説明

放熱基材および放熱基材の製造方法

【課題】放熱性の低下を抑制できる放熱基材および放熱基材の製造方法を提供する。
【解決手段】放熱基材10は、金属基材11と、絶縁性材料12と、金属基複合材料13とを備えている。金属基材11は、表面11aを有する。絶縁性材料12は、金属基材11の表面11aに形成されている。金属基複合材料13は、絶縁性材料12の周囲に形成されている。金属基複合材料13は、金属基材11の熱膨張係数と絶縁性材料12の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱基材および放熱基材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやモバイル電子機器の高機能化、高密度実装化に伴い、CPU(Central Processing Unit:セントラルプロセッシングユニット)、GPU(Graphics Processing Unit:グラフィックスプロセッシングユニット)、チップセット、メモリーチップ等の半導体素子の発熱源の単位面積あたりの発熱量が飛躍的に増大しており、放熱装置の高性能化が求められている。これは、半導体素子には構成する材料固有の作動上限温度が定まっており、その温度以上では半導体素子が破壊してしまうので、放熱が不十分な状態では著しく寿命低下をきたすためである。通常、自然対流や電動送風装置を用いた強制対流を用いて放熱を図る。しかし、原理的に単位面積あたりの放熱量には冷却方式固有の上限がある。したがって、大量の熱を放熱するためには、放熱する面積を拡大する放熱基材が一般に用いられている。
【0003】
このような放熱基材として、たとえば特開2002−121639号公報(特許文献1)には、銅を25〜45質量%含み、ヤング率が250GPa以下の銅−タングステン系および/または銅−モリブデン系複合材料からなる放熱基板が開示されている。特許文献1には、この放熱基板上に電気絶縁性のセラミックスからなる基板を配置し、このセラミックスからなる基板上に半導体素子を配置することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−121639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の放熱基板では、半導体素子による発熱と冷却とを繰り返すと、放熱基板またはセラミックスからなる基板の形状が歪んでしまうという問題があることを本発明者は鋭意研究の結果見い出した。放熱基板またはセラミックスからなる基板の形状が歪んでしまうと、放熱性能が低下してしまう。
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、放熱性の低下を抑制できる放熱基材および放熱基材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の放熱基材は、金属基材と、絶縁性材料と、金属基複合材料とを備えている。金属基材は、表面を有する。絶縁性材料は、金属基材の表面に形成されている。金属基複合材料は、絶縁性材料の周囲に形成されている。金属基複合材料は、金属基材の熱膨張係数と絶縁性材料の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有している。
【0008】
本発明の放熱材料によれば、金属基材の熱膨張係数と絶縁性材料の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する金属基複合材料を、絶縁性材料の周囲に形成している。この金属基複合材料により、金属基材と絶縁性材料との熱膨張率の差を緩和することができる。このため、半導体素子などの発熱部材を絶縁性材料上に配置した場合に、発熱と冷却との繰り返しによる熱応力が放熱基材に加えられても、放熱基材の形状が歪むことを抑制できる。したがって、放熱基材の歪みによる放熱性能の低下を抑制することができる。
【0009】
上記放熱基材において好ましくは、絶縁性材料は、セラミックスである。セラミックスは、熱伝導性が高く、かつ絶縁性を確保できるので、半導体素子などの放熱材料として好適に用いられる。
【0010】
上記放熱基材において好ましくは、セラミックスは、アルミナ(Al23)および窒化アルミニウム(AlN)の少なくとも一方を含む。これにより、放熱性能の低下をより抑制することができる。
【0011】
上記放熱材料において好ましくは、金属基材は、アルミニウム(Al)および銅(Cu)の少なくとも一方を含む。
【0012】
これらの金属は熱伝導率が高いため、放熱性をより向上した放熱基材を実現することができる。
【0013】
上記放熱基材において好ましくは、金属基複合材料は、金属基材を構成する金属材料と、熱伝導性粒子とを含む。
【0014】
この場合、金属基材と熱伝導性粒子とを攪拌することにより金属基複合材料が得られるので、放熱基材のコストを低減することができる。
【0015】
上記放熱基材において好ましくは、熱伝導性粒子が、炭化ケイ素(SiC)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、および炭素繊維からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を含む。
【0016】
これにより、金属基複合材料の熱伝導率を向上することができるので、放熱基材の放熱性能の低下をより抑制することができる。
【0017】
上記放熱基材において好ましくは、絶縁性材料は、半導体素子を搭載するための表面を有する。
【0018】
本発明の放熱基材は、放熱性能の低下を抑制しているので、半導体素子を搭載すると、半導体素子から発生する熱を効果的に放熱することができる。
【0019】
上記放熱材基材において好ましくは、半導体素子は、シリコン(Si)、インジウムリン(InP)、ガリウム砒素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、および窒化アルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を含む。
【0020】
これらの材料の半導体素子についても、本発明の放熱基材を用いることにより、放熱性能の低下を抑制することができる。
【0021】
本発明の放熱基材の製造方法は、以下の工程を備えている。第1および第2の開口部を有する表面を含む金属基材を準備する。第1の開口部に、絶縁性材料を装填する。第2の開口部に、熱伝導性粒子を装填する。熱伝導性粒子と接触する金属基材と、熱伝導性粒子とを攪拌することにより、絶縁性材料の周囲に金属基複合材料を形成する。
【0022】
本発明の放熱基材の製造方法によれば、金属基材の開口部に供給した熱伝導性粒子と、この熱伝導性粒子と接触する金属基材とを攪拌することによって、金属基材を構成する材料と熱伝導性粒子とが混合された金属基複合材料を形成することができる。この金属基複合材料は、金属基材の熱膨張率と絶縁性材料の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有し、かつ絶縁性材料の周囲に形成することができる。この金属基複合材料により、金属基材と絶縁性材料との熱膨張率の差を緩和することができる。このため、半導体素子などの発熱部材を絶縁性材料上に配置した場合に、発熱と冷却との繰り返しによる熱応力が放熱基材に加えられても、放熱基材の形状が歪むことを抑制できる。したがって、歪みによる放熱性能の低下を抑制することができる放熱基材を製造することができる。
【0023】
上記放熱基材の製造方法において好ましくは、金属基複合材料を形成する工程では、金属基材の表面に棒状の回転部材を当接させつつ回転させる。
【0024】
これにより、容易に放熱基材を製造することができるので、コストを低減して放熱基材を製造することができる。
【0025】
上記放熱基材において好ましくは、金属基複合材料を形成する工程では、先端に位置するロッド状のプローブと、プローブと接続され、かつ金属基材の表面と接するショルダー面とを有する回転部材を用い、回転部材のショルダー面を、絶縁性材料を覆うように当接させる。
【0026】
これにより、容易に複合材料を製造することができるので、コストを低減して放熱基材を製造することができる。
【0027】
上記放熱基材において好ましくは、金属基複合材料を形成する工程では、ショルダー面に300MPa以上の圧力を印加して攪拌する。
【0028】
これにより、攪拌中に絶縁性材料が金属基材から浮き上がることを抑制できる。このため、特性を向上した放熱基材を製造することができる。
【0029】
上記放熱基材において好ましくは、金属基複合材料を形成する工程では、少なくとも一部に液相を生成させながら攪拌する。
【0030】
これにより、攪拌時に金属の塑性流動が抑制されにくくなるため、熱伝導性粒子を金属中に均一性を向上して分散させることができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明の放熱基材および放熱基材の製造方法によれば、放熱性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態における放熱基材を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における金属基材を概略的に示し、(A)は断面図であり、(B)は平面図である。
【図3】本発明の実施の形態における絶縁性材料を概略的に示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における熱伝導性粒子を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における金属基材に絶縁性材料および熱伝導性粒子を装填した状態を概略的に示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態における回転部材を概略的に示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態における回転部材を概略的に示す側面図である。
【図8】本発明の実施の形態における金属基材と熱伝導性粒子とを攪拌した状態を概略的に示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態における金属基材と熱伝導性粒子とを攪拌した状態を概略的に示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態の変形例1における熱伝導性粒子を装填した状態を概略的に示す平面図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例1における金属基複合材料を概略的に示す平面図である。
【図12】本発明の実施の形態の変形例2における熱伝導性粒子を装填した状態を概略的に示す平面図である。
【図13】本発明の実施の形態の変形例2における金属基複合材料を概略的に示す平面図である。
【図14】本発明の実施の形態の変形例3における熱伝導性粒子を装填した状態を概略的に示す平面図である。
【図15】本発明の実施の形態の変形例3における金属基複合材料を概略的に示す平面図である。
【図16】比較例の放熱基材を概略的に示す断面図である。
【図17】比較例の放熱基材を構成する金属基材を概略的に示す断面図である。
【図18】比較例の放熱基材に半導体素子を搭載した状態を概略的に示す断面図である。
【図19】本発明の実施の形態における放熱基材に半導体素子を搭載した状態を概略的に示す断面図である。
【図20】実施例における放熱基材の大きさを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0034】
図1を参照して、本実施の形態における放熱基材10について説明する。放熱基材10は、金属基材11と、絶縁性材料12と、金属基複合材料13とを備えている。金属基材11は、表面11aを有している。絶縁性材料12は、金属基材11の表面11aに配置されている。言い換えると、放熱基材10の表面の一部に、絶縁性材料12は形成されている。金属基複合材料13は、金属基材11の表面11aに配置され、かつ絶縁性材料12の周囲に形成されている。金属基複合材料13は、絶縁性材料12に接し、かつ絶縁性材料12の全周を取り囲むことが好ましい。本実施の形態では、金属基材11の表面11aと、絶縁性材料12の表面12aと、金属基複合材料13の表面とは同一平面に位置付けられている。なお、本発明の放熱基材は、同一平面に位置付けられていなくてもよい。
【0035】
金属基材11は、たとえば開口部を有する平板である。金属基材11の材料は特に限定されないが、熱伝導率が高く、安価であるため、AlおよびCuの少なくとも一方を含むことが好ましい。金属基材11は、Al、Cu、またはこれらの合金からなることがより好ましい。
【0036】
絶縁性材料12は、半導体素子などの発熱部材を搭載するために形成され、発熱部材を搭載するための表面12aを有している。絶縁性材料12は、絶縁性であれば特に限定されないが、熱伝導性が高く、かつ絶縁性を確保できるので、セラミックスが好ましく、Al23およびAlNの少なくとも一方を含むことがより好ましい。
【0037】
金属基複合材料13は、金属基材11の熱膨張係数と絶縁性材料12の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有している。ここで、「熱膨張係数」は、室温から500℃の間のレーザ変位読み取り式熱膨張係数測定装置で測定される平均熱膨張係数を意味する。
【0038】
また、金属基複合材料13は、金属基材11を構成する金属材料と、熱伝導性粒子14とを含むことが好ましい。
【0039】
熱伝導性粒子は、SiC、BN、AlN、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、および炭素繊維からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を含んでいることが好ましい。BNは、六方晶窒化ホウ素(hBN)であってもよく、立方晶窒化ホウ素(cBN)であってもよい。これらの熱伝導性粒子は熱伝導率が高いので、金属基複合材料13の熱伝導率をより向上することができる。
【0040】
このように、放熱基材10において、金属基材11は放熱性能を高める役割を、絶縁性材料12は半導体素子などの発熱部材を載置する役割を、金属基複合材料13は金属基材11の熱膨張係数および絶縁性材料12の熱膨張係数と整合性を高める役割を果たす。このため、放熱基材10は半導体素子などの発熱部材から発生する熱を放熱することができるので、発熱部材を搭載するための放熱材料として好適に用いられる。発熱部材としては、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの半導体素子を用いることができる。
【0041】
半導体素子は、Si、InP、GaAs、GaN、およびAlNからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を含むことが好ましい。半導体素子は、たとえば、Si、InP、GaAs、GaN、またはAlNからなる基板と、この基板上に形成された半導体層とを備えている。
【0042】
続いて、図1〜図9を参照して、本実施の形態における複合材料の製造方法について説明する。
【0043】
まず、図2(A)および(B)に示すように、表面11aに第1および第2の開口部11b、11cを有する金属基材11を準備する。金属基材11は、AlおよびCuの少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0044】
この工程では、たとえば、平板状の金属基材を準備し、表面11aを加工して、第1および第2の開口部11b、11cを形成する。第1および第2の開口部11b、11cは、わずかな隙間であり、たとえば溝(ギャップ)である。本実施の形態では、金属基材11の中央に第1の開口部11bを形成し、第1の開口部11bを間隔を隔てて取り囲むように第2の開口部11cを形成する。金属基材11を表面11a側から見ると、第2の開口部11cは、第1の開口部11bを中心とした円形である。
【0045】
なお、金属基材11の表面11aに形成された第1または第2の開口部11b、11cは、それぞれ単数であっても複数であってもよい。
【0046】
次に、図3に示すように、絶縁性材料12を準備する。金属基材11の第1の開口部11bの形状に適合するような形状に絶縁性材料12を加工することが好ましい。絶縁性材料12は、セラミックスであることが好ましく、AlNおよびSiCの少なくとも一方を含んでいることがより好ましい。
【0047】
次に、図4に示すように、熱伝導性粒子14を準備する。熱伝導性粒子14は、SiC、BN、AlN、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、および炭素繊維からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を含んでいることが好ましい。
【0048】
次に、図5に示すように、金属基材11の第1の開口部11bに絶縁性材料12を装填する。この工程では、第1の開口部11bと絶縁性材料12との隙間を低減して絶縁性材料12を第1の開口部11bに装填することが好ましい。
【0049】
次に、図5に示すように、金属基材11の第2の開口部11cに、熱伝導性粒子14を装填する。第2の開口部11cには、熱伝導性粒子14のみを装填してもよく、熱伝導性粒子14と併せて金属基材11を構成する金属材料と同じ金属粉末をさらに装填してもよい。
【0050】
この工程では、第2の開口部11cに熱伝導性粒子14を充填した後に、圧力を加えて充填密度を高めてもよい。このとき、熱伝導性粒子14の組織が崩れることを抑制できる程度の圧力を加えることが好ましい。
【0051】
次に、図6〜図9に示すように、熱伝導性粒子14と接触する金属基材11と、熱伝導性粒子14とを攪拌することにより、絶縁性材料12の周囲に金属基複合材料13を形成する。本実施の形態では、金属基材11に棒状の回転部材16(図6および図7参照)を当接させつつ回転させることにより、金属基材11と熱伝導性粒子14とを摩擦攪拌している。
【0052】
ここで、図6および図7を参照して、回転部材16について説明する。回転部材16は、本体16aと、プローブ16bとを有している。本体16aは、円筒状である。プローブ16bは、回転部材16の先端に位置し、本体16aよりも小径のロッド状である。本体16aは、プローブ16bと接続され、かつ金属基材11の表面11aと接するショルダー面16a1とを有する。
【0053】
なお、プローブ16bは回転部材に必ず必要なものではなく、場合によってはプローブ16bを有しない略円筒状の回転部材を用いても良い。
【0054】
回転部材16の材質は、たとえば、JISに規格されているSKD61鋼等の工具鋼や、タングステンカーバイト(WC)、コバルト(Co)からなる超硬合金、またはSi34(窒化シリコン)等のセラミックス、立方晶窒化硼素などからなるものとすることができる。
【0055】
このような回転部材16を、図8に示すように、熱伝導性粒子14を充填した第2の開口部11cの近傍を、回転部材16のプローブ16bを当接させつつ回転させる。本実施の形態では、熱伝導性粒子14を装填した第2の開口部11cの側面に沿うように、回転部材16のプローブ16bを当接させつつ回転させている。さらに、第2の開口部11cの長手方向に沿って回転部材16を移動させる。本実施の形態では、図9に示すように、回転部材16の加工軌跡Xが第2の開口部11cと同心円状になるように、回転部材16を移動させている。これにより、第2の開口部11cに充填した熱伝導性粒子14を回転部材16によって攪拌させ、熱伝導性粒子14を金属基材11中に混入させることができる。したがって、金属基材11と熱伝導性粒子14とが混合された金属基複合材料13を形成することができる。
【0056】
なお、上記工程では、熱伝導性粒子14が装填された第2の開口部11cに回転部材16を当接させてもよい。
【0057】
また、熱伝導性粒子14を金属材料中に十分に混入させるため、回転部材16を、回転させつつ往復運動させてもよい。あるいは、回転部材16を移動させずに同じ場所で回転させ続けてもよい。このような処理をすることで、攪拌された部位のみが金属基材11を構成する金属材料と熱伝導性粒子14とを含む金属基複合材料13に転化させることができる。たとえば、金属基材11がAlであり、熱伝導性粒子14がSiCである場合には、Al−SiC系複合材料に転化させることができる。
【0058】
回転部材16の形状としては、図6および図7に示すように、先端にロッド状のプローブ16bとショルダー面16a1とを有し、ショルダー面16a1が絶縁性材料12を覆うことが好ましく、絶縁性材料12の全体を覆うことがより好ましい。この場合、加工中に絶縁性材料12が金属基材11の第1の開口部11bから浮き上がることを抑制できる。
【0059】
また、ショルダー面16a1の面積が、金属基複合材料13が生成する部位(被加工部)の面積よりも大きいことが好ましい。言い換えると、回転部材16のショルダー面16a1の径D16の1/2(ショルダー面16a1の半径)は、被加工部の直径よりも大きいことが好ましい。この場合、被加工部に気孔が混入することを抑制することができる。このため、摩擦攪拌により生成される金属基複合材料13の密度を向上することができる。したがって、金属基複合材料13の熱伝導率を向上することができる。
【0060】
なお、回転部材16のショルダー面16a1の径D16の1/2(ショルダー面16a1の半径)とは、ショルダー面16a1において被加工部を覆っている長さを意味する。被加工部の直径は、金属基複合材料13を生成するべき領域の短手方向の長さである。
【0061】
また、加工時におけるショルダー面16a1の面圧が300MPa以上であることが好ましい。この場合、金属材料と熱伝導性粒子14とを充分な攪拌状態にすることができる。また、加工時に硬質粒子である熱伝導性粒子14が再配列されやすく、気孔を含んだ場合でも緻密化に効果がある。このため、金属基複合材料13の熱伝導率を向上することができる。なお、加工時におけるショルダー面16a1の面圧の上限は、たとえば装置上の理由から、7ton/cm2以下である。
【0062】
また、この工程では、少なくとも一部に液相を生成させながら攪拌することが好ましい。言い換えると、この工程では、金属基材11を構成する金属材料の融点以上に加熱して摩擦攪拌することが好ましい。この場合には、たとえば摩擦攪拌速度等を高くすることにより、攪拌部近傍の温度を上げて、攪拌部に液相を出現させる。これにより、摩擦抵抗が小さくなるので、より小さな面圧で攪拌することができる。さらに、固相状態のままで攪拌すると、金属の塑性流動が抑制されるため、少なくとも一部に液相を生成させながら摩擦攪拌することにより、濡れ性を向上し、界面の状態を良好にすることで、熱伝導性粒子14を均一に金属材料中に分散させることができる。したがって、用いる金属基材11によって攪拌により到達する温度を変化させて液相を出すことが好ましい。たとえば、純Al−SiC系の場合は、Alの融点である660℃を越えた温度まで攪拌させることが好ましい。
【0063】
少なくとも一部に液相を生成させながら攪拌した場合には、たとえば自然冷却することにより、攪拌した金属基材11と熱伝導性粒子14とが混合した液相が固化される。これにより、攪拌した金属基材11を構成する金属材料中に、熱伝導性粒子14が分散された金属基複合材料13を形成することができる。したがって、図1に示す放熱基材10を製造することができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、金属基複合材料13を形成する工程では、棒状の回転部材16を当接させつつ回転させているが、攪拌する方法は特にこれに限定されない。たとえば直線運動を往復させる部材により摩擦攪拌してもよい。
【0065】
(変形例1)
変形例1は、基本的には本実施の形態の放熱基材10およびその製造方法と同様であるが、表面において金属基複合材料13がストライプ状に形成されている点において異なる。
【0066】
具体的には、図10に示すように、金属基材11の表面11aに、ストライプ状の第2の開口部11cを形成する。次に、図11に示すように、この第2の開口部11cに熱伝導性粒子14を供給する。次に、熱伝導性粒子14と接触する金属基材11と、熱伝導性粒子14とを摩擦攪拌する。これにより、図11に示すように、ストライプ状に形成された金属基複合材料13を備えた変形例1の放熱基材を製造することができる。
【0067】
(変形例2)
変形例2は、基本的には本実施の形態の放熱基材10およびその製造方法と同様であるが、表面において金属基複合材料13が格子状に形成されている点において異なる。
【0068】
具体的には、図12に示すように、金属基材11の表面11aに、格子状の第2の開口部11cを形成する。次に、図12に示すように、この第2の開口部11cに熱伝導性粒子14を供給する。次に、熱伝導性粒子14と接触する金属基材11と、熱伝導性粒子14とを摩擦攪拌する。これにより、図13に示すように、格子状に形成された金属基複合材料13を備えた変形例2の放熱基材を製造することができる。
【0069】
(変形例3)
変形例3は、基本的には本実施の形態の放熱基材10およびその製造方法と同様であるが、表面において金属基複合材料13が島状に形成されている点において異なる。
【0070】
具体的には、図14に示すように、金属基材11の表面11aに、内部に島状の第2の開口部11cを形成する。次に、図14に示すように、この第2の開口部11cに熱伝導性粒子14を供給する。次に、熱伝導性粒子14と接触する金属基材11と、熱伝導性粒子14とを摩擦攪拌する。これにより、図15に示すように、島状に形成された金属基複合材料13を備えた変形例3の放熱基材を製造することができる。
【0071】
なお、図10〜図15において、第1の開口部11bおよび絶縁性材料12の図示は省略されている。
【0072】
また、金属基複合材料13に転化させる領域は、本実施の形態、変形例1〜3の配置に限定されず、他の配置であってもよい。
【0073】
続いて、本実施の形態における放熱基材10の効果について、図16〜図18に示す比較例と比較して説明する。
【0074】
図16に示す比較例の放熱基材100は、金属基材11と、金属基材11の表面に形成された絶縁性材料12とを備えている。比較例の放熱基材100は、以下の方法により製造される。まず、図17に示すように第1の開口部11bが形成された金属基材11を準備する。次に、図3に示す絶縁性材料12を準備する。次に、図16に示すように、第1の開口部11bに絶縁性材料12を装填する。
【0075】
比較例では、金属基材11の第1の開口部11bの形状と、絶縁性材料12の形状とを適正に設計したとしても、図18に示すように、比較例の放熱基材100に半導体素子20を載置し、半導体素子20の発熱により温度上昇が生じると、熱膨張係数の大きな金属基材11が膨張して、金属基材11と絶縁性材料12との間に隙間ができる。この場合、放熱基材100の放熱性能が低下してしまう。
【0076】
さらに、金属基材11と絶縁性材料12との熱膨張係数の差により、半導体素子20の発熱と冷却との繰り返し時に大きな熱応力が発生して、放熱基材100の形状が歪んでしまう。この場合も、放熱基材100の放熱性能が低下してしまう。
【0077】
一方、本実施の形態における放熱基材10は、金属基材11の熱膨張係数と絶縁性材料12の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する金属基複合材料13を、絶縁性材料12の周囲に形成している。金属基複合材料13により、金属基材11と絶縁性材料12との熱膨張率の差を緩和することができる。このため、図19に示すように半導体素子20を絶縁性材料12の表面12a上に配置した場合に、発熱と冷却との繰り返しによる熱応力が放熱基材10に加えられても、放熱基材10の形状が歪むことを抑制できる。したがって、放熱基材10の歪みによる放熱性能の低下を抑制することができる。
【0078】
また、放熱基材10に半導体素子20を載置し、半導体素子20の発熱により温度上昇が生じても、金属基複合材料13の膨張量は、金属基材11の膨張量と、絶縁性材料12の膨張量との間である。このため、金属基材11と絶縁性材料12との間に隙間ができることを抑制できる。したがって、放熱基材10の放熱性能の低下を抑制することができる。
【0079】
このように、放熱基材10は、放熱性能の低下を抑制できるので、近年集積化のため益々発熱量が増大しているLEDなどの発熱部材から放出される熱を効率よく放熱することができる。
【0080】
また、本実施の形態における放熱基材10の製造方法によれば、金属基材11の第2の開口部11cに絶縁性材料12を装填し、熱伝導性粒子14と接触する金属基材11と、熱伝導性粒子14とを攪拌することにより、絶縁性材料12の周囲に金属基複合材料13を形成している。これにより、簡略なプロセスで金属基複合材料13を形成でき、金属基材11と金属基複合材料13とを接合する工程を省略できる。このように簡略なプロセスで放熱基材10を形成することができるので、放熱性能の低下を抑制し、かつコストを低減して放熱基材10を製造することができる。
【0081】
以上のように、本実施の形態によれば、複雑なプロセスを用いなくても放熱性能の低下を抑制した放熱基材10を実現することができる。このため、放熱基材10は、半導体素子における放熱構造として最適である。したがって、本実施の形態の放熱基材10は、放熱基材10を組み込んだ自動車用、家電用半導体素子などの広い用途に応用可能であり、特に高集積型のLEDに好適に用いられる。
【実施例1】
【0082】
本実施例では、絶縁性材料の周囲に金属基複合材料を形成することの効果について調べた。
【0083】
(試料2〜9)
<金属基材>
金属基材として、100mm×100mmで、5mmの厚さを有するCuまたはAlを用いた。それぞれの試料について、用いた金属基材の材料を下記の表1に記載する。
【0084】
次に、絶縁性材料を装填するための第1の開口部として、準備した金属基材の中心に、20mm×20mmで、1mmの深さの溝(ギャップ)を加工により形成した。
【0085】
その後、熱伝導性粒子を充填するための第2の開口部として、第1の開口部の周囲に同心円状に深さ2mmの溝(ギャップ)を加工により形成した。これにより、図20に示す金属基材を準備した。
【0086】
<絶縁性材料>
絶縁性材料として、20mm×20mmで、1mmの深さを有するAlNまたはAl23を用いた。用いた絶縁性材料の材料を下記の表1に記載する。
【0087】
<熱伝導性粒子>
熱伝導性粒子として、下記の表1に記載のSiCまたはダイヤモンドを用いた。それぞれの試料について、用いた熱伝導性粒子の材料、およびその粒径を下記の表1に記載する。
【0088】
<装填する工程>
金属基材の第1の開口部に絶縁性材料を装填した。また、金属基材の第2の開口部に熱伝導性粒子を装填した。装填密度は押し込み圧力で調整した。
【0089】
<攪拌する工程>
試料2〜9について、以下のようにして、熱伝導性粒子と接触する金属基材と、熱伝導性粒子とを攪拌することにより、絶縁性材料の周囲に金属基複合材料を形成した。
【0090】
具体的には、図7に示すような回転部材(工具)16を準備した。回転部材16は、径D16bが4mm、長さL16bが2mmのプローブ16bと、径D16の1/2(半径)が下記の表1に記載の各種値(25〜45mm)の本体16aとを有していた。この回転部材16の全長L16は30mmであり、Si34製であった。この回転部材16のショルダー面16a1に下記の表1に記載の圧力を印加して、図20に示すような加工軌跡を描くように、金属基材と、熱伝導性粒子とを摩擦攪拌した。回転部材16の回転速度を下記の表1に記載のようにし、回転部材16の移動速度は30mm/minとした。
【0091】
これにより、中心部に絶縁性材料が配置され、この絶縁性材料の外周を囲むように金属基複合材料が配置された構造の放熱基材を得た。
【0092】
その後、放熱基材の表面全体を約0.1mm研磨して、表面粗さRaが0.05μmの面を得た。なお、表面粗さRaは、JIS(Japanese Industrial Standards)B0601に準拠して測定した値である。以上より、試料2〜9の放熱基材を製造した。
【0093】
(試料1)
試料1は、試料3と基本的に同様に製造したが、第2の開口部を形成せず、金属基複合材料を形成したなかった点において異なっていた。つまり、試料1の放熱材料は、図16に示すように、Cuからなる金属基材と、金属基材の表面に形成されたAlNからなる絶縁材料とを備えていた。
【0094】
(評価方法)
半導体素子として、20mm×20mmで、1mmの厚さを有するInP、GaAs、Si、GaNのいずれかの半導体基板を備えた半導体素子を準備した。それぞれの試料について、用いた半導体素子の半導体基板およびその熱膨張係数を下記の表1に記載する。
【0095】
この半導体素子を、半導体素子の表面(半導体基板において半導体層が形成された面と反対側の面)に活性銀ろうペースト(融点780℃)、またはアルミニウムろう(融点600℃)を約3μm塗布した。その後、絶縁性材料の表面にそれぞれの材料の融点+30℃の温度で真空ろう付け接合した。これにより、試料1〜9の複合材料に半導体素子を載置した。
【0096】
半導体素子を載置した試料1〜9を炉に投入し、1気圧の窒素中で、昇温速度10℃/minで各種温度まで加熱し、その後1分間保持した後、炉内から取り出し水中へ投入した。これを最大25回繰り返した。各回処理終了後、各試料を各面と垂直方向に切断して界面を実体顕微鏡で観察した。このようにして、試料1〜9について、剥離せずに温度サイクルを実施できた回数(温度サイクル回数)を調べた。その結果を下記の表1に示す。
【0097】
【表1】

【0098】
(評価結果)
表1に示すように、金属基複合材料を備えていなかった試料1は、耐熱衝撃試験において、直ぐに剥離した。一方、絶縁性材料の周囲に形成され、金属基材の熱膨張係数と絶縁性材料の熱膨張係数と間の熱膨張係数を有する金属基複合材料を備えていた試料2〜9は、試料1に比べて耐熱衝撃性を向上できた。
【0099】
また、試料2〜4を参照して、回転部材のショルダー径が大きくなるほど耐熱衝撃性が向上した。これは、本体部において絶縁性材料と接触するショルダー面の面積が増大するほど、絶縁性材料と攪拌部との接合状態が向上して、熱の伝達が良好になるため、耐熱衝撃性が向上したと考えられる。
【0100】
また、試料3および試料5を参照して、熱伝導性粒子としてダイヤモンドを用いると耐熱衝撃性が向上した。これは、ダイヤモンドの熱膨張係数がSiCの熱膨張係数よりも小さいため、金属基複合材料の熱膨張係数も小さくなり、絶縁性材料の熱膨張係数との差が小さくなったためと考えられる。
【0101】
また、試料5と試料6とを参照して、半導体素子としてSiよりもInPを用いると耐熱衝撃性が向上した。これは、InPの熱膨張係数がSiの熱膨張係数よりも大きく、金属基複合材料の熱膨張係数と近くなったためと考えられる。
【0102】
また、試料7〜9を参照して、金属基材としてAlを用いた場合、回転速度が大きいほど耐熱衝撃性が向上した。これは、高回転で攪拌部の金属基材のAlが高温になり一部に液相が生じたためと考えられる。高回転の場合、攪拌時の面圧が低くても高い耐熱衝撃性が得られたのは、液相が生成して攪拌時の抵抗が低下したためと推定される。
【0103】
以上より本実施例によれば、絶縁性材料の周囲に金属基複合材料を形成することにより、放熱性能を向上できることが確認できた。
【0104】
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、各実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0105】
10 放熱基材、11 金属基材、11a,12a 表面、11b 第1の開口部、11c 第2の開口部、12 絶縁性材料、13 金属基複合材料、14 熱伝導性粒子、16 回転部材、16a 本体、16a1 ショルダー面、16b プローブ、20 半導体素子、X 加工軌跡。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する金属基材と、
前記金属基材の前記表面に形成された絶縁性材料と、
前記絶縁性材料の周囲に形成された金属基複合材料とを備え、
前記金属基複合材料は、前記金属基材の熱膨張係数と前記絶縁性材料の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する、放熱基材。
【請求項2】
前記絶縁性材料は、セラミックスである、請求項1に記載の放熱基材。
【請求項3】
前記セラミックスは、アルミナおよび窒化アルミニウムの少なくとも一方を含む、請求項2に記載の放熱基材。
【請求項4】
前記金属基材は、アルミニウムおよび銅の少なくとも一方を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放熱基材。
【請求項5】
前記金属基複合材料は、前記金属基材を構成する金属材料と、熱伝導性粒子とを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の放熱基材。
【請求項6】
前記熱伝導性粒子が、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、および炭素繊維からなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を含む、請求項5に記載の放熱基材。
【請求項7】
前記絶縁性材料は、半導体素子を搭載するための表面を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の放熱基材。
【請求項8】
前記半導体素子は、シリコン、インジウムリン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、および窒化アルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の物質を含む、請求項7に記載の放熱基材。
【請求項9】
第1および第2の開口部を有する表面を含む金属基材を準備する工程と、
前記第1の開口部に、絶縁性材料を装填する工程と、
前記第2の開口部に、熱伝導性粒子を装填する工程と、
前記熱伝導性粒子と接触する前記金属基材と、前記熱伝導性粒子とを攪拌することにより、前記絶縁性材料の周囲に金属基複合材料を形成する工程とを備えた、放熱基材の製造方法。
【請求項10】
前記金属基複合材料を形成する工程では、前記金属基材の前記表面に棒状の回転部材を当接させつつ回転させる、請求項9に記載の放熱基材の製造方法。
【請求項11】
前記金属基複合材料を形成する工程では、先端に位置するロッド状のプローブと、前記プローブと接続され、かつ前記金属基材の前記表面と接するショルダー面とを有する前記回転部材を用い、
前記回転部材の前記ショルダー面を、前記絶縁性材料を覆うように当接させる、請求項10に記載の放熱基材の製造方法。
【請求項12】
前記金属基複合材料を形成する工程では、前記ショルダー面に300MPa以上の圧力を印加して攪拌する、請求項11に記載の放熱基材の製造方法。
【請求項13】
前記金属基複合材料を形成する工程では、少なくとも一部に液相を生成させながら攪拌する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の放熱基材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−77162(P2011−77162A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224955(P2009−224955)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】