説明

改良した水素除去を伴う多峰性ポリオレフィンポリマーの製造方法

連結した第1重合反応器および第2重合反応器中で重合触媒の存在下で40〜150℃の温度および0.1〜20MPaの圧力で行う多峰性ポリオレフィンポリマーの製造方法であって、ここで、前記両反応器の上流または下流の反応器にさらに別の重合反応器を結合でき、第1重合反応器中で、水素の存在下で第1ポリオレフィンポリマーを懸濁液中で製造し、第2重合反応器中で、第1重合反応器中よりもより低い濃度の水素の存在下で第2ポリオレフィンポリマーを製造し、当該方法は、a) 第1重合反応器から水素を含む懸濁媒体中の固体ポリオレフィン粒子懸濁液を引き抜くこと;b) 第1重合反応器の圧力よりもより低い圧力のフラッシュドラムに該懸濁液を供給すること;c) 懸濁媒体の一部を気化させること;d) フラッシュドラムから水素減少懸濁液を引き抜き、該引き抜き物を第2重合反応器に供給すること;e) 該フラッシュドラムの気相から気体を引き抜き、該引き抜き物を熱交換器に供給すること;f) フラッシュドラムから引き抜いた気体の一部を濃縮すること;およびg) 該熱交換器中の得られた液体を、懸濁液が存在する点において重合プロセスに戻すことの各工程を含む方法、ならびに該方法により多峰性ポリオレフィンポリマーを製造するための装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続して結合した少なくとも2基のカスケード状態で重合触媒の存在下40〜150℃の温度および0.1〜20MPaの圧力において、懸濁状態で多峰性ポリオレフィンポリマーの製造方法に関し、懸濁液中第1重合反応器中よりも低い濃度の水素の存在下で重合を第2重合反応器中で行い、さらに、本発明は本発明にしたがう多峰性ポリオレフィンポリマーを製造するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体媒体中でオレフィンモノマーを重合する連続して結合した2基以上の懸濁重合反応器を含む懸濁重合法は長年の間知られてきた。2基以上の重合反応器のカスケードをしばしば使用する理由の一つは、重合反応器中で異なる反応条件を設定することができるからであり、それにより、例えば、分子量分布を広くすることができる。広い分子量分布を示すポリオレフィンポリマー類は、一般に、多くの用途に使用される。これらの、ポリマー類は、製品特性および加工性に利点を示すからである。このようなポリマーは、しばしば、多峰性ポリオレフィンポリマー類として一般に2峰性またはそれ以上としてデザインもされる。これらのポリマー類は、異なる反応条件下で2基以上の重合反応器のカスケードで重合されるからである。本明細書中および当業界でしばしば使用される「多峰性」という用語は、「2峰性」を含む。
【0003】
多峰性ポリオレフィンポリマーは、理論的に異なる方法で得ることができる。予め重合した異なるポリオレフィン成分の物理的ブレンドを製造できる。異なる触媒の混合物、すなわち、いわゆるハイブリッド触媒を使用することができ、これは、同じ重合反応器中で、一つの触媒粒子において少なくとも2種類の異なるタイプの重合活性サイトを持つ触媒を意味する。しかし、工業的には複数の重合反応器のカスケードでの重合が優先的に使用され、ここで、重合触媒をモノマー類と一緒に第1反応器に供給し、生成したポリマー(依然として活性重合触媒を含む)を第2重合反応器(異なる反応条件である)に移送し、ポリマー粒子中に依然として含有されるポリマー触媒を使用して重合を継続する。続く重合工程を行う1以上の次の重合反応器に移送を、勿論、続けることができる。通常、異なる重合反応器中の異なる反応条件は、異なる濃度の水素(分子量調節剤として慣用的に使用される)を使用することにより設定する。
【0004】
より高い濃度の水素の存在下でより低い分子量のポリオレフィンポリマーを製造する工程を持つ前記のようなカスケード重合プロセスを開始し、懸濁液を次の重合反応器に移送し、そこでより低い濃度の水素の存在下重合を継続するとき、水素の少なくとも一部を除去することに利点があることが分かる。
【0005】
米国特許第4,352,915号明細書は、複数段階でエチレンホモポリマーまたはエチレン−α−オレフィンコポリマーを製造するためのスラリー重合プロセスを開示し、前記複数段階では、第1段階の重合は、水素の存在下で、気相水素対エチレンのモル比が0.5〜15で行い、第2段階では、気相水素対エチレンのモル比が0.2を超えない比率を用いる。
【0006】
欧州特許出願公開EP0897934号A1公報はエチレンポリマー組成物を製造するための方法を記載し、ここで、先ず5〜1000g/10分の溶融流量MFRを示すエチレンホモポリマーを製造し、次いで、続く反応器中で、0.01〜2g/10分の溶融流量MFR5を示すエチレン/1−ヘキセンコポリマーを製造する。第1重合反応器の反応混合物から水素を除去するために、第1重合反応器から引き抜いた反応混合物を発泡工程に付し、少なくともいくらかの水素をベントするようにする。
【0007】
米国特許第6,924,340号明細書は、ポリオレフィンポリマーの製造方法に関し、ここで、水素の存在下でポリオレフィンポリマーを先のスラリー反応器中で形成し、該先の反応器からのポリマー生成物を、続く重合反応器に入れる前に、実質的に水素は含まれておらず、当該重合反応器を低水素圧力で操作し、高分子量オレフィンを生成する。水素の除去は一連の少なくとも2基のフラッシュドラムにより行う。
【0008】
第1重合反応器から引き抜いた懸濁液からの水素除去は、一般に、減圧し、懸濁媒体の一部を気化させ、それにより、懸濁媒体中の水素等のような溶解気体の濃度も減少させる。言うまでもなく、懸濁媒体の抽出成分は非常に価値があるので廃棄できない。したがって、一般に、該抽出成分をワークアップ領域に移送する。懸濁媒体の成分を精製・回収するため、懸濁重合のための重合プラントの総てがワークアップ領域を備える。このような排ガス流と組み合わせたワークアップは、例えば、WO2005/07799号公報に記載されている。
【0009】
しかし、懸濁液の抽出成分をワークアップ領域に供給することは、ワークアップ領域の追加負担となり、より大量の生成流を取り扱わなければならないので、より大きなワークアップ領域を必要とししかも当該領域を操作するのにより大きな経費も必要とする。したがって、苦労してワークアップしなければならない大量の副産物を発生させることなく、第1懸濁重合反応器から第2懸濁反応器に移送される懸濁媒体中の固体ポリオレフィン粒子の懸濁液中の水素濃度を減少させる方法を見出すことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,352,915号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開EP0897934号A1公報
【特許文献3】米国特許第6,924,340号明細書
【特許文献4】WO2005/07799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を解決し、効率的な方法で、第1懸濁重合反応器から第2懸濁重合反応器へ移送させる重合粒子懸濁液中の水素濃度を減少させる方法を見出し、それにより、ワークアップ領域中で処理しなければならない物質の量を減少させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
我々は、連結した第1重合反応器および第2重合反応器中で重合触媒の存在下で40〜150℃の温度および0.1〜20MPaの圧力で多峰性ポリオレフィンポリマーの製造方法により上記目的が達成されることを見出し、ここで、前記両反応器の上流または下流の反応器にさらに別の重合反応器を結合でき、第1重合反応器中で、水素の存在下で第1ポリオレフィンポリマーを懸濁液中で製造し、第2重合反応器中で、第1重合反応器中よりもより低い濃度の水素の存在下で第2ポリオレフィンポリマーを製造し、当該方法は、
a) 第1重合反応器から水素を含む懸濁媒体中の固体ポリオレフィン粒子懸濁液を引き抜くこと;
b) 第1重合反応器の圧力よりより低い圧力のフラッシュドラムに該懸濁液を供給すること;
c) 懸濁媒体の一部を気化させること;
d) フラッシュドラムから水素減少懸濁液を引き抜き、該引き抜き物を第2重合反応器に供給すること;
e) 該フラッシュドラムの気相から気体を引き抜き、該引き抜き物を熱交換器に供給すること;
f) フラッシュドラムから引き抜いた気体の一部を濃縮すること;および
g) 該熱交換器中の得られた液体を、懸濁液が存在する点において重合プロセスに戻すこと
の各工程を含む。
【0013】
さらに、我々は、前記重合プロセスにしたがって多峰性ポリオレフィンポリマーを製造するための装置を見出した。
【発明の効果】
【0014】
本発明の特徴および利点は下記の記載および添付の図面によりより良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1図は本発明の方法したがう第1重合反応器から第2重合反応器へポリマー懸濁物を移送するための概略図である。
【図2】第2図は本発明の方法したがう第1重合反応器から第2重合反応器へポリマー懸濁物を移送するための別の概略図である。
【符号の説明】
【0016】
1 第1重合反応器
4、12 熱交換器
7 フラッシュドラム
9 第2重合反応器
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、多峰性ポリオレフィンポリマーの製造方法を提供する。本発明では、「多峰性」という用語は、ポリオレフィンが、異なる重合条件下で得られる少なくとも2つのポリマー画分を含むことを示す。それは、本明細書中で使用する「多峰性」という用語は「2峰性」も含むことを意味する。異なる重合条件は、例えば、異なる重合反応器中で異なる水素濃度を使用することにより達成できる。
【0018】
本発明の方法により得ることのできるポリオレフィンポリマーは、オレフィンのホモポリマーまたはオレフィン類と1−オレフィン類、すなわち、末端二重結合を有する炭化水素(これらに限定されない)とのコポリマーであることができる。好適なモノマー類は、アリール−置換1−オレフィン類を含む、非極性オレフィン化合物類である。特に好適な1−オレフィン類は、線状または分岐状C−C12−1−アルケン類、特に、線状C−C10−1−アルケン類、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンまたは分岐状C−C10−1−アルケン類、例えば、4−メチル−1−ペンテン、共役もしくは非共役ジエン類、例えば、1,3−ブタジエン、1,4−ヘキサジエンもしくは1,7−オクタジエンまたはビニル芳香族化合物、例えば、スチレンもしくは置換スチレンである。種々の1−オレフィン類の混合物を重合することもできる。適切なオレフィン類は、二重結合が1以上の環系を有することができる環状構造の一部であるオレフィン類も含む。それらの例は、シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロドデセンもしくはメチルノルボルネンまたはジエン類、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ノルボルナジエンもしくはエチルノルボルナジエン等である。2種類以上のオレフィン類の混合物を重合することもさらに可能である。
【0019】
本発明の方法は、特に、エチレンやプロピレンの単独重合または共重合のために使用できる。エチレン重合のコモノマー類として、好適なものは、40wt%までのC−C−1−アルケン類、特に、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンおよび/または1−オクテン等である。プロピレン重合の好適なコモノマー類は40wt%までのエチレンおよび/またはブテンである。エチレンを20wt%までの1−ヘキセンおよび/または1−ブテンと共重合させる方法が特に好適である。
【0020】
本発明の方法は、40〜150℃、好ましくは、50〜130℃および特に好ましくは60〜90℃の範囲の温度、そして0.1〜20MPa、および特に好ましくは0.3〜5MPaの圧力下で産業的に公知の総ての懸濁重合プロセスを使用して行うことができる。この種のプロセスは、一般に、当業者に知られている。
【0021】
重合は、慣用オレフィン重合触媒総てを使用して行うことができる。それは、当該重合を、酸化クロムに基づくフィリップス触媒を使用して、チタン系チグラー触媒を使用してもしくはチグラー・ナッタ触媒を使用して、あるいはシングルサイト触媒を使用して行うことができることを意味する。本発明の目的のため、シングルサイト触媒は、化学的に均一な遷移金属配位化合物に基づく触媒である。特に適切なシングルサイト触媒は、嵩高いσ−もしくはπ−結合有機リガンドを含む触媒、例えば、モノ−Cp錯体、に基づく触媒、ビス−Cp錯体に基づく触媒(メタロセン触媒として慣用的に称される)、または後遷移金属錯体、特に鉄−ビスマス錯体、に基づく触媒である。さらに、オレフィン類の重合のための2種以上のこれらの触媒の混合物も使用することができる。このような混合触媒は、しばしば、ハイブリッド触媒として称される。これらのオレフィン重合用触媒の製造および使用は一般的に知られている。
【0022】
好適な触媒はチグラータイプの触媒であり、チタンまたはバナジウムの化合物、マグネシウムの化合物および場合により担体として粒状無機酸化物を含む。
チタン化合物として、三価もしくは四価チタンのハロゲン化物またはアルコキシドから一般的に製造されるものを使用し、チタンアルコキシハロゲン化合物または種々のチタン化合物の混合物も可能である。適切なチタン化合物の例は、TiBr3、TiBr4、TiCl3、TiCl4、Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC2H5)Cl3、Ti(O-i-C3H7)Cl3、Ti(O-n-C4H9)Cl3、Ti(OC2H5)Br3、Ti(O-n-C4H9)Br3、Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC2H5)2Cl2、Ti(O-n-C4H9)2Cl2、Ti(OC2H5)2Br2、Ti(OCH3)3Cl、Ti(OC2H5)3Cl、Ti(O-n-C4H9)3Cl、Ti(OC2H5)3Br、Ti(OCH3)4、Ti(OC2H5)4またはTi(O-n-C4H9)4である。ハロゲンとして塩素を含むチタン化合物を使用するのが好ましい。チタンに加えてハロゲンのみを含むハロゲン化チタンも同様に好ましく、これらのうち、特に塩化チタン、特に四塩化チタンが好ましい。バナジウム化合物のうち、ハロゲン化バナジウム、バナジウムオキシハライド、バナジウムアルコキシドおよびバナジウムアセチルアセトネートからなるものを特に挙げることができる。酸化状態が3〜5のバナジウム化合物が好適である。
【0023】
固体成分の製造では、マグネシウムの少なくとも1種を、好ましくは、追加的に使用する。この種の適切な化合物は、ハロゲン含有マグネシウム化合物、例えば、ハロゲン化マグネシウムであり、特に塩化物もしくはヨウ化物であり、ハロゲン化マグネシウムは慣用的な方法、例えば、ハロゲン化剤との反応によるような慣用的な方法により得ることができる。この目的のため、ハロゲンは塩素、臭素、沃素または弗素、あるいは2種以上のハロゲンの混合物であり、塩素もしくは臭素が好適であり、特に、塩素が好ましい。
【0024】
可能なハロゲン含有マグネシウム化合物は、特に、塩化マグネシウムまたは臭化マグネシウムである。ハロゲン化物を得ることができるマグネシウム化合物は、例えば、マグネシウムアルキル類、マグネシウムアリール類、マグネシウムアルコキシ化合物もしくはマグネシウムアリールオキシ化合物またはグリニヤール化合物である。適切なハロゲン化剤は、例えば、ハロゲン類、ハロゲン化水素、SiClまたはCClであり、好ましくは、塩素または塩化水素である。
【0025】
適切な、マグネシウムのハロゲンを含有しない化合物の例は、ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−sec−ブチルマグネシウム、ジ−tert−ブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、n−ブチルエチルマグネシウム、n−ブチル−sec−ブチルマグネシウム、n−ブチルオクチルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジ−n−プロピルオキシマグネシウム、ジイソプロピルオキシマグネシウム、ジ−n−ブチルオキシマグネシウム、ジ−sec−ブチルオキシマグネシウム、ジ−tert−ブチルオキシマグネシウム、ジアミルオキシマグネシウム、n−ブチルオキシエトキシマグネシウム、n−ブチルオキシ−sec−ブチルオキシマグネシウム、n−ブチルオキシオクチルオキシマグネシウムおよびジフェンオキシマグネシウムである。これらのうち、n−ブチルエチルマグネシウムまたはn−ブチルオクチルマグネシウムを使用するのが好ましい。
【0026】
グリニヤール化合物の例は、塩化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、沃化エチルマグネシウム、塩化n−プロピルマグネシウム、臭化n−プロピルマグネシウム、塩化n−ブチルマグネシウム、臭化n−ブチルマグネシウム、塩化sec−ブチルマグネシウム、臭化sec−ブチルマグネシウム、塩化tert−ブチルマグネシウム、臭化tert−ブチルマグネシウム、塩化ヘキシルマグネシウム、塩化オクチルマグネシウム、塩化アミルマグネシウム、塩化イソアミルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウムおよび臭化フェニルマグネシウムである。
【0027】
粒状固体を製造するためのマグネシウム化合物として、二塩化マグネシウムまたは二臭化マグネシウムは別として、ジ−(C−C10−アルキル)マグネシウム化合物を使用するのが好ましい。好ましくは、チグラー・ナッタ触媒は、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロミウムから選択される遷移金属を含む。
【0028】
チグラータイプの触媒は、通常、助触媒の存在下で重合される。好適な触媒は、元素の周期律表の、1、2、12、13または14族の金属からなる有機金属化合物であり、特に、13族の金属からなる有機金属化合物であり、とりわけ、有機アルミニウム化合物である。好適な助触媒は、例えば、有機金属アルキル類、有機金属アルコキシド類、または有機金属ハライド類等である。
【0029】
好適な有機金属化合物は、リチウムアルキル類、マグネシウムもしくは亜鉛アルキル類、マグネシウムアルキルハライド類、アルミニウムアルキル類、シリコンアルキル類、シリコンアルコキシド類およびシリコンアルキルハライド類を含む。より好ましくは、有機金属化合物類は、アルミニウムアルキル類およびマグネシウムアルキル類を含む。さらにより好ましくは、有機金属化合物はアルミニウムアルキル類を含み、好ましくは、トリアルキルアルミニウム化合物類である。好ましくは、アルミニウムアルキル類は、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−イソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム等を含む。
【0030】
本発明の方法は、連結した少なくとも2基の重合反応器のカスケードで行う。これらの反応器は、いずれかの特定の設計に限定されないが、しかし、好ましくは、これらの反応器はループ反応器または撹拌タンク反応器である。本発明の方法は、第1および第2重合反応器からなる2基の反応器からなるカスケードでのみ行うことが可能であるが、しかし、これらの反応器の上流もしくは下流にまたは上流および下流に別の反応器を結合することも可能である。好ましくは、該別の反応器が、拡張したカスケードをもたらす、連続して結合もする。好ましくは、該別の反応器は、前記2基の反応器の下流に加える。別の反応器の数に制限はないが、しかし、2基以下であり、より好ましくは、1基のみの別の反応器を加える。
【0031】
第1および第2重合反応器のカスケードに該別の重合反応器を加える場合、これらの別の反応器は、懸濁重合反応器のみならず、気相重合のようなその他の低圧重合反応法にも利用できる。好ましくは、該別の重合反応器は懸濁重合反応器であり、特に、該2基の反応器のカスケードに使用した懸濁重合反応器と同じ型式の反応器であるか、水平もしくは垂直撹拌気相反応器のような気相反応器、流動床気相反応器または多領域循環反応器であり、当該循環反応器では、2つの重合領域が互いに結合され、重合が交互に複数回これらの2領域を行き来する。
【0032】
本発明の少なくとも2基の重合反応器中の重合は、懸濁媒体中において懸濁状態で行う。ここで、懸濁重合は、重合が媒体中で行われ、媒体は重合反応器中の条件下液状または超臨界状態であり、生成したポリオレフィンが不溶性であり、当該媒体中で固体粒子を形成する重合を意味する。懸濁液の固形分は、一般に、10〜80wt%の範囲、好ましくは20〜40wt%の範囲である。
【0033】
液体または懸濁液の超臨界相を形成する、懸濁媒体は、主要成分として、稀釈剤を含むが、溶解したモノマーまたは、例えば、溶解水素のような別の成分もさらに含む。適切な稀釈剤は不活性である、すなわち、反応条件下で分解しない。好適な稀釈剤は、3〜12個の炭素原子を有する炭化水素であり、特に、イソブタン、ブタン、プロパン、イソペンタンやヘキサンのような飽和炭化水素、またはこれらの混合物である(ディーゼル油としても知られている)。稀釈剤として、プロピレンのようなそれ自身モノマーのような不飽和炭化水素も使用できる。本発明の好適な実施態様では、稀釈剤は、使用するモノマーやコモノマーと有意に異なる沸点を示し、蒸留によりこれらの出発物質を生成混合物から回収できるようにする。
【0034】
各重合反応器中で生成するポリオレフィンの分子量を制御するために、水素を本発明の方法で使用し、第1重合反応器中の水素濃度は、第2重合反応器中の水素濃度よりも高い。したがって、通常、第2重合反応器中で調製されるポリオレフィンの分子量は第1重合反応器中の分子量よりも高い。
【0035】
第1重合反応器中の圧力は、好ましくは0.1〜5MPaであり、特に、0.3〜1.5MPaであり、温度は50〜130℃、特に60〜90℃である。
より高い水素濃度の第1重合反応器からより低い水素濃度の第2重合反応器に懸濁液を移送するために、懸濁液を第1重合反応器から引き抜き、いわゆるフラッシュドラムに供給する。
【0036】
第1重合反応器およびフラッシュドラム間の圧力差のため、通常、懸濁液を移送するためのポンプを使用する必要はない。懸濁液を、重合反応器から直接引き抜くことができる。ループ反応器の場合、調整脚(setting leg)から懸濁液を引き抜くことも可能である。さらに、反応器が冷却サイクルを備えている場合、冷却サイクル(好ましくは、フラッシュドラムへの移送を促進する循環ポンプ後)から懸濁液を引き抜くのが好適である。このような場合、引き抜き点は、熱交換器後に配置できる。次いで、第1重合反応器中の温度よりも低い温度の懸濁液をフラッシュドラムに供給するが、懸濁媒体の成分を気化させる量を制限する。より好適な引き抜き点を、熱交換器前に配置する。次いで、懸濁液をフラッシュドラムに供給し、第1重合反応器中の懸濁液の温度と本質的に同じ温度であり、水素を駆逐することを含む気化する物質の量は増加する。
【0037】
フラッシュドラムは、一般に、第1重合反応器の圧力よりも低い圧力で操作する容器である。結果として、懸濁媒体はフラッシュドラム中で沸騰を開始し、その一部が気化する。稀釈剤の気化に加えて、懸濁液中に溶解した気体も気相に放逐される。したがって、フラッシュドラム中の懸濁液中の水素濃度が第1重合反応器中の懸濁液中の水素濃度よりも低い。フラッシュドラムは、一般に、懸濁液を部分的に充填操作できる量を有し、残りの部分は懸濁液から逃げる気体混合物により占められる。フラッシュドラムは、攪拌機が存在しても存在しなくても操作できる。フラッシュドラム内の温度に影響を与えるためにフラッシュドラムを冷却したり加熱したりするためのジャケットをフラッシュドラムに備えることも可能である。本発明の目的のために、組み合わせたフラッシュドラムとして2個以上の一連の容器を使用することも可能である。
【0038】
好ましくは、フラッシュドラムの圧力は0.1〜1MPaであり、特に、0.1〜0.5MPaであり、温度は50〜90℃である。
フラッシュドラム中のポリマー懸濁液は、フラッシュドラムに供給される懸濁液に関して水素の減少があるが、フラッシュドラムから引き抜かれ、第2重合反応器に供給される。これは、好ましくは、移送ポンプにより行われる。好ましくは、第2重合反応器中の圧力は0.1〜5MPaであり、特に0.2〜1.2MPaであり、温度は50〜130℃、特に、60〜90℃である。
【0039】
フラッシュドラム中の気相の気体をフラッシュドラムから引き抜き、熱交換器に供給し、ここで、気体の一部を濃縮し、濃縮しない残部を、好ましくは、懸濁媒体の成分を回収するための重合プラントのワークアップ領域、特に、モノマー回収ユニットに直接供給する。どのような熱交換器でも使用できるが、しかし、好ましくは、熱交換器はシェルエンドチューブ熱交換器である。冷却媒体、例えば、冷却装置の冷却水または冷却媒体であり得るが、その温度は、好ましくは、−20℃〜40℃の範囲であるように選択する。
【0040】
本発明方法の熱交換器は、一連の2基以上の熱交換器、特に、2基の熱交換器として設計もされ、ここで、フラッシュドラムからの気体の一部の引き抜きは(第1熱交換器中で濃縮されない)、さらに別の熱交換器に供給され、ここで、該気体の別の一部が濃縮される。このような一連の熱交換器を使用する場合、1基以上の最初の熱交換器は、好ましくは、20〜40℃の範囲の温度の冷却水により、好ましくは、冷却し、続く1基以上の熱交換器を、好ましくは、−20〜5℃の範囲の温度の冷却媒を使用する、冷却装置により、好ましくは、冷却する。一連の熱交換器を使用する場合、熱交換器中で得られる液体と合わせてから、懸濁液に戻すのが好ましい。
【0041】
熱交換器中で得られる液体を、懸濁液が存在する点で重合プロセスに戻す、すなわち、重合プラントのワークアップ領域を通過することなく、懸濁媒体中の固体ポリオレフィン粒子の懸濁液に戻す。原則として、一連の反応器の総ての位置に戻すことができる。それは、例えば、いずれかの重合反応器であることができるか、重合反応器間の導管またはフラッシュドラムであることができる。好ましくは、熱交換器中で得られる液体を、第2重合反応器、第1および第2重合反応器間に配置されたフラッシュドラムに、またはフラッシュドラムの上流に配置された重合反応器に供給する。熱交換器中で得られた液体を懸濁液に戻すことにより、モノマー回収領域中で処理されるのに必要な物質の量を減少させることができる。これは、エネルギーの節約および結果として操作中の経費の節約ばかりでなく、小規模のワークアップ領域に設計することもでき、資本投下経費に関して利点がある。熱交換器中で得られる液体を重合反応器に戻すことは、好ましくは、移送ポンプにより行う。
【0042】
本発明の好適な実施態様では、熱交換器中で得られる液体を、フラッシュドラムの上流に配置されている重合反応器に、特に、重合反応器のカスケードの第1反応器に戻し、それは、重合触媒が供給されている反応器に戻されることを意味する。好ましくは、重合反応器のカスケードのこの第1反応器は、連結した2基の重合反応器の第1重合反応器でもあり、それは、プロセスがより水素濃度の高い一つの反応器のみで行い、それからフラッシュドラム中の水素を除去することを意味する。フラッシュドラムに、または第2重合反応器に、または第2重合反応器の下流の重合反応器に、液体を供給することに関して、この配置はさらに利点を与える。熱交換器中における濃縮は水素の存在下で起こるので、熱交換器中で得られる液体は、水素で飽和されている。この液体が上流反応器に供給されたら、ここで、生成するポリオレフィンの分子量を制御するために水素が必要であり、第1反応器に供給しようとするのに必要とされる水素量を減少させることができ、もっと重要なことは、フラッシュドラムまたは第2重合反応器への水素の戻りはない。第2重合反応器に対する水素の避けることができない供給が減少し、したがって、反応器中のより低い水素濃度が達成可能である。さらに、熱交換器中で得られる液体が供給される反応器が、重合反応器のカスケードの第1反応器である場合、懸濁液を調製するために第1反応器に供給しようとするのに必要な稀釈剤の量は、熱交換器中で得られる液体が新たな稀釈剤の一部と置き換えることができるので、顕著に減少させることができる。
【0043】
さらに、熱交換器中で得られる液体の一部のみをフラッシュドラムの上流に配置された重合反応器に戻すことが可能であり、一方、液体の残部は、例えば、フラッシュドラムに供給する。このような配置の理由は、フラッシュドラム中の懸濁液の濃縮を制限できるからである。
【0044】
本発明の方法を行うことにより、懸濁液は、フラッシュドラム中の水素の減少のみならず稀釈剤の減少もされる。懸濁媒体の総ての気化成分が熱交換器中で濃縮されることはなく、フラッシュドラムに戻り得るからである。結論すると、フラッシュドラム中の懸濁液の固体ポリオレフィン粒子の濃度は、第1反応器中のポリオレフィン粒子の濃度よりも高い。このような懸濁液中の固体ポリオレフィン粒子の濃度の増加は、熱交換器からの液体が重合反応器に戻る場合、さらに明らかとなる。フラッシュドラムの上流位置に液体を供給する場合のこの濃度の増加のバランスを取るために、生成した固体ポリオレフィン粒子および懸濁媒体が、例えば、ハイドロサイクロンにより分離されるとき、重合プロセスの終点で懸濁液のワークアップ中でごく普通に得られる、懸濁媒体を第2重合反応器に供給するのが好ましい。
【実施例】
【0045】
本発明のプロセスを実行するのに種々の可能性がある。図1は、本発明のプロセスにしたがい、第1反応器から第2反応器に懸濁液を移送するために実行可能のスキームを示す。第1重合反応器(1)の懸濁液中のオレフィン類を重合するための反応混合物の成分を、1本以上の供給ライン(2)により、該反応器に供給する。懸濁液は、ポンプ(5)により少なくとも1基の熱交換器(4)を含む冷却サイクル(3)中で循環する。第1重合反応器の懸濁液を、熱交換器(4)を通過後冷却サイクルから引き抜き、移送ライン(6)よりフラッシュドラム(7)に供給する。水素を減少させた懸濁液をフラッシュドラム(7)から引き抜き、ポンプ(10)により移送ライン(8)を経て第2重合反応器(9)へ供給する。フラッシュドラム(7)から気体を引き抜き、移送ライン(11)を経て熱交換器(12)へ供給する。熱交換器(12)に供給される気体の一部を濃縮し、移送ライン(13)を経てフラッシュドラム(7)に液体として戻す。濃縮されていない、熱交換器12に供給される気体の残りの一部を、移送ライン(14)を経て重合プラントのワークアップ領域(図示せず)に供給する。
【0046】
本発明のプロセスにしたがう、第1重合反応器から懸濁液を第2重合反応器に移送するための好適な配置のスキームを図2に示す。
第1反応器から第2反応器に懸濁液を移送するために実行可能のスキームを示す。第1重合反応器(1)の懸濁液中のオレフィン類を重合するための反応混合物の成分を、1本以上の供給ライン(2)により、該反応器に供給する。懸濁液は、ポンプ(5)により少なくとも1基の熱交換器(4)を含む冷却サイクル(3)中で循環する。第1重合反応器の懸濁液が熱交換器(4)を通過前冷却サイクルから引き抜き、移送ライン(6)よりフラッシュドラム(7)に供給する。水素を減少させた懸濁液をフラッシュドラム(7)から引き抜き、ポンプ(10)により移送ライン(8)を経て第2重合反応器(9)へ供給する。フラッシュドラム(7)から気体を引き抜き、移送ライン(11)を経て熱交換器(12)へ供給する。熱交換器(12)に供給される気体の一部を濃縮し、ポンプ15により、移送ライン(13)を経て重合反応器(1)に液体として戻す。濃縮されていない、熱交換器(12)に供給される気体の残りの一部を、移送ライン(14)を経て重合プラントのワークアップ領域(図示せず)に供給する。
【0047】
本発明は、さらに多峰性ポリオレフィンポリマーを製造するための装置に関し、当該装置は、
a) 懸濁状態でオレフィンを重合するように設計された第1重合反応器;
b) 第1重合反応器の下流フラッシュドラム;
c) フラッシュドラム下流の懸濁液中でオレフィンを重合するように設計された第2重合反応器;
d) フラッシュドラムから熱交換器へ気体を移送するための導管によりフラッシュドラムに結合された、気体を濃縮するように設計された該熱交換器;および
e) 懸濁液が存在する装置の位置に熱交換器中で得られる液体を戻すために熱交換器に結合された導管
を含む。
【0048】
フラッシュドラムは、好ましくは、第1重合反応器からフラッシュドラムへ懸濁液を移送するための導管により第1重合反応器に結合され、第2重合反応器は、好ましくは、フラッシュドラムから第2重合反応器へ懸濁液を移送するための導管によりフラッシュドラムに結合される。熱交換器中で得られる液体を戻すための導管は、好ましくは、熱交換器およびフラッシュドラムまたは熱交換器およびフラッシュドラムの上流重合反応器と結合する。
【0049】
本発明の装置の最も好適な実施態様では、熱交換器中で得られる液体を戻すための導管は熱交換器および第1重合反応器と結合する。
本発明装置の別の好適態様では、第1重合反応器は熱交換器を含む冷却サイクルを備え、第1重合反応器からフラッシュドラムへ懸濁液を移送するための導管は、冷却サイクルに結合され、好ましくは、循環懸濁液は熱交換器をまだ通過していない点で結合される。
【0050】
本発明装置の別の好適実施態様では、気体を濃縮するように設計された熱交換器は、気体を移送するための導管により互いに結合された一連の2基以上の熱交換器である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結した第1重合反応器および第2重合反応器中で重合触媒の存在下で40〜150℃の温度および0.1〜20MPaの圧力で行う多峰性ポリオレフィンポリマーの製造方法であって、ここで、前記両反応器の上流または下流反応器にさらに別の重合反応器を結合でき、第1重合反応器中で、水素の存在下で第1ポリオレフィンポリマーを懸濁液中で製造し、第2重合反応器中で、第1重合反応器中よりもより低い濃度の水素の存在下で第2ポリオレフィンポリマーを製造し、当該方法は、
a) 第1重合反応器から水素を含む懸濁媒体中の固体ポリオレフィン粒子懸濁液を引き抜くこと;
b) 第1重合反応器の圧力よりもより低い圧力のフラッシュドラムに該懸濁液を供給すること;
c) 懸濁媒体の一部を気化させること;
d) フラッシュドラムから水素減少懸濁液を引き抜き、該引き抜き物を第2重合反応器に供給すること;
e) 該フラッシュドラムの気相から気体を引き抜き、該引き抜き物を熱交換器に供給すること;
f) フラッシュドラムから引き抜いた気体の一部を濃縮すること;および
g) 該熱交換器中で得られた液体を、懸濁液が存在する点において重合プロセスに戻すこと
の各工程を含む、上記多峰性ポリオレフィンポリマーの製造方法
【請求項2】
前記熱交換器中で得られた液体を、第1反応器および第2反応器間に配置したフラッシュドラムに戻す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱交換器中で得られた液体を、フラッシュドラムの上流に配置した重合反応器に戻す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記熱交換器中で得られた液体を、第1重合反応器に戻す、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1重合反応器が、熱交換器を含む冷却サイクルを備え、前記懸濁液を冷却サイクルから引き抜く、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記懸濁液を、熱交換器に通過させる前に冷却サイクルから引き抜く、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記熱交換器が、一連の2基以上の熱交換器であり、フラッシュドラムから引き抜く気体の一部を、第1熱交換器において濃縮しないで、別の熱交換器に供給し、そこで、気体の別の一部を濃縮する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記重合プロセスの終点における懸濁液のワークアップにおいて懸濁媒体および固体ポリオレフィン粒子を分離することにより得られる、懸濁媒体を第2重合反応器に供給する、請求項3〜7に記載の方法。
【請求項9】
多峰性ポリオレフィンポリマーを製造するための装置であって、当該装置は、
a) 懸濁液中でオレフィンを重合するように設計された第1重合反応器;
b) 第1重合反応器の下流フラッシュドラム;
c) フラッシュドラム下流の懸濁液中でオレフィンを重合するように設計された第2重合反応器;
d) フラッシュドラムから熱交換器へ気体を移送するための導管によりフラッシュドラムに結合された、気体を濃縮するように設計された該熱交換器;および
e) 懸濁液が存在する装置の位置に熱交換器中で得られる液体を戻すために熱交換器に結合された導管
を含む、上記装置。
【請求項10】
熱交換器中で得られる液体を戻すための導管が熱交換器およびフラッシュドラムを結合する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
熱交換器中で得られる液体を戻すための導管が熱交換器およびフラッシュドラムの上流重合反応器を結合する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
熱交換器中で得られる液体を戻すための導管が熱交換器および第1重合反応器を結合する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1重合反応器が、熱交換器を含む冷却サイクルを備え、該第1重合反応器からフラッシュドラムに懸濁液を移送するための導管を冷却サイクルに結合する、請求項9〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
循環する懸濁液が未だ熱交換器を通過していない点で導管を結合する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
気体を濃縮するように設計された熱交換器が、気体を移送するための導管により互いに結合される一連の2以上の熱交換器である、請求項9〜14のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−515107(P2013−515107A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545147(P2012−545147)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007785
【国際公開番号】WO2011/076371
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(500289758)バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー (118)
【Fターム(参考)】