説明

放射線硬化水性塗料用の接着剤

本発明は、放射線硬化水性塗料用の接着剤に関するものであって、前記接着剤が、1分子あたり少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物Aと、不飽和脂肪酸Bと、オレフィン系不飽和モノマーCと、不飽和脂肪族水酸基を含む化合物Dと、多官能性イソシアナートEとの反応生成物ABCDEを含み、化合物Cは、化合物Bに常に直接結合し、化合物Dは、化合物Eに常に直接結合し、化合物Aは、化合物Bに常に直接結合する。本発明はまた、前記接着剤を生成させる方法およびその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線硬化性水ベース塗料用バインダに関する。
【背景技術】
【0002】
紫外光照射硬化性水ベース塗料は、欧州特許B 0 694 531号(特許文献1)およびオーストリア特許B 404 733号(特許文献2)から公知である。それは、バインダとして水で希釈可能なウレタン樹脂を含む。
【0003】
しかし、そうした塗料には、実用上の欠点がある。特に、それは、金属塗装の腐食防止要件に合わない。
【0004】
したがって、本発明の目的は、腐食を十分に防止し、金属、特に金属原板塗装用の水で希釈可能なバインダであって、硬化が高エネルギー光の照射によって行われるバインダを提供することである。
【0005】
エポキシ樹脂から誘導されるバインダをベースとする、放射線硬化性で、水で希釈可能な塗料は、腐食を十分防止するコーティングをもたらすことがわかった。
【0006】
したがって、本発明は、放射線硬化性の水ベースの塗料用バインダであって、1分子あたり少なくとも2個のエポキシド基を有するエポキシ化合物Aと、不飽和脂肪酸Bと、オレフィン系不飽和モノマーCと、水酸基を含む不飽和脂肪族化合物Dと、多官能性イソシアナートEとの反応生成物ABCDEを含むバインダに関する。化合物Cは、化合物Bに常に直接結合し、同様に、化合物Dは、化合物Eに常に直接結合し、化合物Aは、化合物Bに常に直接結合する。
【0007】
本発明はまた、本発明によるバインダの調製方法を提供する。
【0008】
最後に、本発明はさらに、本発明によるバインダとアクリレート・コポリマーの水性分散液との混合物に関する。
【0009】
エポキシ化合物Aは、1分子あたり少なくとも2個のエポキシド基を有し、脂肪族、芳香族または芳香族/脂肪族混合でよい。適切な脂肪族ジエポキシドまたはポリエポキシドは、特に、1,5−ジエポキシヘキサンや1,7−ジエポキシオクタンなどのα,ω−ジエポキシアルカン;ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなど、グリシジルアルコールと炭素原子2〜20個を有する二価以上のアルコールとのエーテル;グリシジルアルコールとポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールとのエーテル;あるいは、アジピン酸ジグリシジル、ヘキサヒドロフタール酸ジグリシジル、脂肪酸2量体のジグリシジルエステルなど、グリシジルアルコールと2塩基性以上の脂肪族カルボン酸のエステルである。適切な芳香族ジエポキシドまたはポリエポキシドは、ジエポキシジビニルベンゼンおよびジエポキシジビニルナフタレンである。適切な芳香族/脂肪族混合のジエポキシドまたはポリエポキシドは、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ジヒドロキシビフェニルスルホンまたはジヒドロキシジフェニルスルホンのジグリシジルエーテルである。他の適切な化合物には、前記ジエポキシドまたはポリエポキシドと2官能性以上のヒドロキシル化合物との付加生成物、たとえばアドバンスメント(advancement)反応によって得られるビスフェノールAベースのエポキシ樹脂がある。
【0010】
不飽和脂肪酸Bは、少なくとも1個のオレフィン系二重結合および炭素原子6〜30個を有する、直鎖または分枝の脂肪族モノカルボン酸である。適切な化合物には、なかでもパルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸、アラキドン酸、エルカ酸およびイワシ酸ならびにその混合物、特に油の鹸化によって得られる工業級の混合物がある。
【0011】
特に好ましい化合物は、脂肪酸およびその混合物であり、それは少なくとも2個のオレフィン系二重結合を有するが、その二重結合は好ましくは非共役である。アマニ油脂肪酸、トール油脂肪酸およびヒマワリ油脂肪酸が特に適切である。
【0012】
オレフィン系不飽和モノマーCは、オレフィン系不飽和酸、好ましくはオレフィン系不飽和カルボン酸またはジカルボン酸を質量割合で少なくとも10%含む。オレフィン系不飽和ジカルボン酸とジカルボン酸1モルあたりアルコール1モルのハーフエステルを使用することも可能である。好ましいオレフィン系不飽和酸は、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸およびイソクロトン酸である。好ましく使用できるハーフエステルの例としては、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸またはメサコン酸のモノメチルエステルがある。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなど、前記の酸と1価または多価のアルコールのエステル;マレイン酸ジメチルなど前記ジカルボン酸のジエステル;ならびに(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、モノ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、ジ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパンなど、水酸基官能性の化合物(化合物Dとしても使用)を、前記酸性モノマーとの混合物中で使用することができる。他の適切なモノマーは、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルである。
【0013】
水酸基を含む不飽和脂肪族化合物Dは、2価以上のアルコールと、オレフィン系不飽和酸の基を含むモノマー、特にアクリル酸およびメタクリル酸とのエステルである。(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルが特に適切である。
【0014】
多官能性イソシアナートEは、少なくとも2個のイソシアナート基を有する芳香族、脂肪族および芳香族/脂肪族混合のイソシアナートである。好ましくは、脂肪族イソシアナート、ならびにキシリレンジイソシアナートやテトラメチルキシリレンジイソシアナートなど、イソシアナート基が脂肪族炭素原子と結合している、ジイソシアナートを含めた芳香族イソシアナートである。好ましい脂肪族イソシアナートは、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルへキサンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、1,3−ビス(イソシアナート)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナート)シクロヘキサンなど、炭素原子4〜12個を有する直鎖、分枝および環式イソシアナートである。
【0015】
本発明は、さらに、バインダABCDEの調製方法に関するものであり、第1工程で、A中のエポキシド基1モルあたり脂肪酸B中の酸基が少なくとも0.5モルとなるように抽出物の量を選定して、エポキシ化合物Aを不飽和脂肪酸Bと反応させて付加化合物を得る。少なくとも0.7モル/モル、特に0.9モル/モル〜1.0モル/モルの比が好ましい。第2工程で、そのようにして形成された付加化合物ABをフリー・ラジカル開始剤の存在下でオレフィン系不飽和モノマーCと反応させ、化合物Cが、重合しかつ付加化合物AB上に少なくとも部分的にグラフトを形成し、グラフト化は、好ましくは脂肪酸の二重結合のところで行われる。次いで、別個の工程で水酸基官能性のオレフィン系不飽和モノマーDを多官能性、好ましくは2官能性イソシアナートEと反応させることによって調製されたセミキャップド(semicapped)イソシアナートDEに第2工程で形成されたグラフト・コポリマーABCを反応させて、ウレタンを形成させることによって生成物ABCDEを得る。この反応を、好ましくは、DE中のイソシアナート基の物質量とB中の水酸基の物質量の比が0.2〜0.9となるように実施し、その比は、好ましくは、反応生成物ABCDEの酸価が5mg/g〜80mg/g、特に10mg/g〜50mg/gとなるように選定する。
【0016】
酸価は、DIN EN ISO 3682により、試験試料を中和するのに必要な水酸化カリウムの質量mKOHとその試料の質量m(溶液または分散液の場合試料中の固体の質量)の比として定義され、その慣用の単位は「mg/g」である。
【0017】
本発明によるバインダは、放射線硬化性のコーティング剤(紫外放射線または電子ビームによって硬化性)の調製に特に適している。光開始剤を加え、高エネルギー光を照射すると、光開始剤は、ラジカルを形成し、そのラジカルが重合による硬化を開始させる。本発明によるバインダの特別な特徴は、水性アクリレート分散液に対する相容性が高いことである。そうした分散液は、質量比で最高50:50まで(それぞれの場合、分散液中の固体の質量に基づいて)混合することができ、それによって硬化速度または得られるコーティング膜の特性は悪影響を受けることはない。ここでは、水酸基を含む公知のアクリレート分散液および自己架橋性アクリレート分散液が適している。
【0018】
好ましいアクリレート分散液は、炭素原子3〜10個を有する直鎖または分枝の脂肪族モノアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、メタノールやエタノールの(メタ)アクリル酸エステル、炭素原子2〜6個を有する脂肪族2価アルコール、特にグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールの(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエンおよびジアセトンアクリルアミドなどカルボニル基を含むオレフィン系不飽和モノマーのコポリマーをベースとする自己架橋性アクリレート分散液;ならびに炭素原子3〜10個を有する直鎖または分枝の脂肪族モノアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、メタノールやエタノールの(メタ)アクリル酸エステル、炭素原子2〜6個を有する脂肪族2価アルコール、特にグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールの(メタ)アクリル酸エステル、スチレンおよびビニルトルエンのコポリマーをベースとする水酸基官能性アクリレート分散液である。自己架橋性アクリレート分散液の場合、炭素原子2〜8個を有する脂肪族ジカルボン酸のジアミン、または好ましくはジヒドラジンもしくはジヒドラジドを使用し、アジピン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
【0019】
このような形で調製されたバインダを使用して、金属原板上でさえもコーティングを生成し、良好な腐食防止性を基材に付与することができる。
本発明を以下の実施例によって例示する。
【0020】
(実施例)
(実施例1)
アマニ油脂肪酸560gを触媒であるトリフェニルホスフィン0.6gとともに140℃に加熱した。ビスフェノールAジグリシジルエーテル380gを十分に攪拌しながら2時間かけて加え、エポキシド基がもはや検出不能になるまで、その混合物をその温度で攪拌した。
【0021】
(実施例2)
実施例1の脂肪酸エポキシ付加化合物100gをキシレン70gとともに140℃に加熱した。メタクリル酸ブチル29.0gとメタクリル酸15.6gの混合物、およびこれと別個にジ(t−ブチル)ペルオキシド2.0gを先の混合物に8時間かけて加えた。添加終了後、得られた混合物をさらに140℃で2時間保持し、次いで室温まで冷却した。得られた溶液の固体の質量割合は68.1%であった。
【0022】
(実施例3)
イソホロンジイソシアナート222.3gを亜リン酸トリフェニル0.5gとともに50℃に加熱した。アクリル酸ヒドロキシエチル116.1gおよびヒドロキノンモノメチルエーテル0.2gを1時間かけて加え、次いでその混合物を攪拌しながら80℃に加熱し、遊離のイソシアナート基の質量割合が12%に低下するまでその温度で保持した。
【0023】
(実施例4)
実施例2の生成物140gを実施例3の生成物40.0gと混合し、遊離のイソシアナート基の質量割合が0.1%未満に低下するまで80℃で攪拌した。次いで温度を130℃に上げ、キシレンを減圧下で留去した。95℃に冷却後、水酸化リチウム水溶液(水溶液100g中にLiOH5g)28gを加えた。次いで脱塩水146gを95℃で1時間かけて加えて、固体の質量割合約44%、酸価47.8mg/gの水性分散液を得た。
【0024】
(実施例5)
イソホロンジイソシアナート222.3gをジラウリン酸ジブチルスズ0.25gおよび亜リン酸トリフェニル0.5gとともに40℃に加熱した。アクリル酸ヒドロキシプロピル130.1gおよびヒドロキノンモノメチルエーテル0.2gを1時間かけて加え、次いでその混合物を攪拌しながら80℃に加熱し、遊離のイソシアナート基の質量割合が12%に低下するまでその温度で保持した。
【0025】
(実施例6)
実施例5の生成物60.0g、ジラウリン酸ジブチルスズ0.01gおよびヒドロキノンモノメチルエーテル0.5gを実施例2の生成物147.1gに80℃で混合し、混合物を、遊離のイソシアナート基の質量割合が0.1%未満に低下するまで80℃で攪拌した。次いで温度を130℃に上げ、キシレンを減圧下で留去した。95℃に冷却後、水酸化リチウム水溶液(水溶液100g中にLiOH5g)29.1gを加えた。次いで脱塩水215gを95℃で1時間かけて加えて、固体の質量割合約40%の水性分散液を得た。
【0026】
(実施例7)
塗料試験
実施例4および実施例6の生成物それぞれ100gに、登録商標Irgacure184のブチルグリコール溶液(溶液100g中に登録商標Irgacure184を50g)6gを添加して、塗料7.1および7.2を調製した。
【0027】
以下の結果が得られた。
鉄のシートに濡れ膜厚120μmで塗料を塗布し、50℃〜60℃で10分間乾燥し、次いで水銀蒸気ランプ(出力80W、距離10cm、コンベア・ベルト速度毎分4m)による照射によって硬化させた後、なめらかで、斑点のないコーティングを得た。エリクセン塗膜強度(Erichsen cupping)(ISO 1520)の測定値は、両方とも9mmであり、衝撃試験(Erichsen、ASTM D2794−90)およびクロスハッチ(crosshatch)試験(DIN EN ISO 2409)の結果は、塗料7.1で10/10および3/5、塗料7.2で30/20および0/5であった。
【0028】
(実施例8)
木材の抵抗試験
木製ボードに実施例7の前記塗料を塗布し(200μm、各コート後50℃〜60℃で10分間乾燥の2回コート)、実施例7と同様に硬化させた後、DIN 68861、パート 1Aにしたがってコーティングの抵抗を測定した。以下の結果が得られた(それぞれの場合、暴露時間は16時間)。
【0029】
【表1】

【0030】
(実施例9)
アクリレート分散液との混合物
塗料7.1および塗料7.2と様々なアクリレート分散液の混合物を調製した。
9.1 アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル/ジアセトンアクリルアミド・コポリマーおよび架橋剤であるアジピン酸ジヒドラジドをベースとした自己架橋性アクリレート分散液;固体の質量割合:45%
9.2 アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルおよびスチレンをベースとした水酸基官能性アクリレート分散液
9.3 メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチルおよびスチレンをベースとした水酸基官能性アクリレート分散液
9.4 アクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル/スチレン/ジアセトンアクリルアミド・コポリマー、および架橋剤であるアジピン酸ジヒドラジドをベースとした自己架橋性アクリレート分散液
【0031】
混合物(本発明によるバインダ中の固体質量とアクリレートの固体質量の比:90:10、75:25および50:50)は、すべての場合で清澄であり(濁りがない)、塗料7.1を使用する場合、コートされた表面は例外なく欠点がないが、塗料7.2をアクリレート分散液9.3とともに使用する場合、2〜3の線を表面に観察することができた。市販の放射線硬化性のバインダを上記の分散液によるアクリレート分散液と混合したとき、すべての場合、混合物でにごりが観察され、それをコートした表面すべてで膜中に欠陥が現れた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線硬化性の水ベースの塗料用バインダであって、1分子あたり少なくとも2個のエポキシド基を有するエポキシ化合物Aと、不飽和脂肪酸Bと、オレフィン系不飽和モノマーCと、水酸基を含む不飽和脂肪族化合物Dと、多官能性イソシアナートEとの反応生成物ABCDEからなり、化合物Aがβ−ヒドロキシエステル結合によって化合物Bと結合し、化合物Cが付加化合物AB上で少なくとも部分的にグラフトを形成して、化合物ABCが得られること、化合物Dがウレタン基によって化合物Eと結合して、セミキャップド・イソシアナートDEが得られること、および化合物ABCがウレタンの形成の場合と同様な仕方で化合物DEと結合することを特徴とするバインダ。
【請求項2】
前記エポキシ化合物Aが、グリシジルアルコールと炭素原子2〜20個を有する二価以上のアルコールとのエーテル;グリシジルアルコールとポリエチレンまたはポリプロピレングリコールとのエーテル;グリシジルアルコールと2塩基性以上の脂肪族カルボン酸とのエステル;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ジヒドロキシビフェニルスルホンおよびジヒドロキシジフェニルスルホンのジグリシジルエーテル;ならびに前記ジエポキシドと2官能性以上のヒドロキシル化合物との付加生成物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のバインダ。
【請求項3】
前記不飽和脂肪酸Bが、直鎖または分枝の脂肪族モノカルボン酸であり、少なくとも1個のオレフィン系二重結合および炭素原子6〜30個を有することを特徴とする、請求項1に記載のバインダ。
【請求項4】
前記オレフィン系不飽和モノマーCが、オレフィン系不飽和酸を質量割合で少なくとも10%含むことを特徴とする、請求項1に記載のバインダ。
【請求項5】
水酸基を含む前記不飽和脂肪族化合物Dが、2価以上のアルコールとオレフィン系不飽和酸の基を含むモノマーとのエステルであることを特徴とする、請求項1に記載のバインダ。
【請求項6】
前記多官能性イソシアナートEが、少なくとも2個のイソシアナート基を有する芳香族、脂肪族および芳香族/脂肪族混合のイソシアナートであることを特徴とする、請求項1に記載のバインダ。
【請求項7】
第1工程で、A中のエポキシド基1モルあたり脂肪酸B中の酸基を少なくとも0.5モル使用して、前記エポキシ化合物Aを前記不飽和脂肪酸Bと反応させて付加化合物を得、
第2工程で、そのようにして形成された前記付加化合物ABをフリー・ラジカル開始剤の存在下で前記オレフィン系不飽和モノマーCと反応させ、前記化合物Cが、重合し、前記付加化合物AB上に少なくとも部分的にグラフトを形成し、
別個の第3工程で、前記水酸基官能性のオレフィン系不飽和モノマーDを前記多官能性、好ましくは2官能性イソシアナートEと反応させることによって、セミキャップド・イソシアナートDEを調製し、
第4工程で、前記イソシアナートDEを、第2工程で形成した前記グラフト・コポリマーABCと反応させて、ウレタンを形成させることによって前記生成物ABCDEを得ることを特徴とする、請求項1に記載のバインダの調製方法。
【請求項8】
少なくとも0.7モル/モルの比を第1工程で選定することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
DE中のイソシアナート基の物質量とB中の水酸基の物質量の比0.2〜0.9を第4工程で選定することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記反応生成物ABCDEが酸価5mg/g〜80mg/gを有するように、第4工程で物質量の比を選定することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
木材、金属およびプラスチック用の放射線硬化性コーティング剤を調製するために、請求項1に記載のバインダを使用する方法であって、請求項1に記載の前記バインダと光開始剤を混合することを含む方法。
【請求項12】
水性アクリレート分散液を混合することからなる、請求項11に記載の使用方法。

【公表番号】特表2007−503492(P2007−503492A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524305(P2006−524305)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009339
【国際公開番号】WO2005/021615
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(505456584)サイテク サーフェィス スペシャルティーズ オーストリア ゲーエムベーハー (16)
【Fターム(参考)】