説明

改善された加工性(processing)をもつプレプレグおよび有孔プレプレグを製造する方法

複合構造物を形成するための強固化および硬化過程の前そして/または少なくともその一部分の期間中に、プレプレグおよびプレプレグ・レイアップ(300)の内部からのガス(302A、302B、302C)の除去の、高い能力を有するプレプレグ(102、202)の二次加工のためのシステムおよび方法が開示される。特定の態様において、レイアップの前、その期間中そしてその後に、特定の形態の穿孔(204A、204B)をプレプレグ中に導入することができる。穿孔は、有孔プレプレグおよびプレプレグ・レイアップの内部およびそれらの間に捕捉されたガスが、強固化および硬化過程中に抜けるための経路を提供し、それにより、生成される複合物内の残留多孔率を低下させる。この方法で、例えば、複合物の容量に基づき10容量%未満の残留多孔率をもつ複合物を達成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、前以て含浸された繊維およびとりわけ、有孔プレプレグ、有孔プレプレグ・レイアップおよび複合構造物の二次加工法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化複合物(FRC)は,1枚または複数の層になっている繊維強化物の少なくとも一部分を取り囲むマトリックス成分を含んでなる混成構造物質である。重量比に対するそれらの比較的高い剛性、並びにそれらの比較的低い密度のために、FRCは、その重量が重大な関心事である航空機の構成部品のような適用に利用を見いだしてきた。
【0003】
FRCの構成部品(component)は、プレプレグとしても知られるマトリックス成分で前以て含浸された繊維を使用して製造することができる。プレプレグから複合物の部品を形成するためには、1枚または複数のプレプレグの層を鋳型内に集成し、熱をかけて、マトリックス樹脂を流動させ、それによりプレプレグ層の強固化(consolidation)を可能にすることができる。適用される熱は更に、マトリックス成分を硬化または重合することができる。
【0004】
しかし、この方法で複合物を形成するためのプレプレグの強固化は困難である。レイアップ期間中にプレプレグの内部、そしてプレプレグの間にガスが捕捉され、更に、プレプレグの加熱および/または硬化期間中にガスが発生するかも知れない。マトリックスがガスの移動を実質的に妨げ、そして複合物内に多孔性をもたらす可能性があるために、これらのガスをレイアップから除去することは困難である。この多孔性は更に、複合物の機械的特性を低下させる可能性がある。
【0005】
複合物の加工期間中に捕捉ガスの除去を促進する技術が開発されてきたが、問題は残る。例えば、プレプレグ層の側部からガスを引き出すために、プレプレグの縁に減圧を適用するために縁の通気物(edge breather)を使用することができる。しかし、この方法におけるプレプレグからの捕捉ガスの除去は遅く、捕捉ガスの実質的に完全な除去はもたらさないかも知れない。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、プレプレグおよびプレプレグ・レイアップの内部からの、空気および他の揮発性物質のようなガスの除去の高い能力を有するプレプレグが提供される。特定の態様において、プレプレグの内部に特定の形態の穿孔が存在する。その穿孔は有孔プレプレグ内に捕捉されたガスがプレプレグを抜ける経路を提供する。
【0007】
1つの態様において、穿孔がプレプレグの少なくとも一部分の内部に分布されている有孔プレプレグが提供される。その穿孔はまた、およそ室温で寸法安定性であり、そして更に有孔プレプレグ内のガス移動を可能にする。
【0008】
他の態様において、1種または複数の有孔プレプレグを使用して製造される複合物が提供される。該複合物は、複合物の総容量に基づき10容量%未満の多孔率を有する。
【0009】
更なる態様において、有孔プレプレグを製造する方法が提供される。該方法は、プレプレグに機械的操作またはエネルギーを適用して、プレプレグの少なくとも一部分に1つまたは複数の穿孔を形成する工程を含んでなる。
【0010】
代わりの態様において、繊維強化複合物を形成する方法が提供される。該方法は、マトリックス樹脂および、マトリックスの少なくとも一部分の内部に埋封された繊維を含んでなるプレプレグの内部に1つまたは複数の穿孔を導入して、有孔プレプレグを形成する工程を含んでなる。1つまたは複数の穿孔は、ガスが有孔プレプレグの本体内から有孔プレプレグの外面に移動できるようになっている。
【0011】
他の態様において、有孔プレプレグ・レイアップが提供される。有孔プレプレグ・レイアップは、前記のような1種または複数の有孔プレプレグを含んでなることができる。有孔プレプレグ・レイアップは、有孔プレプレグおよび穿孔を含まないプレプレグの組み合わせ物を含んでなることができる。更なる態様において、その有孔プレプレグ中の繊維強化物の重量分率が接着フィルムまたは表面フィルムに対するような20重量%未満であり、そして樹脂フィルムに対するようなゼロであることができる有孔プレプレグが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A−1C】完全に含浸されたプレプレグ(1A)および部分的に含浸されたプレプレグ(1Bおよび1C)の態様の説明図である。
【図2A−2B】それぞれ穿孔をもつ、完全に含浸されたプレプレグおよび部分的に含浸されたプレプレグの態様の説明図である。
【図3A−3B】それにより、図2A〜2Bの完全に含浸されたプレプレグおよび部分的に含浸されたプレプレグおよびプレプレグ・レイアップそれぞれから、ガスを実質的に除去することができる可能な機序の説明図である。
【図4】プレプレグシステム内への穿孔の導入方法を表す。
【図5A−5B】分布された穿孔;(A)ランダムな穿孔の分布;(B)実質的に均等な穿孔の分布、を有するプレプレグの態様の包括図(top−down view)である。
【図6】複合構造物を形成するための、有孔プレプレグの強固化および硬化のためのシステムの1つの態様を表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本明細書で使用される用語「およそ」、「約」および「実質的に」は、所望される機能をまだ実施し、または所望される結果を達成する、記載量に近似の量を表す。例えば、用語「およそ」、「約」および「実質的に」は、記載量の10%未満内、5%未満内、1%未満内、0.1%未満内そして0.01%未満内の量を表すことができる。実質的に均一な円形の断面を有する穿孔は、平均孔径の10%未満内、平均孔径の5%未満内、平均孔径の1%未満内、平均孔径の0.1%未満内、そして平均孔径の0.01%未満内の孔径を表すことができる。他の例において、繊維の特定の面に対して実質的に垂直に伸長する穿孔は、繊維の面に対する垂線の角度の10%未満、繊維の面に対する垂線の角度の5%未満、繊維の面に対する垂線の角度の1%未満、繊維の面に対する垂線の角度の0.1%未満、そして繊維の面に対する垂線の角度の0.01%未満内の配向を示すことができる。
【0014】
本明細書に使用される用語「少なくとも一部分」は、全体を含むことができる全体の量
の一部分を含んでなる、全体の量を表す。例えば、用語「一部分」は全体の0.01%を超える、0.1%を超える、1%を超える、10%を超える、20%を超える、30%を超える、40%を超える、50%を超える、60%を超える、70%を超える、80%を超える、90%を超える、95%を超える、99%を超える量、そして100%の量を表すことができる。
【0015】
本明細書で使用される用語「室温」は当業者に知られているその通常の意味をもち、約15℃〜43℃の範囲内の温度を含むことができる。
【0016】
本明細書で使用される用語「繊維」または「複数の繊維」は当業者に知られているその通常の意味をもち、複合物の強化(reinforcement)のために適合された1種または複数の繊維材料を含むことができる。繊維は粒子、薄片、ウィスカー、短繊維、連続繊維、シート、諸撚糸(plies)およびそれらの組み合わせ物のいずれの形状をも採ることができる。連続繊維は単方向性、多方向性(例えば、二次元または三次元の)、不織物、織物、編み物、ステッチ物、巻き付け物および組みひも繊維、並びに渦巻きマット、フェルトマットおよび細断マット構造物のいずれかを採ることができる。織物繊維は約1000本未満、約3000本未満、約6000本未満、約12000本未満、約24000本未満、約48000本未満、約56000本未満、約125000本未満、そして約125000本を超えるフィラメントをもつ複数の織物のトウ(tow)を含むことができる。織物のトウは交差牽引ステッチ、横糸挿入編みステッチまたは、集束剤のような少量の樹脂により所定位置に保持することができる。
【0017】
繊維の組成は必要に応じて様々であることができる。繊維は、それらに限定はされないが、ガラス、炭素、アラミド、石英、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ−p−フェニレン−ベンゾビスオキサゾール(PBO)、ホウ素、ケイ素カーバイド、ポリアミド、Nylon(登録商標)、ケイ素窒化物、Astroquartz(登録商標)、Tyranno(登録商標)、Nextel(登録商標)、Nicalon(登録商標)および黒鉛並びにそれらの組み合わせ物を含む。
【0018】
本明細書で使用される用語「マトリックス」、「樹脂」および「マトリックス樹脂」は当業者に知られているそれらの通常の意味をもち、熱硬化性および/または熱可塑性材料を含んでなる1種または複数の化合物を含むことができる。例は、それらに限定はされないが、エポキシ化合物、エポキシ硬化剤、フェノール化合物、フェノール、シアネート、イミド(例えば、ポリイミド、ビスマレイミド(BMI)、ポリエーテルイミド)、ポリエステル、ベンゾキサジン、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテル・スルホン、ポリカーボネート、ポリエチレン・テレフタレートおよびポリエーテルケトン(例えば、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)等)、それらの組み合わせ物並びにそれらの前駆体を含むことができる。
【0019】
本明細書で考察されるマトリックスは更に可溶性、不溶性または一部可溶性の添加物を含むことができる。このような添加物は、マトリックスの、1種または複数の、機械的、レオロジーの、電気的、光学的、化学的、および/または熱の特性に影響を与えるために提供することができる。このような添加物は更に、マトリックスと化学的に反応する、マトリックスと相互に作用する、またはマトリックスと反応しない材料を含むことができる。このような添加物の粒度分布および幾何学構造もまた、必要に応じて多様であることができる。例えば、添加物の粒度はナノスケール次元(約1nm〜100nm)、ミクロスケール次元(約100nm〜100μm)、そして約100μmを超えるマクロスケール次元間の範囲にあることができる。他の例において、添加物は、それらに限定はされないが、粒子、薄片、ロッド、等を含む幾何学構造にすることができる。更なる例において、
添加物はマトリックスの特定の領域内に分配(例えば、マトリックスの表面に隣接する)またはマトリックス内に均一に分布されるまたは溶解されることができる。添加物の例は、それらに限定はされないが、難燃剤、紫外線(UV)遮蔽剤、増粘剤(例えば、Cabosil(登録商標))および、損傷許容性、靭性、摩耗抵抗性の1種または複数を増加するための強化剤(例えば、ゴム、セラミックおよび/またはガラス)のような有機および無機物質を含むことができる。
【0020】
特に有益な添加物は損傷許容性を改善するための当該技術分野で周知のゴム粒子、熱可塑性粒子または組み合わせ物である。
【0021】
本明細書に使用される用語「含浸する」は、当業者に知られているその通常の意味をもち、繊維の少なくとも一部分中へのマトリックスフィルム、粉末、液体および/または溶液の導入を含むことができる。含浸は、熱、圧力および溶媒の1種または複数の適用により容易にされ得る。本明細書で考察される「完全含浸」はその通常の意味をもち、そして更に、プレプレグ中のようなマトリックス内に実質的にすべての繊維を埋封する含浸物を含むことができる。本明細書に考察される「部分的含浸」はその通常の意味を含み、そして実質的に完全な含浸に至らず、そしてその繊維の一部分がマトリックス内に埋封されていない乾燥繊維の領域を含む含浸物、を含むことができる。
【0022】
本明細書で使用される用語「プレプレグ」は当業者に知られているその通常の意味をもち、従ってそれらの容量(volume)の少なくとも一部分内において、マトリックス樹脂で含浸された繊維のシートまたは薄層(lamina)を含む。マトリックスは部分的に硬化された、または未硬化状態で存在することができる。
【0023】
本明細書で使用される用語「レイアップ」は当業者に知られているその通常の意味をもち、そして相互に隣接して位置された1種または複数のプレプレグを含むことができる。特定の態様において、レイアップ内のプレプレグは相互に対して特定の配向に配置することができる。更なる態様において、プレプレグは場合により、特定の配向からのそれらの相対的移動を防ぐために、縫い糸材料で一緒に縫い合わせることができる。更なる態様において、「レイアップ」は本明細書で考察されたような完全含浸プレプレグ、部分的含浸プレプレグおよび有孔プレプレグのいずれかの組み合わせ物を含むことができる。レイアップは、それらに限定はされないが、手動レイアップ、自動化テープレイアップ(ATL)、事前繊維配置(AFP)およびフィラメント巻き付けを含むことができる方法により製造することができる。
【0024】
本明細書で使用される用語「寸法安定性」は当業者に知られているその通常の意味をもち、従って、特定の時間に対する特定の範囲内の寸法を維持する構造物の能力を含む。特定の態様において、特定の範囲は、特定の圧力下で特定の速度におけるガスの通過を許すような、意図される機能を実施する構造物の能力により決定することができる。
【0025】
本明細書で使用される用語「強固化」は当業者に知られているその通常の意味をもち、従って、樹脂またはマトリックス樹脂が空隙を埋めるように流入する過程を含む。例えば、「強固化」は、それらに限定はされないが、繊維およびプレプレグ、穿孔、等の間およびそれらの内部の空隙中へのマトリックスの流入を含むことができる。「強固化」は更に、熱、真空および適用された圧力の1つまたは複数の作用下で起ることができる。
【0026】
本明細書で使用される用語「硬化させる(cure)」および「硬化(curing)」は当業者に知られているその通常の意味をもち、重合および/または架橋過程を含むことができる。硬化は、それらに限定はされないが、加熱、紫外線に対する曝露および放射線に対する曝露を含む過程により実施することができる。特定の態様において、硬化はマ
トリックス内で起ることができる。マトリックスは更に、硬化の前に、およそ室温において液体、半固体、結晶性固体およびそれらの組み合わせ物である1種または複数の化合物を含んでなることができる。更なる態様において、プレプレグ内のマトリックスは、特定の粘着性(stickiness)または粘着力(tack)を示すために調合する(formulate)または一部硬化させることができる。特定の態様において、強固化および硬化を一工程で実施することができる。
【0027】
本開示の態様は有孔プレプレグ、有孔プレプレグ・レイアップおよび製法を提供する。有孔プレプレグは、有孔プレプレグおよび有孔プレプレグ・レイアップ内およびそれらの間に捕捉されたガスの除去の、高められた能力を有する。捕捉ガスは更に、有孔プレプレグのみからの強固化過程の前そして/または少なくともその一部の期間中、あるいは有孔プレプレグ・レイアップ中へ取り入れられる時、並びに複合構造物を形成するための強固化過程の前そして/またはその少なくとも一部の期間中に除去することができる。特定の態様において、特定の形態をもつ穿孔はレイアップ前にプレプレグ中に導入される。代わりの態様において、特定の形態をもつ穿孔は、レイアップ中またはレイアップ後にプレプレグ中に導入される。プレプレグの強固化の前そして/または少なくともその一部の期間中に、穿孔は、有孔プレプレグまたは有孔プレプレグ・レイアップ内およびそれらの間に捕捉されたガスが抜ける経路を提供し、それにより、生成される複合物内の残留多孔率を低下させ、そしてその機械的特性を高めることができる。この方法で、例えば複合物の総容量に基づき10容量%未満、4容量%未満、そして1容量%未満の残留多孔率を有する複合物を達成することができる。
【0028】
特定の態様において、有孔プレプレグは穿孔の寸法安定性を可能にするようになっている。その結果、穿孔は、一旦導入されると、特定の期間にわたり寸法的に安定であり続けることができる。特定の態様において、穿孔は、有孔プレプレグの保存期間中、寸法的に安定であり続けることができる。他の態様において、穿孔は、強固化過程の少なくとも一部の期間中、寸法的に安定であり続けることができる。有益なことには、有孔プレプレグのこのデザインは、有孔プレプレグ内および有孔プレプレグ・レイアップ内の有孔プレプレグの層間に捕捉されたガスの除去を許す。
【0029】
特定の態様において、寸法安定性はマトリックスの粘度を調整することにより提供することができる。例えば、およそ室温における約1,000,000センチポアズ(cp)を超える比較的高いマトリックスの粘度が寸法安定性をもつ穿孔を提供することができる。好ましくは、マトリックス樹脂は、およそ室温において寸法安定性の穿孔を形成するようになっており、室温より高い、特定の温度において流動して、1つまたは複数の穿孔を充填することができる。
【0030】
更なる態様において、穿孔は完全含浸または部分的含浸プレプレグ中に導入することができる。以下に更に詳細に考察されるように、プレプレグ繊維の一部がマトリックス樹脂で含浸されていない有孔プレプレグ、部分的含浸プレプレグを二次加工することができる。このような部分的含浸プレプレグ内に穿孔を導入することにより、ガスは、有孔プレプレグの非含浸部分、有孔部分、プレプレグ・レイアップ中のプレプレグ間の層間領域およびそれらの組み合わせ物中を移動することができ、それにより部分的含浸された有孔プレプレグおよびレイアップを抜けるガスの能力を高めることができる。有益なことには、完全含浸または部分的含浸プレプレグのいずれかへの、穿孔の導入能力が、本明細書で考察された方法を広範なプレプレグおよび適用とともに使用させる。
【0031】
更なる態様において、穿孔の形態は、強固化の前そして/または少なくともその一部の期間中の、プレプレグから抜けるガスの能力を更に高めるために、更に多様にすることができる。1つの例において、穿孔はプレプレグの厚さを通して一部または完全に伸長する
ことができる。他の例において、穿孔は、制御された方法でプレプレグ中に分布させることができ、それによりプレプレグ全体からのガスの除去を許し、均一な複合物の形成を容易にさせることができる。更なる例において、それらに限定はされないが、サイズ、形状、分布および穿孔密度(単位面積当りの穿孔の数)を含む穿孔のパラメーターは、必要に応じて多様であることができる。
【0032】
図1A〜1Bは完全含浸および部分的含浸プレプレグ100、108の態様を表す。1つの態様において、プレプレグ100、108は、繊維104、および繊維104の少なくとも一部分中に含浸されたマトリックス102を含んでなる。
【0033】
マトリックス102は熱および/または圧力の適用を伴いまたは伴わずに、固体、半固体フィルム、粉末および液体の形状で繊維104中に完全にまたは部分的に含浸されることができる。一例において、完全含浸プレプレグ100はマトリックス102内に実質的に埋封された繊維をもつことができる。他の例において、部分的含浸プレプレグ108は図1Cに示されるように、マトリックス102内に実質的には埋封されてはいない乾燥繊維116を含む、マトリックス非含有区域114のような、マトリックス102を実質的に含まない特定の領域を含むことができる。他の例において、部分的含浸プレプレグ108は、図1Bに示されるように、マトリックス102内に埋封された、マトリックス非含有区域114中の幾らかの繊維とともに、ほとんど乾燥した繊維116を含むマトリックス非含有区域114として示されるような、マトリックス102を部分的に含まない特定の領域を含むことができる。1つの態様において、部分的含浸プレプレグ108は、両側から繊維104を含浸し、それによりプレプレグ108の内部内に、マトリックス102を実質的に含まないマトリックス非含有区域114を残すことにより形成することができる。他の例において、部分的含浸プレプレグ108は、繊維104を片側から含浸することにより形成することができる。以下に考察されるように、マトリックス非含有領域114は、導入された穿孔と協力して、強固化および/または硬化過程中に部分的含浸プレプレグ108からのガスの除去を可能にすることができる。
【0034】
プレプレグ100、108は、それらに限定はされないが、溶液浸漬および溶液噴霧のような溶液法、並びにダイレクトメルトおよびフィルムカレンダリングのようなメルトおよび加工法(working processes)を含む多数の方法を使用して形成することができる。これらの方法は、繊維104の少なくとも一部を、流動性または柔軟な状態のマトリックス102と接触させ、そして繊維104をマトリックス102で含浸させるようになっている。レイアップ過程を容易にするために、マトリックス102の粘着性を、マトリックス含浸期間中および/またはその後に適宜調整することができる。
【0035】
溶液浸漬法においては、繊維104を、溶媒内に溶解されたマトリックス固体の浴内を通過させることができる。繊維104が浴を通過する時に、それらは、繊維104が浴を通過する速度および浴内のマトリックス固体の含量のような因子により変動する量のマトリックス固体を捕捉する。溶液噴霧法においては、特定量のマトリックス固体が繊維104上に噴霧される。溶液法の各事例においては、溶媒を実質的に除去するために、浴または噴霧に曝露後に含浸繊維104を加熱し、更にマトリックスに硬化法を開始させることができる。
【0036】
ダイレクトメルト法においては、マトリックス102は、直接、繊維104上への、ほとんど溶媒を含まないコーティングとして提供される。適用温度において、マトリックス102は、繊維104の少なくとも一部を含浸させてプレプレグ100、108を形成するように十分に流動性である。あるいはまた、フィルムカレンダリングにおいては、マトリックス102はメルトまたは溶液からフィルムに流延成形される。その後、繊維104は1枚または複数のマトリックスフィルムまたは片側から適用される1枚のフィルムの間
に挟まれ、そしてマトリックスフィルムを繊維104中に組み入れる(work into)ようにカレンダー処理される。
【0037】
含浸前または含浸後にマトリックス102に添加物を添加することもできる。1つの態様において、添加物はマトリックス102上またはその内部に散布することにより添加される粒状物を含んでなることができる。層間に配置される添加物により、ガスが形成される通路をより自由に移動することができるために、このような添加物はまた、レイアップの層間のガスの除去のために有益であることができる。このような粒状物の添加物は、それらに限定はされないが、約200μm未満の平均粒径を有する、熱可塑性粒子、熱硬化性粒子、珪酸含有粒子、ガラス粒子、ゴムおよび無機粒子のあらゆる組み合わせ物のような粒子を含むことができる。
【0038】
プレプレグ100、108の繊維含量もまた、適用により決定されるように多様であることができる。1つの態様において、繊維104の重量分率はプレプレグ100、108の総重量に基づき約20〜80重量%の間にあることができる。更なる態様において、有孔プレプレグ中の繊維104の重量分率は、接着剤または表面材フィルムに対するような20重量%未満であり、そして樹脂フィルムに対するようなゼロであることができる。このような態様の有孔プレプレグは有利には、その穿孔が、表面からの、接着剤間からの、またはコアからのガスの除去のための経路を提供する接着剤または表面材フィルムとして使用されることができる。このような接着剤は複合物、金属およびサンドイッチ構造物の適用のための同時硬化性接着の適用を含むと考えられる。有孔プレプレグ中の繊維104の重量分率が29重量%未満であるか、または皆無である有利な態様は、例えば、接着剤中の繊維が軽量ポリエステルまたはナイロンのスクリムである接着剤を含む。
【0039】
マトリックス102により占められるプレプレグ100、108の割合もまた、所望に応じて多様であることができる。特定の態様において、マトリックス102は、プレプレグ100、108の総重量に基づき約20〜80重量%の間のプレプレグ100、108を占めることができる。
【0040】
図2A〜2Bは、穿孔204Aおよび部分穿孔204Bをもつ完全および部分的含浸プレプレグ200、202の態様を表す。特定の態様において、穿孔204Aは実質的にプレプレグ200、202の幅を通過して伸長することができ、他方、部分的穿孔204Bはプレプレグ200、202の幅の特定の部分を通って伸長することができる。
【0041】
穿孔204A、204Bはプレプレグ100、108中に導入される通路を含むことができ、それらに限定はされないが、貫通孔(penetration)、穴(hole)、微細孔(pore)、裂け目(slits)、透き間(gaps)、割れ目(cracks)およびそれらの組み合わせ物を含むことができる。穿孔204A、204Bはそれらの長さに沿って実質的に均一であるか、それらの長さに沿って実質的に非均一であるか、それらの組み合わせであることができる。穿孔204A、204Bは更に、繊維104の長軸に対して特定の角度に配向されることができる。例えば、穿孔204A、204Bは繊維104の長軸にほぼ垂直に伸長することができる。
【0042】
有孔プレプレグ200、202は、特定の理論に制約されることなしに、強固化の前そして/またはその少なくとも一部の期間中に、個々の有孔プレプレグ200、202および、有孔プレプレグ200、202を取り入れるプレプレグ・レイアップ300、310(図3A〜3B)からのガスの除去を容易にし、従って有孔プレプレグ200、202を含まずに形成された複合物に比較して、それらから形成された複合物内の孔の容量(volume)を減少させることができる。例えば、穿孔204A、204Bは有孔プレプレグ200、202からのガスの抜け道を提供し、そして非有孔プレプレグに比較して、よ
り容易にそしてより大量に有孔プレプレグ200、202からガスを除去させる。ガスは、マトリックス102内あるいは部分的および/または完全含浸プレプレグ200、202のマトリックス非含有区域114内から発生する層内ガス302A、並びに、マトリックス102内およびプレプレグ・レイアップ中のプレプレグ層の間からの層間領域から発生する層間ガス302B、302Cを含むことができる。とりわけ、有孔プレプレグ200、202は強固化期間中に発生する可能性があるガスの除去に適すると考えられる。
【0043】
図3Aおよび3Bは、それらからガスを除去することができる、部分的に含浸された有孔プレプレグ・レイアップ300および完全に含浸された有孔プレプレグ・レイアップ310の態様を表す。本開示の態様は、完全含浸プレプレグ100、部分的含浸プレプレグ102、完全含浸有孔プレプレグ200および部分的含浸有孔プレプレグ202、のあらゆる組み合わせを含んでなるレイアップを含むことができる。
【0044】
図3A〜3Bに示されるように、有孔プレプレグ200、202内のガス302A、302B、302Cは、有孔プレプレグ200、202から逃げ出すために、マトリックス102、マトリックス非含有区域114および穿孔204A、204Bのあらゆる組み合わせを通って移動することができる。例えば、マトリックスの流れ、加えられる圧力および/または減圧により起る可能性がある力の影響下で、ガス302A、302B、302Cは、隣接する穿孔204の間および/またはその内部から押し出されることができる。一旦穿孔204中に入ると、ガス302A、302B、302Cは、マトリックス102からの実質的な抵抗を伴わずに、有孔プレプレグ200、202から容易に逃げ出すことができる。
【0045】
図3Aの部分的含浸有孔プレプレグ・レイアップ300に更に示されるように、マトリックス非含有区域114は、2個またはそれ以上の穿孔204Aおよび204Bのあらゆる組み合わせの間でガス302A、302Cの連絡を可能にすることができる。例えば、ガス302A、302Cが一旦穿孔204Aに侵入すると、ガス302A、302Cは、有孔プレプレグ202から逃げ出すために穿孔204Aに従う代わりに、有孔プレプレグ202から逃げ出す前に、マトリックス非含有区域114を通って穿孔204Cに移動することができる。他の例において、ガス302A、302Cは、1個または複数の穿孔204A、204Bを通ってマトリックス非含有区域114に移動し、そこでガス302A、302Cは、部分的含浸有孔プレプレグ・レイアップ300から逃げるためにマトリックス非含有区域114中を移動することができる。有利なことには、ガス302A、302Cの穿孔204A、204B間を移動する能力が、ガス302A、302Cに有孔プレプレグ202からの様々な経路を許すことができる。ガス302A、302Cは、穿孔204A、204Bおよびマトリックス非含有区域114のまだ他の組み合わせを通って有孔プレプレグ200、202から逃げ出すことができるために、このような代わりの経路は、1個または複数の穿孔204A、204Bが阻止されるかあるいは通過不能である環境下で有益であることができる。
【0046】
特定の態様において、穿孔204A、204Bは、図4に示されるようなエネルギーの適用によるマトリックスの含浸後に、プレプレグ100、108中に導入することができる。エネルギーは更に機械および熱エネルギーの少なくとも1つを含んでなることができる。完全なおよび部分的含浸プレプレグ100、108は穿孔204A、204Bを導入する過程に関して以下に考察されるが、穿孔はまた、完全含浸有孔プレプレグ200および部分的含浸有孔プレプレグ202中にも導入することができることは理解することができる。更に、穿孔204A、204Bは、完全含浸プレプレグ100、部分的含浸プレプレグ102、完全含浸有孔プレプレグ200および部分的含浸有孔プレプレグ202のあらゆる組み合わせ物を有するレイアップ中に導入することができる。
【0047】
特定の態様において、穿孔法はプレプレグ中の多数の繊維を破壊することができる。特定の態様において、穿孔204A、204Bは、有孔プレプレグ200、202から形成される複合物の引張り強さ、引張り弾性率および圧縮強さのような機械的特性が、穿孔をもたない匹敵するプレプレグから二次加工された複合物に比較して、10%未満、5%未満そして/または1%未満だけ低下するように導入される。
【0048】
1つの態様において、機械エネルギーは、ピンローラーのような、1個または複数の突起402をもつ穿孔具400の使用により適用することができる。1つの態様において、穿孔具400は複数のピンを含むピンローラーであることができ、ここで各ピンは、所望の深度までプレプレグを貫通するために必要とされる、約100μmの高さ〜約5cm以上の高さ、より好ましくは、約1mm〜約25mmである。各ピンは、プレプレグ中に貫通される時にプレプレグの表面において約1μm〜約10mm、より好ましくは約500μm〜1500μmの平均直径をもつ円錐形、台形、勾配付き、等のようないずれの分類の形状であることもできる。複数のピンは同一または異なる高さおよび直径をもつものであることができる。ピンは好ましくは鋭い先端に終結するが、切れ味の悪い、丸みを帯びた、斜めのまたは他の所望される形状の先端で終結することができる。穿孔具400の突起402は、穿孔204A、204Bを導入するためにそれらの厚さの少なくとも一部を通ってプレプレグ100、108を貫通することができる。突起402は更に穿孔204A、204Bに所望されるサイズ、密度および/または形態にさせることができる。代わりの態様において、穿孔204A、204Bの所望の形態を達成するために複数の穿孔具400を使用することができる。
【0049】
更なる態様において、機械エネルギーは超音波410を発生することができる超音波装置406の使用によりプレプレグ100、108に適用することができる。超音波410は超音波領域内の周波数を有する圧力波を含んでなる。プレプレグ100、108に侵入する時に、圧力波がマトリックス102を破壊させて、貫通孔204A、204Bを形成することができる。超音波410による貫通孔204A、204Bの形成はまた、マトリックス102を破壊するために必要なエネルギーを軽減するために、プレプレグ100、108を冷却することにより容易にさせることができる。更なる態様において、冷却されたプレプレグに機械的操作を適用して、微細孔または穿孔を形成する。
【0050】
他の例において、レーザー404の使用により熱エネルギーを適用することができる。レーザー404のビーム412はプレプレグ100、108中の特定の深度の穿孔204A、204Bを焼き抜くようになっている。ビーム412の断面積は所望の穿孔204の断面積にほぼ等しい可能性がある。
【0051】
形成される穿孔は、有孔プレプレグまたは有孔プレプレグ・レイアップからのガスの逃げに十分なあらゆるサイズの孔径をもつことができる。例えば、各穿孔の平均孔径は、複数の穿孔が十分なガスの逃げを許すような穿孔密度および他の因子に応じて、約1μm以下から約5000μm以上、そして好ましくは約50μm〜約500μmであることができる。更なる態様において、穿孔204の分布は、図5A〜5Bの包括図に示されるようにガス302A、302B、302Cが有孔プレプレグ200、202を逃げることができるように選択することができる。例えば、穿孔204は有孔プレプレグ200、202のほぼ全容量にわたり分布することができる。分布は図5Aに示されるようにランダムでも、または図5Bに示されるようにほぼ均等でもよい。1つの態様において、穿孔204は穿孔の孔径に応じてガスの十分な逃げを許すために必要なだけ多数まで、20平方cm当り約1個を超える穿孔の平均密度で存在することができる。更なる例において、穿孔204は特定のパターンで分布することができる。更に、穿孔204は、約0.01〜100mmのような特定の距離(例えば、縁から縁の距離、中心から中心の距離、等)だけ離すことができる。有利なことには、有孔プレプレグ200、202の全容量内に穿孔20
4を分布することにより、ガス302A、302B、302Cは有孔プレプレグ200、202の容量中から逃げることができ、それにより不均一な多孔率の領域の発生を防止することができる。しかし、代わりの態様において、穿孔204A、204Bは、プレプレグ100、108の実質的に全容量中ではなく、プレプレグ100、108の特定の部分中に導入することができることを理解することができる。
【0052】
更なる態様において、マトリックス102の粘度は穿孔204を寸法的に安定であり続けるようにさせることができる。有利なことには、穿孔204の寸法安定性は、過剰な注意をせずに、製造、保存および使用期間中に有孔プレプレグ200、202の処理を許すことができる。形成される穿孔は完全にまたは実質的に炭素繊維並びにマトリックス樹脂を欠く。
【0053】
他の態様において、マトリックス102の粘度は、強固化期間中に有孔プレプレグ200、202内およびそれらの間の空隙に流動しそしてそれらを充填するようにさせることができる。例えば、1つの態様において、マトリックス102の粘度は、外圧をかけずに、熱の適用時に空隙に流動して、それらを充填するようにさせることができる。他の態様において、マトリックス102の粘度は、熱および外圧および/または減圧の適用時に空隙に流動して、それらを充填するようにさせることができる。有利なことには、強固化期間中に、穿孔204A、204Bおよび他の空隙を充填させることにより、穿孔204A、204Bおよび他の空隙を、生成される複合物の多孔率に寄与しないようにさせることができる。
【0054】
更なる態様において、有孔プレプレグ200、202は種々のレベルの粘着性を示すようにさせることができる。有利には、比較的高レベルの粘着性を示す有孔プレプレグ200、202は、それらが比較的緊密な半径内に配置されることができるために、複雑な複合部品の二次加工に適するかも知れない。
【0055】
図6は、有孔プレプレグ200、202の強固化および硬化のためのシステム600の1つの態様を示す。特定の態様において、有孔プレプレグ200、202は、特定の配向またはレイアップ602に積み重ねられ、強固化され、そして硬化されて複合物の構成部品を形成するようになっているラミナとして構成される。例えば、繊維104の単方向性配向を有する有孔プレプレグ200、202において、繊維104はプレプレグ100、108の最大寸法に対して、0°、90°または特定の角度θに配向することができる。配向のあらゆる組み合わせをもつ有孔プレプレグ200、202を組み合わせて、レイアップ602を形成することができる。同様に、他の繊維構造物を有する有孔プレプレグ200、202に対するレイアップ602を生成することができる。
【0056】
レイアップ602は更に、レイアップ602内の1枚または複数の有孔プレプレグの層間に配置された材料を含んでなることができる。1つの態様において、材木、発泡体、ハニカムを含んでなる中心のコアまたは他の構造物質をそのように配置することができる。あるいはまた、または更に、細長い強化領域を形成するように、有孔プレプレグ層間にダブラー(doubler)層を配置することができる。更に、ガス302A、302B、302Cの除去を容易にする、または損傷許容性のような機械的特性を増強するために、例えば米国特許公開第2005/0255766号に記載されたような、未含浸または部分的含浸の軽量スクリム、例えばガラス繊維、炭素、熱可塑性または他の材料の織物または不織物を、特定の場所のレイアップ602内に導入することができる。
【0057】
更なる態様において、粘着性を改善するために、マトリックス樹脂より低い粘度をもつ連続的または不連続樹脂フィルムをプレプレグ200/202および/またはレイアップ602に添加することができる。レイアップ602に対するこのような樹脂フィルムの添
加は、特にプレプレグ200、202のマトリックスが粒子またはスクリムのような添加物を含んでなる環境下で、プレプレグ200/202のレイアップ602の調製を容易にすることができる。樹脂フィルムは有孔であることができ、そして好ましくは有孔である。
【0058】
コア構造物を取り入れるレイアップ602の態様において、プレプレグの硬化期間中、プレプレグ材料にコアを接着するために、接着物質を使用することもできる。ハニカム構造物のような開放された中心コア構造物は、著しい量のガスを含むことができるので、接着層もまた、ガスの除去を容易にするために、有孔化または網状化することができる。更なる態様において、除去されるガス302A、302B、302Cに対し、実質的に妨害されない経路を提供するために、プレプレグ100、102A、接着層およびコア層中に、穿孔204A、204Bを導入することができる。
【0059】
レイアップ602は、強固化および硬化期間中、有孔プレプレグ200、202が採用するための型板の形状を提供する工具604と接して配置することができる。例えば、工具604は比較的平坦な表面、湾曲した表面およびそれらの組み合わせを含むことができる。1つの態様において、レイアップ602の面を第2の工具に隣接して成形するように、第2の工具を工具604の反対側に配置することができる。工具604および第2の工具に力をかけて、有孔プレプレグ200、202を強固化し、そして加熱して、プレス硬化システム中で有孔プレプレグ200、202を硬化させることができる。真空包装物610はこのようなプレス硬化システムに、場合により使用される。レイアップ602の外側へのマトリックス102の流出を妨げる、またはガス流動を改善するために、1個または複数のダム606を、レイアップ602の縁に隣接して配置することもできる。
【0060】
レイアップ602および工具604は更に、未含浸ガラス繊維のような通気物612とともに真空包装物610により密封することができる。1つの態様において、通気物612は表面通気のために、レイアップ602の少なくとも片方の水平面に隣接して配置することができる。他の態様において、通気物612は縁の通気のために、レイアップ602の1つまたは複数の縁に隣接して配置することができる。更なる態様において、通気物612は表面および縁の双方の通気のために配置することができる。工具604と真空包装物610の間にほぼ機密性の密封を形成するために、必要に応じてシーラントテープを更に使用することができる。
【0061】
更なる態様において、システム600からの、二次加工された複合物の取り外しを容易にするために、1面または複数の表面におけるプレプレグ200、202および通気物612の間に、分離フィルム614を導入することができる。特定の態様において、分離フィルム614はガス透過性であることができる。代わりの態様において、分離フィルム614は有孔であることができる。更なる態様において、分離フィルム614は実質的にガス不透過性であるが、除去のためにガス302A、302B、302Cがレイアップ602の縁に移動することを許すことができる。
【0062】
レイアップ602からのガス302A、302B、302Cの除去を容易にするために、通気物612を介して、真空包装物610に真空を適用することができる。レイアップ602は更に、マトリックス102の粘度を低下させ、そしてマトリックス102を流動させる圧力差を誘発するために、オートクレーブ内におけるような加圧下で、またはオーブン内におけるように圧力をかけずに加熱することができる。マトリックスの流れは空隙領域を充填し、レイアップ602からガス302A、302B、302Cを追い出すことができる。マトリックス102の粘度が強固化を容易にするのに十分に低い時に、マトリックス102は更に流動して、レイアップ内の穿孔204および他の空隙または開放容積(open volume)中に侵入することができる。
【0063】
レイアップ602の強固化および硬化の完了時に、レイアップ602は、複合物の総体積の約10容量%未満の多孔率を有することができる複合物の構成部品を形成する。
【実施例】
【0064】
以下の実施例は、開示される有孔プレプレグの態様の利点を示すために提供される。例えば、有孔プレプレグ200、202は、穿孔をもたないプレプレグに比較して、縁の通気を伴わずに有孔プレプレグ・レイアップ300、310からのガスの除去を有意に改善し、そして強固化および硬化時に、低い多孔率の複合物を生成することが認められた。更に、実施例は、レイアップ内の有孔プレプレグの層内および層間からのガス302A、302B、302Cの除去率が、穿孔をもたない匹敵するプレプレグの除去率よりも大きいことが見いだされたことを示す。これらの実施例は説明的目的のために考察され、開示された態様の範囲を限定するものと考えてはならない。
【0065】
実施例1 − オーブン中で減圧バッグのみ(VBO)の条件により部分的含浸プレプレグから二次加工された炭素繊維/エポキシ複合物
3種の炭素繊維/エポキシ複合物、試験1、2および3が減圧バッグ封入物内に密封された部分的含浸プレプレグから二次加工され、真空圧のみ(オートクレーブの圧力なし)にかけた。この加工法はまた、減圧バッグのみ(VBO)加工法とも呼ばれる。複合物の多孔率に対するそれぞれの効果を調べるために、縁の通気または密封の使用並びに穿孔の存在および不在を変えた。密封された縁をもつ有孔プレプレグ(縁の通気を伴わない)から二次加工された複合物は、穿孔をもたないプレプレグから実質的に同一の条件下で二次加工された複合物より有意に低い多孔率を示したことを認めた。更に、縁を密封された有孔プレプレグから二次加工された複合物の多孔性レベルは、縁の通気を伴う非有孔プレプレグから二次加工された匹敵する複合物とほぼ同等な多孔率を示した。
【0066】
試験1 − 縁の通気を伴う非有孔プレプレグ
試験1の炭素繊維/エポキシ複合物を、約145g/mの面積繊維重量を有するポリアクリロニトリル(PAN)基材の繊維、Thornel(登録商標) T40/800(Cytec Industries,West Paterson,NJ)を含んでなる単方向性プレプレグから二次加工した。CYCOM(登録商標)5215エポキシ樹脂(Cytec Industries,West Paterson,NJ)を含んでなるマトリックスを、プレプレグのマトリックス重量分率が約35重量%であるように部分的に含浸させた。プレプレグを約30.5cm×30.5cmのシートに裁断し、これらのシートの約30枚を(0)30レイアップに積み重ねた。縁の通気を容易にするために縁に沿って通気ひもを有するシリコーンのダムとともにレイアップをバッグに入れ、真空包装物内に入れ、そして約4時間、約20mmHg絶対圧の真空にかけた。次にレイアップを約82℃の温度に約4時間加熱することにより硬化させた。そのように形成された複合ラミネートを切断し、磨き、そして約0.1容量%未満の多孔率を有することを認めた。
【0067】
試験2 − 縁を密封された非有孔プレプレグ
試験2の炭素繊維/エポキシ複合物は、シーラントテープを使用してすべての縁を密封し、それが実質的に縁の通気を遮断した、レイアップをバッグに入れたことを除き、試験1と同様な方法で二次加工された。そのように形成された複合ラミネートを切断し、磨き、そして約5.5容量%の多孔率を有することを認めた。
【0068】
試験3 − 縁を密封された有孔プレプレグ
試験3の炭素繊維/エポキシ複合物は、プレプレグを、約6mm離して均等に配置された、鋭い先端で終結する、6mmの高さおよび土台において1mmの直径のディメンショ
ンをもつ円錐形のステルピンを含む、約18”の長さおよび4”の直径の、木材の、円筒状のピンローラーを使用して機械的に穿孔したことを除き、試験2と同様の方法で二次加工した。ピンローラーのピンはプレプレグの厚さの特定の距離だけプレプレグを貫通して穿孔を形成する。貫通の距離が大きいほど、生成される穿孔のサイズが大きい。穿孔は、貫通物の密度に応じて、所望に従い約100μm〜約1mmの孔径サイズで多様にさせることができる。プレプレグを横切るピンローラーの複数の通過は、所望に応じて、生成される穿孔の密度を増加し、他方、各穿孔の比較的一定のサイズを維持することは、約2個の穿孔/cmの穿孔密度を与える。穿孔は実質的に、各プレプレグ層の厚さを通して伸長して、約300μmの孔径の穿孔をもたらし、そしてレイアップの前にプレプレグ中に導入された。そのように形成された複合ラミネートは切断され、磨かれ、そして約0.1容量%未満の多孔率を有することが認められた。
【0069】
実施例1 − 要約
【表1】

【0070】
表1のデータは、真空圧のみを使用して非有孔プレプレグ・レイアップを二次加工する時に、縁の通気の使用が、約5.5容量%から約0.1容量%未満までの、複合物の多孔率の有意な低下を可能にしたことを示す。更に、有孔プレプレグの使用により、縁の通気の必要なしに、複合物の多孔率の同様な低下を達成することができることを認めた。
【0071】
実施例2 − オートクレーブ圧および真空を使用して部分的含浸プレプレグから二次加工された炭素繊維/エポキシ複合物
3種の炭素繊維/エポキシ複合物、試験4、5および6を、真空およびオートクレーブ圧で部分的含浸プレプレグから二次加工した。複合物の多孔率に対する各々の効果を検討するために、縁の通気および穿孔の存在および不在を変えた。縁の通気を伴わずに部分的含浸有孔プレプレグからオートクレーブ圧で二次加工された複合物は、穿孔のない部分的含浸プレプレグから実質的に同一条件下で二次加工された複合物より有意に低い多孔率を示したことを認めた。縁の通気を伴わない有孔プレプレグからオートクレーブ圧下で二次加工された複合物の多孔レベルは、縁の通気を伴う非有孔プレプレグから二次加工された匹敵する複合物とほぼ同等の多孔レベル、そして縁の通気を伴わない非有孔プレプレグより実質的に低い多孔レベルを示した。
【0072】
試験4 − 縁の通気を伴う非有孔プレプレグ
試験4の炭素繊維/エポキシ複合物を、約190g/mの面積繊維重量を有するポリアクリロニトリル(PAN)基材の繊維、HTS(Toho Tenax)を含んでなる単方向性プレプレグから二次加工した。CYCOM(登録商標)977−2エポキシ樹脂(Cytec Industries,West Paterson,NJ)を含んでなるマトリックスを、プレプレグの重量分率が約34重量%であるように部分的に含浸させた。パネルのほぼ中心において約7.6cm×7.6cm〜10.2cm×10.2cmの間のサイズにわたる複数層の積層物(build−ups)を有する、約50.8cm
×50.8cmのレイアップが形成された。レイアップは、より大型の層内に散在された更なる約20層の積層物と20層の交互の0°/90°の配向におけるプレプレグで構成された。レイアップは更に、総量で約200cmの大量の空気が積層物の近位のプレプレグの層の間に捕捉されるようにさせた。レイアップは、縁が通気物に取り付けられるように、縁に沿った通気ひもを伴うシリコーンの縁のダム606とともにバッグに入れた。レイアップは真空包装物内に入れられ、約4時間、約20mmHg絶対圧の真空にさらした。その後、レイアップを、約177℃の温度への加熱および約2時間、約100psiの圧力の適用により硬化させた。そのように形成された複合ラミネートを切断し、磨き、そしてラミネート中および層の積層領域中およびその周囲で約0.1容量%未満の多孔率を有することを認めた。
【0073】
試験5 − 縁を密封された非有孔プレプレグ
試験5の炭素繊維/エポキシ複合物を、4つの縁すべてを真空のシーラントテープで密封され、それにより縁の通気を実質的に防止されたレイアップをバッグに入れたことを除いて、試験4と同様な方法で二次加工した。層の積層領域中およびその周囲の、そのように形成された複合ラミネートの多孔率は約5容量%を超えると測定された。
【0074】
試験6 − 縁を密封された有孔プレプレグ
試験6の炭素繊維/エポキシ複合物は、実施例1に記載されたピンローラーを使用して、プレプレグをピンローラーで機械的に貫通して、約2個の穿孔/cmの穿孔密度を提供したことを除いて、真空シーラントテープで4つの縁すべてを密封された試験5と同様な方法で二次加工された。穿孔はレイアップの前に、実質的に各プレプレグ層の厚さを通って伸長した。そのように形成された複合ラミネートを切断し、磨き、そしてラミネート全体および層の積層領域中およびその周囲で約0.1容量%未満の多孔率を有することを認めた。
【0075】
実施例2 − 要約
【表2】

【0076】
まとめの表2のデータは、真空およびオートクレーブ圧を使用して非有孔プレプレグ・レイアップを二次加工する時の縁の通気物の使用が、約5容量%〜約0.1容量%未満まで、複合物の多孔率の有意な低下を可能にすることを示す。データは更に、複合物の多孔率の同様な低下が、縁の通気の必要なしに、有孔プレプレグの使用により達成され得たことを示す。
【0077】
実施例3 − オーブン中の減圧バッグのみ(VBO)の条件により完全含浸プレプレグから二次加工された炭素繊維/エポキシ複合物
2種の炭素繊維/エポキシ複合物、試験7および8を実質的に完全含浸プレプレグから二次加工した。完全含浸有孔プレプレグから真空圧のみで二次加工された複合物は、穿孔のないプレプレグから実質的に同一条件下で強固化された複合物より低い多孔率を示すこ
とを認めた。
【0078】
試験7 − 縁の通気を伴わない非有孔完全含浸プレプレグ
試験7の炭素繊維/エポキシ複合物を、約145g/mの面積繊維重量を有するThornel(登録商標)T40/800を含んでなる単方向性プレプレグから二次加工した。CYCOM(登録商標)5215エポキシ樹脂を含んでなるマトリックスを実質的に完全に含浸させ、プレプレグのマトリックスの重量分率は約35容量%であった。プレプレグは、約105℃の温度で、約1メーター/分の速度で、そして樹脂にプレプレグを実質的に完全に含浸させるような遅いライン速度を使用して含浸させた。プレプレグを約30.5cm×30.5cmのシートに裁断し、約30枚のこれらのシートを(0)30レイアップに積層させた。4つの縁すべてを真空シーラントテープで密封され、縁を密封されたレイアップの上に重ねたピンを刺したセパレーターとともにレイアップをバッグに入れた。重ねたセパレーターが縁の通気によるガスの除去を実質的に妨げ、真空のみの圧力で加工された非常に大型の、スリットテープ部分をシミュレートした。バッグに入れたレイアップを、通気物を含む真空包装物内に入れ、約4時間、約20mmHgの絶対圧の真空にかけた。次にレイアップを、約4時間、約82℃の温度に加熱することにより真空のみの圧力下で硬化させた。そのように形成された複合ラミネートを切断し、磨き、そして約5容量%の多孔率を有することを認めた。
【0079】
試験8 − 縁の通気を伴わない有孔完全含浸プレプレグ
プレプレグを実施例1に記載のピンローラーを使用して、ピンローラーで機械的に貫通して、約2個の穿孔/cmを提供したことを除いて、試験8の炭素繊維/エポキシ複合物を試験7と同様な方法で二次加工した。穿孔はレイアップ前に各プレプレグ層の厚さを実質的に貫通して伸長した。そのように形成された複合ラミネートを磨き、そして約0.1容量%の多孔率を有することを認めた。
【表3】

【0080】
まとめの表3のデータは、複合物の二次加工過程中に完全含浸有孔プレプレグ・レイアップを真空にかける工程が、非有孔プレプレグ・レイアップと比較して、約5容量%〜約0.1容量%だけ複合物の多孔率の有意な低下を可能にしたことを示す。これらの結果は、実質的に完全な含浸プレプレグ内への穿孔の導入が、プレプレグからのガスの除去を有意に高めたことを示す。大型の部分をシミュレートするために縁を密封する過程を実施した。
【0081】
以上の説明は本教示の基礎的な新規の特徴を示し、説明し、指摘してきたが、本教示の範囲から逸脱せずに、それらの使用法のみならずまた、示されたような装置の詳細の形状の様々な省略、置き換えおよび変更が、当業者により実施され得ることが理解されるであろう。その結果、本教示の範囲は以上の考察に限定されてはならず、添付の請求項によって規定されるべきである。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図2A】

【図2B】

【図3A】

【図3B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス樹脂および、マトリックス樹脂の少なくとも一部分の内部に埋封された繊維を含んでなるプレプレグ、並びに
プレプレグ中のガスの移動を可能にするために、少なくともプレプレグの一部分の内部に分布された複数の穿孔、
を含んでなる有孔プレプレグであって、
そのマトリックス樹脂がおよそ室温において寸法安定性の穿孔を形成するようになっており、そして室温より高い特定の温度で流動して、1つまたは複数の穿孔を充填することができる、有孔プレプレグ。
【請求項2】
マトリックス樹脂がおよそ室温における特定の期間にわたり、実質的に穿孔中に流入しないような粘度を有する、請求項1の有孔プレプレグ。
【請求項3】
マトリックス樹脂の粘度がおよそ室温において約1,000,000cpを超える、請求項1の有孔プレプレグ。
【請求項4】
穿孔を含む有孔プレプレグ内の空隙中へのマトリックス樹脂の流入を容易にするために、強固化および/または硬化期間中、マトリックス樹脂の粘度が約300,000cp未満である、請求項1の有孔プレプレグ。
【請求項5】
1つまたは複数の穿孔が貫通孔、穴、微細孔、割れ目、細長い孔、透き間およびそれらの組み合わせ物を含んでなる、請求項1のいずれかの有孔プレプレグ。
【請求項6】
1つまたは複数の穿孔が有孔プレプレグの厚さを通って特定の距離だけ伸長する、請求項1の有孔プレプレグ。
【請求項7】
穿孔が、20平方センチメーター当たり約1個を超える穿孔密度で有孔プレプレグ内に存在する、請求項1の有孔プレプレグ。
【請求項8】
穿孔が、1平方センチメーター当たり約2個の穿孔密度で、約100μm〜約500μmの孔径を有する、請求項1の有孔プレプレグ。
【請求項9】
有孔プレプレグが部分的に含浸されるかまたは完全に含浸される、請求項1の方法。
【請求項10】
繊維が20重量%未満の有孔プレプレグの重量分率を含んでなる、請求項1の有孔プレプレグ。
【請求項11】
マトリックス樹脂および、マトリックス樹脂の少なくとも一部分の内部に埋封された繊維を含んでなる、1種または複数の有孔プレプレグを導入し(introduce)、
熱、真空または圧力の少なくとも1つを適用して、少なくとも1種の有孔プレプレグを強固化しそして/または硬化して、複合物を形成する工程を含んでなり、
ここで、1つまたは複数の穿孔が、1種または複数の有孔プレプレグの本体内から有孔プレプレグの外面へのガスの運搬を可能にするようになっている、
繊維強化複合物を形成する方法。
【請求項12】
有孔プレプレグが部分的に含浸されるかまたは完全に含浸される、請求項11の方法。
【請求項13】
複合物の総容量に基づき10容量%未満の多孔率を有する、請求項11の方法により製造される複合物。
【請求項14】
プレプレグにエネルギーを伝達して、プレプレグの一部分に、プレプレグの厚さを通して特定の距離だけ伸長する1つまたは複数の穿孔を形成する工程、
を含んでなる、有孔プレプレグを製造する方法。
【請求項15】
エネルギーがピンプレスの形状で伝達されて、プレプレグの厚さを通して特定の距離だけ外面からプレプレグを貫通する、請求項14の方法。
【請求項16】
エネルギーが超音波圧力波の形状で伝達される、請求項14の方法。
【請求項17】
エネルギーが熱エネルギーの適用により伝達される、請求項14の方法。
【請求項18】
平均して、約1.0cmのプレプレグ当たり、少なくとも1つの穿孔が存在する、請求項14の方法。
【請求項19】
プレプレグが、20重量%未満のプレプレグの重量分率をもつ繊維を含んでなる、請求項14の有孔プレプレグを製造する方法。
【請求項20】
1種または複数の有孔プレプレグを含んでなる、有孔プレプレグ・レイアップ。
【請求項21】
有孔プレプレグ・レイアップが更に、1種または複数の、穿孔をもたないプレプレグを含んでなる、請求項20の有孔プレプレグ・レイアップ。
【請求項22】
有孔および/または穿孔をもたないプレプレグがレイアップに集成され、そして次にプレプレグ・レイアップの少なくとも一部分の内部に穿孔が導入される、請求項20の有孔プレプレグ・レイアップ。

【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−506454(P2012−506454A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532318(P2011−532318)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/061211
【国際公開番号】WO2010/048101
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(594060532)サイテク・テクノロジー・コーポレーシヨン (36)
【Fターム(参考)】