
【請求項8】
前記環状拡散部材の一の側面の板厚が、該一の側面の両側の側面のいずれの板厚とも異なる、請求項7に記載の操作入力装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の操作入力装置と、
前記受光部が受光する光の密度に応じた出力信号に基づいて、前記拡散部材の動きを検知する検知手段とを備える、操作入力検出装置。
【請求項10】
前記拡散部材の動きが、前記受光部が前記発光部の発光に同期して受光した光の密度に応じた出力信号に基づいて、検知される、請求項9に記載の操作入力検出装置。
【請求項11】
請求項4に記載の操作入力装置と、
前記受光部が前記発光部それぞれの発光に同期して受光した光の密度に応じた出力信号に基づいて、前記拡散部材の動きを検知する検知手段とを備える、操作入力検出装置。
【請求項12】
請求項5に記載の操作入力装置と、
前記受光部それぞれが前記発光部の発光に同期して受光した光の密度に応じた出力信号に基づいて、前記拡散部材の動きを検知する検知手段とを備える、操作入力検出装置。
【請求項13】
請求項7又は8に記載の操作入力装置と、
前記受光部が受光する光の密度に応じた出力信号に基づいて、前記拡散部材の位置と回転を検知する検知手段とを備える、操作入力検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−108207(P2011−108207A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265721(P2009−265721)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】