説明

操作装置及び電気機器

【課題】既存のワークフローを簡単に呼び出して、ユーザがワークフローを利用する際のユーザの操作性や利便性を向上させる。
【解決手段】表示部410と、複数の各機能設定項目の組み合わせ(ワークフロー)を記憶する記憶部513と、ワークフローを選択する入力を行うための選択入力部514と、各機能設定項目についての設定値をそれぞれ入力するための各受付画面をワークフローごとに予め定められた表示形式で表示させる表示制御部511と、受付画面を用いた設定値の入力を受け付ける受付部512とを備え、表示制御部511は、複数のワークフローが選択され、重複している機能設定項目が存在するときは、当該重複している機能設定項目についての受付画面を当該複数のワークフローのうち何れか一つのワークフローに係る受付画面として表示部410に表示させる操作装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置を始めとする、各種の電気機器で実行可能な機能についての各設定を当該電気機器に記憶させる際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置等の電気機器では、コピー等の電気機器の機能動作時に適用する用紙サイズ、倍率、濃度、集約印刷、原稿画質を設定する際などのユーザによる機能実行時の操作性を向上させるために、その表示部にウィザード形式表示(ユーザ対話形式)での機能設定画面(受付画面)を表示させるものが知られている(下記特許文献1参照)。これによれば、ユーザは、表示部に順次切換表示される各画面による案内に従えば、コピー動作等の電気機器の機能に適用する設定の内容をワークフローとして、従来よりも簡単に電気機器に登録することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−47708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、目的とする前記ワークフローは事前に当該電気機器に登録されている必要があり、たとえ部分的に形成する既存のワークフローが存在するような場合であっても、新たに一から当該目的とするワークフローを登録する、或いは、当該既存のワークフローとは異なる機能設定のみを行うワークフローを登録して当該新たに登録されたワークフローと既存のワークフローとを順次実行させる等の手間がかかり、ワークフローを利用する際のユーザの操作性や利便性を向上させる余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、目的とするワークフローを作成し直さなくても、複数の既存のワークフローを簡単に呼び出して、ユーザが前記ワークフローを利用する際のユーザの操作性や利便性を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
表示部と、
当該操作装置を備える電気機器の複数の各機能設定項目のうち予め定められた複数の各機能設定項目の組み合わせにより構成されるワークフローを1又は複数パターン記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されているワークフローの中からワークフローを1または複数選択する入力を行うための選択入力部と、
各機能設定項目についての設定値をそれぞれ入力するための各受付画面を、前記ワークフローごとに予め定められた表示形式で前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記受付画面を用いた設定値の入力が行われると、その設定値の入力を受け付け、更に、前記選択入力部により選択された1または複数のワークフローに係る各受付画面を用いた設定値の入力が行われると、当該設定値を一連の機能設定を示すものとして受け付ける受付部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、前記複数のワークフロー間で重複している機能設定項目が存在するときは、当該重複している機能設定項目についての受付画面を当該複数の選択されたワークフローのうち何れか一つのワークフローに係る受付画面として前記表示部に表示させる操作装置である。
【0007】
この発明では、選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、表示制御部により、当該選択されたワークフローに係る受付画面が表示され、当該受付画面で設定値の入力が行われると、受付部により、当該設定値が一連の機能設定を示すものとして受け付けられる。さらに、前記複数のワークフロー間で重複している機能設定項目が存在するときは、当該重複している機能設定項目についての受付画面は、表示制御部により、当該複数のワークフローのうち何れか一つのワークフローに係る受付画面として表示されるため、当該重複している機能設定項目についての受付画面が重複して表示されない。
【0008】
このため、目的とするワークフローが部分的に形成された既存の複数のワークフローを組合せて構成可能な場合に、選択入力部により当該既存の複数のワークフローを選択して、表示制御部により表示される当該既存の複数のワークフローに係る受付画面で設定値を入力することにより、新たに一から当該目的とするワークフローを登録する手間を省略して、当該目的とするワークフローに従った一連の機能設定を簡単に行うことができるようになる。
【0009】
さらに、当該既存の複数のワークフロー間で重複している機能設定項目が存在するときは、当該既存の複数のワークフローに基づく全ての受付画面を表示する場合に比して、表示される受付画面数が減少されるため、ユーザの操作性や利便性を向上させることができるようになる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の操作装置であって、前記表示制御部は、前記選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、各ワークフローに係る受付画面を前記表示部に並列して表示させる第一の表示処理を行う。
【0011】
この発明では、選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、表示制御部により、各ワークフローに係る受付画面が表示部に並列して表示されるため、受付画面内で入力可能な設定値の数を増加させるとともに、当該複数のワークフローに係る受付画面を個別に順次表示する場合に比して、受付画面の表示及び遷移にかかる時間を短縮させることができ、ユーザの操作性や利便性を向上させることができるようになる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の操作装置であって、前記表示制御部は、前記選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、ワークフロー毎に連続して各ワークフローに係る受付画面を表示させる第二の表示処理を更に行う。
【0013】
この発明では、選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、ワークフロー毎に連続して各ワークフローに係る受付画面が表示されるため、あたかも当該複数のワークフローを組み合わせてなる一つのワークフローに従って機能設定の入力操作を行っているように、スムーズな操作性を提供することができるようになる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の操作装置であって、前記第一の表示処理を行うか、或いは、前記第二の表示処理を行うかを指定する表示指定部をさらに備え、前記表示制御部は、前記表示指定部で指定された表示処理にしたがって、第一の表示処理、或いは、第二の表示処理を切り替える。
【0015】
この発明では、第一の表示処理を行うか、或いは、第二の表示処理を行うかを表示指定部により指定して、ユーザの希望に応じた操作性を柔軟に提供することができるようになる。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れかに記載の操作装置であって、前記表示制御部は、前記選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、前記複数のワークフロー間で重複している機能設定項目が存在するときは、当該重複している機能設定項目についての受付画面を当該複数の選択されたワークフローのうち何れか一つのワークフローに係る受付画面として前記表示部に表示させるとともに、当該何れか一つのワークフローとは異なるワークフローに係る受付画面から当該重複している機能設定項目についての受付画面を排除して各受付画面の表示順を設定し直す。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れかに記載の操作装置と、前記機能設定項目の設定値に基づいて動作を行う動作部と、を備えた電気機器である。
【0018】
この発明によれば、電気機器において、請求項1から4の何れかに記載の発明における効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、目的とするワークフローを作成し直さなくても、複数の既存のワークフローを簡単に呼び出して、ユーザが前記ワークフローを利用する際のユーザの操作性や利便性を向上させる技術を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気機器の一例である複合機の構成を示す側面概略図である。
【図2】操作部の部分拡大図である。
【図3】図1に示す複合機の電気的な構成を示すブロック図である。
【図4】ワークフロー作成及び登録時の表示部の表示画面の遷移を示す図である。
【図5】ウィザード形式で表示させるワークフロー呼出時の表示画面の遷移を示す図である。
【図6】ワークフロー呼出時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】(a)は、複数のワークフローと各ワークフローを構成する機能設定項目を説明する図であり、(b)は、当該複数のワークフロー間で重複する機能設定項目を排除する例を示す図である。
【図8】表示制御部により、複数のワークフローに係る受付画面が並列して表示される一画面例を示す図である。
【図9】表示制御部により、ショートカット表示形式で表示させる場合の、複数のワークフローに係る受付画面が並列して表示される一画面例を示す図である。
【図10】第一の表示処理或いは第二の表示処理を指定する表示指定部の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る操作装置及びこれを備えた電気機器について説明する。
【0022】
図1に示す電気機器は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等を兼ね備えた複合機であり、本体部200と、本体部200の用紙搬出側、例えば左側に配設された用紙後処理部300と、操作者が種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読取部500と、原稿読取部500の上部に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0023】
図2に示すように、操作部400は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部410と、操作者から操作指示が入力される操作キー部430を備える。操作キー部430は、スタートキー432、テンキー433及び機能切換キー部434等を備える。
【0024】
スタートキー432は、コピー動作やスキャン動作等の各動作を開始させる指示を操作者から受け付ける。テンキー433は、コピー部数を指定する指示等を操作者から受け付けるキーである。機能切換キー部434は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能及びコピー機能を相互に切り替える機能切換指示を操作者から受け付けるキーである。
【0025】
表示部410は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、タッチパネル機能を組み合わせたタッチパネルユニット等を備えている。表示部410は、種々の受付画面を表示すると共に、操作者が表示面(表示されている操作キー)をタッチすることで種々の機能の実行指令を入力することが可能とされている。
【0026】
図1に戻り、原稿給送部600は、原稿載置部601、給紙ローラ602、原稿搬送部603及び原稿排出部604を備え、原稿読取部500は、スキャナ501を備える。給紙ローラ602は、原稿載置部601にセットされた所要枚数分の原稿を一枚ずつ繰り出し、原稿搬送部603は、繰り出される原稿を順次スキャナ501の読み取り位置に搬送する。スキャナ501は、搬送される原稿の画像を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部604に排出される。
【0027】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、画像形成部33、排出口209及び排出トレイ210等を備える。画像形成部33は、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207及び定着ローラ208を有する。
【0028】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読取部500において読み取られた原稿の画像に応じて変調されたレーザ光を感光体ドラム204の表面に走査し、該表面に色毎の静電潜像を形成する。現像装置207は、黒色の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0029】
一方、給紙ローラ202は、印刷用紙が収納された給紙カセット201から印刷用紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された印刷用紙に感光体ドラム204の表面に形成されたトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0030】
手差しトレイ220は、複合機1の側面適所に設けられたトレイであり、下端を揺動中心として、前記側面に平行な略直立姿勢となる収納位置と、前記下端が下方にやや傾斜する傾斜姿勢となる給紙位置との間で揺動可能に構成されている。手差しトレイ220が給紙位置に位置するときに、該手差しトレイ220の上面に用紙が積載され、給紙ローラ221により感光体ドラム204に向けて給紙される。
【0031】
手差しトレイ220は、複数の用紙サイズの用紙を択一的に画像形成部33に給紙するためのものであり、主に、給紙カセット201にはセット不可能な使用頻度の低いサイズの用紙や葉書などの特殊な用紙を画像形成部33の画像形成動作に供するために利用される。
【0032】
用紙後処理部300は、搬入口301、印刷用紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。印刷用紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された印刷用紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ印刷用紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された印刷用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0033】
図3は、図1に示す画像形成装置1の電気的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、画像形成装置1は、原稿読取部500、画像処理部21、プリンタ部31、操作部400、制御部51、ネットワークI/F(インターフェース)部71、HDD(ハードディスクドライブ)74及びファクシミリ通信部75を備える。
【0034】
原稿読取部500は、図1に示すスキャナ501を構成する露光ランプ12及びCCD(電荷結合素子)13を含む。原稿読取部500は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像を画像処理部21へ出力する。
【0035】
画像処理部21は、読み取られた画像を必要に応じて、読み取られた画像に対してレベル補正、γ補正等の所定の補正処理や、画像の圧縮又は伸張処理、及び、拡大又は縮小処理等の種々の加工処理等を行うものである。画像処理部21によって処理された画像は、図略の画像メモリに記憶されたり、プリンタ部31に出力されたりする。
【0036】
プリンタ部31は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部32、図1に示す感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207、転写ローラ203、定着ローラ208等から構成される画像形成部33を含み、用紙搬送部32により記録紙を画像形成部33へ搬送し、原稿読取部500により読み取られた原稿データに基づいて画像形成部33により上記の画像に対応するトナー像を感光体ドラム204に形成し、感光体ドラム204に形成されたトナー像を転写ローラ203により記録紙に転写し、定着ローラ208によりトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0037】
ネットワークI/F部71は、ネットワークインタフェース(10/100Base-TX)等を用い、LANを介して外部装置との間での種々のデータの送受信を制御する。HDD74は、原稿読取部500によって読み取られた画像及び当該画像に設定されている出力形式等を記憶する。
【0038】
操作部400は、図1及び図2に示したように表示部410、操作キー部430を備える。表示部410は、タッチパネル機能により各種指示の入力を受け付ける複数のキーを制御部51による制御の下で表示する。操作キー部430には、図2に示した機能切換キーキー部434、スタートキー432、テンキー433及びワークフローボタン450等が設けられている。制御部51は、上記表示部410及び操作部400の各キーから、操作者によって入力された指示を受け付ける。
【0039】
尚、ワークフローボタン450は、ユーザにより予め設定されている設定内容でコピー動作やスキャン動作等の機能を実行するワークフロー動作や、当該ワークフロー動作を登録、変更、又は削除する操作を行うための処理を開始させる指示の入力をユーザから受け付けるボタンである。
【0040】
ファクシミリ通信部75は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit;図示省略)を含む。ファクシミリ通信部75は、原稿読取部500によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信したりする。符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・符号化し、受信した画像データを伸長・復号化する。変復調部は、圧縮・符号化された画像データを音声信号に変調し、受信した信号(音声信号)を画像データに復調する。NCUは、送受信先となるファクシミリ装置等との電話回線による接続を制御する。
【0041】
制御部51は、複合機1の動作制御を司るCPUと、データを一時的に保管する機能や作業領域としての機能を有するRAM(Random Access Memory)、プログラムを予め記憶するROM、及び、前記プログラム等をROMから読み出して実行するCPUを備えて構成されており、CPUとRAM及びROMとはデータバスを介してデータの授受を行うように構成されている。
【0042】
制御部51は、CPUがROM等に格納されている本実施形態特有の画像処理プログラムを実行することで、表示制御部511と、受付部512と、記憶部513と、選択入力部514としての機能を有する。尚、制御部51は、表示指定部515としての機能を更に有してもよいが、これについては本実施形態とは別の実施形態として後述する。
【0043】
表示制御部511は、表示部410の表示動作を制御するものである。表示制御部511は、当該複合機1における各機能設定項目についての設定値をそれぞれ入力するための各受付画面(操作画面)を、後述する記憶部513に記憶されたワークフローに基づいて、予め定められた表示形式で前記表示部410に表示させるものである。
【0044】
受付部512は、前記受付画面を用いた設定値の入力が行われると、その設定値の入力を受け付ける処理を行うものである。
【0045】
記憶部513は、ROMやRAM等のメモリや、ハードディスク等の記憶装置からなり、操作者に対する操作案内を表示するための各種データ(本実施形態では、特に、記憶部513は、コピー動作やスキャン動作等の機能を実行するために必要な機能設定の入力を受け付けるための受付画面を表示部410に表示させるための表示用データを記憶している)や、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等の各機能の動作状況等を表示するための画像データ(画像、文字、記号等の各データを含む)を記憶している。
【0046】
また、記憶部513は、複合機1で実行可能な機能についての各機能設定項目の組み合わせでなるテンプレート(定型フォーム)を複数記憶している。当該テンプレートは、例えば、コピー動作等の各機能毎に、各機能で適用する部数、用紙サイズ、倍率、濃度、集約印刷、原稿画質、両面分割等の機能設定項目の組み合わせである。
【0047】
テンプレートは、コピー動作等の機能を実行するために登録が必要な各設定入力をユーザに案内する処理を行うためのワークフロー、又は、コピー動作等の機能を実行する際に適用される各機能設定項目の設定値を記憶して当該各設定値でコピー動作等の機能を実行させるワークフローに用いられる。
【0048】
尚、テンプレートを用いて電気機器の複数の各機能設定項目のうち予め定められた複数の各機能設定項目の組み合わせにより構成されるワークフローを作成し、作成された一または複数パターンのワークフローが記憶部513に記憶(登録)されるまでの処理の手順については、後述する。
【0049】
選択入力部514は、記憶部513に記憶されているワークフローの中からワークフローを1または複数選択する入力を行うものである。
【0050】
これに関連して、表示制御部511は、選択入力部514を用いて複数のワークフローが選択された場合に、当該複数のワークフロー間で重複している機能設定項目が存在するときは、当該重複している機能設定項目についての受付画面を当該複数の選択されたワークフローのうち何れか一つのワークフローに係る受付画面として表示部410に表示させるように構成されている。
【0051】
次に、テンプレートを用いて当該複合機1の複数の各機能設定項目のうち予め定められた複数の各機能設定項目の組み合わせにより構成されるワークフローを作成し、作成された一または複数パターンのワークフローが記憶部513に記憶(登録)されるまでの処理の手順を説明する。
【0052】
図4に示すように、複合機1の主電源がユーザによりオンとされ、例えば、コピーボタンが押下操作されてコピー機能が開始されるとき、表示制御部511は、表示部410に、図略の初期画面を表示させる。
【0053】
この初期画面の表示時に、操作部400のワークフローボタン450がユーザにより押下され、受付部512に、ワークフローの開始指示が受け付けられると、表示制御部511は、ワークフロー画面4101を表示させる。これにより、ワークフローの作成及び登録、削除の操作の開始が可能となる。表示制御部511は、ワークフロー画面4101に、ユーザからワークフローの新規登録及び削除を受け付けるための新規登録/削除ボタン4101gを表示させる。
【0054】
なお、前記初期画面の表示時に、ワークフローボタン450がユーザにより押下されず、(ワークフローの開始指示が受け付けられず)、前記初期画面においてユーザにより指定された用紙選択や倍率等の設定内容、又は既に設定済みの設定内容で、スタートキー432やテンキー433等の押下操作が行われてコピー動作の実行指示が入力された場合は、当該押下操作に従って、通常通りのコピー動作等が実行される。
【0055】
一方、表示制御部511によるワークフロー画面4101の表示中に、ユーザにより新規登録/削除ボタン4101gが押下されると、表示制御部511は、ワークフローの新規登録又は削除のいずれを行うかの選択指示をユーザに対して促すワークフロー登録/削除画面4102を表示部410に表示させる。
【0056】
ワークフロー登録/削除画面4102には、ユーザからワークフローの新規登録指示を受け付けるための新規登録ボタン4102aと、ユーザからワークフローの削除指示を受け付けるための削除ボタン4102bとが表示される。削除ボタン4102bが押下された場合の処理等の説明については省略する。
【0057】
ワークフロー登録/削除画面4102の表示時に、ユーザにより新規登録ボタン4102aが押下されて、タッチパネル機能により受付部512にワークフローの新規登録指示が受け付けられると、表示制御部511は、表示部410に、ワークフローの作成に用いるテンプレートの選択を促すテンプレート選択画面4104を表示部410に表示させる。このテンプレート選択画面4104には、ワークフローの作成に用いることが可能な各テンプレートを示す画像T1〜T6が表示される。
【0058】
このテンプレート選択画面4104の表示時に、ユーザにより、テンプレートを示す画像T1〜T6のいずれかが押下されて、タッチパネル機能により、受付部512に、ワークフローの作成に用いるウィザード表示形式用のテンプレートの選択が受け付けられると、表示制御部511は、当該選択されたテンプレートを記憶部513から読み出し、当該読み出したテンプレートが示す各機能設定項目(例えば、コピー機能の場合、部数、用紙サイズ、倍率、濃度、集約印刷、原稿画質、両面分割等)について、それぞれの初期値を設定するための受付画面4105をウィザード形式表示により表示部410に順次表示する。
【0059】
表示制御部511は、上記読み出したテンプレートが示す全ての機能設定項目についての受付画面を表示し、各受付画面で初期値の入力を受け付けるまで受付画面の表示処理及び初期値の入力の受付処理を繰り返し、当該全ての機能設定項目についての受付画面の表示処理及び初期値の入力の受付処理を完了すると、表示部410に表示形式選択画面4106を表示する。
【0060】
表示制御部522は、この表示形式選択画面4106に、上述したウィザード表示形式又は、ワークフローに含まれる全ての機能設定項目を受付画面内に一覧表示するショートカット表示形式のいずれかの表示形式の選択をユーザに促すウィザード表示形式ボタン4106a及びショートカット表示形式ボタン4106bを表示させる。
【0061】
この表示形式選択画面4106の表示時に、ウィザード表示形式ボタン4106a及びショートカット表示形式ボタン4106bのいずれかがユーサによって押下され、タッチパネル機能により、受付部512に、いずれかの表示形式の選択指示が受け付けられると、制御部521は、受付部512により受け付けられた上記各設定の内容と表示形式とテンプレートとを関連付ける。
【0062】
すなわち、当該関連付けにより、例えばコピー動作等の機能を実行する際に、受付部512により受け付けられた上記各設定の内容をユーザに対して確認させる表示を、受付部512によって受け付けられた表示形式で行い、当該各設定の内容でコピー動作等の機能を実行させるワークフローが作成される。この受け付けられた表示形式は、後述するワークフローの呼出処理における各設定の受付画面の表示時に適用される。
【0063】
尚、表示形式選択画面4106を用いて、ユーザにより表示形式の選択入力を行わせる代わりに、予め定められた表示形式のみが設定可能に構成されていても構わない。
【0064】
続いて、表示制御部511は、表示部410に、この作成されたワークフローの名称の入力画面4107を表示させる。この入力画面4107には、キーボード画像4107a等が表示され、ユーザが当該キーボード画像を押下することでタッチパネル機能により、ユーザからのワークフロー名の入力が可能とされている。
【0065】
前記入力画面4107の操作により、ユーザからワークフロー名が入力されると、表示制御部511は、当該作成されたワークフローに含まれる機能設定項目と初期値の組み合わせを並べて一覧表示した画像4108aと、当該一覧表示した設定内容で登録する指示を受け付けるための登録ボタン4108bと、当該一覧表示した設定内容を変更する指示を受け付けるための設定変更ボタン4108cとを有する確認画面4108を表示部410に表示させる。
【0066】
この確認画面4108の表示時に、ユーザにより登録ボタン4108bが押下され、受付部512に、一覧表示した各初期値で登録する指示が受け付けられると、制御部51は、当該作成されたワークフローをワークフロー名称と組み合わせた形で記憶部513に記憶させる。なお、この後、表示制御部511は、登録完了をユーザに対して報知する登録完了画面4109を表示部410に表示させる。
【0067】
また、前記確認画面4108の表示時に、ユーザにより設定変更ボタン4108cが押下され、受付部512に、当該一覧表示した初期値を変更する設定変更指示が受け付けられると、表示制御部511は、先の選択が受け付けられたテンプレートが示す各機能設定項目についての各受付画面を再び表示部410に順次表示する処理に戻る。
【0068】
次に、図5から図8を用いて、ウィザード表示形式で表示させるワークフロー呼出時の処理について説明する。尚、上述した処理の手順により、テンプレートを用いて当該複合機1の複数の各機能設定項目のうち予め定められた複数の各機能設定項目の組み合わせにより構成されるワークフローが一または複数パターン作成され、記憶部513に記憶(登録)されているものとする。
【0069】
図6に示すように、複合機1の主電源がユーザによりオンとされたとき、表示制御部511は、表示部410に予め定められた図略の初期画面を表示させる(S1)。
【0070】
この初期画面の表示時に、操作部400のワークフローボタン450がユーザにより押下され、受付部512に、ワークフローの開始指示が受け付けられると(S2)、表示制御部511は、ワークフロー画面4101(図5)を表示させる(S3)。ワークフロー画面4101には、記憶部513に記憶(登録)されている各ワークフローを示すワークフロー画像4101a〜4101fが表示される。
【0071】
ユーザにより、ワークフロー画面4101内に表示されているワークフロー画像4101a〜4101fのうち1または複数のワークフロー画像4101a〜4101fが選択され、次ボタン4101hが押下されると、複合機1が備える機能(例えばコピー動作等)の実行について適用するワークフローを選択するワークフロー選択指示が受け付けられる(S4)。つまり、ワークフロー画面4101により、記憶部513に記憶されているワークフローの中からワークフローを1または複数選択する入力を行う選択入力部514が構成されている。
【0072】
図6に戻り、表示制御部511は、当該選択指示されたワークフローをワークフロー記憶部514から読み出し、複数のワークフローが選択されていた場合は(S5;Y)、当該複数のワークフロー間で重複する機能設定項目が存在するか否かの判定を行う(S21)。
【0073】
例えば、図7(a)に示すように、機能設定項目「A」「B」「C」「D」「E」の順に各機能設定項目の設定値をそれぞれ入力させる各受付画面を表示するワークフローAと、機能設定項目「F」「G」「B」「C」「J」の順に各機能設定項目の設定値をそれぞれ入力させる各受付画面を表示するワークフローBの、2つのワークフローが選択されていた場合、表示制御部511は、機能設定項目「B」「C」の2つの機能設定項目が存在すると判定する。
【0074】
当該複数のワークフロー間で重複する機能設定項目が存在する場合(S21;Y)、表示制御部511は、当該一つのワークフローとは異なるワークフローから当該重複する機能設定項目を排除する(S22)。
【0075】
尚、重複する機能設定項目を排除するとは、当該重複している機能設定項目についての受付画面を当該複数の選択されたワークフローのうち何れか一つのワークフローに係る受付画面として前記表示部に表示させるべく、重複する機能設定項目に設定値を入力するための受付画面を、当該何れか一つのワークフローとは異なるワークフローに係る受付画面として表示されないように設定することを示す。
【0076】
例えば、表示制御部511は、図7(b)に示すように、ワークフローAとワークフローBとの間で重複する機能設定項目「B」「C」の設定値を入力する受付画面を、ワークフローBに係る受付画面として表示しないように非表示を示すフラグ(図中、「−」)を設定する。また、表示制御部511は、ワークフローBの機能設定項目「F」「G」「J」についての受付画面の表示順を、ワークフローAにおける機能設定項目「B」「C」についての受付画面の表示順である2番目、3番目を除いた、1番目、4番目、5番目に設定し直す。
【0077】
図6に戻り、表示制御部511は、1または複数選択されたワークフローに係る受付画面4105(図5)を、ワークフローで定められた表示順に従って順次表示する。このとき、表示制御部511は、上述したステップS4で選択入力部514により複数のワークフローが選択されていた場合に、各ワークフローに係る受付画面のうち、ステップS22で重複する機能設定項目が排除された後に定められた同じ表示順の受付画面を並列して表示部410に表示する第一の表示処理を行う(S6)。
【0078】
尚、表示制御部511は、上述したステップS4で選択入力部514により1つのワークフローが選択されていた場合には、記憶部513に記憶された当該ワークフローで定められた表示順に従って順次表示する。
【0079】
例えば、図7(b)及び図8に示すように、表示制御部511は、表示順が5番目に設定されている、ワークフローAの機能設定項目「E」の受付画面4105aとワークフローBの機能設定項目「J」の受付画面4105bと、を並列して表示する。
【0080】
続いて、当該受付画面上に表示した操作ボタン又はテンキー433等のユーザによる操作に基づいて、タッチパネル機能により、当該受付画面で案内している機能設定項目についての設定値(例えば、前記部数の具体数等)がそれぞれ入力されると、受付部512は、当該設定値を機能動作時に適用される一連の機能設定を示すものとして受け付け、当該入力された内容を機能設定項目の設定値として設定する(S7)。
【0081】
表示制御部511は、当該1または複数のワークフローに含まれる機能設定項目の受付画面を全て表示して設定値の設定が完了するまで、当該受付画面の表示処理及び入力された設定値の受付処理を繰り返す(S8)。
【0082】
その後、表示部410に、この時点で受け付けられている設定値を並べて一覧表示した画像と、当該一覧表示した各設定値を適用して機能を実行する機能実行指示を受け付けるための機能実行ボタン(図5の4110b)と、当該一覧表示した各設定値を変更する指示を受け付けるための(図5の設定変更ボタン4110c)とを有する確認画面4110を表示部410に表示させる(S9)。
【0083】
続いて、機能実行ボタン4110bが押下され、受付部512に、一覧表示した各設定値を適用して機能を実行する指示が受け付けられると(S10)、制御部51は、当該一覧表示されている各設定値を適用して機能(コピー動作等)を実行させる(S11)。
【0084】
さらに、図6及び図9を用いて、ショートカット表示形式で表示させるワークフロー呼出時の処理について説明する。尚、図6における各ステップについては、上述したとおりであるため、説明を省略する。
【0085】
表示制御部511は、選択入力部514によりショートカット表示形式で表示するワークフローが選択されていた場合は(S4)、各ワークフローに係る受付画面にワークフローで定められた表示順に従って、各ワークフローを構成する機能設定項目と初期値との組み合わせを一覧表示する(S6)。
【0086】
尚、選択入力部514により複数のワークフローが選択されていた場合は(S5;Y)、表示制御部511は、当該複数のワークフロー間で重複する機能設定項目を排除した後(S22)、当該複数のワークフローに係る受付画面を並列して表示部410に表示するとともに、並列して表示される各受付画面のそれぞれに、ワークフローで定められた表示順に従って、各ワークフローを構成する機能設定項目と初期値との組み合わせを一覧表示する(S6)。
【0087】
例えば、図7(b)及び図9に示すように、表示制御部511は、ワークフローAに係る受付画面4105aとワークフローBに係る受付画面4105bとを並列して表示するとともに、ワークフローAの5つの機能設定項目「A」「B」「C」「D」「E」とその初期値の組み合わせを、ワークフローAで定められた表示順(「A」「B」「C」「D」「E」の順)で受付画面4105aに一覧表示し、ステップS22でワークフローAとワークフローB間で重複する機能設定項目「B」「C」が排除されたワークフローBの3つの機能設定項目「F」「G」「J」とその初期値の組み合わせを、ワークフローBで定められた表示順(「F」「G」「J」の順)で受付画面4105bに一覧表示する。
【0088】
本実施形態の構成によれば、選択入力部514を用いて複数のワークフローが選択された場合に、表示制御部511により、当該選択されたワークフローに係る受付画面が表示され、当該受付画面で設定値の入力が行われると、受付部512により、当該設定値が一連の機能設定を示すものとして受け付けられる。さらに、前記複数のワークフロー間で重複している機能設定項目が存在するときは、当該重複している機能設定項目についての受付画面は、表示制御部511により、当該複数のワークフローのうち何れか一つのワークフローに係る受付画面として表示されるため、当該重複している機能設定項目についての受付画面が重複して表示されない。
【0089】
このため、目的とするワークフローが部分的に形成された既存の複数のワークフロー(例えば、図7に示すワークフローAとワークフローB)を組合せて構成可能な場合に、選択入力部514により当該既存の複数のワークフローを選択して、表示制御部511により表示される当該既存の複数のワークフローに係る受付画面で設定値を入力することにより、新たに一から当該目的とするワークフローを登録する手間を省略して、当該目的とするワークフローに従った一連の機能設定を簡単に行うことができるようになる。
【0090】
さらに、当該既存の複数のワークフロー(例えば、図7に示すワークフローAとワークフローB)間で重複している機能設定項目(例えば、図7に示す機能設定項目「B」「C」)が存在するときは、当該既存の複数のワークフローに基づく全ての受付画面を表示する場合に比して、ウィザード表示形式で表示される受付画面数、或いは、ショートカット表示形式で一覧表示される機能設定項目数が減少されるため、ユーザの操作性や利便性を向上させることができるようになる。
【0091】
以上の構成に加えて、表示制御部511は、選択入力部514を用いて複数のワークフローが選択された場合に、ワークフロー毎に連続して各ワークフローに係る受付画面を表示させる第二の表示処理を行うように構成してもよい。
【0092】
本構成では、例えば、表示制御部511は、選択入力部514によりウィザード表示形式で表示することが定められた複数のワークフローが選択された場合に(S4)、ワークフローAの5つの機能設定項目「A」「B」「C」「D」「E」の設定値をそれぞれ入力する受付画面を順次表示した後、これに連続して、ワークフローAとワークフローB間で重複する機能設定項目「B」「C」が排除されたワークフローB(S22)の3つの機能設定項目「F」「G」「J」の設定値をそれぞれ入力する受付画面を順次表示する(S6)。つまり、この場合、表示制御部511は、8つの受付画面を順次表示する。
【0093】
また、表示制御部511は、選択入力部514によりショートカット表示形式で表示することが定められた複数のワークフローが選択されていた場合に(S4)、ワークフローAの5つの機能設定項目「A」「B」「C」「D」「E」と初期値の組み合わせを一覧表示した後、これに連続して、ステップS22でワークフローAとワークフローB間で重複する機能設定項目「B」「C」が排除されたワークフローBの3つの機能設定項目「F」「G」「J」と初期値の組み合わせを一覧表示する(S6)。つまり、この場合、表示制御部511は、8つの機能設定項目と初期値の組合せを一つの受付画面に一覧表示する。
【0094】
本構成によれば、ユーザは、それぞれ別の領域に表示された複数のワークフローに係る受付画面で各機能設定項目の設定値の入力操作を行うことなく、一つの受付画面に対して機能設定項目の設定値の入力操作を行えばよいため、あたかも当該複数のワークフローを組み合わせてなる一つのワークフローに従って機能設定の入力操作を行っているように、スムーズな操作性を提供することができるようになる。
【0095】
また、以上の構成に加えて、第一の表示処理を行うか、或いは、第二の表示処理を行うかを指定する表示指定部515(図3)をさらに備えるように構成してもよい。
【0096】
例えば、本構成は、図10に示すように、上述のステップS3でワークフロー画面4101を表示する際に、ワークフロー画面4101に表示指定用のボタンを表示し、当該表示指定用のボタンがユーザにより押下されると、並列表示するか(第一の表示処理)、単一表示(第二の表示処理)を選択入力する表示処理指定画面4111を表示するように表示制御部511を構成し、ユーザにより当該表示処理指定画面4111で表示方法が選択入力されると、当該選択入力された第一の表示処理、或いは、第二の表示処理の指定入力を受け付けるように受付部512を構成し、また、受付部512で当該受け付けられた表示処理にしたがって表示制御部511は、上述のステップ6において、第一の表示処理、或いは、第二の表示処理を切り替えるように構成することで実現することできる。
【0097】
この場合、表示指定部515は、ワークフロー画面4101に表示された表示指定用のボタン及び表示処理指定画面4111で構成されているが、これに限らず、複合機1における各種設定画面で代用することも可能である。
【0098】
本構成によれば、第一の表示処理を行うか、或いは、第二の表示処理を行うかを指定して、ユーザの希望に応じた操作性を柔軟に提供することができるようになる。
【0099】
上記各実施形態の構成によれば、ステップS22でワークフローから重複する機能設定項目を排除する際に、当該排除後の機能設定項目の受付画面の表示順を設定し直していたが、これに限らず、ワークフロー間で重複する機能設定項目についての受付画面が、複数のワークフローのうち何れか一つのワークフローに係る受付画面として表示部410に表示され、その他のワークフローに係る受付画面として表示部410に表示されない限り、重複する機能設定項目の排除の方法については、適宜設計事項として変更しても構わない。
【0100】
例えば、上述した図7(b)で、ワークフローBにおけるワークフローBの機能設定項目「F」「G」「J」の表示順を設定し直すことなく、1番目、2番目、5番目に表示するようにして、ワークフローAにおける機能設定項目「B」とワークフローBにおける機能設定項目「G」とが、並列に表示されるようにしても構わない。
【0101】
なお、上記各実施形態では、本発明に係る電気機器の一例をスキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等を兼ね備えた複合機として説明したが、本発明に係る電気機器は複合機に限られず、画像形成装置(コピー機、ファクシミリ装置、スキャナ装置、プリンタ等)であっても構わないし、更には、洗濯機、炊飯器、オーディオ機器等、画像形成装置とは異なる他の電気機器であっても構わない。
【0102】
尚、本発明は上述の実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。前記図1乃至図10に示した構成及び処理は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を前記実施形態に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0103】
1 複合機
400 操作部
410 表示部
450 ワークフローボタン
51 制御部
511 表示制御部
512 受付部
513 記憶部
514 選択入力部
515 表示指定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
当該操作装置を備える電気機器の複数の各機能設定項目のうち予め定められた複数の各機能設定項目の組み合わせにより構成されるワークフローを1又は複数パターン記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されているワークフローの中からワークフローを1または複数選択する入力を行うための選択入力部と、
各機能設定項目についての設定値をそれぞれ入力するための各受付画面を、前記ワークフローごとに予め定められた表示形式で前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記受付画面を用いた設定値の入力が行われると、その設定値の入力を受け付け、更に、前記選択入力部により選択された1または複数のワークフローに係る各受付画面を用いた設定値の入力が行われると、当該設定値を一連の機能設定を示すものとして受け付ける受付部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、前記複数のワークフロー間で重複している機能設定項目が存在するときは、当該重複している機能設定項目についての受付画面を当該複数の選択されたワークフローのうち何れか一つのワークフローに係る受付画面として前記表示部に表示させる操作装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、各ワークフローに係る受付画面を前記表示部に並列して表示させる第一の表示処理を行う請求項1記載の操作装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、ワークフロー毎に連続して各ワークフローに係る受付画面を表示させる第二の表示処理を更に行う請求項2記載の操作装置。
【請求項4】
前記第一の表示処理を行うか、或いは、前記第二の表示処理を行うかを指定する表示指定部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記表示指定部で指定された表示処理にしたがって、第一の表示処理、或いは、第二の表示処理を切り替える請求項3記載の操作装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記選択入力部を用いて複数のワークフローが選択された場合に、前記複数のワークフロー間で重複している機能設定項目が存在するときは、当該重複している機能設定項目についての受付画面を当該複数の選択されたワークフローのうち何れか一つのワークフローに係る受付画面として前記表示部に表示させるとともに、当該何れか一つのワークフローとは異なるワークフローに係る受付画面から当該重複している機能設定項目についての受付画面を排除して各受付画面の表示順を設定し直す請求項1から4の何れかに記載の操作装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れかに記載の操作装置と、
前記機能設定項目の設定値に基づいて動作を行う動作部と、を備えた電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−172064(P2011−172064A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34689(P2010−34689)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】