操作端末器
【課題】 電力の無駄な消費を抑えることができる操作端末器を提供する。
【解決手段】 操作スイッチとして、それぞれ1個のリレーに対応付けられる複数個の個別スイッチ41と、複数個のリレーに対応付けられハンドル3によって操作されるグループスイッチとを有する。個別スイッチ41に対応する個別表示灯45が全てリレーのオフ状態を示す点灯状態である全オフ状態となった後、いずれの操作スイッチも操作されないまま所定の消灯時間が経過すると、個別表示灯45を全て消灯させる消灯モードに移行する。個別スイッチ41が使用されない状態で個別表示灯45による表示が継続されることによる無駄な電力消費を抑えることができる。
【解決手段】 操作スイッチとして、それぞれ1個のリレーに対応付けられる複数個の個別スイッチ41と、複数個のリレーに対応付けられハンドル3によって操作されるグループスイッチとを有する。個別スイッチ41に対応する個別表示灯45が全てリレーのオフ状態を示す点灯状態である全オフ状態となった後、いずれの操作スイッチも操作されないまま所定の消灯時間が経過すると、個別表示灯45を全て消灯させる消灯モードに移行する。個別スイッチ41が使用されない状態で個別表示灯45による表示が継続されることによる無駄な電力消費を抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作端末器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、図13に示すように、それぞれ制御端末器としての制御親器101及び制御子器102と、複数台の操作端末器103,104,105と、アドレス設定用端末器106とがそれぞれ伝送路としての2線式の信号線Lsに接続(マルチドロップ接続)された遠隔制御システムが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
操作端末器103,104,105はそれぞれ個別にアドレスが設定された少なくとも1個の操作スイッチ103a,104a,105aを備え、自身が備える操作スイッチ103a,104a,105aの操作状態を監視している。
【0004】
制御親器101及び制御子器102は、それぞれ個別にアドレスが設定されて負荷への給電路に挿入された複数個(例えば制御親器で8個、制御子器で4個)のリレー(図示せず)を備える。操作スイッチ103a,104a,105a及びリレーのアドレスは、それぞれアドレス設定用端末器106によって設定される。
【0005】
制御親器101は、信号線Lsに対し、図14(a)に示すフォーマットの伝送信号Vsを送出する。伝送信号Vsは、信号の始点を示すスタートパルス信号ST、伝送信号Vsのモードを示すモードデータMD、制御子器102のリレーのアドレスや操作端末器103,104,105の操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスを示すアドレスデータAD、リレーの制御内容などを示す制御データCD、伝送誤りを検出するためのチェックサムデータCS、制御子器102や操作端末器103,104,105からの返送信号を受信するタイムスロットである信号返送期間WTよりなる双極性(±24V)の時分割多重信号であり、図14(b)に示すようなパルス幅変調によってデータを伝送する。制御子器102及び操作端末器103,104,105では、信号線Lsを介して受信された伝送信号VsのアドレスデータADに示されたアドレスが、自身の有するリレーや操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスに一致すると、伝送信号Vsから制御データCDを取り込むとともに、伝送信号Vsの信号返送期間WTに監視データを電流モード信号(信号線Lsを適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送信される信号)として返送する。
【0006】
制御親器101から制御子器102や操作端末器103,104,105へデータを伝送する場合には、モードデータMDを制御モードとし、制御子器102の備えるリレーや操作端末器103,104,105の備える操作スイッチ103a,104a,105aに予め割り当てられたアドレスをアドレスデータADに示した伝送信号Vsを信号線Lsに送信する。すると、アドレスデータADに示されたアドレスを割り当てられたリレーや操作スイッチ103a,104a,105aを有する制御子器102や操作端末器103,104,105が伝送信号Vsから制御データCDを取り込み(すなわち伝送信号Vsを受信し)、信号返送期間WTに監視データを返送する。制御親器101では、送信した制御データCDと信号返送期間WTに受信された監視データとの関係によって、制御データCDが正しく伝送されたことを確認する。制御子器102が制御モードの伝送信号Vsを受信した場合、その制御子器102は、受け取った制御データCDに従って対応するアドレスのリレーをオンオフ制御することにより、負荷への給電をオンオフする。
【0007】
また、制御親器101は、通常時にはモードデータMDをダミーモードとした伝送信号Vsを一定時間間隔で送信する常時ポーリングを行っており、操作端末器103,104,105が制御親器101に対して何らかのデータを送信しようとするときには、ダミーモードの伝送信号Vsのスタートパルス信号STに同期させて図14(c)のような割込信号Viを発生させる。このとき、操作端末器103,104,105では割込フラグを設定して制御親器101との以後の情報授受に備える。割込信号Viを受信した制御親器101では、モードデータMDを割込ポーリングモードとし且つアドレスデータADの上位の半数のビットを順次増加させながら伝送信号Vsを送信する。割込信号Viを送信した操作端末器103,104,105では、割込ポーリングモードの伝送信号のアドレスデータADの上位の半数のビットが、操作端末器103,104,105の有する操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスの上位の半数のビットに一致するときに、信号返送期間WTにアドレスの下位の半数のビットを信号線Lsを介して制御親器101に返送する。制御親器101では、上記動作によって操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスを獲得すると、モードデータMDを監視モードとし、獲得されたアドレスをアドレスデータADに示す伝送信号Vsを信号線Lsに送出する。割込信号を発生した操作端末器103,104,105は、この伝送信号Vsの信号返送期間WTに、伝送しようとするデータを返送する。最後に、制御親器101は割込信号を発生した操作端末器103,104,105に対して割込リセットを要求する信号を送信し、操作端末器103,104,105の割込フラグを解除する。以上のようにして、操作端末器103,104,105から制御親器101へのデータの送信は、制御親器101から操作端末器103,104,105への4回の信号伝送(ダミーモード、割込ポーリングモード、監視モード、割込リセット)によって完了する。また、制御親器101が制御子器102の動作状態を知ろうとするときには、モードデータMDを監視モードとした伝送信号Vsを送出するだけでよい。
【0008】
上記遠隔制御システムの動作を簡潔にまとめる。まず、いずれかの操作スイッチ103a,104a,105aに操作入力が受け付けられると、受け付けられた操作入力に応じた監視データが操作端末器103,104,105から制御親器101に送信される。制御親器101は、操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスとリレーのアドレスとの対応関係を管理しており、上記監視データが受信されると、操作入力を受け付けた操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスに対し、自身が有するいずれかのリレーのアドレスが予め対応付けられている場合はそのリレーをオンオフ制御し、制御子器102が有するいずれかのリレーのアドレスが予め対応付けられている場合はそのリレーのオンオフ制御を制御データCDにおいて指示する制御モードの伝送信号Vsを信号線Lsに送出する。
【0009】
また、各操作端末器103,104,105において、各操作スイッチ103a,104a,105aには、それぞれ表示灯103b,104b,105bが並設されている。表示灯103b,104b,105bは、例えば多色発光ダイオードからなり、光の色の切り替えや点滅・連続点灯の切り替えといった点灯状態の切り替えによって、操作スイッチ103a,104a,105aに対応付けられたリレーのオンオフ(すなわち、該リレーを介して給電される負荷のオンオフ)を表示する。具体的には例えば、リレーがオンオフ制御されたときに制御親器101から制御モードで送信される伝送信号Vsに従い、各操作端末器103,104,105はオンオフ制御されたリレーに対応する表示灯103b,104b,105bの点灯状態を切り替える。
【特許文献1】特開2006−40874号公報
【特許文献2】特開平3−94597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、操作端末器103,104,105には、操作スイッチ103a,104a,105aとして、それぞれ1個のリレーに対応付けられる複数個の個別スイッチと、複数個のリレーに対応付けられて複数個の負荷を一括してオンオフするグループ制御に用いられるグループスイッチとを有し、各個別スイッチ及びグループスイッチをそれぞれ保持したハウジングと、各個別スイッチをそれぞれ露出させる開位置と各個別スイッチをそれぞれ覆う閉位置との間でハウジングに対して変位可能に取り付けられ閉位置においては操作力をグループスイッチに伝達するハンドルカバーとを備えるものがある。ハンドルカバーには、グループスイッチに対応した表示灯の光を通す窓部が設けられる。すなわち、ハンドルカバーを開けば(開位置に位置させれば)個別スイッチを用いることができ、ハンドルカバーを閉じれば(閉位置に位置させれば)ハンドルカバーの面積を操作面の面積としてグループスイッチを用いることができる。
【0011】
この種の操作端末器において、個別スイッチが用いられない状態でも個別スイッチに対応した表示灯を点灯させ続けると、電力が無駄に消費されることになる。
【0012】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、電力の無駄な消費を抑えることができる操作端末器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、個別のアドレスが割り当てられた操作スイッチを有して伝送路に接続されいずれかの操作スイッチが操作されたときに操作された操作スイッチのアドレスを含むデータを伝送路に送信する操作端末器と、負荷への給電路に挿入されたリレーを有し伝送路に接続され自身が有するリレーに予め対応付けられたアドレスを含むデータが伝送路から受信されたときに該データに含まれるアドレスに対応するリレーをオンオフ制御する制御端末器とを有する遠隔制御システムに用いられる操作端末器であって、操作スイッチとして、それぞれ1個のリレーに対応付けられる複数個の個別スイッチと、複数個のリレーに対応付けられるグループスイッチとを有し、伝送路に接続されてデータの送受信を行う通信部と、各個別スイッチとグループスイッチとのそれぞれに対応して少なくとも1個ずつ設けられた表示灯と、各表示灯においてそれぞれ対応する個別スイッチ乃至グループスイッチが対応付けられたリレーのオンオフがそれぞれ消灯以外の発光状態により表示されるように各表示灯をそれぞれ制御する制御部と、各個別スイッチとグループスイッチと各表示灯と通信部と制御部とをそれぞれ保持したハウジングと、ハウジングに対して各個別スイッチをそれぞれ覆う閉位置と各個別スイッチをそれぞれ露出させる開位置との間で変位可能に取り付けられ、閉位置においては操作力を受けてグループスイッチに伝達するハンドルカバーとを備え、ハンドルカバーには、ハンドルカバーが閉位置にあるときにグループスイッチに対応する各表示灯の光をそれぞれ通過させる窓部が設けられ、制御部は、個別スイッチに対応する表示灯が全てリレーのオフ状態を示す点灯状態である全オフ状態となった後、いずれの操作スイッチも操作されないまま所定の消灯時間が経過すると、個別スイッチに対応する表示灯を全て消灯させる消灯モードに移行し、その後グループスイッチ又は個別スイッチのいずれかが操作されたときに消灯モードを終了して個別スイッチに対応する表示灯による表示を行う通常モードに復帰することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、消灯時間の経過後に表示灯を消灯させるので、消費電力の低減が可能となる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、制御部は、全オフ状態となってから次にいずれかの操作スイッチが操作されるまでの再操作時間を測定するとともに、測定された再操作時間を少なくとも1個記憶し、記憶された再操作時間に基づいて、消灯時間よりも長い復帰時間を決定するとともに、全オフ状態となった後いずれの操作スイッチも操作されずに復帰時間が経過した場合にも通常モードに復帰することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、操作スイッチが操作される前に表示灯による表示を再開することができる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、制御部は、全オフ状態となった後いずれの操作スイッチも操作されずに所定の上限消灯時間が経過したときにも消灯モードに移行することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、長期不在時に、請求項2の動作によって無駄に電力が消費されることを防ぐことができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、制御部は、表示灯の制御に関して、共通の伝送路に接続された他の操作端末器において操作スイッチが操作されたことを示すデータが通信部において受信されたタイミングを、グループスイッチと個別スイッチとのいずれかが操作されたタイミングと同様に扱うことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、共通の伝送路に複数個の操作端末器を接続して用いた場合、いずれかの操作端末器が操作されたときに全ての操作端末器において一斉に制御部を通常モードに復帰させることができる。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか記載の発明において、ハウジングとハンドルカバーとの少なくとも一方に、ハンドルカバーが閉位置にあるときにハンドルカバーの窓部への個別スイッチの表示灯の光の到達を阻止する遮光壁が設けられていることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、遮光壁により、窓部への個別スイッチの表示灯の光の到達が阻止されるから、見栄えが改善される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、制御部は、個別スイッチに対応する表示灯が全てリレーのオフ状態を示す点灯状態である全オフ状態となった後、いずれの操作スイッチも操作されないまま所定の消灯時間が経過すると、個別スイッチに対応する表示灯を全て消灯させる消灯モードに移行するので、個別スイッチが使用されない状態での個別スイッチに対応する表示灯による無駄な電力消費を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
本実施形態は、図2に示すように、操作入力を受け付ける操作部11と、伝送路としての信号線Lsとの間でデータの送受信を行う通信部12と、操作部11が有する操作スイッチに対応付けられた負荷のオンオフを表示する表示部13と、操作部11に受け付けられた操作入力と通信部12に受信されたデータとに応じて通信部12及び表示部13をそれぞれ制御する制御部14とを備える。制御部14の基本的な動作は従来例で説明した操作端末器103,104,105と共通であるので、共通する部分についての詳細な説明は省略する。
【0026】
また、本実施形態は、図3に示すように、操作部11が有する操作スイッチとして、それぞれ1個ずつのリレーに対応付けられる8個の個別スイッチ41と、複数個のリレーに対応付けられる1個のグループスイッチ42とを備える。さらに、各個別スイッチ41及びグループスイッチ42をそれぞれ保持したハウジング2と、ハウジング2に対し揺動可能に取り付けられて操作力を受けてグループスイッチ42に伝達するハンドル3とを備える。以下、上下方向は図3を基準とし、図3の左上−右下方向を左右方向と呼び、図3の左下−右上方向を前後方向と呼ぶ。
【0027】
各個別スイッチ41及びグループスイッチ42はそれぞれ操作力を受ける操作ハンドル41a,42aを有する押釦スイッチからなり、プリント配線板40に実装されている。各個別スイッチ41及びグループスイッチ42は、それぞれ、操作ハンドル41a,42aが後ろ向きの操作力を受けている間は操作ハンドル41a,42aが通常の位置よりも後方へ変位するとともに接点が切り替わり、操作力が除去されると操作ハンドル41a,42aと接点とがそれぞれ復帰するように構成されている。プリント配線板40には、他に、操作部11が有してグループスイッチ42とリレーとの対応関係を設定するためのグループ設定スイッチ43が、個別スイッチ41に一対一に対応して8個、それぞれ対応する個別スイッチ41の左側に実装されている。各グループ設定スイッチ45はそれぞれプリント配線板40に対して左右にスライド可能な操作ハンドル43aを有するスライドスイッチからなり、予め個別スイッチ41に対応付けられた負荷をグループスイッチ42に対応付けるか否かをグループ設定スイッチ43の切り替えによって選択可能となっている。すなわち、グループスイッチ42が押操作されたとき、制御部14は、グループスイッチ42に対応付けることがグループ設定スイッチ43により選択された全ての個別スイッチ41が押操作されたときと同様の動作をする。また、プリント配線板40においてグループスイッチ42の下側には、操作部11が有するロータリスイッチからなり個別スイッチ41のアドレスの設定に用いられるアドレス設定スイッチ44が実装されている。アドレス設定スイッチ44は前方から見てプリント配線板4に対して左右に回動可能な操作ハンドル44aを有しており、操作ハンドル44aを左右に回動させることにより、各個別スイッチ41のアドレスを予め設定された複数通りのパターンのいずれかに切り替えることができるようになっている。さらに、プリント配線板40には、個別スイッチ41に一対一に対応して8個設けられた個別表示灯45と、グループスイッチ42に対応して設けられたグループ表示灯46(図1参照)とが、それぞれ上下位置を対応する個別スイッチ41又はグループスイッチ42に合わせ、グループ設定スイッチ43よりも左側に実装されている。表示部13は、個別表示灯45及びグループ表示灯46と、プリント配線板40に実装されて個別表示灯45及びグループ表示灯46をそれぞれ駆動する駆動回路(図示せず)とからなる。個別表示灯45及びグループ表示灯46はそれぞれ例えば2色発光ダイオードからなり、制御部14は、対応する個別スイッチ41又はグループスイッチ42に予め対応付けられたリレーのオンオフが、個別表示灯45やグループ表示灯46の発光色の切り替えにより表示されるように表示部13の駆動回路を介して各表示灯45,46をそれぞれ制御する。また、プリント配線板40には、通信部12を構成する回路部品(図示せず)と、制御部14を構成する回路部品(図示せず)とが実装されている。
【0028】
ハウジング2は、例えば合成樹脂成型品からなり収納凹部20aが前面に開口したハウジング本体21と、例えば合成樹脂成型品からなりハウジング本体21の前側に取り付けられて収納凹部20aを閉塞するハウジングカバー22とからなる。ハウジングカバー22の左右の側面にはそれぞれ上下に並ぶ2個ずつの係合凸部22aが左右方向の外側へ突設され、ハウジング本体21の左右の壁にはそれぞれ上下に並ぶ2個ずつの係合穴21aが左右に貫設されていて、各係合凸部22aがそれぞれ係合穴21aに係入することによってハウジング本体21とハウジングカバー22とは互いに機械的に結合している。
【0029】
本実施形態のハウジング2は壁面等の施工面に埋込配設されるものであって、ハウジングカバー22は、ハウジング2よりも上下方向に突出してハウジング2の取り付けに用いられる2個の取付部22bを上下両端に有する。各取付部22bには、それぞれ、施工面に埋込配設される周知の埋込ボックス(図示せず)への取付用のボックスねじが挿通されるボックス穴22cと、ボックス穴22cの左右にそれぞれ位置し、施工面がパネル材で構成されている場合にそのパネル材を取付片との間で挟む周知のはさみ金具(図示せず)が取り付けられるL字形状のはさみ穴22dと、ボックス穴22cの上下のうち外側に位置し、ハウジング2において前方から見てハンドル3から露出する部位を覆うプレート枠(図示せず)を取り付けるためのねじが挿通されるプレート穴22eと、プレート穴22eの左右にそれぞれ位置し、施工面を構成する壁材に螺合する直付け用のねじが挿通される直付け穴22fとが、それぞれ前後に貫設されている。
【0030】
また、ハウジングカバー22において、各スイッチ41,42,43,44に対応する位置には、それぞれ挿通穴22g,22h,22i,22jが前後に貫設されており、各スイッチ41,42,43,44の操作ハンドル41a,42a,43a,44aはそれぞれ挿通穴22g,22h,22i,22jに挿通されている。さらに、ハウジングカバー22において、各個別表示灯45の前側にはそれぞれ個別表示灯45の光を通過させる個別窓穴(図示せず)が前後に貫設され、グループ表示灯46の前側にはグループ表示灯46の光を通過させるグループ窓穴(図示せず)が前後に貫設されている。
【0031】
ハンドル3は、例えば合成樹脂成型品からなり長方形状であって個別スイッチ41を露出させる形でハウジング2に取り付けられたハンドル本体31と、例えば合成樹脂成型品からなり長方形状であって図1に示すように各個別スイッチ41をそれぞれ露出させる開位置と図4に示すように各個別スイッチ41をそれぞれ覆う閉位置との間でハンドル本体31に対して変位可能に取り付けられたハンドルカバー32とを備える。
【0032】
ここで、ハウジングカバー22の前面の左端部には、前端部が軸方向を上下方向に向けた円柱形状に形成された軸突起(図示せず)が前方へ突設されており、ハンドル本体31の後面の左端部には軸突起が嵌合する軸受け凹部(図示せず)が設けられていて、軸受け凹部に軸突起が嵌合することにより、ハンドル本体31はハウジング2に対して右端部を前後に変位させるように揺動可能に取り付けられている。ハンドル本体31の後面の右端部にはそれぞれ先が右向きに鉤状に曲がった2個の係止突起(図示せず)が上下に並んで後方へ突設され、ハウジングカバー22の右端部には2個の係止穴22nが上下に並んで前後に貫設されており、係止突起が係止穴22nに挿通されて係止突起の先部がハウジングカバー22の後面に係止されることにより、ハンドル本体31は揺動範囲を制限されるとともに前方への脱落を防止されている。
【0033】
また、ハンドル本体31の後面には、グループスイッチ42の操作ハンドル42aの前面に当接する押し突起(図示せず)が後方へ突設されており、ハンドル本体31が前方から押力を受けて後方に変位すると、押し突起によりグループスイッチ42の操作ハンドル42aが押操作されるようになっている。
【0034】
さらに、ハンドル本体31には、それぞれ円形状であって個別スイッチ41の操作ハンドル41aが挿通される8個のハンドル挿通穴31gと、それぞれ長方形状であってグループ設定スイッチ43の操作ハンドル43aが挿通される8個のハンドル挿通穴31iと、それぞれ長方形状であってハウジング2の個別窓穴22kに連通し個別表示灯45の光を通す8個の個別窓穴31kと、長方形状であってハウジング2のグループ窓穴22lに連通しグループ表示灯46の光を通すグループ窓穴31lとが、それぞれ前後に貫設されている。
【0035】
また、ハンドル本体31の前側には、個別窓穴22k及びグループ窓穴31lを覆う長方形状であって各個別表示灯45及びグループ表示灯46の光をそれぞれ拡散させる拡散シート33が例えば貼着によって保持されている。
【0036】
さらに、拡散シート33の前側には、グループ設定スイッチ43の設定方法等が表示された長方形状の銘板34が例えばハンドル本体31への貼着によって保持されている。銘板34には、8個のグループ設定スイッチ43の操作ハンドル43aが挿通されるハンドル挿通穴34iと、それぞれハンドル本体31の個別窓穴31kに対応する位置に設けられて個別表示灯45の光を通す8個の個別窓穴34kと、ハンドル本体31のグループ窓穴31lに対応する位置に設けられてグループ表示灯46の光を通すグループ窓穴34lとが設けられている。銘板34の右端にはそれぞれ左右の寸法を他の部位よりも小さくする2個の位置決め切り欠き34dが上下に並べて設けられ、ハンドル本体31において位置決め切り欠き34dに対応する位置にはそれぞれ位置決め突起31dがそれぞれ前方へ突設されており、各位置決め突起31dがそれぞれ位置決め切り欠き34dに係入することにより、ハンドル本体31に対する銘板34の位置決めがなされている。
【0037】
また、ハンドル本体31の左端部には、上下の端面がそれぞれ他の部位の上下の端面よりも上下方向の内側に位置し前面が上下の全長にわたって他の部位の前面よりも前方へ突出した軸受け部31bが設けられている。ハンドルカバー32は、長方形状の本体部32aと、本体部32aの上下両端部からそれぞれ左方へ突出する2個の連結凸部32bと、各連結凸部32bにおいて上下方向の内側の端面からそれぞれ下方向の内側へ突設された軸突起32cとを有する。ハンドル本体31の軸受け部31bの上下両端面にはそれぞれ軸受け凹部31cが設けられており、各軸突起32cがそれぞれ軸受け凹部31cに挿入されることにより、ハンドルカバー32は、ハンドル本体31に対し、図1のような開位置と図4のような閉位置との間で、上方から見て左右に回動可能に連結されている。そして、ハンドルカバー32が閉位置にあるときには、ハンドルカバー32が受けた後ろ向きの押力は、ハンドル本体31を介してグループスイッチ42の操作ハンドル42aに伝達される。また、ハンドルカバー32において閉位置でグループ表示灯46の前側に位置する箇所には窓穴32dが設けられている。ハンドルカバー32の前面には上下に長く底面に窓穴32dが開口した保持溝32eが設けられており、保持溝32eには、透光性を有する材料からなり窓穴32dを閉塞して閉位置においてグループ表示灯46の光を通す窓部を構成する窓体35が保持されている。
【0038】
さらに、ハンドルカバー32の後面には、ネームカード36が収納されるカード収納凹部32fが設けられており、ハンドルカバー32においてカード収納凹部32fの底面(すなわちネームカード36の前側)には透明な材料で構成されてネームカード36をハンドルカバー32の前方から視認可能とする窓部32gが設けられている。ここで、ハンドルカバー32には、本体部32aの後面に対し間に隙間を空けて対向する複数個の保持部32hが設けられており、保持部32hと本体部32aとの間には長方形状の保持板37が挟持されていて、ネームカード36の後方への脱落は保持板37によって防止されている。
【0039】
次に、本実施形態の動作を図5を用いて説明する。
【0040】
制御部14は、始動後(S1)、まず全ての個別表示灯45が負荷のオフ状態(リレーのオフ状態)を示す点灯状態となっている状態(以下、「全オフ状態」と呼ぶ。)かどうかを判定する(S2)。全オフ状態でなければ、次にいずれかの操作スイッチ41,42が操作されたかどうかを判定する(S3)。いずれかの操作スイッチ41,42が操作されていれば、次にその操作によって全オフ状態となったかどうかを判定する(S4)。ステップS3においていずれかの操作スイッチ41,42が操作され、且つ、その操作の結果、ステップS4で全オフ状態となっていれば、制御部14は計時を開始する(S5)。ステップS3においていずれの操作スイッチ41,42も操作されていないか、操作されていてもステップS4において全オフ状態となっていなければ、ステップS2に戻る。
【0041】
また、ステップS2において、全オフ状態すなわち制御部14が計時中であれば、いずれかの操作スイッチ41,42が操作されたかどうか、すなわち全オフ状態を脱したかどうかを判定する(S6)。ステップS6においていずれの操作スイッチ41,42も操作されていなければ、次に計時開始から所定の消灯時間(例えば30分)が経過したか、すなわち計時された時間が消灯時間を超過したか否かを判定する(S7)。ステップS7において消灯時間が経過していなければステップS2に戻り、消灯時間が経過していれば全ての個別表示灯45を消灯させる消灯モードに移行済みか否かを判定し(S8)、移行済みであればそのまま、移行済みでなければ消灯モードに移行して(つまり全ての個別表示灯45を消灯させて)(S9)、ステップS2に戻る。
【0042】
ステップS6において、いずれかの操作スイッチ41,42が操作されていれば、計時を終了して計時時間をリセットする(S10)。そして、個別表示灯45による負荷のオンオフ(リレーのオンオフ)の表示を行う通常モードであるかどうかを判定し(S11)、通常モードであればそのまま、通常モードでなければ通常モードに復帰した上で(S12)、ステップS2に戻る。
【0043】
上記構成によれば、いずれの操作スイッチ41,42も操作されないまま消灯時間が経過すれば消灯モードに移行するので、個別スイッチ41が使用されない状態で個別表示灯45による表示が継続されることによる無駄な電力消費を抑えることができる。
【0044】
なお、図6に示すように、制御部14が、ステップS6においていずれかの操作スイッチ41,42が操作されて計時を終了する際に、計時終了時点での計時時間が1時間を超えていれば計時時間を再操作時間として記憶し(S13)、記憶された再操作時間に基づいて復帰時間を決定するとともに、全オフ状態であって且つ操作スイッチが操作されないまま復帰時間が経過したとき(ステップS14において判定が真であるとき)に、通常モードに復帰するようにしてもよい。復帰時間の決定方法としては、例えば、再操作時間を最新のものから3個記憶し、うち最も短い再操作時間を復帰時間とする。この構成を採用すれば、操作スイッチ41,42が操作される前に個別表示灯45による表示を復帰させることができる。ここで、記憶された再操作時間が3個に満たない時点では、復帰時間は、出荷時に設定された値としてもよいし、記憶された2個以下の再操作時間を用いて決定してもよい。また、復帰時間の決定方法は上記に限られず、例えば3個の再操作時間の平均値を復帰時間としてもよい。
【0045】
さらに、図7に示すように、制御部14が、復帰時間が経過して通常モードに復帰した後、計時時間が復帰時間よりも長い上限消灯時間(例えば72時間)を経過したとき(ステップS15において判定が真であるとき)に、再び消灯モードに移行するようにしてもよい。この構成を採用すれば、旅行や夏期休業などで使用者が長期不在の場合に、復帰時間での通常モードへの復帰により無駄に電力が消費されることを防ぐことができる。
【0046】
また、制御部14が、個別表示灯45及びグループ表示灯46の制御に関して、同じ信号線Lsに接続された他の操作端末器が操作されたタイミングを、個別スイッチ41やグループスイッチ42が操作されたタイミングと同様に扱ってもよい。すなわち、動作は、ステップS3及びステップS6において、それぞれ「操作スイッチ」を「操作スイッチ又は他の操作端末器」と読み替えたものとなる。他の操作端末器が操作されたか否かの判定に当たっては、制御部14は、例えば、図13の構成において操作端末器103,104,105が操作されたときに制御親器101が送信する伝送信号Vsのいずれか(例えば、表示灯103b,104b,105bの制御を指示する制御モードの伝送信号Vs)が通信部12において検出されたとき、他の操作端末器103,104,105が操作されたと判定する。または、図8に示すように、同じ信号線Lsに接続された他の操作端末器が操作され且つ消灯モードであったときに、制御部14が計時を終了することなく通常モードに復帰するようにしてもよい。上記構成のいずれかを採用すれば、他の操作端末器103,104,105が操作されたときにも個別表示灯45による表示を再開することができる。
【0047】
さらに、図9及び図10に示すように、ハウジング2のグループ窓穴及びハンドル本体31のグループ窓穴31lに挿通されてハンドルカバー32の窓穴32dに挿入される直方体形状の凸台部40aをプリント配線板40の前面に突設するとともに、凸台部40aの前面にグループ表示灯46を実装してもよい。この構成を採用すれば、ハンドルカバー32が閉位置にあって且つ個別表示灯45が点灯しているときの、窓穴32dへの個別表示灯45の光の入射が、ハンドルカバー32のグループ窓穴31lの周辺部や凸台部40aによって阻止されるから、ハンドルカバー32が閉位置にある状態での見栄えが改善される。つまり、ハンドルカバー32のグループ窓穴31lの周辺部や凸台部40aが、請求項における遮光壁である。
【0048】
または、図11及び図12に示すように、透光性を有する材料からなり、ハウジング2のグループ窓穴及びハンドル本体31のグループ窓穴31lに挿通されてハンドルカバー32の窓穴32dに挿入される直方体形状であって、グループ表示灯46を覆い、グループ表示灯46の光を窓穴32dの内側へ導光するライトガイド46aを設けてもよい。この構成を採用すれば、ハンドルカバー32が閉位置にあって且つ個別表示灯45が点灯しているときの、窓穴32dへの個別表示灯45の光の入射や、窓穴32d外へのグループ表示灯46の光の漏れが、それぞれライトガイド46aによって低減されるから、ハンドルカバー32が閉位置にある状態での見栄えが改善される。
【0049】
ここで、個別表示灯45は、発光色によって負荷のオンオフを表示するものに限られず、負荷のオフ状態が例えば点滅など消灯以外の点灯状態で表示されるものであれば、本実施形態は意義を有する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態においてハンドルカバーが開位置にある状態を示す斜視図である。
【図2】同上を示すブロック図である。
【図3】同上を示す分解斜視図である。
【図4】同上においてハンドルカバーが閉位置にある状態を示す正面図である。
【図5】同上の動作を示す流れ図である。
【図6】本発明の別の形態の動作を示す流れ図である。
【図7】本発明の更に別の形態の動作を示す流れ図である。
【図8】同上の別の形態の動作を示す流れ図である。
【図9】同上の別の形態においてハンドルカバーが開位置にある状態を示す正面図である。
【図10】図9の形態の要部を示す斜視図である。
【図11】同上の更に別の形態においてハンドルカバーが開位置にある状態を示す正面図である。
【図12】図11の形態の要部を示す斜視図である。
【図13】遠隔制御システムの概略構成を示す説明図である。
【図14】(a)は遠隔制御システムにおける伝送信号のフレーム構成の一例を示す説明図であり、(b)は(a)の伝送信号の波形の一例を示す説明図であり、(c)は遠隔監視制御システムにおける割込信号の波形の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
2 ハウジング
12 通信部
14 制御部
32 ハンドルカバー
32d 窓穴
35 窓体
40a 凸台部
41 個別スイッチ
42 グループスイッチ
45 個別表示灯
46 グループ表示灯
Ls 信号線
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作端末器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、図13に示すように、それぞれ制御端末器としての制御親器101及び制御子器102と、複数台の操作端末器103,104,105と、アドレス設定用端末器106とがそれぞれ伝送路としての2線式の信号線Lsに接続(マルチドロップ接続)された遠隔制御システムが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
操作端末器103,104,105はそれぞれ個別にアドレスが設定された少なくとも1個の操作スイッチ103a,104a,105aを備え、自身が備える操作スイッチ103a,104a,105aの操作状態を監視している。
【0004】
制御親器101及び制御子器102は、それぞれ個別にアドレスが設定されて負荷への給電路に挿入された複数個(例えば制御親器で8個、制御子器で4個)のリレー(図示せず)を備える。操作スイッチ103a,104a,105a及びリレーのアドレスは、それぞれアドレス設定用端末器106によって設定される。
【0005】
制御親器101は、信号線Lsに対し、図14(a)に示すフォーマットの伝送信号Vsを送出する。伝送信号Vsは、信号の始点を示すスタートパルス信号ST、伝送信号Vsのモードを示すモードデータMD、制御子器102のリレーのアドレスや操作端末器103,104,105の操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスを示すアドレスデータAD、リレーの制御内容などを示す制御データCD、伝送誤りを検出するためのチェックサムデータCS、制御子器102や操作端末器103,104,105からの返送信号を受信するタイムスロットである信号返送期間WTよりなる双極性(±24V)の時分割多重信号であり、図14(b)に示すようなパルス幅変調によってデータを伝送する。制御子器102及び操作端末器103,104,105では、信号線Lsを介して受信された伝送信号VsのアドレスデータADに示されたアドレスが、自身の有するリレーや操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスに一致すると、伝送信号Vsから制御データCDを取り込むとともに、伝送信号Vsの信号返送期間WTに監視データを電流モード信号(信号線Lsを適当な低インピーダンスを介して短絡することにより送信される信号)として返送する。
【0006】
制御親器101から制御子器102や操作端末器103,104,105へデータを伝送する場合には、モードデータMDを制御モードとし、制御子器102の備えるリレーや操作端末器103,104,105の備える操作スイッチ103a,104a,105aに予め割り当てられたアドレスをアドレスデータADに示した伝送信号Vsを信号線Lsに送信する。すると、アドレスデータADに示されたアドレスを割り当てられたリレーや操作スイッチ103a,104a,105aを有する制御子器102や操作端末器103,104,105が伝送信号Vsから制御データCDを取り込み(すなわち伝送信号Vsを受信し)、信号返送期間WTに監視データを返送する。制御親器101では、送信した制御データCDと信号返送期間WTに受信された監視データとの関係によって、制御データCDが正しく伝送されたことを確認する。制御子器102が制御モードの伝送信号Vsを受信した場合、その制御子器102は、受け取った制御データCDに従って対応するアドレスのリレーをオンオフ制御することにより、負荷への給電をオンオフする。
【0007】
また、制御親器101は、通常時にはモードデータMDをダミーモードとした伝送信号Vsを一定時間間隔で送信する常時ポーリングを行っており、操作端末器103,104,105が制御親器101に対して何らかのデータを送信しようとするときには、ダミーモードの伝送信号Vsのスタートパルス信号STに同期させて図14(c)のような割込信号Viを発生させる。このとき、操作端末器103,104,105では割込フラグを設定して制御親器101との以後の情報授受に備える。割込信号Viを受信した制御親器101では、モードデータMDを割込ポーリングモードとし且つアドレスデータADの上位の半数のビットを順次増加させながら伝送信号Vsを送信する。割込信号Viを送信した操作端末器103,104,105では、割込ポーリングモードの伝送信号のアドレスデータADの上位の半数のビットが、操作端末器103,104,105の有する操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスの上位の半数のビットに一致するときに、信号返送期間WTにアドレスの下位の半数のビットを信号線Lsを介して制御親器101に返送する。制御親器101では、上記動作によって操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスを獲得すると、モードデータMDを監視モードとし、獲得されたアドレスをアドレスデータADに示す伝送信号Vsを信号線Lsに送出する。割込信号を発生した操作端末器103,104,105は、この伝送信号Vsの信号返送期間WTに、伝送しようとするデータを返送する。最後に、制御親器101は割込信号を発生した操作端末器103,104,105に対して割込リセットを要求する信号を送信し、操作端末器103,104,105の割込フラグを解除する。以上のようにして、操作端末器103,104,105から制御親器101へのデータの送信は、制御親器101から操作端末器103,104,105への4回の信号伝送(ダミーモード、割込ポーリングモード、監視モード、割込リセット)によって完了する。また、制御親器101が制御子器102の動作状態を知ろうとするときには、モードデータMDを監視モードとした伝送信号Vsを送出するだけでよい。
【0008】
上記遠隔制御システムの動作を簡潔にまとめる。まず、いずれかの操作スイッチ103a,104a,105aに操作入力が受け付けられると、受け付けられた操作入力に応じた監視データが操作端末器103,104,105から制御親器101に送信される。制御親器101は、操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスとリレーのアドレスとの対応関係を管理しており、上記監視データが受信されると、操作入力を受け付けた操作スイッチ103a,104a,105aのアドレスに対し、自身が有するいずれかのリレーのアドレスが予め対応付けられている場合はそのリレーをオンオフ制御し、制御子器102が有するいずれかのリレーのアドレスが予め対応付けられている場合はそのリレーのオンオフ制御を制御データCDにおいて指示する制御モードの伝送信号Vsを信号線Lsに送出する。
【0009】
また、各操作端末器103,104,105において、各操作スイッチ103a,104a,105aには、それぞれ表示灯103b,104b,105bが並設されている。表示灯103b,104b,105bは、例えば多色発光ダイオードからなり、光の色の切り替えや点滅・連続点灯の切り替えといった点灯状態の切り替えによって、操作スイッチ103a,104a,105aに対応付けられたリレーのオンオフ(すなわち、該リレーを介して給電される負荷のオンオフ)を表示する。具体的には例えば、リレーがオンオフ制御されたときに制御親器101から制御モードで送信される伝送信号Vsに従い、各操作端末器103,104,105はオンオフ制御されたリレーに対応する表示灯103b,104b,105bの点灯状態を切り替える。
【特許文献1】特開2006−40874号公報
【特許文献2】特開平3−94597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、操作端末器103,104,105には、操作スイッチ103a,104a,105aとして、それぞれ1個のリレーに対応付けられる複数個の個別スイッチと、複数個のリレーに対応付けられて複数個の負荷を一括してオンオフするグループ制御に用いられるグループスイッチとを有し、各個別スイッチ及びグループスイッチをそれぞれ保持したハウジングと、各個別スイッチをそれぞれ露出させる開位置と各個別スイッチをそれぞれ覆う閉位置との間でハウジングに対して変位可能に取り付けられ閉位置においては操作力をグループスイッチに伝達するハンドルカバーとを備えるものがある。ハンドルカバーには、グループスイッチに対応した表示灯の光を通す窓部が設けられる。すなわち、ハンドルカバーを開けば(開位置に位置させれば)個別スイッチを用いることができ、ハンドルカバーを閉じれば(閉位置に位置させれば)ハンドルカバーの面積を操作面の面積としてグループスイッチを用いることができる。
【0011】
この種の操作端末器において、個別スイッチが用いられない状態でも個別スイッチに対応した表示灯を点灯させ続けると、電力が無駄に消費されることになる。
【0012】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、電力の無駄な消費を抑えることができる操作端末器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、個別のアドレスが割り当てられた操作スイッチを有して伝送路に接続されいずれかの操作スイッチが操作されたときに操作された操作スイッチのアドレスを含むデータを伝送路に送信する操作端末器と、負荷への給電路に挿入されたリレーを有し伝送路に接続され自身が有するリレーに予め対応付けられたアドレスを含むデータが伝送路から受信されたときに該データに含まれるアドレスに対応するリレーをオンオフ制御する制御端末器とを有する遠隔制御システムに用いられる操作端末器であって、操作スイッチとして、それぞれ1個のリレーに対応付けられる複数個の個別スイッチと、複数個のリレーに対応付けられるグループスイッチとを有し、伝送路に接続されてデータの送受信を行う通信部と、各個別スイッチとグループスイッチとのそれぞれに対応して少なくとも1個ずつ設けられた表示灯と、各表示灯においてそれぞれ対応する個別スイッチ乃至グループスイッチが対応付けられたリレーのオンオフがそれぞれ消灯以外の発光状態により表示されるように各表示灯をそれぞれ制御する制御部と、各個別スイッチとグループスイッチと各表示灯と通信部と制御部とをそれぞれ保持したハウジングと、ハウジングに対して各個別スイッチをそれぞれ覆う閉位置と各個別スイッチをそれぞれ露出させる開位置との間で変位可能に取り付けられ、閉位置においては操作力を受けてグループスイッチに伝達するハンドルカバーとを備え、ハンドルカバーには、ハンドルカバーが閉位置にあるときにグループスイッチに対応する各表示灯の光をそれぞれ通過させる窓部が設けられ、制御部は、個別スイッチに対応する表示灯が全てリレーのオフ状態を示す点灯状態である全オフ状態となった後、いずれの操作スイッチも操作されないまま所定の消灯時間が経過すると、個別スイッチに対応する表示灯を全て消灯させる消灯モードに移行し、その後グループスイッチ又は個別スイッチのいずれかが操作されたときに消灯モードを終了して個別スイッチに対応する表示灯による表示を行う通常モードに復帰することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、消灯時間の経過後に表示灯を消灯させるので、消費電力の低減が可能となる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、制御部は、全オフ状態となってから次にいずれかの操作スイッチが操作されるまでの再操作時間を測定するとともに、測定された再操作時間を少なくとも1個記憶し、記憶された再操作時間に基づいて、消灯時間よりも長い復帰時間を決定するとともに、全オフ状態となった後いずれの操作スイッチも操作されずに復帰時間が経過した場合にも通常モードに復帰することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、操作スイッチが操作される前に表示灯による表示を再開することができる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、制御部は、全オフ状態となった後いずれの操作スイッチも操作されずに所定の上限消灯時間が経過したときにも消灯モードに移行することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、長期不在時に、請求項2の動作によって無駄に電力が消費されることを防ぐことができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、制御部は、表示灯の制御に関して、共通の伝送路に接続された他の操作端末器において操作スイッチが操作されたことを示すデータが通信部において受信されたタイミングを、グループスイッチと個別スイッチとのいずれかが操作されたタイミングと同様に扱うことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、共通の伝送路に複数個の操作端末器を接続して用いた場合、いずれかの操作端末器が操作されたときに全ての操作端末器において一斉に制御部を通常モードに復帰させることができる。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか記載の発明において、ハウジングとハンドルカバーとの少なくとも一方に、ハンドルカバーが閉位置にあるときにハンドルカバーの窓部への個別スイッチの表示灯の光の到達を阻止する遮光壁が設けられていることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、遮光壁により、窓部への個別スイッチの表示灯の光の到達が阻止されるから、見栄えが改善される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、制御部は、個別スイッチに対応する表示灯が全てリレーのオフ状態を示す点灯状態である全オフ状態となった後、いずれの操作スイッチも操作されないまま所定の消灯時間が経過すると、個別スイッチに対応する表示灯を全て消灯させる消灯モードに移行するので、個別スイッチが使用されない状態での個別スイッチに対応する表示灯による無駄な電力消費を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
本実施形態は、図2に示すように、操作入力を受け付ける操作部11と、伝送路としての信号線Lsとの間でデータの送受信を行う通信部12と、操作部11が有する操作スイッチに対応付けられた負荷のオンオフを表示する表示部13と、操作部11に受け付けられた操作入力と通信部12に受信されたデータとに応じて通信部12及び表示部13をそれぞれ制御する制御部14とを備える。制御部14の基本的な動作は従来例で説明した操作端末器103,104,105と共通であるので、共通する部分についての詳細な説明は省略する。
【0026】
また、本実施形態は、図3に示すように、操作部11が有する操作スイッチとして、それぞれ1個ずつのリレーに対応付けられる8個の個別スイッチ41と、複数個のリレーに対応付けられる1個のグループスイッチ42とを備える。さらに、各個別スイッチ41及びグループスイッチ42をそれぞれ保持したハウジング2と、ハウジング2に対し揺動可能に取り付けられて操作力を受けてグループスイッチ42に伝達するハンドル3とを備える。以下、上下方向は図3を基準とし、図3の左上−右下方向を左右方向と呼び、図3の左下−右上方向を前後方向と呼ぶ。
【0027】
各個別スイッチ41及びグループスイッチ42はそれぞれ操作力を受ける操作ハンドル41a,42aを有する押釦スイッチからなり、プリント配線板40に実装されている。各個別スイッチ41及びグループスイッチ42は、それぞれ、操作ハンドル41a,42aが後ろ向きの操作力を受けている間は操作ハンドル41a,42aが通常の位置よりも後方へ変位するとともに接点が切り替わり、操作力が除去されると操作ハンドル41a,42aと接点とがそれぞれ復帰するように構成されている。プリント配線板40には、他に、操作部11が有してグループスイッチ42とリレーとの対応関係を設定するためのグループ設定スイッチ43が、個別スイッチ41に一対一に対応して8個、それぞれ対応する個別スイッチ41の左側に実装されている。各グループ設定スイッチ45はそれぞれプリント配線板40に対して左右にスライド可能な操作ハンドル43aを有するスライドスイッチからなり、予め個別スイッチ41に対応付けられた負荷をグループスイッチ42に対応付けるか否かをグループ設定スイッチ43の切り替えによって選択可能となっている。すなわち、グループスイッチ42が押操作されたとき、制御部14は、グループスイッチ42に対応付けることがグループ設定スイッチ43により選択された全ての個別スイッチ41が押操作されたときと同様の動作をする。また、プリント配線板40においてグループスイッチ42の下側には、操作部11が有するロータリスイッチからなり個別スイッチ41のアドレスの設定に用いられるアドレス設定スイッチ44が実装されている。アドレス設定スイッチ44は前方から見てプリント配線板4に対して左右に回動可能な操作ハンドル44aを有しており、操作ハンドル44aを左右に回動させることにより、各個別スイッチ41のアドレスを予め設定された複数通りのパターンのいずれかに切り替えることができるようになっている。さらに、プリント配線板40には、個別スイッチ41に一対一に対応して8個設けられた個別表示灯45と、グループスイッチ42に対応して設けられたグループ表示灯46(図1参照)とが、それぞれ上下位置を対応する個別スイッチ41又はグループスイッチ42に合わせ、グループ設定スイッチ43よりも左側に実装されている。表示部13は、個別表示灯45及びグループ表示灯46と、プリント配線板40に実装されて個別表示灯45及びグループ表示灯46をそれぞれ駆動する駆動回路(図示せず)とからなる。個別表示灯45及びグループ表示灯46はそれぞれ例えば2色発光ダイオードからなり、制御部14は、対応する個別スイッチ41又はグループスイッチ42に予め対応付けられたリレーのオンオフが、個別表示灯45やグループ表示灯46の発光色の切り替えにより表示されるように表示部13の駆動回路を介して各表示灯45,46をそれぞれ制御する。また、プリント配線板40には、通信部12を構成する回路部品(図示せず)と、制御部14を構成する回路部品(図示せず)とが実装されている。
【0028】
ハウジング2は、例えば合成樹脂成型品からなり収納凹部20aが前面に開口したハウジング本体21と、例えば合成樹脂成型品からなりハウジング本体21の前側に取り付けられて収納凹部20aを閉塞するハウジングカバー22とからなる。ハウジングカバー22の左右の側面にはそれぞれ上下に並ぶ2個ずつの係合凸部22aが左右方向の外側へ突設され、ハウジング本体21の左右の壁にはそれぞれ上下に並ぶ2個ずつの係合穴21aが左右に貫設されていて、各係合凸部22aがそれぞれ係合穴21aに係入することによってハウジング本体21とハウジングカバー22とは互いに機械的に結合している。
【0029】
本実施形態のハウジング2は壁面等の施工面に埋込配設されるものであって、ハウジングカバー22は、ハウジング2よりも上下方向に突出してハウジング2の取り付けに用いられる2個の取付部22bを上下両端に有する。各取付部22bには、それぞれ、施工面に埋込配設される周知の埋込ボックス(図示せず)への取付用のボックスねじが挿通されるボックス穴22cと、ボックス穴22cの左右にそれぞれ位置し、施工面がパネル材で構成されている場合にそのパネル材を取付片との間で挟む周知のはさみ金具(図示せず)が取り付けられるL字形状のはさみ穴22dと、ボックス穴22cの上下のうち外側に位置し、ハウジング2において前方から見てハンドル3から露出する部位を覆うプレート枠(図示せず)を取り付けるためのねじが挿通されるプレート穴22eと、プレート穴22eの左右にそれぞれ位置し、施工面を構成する壁材に螺合する直付け用のねじが挿通される直付け穴22fとが、それぞれ前後に貫設されている。
【0030】
また、ハウジングカバー22において、各スイッチ41,42,43,44に対応する位置には、それぞれ挿通穴22g,22h,22i,22jが前後に貫設されており、各スイッチ41,42,43,44の操作ハンドル41a,42a,43a,44aはそれぞれ挿通穴22g,22h,22i,22jに挿通されている。さらに、ハウジングカバー22において、各個別表示灯45の前側にはそれぞれ個別表示灯45の光を通過させる個別窓穴(図示せず)が前後に貫設され、グループ表示灯46の前側にはグループ表示灯46の光を通過させるグループ窓穴(図示せず)が前後に貫設されている。
【0031】
ハンドル3は、例えば合成樹脂成型品からなり長方形状であって個別スイッチ41を露出させる形でハウジング2に取り付けられたハンドル本体31と、例えば合成樹脂成型品からなり長方形状であって図1に示すように各個別スイッチ41をそれぞれ露出させる開位置と図4に示すように各個別スイッチ41をそれぞれ覆う閉位置との間でハンドル本体31に対して変位可能に取り付けられたハンドルカバー32とを備える。
【0032】
ここで、ハウジングカバー22の前面の左端部には、前端部が軸方向を上下方向に向けた円柱形状に形成された軸突起(図示せず)が前方へ突設されており、ハンドル本体31の後面の左端部には軸突起が嵌合する軸受け凹部(図示せず)が設けられていて、軸受け凹部に軸突起が嵌合することにより、ハンドル本体31はハウジング2に対して右端部を前後に変位させるように揺動可能に取り付けられている。ハンドル本体31の後面の右端部にはそれぞれ先が右向きに鉤状に曲がった2個の係止突起(図示せず)が上下に並んで後方へ突設され、ハウジングカバー22の右端部には2個の係止穴22nが上下に並んで前後に貫設されており、係止突起が係止穴22nに挿通されて係止突起の先部がハウジングカバー22の後面に係止されることにより、ハンドル本体31は揺動範囲を制限されるとともに前方への脱落を防止されている。
【0033】
また、ハンドル本体31の後面には、グループスイッチ42の操作ハンドル42aの前面に当接する押し突起(図示せず)が後方へ突設されており、ハンドル本体31が前方から押力を受けて後方に変位すると、押し突起によりグループスイッチ42の操作ハンドル42aが押操作されるようになっている。
【0034】
さらに、ハンドル本体31には、それぞれ円形状であって個別スイッチ41の操作ハンドル41aが挿通される8個のハンドル挿通穴31gと、それぞれ長方形状であってグループ設定スイッチ43の操作ハンドル43aが挿通される8個のハンドル挿通穴31iと、それぞれ長方形状であってハウジング2の個別窓穴22kに連通し個別表示灯45の光を通す8個の個別窓穴31kと、長方形状であってハウジング2のグループ窓穴22lに連通しグループ表示灯46の光を通すグループ窓穴31lとが、それぞれ前後に貫設されている。
【0035】
また、ハンドル本体31の前側には、個別窓穴22k及びグループ窓穴31lを覆う長方形状であって各個別表示灯45及びグループ表示灯46の光をそれぞれ拡散させる拡散シート33が例えば貼着によって保持されている。
【0036】
さらに、拡散シート33の前側には、グループ設定スイッチ43の設定方法等が表示された長方形状の銘板34が例えばハンドル本体31への貼着によって保持されている。銘板34には、8個のグループ設定スイッチ43の操作ハンドル43aが挿通されるハンドル挿通穴34iと、それぞれハンドル本体31の個別窓穴31kに対応する位置に設けられて個別表示灯45の光を通す8個の個別窓穴34kと、ハンドル本体31のグループ窓穴31lに対応する位置に設けられてグループ表示灯46の光を通すグループ窓穴34lとが設けられている。銘板34の右端にはそれぞれ左右の寸法を他の部位よりも小さくする2個の位置決め切り欠き34dが上下に並べて設けられ、ハンドル本体31において位置決め切り欠き34dに対応する位置にはそれぞれ位置決め突起31dがそれぞれ前方へ突設されており、各位置決め突起31dがそれぞれ位置決め切り欠き34dに係入することにより、ハンドル本体31に対する銘板34の位置決めがなされている。
【0037】
また、ハンドル本体31の左端部には、上下の端面がそれぞれ他の部位の上下の端面よりも上下方向の内側に位置し前面が上下の全長にわたって他の部位の前面よりも前方へ突出した軸受け部31bが設けられている。ハンドルカバー32は、長方形状の本体部32aと、本体部32aの上下両端部からそれぞれ左方へ突出する2個の連結凸部32bと、各連結凸部32bにおいて上下方向の内側の端面からそれぞれ下方向の内側へ突設された軸突起32cとを有する。ハンドル本体31の軸受け部31bの上下両端面にはそれぞれ軸受け凹部31cが設けられており、各軸突起32cがそれぞれ軸受け凹部31cに挿入されることにより、ハンドルカバー32は、ハンドル本体31に対し、図1のような開位置と図4のような閉位置との間で、上方から見て左右に回動可能に連結されている。そして、ハンドルカバー32が閉位置にあるときには、ハンドルカバー32が受けた後ろ向きの押力は、ハンドル本体31を介してグループスイッチ42の操作ハンドル42aに伝達される。また、ハンドルカバー32において閉位置でグループ表示灯46の前側に位置する箇所には窓穴32dが設けられている。ハンドルカバー32の前面には上下に長く底面に窓穴32dが開口した保持溝32eが設けられており、保持溝32eには、透光性を有する材料からなり窓穴32dを閉塞して閉位置においてグループ表示灯46の光を通す窓部を構成する窓体35が保持されている。
【0038】
さらに、ハンドルカバー32の後面には、ネームカード36が収納されるカード収納凹部32fが設けられており、ハンドルカバー32においてカード収納凹部32fの底面(すなわちネームカード36の前側)には透明な材料で構成されてネームカード36をハンドルカバー32の前方から視認可能とする窓部32gが設けられている。ここで、ハンドルカバー32には、本体部32aの後面に対し間に隙間を空けて対向する複数個の保持部32hが設けられており、保持部32hと本体部32aとの間には長方形状の保持板37が挟持されていて、ネームカード36の後方への脱落は保持板37によって防止されている。
【0039】
次に、本実施形態の動作を図5を用いて説明する。
【0040】
制御部14は、始動後(S1)、まず全ての個別表示灯45が負荷のオフ状態(リレーのオフ状態)を示す点灯状態となっている状態(以下、「全オフ状態」と呼ぶ。)かどうかを判定する(S2)。全オフ状態でなければ、次にいずれかの操作スイッチ41,42が操作されたかどうかを判定する(S3)。いずれかの操作スイッチ41,42が操作されていれば、次にその操作によって全オフ状態となったかどうかを判定する(S4)。ステップS3においていずれかの操作スイッチ41,42が操作され、且つ、その操作の結果、ステップS4で全オフ状態となっていれば、制御部14は計時を開始する(S5)。ステップS3においていずれの操作スイッチ41,42も操作されていないか、操作されていてもステップS4において全オフ状態となっていなければ、ステップS2に戻る。
【0041】
また、ステップS2において、全オフ状態すなわち制御部14が計時中であれば、いずれかの操作スイッチ41,42が操作されたかどうか、すなわち全オフ状態を脱したかどうかを判定する(S6)。ステップS6においていずれの操作スイッチ41,42も操作されていなければ、次に計時開始から所定の消灯時間(例えば30分)が経過したか、すなわち計時された時間が消灯時間を超過したか否かを判定する(S7)。ステップS7において消灯時間が経過していなければステップS2に戻り、消灯時間が経過していれば全ての個別表示灯45を消灯させる消灯モードに移行済みか否かを判定し(S8)、移行済みであればそのまま、移行済みでなければ消灯モードに移行して(つまり全ての個別表示灯45を消灯させて)(S9)、ステップS2に戻る。
【0042】
ステップS6において、いずれかの操作スイッチ41,42が操作されていれば、計時を終了して計時時間をリセットする(S10)。そして、個別表示灯45による負荷のオンオフ(リレーのオンオフ)の表示を行う通常モードであるかどうかを判定し(S11)、通常モードであればそのまま、通常モードでなければ通常モードに復帰した上で(S12)、ステップS2に戻る。
【0043】
上記構成によれば、いずれの操作スイッチ41,42も操作されないまま消灯時間が経過すれば消灯モードに移行するので、個別スイッチ41が使用されない状態で個別表示灯45による表示が継続されることによる無駄な電力消費を抑えることができる。
【0044】
なお、図6に示すように、制御部14が、ステップS6においていずれかの操作スイッチ41,42が操作されて計時を終了する際に、計時終了時点での計時時間が1時間を超えていれば計時時間を再操作時間として記憶し(S13)、記憶された再操作時間に基づいて復帰時間を決定するとともに、全オフ状態であって且つ操作スイッチが操作されないまま復帰時間が経過したとき(ステップS14において判定が真であるとき)に、通常モードに復帰するようにしてもよい。復帰時間の決定方法としては、例えば、再操作時間を最新のものから3個記憶し、うち最も短い再操作時間を復帰時間とする。この構成を採用すれば、操作スイッチ41,42が操作される前に個別表示灯45による表示を復帰させることができる。ここで、記憶された再操作時間が3個に満たない時点では、復帰時間は、出荷時に設定された値としてもよいし、記憶された2個以下の再操作時間を用いて決定してもよい。また、復帰時間の決定方法は上記に限られず、例えば3個の再操作時間の平均値を復帰時間としてもよい。
【0045】
さらに、図7に示すように、制御部14が、復帰時間が経過して通常モードに復帰した後、計時時間が復帰時間よりも長い上限消灯時間(例えば72時間)を経過したとき(ステップS15において判定が真であるとき)に、再び消灯モードに移行するようにしてもよい。この構成を採用すれば、旅行や夏期休業などで使用者が長期不在の場合に、復帰時間での通常モードへの復帰により無駄に電力が消費されることを防ぐことができる。
【0046】
また、制御部14が、個別表示灯45及びグループ表示灯46の制御に関して、同じ信号線Lsに接続された他の操作端末器が操作されたタイミングを、個別スイッチ41やグループスイッチ42が操作されたタイミングと同様に扱ってもよい。すなわち、動作は、ステップS3及びステップS6において、それぞれ「操作スイッチ」を「操作スイッチ又は他の操作端末器」と読み替えたものとなる。他の操作端末器が操作されたか否かの判定に当たっては、制御部14は、例えば、図13の構成において操作端末器103,104,105が操作されたときに制御親器101が送信する伝送信号Vsのいずれか(例えば、表示灯103b,104b,105bの制御を指示する制御モードの伝送信号Vs)が通信部12において検出されたとき、他の操作端末器103,104,105が操作されたと判定する。または、図8に示すように、同じ信号線Lsに接続された他の操作端末器が操作され且つ消灯モードであったときに、制御部14が計時を終了することなく通常モードに復帰するようにしてもよい。上記構成のいずれかを採用すれば、他の操作端末器103,104,105が操作されたときにも個別表示灯45による表示を再開することができる。
【0047】
さらに、図9及び図10に示すように、ハウジング2のグループ窓穴及びハンドル本体31のグループ窓穴31lに挿通されてハンドルカバー32の窓穴32dに挿入される直方体形状の凸台部40aをプリント配線板40の前面に突設するとともに、凸台部40aの前面にグループ表示灯46を実装してもよい。この構成を採用すれば、ハンドルカバー32が閉位置にあって且つ個別表示灯45が点灯しているときの、窓穴32dへの個別表示灯45の光の入射が、ハンドルカバー32のグループ窓穴31lの周辺部や凸台部40aによって阻止されるから、ハンドルカバー32が閉位置にある状態での見栄えが改善される。つまり、ハンドルカバー32のグループ窓穴31lの周辺部や凸台部40aが、請求項における遮光壁である。
【0048】
または、図11及び図12に示すように、透光性を有する材料からなり、ハウジング2のグループ窓穴及びハンドル本体31のグループ窓穴31lに挿通されてハンドルカバー32の窓穴32dに挿入される直方体形状であって、グループ表示灯46を覆い、グループ表示灯46の光を窓穴32dの内側へ導光するライトガイド46aを設けてもよい。この構成を採用すれば、ハンドルカバー32が閉位置にあって且つ個別表示灯45が点灯しているときの、窓穴32dへの個別表示灯45の光の入射や、窓穴32d外へのグループ表示灯46の光の漏れが、それぞれライトガイド46aによって低減されるから、ハンドルカバー32が閉位置にある状態での見栄えが改善される。
【0049】
ここで、個別表示灯45は、発光色によって負荷のオンオフを表示するものに限られず、負荷のオフ状態が例えば点滅など消灯以外の点灯状態で表示されるものであれば、本実施形態は意義を有する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態においてハンドルカバーが開位置にある状態を示す斜視図である。
【図2】同上を示すブロック図である。
【図3】同上を示す分解斜視図である。
【図4】同上においてハンドルカバーが閉位置にある状態を示す正面図である。
【図5】同上の動作を示す流れ図である。
【図6】本発明の別の形態の動作を示す流れ図である。
【図7】本発明の更に別の形態の動作を示す流れ図である。
【図8】同上の別の形態の動作を示す流れ図である。
【図9】同上の別の形態においてハンドルカバーが開位置にある状態を示す正面図である。
【図10】図9の形態の要部を示す斜視図である。
【図11】同上の更に別の形態においてハンドルカバーが開位置にある状態を示す正面図である。
【図12】図11の形態の要部を示す斜視図である。
【図13】遠隔制御システムの概略構成を示す説明図である。
【図14】(a)は遠隔制御システムにおける伝送信号のフレーム構成の一例を示す説明図であり、(b)は(a)の伝送信号の波形の一例を示す説明図であり、(c)は遠隔監視制御システムにおける割込信号の波形の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
2 ハウジング
12 通信部
14 制御部
32 ハンドルカバー
32d 窓穴
35 窓体
40a 凸台部
41 個別スイッチ
42 グループスイッチ
45 個別表示灯
46 グループ表示灯
Ls 信号線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別のアドレスが割り当てられた操作スイッチを有して伝送路に接続されいずれかの操作スイッチが操作されたときに操作された操作スイッチのアドレスを含むデータを伝送路に送信する操作端末器と、負荷への給電路に挿入されたリレーを有し伝送路に接続され自身が有するリレーに予め対応付けられたアドレスを含むデータが伝送路から受信されたときに該データに含まれるアドレスに対応するリレーをオンオフ制御する制御端末器とを有する遠隔制御システムに用いられる操作端末器であって、
操作スイッチとして、それぞれ1個のリレーに対応付けられる複数個の個別スイッチと、複数個のリレーに対応付けられるグループスイッチとを有し、
伝送路に接続されてデータの送受信を行う通信部と、
各個別スイッチとグループスイッチとのそれぞれに対応して少なくとも1個ずつ設けられた表示灯と、
各表示灯においてそれぞれ対応する個別スイッチ乃至グループスイッチが対応付けられたリレーのオンオフがそれぞれ消灯以外の発光状態により表示されるように各表示灯をそれぞれ制御する制御部と、
各個別スイッチとグループスイッチと各表示灯と通信部と制御部とをそれぞれ保持したハウジングと、
ハウジングに対して各個別スイッチをそれぞれ覆う閉位置と各個別スイッチをそれぞれ露出させる開位置との間で変位可能に取り付けられ、閉位置においては操作力を受けてグループスイッチに伝達するハンドルカバーとを備え、
ハンドルカバーには、ハンドルカバーが閉位置にあるときにグループスイッチに対応する各表示灯の光をそれぞれ通過させる窓部が設けられ、
制御部は、個別スイッチに対応する表示灯が全てリレーのオフ状態を示す点灯状態である全オフ状態となった後、いずれの操作スイッチも操作されないまま所定の消灯時間が経過すると、個別スイッチに対応する表示灯を全て消灯させる消灯モードに移行し、その後グループスイッチ又は個別スイッチのいずれかが操作されたときに消灯モードを終了して個別スイッチに対応する表示灯による表示を行う通常モードに復帰することを特徴とする操作端末器。
【請求項2】
制御部は、全オフ状態となってから次にいずれかの操作スイッチが操作されるまでの再操作時間を測定するとともに、測定された再操作時間を少なくとも1個記憶し、
記憶された再操作時間に基づいて、消灯時間よりも長い復帰時間を決定するとともに、
全オフ状態となった後いずれの操作スイッチも操作されずに復帰時間が経過した場合にも通常モードに復帰することを特徴とする請求項1記載の操作端末器。
【請求項3】
制御部は、全オフ状態となった後いずれの操作スイッチも操作されずに所定の上限消灯時間が経過したときにも消灯モードに移行することを特徴とする請求項2記載の操作端末器。
【請求項4】
制御部は、表示灯の制御に関して、共通の伝送路に接続された他の操作端末器において操作スイッチが操作されたことを示すデータが通信部において受信されたタイミングを、グループスイッチと個別スイッチとのいずれかが操作されたタイミングと同様に扱うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の操作端末器。
【請求項5】
ハウジングとハンドルカバーとの少なくとも一方に、ハンドルカバーが閉位置にあるときにハンドルカバーの窓部への個別スイッチの表示灯の光の到達を阻止する遮光壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の操作端末器。
【請求項1】
個別のアドレスが割り当てられた操作スイッチを有して伝送路に接続されいずれかの操作スイッチが操作されたときに操作された操作スイッチのアドレスを含むデータを伝送路に送信する操作端末器と、負荷への給電路に挿入されたリレーを有し伝送路に接続され自身が有するリレーに予め対応付けられたアドレスを含むデータが伝送路から受信されたときに該データに含まれるアドレスに対応するリレーをオンオフ制御する制御端末器とを有する遠隔制御システムに用いられる操作端末器であって、
操作スイッチとして、それぞれ1個のリレーに対応付けられる複数個の個別スイッチと、複数個のリレーに対応付けられるグループスイッチとを有し、
伝送路に接続されてデータの送受信を行う通信部と、
各個別スイッチとグループスイッチとのそれぞれに対応して少なくとも1個ずつ設けられた表示灯と、
各表示灯においてそれぞれ対応する個別スイッチ乃至グループスイッチが対応付けられたリレーのオンオフがそれぞれ消灯以外の発光状態により表示されるように各表示灯をそれぞれ制御する制御部と、
各個別スイッチとグループスイッチと各表示灯と通信部と制御部とをそれぞれ保持したハウジングと、
ハウジングに対して各個別スイッチをそれぞれ覆う閉位置と各個別スイッチをそれぞれ露出させる開位置との間で変位可能に取り付けられ、閉位置においては操作力を受けてグループスイッチに伝達するハンドルカバーとを備え、
ハンドルカバーには、ハンドルカバーが閉位置にあるときにグループスイッチに対応する各表示灯の光をそれぞれ通過させる窓部が設けられ、
制御部は、個別スイッチに対応する表示灯が全てリレーのオフ状態を示す点灯状態である全オフ状態となった後、いずれの操作スイッチも操作されないまま所定の消灯時間が経過すると、個別スイッチに対応する表示灯を全て消灯させる消灯モードに移行し、その後グループスイッチ又は個別スイッチのいずれかが操作されたときに消灯モードを終了して個別スイッチに対応する表示灯による表示を行う通常モードに復帰することを特徴とする操作端末器。
【請求項2】
制御部は、全オフ状態となってから次にいずれかの操作スイッチが操作されるまでの再操作時間を測定するとともに、測定された再操作時間を少なくとも1個記憶し、
記憶された再操作時間に基づいて、消灯時間よりも長い復帰時間を決定するとともに、
全オフ状態となった後いずれの操作スイッチも操作されずに復帰時間が経過した場合にも通常モードに復帰することを特徴とする請求項1記載の操作端末器。
【請求項3】
制御部は、全オフ状態となった後いずれの操作スイッチも操作されずに所定の上限消灯時間が経過したときにも消灯モードに移行することを特徴とする請求項2記載の操作端末器。
【請求項4】
制御部は、表示灯の制御に関して、共通の伝送路に接続された他の操作端末器において操作スイッチが操作されたことを示すデータが通信部において受信されたタイミングを、グループスイッチと個別スイッチとのいずれかが操作されたタイミングと同様に扱うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の操作端末器。
【請求項5】
ハウジングとハンドルカバーとの少なくとも一方に、ハンドルカバーが閉位置にあるときにハンドルカバーの窓部への個別スイッチの表示灯の光の到達を阻止する遮光壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の操作端末器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−109512(P2008−109512A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291763(P2006−291763)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]