説明

操作装置及び操作方法

【課題】視認性を損なうことなく、複数の設定値入力画面を同一画面で確認することが可能となるとともに、設定値の入力のための操作回数を削減することが可能な操作部102を提供する。
【解決手段】2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されたか否かを判定する多点押下判定手段402と、押下された設定項目キーの数と、一の設定値入力画面が表示される前記表示領域の大きさとに基づいて、所定数の設定値入力画面が当該表示領域に同時に均等に表示可能となる縮小率を算出する縮小率算出手段404と、算出された縮小率に基づいて、押下された設定項目キーの順位の高い所定数の設定値入力画面を縮小する画面縮小手段405と、縮小された所定数の設定値入力画面を、押下された設定項目キーの順位に対応した配置で、前記表示領域に表示する複数画面表示手段407とを備える操作部102を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置及び操作方法に関し、詳しくは、視認性を損なうことなく、複数の設定値入力画面を同一画面で確認することが可能となるとともに、設定値の入力のための操作回数を削減することが可能な操作装置及び操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルカラー複写機やファクシミリ等の画像形成装置の操作パネルとして、液晶ディスプレイ(LCD)や、陰極線管(CRT)を用いて、各種機能項目やその実行条件を表示するものがある。近年においては、各機能の表示と入力とを同一画面上で実行するタッチパネルを備え、ユーザの入力に応じてその表示画面の内容を変化させる表示装置が普及しつつある。
【0003】
前記表示装置は、通常、各画像形成条件を設定するまでに複数の階層を備える。例えば、ユーザがある機能項目の表示部分を押下すると、表示装置は、表示画面をその機能に関する画面に切り換える。ユーザは、切り換えられた画面の指示に従って画像形成条件を設定し、入力する。又、ユーザによる画像形成条件の設定終了後から一定期間経過後、若しくは、ユーザにより画像形成条件の設定がされないまま一定の時間が経過した場合、画像形成装置は、画像形成条件をリセットし、表示画面を初期画面に戻すことになる。
【0004】
ところで、前記表示装置は、所定の機能項目を選択して条件を設定している場合、選択した機能項目に関する詳細内容以外は表示されない。そのため、ユーザは、他の機能の条件の設定及び確認を行う場合には、その都度、初期画面に戻ることが必要となる。例えば、ユーザが、初期画面に戻ることをせず、所定の機能項目の条件を入力後、即時にスタートキーを押下すれば、所定の機能が実行されるものの、ユーザは、誤設定を見逃し、印字用紙を無駄にするという問題がある。又、前記装置は、ユーザによる画像形成条件の設定中であっても、一定期間経過後、画像形成条件をリセットするため、ユーザは、画像形成条件を再度設定し直さねばならず、不便であるという問題がある。
【0005】
このような問題を解決する技術として、特開平7−203094号公報(特許文献1)には、押下された機能項目キーが第1表示ブロックの上位階層のキーであると判別された場合、第1表示ブロックの表示内容を保持したまま第2表示ブロック及び第3表示ブロックの表示内容を変更する表示制御手段が開示されている。更に、当該表示制御手段は、押下された機能項目キーが第2表示ブロックの中位階層のキーであると判別された場合、第1表示ブロック及び第2表示ブロックの表示内容を保持したまま第3表示ブロックの表示内容を変更する。これにより、ユーザは、常に複数の画像形成条件を同時に確認することが可能となるとともに、ある複写条件を設定中であっても、その他の複写条件を確認することが出来、誤設定を防止することが出来るとしている。
【0006】
又、特開2001−169039号公報(特許文献2)には、装置が実行する機能として選択可能な複数種の機能のそれぞれに関する情報を表示画面内に表示する機能表示方法が開示されている。当該機能表示方法は、表示画面内において機能毎に個別に割り当てる表示領域を選択されている機能であるか否かに応じて変化させるとともに、選択されている機能との関係で選択されていない機能の一部が選択可能である場合にはその旨を表示画面内に表示する。これにより、装置に実行させるべき機能を選択する際に、表示画面内における各機能の表示領域の位置、形状又は面積等から各機能の選択状態を容易に認識することが出来、表示画面内における表示内容から各機能の一部の機能が選択可能であるか否かを容易に認識することが出来るとしている。
【0007】
又、特開2004−282401号公報(特許文献3)には、上位階層の標準設定画面を予め分割して区画し、かつ、複数の区画表示領域の夫々に一群ずつ配置された複数の機能群と当該複数の機能群の夫々に付与された階層選択釦を兼ねる表題及び前記複数の機能群の夫々に対応する詳細設定画面を表示する表示部を備える操作部表示装置が開示されている。当該操作部表示装置は、更に、前記階層選択釦を兼ねる表題の選択に応じて、前記詳細設定画面を表示する操作部制御手段を備える。これにより、階層選択釦の表示領域を削減できると共に、機能選択釦と、表題を兼ねる階層選択釦とを容易に識別出来るようになり、表示領域を有効に活用出来るとしている。
【0008】
又、特開2009−262345号公報(特許文献4)には、画像形成に係る各種機能を設定する際に操作される複数の機能キーと、前記機能キーを含む各種情報を表示画面上に表示するための表示部とを備えて構成される画像形成装置が開示されている。当該画像形成装置は、前記表示部に設けられ、前記表示画面上に表示されている複数の機能キーのうち、1又は2以上の機能キーに係る操作情報を同時入力可能な多点入力部と、前記多点入力部を介して複数の機能キーに係る操作情報が同時入力されたとき、当該入力された操作情報に従う複合機能を一括設定する機能設定部と、前記機能設定部で一括設定された複合機能に係る画像形成処理を実行するエンジン部とを備える。
【0009】
これにより、複数の機能を利用しようとするユーザは、表示部の表示画面上に表示されている複数の機能キーのうち、所要の組合せに係る複合機能を同時操作しさえすれば、当該入力された操作情報に従う複合機能が一括設定され、この一括設定された複合機能に係る画像形成処理が実行される。そのため、所要の機能キーを逐次操作してゆくといった煩雑な操作を一切要することなく、かつ、可及的に少ない操作ステップ数をもって、ユーザが複数の機能を設定することが可能となり、操作性及び利便性を格段に向上することが出来るとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−203094号公報
【特許文献2】特開2001−169039号公報
【特許文献3】特開2004−282401号公報
【特許文献4】特開2009−262345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記特許文献1−3のいずれに記載の技術では、各機能毎の選択状況を容易に認識しながら、所定の機能における設定条件を入力出来るものの、ユーザの視認する必要の無い画面が定常的に表示されるため、当該画面の表示領域が無駄となるという問題がある。
【0012】
又、前記特許文献4に記載の技術では、複数の機能キーを連続して同時に入力出来るものの、各機能毎の詳細な設定値の入力をすることが出来ないため、細かく設定条件を入力したいユーザにとっては不向きであるという問題がある。
【0013】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、視認性を損なうことなく、複数の設定値入力画面を同一画面で確認することが可能となるとともに、設定値の入力のための操作回数を削減することが可能な操作装置及び操作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る操作装置は、複数の設定項目キーのうち、所定の設定項目キーが押下されると、当該設定項目キーに対応する設定項目の設定値が入力可能な設定値入力画面を所定の表示領域に表示する操作装置を前提とし、以下の構成を採用する。
【0015】
前記操作装置は、前記複数の設定項目キーが表示された際に、当該複数の設定項目キーのうち、2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されたか否かを判定する多点押下判定手段と、2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されると、押下された設定項目キーの数と、一の設定値入力画面が表示される前記表示領域の大きさとに基づいて、所定数の設定値入力画面が当該表示領域に同時に均等に表示可能となる縮小率を算出する縮小率算出手段とを備える。又、前記操作装置は、算出された縮小率に基づいて、押下された設定項目キーの順位の高い所定数の設定値入力画面を縮小する画面縮小手段と、縮小された所定数の設定値入力画面を、押下された設定項目キーの順位に対応した配置で、前記表示領域に表示する複数画面表示手段とを備える。
【0016】
これにより、ユーザは、複数の設定項目キーを最初に押下すれば、所定の表示領域に、縮小後の設定値入力画面が所定数だけ表示されるため、一見して各設定値入力画面毎の内容を確認することが可能となる。更に、表示される設定値入力画面は、元の設定値入力画面を縮小しただけの画面であるため、ユーザは、縮小後の設定値入力画面を一見すれば、何の画面なのか不明となることなく、縮小後の設定値入力画面の内容を理解することが可能となる。又、複数の設定項目の設定値の入力を、最初の初期画面を介する複数の設定項目キーの押下により、所定の画面(例えば、初期画面)に戻ることなく完了することが可能となるため、従来のように、一の設定値入力画面の設定値を入力する毎に、初期画面に戻る必要が無くなり、設定値の入力のための操作回数を削減し、操作に要する時間を短縮することが可能となる。
【0017】
又、前記縮小率算出手段は、予め記憶された表示制限数、縮小後の設定値入力画面内の画像のサイズ、縮小後の設定値入力画面内の文字のフォントサイズのいずれかに基づいて、縮小率を算出するための設定項目キーの数を制限するよう構成することが出来る。
【0018】
又、前記縮小率算出手段は、押下された設定項目キーの数である設定項目数が、予め記憶された表示制限数以上であるか否かを判定し、前記設定項目数が前記表示制限数以上である場合、当該表示制限数と前記表示領域の大きさとに基づいて前記縮小率を算出し、前記設定項目数が前記表示制限数未満である場合、当該設定項目数と前記表示領域の大きさとに基づいて前記縮小率を算出するよう構成することが出来る。
【0019】
又、前記複数画面表示手段は、所定の縮小後の設定値入力画面を介して所定の設定値の入力が完了した際に、押下された設定項目キーの設定項目数が残存する場合に、前記縮小率算出手段に、残存する設定項目数を用いて縮小率を新たに算出させ、前記画面縮小手段に、残存する設定項目に対応する設定値入力画面を縮小させるよう構成することが出来る。
【0020】
又、前記画面縮小手段は、新たに縮小率が算出された場合に、新たな縮小率が従前の縮小率と同一であるか否かを判定し、新たな縮小率が従前の縮小率と同一である場合に、当該従前の縮小率に基づいて、未だに表示されていない設定項目の設定値入力画面を縮小し、新たな縮小率が従前の縮小率と同一でない場合に、当該新たな縮小率に基づいて、残存する設定項目の設定値入力画面を縮小するよう構成することが出来る。
【0021】
又、前記複数画面表示手段が、未だに表示されていない縮小後の設定値入力画面を表示する際に、既に設定値の入力がされた縮小後の設定値入力画面を消去するとともに、未だに設定値の入力がされていない縮小後の設定値入力画面を前記表示領域の一方向へスライドし、前記未だに表示されていない縮小後の設定値入力画面を前記表示領域の他方向から一方向へスライドするように表示するよう構成することが出来る。
【0022】
又、当該操作装置は、画像形成装置に適用することが出来る。
【0023】
尚、本発明は、複数の設定項目キーのうち、所定の設定項目キーが押下されると、当該設定項目キーに対応する設定項目の設定値が入力可能な設定値入力画面を所定の表示領域に表示する操作装置の操作方法として提供することが出来る。即ち、前記操作方法は、前記複数の設定項目キーが表示された際に、当該複数の設定項目キーのうち、2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されたか否かを判定する多点押下判定ステップと、2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されると、押下された設定項目キーの数と、一の設定値入力画面が表示される前記表示領域の大きさとに基づいて、所定数の設定値入力画面が当該表示領域に同時に均等に表示可能となる縮小率を算出する縮小率算出ステップとを備える。又、前記操作方法は、算出された縮小率に基づいて、押下された設定項目キーの順位の高い所定数の設定値入力画面を縮小する画面縮小ステップと、縮小された所定数の設定値入力画面を、押下された設定項目キーの順位に対応した配置で、前記表示領域に表示する複数画面表示ステップとを備える。当該構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0024】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。
【0025】
又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明の操作装置及び操作方法によれば、視認性を損なうことなく、複数の設定値入力画面を同一画面で確認することが可能となるとともに、設定値の入力のための操作回数を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図3】本発明に係る複合機及び操作部の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における複合機及び操作部の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の実行手順を示すための第一のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の実行手順を示すための第二のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された初期画面の一例を示す図(図7(A))と、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された所定の設定値入力画面の一例を示す図(図7(B))である。
【図8】本発明の実施形態の設定項目押下テーブルの一例を示す図(図8(A))と、本発明の実施形態の縮小率の算出を説明するための概略図(図8(B))である。
【図9】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された縮小後の設定値入力画面の一例を示す第一の図(図9(A))と、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された縮小後の設定値入力画面の一例を示す第二の図(図9(B))である。
【図10】本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された縮小後の設定値入力画面の一例を示す第三の図(図10(A))と、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示された縮小後の設定値入力画面の一例を示す第四の図(図10(B))である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、添付図面を参照して、本発明の操作装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0029】
<画像形成装置及び操作装置>
以下に、本発明の実施形態に係る操作装置を備えた画像形成装置について説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略模式図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、本発明の画像形成装置は、例えば、プリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を備えた画像形成装置として機能する。以下に、例えば、コピー機能を利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
【0031】
まず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿Pを複合機100の上面に備えられている原稿台101に載置し、コピー機能の設定を操作部102から入力する。当該操作部102には、複合機100が提供するコピー機能に関連する操作画面(初期画面など)が表示され、コピー機能に関連する複数の設定項目キーが選択可能に表示されている。又、前記操作画面には、各機能毎に機能項目キーがタブ形式で選択可能に表示される。ユーザは、前記操作画面を介して、コピー機能に関する設定条件の入力を行う。
【0032】
ユーザが、設定条件の入力を完了すると、操作部102に設けられたスタートキー205を押下して、複合機100にコピー機能の処理を開始させる。
【0033】
複合機100がコピー機能の処理を開始すると、画像読取部103において、光源104から照射された光が、前記原稿台101に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は前記撮像素子108により光電変換されて、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、前記原稿に対応する画像データが生成される。
【0034】
さて、前記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部109である。前記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。前記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
【0035】
前記帯電器111は、前記感光体ドラム110の表面を一様に帯電させる。前記露光ユニット112は、帯電された前記感光体ドラム110の表面に、前記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。前記現像器113は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、前記転写器114により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。前記クリーニングユニット115は、前記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
【0036】
前記シートは、前記複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、前記シートはピックアップローラ117により何れか1つの前記給紙カセット116から搬送路へ引き出される。前記各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、前記出力条件に関する設定に基づいてシートが給紙される。
【0037】
搬送路に引き出された前記シートは、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。送り込まれると、前記シートは前記転写器114により前記トナー像が転写され、定着装置120に搬送される。尚、搬送ローラ118に搬送されるシートは、複合機100に備えられた手差しトレイ121から搬送される場合もある。
【0038】
前記トナー像が転写されたシートが前記定着装置120に備えられた加熱ローラ122と加圧ローラ123の間を通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。前記加熱ローラ122の熱量は紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、可視像が定着されたシートは、定着装置120を経て排紙トレイ124に排紙される。
【0039】
前記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。
【0040】
図2は、本発明の実施形態に係る操作部の全体構成を示す概念図である。ユーザは、前記操作部102を用いて、上述のような画像形成についての設定条件を入力したり、入力された設定条件を確認したりする。前記設定条件が入力される場合、前記操作部102に備えられたタッチパネル201(操作パネル)、タッチペン202、操作キー203が用いられる。
【0041】
前記タッチパネル201には、設定条件を入力する機能と当該設定条件を表示する機能が兼ね備えられている。即ち、タッチパネル201上に表示された画面内の項目キーを押下することによって、押下された項目キーに対応する設定条件が入力される。
【0042】
タッチパネル201の背面には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部(図示せず)が設けられており、当該表示部が、例えば、前記初期画面等の操作画面を表示する。タッチパネル201の近傍には、タッチペン202が備えられており、ユーザがそのタッチペン202の先をタッチパネル201に接触させると、タッチパネル201下に設けられたセンサーが接触先を検知する。
【0043】
更に、タッチパネル201近傍には、所定数の操作キー203が設けられ、例えば、テンキー204、スタートキー205、クリアキー206、ストップキー207、リセットキー208、電源キー209が備えられている。
【0044】
次に、図3を用いて、複合機100及び操作部102の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、本発明に係る複合機100及び操作部102の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0045】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305を内部バス306によって接続している。前記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、前記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305と図示しない操作部102からのデータや指示を授受し、前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
【0046】
又、制御回路の内部バス306には、内部インターフェイス307も接続されており、当該内部インターフェイス307は、操作部102の制御回路等と複合機100の制御回路とを接続する。
【0047】
又、操作部102の制御回路には、内部バス315に、CPU309、ROM310、RAM311、LCD312、操作キー313(203)、タッチパネル314(201)、内部インターフェイス308を備える。操作キー313やタッチパネル314をユーザが操作すると、CPU309は、内部インターフェイス308を介して、当該操作に基づく命令信号を複合機100の制御回路に送信する。又、CPU309、ROM310、RAM311の機能も上記と同様であり、後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU309がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。前記ROM310には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0048】
<本発明の実施形態>
次に、図4、図5、図6を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の複合機及び操作部の機能ブロック図である。図5及び図6は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0049】
まず、ユーザが、複合機100の電源を投入すると、複合機100及び操作部102が起動し、起動した操作部102の表示受付手段401が、所定の初期設定条件メモリに予め記憶されている各設定項目毎の初期値を初期設定条件として取得し、取得した初期設定条件を設定条件として所定の設定条件メモリに記憶させる。次に、前記表示受付手段401は、前記設定条件が反映された操作画面(初期画面)をタッチパネル201に表示する(図5:S101)。
【0050】
前記初期画面700には、図7(A)に示すように、コピー機能の設定条件を構成する複数の設定項目キー701(例えば、「両面/分割」キー、「ページ集約」キーなど)と、前記初期画面700に表示されていない設定項目キーを一覧表示させるための機能一覧キー702とが押下可能に表示される。
【0051】
ここで、前記表示受付手段401が前記初期画面700をタッチパネル201に表示する際に、その旨を多点押下判定手段402に通知する。当該通知を受けた多点押下判定手段402は、前記複数の設定項目キー701のうち、2以上の設定項目キー701が所定時間内(例えば、2秒内)に押下されたか否かを判定する。
【0052】
例えば、ユーザが、スタートキー205を押下することなく(図5:S102NO)、所定の設定項目キー701(例えば、「両面/分割」キー701a)を押下すると(図5:S103YES)、前記多点押下判定手段402が、当該「両面/分割」キー701aの押下を受け付け、予め設けられた所定のタイマーを用いて、当該「両面/分割」キー701aの押下の時点からの経過時間を計測する(タイマー起動)(図5:S104)。そして、前記多点押下判定手段402は、前記経過時間を、予め設定された所定時間(2秒)と比較し、当該経過時間が所定時間を超過するまで、他の設定項目キー700の押下を受け付ける(押下された設定項目キー700の数をカウントする)。
【0053】
ここで、ユーザにより他の設定項目キー700が押下されることなく(図5:106NO)、前記経過時間が所定時間を超過した場合(図5:S105YES)、前記多点押下判定手段402は、最初に押下された設定項目キー701a(設定項目「両面/分割」キー)の押下を受け付けて、設定項目押下記憶手段403の設定項目押下テーブルに、押下された設定項目キー701の設定項目を、押下された順位(順番)と関連付けて記憶させる(図6:S201)。
【0054】
ここで、上述のように、前記所定時間内に、1の設定項目キー701しか押下されなかった場合、前記設定項目押下テーブルには、押下された設定項目キー701aの設定項目「両面/分割」と、当該設定項目キー701が押下された順位「1」とだけが関連付けて記憶される。
【0055】
次に、前記多点押下判定手段402は、その旨を縮小率算出手段404に通知し、当該通知を受けた縮小率算出手段404は、押下された設定項目キー701の数と、一の設定値入力画面が表示される表示領域の大きさとに基づいて、所定数の設定値入力画面が当該表示領域に同時に均等に表示可能となる縮小率を算出する。
【0056】
前記縮小率の算出方法はどのような方法でも良いが、例えば、前記縮小率算出手段404が、前記設定項目押下テーブルに記憶された設定項目の数をカウントすることで、押下された設定項目キー701の数(「1」)を設定項目数として取得する。次に、前記縮小率算出手段404は、所定のメモリに予め記憶された所定の閾値である表示制限数(例えば、「3」)を取得して、前記設定項目数が前記表示制限数以上であるか否かを判定する(図6:S202)。
【0057】
前記判定の結果、前記設定項目数(「1」)が前記表示制限数(「3」)未満である場合(図6:S202NO)、前記縮小率算出手段404が、当該設定項目数(「1」)を、前記表示領域に前記設定値入力画面を表示可能な表示可能数として決定する(図6:S203)。尚、前記設定項目数が前記表示制限数以上である場合は(図6:S202YES)、後述する。
【0058】
次に、前記縮小率算出手段404は、所定のメモリに予め記憶された前記表示領域の大きさ(例えば、タッチパネル201の全表示領域の大きさ)を取得する。そして、前記縮小率算出手段404は、当該表示領域の大きさを、決定した表示可能数(「1」)で分割することになるが、当該表示可能数は「1」であるため、縮小率を「1」と算出する(図6:S204)。
【0059】
前記縮小率算出手段404が前記縮小率の算出を完了すると、その旨を画面縮小手段405に通知し、当該通知を受けた画面縮小手段405は、算出された縮小率に基づいて、前記設定項目キー701の押下の順位の高い所定数の設定値入力画面を縮小する。
【0060】
前記設定値入力画面の縮小方法はどのような方法でも良いが、例えば、前記画面縮小手段405は、算出された縮小率が、従前に算出された縮小率と同一であるか否かを判定する(図6:S205)。
【0061】
ここで、前記画面縮小手段405は、従前に算出された縮小率を受けていないため、現時点で受けた縮小率が従前の縮小率と同一でないと判定し(図6:S205NO)、前記設定項目押下テーブルを参照して、1つしか記憶されていない設定項目(「両面/分割」)を取得する。この前記設定項目に対応する一の設定値入力画面は、前記タッチパネル201の表示領域に対応するように予め設計されている。そして、前記画面縮小手段405は、前記画面記憶手段406から、取得した設定項目に対応する設定値入力画面を取得し(図6:S206)、前記縮小率に基づいて、取得した設定値入力画面の横方向のサイズを1に縮小する(図6:S207)。ここで、縮小率は「1」であるため、縮小後の設定値入力画面は、縮小前の設定値入力画面と同率となる。
【0062】
前記画面縮小手段405が、前記設定値入力画面の縮小を完了すると、その旨を複数画面表示手段407に通知し、当該通知を受けた複数画面表示手段407は、縮小された所定数の設定値入力画面を、押下された設定項目キーの順位に対応した配置で、前記表示領域に表示する(図6:S208)。
【0063】
ここで、縮小後の設定値入力画面は、縮小前の設定値入力画面と同率であるため、前記複数画面表示手段407は、当該縮小後の設定値入力画面をそのままタッチパネル201に配置して表示する。
【0064】
前記設定値入力画面703は、図7(B)に示すように、前記「両面/分割」の設定値に対応する複数の選択項目キー704と、キャンセルキー705と、OKキー706とが押下可能に表示される。尚、前記選択項目キー704のうち、前記設定条件の設定値(初期値)に対応する選択項目キー(例えば、「片面→片面」キー704a)の背景色はグレー色で表示されることになる。
【0065】
ここで、ユーザが、例えば、複数の選択項目キー704のうち、所定の選択項目キー(例えば、「片面→両面」キー704b)を押下して、前記OKキー706を押下すると(図6:S209YES)、前記複数画面表示手段407は、当該設定値の入力を受け付けて、前記設定項目押下テーブルから、入力された設定値に対応する設定項目(「両面/分割」)とその順番(「1」)とを消去する(図6:S210)。次に、前記複数画面表示手段407は、押下された設定項目キーの設定項目数が残存か、言い換えると、前記設定項目押下テーブル800に所定の設定項目が未だに存在するか否かを判定する(図6:S211)。
【0066】
前記設定項目押下テーブルには、既に所定の設定項目が存在しなくなったため(図6:S211NO)、前記複数画像表示手段407は、その旨を前記表示受付手段401に通知し、当該通知を受けた表示受付手段401は、S101に戻って、1の設定項目の設定値を受け付けて、当該設定項目の設定値が反映された初期画面をタッチパネル上に表示することになる(図5:S101)。
【0067】
このように、前記所定時間内に、一の設定項目キー701が押下された場合は、一の設定値入力画面が表示され、当該設定項目の設定値の入力が完了すると、前記初期画面が再度表示されることになる。
【0068】
一方、ユーザにより、前記所定時間内に、複数の設定項目キー701が押下された場合は、以下のようになる。
【0069】
即ち、S106において、所定時間内に(図5:S105NO)、ユーザにより更に他の設定項目キー701が押下された場合(図5:S106YES)、前記多点押下判定手段402は、押下された他の設定項目キー701の押下を受け付けて、押下された設定項目キー701をカウントする(図5:S107)。
【0070】
例えば、前記所定時間内に、ユーザが、図7(A)に示すように、「両面/分割」キー701aに続いて、他の設定項目キー701である「ページ集約」キー701b、「ステープル/パンチ」キー701c、「濃度」キー701dをこの順番で押下した場合(図5:S106YES)、前記多点押下判定手段402は、押下された設定項目キー701の押下を順次受け付けて、押下された設定項目キー701をカウントする(図5:S107)。
【0071】
そして、前記経過時間が所定時間を超過した場合(図5:S105YES)、前記多点押下判定手段402は、カウントした2以上の設定項目キー701の押下を受け付けて、設定項目押下記憶手段403の設定項目押下テーブルに、押下された設定項目キー701の設定項目を、押下された順位(順番)と関連付けて記憶させる(図6:S201)。
【0072】
ここでは、複数の設定項目キー701が押下されたため、前記設定項目押下テーブル800には、図8(A)に示すように、押下された設定項目キー701の設定項目801(「両面/分割」、「ページ集約」、「ステープル/パンチ」、「濃度」)と、当該設定項目キー701が押下された順位802(「1」、「2」、「3」、「4」)とが関連付けて記憶される。
【0073】
次に、前記多点押下判定手段402は、その旨を縮小率算出手段404に通知し、当該通知を受けた縮小率算出手段404は、押下された設定項目キー701の数と、一の設定値入力画面が表示される表示領域の大きさとに基づいて、所定数の設定値入力画面が当該表示領域に同時に均等に表示可能となる縮小率を算出する。
【0074】
ここで、上述と同様に、前記縮小率算出手段404が、前記設定項目押下テーブル800に記憶された設定項目801の数をカウントすることで、押下された設定項目キー701の数(「4」)を設定項目数として取得する。次に、前記縮小率算出手段404は、前記表示制限数(例えば、「3」)を取得して、前記設定項目数が前記表示制限数以上であるか否かを判定する(図6:S202)。
【0075】
前記判定の結果、前記設定項目数(「4」)が前記表示制限数(「3」)以上である場合(図6:S202YES)、前記縮小率算出手段404が、当該表示制限数(「3」)を、前記表示可能数として決定する(図6:S212)。
【0076】
これにより、前記表示領域に表示させる設定値入力画面の数を所定の閾値に制限することで、必要以上に複数の設定値入力画面が同一画面上に表示されて、ユーザの視認性が低下することを防止することが可能となる。
【0077】
次に、前記縮小率算出手段404は、前記表示領域の大きさを取得し、取得した表示領域の大きさ803は、図8(B)に示すように、例えば、横長であるため、前記縮小率算出手段404は、当該表示領域の大きさ803を、決定した表示可能数(「3」)で、横に均等に分割する(三等分する)。そして、前記縮小率算出手段404は、分割された一の分割表示領域の大きさ804と、分割前の前記表示領域の大きさ803とに基づいて横方向の縮小率である「1/3」を算出する(図6:S204)。
【0078】
前記縮小率算出手段404が前記縮小率の算出を完了すると、その旨を画面縮小手段405に通知し、当該通知を受けた画面縮小手段405は、算出された縮小率に基づいて、前記設定項目キー701の押下の順位の高い所定数の設定値入力画面を縮小する。
【0079】
ここでは、上述で説明したように、前記画面縮小手段405は、算出された縮小率が、従前に算出された縮小率と同一であるか否かを判定する(図6:S205)。
【0080】
前記画面縮小手段405は、従前に算出された縮小率を受けていないため、現時点で受けた縮小率が従前の縮小率と同一でないと判定し(図6:S205NO)、前記設定項目押下テーブル800を参照して、押下の順位が高い設定項目801(「両面/分割」)から、押下の順位に従って、前記表示可能数(「3」)だけ、所定数の設定項目801(「両面/分割」、「ページ集約」、「ステープル/パンチ」)を取得する。そして、前記画面縮小手段405は、前記画面記憶手段406から、取得した設定項目801に対応する設定値入力画面を新たに取得し(図6:S206)、前記縮小率に基づいて、取得した設定値入力画面の横方向のサイズを「1/3」に縮小する(図6:S207)。
【0081】
前記画面縮小手段405が、所定数の設定値入力画面の縮小を完了すると、その旨を複数画面表示手段407に通知し、当該通知を受けた複数画面表示手段407は、縮小された所定数の設定値入力画面を、押下された設定項目キーの順位に対応した配置で、前記表示領域に表示する(図6:S208)。
【0082】
前記設定値入力画面の配置方法は、どのような方法でも良いが、例えば、前記複数画面表示手段407が、図9(A)に示すように、前記タッチパネル201の表示領域900の左端部に、押下の順位が高い設定項目「両面/分割」の縮小後の設定値入力画面901を配置し、押下の順位に従って、当該左端部から右端部まで、設定項目「ページ集約」の縮小後の設定値入力画面902と、「ステープル/パンチ」の縮小後の設定値入力画面903とを横に直列に配置する。
【0083】
これにより、ユーザは、複数の設定項目キー701を最初に押下すれば、所定の表示領域900に、縮小後の設定値入力画面が所定数だけ表示されるため、一見して各設定値入力画面毎の内容を確認することが可能となる。更に、表示される設定値入力画面は、元の設定値入力画面を縮小しただけの画面であるため、ユーザは、縮小後の設定値入力画面を一見すれば、何の画面なのか不明となることなく、縮小後の設定値入力画面の内容を理解することが可能となる。
【0084】
さて、S208において、ユーザが、所定の設定項目(「両面/分割」)に対応する縮小後の設定値入力画面901を介して所定の設定値(「片面→両面」)を入力し、当該設定値入力画面内のOKキーを押下すると、前記複数画面表示手段407は、当該設定値の入力を受け付けて(図6:S209YES)、前記設定項目押下テーブル800から、入力された設定値に対応する設定項目(「両面/分割」)とその順番(「1」)とを消去する(図6:S210)。次に、前記複数画面表示手段407は、前記設定項目押下テーブル800に所定の設定項目が未だに存在するか否かを判定する(図6:S211)。
【0085】
ここで、未だ所定数の設定項目(「ページ集約」、「ステープル/パンチ」、「濃度」)が存在するため(図6:S211YES)、前記複数画面表示手段407は、押下された設定項目キーの設定項目数が残存すると判定し、その旨を前記縮小率算出手段404に通知する。前記通知を受けた縮小率算出手段404は、S202に戻り、残存する設定項目数が前記表示制限数以上であるか否かを判定する。
【0086】
ここで、前記設定項目押下テーブル800の設定項目数は、「4」から「3」に減少したものの、残存する設定項目数「3」は前記表示制限数「3」と同一である。そのため、前記縮小率算出手段404は、前記表示制限数(「3」)を前記表示可能数と決定し(図6:S202YES→S212)、これを用いて、上述と同様に、横方向の縮小率を「1/3」と算出する(図6:S204)。
【0087】
次に、前記画面縮小手段405が、新たに算出された縮小率を受けて、新たな縮小率が従前の縮小率と同一であるか否かを判定するが(図6:S205)、当該新たな縮小率は従前の縮小率と同一であるため(図6:S205YES)、前記画面縮小手段405は、前記設定項目押下テーブル800から、先ほど取得しなかった設定項目(「濃度」)、言い換えると、未だ設定値入力画面が表示されていない設定項目を取得する。更に、前記画面縮小手段405は、未だ表示されていない設定項目「濃度」の設定値入力画面を前記画面記憶手段406から取得し(図6:S212)、従前の縮小率に基づいて、取得した設定値入力画面の横方向のサイズを「1/3」に縮小する(図6:S207)。
【0088】
つまり、既に表示されている設定項目「ページ集約」、「ステープル/パンチ」の縮小後の設定値入力画面は、そのまま利用し、前記縮小処理は、未だに表示されていない設定項目「濃度」の設定値入力画面のみに行われる。そして、前記複数画面表示手段407は、未だに表示されていない縮小後の設定値入力画面を前記表示領域に更に表示する(図6:S208)。
【0089】
ここで、前記複数画面表示手段407が、未だに表示されていない縮小後の設定値入力画面を表示する際に、既に設定値の入力がされた縮小後の設定値入力画面を消去するとともに、未だに設定値の入力がされていない縮小後の設定値入力画面を前記表示領域900の一方向(左方向)へスライドし、前記未だに表示されていない縮小後の設定値入力画面を前記表示領域900の他方向(右方向)から一方向(左方向)へスライドするように表示する(スライドイン)。
【0090】
前記タッチパネル201には、図9(B)に示すように、表示領域900の左端部に、現時点で押下の順位が高い設定項目「ページ集約」の縮小後の設定値入力画面902が配置され、押下の順位に従って、その隣接部(中央部)に、「ステープル/パンチ」の縮小後の設定値入力画面903が配置され、「濃度」の縮小後の設定値入力画面904が新たに右端部に配置される。
【0091】
これにより、ユーザは、先ほど表示されていた縮小後の設定値入力画面を利用することが可能となるとともに、縮小後の設定値入力画面が動的に切り替わることで、当該縮小後の設定値入力画面の内容が変更されたことを視覚的に確認することが可能となる。
【0092】
さて、S208において、ユーザが、更に、所定の設定項目(「ページ集約」)に対応する縮小後の設定値入力画面から、所定の設定値(「2in1」)を入力し、当該設定値入力画面内のOKキーを押下すると、前記複数画面表示手段407は、当該設定値の入力を受け付けて(図6:S209YES)、前記設定項目押下テーブル800から、当該設定項目(「ページ集約」)とその順番(「2」)とを消去し(図6:S210)、当該設定項目押下テーブル800に所定の設定項目が未だに存在するか否かを判定する(図6:S211)。
【0093】
ここで、未だ所定数の設定項目(「ステープル/パンチ」、「濃度」)が存在するため(図6:S211YES)、S202に戻って、前記縮小率算出手段404は、再度、前記設定項目押下テーブル800の設定項目数が前記表示制限数(「3」)以上であるか否かを判定する。すると、前記設定項目押下テーブル800の設定項目数は、「3」から「2」に減少したため、前記縮小率算出手段404は、当該設定項目数が前記表示制限数(「3」)未満であると判定し(図6:S202NO)、当該設定項目数(「2」)を前記表示可能数と決定する(図6:S203)。
【0094】
次に、前記縮小率算出手段404は、図8(B)に示すように、前記表示領域の大きさ803を、決定した表示可能数(「2」)で、横に均等に分割し(二等分し)、分割した一の分割表示領域の大きさ805と、分割前の表示領域の大きさ803とに基づいて、横方向の縮小率を「1/2」と新たに算出する(図6:S204)。
【0095】
ここで、新たに算出された縮小率(1/2)は従前の縮小率(1/3)と異なるため(図6:S205NO)、前記画面縮小手段405は、前記設定項目押下テーブル800に記憶された残存する設定項目(「ステープル/パンチ」、「濃度」)の設定値入力画面を、前記画面記憶手段406から新たに取得し(図6:S213)、新たな縮小率に基づいて、取得した設定値入力画面の横方向のサイズを「1/2」に縮小する(図6:S207)。そして、前記複数画面表示手段407は、縮小された2つの設定値入力画面を前記表示領域に表示する(図6:S208)。
【0096】
前記タッチパネル201には、図10(A)に示すように、表示領域1000の左端部に、現時点で押下の順位が高い「ステープル/パンチ」の縮小後の設定値入力画面1001が配置され、その隣接部(右端部)に、「濃度」の縮小後の設定値入力画面1002が横に直列に配置される。
【0097】
これにより、表示される設定値入力画面の数が減少すると、新たな縮小率が従前の縮小率より大きくなり、ユーザに対する視認性、操作性を向上させることが可能となる。
【0098】
尚、S209において、更に、所定の設定項目(「ステープル/パンチ」)の設定値の入力が完了し(図6:S209YES)、前記設定項目押下テーブル800に記憶された設定項目数が「1」となった場合(図6:S210→S211YES)、前記縮小率算出手段404は、設定項目数である「1」により、縮小率を「1」と算出する(図6:S202NO→S203→S204)。この場合は、図10(B)に示すように、「1」の設定項目(「濃度」)の設定値入力画面1003は、縮小されることなく、前記表示領域にそのまま表示されることになる(図6:S205NO→S206→S207→S208)。
【0099】
さて、S208において、ユーザが、最後に残った1の設定項目「濃度」の設定値入力画面1003を介して、所定の設定値(例えば、「3」)の入力を完了すると(図6:S209YES)、前記複数画面表示手段407は、当該設定値(「3」)の入力を受け付けて、前記設定項目押下テーブル800から、最後の1つの設定項目「濃度」とその順番(「4」)とを消去する(図6:S210)。
【0100】
ここで、前記設定項目押下テーブル800には、既に所定の設定項目が存在しなくなったため(図6:S211NO)、前記複数画像表示手段407は、その旨を前記表示受付手段401に通知し、当該通知を受けた表示受付手段401は、今まで入力された各設定項目毎の設定値を受け付けて、受け付けた各設定項目毎の設定値が反映された初期画面をタッチパネル上に表示する(図5:S101)。
【0101】
これにより、最初の初期画面で複数の設定項目キーを押下することにより、複数の設定項目の設定値の入力を、所定の画面(例えば、初期画面)に戻ることなく完了することが可能となる。このように、一の設定値入力画面の設定値を入力する毎に、初期画面に戻る必要が無くなるため、設定値の入力のための操作回数を削減し、操作に要する時間を短縮することが可能となる。
【0102】
さて、S101において、ユーザは、前記初期画面を見ながら、スタートキー205を押下すると(図5:102YES)、前記表示受付手段401は、当該スタートキー205の押下を受け付けて、今まで入力された各設定項目毎の設定値を、機能提供手段408に通知する。当該通知を受けた機能提供手段408は、各設定項目毎の設定値に基づいてコピー機能を実行する(図5:S108)。これにより、ユーザは、自己の所望する設定条件のコピー機能の提供を受け付けることが可能となる。
【0103】
このように、本発明に係る操作部102は、前記複数の設定項目キーが表示された際に、当該複数の設定項目キーのうち、2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されたか否かを判定する多点押下判定手段402と、2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されると、押下された設定項目キーの数と、一の設定値入力画面が表示される前記表示領域の大きさとに基づいて、所定数の設定値入力画面が当該表示領域に同時に均等に表示可能となる縮小率を算出する縮小率算出手段404とを備える。又、前記操作部102は、算出された縮小率に基づいて、押下された設定項目キーの順位の高い所定数の設定値入力画面を縮小する画面縮小手段405と、縮小された所定数の設定値入力画面を、押下された設定項目キーの順位に対応した配置で、前記表示領域に表示する複数画面表示手段407とを備える。
【0104】
これにより、ユーザは、複数の設定項目キーを最初に押下すれば、所定の表示領域に、縮小後の設定値入力画面が所定数だけ表示されるため、一見して各設定値入力画面毎の内容を確認することが可能となる。更に、表示される設定値入力画面は、元の設定値入力画面を縮小しただけの画面であるため、ユーザは、縮小後の設定値入力画面を一見すれば、何の画面なのか不明となることなく、縮小後の設定値入力画面の内容を理解することが可能となる。
【0105】
又、複数の設定項目の設定値の入力を、最初の初期画面を介する複数の設定項目キーの押下により、所定の画面(例えば、初期画面)に戻ることなく完了することが可能となるため、従来のように、一の設定値入力画面の設定値を入力する毎に、初期画面に戻る必要が無くなり、設定値の入力のための操作回数を削減し、操作に要する時間を短縮することが可能となる。
【0106】
尚、本発明の実施形態に係る操作部102では、前記縮小率算出手段404が、前記表示領域の大きさを、横に均等に分割して、縮小率を算出したが、他の方法であっても構わない。例えば、前記表示領域の大きさが縦長である場合、当該表示領域の大きさを、縦に均等に分割して、縮小率を算出しても構わない。
【0107】
又、本発明の実施形態に係る操作部102では、前記多点押下判定手段402が、2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されたか否かを判定する場合、一つ一つの設定項目キーの押下、言い換えると、離散的な複数の設定項目キーの押下を判定したが、連続的な複数の設定項目キーの押下を判定するよう構成しても構わない。
【0108】
又、本発明の実施形態に係る操作部102では、前記縮小率算出手段404が、予め記憶された表示制限数、縮小後の設定値入力画面内の画像のサイズ(部品のサイズ)、縮小後の設定値入力画面内の文字のフォントサイズのいずれかに基づいて、縮小率を算出するための設定項目キーの数を制限するよう構成しても構わない。上述した本発明の実施形態では、前記表示制限数を利用したが、例えば、縮小後の設定値入力画面内の画像のサイズ、縮小後の設定値入力画面内の文字のフォントサイズのいずれかを採用して、設定値入力画面の数を制限してもよい。
【0109】
例えば、前記縮小後の設定値入力画面内の画像のサイズであれば、前記縮小率算出手段404が、押下された設定項目キーの数(そのまま)と前記表示領域の大きさとに基づいて前記縮小率を算出し、前記画面縮小手段405が、算出された縮小率に基づいて、押下された設定項目キーの順位の高い所定数の設定値入力画面を縮小することになるが、当該縮小率算出手段404が、当該縮小後の設定値入力画面内の画像のサイズを、予め記憶された所定の閾値である画像のサイズと比較して、当該縮小後の設定値入力画面内の画像のサイズが、閾値の画像のサイズ未満であるか否かを判定する。当該判定の結果、当該縮小後の設定値入力画面内の画像のサイズが閾値の画像のサイズ未満である場合、前記縮小率算出手段404が、押下された設定項目キーの数を所定値(例えば、「1」)だけ減算して、減算後の押下された設定項目キーの数と前記表示領域の大きさとに基づいて、再度、前記縮小率を算出する。一方、前記判定の結果、縮小後の設定値入力画面内の画像のサイズが閾値の画像のサイズ以上である場合、所定数の縮小後の設定値入力画面をそのまま利用する。これにより、ユーザに対する視認性の低下を抑えることが可能となる。
【0110】
又、例えば、前記縮小後の設定値入力画面内の文字のフォントサイズであれば、前記縮小率算出手段404が、押下された設定項目キーの数と前記表示領域の大きさとに基づいて縮小された縮小後の設定値入力画面内の文字のフォントサイズを、予め記憶された所定の閾値である文字のフォントサイズと比較して、当該縮小後の設定値入力画面内の文字のフォントサイズが、閾値の文字のフォントサイズ未満であるか否かを判定する。当該判定の結果、当該縮小後の設定値入力画面内の文字のフォントサイズが閾値の文字のフォントサイズ未満である場合、前記縮小率算出手段404が、上述と同様に、押下された設定項目キーの数を所定値(例えば、「1」)だけ減算して、減算後の押下された設定項目キーの数と前記表示領域の大きさとに基づいて、再度、前記縮小率を算出する。一方、前記判定の結果、縮小後の設定値入力画面内の文字のフォントサイズが閾値の文字のフォントサイズ以上である場合、所定数の縮小後の設定値入力画面をそのまま利用する。これにより、上述と同様に、ユーザに対する視認性の低下を抑えることが可能となる。
【0111】
又、本発明の実施形態に係る操作部102では、複合機100のコピー機能の処理に関して採用したが、例えば、ファクシミリ送受信機能、プリント機能等に対しても採用できる。更に、本発明の実施形態では、操作部102を複合機100に適用した場合について説明したが、タッチパネル201を有する操作部102(操作装置)を備えた各種画像形成装置、各種画像処理装置、各種画像加工装置、各種画像表示装置等に適用しても、同一の作用効果を奏する。
【0112】
又、本発明の実施形態では、操作部102が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを操作部102或いは複合機100に読み出させ、その操作部102或いは複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
以上のように、本発明に係る操作装置及び操作方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、視認性を損なうことなく、複数の設定値入力画面を同一画面で確認することが可能となるとともに、設定値の入力のための操作回数を削減することが可能な操作装置及び操作方法として有効である。
【符号の説明】
【0114】
100 複合機
102 操作部
401 表示受付手段
402 多点押下判定手段
403 設定項目押下記憶手段
404 縮小率算出手段
405 画面縮小手段
406 画面記憶手段
407 複数画面表示手段
408 機能提供手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設定項目キーのうち、所定の設定項目キーが押下されると、当該設定項目キーに対応する設定項目の設定値が入力可能な設定値入力画面を所定の表示領域に表示する操作装置において、
前記複数の設定項目キーが表示された際に、当該複数の設定項目キーのうち、2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されたか否かを判定する多点押下判定手段と、
2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されると、押下された設定項目キーの数と、一の設定値入力画面が表示される前記表示領域の大きさとに基づいて、所定数の設定値入力画面が当該表示領域に同時に均等に表示可能となる縮小率を算出する縮小率算出手段と、
算出された縮小率に基づいて、押下された設定項目キーの順位の高い所定数の設定値入力画面を縮小する画面縮小手段と、
縮小された所定数の設定値入力画面を、押下された設定項目キーの順位に対応した配置で、前記表示領域に表示する複数画面表示手段と
を備えることと特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記縮小率算出手段は、予め記憶された表示制限数、縮小後の設定値入力画面内の画像のサイズ、縮小後の設定値入力画面内の文字のフォントサイズのいずれかに基づいて、縮小率を算出するための設定項目キーの数を制限する
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記縮小率算出手段は、押下された設定項目キーの数である設定項目数が、予め記憶された表示制限数以上であるか否かを判定し、前記設定項目数が前記表示制限数以上である場合、当該表示制限数と前記表示領域の大きさとに基づいて前記縮小率を算出し、前記設定項目数が前記表示制限数未満である場合、当該設定項目数と前記表示領域の大きさとに基づいて前記縮小率を算出する
請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
前記複数画面表示手段は、所定の縮小後の設定値入力画面を介して所定の設定値の入力が完了した際に、押下された設定項目キーの設定項目数が残存する場合に、前記縮小率算出手段に、残存する設定項目数を用いて縮小率を新たに算出させ、前記画面縮小手段に、残存する設定項目に対応する設定値入力画面を縮小させる
請求項1−3のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項5】
前記画面縮小手段は、新たに縮小率が算出された場合に、新たな縮小率が従前の縮小率と同一であるか否かを判定し、新たな縮小率が従前の縮小率と同一である場合に、当該従前の縮小率に基づいて、未だに表示されていない設定項目の設定値入力画面を縮小し、新たな縮小率が従前の縮小率と同一でない場合に、当該新たな縮小率に基づいて、残存する設定項目の設定値入力画面を縮小する
請求項1−4のいずれか一項に記載の操作装置。
【請求項6】
前記複数画面表示手段が、未だに表示されていない縮小後の設定値入力画面を表示する際に、既に設定値の入力がされた縮小後の設定値入力画面を消去するとともに、未だに設定値の入力がされていない縮小後の設定値入力画面を前記表示領域の一方向へスライドし、前記未だに表示されていない縮小後の設定値入力画面を前記表示領域の他方向から一方向へスライドするように表示する
請求項5に記載の操作装置。
【請求項7】
請求項1−6のいずれか一項に記載の操作装置を備えた画像形成装置。
【請求項8】
複数の設定項目キーのうち、所定の設定項目キーが押下されると、当該設定項目キーに対応する設定項目の設定値が入力可能な設定値入力画面を所定の表示領域に表示する操作装置の操作方法において、
前記複数の設定項目キーが表示された際に、当該複数の設定項目キーのうち、2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されたか否かを判定する多点押下判定ステップと、
2以上の設定項目キーが所定時間内に押下されると、押下された設定項目キーの数と、一の設定値入力画面が表示される前記表示領域の大きさとに基づいて、所定数の設定値入力画面が当該表示領域に同時に均等に表示可能となる縮小率を算出する縮小率算出ステップと、
算出された縮小率に基づいて、押下された設定項目キーの順位の高い所定数の設定値入力画面を縮小する画面縮小ステップと、
縮小された所定数の設定値入力画面を、押下された設定項目キーの順位に対応した配置で、前記表示領域に表示する複数画面表示ステップと
を備えることと特徴とする操作方法。
【請求項9】
請求項8に記載の設定条件入力方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−30928(P2013−30928A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164690(P2011−164690)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】