操作制御装置、操作制御方法およびコンピュータプログラム
【課題】操作コストを低減し、操作性を向上させることが可能な、新規かつ改良された操作制御装置を提供する。
【解決手段】本発明の操作制御装置は、文字情報を入力する入力領域を表示する表示部に設けられ、入力領域を操作するために操作体が表示部の表示面を押圧する圧力を検出する圧力検出部と、圧力検出部により検出された圧力の変化に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える操作制御部と、を備える操作制御装置が提供される。操作制御部は、圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定し、その後圧力検出部により検出された圧力の変化および入力が決定された文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える。
【解決手段】本発明の操作制御装置は、文字情報を入力する入力領域を表示する表示部に設けられ、入力領域を操作するために操作体が表示部の表示面を押圧する圧力を検出する圧力検出部と、圧力検出部により検出された圧力の変化に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える操作制御部と、を備える操作制御装置が提供される。操作制御部は、圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定し、その後圧力検出部により検出された圧力の変化および入力が決定された文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作制御装置、操作制御方法およびコンピュータプログラムに関し、より詳細には、携帯情報端末の文字入力に使用されるソフトウェアキーボードを用いた操作制御装置、操作制御方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子技術の発達により、タッチスクリーンを利用した携帯情報端末が広く普及している。このような携帯情報端末を利用して所定の文字を入力するためには、ディスプレイ上に表示される、実際のキーボードと同一の配置のソフトウェアキーボードを利用し、該当するキーを指先またはタッチペン等の操作体で押下すればよい。しかしながら、従来のタッチスクリーンを利用した携帯情報端末に表示されるソフトウェアキーボードは、制限されたスクリーン領域内に実際のキーボードと同一に表示されるため、キーボードのキーが小さくなってしまう。このため、ユーザの眼の疲労は激しく、誤打が生じやすくなる。タッチスクリーンの領域が小さい装置においては、この問題はさらに顕著となる。
【0003】
このような問題を解決するために、加えた圧力を検知可能な感圧センサを用いてキー入力を行う手法が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の手法では、50音仮名テーブルの先頭仮名文字(すなわち、「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や」「ら」「わ」)のみを各ブロックに割り当てて、先頭仮名文字から所定の一文字(例えば、「な」)がタッチされると、タッチされた先頭仮名文字に属する従属仮名文字(例えば、「な」「に」「ぬ」「ね」「の」)を表示する。このとき、操作体がタッチしたときの圧力の大きさに応じて、ユーザの選択希望文字へフォーカスを移動した後、操作体が接触面からリリースされることで文字の選択が可能となる。これにより、先頭仮名文字から従属仮名文字を選択する操作において、手や視線の移動量を最小化し、限られた画面面積を効率的に利用したソフトウェアキーボードを実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−119882号公報
【特許文献2】特開2006−39745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、現状のソフトウェアキーボードを構成する要素として、単純なキー入力の他に、例えば、ユーザが入力するであろうと思われる言葉を予測し、候補として表示する予測変換入力がある。また、検索窓のような状況においては、入力された情報に対してインターネット上で頻繁に入力されているキーワードを補間するオートコンプリート入力がある。例えば、図12に示すように、通常のキー入力画面10、予測変換入力画面20およびオートコンプリート入力画面30がそれぞれ別のウィンドウとして表示されるとする。ここで、予測変換入力はキー入力の次に行われる上位操作であり、オートコンプリート入力は予測変換入力の次に行われる上位操作である。
【0006】
キー入力画面10から「S」「O」「N」の文字が入力されたとすると、予測変換入力画面20には、キー入力画面10から入力された文字から予測される文字列(例えば、「SONG」、「孫」、「尊」等)が表示される。次いで、予測変換入力画面20の1つの文字列(例えば、「SONG」)が選択されると、オートコンプリート入力画面30に、選択された文字列にキーワードが補間して表示される。このように、通常のキー入力に加えて予測変換入力、オートコンプリート入力を利用して文字列を入力する場合には、ユーザは、目的とする文字列入力を完了するまでに、3つのキー入力を行わなければならない。
【0007】
また、操作するキーがそれぞれ独立した3つの画面に表示されるため、キー入力画面10から予測変換入力画面20での操作移行時、および予測変換入力画面20からオートコンプリート入力画面30の操作へ移行する際、手や視線を移動させなければならない。したがって、キー入力のトータル操作コストとしては、3つのキー入力コストに加えて、各画面に移動する際の視線移動コストや指移動コストが別途かかることになる。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、操作コストを低減し、操作性を向上させることが可能な、新規かつ改良された操作制御装置、操作制御方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、文字情報を入力する入力領域を表示する表示部に設けられ、入力領域を操作するために操作体が表示部の表示面を押圧する圧力を検出する圧力検出部と、圧力検出部により検出された圧力の変化に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える操作制御部と、を備える操作制御装置が提供される。操作制御部は、圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定し、その後圧力検出部により検出された圧力の変化および入力が決定された文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える。
【0010】
本発明によれば、操作体により表示面を押圧して入力する文字情報を選択した後、操作体が表示面を押圧する力を所定時間に所定の割合以上減少させることにより、選択された文字情報の入力を決定する。その後、操作体が表示面を押圧する力を変化させると、圧力の変化および入力が決定された文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替えることができる。このように、操作体が表示面を押圧する力の大きさによって入力形態の切り替えを操作することができるので、操作体の移動量や視線移動量の削減を実現することができる。
【0011】
ここで、操作制御部は、選択されている文字情報の入力を決定した後、圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、既に入力された文字情報を補間する情報を入力するための上位の入力形態に切り替え、圧力検出部により検出された圧力が、操作体が表示部の表示面から離隔されたと判断されるリリース閾値を下回ったとき、予め設定された入力形態に切り替えるようにしてもよい。
【0012】
また、操作制御部は、一文字ずつ文字を入力可能な文字入力モードにおいて、圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている文字の入力を決定し、その後圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、既に入力された文字に連続して入力されると予測される1または2以上の予測変換文字列を表示部に表示させ、予測変換文字列を入力可能な予測変換入力モードに切り替えるようにしてもよい。
【0013】
さらに、操作制御部は、予測変換入力モードにおいて、圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている予測変換文字列の入力を決定し、その後圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、入力が決定された予測変換文字列を補間する文字列が追加されたオートコンプリート文字情報を表示部に表示させ、オートコンプリート文字情報を入力可能なオートコンプリート入力モードに切り替えるようにしてもよい。
【0014】
また、操作制御部は、一文字ずつ文字を入力可能な文字入力モードにおいて、圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている文字情報の入力を決定し、その後圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、文字入力モードにおいて入力が決定された文字を繰り返し入力することの可能な繰り返し入力モードに切り替えるようにすることもできる。
【0015】
圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたときに、操作体が操作する1つの入力領域に対して複数の文字情報が対応付けられている場合、操作制御部は、圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、当該入力領域に対応付けられた複数の文字情報を表示部に表示させ、当該文字情報を入力可能な従属文字情報入力モードに切り替え、圧力検出部により検出された圧力が、操作体が表示部の表示面から離隔されたと判断されるリリース閾値を下回ったとき、入力領域に対応付けられた複数の文字情報のうち先頭文字情報の入力を決定し、予め設定された入力形態に切り替えるようにすることもできる。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、文字情報を入力する入力領域を表示する表示部の表示面を、入力領域を操作するために操作体が押圧する圧力を検出するステップと、検出された圧力が所定時間に所定の割合以上減少したとき、表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定するステップと、その後検出された圧力の変化および入力が決定された文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替えるステップと、を含む、操作制御方法が提供される。
【0017】
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに上記の操作制御装置として機能させるためのコンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、コンピュータが備える記憶装置に格納され、コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより、そのコンピュータを上記の操作制御装置として機能させる。また、コンピュータプログラムが記録された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスクや光ディスクなどである。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、操作コストを低減し、操作性を向上させることが可能な、新規かつ改良された操作制御装置、操作制御方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる操作制御装置を備える入力表示装置の表示装置の構成を示す説明図である。
【図2】同実施形態にかかる操作制御装置を備える入力表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態にかかる入力表示装置の画面構成例を示す説明図である。
【図4】同実施形態にかかる入力表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5A】同実施形態にかかる操作制御装置による操作制御方法を示すフローチャートである。
【図5B】同実施形態にかかる操作制御装置による操作制御方法を示すフローチャートである。
【図6】従属仮名文字を選択する操作を示す説明図である。
【図7A】従属仮名文字を決定する操作を示す説明図である。
【図7B】従属仮名文字のフォーカス位置を戻す操作を示す説明図である。
【図8】従属仮名文字を決定後、予測変換窓を表示させる操作を示す説明図である。
【図9】予測変換文字列のスクロール操作を説明する説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態にかかる入力表示装において予測変換入力を行う操作を示す説明図である。
【図11】予測変換入力後、オートコンプリート入力を行う操作を示す説明図である。
【図12】従来の文字入力操作の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態(仮名文字を段階的に入力するソフトウェアキーボードの例)
2.第2の実施の形態(QWERTYキー配列のソフトウェアキーボードの例)
【0022】
<1.第1の実施形態>
[入力表示装置の表示装置の構成例]
まず、図1〜図3に基づいて、本発明の第1の実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置の表示装置の構成例や、入力表示装置の概要について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100の表示装置の構成を示す説明図である。図2は、本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態にかかる入力表示装置100の画面構成例を示す説明図である。
【0023】
本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100は、情報を表示する表示装置の表示面を操作体で接触したりさらに押圧したりすることにより、情報を入力可能な装置である。ユーザは、表示装置に表示されたアイコンや文字キー等のオブジェクトに操作体を接触させることにより、操作体が接触したオブジェクトを選択したり決定したりすることができる。また、ユーザは、操作体を表示面に接触させて移動させることにより、画面スクロール等の操作を行うこともできる。
【0024】
このような入力表示装置100の入力表示部(図4の符号110に対応)は、図1に示すように、表示装置104の表示面側に、シート状の感圧センサ106と、静電式タッチパネル105とを積層して構成される。
【0025】
静電式タッチパネル105は、表示面に対する操作体の接触を検出する検出部である。静電式タッチパネル105は、格子状に配置された静電センサを備えており、静電容量の変化によってその値を常時変化させる。静電センサに操作体である指が近付いたり触れたりした場合に、静電センサにより検知される静電容量が増加する。各静電センサの静電容量は同時に取得することが可能である。すべての静電センサの静電容量の変化を同時に検出し、補間することによって近接または接触している指の形を検出することが可能である。静電式タッチパネル105は、検出した静電容量の値を、CPU(Central Processing Unit;図2の符号101)へ出力する。
【0026】
また、感圧センサ106は、表示面を押圧する圧力を検出する検出部である。感圧センサ106は、例えば2枚のシートパネルで電極面を形成し、押された部分の通電を検出して位置を検出する抵抗膜感圧方式のセンサを用いることができる。感圧センサ106も、静電式タッチパネル105と同様に、押圧された位置を検出する検出点がシート内に複数配置されている。各検出点における通電は同時に検出することが可能である。感圧センサ106は、各検出点におけて検出された、表示面を押圧する圧力をCPUへ出力する。
【0027】
CPUは、静電式タッチパネル105および感圧センサ106から入力された各種情報と表示装置104に表示された表示内容の表示位置との対応付けを行い、操作体の動きを解析する。そして、CPUは、解析された操作体の動きから、入力表示装置100へ入力された入力情報を認識して、入力情報に対応する処理を実行する。このように、ユーザは、表示面に表示された内容を操作して、入力情報を入力することができる。なお、操作体を表示装置104の表示面に接触させたり押圧させたりするとき、実際、操作体は、表示装置104の表示面に接触しているのではなく静電式タッチパネル105の表面に接触している。このように、操作体が実際には静電式タッチパネル105の表面に接触している場合にも、以下では、「操作体を表示装置104の表示面に接触させる」として説明する場合がある。
【0028】
[ハードウェア構成]
次に、図2に基づいて、本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100のハードウェア構成について説明する。本実施形態にかかる入力表示装置100は、図2に示すように、CPU101と、RAM(Random Access Memory)102と、不揮発性メモリ103と、表示装置104と、静電式タッチパネル105と、感圧センサ106とを備える。
【0029】
CPU101は、上述したように、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って入力表示装置100内の動作全般を制御する。また、CPU101は、マイクロプロセッサであってもよい。RAM102は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバスにより相互に接続されている。不揮発性メモリ103は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。不揮発性メモリ103は、例えばROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等を用いることができる。
【0030】
表示装置104は、情報を出力する出力装置の一例である。表示装置104として、例えば液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置などを用いることができる。静電式タッチパネル105は、ユーザが情報を入力する入力装置の一例であって、情報を入力ための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU101に出力する入力制御回路などから構成されている。感圧センサ106も、静電式タッチパネル105と同様、ユーザが情報を入力する入力装置の一例である。静電式タッチパネル105および感圧センサ106は、上述したような構成とすることができる。
【0031】
ユーザは、静電式タッチパネル105および感圧センサ106を操作することにより、入力表示装置100に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。本実施形態の入力表示装置100では、静電式タッチパネル105を、操作制御処理を開始するための操作体の接触を検出する接触検出部として用い、感圧センサ106を、操作処理を切り替えるための操作を検出する圧力検出部として用いる。
【0032】
[画面構成例]
以下では、本実施形態の入力表示装置100に設けられた操作制御部によって、図3に示すようなソフトウェアキーボードを利用した文字入力の操作制御を行うことを想定する。本実施形態の入力表示装置100で利用するソフトウェアキーボードでは、ユーザは、入力する文字を段階的に決定していく。例えば、入力表示装置100において仮名文字を入力する場合について説明する。入力表示装置100の表示面は、図3の状態(a)に示すように、既に入力された文字を表示する入力文字表示領域202と、仮入力された仮入力表示領域204と、情報を入力する操作領域206とに区分されている。
【0033】
図3の状態(a)は、文字入力開始時の状態である。このとき、操作領域206には、先頭仮名文字が配列された先頭仮名文字配列キーボード210が表示された文字入力モードとなっている。先頭仮名文字配列キーボード210は、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」、2つの「記号」(「!」および「Delate」)の12個のキーが格子状に配列されてなる。まず、ユーザは、先頭仮名文字配列キーボード210から、入力したい文字の属する行の先頭仮名文字に、例えば指等の操作体を接触させて押し込み、1つのキーを選択する。
【0034】
先頭仮名文字配列キーボード210から1つのキーが選択されると、選択されたキーの先頭仮名文字に従属する従属仮名文字が表示される。例えば、図3の状態(a)において先頭仮名文字「な」のキーが選択されたとする。そうすると、先頭仮名文字「な」に従属する従属仮名文字「な」、「に」、「ぬ」、「ね」、「の」等が表示される。従属仮名文字は、例えば図3の状態(b)に示すように、文字が一列に配列されたスクロールリスト220として表示することができる。スクロールリスト220中のフォーカスされた文字は、選択可能な文字である。このとき、フォーカスされた文字を操作制御部によって拡大して表示することにより、ユーザによる文字の選択を容易にすることができる。
【0035】
ユーザは、表示面上で操作体を動作させることによりスクロールリスト220をスクロールし、入力したい文字をフォーカスする。その後、ユーザが操作体を表示面からリリースさせると、フォーカスされた文字の入力が決定される。例えば、図3の状態(b)において、従属仮名文字「に」が決定されたとすると、図3の状態(c)に示すように、従属仮名文字「に」が仮入力領域204に表示される。そして、操作領域206には、状態(a)の先頭仮名文字配列キーボード210が表示される。こうして、次の文字の入力を開始することができる。
【0036】
一方、ユーザは、入力したい文字をフォーカスした後、操作体をリリースさせずに再度押し込むことにより、当該文字に関する予測変換文字列がリスト表示される予測変換窓230を表示させることができる。例えば、図3の状態(b)において、ユーザが従属仮名文字「に」を選択するために操作体を表示面に押圧した後、操作体をリリースさせずに再度表示面側へ押し込む。そうすると、状態(d)に示すように、操作領域206のスクロールリスト220上に予測変換窓230が表示され、入力形態が予測変換入力モードに切り替わる。
【0037】
予測変換窓230には、スクロールリスト220から選択された文字「に」が先頭文字である予測変換文字列がリスト表示され、リスト中の選択された予測変換文字列がフォーカスされている。このとき、ユーザは、例えば、操作体を表示面からリリースさせずに、操作体の押し込みを繰り返すことでリスト中のフォーカスを移動させることができる。そして、入力したい予測変換文字列がフォーカスされたときに操作体を表示面からリリースさせることにより、予測変換文字列の入力を決定することができる。予測変換文字列の入力が決定されると、予測変換文字列が仮入力領域204に表示され、操作領域206には、状態(a)の先頭仮名文字配列キーボード210が表示され、文字入力モードに戻る。
【0038】
このように、本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100では、段階的に入力する文字を決定していく過程において、一度表示面に接触された操作体がリリースされたか否かに応じて、次に操作可能となる入力形態の切り替えを行うことができる。これにより、同一画面内で複数の入力形態を行うことができるので、ユーザの視線移動コストや指移動コストを低減させることができ、操作性を向上させることができる。
【0039】
以上、本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100の概略構成および機能について説明した。このような表示制御装置100における操作制御について、以下、図4〜図9に基づいて、より詳細に説明していく。なお、図4は、本実施形態にかかる入力表示装置100の機能構成を示すブロック図である。図5Aおよび図5Bは、本実施形態にかかる操作制御部による操作制御方法を示すフローチャートである。図6は、従属仮名文字を選択する操作を示す説明図である。図7Aは、従属仮名文字を決定する操作を示す説明図である。図7Bは、従属仮名文字のフォーカス位置を戻す操作を示す説明図である。図8は、従属仮名文字を決定後、予測変換窓を表示させる操作を示す説明図である。図9は、予測変換文字列のスクロール操作を説明する説明図である。
【0040】
[入力表示装置の機能構成]
まず、図4に基づいて、本実施形態にかかる入力表示装置100の機能構成について説明する。入力表示装置100は、図4に示すように、入力表示部110と、操作制御部120と、接触判定部130と、圧力判定部140と、記憶部150と、表示制御部160とを備える。
【0041】
入力表示部110は、情報を表示するとともに情報を入力するための機能部であって、接触検出部112と、圧力検出部114と、表示部116とを備える。接触検出部112は、図2の静電式タッチパネル105に対応し、操作体が表示部116の表示面に接触したか否かに応じて変化する静電容量の値を検出する。上述したように、操作体が表示面に接触すると、接触検出部112により検出される静電容量が増加する。これより、接触検出部112の検出した静電容量の値が所定の値を超えたとき、操作置が表示面に接触したと判定することができる。接触検出部112は、検出した静電容量の値を検出結果として操作制御部120へ出力する。
【0042】
圧力検出部114は、図2の感圧センサ106に対応し、操作体が表示部116の表示面を押圧する圧力を検出する。圧力検出部114は、上述したように、圧力の大きさに応じた電気信号を検出結果として操作制御部120へ出力する。表示部116は、図2の表示装置104に対応する出力装置であって、表示制御部160により表示処理された情報を表示する。
【0043】
操作制御部120は、接触検出部112および圧力検出部114から入力された検出結果に基づいて、表示部116の表示内容の操作を制御する制御部である。操作制御部120は、接触検出部112から入力された静電容量の値を接触判定部130へ出力し、接触判定部130に操作体が表示部116の表示面に接触したか否かを判定させる。そして、操作制御部120は、接触判定部130の判定結果を受け取ると、判定結果に基づき、操作制御処理を開始するか否かを判定する。
【0044】
また、操作制御部120は、圧力検出部114から入力された圧力の大きさを示す電気信号を圧力判定部140へ出力し、圧力判定部140に対して、操作体の動作により生じた圧力の大きさや圧力の変化量を判定させる。そして、操作制御部120は、圧力判定部140の判定結果を受け取ると、判定結果に基づいて、入力表示装置100の入力操作画面を切り替える。操作制御部120は、入力操作画面の切替情報を表示制御部160へ出力する。
【0045】
接触判定部130は、接触検出部112の検出結果に基づいて、表示部116の表示面に対する操作体の接触の有無および接触位置を判定する。接触判定部130は、操作制御部120から接触検出部112の各静電センサの検出した静電容量の値が入力されると、操作体が表示部116の表示面に接触しているか否かを判定する。接触判定部130は、静電容量の増加量が所定の値を超えたとき操作体が表示面に接触したと判定する。また、接触判定部130は、所定の値以上の静電容量が検出された静電センサの位置より、表示面における操作体の接触位置も認識することができる。そして、接触判定部130は、操作体が表示面に接触したか否かについての判定結果と、接触したと判定した場合には操作体の接触位置とを、操作制御部120へ出力する。
【0046】
圧力判定部140は、圧力検出部114の検出結果に基づいて、操作体が表示面を押圧する圧力の大きさを判定する。本実施形態にかかる入力表示装置100では、ユーザが表示面を押圧する圧力の大きさを変化させることにより、入力操作画面(すなわち、入力形態)の切り替えや、フォーカスの移動を行うことができる。そこで、操作制御部120によってユーザがどのような操作を行おうとしているのか判定するために、圧力判定部140は、表示面に対する圧力の大きさやその変化量を判定する。このとき、圧力判定部140は、記憶部150を参照して、表示面に対する圧力の大きさと各種圧力閾値とを比較し、比較結果を操作制御部120へ出力する。
【0047】
記憶部150は、図2の不揮発性メモリ103に対応し、表示面に対する圧力の大きさの程度を判定するために用いられる各種設定情報が記憶されている。設定情報としては、例えば、文字のリストをスクロールさせる際に用いられる各文字に対して設定された圧力閾値や、入力操作画面の切り替えの基準となる圧力の減少率、あるいは予測変換文字列のリストにおけるフォーカス移動を行う基準となる圧力の増加率等がある。
【0048】
表示制御部160は、操作制御部120によって決定された入力操作画面の切替情報に基づいて、表示部116に表示する入力操作画面を切り替える。表示制御部160は、入力操作画面を表示するための表示情報を生成し、表示部116へ出力する。
【0049】
以上、本実施形態にかかる入力表示装置100の機能構成について説明した。次に、図5A〜図9に基づいて、本実施形態にかかる入力表示装置100の操作制御部120による操作制御方法について説明する。ここでは、図3に示した、仮名文字入力を行う場合の操作制御方法について説明する。
【0050】
[操作制御方法]
入力表示装置100を用いて仮名文字入力を行う場合、ユーザは、例えばキーボード表示ボタンを押下する等の所定の操作を行い、図3の状態(a)に示すような先頭仮名文字配列キーボード210を操作領域206に表示させる。そして、ユーザは、操作体を表示面に接触させて、入力したい文字の属する行の先頭仮名文字を選択する。この操作により、図5Aの操作制御処理が開始される。
【0051】
まず、図5Aに示すように、操作体が表示部116の表示面に接触(タッチ)したか否かを判定する(ステップS100)。操作体の表示面への接触は、接触判定部130により、接触検出部112の検出した静電容量の値が所定の静電容量の値を超えたか否かによって判定される。接触判定部130は、検出された静電容量の値が所定の値を超えたとき、操作体が表示面に接触したと判定し、検出された静電容量の値が所定の値未満であるとき、操作体は表示面に接触していないと判定する。かかる判定に基づき、操作体の表示面への接触が検出されるまで、ステップS100の判定が繰り返される。
【0052】
ステップS100にて、操作体の表示面への接触が検出されると、操作体の接触位置に表示されている先頭仮名文字が選択される(ステップS102)。例えば、図6の状態(a)に示すように、先頭仮名文字配列キーボード210の「な」キーの領域において操作体である指Fの接触が検出されたとする。そうすると、「な」キーの選択が決定され、図6の状態(b)に示すように、操作領域206にスクロールリスト220が表示される。スクロールリスト220が表示されると、ユーザは、表示面に接触させた指Fが表示面を押圧する圧力を変化させて、入力する従属仮名文字にフォーカスを合わせる。
【0053】
指Fの表示面に対する圧力の大きさは、圧力判定部140により判定される。圧力判定部140は、まず、圧力検出部114により検知された圧力が、前時間における圧力から変化したか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104にて圧力変化はないと判定された場合は、ステップS104の処理を繰り返す。一方、ステップS104にて圧力が増加したと判定された場合には、検出された圧力が次に設定された圧力閾値を上回ったか否かを判定する(ステップS106)。
【0054】
本実施形態にかかる入力表示装置100では、表示面に加えられる圧力を変化させることでスクロールリスト220をスクロールさせることができる。スクロールリスト220に表示された文字には、文字の配列順に大きさが決定された圧力閾値がそれぞれ設定されている。スクロールリスト220に配列された従属仮名文字を順方向(例えば、下から上に向かう方向)に移動させるには、各従属仮名文字に対して設定された圧力閾値を上回るように、表示面に操作体を押圧させる。また、スクロールリスト220に配列された従属仮名文字を逆方向(例えば、上から下に向かう方向)に移動させるには、各従属仮名文字に対して設定された圧力閾値を下回るように、操作体が表示面を押圧する力を弱める。
【0055】
すなわち、表示面に対する圧力の大きさの時間変化は、図6のグラフに示すようになる。図6の状態(a)に示す先頭仮名文字配列キーボード210から「な」キーが選択され、スクロールリスト220が表示された状態では、「な」の文字がフォーカスされている。スクロールリスト220には、文字「な」から順に、な行に属する従属文字(「に」、「ぬ」、「ね」、「の」)が下側に表示されている。
【0056】
各従属仮名文字に対する圧力閾値は、文字の並びに応じて設定されており、例えば並び順に次第に大きくなるように設定されている。各文字の圧力閾値は、図6のグラフのように等間隔に(すなわち、最小圧力閾値である「な」の圧力閾値の整数倍となるように)設定してもよい。文字「な」がフォーカスされた状態において、操作体が表示面に押圧されて、表示面を押圧する圧力が文字「に」の圧力閾値を超えると、次に並ぶ文字「に」にフォーカスが移動する。同様に、さらに操作体が押圧されて文字「ぬ」の圧力閾値を超えると、次に並ぶ文字「ぬ」にフォーカスが移動し、操作体が押圧されて文字「ね」の圧力閾値を超えると、次に並ぶ文字「ね」にフォーカスが移動する。このように、表示面に接触させている指Fで表示面を押し込んでいくことにより、スクロールリスト220を順方向にスクロールさせることができる。
【0057】
ステップS106にて現在フォーカスされている文字の次に並ぶ文字の圧力閾値を上回ったと判定された場合、操作制御部120は、次に並ぶ文字へフォーカスを移動させる(ステップS108)。あるいは、操作制御部120は、ステップS106にて表示面に対する圧力が上回る最大の圧力閾値を判定して、その圧力閾値が設定された文字までフォーカスを移動させてもよい。例えば、図6の状態(b)において、文字「に」にフォーカスされているとき、表示面を押圧する圧力が上回る最大の圧力閾値が文字「ね」の圧力閾値として設定されている場合、フォーカスを、文字「に」から文字「ね」まで移動させるようにする。このように、指Fが表示面を押し込む力の大きさに応じて、フォーカスを後方向へ移動させる量を調整することができる。
【0058】
なお、ステップS106にて表示面に対する圧力が一つ上の圧力閾値を上回っていない場合には、フォーカスを移動させず、ステップS104からの処理を繰り返す。
【0059】
ステップS104にて圧力が減少したと判定された場合には、圧力が所定時間内に所定の割合以上減少したか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110では、スクロールリスト220中のフォーカスされた従属仮名文字の入力を決定するか否かを判定している。この判定は、表示面を押圧する力の抜き方に基づき行われる。例えば、操作体が表示面に押圧された状態から、操作体が表示面からリリースされたり、軽く触れられている状態になった場合には、表示面に対する圧力が瞬間的に大幅に低減する。したがって、圧力判定部140は、圧力が所定時間内に所定の割合以上減少したと判定する。本実施形態では、このような操作が行われたときには、ユーザは現在フォーカスされている文字の選択を決定する(ステップS112)。
【0060】
例えば、図7Aに示すように、スクロールリスト220中の文字「の」がフォーカスされている状態において、指Fを操作領域206からリリースさせたとする。このとき、操作面に対する圧力は、図7Aのグラフに示すように、文字「の」の圧力閾値を超えた後、所定時間Tの間に急激に減少する。このとき、圧力判定部140は、ある時点から所定時間Tだけ遡った区間において、当該区間での最大圧力を検出し、最大圧力に対する所定の割合以上の圧力の減少があったか否かを判定する。操作制御部120は、この判定結果に基づいて、フォーカスされていた文字「の」の選択を決定する。ここで、所定時間Tは、例えば100msecとすることができ、所定の割合は、例えば80%とすることができる。
【0061】
一方、ステップS110にて圧力が所定時間内に所定の割合以上は減少していないと判定された場合、現在フォーカスされている文字に対して設定された圧力閾値を下回ったか否かを判定する(ステップS114)。ステップS114にて、現在フォーカスされている文字の圧力閾値を下回ったと判定された場合には、操作制御部120は、現在フォーカスされている文字の前に並ぶ文字にフォーカスを移動させる(ステップS116)。ここで、フォーカスされている文字の前に並ぶ文字とは、スクロールリスト220の逆方向側に隣接する文字をいう。図7Aに示すようにスクロールリスト220中の文字「の」がフォーカスされた状態から、表示面に接触させた指Fの押圧する力を緩やかに抜いていく。そして、図7Bのグラフに示すように、表示面に対する圧力が文字「の」の前に並ぶ文字「ね」の圧力閾値を下回ったとき、操作制御部120によりスクロールリスト220が逆方向へ移動されて、文字「ね」がフォーカスされる。
【0062】
同様に、さらに指Fが表示面を押圧する力を緩やかに抜いていき、次の前に並ぶ文字「ぬ」の圧力閾値を下回ると文字「ぬ」にフォーカスが移動し、さらにその前に並ぶ文字「に」の圧力閾値を下回ると文字「に」にフォーカスが移動する。すなわち、ステップS10およびS108、図6の状態(b)と逆の操作を行うことにより、スクロールリスト220を逆方向にスクロールさせることができる。
【0063】
あるいは、操作制御部120は、ステップS106にて、表示面に対する圧力が下回る最大の圧力閾値を判定して、その圧力閾値が設定された文字までフォーカスを移動させてもよい。例えば、図7Bの状態(a)において、文字「の」にフォーカスされているとき、表示面を押圧する圧力が下回る最小の圧力閾値が文字「に」の圧力閾値として設定されている場合、フォーカスを、文字「の」から文字「に」へ移動させるようにする。このように、指Fが表示面を押し込む力を、急激な減少ではないが、フォーカスする文字の圧力閾値まで減少させることにより、フォーカスを大きく逆方向に移動させることができる。
【0064】
なお、ステップS114にて操作体により加えられる表示面に対する圧力が、現在フォーカスされている文字の圧力閾値を下回っていない場合には、フォーカスを移動させず、ステップS104からの処理を繰り返す。
【0065】
次いで、図5AのステップS112にて従属文字の選択が決定されると、図5Bに示すように、操作体が表示面からリリースされたか否かが判定される(ステップS118)。操作体が表示面からリリースされたか否かは、接触判定部130により、接触検出部112の検出した静電容量の値が所定の静電容量の値以下となったか否かによって判定される。接触判定部130は、検出された静電容量の値が所定の値以下となったとき、操作体が表示面からリリースしたと判定し、検出された静電容量の値が所定の値より大きいときには、操作体は表示面からリリースしていないと判定する。
【0066】
かかる判定に基づき、ステップS118にて操作体が表示面からリリースされたと判定されると、操作制御部120による操作制御処理を終了する。すなわち、表示面から操作体がリリースされると、操作領域206の表示は先頭仮名文字配列キーボード210に戻り、次に操作体を接触させるときには、図5AのステップS100から再度開始されることになる。したがって、ユーザは、先頭仮名文字配列キーボード210から入力したい仮名文字の属する行の先頭仮名文字に操作体をタッチさせて、従属仮名文字が配列されたスクロールリスト220を表示させる。さらに操作体の表示面に対する圧力を変化させてスクロールリスト220をスクロールし、入力する文字にフォーカスを移動させる処理を再度行う。
【0067】
一方、操作体が表示面からリリースされていないと判定されると、続いて、操作体の表示面に対する圧力が増加したか否かが判定される(ステップS120)。ステップS120は、従属仮名文字を決定した後の上位操作である当該従属仮名文字から始まる予測変換入力を行うための、予測変換窓を表示するか否かを判定する処理である。本実施形態では、上位の入力を行うための表示画面(すなわち、入力形態)の切り替えを、操作体が表示面を押圧する力を抜いた後、操作体を接触させたまま、再度操作体を表示面へ押し込む操作により行うものとする。ステップS120で圧力が増加したと判定されると、操作制御部120は、予測変換文字列のリストを表示する予測変換窓を表示させて、予測変換文字列を入力可能な予測変換入力モードへ移行する(ステップS122)。
【0068】
例えば、図8の状態(a)に示すように、スクロールリスト220を構成する従属仮名文字から入力したい従属仮名文字にフォーカスを移動し、所定時間内に所定の割合以上(例えば、100msecで80%以上)表示面を押圧する力を減少させたとする。このとき、指Fを表示面からリリースさせず、再度指Fを表示面に押し込むと、図8の状態(b)に示すように、状態(a)で決定された従属仮名文字から始まる予測変換文字列のリストを表示する予測変換窓230が操作領域206に表示される。
【0069】
予測変換窓230を表示させるタイミングは、例えば、図8のグラフに示すように、圧力判定部140により表示面に対する圧力が所定の再押圧閾値を超えたことが判定された場合とすることができる。あるいは、現在の表示面を押圧する圧力から所定の増加率以上圧力が増加したことが判定された場合としてもよい。圧力判定部140がこのような圧力増加を認識すると、操作制御部120は、予測変換窓230を表示させて、予測変換入力モードに移行する。一方、ステップS120にて圧力が増加したと判定されなかった場合には、ステップS118へ戻り、処理を繰り返す。
【0070】
ステップS124〜S130の操作は、予測変換モード移行後の操作である。予測変換モードに移行すると、操作体が表示面からリリースされたか否かが判定される(ステップS124)。操作体が表示面からリリースされたか否かの判定は、ステップS118と同様の処理によって行うことができる。ステップS124にて操作体が表示面からリリースされると、操作制御部120は、予測変換窓230に表示されたリスト中、フォーカスされている予測変換文字列が決定されたと判定する(ステップS126)。この場合、操作制御部120は、決定された予測変換文字列を仮入力領域204に表示させ、操作領域206の表示を先頭仮名文字配列キーボード210に戻し、処理を終了する。
【0071】
一方、ステップS124にて操作体が表示面からリリースされていないと判定された場合には、ステップS120で検出された圧力が所定時間内に所定の割合以上圧力が増加したか否かを判定する(ステップS128)。ステップS128は、予測変換窓230に表示された予測変換文字列を選択するためのフォーカスを移動させるか否かを判定するために行われる。ここで、操作体の動作を明確に判断するため、ステップS128では操作体が押圧する力が急激に増加したことを判定条件とする。このとき、所定時間Tは、例えば100msecとすることができ、所定の割合は、例えば80%と設定することができる。ステップS128にて表示面に対する圧力が所定時間内に所定の割合以上増加していないと判定された場合には、ステップS124へ戻り、処理を繰り返す。
【0072】
一方、ステップS128にて表示面に対する圧力が所定時間内に所定の割合以上増加したと判定されると、操作制御部120は、予測変換窓230に表示されたリスト中のフォーカスを次の予測変換文字列へ移動させる(ステップS130)。例えば、図9の状態(a)に示すように、予測変換窓230のフォーカス232が、リストの最上位に表示されている予測変換文字列に位置しているとする。この状態から、指Fを表示面に対して所定時間内に所定の割合以上(例えば、100msecで80%以上)増加するように圧力を加えると、図9のグラフに示すように圧力が急激に増加する。このような圧力の急激な増加が圧力判定部140により認識されると、操作制御部120は、予測変換窓230のフォーカス232を次の予測変換文字列の位置に移動させる。
【0073】
このように、力を抜き、急激に表示面を押し込む操作を繰り返すことにより、予測変換窓230内のフォーカスを移動させることができる。例えば、図9のグラフに示すように、指Fを表示面に接触させたまま力を抜いた後、急激に指Fを押し込む操作を3回行うと、フォーカス232は3回移動され、図9の状態(b)に示す状態となる。なお、上記説明において、ステップS128では所定時間内における圧力の増加量が所定の割合以上である場合にフォーカス232を移動させたが、例えば所定時間内に所定の圧力閾値を超えた場合にフォーカス232を移動させるようにしてもよい。そして、最終的に指Fをリリースすることにより、現在フォーカスされている予測変換文字列を決定することができ(ステップS126)、キー入力を完了することができる。
【0074】
以上、図5Aおよび図5Bに基づいて、本実施形態にかかる操作制御部120による文字入力の操作制御方法について説明した。操作制御部120により、先頭文字配列キーボード210から先頭仮名文字を決定して、従属仮名文字を選択するスクロールリスト220を表示させた後、従属仮名文字を決定する際に、操作体である指Fを表示面からリリースさせるか、あるいはリリースさせずに再度表示面を押圧するかによって、その後に行う操作を切り替えることができる。上記例では、指Fを表示面からリリースするとスクロールリスト220でフォーカスされている従属仮名文字の入力が決定され、リリースさせずに再度表示面が押圧されると予測変換窓230が表示されて、予測変換文字列の入力操作が可能となる。
【0075】
[繰り返し入力操作]
このように、操作体をリリースさせるか、リリースさせずに再度表示面を押圧するかによって入力形態を切り替える他の例として、予測変換入力の変わりに、同一文字の繰り返し入力(繰り返し入力モード)を可能としてもよい。例えば、図5BのステップS118およびS120の判定から、指Fがリリースされずに再度表示面が押圧されたと認識されたき、ステップS122で予測変換窓230を表示する代わりに、直前に決定された従属仮名文字を繰り返し入力するようにする。すなわち、ユーザは、指Fを押し込む操作を繰り返すことにより、指Fを押し込んだ回数だけ従属仮名文字を入力することができる。これにより、同一文字を繰り返し入力する際に、先頭仮名文字配列キーボード210と従属仮名文字を選択するスクロールリスト220との操作を繰り返し行う必要がなく、操作を容易にすることができる。
【0076】
なお、従属仮名文字決定後、操作体がリリースされずに再度表示面が押圧されたときに、上述した予測変換入力を行うための予測変換入力モードと繰り返し入力モードとのうちいずれのモードを実行させるかは、予め設定しておくものとする。
【0077】
以上、本発明の第1の実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100の構成と、操作制御方法について説明した。本実施形態のような仮名文字入力キーボードを用いる際に、操作体により表示面を押圧して入力する仮名文字を決定した後、操作体を表示面からリリースさせるか、あるいは操作体を表示面からリリースさせることなく再度表示面を押圧するかにより、入力形態を切り替えることができる。このような操作制御により、ソフトウェアキーボードにおける指および視線移動量の削減を実現することができる。
【0078】
さらに、本実施形態の操作制御方法を用いた文字入力操作においては、一つ上位のキー入力窓(例えば、上記例では予測変換窓230)を操作領域206に常時表示させる必要もない。このため、ソフトウェアキーボードの表示面積が限られた携帯電話等の小型デバイスにおいて、予測変換窓230の表示スペースをなくすことができる。これにより、空いた表示スペースを利用して、入力対象のキーの間隔やサイズを大きくすることが可能となり、キー入力操作における誤操作を低減させることもできる。
【0079】
<2.第2の実施形態>
次に、図10および図11に基づいて、本発明の第2の実施形態にかかる入力表示装置300の構成と操作制御方法について説明する。本実施形態にかかる入力表示装置300は、QWERTYキー配列のソフトウェアキーボードを用いる点で第1の実施形態の入力表示装置100と相違する。以下では、第1の実施形態との相違点について主として説明する。なお、図10は、本実施形態にかかる入力表示装300において予測変換入力を行う操作を示す説明図である。図11は、予測変換入力後、オートコンプリート入力を行う操作を示す説明図である。
【0080】
本実施形態にかかる入力表示装置300では、QWERTYキー配列のソフトウェアキーボードによるアルファベット入力が可能である。図10の状態(a)に示すように、QWERTYキー330では、通常、1つのキーに対して1つのアルファベットが割り当てられており、キーがタッチされることによりタッチされたキーに対応付けられたアルファベットが入力領域310に入力される。
【0081】
入力表示装置300では、第1の実施形態と同様に、キー入力における一つ上位のキー入力操作を、表示面に対する圧力の増減によって同時に行う点を特徴としている。例えば、入力表示装置300では、アルファベットを入力するQWERTYキー入力の上位のキー入力操作として、予測変換入力やオートコンプリート入力等がある。そこで、本実施形態にかかる入力表示装置300においても、操作体を表示面に押圧させた後急激に力を抜いてQWERTYキー300から入力する文字を選択した後に、操作体を表示面からリリースさせるか、あるいはリリースさせずに再度表示面に押圧させるかによって、その後の入力操作を切り替えることができる。
【0082】
[予測変換入力モードへの切り替え]
例えば、図10に基づいて、QWERTYキー330から入力する文字を選択した後、予測変換入力モードへ切り換える場合について説明する。まず、図10の状態(a)に示すように、QWERTYキー330から入力したいアルファベットが表示されている領域に指を接触させ、選択する。そして、指を表示面に押し込むと選択されたアルファベットの入力が決定される。その後、指を表示面からリリースさせると、次に入力するアルファベットをQWERTYキー330から入力できるようになる。
【0083】
一方、図10の状態(a)から、表示面を押圧する力を弱めた後、指をリリースさせずに再度表示面を押圧する。そうすると、状態(b)に示すように、状態(a)で選択されたアルファベットに関する予測変換文字列を表示する予測変換窓340が表示させる。これにより、ユーザは予測変換窓340に表示された予測変換文字列を選択することが可能となる。ユーザは、例えば第1の実施形態と同様に表示面を押圧する力の加減を変えることにより、予測変換窓340のフォーカス342を移動させ、入力したい文字列をフォーカスする。そして、指Fを表示面からリリースさせると、フォーカスされた文字列の入力が決定される。そして、予測変換窓340は非表示となり、次に入力するアルファベットをQWERTYキー330から入力できるようになる。
【0084】
[オートコンプリート入力モードへの切り替え]
また、本実施形態にかかる入力表示装置300では、予測変換入力から文字列を選択した後、オートコンプリート入力モードへ切り換えることもできる。本例では、決定された文字が表示される入力領域310と、予測変換表示領域320と、QWERTYキー330とが表示部に表示されているとする。QWERTYキー330から入力したいアルファベットが表示されている領域に指を接触させ、選択する。そして、指を表示面に押し込むと選択されたアルファベットの入力が決定される。
【0085】
QWERTYキー330から入力されたアルファベットが順次入力領域310に表示されていくと、形成されていく文字列から予測される文字列の候補が予測変換表示領域320に表示される。ユーザは、入力したい文字列が予測変換表示領域320に表示されると、当該文字列が表示された領域を指で押し込み、選択することができる。その後、指を表示面からリリースさせると、選択されていた予測変換表示領域320の文字列が入力領域310に表示され、次に入力するアルファベットをQWERTYキー330から入力できるようになる。
【0086】
一方、図11の状態(a)から、表示面を押圧する力を弱めた後、指をリリースさせずに再度表示面を押圧する。そうすると、状態(b)に示すように、オートコンプリート入力窓350が表示される。オートコンプリート入力窓350には、状態(a)で選択された予測変換文字列を補間する文字列が追加された入力候補が表示される。ユーザは、例えば第1の実施形態と同様に表示面を押圧する力の加減を変えることにより、オートコンプリート入力窓350のフォーカス352を移動させ、入力したい入力候補をフォーカスする。そして、指Fを表示面からリリースさせると、フォーカスされた入力候補の入力が決定される。そして、オートコンプリート入力窓350は非表示となり、次に入力するアルファベットをQWERTYキー330から入力できるようになる。
【0087】
このように、QWERTYキー配列のソフトウェアキーボードを用いた場合においても、操作体により表示面を押圧して入力する文字を決定した後、操作体を表示面からリリースさせるか、あるいは操作体を表示面からリリースさせることなく再度表示面を押圧するかにより、入力形態を切り替えることができる。
【0088】
なお、上述したQWERTYキー配列のソフトウェアキーボードにおいては、アルファベット入力モード、予測変換入力モード、およびオートコンプリート入力モードの3つの入力形態の切り替えを行ったが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、QWERTYキー330からアルファベットを選択された後、指が表示面からリリースさせると、選択したアルファベットの小文字が入力され、指がリリースされずに再度表示面が押圧されると、選択されたアルファベットの大文字やウムラウト等の文字のリストが表示されるようにしてもよい。
【0089】
ここで、本実施形態の入力表示装置300では、すべてのアルファベットが表示されたQWERTYキー配列のソフトウェアキーボードを用いたが、他の配列のソフトウェアキーボードによりアルファベット入力できるようにしてもよい。例えば、第1の実施形態のように格子状のキー配列とし、1つのキーに複数のアルファベットを従属させて、段階的に入力文字を決定することができる。例えば、1つのキーに「A」、「B」、「C」の3つの文字が対応付けられているとする。そして、当該キーの先頭文字を、例えばアルファベット配列で最も先頭に位置する文字とする。文字「A」、「B」、「C」では、「A」が先頭文字となる。
【0090】
文字「B」を入力する場合、ユーザはまず、「B」の従属するキーに接触して、「A」、「B」、「C」のうちいずれかの文字を入力することを決定する。キーが選択されると、当該文字列に従属する文字のリストが表示され、キーに従属する文字の入力が可能となる。リストには、従属する文字の大文字、小文字や、ウムラウト等の文字も含めてもよい。このとき、ユーザは、指を表示面に接触させたまま、表示面を押し込む力を変化させることにより、リスト中において選択されている文字を変更することができる。そして、表示面から指がリリースされると、リリースされたときにリスト中で選択されている文字の入力が決定される。
【0091】
一方、指を表示面からリリースさせずに表示面を押圧する力を急激に抜き、再度押し込むと、他の入力形態に切り替えることができる。例えば、当該操作によって、選択されている文字に関する予測変換文字列を表示する予測変換窓を表示させるようにしてもよい。すなわち、アルファベット入力においても、第1の実施形態にかかる入力表示装置100と同様に、文字入力を行うことができる。
【0092】
以上、本発明の第2の実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置300の構成と、操作制御方法について説明した。本実施形態のようなQWERTYキー配列のソフトウェアキーボードを用いる際にも、操作体により表示面を押圧して入力する仮名文字を決定した後、操作体を表示面からリリースさせるか、あるいは操作体を表示面からリリースさせることなく再度表示面を押圧するかにより、入力形態を切り替えることができる。このような操作制御により、ソフトウェアキーボードにおける指および視線移動量の削減を実現することができる。
【0093】
また、本実施形態の操作制御方法を用いた文字入力操作においては、一つ上位の入力形態を行うための画面(窓)を常時表示させる必要がない。このため、ソフトウェアキーボードの表示面積が限られた携帯電話等の小型デバイスにおいて、上位の入力形態のための表示スペースをなくすことができる。これにより、空いた表示スペースを利用して、入力対象のキーの間隔やサイズを大きくすることが可能となり、キー入力操作における誤操作を低減させることもできる。
【0094】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0095】
例えば、上記実施形態では、入力装置として静電式タッチパネル105および感圧センサ106を備えたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、感圧センサ106のみを備えるようにしてもよい。この場合、操作体が表示面に接触したか否かは、感圧センサ106によって検知される。例えば感圧センサ106が検出する圧力が所定の値以上となったとき、操作体が表示面に接触したと検知するようにしてもよい。
【0096】
また、上記第2の実施形態では、アルファベットを入力するキー配列として、QWERTY配列を用いたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、DVORAK配列等の他のキー配列を用いてもよい。
【符号の説明】
【0097】
100、300 入力表示装置
110 入力表示部
112 接触検出部
114 圧力検出部
116 表示部
120 操作制御部
130 接触判定部
140 圧力判定部
150 記憶部
160 表示制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作制御装置、操作制御方法およびコンピュータプログラムに関し、より詳細には、携帯情報端末の文字入力に使用されるソフトウェアキーボードを用いた操作制御装置、操作制御方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子技術の発達により、タッチスクリーンを利用した携帯情報端末が広く普及している。このような携帯情報端末を利用して所定の文字を入力するためには、ディスプレイ上に表示される、実際のキーボードと同一の配置のソフトウェアキーボードを利用し、該当するキーを指先またはタッチペン等の操作体で押下すればよい。しかしながら、従来のタッチスクリーンを利用した携帯情報端末に表示されるソフトウェアキーボードは、制限されたスクリーン領域内に実際のキーボードと同一に表示されるため、キーボードのキーが小さくなってしまう。このため、ユーザの眼の疲労は激しく、誤打が生じやすくなる。タッチスクリーンの領域が小さい装置においては、この問題はさらに顕著となる。
【0003】
このような問題を解決するために、加えた圧力を検知可能な感圧センサを用いてキー入力を行う手法が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の手法では、50音仮名テーブルの先頭仮名文字(すなわち、「あ」「か」「さ」「た」「な」「は」「ま」「や」「ら」「わ」)のみを各ブロックに割り当てて、先頭仮名文字から所定の一文字(例えば、「な」)がタッチされると、タッチされた先頭仮名文字に属する従属仮名文字(例えば、「な」「に」「ぬ」「ね」「の」)を表示する。このとき、操作体がタッチしたときの圧力の大きさに応じて、ユーザの選択希望文字へフォーカスを移動した後、操作体が接触面からリリースされることで文字の選択が可能となる。これにより、先頭仮名文字から従属仮名文字を選択する操作において、手や視線の移動量を最小化し、限られた画面面積を効率的に利用したソフトウェアキーボードを実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−119882号公報
【特許文献2】特開2006−39745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、現状のソフトウェアキーボードを構成する要素として、単純なキー入力の他に、例えば、ユーザが入力するであろうと思われる言葉を予測し、候補として表示する予測変換入力がある。また、検索窓のような状況においては、入力された情報に対してインターネット上で頻繁に入力されているキーワードを補間するオートコンプリート入力がある。例えば、図12に示すように、通常のキー入力画面10、予測変換入力画面20およびオートコンプリート入力画面30がそれぞれ別のウィンドウとして表示されるとする。ここで、予測変換入力はキー入力の次に行われる上位操作であり、オートコンプリート入力は予測変換入力の次に行われる上位操作である。
【0006】
キー入力画面10から「S」「O」「N」の文字が入力されたとすると、予測変換入力画面20には、キー入力画面10から入力された文字から予測される文字列(例えば、「SONG」、「孫」、「尊」等)が表示される。次いで、予測変換入力画面20の1つの文字列(例えば、「SONG」)が選択されると、オートコンプリート入力画面30に、選択された文字列にキーワードが補間して表示される。このように、通常のキー入力に加えて予測変換入力、オートコンプリート入力を利用して文字列を入力する場合には、ユーザは、目的とする文字列入力を完了するまでに、3つのキー入力を行わなければならない。
【0007】
また、操作するキーがそれぞれ独立した3つの画面に表示されるため、キー入力画面10から予測変換入力画面20での操作移行時、および予測変換入力画面20からオートコンプリート入力画面30の操作へ移行する際、手や視線を移動させなければならない。したがって、キー入力のトータル操作コストとしては、3つのキー入力コストに加えて、各画面に移動する際の視線移動コストや指移動コストが別途かかることになる。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、操作コストを低減し、操作性を向上させることが可能な、新規かつ改良された操作制御装置、操作制御方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、文字情報を入力する入力領域を表示する表示部に設けられ、入力領域を操作するために操作体が表示部の表示面を押圧する圧力を検出する圧力検出部と、圧力検出部により検出された圧力の変化に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える操作制御部と、を備える操作制御装置が提供される。操作制御部は、圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定し、その後圧力検出部により検出された圧力の変化および入力が決定された文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える。
【0010】
本発明によれば、操作体により表示面を押圧して入力する文字情報を選択した後、操作体が表示面を押圧する力を所定時間に所定の割合以上減少させることにより、選択された文字情報の入力を決定する。その後、操作体が表示面を押圧する力を変化させると、圧力の変化および入力が決定された文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替えることができる。このように、操作体が表示面を押圧する力の大きさによって入力形態の切り替えを操作することができるので、操作体の移動量や視線移動量の削減を実現することができる。
【0011】
ここで、操作制御部は、選択されている文字情報の入力を決定した後、圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、既に入力された文字情報を補間する情報を入力するための上位の入力形態に切り替え、圧力検出部により検出された圧力が、操作体が表示部の表示面から離隔されたと判断されるリリース閾値を下回ったとき、予め設定された入力形態に切り替えるようにしてもよい。
【0012】
また、操作制御部は、一文字ずつ文字を入力可能な文字入力モードにおいて、圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている文字の入力を決定し、その後圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、既に入力された文字に連続して入力されると予測される1または2以上の予測変換文字列を表示部に表示させ、予測変換文字列を入力可能な予測変換入力モードに切り替えるようにしてもよい。
【0013】
さらに、操作制御部は、予測変換入力モードにおいて、圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている予測変換文字列の入力を決定し、その後圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、入力が決定された予測変換文字列を補間する文字列が追加されたオートコンプリート文字情報を表示部に表示させ、オートコンプリート文字情報を入力可能なオートコンプリート入力モードに切り替えるようにしてもよい。
【0014】
また、操作制御部は、一文字ずつ文字を入力可能な文字入力モードにおいて、圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている文字情報の入力を決定し、その後圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、文字入力モードにおいて入力が決定された文字を繰り返し入力することの可能な繰り返し入力モードに切り替えるようにすることもできる。
【0015】
圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたときに、操作体が操作する1つの入力領域に対して複数の文字情報が対応付けられている場合、操作制御部は、圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、当該入力領域に対応付けられた複数の文字情報を表示部に表示させ、当該文字情報を入力可能な従属文字情報入力モードに切り替え、圧力検出部により検出された圧力が、操作体が表示部の表示面から離隔されたと判断されるリリース閾値を下回ったとき、入力領域に対応付けられた複数の文字情報のうち先頭文字情報の入力を決定し、予め設定された入力形態に切り替えるようにすることもできる。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、文字情報を入力する入力領域を表示する表示部の表示面を、入力領域を操作するために操作体が押圧する圧力を検出するステップと、検出された圧力が所定時間に所定の割合以上減少したとき、表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定するステップと、その後検出された圧力の変化および入力が決定された文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替えるステップと、を含む、操作制御方法が提供される。
【0017】
さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに上記の操作制御装置として機能させるためのコンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、コンピュータが備える記憶装置に格納され、コンピュータが備えるCPUに読み込まれて実行されることにより、そのコンピュータを上記の操作制御装置として機能させる。また、コンピュータプログラムが記録された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供される。記録媒体は、例えば磁気ディスクや光ディスクなどである。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、操作コストを低減し、操作性を向上させることが可能な、新規かつ改良された操作制御装置、操作制御方法およびコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる操作制御装置を備える入力表示装置の表示装置の構成を示す説明図である。
【図2】同実施形態にかかる操作制御装置を備える入力表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態にかかる入力表示装置の画面構成例を示す説明図である。
【図4】同実施形態にかかる入力表示装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5A】同実施形態にかかる操作制御装置による操作制御方法を示すフローチャートである。
【図5B】同実施形態にかかる操作制御装置による操作制御方法を示すフローチャートである。
【図6】従属仮名文字を選択する操作を示す説明図である。
【図7A】従属仮名文字を決定する操作を示す説明図である。
【図7B】従属仮名文字のフォーカス位置を戻す操作を示す説明図である。
【図8】従属仮名文字を決定後、予測変換窓を表示させる操作を示す説明図である。
【図9】予測変換文字列のスクロール操作を説明する説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態にかかる入力表示装において予測変換入力を行う操作を示す説明図である。
【図11】予測変換入力後、オートコンプリート入力を行う操作を示す説明図である。
【図12】従来の文字入力操作の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態(仮名文字を段階的に入力するソフトウェアキーボードの例)
2.第2の実施の形態(QWERTYキー配列のソフトウェアキーボードの例)
【0022】
<1.第1の実施形態>
[入力表示装置の表示装置の構成例]
まず、図1〜図3に基づいて、本発明の第1の実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置の表示装置の構成例や、入力表示装置の概要について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100の表示装置の構成を示す説明図である。図2は、本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態にかかる入力表示装置100の画面構成例を示す説明図である。
【0023】
本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100は、情報を表示する表示装置の表示面を操作体で接触したりさらに押圧したりすることにより、情報を入力可能な装置である。ユーザは、表示装置に表示されたアイコンや文字キー等のオブジェクトに操作体を接触させることにより、操作体が接触したオブジェクトを選択したり決定したりすることができる。また、ユーザは、操作体を表示面に接触させて移動させることにより、画面スクロール等の操作を行うこともできる。
【0024】
このような入力表示装置100の入力表示部(図4の符号110に対応)は、図1に示すように、表示装置104の表示面側に、シート状の感圧センサ106と、静電式タッチパネル105とを積層して構成される。
【0025】
静電式タッチパネル105は、表示面に対する操作体の接触を検出する検出部である。静電式タッチパネル105は、格子状に配置された静電センサを備えており、静電容量の変化によってその値を常時変化させる。静電センサに操作体である指が近付いたり触れたりした場合に、静電センサにより検知される静電容量が増加する。各静電センサの静電容量は同時に取得することが可能である。すべての静電センサの静電容量の変化を同時に検出し、補間することによって近接または接触している指の形を検出することが可能である。静電式タッチパネル105は、検出した静電容量の値を、CPU(Central Processing Unit;図2の符号101)へ出力する。
【0026】
また、感圧センサ106は、表示面を押圧する圧力を検出する検出部である。感圧センサ106は、例えば2枚のシートパネルで電極面を形成し、押された部分の通電を検出して位置を検出する抵抗膜感圧方式のセンサを用いることができる。感圧センサ106も、静電式タッチパネル105と同様に、押圧された位置を検出する検出点がシート内に複数配置されている。各検出点における通電は同時に検出することが可能である。感圧センサ106は、各検出点におけて検出された、表示面を押圧する圧力をCPUへ出力する。
【0027】
CPUは、静電式タッチパネル105および感圧センサ106から入力された各種情報と表示装置104に表示された表示内容の表示位置との対応付けを行い、操作体の動きを解析する。そして、CPUは、解析された操作体の動きから、入力表示装置100へ入力された入力情報を認識して、入力情報に対応する処理を実行する。このように、ユーザは、表示面に表示された内容を操作して、入力情報を入力することができる。なお、操作体を表示装置104の表示面に接触させたり押圧させたりするとき、実際、操作体は、表示装置104の表示面に接触しているのではなく静電式タッチパネル105の表面に接触している。このように、操作体が実際には静電式タッチパネル105の表面に接触している場合にも、以下では、「操作体を表示装置104の表示面に接触させる」として説明する場合がある。
【0028】
[ハードウェア構成]
次に、図2に基づいて、本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100のハードウェア構成について説明する。本実施形態にかかる入力表示装置100は、図2に示すように、CPU101と、RAM(Random Access Memory)102と、不揮発性メモリ103と、表示装置104と、静電式タッチパネル105と、感圧センサ106とを備える。
【0029】
CPU101は、上述したように、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って入力表示装置100内の動作全般を制御する。また、CPU101は、マイクロプロセッサであってもよい。RAM102は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバスにより相互に接続されている。不揮発性メモリ103は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。不揮発性メモリ103は、例えばROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等を用いることができる。
【0030】
表示装置104は、情報を出力する出力装置の一例である。表示装置104として、例えば液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置などを用いることができる。静電式タッチパネル105は、ユーザが情報を入力する入力装置の一例であって、情報を入力ための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU101に出力する入力制御回路などから構成されている。感圧センサ106も、静電式タッチパネル105と同様、ユーザが情報を入力する入力装置の一例である。静電式タッチパネル105および感圧センサ106は、上述したような構成とすることができる。
【0031】
ユーザは、静電式タッチパネル105および感圧センサ106を操作することにより、入力表示装置100に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。本実施形態の入力表示装置100では、静電式タッチパネル105を、操作制御処理を開始するための操作体の接触を検出する接触検出部として用い、感圧センサ106を、操作処理を切り替えるための操作を検出する圧力検出部として用いる。
【0032】
[画面構成例]
以下では、本実施形態の入力表示装置100に設けられた操作制御部によって、図3に示すようなソフトウェアキーボードを利用した文字入力の操作制御を行うことを想定する。本実施形態の入力表示装置100で利用するソフトウェアキーボードでは、ユーザは、入力する文字を段階的に決定していく。例えば、入力表示装置100において仮名文字を入力する場合について説明する。入力表示装置100の表示面は、図3の状態(a)に示すように、既に入力された文字を表示する入力文字表示領域202と、仮入力された仮入力表示領域204と、情報を入力する操作領域206とに区分されている。
【0033】
図3の状態(a)は、文字入力開始時の状態である。このとき、操作領域206には、先頭仮名文字が配列された先頭仮名文字配列キーボード210が表示された文字入力モードとなっている。先頭仮名文字配列キーボード210は、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」、2つの「記号」(「!」および「Delate」)の12個のキーが格子状に配列されてなる。まず、ユーザは、先頭仮名文字配列キーボード210から、入力したい文字の属する行の先頭仮名文字に、例えば指等の操作体を接触させて押し込み、1つのキーを選択する。
【0034】
先頭仮名文字配列キーボード210から1つのキーが選択されると、選択されたキーの先頭仮名文字に従属する従属仮名文字が表示される。例えば、図3の状態(a)において先頭仮名文字「な」のキーが選択されたとする。そうすると、先頭仮名文字「な」に従属する従属仮名文字「な」、「に」、「ぬ」、「ね」、「の」等が表示される。従属仮名文字は、例えば図3の状態(b)に示すように、文字が一列に配列されたスクロールリスト220として表示することができる。スクロールリスト220中のフォーカスされた文字は、選択可能な文字である。このとき、フォーカスされた文字を操作制御部によって拡大して表示することにより、ユーザによる文字の選択を容易にすることができる。
【0035】
ユーザは、表示面上で操作体を動作させることによりスクロールリスト220をスクロールし、入力したい文字をフォーカスする。その後、ユーザが操作体を表示面からリリースさせると、フォーカスされた文字の入力が決定される。例えば、図3の状態(b)において、従属仮名文字「に」が決定されたとすると、図3の状態(c)に示すように、従属仮名文字「に」が仮入力領域204に表示される。そして、操作領域206には、状態(a)の先頭仮名文字配列キーボード210が表示される。こうして、次の文字の入力を開始することができる。
【0036】
一方、ユーザは、入力したい文字をフォーカスした後、操作体をリリースさせずに再度押し込むことにより、当該文字に関する予測変換文字列がリスト表示される予測変換窓230を表示させることができる。例えば、図3の状態(b)において、ユーザが従属仮名文字「に」を選択するために操作体を表示面に押圧した後、操作体をリリースさせずに再度表示面側へ押し込む。そうすると、状態(d)に示すように、操作領域206のスクロールリスト220上に予測変換窓230が表示され、入力形態が予測変換入力モードに切り替わる。
【0037】
予測変換窓230には、スクロールリスト220から選択された文字「に」が先頭文字である予測変換文字列がリスト表示され、リスト中の選択された予測変換文字列がフォーカスされている。このとき、ユーザは、例えば、操作体を表示面からリリースさせずに、操作体の押し込みを繰り返すことでリスト中のフォーカスを移動させることができる。そして、入力したい予測変換文字列がフォーカスされたときに操作体を表示面からリリースさせることにより、予測変換文字列の入力を決定することができる。予測変換文字列の入力が決定されると、予測変換文字列が仮入力領域204に表示され、操作領域206には、状態(a)の先頭仮名文字配列キーボード210が表示され、文字入力モードに戻る。
【0038】
このように、本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100では、段階的に入力する文字を決定していく過程において、一度表示面に接触された操作体がリリースされたか否かに応じて、次に操作可能となる入力形態の切り替えを行うことができる。これにより、同一画面内で複数の入力形態を行うことができるので、ユーザの視線移動コストや指移動コストを低減させることができ、操作性を向上させることができる。
【0039】
以上、本実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100の概略構成および機能について説明した。このような表示制御装置100における操作制御について、以下、図4〜図9に基づいて、より詳細に説明していく。なお、図4は、本実施形態にかかる入力表示装置100の機能構成を示すブロック図である。図5Aおよび図5Bは、本実施形態にかかる操作制御部による操作制御方法を示すフローチャートである。図6は、従属仮名文字を選択する操作を示す説明図である。図7Aは、従属仮名文字を決定する操作を示す説明図である。図7Bは、従属仮名文字のフォーカス位置を戻す操作を示す説明図である。図8は、従属仮名文字を決定後、予測変換窓を表示させる操作を示す説明図である。図9は、予測変換文字列のスクロール操作を説明する説明図である。
【0040】
[入力表示装置の機能構成]
まず、図4に基づいて、本実施形態にかかる入力表示装置100の機能構成について説明する。入力表示装置100は、図4に示すように、入力表示部110と、操作制御部120と、接触判定部130と、圧力判定部140と、記憶部150と、表示制御部160とを備える。
【0041】
入力表示部110は、情報を表示するとともに情報を入力するための機能部であって、接触検出部112と、圧力検出部114と、表示部116とを備える。接触検出部112は、図2の静電式タッチパネル105に対応し、操作体が表示部116の表示面に接触したか否かに応じて変化する静電容量の値を検出する。上述したように、操作体が表示面に接触すると、接触検出部112により検出される静電容量が増加する。これより、接触検出部112の検出した静電容量の値が所定の値を超えたとき、操作置が表示面に接触したと判定することができる。接触検出部112は、検出した静電容量の値を検出結果として操作制御部120へ出力する。
【0042】
圧力検出部114は、図2の感圧センサ106に対応し、操作体が表示部116の表示面を押圧する圧力を検出する。圧力検出部114は、上述したように、圧力の大きさに応じた電気信号を検出結果として操作制御部120へ出力する。表示部116は、図2の表示装置104に対応する出力装置であって、表示制御部160により表示処理された情報を表示する。
【0043】
操作制御部120は、接触検出部112および圧力検出部114から入力された検出結果に基づいて、表示部116の表示内容の操作を制御する制御部である。操作制御部120は、接触検出部112から入力された静電容量の値を接触判定部130へ出力し、接触判定部130に操作体が表示部116の表示面に接触したか否かを判定させる。そして、操作制御部120は、接触判定部130の判定結果を受け取ると、判定結果に基づき、操作制御処理を開始するか否かを判定する。
【0044】
また、操作制御部120は、圧力検出部114から入力された圧力の大きさを示す電気信号を圧力判定部140へ出力し、圧力判定部140に対して、操作体の動作により生じた圧力の大きさや圧力の変化量を判定させる。そして、操作制御部120は、圧力判定部140の判定結果を受け取ると、判定結果に基づいて、入力表示装置100の入力操作画面を切り替える。操作制御部120は、入力操作画面の切替情報を表示制御部160へ出力する。
【0045】
接触判定部130は、接触検出部112の検出結果に基づいて、表示部116の表示面に対する操作体の接触の有無および接触位置を判定する。接触判定部130は、操作制御部120から接触検出部112の各静電センサの検出した静電容量の値が入力されると、操作体が表示部116の表示面に接触しているか否かを判定する。接触判定部130は、静電容量の増加量が所定の値を超えたとき操作体が表示面に接触したと判定する。また、接触判定部130は、所定の値以上の静電容量が検出された静電センサの位置より、表示面における操作体の接触位置も認識することができる。そして、接触判定部130は、操作体が表示面に接触したか否かについての判定結果と、接触したと判定した場合には操作体の接触位置とを、操作制御部120へ出力する。
【0046】
圧力判定部140は、圧力検出部114の検出結果に基づいて、操作体が表示面を押圧する圧力の大きさを判定する。本実施形態にかかる入力表示装置100では、ユーザが表示面を押圧する圧力の大きさを変化させることにより、入力操作画面(すなわち、入力形態)の切り替えや、フォーカスの移動を行うことができる。そこで、操作制御部120によってユーザがどのような操作を行おうとしているのか判定するために、圧力判定部140は、表示面に対する圧力の大きさやその変化量を判定する。このとき、圧力判定部140は、記憶部150を参照して、表示面に対する圧力の大きさと各種圧力閾値とを比較し、比較結果を操作制御部120へ出力する。
【0047】
記憶部150は、図2の不揮発性メモリ103に対応し、表示面に対する圧力の大きさの程度を判定するために用いられる各種設定情報が記憶されている。設定情報としては、例えば、文字のリストをスクロールさせる際に用いられる各文字に対して設定された圧力閾値や、入力操作画面の切り替えの基準となる圧力の減少率、あるいは予測変換文字列のリストにおけるフォーカス移動を行う基準となる圧力の増加率等がある。
【0048】
表示制御部160は、操作制御部120によって決定された入力操作画面の切替情報に基づいて、表示部116に表示する入力操作画面を切り替える。表示制御部160は、入力操作画面を表示するための表示情報を生成し、表示部116へ出力する。
【0049】
以上、本実施形態にかかる入力表示装置100の機能構成について説明した。次に、図5A〜図9に基づいて、本実施形態にかかる入力表示装置100の操作制御部120による操作制御方法について説明する。ここでは、図3に示した、仮名文字入力を行う場合の操作制御方法について説明する。
【0050】
[操作制御方法]
入力表示装置100を用いて仮名文字入力を行う場合、ユーザは、例えばキーボード表示ボタンを押下する等の所定の操作を行い、図3の状態(a)に示すような先頭仮名文字配列キーボード210を操作領域206に表示させる。そして、ユーザは、操作体を表示面に接触させて、入力したい文字の属する行の先頭仮名文字を選択する。この操作により、図5Aの操作制御処理が開始される。
【0051】
まず、図5Aに示すように、操作体が表示部116の表示面に接触(タッチ)したか否かを判定する(ステップS100)。操作体の表示面への接触は、接触判定部130により、接触検出部112の検出した静電容量の値が所定の静電容量の値を超えたか否かによって判定される。接触判定部130は、検出された静電容量の値が所定の値を超えたとき、操作体が表示面に接触したと判定し、検出された静電容量の値が所定の値未満であるとき、操作体は表示面に接触していないと判定する。かかる判定に基づき、操作体の表示面への接触が検出されるまで、ステップS100の判定が繰り返される。
【0052】
ステップS100にて、操作体の表示面への接触が検出されると、操作体の接触位置に表示されている先頭仮名文字が選択される(ステップS102)。例えば、図6の状態(a)に示すように、先頭仮名文字配列キーボード210の「な」キーの領域において操作体である指Fの接触が検出されたとする。そうすると、「な」キーの選択が決定され、図6の状態(b)に示すように、操作領域206にスクロールリスト220が表示される。スクロールリスト220が表示されると、ユーザは、表示面に接触させた指Fが表示面を押圧する圧力を変化させて、入力する従属仮名文字にフォーカスを合わせる。
【0053】
指Fの表示面に対する圧力の大きさは、圧力判定部140により判定される。圧力判定部140は、まず、圧力検出部114により検知された圧力が、前時間における圧力から変化したか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104にて圧力変化はないと判定された場合は、ステップS104の処理を繰り返す。一方、ステップS104にて圧力が増加したと判定された場合には、検出された圧力が次に設定された圧力閾値を上回ったか否かを判定する(ステップS106)。
【0054】
本実施形態にかかる入力表示装置100では、表示面に加えられる圧力を変化させることでスクロールリスト220をスクロールさせることができる。スクロールリスト220に表示された文字には、文字の配列順に大きさが決定された圧力閾値がそれぞれ設定されている。スクロールリスト220に配列された従属仮名文字を順方向(例えば、下から上に向かう方向)に移動させるには、各従属仮名文字に対して設定された圧力閾値を上回るように、表示面に操作体を押圧させる。また、スクロールリスト220に配列された従属仮名文字を逆方向(例えば、上から下に向かう方向)に移動させるには、各従属仮名文字に対して設定された圧力閾値を下回るように、操作体が表示面を押圧する力を弱める。
【0055】
すなわち、表示面に対する圧力の大きさの時間変化は、図6のグラフに示すようになる。図6の状態(a)に示す先頭仮名文字配列キーボード210から「な」キーが選択され、スクロールリスト220が表示された状態では、「な」の文字がフォーカスされている。スクロールリスト220には、文字「な」から順に、な行に属する従属文字(「に」、「ぬ」、「ね」、「の」)が下側に表示されている。
【0056】
各従属仮名文字に対する圧力閾値は、文字の並びに応じて設定されており、例えば並び順に次第に大きくなるように設定されている。各文字の圧力閾値は、図6のグラフのように等間隔に(すなわち、最小圧力閾値である「な」の圧力閾値の整数倍となるように)設定してもよい。文字「な」がフォーカスされた状態において、操作体が表示面に押圧されて、表示面を押圧する圧力が文字「に」の圧力閾値を超えると、次に並ぶ文字「に」にフォーカスが移動する。同様に、さらに操作体が押圧されて文字「ぬ」の圧力閾値を超えると、次に並ぶ文字「ぬ」にフォーカスが移動し、操作体が押圧されて文字「ね」の圧力閾値を超えると、次に並ぶ文字「ね」にフォーカスが移動する。このように、表示面に接触させている指Fで表示面を押し込んでいくことにより、スクロールリスト220を順方向にスクロールさせることができる。
【0057】
ステップS106にて現在フォーカスされている文字の次に並ぶ文字の圧力閾値を上回ったと判定された場合、操作制御部120は、次に並ぶ文字へフォーカスを移動させる(ステップS108)。あるいは、操作制御部120は、ステップS106にて表示面に対する圧力が上回る最大の圧力閾値を判定して、その圧力閾値が設定された文字までフォーカスを移動させてもよい。例えば、図6の状態(b)において、文字「に」にフォーカスされているとき、表示面を押圧する圧力が上回る最大の圧力閾値が文字「ね」の圧力閾値として設定されている場合、フォーカスを、文字「に」から文字「ね」まで移動させるようにする。このように、指Fが表示面を押し込む力の大きさに応じて、フォーカスを後方向へ移動させる量を調整することができる。
【0058】
なお、ステップS106にて表示面に対する圧力が一つ上の圧力閾値を上回っていない場合には、フォーカスを移動させず、ステップS104からの処理を繰り返す。
【0059】
ステップS104にて圧力が減少したと判定された場合には、圧力が所定時間内に所定の割合以上減少したか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110では、スクロールリスト220中のフォーカスされた従属仮名文字の入力を決定するか否かを判定している。この判定は、表示面を押圧する力の抜き方に基づき行われる。例えば、操作体が表示面に押圧された状態から、操作体が表示面からリリースされたり、軽く触れられている状態になった場合には、表示面に対する圧力が瞬間的に大幅に低減する。したがって、圧力判定部140は、圧力が所定時間内に所定の割合以上減少したと判定する。本実施形態では、このような操作が行われたときには、ユーザは現在フォーカスされている文字の選択を決定する(ステップS112)。
【0060】
例えば、図7Aに示すように、スクロールリスト220中の文字「の」がフォーカスされている状態において、指Fを操作領域206からリリースさせたとする。このとき、操作面に対する圧力は、図7Aのグラフに示すように、文字「の」の圧力閾値を超えた後、所定時間Tの間に急激に減少する。このとき、圧力判定部140は、ある時点から所定時間Tだけ遡った区間において、当該区間での最大圧力を検出し、最大圧力に対する所定の割合以上の圧力の減少があったか否かを判定する。操作制御部120は、この判定結果に基づいて、フォーカスされていた文字「の」の選択を決定する。ここで、所定時間Tは、例えば100msecとすることができ、所定の割合は、例えば80%とすることができる。
【0061】
一方、ステップS110にて圧力が所定時間内に所定の割合以上は減少していないと判定された場合、現在フォーカスされている文字に対して設定された圧力閾値を下回ったか否かを判定する(ステップS114)。ステップS114にて、現在フォーカスされている文字の圧力閾値を下回ったと判定された場合には、操作制御部120は、現在フォーカスされている文字の前に並ぶ文字にフォーカスを移動させる(ステップS116)。ここで、フォーカスされている文字の前に並ぶ文字とは、スクロールリスト220の逆方向側に隣接する文字をいう。図7Aに示すようにスクロールリスト220中の文字「の」がフォーカスされた状態から、表示面に接触させた指Fの押圧する力を緩やかに抜いていく。そして、図7Bのグラフに示すように、表示面に対する圧力が文字「の」の前に並ぶ文字「ね」の圧力閾値を下回ったとき、操作制御部120によりスクロールリスト220が逆方向へ移動されて、文字「ね」がフォーカスされる。
【0062】
同様に、さらに指Fが表示面を押圧する力を緩やかに抜いていき、次の前に並ぶ文字「ぬ」の圧力閾値を下回ると文字「ぬ」にフォーカスが移動し、さらにその前に並ぶ文字「に」の圧力閾値を下回ると文字「に」にフォーカスが移動する。すなわち、ステップS10およびS108、図6の状態(b)と逆の操作を行うことにより、スクロールリスト220を逆方向にスクロールさせることができる。
【0063】
あるいは、操作制御部120は、ステップS106にて、表示面に対する圧力が下回る最大の圧力閾値を判定して、その圧力閾値が設定された文字までフォーカスを移動させてもよい。例えば、図7Bの状態(a)において、文字「の」にフォーカスされているとき、表示面を押圧する圧力が下回る最小の圧力閾値が文字「に」の圧力閾値として設定されている場合、フォーカスを、文字「の」から文字「に」へ移動させるようにする。このように、指Fが表示面を押し込む力を、急激な減少ではないが、フォーカスする文字の圧力閾値まで減少させることにより、フォーカスを大きく逆方向に移動させることができる。
【0064】
なお、ステップS114にて操作体により加えられる表示面に対する圧力が、現在フォーカスされている文字の圧力閾値を下回っていない場合には、フォーカスを移動させず、ステップS104からの処理を繰り返す。
【0065】
次いで、図5AのステップS112にて従属文字の選択が決定されると、図5Bに示すように、操作体が表示面からリリースされたか否かが判定される(ステップS118)。操作体が表示面からリリースされたか否かは、接触判定部130により、接触検出部112の検出した静電容量の値が所定の静電容量の値以下となったか否かによって判定される。接触判定部130は、検出された静電容量の値が所定の値以下となったとき、操作体が表示面からリリースしたと判定し、検出された静電容量の値が所定の値より大きいときには、操作体は表示面からリリースしていないと判定する。
【0066】
かかる判定に基づき、ステップS118にて操作体が表示面からリリースされたと判定されると、操作制御部120による操作制御処理を終了する。すなわち、表示面から操作体がリリースされると、操作領域206の表示は先頭仮名文字配列キーボード210に戻り、次に操作体を接触させるときには、図5AのステップS100から再度開始されることになる。したがって、ユーザは、先頭仮名文字配列キーボード210から入力したい仮名文字の属する行の先頭仮名文字に操作体をタッチさせて、従属仮名文字が配列されたスクロールリスト220を表示させる。さらに操作体の表示面に対する圧力を変化させてスクロールリスト220をスクロールし、入力する文字にフォーカスを移動させる処理を再度行う。
【0067】
一方、操作体が表示面からリリースされていないと判定されると、続いて、操作体の表示面に対する圧力が増加したか否かが判定される(ステップS120)。ステップS120は、従属仮名文字を決定した後の上位操作である当該従属仮名文字から始まる予測変換入力を行うための、予測変換窓を表示するか否かを判定する処理である。本実施形態では、上位の入力を行うための表示画面(すなわち、入力形態)の切り替えを、操作体が表示面を押圧する力を抜いた後、操作体を接触させたまま、再度操作体を表示面へ押し込む操作により行うものとする。ステップS120で圧力が増加したと判定されると、操作制御部120は、予測変換文字列のリストを表示する予測変換窓を表示させて、予測変換文字列を入力可能な予測変換入力モードへ移行する(ステップS122)。
【0068】
例えば、図8の状態(a)に示すように、スクロールリスト220を構成する従属仮名文字から入力したい従属仮名文字にフォーカスを移動し、所定時間内に所定の割合以上(例えば、100msecで80%以上)表示面を押圧する力を減少させたとする。このとき、指Fを表示面からリリースさせず、再度指Fを表示面に押し込むと、図8の状態(b)に示すように、状態(a)で決定された従属仮名文字から始まる予測変換文字列のリストを表示する予測変換窓230が操作領域206に表示される。
【0069】
予測変換窓230を表示させるタイミングは、例えば、図8のグラフに示すように、圧力判定部140により表示面に対する圧力が所定の再押圧閾値を超えたことが判定された場合とすることができる。あるいは、現在の表示面を押圧する圧力から所定の増加率以上圧力が増加したことが判定された場合としてもよい。圧力判定部140がこのような圧力増加を認識すると、操作制御部120は、予測変換窓230を表示させて、予測変換入力モードに移行する。一方、ステップS120にて圧力が増加したと判定されなかった場合には、ステップS118へ戻り、処理を繰り返す。
【0070】
ステップS124〜S130の操作は、予測変換モード移行後の操作である。予測変換モードに移行すると、操作体が表示面からリリースされたか否かが判定される(ステップS124)。操作体が表示面からリリースされたか否かの判定は、ステップS118と同様の処理によって行うことができる。ステップS124にて操作体が表示面からリリースされると、操作制御部120は、予測変換窓230に表示されたリスト中、フォーカスされている予測変換文字列が決定されたと判定する(ステップS126)。この場合、操作制御部120は、決定された予測変換文字列を仮入力領域204に表示させ、操作領域206の表示を先頭仮名文字配列キーボード210に戻し、処理を終了する。
【0071】
一方、ステップS124にて操作体が表示面からリリースされていないと判定された場合には、ステップS120で検出された圧力が所定時間内に所定の割合以上圧力が増加したか否かを判定する(ステップS128)。ステップS128は、予測変換窓230に表示された予測変換文字列を選択するためのフォーカスを移動させるか否かを判定するために行われる。ここで、操作体の動作を明確に判断するため、ステップS128では操作体が押圧する力が急激に増加したことを判定条件とする。このとき、所定時間Tは、例えば100msecとすることができ、所定の割合は、例えば80%と設定することができる。ステップS128にて表示面に対する圧力が所定時間内に所定の割合以上増加していないと判定された場合には、ステップS124へ戻り、処理を繰り返す。
【0072】
一方、ステップS128にて表示面に対する圧力が所定時間内に所定の割合以上増加したと判定されると、操作制御部120は、予測変換窓230に表示されたリスト中のフォーカスを次の予測変換文字列へ移動させる(ステップS130)。例えば、図9の状態(a)に示すように、予測変換窓230のフォーカス232が、リストの最上位に表示されている予測変換文字列に位置しているとする。この状態から、指Fを表示面に対して所定時間内に所定の割合以上(例えば、100msecで80%以上)増加するように圧力を加えると、図9のグラフに示すように圧力が急激に増加する。このような圧力の急激な増加が圧力判定部140により認識されると、操作制御部120は、予測変換窓230のフォーカス232を次の予測変換文字列の位置に移動させる。
【0073】
このように、力を抜き、急激に表示面を押し込む操作を繰り返すことにより、予測変換窓230内のフォーカスを移動させることができる。例えば、図9のグラフに示すように、指Fを表示面に接触させたまま力を抜いた後、急激に指Fを押し込む操作を3回行うと、フォーカス232は3回移動され、図9の状態(b)に示す状態となる。なお、上記説明において、ステップS128では所定時間内における圧力の増加量が所定の割合以上である場合にフォーカス232を移動させたが、例えば所定時間内に所定の圧力閾値を超えた場合にフォーカス232を移動させるようにしてもよい。そして、最終的に指Fをリリースすることにより、現在フォーカスされている予測変換文字列を決定することができ(ステップS126)、キー入力を完了することができる。
【0074】
以上、図5Aおよび図5Bに基づいて、本実施形態にかかる操作制御部120による文字入力の操作制御方法について説明した。操作制御部120により、先頭文字配列キーボード210から先頭仮名文字を決定して、従属仮名文字を選択するスクロールリスト220を表示させた後、従属仮名文字を決定する際に、操作体である指Fを表示面からリリースさせるか、あるいはリリースさせずに再度表示面を押圧するかによって、その後に行う操作を切り替えることができる。上記例では、指Fを表示面からリリースするとスクロールリスト220でフォーカスされている従属仮名文字の入力が決定され、リリースさせずに再度表示面が押圧されると予測変換窓230が表示されて、予測変換文字列の入力操作が可能となる。
【0075】
[繰り返し入力操作]
このように、操作体をリリースさせるか、リリースさせずに再度表示面を押圧するかによって入力形態を切り替える他の例として、予測変換入力の変わりに、同一文字の繰り返し入力(繰り返し入力モード)を可能としてもよい。例えば、図5BのステップS118およびS120の判定から、指Fがリリースされずに再度表示面が押圧されたと認識されたき、ステップS122で予測変換窓230を表示する代わりに、直前に決定された従属仮名文字を繰り返し入力するようにする。すなわち、ユーザは、指Fを押し込む操作を繰り返すことにより、指Fを押し込んだ回数だけ従属仮名文字を入力することができる。これにより、同一文字を繰り返し入力する際に、先頭仮名文字配列キーボード210と従属仮名文字を選択するスクロールリスト220との操作を繰り返し行う必要がなく、操作を容易にすることができる。
【0076】
なお、従属仮名文字決定後、操作体がリリースされずに再度表示面が押圧されたときに、上述した予測変換入力を行うための予測変換入力モードと繰り返し入力モードとのうちいずれのモードを実行させるかは、予め設定しておくものとする。
【0077】
以上、本発明の第1の実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置100の構成と、操作制御方法について説明した。本実施形態のような仮名文字入力キーボードを用いる際に、操作体により表示面を押圧して入力する仮名文字を決定した後、操作体を表示面からリリースさせるか、あるいは操作体を表示面からリリースさせることなく再度表示面を押圧するかにより、入力形態を切り替えることができる。このような操作制御により、ソフトウェアキーボードにおける指および視線移動量の削減を実現することができる。
【0078】
さらに、本実施形態の操作制御方法を用いた文字入力操作においては、一つ上位のキー入力窓(例えば、上記例では予測変換窓230)を操作領域206に常時表示させる必要もない。このため、ソフトウェアキーボードの表示面積が限られた携帯電話等の小型デバイスにおいて、予測変換窓230の表示スペースをなくすことができる。これにより、空いた表示スペースを利用して、入力対象のキーの間隔やサイズを大きくすることが可能となり、キー入力操作における誤操作を低減させることもできる。
【0079】
<2.第2の実施形態>
次に、図10および図11に基づいて、本発明の第2の実施形態にかかる入力表示装置300の構成と操作制御方法について説明する。本実施形態にかかる入力表示装置300は、QWERTYキー配列のソフトウェアキーボードを用いる点で第1の実施形態の入力表示装置100と相違する。以下では、第1の実施形態との相違点について主として説明する。なお、図10は、本実施形態にかかる入力表示装300において予測変換入力を行う操作を示す説明図である。図11は、予測変換入力後、オートコンプリート入力を行う操作を示す説明図である。
【0080】
本実施形態にかかる入力表示装置300では、QWERTYキー配列のソフトウェアキーボードによるアルファベット入力が可能である。図10の状態(a)に示すように、QWERTYキー330では、通常、1つのキーに対して1つのアルファベットが割り当てられており、キーがタッチされることによりタッチされたキーに対応付けられたアルファベットが入力領域310に入力される。
【0081】
入力表示装置300では、第1の実施形態と同様に、キー入力における一つ上位のキー入力操作を、表示面に対する圧力の増減によって同時に行う点を特徴としている。例えば、入力表示装置300では、アルファベットを入力するQWERTYキー入力の上位のキー入力操作として、予測変換入力やオートコンプリート入力等がある。そこで、本実施形態にかかる入力表示装置300においても、操作体を表示面に押圧させた後急激に力を抜いてQWERTYキー300から入力する文字を選択した後に、操作体を表示面からリリースさせるか、あるいはリリースさせずに再度表示面に押圧させるかによって、その後の入力操作を切り替えることができる。
【0082】
[予測変換入力モードへの切り替え]
例えば、図10に基づいて、QWERTYキー330から入力する文字を選択した後、予測変換入力モードへ切り換える場合について説明する。まず、図10の状態(a)に示すように、QWERTYキー330から入力したいアルファベットが表示されている領域に指を接触させ、選択する。そして、指を表示面に押し込むと選択されたアルファベットの入力が決定される。その後、指を表示面からリリースさせると、次に入力するアルファベットをQWERTYキー330から入力できるようになる。
【0083】
一方、図10の状態(a)から、表示面を押圧する力を弱めた後、指をリリースさせずに再度表示面を押圧する。そうすると、状態(b)に示すように、状態(a)で選択されたアルファベットに関する予測変換文字列を表示する予測変換窓340が表示させる。これにより、ユーザは予測変換窓340に表示された予測変換文字列を選択することが可能となる。ユーザは、例えば第1の実施形態と同様に表示面を押圧する力の加減を変えることにより、予測変換窓340のフォーカス342を移動させ、入力したい文字列をフォーカスする。そして、指Fを表示面からリリースさせると、フォーカスされた文字列の入力が決定される。そして、予測変換窓340は非表示となり、次に入力するアルファベットをQWERTYキー330から入力できるようになる。
【0084】
[オートコンプリート入力モードへの切り替え]
また、本実施形態にかかる入力表示装置300では、予測変換入力から文字列を選択した後、オートコンプリート入力モードへ切り換えることもできる。本例では、決定された文字が表示される入力領域310と、予測変換表示領域320と、QWERTYキー330とが表示部に表示されているとする。QWERTYキー330から入力したいアルファベットが表示されている領域に指を接触させ、選択する。そして、指を表示面に押し込むと選択されたアルファベットの入力が決定される。
【0085】
QWERTYキー330から入力されたアルファベットが順次入力領域310に表示されていくと、形成されていく文字列から予測される文字列の候補が予測変換表示領域320に表示される。ユーザは、入力したい文字列が予測変換表示領域320に表示されると、当該文字列が表示された領域を指で押し込み、選択することができる。その後、指を表示面からリリースさせると、選択されていた予測変換表示領域320の文字列が入力領域310に表示され、次に入力するアルファベットをQWERTYキー330から入力できるようになる。
【0086】
一方、図11の状態(a)から、表示面を押圧する力を弱めた後、指をリリースさせずに再度表示面を押圧する。そうすると、状態(b)に示すように、オートコンプリート入力窓350が表示される。オートコンプリート入力窓350には、状態(a)で選択された予測変換文字列を補間する文字列が追加された入力候補が表示される。ユーザは、例えば第1の実施形態と同様に表示面を押圧する力の加減を変えることにより、オートコンプリート入力窓350のフォーカス352を移動させ、入力したい入力候補をフォーカスする。そして、指Fを表示面からリリースさせると、フォーカスされた入力候補の入力が決定される。そして、オートコンプリート入力窓350は非表示となり、次に入力するアルファベットをQWERTYキー330から入力できるようになる。
【0087】
このように、QWERTYキー配列のソフトウェアキーボードを用いた場合においても、操作体により表示面を押圧して入力する文字を決定した後、操作体を表示面からリリースさせるか、あるいは操作体を表示面からリリースさせることなく再度表示面を押圧するかにより、入力形態を切り替えることができる。
【0088】
なお、上述したQWERTYキー配列のソフトウェアキーボードにおいては、アルファベット入力モード、予測変換入力モード、およびオートコンプリート入力モードの3つの入力形態の切り替えを行ったが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、QWERTYキー330からアルファベットを選択された後、指が表示面からリリースさせると、選択したアルファベットの小文字が入力され、指がリリースされずに再度表示面が押圧されると、選択されたアルファベットの大文字やウムラウト等の文字のリストが表示されるようにしてもよい。
【0089】
ここで、本実施形態の入力表示装置300では、すべてのアルファベットが表示されたQWERTYキー配列のソフトウェアキーボードを用いたが、他の配列のソフトウェアキーボードによりアルファベット入力できるようにしてもよい。例えば、第1の実施形態のように格子状のキー配列とし、1つのキーに複数のアルファベットを従属させて、段階的に入力文字を決定することができる。例えば、1つのキーに「A」、「B」、「C」の3つの文字が対応付けられているとする。そして、当該キーの先頭文字を、例えばアルファベット配列で最も先頭に位置する文字とする。文字「A」、「B」、「C」では、「A」が先頭文字となる。
【0090】
文字「B」を入力する場合、ユーザはまず、「B」の従属するキーに接触して、「A」、「B」、「C」のうちいずれかの文字を入力することを決定する。キーが選択されると、当該文字列に従属する文字のリストが表示され、キーに従属する文字の入力が可能となる。リストには、従属する文字の大文字、小文字や、ウムラウト等の文字も含めてもよい。このとき、ユーザは、指を表示面に接触させたまま、表示面を押し込む力を変化させることにより、リスト中において選択されている文字を変更することができる。そして、表示面から指がリリースされると、リリースされたときにリスト中で選択されている文字の入力が決定される。
【0091】
一方、指を表示面からリリースさせずに表示面を押圧する力を急激に抜き、再度押し込むと、他の入力形態に切り替えることができる。例えば、当該操作によって、選択されている文字に関する予測変換文字列を表示する予測変換窓を表示させるようにしてもよい。すなわち、アルファベット入力においても、第1の実施形態にかかる入力表示装置100と同様に、文字入力を行うことができる。
【0092】
以上、本発明の第2の実施形態にかかる操作制御部を備える入力表示装置300の構成と、操作制御方法について説明した。本実施形態のようなQWERTYキー配列のソフトウェアキーボードを用いる際にも、操作体により表示面を押圧して入力する仮名文字を決定した後、操作体を表示面からリリースさせるか、あるいは操作体を表示面からリリースさせることなく再度表示面を押圧するかにより、入力形態を切り替えることができる。このような操作制御により、ソフトウェアキーボードにおける指および視線移動量の削減を実現することができる。
【0093】
また、本実施形態の操作制御方法を用いた文字入力操作においては、一つ上位の入力形態を行うための画面(窓)を常時表示させる必要がない。このため、ソフトウェアキーボードの表示面積が限られた携帯電話等の小型デバイスにおいて、上位の入力形態のための表示スペースをなくすことができる。これにより、空いた表示スペースを利用して、入力対象のキーの間隔やサイズを大きくすることが可能となり、キー入力操作における誤操作を低減させることもできる。
【0094】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0095】
例えば、上記実施形態では、入力装置として静電式タッチパネル105および感圧センサ106を備えたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、感圧センサ106のみを備えるようにしてもよい。この場合、操作体が表示面に接触したか否かは、感圧センサ106によって検知される。例えば感圧センサ106が検出する圧力が所定の値以上となったとき、操作体が表示面に接触したと検知するようにしてもよい。
【0096】
また、上記第2の実施形態では、アルファベットを入力するキー配列として、QWERTY配列を用いたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、DVORAK配列等の他のキー配列を用いてもよい。
【符号の説明】
【0097】
100、300 入力表示装置
110 入力表示部
112 接触検出部
114 圧力検出部
116 表示部
120 操作制御部
130 接触判定部
140 圧力判定部
150 記憶部
160 表示制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字情報を入力する入力領域を表示する表示部に設けられ、前記入力領域を操作するために操作体が前記表示部の表示面を押圧する圧力を検出する圧力検出部と、
前記圧力検出部により検出された圧力の変化に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える操作制御部と、
を備え、
前記操作制御部は、
前記圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、前記表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定し、
その後前記圧力検出部により検出された圧力の変化および入力が決定された前記文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える、操作制御装置。
【請求項2】
前記操作制御部は、選択されている文字情報の入力を決定した後、
前記圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、既に入力された文字情報を補間する情報を入力するための上位の入力形態に切り替え、
前記圧力検出部により検出された圧力が、操作体が前記表示部の表示面から離隔されたと判断されるリリース閾値を下回ったとき、予め設定された入力形態に切り替える、請求項1に記載の操作制御装置。
【請求項3】
前記操作制御部は、
一文字ずつ文字を入力可能な文字入力モードにおいて、前記圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている文字の入力を決定し、
その後前記圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、既に入力された文字に連続して入力されると予測される1または2以上の予測変換文字列を前記表示部に表示させ、前記予測変換文字列を入力可能な予測変換入力モードに切り替える、請求項2に記載の操作制御装置。
【請求項4】
前記操作制御部は、
前記予測変換入力モードにおいて、前記圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている予測変換文字列の入力を決定し、
その後前記圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、入力が決定された前記予測変換文字列を補間する文字列が追加されたオートコンプリート文字情報を前記表示部に表示させ、前記オートコンプリート文字情報を入力可能なオートコンプリート入力モードに切り替える、請求項3に記載の操作制御装置。
【請求項5】
前記操作制御部は、
一文字ずつ文字を入力可能な文字入力モードにおいて、前記圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている文字情報の入力を決定し、
その後前記圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、前記文字入力モードにおいて入力が決定された文字を繰り返し入力することの可能な繰り返し入力モードに切り替える、請求項2に記載の操作制御装置。
【請求項6】
前記圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたときに、前記操作体が操作する1つの前記入力領域に対して複数の文字情報が対応付けられている場合、
前記操作制御部は、
前記圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、当該入力領域に対応付けられた複数の前記文字情報を前記表示部に表示させ、当該文字情報を入力可能な従属文字情報入力モードに切り替え、
前記圧力検出部により検出された圧力が、操作体が前記表示部の表示面から離隔されたと判断されるリリース閾値を下回ったとき、前記入力領域に対応付けられた複数の前記文字情報のうち先頭文字情報の入力を決定し、予め設定された入力形態に切り替える、請求項1に記載の操作制御装置。
【請求項7】
文字情報を入力する入力領域を表示する表示部の表示面を、前記入力領域を操作するために操作体が押圧する圧力を検出するステップと、
前記検出された圧力が所定時間に所定の割合以上減少したとき、前記表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定するステップと、
その後検出された圧力の変化および入力が決定された前記文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替えるステップと、
を含む、操作制御方法。
【請求項8】
文字情報を入力する入力領域を表示する表示部の表示面を、前記入力領域を操作するために操作体が押圧する圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出された圧力の変化に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える操作制御手段と、
を備え、
前記操作制御手段は、
前記圧力検出手段により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、前記表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定し、
その後前記圧力検出手段により検出された圧力の変化および入力が決定された前記文字情報に応じて、文字情報の入力形態を切り替える、操作制御装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項1】
文字情報を入力する入力領域を表示する表示部に設けられ、前記入力領域を操作するために操作体が前記表示部の表示面を押圧する圧力を検出する圧力検出部と、
前記圧力検出部により検出された圧力の変化に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える操作制御部と、
を備え、
前記操作制御部は、
前記圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、前記表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定し、
その後前記圧力検出部により検出された圧力の変化および入力が決定された前記文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える、操作制御装置。
【請求項2】
前記操作制御部は、選択されている文字情報の入力を決定した後、
前記圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、既に入力された文字情報を補間する情報を入力するための上位の入力形態に切り替え、
前記圧力検出部により検出された圧力が、操作体が前記表示部の表示面から離隔されたと判断されるリリース閾値を下回ったとき、予め設定された入力形態に切り替える、請求項1に記載の操作制御装置。
【請求項3】
前記操作制御部は、
一文字ずつ文字を入力可能な文字入力モードにおいて、前記圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている文字の入力を決定し、
その後前記圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、既に入力された文字に連続して入力されると予測される1または2以上の予測変換文字列を前記表示部に表示させ、前記予測変換文字列を入力可能な予測変換入力モードに切り替える、請求項2に記載の操作制御装置。
【請求項4】
前記操作制御部は、
前記予測変換入力モードにおいて、前記圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている予測変換文字列の入力を決定し、
その後前記圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、入力が決定された前記予測変換文字列を補間する文字列が追加されたオートコンプリート文字情報を前記表示部に表示させ、前記オートコンプリート文字情報を入力可能なオートコンプリート入力モードに切り替える、請求項3に記載の操作制御装置。
【請求項5】
前記操作制御部は、
一文字ずつ文字を入力可能な文字入力モードにおいて、前記圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、選択されている文字情報の入力を決定し、
その後前記圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、前記文字入力モードにおいて入力が決定された文字を繰り返し入力することの可能な繰り返し入力モードに切り替える、請求項2に記載の操作制御装置。
【請求項6】
前記圧力検出部により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたときに、前記操作体が操作する1つの前記入力領域に対して複数の文字情報が対応付けられている場合、
前記操作制御部は、
前記圧力検出部により検出された圧力が再押圧閾値を超えたとき、当該入力領域に対応付けられた複数の前記文字情報を前記表示部に表示させ、当該文字情報を入力可能な従属文字情報入力モードに切り替え、
前記圧力検出部により検出された圧力が、操作体が前記表示部の表示面から離隔されたと判断されるリリース閾値を下回ったとき、前記入力領域に対応付けられた複数の前記文字情報のうち先頭文字情報の入力を決定し、予め設定された入力形態に切り替える、請求項1に記載の操作制御装置。
【請求項7】
文字情報を入力する入力領域を表示する表示部の表示面を、前記入力領域を操作するために操作体が押圧する圧力を検出するステップと、
前記検出された圧力が所定時間に所定の割合以上減少したとき、前記表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定するステップと、
その後検出された圧力の変化および入力が決定された前記文字情報に基づいて、文字情報の入力形態を切り替えるステップと、
を含む、操作制御方法。
【請求項8】
文字情報を入力する入力領域を表示する表示部の表示面を、前記入力領域を操作するために操作体が押圧する圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出された圧力の変化に基づいて、文字情報の入力形態を切り替える操作制御手段と、
を備え、
前記操作制御手段は、
前記圧力検出手段により検出される圧力が所定時間に所定の割合以上減少したことが検出されたとき、前記表示面に接触する操作体の操作によって選択されている文字情報の入力を決定し、
その後前記圧力検出手段により検出された圧力の変化および入力が決定された前記文字情報に応じて、文字情報の入力形態を切り替える、操作制御装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−53973(P2011−53973A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202958(P2009−202958)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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