説明

操作部支持構造、同構造を用いた機器、画像形成装置、画像形成装置の周辺機器

【課題】、低身長ユーザーや車イスユーザーへの対応を可能とし、これらの操作者が快適な操作性を得られる操作部支持構造、これを用いた機器を提供する。
【解決手段】従来のアームの前後伸縮方式、操作部の上下チルト方式に加えて、アーム支柱の手前側への回転固定、操作部位置を下げて固定、の二方式を採用することで、低身長ユーザーや車イスユーザーへの対応を可能とする。操作パネル6の背面側には凹所6aを形成し、ここに第3アームの連結部分3c、一対のブラケットカバー6b、6cを取り付けらる。第3アームの連結部分3cは図示の用に平板状の部材で、溝状の凹所6aに沿って位置が移動できる。ブラケットカバー6b、6cは、もちろん操作パネル6の背面側の凹所6aに嵌り込める寸法、形状を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部(以下、操作パネルと言う場合もある)の支持部構造に関し、詳細には複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの複合機等の画像形成装置、さらには画像形成装置の周辺機器における操作部支持構造の改良を図ったものに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置や、その周辺機器、例えば廃止された用紙を大量に収納するための用紙スタック装置には、操作パネルが装置本体等に固定ではなく、アーム等の部材に取り付けられて、可動になっているものがある。
【0003】
このような操作部支持構造を用いた画像形成装置等では、操作パネルと接続した支柱を画像形成装置本体に固定し、アームの軸方向前後での伸縮や操作パネルの上下チルト方式の採用により、低身長のユーザーや、車イスを使用するユーザーへの対応を可能としていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像形成装置、システム、その周辺機器等や幅方向の省スペース化等の理由により、操作パネルのアームや支柱の取り付け位置が装置本体の上部になっているもの、特に最も高い場所になっているものが増えつつあり、必然的に操作パネルの位置も高くなるため、低身長のユーザーや、車イスのユーザーへの対応が必要となってきていている。
【0005】
すなわち、従来のようなアームの前後伸縮方式や、操作パネルの上下チルト方式だけでは低身長ユーザーや車イスユーザーにとっては対応しづらく、操作しづらくなってしまってきていた。
【0006】
そこで本発明においては、従来のアームの前後伸縮方式、操作パネルの上下チルト方式に加えてアーム支柱を装置の手前側へ回転固定させること、操作部位置を下げて 固定することを採用することで、低身長ユーザーや車イスユーザーへの対応を可能とし、これらの操作者が快適な操作性を得られる操作部支持構造、同構造を用いた機器、画像形成装置、画像形成装置の周辺機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る開閉体のヒンジ支持部構造は、開閉体のヒンジ支持部構造であって、前記開閉体を回動開閉可能に支持する開閉体に取り付けるヒンジを支持する部位に、外周面が曲面状のカバーを装着してなることを特徴とする。
【0008】
同0008に係るものは、同請求項2に係るものは、請求項1に記載の開閉体のヒンジ支持部構造であって、前記曲面状のカバーの内側に、前記ヒンジを嵌着支持するヒンジ支持部品を取り付けてなることを特徴とする。
【0009】
同0009に係るものは、請求項1または2に記載の開閉体のヒンジ支持部構造を用いた機器であって、前記開閉体を取り付ける機器本体側に、前記ヒンジを装着固定する部品を取り付けるとともに、該ヒンジを装着固定するヒンジ固定部品に取り付けて前記ヒンジを覆うヒンジカバーを設け、前記ヒンジを前記開閉体の前記ヒンジを支持する部位に、組み付けてなることを特徴とする機器である。
【0010】
同0010に係るものは、請求項3に記載の機器であって、前記ヒンジ固定部品を固定する前記機器の本体部材に、前記ヒンジカバーを前記開閉体側へ突出させる開口を設けてなることを特徴とする。
【0011】
同請求項5に係るものは、請求項3また4の機器が、画像形成部と、開閉するドアを備える画像形成装置であり、請求項1または2の開閉体のヒンジ支持部構造を前記ドアの支持に用いたことを特徴とする画像形成装置である。
【0012】
同請求項6に係るものは、請求項3また4の機器が、画像形成装置の周辺機器であり、開閉するドアを備え、請求項1または2の開閉体のヒンジ支持部構造を前記ドアの支持に用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、低身長ユーザーや車イスユーザーへの対応を可能とし、これらの操作者が快適な操作性を得られる操作部支持構造、同構造を用いた機器、画像形成装置、画像形成装置の周辺機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像形成システムの一例を示す外観図
【図2】本発明に係る操作部支持構造を、図1の操作用パネルのアームに適用した実施例を示す平面図
【図3】操作用パネルの上下方向の回動状態を示す側面図
【図4】操作用パネルの高さを異ならせる機構を一例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
低身長ユーザーや車イスユーザーへの対応を可能とし、これらの操作者が快適な操作性を得られる操作部支持構造、同構造を用いた機器、画像形成装置、画像形成装置の周辺機器を提供するという目的を、従来のアームの前後伸縮方式、操作部の上下チルト方式に加えて、アーム支柱の手前側への回転固定、操作部位置を下げて固定、の二方式を採用することで、低身長ユーザーや車イスユーザーへの対応を可能とし、快適な操作性を提供することを実現した。
【実施例】
【0016】
図1は、画像形成システムの一例を示す外観図であり、図の中央に位置する画像形成ユニット1に、大量給紙ユニット2と用紙スタック装置3aと、綴じ等を行う後処理装置3bとを組み合わせて構成してある。画像形成ユニット1は、図示は省略するが画像形成を行う作像部を内蔵し、外部には、上面の用紙スタック装置3a寄りの位置に自動原稿給紙装置(ADF)4を設け、その右側の大量給紙ユニット2側にトナーボトル収納部5を備えている。また、トナーボトル収納部5の天井面上部には操作用パネル6がアーム7を介して角度可変に設けてある。画像形成ユニット1の下部には給紙部8を備えている。
【0017】
図中9は、給紙部8が備えている給紙トレイ、10は給紙トレイ9の前カバーである。また画像形成ユニット1は、前ドア14に取手15を、大量給紙ユニット2は給紙段16に操作用の取手17を、用紙スタック装置3aと後処理装置3bは、前ドア18a、18bにそれぞれ取手19を備えている。また図中20は、カバーやトレイが存在することを操作者に視認させるための発光部である。
【0018】
本実施例では、低身長ユーザーや車イスユーザーに対応するため、従来のアームの前後伸縮方式、操作部の上下チルト方式に加えてアーム支柱を40度反時計方向 (手前側)への回転固定、操作部位置を下げて固定する方式を採用している。
【0019】
図2は本発明に係る操作部支持構造を、図1の操作用パネル6のアーム7に適用した実施例を示す平面図である。画像形成ユニット1のトナーボトル収納部5上にアーム7を回動可能に設置し、アーム7に操作用パネル6を上下方向での回動と位置移動(詳細には、後述するように付け替えによる位置変更)可能に取り付けてある。
【0020】
アーム7は、画像形成ユニット1に基端を固定した第1アーム31と、第1アーム31内に収納、引き出し可能にした第2アーム32と、操作用パネル6を取り付けるために第2アーム32の先端に水平方向で回動可能に取り付けた第3アーム33とから構成してある。第1アーム31は、例えば図示の例では、画像形成ユニット1上において0°(画像形成ユニット1の正面へ垂直に向く場合とする)から、図の下方(図1でいえば図の右方)へ所定角度α(例えば40°)だけ回動可能に設けてある。
【0021】
また第2アーム32は、第1アーム31内へ完全に収納した状態(図2の上側に図示した状態)から所定長さL(例えば160mm)だけ引き出し可能に設けてある。なお、第2アーム32の引き出し、収納構造については適宜のものを採用すればよい。
【0022】
さらに第3アーム33は、第1アーム31、第2アーム32の軸線Xに対して後述するように、所定角度β(例えば0°〜45°)の角度で水平回動可能に設けてある。
【0023】
図2は、また、ADF4開閉操作における操作用パネル6、アーム7との干渉回避について示す図である。図中上側に示した操作用パネル6、アーム7が通常ポジションであり、ADF4を閉じている状態では干渉は生じていないが、ADF4をジャム処理等のために跳ね上げると、鑑賞することがある。そのため、図中下方に示すように、操作用パネル6とアーム7を回動させて位置を変え、干渉しないようにすることができる。このとき、第2アーム32は、操作パネル6の操作のためには、第1アーム31から引き出した伸長ポジションであることが望ましい。
【0024】
なお図示は省略するが、上述した通常ポジション時は「ねじ止め」もしくは「はめ込み」にてストッパー(別部品)を第2アーム32、第3アーム33の連結部位に追加し、伸長ポジション時は、第2アーム32の先端部に周壁状のものを設けて第2アーム32の先端部が第3アーム33のためのストッパーとなるようにするとよい。目隠しカバーをつけると外観上は好ましい。
【0025】
図3は、操作用パネル6の上下方向の回動状態を示す側面図である。図中左側に示す状態は、図2に示した通常ポジション時の状態であり、図中右側に示した状態は、伸長ポジションにおいて操作パネル6を上下に回動させている状態を示している。図示の例では、第1アーム31、第2アーム32の軸線に対して所定角度γ(例えば65°以上)操作パネル6を上向きにすることができ、トナーボトル収納部5を開けてトナーボトルを交換するときや、高身長ユーザーへの対応を可能としている。もちろん通常ポジションに置いても操作用パネル6を上向きに傾けるコットが可能であるので、高身長ユーザーへの対応を一層柔軟に行える。
【0026】
図3の上側の図(A)と下側の図(B)を比較するとわかるように、操作パネル6の高さ位置がかなり異なっている。通常簿ポジションの場合には、例えば接地面からの高さを約145mmとし、伸長ポジションの場合で、操作パネル6を下げている時とでは図示の実施例では約10mm程度差がつくようにしている。なお、トナーボトル収納部5を開けてトナーボトルを交換するときは、上述のように操作パネル6を65°以上傾け、ボトル交換のじゃまにならないようにする。
【0027】
図4は、上述のように高さを異ならせる機構を一例を示す斜視図である。操作パネル6の背面側には凹所6aが形成してあり、ここに、第3アームの連結部分3c、これを隠すための一対のブラケットカバー6b、6cが取り付けられるようになっている。第3アームの連結部分3cは図示の用に平板状の部材で、溝状の凹所6aに沿って位置が移動できるようにしてある。
【0028】
ブラケットカバー6b、6cは、もちろん操作パネル6の背面側の凹所6aに嵌り込める寸法、形状を有しているが、第3アームの連結部分3cが外部から見えないようにするため、第3アームの連結部分33cと、第3アームの33の先端部を覆う彭出状のカバー部6b、6cをそなえている。
【0029】
なお、図示の例ではブラケットカバー6b、6cの装着位置により、操作パネル6の接地面からの高さ位置を可変できる。例えばブラケットカバー6b、6cの装着位置を図(A)と逆にするだけで、例えば約94mm下げることができる。また、第3アームの連結部分3cを90°回転させ、操作パネル6も90°回転させて取り付ける(ブラケットは180°回転させて取り付ける)と、図(B)のようになるが、この状態で取り付けるとさらに、93.5mmさげることができ、本が発明者の行った実験では接地面から操作パネル6の上端までの高さを約1350mmとすることができた。4.発明(考案)の作用効果
(1)本発明によれば、従来のアームの前後伸縮方式、操作部の上下チルト方式に加えてアーム支柱を40度反時計方向(手前側)への回転固定、 操作部位置を下げて固定する方式を採用することにより低身長ユーザーや車イスユーザーへの対応可能とすることで快適な操作性を提供する。
【0030】
なお以上の説明においては、用紙スタック装置3aについてのみ説明したが、その他の機器においても同様の構造を採用できることは明らかであるので、説明を省略する。
【符号の説明】
【0031】
1:画像形成ユニット
2:大量給紙ユニット
3a:用紙スタック装置
3b:後処理装置
3c:第3アームの連結部分
4:自動原稿給紙装置(ADF)
5:トナーボトル収納部
6:操作用パネル
6a:溝状の凹所
6b、6c:ブラケットカバー
7:アーム
8:給紙部
9:給紙トレイ
10:給紙トレイの前カバー
14:前ドア
15:取手
16:給紙段
17:取手
18a、18b:前ドア
19:取手
20:発光部
31:第1アーム
32:第2アーム
33:第3アーム
33c:第3アームの連結部分
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】
【特許文献1】特開特開2001‐277856号公報
【特許文献2】特開2004‐020180号公報
【特許文献3】特開平10‐016567号公報
【特許文献4】特開平10‐203170号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体のヒンジ支持部構造であって、
前記開閉体を回動開閉可能に支持する開閉体に取り付けるヒンジを支持する部位に、外周面が曲面状のカバーを装着してなることを特徴とする開閉体のヒンジ支持部構造。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉体のヒンジ支持部構造であって、
前記曲面状のカバーの内側に、前記ヒンジを嵌着支持するヒンジ支持部品を取り付けてなることを特徴とする開閉体のヒンジ支持部構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の開閉体のヒンジ支持部構造を用いた機器であって、
前記開閉体を取り付ける機器本体側に、前記ヒンジを装着固定する部品を取り付けるとともに、該ヒンジを装着固定するヒンジ固定部品に取り付けて前記ヒンジを覆うヒンジカバーを設け、
前記ヒンジを前記開閉体の前記ヒンジを支持する部位に、組み付けてなることを特徴とする機器。
【請求項4】
請求項3に記載の機器であって、
前記ヒンジ固定部品を固定する前記機器の本体部材に、
前記ヒンジカバーを前記開閉体側へ突出させる開口を設けてなることを特徴とする機器。
【請求項5】
請求項3また4の機器が、画像形成部と、開閉するドアを備える画像形成装置であり、請求項1または2の開閉体のヒンジ支持部構造を前記ドアの支持に用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3また4の機器が、画像形成装置の周辺機器であり、開閉するドアを備え、請求項1または2の開閉体のヒンジ支持部構造を前記ドアの支持に用いたことを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−189954(P2012−189954A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55495(P2011−55495)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】