攪拌装置
【課題】排出作業が極めて容易で、且つ楽な姿勢で作業が行え、作業能率の向上、労力の低減に寄与できる攪拌装置を提供する。
【解決手段】攪拌槽23を有するドラムユニット5は、支持体3に設けられた移動機構により上下方向に移動可能に設けられている。下方の所定位置(投入位置)で攪拌対象材料を攪拌槽23に投入した後、ドラムユニット5を所定距離上昇させて攪拌槽23をその開口部21が水平より上方を向くように傾斜させた状態で攪拌動作を行う。攪拌後はドラムユニット5をさらに上昇させる。ドラムユニット5は上方の所定位置(排出位置)で、一点鎖線で示すように上記移動機構により自動的に下方に向くように設定される。
【解決手段】攪拌槽23を有するドラムユニット5は、支持体3に設けられた移動機構により上下方向に移動可能に設けられている。下方の所定位置(投入位置)で攪拌対象材料を攪拌槽23に投入した後、ドラムユニット5を所定距離上昇させて攪拌槽23をその開口部21が水平より上方を向くように傾斜させた状態で攪拌動作を行う。攪拌後はドラムユニット5をさらに上昇させる。ドラムユニット5は上方の所定位置(排出位置)で、一点鎖線で示すように上記移動機構により自動的に下方に向くように設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油脂を含んだ粉末食品と油脂を含まない粉末食品とを混合する場合、あるいは油脂を含んだ粉末食品同士を混合する場合等に用いられる攪拌装置に係り、詳しくは攪拌対象材料が投入される攪拌槽を回転させて攪拌を行う方式の攪拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の攪拌装置としては、攪拌槽を固定し、攪拌槽内でミキサを回転させて攪拌する方式と、攪拌槽自体を回転させて攪拌を行ういわゆるロータリー方式等が知られている。
ロータリー方式の攪拌装置は、例えば特許文献1に記載されているように、ドラム状の攪拌槽(調理釜)と、この攪拌槽をそのドラム軸心周りに回転可能に支持するドラムユニットと、このドラムユニットに一体に設けられ、前記攪拌槽を回転駆動する駆動源(モータ)と、前記ドラムユニットを上下方向に回動可能に支持する支持体とを有する構成となっている。
ドラムユニットの上下方向の回動は、ウォーム・ギヤ機構を介してハンドル操作で行うようになっている。
攪拌槽に攪拌対象材料を投入する場合には、攪拌槽の開口部が水平よりも上方に向くようにドラムユニットが回動され、攪拌・混合終了後に排出する場合には、攪拌槽の開口部が水平よりも下方に向くようにドラムユニットが回動されようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−99198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
攪拌槽に重量物としての攪拌対象材料を投入する際には労力を要するので、開口部の位置はできるだけ低い方がよく、この観点からドラムユニットの回動軸の位置(攪拌槽の回転中心位置)は床面からあまり高くない位置に設定されている。
攪拌・混合済みの材料を取り出す際には、攪拌槽内の材料の排出性を高めるために上記のように攪拌槽を下向きに傾けるようにしているが、上記のような投入位置を基準とした高さ条件下では、攪拌槽の回転中心位置から床面までの隙間が少なく、攪拌槽の下向き角度を大きくとることはできない。
このため、攪拌槽を排出角度に設定しても自重で傾斜排出されずに攪拌槽内に材料が残り、強制的に掻き出さなければならない量が多く、面倒であった。
また、排出位置が低すぎるため、作業者が無理な作業姿勢を強いられるという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、投入作業が容易であるとともに、排出作業が極めて容易で且つ楽な姿勢で作業が行え、作業能率の向上、労力の低減に寄与できる攪拌装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための、請求項1記載の発明は、ドラム状の攪拌槽と、該攪拌槽をそのドラム軸心周りに回転可能に支持するドラムユニットと、該ドラムユニットに一体に設けられ、前記攪拌槽を回転駆動する駆動源と、前記ドラムユニットを上下方向に回動可能に支持する支持体とを有する攪拌装置において、前記ドラムユニットを上下方向の任意の高さ位置に移動させる移動機構を有していることを特徴とする攪拌装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の攪拌装置において、前記移動機構は、前記ドラムユニットが所定の上方位置に達したときに該ドラムユニットを所定量回動させる構成を有し、前記ドラムユニットの回動により、前記攪拌槽はその開口部が水平よりも下方に向く排出角度に設定されることを特徴とする攪拌装置である。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の攪拌装置において、前記移動機構は、前記ドラムユニットの回動により、前記攪拌槽はその開口部が投入角度よりも上方に向く攪拌角度に設定されることを特徴とする攪拌装置である。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の攪拌装置において、前記移動機構は、前記支持体に設けられ、上下方向に延びる左右一対のガイドレールと、前記ドラムユニットに結合され、前記一対のガイドレールのそれぞれに係合するスライダと、これらのスライダを昇降させる昇降手段とを有し、前記ガイドレールは直線状に延びる主ガイドレールと、該主ガイドレールに沿って延び、上方における途中位置で該主ガイドレールから離れるように曲がるカーブライン部を備えた副ガイドレールとを有し、前記スライダは、前記主ガイドレールと前記副ガイドレールとにそれぞれ係合する係合凸部を有し、前記スライダの一方の係合凸部が前記カーブライン部に案内されて前記スライダが所定量回転することにより前記ドラムユニットが所定量回動することを特徴とする攪拌装置である。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の攪拌装置において、前記ドラムユニットと前記スライダとの係合は、いずれか一方に形成された複数の係合突起を他方に形成された係合凹部に嵌合してなり、前記係合凹部は前記スライダの回転方向に延びる長穴状に形成され、前記支持体の下部にストッパが設けられ、前記ドラムユニットが下方に移動してその一部が前記ストッパに当接することにより、前記ドラムユニットが前記係合凹部の寸法内で回動して前記攪拌槽はその開口部が水平よりも下方に向く投入角度に設定されることを特徴とする攪拌装置である。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の攪拌装置において、前記カーブライン部から下方の移動範囲であって、前記ストッパに当接しない範囲では、前記ドラムユニットは前記攪拌槽の開口部が水平よりも上方を向くように、前記スライダの姿勢が設定されていることを特徴とする攪拌装置である。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項4〜6のいずれかに記載の攪拌装置において、 前記昇降手段は、上下方向に循環移動する無端状の走行体と、該走行体を駆動する駆動源と、前記走行体に一体に設けられ、前記スライダの他方の係合凸部を保持する保持部材とを有していることを特徴とする攪拌装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、攪拌槽の投入位置を低く設定できるとともに、排出位置を、ドラムユニットを上方に移動させて投入位置よりも高い位置に設定することができるので、投入作業が容易であるとともに、排出作業が極めて容易で且つ楽な姿勢で作業が行え、作業能率の向上、労力の低減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る攪拌装置の概要斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る攪拌装置の概要正面図である。
【図3】ドラムユニットと移動機構との結合構成を示す分解斜視図である。
【図4】図2における右側の移動機構をその内側から見た図である。
【図5】ドラムユニットが投入位置に設定されている状態を示す概要側面図である。
【図6】ドラムユニットが投入位置に設定されている状態において、ドラムユニットと移動機構との関係のみを示す概略図である。
【図7】ドラムユニットが攪拌位置に設定されている状態を示す概要側面図である。
【図8】ドラムユニットが攪拌位置に設定されている状態において、ドラムユニットと移動機構との関係のみを示す概略図である。
【図9】スライダが回転を開始してドラムユニットが略水平になった状態を示す概要側面図である。
【図10】スライダが回転を開始してドラムユニットが略水平になった状態において、ドラムユニットと移動機構との関係のみを示す概略図である。
【図11】排出位置の手前でドラムユニットが下向きになった状態を示す概要側面図である。
【図12】排出位置の手前でドラムユニットが下向きになった状態において、ドラムユニットと移動機構との関係のみを示す概略図である。
【図13】ドラムユニットが排出位置に設定されている状態を示す概要側面図である。
【図14】ドラムユニットが排出位置に設定されている状態において、ドラムユニットと移動機構との関係のみを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態に係る攪拌槽及び攪拌装置を図面にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、攪拌装置1は、門形状の外郭を有する支持体3と、この支持体3の内方に上下方向に回動可能に支持されたドラムユニット5と、このドラムユニット5を上下方向の任意の高さ位置に移動させる移動機構7とを有している。
支持体3は、ドラムユニット5の左右両側に位置して床面に設置される基台9、11と、基台9、11から上方に延びる側面部材13、15と、上部フレーム17と、基台9、11を連結固定する下部フレーム19等を有している。
【0016】
ドラムユニット5は、投入口及び排出口としての開口部21を有するドラム状の攪拌槽23と、開口部21側寄りで攪拌槽23を図示しないベアリング構造で回転可能に保持したフランジ25と、攪拌槽23を回転駆動する駆動源としての図示しないモータを収容したモータ支持部27(図6参照)と、モータ支持部27とフランジ25とを連結固定し、移動機構7に上下方向に回動自在に支持されたサイドフレーム(後述)等を有している。攪拌槽23の内部には径方向に対向する位置に一対の羽根部材24が設けられている。
攪拌槽23はドラムユニット5内で上記モータにより回転駆動される。
図2において符号28は操作盤を示している。
【0017】
各移動機構7は左右同様の構成を有しているので、図2の右側の移動機構7について図3及び図4を参照して説明する。
移動機構7は、側面部材15に沿って上下方向に延びる逆L字形の前方ガイドベース29と、この前方ガイドベース29の後側に位置し、同じく側面部材15に沿って上下方向に延びる後方ガイドベース31と、円盤状のスライダ33と、このスライダ33を昇降させる昇降手段35とを有している。後方ガイドベース31は図1では側面部材15の内側に位置して外部からは隠れている。
後方ガイドベース31の内面側には上下方向に直線状に延びる主ガイドレール37が溝として形成され、前方ガイドベース29の内面側には、下端が主ガイドレール37の下端よりも高い位置に形成されて主ガイドレール37に沿って延び、上方における途中位置で主ガイドレール37から装置前方側(攪拌槽23の開口部21側)へ離れるように曲がるカーブライン部39aを有する副ガイドレール39が溝として形成されている。
【0018】
スライダ33には、径方向の対向する位置に主ガイドレール37に係合する第1の係合凸部41と、副ガイドレール39に係合する第2の係合凸部43が設けられている。第1の係合凸部41はスライダ33に固定されている。第2の係合凸部43は、副ガイドレール39に接触するため、回転することによりその接触抵抗を低減できるようにコロ状に形成されてスライダ33に回転自在に支持されている。
また、スライダ33には、その中心部に中心孔45が形成されているとともに、周方向に略間隔で4つの係合凹部47が形成されている。各係合凹部47は回転方向(周方向)に延びる長穴状に形成されている。
フランジ25の左右側面には、該フランジ25と上記モータ支持部27とを連結固定するサイドフレーム49が設けられており、サイドフレーム49にはスライダ33の各係合凹部47に嵌合する係合突起としての軸ピン51と、中心孔45に嵌合する中心ピン53が設けられている。
中心ピン53が中心孔45に嵌合することにより、移動機構7に対するドラムユニット5の回動軸心位置が位置決めされ、各軸ピン51が各係合凹部47に嵌合することにより、移動機構7に対するドラムユニット5の支持強度が確保されている。
【0019】
昇降手段35は、後方ガイドベース31の内方における上下に回転自在に支持されたスプロケット55、57と、これらのスプロケット55、57間に掛け回されて上下方向に循環移動する走行体としての無端状のチェーン59と、このチェーン59に固定され、主ガイドレール37に嵌合された第1の係合凸部41を保持する軸受としての保持部材61と、下部のスプロケット57を回転駆動する駆動源としての図示しないモータを有している。
また、側面部材13、15の内側面には後に詳述するストッパ63、64が互いに対向して設けられている。
昇降手段35のスプロケット55、57とチェーン59は、プーリとタイミングベルトで代用してもよい。
なお、この装置では、図示しないリモコンスイッチの上昇ボタンまたは下降ボタンを押して、昇降手段35を駆動するようになっている。
【0020】
上記構成に係る攪拌装置1の動作を説明する。なお、攪拌槽23はドラムユニット5に一体に設けられているので、以下の説明において、ドラムユニット5の回動位置と攪拌槽23の位置(姿勢)は同義である。
図5及び図6は、ドラムユニット5が下方の所定位置(投入位置)に位置し、攪拌槽23がその開口部21が水平よりも下向きとなる投入角度に設定された状態を示している。
モータ支持部27の下面には、下降したドラムユニット5を下方に傾斜させるためのストッパ63、64の上面にドラムユニット5の一部であるモータ支持部27が直に接触することによる摩擦抵抗を減じるための車輪65が設けられている。
この状態で重量物としての攪拌対象材料が開口部21から攪拌槽23内に投入される。開口部21が斜め下方を向いているので、投入作業は極めて容易且つ楽なものとなる。
この投入位置では、軸ピン51はスライダ33の係合凹部47の反時計回り方向端に当接している。
【0021】
投入作業が完了したら、リモコンスイッチの上昇ボタンを押してドラムユニット5を上昇させるべく移動機構7の昇降手段35を駆動する。昇降手段35の図示しないモータが駆動されると、チェーン59が回転移動して保持部材61に保持された第1の係合凸部41が主ガイドレール37を上昇し、これに伴ってスライダ33及びドラムユニット5が上昇する。このとき第2の係合凸部43は副ガイドレール39のストレート部に位置しているので、スライダ33は回転しない。
ドラムユニット5は中心ピン53を中心として図6の右側(モータ支持部27側)が重くなるようにウエートバランスが設定されており、図7及び図8に示すように、上昇するにつれて軸ピン51は係合凹部47を時計回り方向に移動する。この間、車輪65はストッパ63、64の上面を転動し、ドラムユニット5の上昇動作は滑らかに進行する。
ストッパ63、64との干渉がなくなると、軸ピン51は係合凹部47の時計回り方向端に当接し、ドラムユニット5はそれ以上の時計回り方向の回動を阻止される。
【0022】
ストッパ63、64の干渉を受けなくなった位置で、攪拌槽23は、その開口部21が水平よりも上向きとなる攪拌位置に設定される。攪拌位置への設定は、作業者が目で見ながらリモコンスイッチで操作してもよく、リミットスイッチ等により自動的に設定されるようにしてもよい。ドラムユニット5のウエートバランスを上記のようにすることで、自重を利用して攪拌位置に設定することができ、攪拌位置に設定するための特別の構成や駆動源を要しない利点を有する。
ドラムユニット5が攪拌位置に設定されると、操作盤28のスイッチを押すことにより、ドラムユニット5のモータ支持部27に支持されたモータが所定のプログラム(正転、反転、正転・反転、これらと後述するスイングの組み合わせ等)で且つ投入材料の特性に応じて設定された時間駆動される。
【0023】
攪拌・混合動作が完了すると、再びリモコンスイッチの上昇ボタンを押してドラムユニット5を上昇させるべく昇降手段35を駆動する。
図9及び図10に示すように、スライダ33の第2の係合凸部43が副ガイドレール39のカーブライン部39aに案内されると、第1の係合凸部41はそのまま直線状に上昇するため、スライダ33は反時計回りに回転を始める。このスライダ33の回転によりドラムユニット5も回動され、一時的に略水平な姿勢となる。
図11及び図12に示すように、第1の係合凸部41がさらに上昇して第2の係合凸部43がカーブライン部39aの先端部に到達すると、スライダ33の回転進行に伴ってドラムユニット5もさらに回動され、攪拌槽23は開口部21が水平よりも下向きとなる姿勢となる。
【0024】
この状態では、第1の係合凸部41は主ガイドレール37の上端部に到達していないためさらに上昇し、これに伴ってスライダ33もさらに回転する。
最終的に、図13及び図14に示すように、ドラムユニット5は攪拌槽23の開口部21がさらに下向きとなる排出位置(排出角度)に設定される。
第1の係合凸部41が所定の上方位置に達すると、リミットスイッチ等により自動的に昇降手段35のモータが停止し、攪拌槽23は自動的に排出位置に設定される。
排出位置では攪拌槽23は真下を向く姿勢に近いので、攪拌・混合物はその自重により容易に排出されやすく、内部に残ったとしてもドラムユニット5が床面から高い位置にあるので、楽な姿勢で容易に掻き出すことができる。すなわち、屈んだり座ったりすることなく、立った姿勢で排出作業を行うことができる。
【0025】
排出位置から、リモコンスイッチの下降ボタンが押されると、スライダ33の下降に伴ってドラムユニット5も下降する。下方位置では、図5及び図6で示したように、ドラムユニット5の一部(モータ支持部27)が車輪65を介してストッパ63、64に当接することにより、スライダ33は回転しない状態で係合凹部47の長穴を利用してドラムユニット5が回転し、投入位置に設定される。
【0026】
なお、上記では、攪拌作業中は、ドラムユニット5を上下方向に回動させず固定した状態で、すなわち攪拌角度を固定した状態で、攪拌槽23をそのドラム軸心周りに回転させている。しかしながら、ドラムユニット5を上下方向に回動させて、回転動作と回動動作を両方利用して攪拌作業を行うこともできる。
その場合には、回動動作は、車輪65がストッパ63、64の上面を転動する範囲で、且つ攪拌対象材料が攪拌槽23の開口部21から排出されない範囲で行わせることになる。したがって、攪拌対象材料の攪拌槽23への投入量にもよるが、通常は、攪拌槽23の開口部21が水平またはそれよりも上方を向く範囲内で回動させることになる。回動範囲を大きくしたい場合には、ストッパ63、64の上面の傾斜をきつくすればよい。
【0027】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、スライダ33に形成された係合凹部47の長穴形状は投入位置でドラムユニット5を攪拌槽23の開口部21が下向きとなるように回動させるためのものであり、ドラムユニット5を図8に示す攪拌位置のまま下降させて投入位置とする場合には不要である。
この場合、主ガイドレール37の下端部を装置後方に曲げることによって図6に示す下向きの投入角度とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、食品産業で使用することができるばかりでなく、セラミック、窯業、化学薬品、プラスチック、産業廃棄物等の産業分野における混合攪拌にも利用できるものである。
【符号の説明】
【0029】
1 攪拌装置 3 支持体
5 ドラムユニット 7 移動機構
19 ストッパとしての下部フレーム 33 スライダ
35 昇降手段 37 主ガイドレール
39 副ガイドレール 39a カーブライン部
41 他方の係合凸部としての第1の係合凸部
43 一方の係合凸部としての第2の係合凸部
47 係合凹部 51 係合突起としての軸ピン
59 走行体としてのチェーン 61 保持部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油脂を含んだ粉末食品と油脂を含まない粉末食品とを混合する場合、あるいは油脂を含んだ粉末食品同士を混合する場合等に用いられる攪拌装置に係り、詳しくは攪拌対象材料が投入される攪拌槽を回転させて攪拌を行う方式の攪拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の攪拌装置としては、攪拌槽を固定し、攪拌槽内でミキサを回転させて攪拌する方式と、攪拌槽自体を回転させて攪拌を行ういわゆるロータリー方式等が知られている。
ロータリー方式の攪拌装置は、例えば特許文献1に記載されているように、ドラム状の攪拌槽(調理釜)と、この攪拌槽をそのドラム軸心周りに回転可能に支持するドラムユニットと、このドラムユニットに一体に設けられ、前記攪拌槽を回転駆動する駆動源(モータ)と、前記ドラムユニットを上下方向に回動可能に支持する支持体とを有する構成となっている。
ドラムユニットの上下方向の回動は、ウォーム・ギヤ機構を介してハンドル操作で行うようになっている。
攪拌槽に攪拌対象材料を投入する場合には、攪拌槽の開口部が水平よりも上方に向くようにドラムユニットが回動され、攪拌・混合終了後に排出する場合には、攪拌槽の開口部が水平よりも下方に向くようにドラムユニットが回動されようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−99198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
攪拌槽に重量物としての攪拌対象材料を投入する際には労力を要するので、開口部の位置はできるだけ低い方がよく、この観点からドラムユニットの回動軸の位置(攪拌槽の回転中心位置)は床面からあまり高くない位置に設定されている。
攪拌・混合済みの材料を取り出す際には、攪拌槽内の材料の排出性を高めるために上記のように攪拌槽を下向きに傾けるようにしているが、上記のような投入位置を基準とした高さ条件下では、攪拌槽の回転中心位置から床面までの隙間が少なく、攪拌槽の下向き角度を大きくとることはできない。
このため、攪拌槽を排出角度に設定しても自重で傾斜排出されずに攪拌槽内に材料が残り、強制的に掻き出さなければならない量が多く、面倒であった。
また、排出位置が低すぎるため、作業者が無理な作業姿勢を強いられるという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、投入作業が容易であるとともに、排出作業が極めて容易で且つ楽な姿勢で作業が行え、作業能率の向上、労力の低減に寄与できる攪拌装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための、請求項1記載の発明は、ドラム状の攪拌槽と、該攪拌槽をそのドラム軸心周りに回転可能に支持するドラムユニットと、該ドラムユニットに一体に設けられ、前記攪拌槽を回転駆動する駆動源と、前記ドラムユニットを上下方向に回動可能に支持する支持体とを有する攪拌装置において、前記ドラムユニットを上下方向の任意の高さ位置に移動させる移動機構を有していることを特徴とする攪拌装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の攪拌装置において、前記移動機構は、前記ドラムユニットが所定の上方位置に達したときに該ドラムユニットを所定量回動させる構成を有し、前記ドラムユニットの回動により、前記攪拌槽はその開口部が水平よりも下方に向く排出角度に設定されることを特徴とする攪拌装置である。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の攪拌装置において、前記移動機構は、前記ドラムユニットの回動により、前記攪拌槽はその開口部が投入角度よりも上方に向く攪拌角度に設定されることを特徴とする攪拌装置である。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の攪拌装置において、前記移動機構は、前記支持体に設けられ、上下方向に延びる左右一対のガイドレールと、前記ドラムユニットに結合され、前記一対のガイドレールのそれぞれに係合するスライダと、これらのスライダを昇降させる昇降手段とを有し、前記ガイドレールは直線状に延びる主ガイドレールと、該主ガイドレールに沿って延び、上方における途中位置で該主ガイドレールから離れるように曲がるカーブライン部を備えた副ガイドレールとを有し、前記スライダは、前記主ガイドレールと前記副ガイドレールとにそれぞれ係合する係合凸部を有し、前記スライダの一方の係合凸部が前記カーブライン部に案内されて前記スライダが所定量回転することにより前記ドラムユニットが所定量回動することを特徴とする攪拌装置である。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の攪拌装置において、前記ドラムユニットと前記スライダとの係合は、いずれか一方に形成された複数の係合突起を他方に形成された係合凹部に嵌合してなり、前記係合凹部は前記スライダの回転方向に延びる長穴状に形成され、前記支持体の下部にストッパが設けられ、前記ドラムユニットが下方に移動してその一部が前記ストッパに当接することにより、前記ドラムユニットが前記係合凹部の寸法内で回動して前記攪拌槽はその開口部が水平よりも下方に向く投入角度に設定されることを特徴とする攪拌装置である。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の攪拌装置において、前記カーブライン部から下方の移動範囲であって、前記ストッパに当接しない範囲では、前記ドラムユニットは前記攪拌槽の開口部が水平よりも上方を向くように、前記スライダの姿勢が設定されていることを特徴とする攪拌装置である。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項4〜6のいずれかに記載の攪拌装置において、 前記昇降手段は、上下方向に循環移動する無端状の走行体と、該走行体を駆動する駆動源と、前記走行体に一体に設けられ、前記スライダの他方の係合凸部を保持する保持部材とを有していることを特徴とする攪拌装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、攪拌槽の投入位置を低く設定できるとともに、排出位置を、ドラムユニットを上方に移動させて投入位置よりも高い位置に設定することができるので、投入作業が容易であるとともに、排出作業が極めて容易で且つ楽な姿勢で作業が行え、作業能率の向上、労力の低減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る攪拌装置の概要斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る攪拌装置の概要正面図である。
【図3】ドラムユニットと移動機構との結合構成を示す分解斜視図である。
【図4】図2における右側の移動機構をその内側から見た図である。
【図5】ドラムユニットが投入位置に設定されている状態を示す概要側面図である。
【図6】ドラムユニットが投入位置に設定されている状態において、ドラムユニットと移動機構との関係のみを示す概略図である。
【図7】ドラムユニットが攪拌位置に設定されている状態を示す概要側面図である。
【図8】ドラムユニットが攪拌位置に設定されている状態において、ドラムユニットと移動機構との関係のみを示す概略図である。
【図9】スライダが回転を開始してドラムユニットが略水平になった状態を示す概要側面図である。
【図10】スライダが回転を開始してドラムユニットが略水平になった状態において、ドラムユニットと移動機構との関係のみを示す概略図である。
【図11】排出位置の手前でドラムユニットが下向きになった状態を示す概要側面図である。
【図12】排出位置の手前でドラムユニットが下向きになった状態において、ドラムユニットと移動機構との関係のみを示す概略図である。
【図13】ドラムユニットが排出位置に設定されている状態を示す概要側面図である。
【図14】ドラムユニットが排出位置に設定されている状態において、ドラムユニットと移動機構との関係のみを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態に係る攪拌槽及び攪拌装置を図面にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、攪拌装置1は、門形状の外郭を有する支持体3と、この支持体3の内方に上下方向に回動可能に支持されたドラムユニット5と、このドラムユニット5を上下方向の任意の高さ位置に移動させる移動機構7とを有している。
支持体3は、ドラムユニット5の左右両側に位置して床面に設置される基台9、11と、基台9、11から上方に延びる側面部材13、15と、上部フレーム17と、基台9、11を連結固定する下部フレーム19等を有している。
【0016】
ドラムユニット5は、投入口及び排出口としての開口部21を有するドラム状の攪拌槽23と、開口部21側寄りで攪拌槽23を図示しないベアリング構造で回転可能に保持したフランジ25と、攪拌槽23を回転駆動する駆動源としての図示しないモータを収容したモータ支持部27(図6参照)と、モータ支持部27とフランジ25とを連結固定し、移動機構7に上下方向に回動自在に支持されたサイドフレーム(後述)等を有している。攪拌槽23の内部には径方向に対向する位置に一対の羽根部材24が設けられている。
攪拌槽23はドラムユニット5内で上記モータにより回転駆動される。
図2において符号28は操作盤を示している。
【0017】
各移動機構7は左右同様の構成を有しているので、図2の右側の移動機構7について図3及び図4を参照して説明する。
移動機構7は、側面部材15に沿って上下方向に延びる逆L字形の前方ガイドベース29と、この前方ガイドベース29の後側に位置し、同じく側面部材15に沿って上下方向に延びる後方ガイドベース31と、円盤状のスライダ33と、このスライダ33を昇降させる昇降手段35とを有している。後方ガイドベース31は図1では側面部材15の内側に位置して外部からは隠れている。
後方ガイドベース31の内面側には上下方向に直線状に延びる主ガイドレール37が溝として形成され、前方ガイドベース29の内面側には、下端が主ガイドレール37の下端よりも高い位置に形成されて主ガイドレール37に沿って延び、上方における途中位置で主ガイドレール37から装置前方側(攪拌槽23の開口部21側)へ離れるように曲がるカーブライン部39aを有する副ガイドレール39が溝として形成されている。
【0018】
スライダ33には、径方向の対向する位置に主ガイドレール37に係合する第1の係合凸部41と、副ガイドレール39に係合する第2の係合凸部43が設けられている。第1の係合凸部41はスライダ33に固定されている。第2の係合凸部43は、副ガイドレール39に接触するため、回転することによりその接触抵抗を低減できるようにコロ状に形成されてスライダ33に回転自在に支持されている。
また、スライダ33には、その中心部に中心孔45が形成されているとともに、周方向に略間隔で4つの係合凹部47が形成されている。各係合凹部47は回転方向(周方向)に延びる長穴状に形成されている。
フランジ25の左右側面には、該フランジ25と上記モータ支持部27とを連結固定するサイドフレーム49が設けられており、サイドフレーム49にはスライダ33の各係合凹部47に嵌合する係合突起としての軸ピン51と、中心孔45に嵌合する中心ピン53が設けられている。
中心ピン53が中心孔45に嵌合することにより、移動機構7に対するドラムユニット5の回動軸心位置が位置決めされ、各軸ピン51が各係合凹部47に嵌合することにより、移動機構7に対するドラムユニット5の支持強度が確保されている。
【0019】
昇降手段35は、後方ガイドベース31の内方における上下に回転自在に支持されたスプロケット55、57と、これらのスプロケット55、57間に掛け回されて上下方向に循環移動する走行体としての無端状のチェーン59と、このチェーン59に固定され、主ガイドレール37に嵌合された第1の係合凸部41を保持する軸受としての保持部材61と、下部のスプロケット57を回転駆動する駆動源としての図示しないモータを有している。
また、側面部材13、15の内側面には後に詳述するストッパ63、64が互いに対向して設けられている。
昇降手段35のスプロケット55、57とチェーン59は、プーリとタイミングベルトで代用してもよい。
なお、この装置では、図示しないリモコンスイッチの上昇ボタンまたは下降ボタンを押して、昇降手段35を駆動するようになっている。
【0020】
上記構成に係る攪拌装置1の動作を説明する。なお、攪拌槽23はドラムユニット5に一体に設けられているので、以下の説明において、ドラムユニット5の回動位置と攪拌槽23の位置(姿勢)は同義である。
図5及び図6は、ドラムユニット5が下方の所定位置(投入位置)に位置し、攪拌槽23がその開口部21が水平よりも下向きとなる投入角度に設定された状態を示している。
モータ支持部27の下面には、下降したドラムユニット5を下方に傾斜させるためのストッパ63、64の上面にドラムユニット5の一部であるモータ支持部27が直に接触することによる摩擦抵抗を減じるための車輪65が設けられている。
この状態で重量物としての攪拌対象材料が開口部21から攪拌槽23内に投入される。開口部21が斜め下方を向いているので、投入作業は極めて容易且つ楽なものとなる。
この投入位置では、軸ピン51はスライダ33の係合凹部47の反時計回り方向端に当接している。
【0021】
投入作業が完了したら、リモコンスイッチの上昇ボタンを押してドラムユニット5を上昇させるべく移動機構7の昇降手段35を駆動する。昇降手段35の図示しないモータが駆動されると、チェーン59が回転移動して保持部材61に保持された第1の係合凸部41が主ガイドレール37を上昇し、これに伴ってスライダ33及びドラムユニット5が上昇する。このとき第2の係合凸部43は副ガイドレール39のストレート部に位置しているので、スライダ33は回転しない。
ドラムユニット5は中心ピン53を中心として図6の右側(モータ支持部27側)が重くなるようにウエートバランスが設定されており、図7及び図8に示すように、上昇するにつれて軸ピン51は係合凹部47を時計回り方向に移動する。この間、車輪65はストッパ63、64の上面を転動し、ドラムユニット5の上昇動作は滑らかに進行する。
ストッパ63、64との干渉がなくなると、軸ピン51は係合凹部47の時計回り方向端に当接し、ドラムユニット5はそれ以上の時計回り方向の回動を阻止される。
【0022】
ストッパ63、64の干渉を受けなくなった位置で、攪拌槽23は、その開口部21が水平よりも上向きとなる攪拌位置に設定される。攪拌位置への設定は、作業者が目で見ながらリモコンスイッチで操作してもよく、リミットスイッチ等により自動的に設定されるようにしてもよい。ドラムユニット5のウエートバランスを上記のようにすることで、自重を利用して攪拌位置に設定することができ、攪拌位置に設定するための特別の構成や駆動源を要しない利点を有する。
ドラムユニット5が攪拌位置に設定されると、操作盤28のスイッチを押すことにより、ドラムユニット5のモータ支持部27に支持されたモータが所定のプログラム(正転、反転、正転・反転、これらと後述するスイングの組み合わせ等)で且つ投入材料の特性に応じて設定された時間駆動される。
【0023】
攪拌・混合動作が完了すると、再びリモコンスイッチの上昇ボタンを押してドラムユニット5を上昇させるべく昇降手段35を駆動する。
図9及び図10に示すように、スライダ33の第2の係合凸部43が副ガイドレール39のカーブライン部39aに案内されると、第1の係合凸部41はそのまま直線状に上昇するため、スライダ33は反時計回りに回転を始める。このスライダ33の回転によりドラムユニット5も回動され、一時的に略水平な姿勢となる。
図11及び図12に示すように、第1の係合凸部41がさらに上昇して第2の係合凸部43がカーブライン部39aの先端部に到達すると、スライダ33の回転進行に伴ってドラムユニット5もさらに回動され、攪拌槽23は開口部21が水平よりも下向きとなる姿勢となる。
【0024】
この状態では、第1の係合凸部41は主ガイドレール37の上端部に到達していないためさらに上昇し、これに伴ってスライダ33もさらに回転する。
最終的に、図13及び図14に示すように、ドラムユニット5は攪拌槽23の開口部21がさらに下向きとなる排出位置(排出角度)に設定される。
第1の係合凸部41が所定の上方位置に達すると、リミットスイッチ等により自動的に昇降手段35のモータが停止し、攪拌槽23は自動的に排出位置に設定される。
排出位置では攪拌槽23は真下を向く姿勢に近いので、攪拌・混合物はその自重により容易に排出されやすく、内部に残ったとしてもドラムユニット5が床面から高い位置にあるので、楽な姿勢で容易に掻き出すことができる。すなわち、屈んだり座ったりすることなく、立った姿勢で排出作業を行うことができる。
【0025】
排出位置から、リモコンスイッチの下降ボタンが押されると、スライダ33の下降に伴ってドラムユニット5も下降する。下方位置では、図5及び図6で示したように、ドラムユニット5の一部(モータ支持部27)が車輪65を介してストッパ63、64に当接することにより、スライダ33は回転しない状態で係合凹部47の長穴を利用してドラムユニット5が回転し、投入位置に設定される。
【0026】
なお、上記では、攪拌作業中は、ドラムユニット5を上下方向に回動させず固定した状態で、すなわち攪拌角度を固定した状態で、攪拌槽23をそのドラム軸心周りに回転させている。しかしながら、ドラムユニット5を上下方向に回動させて、回転動作と回動動作を両方利用して攪拌作業を行うこともできる。
その場合には、回動動作は、車輪65がストッパ63、64の上面を転動する範囲で、且つ攪拌対象材料が攪拌槽23の開口部21から排出されない範囲で行わせることになる。したがって、攪拌対象材料の攪拌槽23への投入量にもよるが、通常は、攪拌槽23の開口部21が水平またはそれよりも上方を向く範囲内で回動させることになる。回動範囲を大きくしたい場合には、ストッパ63、64の上面の傾斜をきつくすればよい。
【0027】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、スライダ33に形成された係合凹部47の長穴形状は投入位置でドラムユニット5を攪拌槽23の開口部21が下向きとなるように回動させるためのものであり、ドラムユニット5を図8に示す攪拌位置のまま下降させて投入位置とする場合には不要である。
この場合、主ガイドレール37の下端部を装置後方に曲げることによって図6に示す下向きの投入角度とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、食品産業で使用することができるばかりでなく、セラミック、窯業、化学薬品、プラスチック、産業廃棄物等の産業分野における混合攪拌にも利用できるものである。
【符号の説明】
【0029】
1 攪拌装置 3 支持体
5 ドラムユニット 7 移動機構
19 ストッパとしての下部フレーム 33 スライダ
35 昇降手段 37 主ガイドレール
39 副ガイドレール 39a カーブライン部
41 他方の係合凸部としての第1の係合凸部
43 一方の係合凸部としての第2の係合凸部
47 係合凹部 51 係合突起としての軸ピン
59 走行体としてのチェーン 61 保持部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラム状の攪拌槽と、該攪拌槽をそのドラム軸心周りに回転可能に支持するドラムユニットと、該ドラムユニットに一体に設けられ、前記攪拌槽を回転駆動する駆動源と、前記ドラムユニットを上下方向に回動可能に支持する支持体とを有する攪拌装置において、
前記ドラムユニットを上下方向の任意の高さ位置に移動させる移動機構を有していることを特徴とする攪拌装置。
【請求項2】
請求項1記載の攪拌装置において、
前記移動機構は、前記ドラムユニットが所定の上方位置に達したときに該ドラムユニットを所定量回動させる構成を有し、前記ドラムユニットの回動により、前記攪拌槽はその開口部が水平よりも下方に向く排出角度に設定されることを特徴とする攪拌装置。
【請求項3】
請求項2記載の攪拌装置において、
前記移動機構は、前記ドラムユニットの回動により、前記攪拌槽はその開口部が投入角度よりも上方に向く攪拌角度に設定されることを特徴とする攪拌装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の攪拌装置において、
前記移動機構は、前記支持体に設けられ、上下方向に延びる左右一対のガイドレールと、前記ドラムユニットに結合され、前記一対のガイドレールのそれぞれに係合するスライダと、これらのスライダを昇降させる昇降手段とを有し、前記ガイドレールは直線状に延びる主ガイドレールと、該主ガイドレールに沿って延び、上方における途中位置で該主ガイドレールから離れるように曲がるカーブライン部を備えた副ガイドレールとを有し、前記スライダは、前記主ガイドレールと前記副ガイドレールとにそれぞれ係合する係合凸部を有し、前記スライダの一方の係合凸部が前記カーブライン部に案内されて前記スライダが所定量回転することにより前記ドラムユニットが所定量回動することを特徴とする攪拌装置。
【請求項5】
請求項4記載の攪拌装置において、
前記ドラムユニットと前記スライダとの係合は、いずれか一方に形成された複数の係合突起を他方に形成された係合凹部に嵌合してなり、前記係合凹部は前記スライダの回転方向に延びる長穴状に形成され、前記支持体の下部にストッパが設けられ、前記ドラムユニットが下方に移動してその一部が前記ストッパに当接することにより、前記ドラムユニットが前記係合凹部の寸法内で回動して前記攪拌槽はその開口部が水平よりも下方に向く投入角度に設定されることを特徴とする攪拌装置。
【請求項6】
請求項5記載の攪拌装置において、
前記カーブライン部から下方の移動範囲であって、前記ストッパに当接しない範囲では、前記ドラムユニットは前記攪拌槽の開口部が水平よりも上方を向くように、前記スライダの姿勢が設定されていることを特徴とする攪拌装置。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれかに記載の攪拌装置において、
前記昇降手段は、上下方向に循環移動する無端状の走行体と、該走行体を駆動する駆動源と、前記走行体に一体に設けられ、前記スライダの他方の係合凸部を保持する保持部材とを有していることを特徴とする攪拌装置。
【請求項1】
ドラム状の攪拌槽と、該攪拌槽をそのドラム軸心周りに回転可能に支持するドラムユニットと、該ドラムユニットに一体に設けられ、前記攪拌槽を回転駆動する駆動源と、前記ドラムユニットを上下方向に回動可能に支持する支持体とを有する攪拌装置において、
前記ドラムユニットを上下方向の任意の高さ位置に移動させる移動機構を有していることを特徴とする攪拌装置。
【請求項2】
請求項1記載の攪拌装置において、
前記移動機構は、前記ドラムユニットが所定の上方位置に達したときに該ドラムユニットを所定量回動させる構成を有し、前記ドラムユニットの回動により、前記攪拌槽はその開口部が水平よりも下方に向く排出角度に設定されることを特徴とする攪拌装置。
【請求項3】
請求項2記載の攪拌装置において、
前記移動機構は、前記ドラムユニットの回動により、前記攪拌槽はその開口部が投入角度よりも上方に向く攪拌角度に設定されることを特徴とする攪拌装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の攪拌装置において、
前記移動機構は、前記支持体に設けられ、上下方向に延びる左右一対のガイドレールと、前記ドラムユニットに結合され、前記一対のガイドレールのそれぞれに係合するスライダと、これらのスライダを昇降させる昇降手段とを有し、前記ガイドレールは直線状に延びる主ガイドレールと、該主ガイドレールに沿って延び、上方における途中位置で該主ガイドレールから離れるように曲がるカーブライン部を備えた副ガイドレールとを有し、前記スライダは、前記主ガイドレールと前記副ガイドレールとにそれぞれ係合する係合凸部を有し、前記スライダの一方の係合凸部が前記カーブライン部に案内されて前記スライダが所定量回転することにより前記ドラムユニットが所定量回動することを特徴とする攪拌装置。
【請求項5】
請求項4記載の攪拌装置において、
前記ドラムユニットと前記スライダとの係合は、いずれか一方に形成された複数の係合突起を他方に形成された係合凹部に嵌合してなり、前記係合凹部は前記スライダの回転方向に延びる長穴状に形成され、前記支持体の下部にストッパが設けられ、前記ドラムユニットが下方に移動してその一部が前記ストッパに当接することにより、前記ドラムユニットが前記係合凹部の寸法内で回動して前記攪拌槽はその開口部が水平よりも下方に向く投入角度に設定されることを特徴とする攪拌装置。
【請求項6】
請求項5記載の攪拌装置において、
前記カーブライン部から下方の移動範囲であって、前記ストッパに当接しない範囲では、前記ドラムユニットは前記攪拌槽の開口部が水平よりも上方を向くように、前記スライダの姿勢が設定されていることを特徴とする攪拌装置。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれかに記載の攪拌装置において、
前記昇降手段は、上下方向に循環移動する無端状の走行体と、該走行体を駆動する駆動源と、前記走行体に一体に設けられ、前記スライダの他方の係合凸部を保持する保持部材とを有していることを特徴とする攪拌装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−62580(P2011−62580A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212721(P2009−212721)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成21年6月9日〜12日に、社団法人日本食品機械工業会主催のFOOMA JAPAN 2009(国際食品工業展)にて発表
【出願人】(309007634)有限会社タテック工業 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成21年6月9日〜12日に、社団法人日本食品機械工業会主催のFOOMA JAPAN 2009(国際食品工業展)にて発表
【出願人】(309007634)有限会社タテック工業 (4)
【Fターム(参考)】
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