故障状態時に出口圧力が低下する高流量二重弁
【課題】二重弁の入口通路とクロスオーバー通路との間に改善された相互作用を付与して、故障状態時に出口圧力を入口圧力の1%より低く維持できる二重弁を提供することにある。
【解決手段】故障状態時に出口圧力を入口圧力の1%より低く維持すると同時に、縮小した全弁サイズにより比較的少量の排出を維持する、入口ポート(13)、出口ポート(15)および排出ポート(17)を備えた二重弁。それぞれの弁ユニット(18、20)が除勢位置にないときは、クロスオーバー通路(2′、25)が、主クロスオーバーポペット(40、153)を通る入口圧力を受け入れる。弁ユニットが除勢位置にあるときは、クロスオーバー通路は、クロスオーバーポペットのサイズとは独立して流量が制御されるそれぞれのバイパス通路(44、152)を通る入口圧力を受ける。バイパス通路の使用により、約2.5より小さい排出流量係数/入口流量係数の比をもつ非プレス用途の二重弁に特に有益である。
【解決手段】故障状態時に出口圧力を入口圧力の1%より低く維持すると同時に、縮小した全弁サイズにより比較的少量の排出を維持する、入口ポート(13)、出口ポート(15)および排出ポート(17)を備えた二重弁。それぞれの弁ユニット(18、20)が除勢位置にないときは、クロスオーバー通路(2′、25)が、主クロスオーバーポペット(40、153)を通る入口圧力を受け入れる。弁ユニットが除勢位置にあるときは、クロスオーバー通路は、クロスオーバーポペットのサイズとは独立して流量が制御されるそれぞれのバイパス通路(44、152)を通る入口圧力を受ける。バイパス通路の使用により、約2.5より小さい排出流量係数/入口流量係数の比をもつ非プレス用途の二重弁に特に有益である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは流体動力システム用の弁の制御に関し、より詳しくは、作動状態時の高い入力/出力流量係数(input to output flow coefficient)の比および故障状態(faulted state)時の非常に低い出口圧力を同時に達成できる二重弁に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の形式の工作機械は、流体動力制御形クラッチおよび/またはブレーキ組立体と相互作用する弁システムを介して作動する。これらの工作機械を作動させるのに使用される制御弁は、作動サイクルが開始されたときにオペレータの手または他の障害物が工作機械の移動するコンポーネンツに触れないことを確保するには、オペレータが、2つの別々の制御スイッチを実質的に同時に付勢する必要がある。一般に、2つの制御スイッチに応答する電子回路は、工作機械の作動サイクルを遂行すべく、弁の主流体回路を切換えるアクチュエータに入力される制御信号を発生して、工作機械への圧縮空気または他の流体の供給を制御する。
【0003】
工作機械の作動サイクルの反復またはオーバーランが単一弁ユニットの故障により引起こされないことを確保すべく、1つの主弁本体内で並列で作動する2つの別々の弁ユニットを備えた二重弁が開発されている。例えば、1つの弁ユニットが適正時点で除勢することに失敗した場合、または弁ユニットが非同期的態様で付勢される場合には、二重弁は、流体動力源を工作機械から連続的にそらせる故障態様となる。例えば、共有に係る下記特許文献1および2(これらは本願に援用する)には、二重弁が開示されている。
【0004】
プレスまたは他の工作機械を作動させる既知の二重弁では、弁が除勢されたときに、圧力流体を出口から迅速に排出させ、ブレーキ機構を付勢できる圧力に迅速に低下させることが望まれる。流量係数CVは、流体が流れることができる装置の効率の基準であり、測定された流量およびオリフィスを横切る圧力差に基いて計算される。一般に、二重弁での入口から出口に向かって測定される流量係数CVは、出口から排出口に向かって測定される流量係数CVに等しくはない。プレス用途に使用される二重弁は、一般に、入口/出口流量係数CVの比より高い出口/排出口流量係数CV(outlet-to-exhaust CV )の比を有する。
【0005】
二重弁内のクロスオーバー通路を通る流体の流れは一方の弁ユニットの移動を引起こして、他方の弁ユニットの移動に影響を与える。クロスオーバー通路は、弁の付勢状態および除勢状態の両状態において常時加圧されている。弁の故障状態では、一方のクロスオーバー通路が加圧されかつ他方のクロスオーバー通路が出口に開放され、更に該出口を通って排出ポートに開放される。出口に開放されたクロスオーバー通路内に流入する入口圧力は、故障状態でも出口内に或る大きさの圧力が存在する状態を続けさせる。工業規格では、このような圧力は、流体供給源の圧力の1%より低く維持されるべきであると定められている。排出流容量は比較的大きいため、プレスおよび工作機械用の従来技術の二重弁は、1%より低いという目的には適合する。
【0006】
非プレス用途では、二重弁のロックアウト能力およびダイナミックモニタリング特徴を利用することが望まれている。このような用途では、一般に、入口と出口との間に連続的で比較的大きい流量係数CVを用いており、これは、入口、出口および弁ユニットのサイズをスケールアップすることにより達成される。しかしながら、入口/出口流量係数CVをスケールアップすると、故障状態時に出口への流入が増大する傾向が生じ、これは、上記理由から好ましくない。出口への流入が増大する理由の一部は、クロスオーバー通路と入口との間に設けられたそれぞれのフローリストレクタ(絞り)を通るクロスオーバー通路が加圧されることにある。フローリストレクタは、入口と出口との間の主流路の一部でもある。高い流量係数CVを得るため入口、出口および弁ユニットをスケールアップすると、クロスオーバー通路に供給するフローリストレクタ通路も同様にスケールアップされ、したがってこれらの種々の弁要素がスケールアップされるため、故障状態時にクロスオーバー通路から出口への流れを有効に制限すなわち制御することは不可能である。
【0007】
出口圧力を入口圧力の1%より低く維持することは排出ポートおよび排出ポペットのスケールアップにより達成されるが、これらの段階は、コストが嵩みかつ二重弁のパッケージサイズが増大されるため好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,840,258号明細書
【特許文献2】米国特許第6,840,259号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、二重弁の入口通路とクロスオーバー通路との間に改善された相互作用を付与して、故障状態時に出口圧力を入口圧力の1%より低く維持すると同時に、小さい全物理的弁サイズにより比較的小さい排出を維持する長所をもたらす。本発明は、非プレス用途での二重弁の使用、および除勢状態での排出流量係数CV/付勢状態での入口流量係数CVの比(約2.5より小さい)をもつ二重弁の使用に特に有益である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様では、弁システムは、入口、出口および排出口が形成された本体を有している。第一弁ユニットは除勢位置に移動でき、該除勢位置では、第1入口ポペットがその閉位置にありかつ第1排出ポペットがその開位置にある。第2弁ユニットは除勢位置に移動でき、該除勢位置では、第2入口ポペットがその閉位置にありかつ第2排出ポペットがその開位置にある。弁システムは、第1および第2弁ユニットの一方が除勢位置にありかつ他方が除勢位置にないときに故障状態になる。
【0011】
弁システムは更に、第1および第2クロスオーバー通路および第1および第2クロスオーバーポペットを有している。第1バイパス通路は、入口と第1クロスオーバー通路とを連結し、この場合、第1バイパス通路は所定の流量が得られる所定の横断面積を有し、これにより、弁システムが故障状態にありかつ第2弁ユニットが除勢位置にないときは、第1バイパス通路を通る加圧流体が、出口を、加圧流体源の圧力の1%を超えない圧力に加圧するように構成されている。第2バイパス通路は、入口と第2クロスオーバー通路とを連結し、この場合、第2バイパス通路は所定の流量が得られる所定の横断面積を有し、これにより、弁システムが故障状態にありかつ第1弁ユニットが除勢位置にないときは、第1バイパス通路を通る加圧流体が、出口を、加圧流体源の圧力の1%を超えない圧力に加圧するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】クロスオーバー通路に供給するフローリストレクタを備えた従来技術の二重弁の断面図であり、弁がその除勢状態にあるところを示すものである。
【図2】図1の従来技術の二重弁が付勢状態にあるところを示す断面図である。
【図3】図1の従来技術の二重弁が故障状態にあるところを示す断面図である。
【図4】従来技術の二重弁を通る流体の流路を示す概略図である。
【図5】従来技術の二重弁の作動中のクロスオーバー通路およびタイミングチャンバ内の圧力を示すグラフである。
【図6】図6Aは、従来技術のフローリストレクタを示す側断面図である。図6Bは、図6Aのフローリストレクタを示す平面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による二重弁を示す側断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態によるポペット弁およびバイパス通路を示す側断面図である。
【図9】スプリングリターンを用いた本発明による2位置二重弁を示す断面図であり、除勢状態にあるところを示すものである。
【図10】図9の二重弁が故障状態にあるところを示す断面図である。
【図11】本発明による3位置二重弁を示す断面図であり、故障状態にあるところを示すものである。
【図12】改善されたリセットピストンを備えた本発明による3位置二重弁を示す断面図であり、故障状態にあるところを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで図1を参照すると、従来技術において知られておりかつ二重弁10の形態で示された制御弁システムは本体11を有し、該本体11は、入口チャンバ13に通じる入口ポート12と、出口チャンバ15に通じる出口ポート14と、排出チャンバ17に通じる排出ポート16とを備えている。
【0014】
チャンバ13、15、17は、第1弁ユニット18および第2弁ユニット20を受入れるボアを形成すべく、種々の通路により結合されている。第1クロスオーバー通路21は、外部供給源(図示せず)から入口12に供給され、次に入口チャンバ13を通り、更にオリフィス23内に受入れられた第1弁ユニット18のショルダ22により形成された第1フローリストレクタ32を通って供給される流体により加圧される。第2クロスオーバー通路25は、外部供給源から入口12に供給され、次に入口チャンバ13を通り、更にオリフィス27内に受入れられた第2弁ユニット20のショルダ26により形成された第2フローリストレクタ33を通って供給される流体により加圧される。第1弁ユニット18はまた、クロスオーバー通路25の出口端に入口ポペット30を有している。第2弁ユニット20は、クロスオーバー通路21の出口端に入口ポペット31を有している。弁ユニット18、20はこれらの除勢位置にあるところが示されており、ショルダ22、26がそれぞれオリフィス23、27と機械的に接触している。このため、入口チャンバ13からの加圧流体は、付勢位置と比較して低速で、それぞれクロスオーバー通路21、25内に流入する。クロスオーバー通路21、25内の圧力は、入口ポペット30、31が除勢位置に座合した状態に維持されることを補助する。
【0015】
図2には、弁ユニット18、20が付勢位置にある二重弁10が示されている。弁ユニット18、20は、アクチュエータ6、7(これらは、好ましくはパイロット弁で構成される)により供給される圧力により、図2で見て下方に押圧されている。アクチュエータの圧力は、それぞれ、タイミングチャンバ8、9から得られる。弁ユニット18、20がこれらの付勢位置にあると、流体は、入口12から、入口チャンバ13、フローリストレクタ32、33、クロスオーバー通路21、25および入口ポペット30、31を通って、出口チャンバ15へと流れる。
【0016】
図3には、第1弁ユニット18が付勢位置にありかつ第2弁ユニット20が除勢位置にあって、二重弁10が故障状態にあるところが示されている。第1クロスオーバー通路21は、フローリストレクタ32を通って入口チャンバ13に開放しており、この結果得られる圧力によって第2入口ポペット31が座合した状態に維持され、これにより、第2弁ユニット20がその除勢位置に維持されている。第2クロスオーバー通路25は、第1入口ポペット30を通って出口チャンバ15に開放しておりかつ開いた排出ポペット19Bを通って排出チャンバ17に開放している。クロスオーバー通路25内の圧力が真空引きされると、リターンチャンバ24Bおよびタイミングチャンバ9(タイミングチャンバは第2弁ユニット20を付勢すべくアクチュエータ7により使用される)への圧力が喪失される。これにより、弁10は、該弁が積極的にリセットされるまで故障状態に維持される。二重弁10はまた、第1弁ユニット18が除勢位置にありかつ第2弁ユニット20が付勢位置にあるときも故障状態にあり、この場合にも、上記と同様な流れ分析が適用される。
【0017】
図4を参照すると、ここには、付勢状態について、弁の入口12と出口14との間の流体流路が概略的に示されている。付勢状態では、流れは、二重弁10の両側を通る。入口12内への流体の流れは、入口チャンバ13およびフローリストレクタ32、33を通って、それぞれ第1クロスオーバー通路21および第2クロスオーバー通路25内に流入する。流体の流れは、クロスオーバー通路21、25を出て、入口ポペット30、31を通って出口チャンバ15内に流入し、更に出口14を通って制御された装置または回路へと流れる。クロスオーバー通路21、25は、故障していない弁作動時には加圧される。加圧された流体は、入口12から入口チャンバ13を通ってタイミングチャンバ8およびリターンチャンバ24Aへと流れる。加圧された流体はまた、入口12から入口チャンバ13を通ってタイミングチャンバ9およびリターンチャンバ24Bへと流れる。かくして、タイミングチャンバ8は、第1弁ユニット18の付勢を制御するアクチュエータ6用および第2弁ユニット20に対して戻り力を与えるリターンチャンバ24A用の加圧流体源を維持する。
【0018】
弁10が故障状態になると、一方のクロスオーバー通路21または25が加圧されかつ他方のクロスオーバー通路25または21が減圧される。これにより、一方のタイミングチャンバ8または9および一方のリターンチャンバ24Bまたは24Aは付勢に要する圧力をもたず、したがって弁ユニット18、20に外部からリセット力が加えられることに応答してリセット作動が遂行されるまで、弁10は故障状態に維持される。
【0019】
クロスオーバー通路21、25およびタイミングチャンバ8、9の加圧を更に示すため、図5には、弁10のサイクル中のタイミングチャンバ8、9およびクロスオーバー通路21、25での圧力のプロットが示されている。曲線34は、全圧力とほぼゼロ圧力との間のクロスオーバー通路21内の圧力を示すものである。同様に、曲線35はタイミングチャンバ8に対応し、曲線36はクロスオーバー通路25に対応し、曲線37はタイミングチャンバ9に対応する。最初は、クロスオーバー通路21、25およびタイミングチャンバ8、9は全入口圧力を有している。弁10の付勢は時点t1で開始される。弁ユニット18、20が移動し始めると、クロスオーバー通路21、25内の圧力は急速に低下する。なぜならば、入口ポペット30、31が最初に開き始めるとき、排出ポペット19A、19Bは未だ閉じられておらず、クロスオーバー通路21、25から排出ポート16への通路が存在するからである。タイミングチャンバ8、9はそれぞれのリストレクタ32、33を介してクロスオーバー通路21、25に連結されているので、タイミングチャンバ8、9内の圧力は、時点t1でよりゆっくりと低下し始める。弁要素18、20が移動し続けると、排出ポペット19A、19Bが最終的に閉じ、クロスオーバー通路21、25内の圧力は急速に全圧力に戻る。よりゆっくりとではあるが、タイミングチャンバ8、9内の圧力も同様に全圧力に戻る。
【0020】
二重弁10の除勢が、時点t2で開始する。これと実質的に同時に、弁ユニット18、20がこれらの入口ポペット30、31および排出ポペット19A、19Bを開くため、クロスオーバー通路21、25について曲線34、36で示す圧力レベルはほぼゼロまで急速に低下する。ひとたび入口ポペット30、31が時点39で閉じると、クロスオーバー通路21、25は再加圧されるが、クロスオーバー通路21、25は今やフローリストレクタ32、33を介して再加圧されているため、クロスオーバー通路21、25の再加圧は、次の付勢作動よりもゆっくりと行われる。再びクロスオーバー通路21、25が再加圧されると、タイミングチャンバ8、9内の圧力が全圧力に復帰する。
【0021】
弁ユニット18を含む故障事態が時点t3で生じた一例が示されている。弁要素18は移動できず、クロスオーバー通路25内の圧力およびクロスオーバー通路25により供給されるタイミングチャンバ9内の圧力はこれらの全圧力に維持される。弁ユニット20は付勢位置に拘束されるため、クロスオーバー通路21およびタイミングチャンバ8内の圧力は、ほぼゼロに低下する。
【0022】
図5から明らかになるように、弁10の種々のサイクル中にクロスオーバー通路21、25を加圧するフローリストレクタ32、33は、タイミングチャンバの圧力が非常に大きく低下しないように維持するのに充分な速い速度であるが、故障状態時に一方のタイミングチャンバを通って出口14内に逃散する流体が入口圧力の1%を超えないようにするのに充分なゆっくりした速度で、クロスオーバー通路21、25を加圧する必要がある。
【0023】
図6Aおよび図6Bには従来技術のフローリストレクタがより詳細に示されており、このフローリストレクタでは、スプール形弁ユニット18が、弁本体11のオリフィス23を選択的に閉塞するためのショルダ22を有している。ショルダ22がオリフィス23内に完全に受入れられたとき、ギャップ38は制限された流れを与え、この流れは、対応弁ユニット18がその除勢位置にある間それぞれのクロスオーバー通路21を加圧するのに使用される。オリフィス23がショルダ22により閉塞されないとき、および二重弁が付勢状態にあるときは、オリフィス23は、弁を通って出口14に流れる全流体の流れの約1/2を維持する。弁により高い流れ容量が要求されるときは、オリフィス23は必然的に大きくされる。オリフィス23が大きくなると、ショルダ22の外周も同様に大きくなる。ギャップ38の横断面積は、除勢位置におけるクロスオーバー通路21内への全流れを決定する。大きいオリフィスの場合には、ギャップ38の所望の面積を得るのに非常に細いギャップ38を維持することが必要になる。これは、通常の製造公差で容易に得られるものではなく、弁ユニット18の運動を妨げる結果を招く虞れがある。したがって、従来技術の二重弁は、上記のような或る高流量用途には使用されていない。
【0024】
図7は、弁ユニット18がクロスオーバーポペット40と機械的に接触する本発明の構造を示すものである。弁ユニット18がその除勢位置にあるとき、シール41が弁本体11′のシーリング面42に当接してオリフィス43をシールする。加圧流体をクロスオーバー通路21に供給するため、弁本体11′には、入口チャンバ13とクロスオーバー通路21とを連結するためのバイパス通路44が形成されている。バイパス通路44は、時間制限内にかつ故障状態時に出口14を過度に加圧する虞れのある過度の流体を導入することなくクロスオーバー通路21を適正加圧できる任意の所望の横断面形状(例えば、円形または他の横断面等の流れプロファイル)をもつように製造できる。入口チャンバ13が加圧されておりかつクロスオーバー通路21が低い圧力にある任意の時点で、弁10′が付勢状態にあるか、除勢状態にあるかまたは故障状態にあるかにかかわらず、加圧流体はバイパス通路44を通ってクロスオーバー通路21内に流入する。
【0025】
引続き図7を参照すると、弁ユニット20は、クロスオーバーポペット153と機械的に接触している。弁ユニット20がその除勢位置にあるとき、シール154はシーリング面150に当接して、オリフィス151をシールする。加圧流体をクロスオーバー通路25に供給するため、弁本体11′には、入口チャンバ13とクロスオーバー通路25とを連結するためのバイパス通路152が形成されている。バイパス通路152は、時間制限内にかつ故障状態時に出口14を過度に加圧する虞れのある過度の流体を導入することなくクロスオーバー通路25を適正加圧できる任意の所望の横断面形状をもつように製造できる。入口チャンバ13が加圧されておりかつクロスオーバー通路25が低い圧力にある任意の時点で、弁10′が付勢状態にあるか、除勢状態にあるかまたは故障状態にあるかにかかわらず、加圧流体はバイパス通路152を通ってクロスオーバー通路25内に流入する。
【0026】
本発明の二重弁10′の作動は次の通りである。付勢時には、弁ユニット18は、流体が、開いたクロスオーバーポペット40を通ってクロスオーバー通路21内に流入するように変位する。二重弁10′が適正に付勢される場合には、流体は、入口チャンバ13からクロスオーバー通路21へと流れ、次に出口チャンバ15へと流れる。流体はまた、タイミングチャンバ8およびリターンチャンバ24Aへと流れる。除勢時には、弁ユニット18は、クロスオーバーポペット40が閉じるように変位する。流体は次に、入口チャンバ13からバイパス通路44を通ってクロスオーバー通路21に流入する。流体は、タイミングチャンバ8およびリターンチャンバ24Aが完全に加圧されるまで、これらのチャンバ8、24Aに流れ続ける。
【0027】
また付勢時には、弁ユニット20は、流体が開いたクロスオーバーポペット153を通ってクロスオーバー通路25内に流入するように変位する。二重弁10′が適正に付勢されると、流体は、入口チャンバ13からクロスオーバー通路25へと流れ、次に出口チャンバ15へと流れる。流体はまた、タイミングチャンバ9およびリターンチャンバ24Bへと流れる。除勢時には、弁ユニット20は、クロスオーバーポペット153が閉じるように変位する。流体は、次に、入口チャンバ13からバイパス通路152を通ってクロスオーバー通路25内に流入する。流体は、タイミングチャンバ9およびリターンチャンバ24Bが完全に加圧されるまで、これらのチャンバ9、24Bに流れ続ける。
【0028】
弁10′が故障状態になって弁ユニット18がその付勢位置にある場合には、入口チャンバ13からの流体がクロスオーバーポペット40を通ってクロスオーバー通路21内に流入し、このため、弁ユニット20が、1)入口ポペット31に作用するクロスオーバー通路21内の流体により、および2)リターンチャンバ24Bの加圧により除勢位置に保持される。
【0029】
弁10′が故障状態になって弁ユニット20がその付勢位置にある場合には、入口チャンバ13からの流体がクロスオーバーポペット153を通ってクロスオーバー通路25内に流入し、このため、弁ユニット18が、1)入口ポペット30に作用するクロスオーバー通路25内の流体により、および2)リターンチャンバ24Aの加圧により除勢位置に保持される。
【0030】
弁10′が故障状態になって弁ユニット18がその除勢位置にある場合には、流体がクロスオーバーポペット40で阻止される。しかしながら、流体はバイパス通路44を通ってクロスオーバー通路21内に流入し続ける。この流体は、入口ポペット31および排出ポペット19Bを通ってクロスオーバー通路21から大気中に出る。大気に通気される結果として、圧力はタイミングチャンバ8内で低下し、このため、アクチュエータ6は、弁ユニット18をその除勢位置から移動させることが不可能になる。クロスオーバーポペット40は閉じられているので、出口チャンバ15内に流入する主流体源はバイパス通路44を通り、出口14の加圧は、入口チャンバ13内の圧力の1%より低く保持される。
【0031】
弁10′が故障状態になって弁ユニット20がその除勢位置にある場合には、流体がクロスオーバーポペット153で阻止される。流体は、バイパス通路152を通ってクロスオーバー通路25内に流入し続ける。この流体は、入口ポペット30および排出ポペット19Aを通ってクロスオーバー通路25から大気中に出る。大気に通気される結果として、圧力はタイミングチャンバ9内で低下し、このため、アクチュエータ7は、弁ユニット20をその除勢位置から移動させることが不可能になる。クロスオーバーポペット153は閉じられているので、出口チャンバ15内に流入する主流体源はバイパス通路152を通り、出口14の加圧は、入口チャンバ13内の圧力の1%より低く保持される。
【0032】
図8は、クロスオーバーポペット40、153およびバイパス通路44、152の他の実施形態を示し、ここでは、バイパス通路45がクロスオーバーポペット46に設けられている。シャフト48に固定されるか摺動可能に取付けられるスペーサ47の存在により、スペーサ47内の通路49を使用して、入口チャンバ13とクロスオーバー通路21、25との間のバイパスが完成される。加圧流体は、弁が付勢状態、除勢状態または故障状態にあるか否かにかかわらず、入口チャンバ13が加圧されかつクロスオーバー通路21、25が低圧になる任意の時点で、バイパス通路45(および使用される場合には、通路49)を通って流れる。
【0033】
図8の実施形態を使用する全体的な弁作動は、図7に示した実施形態に関連して説明した弁作動と同様である。付勢時には、弁ユニット18は、流体が、入口12から入口チャンバ13内に流入し、開いたクロスオーバーポペット46を通ってクロスオーバー通路21内に流入するように変位する。流体はまた、入口12から、入口チャンバ13、タイミングチャンバ8およびリターンチャンバ24Aに流入する。二重弁10′が適正に付勢される場合には、流体は、クロスオーバー通路21から出口チャンバ15へと流れる。除勢時には、クロスオーバーポペット46が閉じるように変位する。流体は、次に、入口12から、(存在する場合には)バイパス通路45、49を通って、入口チャンバ13およびクロスオーバー通路21内に流入する。流体はまた、入口12から、タイミングチャンバ8およびリターンチャンバ24Aが完全に加圧されるまで、入口チャンバ13およびこれらのチャンバ8、24Aに流入する。付勢時の同様な種類の流体の流れが、弁ユニット20に関して適用される。
【0034】
弁10′が故障状態になって弁ユニット18がその付勢位置にある場合には、入口チャンバ13からの流体がクロスオーバーポペット46を通ってクロスオーバー通路21内に流入する。このため、弁ユニット20は、1)入口ポペット31に作用するクロスオーバー通路21内の流体により、および2)リターンチャンバ24Aの加圧により除勢位置に保持される。弁10′が故障状態になり弁ユニット20がその付勢位置にある場合には、同様な種類の流体の流れが適用される。
【0035】
弁10′が故障状態になって弁ユニット18がその除勢位置にある場合には、流体がクロスオーバーポペット46で阻止される。しかしながら、流体はバイパス通路45、49を通ってクロスオーバー通路21内に流入し続ける。この流体は、入口ポペット31および排出ポペット19Aを通ってクロスオーバー通路21から大気中に出る。大気に通気される結果として、圧力はタイミングチャンバ8内で低下し、このため、アクチュエータ6は、弁ユニット18をその除勢位置から移動させることが不可能になる。クロスオーバーポペット46は閉じられているので、出口チャンバ15内に流入する主流体源はバイパス通路45、49を通り、出口14の加圧は、入口チャンバ13内の圧力の1%より低く保持される。弁10′が故障状態になり弁ユニット20がその付勢位置にある場合には、同様な種類の流体の流れが適用される。
【0036】
図9には、多くの非プレス用途に有効なスプリングリターンを用いた、他の実施形態による二重弁100が示されている。二重弁100は第1および第2弁ユニット50、51を有し、これらの弁ユニット50、51は、それぞれ入口ポペット52、53を備えている。第1および第2クロスオーバー通路54、55には、主弁本体を通るバイパス通路56、57により流体が供給される。弁ユニット50、51がこれらの除勢位置にあるときは、クロスオーバーポペット58、59が閉じられる。スプリング60、61が弁ユニット50、51と係合するように設けられており、弁ユニット50、51をこれらの除勢位置に押圧している。弁100が付勢状態にあって、アクチュエータ105、106が除勢されると、弁ユニット50、51は、スプリング力によりこれらの除勢位置に移動される。前の実施形態におけるように、入口圧力がクロスオーバー圧力より高くなる任意の時点で、弁100が付勢状態、除勢状態または故障状態にあるか否かにかかわらず、加圧流体はバイパス通路56、57を通って流れる。他の点では、流体は、図7および図8に関連して前述したのと同様な態様で弁100内を流れる。
【0037】
図10は、図9の弁100がその付勢中に故障が生じ、故障状態になっているところを示すものである。弁ユニット51は付勢位置にありかつ弁ユニット50は除勢位置にあり、このため、クロスオーバー通路54内の圧力は低下しかつ対応するタイミングチャンバ(図示せず)内の圧力は低下し続ける。タイミングチャンバの圧力が入口圧力の約50%まで低下すると、対応するアクチュエータ105が、もはや、付勢状態を作るのに充分な圧力をもたないため、弁ユニット50は除勢位置に維持される。両アクチュエータ105、106が除勢されると、対をなすスプリング60、61によって内部弁ユニット50、51がこれらの除勢位置に移動される。また、クロスオーバー通路54、55がバイパス通路56、57を介して再加圧されるため、弁100は自動的に他のサイクルを開始する。
【0038】
図11は、3位置二重弁101を用いた他の実施形態を示し、この実施形態では、リターンスプリング65、66は、弁ユニット69A、69Bを付勢位置と除勢位置との間の中間位置に戻すだけなように構成されている。図11は、故障状態にある二重弁101を示している。故障状態にある二重弁101から全ての圧力が除去されると、二重弁101は、既に中間位置にあるか、中間位置でバランスを保っている付勢位置にある弁ユニット69Aまたは69Bにより故障状態を維持する。二重弁101をリセットするには、ピストン67、68が、弁ユニット69A、69Bと整合されかつリセットパイロット70(該リセットパイロットは、カップリングブロック71を介してピストン67、68に連結されている)からの圧力により選択的に制御される。より詳しくは、二重弁101が故障状態になり、二重弁を除勢状態にリセットしたい場合には、リセットパイロット70を付勢して、加圧流体をピストン67、68に供給し、該ピストン67、68を弁ユニット69A、69Bに対して上方に押付けて、これらの弁ユニットが除勢位置に復帰されるようにする。
【0039】
図12には、保護すべき他の特徴を取入れた他の実施形態が示されており、この実施形態では、二重弁75の作動前にリセット圧力が遮断されない限り、リセット圧力を付与した後でも二重弁75は故障状態に維持される。故障状態にあるところが示された二重弁75は、第1リセットピストン76および第2リセットピストン77を有している。リセットピストン76は、リセットパイロット85のような供給源からカップリングブロック79を介してリセット圧力を受ける表面78を有している。ピストン77も同様に、供給源85からカップリングブロック79を介してリセット圧力を受ける表面80を有している。表面78は、付勢ピストン81の表面と比較して大きい面積を有しており、このため、圧力が付勢ピストン81に加えられた場合でも、第1弁ユニット82はリセット中に除勢位置に移動する。第2リセットピストン77の表面積80は、第2弁ユニット84の付勢ピストン83の面積と比較して小さい。したがって、リセット作動中にアクチュエータ86、87が付勢されかつ付勢ピストン83に圧力が加えられた場合に、弁ユニット84をその除勢位置に移動させるべくリセットピストン77が発生する力は不充分であり、付勢位置に移動させてしまう。かくして、二重弁75は、付勢された供給源85からのリセット圧力によってサイクル作動しない。二重弁75がリセット圧力を受けかつアクチュエータ86、87も付勢される任意の時点で、二重弁75は故障状態になる。また、二重弁75がその除勢位置にあって、加圧流体源が入口88に供給される場合には、供給源を遮断し、次に供給源を連結させることにより二重弁75は除勢位置に維持される。二重弁75が故障状態にある場合に、供給源を遮断し次に供給源を連結すると、二重弁75は故障状態に維持される。したがって、二重弁75は、加圧流体供給源を入口88から遮断しかつ連結することによってはリセットされない。同様に、二重弁75は、連結された供給源85からの圧力によってはサイクル作動できないため、使用者は、通常の作動を続ける前に、任意の故障弁ユニット82、84を矯正する必要がある。
【符号の説明】
【0040】
8、9 タイミングチャンバ
10 制御弁システム(二重弁)
18 第1弁ユニット
19A、19B 排出ポペット
20 第2弁ユニット
21 第1クロスオーバー通路
23、27 オリフィス
24A、24B リターンチャンバ
25 第2クロスオーバー通路
32 第1フローリストレクタ
33 第2フローリストレクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは流体動力システム用の弁の制御に関し、より詳しくは、作動状態時の高い入力/出力流量係数(input to output flow coefficient)の比および故障状態(faulted state)時の非常に低い出口圧力を同時に達成できる二重弁に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の形式の工作機械は、流体動力制御形クラッチおよび/またはブレーキ組立体と相互作用する弁システムを介して作動する。これらの工作機械を作動させるのに使用される制御弁は、作動サイクルが開始されたときにオペレータの手または他の障害物が工作機械の移動するコンポーネンツに触れないことを確保するには、オペレータが、2つの別々の制御スイッチを実質的に同時に付勢する必要がある。一般に、2つの制御スイッチに応答する電子回路は、工作機械の作動サイクルを遂行すべく、弁の主流体回路を切換えるアクチュエータに入力される制御信号を発生して、工作機械への圧縮空気または他の流体の供給を制御する。
【0003】
工作機械の作動サイクルの反復またはオーバーランが単一弁ユニットの故障により引起こされないことを確保すべく、1つの主弁本体内で並列で作動する2つの別々の弁ユニットを備えた二重弁が開発されている。例えば、1つの弁ユニットが適正時点で除勢することに失敗した場合、または弁ユニットが非同期的態様で付勢される場合には、二重弁は、流体動力源を工作機械から連続的にそらせる故障態様となる。例えば、共有に係る下記特許文献1および2(これらは本願に援用する)には、二重弁が開示されている。
【0004】
プレスまたは他の工作機械を作動させる既知の二重弁では、弁が除勢されたときに、圧力流体を出口から迅速に排出させ、ブレーキ機構を付勢できる圧力に迅速に低下させることが望まれる。流量係数CVは、流体が流れることができる装置の効率の基準であり、測定された流量およびオリフィスを横切る圧力差に基いて計算される。一般に、二重弁での入口から出口に向かって測定される流量係数CVは、出口から排出口に向かって測定される流量係数CVに等しくはない。プレス用途に使用される二重弁は、一般に、入口/出口流量係数CVの比より高い出口/排出口流量係数CV(outlet-to-exhaust CV )の比を有する。
【0005】
二重弁内のクロスオーバー通路を通る流体の流れは一方の弁ユニットの移動を引起こして、他方の弁ユニットの移動に影響を与える。クロスオーバー通路は、弁の付勢状態および除勢状態の両状態において常時加圧されている。弁の故障状態では、一方のクロスオーバー通路が加圧されかつ他方のクロスオーバー通路が出口に開放され、更に該出口を通って排出ポートに開放される。出口に開放されたクロスオーバー通路内に流入する入口圧力は、故障状態でも出口内に或る大きさの圧力が存在する状態を続けさせる。工業規格では、このような圧力は、流体供給源の圧力の1%より低く維持されるべきであると定められている。排出流容量は比較的大きいため、プレスおよび工作機械用の従来技術の二重弁は、1%より低いという目的には適合する。
【0006】
非プレス用途では、二重弁のロックアウト能力およびダイナミックモニタリング特徴を利用することが望まれている。このような用途では、一般に、入口と出口との間に連続的で比較的大きい流量係数CVを用いており、これは、入口、出口および弁ユニットのサイズをスケールアップすることにより達成される。しかしながら、入口/出口流量係数CVをスケールアップすると、故障状態時に出口への流入が増大する傾向が生じ、これは、上記理由から好ましくない。出口への流入が増大する理由の一部は、クロスオーバー通路と入口との間に設けられたそれぞれのフローリストレクタ(絞り)を通るクロスオーバー通路が加圧されることにある。フローリストレクタは、入口と出口との間の主流路の一部でもある。高い流量係数CVを得るため入口、出口および弁ユニットをスケールアップすると、クロスオーバー通路に供給するフローリストレクタ通路も同様にスケールアップされ、したがってこれらの種々の弁要素がスケールアップされるため、故障状態時にクロスオーバー通路から出口への流れを有効に制限すなわち制御することは不可能である。
【0007】
出口圧力を入口圧力の1%より低く維持することは排出ポートおよび排出ポペットのスケールアップにより達成されるが、これらの段階は、コストが嵩みかつ二重弁のパッケージサイズが増大されるため好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,840,258号明細書
【特許文献2】米国特許第6,840,259号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、二重弁の入口通路とクロスオーバー通路との間に改善された相互作用を付与して、故障状態時に出口圧力を入口圧力の1%より低く維持すると同時に、小さい全物理的弁サイズにより比較的小さい排出を維持する長所をもたらす。本発明は、非プレス用途での二重弁の使用、および除勢状態での排出流量係数CV/付勢状態での入口流量係数CVの比(約2.5より小さい)をもつ二重弁の使用に特に有益である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様では、弁システムは、入口、出口および排出口が形成された本体を有している。第一弁ユニットは除勢位置に移動でき、該除勢位置では、第1入口ポペットがその閉位置にありかつ第1排出ポペットがその開位置にある。第2弁ユニットは除勢位置に移動でき、該除勢位置では、第2入口ポペットがその閉位置にありかつ第2排出ポペットがその開位置にある。弁システムは、第1および第2弁ユニットの一方が除勢位置にありかつ他方が除勢位置にないときに故障状態になる。
【0011】
弁システムは更に、第1および第2クロスオーバー通路および第1および第2クロスオーバーポペットを有している。第1バイパス通路は、入口と第1クロスオーバー通路とを連結し、この場合、第1バイパス通路は所定の流量が得られる所定の横断面積を有し、これにより、弁システムが故障状態にありかつ第2弁ユニットが除勢位置にないときは、第1バイパス通路を通る加圧流体が、出口を、加圧流体源の圧力の1%を超えない圧力に加圧するように構成されている。第2バイパス通路は、入口と第2クロスオーバー通路とを連結し、この場合、第2バイパス通路は所定の流量が得られる所定の横断面積を有し、これにより、弁システムが故障状態にありかつ第1弁ユニットが除勢位置にないときは、第1バイパス通路を通る加圧流体が、出口を、加圧流体源の圧力の1%を超えない圧力に加圧するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】クロスオーバー通路に供給するフローリストレクタを備えた従来技術の二重弁の断面図であり、弁がその除勢状態にあるところを示すものである。
【図2】図1の従来技術の二重弁が付勢状態にあるところを示す断面図である。
【図3】図1の従来技術の二重弁が故障状態にあるところを示す断面図である。
【図4】従来技術の二重弁を通る流体の流路を示す概略図である。
【図5】従来技術の二重弁の作動中のクロスオーバー通路およびタイミングチャンバ内の圧力を示すグラフである。
【図6】図6Aは、従来技術のフローリストレクタを示す側断面図である。図6Bは、図6Aのフローリストレクタを示す平面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による二重弁を示す側断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態によるポペット弁およびバイパス通路を示す側断面図である。
【図9】スプリングリターンを用いた本発明による2位置二重弁を示す断面図であり、除勢状態にあるところを示すものである。
【図10】図9の二重弁が故障状態にあるところを示す断面図である。
【図11】本発明による3位置二重弁を示す断面図であり、故障状態にあるところを示すものである。
【図12】改善されたリセットピストンを備えた本発明による3位置二重弁を示す断面図であり、故障状態にあるところを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで図1を参照すると、従来技術において知られておりかつ二重弁10の形態で示された制御弁システムは本体11を有し、該本体11は、入口チャンバ13に通じる入口ポート12と、出口チャンバ15に通じる出口ポート14と、排出チャンバ17に通じる排出ポート16とを備えている。
【0014】
チャンバ13、15、17は、第1弁ユニット18および第2弁ユニット20を受入れるボアを形成すべく、種々の通路により結合されている。第1クロスオーバー通路21は、外部供給源(図示せず)から入口12に供給され、次に入口チャンバ13を通り、更にオリフィス23内に受入れられた第1弁ユニット18のショルダ22により形成された第1フローリストレクタ32を通って供給される流体により加圧される。第2クロスオーバー通路25は、外部供給源から入口12に供給され、次に入口チャンバ13を通り、更にオリフィス27内に受入れられた第2弁ユニット20のショルダ26により形成された第2フローリストレクタ33を通って供給される流体により加圧される。第1弁ユニット18はまた、クロスオーバー通路25の出口端に入口ポペット30を有している。第2弁ユニット20は、クロスオーバー通路21の出口端に入口ポペット31を有している。弁ユニット18、20はこれらの除勢位置にあるところが示されており、ショルダ22、26がそれぞれオリフィス23、27と機械的に接触している。このため、入口チャンバ13からの加圧流体は、付勢位置と比較して低速で、それぞれクロスオーバー通路21、25内に流入する。クロスオーバー通路21、25内の圧力は、入口ポペット30、31が除勢位置に座合した状態に維持されることを補助する。
【0015】
図2には、弁ユニット18、20が付勢位置にある二重弁10が示されている。弁ユニット18、20は、アクチュエータ6、7(これらは、好ましくはパイロット弁で構成される)により供給される圧力により、図2で見て下方に押圧されている。アクチュエータの圧力は、それぞれ、タイミングチャンバ8、9から得られる。弁ユニット18、20がこれらの付勢位置にあると、流体は、入口12から、入口チャンバ13、フローリストレクタ32、33、クロスオーバー通路21、25および入口ポペット30、31を通って、出口チャンバ15へと流れる。
【0016】
図3には、第1弁ユニット18が付勢位置にありかつ第2弁ユニット20が除勢位置にあって、二重弁10が故障状態にあるところが示されている。第1クロスオーバー通路21は、フローリストレクタ32を通って入口チャンバ13に開放しており、この結果得られる圧力によって第2入口ポペット31が座合した状態に維持され、これにより、第2弁ユニット20がその除勢位置に維持されている。第2クロスオーバー通路25は、第1入口ポペット30を通って出口チャンバ15に開放しておりかつ開いた排出ポペット19Bを通って排出チャンバ17に開放している。クロスオーバー通路25内の圧力が真空引きされると、リターンチャンバ24Bおよびタイミングチャンバ9(タイミングチャンバは第2弁ユニット20を付勢すべくアクチュエータ7により使用される)への圧力が喪失される。これにより、弁10は、該弁が積極的にリセットされるまで故障状態に維持される。二重弁10はまた、第1弁ユニット18が除勢位置にありかつ第2弁ユニット20が付勢位置にあるときも故障状態にあり、この場合にも、上記と同様な流れ分析が適用される。
【0017】
図4を参照すると、ここには、付勢状態について、弁の入口12と出口14との間の流体流路が概略的に示されている。付勢状態では、流れは、二重弁10の両側を通る。入口12内への流体の流れは、入口チャンバ13およびフローリストレクタ32、33を通って、それぞれ第1クロスオーバー通路21および第2クロスオーバー通路25内に流入する。流体の流れは、クロスオーバー通路21、25を出て、入口ポペット30、31を通って出口チャンバ15内に流入し、更に出口14を通って制御された装置または回路へと流れる。クロスオーバー通路21、25は、故障していない弁作動時には加圧される。加圧された流体は、入口12から入口チャンバ13を通ってタイミングチャンバ8およびリターンチャンバ24Aへと流れる。加圧された流体はまた、入口12から入口チャンバ13を通ってタイミングチャンバ9およびリターンチャンバ24Bへと流れる。かくして、タイミングチャンバ8は、第1弁ユニット18の付勢を制御するアクチュエータ6用および第2弁ユニット20に対して戻り力を与えるリターンチャンバ24A用の加圧流体源を維持する。
【0018】
弁10が故障状態になると、一方のクロスオーバー通路21または25が加圧されかつ他方のクロスオーバー通路25または21が減圧される。これにより、一方のタイミングチャンバ8または9および一方のリターンチャンバ24Bまたは24Aは付勢に要する圧力をもたず、したがって弁ユニット18、20に外部からリセット力が加えられることに応答してリセット作動が遂行されるまで、弁10は故障状態に維持される。
【0019】
クロスオーバー通路21、25およびタイミングチャンバ8、9の加圧を更に示すため、図5には、弁10のサイクル中のタイミングチャンバ8、9およびクロスオーバー通路21、25での圧力のプロットが示されている。曲線34は、全圧力とほぼゼロ圧力との間のクロスオーバー通路21内の圧力を示すものである。同様に、曲線35はタイミングチャンバ8に対応し、曲線36はクロスオーバー通路25に対応し、曲線37はタイミングチャンバ9に対応する。最初は、クロスオーバー通路21、25およびタイミングチャンバ8、9は全入口圧力を有している。弁10の付勢は時点t1で開始される。弁ユニット18、20が移動し始めると、クロスオーバー通路21、25内の圧力は急速に低下する。なぜならば、入口ポペット30、31が最初に開き始めるとき、排出ポペット19A、19Bは未だ閉じられておらず、クロスオーバー通路21、25から排出ポート16への通路が存在するからである。タイミングチャンバ8、9はそれぞれのリストレクタ32、33を介してクロスオーバー通路21、25に連結されているので、タイミングチャンバ8、9内の圧力は、時点t1でよりゆっくりと低下し始める。弁要素18、20が移動し続けると、排出ポペット19A、19Bが最終的に閉じ、クロスオーバー通路21、25内の圧力は急速に全圧力に戻る。よりゆっくりとではあるが、タイミングチャンバ8、9内の圧力も同様に全圧力に戻る。
【0020】
二重弁10の除勢が、時点t2で開始する。これと実質的に同時に、弁ユニット18、20がこれらの入口ポペット30、31および排出ポペット19A、19Bを開くため、クロスオーバー通路21、25について曲線34、36で示す圧力レベルはほぼゼロまで急速に低下する。ひとたび入口ポペット30、31が時点39で閉じると、クロスオーバー通路21、25は再加圧されるが、クロスオーバー通路21、25は今やフローリストレクタ32、33を介して再加圧されているため、クロスオーバー通路21、25の再加圧は、次の付勢作動よりもゆっくりと行われる。再びクロスオーバー通路21、25が再加圧されると、タイミングチャンバ8、9内の圧力が全圧力に復帰する。
【0021】
弁ユニット18を含む故障事態が時点t3で生じた一例が示されている。弁要素18は移動できず、クロスオーバー通路25内の圧力およびクロスオーバー通路25により供給されるタイミングチャンバ9内の圧力はこれらの全圧力に維持される。弁ユニット20は付勢位置に拘束されるため、クロスオーバー通路21およびタイミングチャンバ8内の圧力は、ほぼゼロに低下する。
【0022】
図5から明らかになるように、弁10の種々のサイクル中にクロスオーバー通路21、25を加圧するフローリストレクタ32、33は、タイミングチャンバの圧力が非常に大きく低下しないように維持するのに充分な速い速度であるが、故障状態時に一方のタイミングチャンバを通って出口14内に逃散する流体が入口圧力の1%を超えないようにするのに充分なゆっくりした速度で、クロスオーバー通路21、25を加圧する必要がある。
【0023】
図6Aおよび図6Bには従来技術のフローリストレクタがより詳細に示されており、このフローリストレクタでは、スプール形弁ユニット18が、弁本体11のオリフィス23を選択的に閉塞するためのショルダ22を有している。ショルダ22がオリフィス23内に完全に受入れられたとき、ギャップ38は制限された流れを与え、この流れは、対応弁ユニット18がその除勢位置にある間それぞれのクロスオーバー通路21を加圧するのに使用される。オリフィス23がショルダ22により閉塞されないとき、および二重弁が付勢状態にあるときは、オリフィス23は、弁を通って出口14に流れる全流体の流れの約1/2を維持する。弁により高い流れ容量が要求されるときは、オリフィス23は必然的に大きくされる。オリフィス23が大きくなると、ショルダ22の外周も同様に大きくなる。ギャップ38の横断面積は、除勢位置におけるクロスオーバー通路21内への全流れを決定する。大きいオリフィスの場合には、ギャップ38の所望の面積を得るのに非常に細いギャップ38を維持することが必要になる。これは、通常の製造公差で容易に得られるものではなく、弁ユニット18の運動を妨げる結果を招く虞れがある。したがって、従来技術の二重弁は、上記のような或る高流量用途には使用されていない。
【0024】
図7は、弁ユニット18がクロスオーバーポペット40と機械的に接触する本発明の構造を示すものである。弁ユニット18がその除勢位置にあるとき、シール41が弁本体11′のシーリング面42に当接してオリフィス43をシールする。加圧流体をクロスオーバー通路21に供給するため、弁本体11′には、入口チャンバ13とクロスオーバー通路21とを連結するためのバイパス通路44が形成されている。バイパス通路44は、時間制限内にかつ故障状態時に出口14を過度に加圧する虞れのある過度の流体を導入することなくクロスオーバー通路21を適正加圧できる任意の所望の横断面形状(例えば、円形または他の横断面等の流れプロファイル)をもつように製造できる。入口チャンバ13が加圧されておりかつクロスオーバー通路21が低い圧力にある任意の時点で、弁10′が付勢状態にあるか、除勢状態にあるかまたは故障状態にあるかにかかわらず、加圧流体はバイパス通路44を通ってクロスオーバー通路21内に流入する。
【0025】
引続き図7を参照すると、弁ユニット20は、クロスオーバーポペット153と機械的に接触している。弁ユニット20がその除勢位置にあるとき、シール154はシーリング面150に当接して、オリフィス151をシールする。加圧流体をクロスオーバー通路25に供給するため、弁本体11′には、入口チャンバ13とクロスオーバー通路25とを連結するためのバイパス通路152が形成されている。バイパス通路152は、時間制限内にかつ故障状態時に出口14を過度に加圧する虞れのある過度の流体を導入することなくクロスオーバー通路25を適正加圧できる任意の所望の横断面形状をもつように製造できる。入口チャンバ13が加圧されておりかつクロスオーバー通路25が低い圧力にある任意の時点で、弁10′が付勢状態にあるか、除勢状態にあるかまたは故障状態にあるかにかかわらず、加圧流体はバイパス通路152を通ってクロスオーバー通路25内に流入する。
【0026】
本発明の二重弁10′の作動は次の通りである。付勢時には、弁ユニット18は、流体が、開いたクロスオーバーポペット40を通ってクロスオーバー通路21内に流入するように変位する。二重弁10′が適正に付勢される場合には、流体は、入口チャンバ13からクロスオーバー通路21へと流れ、次に出口チャンバ15へと流れる。流体はまた、タイミングチャンバ8およびリターンチャンバ24Aへと流れる。除勢時には、弁ユニット18は、クロスオーバーポペット40が閉じるように変位する。流体は次に、入口チャンバ13からバイパス通路44を通ってクロスオーバー通路21に流入する。流体は、タイミングチャンバ8およびリターンチャンバ24Aが完全に加圧されるまで、これらのチャンバ8、24Aに流れ続ける。
【0027】
また付勢時には、弁ユニット20は、流体が開いたクロスオーバーポペット153を通ってクロスオーバー通路25内に流入するように変位する。二重弁10′が適正に付勢されると、流体は、入口チャンバ13からクロスオーバー通路25へと流れ、次に出口チャンバ15へと流れる。流体はまた、タイミングチャンバ9およびリターンチャンバ24Bへと流れる。除勢時には、弁ユニット20は、クロスオーバーポペット153が閉じるように変位する。流体は、次に、入口チャンバ13からバイパス通路152を通ってクロスオーバー通路25内に流入する。流体は、タイミングチャンバ9およびリターンチャンバ24Bが完全に加圧されるまで、これらのチャンバ9、24Bに流れ続ける。
【0028】
弁10′が故障状態になって弁ユニット18がその付勢位置にある場合には、入口チャンバ13からの流体がクロスオーバーポペット40を通ってクロスオーバー通路21内に流入し、このため、弁ユニット20が、1)入口ポペット31に作用するクロスオーバー通路21内の流体により、および2)リターンチャンバ24Bの加圧により除勢位置に保持される。
【0029】
弁10′が故障状態になって弁ユニット20がその付勢位置にある場合には、入口チャンバ13からの流体がクロスオーバーポペット153を通ってクロスオーバー通路25内に流入し、このため、弁ユニット18が、1)入口ポペット30に作用するクロスオーバー通路25内の流体により、および2)リターンチャンバ24Aの加圧により除勢位置に保持される。
【0030】
弁10′が故障状態になって弁ユニット18がその除勢位置にある場合には、流体がクロスオーバーポペット40で阻止される。しかしながら、流体はバイパス通路44を通ってクロスオーバー通路21内に流入し続ける。この流体は、入口ポペット31および排出ポペット19Bを通ってクロスオーバー通路21から大気中に出る。大気に通気される結果として、圧力はタイミングチャンバ8内で低下し、このため、アクチュエータ6は、弁ユニット18をその除勢位置から移動させることが不可能になる。クロスオーバーポペット40は閉じられているので、出口チャンバ15内に流入する主流体源はバイパス通路44を通り、出口14の加圧は、入口チャンバ13内の圧力の1%より低く保持される。
【0031】
弁10′が故障状態になって弁ユニット20がその除勢位置にある場合には、流体がクロスオーバーポペット153で阻止される。流体は、バイパス通路152を通ってクロスオーバー通路25内に流入し続ける。この流体は、入口ポペット30および排出ポペット19Aを通ってクロスオーバー通路25から大気中に出る。大気に通気される結果として、圧力はタイミングチャンバ9内で低下し、このため、アクチュエータ7は、弁ユニット20をその除勢位置から移動させることが不可能になる。クロスオーバーポペット153は閉じられているので、出口チャンバ15内に流入する主流体源はバイパス通路152を通り、出口14の加圧は、入口チャンバ13内の圧力の1%より低く保持される。
【0032】
図8は、クロスオーバーポペット40、153およびバイパス通路44、152の他の実施形態を示し、ここでは、バイパス通路45がクロスオーバーポペット46に設けられている。シャフト48に固定されるか摺動可能に取付けられるスペーサ47の存在により、スペーサ47内の通路49を使用して、入口チャンバ13とクロスオーバー通路21、25との間のバイパスが完成される。加圧流体は、弁が付勢状態、除勢状態または故障状態にあるか否かにかかわらず、入口チャンバ13が加圧されかつクロスオーバー通路21、25が低圧になる任意の時点で、バイパス通路45(および使用される場合には、通路49)を通って流れる。
【0033】
図8の実施形態を使用する全体的な弁作動は、図7に示した実施形態に関連して説明した弁作動と同様である。付勢時には、弁ユニット18は、流体が、入口12から入口チャンバ13内に流入し、開いたクロスオーバーポペット46を通ってクロスオーバー通路21内に流入するように変位する。流体はまた、入口12から、入口チャンバ13、タイミングチャンバ8およびリターンチャンバ24Aに流入する。二重弁10′が適正に付勢される場合には、流体は、クロスオーバー通路21から出口チャンバ15へと流れる。除勢時には、クロスオーバーポペット46が閉じるように変位する。流体は、次に、入口12から、(存在する場合には)バイパス通路45、49を通って、入口チャンバ13およびクロスオーバー通路21内に流入する。流体はまた、入口12から、タイミングチャンバ8およびリターンチャンバ24Aが完全に加圧されるまで、入口チャンバ13およびこれらのチャンバ8、24Aに流入する。付勢時の同様な種類の流体の流れが、弁ユニット20に関して適用される。
【0034】
弁10′が故障状態になって弁ユニット18がその付勢位置にある場合には、入口チャンバ13からの流体がクロスオーバーポペット46を通ってクロスオーバー通路21内に流入する。このため、弁ユニット20は、1)入口ポペット31に作用するクロスオーバー通路21内の流体により、および2)リターンチャンバ24Aの加圧により除勢位置に保持される。弁10′が故障状態になり弁ユニット20がその付勢位置にある場合には、同様な種類の流体の流れが適用される。
【0035】
弁10′が故障状態になって弁ユニット18がその除勢位置にある場合には、流体がクロスオーバーポペット46で阻止される。しかしながら、流体はバイパス通路45、49を通ってクロスオーバー通路21内に流入し続ける。この流体は、入口ポペット31および排出ポペット19Aを通ってクロスオーバー通路21から大気中に出る。大気に通気される結果として、圧力はタイミングチャンバ8内で低下し、このため、アクチュエータ6は、弁ユニット18をその除勢位置から移動させることが不可能になる。クロスオーバーポペット46は閉じられているので、出口チャンバ15内に流入する主流体源はバイパス通路45、49を通り、出口14の加圧は、入口チャンバ13内の圧力の1%より低く保持される。弁10′が故障状態になり弁ユニット20がその付勢位置にある場合には、同様な種類の流体の流れが適用される。
【0036】
図9には、多くの非プレス用途に有効なスプリングリターンを用いた、他の実施形態による二重弁100が示されている。二重弁100は第1および第2弁ユニット50、51を有し、これらの弁ユニット50、51は、それぞれ入口ポペット52、53を備えている。第1および第2クロスオーバー通路54、55には、主弁本体を通るバイパス通路56、57により流体が供給される。弁ユニット50、51がこれらの除勢位置にあるときは、クロスオーバーポペット58、59が閉じられる。スプリング60、61が弁ユニット50、51と係合するように設けられており、弁ユニット50、51をこれらの除勢位置に押圧している。弁100が付勢状態にあって、アクチュエータ105、106が除勢されると、弁ユニット50、51は、スプリング力によりこれらの除勢位置に移動される。前の実施形態におけるように、入口圧力がクロスオーバー圧力より高くなる任意の時点で、弁100が付勢状態、除勢状態または故障状態にあるか否かにかかわらず、加圧流体はバイパス通路56、57を通って流れる。他の点では、流体は、図7および図8に関連して前述したのと同様な態様で弁100内を流れる。
【0037】
図10は、図9の弁100がその付勢中に故障が生じ、故障状態になっているところを示すものである。弁ユニット51は付勢位置にありかつ弁ユニット50は除勢位置にあり、このため、クロスオーバー通路54内の圧力は低下しかつ対応するタイミングチャンバ(図示せず)内の圧力は低下し続ける。タイミングチャンバの圧力が入口圧力の約50%まで低下すると、対応するアクチュエータ105が、もはや、付勢状態を作るのに充分な圧力をもたないため、弁ユニット50は除勢位置に維持される。両アクチュエータ105、106が除勢されると、対をなすスプリング60、61によって内部弁ユニット50、51がこれらの除勢位置に移動される。また、クロスオーバー通路54、55がバイパス通路56、57を介して再加圧されるため、弁100は自動的に他のサイクルを開始する。
【0038】
図11は、3位置二重弁101を用いた他の実施形態を示し、この実施形態では、リターンスプリング65、66は、弁ユニット69A、69Bを付勢位置と除勢位置との間の中間位置に戻すだけなように構成されている。図11は、故障状態にある二重弁101を示している。故障状態にある二重弁101から全ての圧力が除去されると、二重弁101は、既に中間位置にあるか、中間位置でバランスを保っている付勢位置にある弁ユニット69Aまたは69Bにより故障状態を維持する。二重弁101をリセットするには、ピストン67、68が、弁ユニット69A、69Bと整合されかつリセットパイロット70(該リセットパイロットは、カップリングブロック71を介してピストン67、68に連結されている)からの圧力により選択的に制御される。より詳しくは、二重弁101が故障状態になり、二重弁を除勢状態にリセットしたい場合には、リセットパイロット70を付勢して、加圧流体をピストン67、68に供給し、該ピストン67、68を弁ユニット69A、69Bに対して上方に押付けて、これらの弁ユニットが除勢位置に復帰されるようにする。
【0039】
図12には、保護すべき他の特徴を取入れた他の実施形態が示されており、この実施形態では、二重弁75の作動前にリセット圧力が遮断されない限り、リセット圧力を付与した後でも二重弁75は故障状態に維持される。故障状態にあるところが示された二重弁75は、第1リセットピストン76および第2リセットピストン77を有している。リセットピストン76は、リセットパイロット85のような供給源からカップリングブロック79を介してリセット圧力を受ける表面78を有している。ピストン77も同様に、供給源85からカップリングブロック79を介してリセット圧力を受ける表面80を有している。表面78は、付勢ピストン81の表面と比較して大きい面積を有しており、このため、圧力が付勢ピストン81に加えられた場合でも、第1弁ユニット82はリセット中に除勢位置に移動する。第2リセットピストン77の表面積80は、第2弁ユニット84の付勢ピストン83の面積と比較して小さい。したがって、リセット作動中にアクチュエータ86、87が付勢されかつ付勢ピストン83に圧力が加えられた場合に、弁ユニット84をその除勢位置に移動させるべくリセットピストン77が発生する力は不充分であり、付勢位置に移動させてしまう。かくして、二重弁75は、付勢された供給源85からのリセット圧力によってサイクル作動しない。二重弁75がリセット圧力を受けかつアクチュエータ86、87も付勢される任意の時点で、二重弁75は故障状態になる。また、二重弁75がその除勢位置にあって、加圧流体源が入口88に供給される場合には、供給源を遮断し、次に供給源を連結させることにより二重弁75は除勢位置に維持される。二重弁75が故障状態にある場合に、供給源を遮断し次に供給源を連結すると、二重弁75は故障状態に維持される。したがって、二重弁75は、加圧流体供給源を入口88から遮断しかつ連結することによってはリセットされない。同様に、二重弁75は、連結された供給源85からの圧力によってはサイクル作動できないため、使用者は、通常の作動を続ける前に、任意の故障弁ユニット82、84を矯正する必要がある。
【符号の説明】
【0040】
8、9 タイミングチャンバ
10 制御弁システム(二重弁)
18 第1弁ユニット
19A、19B 排出ポペット
20 第2弁ユニット
21 第1クロスオーバー通路
23、27 オリフィス
24A、24B リターンチャンバ
25 第2クロスオーバー通路
32 第1フローリストレクタ
33 第2フローリストレクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁システムにおいて、
入口(13)、出口(15)および排出口(17)を形成する本体(11)を有し、入口(13)は加圧流体源に連結でき、
第1排出ポペット(19A)および第1入口ポペット(30)を備えた第1弁ユニット(18)を有し、第1排出ポペット(19A)は、出口(15)を排出口(17)に連結する開位置と、出口(15)を排出口(17)から隔絶する閉位置との間で移動でき、第1入口ポペット(30)は、出口(15)を入口(13)に連結する開位置と、出口(15)を入口(13)から隔絶する閉位置との間で移動でき、第1弁ユニット(18)は、
第1入口ポペット(30)がその閉位置にありかつ第1排出ポペット(19A)がその開位置にある除勢位置に移動でき、
第2排出ポペット(19B)および第2入口ポペット(31)を備えた第2弁ユニット(20)を有し、第2排出ポペット(19B)は、出口(15)を排出口(17)に連結する開位置と、出口(15)を排出口(17)から隔絶する閉位置との間で移動でき、第2入口ポペット(31)は、出口(15)を入口(13)に連結する開位置と、出口(15)を入口(13)から隔絶する閉位置との間で移動でき、第2弁ユニット(20)は、
第2入口ポペット(31)がその閉位置にありかつ第2排出ポペット(19B)がその開位置にある除勢位置に移動でき、弁システムは、第1および第2弁ユニット(18、20)の一方が除勢位置にありかつ第1および第2弁ユニット(18、20)の他方が除勢位置にないときに故障状態にあり、
入口(13)と第2入口ポペット(31)との間に第1流路を形成する第1クロスオーバー通路(21、54)と、
入口(13)と第1入口ポペット(30)との間に第2流路を形成する第2クロスオーバー通路(25、55)とを更に有する弁システムにおいて、
第1弁ユニット(18)に含まれる第1クロスオーバーポペット(40、46、58)であって、第1弁ユニット(18)が除勢位置にないときに第1クロスオーバー通路(21、54)を入口(13)に連結しかつ第1弁ユニット(18)が除勢位置にあるときに第1クロスオーバー通路(21、54)を入口(13)から遮断する第1クロスオーバーポペット(40、46、58)と、
第2弁ユニット(20)に含まれる第2クロスオーバーポペット(46、59、153)であって、第2弁ユニット(20)が除勢位置にないときに第2クロスオーバー通路(25、55)を入口(13)に連結しかつ第2弁ユニット(20)が除勢位置にあるときに第2クロスオーバー通路(25、55)を入口(13)から遮断する第2クロスオーバーポペット(46、59、153)と、
入口(13)と第1クロスオーバー通路(21、54)とを連結する第1バイパス通路(44、45、49、56)とを有し、該第1バイパス通路(44、45、49、56)は、弁システムが故障状態にありかつ第2弁ユニット(20)が除勢位置にないときには、第1バイパス通路(44、45、49、56)を通る加圧流体が、出口(15)を、加圧流体源の圧力の1%を超えない圧力に加圧するような所定流量を与える所定横断面積を有し、
入口(13)と第2クロスオーバー通路(21、55)とを連結する第2バイパス通路(45、49、57、152)を更に有し、該第2バイパス通路(45、49、57、152)は、弁システムが故障状態にありかつ第1弁ユニット(18)が除勢位置にないときには、第2バイパス通路(45、49、57、152)を通る加圧流体が、出口(15)を、加圧流体源の圧力の1%を超えない圧力に加圧するような所定流量を与える所定横断面積を有することを特徴とする弁システム。
【請求項2】
前記第1および第2バイパス通路(44、56、57、152)は本体(11)内に形成されていることを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項3】
前記第1および第2バイパス通路(45、49)は、それぞれ第1および第2弁ユニット(18、20)に形成されていることを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項4】
前記第1および第2弁ユニット(18、20)と接触するように配置された、第1および第2弁ユニット(18、20)をそれぞれの除勢位置に向けて押圧するための第1および第2リターンスプリング(60、61)を更に有することを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項5】
前記入口(13)から出口(15)への流量係数CV1が与えられ、出口(15)から排出口(17)への流量係数CV2が与えられ、CV2/CV1の比が約2.5より小さいことを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項6】
前記第1および第2弁ユニット(18、20)と整合してそれぞれ配置された、リセット圧力源(85)に応答して第1および第2弁ユニット(18、20)をそれぞれの除勢位置に向けて押圧するための第1および第2リセットピストン(76、77)を更に有し、第1リセットピストン(76)はリセット圧力を受ける第1表面積(78)を有し、これにより、パイロット圧力から第1弁ユニット(18)に作用するあらゆる力に打勝つ力が第1リセットピストン(76)により発生され、第2リセットピストン(77)はリセット圧力を受ける第2表面積(80)を有し、これにより、パイロット圧力により第2弁ユニット(20)に作用するあらゆる力より小さい力が第2リセットピストン(77)により発生され、パイロット圧力およびリセット圧力が同時に存在する場合には弁システムが故障状態になることを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項7】
前記リセット圧力は、リセットパイロット(70)を介して選択的に供給されることを特徴とする請求項6記載の弁システム。
【請求項8】
前記第1弁ユニット(18)は中間位置に移動でき、該中間位置は、その開位置にある第1入口ポペット(30)と、その開位置にある第1排出ポペット(19A)とを有することを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項9】
前記第2弁ユニット(20)は中間位置に移動でき、該中間位置は、その開位置にある第2入口ポペット(31)と、その開位置にある第2排出ポペット(19B)とを有することを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項1】
弁システムにおいて、
入口(13)、出口(15)および排出口(17)を形成する本体(11)を有し、入口(13)は加圧流体源に連結でき、
第1排出ポペット(19A)および第1入口ポペット(30)を備えた第1弁ユニット(18)を有し、第1排出ポペット(19A)は、出口(15)を排出口(17)に連結する開位置と、出口(15)を排出口(17)から隔絶する閉位置との間で移動でき、第1入口ポペット(30)は、出口(15)を入口(13)に連結する開位置と、出口(15)を入口(13)から隔絶する閉位置との間で移動でき、第1弁ユニット(18)は、
第1入口ポペット(30)がその閉位置にありかつ第1排出ポペット(19A)がその開位置にある除勢位置に移動でき、
第2排出ポペット(19B)および第2入口ポペット(31)を備えた第2弁ユニット(20)を有し、第2排出ポペット(19B)は、出口(15)を排出口(17)に連結する開位置と、出口(15)を排出口(17)から隔絶する閉位置との間で移動でき、第2入口ポペット(31)は、出口(15)を入口(13)に連結する開位置と、出口(15)を入口(13)から隔絶する閉位置との間で移動でき、第2弁ユニット(20)は、
第2入口ポペット(31)がその閉位置にありかつ第2排出ポペット(19B)がその開位置にある除勢位置に移動でき、弁システムは、第1および第2弁ユニット(18、20)の一方が除勢位置にありかつ第1および第2弁ユニット(18、20)の他方が除勢位置にないときに故障状態にあり、
入口(13)と第2入口ポペット(31)との間に第1流路を形成する第1クロスオーバー通路(21、54)と、
入口(13)と第1入口ポペット(30)との間に第2流路を形成する第2クロスオーバー通路(25、55)とを更に有する弁システムにおいて、
第1弁ユニット(18)に含まれる第1クロスオーバーポペット(40、46、58)であって、第1弁ユニット(18)が除勢位置にないときに第1クロスオーバー通路(21、54)を入口(13)に連結しかつ第1弁ユニット(18)が除勢位置にあるときに第1クロスオーバー通路(21、54)を入口(13)から遮断する第1クロスオーバーポペット(40、46、58)と、
第2弁ユニット(20)に含まれる第2クロスオーバーポペット(46、59、153)であって、第2弁ユニット(20)が除勢位置にないときに第2クロスオーバー通路(25、55)を入口(13)に連結しかつ第2弁ユニット(20)が除勢位置にあるときに第2クロスオーバー通路(25、55)を入口(13)から遮断する第2クロスオーバーポペット(46、59、153)と、
入口(13)と第1クロスオーバー通路(21、54)とを連結する第1バイパス通路(44、45、49、56)とを有し、該第1バイパス通路(44、45、49、56)は、弁システムが故障状態にありかつ第2弁ユニット(20)が除勢位置にないときには、第1バイパス通路(44、45、49、56)を通る加圧流体が、出口(15)を、加圧流体源の圧力の1%を超えない圧力に加圧するような所定流量を与える所定横断面積を有し、
入口(13)と第2クロスオーバー通路(21、55)とを連結する第2バイパス通路(45、49、57、152)を更に有し、該第2バイパス通路(45、49、57、152)は、弁システムが故障状態にありかつ第1弁ユニット(18)が除勢位置にないときには、第2バイパス通路(45、49、57、152)を通る加圧流体が、出口(15)を、加圧流体源の圧力の1%を超えない圧力に加圧するような所定流量を与える所定横断面積を有することを特徴とする弁システム。
【請求項2】
前記第1および第2バイパス通路(44、56、57、152)は本体(11)内に形成されていることを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項3】
前記第1および第2バイパス通路(45、49)は、それぞれ第1および第2弁ユニット(18、20)に形成されていることを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項4】
前記第1および第2弁ユニット(18、20)と接触するように配置された、第1および第2弁ユニット(18、20)をそれぞれの除勢位置に向けて押圧するための第1および第2リターンスプリング(60、61)を更に有することを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項5】
前記入口(13)から出口(15)への流量係数CV1が与えられ、出口(15)から排出口(17)への流量係数CV2が与えられ、CV2/CV1の比が約2.5より小さいことを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項6】
前記第1および第2弁ユニット(18、20)と整合してそれぞれ配置された、リセット圧力源(85)に応答して第1および第2弁ユニット(18、20)をそれぞれの除勢位置に向けて押圧するための第1および第2リセットピストン(76、77)を更に有し、第1リセットピストン(76)はリセット圧力を受ける第1表面積(78)を有し、これにより、パイロット圧力から第1弁ユニット(18)に作用するあらゆる力に打勝つ力が第1リセットピストン(76)により発生され、第2リセットピストン(77)はリセット圧力を受ける第2表面積(80)を有し、これにより、パイロット圧力により第2弁ユニット(20)に作用するあらゆる力より小さい力が第2リセットピストン(77)により発生され、パイロット圧力およびリセット圧力が同時に存在する場合には弁システムが故障状態になることを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項7】
前記リセット圧力は、リセットパイロット(70)を介して選択的に供給されることを特徴とする請求項6記載の弁システム。
【請求項8】
前記第1弁ユニット(18)は中間位置に移動でき、該中間位置は、その開位置にある第1入口ポペット(30)と、その開位置にある第1排出ポペット(19A)とを有することを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【請求項9】
前記第2弁ユニット(20)は中間位置に移動でき、該中間位置は、その開位置にある第2入口ポペット(31)と、その開位置にある第2排出ポペット(19B)とを有することを特徴とする請求項1記載の弁システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−540873(P2010−540873A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528124(P2010−528124)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/078564
【国際公開番号】WO2009/046184
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(591284357)ロス オペレーティング バルブ カンパニー (4)
【氏名又は名称原語表記】ROSS OPERATING VALVE COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/078564
【国際公開番号】WO2009/046184
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(591284357)ロス オペレーティング バルブ カンパニー (4)
【氏名又は名称原語表記】ROSS OPERATING VALVE COMPANY
【Fターム(参考)】
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