説明

改良型のプラズモンカップリング装置

【課題】新規なナノ粒子プラズモン装置、及びその製造方法の提供。
【解決手段】第1の構造と、2つ以上の導電性ナノ粒子を含む第2の構造を含んでなるプラズモンカップリング装置。詳細には、各ナノ粒子は細長い構造を有し、その長軸が当該第1の構造に対して実質的に垂直な方向を向いた状態で当該第1の構造に接着している。また、プラズモンカップリング装置の製造方法。詳細には当該方法は、第1の構造を形成するステップと、当該第1の構造の表面上に、2つ以上の穿孔を有する絶縁材料を形成することによって、2つ以上の導電性ナノ粒子を含んでなる第2の構造を形成するステップと、少なくとも2つの当該穿孔内にナノ粒子を形成させるステップを含んでなり、それらの各ナノ粒子は細長い形状を有し、その長軸が、当該第1の構造に対して実質的に垂直となる態様で配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良型のプラズモンカップリング装置の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズモン装置(例えば導波管、センサー、トランジスタ及びレーザー)が、様々な用途に広く用いられている。かかる構成要素は、一箇所に集積することが通常望ましい。高集積プラズモン装置(ナノスケールレベルで放射線のガイド及び操作を可能にする)は放射線の波長より小さい構成要素を必要とし、それはnm単位のスケールでの分離度により設計される。かかる装置の設計のための1つのアプローチとしては、ナノスケールの粒子(又はナノ粒子)を使用して装置を作製し、局在化表層プラズモン(LSP)を使用して装置中に放射線を分配させることが挙げられる。LSPはミー共鳴に対応し、それは、ナノ粒子のサイズ及び形状、並びにナノ粒子の材料の特性により決定される波長でナノ粒子を照射することにより励起させることができる。かかるナノ粒子を含んでなるプラズモン装置においては、ナノ粒子間の近接場での電磁的相互作用の存在により、局在化表層プラズモンは装置に沿って非局在化される。この相互作用により、電磁エネルギーが装置中のナノ粒子間で能率的に交換され、ゆえに、例えば放射の際、装置の一端から他の端への伝播が可能となる。この伝播は、顕著なベンディングロスを生じさせずに実現されうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかるナノ粒子プラズモン装置を応用することにより、新規かつユニークなアイテムが得られる。ナノ粒子プラズモン装置においては、当該近接場相互作用は短い距離(数nmから数十nmが典型的)でのみ生じるため、高密度でのデバイス統合化が行われた場合、装置内で生じうる突然の方向変化に影響されない。近年では、近接場相互作用による放射線のナノスケール操作の維持に適している装置アーキテクチャを実現すべく、多くの努力がなされている。しかしながら、かかる装置はナノ粒子間でしばしば低い近接場カップリング効率を示すため、低い放射線の透過度が低くなる。またかかる装置の加工技術は高コストであることも知られており、ゆえにこの技術の適用性及び広範囲での応用は制限されたままである。ゆえに、ナノ粒子プラズモン装置の設計改良が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様は、第1の構造と、2つ以上の導電性ナノ粒子を含む第2の構造を含んでなるプラズモンカップリング装置の提供に関する。詳細には、各ナノ粒子は細長い構造を有し、その長軸が当該第1の構造に対して実質的に垂直な方向を向いた状態で当該第1の構造に接着している。
【0005】
かかるナノ粒子を含んでなるプラズモンカップリング装置において、装置上で放射が起こることにより、ナノ粒子中で局在化表層プラズモンが生じる。2つ以上のナノ粒子間の、又はアセンブリの1つ以上のナノ粒子とアセンブリ近傍との間の近接場電磁相互作用のために、装置全体にわたり局在化表層プラズモンが非局在化されうる。この相互作用により、電磁エネルギー及び放射線が、ナノ粒子間、又は1つ以上のナノ粒子のアセンブリ間において能率的にカップリングされる。
【0006】
上記のナノ粒子の配向及び形状により、現在実施されているジオメトリと比較し、以下の効果が得られる。それらの細長い形状により、ナノ粒子の長軸方向に沿って分極したフィールドに対する感度が強化され、それにより個々のナノ粒子の散在断面が増加する。ゆえに、当該ナノ粒子の使用によりナノスケールでの電磁アンテナが効率的に得られる。プラズモン装置におけるプラズモンのダンピングは、第1の構造に対して垂直な上記ナノ粒子の配向のため減少し、ナノ粒子と第1の構造との強い相互作用が防止される。ナノ粒子のサイズ(直径及び長さ)分布は数%のオーダーであり、隣接するナノ粒子間における効率的なカップリングを可能にする。ナノ粒子のサイズ(直径及び長さ)は調整可能であり、それにより、プラズモン装置の光学的性質の微調整も可能となる。
【0007】
少なくとも一部のナノ粒子は、約2nm〜約500nm、例えば約10nm〜約100nmの幅を有してもよい。少なくとも一部のナノ粒子は、約2μm〜約50nm、例えば約50nm〜約500nmの長さを有してもよい。
【0008】
少なくとも一部のナノ粒子は、金属材料(例えば銀、金、アルミニウム、プラチナ、銅又はそれらの任意の組み合わせ)を含有してもよい。
【0009】
少なくとも一部のナノ粒子は、第1の構造に接触して、第1の構造との電気的接触部を構成する、第1端部を有してもよい。
【0010】
少なくとも一部のナノ粒子は、導線を有してもよい。少なくとも一部の導線は、実質的に円筒状の形状を有してもよい。少なくとも一部の導線は、実質的に円錐の形状を有してもよい。少なくとも一部の導線は、2つ以上の側面を有する形状を有してもよい。少なくとも一部の導線は、実質的に中実でもよい。少なくとも一部の導線は、実質的に中空でもよい。
【0011】
プラズモンカップリング装置は、1〜数十個のナノ粒子を含有してもよい。
【0012】
装置中のナノ粒子の、ナノ粒子−ナノ粒子間の距離は、約2nm〜約1500nm、例えば約20nm〜約500nmであってもよい。ナノ粒子−ナノ粒子間の距離は、約20nm〜約1.5μmのスケールで、周期的に変動してもよい。ナノ粒子−ナノ粒子間の距離は、約20nm〜約1500nmのスケールで、準(quasi−)周期的に変動してもよい。
【0013】
装置中のナノ粒子は、ナノ粒子の所望のパターンで構成されてもよい。当該ナノ粒子は、ナノ粒子の少なくとも一次元パターンで構成されてもよい。例えば、当該ナノ粒子の一次元パターンは、一連のナノ粒子から構成されてもよい。当該ナノ粒子は、ナノ粒子の少なくとも1つの二次元パターンで構成されてもよい。当該ナノ粒子は、ナノ粒子の少なくとも1つの準周期的、六角形状の二次元パターンを有してもよい。当該ナノ粒子のパターンは、nmスケールの周期を有してもよい。当該ナノ粒子のパターンは、μmスケールの周期を有してもよい。
【0014】
当該プラズモンカップリング装置は、電極を有してもよい。当該電極は、1つ以上のナノ粒子によるパターンを有してもよい。
【0015】
上記第2の構造は、各々1つ以上の導電性ナノ粒子を含んでなる2つ以上のアセンブリから構成されてもよい。
【0016】
1つ以上のナノ粒子を含んでなるアセンブリの少なくとも一部は、1から数十個のナノ粒子を含んでなってもよい。
【0017】
1つ以上のナノ粒子を含んでなるアセンブリの少なくとも一部は、複数のナノ粒子を含有してもよい。複数のナノ粒子を含んでなるアセンブリの少なくとも一部は、約2nm〜約1500nm、例えば約20nm〜約500nmのナノ粒子−ナノ粒子間距離を有してもよい。当該ナノ粒子−ナノ粒子間距離は、約20nm〜約1.5μmのスケールで周期的であってもよい。当該ナノ粒子−ナノ粒子間距離は、約20nm〜約1500nmのスケールで準周期的であってもよい。
【0018】
複数のナノ粒子を含んでなるアセンブリの少なくとも一部は、所望のナノ粒子のパターンを有してもよい。複数のナノ粒子を含んでなるアセンブリの少なくとも一部は、少なくとも1つのナノ粒子の一次元パターンを有してもよい。複数のナノ粒子を含んでなるアセンブリの少なくとも一部は、少なくとも1つのナノ粒子の二次元パターンを有してもよい。複数のナノ粒子を含んでなるアセンブリの少なくとも一部は、少なくとも1つの準周期的な、六角形状の、ナノ粒子の二次元パターンを有してもよい。当該ナノ粒子のパターンは、nmスケールの周期を有してもよい。当該ナノ粒子のパターンは、μmスケールの周期を有してもよい。
【0019】
上記のプラズモンカップリング装置は、1つ以上のナノ粒子を含んでなる複数のアセンブリを含んでなってもよく、それらのアセンブリの少なくとも一部は、約50nm〜約1.5μmで隔離されてもよい。当該アセンブリは、周期的な分離距離を有してもよい。当該アセンブリは、準周期的な分離距離を有してもよい。
【0020】
上記のプラズモンカップリング装置では、1つ以上のナノ粒子を含んでなるアセンブリを適宜組み合わせて構成してもよい。当該プラズモンカップリング装置では、1つ以上のナノ粒子を含んでなるアセンブリを、少なくとも1つの周期を有する態様で構成してもよい。当該プラズモンカップリング装置では、1つ以上のナノ粒子を含んでなるアセンブリを、少なくとも1つの一次元構成を有する態様で構成してもよい。例えば、1つ以上のナノ粒子を含んでなる当該アセンブリの一次元構成は、1つ以上のナノ粒子を含んでなるアセンブリを、約50nm〜約1.5μmの周期で連続的に配置することにより構成してもよい。当該プラズモンカップリング装置では、1つ以上のナノ粒子を含んでなるアセンブリを、少なくとも1つの二次元構成を有する態様で構成してもよい。
【0021】
上記プラズモンカップリング装置は、電極を有してもよい。当該電極は、1つ以上のナノ粒子を含んでなるアセンブリを1つ以上有するパターンを有してもよい。当該電極は、1つ以上のアセンブリに対して、ナノ粒子若しくは少なくとも一部のナノ粒子でパターン化してもよい。
【0022】
上記のプラズモンカップリング装置の第2の構造は、絶縁材料を含有してもよい。当該絶縁材料は例えば、空気又はアルミナ、又はケイ素、又はポリマー物質を含有してもよい。当該絶縁材料は、装置中の少なくとも一部のナノ粒子を分離してもよい。当該絶縁材料は、1つ以上のナノ粒子を含んでなるアセンブリの少なくとも一部を分離してもよい。1つ以上のアセンブリが複数のナノ粒子を含むとき、当該絶縁材料は少なくとも一部のアセンブリ中の少なくとも一部のナノ粒子を分離してもよい。
【0023】
当該絶縁材料は、複数の穿孔を有してもよい。少なくとも一部の穿孔は、その長軸が、上記の第1の構造に対して実質的に垂直な向きとなる態様で配置されてもよい。少なくとも一部の穿孔は、実質的に円筒状の形状を有してもよい。少なくとも一部の穿孔は、1つ以上の側面を有する形状を有してもよい。少なくとも一部の穿孔は、約2nm〜約500nm、例えば約10nm〜約100nmの幅を有してもよい。少なくとも一部の穿孔は、約2nm〜約1500nm、例えば約20nm〜約500nmで隔離されてもよい。
【0024】
装置中のナノ粒子の少なくとも一部を、穿孔中に含有させてもよい。少なくとも一部のナノ粒子は、穿孔中で、当該ナノ粒子の長軸が、当該穿孔の長軸と実質的に平行となる態様で配置されてもよい。少なくとも一部のナノ粒子は、少なくとも一部のナノ粒子と少なくとも一部の穿孔との隙間を有する態様で、穿孔中に含まれてもよい。少なくとも一部のナノ粒子は、実質的に全てのナノ粒子と穿孔との隙間を有する態様で、穿孔中に含まれてもよい。
【0025】
少なくともアセンブリの一部においては、全部又は少なくとも一部のナノ粒子は、穿孔中に含まれてもよい。少なくともアセンブリの一部においては、全部又は少なくとも一部のナノ粒子は、当該ナノ粒子の長軸が、当該穿孔の長軸と実質的に平行となる態様で、穿孔中に配置されてもよい。少なくともアセンブリの一部においては、全部又は少なくとも一部のナノ粒子は、少なくとも一部の穿孔と少なくとも一部のナノ粒子との間の隙間を有する態様で、穿孔中に含まれてもよい。少なくともアセンブリの一部においては、全部又は少なくとも一部のナノ粒子は、実質的に全てのナノ粒子と穿孔との間の隙間を有する態様で、穿孔中に含まれてもよい。
【0026】
上記の隙間の少なくとも一部は、少なくとも1つの物質で少なくとも部分的に充填されてもよい。当該物質は固体、液体又はガスであってもよい。当該物質は、例えば空気であってもよい。当該物質は、例えば1つ以上の分子を含有してもよい。当該物質は、例えば1つ以上のナノ粒子を含有してもよい。当該物質は、例えば生体物質であってもよい。上記のようなナノ構造システムは更にバイオセンサとして機能してもよい。当該物質は、例えば非線形の光学的反応をなしうる物質であってもよい。当該ナノ構造システムは更に、プラズモンセンサ又はプラズモントランジスターとして機能してもよい。当該物質は、例えば刺激性の物質であってもよい。当該刺激は、例えば光学的な刺激を含んでなってもよい。当該ナノ構造システムは更に、レーザーとして機能してもよい。当該刺激は、電気刺激及び/又は磁気刺激を含んでなってもよい。
【0027】
プラズモンカップリング装置の第1の構造は、1つ以上の層を有してもよい。当該第1の構造が2つ以上の層を有するとき、これらは一緒に接着されていてもよい。又は、各層は導電性材料を含有してもよい。又は、各層は金属性の導電性材料(例えば金、銀、銅、インジウムスズ酸化物、アルミニウム、タンタル、プラチナ、イリジウム、SrRuO、(La1/2Sr1/22)CoO又はそれらの任意の組み合わせ)を含有してもよい。又は、各層は電極として機能してもよい。当該第1の構造は、約10nm〜約1000nmの厚を有してもよい。
【0028】
上記のプラズモンカップリング装置は、第3の構造を更に含んでなってもよい。当該第3の構造は、第1の構造に結合していてもよい。当該第3の構造は、プラズモンカップリング装置の基材として機能してもよく、当該装置を機械的に支持する機能を発揮してもよい。当該第3の構造は、1つ以上の層を有してもよい。当該第3の構造は、ケイ素を含有してもよい。当該第3の構造は、ガラス材を含有してもよい。
【0029】
上記のプラズモンカップリング装置は、約50nm〜約2000nm厚を有してもよい。
【0030】
本発明の第2の態様は、プラズモンカップリング装置の製造方法の提供に関し、詳細には当該方法は、以下のステップを含んでなる。第1の構造を形成するステップと、当該第1の構造の表面上に、2つ以上の穿孔を有する絶縁材料を形成することによって、2つ以上の導電性ナノ粒子を含んでなる第2の構造を形成するステップと、少なくとも2つの当該穿孔内にナノ粒子を形成させるステップ。それらの各ナノ粒子は細長い形状を有し、その長軸が、当該第1の構造に対して実質的に垂直となる態様で配置される。
【0031】
本発明の第3の態様は、プラズモンカップリング装置の製造方法の提供に関し、詳細には当該方法は、以下のステップを含んでなる。第1の構造を形成するステップと、当該第1の構造の表面上に、各々1つ以上の穿孔を有する2つ以上のアセンブリを含んでなる絶縁材料を形成することによって、各々1つ以上の導電性ナノ粒子を含む、当該2つ以上のアセンブリを含んでなる第2の構造を形成するステップと、当該2つ以上のアセンブリ中の少なくとも一部の穿孔中に、ナノ粒子を形成するステップ。それらの各ナノ粒子は細長い形状を有し、その長軸が、当該第1の構造に対して実質的に垂直となる態様で配置される。
【0032】
上記の第1の構造の表面への絶縁材料の形成は、当該第1の構造上に少なくとも1つの導電性材料の層を配置し、当該導電性材料の層を処理して絶縁材料を形成させてもよい。当該導電性材料の層の処理は、導電性材料の陽極酸化による絶縁材料の形成により行ってもよい。
【0033】
導電性材料の陽極酸化は、絶縁材料の電気化学的成長により実施してもよい。導電性材料の陽極酸化は、絶縁材料のテンプレートの形成により実施してもよい。
【0034】
上記導電性材料の層はアルミニウムを含有してもよく、陽極酸化により処理され、アルミナを含有する絶縁材料を形成させてもよい。当該アルミナ含有絶縁材料は、異方性構造を有してもよい。
【0035】
導電性材料の層を処理して絶縁材料を形成することにより、絶縁材料中に、1つ以上の穿孔を有する2つ以上のアセンブリを形成させてもよい。当該少なくとも一部の穿孔は、絶縁体材料の成長方向に沿って形成されうる。当該少なくとも一部の穿孔は、その長軸が、当該第1の構造に対して実質的に垂直となる態様で配置されてもよい。
【0036】
当該少なくとも一部の穿孔は、実質的に円筒状の形状を有してもよい。当該少なくとも一部の穿孔は、1又は2又はそれ以上の側面を有する形状を有してもよい。
【0037】
当該少なくとも一部の穿孔の長さは、導電性材料の層の厚に合わせて適宜制御してもよい。当該少なくとも一部の穿孔は、数何十nm〜数ミクロンの長さであってもよい。
【0038】
当該少なくとも一部の穿孔のサイズは、導電性材料の層の処理条件を適宜選択することにより制御してもよい。当該少なくとも一部の穿孔は、約2nm〜約500nm、例えば約10nm〜約100nmの幅を有してもよい。
【0039】
当該少なくとも一部の穿孔の間の分離は、導電性材料の層の処理条件を適宜選択することにより制御してもよい。当該少なくとも一部の穿孔の間の分離は、約2nm〜約1500nm、例えば約20nm〜約500nmであってもよい。
【0040】
絶縁材料における少なくとも一部の穿孔の形成は、各穿孔を伸長させて上記第1の構造に到達させるステップを含んでなってもよい。このステップでは、鋳型成型プロセス(例えばアルゴンイオン法又は化学エッチング法)などを実施してもよい。
【0041】
絶縁材料に存在する穿孔中へのナノ粒子の形成方法は、例えば、電気的な蒸着方法、物理的な蒸着方法又は化学的蒸着方法を含んでなってもよい。絶縁材料中に存在する穿孔中へのナノ粒子の形成方法は、電気化学的に穿孔中にナノ粒子を成長させることを含んでなってもよい。絶縁材料中に存在する穿孔中へナノ粒子を形成させることにより、穿孔が実質的に充填された状態になってもよい。
【0042】
少なくとも一部のナノ粒子は、約2nm〜約500nm、例えば約10nm〜約100nmの幅を有してもよい。少なくとも一部のナノ粒子は、約50nm〜約2μm、例えば約50nm〜約500nmの長さを有してもよい。
【0043】
少なくとも一部のナノ粒子は、金属材料(例えば銀、金、アルミニウム、プラチナ、銅又はそれらの任意の組み合わせ)を含有してもよい。
【0044】
少なくとも一部のナノ粒子は第1の構造に結合した第1端部を有し、それにより第1の構造との電気的接触部を構成してもよい。
【0045】
少なくとも一部のナノ粒子は、導線を有してもよい。少なくとも一部の導線は、実質的に円筒状の形状を有してもよい。少なくとも一部の導線は、実質的に円錐の形状を有してもよい。少なくとも一部の導線は、1又は2又はそれ以上の側面を有する形状を有してもよい。少なくとも一部の導線は、実質的に中実であってもよい。少なくとも一部の導線は、実質的に中空であってもよい。
【0046】
上記の方法は、1つ以上のナノ粒子からなるアセンブリを、所望の配置となるようにアレンジすることを含んでなってもよい。当該アセンブリの配置は、当該アセンブリを規則的に配置することにより適宜アレンジしてもよい。当該アセンブリの配置は、当該アセンブリを一次元的に規則的に配置することにより適宜アレンジしてもよい。例えば、当該アセンブリの一次元的なアレンジは、当該アセンブリを、約50nm〜数μmの周期で連続的に配置することにより形成してもよい。当該アセンブリの配置は、アセンブリを二次元的に規則的に配置することにより適宜アレンジしてもよい。当該アセンブリの配置は、アセンブリを不規則に配置することにより適宜アレンジしてもよい。当該アセンブリの配置は、アセンブリを不規則に一次元的に配置することにより適宜アレンジしてもよい。当該アセンブリの配置は、アセンブリを不規則に二次元的に配置することにより適宜アレンジしてもよい。
【0047】
1又は複数のナノ粒子のアセンブリを所望の配置で構成する作業は、絶縁材料中に、あるパターンで穿孔を形成させるステップと、(当該パターンは、絶縁材料を形成する1つ以上の導電性材料の層の特性によって、少なくとも部分的に決定づけられる)、適切な穿孔中にナノ粒子を形成させて、1つ以上のナノ粒子のアセンブリの配置を適切にアレンジするステップを含んでなる。当該穿孔のパターンは、例えば導電性材料の層の表面の微細形状及び厚によって、少なくとも部分的に決定づけられる。当該パターンは六角形のパターンであってもよい。
【0048】
適当な穿孔中におけるナノ粒子の形成は、絶縁材料上に少なくとも1つの層を形成するステップと、当該少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を曝露するステップと、当該適当な穿孔中にナノ粒子を形成させるステップを含んでなってもよい。少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を曝露するステップでは、リソグラフィ法を行ってもよい。少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を曝露するステップでは、鋳型成型法を行ってもよい。
【0049】
適当な穿孔中におけるナノ粒子の形成は、適当な穿孔中におけるナノ粒子の成長を可能にする態様でパターン化された電極を、プラズモンカップリング装置に提供するステップと、これを使用して、適当な穿孔中でナノ粒子を形成させるステップを含んでなってもよい。
【0050】
1つ又は複数のナノ粒子のアセンブリを所望の配置で構成する作業は、ナノ粒子の成長を可能にする態様でパターン化された電極を、プラズモンカップリング装置に提供するステップと、当該パターン化された電極を使用して、ナノ粒子のアセンブリの配列を形成するステップと、当該パターン化された電極を使用して、アセンブリの配置を所望の構成とするステップを含んでなる。
【0051】
1つ又は複数のナノ粒子のアセンブリを所望の配置で構成する作業は、導電性材料の層をプロセシングし、それを処理して絶縁材料を形成させ、1つ以上の穿孔のアセンブリを所望の配置で構成するステップと、穿孔中でナノ粒子を形成させ、1つ以上のナノ粒子のアセンブリの配置を所望の構成とするステップを含んでなる。当該プロセシングは、導電性材料の層を多段式に陽極酸化するステップを含んでなってもよい。当該プロセシングは、導電性材料の層をテクスチャリングすることを含んでなってもよい。導電性材料の層のテクスチャリングにより、穿孔の形成のための核生成部位を提供してもよい。導電性材料の層のテクスチャリングは、導電性材料の層をインプリントすることを含んでなってもよい。導電性材料の層のテクスチャリングは、導電性材料の層を光リソグラフ処理することを含んでなってもよい。光リソグラフ法により、1つ以上の穿孔のアセンブリのアレンジの周期性の制御が可能となる。光リソグラフ法により、例えば約100nm〜約1.5μmのアセンブリ−アセンブリ間の分離距離を有する1つ以上のナノ粒子のアセンブリのアレンジが形成される。
【0052】
1つ又は複数のナノ粒子のアセンブリを所望の配置で構成する作業は、導電性材料の層をプロセシングし、それを処理して絶縁材料を形成させ、1つ以上の穿孔のアセンブリを所望の配置で構成するステップと、適切な穿孔中でナノ粒子を形成させ、1つ以上のナノ粒子のアセンブリの配置を所望の構成とするステップを含んでなる。
【0053】
導電性材料の層のプロセシングは、導電性材料の層を多段式に陽極酸化するステップを含んでなってもよい。導電性材料の層のプロセシングは、導電性材料の層をテクスチャリングするステップを含んでなってもよい。導電性材料の層のテクスチャリングは、導電性材料の層をインプリントするステップを含んでなってもよい。導電性材料の層のテクスチャリングは、導電性材料の層を光リソグラフ処理するステップを含んでなってもよい。
【0054】
適当な穿孔中でナノ粒子を形成させる工程は、絶縁材料上に少なくとも1つの層を形成させるステップと、当該少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を露出させるステップと、当該適当な穿孔中でナノ粒子を形成させるステップを含んでなる。少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を露出させるステップは、リソグラフィ法を含んでなってもよい。少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を露出させるステップは、鋳型成形工程を含んでなってもよい。
【0055】
適当な穿孔中においてナノ粒子を形成させる工程は、パターン化され、適当な穿孔中におけるナノ粒子の成長を可能にする電極を、プラズモンカップリング装置に提供するステップと、これを使用して、適当な穿孔中でナノ粒子を形成させるステップを含んでなる。
【0056】
少なくとも一部の1つ以上のナノ粒子のアセンブリは、複数のナノ粒子を含んでなってもよい。上記の方法は、複数のナノ粒子の少なくとも1つのアセンブリにおいて、ナノ粒子の所望のパターンを構成させることを含んでなってもよい。当該ナノ粒子の所望のパターンは、ナノ粒子の規則的なパターンであってもよい。ナノ粒子の所望のパターンは、ナノ粒子の規則的な一次元パターンであってもよい。例えば、ナノ粒子の一次元パターンは、一連のナノ粒子を含んでなってもよく、それは約20nm〜500nmの周期を有してもよい。ナノ粒子の所望のパターンは、ナノ粒子の規則的な二次元パターンであってもよい。ナノ粒子の所望のパターンは、ナノ粒子の不規則なパターンであってもよい。ナノ粒子の所望のパターンは、ナノ粒子の不規則な一次元パターンであってもよい。ナノ粒子の所望のパターンは、ナノ粒子の不規則な二次元パターンであってもよい。
【0057】
少なくとも1つのアセンブリにおける、ナノ粒子の所望のパターン化の作業は、絶縁材料を形成する導電性材料の層の1つ以上の特性によって、少なくとも部分的に決定付けられるパターンで、絶縁材料中で穿孔を形成させるステップと、適切な穿孔中でナノ粒子を形成させ、少なくとも1つのアセンブリにおいて、ナノ粒子の所望のパターンを構成させるステップを含んでなる。当該穿孔は、例えば、導電性材料の層の表面の微細形状及び厚によって、少なくとも部分的に決定付けられる、5つのパターンで形成されてもよい。当該パターンは、六角形のパターンであってもよい。
【0058】
適当な穿孔中においてナノ粒子を形成させる工程は、絶縁材料上に少なくとも1枚の層を形成させるステップと、少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を露出させるステップと、適当な穿孔中においてナノ粒子を形成させるステップを含んでなる。少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を露出させるステップは、リソグラフィ法を含んでなってもよい。少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を露出させるステップは、鋳型成形を含んでなってもよい。
【0059】
適当な穿孔中においてナノ粒子を形成させる工程は、パターン化され、適当な穿孔中におけるナノ粒子の成長を可能にする電極を、プラズモンカップリング装置に提供するステップと、これを使用して適当な穿孔中にナノ粒子を形成させるステップを含んでなる。
【0060】
少なくとも1つのアセンブリにおいて、ナノ粒子の所望のパターンを得る作業は、導電性材料の層をプロセシングし、それを処理し、絶縁材料を形成させ、少なくとも1つのアセンブリにおいて、穿孔のパターンを形成させるステップと、穿孔中でナノ粒子を形成させ、少なくとも1つのアセンブリにおいて、ナノ粒子の所望のパターンを得るステップを含んでなる。当該プロセシングは、導電性材料の層を多段式に陽極酸化するステップを含んでなってもよい。当該プロセシングは、導電性材料の層をテクスチャリングするステップを含んでなってもよい。導電性材料の層のテクスチャリングにより、穿孔中に核生成部位を形成させてもよい。導電性材料の層のテクスチャリングは、導電性材料の層をインプリントするステップを含んでなってもよい。導電性材料の層のテクスチャリングは、導電性材料の層を光リソグラフ処理するステップを含んでなってもよい。光リソグラフ法により、少なくとも1つのアセンブリにおけるナノ粒子のパターンの周期性の制御が可能となる。光リソグラフ処理により、少なくとも1つのアセンブリのナノ粒子のパターンを、例えば約20nm〜約500nmの穿孔−穿孔間の分離を有する態様とすることもできる。光リソグラフ法により、少なくとも1つのアセンブリ中のナノ粒子のパターンにおける、穿孔の数の制御が可能となる。
【0061】
少なくとも1つのアセンブリにおいて、ナノ粒子の所望のパターンを得る作業は、導電性材料の層をプロセシングし、それを処理して絶縁材料を形成させ、少なくとも1つのアセンブリにおける穿孔のパターンを形成するステップと、適切な穿孔中でナノ粒子を形成させ、少なくとも1つのアセンブリにおいて、ナノ粒子の所望のパターンを得るステップを含んでなる。
【0062】
導電性材料の層のプロセシングは、導電性材料の層を多段式に陽極酸化するステップを含んでなってもよい。導電性材料の層のプロセシングは、導電性材料の層をテクスチャリングするステップ含んでなってもよい。導電性材料の層のテクスチャリングは、導電性材料の層をインプリントするステップを含んでなってもよい。導電性材料の層のテクスチャリングは、導電性材料の層を光リソグラフ処理するステップを含んでなってもよい。
【0063】
適当な穿孔中においてナノ粒子を形成させる工程は、絶縁材料上に少なくとも1つの層を形成させるステップと、少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を露出させるステップと、適当な穿孔中でナノ粒子を形成させるステップを含んでなる。少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を露出させるステップは、リソグラフィ法を含んでなってもよい。少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を露出させるステップは、鋳型成形を含んでなってもよい。
【0064】
適当な穿孔中においてナノ粒子を形成させる工程は、パターン化され、適当な穿孔中におけるナノ粒子の成長を可能にする電極を、プラズモンカップリング装置に提供するステップと、これを使用して、適当な穿孔中出ナノ粒子を形成させるステップを含んでなる。
【0065】
上記の方法は、ナノ粒子の形成後、プラズモンカップリング装置から少なくとも一部の絶縁材料を取り除くことを含んでなってもよい。装置から少なくとも一部の絶縁材料を取り除くステップは、化学的に当該材料を取り除くステップを含んでなってもよい。
【0066】
あるいは、絶縁材料を、プラズモンカップリング装置において維持してもよい。当該絶縁材料は、1つ以上のナノ粒子のアセンブリの少なくとも一部を分離させるものであってもよい。1つ以上のアセンブリが複数のナノ粒子を含むとき、当該絶縁材料は少なくとも一部のアセンブリにおける、少なくとも一部のナノ粒子を分離させるものであってもよい。
【0067】
ナノ粒子を含む、少なくとも一部の穿孔における絶縁材料は、実質的に全てのナノ粒子と接触していてもよい。ナノ粒子を含む、少なくとも一部の穿孔における絶縁材料は、少なくとも一部のナノ粒子から間隔を置いて配置されてもよい。ナノ粒子を含む、少なくとも一部の穿孔における絶縁材料は、実質的に全てのナノ粒子から間隔を置いて配置されてもよい。上記の方法は、ナノ粒子を含む少なくとも一部の穿孔から材料を除去して、絶縁材料とナノ粒子とのすきまを生じさせるステップを含んでなってもよい。ナノ粒子を含む、少なくとも一部の穿孔からの材料の除去は、穿孔を包囲している絶縁材料をエッチングするステップを含んでなってもよい。穿孔を包囲している絶縁材料のエッチングは、穿孔に含まれるナノ粒子に沿ってエッチング材料をチャネリングし、当該ナノ粒子から外へエッチングするステップを含んでなってもよい。
【0068】
少なくとも一部の隙間は、少なくとも部分的に少なくとも1つの物質により充填されてもよい。当該物質は、固体、液体又はガスであってもよい。当該物質は、例えば空気であってもよい。当該物質は、例えば1つ以上の分子を含んでなってもよい。当該物質は、例えば1つ以上のナノ粒子を含んでなってもよい。当該物質は、例えば生体物質であってもよい。かかるナノ構造システムは更に、バイオセンサとして機能してもよい。当該物質は、例えば非線形的な光学反応ができる物質であってもよい。かかるナノ構造システムは更に、フォトニックセンサ又は光トランジスタとして機能してもよい。当該物質は、例えば刺激性の物質であってもよい。当該刺激は、例えば光学刺激を含んでなってもよい。かかるナノ構造システムは更に、レーザーとして機能してもよい。当該刺激は、電気的刺激及び/又は磁気的刺激を含んでなってもよい。
【0069】
上記の第1の構造は、基材構造上に形成されてもよい。当該第1の構造は、蒸着法(例えばスパッタデポジション法)、又はPLD法、又は電気めっき法、又は蒸発方法、又は化学的方法により、基材構造上に形成してもよい。当該基材は、誘電材料を含んでなってもよい。
【0070】
プラズモンカップリング装置の製造方法により、迅速、簡便及び大規模な当該装置の製造が可能となる。これにより、産業的にも好適な製造方法が提供される。
【0071】
本発明の第1及び第2の態様に係るプラズモンカップリング装置は、多くの計測器に導入することが可能である。これらの計測器の開発は、計測器におけるナノ粒子のサイズ以下の波長と関連する電磁場の制限効果、及びナノ粒子システムのプラズモンモードの電磁共鳴により、放射線の制御に必要となる非直線的な特性が、ナノ構造プラズモン計測器の採用により顕著に強化される、という事実によって動機づけられる。これらの効果により、かかる計測器を動作させるために必要となる力を減少させることが可能となり、それによりこれらの計測器を超低放射線強度で動作させることが可能となる。かかるプラズモン計測器により、新世代のアクティブなナノプラズモン計測器の提供につながる。それらはナノスケールのサイズであるため、複数のプラズモンの計測器を1つのナノスケールアーキテクチャに組み込むことができる。
【0072】
本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様に係る1つ以上のプラズモンカップリング装置から構成される導波管の提供に関する。
【0073】
上記の導波管は、その内部における放射線の生成のため、局在化表層プラズモン間でのカップリングを使用する。1つ以上のナノ粒子の個々のアセンブリにより支持される局在化表層プラズモンは、1つ以上のナノ粒子のアセンブリ間の近接場電磁相互作用のために、当該導波管に沿って非局在化される。これらの相互作用により、電磁エネルギーが導波管におけるアセンブリ間での効率的なカップリングを可能とし、それにより導波管の一端から他の端まで放射線が伝播することを可能にする。近接場相互作用は短距離(典型的には数nm〜数十nm)においてのみ作用し、ゆえに、高密度に統合された装置の場合、導波管中で生じうる突然の配向変化に影響されない。当該導波管は、波長選択的な導波管であってもよい。
【0074】
導波管におけるプラズモンカップリング装置の少なくとも一部は、絶縁材料を含んでなってもよい。当該絶縁材料により、1つ以上のナノ粒子を含む少なくとも一部のアセンブリを、及び/又は、複数のナノ粒子を含む少なくとも一部アセンブリにおける少なくとも一部のナノ粒子を分離させてもよい。当該絶縁材料は、複数の穿孔を含んでなってもよく、その少なくとも一部はナノ粒子を含んでなってもよい。少なくとも一部の穿孔がナノ粒子を含んでなる場合、当該穿孔は、少なくとも一部のナノ粒子と少なくとも一部の穿孔との間に隙間を有してもよい。当該隙間の少なくとも一部は、少なくとも1つの物質で少なくとも部分的に充填されていてもよい。当該物質は、固体、液体又はガスであってもよい。当該物質は、例えば空気であってもよい。当該物質は、例えば1つ以上の分子を含んでなってもよい。当該物質は、例えば1つ以上のナノ粒子を含んでなってもよい。当該物質は、例えば生体物質であってもよい。かかるナノ構造システムは更に、バイオセンサとして機能してもよい。当該物質は、例えば非線形的な光学反応ができる物質であってもよい。かかるナノ構造システムは更に、フォトニックセンサ又は光トランジスタとして機能してもよい。当該物質は、例えば刺激性の物質であってもよい。当該刺激は、例えば光学刺激を含んでなってもよい。かかるナノ構造システムは更に、レーザーとして機能してもよい。当該刺激は、電気的刺激及び/又は磁気的刺激を含んでなってもよい。
【0075】
導波管の処理能力のスペクトルは、制御可能であってもよい。これは、少なくとも一部のナノ粒子の1つ以上の特性を調整することによって可能となる。これは、導波管の製作時に、少なくとも一部のナノ粒子の直径を調整することによって可能となる。これは、導波管の製作時に、少なくとも一部のナノ粒子の長さを調整することによって可能となる。これは、導波管の製作時に、少なくとも一部のナノ粒子同士の間、又はナノ粒子のアセンブリ間の距離の調製により可能となる。これは、導波管の製作時に、絶縁材料(存在する場合)の誘電率を調整することによって可能となる。これは、導波管の製作時に、少なくとも一部の隙間(存在する場合)の誘電率を調整することによって可能となる。
【0076】
第5の本発明の態様は、本発明の第1の態様に係る1つ以上のプラズモンカップリング装置を備えた、プラズモンセンサの提供に関する。
【0077】
プラズモンセンサのプラズモンカップリング装置の少なくとも一部は、絶縁材料を含んでなってもよい。当該絶縁材料は、複数の穿孔を含んでなってもよく、その少なくとも一部はナノ粒子を含んでなってもよい。ナノ粒子を含んでなる少なくとも一部の穿孔では、当該穿孔は、少なくとも一部のナノ粒子と少なくとも一部の穿孔との間に隙間を有してもよい。ナノ粒子を含んでなる少なくとも一部の穿孔では、当該穿孔は、実質的に全てのナノ粒子と穿孔とで挟まれた隙間を含んでなってもよい。少なくとも一部の隙間は、少なくとも1つの物質で少なくとも部分的に充填されていてもよい。当該物質は、固体、液体又はガスであってもよい。当該物質は、例えば空気であってもよい。当該物質は、例えば1つ以上の分子を含んでなってもよい。当該物質は、例えば1つ以上のナノ粒子を含んでなってもよい。当該物質は、例えば生体物質であってもよい。かかるナノ構造システムは更に、バイオセンサとして機能してもよい。当該物質は、例えば非線形的な光学反応ができる物質であってもよい。かかるナノ構造システムは更に、フォトニックセンサ又は光トランジスタとして機能してもよい。当該物質は、例えば刺激性の物質であってもよい。当該刺激は、例えば光学刺激を含んでなってもよい。かかるナノ構造システムは更に、レーザーとして機能してもよい。当該刺激は、電気的刺激及び/又は磁気的刺激を含んでなってもよい。
【0078】
第6の本発明の態様は、本発明の第1の態様に係る1つ以上のプラズモンカップリング装置を含んでなるトランジスタの提供に関する。
【0079】
当該トランジスタ中のプラズモンカップリング装置の少なくとも一部は、誘電絶縁材料を含んでなってもよい。当該誘電絶縁材料は、励起に対する非直線的な反応を示しうるアクティブなプラズモン材料を含んでなってもよい。
【0080】
当該トランジスタは、プラズモンカップリング装置の少なくとも一部に存在する1つ以上のナノ粒子のアセンブリの近接場相互作用を用いて動作して、誘電絶縁材料を励起し、各装置の透過度を調整する非直線的な反応を生じさせるものであってもよい。これにより、各装置はトランジスタとして機能する。各装置の透過度は、装置の分光感度、又はそのトランスミッション(ガイド特性)を変更することにより調整されうる。後者は、例えば圧電体及び印加電圧を用いて、1つ以上のナノ粒子のアセンブリ間の距離を機械的に変更することにより可能となる。
【0081】
誘電絶縁材料は、励起に対する非直線的な反応を示し、それにより、材料の屈折率に影響を及ぼす。当該材料の屈折率は、シグナルによる照射により制御されうる。これにより、トランジスタの透過度の制御が可能となる。当該誘電絶縁材料は、非直鎖状ポリマー(例えばポリ−3−ブトキシ−カルボニル−メチル−ウレタン(3BCMU)又は4BCMU又はBM4i4i色素)を含んでなってもよい。
【0082】
第7の本発明の態様は、本発明の第1の態様に係る1つ以上のプラズモンカップリング装置を含んでなるレーザーの提供に関する。
【0083】
レーザー中のプラズモンカップリング装置の少なくとも一部は、絶縁材料を含んでなってもよい。当該絶縁材料は、光学的なゲイン/光学的な刺激が可能な材料を含んでなってもよい。当該レーザーは、プラズモンカップリング装置の少なくとも一部に存在する、1つ以上のナノ粒子の相互作用アセンブリにおいて励起されたプラズモンモードを用いて動作させることができ、それにより当該装置の絶縁材料を励起し、各装置から励起による放出を生成させる。すなわち各装置はレーザーとして機能する。表層プラズモンの強い空間的な局在化により、局所的に強化された電磁電界強度を生じさせ、低出力レーザーの生成を可能にする。
【0084】
刺激性の材料としては、有機色素(例えば1,1’−ジエチル−3,3’−ビス(4−スルホブチル)−5,5’,6,6’)−テトラクロロベンズイミダゾロカルボシアニン(TDBC)などが挙げられる。
【0085】
レーザー中のプラズモンカップリング装置の少なくとも一部は、中空のナノ粒子を含んでなってもよい。中空ナノ粒子の少なくとも一部は、少なくとも1つの物体で少なくとも部分的に充填されてもよい。当該物質は、光学的な刺激ができる物質であってもよい。各々の、又は一部の中空ナノ粒子は更に、レーザー空洞を有してもよい。各々の、又は一部のレーザー空洞は、中空のナノ粒子と当該ナノ粒子を含んでなる絶縁材料中の穿孔との間の隙間に物質を充填することにより、スペクトル的に調整されうる。
【0086】
本発明の例示的実施態様を、添付の図面を参照しながら以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0087】
図1は本発明の第1の態様によるプラズモンカップリング装置の代表的な概略断面図であり、図2は図1のプラズモンカップリング装置の代表的な概略平面図である。
【0088】
図1及び2は、第1の構造2、第2の構造3及び基質4を含んでなるプラズモンカップリング装置1を示す。
【0089】
第1の構造2は、少なくとも1つの材料の層から形成される。第1の構造2の1枚の層には、金を含有するパターン化された電極9が存在する。パターン化電極9は、電気的に単離され、個々に電気の印加が可能な領域10からなる。例えば、領域10は約2500nmであってもよい。パターン化電極9は、リソグラフィ法により形成されてもよい。
【0090】
第1の構造2は、蒸着プロセスによって基質4上に形成される。基質4は、第1及び第2の構造を機械的に支持する機能を果たす。基質4は、例えば半導体、又は絶縁体、又は誘電体、又は金属材料を含んでなってもよい。
【0091】
第2の構造3は、絶縁材料5と導電性ナノ粒子7を含む2つのアセンブリ6を含んでなる。各アセンブリ6は、複数のナノ粒子7を含んでなる。各複数のナノ粒子7は、容易に調整可能な分光特性を有し、1つの有効なナノ粒子として機能する。ナノ粒子7は金から形成される。ナノ粒子7は細長い形状であって、それらの長軸が第1の構造2に対して実質的に垂直となるように配置される。各ナノ粒子7は実質的に円筒状の形状であって、ナノワイヤを形成してもよいが、当然ながら他の形状であってもよい。各ナノ粒子7は約20nmの幅及び約500nmの長さを有する。各ナノ粒子7は中実であってもよく、又は中空であってもよい。各ナノ粒子7には、第1の構造2まで伸びて結合し、この構造中の導電性の金と電気的接触部を形成する第1端部が含まれる。
【0092】
絶縁材料5はアルミナから形成される。当該絶縁材料は、ナノ粒子7のアセンブリ6を各々分離させ、各アセンブリ6中のナノ粒子7を各々分離させる。当該絶縁材料5は複数の穿孔11を有する。当該穿孔の幾つかは、ナノ粒子7と、そのナノ粒子と穿孔との間の隙間8を有する。隙間8は、実質的に全てのナノ粒子と、それを含んでなる穿孔との間に形成される。
【0093】
第2の構造3は、最初にアルミニウムの層を第1の構造2の表面に配置することによって、第1の構造2の表面に形成される。次に当該アルミニウム層は陽極酸化により処理され、アルミナ絶縁材料が形成される。このステップは、アルミナ絶縁材料の電気化学的成長により行われる。
【0094】
アルミナ絶縁材料5における、複数の穿孔11の形成は、陽極酸化プロセスによっても生じる。当該穿孔は、アルミナの成長方向に沿って絶縁材料を形成し、その長軸は、第1の構造2に対して実質的に垂直な方向となるように配置される。当該穿孔は、実質的に円筒状の形状である。当該穿孔の長さは、第1の構造2の表面に堆積したアルミニウムの層の厚により制御されうる。当該穿孔の直径は、アルミニウム層の陽極酸化の条件を選択することにより制御されうる。
【0095】
ナノ粒子7のアセンブリ6の所望の配置は、絶縁材料を形成する導電性材料の層の1つ以上の特性によって少なくとも部分的に決定付けられるパターンで、絶縁材料5中に穿孔11を形成させるステップと、適当な穿孔11中にナノ粒子7を形成させて、1つ以上のナノ粒子のアセンブリの所望の配置を得るステップにより形成される。穿孔11は、導電性材料の層の表面の微細形状及び厚によって少なくとも部分的に決定付けられるパターンで形成され、当該パターンは典型的には六角形である。
【0096】
適当な穿孔中におけるナノ粒子7の形成工程は、パターン化電極9を使用し、パターン化電極9中の幾つかの領域10のみにバイアスを印加するステップを含んでなる。パターン化電極9中の幾つかの領域10にバイアスを印加することによって、ナノ粒子7は、穿孔11中で電気化学的に成長する。これにより、アセンブリ6の幾何学的なアレンジが規定される。このアレンジは一次元的な周期性(例えば400nm周期)でなされていてもよい。
【0097】
パターン化電極9中の領域10に印加されるバイアスを制御することにより、各アセンブリ6中のナノ粒子7のサイズ及び形状が規定される。例えば、パターン化電極9の領域10に印加されるバイアスの制御により、アセンブリ6において成長するナノ粒子7の長さが規定される。アセンブリ中の隣接するナノ粒子は、異なる長さを有してもよい。例えば、パターン化電極9中の領域10に印加されるバイアスの制御により、アセンブリ6中におけるナノ粒子7の材料の成長が規定される。アセンブリ中の隣接するナノ粒子は、異なる材質(例えば金及び銀)を含んでなってもよい。
【0098】
ゆえにパターン化電極9の使用により、選択されたプラズモン特性を有するプラズモンカップリング装置の製造工程において、効率的な制御が可能となる。
【0099】
あるいは、適当な穿孔中におけるナノ粒子7の形成工程は、絶縁材料5のフリーの表面に少なくとも1つの層を形成させるステップと、リソグラフィ法を用いて少なくとも1つの層を処理して適当な穿孔を露出させるステップと、適当な穿孔中でナノ粒子を形成させるステップを含んでなる。
【0100】
ナノ粒子7は、アルミナ絶縁材料5中の適当な穿孔中に、例えば電気的蒸着法、又は物理的蒸着法又は化学的蒸着法などにより形成される。ナノ粒子は、穿孔中で電気化学的に成長する。ナノ粒子は、その長軸が穿孔の長軸と実質的に平行となる態様で、穿孔内に配置され、すなわち当該ナノ粒子は、その長軸が第1の構造2に対して実質的に垂直となる態様で配置される。
【0101】
プラズモンカップリング装置1のアルミナ絶縁材料5は、ナノ粒子の形成後、装置から化学的に除去してもよい。
【0102】
あるいは、少なくとも一部の絶縁体材料5を装置内に残留させてもよい。当該絶縁材料を用いて、装置中のナノ粒子7のアセンブリ6、及び各アセンブリ6中のナノ粒子7を分離させてもよい。
【0103】
アルミナ絶縁材料5を、ナノ粒子を含む少なくとも一部の穿孔11から除去して、アルミナ絶縁材料5及びナノ粒子7との隙間8を形成させてもよい。この工程は、穿孔11を包囲している絶縁材料をエッチングするステップを含んでなってもよく、詳細には、穿孔11に含まれるナノ粒子7に沿ってエッチング物質をチャネリングし、ナノ粒子7から外へエッチングすることによって行われる。
【0104】
隙間8は、少なくとも1つの物質で少なくとも部分的に充填されてもよい。当該物質は、固体、液体又はガスであってもよい。当該物質は、例えば空気であってもよい。当該物質は、例えば1つ以上の分子を含んでなってもよい。当該物質は、例えば1つ以上のナノ粒子を含んでなってもよい。当該物質は、例えば生体物質であってもよい。かかるナノ構造システムは更に、バイオセンサとして機能してもよい。当該物質は、例えば非線形的な光学反応ができる物質であってもよい。かかるナノ構造システムは更に、フォトニックセンサ又は光トランジスタとして機能してもよい。当該物質は、例えば刺激性の物質であってもよい。当該刺激は、例えば光学刺激を含んでなってもよい。かかるナノ構造システムは更に、レーザーとして機能してもよい。当該刺激は、電気的刺激及び/又は磁気的刺激を含んでなってもよい。
【0105】
プラズモンカップリング装置1のプラズモン/フォトニック特性は、パターン化電極9中の少なくとも一部の領域10のアドレシングによって適宜制御することができる。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の構造と、2つ以上の導電性のナノ粒子を含む第2の構造を含んでなり、各々のナノ粒子が細長い構造を有し、その長軸が第1の構造に対して実質的に垂直な方向を向いた状態で第1の構造に結合している、プラズモンカップリング装置。
【請求項2】
前記ナノ粒子の少なくとも一部が、約2nm〜約500nm、好ましくは約10nm〜約100nmの幅を有する、請求項1記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項3】
前記ナノ粒子の少なくとも一部が、約50nm〜約2μm、好ましくは約50nm〜約500nmの長さを有する、請求項1又は2記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項4】
1〜数十個のナノ粒子を含んでなる、請求項1から3のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項5】
前記ナノ粒子が、約2nm〜約1500nm、好ましくは約20nm〜約1.5μmの分離距離を有する、請求項1から4のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項6】
前記ナノ粒子が、ナノ粒子の少なくとも1つの一次元パターンを有する、請求項1から5のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項7】
前記ナノ粒子が、一連のナノ粒子を有する、請求項6記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項8】
前記ナノ粒子が、ナノ粒子の少なくとも1つの二次元パターンを有する、請求項1から5のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項9】
前記ナノ粒子が、少なくとも1つの準周期的な、六角形の、二次元パターンのナノ粒子を有する、請求項8記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項10】
パターン化された、1つ又は複数の前記ナノ粒子と接続された電極を有する、請求項1から9のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項11】
前記第2の構造が、各々1つ以上の導電性のナノ粒子を含む2つ以上のアセンブリを有する、請求項1から10のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項12】
1つ以上の前記ナノ粒子を含むアセンブリの少なくとも一部が、1〜数十個のナノ粒子を含んでなる、請求項11記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項13】
前記アセンブリの少なくとも一部が複数のナノ粒子を含んでなり、約2nm〜約1500nm、好ましくは約20nm〜約500nmの、ナノ粒子−ナノ粒子間の分離距離を有する、請求項11又は12記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項14】
複数の前記ナノ粒子を含むアセンブリの少なくとも一部が、少なくとも1つの、ナノ粒子の準周期的な、六角形の二次元パターンを有する、請求項13記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項15】
1つ以上の前記ナノ粒子を含む複数のアセンブリを含んでなり、アセンブリの少なくとも一部が約50nm〜約1.5μmの分離距離を有する、請求項11から14のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項16】
約50nm〜約1.5μmの周期で1つ以上の前記ナノ粒子を含むアセンブリの連続からなる、1つ以上のナノ粒子のアセンブリの一次元構成を有する、請求項11から15のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項17】
パターン化された、1つ以上の前記ナノ粒子を含むアセンブリと連結する、1つ又は複数の電極を有する、請求項11から16のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項18】
前記第2の構造が複数の穿孔を有する絶縁材料を含んでなり、少なくとも一部の穿孔が、その長軸が実質的に第1の構造に対して垂直となる態様で配置され、装置中のナノ粒子の少なくとも一部が穿孔中に含まれる、請求項1から17のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項19】
少なくとも一部の前記ナノ粒子が、当該少なくとも一部の各ナノ粒子と少なくとも一部の各穿孔の間に隙間を有する態様で穿孔中に含まれ、当該隙間の少なくとも一部が少なくとも1つの物質で少なくとも部分的に充填されている、請求項18記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項20】
前記第1の構造が約10nm〜約1000nmの厚を有する、請求項1から19のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項21】
前記プラズモンカップリング装置が約50nm〜約2000nmの厚を有する、請求項1から20のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置。
【請求項22】
プラズモンカップリング装置の製造方法であって、第1の構造を形成するステップと、当該第1の構造の表面上に、2つ以上の穿孔を有する絶縁材料を形成することによって、2つ以上の導電性ナノ粒子を含んでなる第2の構造を形成するステップと、少なくとも2つの当該穿孔内にナノ粒子を形成させるステップを含んでなり、当該各ナノ粒子が細長い形状を有し、その長軸が、当該第1の構造に対して実質的に垂直となる態様で配置される、製造方法。
【請求項23】
プラズモンカップリング装置の製造方法であって、第1の構造を形成するステップと、当該第1の構造の表面上に、各々1つ以上の穿孔を有する2つ以上のアセンブリを含んでなる絶縁材料を形成することによって、各々1つ以上の導電性ナノ粒子を含む、当該2つ以上のアセンブリを含んでなる第2の構造を形成するステップと、当該2つ以上のアセンブリ中の少なくとも一部の穿孔中に、ナノ粒子を形成するステップを含んでなり、当該各ナノ粒子が細長い形状を有し、その長軸が、当該第1の構造に対して実質的に垂直となる態様で配置される、製造方法。
【請求項24】
前記第1の構造の表面上に絶縁材料を形成させるステップが、前記第1の構造上に導電性材料の少なくとも1つの層を配置するステップと、陽極酸化によって前記導電性材料の層を処理して絶縁体材料を形成させ、その処理によって更に、絶縁材料において1つ以上の穿孔の2つ以上のアセンブリが形成されるステップを含んでなる、請求項22又は23記載のプラズモンカップリング装置の製造方法。
【請求項25】
1又は複数のナノ粒子のアセンブリを所望の配置で構成する作業であって、絶縁材料を形成する1つ以上の導電性材料の層の特性によって、少なくとも部分的に決定づけられるパターンで、前記絶縁材料中に穿孔を形成させるステップと、適切な穿孔中にナノ粒子を形成させて、1つ以上のナノ粒子のアセンブリの配置を適切にアレンジするステップを含んでなる作業を含んでなる、請求項24記載のプラズモンカップリング装置の製造方法。
【請求項26】
1つ又は複数のナノ粒子のアセンブリを所望の配置で構成する作業であって、ナノ粒子の成長を可能にする態様でパターン化された電極を、プラズモンカップリング装置に提供するステップと、前記パターン化された電極を使用して、ナノ粒子のアセンブリの配列を形成するステップと、前記パターン化された電極を使用して、アセンブリの配置を所望の構成とするステップを含んでなる作業を含んでなる、請求項24記載のプラズモンカップリング装置の製造方法。
【請求項27】
1つ又は複数のナノ粒子のアセンブリを所望の配置で構成する作業であって、導電性材料の層をプロセシングし、それを処理して絶縁材料を形成させ、1つ以上の穿孔のアセンブリを所望の配置で構成するステップと、穿孔中でナノ粒子を形成させ、1つ以上のナノ粒子のアセンブリの配置を所望の構成とするステップを含んでなる作業を含んでなる、請求項24記載のプラズモンカップリング装置の製造方法。
【請求項28】
1つ又は複数のナノ粒子のアセンブリを所望の配置で構成する作業であって、導電性材料の層をプロセシングし、それを処理して絶縁材料を形成させ、1つ以上の穿孔のアセンブリを所望の配置で構成するステップと、適切な穿孔中でナノ粒子を形成させ、1つ以上のナノ粒子のアセンブリの配置を所望の構成とするステップを含んでなる、請求項24記載のプラズモンカップリング装置の製造方法。
【請求項29】
穿孔を包囲している絶縁材料をエッチングし、穿孔に含まれるナノ粒子に沿ってエッチング材料をチャネリングして、当該ナノ粒子から外へエッチングすることにより、ナノ粒子を含む穿孔から少なくとも一部の材料を除去し、絶縁材料とナノ粒子との隙間を形成させるステップを含んでなる、請求項22から28のいずれか1項記載のプラズモンカップリング装置の製造方法。
【請求項30】
請求項1から21のいずれか1項記載の1つ以上のプラズモンカップリング装置を含んでなる導波管。
【請求項31】
ナノ粒子の少なくとも一部の1つ以上の特性を調整することにより、導波管の処理能力スペクトルを制御できる、請求項30記載の導波管。
【請求項32】
請求項1から21のいずれか1項記載の1つ以上のプラズモンカップリング装置を含んでなるプラズモンセンサ。
【請求項33】
請求項1から21のいずれか1項記載の1つ以上のプラズモンカップリング装置を含んでなるトランジスタ。
【請求項34】
トランジスタのプラズモンカップリング装置の少なくとも一部が、誘電絶縁材料を含んでなり、励起により非直線的な反応を示すことができる活性型のプラズモン材料を含んでなる、請求項33記載のトランジスタ。
【請求項35】
プラズモンカップリング装置の少なくとも一部の、1つ以上のナノ粒子のアセンブリの近接場相互作用を用いることにより、誘電絶縁材料を励起し、非直線的な反応が生じて各装置の透過度が調整される、請求項34記載のトランジスタ。
【請求項36】
前記誘電絶縁材料が、励起に対して非直線的な反応を示すことにより材料の屈折率に影響を与え、当該材料の屈折率がシグナルによる照射により制御され、それによりトランジスタの透過度の制御が可能となる、請求項35記載のトランジスタ。
【請求項37】
請求項1から21のいずれか1項記載の1つ以上のプラズモンカップリング装置を含んでなるレーザー。
【請求項38】
レーザーのプラズモンカップリング装置の少なくとも一部が絶縁材料を含んでなり、光学的なゲイン/光学的な刺激が可能な材料を含んでなる、請求項37記載のレーザー。
【請求項39】
プラズモンカップリング装置の少なくとも一部に存在する、1つ以上のナノ粒子の相互作用アセンブリにおいて励起されたプラズモンモードを用いて動作させることができ、それにより当該装置の絶縁材料を励起し、各装置からの励起による放出を生成させる、請求項38記載のレーザー。
【請求項40】
レーザーのプラズモンカップリング装置の少なくとも一部が中空のナノ粒子を含んでなり、当該中空ナノ粒子の少なくとも一部が、光学刺激が可能な少なくとも1つの物質で少なくとも部分的に充填され、各々の又は一部の中空ナノ粒子がレーザー空洞を有する、請求項37から39のいずれか1項記載のレーザー。
【請求項41】
各々の、又は一部のレーザー空洞が、中空のナノ粒子と当該ナノ粒子を含んでなる絶縁材料中の穿孔との間の隙間に物質を充填することにより、スペクトル的に調整される、請求項40記載のレーザー。

【公表番号】特表2009−539635(P2009−539635A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514888(P2009−514888)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【国際出願番号】PCT/GB2007/002168
【国際公開番号】WO2007/144596
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(504389636)ザ クイーンズ ユニヴァーシティ オブ ベルファスト (14)
【Fターム(参考)】