説明

操作監視装置

【課題】プロジェクタースクリーンが大型の表示装置の表示を隠す位置に設けられた場合に、大型の表示装置の表示を見せることができる操作監視装置を実現する。
【解決手段】表示装置1と比較して小型なプロジェクタスクリーン34と、このプロジェクタスクリーン34に画像を投射するプロジェクタ35と、このプロジェクタの投射制御を行う制御部37とを備えた。制御部37がプロジェクタスクリーン34を透明にさせるので、表示装置1の表示を見せることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、プラント監視システムに用いられ、表示装置が後方に設けられる操作監視装置に関し、表示装置の表示を見せることができる操作監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラント監視システムは、オペレータルームに操作監視装置が設置され、操作監視装置の後方の壁面に大型な表示装置が設置され、プラントの操作や監視を行っている。このような操作監視装置は、例えば、下記特許文献1に示されている。以下図3を用いて説明する。ここで、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【0003】
図3において、表示装置1は、図示しない制御装置に接続され、壁面に設置される。2つの操作監視装置2は、表示装置1の前方に間隔が空けられ設置され、図示しないフィールドコントロールステーション(以下FCS)に接続され、プラントの操作、監視を行う。そして、操作監視装置2は、デスク21、固定部材22、それぞれ2つの液晶ディスプレイ(以下LCD)23,24、入力部25、制御部26を有する。2つの固定部材22は、デスク21に垂直に取り付けられる。LCD23,24は、固定部材22に縦に並べて取り付けられる。入力部25は、例えば、キーボード等で、デスク21上に設けられる。制御部26は、デスク21の内部に設けられ、それぞれ2つのLCD23,24、入力部25に接続する。
【0004】
このような装置の動作を説明する。図示しないFCSから、図示しない制御装置に監視データが送られ、この監視データに基づいて、制御装置が、表示装置1の画面を表示する。また、FCSは、操作監視装置2に監視データを送り、この監視データに基づいて、操作監視装置2の制御部26がLCD23,24に画面を表示する。そして、操作監視装置2の入力部25から入力が行われ、制御部26はLCD23,24の画面表示を行うと共に、FCSに操作データを送り、FCSがプラントの制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−215054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
昨今、オペレータ一人当たりに与えられる情報量は多くなり、操作監視装置2に合計4台のLCD23,24が設けられるようになった。この多量の情報は、一般的に、常に注意を払う重要な情報が下側に配置されるLCD23に表示され、重要度の低い情報は上側に配置されるLCD24に表示されている。これは、人間工学的観点からいうと、適切な情報表示方法である。
【0007】
一方、大型の表示装置1は、常時、注意を払うものではないが、重大なアラームなどを必要なときに即座に複数のオペレータが共有すべきものである。
【0008】
しかし、オペレータが通常座って操作監視作業を行っているので、目の位置が図3の★印で示される位置になり、LCD24が表示装置1の表示を隠し、表示装置1の表示の全てを見ることができない。また、表示装置1を上方に位置させることが考えられるが、すでに上方に取り付けられており、上方にずらすことができない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、表示装置の表示を見せることができる操作監視装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
表示装置が後方に設けられる操作監視装置において、
前記表示装置と比較して小型で透明なプロジェクタスクリーンと、
このプロジェクタスクリーンに画像を投射するプロジェクタと、
このプロジェクタの投射制御を行う制御部と
を備えたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、
表示装置が後方に設けられる操作監視装置において、
前記表示装置と比較して小型で、非発光時に透明な有機ELディスプレイと、
この有機ELディスプレイの表示制御を行う制御部と
を備えたことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明であって、
プラント監視システムに用いられることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば以下のような効果がある。
請求項1,3によれば、制御部がプロジェクタの投影制御を行い、プロジェクタスクリーンを透明にさせるので、表示装置の表示を見せることができる。これにより、オペレータは座ったままで、姿勢を変えることなく、表示装置とプロジェクタスクリーンの表示選択を行うことができる。
【0012】
請求項2,3によれば、制御部が有機ELディスプレイの表示制御を行い、有機ELディスプレイを非発光時に透明にさせるので、表示装置の表示を見せることができる。これにより、オペレータは座ったままで、姿勢を変えることなく、表示装置と有機ELディスプレイの表示選択を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例を示した構成図である。
【図2】本発明の他の実施例を示した構成図である。
【図3】従来の操作監視装置の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明を、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示した構成図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【0015】
図1において、表示装置1は、図示しない制御装置に接続され、壁面に設置される。2つの操作監視装置3は、表示装置1の前方に間隔が空けられ設置され、図示しないFCSに接続され、プラントの操作、監視を行う。そして、操作監視装置3は、デスク31、2つの固定部材32、2つのLCD33、2つのプロジェクタスクリーン34、2つのプロジェクタ35、入力部36、制御部37を有する。2つの固定部材32は、デスク21に垂直に取り付けられる。LCD33は、表示装置1と比較して小型で、固定部材32に取り付けられる。透明なプロジェクタスクリーン34は、表示装置1と比較して小型で、LCD33の上側で、固定部材32に取り付けられる。プロジェクタ35は、プロジェクタスクリーン34に画像を投射する。入力部36は、例えば、キーボード等で、デスク31上に設けられる。制御部37は、デスク31の内部に設けられ、2つのLCD33、2つのプロジェクタ35、入力部36に接続する。
【0016】
このような装置の動作を以下に説明する。図示しないFCSから、図示しない制御装置に監視データが送られ、この監視データに基づいて、制御装置が、表示装置1の画面を表示する。また、FCSは、操作監視装置3に監視データを送り、この監視データに基づいて、操作監視装置3の制御部37が、LCD33に画面を表示すると共に、プロジェクタ35によりプロジェクタスクリーン34に画面を投影させる。そして、表示装置1の表示を見る場合は、操作監視装置3の入力部36を操作して、制御部37にプロジェクタ35の投影を止めて、プロジェクタスクリーン34を透明な状態にして、プロジェクタスクリーン34を介して、表示装置1の表示を見る。再び、プロジェクタスクリーン34の表示を見る場合は、操作監視装置3の入力部36を操作して、制御部37にプロジェクタ35の投影を再開させ、プロジェクタ35は、プロジェクタスクリーン34に画面を投影する。
【0017】
そして、操作監視装置3の入力部36から入力が行われ、制御部37はLCD33の画面表示を行うと共に、プロジェクタ35によりプロジェクタスクリーン34に画面を投影させる。入力部36の入力により、操作監視装置3は、FCSに操作データを送り、FCSがプラントの制御を行う。
【0018】
このように、制御部37がプロジェクタ35の投影制御、つまり、オン、オフ制御を行い、プロジェクタスクリーン34を透明にさせるので、★印の目の位置から、破線で示されるように、表示装置1の表示を見ることができる。これにより、オペレータは座ったままで、姿勢を変えることなく、表示装置1とプロジェクタスクリーン34の表示選択を行うことができる。
【0019】
次に、他の実施例を図2に示し説明する。図2(a)は正面図、(b)は側面図である。ここで、図1と同一のものは同一符号を付し説明を省略する。
【0020】
図2において、表示装置4は、表示装置1の代わりに設けられ、表示装置1より下部に壁面に設置される。固定部材38は、2つの固定部材32の代わりに設けられ、デスク31に取り付けられる。非発光時に透明な2つの有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ39は、LCD33、プロジェクタスクリーン34、プロジェクタ35の代わりに設けられ、表示装置4に比較して小型で、並列に固定部材38に取り付けられ、制御部37に接続する。
【0021】
このような装置の動作は、表示装置4の表示を見る場合は、操作監視装置3の入力部36を操作して、制御部37に有機ELディスプレイ39を非発光にして、有機ELディスプレイ39を透明にさせる。これにより、★印の目の位置から、破線で示されるように、有機ELディスプレイ39を通して、表示装置4の画面を見ることができる。再び、有機ELディスプレイ39の表示を見る場合は、操作監視装置3の入力部36を操作して、制御部37に有機ELディスプレイ39を発光させ、画面を表示させる。その他の動作を図1に示す装置とほぼ同様なので、説明を省略する。
【0022】
なお、本発明はこれに限定されるものではなく、図1で2段の例を示したが、3段にしてもよい。要するに、透明なプロジェクタスクリーン34、非発光時に透明な有機ELディスプレイ38を用いたものは本発明に含まれる。
【0023】
また、表示装置1,4は、一体型の表示装置である必要はなく、分割された複数の表示部(LCD等)からなるものも含まれる。つまり、壁面の上部大部分を表示に使用されるものであればよい。
【0024】
そして、図1でLCD33を示したが、CRT等でもよく、表示部であればよい。
【符号の説明】
【0025】
1,4 表示装置
3 操作監視装置
34 プロジェクタスクリーン
35 プロジェクタ
37 制御部
39 有機ELディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置が後方に設けられる操作監視装置において、
前記表示装置と比較して小型で透明なプロジェクタスクリーンと、
このプロジェクタスクリーンに画像を投射するプロジェクタと、
このプロジェクタの投射制御を行う制御部と
を備えたことを特徴とする操作監視装置。
【請求項2】
表示装置が後方に設けられる操作監視装置において、
前記表示装置と比較して小型で、非発光時に透明な有機ELディスプレイと、
この有機ELディスプレイの表示制御を行う制御部と
を備えたことを特徴とする操作監視装置。
【請求項3】
プラント監視システムに用いられることを特徴とする請求項1または2記載の操作監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−59764(P2011−59764A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205714(P2009−205714)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】