説明

操作面付き機器の収容ケース

【課題】 保管、運搬、操作時などの多様な態様に対応可能な、非操作時での操作面の被覆機能が高い、機器の構成変更が不要な収容ケースを提供する。
【解決手段】 利用者が操作する操作面を一面に有する操作面付き機器を収容する収容ケースに関する。操作面を被覆可能な大きさの底板と、底板に垂設されて対向する、操作面の第1端部及び第2端部間の距離だけ離間している第1側板及び第2側板と、第1及び第2端部側の側面のそれぞれを、その厚み方向全体をスライド可能に受け入れる、第1及び第2側板の内面上部に設けられた第1及び第2レール部とを有する。第1及び第2レール部の長手方向の端部から、操作面が外部に露出した操作面付き機器を、底板から浮かせた状態でスライドして挿入、取出しし得ると共に、操作面が底板に面した操作面付き機器を、底板から浮かせた状態でスライドして挿入、取出しし得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は操作面付機器の収容ケースに関し、例えば、スタイラスによって描画される操作面を有する電子機器や、タッチパネルを有する電子機器や、複数のキーが配列された操作面を有する電子機器などを収容する収容ケースに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
操作面を有する多くの電子機器(例えば、ノートパソコン、携帯電話、電子手帳など)は、運搬時や保管時の非操作モードにおいては、収容ケースに収容されたり、保護カバーが被覆されたりして、その全体、若しくは、表裏面の少なくとも一面(特に、操作面)などが保護されるようになされている。一方、電子機器は、操作時(操作モード)においては、収容ケースから全て若しくは大半が取出されたり、保護カバーが開いたりして、操作面を外部に露出させて操作を可能とする。
【0003】
このような非操作モードと操作モードとの間のモード変化に対応できる収容ケースや保護カバーとしては、特許文献1や特許文献2に記載のようなものがあった。
【0004】
特許文献1には、情報携帯端末機器の保護カバーが記載されている。情報携帯端末機器には、前後若しくは左右の側面に、少なくとも左右若しくは前後どちらかの側面に連なる溝がその長手方向に形成されている。また、保護カバーの天面には、溝に対応する前後若しくは左右側縁に上端部に該溝に沿ってスライド自在な嵌合爪を有する一対の立上げ面が形成されている。立上げ面の一端となる左右若しくは前後側縁の一方に当接面が形成され、さらに一対の立上げ面のうち少なくとも一方の立上げ面の当接面と連なる部位には、移動体通信端末が挿入可能な切欠部が形成されている。非操作モードでは、保護カバーの天面が、情報携帯端末機器の上面を覆うように、嵌合爪を情報携帯端末機器の溝をスライドさせて、保護カバーの当接面を情報携帯端末機器の一側面に当接させる。一方、操作モードでは、保護カバーの天面が、情報携帯端末機器の底面を覆うように、嵌合爪を情報携帯端末機器の溝をスライドさせて、保護カバーの当接面を情報携帯端末機器の一側面に当接させる。
【0005】
特許文献2には、携帯製品本体の正面をスライド可能に覆うカバーが記載されている。携帯製品本体とカバーとの間には携帯製品用スライドユニットが介装され、携帯製品用スライドユニットによって、カバーを携帯製品本体に対して開位置又は閉位置に付勢するようになされている。非操作モードではカバーは閉位置をとり、操作モードではカバーは開位置をとり、閉位置と開位置とはスライド方向上の延長上の位置関係にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−337742号公報
【特許文献2】特許第4223418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の記載技術では、情報携帯端末機器に、保護カバーを装着、スライドするための溝を設けなければならず、情報携帯端末機器を設計する段階から、保護カバーの構成のことを考慮しなければならない。また、特許文献1の記載技術の保護カバーでは、情報携帯端末機器を、壁面に取り付けて保管したり使用したりするようなことに対応することができない。さらに、非操作モードにおいて、保護カバーの内面と操作面との距離が近く、不必要な接触によって、操作面の構成などによっては誤動作を招いたり、耐久性を低下させたりする恐れがある。
【0008】
特許文献2の記載技術でも、携帯製品本体に、カバーを装着、スライドするための溝を設けなければならず、携帯製品本体を設計する段階から、カバーの構成のことを考慮しなければならない。また、特許文献2の記載技術では、携帯製品本体を、壁面に取り付けて保管したり使用したりするようなことに対応することができず、仮に、対応させようとしても、携帯製品用スライドユニットが複雑であるため携帯製品本体に対する改良が必要になると思われる。さらに、特許文献2の記載技術では、携帯製品用スライドユニットが操作モード及び非操作モード間の変更のための構成を複雑化しており、価格を引き上げる原因となる。さらにまた、非操作モードにおいて、保護カバーの内面と操作面との距離が近く、不必要な接触によって、操作面の構成などによっては誤動作を招いたり、耐久性を低下させたりする恐れがある。
【0009】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、操作面付き機器の保管、運搬、操作時などの多様な態様に対応できる、非操作モードでの操作面の被覆機能が高い、操作面付き機器の構成の変更が不要な、構成が簡単な操作面付き機器の収容ケースを提供しようとしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、利用者が操作する操作面を、一面に有する操作面付き機器を収容する操作面付き機器の収容ケースにおいて、(1)上記操作面を覆うことが可能な大きさの底板と、(2)当該底板に垂設されて対向する、上記操作面の第1端部とそれに平行な第2端部との距離だけ離間している第1側板及び第2側板と、(3)上記操作面の上記第1端部側の側面を、その厚み方向全体をスライド可能に受け入れる、上記第1側板の内面上部に設けられた第1レール部と、(4)上記操作面の上記第2端部側の側面を、その厚み方向全体をスライド可能に受け入れる、上記第2側板の内面上部に設けられた第2レール部とを有し、(5)上記第1レール部及び上記第2レール部の長手方向の第1又は第2の端部から、上記操作面が外部に露出した操作面付き機器を、上記底板から浮かせた状態でスライドして挿入すること及び取り出すことができると共に、(6)上記第1レール部及び上記第2レール部の長手方向の上記第1又は上記第2の端部から、上記操作面が上記底板に面した操作面付き機器を、上記底板から浮かせた状態でスライドして挿入すること及び取り出すことができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作面付き機器の保管、運搬、使用時などの多様な態様に対応できる、非操作モードでの操作面の被覆機能が高い、操作面付き機器の構成の変更が不要な、構成が簡単な操作面付き機器の収容ケースを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態の収容ケースが対象とする操作面付き機器(電子メモパッド)を示す平面図である。
【図2】第1の実施形態の収容ケースが対象とする操作面付き機器を示す右側面図である。
【図3】第1の実施形態に係る操作面付き機器の収容ケース(電子メモパッドケース)の右側面図である。
【図4】第1の実施形態に係る電子メモパッドケースの上面図である。
【図5】第1の実施形態に係る電子メモパッドケースの背面図である。
【図6】第1の実施形態に係る電子メモパッドケースの底面図である。
【図7】第1の実施形態に係る電子メモパッドケースの平面図である。
【図8】図7において真中付近のリブをなくした状態を示す説明図である。
【図9】図7のIX−IX線断面図である。
【図10】図7のX−X線断面図である。
【図11】図7のXI−XI線断面図である。
【図12】図11に示す段部の代替構造を示す断面図である。
【図13】第1の実施形態に係る電子メモパッドケースの底板形状例を示す概略断面図である。
【図14】電子メモパッドを第1の実施形態に係る電子メモパッドケースに収容した状態を示す概略断面図である。
【図15】第2の実施形態に係る電子メモパッドケースの平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線断面図(電子メモパッドを装着した状態)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による操作面付き機器の収容ケースの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第1の実施形態の収容ケースが対象とする操作面付き機器は、特許出願人が「Boogie Board」の商標名(この商標は、米国のKent Displays,Inc.の商標である)で販売している電子メモパッドである。すなわち、第1の実施形態の収容ケースは電子メモパッドケースである。
【0014】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1及び図2はそれぞれ、第1の実施形態に係る操作面付き機器である電子メモパッドを示す平面図および右側面図である。以下の説明では、図1における「上」、「下」、「左」、「右」、「手前」、「奥」に従って、電子メモパッドの方向に言及することとする。
【0015】
図1において、電子メモパッド1は、角が丸みを帯びている概ね矩形状の平板状をしている。
【0016】
電子メモパッド1の表面(上面)の大半は描画領域2となっており、描画領域2は、図示しないスタイラス(尖筆)によって描画し得る描画領域本体2aと、描画領域本体2を囲んでいる描画し得ない縁領域2bとでなっている。描画領域2(すなわち、描画領域本体2a及び縁領域2b)は全域で同様な厚み(上下方向の長さ)を有し(厳密に言えば、描画領域本体2aの厚みが縁領域2bの厚みより僅かに薄い)、その厚みは、例えば、1/8インチ程度である。
【0017】
電子メモパッド1の表面における矩形状の1辺(奥側の辺)に寄って、描画領域2に連なっているが描画領域2より厚い肉厚領域3が形成されている。肉厚領域3の厚みは、例えば、描画領域2の厚みの2倍程度になっている。肉厚領域3には、描画領域本体2aに描画されている描画図形を消去させることを指示する、1cm程度の円形の消去ボタン3aが設けられている。消去ボタン3aによる消去回数は、例えば、5万回以上が商品として保証されている。肉厚領域3の左右方向の長さは描画領域2の左右方向の長さと同一であり、肉厚領域3の奥行方向の長さは消去ボタン3aの直径より僅かに大きい程度になされている。
【0018】
描画領域2と肉厚領域3との厚みの違いにより境界にできる段部4(図2参照)が描画領域2となす角度は、90度より僅かに大きい鈍角になっている。外観上、描画領域2より高い肉厚領域3の突出部分が基本的な平板状構成に上乗せされて、肉厚領域3が構成されている。そのため、電子メモパッド1の図示しない裏面は、描画領域2と肉厚領域3とが分離されていない同一面となっている。電子メモパッド1の手前側面は、基本的な平板状構成の手前側面でなっている。電子メモパッド1の図示しない左側面、奥側面はそれぞれ、基本的な平板状構成の該当する側面と、肉厚領域3の突出部分の該当する側面とでなっている。
【0019】
以上のような外観構成を有する電子メモパッド1を収容可能な、第1の実施形態の電子メモパッドケース10は、図3〜図7、図9〜図11に示すような構成を有する。図3〜図7はそれぞれ、電子メモパッドケース10の外観を示す右側面図、上面図、背面図、底面図、平面図である。但し、左側面図は、図3に示す右側面図と対象であるため、その図示は省略している。図9は、図7のIX−IX線断面図であり、図10は、図7のX−X線断面図であり、図11は、図7のXI−XI線断面図である。以下の説明では、図7における「上」、「下」、「左」、「右」、「手前」、「奥」に従って、電子メモパッドケース10の方向に言及することとする。
【0020】
電子メモパッドケース10は、底板(下板)11、右側板12、左側板13、手前側板14を備え、天板(上板)及び奥側板を備えない、薄い箱形状をしている。
【0021】
右側板12は、底板11の右端縁に上方に向けて垂設されている。右側板12は、その上端縁から左側板13に向かってほぼ垂直に折り返されている折返し部12aを有する。折返し部12aの折返し方向(左右方向)の長さは、当該電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が操作モードで収容(装着)されたときに(後述する図14(A)参照)、折返し部12aが、電子メモパッド1の表面の描画領域本体2aにかからないように、縁領域2bの右側の幅より狭く選定されている。また、折返し部12aの奥行方向の長さは、当該電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が操作モードで収容されたときに、折返し部12aの奥側の端縁が、描画領域2と肉厚領域3との境界段部4に接触しない程度に選定されている。
【0022】
同様に、左側板13は、底板11の左端縁に上方に向けて垂設されている。左側板13は、その上端縁から右側板12に向かってほぼ垂直に折り返されている折返し部13aを有する。折返し部13aの折返し方向(左右方向)の長さは、当該電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が操作モードで収容(装着)されたときに、折返し部13aが、電子メモパッド1の表面の描画領域本体2aにかからないように、縁領域2bの右側の幅より狭く選定されている。また、折返し部13aの奥行方向の長さは、当該電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が操作モードで収容されたときに、折返し部13aの奥側の端縁が、描画領域2と肉厚領域3との境界段部4に接触しない程度に選定されている。
【0023】
図11に示すように、右側板12の内面下方には、底板11の内面をベースとした奥行方向に延びている段部12bが設けられており、左側板13の内面下方には、底板11の内面をベースとした奥行方向に延びている段部13bが設けられている。各段部12b、13bはそれぞれ、奥行方向に連続したものであっても良く、また、所々に切れ目が入っているものであっても良い。各段部12b、13bの上面は概ね平面となっている。
【0024】
段部12bの左右方向の長さは、当該電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が非操作モードで収容(装着)されたときに(後述する図14(B)参照)、段部12bが、電子メモパッド1の表面の描画領域本体2aにかからないように、縁領域2bの左側の幅より狭く選定されている。段部13bの左右方向の長さは、当該電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が非操作モードで収容(装着)されたときに、段部13bが、電子メモパッド1の表面の描画領域本体2aにかからないように、縁領域2bの右側の幅より狭く選定されている。
【0025】
右側板12の内面の高さ(上下方向の長さ)は、電子メモパッド1の描画領域2の厚みの2倍若しくは2倍強に選定されており、段部12bの高さ(上下方向の長さ)は、右側板12の内面高さの1/2(言い換えると、描画領域2より肉厚領域3の上面の突出長さ)に選定されている。同様に、左側板13の内面の高さ(上下方向の長さ)は、電子メモパッド1の描画領域2の厚みの2倍若しくは2倍強に選定されており、段部13bの高さ(上下方向の長さ)は、左側板13の内面高さの1/2に選定されている。段部12b及び13bの高さが1/2より小さくても良いことは勿論である。
【0026】
右側板12の内面と左側板13の内面との距離は、電子メモパッド1の左右方向の長さに等しく若しくは僅かに大きく選定されている。
【0027】
右側板12の折返し部12aと右側板12の内面段部12bとで形成される溝12cと、左側板13の折返し部13aと左側板13の内面段部13bとで形成される溝13cとが、操作モードでも非操作モードでも、電子メモパッド1を収容させたり、収容状態から取出したりする際に、電子メモパッド1の左右方向の2つの端部を案内するものである。
【0028】
各段部12b、13bに代え、図12(A)や(B)に示すような上下方向の仕切り板若しくは突条を適用するようにしても良いが(他の実施形態となる)、射出成形で成形し難いことや破損の恐れを考慮すると、段部とすることが好ましい。
【0029】
右側板12及び左側板13の外面はそれぞれ、単なる平面であってもよいが、指などを使って把持する際の滑り止め機能を発揮するように、1mm以下の短いピッチで凹凸を繰り返すギザギザ部が設けられたものであっても良い。
【0030】
2つの折返し部12a及び13aに渡って3つのマーク17a〜17cが設けられている。これらマーク17a〜17cは、デジタルカメラを備えて撮像した画像を記憶できる携帯装置(例えば、携帯電話や携帯型情報処理端末など)が、撮像画像から記憶するための領域を認識するために用いるマークとなっており、直角を挟む2辺の比がその携帯装置で定まっている所定比である直角三角形の3頂点に位置するようなマーク17a〜17cが設けられている。なお、携帯装置の種類によってマーク図形が異なる場合に対応できるように、利用者にマークを貼り付けることができるシールで提供し、折返し部12a及び13aにはマークを貼付する位置の情報だけを設けておくようにしても良い。
【0031】
手前側板14は、底板11の手前端縁に上方に向けて垂設されている。手前側板14は、その上端縁から奥側に向かってほぼ垂直に折り返されている折返し部14aを有する。折返し部14aの折返し方向(奥行方向)の長さは、当該電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が操作モードで収容(装着)されたときに(後述する図14(A)参照)、折返し部14aが、電子メモパッド1の表面の描画領域本体2aにかからないように、縁領域2bの手前側の幅より狭く選定されている。
【0032】
なお、折返し部14aは、右側板12の折返し部12aや左側板13の折返し部13aとは異なり、電子メモパッド1を収容させたり収容状態から取出したりする際の電子メモパッド1の移動時におけるガイド機能はないので、省略するようにしても良い。同様な理由により、手前側板14の内面には段部は設けられていない。
【0033】
底板11と手前側板14の内面との間には1又は複数(図6では2個の例を示している)の挟持用段部90が設けられている。挟持用段部90は、図9に示すように、底板11から上方に向けて傾斜して隆起している傾斜部90aと、当該傾斜部90aの上方の端部から手前側板14の内面に向けて底板11と略平行に延びる頭頂部90bとからなっている。電子メモパッド1が操作モード及び非操作モードで収納されたとき、すなわち、電子メモパッド1の肉厚領域3と反対側の一端が手前側板14の内面に当接したとき、電子メモパッド1の下面と頭頂部90bとが当接し、これにより底板11が僅かに撓み、その撓みからの復元力により電子メモパッド1が上方にむけて僅かに押し上げられることにより、電子メモパッド1の上面が折返し部12a及び13aのそれぞれの(手前側板14に近接する箇所の)内面に対して当接される応力が発生して電子メモパッド1を固定又は半固定させる。
【0034】
手前側板14の外面側には、スタイラス収容部15が設けられている。スタイラス収容部15はどのような構造のものであっても良い。図5及び図6に示した一例のスタイラス収容部15は、手前と上方が開放された箱型の収容空間を有している。この収容空間の奥側の面にスタイラス20(図5では破線で示している)を当接させると共に、切り込み15cを挟んだ天板15aの左右部分と、下面に設けられた幅広の舌片部15bとでスタイラス20を挟み込むことにより、スタイラス収容部15はスタイラス20を保持(収容)する。切り込み15cから、スタイラス20に指を掛け、手前に引っ張ることにより、保持されていたスタイラス20を取り外すことができる。例えば、切り込み15cを挟んだ天板15aの左右部分や舌片部15bは、少なくともその内面が、スタイラスが有する円筒形状になじむような曲面を有していても良い。
【0035】
第1の実施形態では、手前側板14の外面側にスタイラス収容部15を設けているが、右側板12の外面側にスタイラス収容部15を設けるようにしても良く、また、左側板13の外面側にスタイラス収容部15を設けるようにしても良い。
【0036】
底板11の内面は、電子メモパッド1の描画領域2と概ね同様な面積を有している。底板11の内面には、大面積の底板11の外力による破損を防止するための補強用のリブ11aが設けられている。図7では、左右方向及び奥行方向に格子の方向が沿っているリブ11aを示している。但し、リブ11aの延長方向はこれに限定されない。例えば、左右方向及び奥行方向に対して45度の角度を持って延びているリブ11aであっても良い。また、リブ11aは格子状に限定されず、例えば、一方向にのみ複数本が平行に延びている11aであっても良い。リブ11aの高さ(上下方向の長さ)は、上述した各段部12b、13bの高さより低く選定されており、当該電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が操作モードで収容(装着)されたときも非操作モードで収容(装着)されたときも、電子メモパッド1の底板11側に面した面(表面又は裏面)がリブ11aに接することがないことを補償し得るようになされている。なお、底板11の中央部におけるリブ11aの高さを周辺部におけるリブ11aの高さより低くするようにしても良く、また、図8に示すように、底板11の中央部にはリブ11aを設けないようにしても良い。このような構成とすることにより、底板11が補強リブにより増した強度を超える外力を受けた場合でも、これにより発生する撓みによる変異量が最も大きい中央部において、リブ11aが電子メモパッド1の底板11側に面した面(表面又は裏面)に接することを防ぐことができる。
【0037】
図7や図9では、リブ11aの延長上に挟持用段部90が設けられている場合を示したが、挟持用段部90がリブ11aの延長上になくても良いことは勿論である。
【0038】
底板11の奥側の端縁に近い位置の左右にはそれぞれ、小さな貫通孔11b、11cが設けられている。これら貫通孔11b及び11cは、当該電子メモパッドケース10を壁面などに取り付けて使用する形態では、図示しない螺子や釘などを通すものである。また、これら貫通孔11b及び11cに図示しない紐を余裕をもって縛り付け、その紐を壁面などに設けられているフックに掛けるような使用形態も可能である。すなわち、これら貫通孔11b及び11cにより、第1の実施形態の電子メモパッドケース10を、電子メモパッド1の可搬用ケースとして使用できるだけでなく、電子メモパッド1を固定又は半固定させるためのケースとしても使用することができる。
【0039】
底板11は、非操作モードで収容された電子メモパッド1を係止する係止部16を有する。係止部16は、底板11の本体からそのまま奥方向に延びた幅狭の舌片部16aと、舌片部16aの奥側の端縁から上方に僅かに延びている係止爪部16bとからなっている。電子メモパッド1が非操作モードで収容された場合(電子メモパッド1の表面(上面)が底板11の内面に対向するように収容された場合)に、舌片部16aが、電子メモパッド1の消去ボタン3aを覆い隠すように、舌片部16aの位置および幅が選定されている。係止爪部16bの内面と手前側板14の内面との距離は、電子メモパッド1の奥行方向の長さとほぼ同様に選定されており、電子メモパッド1が非操作モードで収容された場合、係止爪部16bの内面と手前側板14の内面とで、電子メモパッド1の奥行方向の移動を阻止するようになされている。一方、電子メモパッド1を操作モードで収容したときは、係止爪部16bは、電子メモパッド1に接することはなく、電子メモパッド1の奥行方向の移動を阻止しないため、上述の挟持用段部90のみが電子メモパッド1の奥行方向の移動を阻止する。係止爪部16bの高さ(上下方向の長さ)は、例えば、電子メモパッド1の肉厚領域3の厚さ以下に選定されている。
【0040】
底板11は平板であっても良いが、中央部が周辺部より外面方向に僅かに膨出した形状を有していても良い。膨出形状は、例えば、径が大きな球体からその一部を切り出したような曲面形状であっても良く、また、径が大きな円筒体からその一部を切り出したような曲面形状であっても良く、さらに、複数の平面をつなぎ合わせた多面形状であっても良い。図13は、このような膨出した形状の底板の一例を示す概略断面図である。図13においては、右側板12及び左側板13における段部12b、13bやリブ11aの図示を省略している。底板11を膨出形状にすることにより、底板11の外面から内面方向へ向かった破壊を引き起こさない程度の外力が底板11に加わって変形したとしても、底板11の内面の位置を、右側板12や左側板13の立ち上がり位置程度に抑えることができる。すなわち、底板11を膨出させることは、電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が非操作モードで収容されたときにおいて(後述する図14(B)参照)、底板11に外力が加わっても、電子メモパッド1の表面の描画領域本体2aと底板11の内面(のリブ11a)とが接触することがないようにしている。
【0041】
第1の実施形態の電子メモパッドケース10は、例えば、硬質合成樹脂で形成されているものである。電子メモパッドケース10は、全体が一体成形されたものであっても良く、また、複数の部分毎に成形され、各成形部分を溶着、融着などで接着したものであっても良い。
【0042】
図14は、電子メモパッド1を第1の実施形態の電子メモパッドケース10に収容した状態を示す、右側板12に沿った方向の概略断面図である。図14(A)は、電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が操作モードで収容された場合の断面図であり、図14(B)は、電子メモパッドケース10に電子メモパッド1が非操作モードで収容された場合の断面図である。図14においては、底板11の内面リブ11aやスタイラス収容部15の図示を省略している。
【0043】
(A−2)第1の実施形態におけるモード間の変更
利用者は、電子メモパッド1を利用する際には、電子メモパッド1を電子メモパッドケース10に操作モードで収容すれば良い。
【0044】
利用前の状態が非操作モードの収容状態であれば、電子メモパッド1が係止部16に係止されている状態を指などによって解き、電子メモパッド1の露出している裏面に指や掌などを接して取り出し方向(例えば、図7の状態から取り出す場合であれば奥行方向)に電子メモパッド1をスライドさせることで、電子メモパッド1を電子メモパッドケース10から取り出す。次に、利用者は電子メモパッド1の表裏を裏返して、表面の描画領域2が見え、裏面が見えないようにする。そのような表裏面の状態の電子メモパッド1の肉厚領域3を指でつまみ、電子メモパッド1の肉厚領域3の反対側から、電子メモパッドケース10に挿入し、スライドさせてそのスライドの先端側端部が電子メモパッドケース10の手前側板14の内面に当接するまで押し込む。これにより、操作モードでの収容状態となる。操作モードでの収容状態においては、上述した挟持用段部90の機能により収容状態が安定するようになる。この収容状態に移行したとき、描画領域2aに不要な書き込みが残っていれば消去ボタン3aを押下し、描画領域本体2aをクリアすれば良い。
【0045】
操作モードにおいては、消去ボタン3aを含む肉厚領域3の裏面側は、段部12b及び13bが描画領域2aの裏面側のみを支持するために、何も支持する部材がなく舌片部16aから浮いた状態になる。このような状態で消去ボタン3aを押下すると、電子メモパッド1が有する可撓性のために、肉厚領域3が押下方向に変形する。
【0046】
利用者は、電子メモパッド1の利用が終了したり、運搬したりする際には、電子メモパッド1を電子メモパッドケース10に非操作モードで収容すれば良い。
【0047】
今までの状態が操作モードの収容状態であれば、利用者は、電子メモパッド1の露出している肉厚領域3(但し、消去ボタン3aの部分を除く)に指を接したりはさんだりなどして取り出し方向(例えば、図7の状態から取り出す場合であれば奥行方向)に電子メモパッド1をスライドさせることで、電子メモパッド1を電子メモパッドケース10から取り出す。次に、利用者は電子メモパッド1の表裏を裏返して、裏面が見え、表面の描画領域2が見えないようにする。そのような表裏面の状態の電子メモパッド1の肉厚領域3を指でつまみ、電子メモパッド1の肉厚領域3の反対側から、電子メモパッドケース10に挿入し、スライドさせてそのスライドの先端側端部が電子メモパッドケース10の手前側板14の内面に当接するまで押し込む。このような押し込み時において、肉厚領域3が係止部16の係止爪部16bの位置に到達した以降は、係止爪部16bが下方に押され、スライドの先端側端部が電子メモパッドケース10の手前側板14の内面に当接する位置に到達すると肉厚領域3が係止部16の係止爪部16bの位置を乗り越えて、爪部16bは下方に押された状態から開放され(上方に移動し)、電子メモパッド1を係止する。これにより、非操作モードでの収容状態となる。この非操作モードでの収容状態においては、係止部16の機能だけでなく、上述した挟持用段部90の機能によっても収容状態が安定するようになる。
【0048】
非操作モードにおいては、係止部16の舌片部16aが、電子メモパッド1の消去ボタン3aを覆い隠すので、不必要な消去動作を防止することができる。また、電子メモパッド1の描画領域本体2aが電子メモパッドケース10に完全に収容され、しかも、底板11の内面と距離を置いて収容されるので、不必要な描画を防止することができる。
【0049】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態の電子メモパッドケースによれば、以下の効果を奏することができる。
【0050】
第1の実施形態の電子メモパッドケースによれば、利用者は、電子メモパッドの2種類の収容状態からその時々の収容状態を選択できる。すなわち、操作モードに適した収容状態と、非操作モードに適した収容状態とを使い分けることができ、電子メモパッドの保管、運搬、操作時などの多様な態様に対応することができる。操作モードに適した収容状態を用意したので、操作しようとする際には、この収容状態を採用するため、操作中にケースを紛失するようなことを防止することができる。すなわち、電子メモパッドケースを天板を備えるように構成した場合、電子メモパッドをケースと完全に分離させた状態で使用することになり、ケースを紛失する恐れが大きくなるが、第1の実施形態によれば、このような恐れを生じさせることがない。
【0051】
また、非操作モードに適した収容状態においては、電子メモパッドの描画領域本体が電子メモパッドケースに完全に収容され、被覆機能が非常に高くなっている。
【0052】
この際、電子メモパッドの描画領域本体は、電子メモパッドケースの左右側板に設けられた段部のためにケースの底板内面と距離を置いて収容されるので、不必要な接触に伴う描画を防止できる。電子メモパッドが両側を渡る架設状態となっていて多少撓んだとしても、電子メモパッドケースの底板を外部へ膨出する曲面形状としておくことにより、不必要な接触に伴う描画を確実に防止することができる。また、底板に補強用リブを設けているので、多少の外力では底板の法線方向の偏移を防止でき、不必要な接触に伴う描画を確実に防止することができる。以上のような効果は、電子メモパッドを電子メモパッドケースに収容して運搬するような場合に、特に発揮される。言い換えると、電子メモパッドケースに求められる持ち運びの利便性を維持したまま、不利益の発生を確実に防止できる。
【0053】
さらに、非操作モードに適した収容状態においては、消去ボタンを覆い隠すので、不必要な消去動作を防止することができる。
【0054】
仮に、電子メモパッドが電源スイッチやホールドスイッチを備えているならば、非操作モードにおいて、電源をオフにしたり、ホールドスイッチをホールドにしたりすることで、不必要な描画や不必要な消去動作を防止することができる。しかし、この場合、電子メモパッドを設計し直すことを要する。第1の実施形態では、電子メモパッドが電源スイッチやホールドスイッチを備えていなくても、不必要な描画や不必要な消去動作を防止することができる。
【0055】
第1の実施形態の電子メモパッドケースによれば、上述した効果を発揮する2種類の収容状態を実現させるのにつき、電子メモパッドの構成をなんら変更させることは不要である。例えば、電子メモパッドケースの左右側板のスライド用溝が電子メモパッドの厚みと同様な幅を有するので、このような効果を発揮させることができる。
【0056】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による操作面付き機器の収容ケースの第2の実施形態を、図面を参照しながら説明する。第2の実施形態の収容ケースも電子メモパッドケースである。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0057】
図15は、第2の実施形態の電子メモパッドケースを示す平面図であり、第1の実施形態に係る図7に対応する図面であり、同一、対応部分には同一、対応符号を付して示している。図16は、図15のXVI−XVI線断面図であり、電子メモパッド1を操作モードで装着した状態をも示している。なお、図16はリブ11aの図示を省略している。
【0058】
図15において、第2の実施形態の電子メモパッドケース10Aは、操作モードで電子メモパッド1を挿入させる挿入口と、非操作モードで電子メモパッド1を挿入させる挿入口とが異なるものである。
【0059】
第2の実施形態の電子メモパッドケース10Aは、手前側板が設けられておらず、その部分が非操作モードで電子メモパッド1を挿入させる挿入口になっている。一方、操作モードで電子メモパッド1を挿入させる挿入口は、第1の実施形態と同様に、奥側に設けられている。なお、手前側板が設けられていないため、右側板12又は左側板13の外面側にスタイラス収容部15が設けられている(図15は、右側板12の外面側に設けた例を示している)。
【0060】
第2の実施形態の場合、右側板12の折返し部12aの最も奥側の部分と、左側板13の折返し部13aの最も奥側の部分とを連絡する橋絡部30が設けられている。橋絡部30の幅は、電子メモパッド1の描画領域本体2を囲んでいる描画し得ない縁領域2bにおける奥側部分の幅より狭くなされている。橋絡部30は、中心部が上方に多少膨らんでいることが好ましい。橋絡部30は、操作モードの収容状態において電子メモパッド1における描画領域2と肉厚領域3との境界段部4を支持するものである。
【0061】
底板11は、操作モードで収容された電子メモパッド1の一部を底板側から支持をする台座部31を有する。台座部31は、底板11の本体からそのまま奥方向に延びた幅狭の舌片部31aと、舌片部31aの上に設けられている台31bとからなっている。台座部31の位置は、電子メモパッド1が操作モードで収容された場合に、台座部31が電子メモパッド1の消去ボタン3aの下側を少なくとも含む箇所に配置されている。
【0062】
すなわち、操作モードで収容された電子メモパッド1の消去ボタン3aが押下された際に、台座部31が、肉厚領域3を下側から抑え、従って肉厚領域3が押下方向に変形することを受け止めるようになされている。これにより、描画領域2と肉厚領域3との境界での曲げ応力が発生することを防止できる。
【0063】
この第2の実施形態においても、底板11は、非操作モードで収容された電子メモパッド1を係止する係止部32を有する。係止部32は、底板11の本体からそのまま手前方向に延びた延長部32aと、延長部32aの手前側の端縁から上方に僅かに延びている係止爪部32bとからなっている。延長部32aの左右には、右側板12も左側板13も存在していない。延長部32aの幅は、手前側板が存在しないことで形成された開口に、電子メモパッド1を非操作モードで挿入し、係止爪部32bが電子メモパッド1を係止したときに(ここでは、電子メモパッドケース10Aが鉛直方向に取り付けられた場合を考慮している)、電子メモパッド1の重力方向の力を係止爪部32bが許容できる程度に選定すれば良い。但し、延長部32aが、電子メモパッド1の消去ボタン3aを覆い隠すようになっていることを要する。
【0064】
第2の実施形態の電子メモパッドケース10Aが、操作モードで電子メモパッド1を挿入させる挿入口と、非操作モードで電子メモパッド1を挿入させる挿入口とを変えているのは、台座部31が存在するため、台座部31が存在する側の開口から、電子メモパッド1を非操作モードで挿入させることが困難なためである。
【0065】
第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。さらに、第2の実施形態によれば、操作モードで消去ボタン3aが押下された際の破損の恐れをほぼ0にすることができる。
【0066】
なお、舌片部31aを舌片状としたが、この形態に限られず、奥側の辺のほぼ半分の長さや全長に渡って延びていても良く、これと同様に台31bも奥側の辺のほぼ半分の長さや全長に渡って延びていても良い。
【0067】
(C)他の実施形態
上記各実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
【0068】
上記各実施形態においては、壁面などに取り付けて使用する形態のために、電子メモパッドケース10の長手方向が鉛直方向に沿うようにする構成要素(貫通孔11b及び11c)を設けていたが、壁面などに取り付けて使用する形態のために、電子メモパッドケース10の短手方向が鉛直方向に沿うようにする構成要素を設けるようにしても良い。
【0069】
また、上記各実施形態においては、長手方向に沿う一対の側板に、電子メモパッド1をスライドさせるための溝を設けたものを示したが、短手方向に沿う一対の側板に、電子メモパッド1をスライドさせるための溝を設けるようにしても良い。
【0070】
例えば、壁面に対して横長設置で長手方向に沿う一対の側板に溝を設ける構成の場合、電子メモパッド1の重力による変位を確実に防止することができるものとなっている。
【0071】
上記各実施形態においては、非操作モードで収容された電子メモパッドを係止する係止部を有するものを示したが、非操作モードで収容された電子メモパッドの変位を防止する構成はこれに限定されないことは勿論である。また、上記各実施形態においては、操作モードで収容された電子メモパッドの変位を防止するために、挟持用段部90を設けたものを示したが、このような積極的な変位防止構成を備えず、スライド用溝と電子メモパッド面との接触による摩擦力によって変位を防止するようにしても良い。また、操作モードで収容された電子メモパッドの変位を防止する、挟持用段部90とは異なる積極的な構成を設けるようにしても良い。
【0072】
例えば、右側板12の内面段部12bの一部にスライドを妨害しない程度の1又は複数の突起を設けると共に、左側板13の内面段部13bの一部にスライドを妨害しない程度の1又は複数の突起を設け、各折返し部12a、13aの内面と突起とで電子メモパッド1を挟み込んでその変位を防止するようにしても良い。また例えば、底板11のいずれか1以上の側板(右側板、左側板)に近い位置に、スライドを妨害しない程度の1又は複数の突起を設け、側板からの折返し部の内面と突起とで電子メモパッド1を挟み込んでその変位を防止するようにしても良い。これら2例の構成はそれぞれ、非操作モードで収容された電子メモパッドの変位を防止する構成になっていると共に、操作モードで収容された電子メモパッドの変位を防止する構成になっている。
【0073】
上記各実施形態においては、本発明の収容ケースが収容する操作面付き機器が電子メモパッドであるものを示したが、平板状若しくは直方体状の一面の操作面を有する機器であれば、本発明を適用することができる。ここで、操作面は、複数のキーを備えるものであっても良い。
【符号の説明】
【0074】
1…電子メモパッド、2…描画領域(操作面)、3…肉厚領域、3a…消去ボタン、
10、10A…電子メモパッドケース、11…底板(下板)、11a…補強用リブ、12…右側板、12a…折返し部、12b…段部、12c…スライド用溝、13…左側板、13a…折返し部、13b…段部、13c…スライド用溝、14…手前側板、16…係止部、16a…舌片部、16b…係止爪部、17a〜17c…マーク、90…挟持用段部、90a…傾斜部、90b…頭頂部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が操作する操作面を一面に有する操作面付き機器を収容する操作面付き機器の収容ケースにおいて、
上記操作面を覆うことが可能な大きさの底板と、
当該底板に垂設されて対向する、上記操作面の第1端部とそれに平行な第2端部との距離だけ離間している第1側板及び第2側板と、
上記操作面の上記第1端部側の側面を、その厚み方向全体をスライド可能に受け入れる、上記第1側板の内面上部に設けられた第1レール部と、
上記操作面の上記第2端部側の側面を、その厚み方向全体をスライド可能に受け入れる、上記第2側板の内面上部に設けられた第2レール部とを有し、
上記第1レール部及び上記第2レール部の長手方向の第1又は第2の端部から、上記操作面が外部に露出した操作面付き機器を、上記底板から浮かせた状態でスライドして挿入する又は取り出すことができると共に、
上記第1レール部及び上記第2レール部の長手方向の上記第1又は上記第2の端部から、上記操作面が上記底板に面した操作面付き機器を、上記底板から浮かせた状態でスライドして挿入する又は取り出すことができる
ことを特徴とする操作面付き機器の収容ケース。
【請求項2】
上記第1レール部は、上記第1側板の上端からの上記第2側板側に向かった折返し部と、上記第1側板の内面下側に設けられた段部とで構成され、
上記第2レール部は、上記第2側板の上端からの上記第1側板側に向かった折返し部と、上記第2側板の内面下側に設けられた段部とで構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の操作面付き機器の収容ケース。
【請求項3】
上記第1レール部及び上記第2レール部の長手方向の上記第1の端部から、上記操作面が外部に露出した操作面付き機器を、上記底板から浮かせた状態でスライドして挿入、排出し得ると共に、
上記第1レール部及び上記第2レール部の長手方向の上記第1の端部から、上記操作面が上記底板に面した操作面付き機器を、上記底板から浮かせた状態でスライドして挿入、排出し得、
上記第1レール部及び上記第2レール部の長手方向の上記第2の端部に近い、上記底板の部分には第3側板が垂設され、当該第3側板が上記操作面付き機器へ挿入方向のそれ以上のスライド移動を阻止する
ことを特徴とする請求項1に記載の操作面付き機器の収容ケース。
【請求項4】
少なくとも上記操作面が上記底板に面した上記操作面付き機器を収容させた状態で、上記操作面付き機器を、利用者が変位させることを許容し、かつ、上記操作面付き機器の自重により変位することを阻止する変位規制構造を有することを特徴とする請求項1に記載の操作面付き機器の収容ケース。
【請求項5】
上記変位規制構造が、上記操作面付き機器の反収容側の端部を係止する係止爪構造であることを特徴とする請求項4に記載の操作面付き機器の収容ケース。
【請求項6】
上記変位規制構造が、上記操作面付き機器が移動するいずれかの箇所の空隙を狭めることで変位を阻止するものであることを特徴とする請求項4に記載の操作面付き機器の収容ケース。
【請求項7】
上記操作面付き機器は、上記操作面より、基準面に対する高さが高い肉厚領域を有し、
上記第1レール部及び上記第2レール部は、上記操作面より上記肉厚領域が高い分以上に、上記操作面付き機器を上記底板内面より浮かすものである
ことを特徴とする請求項1に記載の操作面付き機器の収容ケース。
【請求項8】
上記底板は、内面に補強リブを有することを特徴とする請求項1に記載の操作面付き機器の収容ケース。
【請求項9】
上記補強リブは底板から上方に向けて垂設され、上記底板の中央部付近における当該補強リブの高さが他の箇所よりも低いことを特徴とする請求項8に記載の操作面付き機器の収容ケース。
【請求項10】
上記底板は、その中央部が外方に膨出していることを特徴とする請求項1に記載の操作面付き機器の収容ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−182305(P2012−182305A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44051(P2011−44051)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000129437)株式会社キングジム (241)
【Fターム(参考)】