説明

放熱装置及び放熱装置の製造方法

【課題】半導体装置の駆動時に生じる熱応力を緩和しつつ、半導体素子の発する熱の熱拡散が阻害されにくくすること。
【解決手段】半導体モジュールは、回路基板と、回路基板上に半田付けにより接合された半導体素子12と、ヒートシンク13とから構成されている。裏金属板16における半導体素子12の直下領域A1は、貫通孔17の形成を許容する形成領域A3と、貫通孔の形成を許容しない非形成領域A4に分割されている。非形成領域A4には貫通孔17が形成されないため、貫通孔17は直下領域A1の形成領域A3(周縁部)に形成され、形成領域A3に形成される貫通孔17より内側の領域である内側領域A2は、セラミックス基板とヒートシンク13を接合する接合層となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板と、ヒートシンクとを備えた放熱装置及び放熱装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、絶縁基板(セラミックス基板)の表面に配線層となる金属板を接合するとともに裏面に接合層となる金属板を接合し、表面側の金属板には半導体素子を接合する一方で、裏面側の金属板には半導体素子の発する熱を放熱する放熱装置(ヒートシンク)を接合した半導体装置が知られている。そして、この半導体装置では、半導体装置の駆動に伴い半導体素子が発する熱を、ヒートシンクにより放熱している。ところで、半導体装置では、ヒートシンクの放熱性能が長期間にわたって維持されることが要求されている。しかしながら、使用条件によっては絶縁基板とヒートシンクとの線膨張係数の相違に起因して発生する熱応力によってセラミックス基板と裏面側の金属板との接合部にクラックが生じたり、クラックの伸展による剥離が生じ、放熱性能が低下するおそれがある。
【0003】
そこで、裏面側の金属板とヒートシンクの間に応力緩和部材を介在させた半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の半導体装置では、厚み方向に貫通する貫通孔が複数形成されたアルミニウム板を応力緩和部材として採用しており、半導体装置の駆動時における熱応力が緩和されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−294699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の半導体装置においては、アルミニウム板に貫通孔が形成されていることにより、裏面側の金属板とヒートシンクの間に空気の層が形成される。空気はアルミニウムに比して熱伝導率が低いため、半導体素子が発した熱は、貫通孔が形成されていない部分を迂回してヒートシンクに到達することになる。すなわち、貫通孔により半導体素子の発する熱の熱拡散が阻害され、ヒートシンクに熱が伝わりにくく、冷却効率の低減を招いている。
【0006】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は半導体装置の駆動時に生じる熱応力を緩和しつつ、半導体素子の発する熱の熱拡散が阻害されにくい放熱装置及び放熱装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、表面に半導体素子を接合可能な表金属層の裏面を絶縁基板の表面に接合するとともに前記絶縁基板の裏面に裏金属層の表面を接合した回路基板と、前記裏金属層の裏面に接合されたヒートシンクと、を備えた放熱装置であって、前記裏金属層には、表面及び裏面のうち少なくとも一方が開口する複数の応力緩和空間が形成され、前記裏金属層において、前記半導体素子の直下領域の範囲内における前記応力緩和空間の体積が直下領域の範囲外における前記直下領域と対応する同一寸法の領域の範囲内に形成された前記応力緩和空間の体積に比べて小さいことを要旨とする。
【0008】
本発明によれば、裏金属層に形成される応力緩和空間により熱応力が緩和される。また、裏金属層において直下領域の範囲内の熱伝導率は、裏金属層において直下領域の範囲外において直下領域と対応する同一寸法の領域の熱伝導率に比べて向上されている。したがって、半導体素子の発する熱は、半導体素子の直下に伝導しやすく、熱拡散が阻害されにくい。このため、半導体素子の発する熱をヒートシンクに適切に伝導することができ、熱の発生が多い半導体素子の直下領域での放熱性向上と熱応力の吸収とのバランスをとることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放熱装置であって、前記直下領域の範囲内における前記応力緩和空間は前記直下領域の周縁部に形成されるとともに前記直下領域の中央部には形成されない一方で、前記直下領域の範囲外における前記直下領域と対応する同一寸法の領域の範囲内における前記応力緩和空間は前記直下領域と対応する同一寸法の領域の周縁部及び中央部に形成されることによって、前記半導体素子の直下領域の範囲内における前記応力緩和空間の体積が直下領域の範囲外における前記直下領域と対応する同一寸法の領域の範囲内に形成された前記応力緩和空間の体積に比べて小さいことを要旨とする。
【0010】
本発明によれば、裏金属層における直下領域の範囲内においては周縁部に応力緩和空間が形成され、周縁部より内側の領域である中央部には応力緩和空間が形成されない。このため、裏金属層における直下領域の中央部は裏金属層となり、半導体素子の中央部とヒートシンクが積層方向に応力緩和空間を介在させない状態で接合される。半導体素子において最も熱が集中する部分は中央部なので、半導体素子が発した熱は半導体素子の中央部の直下に最も多く伝導する。半導体素子の直下に応力緩和空間が形成されないことから、半導体素子の直下に伝導する熱の熱拡散が阻害されにくく、効率よくヒートシンクに熱を伝導させることができる。すなわち、熱の発生が多い半導体素子の直下領域での放熱性向上と熱応力の吸収とのバランスをとることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の放熱装置であって、前記絶縁基板、前記裏金属層及び前記ヒートシンクは、ロウ材により接合され、前記直下領域の範囲内における前記応力緩和空間の体積は、前記ロウ材が前記直下領域の範囲内における前記応力緩和空間の少なくとも一部に充填されることによって、前記直下領域の範囲外における前記直下領域と対応する同一寸法の領域の範囲内に形成された前記応力緩和空間の体積より小さく形成されていることを要旨とする。
【0012】
本発明によれば、裏金属層の接合時に応力緩和空間に流入するロウ材を調整することにより、直下領域の範囲内における応力緩和空間の体積が直下領域の範囲外における直下領域と対応する同一寸法の領域の範囲内に形成された応力緩和空間の体積に比べて小さくできる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の放熱装置において、前記裏金属層は応力緩和部材であることを要旨とする。
本発明によれば、回路基板とヒートシンクを接合する接合層が応力緩和部材として機能する。すなわち、接合層が応力緩和部材としての機能を兼ねているため、応力緩和部材と接合層を別々に形成する必要がなく、部品点数の低減が図れる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の放熱装置であって、前記裏金属層は、前記ヒートシンクの表面に裏面が接合される第一の裏金属層と、前記第一の裏金属層の表面と前記絶縁基板の裏面との間に接合される第二の裏金属層とから構成され、前記第一の裏金属層に、前記応力緩和空間が形成されることを要旨とする。
【0015】
本発明によれば、第二の裏金属層には応力緩和空間が形成されない。半導体素子の発した熱は、第二の裏金属層を介して第一の裏金属層に伝導される。第二の裏金属層に応力緩和空間が形成されていないことから、第二の裏金属層を伝導する熱は、熱拡散を阻害されることがなく、効率よく第一の裏金属層に伝導される。このため、ヒートシンクに対して効率よく熱を伝導させることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、表面に半導体素子を接合可能な表金属層の裏面を絶縁基板の表面に接合するとともに前記絶縁基板の裏面に裏金属層の表面を接合した回路基板と、前記裏金属層の裏面に接合されたヒートシンクと、を備えた放熱装置の製造方法であって、応力緩和空間の形成された前記裏金属層の接合界面に、前記半導体素子の直下領域の範囲外にあっては前記応力緩和空間に対応するように空間部が形成されるとともに前記半導体素子の直下領域の範囲内にあっては前記直下領域の範囲外において直下領域と対応する同一寸法の領域に形成された空間部に比べ、空間部の体積が小さいロウ材を配置し、前記ロウ材を溶融温度以上の温度まで加熱して溶融した後に前記ロウ材を前記溶融温度未満の温度まで下げて凝固させることを要旨とする。
【0017】
本発明によれば、裏金属層において直下領域の範囲内に形成された貫通孔には、多くのロウ材が充填されるため、裏金属層における直下領域の熱伝導率は、裏金属層において直下領域の範囲外において直下領域と対応する同一寸法の領域の熱伝導率に比べて向上されている。したがって、半導体素子の発する熱は、半導体素子の直下に伝導しやすく、熱拡散が阻害されにくい。このため、半導体素子の発する熱をヒートシンクに適切に伝導することができ、熱の発生が多い半導体素子の直下領域での放熱性向上と熱応力の吸収とのバランスをとることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は請求項6に記載の放熱装置の製造方法であって、前記表金属層に接合可能な半導体素子の直下領域の範囲内にあっては少なくとも一つの前記応力緩和空間の開口部の一部若しくは全部をロウ材で覆うとともに、前記表金属層に接合可能な半導体素子の直下領域の範囲外にあっては前記応力緩和空間の開口部をロウ材で覆わないことを要旨とする。
【0019】
本発明によれば、開口部がロウ材で覆われている応力緩和空間には、溶融したロウ材が流入しやすく、開口部がロウ材で覆われていない応力緩和空間には、溶融したロウ材が流入しにくい。このため、裏金属層において直下領域の範囲内に形成された貫通孔に、多くのロウ材が充填されやすい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、半導体装置の駆動時に生じる熱応力を緩和しつつ、半導体素子の発する熱の熱拡散が阻害されにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図2における半導体モジュールのA−A線断面図。
【図2】裏金属板と半導体素子の関係を示す平面図。
【図3】半導体モジュールの断面図。
【図4】ロウ材と裏金属板の関係を示す平面図。
【図5】半導体モジュールの製造工程を説明するための図。
【図6】別例における半導体モジュールを示す断面図。
【図7】(a)〜(d)は別例における半導体モジュールを示す破断断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
図1に示すように、半導体装置としての半導体モジュール10は、回路基板11と、回路基板11上に半田付けにより接合された半導体素子12と、ヒートシンク13とから構成されている。回路基板11は、セラミックス基板14の表面に半導体素子12を接合可能な表金属層としての表金属板(金属回路板)15の裏面をロウ材で接合するとともに、裏面に裏金属層としての裏金属板16の表面をロウ材で接合して構成されている。すなわち、本実施形態において、図1における上方向が各部材の表面、下側が裏面となっている。
【0023】
セラミックス基板14は、表面が半導体素子12の搭載面となっており、半導体素子12の搭載面には配線層として機能する表金属板15が接合されている。そして、半導体素子12は、半田層Hを介して表金属板15に接合されている。半導体素子12としては、例えばIGBT(Insulated・GateBipolar・Transistor)やダイオードが用いられている。
【0024】
一方、セラミックス基板14の裏面にはセラミックス基板14とヒートシンク13とを接合する接合層として機能する裏金属板16が接合されている。
セラミックス基板14は、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ケイ素などにより形成されている。表金属板15及び裏金属板16は、純アルミニウムや銅により形成されている。ヒートシンク13の内部には、直線状に延びる複数の冷媒通路13aが区画されている。本実施形態では、回路基板11と、ヒートシンク13と、から放熱装置1が構成されている。そして、放熱装置1に半導体素子12が半田で接合されることにより、放熱装置1と、半導体素子12と、から半導体モジュール10が構成されている。
【0025】
次に、裏金属板16について詳しく説明する。
図2に示すように、裏金属板16には応力緩和空間としての貫通孔17が複数形成されている。貫通孔17は裏金属板16の厚み方向(セラミックス基板14と裏金属板16との積層方向)に貫通しており、裏金属板16の表面及び裏面に開口している。また、各貫通孔17の大きさを同一としているため、応力緩和空間の体積は同一となっている。貫通孔17について具体的に説明する。裏金属板16における半導体素子12に対応する領域である直下領域A1(図中二点鎖線で囲まれる領域)の範囲外には、貫通孔17が直下領域A1の外周縁A11から裏金属板16の外周縁16aにかけて一定間隔おきに形成されている。一方、裏金属板16における半導体素子12の直下領域A1の範囲内には、貫通孔17が直下領域A1の外周縁A11(半導体素子12の外周縁12aの直下に位置する)付近に形成されている。直下領域A1の外周縁A11に形成される貫通孔17と、直下領域A1の範囲外に形成される貫通孔17とは、各貫通孔17の中心間距離がそれぞれ同一間隔で形成されている。裏金属板16において直下領域A1に形成される貫通孔17より内側の領域である内側領域A2には、貫通孔17が形成されていない。すなわち、内側領域A2は、裏金属板16において半導体素子12の直下領域A1の範囲内に形成されているため、半導体素子12とヒートシンク13との接合面積が広くなっている。具体的には、裏金属板16において半導体素子12の直下領域A1の範囲外における直下領域A1と対応する同一寸法の領域を比較領域A21とし、直下領域A1と比較領域A21を比較する。すると、裏金属板16において半導体素子12の直下領域A1の範囲内にあっては、直下領域A1の範囲外において直下領域A1と対応する同一寸法の領域(比較領域A21内)の範囲内に形成された貫通孔17の数(6個)に比べ、貫通孔17の数(4個)が少なくなっている。各貫通孔17の大きさは同一であるため、直下領域A1の範囲内における貫通孔17の体積の合計が、比較領域A21の範囲内に形成された貫通孔17の体積の合計よりも小さくなっている。このため、直下領域A1での伝熱面積が増加され、半導体素子12が発熱したときのヒートシンク13に対する熱伝導性が向上している。
【0026】
本実施形態では、裏金属板16における半導体素子12の直下領域A1を、貫通孔17の形成を許容する領域である形成領域A3(周縁部)と、貫通孔17の形成を許容しない領域である非形成領域A4に分割している。
【0027】
以下、形成領域A3と非形成領域A4について詳しく説明を行う。
半導体素子12を平面視したときに、半導体素子12の載置面の一辺及び一辺と対向する辺を第1辺12bとするとともに、第1辺12bに直交する辺を第2辺12cとする。そして、本実施形態では、半導体素子12の各第1辺12bから互いに対向する方向に向かって第2辺12cの寸法Yの25%〜35%(好ましくは30%)の領域及び、各第2辺12cから互いに対向する方向に向かって第1辺12bの寸法Xの25%〜35%(好ましくは30%)の領域を貫通孔17の形成を許容する形成領域A3としている。すなわち、この形成領域A3は、直下領域A1の外周縁A11から外周縁A11の内側に向かって形成される一定の範囲を占める周縁部となっている。
【0028】
また、形成領域A3(周縁部)の内側に形成される領域を貫通孔17の形成を許容しない非形成領域A4としている。非形成領域A4は、半導体素子12の中央部12dの直下に形成されている。したがって、非形成領域A4は、直下領域A1の中央部に位置していると捉えることもできる。そして、直下領域A1の範囲内における貫通孔17は、直下領域A1の形成領域A3(周縁部)に形成されるとともに、非形成領域A4には、貫通孔17が形成されていない。一方で、比較領域A21の範囲内における貫通孔17は、比較領域A21の中央部及び周縁部に形成されている。
【0029】
貫通孔17を形成する位置は、非形成領域A4を含まない範囲で適宜位置変更することが可能である。貫通孔17の位置を変更することにより、内側領域A2の範囲は変化する。内側領域A2の範囲が変化した場合であっても、非形成領域A4には貫通孔17が形成されないことから、内側領域A2の範囲に非形成領域A4が含まれることになる。
【0030】
非形成領域A4に貫通孔17を形成しないため、自ずと直下領域A1の形成領域A3に位置するように貫通孔17が形成されることになる。なお、貫通孔17が形成される位置は、必ずしも形成領域A3の範囲内に限られず、形成領域A3より外側に形成されていてもよい。すなわち、貫通孔17は直下領域A1の外周縁A11付近に形成されていればよい。
【0031】
非形成領域A4は半導体素子12の中央部12dの直下に形成されているため、半導体素子12の中央部12dとヒートシンク13は貫通孔17が介在しない状態で接合されていることになる。
【0032】
半導体素子12の中央部12dとヒートシンク13が貫通孔17を介在しない状態で接合されていることにより、半導体素子12の中央部12dの直下に伝導する熱の拡散は阻害されにくくなる。半導体モジュール10の駆動時には、半導体素子12の中央部12dに最も熱が集中するため、半導体素子12の中央部12dの直下に伝導する熱の拡散を阻害されにくくすることにより、半導体モジュール10の熱伝導性が向上している。
【0033】
次に、半導体モジュール10の作用について説明する。
このように、構成した半導体モジュール10は、例えば電動モータを駆動源の一部とするハイブリッドカーなどの車両に適用されることにより、車両の運転状況に応じて電動モータに供給する電力を制御する。そして、半導体モジュール10が駆動されると、半導体素子12が熱を発する。半導体素子12が発した熱は半導体素子12の接合面から回路基板11に向かって放射線状に拡散していく。半導体素子12が発した熱は、表金属板15、セラミックス基板14、裏金属板16、ヒートシンク13の順に伝導する。
【0034】
半導体素子12の発する熱は、半導体素子12の中央部12dに集中するため、半導体素子12の中央部12dが熱集中部となる。すなわち、半導体素子12の発する熱は半導体素子12の中央部12dの直下に最も多く伝導することになる。
【0035】
このとき、半導体素子12の中央部12dとヒートシンク13は貫通孔17を介さずに接合されているため、半導体素子12の中央部12dの直下に伝導する熱は、貫通孔17に熱拡散を阻害されることなく、ヒートシンク13に伝達する。
【0036】
一方、半導体素子12の発した熱のうち、中央部12dの直下以外に伝導する熱は、貫通孔17を迂回してヒートシンク13に到達することになる。半導体素子12の中央部12dの直下以外に伝導される熱は、半導体素子12の中央部12dの直下に伝導する熱と比べてヒートシンク13へ到達するまでに伝導する距離が長いため、その間に冷却され、熱応力発生の原因となりにくい。従って、半導体素子12の中央部12dの直下となる非形成領域A4にも貫通孔17が形成されたものに対して、熱の発生が多い半導体素子12の直下領域A1での放熱性向上と熱応力の吸収とのバランスをとることができる。
【0037】
また、半導体素子12の発熱に伴う熱応力を裏金属板16が緩和するため、セラミックス基板14と裏金属板16との間の接合部にクラックが生じたり、ヒートシンク13に反りが発生したりすることを抑制することができる。
【0038】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)裏金属板16に形成される貫通孔17により熱応力が緩和される。また、裏金属板16において、直下領域A1の伝熱面積を増加することにより、裏金属板16において直下領域A1の範囲内の熱伝導率は、裏金属板16において直下領域A1の範囲外において直下領域A1と対応する同一寸法の領域(比較領域A21)の熱伝導率に比べて向上されている。したがって、半導体素子12の発する熱は、半導体素子12の直下に伝導しやすく、熱拡散が阻害されにくい。このため、半導体素子12の発する熱をヒートシンク13に適切に伝導することができ、熱の発生が多い半導体素子12の直下領域A1での放熱性向上と熱応力の吸収とのバランスをとることができる。
【0039】
(2)内側領域A2には貫通孔17が形成されていない。このため、内側領域A2はヒートシンク13とセラミックス基板14を接合する接合層として機能している。これにより、半導体素子12の中央部12dとヒートシンク13が貫通孔17を介さずに接合され、半導体素子12の中央部12dの直下に伝導する熱の熱拡散が阻害されにくい。半導体素子12の中央部12dの直下に伝導する熱の熱拡散が阻害されにくいため、半導体素子12の発した熱を効率よく放熱することができる。すなわち、熱の発生が多い半導体素子12の直下領域A1での放熱性向上と熱応力の吸収とのバランスをとることができる。
【0040】
(3)貫通孔17を形成していることにより、半導体素子12の駆動時には、裏金属板16が効率よく応力を緩和する。このため、セラミックス基板14と裏金属板16との間の接合部にクラックが生じたり、ヒートシンク13に反りが発生したりすることを抑制することができる。
【0041】
(4)裏金属板16は、セラミックス基板14とヒートシンク13とを接合する接合層として機能するだけでなく、応力緩和部材としても機能している。このため、接合層と応力緩和部材を別々の部品としなくてよく、部品点数の削減を図れる。
【0042】
(5)また、裏金属板16と応力緩和部材を別の部材にした場合と比べ、応力緩和部材の体積を上げることができ、応力緩和効果が向上している。
(第2の実施形態)
本発明を具体化した第2の実施形態を図3〜図5にしたがって説明する。
【0043】
以下に説明する実施形態は、既に説明した実施形態と同一構成について同一符号を付すなどしてその重複する説明を省略又は簡略する。
図3に示すように、半導体装置としての半導体モジュール30の裏金属板31において半導体素子12の直下領域A1の周縁部に形成された貫通孔17に挟まれる位置には、ロウ材(例えば、純アルミニウムや銅)により形成された接合部32が形成されている。接合部32は、裏金属板31と一体をなすことにより、セラミックス基板14とヒートシンク13を接合する接合層として機能している。
【0044】
すなわち、本実施形態では、一定間隔毎に貫通孔17が形成された裏金属板31において、非形成領域A4の範囲外に形成された貫通孔17に比べて、非形成領域A4の範囲内に形成された貫通孔17に多くのロウ材が充填され、伝熱面積が増加されている。本実施形態では、セラミックス基板14、表金属板15及び裏金属板31からなる回路基板11及びヒートシンク13から放熱装置2が構成されるとともに、放熱装置2と半導体素子12とから半導体モジュール30が形成されている。
【0045】
したがって、放熱装置2は、裏金属板31において半導体素子12の直下領域A1の範囲内にあっては、直下領域A1の範囲外において直下領域A1と対応する同一寸法の領域の範囲内に形成された貫通孔17に比べ、貫通孔17に充填されているロウ材の量が多くなっている。
【0046】
次に、本実施形態における放熱装置2の製造方法の一工程であるロウ付け工程においてセラミックス基板14、裏金属板31、ヒートシンク13のロウ付けを行う方法について説明する。本実施形態では、一定間隔毎に貫通孔17が形成された裏金属板31が用いられる。すなわち、非形成領域A4の範囲内にも貫通孔17が形成された裏金属板31が用いられる。
【0047】
図4に示すように、まず、ロウ材33を用意する。ロウ材33には、第1の実施形態における裏金属板16に形成された貫通孔17と同じように空間部としての孔34が形成されている。詳しくは、ロウ材33において、半導体素子12の直下領域A1の範囲外には、孔34が裏金属板31に形成された貫通孔17に対応するように形成されている。一方、ロウ材33における半導体素子12の直下領域A1の範囲内にあっては、直下領域A1の外周縁A11付近に形成された貫通孔17に対応して孔34が形成されている。ロウ材33において直下領域A1に形成される孔34より内側の領域である内側領域A2には、孔34が形成されていない。このため、ロウ材33は、半導体素子12の直下領域A1の範囲外にあっては貫通孔17に対応するように孔34が形成されるとともに半導体素子12の直下領域A1の範囲内にあっては、直下領域A1の範囲外において直下領域A1と対応する同一寸法の領域(比較領域A21)の範囲内に形成された孔34の体積の合計に比べ、孔34の体積の合計が小さくなっている。換言すれば、直下領域A1の範囲外における直下領域A1と対応する同一寸法の領域(比較領域A21)のロウ材33の量と、直下領域A1の範囲内のロウ材33の量を比較すると、直下領域A1の範囲内のロウ材33の量が多くなっている。
【0048】
図5に示すように、ロウ材33がセラミックス基板14と裏金属板31の間及び裏金属板31とヒートシンク13の間に介在されるように、セラミックス基板14、裏金属板31、ヒートシンク13及びロウ材33を積層状に配置する。したがって、ロウ材33は、裏金属板31の接合界面に配置されることになる。なお、裏金属板31において非形成領域A4の範囲外にあっては、貫通孔17とロウ材33の孔34が重なり合い、非形成領域A4の範囲内にあっては、貫通孔17とロウ材33の孔34が重なり合わないように(図4に示すように)ロウ材33を配置する。したがって、直下領域A1の範囲内にあっては非形成領域A4に形成された貫通孔17の開口部の全部がロウ材33に覆われている。一方、直下領域A1の範囲外にあっては、貫通孔17の開口部はロウ材33に覆われていない。そして、リフロー炉などの加熱装置により加熱することにより、ロウ材33を溶融温度以上の温度まで加熱して溶融させる。非形成領域A4に形成される貫通孔17には、溶融したロウ材33が流入する。一方、非形成領域A4以外の領域に形成された貫通孔17には、溶融したロウ材33が流入しない、あるいは流入したとしても非形成領域A4に形成された貫通孔17に流入したロウ材33と比べて、極少量である。このため、裏金属板31は、直下領域A1の範囲内にあっては、直下領域A1の非形成領域A4において貫通孔17を占める溶融したロウ材の量が多い。その後、ロウ材33を溶融温度未満の温度まで下げて凝固させることにより、図3に示す放熱装置2が製造される。放熱装置2は、直下領域A1の範囲内にあっては直下領域A1の非形成領域A4における貫通孔17を占めるロウ材の量が直下領域A1の形成領域A3における貫通孔17を占めるロウ材の量よりも多い。そして、放熱装置2の製造後、放熱装置2に半導体素子12を半田付けすることで、半導体モジュール30が製造される。
【0049】
したがって、上記実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(5)の効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
(6)ロウ材33が溶融すると、裏金属板31における非形成領域A4に形成された貫通孔17に多くのロウ材33が流入するようにロウ材33を形成している。このため、貫通孔17に流入したロウ材33が凝固すると、裏金属板31において半導体素子12の直下領域A1の範囲内にあっては、直下領域A1の範囲外において直下領域A1と対応する同一寸法の領域(比較領域A21)の範囲内に形成された貫通孔17に比べ、貫通孔17の体積が小さくなる。すなわち、貫通孔17が一定間隔毎に形成された裏金属板31を用いて、裏金属板31において、直下領域A1の伝熱面積を増加することができる。裏金属板31において直下領域A1の範囲内の熱伝導率は、直下領域A1の範囲外において直下領域A1と対応する同一寸法の領域(比較領域A21)の熱伝導率に比べて向上されている。このため、半導体素子12の発する熱をヒートシンク13に適切に伝導することができ、熱の発生が多い半導体素子12の直下領域A1での放熱性向上と熱応力の吸収とのバランスをとることができる。
【0050】
(7)直下領域A1の形成領域A3における貫通孔17に比べて、非形成領域A4における貫通孔17に充填されるロウ材33の量が多くなるようにした。このため、ロウ材33の溶融時に、応力緩和空間に流入するロウ材33を調整することにより、直下領域A1の範囲内における貫通孔17の体積が直下領域A1の範囲外における直下領域A1と対応する同一寸法の領域(比較領域A21)の範囲内に形成された貫通孔17の体積に比べて小さくできる。
【0051】
(8)直下領域A1の範囲内にあっては非形成領域A4に形成された貫通孔17の開口部の全部はロウ材33に覆われている。一方、直下領域A1の範囲外にあっては、貫通孔17の開口部はロウ材33に覆われていない。このため、非形成領域A4の範囲内の貫通孔17にロウ材33が充填されやすい。
【0052】
なお、実施形態は以下のように変更しても良い。
○ 第1及び第2の実施形態において、直下領域A1の外周縁A11に形成される貫通孔17と、直下領域A1の範囲外に形成される貫通孔17とは、各貫通孔17の中心間距離がそれぞれ異なる間隔で形成されていてもよい。
【0053】
○ 第1及び第2の実施形態において貫通孔17を、裏金属板16、31の厚み方向に開口する凹部、すなわち、裏金属板16,31の一方が開口するようにしてもよい。この場合であっても、半導体モジュール10の駆動時における熱応力が緩和される。
【0054】
○ 図6に示すように、ヒートシンク13の表面に裏面が接合される第一の裏金属層としての第一の裏金属板21と、第一の裏金属板21の表面とセラミックス基板14の裏面との間に接合される第二の裏金属層としての第二の裏金属板22から裏金属層を形成してもよい。この場合、第一の裏金属板21に応力緩和空間としての貫通孔17を形成し、第二の裏金属板22には貫通孔17を形成しない。第二の裏金属板22に貫通孔17が形成されないため、半導体素子12の発した熱は、熱拡散を阻害されることがなく、効率よく第一の裏金属板21に伝導される。このため、ヒートシンク13に対して効率よく熱を伝導させることができる。
【0055】
○ 第1及び第2の実施形態において、半導体素子12は、配線層である表金属板15に複数接合されていてもよい。この場合も、裏金属板16,31における半導体素子12の直下領域A1の周縁部(形成領域A3)に貫通孔17を形成する。
【0056】
○ 第1及び第2の実施形態において、貫通孔17の形状は、図2に示したように円形状でもよいし、楕円状や四角状等であってもよい。すなわち、貫通孔が応力緩和空間として機能すれば、その形状はどのようなものであってもよい。
【0057】
○ 第1の実施形態において、直下領域A1の範囲内の応力緩和空間の体積の合計が、比較領域A21の範囲内の応力緩和空間の体積の合計を超えない範囲内で、直下領域A1内の応力緩和空間の体積を変更してもよい。例えば、直下領域A1の範囲内に形成される貫通孔17の孔径を、直下領域A1の範囲外に形成される貫通孔17孔径よりも小さくしたり、直下領域A1の範囲内に形成される応力緩和空間のみ凹部とし、直下領域A1の範囲外に形成される応力緩和空間を貫通孔としてもよい。
【0058】
○ 第1及び第2の実施形態において、貫通孔17は、非形成領域A4に形成されなければ、その数を減らしてもよいし、増やしてもよい。
○ 第1及び第2の実施形態において、裏金属板16,31の直下領域A1に形成される応力緩和空間の体積の合計を0にしてもよい。すなわち、直下領域A1に応力緩和空間が形成されていなくてもよい。
【0059】
○ 第2の実施形態において、非形成領域A4に形成される貫通孔17に充填されるロウ材33により、完全に貫通孔17が埋まらなくてもよい。例えば、図7(a)〜図7(d)に示すように非形成領域A4に形成される応力緩和空間の体積が、他の応力緩和空間よりも小さくなればよい。図7(a)では、貫通孔17においてセラミックス基板14寄りの部分と、ヒートシンク13寄りの部分にロウ材33が充填されている。図7(b)では、貫通孔17の径方向にロウ材33が充填されている。図7(c)では、貫通孔17の軸方向の略中央にロウ材33が充填されている。図7(d)では、セラミックス基板14寄りの部分に、凹部が形成されるようにロウ材33が充填されている。
【0060】
○ 第2の実施形態において、裏金属板31とセラミックス基板14の間に配置されるロウ材33又は裏金属板31とヒートシンク13の間に配置されるロウ材33のいずれか一方が実施形態のロウ材33のように形成されていればよい。
【0061】
○ 第1の実施形態において、裏金属板16とセラミックス基板14及び裏金属板16とヒートシンク13は、裏金属板16に形成された貫通孔17に対応して空間部が形成されたロウ材を用いて接合されていてもよいし、空間部の形成されていないロウ材を用いて接合されていてもよい。
【0062】
○ 第1及び第2の実施形態において、半導体素子12は、ロウ材で接合されていてもよい。
○ 第2の実施形態において、セラミックス基板14、表金属板15、裏金属板31、ヒートシンク13及び半導体素子12を一括ロウ付けしてもよい。
【0063】
○ 第2の実施形態において、非形成領域A4の範囲内の貫通孔17のうち、少なくとも一つの貫通孔17の開口部がロウ材33で覆われていればよい。
○ 第2の実施形態において、貫通孔17の開口部の一部がロウ材33で覆われていればよい。
【0064】
○ 第2の実施形態において、直下領域A1の範囲内における貫通孔17の少なくとも一部にロウ材が充填されていれば、ロウ材が充填される貫通孔17の数を変更してもよい。
【0065】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)絶縁基板の表面に表金属層の裏面を接合するとともに前記絶縁基板の裏面に裏金属層の表面を接合した回路基板と、前記表金属層の表面に接合された半導体素子と、前記裏金属層の裏面に接合されたヒートシンクと、を備えた半導体装置であって、前記裏金属層において前記半導体素子の直下領域の範囲内にあっては、応力緩和空間が前記直下領域の周縁部に形成され、前記直下領域の範囲外にあっては、前記応力緩和空間が前記直下領域の外周縁から裏金属層の外周縁にかけて形成されることを特徴とする半導体装置。
【0066】
(ロ)前記応力緩和空間は、前記絶縁基板と前記裏金属層との積層方向に貫通する貫通孔であることを特徴とする技術的思想(イ)に記載の半導体装置。
技術的思想(ロ)によれば、応力緩和空間を絶縁基板と裏金属層との積層方向に貫通する貫通孔とすることにより、裏金属層が変形し易くなる。すなわち、半導体装置の駆動時に生じる熱応力を吸収しやすくすることができる。
【符号の説明】
【0067】
A1…直下領域、A2…内側領域、A11…外周縁、1,2…放熱装置、10,30…半導体モジュール、11…回路基板、12…半導体素子、12a…外周縁、13…ヒートシンク、14…セラミックス基板、15…表金属板、16,31…裏金属板、17…貫通孔、21…第一の裏金属板、22…第二の裏金属板、33…ロウ材、34…孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に半導体素子を接合可能な表金属層の裏面を絶縁基板の表面に接合するとともに前記絶縁基板の裏面に裏金属層の表面を接合した回路基板と、前記裏金属層の裏面に接合されたヒートシンクと、を備えた放熱装置であって、
前記裏金属層には、表面及び裏面のうち少なくとも一方が開口する複数の応力緩和空間が形成され、
前記裏金属層において、前記半導体素子の直下領域の範囲内における前記応力緩和空間の体積が直下領域の範囲外における前記直下領域と対応する同一寸法の領域の範囲内に形成された前記応力緩和空間の体積に比べて小さいことを特徴とする放熱装置。
【請求項2】
前記直下領域の範囲内における前記応力緩和空間は前記直下領域の周縁部に形成されるとともに前記直下領域の中央部には形成されない一方で、前記直下領域の範囲外における前記直下領域と対応する同一寸法の領域の範囲内における前記応力緩和空間は前記直下領域と対応する同一寸法の領域の周縁部及び中央部に形成されることによって、前記半導体素子の直下領域の範囲内における前記応力緩和空間の体積が直下領域の範囲外における前記直下領域と対応する同一寸法の領域の範囲内に形成された前記応力緩和空間の体積に比べて小さいことを特徴とする請求項1に記載の放熱装置。
【請求項3】
前記絶縁基板、前記裏金属層及び前記ヒートシンクは、ロウ材により接合され、
前記直下領域の範囲内における前記応力緩和空間の体積は、前記ロウ材が前記直下領域の範囲内における前記応力緩和空間の少なくとも一部に充填されることによって、前記直下領域の範囲外における前記直下領域と対応する同一寸法の領域の範囲内に形成された前記応力緩和空間の体積より小さく形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放熱装置。
【請求項4】
前記裏金属層は応力緩和部材であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の放熱装置。
【請求項5】
前記裏金属層は、前記ヒートシンクの表面に裏面が接合される第一の裏金属層と、前記第一の裏金属層の表面と前記絶縁基板の裏面との間に接合される第二の裏金属層とから構成され、前記第一の裏金属層に、前記応力緩和空間が形成されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の放熱装置。
【請求項6】
表面に半導体素子を接合可能な表金属層の裏面を絶縁基板の表面に接合するとともに前記絶縁基板の裏面に裏金属層の表面を接合した回路基板と、前記裏金属層の裏面に接合されたヒートシンクと、を備えた放熱装置の製造方法であって、
応力緩和空間の形成された前記裏金属層の接合界面に、前記半導体素子の直下領域の範囲外にあっては前記応力緩和空間に対応するように空間部が形成されるとともに前記半導体素子の直下領域の範囲内にあっては前記直下領域の範囲外において直下領域と対応する同一寸法の領域に形成された空間部に比べ、空間部の体積が小さいロウ材を配置し、前記ロウ材を溶融温度以上の温度まで加熱して溶融した後に前記ロウ材を前記溶融温度未満の温度まで下げて凝固させることを特徴とする放熱装置の製造方法。
【請求項7】
前記表金属層に接合可能な半導体素子の直下領域の範囲内にあっては少なくとも一つの前記応力緩和空間の開口部の一部若しくは全部をロウ材で覆うとともに、前記表金属層に接合可能な半導体素子の直下領域の範囲外にあっては前記応力緩和空間の開口部をロウ材で覆わないことを特徴とする請求項6に記載の放熱装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−235082(P2012−235082A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−282072(P2011−282072)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】