説明

操作装置

【課題】検出部になされた操作の操作位置を、視線移動することなく認識することができる操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置1は、例えば、操作位置を検出するタッチセンサ10と、タッチセンサ10による操作位置の検出に基づいて操作音を生成する操作音生成部12と、タッチセンサ10が検出した操作位置に基づいて、操作音生成部12から取得した操作音の音像定位を生成する音像定位処理部14と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、制御手段と、図形情報を表示するディスプレイ手段と、ディスプレイ手段に表示された図形部分に接触することによって操作を指令する操作手段と、制御手段の指令に基づいて音声情報を出力する音声情報出力手段と、を備えた手探り操作装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この手探り操作装置は、接触した図形に対応する音声情報が、音声情報出力手段から出力されるので、操作者は、手探りであっても目的とする操作を指令することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−309116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の手探り操作装置は、音声情報が割り当てられた図形に接触しない限りは、音声情報は出力されないので、図形と図形との間隔が広い場合や図形が1つしかない場合などでは音声情報が出力されない時間が長いため、操作者は、ディスプレイ手段のどの部分に接触しているのかを知ることができない問題がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、検出部になされた操作の操作位置を、視線移動することなく認識することができる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、操作位置を検出する検出部と、検出部による操作位置の検出に基づいて操作音を生成する操作音生成部と、検出部が検出した操作位置に基づいて、操作音生成部から取得した操作音の音像定位を生成する音像定位処理部と、を備えた操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検出部になされた操作の操作位置を、視線移動することなく認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(a)は、第1の実施の形態に係る操作装置が搭載された車両内部の概略図であり(b)は、車両を上方から見た模式図である。
【図2】図2(a)は、第1の実施の形態に係るタッチセンサの検出面の概略図であり、(b)は、仮想接触面の概略図であり、(c)は、操作装置のブロック図である。
【図3】図3(a)は、第2の実施の形態に係る仮想操作面の概略図であり、(b)は、操作装置のブロック図である。
【図4】図4(a)は、変形例1に係る操作装置を搭載した車両内部の概略図であり、(b)は、変形例2に係る操作装置を搭載した車両の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態の概要]
本実施の形態に係る操作装置は、操作位置を検出する検出部と、検出部による操作位置の検出に基づいて操作音を生成する操作音生成部と、検出部が検出した操作位置に基づいて、操作音生成部から取得した操作音の音像定位を生成する音像定位処理部と、を備える。
【0011】
ここで、音像とは、例えば、人間が知覚することができる音の空間的な像、つまり、人間の感覚上の音源を示している。また、音像定位とは、例えば、音像の空間的な配置を示している。
【0012】
本実施の形態に係る操作装置は、例えば、検出部になされた操作の操作位置に応じた音像定位から操作音が発せられるように聞こえるので、操作者は、その操作音を聞くことにより、検出部に視線を移動することなく、検出部に対して行った操作の操作位置を認識することができる。
【0013】
[第1の実施の形態]
(操作装置1の構成)
図1(a)は、第1の実施の形態に係る操作装置が搭載された車両内部の概略図であり(b)は、車両を上方から見た模式図である。図2(a)は、第1の実施の形態に係るタッチセンサの検出面の概略図であり、(b)は、仮想接触面の概略図であり、(c)は、操作装置のブロック図である。
【0014】
本実施の形態の操作装置1は、車両2に搭載され、車両2に搭載される電子機器3の操作を行うことができるように構成されている。この電子機器3は、例えば、図1(a)に示すように、車両2のインストルメントパネル24に設けられた表示部30を有している。
【0015】
本実施の形態では、表示部30には、例えば、複数の選択ボタンと、カーソルと、が表示されているものとする。カーソルとは、操作装置1になされた操作に追従して移動する画像である。選択ボタンとは、電子機器3の機能が割り当てられた画像であり、カーソルによる選択および決定により、割り当てられた機能が実行される。なお、本実施の形態では、タッチ操作した位置にカーソルが移動するものとする。
【0016】
ここで、選択とは、カーソルを選択ボタンに重ねることであり、決定とは、カーソルを重ねた状態でタッチセンサ10にタップ操作を行うことである。タップ操作とは、例えば、タッチセンサ10の接触面100aに対し、所定の時間内に二回続けてタッチ操作を行うことである。タッチ操作とは、例えば、操作者の指と電極との間の静電容量が、検出される程度に接触面100aに接近、または接触する操作を示すものである。以下では、選択および決定を選択決定と示すものとする。
【0017】
電子機器3は、例えば、車両2に搭載されるカーナビゲーション装置、オーディオ装置、空調装置等であるが、これに限定されず、車両2に搭載されないテレビジョン装置等の電子機器であっても良い。なお、実施の形態に係る各図において、部品と部品との比率は、実際の比率とは異なる場合がある。
【0018】
この操作装置1は、例えば、図1(a)および(b)に示すように、車両2の運転席25と助手席26の間に位置するセンターコンソール27に設けられている。
【0019】
本実施の形態に係る操作装置1は、例えば、図2(c)に示すように、操作位置を検出する検出部としてのタッチセンサ10と、タッチセンサ10による操作位置の検出に基づいて操作音を生成する操作音生成部12と、タッチセンサ10が検出した操作位置に基づいて、操作音生成部12から取得した操作音の音像定位を生成する音像定位処理部14と、を備えて概略構成されている。
【0020】
また、操作装置1は、例えば、図2(c)に示すように、頭部伝達関数情報160を格納するメモリ16と、音像定位処理部14から出力された出力信号を増幅して車両2の右スピーカ22および左スピーカ23に出力するアンプ18と、を備えている。
【0021】
・タッチセンサ10の構成
タッチセンサ10は、例えば、静電容量の変化に基づいて、タップ操作、タッチ操作およびスライド操作がなされた座標の情報を含む操作情報を出力するように構成されている。この操作情報は、例えば、図2(c)に示すように、電子機器3、操作音生成部12および音像定位処理部14に出力される。電子機器3は、例えば、取得した操作情報に基づいて表示部30に表示されたカーソルを移動させたり、カーソルにより選択ボタンを選択決定させたりするように構成されている。なお、スライド操作とは、例えば、指を接触面100aに接触させながら移動させる操作を示すものである。
【0022】
また、タッチセンサ10は、図2(a)に示すように、矩形状を有する接触面100aを備えている。この接触面100aの下には、例えば、図示しない電極が設けられている。タッチセンサ10は、操作者とこの電極との間に形成されるコンデンサの静電容量の変化を検出する。
【0023】
・操作音生成部12の構成
操作音生成部12は、例えば、取得した操作情報に基づいて操作音を生成し、操作音信号として音像定位処理部14に出力するように構成されている。この操作音とは、例えば、なされた操作に応じて車両2の右スピーカ22および左スピーカ23から出力される電子音である。スライド操作における操作音は、例えば、スライド操作の始点から終点まで連続的に出力されるか、または予め定められた間隔で、断続的に出力される。また、タッチ操作およびタップ操作における操作音は、例えば、接触面100aになされた操作の回数に応じて出力される。
【0024】
・音像定位処理部14の構成
音像定位処理部14は、頭部伝達関数に基づいて音像定位を生成する。また、音像定位処理部14は、例えば、接触面100aを車両2内の空間のある領域に対応させた仮想接触面100bを設定し、検出された接触面100aの操作位置に対応する仮想接触面100bの位置に音像が位置するように、すなわち、音像定位が得られるように操作信号を処理して出力信号を生成するように構成されている。なお、本実施の形態に係る仮想接触面100bは、例えば、図1(a)および(b)に示すように、運転席25に着座する操作者の前方に設定される。
【0025】
ここで、本実施の形態では、例えば、接触面100aと仮想接触面100bとは相似の関係にあり、また接触面100aの座標と仮想接触面100bの座標とは、1:1対応とされている。相似の関係とすることにより、操作装置1は、操作者が触れた接触面100aの操作位置に対応する仮想接触面100bの位置から操作音が聞こえてくるような出力信号を生成することができる。
【0026】
音像定位処理部14は、一例として、頭部伝達関数に基づいて操作音信号を処理することにより、出力信号を生成する。この出力信号は、例えば、車両2の右ドア20の下方に設置された右スピーカ22、および左ドア21の下方に設置された左スピーカ23から出力されることで、音像定位が得られるように構成される。
【0027】
この頭部伝達関数とは、例えば、操作音を聞く操作者の胴、頭部、耳介の形状などによる影響を、周波数に対する振幅や位相の特性として表現したものである。本実施の形態に係る頭部伝達関数は、例えば、標準的な人間をモデルとして測定して得られ、頭部伝達関数情報160としてメモリ16に格納されている。
【0028】
頭部伝達関数の測定は、例えば、HATS(Head and Torso Simulator)またはダミーヘッドと呼ばれる、人間の頭部および胴体を模した人形の外耳道入口にマイクを取り付けて行われる。なお、この人形は、例えば、車両2の運転席25に座らせ、車両2の前方を向いた状態であるものとする。
【0029】
まず、右スピーカ22および左スピーカ23から基準となる基準音を出力し、マイクにて基準音を測定する。この基準音は、例えば、フーリエ変換することにより周波数特性が平坦となるインパルス信号である。この出力されたインパルス信号を測定したインパルス応答が、右スピーカ22および左スピーカ23と操作者(人形)との位置関係に基づいた頭部伝達関数となる。
【0030】
次に、音像定位を形成したい位置、すなわち、仮想接触面100bにスピーカを設置し、インパルス応答を測定して頭部伝達関数を求める。このスピーカは、一例として、仮想接触面100bを4行4列に分割した領域101〜領域116の中央に設置される。すなわち、仮想接触面100bの音像定位を得るための頭部伝達関数情報160は、例えば、右スピーカ22および左スピーカ23から得られた頭部伝達関数と、仮想接触面100bの領域101〜領域116から得られた頭部伝達関数と、を含んで構成される。出力信号の生成は、次の方法により行われる。なお、仮想接触面100bの領域は、4行4列に限定されず、用途に応じて自由に設定される。
【0031】
操作者により、図2(a)に示す接触面100aの点aにタッチ操作が行われた場合、音像定位処理部14は、操作情報に基づいて接触面100aの点aが操作位置であると判定する。次に、音像定位処理部14は、対応する仮想接触面100bの点Aが含まれる領域105の頭部伝達関数と、右スピーカ22および左スピーカ23から得られた頭部伝達関数と、を頭部伝達関数情報160から選択し、これらの頭部伝達関数に基づいて操作音信号を処理し、出力信号を生成する。
【0032】
また、操作者により、図2(a)に示す接触面100aの点bから点cに向かってスライド操作が行われた場合、タッチセンサ10は、例えば、所定の時間間隔で検出される点bから点cを結ぶ直線上の操作位置に応じて操作情報を出力する。音像定位処理部14は、この操作情報に基づいて点Bから点Cを結ぶ直線上の操作位置を含む領域(例えば、領域110、領域111、領域108)の頭部伝達関数と、右スピーカ22および左スピーカ23から得られた頭部伝達関数と、を頭部伝達関数情報160から選択し、これらの頭部伝達関数に基づいて操作音信号を処理し、操作位置に応じた出力信号を生成する。音像定位処理部14は、例えば、この点bから点cに向かうスライド操作に応じて、生成した出力信号を出力する。従って、操作者は、図2(b)に示す点Bから点Cに向かって操作音が移動するように聞こえる。
【0033】
以下に、本実施の形態に係る操作装置1の動作について各図を参照して説明する。操作者が、図2(a)に示す点aにタッチ操作を行う場合について説明する。
【0034】
(動作)
操作者が、図2(a)に示すように、操作装置1の接触面100aの点aにタッチ操作を行うと、タッチセンサ10は、電子機器3、操作音生成部12および音像定位処理部14に操作情報を出力する。
【0035】
電子機器3は、取得した操作情報に基づいて、操作位置に応じた表示部30の位置にカーソルを移動させる。
【0036】
操作音生成部12は、取得した操作情報に基づいて操作音信号を生成し、音像定位処理部14に出力する。
【0037】
音像定位処理部14は、取得した操作情報に基づいて接触面100aにおける操作位置(点a)を判定し、この操作位置に対応する点Aを含む領域105の頭部伝達関数と、右スピーカ22および左スピーカ23から得られた頭部伝達関数と、を頭部伝達関数情報160から選択し、これらの頭部伝達関数に基づいて操作音信号を処理し、出力信号を生成する。この出力信号は、アンプ18により増幅されて右スピーカ22および左スピーカ23から出力される。
【0038】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作装置1は、タッチセンサ10の接触面100aに対応する仮想接触面100bを設定し、操作者が操作した接触面100aの操作位置に対応する音像定位から操作音が聞こえるように操作音に処理を行うことができる。操作者は、この処理された操作音を聞くことにより、接触面100aや表示部30に視線移動することなく、接触面100aのどの位置に接触しているのかを認識することができる。
【0039】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、個人に応じた頭部伝達関数を選択できる点で第1の実施の形態と異なっている。
【0040】
(操作装置1の構成)
図3(a)は、第2の実施の形態に係る仮想操作面の概略図であり、(b)は、操作装置のブロック図である。以下に記載する実施の形態および変形例において、第1の実施の形態と同じ構成および機能を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0041】
本実施の形態に係る操作装置1は、図3(b)に示すように、複数の頭部伝達関数を含む頭部伝達関数テーブル161から、音像定位を生成する頭部伝達関数を選択する関数選択部19を備えている。この関数選択部19は、例えば、メモリ16に格納された頭部伝達関数テーブル161から操作者に適した頭部伝達関数を選択することができるように構成されている。この頭部伝達関数テーブル161には、測定された複数の人間または人形の頭部伝達関数が格納されている。
【0042】
また、本実施の形態に係る操作装置1は、例えば、操作者が、接触した接触面100aの操作位置と、操作音が聞こえてくる音像定位との差を解消するための選択モードを備える。この選択モードは、例えば、頭部伝達関数を選択することができるモードであり、操作装置1により指示される。以下に、この選択モードについて説明する。
【0043】
(頭部伝達関数の選択モード)
関数選択部19は、取得した操作情報に基づいて、選択モードが選択されたと判定すると、音像定位処理部14およびアンプ18を介して右スピーカ22および左スピーカ23から選択モードの開始を示す音声信号を出力する。この音声信号は、音像定位処理部14によって、仮想接触面100bの点Dに音像定位が得られるように、現在選択されている頭部伝達関数を用いて処理されている。表示部30には、例えば、「Yes」の画像と「No」の画像が表示され、カーソルにより選択決定可能となっている。
【0044】
操作者は、この音声信号が図3(a)に示す仮想接触面100bの点D方向から聞こえないとき、タッチセンサ10を操作して「No」を選択決定する。
【0045】
関数選択部19は、操作情報に基づいて、頭部伝達関数テーブル161から、現在選択されている頭部伝達関数とは異なる頭部伝達関数を読み出し、当該頭部伝達関数と音声信号とに基づいて点Dに音像定位が得られる出力信号を生成し、アンプ18を介して右スピーカ22および左スピーカ23から出力する。
【0046】
操作者は、仮想接触面100bの点D方向から操作音が聞こえてきた場合、カーソルにより「Yes」を選択決定する。この「Yes」を選択決定した操作情報を取得した関数選択部19は、頭部伝達関数の選択の動作を終了する。以後、音像定位処理部14は、取得した頭部伝達関数を用いて出力信号を生成する。
【0047】
また、操作者は、仮想接触面100bの点D方向から操作音が聞こえてこない場合、カーソルにより「No」を選択決定する。この「No」を選択決定した操作情報を取得した関数選択部19は、現在選択されている頭部伝達関数とは異なる頭部伝達関数を読み出して音像定位処理部14に出力する。音像定位処理部14は、取得した頭部伝達関数、および音声信号に基づいて出力信号を出力する。この選択モードは、操作者が「Yes」を選択するまで継続される。
【0048】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作装置1は、操作者に適した頭部伝達関数情報を選択することができるので、選択できない場合と比べて、視線移動することなく、タッチセンサ10に接触した操作位置を容易に認識することができる。
【0049】
以下に第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る変形例について説明する。
【0050】
[変形例1]
図4(a)は、変形例1に係る操作装置を搭載した車両内部の概略図である。本変形例に係る操作装置1には、右スピーカ22および左スピーカ23に加えて右上スピーカ28aおよび左上スピーカ28bが接続されている。右上スピーカ28aは、図4(a)の紙面の右上方に設けられている。左上スピーカ28bは、図4(a)の紙面の左上方に設けられている。
【0051】
本変形例の操作装置1は、音像定位処理部14から出力された出力信号が、アンプ18を介して右スピーカ22、左スピーカ23、右上スピーカ28aおよび左上スピーカ28bから出力される。
【0052】
また、音像定位処理部14は、例えば、仮想接触面100bの領域101〜領域116に対応する頭部伝達関数と、右スピーカ22、左スピーカ23、右上スピーカ28aおよび左上スピーカ28bのインパルス応答に基づく頭部伝達関数と、を用いて操作信号を処理するように構成されている。
【0053】
[変形例2]
図4(b)は、変形例2に係る操作装置を搭載した車両の上面図である。本変形例では、一例として、仮想接触面100bが、操作者の前方に設定されるのではなく、図4(b)に示すように、操作者の前後、つまり、車両2の床平面に平行な平面として設定される。操作者から見て接触面100aの車両2後方側の操作位置は、仮想接触面100bの車両2後方側に対応し、操作者から見て接触面100aの車両2前方側の操作位置は、仮想接触面100bの車両2前方側に対応する。
【0054】
また、本変形例2に係る操作装置1には、右スピーカ22および左スピーカ23に加えて右側面後部スピーカ29aおよび左側面後部スピーカ29bが接続されている。右側面後部スピーカ29aは、車両2の右後部ドア20aに設けられている。左側面後部スピーカ29bは、車両2の左後部ドア21aに設けられている。
【0055】
本変形例の操作装置1は、音像定位処理部14から出力された出力信号が、アンプ18を介して右スピーカ22、左スピーカ23、右側面後部スピーカ29aおよび左側面後部スピーカ29bから出力される。
【0056】
音像定位処理部14は、例えば、本変形例の仮想接触面100bの領域101〜領域116に対応する頭部伝達関数と、右スピーカ22、左スピーカ23、右上スピーカ28aおよび左上スピーカ28bのインパルス応答に基づく頭部伝達関数と、を用いて操作信号を処理するように構成されている。
【0057】
上記の実施の形態および変形例では、頭部伝達関数を用いた音像定位を得る方法を用いているが、これに限定されず、音像定位が得られる他の周知の方法を用いても良い。例えば、音像定位の左右方向は、左右のスピーカの音量バランスで調整し、音像定位の上下方向は、上方向に聞こえ易い周波数を強調したり、下方向に聞こえ易い周波数を強調したりすることで調整するような方法でも良い。また、スピーカの設置位置および個数等は、上記の実施の形態および変形例に限定されず、例えば、車両2に搭載されたスピーカに基づいて変更可能である。
【0058】
また、上記の実施の形態および変形例では、操作装置1の検出部としてタッチセンサ10を用いたが、これに限定されず、操作位置に応じて電子機器を操作可能な操作装置、例えば、ジョイスティック装置、複数のスイッチからなるスイッチ装置等に適用可能である。
【0059】
以上、本発明のいくつかの実施の形態および変形例を説明したが、これらの実施の形態および変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態および変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態および変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1…操作装置、2…車両、3…電子機器、10…タッチセンサ、12…操作音生成部、14…音像定位処理部、16…メモリ、18…アンプ、19…関数選択部、20…右ドア、20a…右後部ドア、21…左ドア、21a…左後部ドア、22…右スピーカ、23…左スピーカ、24…インストルメントパネル、25…運転席、26…助手席、27…センターコンソール、28a…右上スピーカ、28b…左上スピーカ、29a…右側面後部スピーカ、29b…左側面後部スピーカ、30…表示部、100a…接触面、100b…仮想接触面、101〜116…領域、160…頭部伝達関数情報、161…頭部伝達関数テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作位置を検出する検出部と、
前記検出部による前記操作位置の検出に基づいて操作音を生成する操作音生成部と、
前記検出部が検出した前記操作位置に基づいて、前記操作音生成部から取得した前記操作音の音像定位を生成する音像定位処理部と、
を備えた操作装置。
【請求項2】
前記音像定位処理部は、頭部伝達関数に基づいて前記音像定位を生成する請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
複数の頭部伝達関数を含む頭部伝達関数テーブルから、前記音像定位を生成する頭部伝達関数を選択する関数選択部を有する請求項2に記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−221161(P2012−221161A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85471(P2011−85471)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】