説明

散布作業車の散布ブーム伸縮装置

【課題】散布ブーム伸縮装置において、左右散布ブームの散布ノズル数の調節操作を容易にする。
【解決手段】センター散布ブームの左右両側に左右散布ブームを設け、該左右散布ブームを所定長さの左右散布フレームに固定状態で取り付けている左右固定散布ブームと、長手方向に沿って伸縮移動自在に取り付けている左右移動散布ブームとにより構成し、これら左右固定散布ブーム及び左右移動散布ブームには所定間隔毎に散布ノズルを設け、散布操作パネルには前記左右固定散布ブームの左右両側端の散布ノズルよりも左右方向に突出している前記左右移動散布ブームの散布状態の散布ノズルの個数を増減設定できる左右散布ノズル設定手段を設けたことを特徴とする散布作業車の散布ブーム伸縮装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散布作業車の散布ブーム伸縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
散布作業車の散布ブーム伸縮装置において、機体の前側部に左右方向に拡縮する使用状態と車体の前後方向に沿わせる収納状態とに変更可能な薬液散布用の左右サイド散布ブームを設け、左右サイド散布ブームを左右固定散布ブームと左右固定散布ブームに対してスライド自在に設けられた左右スライド散布ブームとから構成したものは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−88094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術では、左右散布ブームの左右固定散布ブームに対して左右スライド散布ブームを移動調節するにあたり、伸縮調節用のスイッチをトグルスイッチで構成していた。従って、左右スライド散布ブームを任意の伸長位置に調節できるが、希望の伸縮設定位置に移動するまでスイッチを押し続ける必要があり、操作が面倒であり、また、伸縮設定位置に移動するとすぐにスイッチ操作を停止しなければならず、操作しにくいという問題があった。
【0005】
そこで、この発明はこのような不具合を解消し、操作の容易化を図ろうとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような不具合を解消するために、次のような技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、センター散布ブーム(11)の左右両側に左右散布ブーム(12,12)を設け、該左右散布ブーム(12,12)を所定長さの左右散布フレーム(12a,12a)に固定状態で取り付けている左右固定散布ブーム(12b,12b)と、長手方向に沿って伸縮移動自在に取り付けている左右移動散布ブーム(12c,12c)とにより構成し、これら左右固定散布ブーム(12b,12b)及び左右移動散布ブーム(12c,12c)には所定間隔毎に散布ノズル(14,…)を設け、散布操作パネル(71)には前記左右固定散布ブーム(12b,12b)の左右両側端の散布ノズル(14,14)よりも左右方向に突出している前記左右移動散布ブーム(12c,12c)の散布状態の散布ノズル(14,…)の個数を増減設定できる左右散布ノズル設定手段(SW9,SW10)を設けたことを特徴とする散布作業車の散布ブーム伸縮装置とする。
【0007】
請求項2の発明は、前記左右散布ノズル設定手段をダイヤル式で目盛り合せ部を備えた左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)で構成し、該左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)の周辺部に調節設定散布ノズル数を表示するノズル数表示部(SW9b,SW10b)を設けたことを特徴とする請求項1記載の散布作業車の散布ブーム伸縮装置とする。
【0008】
請求項3の発明は、前記左右散布ノズル設定手段(SW9,SW10)、左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)の周辺部に調節設定散布ノズル数を表示するノズル数表示部(SW9b,SW10b)を設けるにあたり、内側から左右外側方向に順次大きくなるように散布ノズル数を表示したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の散布作業車の散布ブーム伸縮装置とする。
【0009】
請求項4の発明は、前記左右固定散布ブーム(12b,12bにおける左右方向最外側部の散布ノズル(14,14)のある部位を伸縮検出基準部(75,75)としそこに左右ノズル検出センサ(76,76)をそれぞれ1個設け、該左右ノズル検出センサ(76,76)で前記左右移動散布ブーム(12c,12c)の伸縮移動する散布ノズル(14,…)を検出するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の散布作業車の散布ブーム伸縮装置とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると、散布操作パネル(71)には左右固定散布ブーム(12b,12b)の左右両側端の散布ノズル(14,14)よりも左右方向に突出している左右移動散布ブーム(12c,12c)の散布状態の散布ノズル(14,…)の個数を増減設定できる左右散布ノズル設定手段(SW9,SW10)を設けたので、左右散布ノズル設定手段(SW9,SW10)をノズル数設定位置に操作するだけで左右移動散布ブーム(12c,12c)の散布ノズル数を正確且つ容易に調節することができる。
【0011】
請求項2の発明によると、左右散布ノズル設定手段をダイヤル式で目盛り合せ部を備えた左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)で構成し、左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)の周辺部に調節設定散布ノズル数を表示するノズル数表示部(SW9b,SW10b)を設けたので、左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)の目盛り合せ部をノズル数表示部(SW9b,SW10b)のノズル数に合せることにより、左右移動散布ブーム(12c,12c)の散布ノズル数を正確且つ容易に調節することができる。
【0012】
請求項3の発明によると、請求項1乃至2の発明の前記効果に加えて、左右散布ノズル設定手段(SW9,SW10)、左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)の周辺部に調節設定散布ノズル数を表示するノズル数表示部(SW9b,SW10b)を設けるにあたり、内側から左右外側方向に順次大きくなるように散布ノズル数を表示したので、左右移動サイド散布ブーム(12c,12c)の散布ノズル数の増加調節方向と、左右散布ノズル設定手段(SW9,SW10)、左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)の散布ノズル増加操作方向とが合致し、操作性が向上し、誤操作を防止することができる。
【0013】
請求項4の発明によると、請求項1乃至請求項3の発明の前記効果に加えて、左右固定散布ブーム(12b,12bにおける左右方向最外側部の散布ノズル(14,14)のある部位を伸縮検出基準部(75,75)としそこに左右ノズル検出センサ(76,76)をそれぞれ1個設け、左右移動散布ブーム(12c,12c)の伸縮移動する散布ノズル(14,…)を検出するようにしたので、構成を簡単化してコストを低減しながら左右固定散布ブーム(12b,12b)の左右最外側の散布ノズル(14)を基準として左右移動散布ブーム(12c,12c)の左右に伸縮した散布ノズル(14,…)の個数を正確に検出し、構成を簡単化しコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】散布作業車の側面図。
【図2】散布作業車の平面図。
【図3】散布装置の正面図。
【図4】散布装置の側面図、一部の平面図。
【図5】散布装置の正面図。
【図6】散布作業車の正面図、散布装置の側面図。
【図7】散布作業車の正面図、散布装置の側面図。
【図8】散布装置の側面図、正面図。
【図9】散布装置の側面図、平面図。
【図10】散布装置の側面図。
【図11】散布作業車の正面図。
【図12】散布操作パネルの斜視図。
【図13】左右散布装置の斜視図、正面図。
【図14】散布作業車の前側部の側面図。
【図15】散布作業車の前側部の切断背面図、側面図。
【図16】散布作業車の前側部の側面図、切断背面図。
【図17】散布作業車の前側部の側面図、切断背面図。
【図18】散布作業車の前側部の平面図、正面図。
【図19】散布作業車の前側部の平面図、正面図。
【図20】エンジンの排気構成を示す背面図、側面図。
【図21】散布作業車の前側部の側面図、正面図。
【図22】散布作業車の前側部の側面図、正面図。
【図23】薬液タンクの斜視図。
【図24】薬液タンクの斜視図。
【図25】薬液タンクの斜視図。
【図26】薬液散布装置のブロック図。
【図27】薬液散布装置のブロック図。
【図28】前輪ファイナルケース部の切断正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本発明を備えた薬液散布用の散布作業車1の全体構成について説明する。
散布作業車1の走行車体2には略等径の左右前輪3,3、左右後輪4,4が設けられていて、車体2の前側部には防除散布装置Yを取り付けている。走行車体2の左右前輪3,3間上方にはエンジンEを搭載し、エンジンE回りをボンネット5で被覆している。左右前輪3,3と左右後輪4,4間上方には操縦席6を設け、操縦席6の前方にハンドル7を設けている。ハンドル7を左右に操舵すると、左右前輪3,3及び左右後輪4,4が同時に操舵される四輪操舵構成としている。また、操縦席6の回りを取り囲むように薬液タンク9を着脱自在に設け、その下方に防除ポンプ10を設けている。
【0016】
しかして、薬液タンク9の薬液は防除ポンプ10により防除散布装置Yに送られ、センター散布ブーム11及び左右サイド散布ブーム12,12の散布ノズル14,…から薬液を散布する。
【0017】
次に、図3〜図5に基づき防除散布装置Yのセンター散布ブーム11及び左右サイド散布ブーム12,12について具体的に説明する。
センター散布ブーム11及び左右サイド散布ブーム12,12は、機体前側部のブーム支持部材15に支持されている。ブーム支持部材15にセンター散布ブーム11を左右方向に沿うように取り付け、ブーム支持部材15を左右方向の軸で軸支し、昇降シリンダ(図示省略)により回動するように構成している。また、ブーム支持部材15の左右両側部に、左右サイド散布ブーム12,12の基部を前後方向の軸回りに回動可能に支持し、左右開閉シリンダ17,17により左右両側に突出した散布姿勢、機体内側の収納姿勢に回動可能に構成している。
【0018】
左右サイド散布ブーム12,12は、所定長さの左右散布フレーム12a,12aと、所定間隔毎に散布ノズル14,…を備えた固定サイド散布ブーム12b,12bと、左右散布フレーム12a,12aに長手方向にスライド調節自在に取り付け且つ所定間隔毎に散布ノズル14,…を備えた移動サイド散布ブーム12c,12cにより構成されていて、左右移動サイド散布ブーム12c,12cは駆動モータ24により往復移動調節できる構成である。
【0019】
次に、左右サイド散布ブーム12,12の往復移動構成について説明する。
左右散布フレーム12a,12aに固定サイド散布ブーム12b,12bを長手方向に沿わせて取り付け、左右散布フレーム12a,12aに固定サイド散布ブーム12b,12bに近接して平行状に左右移動サイド散布ブーム12c,12cを移動可能に設け、この左右移動サイド散布ブーム12c,12cを往復移動調節し、散布幅を任意に変更可能に構成している。
【0020】
左右散布フレーム12a,12aの左右両側部に基端側ブラケット21a、先端側ブラケット21bを上方へ突出するように取り付け、基端側ブラケット21a,先端側ブラケット21bの上下方向中間部に左右固定サイド散布ブーム12b,12bと平行状にチエーンレール22,22を引っ張り状態で取り付け、このチエーンレール22,22の長さだけ左右移動サイド散布ブーム12c,12cが移動するようにしている。
【0021】
左右移動サイド散布ブーム12c,12cの基端部にステー23,23を取り付け、このステー23,23に左右駆動モータ24,24を取り付け、左右駆動モータ24,24の駆動軸に左右駆動スプロケット25,25を取り付けている。そして、左右駆動スプロケット25,25を上側からチエーンレール22,22に噛み合わせ、左右駆動スプロケット25,25を正逆回転させて、左右移動サイド散布ブーム12c,12cを往復移動させるように構成している。
【0022】
従来の左右移動サイド散布ブーム12c,12cの往復移動構成は、例えば次のように構成されていた。左右散布フレーム12a,12aの一側に駆動モータ24,24を取り付け、この駆動モータ24,24の駆動軸に駆動スプロケット25,25を取り付け、左右散布フレーム12a,12aの他側に従動スプロケットを設け、この駆動スプロケット25,25と従動スプロケットの間にループ状のチエーンを巻回し、駆動モータ24,24により正逆駆動していた。そして、このチエーンの一端に左右移動サイド散布ブーム12c,12cを取り付け、往復移動させる構成であった。従って、部品点数が多く、構成が複雑でコスト高となる不具合があった。また、チエーンを引っ張ると、駆動モータ24がチエーンに引っ張られて傾き、駆動モータ24の負荷が大きくなり、駆動モータ24の寿命を縮める原因ともなっていた。
【0023】
しかし、前記構成によると、駆動モータ24の負荷を大幅に減少させながら左右移動サイド散布ブーム12c,12cを移動させることができる。また、左右移動サイド散布ブーム12c,12cの移動速度を高め、駆動モータ24の耐久性を高めることができる。
【0024】
また、左右散布フレーム12a,12aの前後両側には、図5に示すように、案内レール27,27を長手方向に沿わせて設けている。また、左右移動サイド散布ブーム12c,12cの前後一側には、逆U字型のスライドブラケット30を取り付け、このスライドブラケット30,30の両内側面には、左右上側スライドローラ28,28、及び、左右下側スライドローラ29,29を軸支している。
【0025】
また、左右散布フレーム12a,12aの前後外周部に設けた案内レール27,27により前記スライドローラ28,28、29、29を嵌合支持している。そして、この左右上側ローラ28,28、下側前後ローラ29,29の移動方向中間部に駆動モータ24の駆動スプロケット25を位置させ、駆動スプロケット25がチエーンレール22の上側に位置する状態で噛み合いして駆動している。しかして、案内レール27,27を左右上側下側ローラ28,…、29,…で案内レール27,27を上下から挟持しながら、左右移動サイド散布ブーム12c,12cを往復移動させ、散布幅を任意に変更可能に構成している。
【0026】
前記構成によると、左右上側前後ローラ28,28、左右下側前後ローラ29,29には略均等に加重がかかった状態で、左右移動サイド散布ブーム12c,12c及び駆動モータ24を支持することができ、ローラ28,…、ローラ29,…の一部の偏摩耗を防止し、耐久性を高めることができる。
【0027】
また、左右散布フレーム12a,12aの左右両側部に設けた基端側ブラケット21a,先端側ブラケット21aにチエーンレール22を取り付けるにあたり、左右固定サイド散布ブーム12b,12bと平行状に取り付けているので、左右移動サイド散布ブーム12c,12cを一定の移動速度で左右方向に往復移動させることができる。
【0028】
また、駆動モータ24の駆動軸に取り付けている駆動スプロケット25をチエーンレール22を噛み合わせるにあたり、駆動スプロケット25をチエーンレール22の上側に位置する状態で噛み合わせ、左右移動サイド散布ブーム12c,12cを往復移動させるので、駆動スプロケット25は移送手段であると共に、左右移動サイド散布ブーム12c,12cの基端部を支持しているため、上側ローラ28,28の転がり抵抗が小さくなり、円滑に移動させることができる。
【0029】
また、基端側ブラケット21a,先端側ブラケット21bの上端部には、固定散布ブームと平行状に支持棒31を取り付けている。また、防除ポンプ10から吐出する散布薬液を基部散布ホース13により左右固定サイド散布ブーム12b,12bの近傍まで送り、基部散布ホース13の先端を分岐し、その一方を左右固定サイド散布ブーム12b,12bの基部に接続し、その他方をスパイラル状の散布ホース33の基端部に接続し、散布ホース33の先端を左右移動サイド散布ブーム12c,12cの基端部に接続している。
【0030】
また、前記支持棒31における前記駆動モータ24の上方部位にスパイラル状の散布ホース33を左右方向に沿わせて移動自在に支持し、駆動モータ24の駆動スプロケット25が正逆転し左右移動サイド散布ブーム12c,12cが駆動モータ24と共に左右方向に往復移動すると、スパイラル状の散布ホース33が長手方向に広がったり、あるいは、狭まったりしながら、左右移動サイド散布ブーム12c,12cに薬液を送るようにしている。
【0031】
前記構成によると、左右移動サイド散布ブーム12c,12cが左右先端側に移動する際に、スパイラル状の散布ホース33を支持棒31の先端側で支持し、基端側のスパイラル状の散布ホース33はホースの巻き間隔を広げながら移動するので、スパイラル状の散布ホース33の引っ張り抵抗を少なくし、円滑に先端側に移動させることができる。
【0032】
次に、図6に基づき左右サイド散布ブーム12,12の着脱構成について説明する。
機体前側部のブーム支持部材15にはセンター散布ブーム11を左右方向に沿うように取り付け、ブーム支持部材15の左右両側部には左右サイド散布ブーム12,12の基端部を前後方向の軸41回りに上下回動自在に支持している。
【0033】
ブーム支持部材15の左右両側部に左右マスト42,42を立設し、左右マスト42,42の上端部に昇降シリンダ43,43の一端を前後方向の軸43a,43a回りに回動自在に軸支している。また、左右サイド散布ブーム12,12の左右散布フレーム12a,12aの内側寄りに基端側ブラケット21aを立設し、この基端側ブラケット21aの下部に昇降シリンダ43,43の他端を前後方向の軸43b回りに回動自在に軸支連結している。
【0034】
しかして、ブーム支持部材15のマスト42に左右昇降シリンダ43,43の一端を支持した状態で、軸41を取り外すと共に、左右昇降シリンダ43,43の他端から軸43bを取り外すことにより、左右昇降シリンダ43,43を左右方向マスト42,42に支持したままの状態で、左右サイド散布ブーム12,12を取り外すことができる。また、左右昇降シリンダ43,43の他端側をブーム支持部材15の左右両側部に軸41,41で支持することができる。
【0035】
前記構成によると、左右昇降シリンダ43,43を機体に支持したままの状態で、左右サイド散布ブーム12,12を楽に取り外すことができる。また、左右昇降シリンダ43,43の他端を軸41,41でブーム支持部材15の左右両側部に支持することにより、左右昇降シリンダ43,43のぶらぶらを防止しながら、機体内側寄りに支持することができる。
【0036】
また、左右サイド散布ブーム12,12を機体から取り外した状態で、左右昇降シリンダ43,43を機体側の左右マスト42,42に支持するにあたり、図7に示すように、最短縮状態の左右昇降シリンダ43,43を収納支持できるように、マスト42に支持ステー44を設けると、左右昇降シリンダ43,43を最小寸法にして収納することができ、左右昇降シリンダ43,43の伸縮ロッド部のさびの発生を抑制し、耐久性を高めることができる。
【0037】
次に、図8に基づき左右サイド散布ブーム12,12の左右移動構成の他の実施例について説明する。
左右サイド散布ブーム12,12は、所定長さの左右散布フレーム12a,12aに固定サイド散布ブーム12b,12bを長手方向に沿わせて取り付け、左右散布フレーム12a,12aには固定サイド散布ブーム12b,12bに近接して平行状に左右移動サイド散布ブーム12c,12cを移動自在に設けている。
【0038】
左右移動サイド散布ブーム12c,12cの一側面には、図8(B)に示すように、逆U字型のスライドブラケット57を取り付けている。このスライドブラケット57の内側面には、左右上側スライドローラ58,58、及び、左右下側スライドローラ59,…を設けている。そして、左右散布フレーム12a,12aの長手方向に沿って設けた案内レール60,60に前記スライドローラ58,58、59、59を嵌合させて、左右移動サイド散布ブーム12c,12cを往復移動自在に支持し、散布幅を任意に変更可能に構成している。
【0039】
また、左右散布フレーム12a,12aの基端部に駆動モータ24を設け、左右散布フレーム12a,12aの先端部に従動ローラ61を設けている。そして、駆動モータ24の駆動スプロケット25と従動ローラ61を、図8(B)に示すように、左右散布フレーム12a,12aに対して右側にオフセット状に設け、この駆動スプロケット25と従動ローラ61の間にループ状のチエーン56を巻き掛けている。そして、チエーン56の一端に左右移動サイド散布ブーム12c,12cを取り付け、駆動モータ24を正逆転させて左右移動サイド散布ブーム12c,12cを往復移動させるようにしている。
【0040】
また、基端側ブラケット21aと先端側ブラケット21bの上端部には左右固定サイド散布ブーム12b,12bと平行状に支持棒31を取り付け、この支持棒31の基端部側にスパイラル状に巻いた散布ホース33を支持している。また、防除ポンプ10から薬液を基部散布ホース13により左右固定サイド散布ブーム12b,12b近傍まで送り、基部散布ホース13の先端を分岐し、その一方を左右固定サイド散布ブーム12bの基部に接続し、その他方をスパイラル状の散布ホース33の基端部に接続し、散布ホース33の先端を左右移動サイド散布ブーム12c,12cの基端部に接続している。しかして、左右移動サイド散布ブーム12c,12cが左右方向に往復移動すると、スパイラル状の散布ホース33が左右方向に広がったり、狭まったりしながら、左右移動サイド散布ブーム12c,12cに薬液を送るようにしている。
【0041】
前記基端側ブラケット21a、先端側ブラケット21bの上下中間部にワイヤ51を張力がかかるように連結している。また、左右移動サイド散布ブーム12c,12cには、図8(B)に示すように、左右散布フレーム12a,12aに左側にオフセットするように支持棒52を立設し、その支持棒52の先端にローラ53を取り付け、このローラ53をワイヤ51により下方から支持している。
【0042】
前記チエーン56を所定の張力で張った場合には、チエーン56が左右移動サイド散布ブーム12c,12cに対して一側にオフセットしている関係で、左右移動サイド散布ブーム12c,12cのチエーン56側が持ち上げ傾向になって左右に移動する。しかし、前記構成によると、ワイヤ51とローラ53とにより、左右移動サイド散布ブーム12c,12cのチエーン56側の上方への移動を阻止し、左右移動サイド散布ブーム12c,12cの先端側が上り傾斜のときにも移動を停止させずに円滑に移動することができる。
【0043】
また、支持棒52にローラ53を設けるにあたり、図8(A)に示すように、スライドブラケット57の左右方向中間部に支持棒52を立設し、その先端のローラ53をワイヤ51で下方から支持している。そして、左右移動サイド散布ブーム12c,12cと一体的に左右に移動するスライドブラケット57には、上側スライドローラ58,…、下側スライドローラ59,…を内包状にし支持しているので、左右移動サイド散布ブーム12c,12cの傾きを矯正しながら姿勢を良好に保ち、ローラ53及び上側スライドローラ58,…、下側スライドローラ59,…の回転を円滑にし、偏摩耗を防止することができる。
【0044】
また、図9に示すように、左右散布フレーム12a,12aの左右両側部に取り付けている基端側ブラケット21a,先端側ブラケット21bの上下方向中間部に、長孔61,61を設け、ワイヤ51を上下調整自在に取り付け、スライドローラ58,…によりスライドブラケット57をやや持ち上げ状態として、ワイヤ51を固定できるように構成ている。このように構成すると、上側スライドローラ58,…の転がり抵抗を少なくし、左右移動サイド散布ブーム12c,12cを円滑に移動させることができる。
【0045】
また、図10に示すように構成してもよい。左右散布フレーム12a,12aには左右移動サイド散布ブーム12c,12cを左右方向に移動自在に支持し、左右散布フレーム12a,12aのできるだけ先端側に駆動モータ24を取り付け、基端側に従動ローラ61を設ける。そして、左右散布フレーム12a,12aからの駆動モータ24の駆動スプロケット25の上端縁部と従動ローラ61の上端縁部とを同一高さに設定し、チエーン56がこの同じ高さに沿って移動するように構成する。
【0046】
図11に示すように、左右散布フレーム12a,12aの基端側に駆動モータ24を取り付けている。駆動スプロケット25の周辺に駆動モータ24取付用のモータカバー24aを設ける必要から、マスト42との間隔が狭くなり、上方への回動が制限されるという不具合がある。しかし、前記構成によると、従動ローラ61の周辺に空間部が形成され、左右サイド散布ブーム12,12の上方への回動角度を大きくすることができる。また、左右散布フレーム12a,12aの先端部に設けた駆動モータ24の駆動スプロケット25の直径を大きくすることができ、左右移動サイド散布ブーム12c,12cの移動速度を速くすることができる。
【0047】
次に、図12に基づき左右移動散布ブーム12c,12cの移動操作構成について説明する。
操縦席6の左右一側に散布操作パネル71を設け、散布操作パネル71には防除コントローラ72を内装し、散布操作パネル71には表示画面73を設けている。
【0048】
散布操作パネル71の前側部には、防除散布装置11全体を上下する上下スイッチSW1、左右移動散布ブーム12,12開閉収納用の左右開閉収納スイッチSW2,SW3を設けている。
【0049】
散布操作パネル71の表示画面73には表示部73aを設け、表示部73aの下方には、自動制御入切用の自動入切スイッチSW4、自動入切を表示するパイロットランプ74、散布設定スイッチSW5、増スイッチSW6、減スイッチSW7及び累計リセットスイッチSW8を設けている。また、表示部73aの左側部には、散布圧力指示器、散布流量指示器、流量累計指示器を設けている。
【0050】
散布操作パネル71の表示部73aの前側には、左右散布ブーム12,12の伸縮スライド調節用の左移動調節スイッチSW9,右移動調節スイッチSW10を設けている。この左右移動調節スイッチSW9,SW10は回動操作するダイヤルスイッチ式に構成されていて、目盛り合せ部SW9a,SW10aを設けている。
【0051】
左右移動調節スイッチSW9,SW10の周辺部に内側から左右外側方向に順次大きくなる数字、例えば、「0〜11」と散布ノズル個数を表示するノズル数表示部SW9b,SW10bを設け、左右散布ブーム12,12の左右移動散布ブーム12c,12cの左右に突出調節した散布ノズル数を表示するようにしている。
【0052】
なお、この左右移動調節スイッチSW9,SW10は左右方向に移動操作するように構成してもよい。
前記構成によると、左右移動調節スイッチSW9,SW10の目盛り合せ部SW9a,SW10aを散布ノズル目盛りの「0〜11」のいずれかに合わせると、防除コントローラ72に入力されると共に調節指令が出力され、左右固定散布ブーム12a,12aの左右両側方に当該設定散布ノズル数に応じた状態で左右移動散布ブーム12c,12cの散布ノズル14,…が突出調節され、散布幅が拡縮調節される。
【0053】
また、左右移動調節スイッチSW9、SW10にノズル数表示部SW9b,SW10bを設けるにあたり、車体中心側を少ないノズル数とし、車体左右方向ほど順次大きくなるノズル数とし、左右移動散布ブーム12c,12cの左右伸縮方向と散布ノズル数の増減方向とを同方向としている。そして、左右移動調節スイッチSW9,SW10の最小設定ノズル数を「0」とし、左右移動散布ブーム12c,12cの散布ノズル14,14が突出しない状態もスイッチ設定できるようにしている。
【0054】
前記構成によると、左右移動調節スイッチSW9、SW10を左右両側の操作位置ほどノズル数の多い設定位置としたので、左右移動散布ブーム12c,12cの散布ノズル数の増加方向と左右移動調節スイッチSW9、SW10の散布ノズル増加操作方向とが合致し、スイッチの操作性が向上し、誤操作を防止することができる。
【0055】
従来装置では左右移動散布ブーム12c,12c伸縮調節用スイッチがトグルスイッチで構成されていて、伸縮調節位置を任意に調節設定できるが、伸縮調節設定状態となるまでスイッチを押し続ける必要があり、操作が面倒であり、また、伸縮設定位置に調節するとすぐにスイッチ操作を停止しなければならず、操作しにくいという問題があった。
【0056】
しかし、前記構成によると、左右移動調節スイッチSW9、SW10をダイヤル調節式としたので、左右移動調節スイッチSW9,SW10の目盛り合せ部SW9a,SW10aをノズル数表示部SW9b,SW10bのノズル数に合わせるだけで、左右移動散布ブーム12c,12cの散布ノズル14,…を伸縮調節設定位置に伸縮調節することができ、操作が容易となる。
【0057】
次に、図13について説明する。
左右散布フレーム12a,12aの左右固定散布ブーム12b,12bにおけるフレーム部左右両側端部の散布ノズル14,14の部位を伸縮検出基準部75,75に設定し、ここに例えば近接センサ式のノズル検出センサ76を1個設けている。そして、左右移動散布ブーム12c,12cの散布ノズル14,…が伸縮移動時にノズル検出センサ76に接近すると、散布ノズル14の検出をするようにしている。そして、左右移動散布ブーム12c,12cの左右最側端の散布ノズル14,14がノズル検出センサ76に対向している状態を、左右移動散布ブーム12c,12cにおける散布ノズル14の無突出状態とし、左右移動調節スイッチSW9,SW10の目盛り合せ部SW9a,SW10aをノズル数表示部SW9b,SW10bの「0」に合せることで設定できるようにしている。
【0058】
そして、ノズル検出センサ76が散布ノズル14を検出する毎に防除コントローラ72に検出情報を入力し、防除コントローラ72の移動散布ブーム制御手段は検出ノズル数をカウントし、前回ノズル設定数に対してカウント数を加算あるいは減算し、調節設定ノズル数となると、左右移動散布ブーム12c,12cの調節出力を停止するようにしている。
【0059】
前記構成によると、左右移動調節スイッチSW9,SW10のダイヤル操作によりノズル調節設定数を設定することにより、左右移動散布ブーム12c,12cの散布ノズル14,…の散布ノズル数を正確に調節することができる。
【0060】
次に、図14乃至図17に基づきラジエータ82の冷却構成について説明する。
走行車体2の前側部にはエンジンEを搭載してボンネット5で被覆し、エンジンEの後側部に冷却ファン81を設け、エンジンEの出力軸からベルト伝動装置を介して冷却ファン81に動力を伝達している。冷却ファン81の後方にラジエータ82を設け、ラジエータ82の後方にオイルクーラ83を配設し、その後方にラジエータネット84を設けている。
【0061】
また、ラジエータ82の上部、左右両側部とボンネット5の間に上部防塵カバー85a,左右防塵カバー85b,85bを設けている。ボンネット5におけるラジエータ82の上部、左右両側部に外気吸い込み用のスリット5a,…を設けている。
【0062】
しかして、冷却ファン81が回転すると、ラジエータネット84を通過して冷却風が後方から前方に流れ、ラジエータ82、オイルクーラ83のコア部を通過し、エンジンEの周辺を通りボンネット8の左右排風部から排出される。また、ボンネット5の上部、左右両側部からラジエータ82及びオイルクーラ84への塵埃の侵入を上部防塵カバー85a,左右防塵カバー85b,85bにより防止することができる。
【0063】
なお、左右防塵カバー85b,85bの下部を下側ほど内側に傾斜した下部傾斜面部85ba,85baに構成し、下部傾斜面部85ba,85baの下端部をミッションケース86上方の左右フレーム部に取り付け、下方のミッションケース86側からの塵埃の侵入を防止するようにしている。
【0064】
また、図16に示すように、走行車体2とラジエータ82の下端部との間に防塵モール87を取り付け間隙部を閉鎖し、下方からの塵埃の侵入を防止し、ラジエータ82の冷却効果を高めている。
【0065】
また、図17に示すように、ラジエータ82のフレーム部下方に前側下部遮風板88aを取り付け、ミッションケース86の上部に後側下部遮風板88bを取り付け、前側後側下部遮風板88a,88bを近接配置し、これらの間隙部をウレタンで塞ぐようにし、下方からの塵埃の侵入を防止するようにしてもよい。
【0066】
次に、図18について説明する。
ボンネット5の右側板部にステー89aを介してラジエータ冷却水用のリザーブタンク89を取り付け、リザーブタンク89とラジエータ82とをパイプを介して連通している。冷却水用のリザーブタンクをエンジンEに取り付ける構成であると、リザーブタンク内の冷却水がエンジンEからの熱の影響を受け上昇しやすくなる。しかし、前記構成によると、このような不具合を解消し、冷却水の補充及び残量確認を容易にすることができる。
【0067】
次に、図19及び図20に基づきエンジンEの排気構成の他の実施例について説明する。
走行車体2のフレーム部左右一側からブラケット91をボンネット5の左右カバー部の側方に沿うように延出し、筒体状のマフラーテールカバー92をボンネット5の側面に沿うように取り付けている。マフラーテールカバー92内にマフラー排気パイプ(終端側)93bを配設し、マフラー93から延出しているマフラー排気パイプ(始端側)93aの終端側をマフラー排気パイプ(終端側)93bの下部始端側に接続している。
【0068】
また、マフラー93から延出しているマフラー排気パイプ(始端側)93aの終端側を小径に構成し、マフラー排気パイプ(終端側)93bの下部接続部を大径に構成してすき間を空けて連結し、組立て作業を容易を図っている。また、エンジンEの振動を受けずにマフラーテールカバー92にマフラー排気パイプ(始端側)92a,マフラー排気パイプ(終端側)92bを配設することができる。
【0069】
また、図21に示すように、ボンネット5の左右側面カバー部にブラケット91を介してマフラーテールカバー92を取り付け、マフラーテールカバー92内に配設したマフラー排気パイプ(終端側)92bの始端側にマフラー排気パイプ(始端側)92aの終端側を配設するように構成すると、部品点数を少なくしコストの低減を図ることができる。
【0070】
また、図22に示すように、ボンネット5の右側面カバー部下方にマフラー排気パイプ(始端側)92aを延出し、その終端側を正面視でU字型に屈曲構成し、マフラー排気パイプ(終端側)92bの始端側を接続し、右側カバー部の側面に沿うように配設してもよい。
【0071】
次に、図23に基づき薬液タンク9部へのサクションフィルタ94の取り付け構成について説明する。
図23に示すように、薬液タンク9の底部吸入部9aにサクションホース95の始端側を接続し、サクションホース95の中途部にサクションフィルタ94を介装し、サクションホース95の終端側を防除ポンプ10に接続している。そして、このサクションホース95及びサクションフィルタ94を薬液タンク9の下部フレーム部9bに支持している。このように構成すると、薬液タンク9を走行車体2から取り外す場合に、サクションホース95の終端側を防除ポンプ10から取り外すだけの簡単な作業で、薬液タンク9にサクションホース95及びサクションフィルタ94を取り付けたままの状態で簡単に取り外すことができる。
【0072】
なお、サクションフィルタ94及びサクションホース95の下方に図24に示すように、保護板96を設けると、サクションフィルタ94の耐久性を高めることができる。
また、図25に示すように、薬液タンク9の後側部を肉厚状に構成し、左右散布ブーム12,12支持用の左右受け枠体97,97を取り付けるようにしてもよい。薬液タンク9の後側部に左右受け枠体97,97の下端部を左右方向に回動自在に支持し、薬液タンク9の下部左右両側部に左右ストッパ97a,97aを設け、上方へ突出回動した左右受け枠体97,97をストッパ97a,97aで位置決めして左右散布ブーム12,12の支持姿勢にし、また、薬液タンク9の後側面に沿わせて下方に回動し収納姿勢とするようにしている。前記構成によると、薬液タンク9を走行車体2から取り外す場合に、薬液タンク9に左右受け枠体97,97を取り付けたままで取り外すことができ、取外し作業を簡単容易にすることができる。
【0073】
次に、図26に基づき薬液タンク9の取り外し時における薬液飛散防止構成について説明する。
薬液タンク9の底部吸入部9aにサクションホース95を接続し、サクションホース95の中途部にサクションフィルタ94を介装し、サクションホース95の終端側を防除ポンプ10に接続している。しかして、薬液タンク9の薬液を防除ポンプ10、吐出散布ホース98、散布マニホールド99、中央左右散布ホース100,…を経由して防除散布装置Yのセンター散布ブーム11及び,左右散布ブーム12に送り、散布ノズル14,…から薬液を散布するようにしている。散布マニホールド99には中央左右噴霧コック101,…を設けると共に、ドレンホース102の基端を接続し、ドレンホース102の先端にコック102aを設けている。
【0074】
前記構成によると、センター散布ブーム11及び左右散布ブーム12、中央左右散布ホース100,…を取り外す際に、ドレンホース102のコック102aを予め開口し、中央左右散布ホース100,…の薬液を散布マニホールド99、ドレンホース102を経由して回収することができる。従って、中央左右散布ホース100,…を散布マニホールド99から取り外す際にホースから薬液の漏れるのを防止し、オペレータに薬液がかかるのを防止することができる。また、土壌への余分の薬液飛散を防止し、環境汚染を防止することができる。
【0075】
次に、図27について説明する。
薬液タンク9の底部吸入部9aにサクションホース95を接続し、サクションホース95の中途部にサクションフィルタ94を介装し、サクションホース95の終端側を防除ポンプ10に接続している。そして、サクションホース95におけるサクションフィルタ94の下手側にドレンコック103を設けている。
【0076】
前記構成によると、薬液タンク9、サクションホース95内の薬液をドレンコック103から予め取り出すことができ、薬液タンク9からサクションホース95を取り外す際の薬液の漏れを防止し、オペレータへの薬液飛散を防止することができる。また、薬液タンク9内の薬液をサクションホース95、ドレンコック103から取り出すことができ、薬液の凍結による薬液タンク9の破損を防止することができる。
【0077】
次に、図28に基づき前輪3の支持伝動構成について説明する。
走行車体2の左右両側部から前輪ファイナルケース106を下方に延出し、前輪ファイナルケース106内上部にベベルギヤを介して駆動軸107の上部を軸架している。前輪ファイナルケース106の下端外周部にベアリングを介して下部ファイナルケース108を支架し、下部ファイナルケース108に駆動ベベルギヤ109の下部をベアリングを介して支架している。駆動軸107の下端部と駆動ベベルギヤ109の上部とをスプライン連結し、このスプライン連結部外周にカラー110を介装している。駆動ベベルギヤ109の下部外周にブッシュ111を嵌合し、ブッシュ111の外周部をファイナルケース106の下部内周面で圧接状態で支持している。なお、駆動ベベルギヤ109から従動ベベルギヤ112、前輪駆動軸113を介して前輪3に動力が伝達される。なお、後輪4も同様に構成している。前記構成によると、駆動ベベルギヤ109の支持が強固で適正化し、駆動ベベルギヤ109と従動ベベルギヤ112との歯当りが正確となり耐久性を高めることができる。
【符号の説明】
【0078】
11 センター散布ブーム
12 左右散布ブーム
12a 左右散布フレーム
12b 左右固定散布ブーム
12c 左右移動散布ブーム
14 散布ノズル
71 散布操作パネル
76 左右ノズル検出センサ
SW9 左移動調節スイッチ(左散布ノズル設定手段)
SW9b ノズル数表示部
SW10 右移動調節スイッチ(右散布ノズル設定手段)
SW10b ノズル数表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センター散布ブーム(11)の左右両側に左右散布ブーム(12,12)を設け、該左右散布ブーム(12,12)を所定長さの左右散布フレーム(12a,12a)に固定状態で取り付けている左右固定散布ブーム(12b,12b)と、長手方向に沿って伸縮移動自在に取り付けている左右移動散布ブーム(12c,12c)とにより構成し、これら左右固定散布ブーム(12b,12b)及び左右移動散布ブーム(12c,12c)には所定間隔毎に散布ノズル(14,…)を設け、散布操作パネル(71)には前記左右固定散布ブーム(12b,12b)の左右両側端の散布ノズル(14,14)よりも左右方向に突出している前記左右移動散布ブーム(12c,12c)の散布状態の散布ノズル(14,…)の個数を増減設定できる左右散布ノズル設定手段(SW9,SW10)を設けたことを特徴とする散布作業車の散布ブーム伸縮装置。
【請求項2】
前記左右散布ノズル設定手段をダイヤル式で目盛り合せ部を備えた左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)で構成し、該左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)の周辺部に調節設定散布ノズル数を表示するノズル数表示部(SW9b,SW10b)を設けたことを特徴とする請求項1記載の散布作業車の散布ブーム伸縮装置。
【請求項3】
前記左右散布ノズル設定手段(SW9,SW10)、左右移動調節スイッチ(SW9,SW10)の周辺部に調節設定散布ノズル数を表示するノズル数表示部(SW9b,SW10b)を設けるにあたり、内側から左右外側方向に順次大きくなるように散布ノズル数を表示したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の散布作業車の散布ブーム伸縮装置。
【請求項4】
前記左右固定散布ブーム(12b,12bにおける左右方向最外側部の散布ノズル(14,14)のある部位を伸縮検出基準部(75,75)としそこに左右ノズル検出センサ(76,76)をそれぞれ1個設け、該左右ノズル検出センサ(76,76)で前記左右移動散布ブーム(12c,12c)の伸縮移動する散布ノズル(14,…)を検出するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の散布作業車の散布ブーム伸縮装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−90593(P2012−90593A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242132(P2010−242132)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】