説明

放射線画像表示装置および方法

【課題】立体視画像に重畳して表示される平面視画像の奥行き方向の位置を容易に設定できるようにする。
【解決手段】2方向から撮影した放射線画像GL,GRを用いたステレオ画像上に所定領域が設定されると、表示制御部8cが2つの画像GL,GRから所定領域に対応する領域を切り出し、その領域の2次元の拡大画像を、ステレオ画像の奥行き方向における所定値に立体視可能に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左目用および右目用の放射線画像を用いて立体視画像を表示する放射線画像表示装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像を組み合わせて表示することにより、視差を利用して立体視できることが知られている。このような立体視できる画像(以下、立体視画像またはステレオ像という)は、同一の被写体を異なる方向から撮影して取得された複数の画像を用いて表示される。
【0003】
一方、このような立体視画像は、デジタルカメラやテレビ等の分野だけでなく、放射線画像撮影の分野においても利用されている。すなわち、被検体に対して異なる撮影方向から放射線を照射し、その被検体を透過した放射線を放射線検出器によりそれぞれ検出して複数の放射線画像を取得し、これらの放射線画像を用いて立体視画像を表示することが行われている。このような立体視画像を用いることにより、奥行き感のある放射線画像を観察することができるため、診断をより行いやすくすることができる。
【0004】
ところで、病院の検査では病変周辺の組織片を採取することがあるが、近年、患者に大きな負担をかけずに組織片を採取する方法として、中が空洞の組織採取用の針(以下、生検針と称する)を患者に刺し、針の空洞に埋め込まれた組織を採取するバイオプシが注目されている。そして、このようなバイオプシを行うための装置としてステレオバイオプシ装置が提案されている。
【0005】
このステレオバイオプシ装置は、被検体の立体視画像を観察しながら病変の3次元的な位置を特定することができ、生検針の先端をその特定位置に到達するよう制御することによって所望の位置から組織片を採取することができるものである。
【0006】
このようなステレオバイオプシを行う場合、被検体の立体視画像を観察しながら病変の3次元的な位置を特定して組織片を採取している。このため、病変を正確に特定して組織片を採取するためには、立体視画像を表示し、表示された画像において病変の位置を特定し、特定した病変を含む所定範囲の領域を拡大して3次元表示することが考えられる。
【0007】
しかしながら、設定された領域を拡大して3次元表示すると、立体視画像を表示するための複数の放射線画像に含まれる、対応する組織の視差が拡大されるため、立体感が非常に大きくなって立体視がしにくくなり、観察者の目が大きく疲労することとなる。特にステレオバイオプシを行う場合、立体視画像の奥行き方向において病変を精度よく指定する必要があるため、通常の立体視画像をよりも立体感が大きい。したがって、ステレオバイオプシを行う場合、目の疲労は非常に大きいものとなる。
【0008】
このため、立体視画像における指定された領域を拡大し、拡大された領域の平面視画像(すなわち立体感のない2次元画像)を立体視画像に重畳して表示する手法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された手法によれば、指定された領域は拡大されて立体視画像に重畳されて表示されるため、目に疲労を与えることなく、指定した領域の診断を精度よく行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−182808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載された手法では、立体視画像の奥行き方向における平面視画像の位置を移動させるためには、立体視画像および平面視画像が表示されているモニタを、観察者に対して奥行き方向に移動させる必要がある。しかしながら、モニタを奥行き方向に移動させることは、非常に面倒な作業となる。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、立体視画像に重畳して表示される平面視画像の奥行き方向の位置を容易に設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による放射線画像表示装置は、左目用および右目用の放射線画像を用いて立体視画像を表示する表示手段と、
前記立体視画像に所定範囲の領域を設定する領域設定手段と、
前記立体視画像を立体視可能に前記表示手段に表示するとともに、前記2つの放射線画像のうちの少なくとも一方における前記所定範囲の領域に対応する領域の平面視画像を、前記立体視画像の奥行き方向における所定位置に表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
左目用および右目用の放射線画像は、例えば所定の輻輳角となる2方向から被検体を撮影することにより取得することができる。また、CT画像のように被検体の3次元の空間的な情報を用いて、観察者の視点位置から3次元の情報を仮想的な撮影面に投影することにより、右目用および左目用の放射線画像を生成してもよい。
【0014】
なお、本発明による放射線画像表示装置においては、前記所定位置を、前記立体視画像における最も立体感がある部分と前記立体視画像の観察者の視点との間の位置としてもよい。
【0015】
また、本発明による放射線画像表示装置においては、前記所定位置を設定する位置設定手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0016】
この場合、前記位置設定手段を、前記立体視画像における最も立体感がある部分の奥行き方向の位置に基づいて、前記所定位置を設定する手段としてもよい。
【0017】
また、前記放射線画像が、撮影台に載置した乳房を圧迫板により圧迫して撮影することにより取得したものである場合、前記位置設定手段を、前記撮影台と前記圧迫板との距離に基づいて、前記立体視画像における最も立体感がある部分の奥行き方向の位置の情報を取得する手段としてもよい。
【0018】
また、前記位置設定手段を、前記放射線画像を取得した撮影部位に基づいて、前記立体視画像における最も立体感がある部分の奥行き方向の位置の情報を取得する手段としてもよい。
【0019】
また、前記位置設定手段を、前記放射線画像取得した撮影装置の種類に基づいて、前記立体視画像における最も立体感がある部分の奥行き方向の位置の情報を取得する手段としてもよい。
【0020】
また、前記位置設定手段を、観察者の視点の奥行き方向の位置に基づいて、前記所定位置を設定する手段としてもよい。
【0021】
また、前記位置設定手段を、前記表示手段に立体視表示される、前記放射線画像以外の各種情報の表示位置に基づいて、前記所定位置を設定する手段としてもよい。
【0022】
「各種情報」としては、被検体である患者の氏名、ID等の患者情報を含むテキスト情報、および装置の操作を行うためのアイコン等が挙げられる。
【0023】
また、前記位置設定手段を、観察者の視点の奥行き方向の位置および前記表示手段に立体視表示される、前記放射線画像以外の各種情報の表示位置に基づいて、前記所定位置を設定する手段としてもよい。
【0024】
本発明による放射線画像表示方法は、左目用および右目用の放射線画像を用いて立体視画像を表示し、
前記立体視画像に所定範囲の領域を設定し、
前記立体視画像を立体視可能に前記表示手段に表示するとともに、前記2つの放射線画像のうちの少なくとも一方における前記所定範囲の領域に対応する領域の平面視画像を、前記立体視画像の奥行き方向における所定位置に表示することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、立体視画像に所定範囲の領域が設定されると、立体視画像を表示するための左目用および右目用の放射線画像のうちの少なくとも一方における所定範囲の領域に対応する領域の平面視画像が、立体視画像の奥行き方向における所定位置に表示される。このため、指定した領域の平面視画像を、所定の立体感にて表示することができる。したがって、被検体の全体感を把握しやすく、かつ領域を設定しやすい立体視画像と、的確な診断に必要な平面視画像とを同時に表示することができ、これにより、観察者が両画像を比較しながら、的確な診断を迅速に行うことができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の放射線画像表示装置の一実施形態を用いたステレオ乳房画像撮影表示システムの概略構成図
【図2】図1に示すステレオ乳房画像撮影表示システムのアーム部を図1の右方向から見た図
【図3】図1に示すステレオ乳房画像撮影表示システムの撮影台を上方から見た図
【図4】図1に示すステレオ乳房画像撮影表示システムのコンピュータ内部の概略構成を示すブロック図
【図5】本実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図6】ステレオ画像の表示を示す図
【図7】関心領域の設定を説明するための図
【図8】シフト量の算出を説明するための図
【図9】放射線画像への拡大画像の重畳を説明するための図
【図10】拡大画像が重畳されたステレオ画像の表示を説明するための図
【図11】シフト量算出の他の例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の放射線画像表示装置の一実施形態を用いたステレオ乳房画像撮影表示システムについて説明する。本発明の実施形態による乳房画像撮影表示システムは、着脱可能なバイオプシユニットを取り付けることにより乳房用のステレオバイオプシ装置としても動作するシステムである。まず、本実施形態の乳房画像撮影表示システム全体の概略構成について説明する。図1は、バイオプシユニットが取り付けられた状態の乳房画像撮影表示システムの概略構成を示す図である。
【0028】
本実施形態の乳房画像撮影表示システム1は、図1に示すように、乳房画像撮影装置10と、乳房画像撮影装置10に接続されたコンピュータ8と、コンピュータ8に接続されたモニタ9および入力部7とを備えている。
【0029】
そして、乳房画像撮影装置10は、図1に示すように、基台11と、基台11に対し上下方向(Z方向)に移動可能であり、かつ回転可能な回転軸12と、回転軸12により基台11と連結されたアーム部13を備えている。なお、図2には、図1の右方向から見たアーム部13を示している。
【0030】
アーム部13はアルファベットのCの形をしており、その一端には撮影台14が、その他端には撮影台14と対向するように放射線照射部16が取り付けられている。アーム部13の回転および上下方向の移動は、基台11に組み込まれたアームコントローラ31により制御される。
【0031】
撮影台14の内部には、フラットパネルディテクタ等の放射線検出器15と、放射線検出器15からの電荷信号の読み出しを制御する検出器コントローラ33が備えられている。また、撮影台14の内部には、放射線検出器15から読み出された電荷信号を電圧信号に変換するチャージアンプや、チャージアンプから出力された電圧信号をサンプリングする相関2重サンプリング回路や、電圧信号をデジタル信号に変換するAD変換部等が設けられた回路基板等も設置されている。
【0032】
また、撮影台14はアーム部13に対し回転可能に構成されており、基台11に対してアーム部13が回転したときでも、撮影台14の向きは基台11に対し固定された向きとすることができる。
【0033】
放射線検出器15は、放射線画像の記録と読み出しを繰り返して行うことができるものであり、放射線の照射を直接受けて電荷を発生する、いわゆる直接型の放射線検出器を用いてもよいし、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷信号に変換する、いわゆる間接型の放射線検出器を用いるようにしてもよい。また、放射線画像信号の読出方式としては、TFT(thin film transistor)スイッチをオン・オフさせることによって放射線画像信号が読み出される、いわゆるTFT読出方式のものや、読取光を照射することによって放射線画像信号が読み出される、いわゆる光読出方式のものを用いることが望ましいが、これに限らずその他のものを用いるようにしてもよい。
【0034】
放射線照射部16の中には放射線源17と、放射線源コントローラ32が収納されている。放射線源コントローラ32は、放射線源17から放射線を照射するタイミングと、放射線源17における放射線発生条件(管電流、時間、管電流時間積等)を制御するものである。
【0035】
また、アーム部13の中央部には、撮影台14の上方に配置されて乳房Mを押さえつけて圧迫する圧迫板18と、その圧迫板18を支持する支持部20と、支持部20を上下方向(Z方向)に移動させる移動機構19が設けられている。圧迫板18の位置、圧迫圧は、圧迫板コントローラ34により制御される。図3は、図1に示す圧迫板18を上方から見た図であるが、同図に示すように、圧迫板18は、撮影台14と圧迫板18により乳房を固定した状態でバイオプシを行えるよう、約10×10cm四方の大きさの開口部5を備えている。
【0036】
また、撮影台14における放射線検出器15の上方には、乳房Mを透過した放射線の散乱線を除去するためのグリッド27が配置されている。グリッド27は、乳房Mにより散乱された放射線が、放射線検出器15に照射されないように。例えば10本/mm程度の細かなピッチで放射線の透過しない鉛等と透過しやすいアルミニウムや木材等とが交互に配置されて構成されている。なお、グリッド27は、モータ等により、放射線検出器15の上方に出し入れ可能としてもよい。
【0037】
バイオプシユニット2は、その基体部分が圧迫板18の支持部20の開口部に差し込まれ、基体部分の下端がアーム部13に取り付けられることによって、乳房画像撮影表示システム1と機械的、電気的に接続されるものである。
【0038】
そして、バイオプシユニット2は、乳房Mに穿刺される生検針21を有し、着脱可能に構成された生検針ユニット22と、生検針ユニット22を支持する針支持部23と、針支持部23をレールに沿って移動させ、あるいは針支持部23を出し入れさせることにより、生検針ユニット22を図1から図3に示すX、YおよびZ方向に移動させる移動機構24とを備える。生検針ユニット22の生検針21の先端の位置は、移動機構24が備える針位置コントローラ36により、3次元空間における位置座標(X,Y,Z)として認識され、制御される。なお、図1における紙面垂直方向がX方向、図2における紙面垂直方向がY方向、図3における紙面垂直方向がZ方向である。
【0039】
コンピュータ8は、中央処理装置(CPU)および半導体メモリやハードディスクやSSD等のストレージデバイス等を備えており、これらのハードウェアによって、図4に示すような制御部8a、放射線画像記憶部8b、表示制御部8c、および位置設定部8dが構成されている。
【0040】
制御部8aは、各種のコントローラ31〜35に対して所定の制御信号を出力し、システム全体の制御を行うものである。具体的な制御方法については後述する。
【0041】
放射線画像記憶部8bは、放射線検出器15によって取得された撮影方向が異なる放射線画像信号を記憶するものである。
【0042】
表示制御部8cは、2つの放射線画像を用いたステレオ画像をモニタ9に表示したり、ステレオ画像において指定された関心領域の拡大画像を、ステレオ画像に重畳して表示したりするものである。
【0043】
位置設定部8dは、関心領域の拡大画像のステレオ画像の奥行き方向における表示位置を設定する。
【0044】
入力部7は、例えば、キーボードやマウス等のポインティングデバイスから構成されるものであり、モニタ9に表示されたステレオ画像内の異常陰影等の位置をカーソルにより指定したり、ステレオ画像の視差の変更を指示可能に構成されたものである。また、入力部7は、操作者または観察者(以下観察者とする)による撮影条件等の入力、操作指示の入力、および関心領域の指定等を受け付けるものである。
【0045】
モニタ9は、表示制御部8cの指示により、コンピュータ8から出力された2つの放射線画像信号を用いてステレオ画像を表示したり、ステレオ画像において指定された関心領域の画像をステレオ画像に重畳して表示したりするものである。ステレオ画像に重畳して表示される画像は、立体視を行うことができない2次元画像である。なお、この2次元画像は、所定の立体感を持ってステレオ画像に重畳されて表示される。
【0046】
ここで、モニタ9の構成としては、例えば、2つの画面を用いて2つの放射線画像信号に基づく放射線画像をそれぞれ表示させて、これらをハーフミラーや偏光グラス等を用いることで一方の放射線画像は観察者の右目に入射させ、他方の放射線画像は観察者の左目に入射させることによってステレオ画像を表示する構成を採用することができる。または、例えば、2つの放射線画像を所定のずれ量だけずらして重ね合わせて表示し、これを偏光グラスで観察することでステレオ画像を生成する構成としてもよいし、もしくはパララックスバリア方式およびレンチキュラー方式のように、2つの放射線画像に基づくステレオ画像を表示可能な3D液晶としてもよい。
【0047】
次に、本実施形態の乳房画像撮影表示システムの作用について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、撮影台14の上に乳房Mが設置され、圧迫板18により乳房が所定の圧力によって圧迫される(ステップST1)。
【0048】
次に、入力部7において観察者によって種々の撮影条件が入力された後、撮影開始の指示が入力される。なお、このとき生検針ユニット22は上方に待避しており、まだ乳房Mには穿刺されていないものとする。
【0049】
そして、入力部7において撮影開始の指示があると、乳房Mのステレオ画像の撮影に先だって、スカウト撮影が行われる(ステップST2)。具体的には、まず制御部8aが、バイオプシのスカウト撮影を行うべく、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読み出しを行うよう制御信号を出力する。ここで、アーム部13は初期位置においては、アーム部13が撮影台14に対して垂直となる位置にあることから、この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が射出され、乳房Mを垂直方向から撮影した放射線画像が放射線検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、その放射線画像信号に対して所定の信号処理が施された後、コンピュータ8の放射線画像記憶部8bに、スカウト画像GSの放射線画像信号として記憶される。
【0050】
スカウト撮影により取得されたスカウト画像GSはモニタ9に表示される。観察者はスカウト画像を観察しながら、スカウト画像において視認される異常陰影が圧迫板18の開口5の位置に位置するように、乳房Mの位置決めを行う。
【0051】
次いで制御部8aは、あらかじめ設定されたステレオ画像の撮影のための輻輳角θを読み出し、その読み出した輻輳角θの情報をアームコントローラ31に出力する。なお、本実施形態においては、バイオプシを行うものであることから、このときの輻輳角θの情報としてθ=±15度(すなわち30度)があらかじめ記憶されているものとするが、これに限らず、例えば、±10度の角度を用いてもよく、バイオプシを行わない場合には、立体視を良好に行うことが可能な±2度以上±5度以下の任意の角度を用いてもよい。
【0052】
次に、入力部7において撮影開始の指示があると、乳房Mのステレオ画像の撮影が行われる(ステップST3)。そして、アームコントローラ31において、制御部8aから出力された輻輳角θの情報が受け付けられ、アームコントローラ31は、この輻輳角θの情報に基づいて、図2に示すように、アーム部13が撮影台14に垂直な方向に対して、+θ度回転するよう制御信号を出力する。すなわち、本実施形態においては、アーム部13を撮影台14に垂直な方向に対して+15度回転するよう制御信号を出力する。
【0053】
そして、このアームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が+15度回転する。続いて制御部8aは、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読み出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が射出され、乳房Mを+15度方向から撮影した放射線画像が放射線検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、その放射線画像信号に対して所定の信号処理が施された後、コンピュータ8の放射線画像記憶部8bに記憶される。なお、この撮影により放射線画像記憶部8bに記憶される放射線画像信号は、右目用の放射線画像GRを表すものとなる。
【0054】
次に、アームコントローラ31は、図2に示すように、アーム部を初期位置に一旦戻した後、撮影台14に垂直な方向に対して−θ度回転するよう制御信号を出力する。すなわち、本実施形態においては、アーム部13を撮影台14に垂直な方向に対して−15度回転するよう制御信号を出力する。
【0055】
そして、このアームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が−15度回転する。続いて制御部8aは、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像の読み出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が射出され、乳房Mを−15度方向から撮影した放射線画像が放射線検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、所定の信号処理が施された後、コンピュータ8の放射線画像記憶部8bに記憶される。なお、この撮影により放射線画像記憶部8bに記憶される放射線画像信号は、左目用の放射線画像GLを表すものとなる。
【0056】
そして、乳房Mへの麻酔が行われ、再度ステレオ撮影が行われる。なお、麻酔前の乳房Mの位置決めと、麻酔後の乳房Mの位置決めとで、乳房Mの設置位置が異なるものとなった場合には、再度のスカウト撮影を行う。一方、麻酔前の乳房Mの位置決めと麻酔後の乳房Mの位置決めとで、乳房の設置位置が略同一となった場合には、被検体への被曝量低減のために、再度のスカウト撮影は行わない。
【0057】
次いで、コンピュータ8の放射線画像記憶部8bに記憶された2つの放射線画像信号は、放射線画像記憶部8bから読み出された後、所定の信号処理が施されてモニタ9に出力され、モニタ9において乳房Mのステレオ画像が表示される(ステップST4)。
【0058】
図6はステレオ画像の表示を示す図である。図6に示すように、左目用の放射線画像GLおよび右目用の放射線画像GRには乳房M内の組織が含まれており、乳房M内の組織は撮影時の輻輳角θに基づく、X方向のシフト量を有している。例えば、乳房M内において圧迫板18側にある組織は放射線画像GL,GR間におけるシフト量が大きく、撮影台14側にある組織はシフト量が小さい。本実施形態においては、初期状態においては、左目用および右目用の放射線画像GL,GRの乳房M内の組織が撮影時の輻輳角に基づく立体感を有するステレオ画像が表示される。ここで、図6において、立体視の奥行き方向がZ方向であり、Z=0の位置が撮影時における放射線検出器15の撮像面に対応する。
【0059】
なお、放射線検出器15の撮像面は、撮影台14の上面から下方に若干離れているため、ステレオ画像における立体感が最も小さい部分の奥行き方向の位置は、Z=0とはならない。
【0060】
ここで、ステレオ画像は、左目用および右目用の放射線画像GL,GRにおいて、左右方向のシフト量が0となる部分が、モニタ9の表示画面上に位置するような立体感を有するものとなる。また、本実施形態においては、ステレオバイオプシを行うものであり、輻輳角が±15度と大きいため、ステレオ画像の立体感が非常に強いものとなっている。
【0061】
また、ステレオ画像には、放射線画像GL,GRには、被検体である患者の情報が記載されたテキスト情報40が重畳される。テキスト情報40それ自体は、立体視ができない2次元画像であり、ステレオ画像を立体視した際に、乳房M内の最も立体感がある部分(すなわち最も手前に見える組織)よりも手前に見えるようなX方向のシフト量を持って、放射線画像GL,GRに重畳される。したがって、乳房M内の組織よりもテキスト情報40が手前に位置するように、ステレオ画像が立体視されることとなる。
【0062】
次いで、制御部8aにより、ステレオ画像上において、観察者が拡大して詳細に確認したい関心領域が指定されたか否かが判定される(ステップST5)。ここで、関心領域の指定は、観察者が入力部7のポインティングデバイスを用いて行う。
【0063】
図7は領域の指定を説明するための図である。なお、図7においては説明のため、ステレオ画像を2次元の立体感がない画像として表示している。図7に示すように、観察者は、入力部7のポインティングデバイスを用いて、ステレオ画像上の関心領域42を指定する。具体的には、矩形の関心領域42が設定されるように、関心領域42の対角線上に位置する2つの点O1(X1,Y1,Z1)および点O1′(X1′,Y1′,Z1′)を指定する。これにより、表示制御部8cは、2つの点O1(X1,Y1,Z1)および点O1′(X1′,Y1′,Z1′)を対角線とする矩形の関心領域42をステレオ画像に設定する。なお、詳細に観察したい部分の近傍の1つの点O1(X1,Y1,Z1)を指定することにより、あらかじめ設定されたサイズの矩形の領域となるように他の点O1′(X1′,Y1′,Z1′)を自動で設定し、点O1(X1,Y1,Z1)および点O1′(X1′,Y1′,Z1′)を対角線とする関心領域42を自動で設定するようにしてもよい。また、関心領域42の形状は矩形に限定されるものではなく、円形、矩形以外の多角形等、任意の形状のものを用いることができる。
【0064】
ステップST5が否定されるとステップST4の処理に戻る。ステップST5が肯定されると、表示制御部8cは、放射線画像GL,GRのうちの一方の画像から関心領域42に対応する領域44を切り出すとともに、所定サイズとなるように拡大する(ステップST6)。なお、本実施形態においては、左目用の放射線画像GLから領域44を切り出すものとする。そして表示制御部8cは、ステレオ画像を立体視した際に、乳房M内の最も立体感がある部分よりも手前に位置して見えるとともに、観察者の視点よりも奥側、より詳細にはテキスト情報40よりも奥側に見え位置して見えるようなX方向のシフト量を持って、切り出した領域44の拡大画像46を放射線画像GL,GRのそれぞれに重畳させる(ステップST7)。
【0065】
以下、拡大画像46のシフト量の算出について説明する。まず、位置設定部8dは、ステレオ画像を立体視した際に、乳房M内の最も立体感がある部分の奥行き方向(すなわちZ方向)の位置Z0を求める。本実施形態においては、撮影時には乳房Mは撮影台14において圧迫板18により圧迫されているため、ステレオ画像を立体視した際に、乳房M内の最も立体感がある部分は、圧迫板18に接する部分となる。したがって、乳房M内の最も立体感がある部分の奥行き方向の位置Z0は、撮影台14の上面と圧迫板18の下面との距離を用いるものとする。
【0066】
また、撮影部位を表す情報に基づいて位置Z0を求めてもよい。本実施形態の場合、撮影部位は乳房であることから、一律に位置Z0を3cmとすればよい。また、撮影部位が例えば胸部である場合には、位置Z0を40cmとすればよい。なお、撮影部位を表す情報は入力部7から入力してもよく、放射線画像GL,GRの保存時に撮影部位を表す情報が放射線画像GL,GRに付与されている場合には、付与された撮影部位を表す情報を用いてもよい。
【0067】
また、放射線画像撮影装置の種類に応じて位置Z0を求めてもよい。本実施形態の場合、撮影装置は乳房の撮影装置であることから、Z0=3cmとすればよい。
【0068】
位置設定部8dは、求めた距離Z0から、ステレオ画像に拡大画像46を表示する、奥行き方向の位置Z2を算出する。具体的には、位置Z0に定数α1(≧0)を加算することにより位置Z2を算出する。さらに、位置Z2を用いて、放射線画像GL,GR上における拡大画像46のシフト量を算出する。
【0069】
図8はシフト量の算出を説明するための図である。図8において、紙面の左右方向がX方向、紙面に垂直な方向がY方向、上下方向がZ方向である。また、P1,P2は2つの放射線画像GL,GRを取得した際の線源位置、Z方向の一点鎖線はアーム部13の回転中心を通る垂線を示す。本実施形態においては、拡大画像46の立体感は奥行き方向の位置Z2にあることから、例えば拡大画像46に、そのY方向に延びる一辺上の任意の点C0を設定する。そして、2つの線源位置P1,P2のそれぞれと点C0とを結ぶ直線L1,L2の延長線が、放射線検出器15の撮像面50と交点を算出する。2つの直線L1,L2の放射線検出器15の撮像面50との交点のX方向における位置の差Δt0が、2つの放射線画像GL,GRのそれぞれに重畳する拡大画像46のシフト量となる。
【0070】
ここで、放射線検出器15の撮像面50から線源位置P1,P2までの距離(線源距離)をSID、放射線検出器15の撮像面50から拡大画像46までの距離をZ2としたとき、シフト量Δt0は撮影時の輻輳角θを用いて下記の式(1)により算出することができる。
【0071】
Δt0=(2×Z2×SID×tanθ)/(SID−Z2) (1)
ここで、線源距離SIDは乳房画像撮影装置10において仕様からあらかじめ分かっていることから、位置設定部8dは、線源距離SID、輻輳角θおよび位置Z2から式(1)を用いてシフト量Δt0を算出する。そして、表示制御部8cは、図9に示すように、放射線画像GL,GRに対して、X方向のシフト量Δt0を持って、拡大画像46を重畳する。これにより、図10に示すように、乳房Mの組織とテキスト情報40との間に、関心領域42の拡大画像46が、立体感のない2次元画像として立体視されるように、ステレオ画像がモニタ9に表示される。
【0072】
引き続き、ステレオ画像において、観察者によって、乳房Mにおける石灰化や腫瘤等の異常陰影が発見され、さらにバイオプシユニット2によってそれらの組織を採取したい場合等には、モニタ9に表示されたステレオ画像上において、観察者によって異常陰影のターゲットが指定されたか否かが判定される(ステップST8)。ステップST8が否定されるとステップST4に戻り、ステップST4以降の処理が繰り返される。
【0073】
ここで、ターゲットの指定については、例えば、入力部7におけるマウス等のポインティングデバイスによって行うようにすればよい。具体的には、ステレオ画像を構成する2つの放射線画像内にそれぞれ3次元カーソル用の指標を表示させ、この2つの指標から構成される立体視画像である3次元カーソルを入力部7によって動かすことによってターゲットを指定するようにすればよい。なお、各放射線画像GL,GR内における指標の位置は、それぞれ同じ位置を示すように、ステレオ画像を撮影した際の撮影方向に応じてその座標位置が設定されているものとする。
【0074】
そして、観察者によってターゲットが指定されてステップST8が肯定されると、指定されたターゲットの位置情報が制御部8aによって取得され、制御部8aはその位置情報をバイオプシユニット2の針位置コントローラ35に出力する。
【0075】
この状態で、入力部7において所定の操作ボタンが押されると、制御部8aから針位置コントローラ35に対し、生検針21を移動させる制御信号が出力される。針位置コントローラ35は、先に入力された位置情報の値に基づき、生検針21の先端が、その座標が示す位置の上方に配置されるように、生検針21を移動する。
【0076】
その後、観察者により、生検針21の穿刺を指示する所定の操作が入力部7において行われると、制御部8aと針位置コントローラ35の制御の下で、生検針21の先端が座標が示す位置に配置されるように生検針21が移動させられて、生検針21による乳房の穿刺が行われる(ステップST9)。
【0077】
このように、本実施形態によれば、ステレオ画像において指定された関心領域42の拡大画像46が、ステレオ画像の奥行き方向における乳房M内の最も立体感がある部分よりも手前に立体視される。このため、観察者は所望とする立体感にて拡大画像46を観察することができる。したがって、被検体である乳房Mの全体感を把握しやすく、かつ関心領域42を設定しやすいステレオ画像と、的確な診断に必要な拡大画像46とを同時に表示することができ、これにより、観察者が両画像を比較しながら、的確な診断を迅速に行うことができることとなる。
【0078】
なお、上記実施形態においては、ステレオ画像を立体視した際に、乳房M内の最も立体感がある部分の位置Z0を基準として、拡大画像46を表示する奥行き方向の位置Z2を算出しているが、観察者の視点位置を基準としてもよい。この場合、観察者の視点の奥行き方向の位置をZ3とすると、位置Z3から定数α2(≧0)を減算することにより位置Z2を算出すればよい。また、テキスト情報40の奥行き方向の位置を基準としてもよく、この場合、テキスト情報40の奥行き方向の位置をZ4とすると、位置Z4から定数α3(≧0)を減算することにより位置Z2を算出すればよい。また、観察者の視点の位置Z3およびテキスト情報40の位置Z4の双方から位置Z2を求めてもよい。この場合、例えばZ2=(Z3×α4+Z4×α5)/(α4+α5)(但しα4,α5は0より大きい定数)の演算により位置Z2を算出すればよい。
【0079】
また、上記実施形態においては、2方向から撮影を行うことにより取得した2つの放射線画像GL,GRを用いてステレオ画像を表示しているが、CT画像のように被検体の3次元の空間的な情報を用いて、仮想的な撮影面に右目用画像および左目用画像を生成してステレオ画像を表示する場合にも、本実施形態を適用することができる。以下、このように生成した左目用画像および右目用画像における拡大画像46のシフト量の算出について、シフト量算出の他の例として説明する。
【0080】
図11はシフト量算出の他の例を説明するための図である。図11に示すように3次元情報には、被検体である乳房M内の各組織の3次元的な位置が含まれる。なお、図11においては説明のために、乳房M内の3点における組織の位置52,53,54を示している。位置設定部8dは、ステレオ画像の観察方向に仮想的な撮影面60を設定し、撮影面60上の中央の垂線(一点鎖線で示す)を中心として所定の視差角の2つの視点E1,E2から各部位を撮影面60に投影して、左目用画像GL1および右目用画像GR1を作成する。この際、3次元情報に拡大画像46の左辺を表示するべき位置C2を設定しておき、視点E1,E2から位置C2を撮影面60に投影し、左目用画像GL1および右目用画像GR1における投影位置を求める。左目用画像GL1および右目用画像GR1の投影位置の差Δt1が、左目用画像GL1および右目用画像GR1に重畳する拡大画像46のシフト量となる。
【0081】
したがって、このシフト量Δt1となるように左目用画像GL1および右目用画像GR1に拡大画像46を重畳することにより、拡大画像46を立体視可能に表示することができる。
【0082】
なお、上記実施形態においては、本発明の放射線画像表示装置の一実施形態をステレオ乳房画像撮影表示システムに適用したものであるが、本発明の被検体としては乳房に限らず、例えば、胸部や頭部等を撮影する放射線画像撮影表示システムにも本発明を適用することができる。
【0083】
また、上記実施形態においては、グリッド27を使用しているが、グリッド27を使用しない乳房画像撮影表示システムにも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 乳房画像撮影表示システム
2 バイオプシユニット
7 入力部
8 コンピュータ
8a 制御部
8b 放射線画像記憶部
8c 表示制御部
9 モニタ
10 乳房画像撮影装置
13 アーム部
14 撮影台
15 放射線検出器
17 放射線源
18 圧迫板
21 生検針
22 生検針ユニット
31 アームコントローラ
32 放射線源コントローラ
33 検出器コントローラ
34 圧迫板コントローラ
35 針位置コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左目用および右目用の放射線画像を用いて立体視画像を表示する表示手段と、
前記立体視画像に所定範囲の領域を設定する領域設定手段と、
前記立体視画像を立体視可能に前記表示手段に表示するとともに、前記2つの放射線画像のうちの少なくとも一方における前記所定範囲の領域に対応する領域の平面視画像を、前記立体視画像の奥行き方向における所定位置に表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とする放射線画像表示装置。
【請求項2】
前記所定位置は、前記立体視画像における最も立体感がある部分と前記立体視画像の観察者の視点との間の位置であることを特徴とする請求項1記載の放射線画像表示装置。
【請求項3】
前記所定位置を設定する位置設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像表示装置。
【請求項4】
前記位置設定手段は、前記立体視画像における最も立体感がある部分の奥行き方向の位置に基づいて、前記所定位置を設定する手段であることを特徴とする請求項3記載の放射線画像表示装置。
【請求項5】
前記放射線画像が、撮影台に載置した乳房を圧迫板により圧迫して撮影することにより取得したものである場合、前記位置設定手段は、前記撮影台と前記圧迫板との距離に基づいて、前記立体視画像における最も立体感がある部分の奥行き方向の位置の情報を取得する手段であることを特徴とする請求項4記載の放射線画像表示装置。
【請求項6】
前記位置設定手段は、前記放射線画像を取得した撮影部位に基づいて、前記立体視画像における最も立体感がある部分の奥行き方向の位置の情報を取得する手段であることを特徴とする請求項4記載の放射線画像表示装置。
【請求項7】
前記位置設定手段は、前記放射線画像取得した撮影装置の種類に基づいて、前記立体視画像における最も立体感がある部分の奥行き方向の位置の情報を取得する手段であることを特徴とする請求項4記載の放射線画像表示装置。
【請求項8】
前記位置設定手段は、観察者の視点の奥行き方向の位置に基づいて、前記所定位置を設定する手段であることを特徴とする請求項3記載の放射線画像表示装置。
【請求項9】
前記位置設定手段は、前記表示手段に立体視表示される、前記放射線画像以外の各種情報の表示位置に基づいて、前記所定位置を設定する手段であることを特徴とする請求項3記載の放射線画像表示装置。
【請求項10】
前記位置設定手段は、観察者の視点の奥行き方向の位置および前記表示手段に立体視表示される、前記放射線画像以外の各種情報の表示位置に基づいて、前記所定位置を設定する手段であることを特徴とする請求項3記載の放射線画像表示装置。
【請求項11】
左目用および右目用の放射線画像を用いて立体視画像を表示し、
前記立体視画像に所定範囲の領域を設定し、
前記立体視画像を立体視可能に前記表示手段に表示するとともに、前記2つの放射線画像のうちの少なくとも一方における前記所定範囲の領域に対応する領域の平面視画像を、前記立体視画像の奥行き方向における所定位置に表示することを特徴とする放射線画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−106695(P2013−106695A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252475(P2011−252475)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】