説明

放電灯点灯装置

【課題】管電流以外の電流量に影響されること無く、大型化せずに、安価な部品を使用し、所定の管電流になるよう制御可能な放電灯点灯装置を提供すること。
【解決手段】フィラメント電流の流れるフィラメント電流経路(第3フィラメント電流経路9i3)途中から前記電流経路(第3フィラメント電流経路9i3)外へ電流を流す電流検出回路(管電流検出部8)が設けられ、電流検出回路(管電流検出部8)に管電流検出手段(抵抗R3))が接続されている。また、電流制御手段(管電流制御回路3及び制御回路1)は負荷回路2を制御してフィラメントに間(Fm1a,Fm1b間、Fm2a,Fm2b間)高周波点灯電圧を印加して、検出部(管電流検出部8)で検出される検出信号の変動に基づき管電流が一定となるように前記高周波点灯電圧の周波数を制御するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放電灯の管電流が所定の電流になるよう制御する放電灯点灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の放電灯点灯装置には、放電灯に流れる管電流の変化を回路電圧の変化から間接的に検出して、この回路電圧の変化に基づき放電灯点灯に流れる電流が所定の電流になるよう制御するようにしたものがある。
【0003】
この管電流の検出方法としては、放電灯点灯回路のスイッチ素子の出力に抵抗を挿入して、その抵抗の電圧を検出する抵抗電圧検出方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、他の電圧の検出方法としては、放電灯の出力にカレントトランスを挿入して、そのトランスの2次側の電圧を検出するトランス電圧検出方法等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−11289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前者の抵抗電圧検出方法では、スイッチ素子に流入する電流が放電灯の管電流に加え、フィラメントに流れる電流やスイッチ素子の発振ノイズを軽減する目的で付加されるスナバー回路の電流及び放電灯の異常を検出する目的で付加される保護回路の電流の合成電流となる為、管電流はそれ以外の電流量に影響されるという問題がある。
【0006】
また、後者のトランス電圧検出方法では、放電灯の出力にトランスを挿入する為、管電流のみを検出可能であり、フィラメント電流などの電流量に影響されない点で前者の課題を解決可能である。しかし、放電灯の出力にトランスを用いるために、装置が大型化すると共に、それ自体が高価で大きく材料費が高くなるという問題がある。
【0007】
そこで、この発明は、管電流以外の電流量に影響されること無く、大型化せずに、安価な部品を使用し、所定の管電流になるよう制御可能な放電灯点灯装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため、この発明は、放電灯のフィラメントにフィラメント電流を流して前記フィラメントを予熱可能に且つ前記フィラメント間に高周波点灯電圧を印加可能に設けられた負荷回路と、前記負荷回路に高周波交流を供給して、前記フィラメント電流を流すことにより前記フィラメントを予熱させた後に、前記フィラメント間に前記高周波点灯電圧を印加して前記放電灯に管電流を流す高周波発生手段と、前記放電灯に流れる管電流を検出させる管電流検出手段と、前記管電流検出手段の検出結果に基づいて前記放電灯に流れる電流が所定の管電流になるように前記高周波交流を制御する電流制御手段と、を備えた放電灯点灯装置であって、前記管電流検出手段は前記フィラメント電流の流れるフィラメント電流経路外に設けられ且つ前記フィラメント電流経路途中に接続された検出部であり、前記検出部からの検出信号が前記電流制御手段に入力されると共に、前記電流制御手段は前記負荷回路を制御して前記フィラメント間に高周波点灯電圧を印加して、前記検出部で検出される検出信号の変動に基づき前記管電流が所定の値となるように前記高周波点灯電圧の周波数を制御する放電灯点灯装置としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この構成によれば、管電流以外の電流量に影響されること無く、大型化せずに、安価な部品を使用し、所定の管電流になるよう制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明に係る放電灯点灯装置の放電灯制御回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。
[構成]
図1は、この発明にかかる放電灯点灯装置を示したものである。この放電灯点灯装置は、放電灯点灯用の高周波の交流電圧(高周波点灯電圧)を発生させる制御回路(高周波交流発生手段)1と、この制御回路1ににより動作制御される負荷回路2と、管電流制御回路3を有する。
<制御回路1>
この制御回路1は、直流電源E1,スイッチング素子TR1,TR2、スナバーコンデンサCl,C2,駆動回路4を有する。この直流電源E1のプラス側にはプラス側配線E1aが接続され、直流電源E1のマイナス側にはマイナス側配線(アース側配線)E1bが接続されている。
【0012】
尚、直流電源E1は、例えば商用電源の交流を脈流のある直流に整流する入力平滑回路(図示せず)が用いられている。また、スイッチング素子TR1,TR2は、プラス側配線E1aとマイナス側配線E1bとの間に直列に接続されている。尚、5はスイッチング素子TR1,TR2を直列に接続する素子接続線である。
【0013】
更に、スナバーコンデンサClはスイッチング素子TR1に並列に接続され、スナバーコンデンサC2はスイッチング素子TR2に並列に接続されている。
【0014】
また、駆動回路4は、スイッチング素子TR1,TR2のベースに抵抗R1を介してON・OFF制御電圧を印加することにより、スイッチング素子TR1をON・OFF制御するようになっている。また、駆動回路4は、スイッチング素子TR2のベースに抵抗R2をON・OFF制御電圧を印加することにより、スイッチング素子TR2をON・OFF制御するようになっている。
<負荷回路2>
この負荷回路2は、インダクタンスであるトランスT1を有する。すなわち、トランスT1は、インダクタンスである一次コイル(一次巻線)L1と、インダクタンスである3つの二次コイル(二次巻線)L2a,L2b,L2cと、一次コイルL1と二次コイルL2a,L2b,L2cとの間の鉄心Fcを備えている。
【0015】
しかも、負荷回路2は符号を省略した入力側の直列回路(入力側直列共振回路すなわち点灯交流用共振回路)を有する。この入力側の直列回路は、配線6を介して素子接続線5に一端が接続されたコンデンサC3と、コンデンサC3の他端と負荷接続線7の一端との間に接続されたトランスT1の一次コイルL1と、負荷接続線7とマイナス側配線E1bとの間に介装されたコンデンサC7を備えている。
【0016】
また、負荷回路2は、負荷接続線7の他端に直列に接続される第1,第2放電灯(負荷である放電管)Dt1,Dt2と、この第2放電灯Dt2とマイナス側配線E1bとの間に接続される管電流検出部(管電流検出手段)8を管電圧検出部として有する。尚、コンデンサC7は、第1,第2放電灯Dt1,Dt2及び管電流検出部8と並列に設けられている。
【0017】
第1放電灯Dt1は、密閉された真空チューブTu1と、真空チューブTu1の両端部内に設けられたフィラメントFm1a,Fm1bを有する。尚、フィラメントFm1aには負荷接続線7の他端が接続されている。また、第2放電灯Dt2は、密閉された真空チューブTu2と、真空チューブTu2の両端部内に設けられたフィラメントFm2a,Fm2bを有する。
【0018】
更に、負荷回路2は予熱回路9を有する。この予熱回路(予熱用共振回路)9は、符号を省略した3つの第1,第2,第3予熱直列回路(第1,第2,第3予熱用直列共振回路)を備えている。
【0019】
この第1予熱直列回路は、放電灯のフィラメントFm1aに直列に接続された二次コイルL2a,コンデンサC4を有する。この二次コイルL2a,コンデンサC4,フィラメントFm1aは第1フィラメント電流経路9i1を形成している。
【0020】
第2予熱直列回路は、フィラメントFm2aに直列に接続された二次コイルL2b,コンデンサC5を有する。この二次コイルL2b,コンデンサC5,フィラメントFm1b及びフィラメントFm2aは、第2フィラメント電流経路9i2を形成している。
【0021】
第3予熱直列回路は、フィラメントFm2bに直列に接続された二次コイルL2c,コンデンサC6を有する。この二次コイルL2c,コンデンサC6及びフィラメントFm2bは、第3フィラメント電流経路9i3を形成している。
尚、10は、フィラメントFm2bと二次コイル2cに一端とを接続する接続線である。また、負荷回路2は、上述した入力側の直列回路及び第1〜第3予熱直列回路等により特定の高周波で共振する負荷回路共振周波数を有する。
(管電流検出部8)
また、接続線10とマイナス側配線E1bとの間には管電流検出部8が配設されている。この管電流検出部8は、アノード側がマイナス側配線E1bに接続され且つカソード側が接続線10に接続されたダイオードD1と、接続線10にアノード側が接続されたダイオードD2と、このダイオードD2のカソード側とマイナス側配線E1bとの間に接続された抵抗R3を有する。これにより、ダイオードD1はマイナス側配線E1b側から接続線10側に電流・電圧を供給可能に設けられ、ダイオードD2は接続線10側からマイナス側配線E1b側に電流・電圧を供給可能に設けられている。
<管電流制御回路3>
この管電流制御回路3は、管電流検出部8のダイオードD2と抵抗R3との間で発生する半波電圧を検出し平均化する平滑回路11と、この平滑回路11で平滑・平均化された検出電圧がマイナス側に入力される比較回路12と、この比較回路12のプラス側とマイナス側配線E1bとの間に介装された直流電源E2を有する。
【0022】
この直流電源E2は、比較回路12のプラス側に基準電圧を印加するようになっている。また、比較回路12は、検出電圧と基準電圧を比較して差分電圧を出力し、この差分電圧を駆動回路4に入力するようになっている。そして、駆動回路4は、比較回路12からの出力である差分電圧を受けて、検出電圧が基準電圧(直流電源電圧)と同じになるように、出力周波数を調整(制御)するようになっている。すなわち、管電流検出部8で発生した半波電圧を抵抗R4及びコンデンサC8にて平均化した検出電圧とし、管電流の目標となる直流電源電圧を直流電源E2から供給される基準電圧としたとき、比較回路12は検出電圧が基準電圧と同じになるよう駆動回路4の出力周波数を調整する。
[作用]
次に、このような構成の放電灯点灯装置の作用を説明する。
【0023】
このような構成において制御回路1の駆動回路4は、スイッチング素子TR1,TR2のベースに抵抗R1,R2を介してON・OFF制御電圧(制御信号)を交互に供給して、スイッチング素子TR1,TR2を交互にON・OFFさせ、直流電源E1からの直流(直流電圧・直流電流)をスイッチング素子TR1,TR2により高周波交流(高周波交流電圧・高周波交流電流)として負荷回路2の入力側の直列回路のコンデンサC3に入力する。
【0024】
この際、制御回路1は、負荷回路2を負荷回路共振周波数よりも十分高い周波数でおよそ所定の予熱時間(例えば、1秒間)発振するように、駆動回路4により高周波交流を負荷回路2に供給する。
【0025】
これにより予熱回路9の二次コイルL2a〜L2cに交流(交流電圧・交流電流)が発生する。そして、この交流が二次コイルL2aを有する第1予熱直列回路の第1フィラメント電流経路9i1に流れて、第1予熱直列回路を構成するフィラメントFm1aが発熱し予熱される。同様に、交流が二次コイルL2bを有する第2予熱直回路の第2フィラメント電流経路9i2に流れて、第2直列回路を構成するフィラメントFm1b,Fm2aが発熱し予熱される。更に、交流が二次コイルL2cを有する第3予熱直列回路の第3フィラメント電流経路9i3に流れて、第3直列回路を構成するフィラメントFm2bが発熱し予熱される。
【0026】
そして、駆動回路4は、所定の予熱時間が経過すると、制御回路1から負荷回路2に供給される高周波交流の周波数が低くなる方向に遷移させる。
【0027】
これに伴い、第1放電灯Dt1のフィラメントFm1a,Fm1b間に印加されている交流電圧により、フィラメントFm1a,Fm1b間に管電流が流れて、第1放電灯Dt1が点灯する。同時に、第2放電灯Dt2のフィラメントFm2a,Fm2b間に印加されている交流電圧により、フィラメントFm2a,Fm2b間に管電流が流れて、第2放電灯Dt2が点灯する。
【0028】
この際、管電流検出部8のダイオードD2と抵抗R3との間の半波電圧が管電流制御回路3で検出される。すなわち、ダイオードD2と抵抗R3との間の半波電圧が管電流制御回路3の平滑回路11に入力されて、この半波電圧が平滑回路11の抵抗R1とコンデンサC8により平滑されて平均化した検出電圧となり、この検出電圧が比較回路12のマイナス側に入力される。一方、この比較回路12のプラス側には管電流の目標値を決定する基準電圧が直流電源E2から入力されている。
【0029】
そして、比較回路12は、検出電圧と基準電圧とを比較して、検出電圧と基準電圧の差分電圧を出力して制御回路1の駆動回路4に入力する。この駆動回路4は、比較回路12からの出力である差分電圧を受けて、検出電圧が基準電圧(直流電源電圧)と同じになるように、駆動回路4の出力周波数を調整して、制御回路1から負荷回路2に供給される高周波電流の周波数を調整(制御)する。
【0030】
このように第1,第2放電灯Dt1,Dt2内に管電流が流れ、この管電流のみによりダイオードD2と抵抗R3との間に生ずる半波電圧を管電流制御回路3で検出することができるので、第1,第2放電灯Dt1,Dt2内に流れる管電流のみに基づいて、第1,第2放電灯Dt1,Dt2内を流れる管電流が一定の所定値(目標値)となるように、制御回路1の駆動回路4により制御できる。
【0031】
以上説明したように、この発明の実施の形態の放電灯点灯装置は、放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)のフィラメント(Fm1a,Fm1b間、Fm2a,Fm2b間)にフィラメント電流を流して前記フィラメント(Fm1a,Fm1b、Fm2a,Fm2b)を予熱可能に且つ前記フィラメント間(Fm1a,Fm1b間、Fm2a,Fm2b間)に高周波点灯電圧を印加可能に設けられた負荷回路2を有する。また、放電灯点灯装置は、前記負荷回路2に高周波交流を供給して、前記フィラメント電流を流すことにより前記フィラメント(Fm1a,Fm1b、Fm2a,Fm2b)を予熱させた後に、前記フィラメント間(Fm1a,Fm1b間、Fm2a,Fm2b間)に前記高周波点灯電圧を印加して前記放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)に管電流を流す高周波発生手段(制御回路1)を有する。更に、放電灯点灯装置は、前記放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)に流れる管電流を検出させる管電流検出手段(管電流検出部8)と、前記管電流検出手段(管電流検出部8)の検出結果に基づいて前記放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)に流れる電流が所定の管電流になるように前記高周波交流を制御する電流制御手段(管電流制御回路3及び制御回路1)と、を備えている。しかも、前記管電流検出手段(管電流検出部8)は前記フィラメント電流の流れるフィラメント電流経路(第3フィラメント電流経路9i3)外に設けられ且つ前記フィラメント電流経路(第3フィラメント電流経路9i3)途中に接続された検出部(管電流検出部8)であり、前記検出部(管電流検出部8)からの検出信号が前記電流制御手段(管電流制御回路3及び制御回路1)に入力される。更に、前記電流制御手段(管電流制御回路3及び制御回路1)は前記負荷回路2を制御して前記フィラメントに間(Fm1a,Fm1b間、Fm2a,Fm2b間)高周波点灯電圧を印加して、前記検出部(管電流検出部8)で検出される検出信号の変動に基づき前記管電流が一定となるように前記高周波点灯電圧の周波数を制御するようになっている。
【0032】
この構成によれば、放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)内に管電流を流して、放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)を点灯させるようにすることができるので、ダイオードD2と抵抗R3との間に生ずる管電流のみによる半波電圧を管電流検出手段(管電流検出部8)で検出することができる。これにより、放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)内に流れる管電流のみに基づいて、放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)内を流れる管電流が一定の所定値(目標値)となるように、電流制御手段(管電流制御回路3及び制御回路1)により負荷回路2を制御できる。この結果、管電流以外の電流量に影響されること無く、大型化せずに、安価な部品を使用し、所定の管電流になるよう制御できる。
【0033】
また、この発明の実施の形態の放電灯点灯装置において、前記放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)は2つ設けられている。尚、上述した実施例では、第1,第2放電灯Dt1,Dt2の2つが設けられているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、放電灯は、第1,第2放電灯Dt1,Dt2の一方のみでも良いし、3以上設けられていても良い。また、放電灯を複数(2以上)設ける場合には、図1に示したように複数の放電灯が直列に接続された状態で放電電流が直列で流れるようにすると良いが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0034】
更に、この発明の実施の形態の放電灯点灯装置において、前記電流制御手段(管電流制御回路3及び制御回路1)は駆動回路4でON・OFF制御されて高周波交流を発生させるスイッチング素子(TR1,TR2)及び前記検出信号が入力される管電流制御回路3を備えている。しかも、前記管電流制御回路3は、前記スイッチング素子の動作制御開始時に前記所定の共振周波数の高周波交流を前記予熱用共振回路(予熱回路9)に供給して前記予熱共振回路(予熱回路9)を共振させることにより、前記フィラメント電流を流して前記フィラメント(Fm1a,Fm1b、Fm2a,Fm2b)を発熱させ予熱した後、前記スイッチング素子(TR1,TR2)を動作制御して前記高周波交流の前記共振周波数をずらすことにより前記点灯交流用共振回路を共振させて、前記フィラメント間(Fm1a,Fm1b間、Fm2a,Fm2b間)に高周波点灯電圧を印加して、且つ前記電流検出部8で検出される電圧の変動に基づき前記管電流が一定となるように前記スイッチング素子(TR1,TR2)により前記高周波点灯電圧の周波数を制御するようになっている。
【0035】
この構成によれば、簡単な構成で放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)を点灯させて、放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)の点灯時の管電流のみを検出するようにできる。
【0036】
また、この発明の実施の形態の放電灯点灯装置において、前記負荷回路2は前記高周波交流が供給される一次巻線及び前記一次巻線(一次コイルL1)に磁気結合された二次巻線(二次コイルL2a〜L2c)が設けられたトランスT1を備えている。更に、前記点灯交流用共振回路は前記一次巻線(一次コイルL1)を備え、前記予熱用共振回路は前記二次巻線(二次コイルL2a〜L2c)を備えている。
【0037】
この構成によれば、制御回路1から負荷回路2に供給される高周波電流の周波数のみの制御により、負荷回路2のフィラメント電流経路に供給するフィラメント電流(予熱電流)を制御して、放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)の点灯時の管電流のみを検出できるので、放電灯(第1,第2放電灯Dt1,Dt2)内を流れる管電流が一定の所定値(目標値)となる制御が容易である。
【符号の説明】
【0038】
1・・・制御回路(高周波交流発生手段、電流制御手段の一部)
2・・・負荷回路
3・・・管電流制御回路(電流制御手段の一部)
4・・・駆動回路
8・・・管電流検出部(管電流検出手段)
9・・・予熱回路(予熱用共振回路)
9i1・・・第1フィラメント電流経路
9i2・・・第2フィラメント電流経路
9i3・・・第3フィラメント電流経路
11 平滑回路
C1,C7・・・コンデンサ(点灯交流用共振回路の一部)
Dt1・・・第1放電灯(放電灯)
Dt2・・・第2放電灯(放電灯)
E1・・・直流電源
Fm1a・・・フィラメント
Fm1b・・・フィラメント
Fm2a・・・フィラメント
Fm2b・・・フィラメント
L1・・・一次コイル(点灯交流用共振回路の一部)
L2a・・・二次コイル
L2b・・・二次コイル
L2c・・・二次コイル
R3 抵抗
T1 トランス
TR1 スイッチング素子
TR2 スイッチング素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電灯のフィラメント間にフィラメント電流を流して前記フィラメントを予熱可能に且つ前記フィラメン間に高周波点灯電圧を印加可能に設けられた負荷回路と、
前記負荷回路に高周波交流を供給して、前記フィラメント電流を流すことにより前記フィラメントを予熱させた後に、前記フィラメント間に前記高周波点灯電圧を印加して前記放電灯に管電流を流す高周波発生手段と、
前記放電灯に流れる管電流を検出させる管電流検出手段と、
前記管電流検出手段の検出結果に基づいて前記放電灯に流れる電流が所定の管電流になるように前記高周波交流を制御する電流制御手段と、
を備えた放電灯点灯装置であって、
前記管電流検出手段は前記フィラメント電流の流れるフィラメント電流経路外に設けられ且つ前記フィラメント電流経路途中に接続された検出部であり、前記検出部からの検出信号が前記電流制御手段に入力されると共に、
前記電流制御手段は、前記負荷回路を制御して前記フィラメント間に高周波点灯電圧を印加して、前記検出部で検出される検出信号の変動に基づき前記管電流が所定の値となるように前記高周波点灯電圧の周波数を制御することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放電灯点灯装置において、前記放電灯は1又は2以上設けられていることを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の放電灯点灯装置において、前記電流制御手段は駆動回路でON・OFF制御されて高周波交流を発生させるスイッチング素子及び前記検出信号が入力される管電流制御回路を備え、前記管電流制御回路は、前記スイッチング素子の動作制御開始時に前記所定の共振周波数の高周波交流を前記予熱用共振回路に供給して前記予熱共振回路を共振させることにより、前記フィラメント電流を流して前記フィラメントを発熱させ予熱した後、前記スイッチング素子を動作制御して前記高周波交流の前記共振周波数をずらすことにより前記点灯交流用共振回路を共振させて、前記フィラメント間に高周波点灯電圧を印加して、且つ前記電流検出部で検出される電圧の変動に基づき前記管電流が一定となるように前記スイッチング素子により前記高周波点灯電圧の周波数を制御することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項4】
請求項3に記載の放電灯点灯装置において、前記負荷回路は前記高周波交流が供給される一次巻線及び前記一次巻線に磁気結合された二次巻線が設けられたトランスを備えていると共に、前記点灯交流用共振回路は前記一次巻線を備え、前記予熱用共振回路は前記二次巻線を備えることを特徴とする放電灯点灯装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−187294(P2011−187294A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50740(P2010−50740)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000180450)四変テック株式会社 (55)
【Fターム(参考)】