説明

放射源

【課題】燃料が予期しないまたは意図的ではない障害または制限に遭うことなくノズルを通過することができる放射源を提供する。
【解決手段】放射源は、リザーバ、ノズル、レーザおよび正のレンズを含む。リザーバは、燃料の体積を保持するように構成される。リザーバと流体接続されたノズルは、燃料の流れを軌道に沿ってプラズマ形成配置に向かって誘導するように構成される。レーザは、レーザ放射をプラズマ形成配置における流れに誘導して、使用中、放射生成プラズマを生成するように構成される。正のレンズ構成は、燃料の流れの軌道の少なくとも潜在的な広がりをプラズマ形成配置に向かって合焦させるように構成され、レンズは電界生成要素および/または磁界生成要素を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、リソグラフィ装置との併用またはその一部を形成するのに適した放射源に関する。本発明は、より一般的には、流体流ジェネレータにも関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。
【0003】
[0003] リソグラフィは、ICや他のデバイスおよび/または構造の製造における重要なステップの1つとして広く認識されている。しかしながら、リソグラフィを使用して作られるフィーチャの寸法が小さくなるにつれ、リソグラフィは、小型ICあるいは他のデバイスおよび/または構造を製造できるようにするための最も重要な要因になりつつある。
【0004】
[0004] パターン印刷の限界の理論推定値は、式(1)に示す解像度に関するレイリー基準によって得ることができる。
【数1】


上の式で、λは使用される放射の波長であり、NAはパターンを印刷するために使用される投影システムの開口数であり、k1はレイリー定数とも呼ばれるプロセス依存調整係数であり、CDは印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンジョン)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズの縮小は、以下の3つの方法、露光波長λを短縮することによって、開口数NAを増加させることによって、あるいはk1の値を低下させることによって達成することができる、と言える。
【0005】
[0005] 露光波長を短縮するため、したがって、最小印刷可能サイズを縮小させるためには、極端紫外線(EUV)放射原を使用することが提案されている。EUV放射は、5〜20nmの範囲内、例えば13〜14nmの範囲内の波長を有する電磁放射である。さらに、10nmより小さい波長、例えば6.7nmまたは6.8nmといったように5〜10nmの範囲内の波長を有するEUV放射が使用されてもよいことが提案されている。そのような放射を極端紫外線または軟X線と呼ぶこともできる。可能な放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングによって提供されるシンクロトロン放射に基づく放射源が挙げられる。
【0006】
[0006] EUV放射は、プラズマを用いて生成することができる。EUV放射を生成するための放射システムは、プラズマを提供するために燃料を励起するレーザと、プラズマを収容する放射源コレクタモジュールとを含んでよい。プラズマは、例えば、適切な燃料材料(例えば、スズ。スズは現在最も有望と考えられており、EUV放射源用の燃料に適した選択である)の粒子(すなわち、小滴)などの燃料にレーザビームを向けることによって、あるいはXeガスまたはLi蒸気などの適切なガスまたは蒸気の流れにレーザビームを向けることによって生成することができる。結果として生じるプラズマは、出力放射、例えばEUV放射を放出し、これは、放射コレクタを用いて集光される。放射コレクタは、放射を受けてその放射をビームへと集束させるミラー法線入射放射コレクタであってよい。放射源コレクタモジュールは、プラズマを支持するために真空環境を提供するように配置された閉鎖構造またはチャンバを含んでよい。そのような放射システムを、一般的にレーザ生成プラズマ(LPP)源と呼ぶ。同様にレーザを使用し得る代替のシステムでは、放射は、放電の使用によって形成されるプラズマ(放電生成プラズマ(DPP)源)によって生成されてよい。
【0007】
[0007] 提案されているLPP放射源は、燃料小滴の連続的な流れを生成する。放射源は、燃料小滴をプラズマ形成配置に向かって誘導するためのノズルを含む。レーザビームが小滴に向かって誘導されかつ小滴と接触できることを確実にするために、小滴は、高い精度でプラズマ形成配置に誘導される必要がある。これを達成するために、燃料は、予期しないまたは意図的ではない障害または制限に遭うことなくノズルを通過しなくてはならない。そのような障害または制限は、ノズルの内面に堆積されている燃料における汚染から生じ得る。汚染は、1つ以上の必要な性質(例えば、所望の軌道)を有さないノズルによって誘導される小滴の流れという結果となり得る。放射源のダイナミクス(dynamics)(例えば、熱ドリフト)は、所望の軌道を有さない小滴の流れという結果となり得る。結果的に、これは、全体として意図した通りに機能しない放射源へと繋がり得る。例えば、システムは、放射を生成することができないか、あるいは、所要の強度の放射または所要の期間放射を生成することができない場合がある。
【0008】
[0008] 上記の問題はLPP放射源に関して説明されたが、同じまたは同様の問題が、他の流体(例えば、液体)流ジェネレータ(小滴または連続的)、例えば、インクジェットおよび/または(溶融)金属印刷等に使用されるノズルと合わせても直面し得る。さらに、連続的な流れが生成される場合に同じまたは同様な問題に直面し得るため、問題は小滴を含む流れに必ずしも制限されない。
【発明の概要】
【0009】
[0009] 本明細書中または他の場所で特定される従来の少なくとも1つの問題を未然に防ぐかまたは軽減すること、あるいは、既存の装置または方法に代案を提供することが望ましい。
【0010】
[0010] 本発明の一態様によると、燃料の体積を保持するように構成されたリザーバと、リザーバと流体接続されており、かつ燃料の流れを軌道に沿ってプラズマ形成配置に向かって誘導するように構成されたノズルと、レーザ放射をプラズマ形成配置における流れに誘導して、使用中、放射生成プラズマを生成するように構成されたレーザと、燃料の流れの軌道の少なくとも潜在的な広がりをプラズマ形成配置に向かって合焦させるように構成された正のレンズ構成であって、レンズは電界生成要素および/または磁界生成要素を含む、正のレンズ構成とを含む、放射源が提供される。
【0011】
[0011] レンズ構成は、ノズルの位置または向きにおける変化がプラズマ形成配置の意図する位置においてまたはそれに対して1以下の倍数によって拡大されることを確実にするように構成されてよい。これは、レンズ構成がノズルの位置または向きにおける変化を拡大せず、よって結果として生じるあらゆる問題または不利点を拡大しないことを確実にする。
【0012】
[0012] レンズ構成は、以下の構成:燃料をノズルから抽出するための抽出構成(例えば、小滴の形態を有する)、および/または燃料の流れを構成する燃料を加速させるための加速構成、および/または燃料の流れを構成する燃料を減速させるための減速構成、および/または燃料の流れを構成するまたは構成するであろう燃料を帯電させるための電荷構成、のうちの1つ以上として機能するかまたは少なくともその一部を少なくとも形成するように構成されてよい。
【0013】
[0013] レンズ構成は、1つ以上の構成の間で(例えば、電気的に)切替可能であってよい。
【0014】
[0014] レンズ構成は、レンズ構成の1つ以上のコンポーネント、および/またはレンズ構成およびノズルの1つ以上のコンポーネント、および/またはレンズ構成および電荷構成の1つ以上のコンポーネントの間の適切な電位差の適用によって切替可能であってよい。
【0015】
[0015] コントローラは、燃料の流れの一部がノズルからプラズマ形成配置に移るときに構成の1つ以上の間で切り替えを行うように配置されてよい。これは、レンズ構成が、ある時間の間、同じ部分に対して異なる機能を行うように選択的に構成され得ることを意味する。
【0016】
[0016] レンズ構成の位置および/または向きは焦点の位置を制御するように制御可能であってよい。これは、レンズ構成またはその1つ以上のコンポーネントの物理的な動きによって、および/またはレンズ構成によって使用される電界および/または磁界の大きさ、形状または一般的な構成の制御によって達成することができる。
【0017】
[0017] 1つ以上のさらなる正のレンズ構成が提供され、かつ軌道の潜在的な広がりに沿って配置され、かつ軌道の潜在的な広がりに沿って配置されてよい(かつその周りを少なくとも部分的に延在する)(例えば、既存のレンズの上流または下流)。
【0018】
[0018] レンズ構成は、静電レンズ構成および/または静磁気レンズ構成および/またはアインツェルレンズであってよい。
【0019】
[0019] 放射源は、燃料の流れを構成するかまたは構成するであろう燃料を帯電させるための電荷構成をさらに含んでよい。電荷構成は、ノズルからの射出の前後の燃料の帯電を可能にするかまたは容易にする燃料、リザーバ、ノズルまたは1つ以上の他の任意コンポーネントのうちの1つ以上と電気的に接続されていてよい。
【0020】
[0020] 燃料の流れは燃料の小滴の流れを含む可能性が最も高い。
【0021】
[0021] 燃料は溶融金属であるかまたはそれに含んでもよい。
【0022】
[0022] 本発明の第2態様によると、燃料の体積を保持するように構成されたリザーバと、リザーバと流体接続されており、かつ流体の流れを軌道に沿ってターゲット配置(例えば、基板、物体、シートなど)に向かって誘導するように構成されたノズルと、流体の流れの軌道の少なくとも潜在的な広がりをターゲット配置に向かって合焦させるように構成された正のレンズ構成であって、レンズは電界生成要素および/または磁界生成要素を含む、正のレンズ構成とを含む、流体流ジェネレータが提供される。
【0023】
[0023] 本発明の第3態様によると、放射ビームを提供するための照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与えるためのパターニングデバイスと、基板を保持するための基板ホルダと、パターン付き放射ビームを基板のターゲット部分上に投影するための投影システムとを含むリソグラフィ装置が提供される。リソグラフィ装置は、本発明の第1態様および/または第2態様の放射源または流体流ジェネレータをさらに含むか、またはそれらと接続されている。
【0024】
[0024] 本発明の第4態様によると、燃料流ジェネレータの帯電した燃料の流れの軌道の潜在的な広がりを収束する方法であって、方法は、電界および/または磁界を用いて正のレンズを確立し、かつ帯電した燃料の流れを正のレンズを通して通過させることを含む、方法が提供される。
【0025】
[0025] 当然のことながら、本発明のいずれの特定の態様に関して説明した1つ以上の特徴が、必要に応じて、本発明のあらゆる他の態様に適用可能である。
【0026】
[0026] 本発明のさらなる特徴および利点、ならびに本発明の様々な実施形態の構造および動作を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書で説明する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、本明細書では例示のためにのみ提示されている。本明細書に含まれる教示に基づき、当業者には追加の実施形態が明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
[0027] 本明細書に組み込まれかつ本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明を図示し、さらに、記述とともに本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成して使用できるように役立つ。
【図1】[0028] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を示す。
【図2】[0029] 図2は、LPP放射源コレクタモジュールを含む、図1の装置のより詳細な図である。
【図3】[0030] 図3は、燃料小滴の流れを軌道に沿ってプラズマ形成配置に向かって誘導するように構成された放射源のノズルを概略的に示す。
【図4】[0031] 図4は、図3のノズルの内面上の汚染堆積、および、ノズルから出る小滴の軌道に対する影響を概略的に示す。
【図5】[0032] 図5は、生成された燃料の流れの軌道の潜在的な広がりとともに燃料流ジェネレータを概略的に示す。
【図6】[0033] 図6は、本発明の一実施形態による燃料流ジェネレータを概略的に示し、この燃料流ジェネレータは、生成された燃料流の軌道の広がりをプラズマ形成配置に合焦させるように構成された正のレンズ構成を含む。
【図7】[0034] 図7は、燃料流ジェネレータのノズルの位置または向きにおける変化が、燃料流軌道の広がりが誘導される焦点にどのように影響を与えるかを概略的に示す。
【図8】[0034] 図8は、燃料流ジェネレータのノズルの位置または向きにおける変化が、燃料流軌道の広がりが誘導される焦点にどのように影響を与えるかを概略的に示す。
【図9】[0035] 図9は、燃料流ジェネレータのノズルの位置または向きにおける変化が、燃料流軌道の広がりが誘導される焦点にどのように影響を与えるかを概略的に示すが、位置または向きにおける変化の影響を減少させるレンズ構成の変形を含む。
【図10】[0035] 図10は、燃料流ジェネレータのノズルの位置または向きにおける変化が、燃料流軌道の広がりが誘導される焦点にどのように影響を与えるかを概略的に示すが、位置または向きにおける変化の影響を減少させるレンズ構成の変形を含む。
【図11】[0036] 図11は、レンズ構成の一例を概略的に示す。
【図12】[0037] 図12は、図11のレンズ構成を、帯電された小滴を加速し、および/またはノズルから帯電された小滴を抽出するためにどのように使用することができるかを概略的に示す。
【図13】[0038] 図13は、図11および図12のレンズ構成を、帯電された燃料小滴を選択的に合焦および/または加速させるためにどのように使用することができるかを概略的に示す。
【図14】[0038] 図14は、図11および図12のレンズ構成を、帯電された燃料小滴を選択的に合焦および/または加速させるためにどのように使用することができるかを概略的に示す。
【図15】[0038] 図15は、図11および図12のレンズ構成を、帯電された燃料小滴を選択的に合焦および/または加速させるためにどのように使用することができるかを概略的に示す。
【0028】
[0039] 本発明の特徴および利点は、以下に述べる詳細な説明を図面と組み合わせて考慮することによりさらに明白になるであろう。ここで、同様の参照文字は全体を通して対応する要素を識別する。図面では、同様の参照番号は全体的に同一、機能的に類似する、および/または構造的に類似する要素を示す。要素が最初に現れた図面を、対応する参照番号の最も左側の(1つ以上の)桁で示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[0040] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。開示される(1つ以上の)実施形態は、本発明を例示にするに過ぎない。本発明の範囲は開示される(1つ以上の)実施形態に限定されない。本発明は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0030】
[0041] 記載される(1つ以上の)実施形態、および「一実施形態」、「実施形態」、「例示的実施形態」などへの本明細書における言及は、記載される(1つ以上の)実施形態が特定の特徴、構造または特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造または特性を含まないことを示す。さらに、そのようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。さらに、一実施形態に関連して特定の特徴、構造または特性について記載している場合、明示的に記載されているか記載されていないかにかかわらず、そのような特徴、構造、または特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識にあることが理解される。
【0031】
[0042] 本発明の実施形態はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはその任意の組合せで実施することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサで読み取り、実行することができる機械読取可能媒体に記憶した命令としても実施することができる。機械読取可能媒体は、機械(例えば計算デバイス)で読取可能な形態で情報を記憶するかまたは伝送する任意の機構を含むことができる。例えば、機械読取可能媒体はリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響または他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)およびその他のものを含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令を、本明細書では特定の行為を実行するものとして記述することができる。しかしながら、そのような記述は便宜的なものにすぎず、そのような行為は実際には計算デバイス、プロセッサ、コントローラ、またはファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスの結果であることを認識されたい。
【0032】
[0043] しかしながら、そのような実施形態をより詳細に説明する前に、本発明の実施形態が実施され得る例示的環境を示すことが有益である。
【0033】
[0044] 図1は、本発明の一実施形態による放射源コレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置LAPを概略的に示す。このリソグラフィ装置は、放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスクまたはレチクル)MAを支持するように構築され、かつパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
【0034】
[0045] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
【0035】
[0046] サポート構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスMAを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。
【0036】
[0047] 「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応することができる。
【0037】
[0048] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レべンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
【0038】
[0049] 投影システムは、照明システムのように、使われている露光放射にとって、あるいは真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。ガスは放射を吸収しすぎることがあるので、EUV放射に対しては真空を使用することが望ましい場合がある。したがって、真空壁および真空ポンプを用いてビームパス全体に真空環境を提供することができる。
【0039】
[0050] ここで示すように、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)である。
【0040】
[0051] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスクテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
【0041】
[0052] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源コレクタモジュールSOから極端紫外線放射ビームを受ける。EUV光を生成する方法としては、材料を、EUV範囲内の1つ以上の輝線を有する、例えばキセノン、リチウムまたはスズなどの少なくとも1つの元素を有するプラズマ状態に変換することが挙げられるが必ずしもこれに限定されない。そのような一方法では、レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多い所要のプラズマを、所要の線発光元素を有する材料の小滴、流れまたはクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって生成することができる。放射源コレクタモジュールSOは、レーザビームを提供して燃料を励起するためである、図1に図示されていないレーザを含むEUV放射システムの一部分であってもよい。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射などの出力放射を放出し、これは、放射源コレクタモジュールに配置された放射コレクタを用いて集光される。例えば、燃料励起のためのレーザビームを提供するためにCOレーザが使用される場合、レーザと放射源コレクタモジュールは、別個の構成要素であってもよい。
【0042】
[0053] そのような場合には、レーザは、リソグラフィ装置の一部分を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、レーザから放射源コレクタモジュールへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源がDPP源と呼ばれることが多い放電生成プラズマEUVジェネレータである場合、放射源は、放射源コレクタモジュールの一体部分とすることもできる。
【0043】
[0054] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタを含むことができる。通常、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(それぞれ値σ-outerおよび値σ-innerを有する)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、ファセット視野および瞳ミラーデバイスといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
【0044】
[0055] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサPS1を使い、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。
【0045】
[0056] 例示のリソグラフィ装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
1.ステップモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。
2.スキャンモードにおいては、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。
3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0046】
[0057] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
【0047】
[0058] 図2は、放射源コレクタモジュールSO、照明システムILおよび投影システムPSを含むリソグラフィ装置LAPをより詳細に示す。放射源コレクタモジュールSOは、真空環境が放射源コレクタモジュールの閉鎖構造2内で維持できるように構築および配置される。
【0048】
[0059] レーザ4は、流体流ジェネレータ8から提供されるキセノン(Xe)、スズ(Sn)またはリチウム(Li)などの燃料にレーザビーム6を介してレーザエネルギーを堆積させるように配置される。液体(すなわち、溶融)スズ(小滴の形態を有する可能性が高い)または液体の形態を有する別の金属は、現在最も有望であると思われており、したがって、EUV放射源に対する適切な選択である。燃料へのレーザエネルギーの堆積は、数十電子ボルト(eV)の電子温度を有するプラズマ形成配置12における高イオン化されたプラズマ10を生成する。これらのイオンの逆励起および再結合中に生成されるエネルギー放射はプラズマ10から放出され、近法線入射放射コレクタ14によって集光されて合焦される。レーザ4および流体流ジェネレータ8(および/またはコレクタ14)は、合わせて、放射源、特にEUV放射源を含むものと考えることができる。EUV放射源は、レーザ生成プラズマ(LPP)放射源と呼ぶことができる。
【0049】
[0060] 第2レーザ(図示せず)を設けることができ、第2レーザは、レーザビーム6が燃料に入射する前に燃料を予熱するように構成される。この方法を用いるLPP源を、デュアルレーザパルス(DLP)源と呼ぶことができる。
【0050】
[0061] 図示されていないが、燃料流ジェネレータは、例えば、燃料小滴の流れを軌道に沿ってプラズマ形成配置12に向かって誘導するように構成されたノズルを含むか、またはそれに接続されている。
【0051】
[0062] 放射コレクタ14によって反射された放射Bは、仮想光源点16で合焦される。仮想光源点16を一般的に中間焦点と呼び、放射源コレクタモジュールSOは、中間焦点16が閉鎖構造2内の開口部18にまたはその近くに位置するように配置される。仮想光源点16は、放射放出プラズマ10のイメージである。
【0052】
[0063] その後、放射Bは照明システムILを通り抜け、この照明システムILは、パターニングデバイスMAにて放射ビームBの所望の角度分布ならびにパターニングデバイスMAにて放射強度の所望の均一性を提供するように配置されたファセット視野ミラーデバイス20およびファセット瞳ミラーデバイス22を含んでよい。サポート構造MTによって保持されるパターニングデバイスMAにて放射ビームが反射すると、パターン付けされたビーム24が形成され、このパターン付けされたビーム24は、投影システムPSによって反射要素26および28を介してウェーハステージまたは基板テーブルWTによって保持された基板W上に結像される。
【0053】
[0064] 通常、示されているものよりも多くの要素が照明システムILおよび投影システムPS内に存在してよい。さらに、図示されているものより多くのミラーがあってもよく、例えば、図2に示す投影システムPS内に存在する反射要素より1〜6個多くの反射要素が存在してもよい。
【0054】
[0065] 図3は、図2に示しかつ図2に関連して記載されるように、燃料流ジェネレータの一部を概略的に示している。燃料流ジェネレータの一部は、燃料小滴の流れ34を軌道に沿ってプラズマ形成配置(図示せず)に向かって誘導するように構成されたノズル32を含みかつそこに導かれる導管30を含むように示される。別の例では、燃料流ジェネレータの同じ(または変更された)部分が、連続的な燃料流を提供してもよい。
【0055】
[0066] ノズル32の安定性および/または詰まり(すなわち、少なくとも部分的な閉塞)は、あらゆるインクジェット印刷用途に当てはまるように、ノズル32の使用中に生じ得る問題である。詰まりは、燃料内の汚染によって形成される。ノズル32の詰まりは、ノズル、したがって、燃料流ジェネレータに対する寿命限界(または少なくとも限界の置換、メンテナンスまたは洗浄が必要である制限時間)を与えることがある。したがって、これは、放射源またはリソグラフィ装置の全体としての有効性を制限する。
【0056】
[0067] 燃料流ジェネレータのノズル32が、燃料流ジェネレータの一部を形成する燃料流システムの他の導管等と比較して最も小さい直径または最も小さい直径のうちの1つを有する可能性が最も高い。ノズル32は最も小さい直径のうちの1つを有するため、燃料流路内の詰まりがノズル32でまたはその近くで生じ、さらにノズル32内に生じる可能性が高く、これは燃料流システムにおける制限事項である。そのような詰まりは、ノズルの有効的な形状における変化という結果となり得る。
【0057】
[0068] 有効的な形状における変化は、生成された流れ/小滴の流れのパラメータの変化、例えば、小滴または流れの形状またはサイズ、あるいは、おそらく、流れ/小滴の流れの軌道の方向における変化という結果となり得る。多数の用途においては、そのようなパラメータは、厳しい要件を満たす必要がある。特にEUV放射源においては、小滴ジェネレータの要件は、小滴の流れの軌道の位置精度に関して非常に厳しい。例えば、プラズマ形成配置では、小滴の配置は、数ミクロン内で正確である必要があり得るが、同時に、ノズル32自体は、プラズマ形成配置から比較的離れて、例えば、数十センチメートルくらいの距離離れて配置される必要があり得る。これは、例えば10マイクロラジアンより少ない小滴の流れの軌道の方向安定性要件という結果となる。全体的結果としては、ノズルの内面に堆積するかまたはノズルを通過する非常に小さい微粒子汚染でさえも、方向安定性要件が満たされていないことを確実にするほどまでにノズルの有効的な形状を変化し得る(非常に短い時間であっても)。これは、同様に、放射源の動作、それゆえリソグラフィ装置全体の動作に対して、例えば、放射の生成に関して悪影響を与える可能性がある。
【0058】
[0069] 図4は、図3で示されかつ図3を参照して記載した導管30、ノズル32および小滴の流れ34と同じものを概略的に示している。しかしながら、図4では、粒子36の形態を有する汚染は、ノズル32の内面上に堆積されている。そのような堆積は、(上記したように)ノズル32の有効的な形状における変化という結果となった。これは、その後、小滴34の流れの軌道の変化という結果となった。汚染36が同じ場所に残る場合、変化は長期間であって一定となり得るが、汚染が例えばノズルを通って移動した場合、変化は短期間であって変動しやすい。これは、軌道方向における急速な変化となり得る。
【0059】
[0070] 粒子36は、汚染の一例である。汚染の形態は微粒子であってよく、または、小滴の流れ34(例えば、フレーク、凝集など)を形成するために使用される燃料内に存在し得るほかのものであってもよい。汚染は、燃料の酸化から生じ得る。例えば、燃料がスズ(または別の溶融金属)であった場合、汚染はスズ酸化粒子(または使用される他のあらゆる金属の酸化物)であってよい。代替的に、および/または加えて、汚染は、燃料流システム内の上流で使用される装置からの材料の粒子などであってよい。
【0060】
[0071] 図5は、放射源の流体流ジェネレータを概略的に示している。流体流ジェネレータは、放射(例えば、スズなどの溶融金属)の生成に使用される燃料42の体積を保持するように構成されたリザーバ40を含む。リザーバ40は、既に上記の図3および図4に示されかつそれを参照して記載された導管30およびノズル32と流体接続されている(すなわち、燃料を供給することができる)。図5を再び参照すると、燃料42の放出を、ノズル32を通して強要させるために圧力(例えば、機械的または流体圧力)を燃料42に加えることができる。代替的、および/または加えて、燃料42をノズルから抽出するために(例えば、小滴をノズル32におけるメニスカス等から抽出するために)電界または磁界が提供されてよい。
【0061】
[0072] 燃料小滴の流れ34は、意図するプラズマ形成配置10および12と正確に一致する理想の軌道を有して示されているが、小滴は常にこの軌道を有している訳ではない。むしろ、軌道または潜在的軌道52(潜在的軌道とは、可能であるが常に広がりの中に存在する訳ではないとうことである)の広がり50が存在し得る。軌道52の広がり50は、ノズル32内またはノズル32を通って流れる汚染に帰し得る。これは、比較的長期間の軌道におけるゆっくりと変わる変化(例えば、汚染がノズル32内から抜け出せない場合)または比較的短期間の軌道52における急速に変わる変化(例えば、ノズル32を通って流れる汚染による、またはノズル32におけるまたはその近くの他の妨害による)という結果となり得る。軌道52は、ノズル32の効果的な形状における変化によって急速に方向を変化する可能性が高い(例えば、100Hzまたは200Hz以上の周波数で変化する)。これは、燃料小滴34の軌道52を同じく影響することができるよりゆっくりと変化する状態と対照的である。例えば、よりゆっくりと変化する変化は、システムダイナミクス、例えば、熱ドリフトなどから生じ、これはノズル32の位置または向きの変化となり得る。
【0062】
[0073] 図には示していないが、軌道52の広がりは、代替的にまたはそれに加えて小滴34がノズル32から抽出される方法に関連してよい。例えば、電界などを用いて小滴34をノズル32から抽出した場合、特に小滴の流れがその流れと平行である磁束線を有する電界を通過しない場合、電界は、それらの小滴の軌道に僅かな発散(すなわち、広がり)をさらにもたらし得る(例えば、僅かなミスアライメントまたはシステムドリフトによって)。代替的にまたはそれに加えて、軌道52の広がりはノズルに対する磨耗に起因し得る。これは、その効果的な形状における変化ももたらし得る。
【0063】
[0074] 典型的な燃料流ジェネレータでは、例えば、ノズルの位置または向きにおけるゆっくりと変わる変化から生じる、燃料流軌道におけるゆっくりと変わる変化を考慮しかつ修正する代わりのシステムが既にあり得る。これらの変化は、おそらく一秒に数回または低い周波数で起こり得る。しかしながら、これらのシステムは、システム内のより急速に変わる変化によって引き起こされる軌道におけるより高い周波数の変化を修正することができず、これは100Hzまたは200Hz以上の変化ということになり得る。要するに、より遅い変化を調節するまたは修正する代わりのシステムは、より高い周波数の変化を修正するための所要の帯域幅を有さない。
【0064】
[0075] 図5では、異なる軌道52が、その軌道の少なくとも一部がプラズマ形成配置10および12を外すかまたは迂回するという結果として示されている。図では誇張されているが、軌道52の変化は、要望どおりに小滴に向けられない、例えば、小滴全体(例えば、視射入射角を有する)に向けられないかまたは所望の入射角などを有さないというレーザビームに少なくともなり得る。これは、期待されるより低い変換効率という結果となり得る(すなわち、所定のセットの入力パラメータのために生成されたEUV放射の量)。したがって、変換効率を最大化するか、または有効かつ一貫性のある変換効率を維持するために、軌道が意図するプラズマ形成配置とできる限り遠くまで(かつ正確に)一致することを確実にすることが望ましい。
【0065】
[0076] 本発明の一実施形態によると、上記の問題は未然に防ぐかまたは緩和することができる。本発明は、放射源を提供する。放射源は、燃料の体積を保持するように構成されたリザーバを含む。リザーバと流体連結されておりかつ燃料の流れを軌道に沿ってプラズマ形成配置(意図するプラズマ形成配置またはターゲット配置と呼ぶこともできる)に向かって誘導するように構成されたノズルも提供される。レーザ放射をプラズマ形成配置における流れに誘導して使用中に放射生成プラズマを生成するように構成されたレーザも提供される。本発明は、通常プラズマ形成配置に向かって燃料の流れの軌道の少なくとも潜在的な広がりに合焦するように構成された正のレンズ構成が提供されることにより既存の放射源(または、より一般的には、そのような放射源における使用のための流体流ジェネレータ)から区別される。当然、広がりの境界内の全ての軌道が使用中に発生しないため、「少なくとも潜在的な広がり」という用語が含まれる。正のレンズ構成は、軌道の広がりを合焦させるために使用する、例えば、電界および/または磁界をそれぞれ生成するために使用する電界生成要素および/または磁界生成要素を含む。レンズ構成は、静電レンズおよび/または清磁気レンズであってよい。
【0066】
[0077] 本発明は、軌道方向における急速に変わる変化を修正するために特に適している。これは、本発明によると、修正(つまり、合焦)は有効的に受動的であり、あらゆる種類のフィードバックループまたはオンザフライ修正などを必要としない。本発明は、さらに、ノズルの位置または向きにおける変化という結果にもなり得るシステムダイナミクス、例えば、熱ドリフトなどに起因し得る軌道におけるゆっくりと変わる変化を修正および調節(またはその影響を減らす)ために使用することもできる。したがって、正のレンズ構成を含めることは、既存の装置および方法では現在解決することができない問題、さらに別の手段によって現在解決されている問題を解決することができる。これは、燃料流ジェネレータまたは放射源のより簡単および/または安価な設計、あるいは、少なくとも、軌道における少なくとも急速に変わる変化、またはそうでない場合、高周波数(例えば、100Hzまたは200Hz以上)変化および低周波数(例えば、10Hz以下)変化の両方を考慮に入れることができる設計へと繋がり得る。
【0067】
[0078] 図6は、図5に示されかつ図5を参照して記載された同様の流体流ジェネレータを示すが、図6の流体流ジェネレータは、ここでは正のレンズ構成60が設けられる。正のレンズ構成60は、ノズル32の下流に配置されており、この実施形態では、燃料の流れの軌道52の潜在的な広がりを少なくとも部分的に囲う。
【0068】
[0079] 正のレンズ構成60は、軌道52の広がりを意図するプラズマ形成配置10および12に向かって合焦させるように構成される。レンズ構成60の焦点は、理想的には、意図するプラズマ形成配置10および12と一致する。正のレンズ構成60は、流体の流れを偏向し、そうでない場合は誘導させるために電界および/または磁界を用いてフォーカス機能を達成させる。これを達成するためには、流体の流れ(例えば、そのコンポーネント、フィラメント、または小滴など)は帯電する必要があり得る。したがって、電荷構成は、(図には示されていないが)燃料流ジェネレータの一部を形成して燃料流の帯電を提供する。例えば、電荷トンネルは帯電を提供し得る。あるいは、リザーバまたはノズルは、上昇した電位で保たれてその中の燃料もその電位で保たれることを確実にする。その後流れがノズルから出た場合、帯電される。
【0069】
[0080] 正のレンズ構成60は、正荷電粒子レンズとして記載されてよい。そのような荷電粒子レンズには多数の例がある。荷電粒子レンズは、例えば、四重極レンズ、アパーチャレンズ、円筒レンズまたはアインツェル(Einzel)レンズ(円筒レンズの特定例であり、以下により詳細に説明する)。アインツェルレンズは流れのエネルギーが合焦されることについて変化させることなく合焦するため、好ましい場合がある。そのようなレンズの正確な種類および設計は本発明の主題ではない。むしろ、本発明は、流体小滴ジェネレータによって生成される流体流の軌道の広がりを制御するためにそのようなレンズをそのようなジェネレータに適用するという点にある。同様に、流体流が帯電され得る構成は、また、本発明の主題ではなく、例えば、流体小滴ジェネレータの分野においては周知である。結果的に、流れが帯電され得る構成は、ここではより詳細に説明していない。
【0070】
[0081] 図7は、ノズル32、潜在的軌道70の広がりの外側範囲、および意図するプラズマ形成配置10および12を概略的に示している。軌道70の広がりをプラズマ形成配置10および12に合焦させる正のレンズ構成60も提供される。図8は、ノズル32の位置における遅いが長期間の変化がどのように軌道70の広がりが合焦させる配置に影響を与えるかを示している。要するに、ノズル32の位置の変化72は、プラズマ形成配置10および12の意図する位置に対して74、1より大きい係数によって拡大される。これは、ノズル32の位置または向きの僅かなずれでさえも、プラズマ形成配置の意図する位置に対する軌道70の焦点を考慮に入れて下流で拡大されることを意味する。そのような拡大は、レーザによって燃料流を目標とすることがより困難とし得る。これは、放射源全体としての性能の低下となり得る。代替的に、またはそれに加えて、拡大は、ノズルの位置または向きにおけるそのようなシフトを修正システムによって調節および修正することを困難にし得る。
【0071】
[0082] 図9は、図7および図8に示されかつそれらを参照して説明した問題に対する解決策を提供する。一般には、レンズ構成60は、ここでは、ノズル32の位置または向きがプラズマ形成配置10および12の意図する位置においてまたはそこに対して1以下の倍数によって拡大される。図9では、これは、レンズ構成60が図7および図8に示されるものよりさらに下流に配置されていることを確実にすることによって達成されているが、同時に、図7および図8に示されるものより広くかつ強力である。図10を参照すると、また、ノズル32の位置におけるゆっくりであるが長期間の変化は、軌道70の広がりが合焦される配置に影響を与える。しかしながら、プラズマ形成配置10および12の意図する位置に対する74軌道70の焦点を考慮に入れると、ノズル32の位置72における変化が縮小されることが分かる。これは、軌道70の広がりの合焦の位置における結果としての変化が変位72と比較して意図するプラズマ形成配置10および12により近い。したがって、図10の構成は、図8の構成より長期間でゆっくりと変化するドリフトに対してあまり敏感ではない。
【0072】
[0083] 図9および図10に示されかつそれらを参照して説明した影響を達成するために必要とされるレンズの構成は、所定のレンズ構成の1つ以上の要素を移動させることによって、異なるレンズ構成(例えば、さらに下流)を提供することによって、または、同じレンズ構成の下流コンポーネントを適切に活動させることによって達成することができる。
【0073】
[0084] 図9および図10に示されかつそれを参照して説明した原理によると、本発明は、急速に変化する軌道方向を修正および補償するために使用する(すなわち、合焦させることによって)ことができるが、ノズル32の位置または向きにおける変化という結果となり得るゆっくりと変化するシステムダイナミクス(例えば、熱ドリフトなど)を少なくとも部分的に修正および補償(または少なくともその影響を最小限にする)するために使用されてもよい。代替的に、および/またはそれに加えて(かつ一般には)、レンズ構成60の位置および/または向きは、焦点の位置を制御するように制御可能であってよい。これは、ノズルなどの位置におけるドリフトを補償するために別々の装置を提供できる必要がなく、流体流ジェネレータ全体としてより少ないコンポーネントを有することが可能になる結果となり得る。レンズ構成60の位置および/または向きは、レンズ構成またはその1つ以上のコンポーネントの物理的な動きによって制御可能であってよく、および/またはレンズ構成によって使用される電界および/または磁界の大きさ、形状または一般的な構成の制御によって制御可能である。
【0074】
[0085] 図11は、アインツェルレンズの形態を有するレンズ構成のための典型的な構成を示す。レンズ構成は、流体の流れの軌道の潜在的な広がりに沿ってかつその周りに軸方向に配置された3つの円筒電極80、82および84を含む。燃料流88の発散軌道を合焦するための適切な電界86は、レンズの円筒電極80、82および84間の適切な電位差を確立することによって提供されてよい。図11では、電位差は、電極80、82および84内のフォーカス電界を達成するために3つの電極80、82および84の中心円筒電極82の間で確立される。この電位差は、電圧90を中心電極82に提供することによって確立することができ、残りの外側電極80および84を接地で維持する。当然、他の構成も可能であり、例えば、異なる電極80、82および84間にあらゆる適切な電位差(必ずしも接地に対してではなく)を提供することが可能である。
【0075】
[0086] ここでは、数値例が提供される。外側円筒80および84が設置される一方、中心円筒は、例えば1000V(電荷円筒82と接地円筒80および84との間の潜在的なブレイクスルーにより、ここまで低いものが選ばれる)の静電圧に接続される。
【0076】
[0087] 接地円筒電極80および84と電荷円筒電極82の一組によって生成される界86を通過する電荷小滴のオフセット速度は以下の通りである。
【数1】


zは電極80、82および84の対称軸に沿って測定された座標であり、Qは小滴の電荷であり、Eは半径方向の電界の勾配であり、Mは小滴の質量であり、vは速度である。
【0077】
[0088] 典型的な一例では、小滴半径=12.3μmであり、小滴体積=7.85plであり、小滴質量=5.4610−11kgである(燃料がスズであった場合)。Raleigh電荷制限は、2.410−12Cとして現れる。場の勾配の推定は、10mmを超える1000ボルト(例えば、電極80、82および84の典型的な直径)=10V/mである。レンズ化/合焦は、約10mmより上で行われる。小滴速度100m/sに対しては、半径速度は大体0.5m/sとなる。これは、焦点を約1mとして定義する。
【0078】
[0089] 当然のことながら、レンズ化/合焦行為は小滴の電荷および印加電圧による。これは、事前に適切に設定され、および/または動作または設定中に調節することができる焦点の位置を定義するための2つの可能性を与える。
【0079】
[0090] 本明細書中に説明するレンズ構成は、多目的な機能性を有してよい。例えば、レンズ構成は、燃料をノズルから抽出するための抽出構成(例えば、小滴の形態を有する)、および/または燃料の流れを構成する燃料を加速させるための加速構成、および/または燃料の流れを構成する燃料を減速させるための減速構成(例えば、燃料流の小滴間の分離を制御するため、または必要に応じてかつ必要なときに小滴を融合させるために使用される加速および/または減速)および/または燃料の流れを構成するまたは構成するであろう燃料を帯電するための帯電構成のうちの1つ以上として機能しまたはそのうちの一部を形成するように構成されてもよい。
【0080】
[0091] レンズ構成は、不変的に上記の構成のうちの1つである必要は必ずしもない。むしろ、最も可能性が高いものとしては、物理的な変化を必要とすることなく、代わりに、レンズ構成は1つ以上の構成の間で(電気的に)切替可能となる。例えば、レンズ構成は、レンズ構成の1つ以上のコンポーネント(例えば、その電極またはコイル)、および/またはレンズ構成および流れが誘導されるノズルの1つ以上のコンポーネント、および/またはレンズ構成および電荷構成の1つ以上のコンポーネント(存在した場合かつ存在するとき)の間の適切な電位差の適用による構成の間で切替可能であってよい。そのような切り替えは、例えば、適切な電子機器などを含む適切に構成されたコントローラによって達成されてよい。一部の実施形態では、レンズ構成は、1つ以上の小滴または燃料流部がレンズを通過しているときの特定の期間に対するレンズ構成として機能し、その後、別の期間に加速または減速あるいは電荷構成として機能してよい。レンズ構成が提供する多様性により、コントローラが、燃料の流れの一部がノズルからプラズマ形成配置に移るときに1つ以上の構成の間の切り替えを行うように配置され得る可能性が最も高い。例えば、所定の部分が帯電されるか、および/またはノズルから抽出され、および/またはプラズマ形成配置に向かって加速(または減速)され、および/または同じレンズ構成を用いて全て合焦させる。異なる構成の同じものが、小滴がノズルからプラズマ形成配置へと移るときの1つより多い機会に使用されてよい。
【0081】
[0092] 図12〜図15を参照して構成間の切り替えの例を以下に説明する。
【0082】
[0093] 図12は、図11に示されかつ図11を参照して説明される同じレンズ構成を示す。ノズル32もここで示されている。ノズル32は、この実施形態では、モリブデンまたはチタンなどの導電材料から成ってよい。制御された方法で小滴34をノズル32におけるメニスカスなどから引き離すために、連続流がノズル32中で維持されるか、またはノズル32にまたはその近くに残る燃料体がそこから出る。時々、電界100は、ノズル32と電極80、82および84のうちの1つ以上(接地され得る)との間に電位差90を確立することによってスイッチオンされる。界100は、メニスカス表面を荷電し、小滴34をノズル34から引き離しかつそれを電界100内で加速させ、ここで界100は発散している。小滴32は電極80、82および84の中心を直接通り抜けるように誘導されない場合、小滴は発散力線100を辿る軌道を有する。
【0083】
[0094] 図13は図11に示されかつ図11を参照して説明される同じ構成を示しているが、ここでは小滴34は初期的に発散する軌道に関して示されている。小滴34が抽出されるときと電極80、82および84を通過するときとの間のどこかで、レンズ化/合焦電界86はスイッチオンされ、電荷小滴34をレンズ/レンズ化界の焦点に向かって再誘導される。
【0084】
[0095] レンズは、小滴34を加速またはさらに加速させるために使用されてよい。図14を参照すると、第1円筒電極80は、電圧源90に接続される。中心電極82には、浮遊電位が残っていてよい。第3電極84は接地される。軸勾配を有する電界110は第1電極80と第3電極84との間で確立され、小滴34を加速させる。しばらくすると、図15に示すように、加速場がスイッチオフされてレンズ場がスイッチオンされる。この手順は複数回繰り返されてよく、小滴34を続けてまたは連続的に加速(または必要に応じて減速)し、かつその軌道を合焦させる。
【0085】
[0096] 数値例として、レンズ化および加速領域は、長さ約10〜15mmであってよい。速度50m/sを有する小滴は、およそ300マイクロ秒の間その領域に残る。電極構成の容量は小さくなる可能性が高く、あらゆる関連の配線の抵抗および寄生容量もさらに小さくてもよい。これは、アインツェルレンズのRC時間を1μs程度に低くすることができる。これは、少なくとも100kHzの切替速度を可能とし、したがってレンズ化/合焦構成と加速構成との間で切り替わる。したがって、半分の時間の間、小滴は加速することができ、半分の時間の間軌道が合焦されてよい。レンズ化および加速に対して異なる時間を選択することによって、異なるタイミングレジムを用いることができる。このようにして、小滴速度を上げることができる一方(例えば、一秒あたり数メートルまたは一秒あたり数十メートル)、必要とされる合焦を達成できることを確実にする。
【0086】
[0097] 上記の実施形態では、単一のレンズ構成を示しているが、1つ以上のさらなる正のレンズ構成を提供してもよい。そのようなさらなるレンズ構成は、既に図に示されかつ図を参照して説明されたレンズ構成の軌道の潜在的な広がり(例えば、上流または下流)に沿って提供かつ配置されてよい。1つ以上のさらなるレンズ構成は、燃料流の軌道に沿った異なる箇所に離れて配置された装置の別々および個別の部品である必要は必ずしもない。むしろ、電極および/またはコイル(または他の磁界生成要素)のアレイなどは、燃料流の潜在的軌道に沿って配置され、かつその軌道に沿って1つ以上のレンズ構成を提供するために選択的に活性化または不活性化されてよい。
【0087】
[0098] 上記の実施形態では、どのように軌道の広がりが合焦されるかを示すために電界が使用された。電界生成要素は、1つ以上の電極または他のコンポーネントを含んでよい。同じ効果を達成するために磁界が使用されてもよい。磁界は、永久磁石構成(例えば、1つ以上の永久磁石であるかまたはそれを含む)または電磁石構成(例えば、1つ以上のソレノイドであるかまたはそれを含む)を用いて提供または確立されてよい。
【0088】
[0099] 図において、リザーバ、導管およびノズルは、実質的に垂直の向きを有するものとして示されているが、他の向き、例えば、実質的に水平の向き、または別の角度の向きも可能である。
【0089】
[0100] 図において、ノズルは、導管を介してリザーバから延在するように示されている。別の実施形態では、ノズルは、導管から直接延在することができるか、または導管の一部を形成することができる(例えば、ノズルは導管の壁に形成されてよい)。
【0090】
[0101] 実施形態では、燃料が液体スズであるかまたはそれを含んでいること、および汚染が酸化スズの粒子などであるかまたはそれを含んでいることに言及している。しかしながら、本発明は、例えば、インクまたは溶融金属などの他の種類の液体/燃料に適用可能であってよく、ここでは汚染は潜在的にそのインクまたは金属の酸化物を含む。
【0091】
[0102] 上記の実施形態は放射源に関連して説明されたが、本発明は、例えば、インクジェット印刷、メタル印刷などの分野において流体流ジェネレータで使用するノズルが必要とされる他の用途に適用可能であり、特にそこで有用である。別の用途では、流体の流れはプラズマ形成配置に向かって誘導されないかもしれないが、より一般的にはターゲット配置に誘導される。ターゲット配置は、例えば、材料のシート、基板などであってよい。しかしながら、燃料の流れの軌道方向における非常に小さい(例えば、マイクロメートル程度)変化に対する放射源の感度を考慮すると、放射源に関する本発明の実施が特に好ましい場合がある。
【0092】
[0103] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド、LED、太陽電池等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
【0093】
[0104] リソグラフィ装置について説明するとき、「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
【0094】
[0105] 本発明の具体的な実施形態を上記で説明したが、当然のことながら、説明したもの以外でも本発明を行ってもよい。上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。
【0095】
[0106] 「発明の概要」および「要約書」の項は、発明者が考える本発明の1つ以上の例示的実施形態を記載できるがそのすべては記載できないため、本発明および添付の特許請求の範囲を決して限定するものではない。
【0096】
[0107] 特定の機能およびそれらの関係の実施態様を示す機能ビルディングブロックを使用して本発明の実施形態について説明した。本明細書においては、これらの機能ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、任意に画定されている。特定の機能およびそれらの関係が適切に実施される限り、代替境界を画定することも可能である。
【0097】
[0108] 特定の実施形態についての上記説明は、本発明の一般的な性質を余すところなく開示しており、したがって当業者は、当分野における知識を適用することにより、不適切な過度の実験作業を必要とすることなく、また、本発明の一般概念から逸脱することなく、様々な用途のためにこのような特定の実施形態に容易に修正を加え、および/または適合させることができる。したがって、このような適合および修正は、開示されている実施形態の、本明細書において示されている教示および手引きに基づく同等物の意味および範囲内に含まれることが意図されている。本明細書における表現または用語は、説明を目的としたものであって本発明を限定するためのものではなく、したがって本明細書の用語または表現は、当業者によって、教示およびガイダンスに照らして解釈されるべきものであることを理解されたい。
【0098】
[0109] 本発明の広さおよび範囲は、上述したいずれの例示的実施形態によっても限定されず、唯一添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物によってのみ定義されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料の体積を保持するリザーバと、
前記リザーバと流体接続されており、かつ燃料の流れを軌道に沿ってプラズマ形成配置に向かって誘導するノズルと、
レーザ放射を前記プラズマ形成配置における前記流れに誘導して、使用中、放射生成プラズマを生成するレーザと、
前記燃料の流れの軌道の少なくとも潜在的な広がりを前記プラズマ形成配置に向かって合焦させる正のレンズ構成であって、前記レンズは電界生成要素および/または磁界生成要素を含む、正のレンズ構成と
を含む、放射源。
【請求項2】
前記レンズ構成は、前記ノズルの位置または向きにおける変化が前記プラズマ形成配置の意図する位置においてまたはそれに対して1以下の倍数によって拡大されることを確実にするように構成される、請求項1に記載の放射源。
【請求項3】
前記レンズ構成は、以下の構成:
燃料を前記ノズルから抽出するための抽出構成、
前記燃料の流れを構成する燃料を加速させるための加速構成、
前記燃料の流れを構成する燃料を減速させるための減速構成、
前記燃料の流れを構成するまたは構成するであろう燃料を帯電させるための電荷構成、
のうちの1つ以上として機能するかまたは少なくともその一部を少なくとも形成するように構成される、請求項1または2に記載の放射源。
【請求項4】
前記レンズ構成は前記1つ以上の構成の間で切替可能である、請求項3に記載の放射源。
【請求項5】
前記レンズ構成は、
前記レンズ構成の1つ以上のコンポーネント、
前記レンズ構成および前記ノズルの1つ以上のコンポーネント、および/または
前記レンズ構成および前記電荷構成の1つ以上のコンポーネント
の間の適切な電位差の適用によって切替可能である、請求項4に記載の放射源。
【請求項6】
コントローラは、前記燃料の流れの一部が前記ノズルから前記プラズマ形成配置に移るときに前記構成の1つ以上の間で切り替えを行う、請求項4または5に記載の放射源。
【請求項7】
前記レンズ構成の前記位置および/または向きは焦点の前記位置を制御するように制御可能である、請求項1〜6のうちのいずれかに記載の放射源。
【請求項8】
1つ以上のさらなる正のレンズ構成が提供され、かつ前記軌道の潜在的な広がりに沿って配置され、かつ前記軌道の潜在的な広がりに沿って配置される、請求項1〜7のうちのいずれかに記載の放射源。
【請求項9】
前記レンズ構成は、静電レンズ構成、静磁気レンズ構成および/またはアインツェルレンズである、請求項1〜8のうちのいずれかに記載の放射源。
【請求項10】
前記燃料の流れを構成するかまたは構成するであろう燃料を帯電させるための電荷構成をさらに含む、請求項1〜9のうちのいずれかに記載の放射源。
【請求項11】
前記燃料の流れは燃料の小滴の流れを含む、請求項1〜10のうちのいずれかに記載の放射源。
【請求項12】
前記燃料は溶融金属である、請求項1〜11のうちのいずれかに記載の放射源。
【請求項13】
燃料の体積を保持するリザーバと、
前記リザーバと流体接続されており、かつ流体の流れを軌道に沿ってターゲット配置に向かって誘導するノズルと、
前記流体の流れの軌道の少なくとも潜在的な広がりを前記ターゲット配置に向かって合焦させる正のレンズ構成であって、前記レンズは電界生成要素および/または磁界生成要素を含む、正のレンズ構成と
を含む、流体流ジェネレータ。
【請求項14】
放射ビームを提供する照明システムと、
放射ビームの断面にパターンを与えるパターニングデバイスと、
基板を保持する基板ホルダと、
パターン付き放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムとを含むリソグラフィ装置であって、
前記リソグラフィ装置は、請求項1〜13のうちのいずれかに記載の放射源または流体流ジェネレータをさらに含むか、またはそれらと接続されている、リソグラフィ装置。
【請求項15】
燃料流ジェネレータの帯電した燃料の流れの軌道の潜在的な広がりを収束する方法であって、前記方法は、電界および/または磁界を用いて正のレンズを確立し、かつ前記帯電した燃料の流れを前記正のレンズを通して通過させることを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−70041(P2013−70041A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−190427(P2012−190427)
【出願日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】