説明

数字列変換装置、ユーザ認証システム、数字列変換方法、およびプログラム

【課題】パスワードをユーザが記憶しやすいものにすることができる数字列変換装置、ユーザ認証システム、数字列変換方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】認証装置3は、数字列で構成されるパスワードを生成するパスワード生成部31と、数字列を平仮名文字列に変換する際の変換規則を規定した変換規則情報を生成する変換規則情報生成部32と、数字列を平仮名文字列に変換する変換部33と、数字列を複数に分割する数字列分割部34と、平仮名文字列に優先度を付与する優先度付与部35と、パスワードとしての数字列に対応する平仮名文字列を生成する文字列生成部36と、平仮名文字列をユーザに報知する文字列報知部37と、ユーザが入力したパスワードの正当性を判別するパスワード認証部38と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数字列を変換する数字列変換装置、数字列変換装置を備えるユーザ認証システム、数字列変換方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Webサイトのようにコンピュータやネットワークを利用して提供されるサービスでは、ユーザごとにサービスを提供したり、他のユーザによる「なりすまし」を防いだりするために、ユーザ認証が行われる。このユーザ認証としては、例えば、パスワードによる認証がある。
【0003】
パスワードによる認証では、まず、初めてユーザがサービスを利用する際に、サービスまたはユーザ自身がパスワードを設定する。そして、次回以降にユーザがサービスを利用する際には、ユーザからパスワードの入力を受け付け、入力されたパスワードと、初めてユーザがサービスを利用する際に設定したパスワードと、が一致するか否かを検証することで、ユーザ認証を行う。
【0004】
ところが、パスワードによる認証では、ユーザは、初めてサービスを利用する際に設定されたパスワードを記憶していなくてはならない。そこで、ユーザは、パスワードを記憶しやすいように、自身の誕生日や電話番号などをパスワードとして設定する場合がある。この場合、ユーザが自身のパスワードを記憶しやすい反面、他のユーザが推測できてしまい、ユーザ認証が不正に行われるおそれがある。
【0005】
そこで、ユーザ認証として、指紋といったユーザの生体情報を用いてユーザ認証を行う方法や、ユーザごとに固有の情報を記憶しているICカードを配布して、このICカードを用いてユーザ認証を行う方法や、パスワードを埋め込んだ乱数表をユーザに配布して、この乱数表を用いてパスワードの入力をユーザに促し、入力されたパスワードによりユーザ認証を行う方法が提案されている。
【0006】
しかしながら、ユーザの生体情報を用いる方法では、ユーザがパスワードを記憶する必要はなくなるが、ユーザの生体情報を検知する装置が別途必要となってしまう。
【0007】
また、ICカードを用いる方法では、ユーザがパスワードを記憶する必要はなくなるが、ICカードに記憶されている情報を読み取る装置が別途必要となってしまう。また、このICカードをユーザが紛失してしまい、他のユーザに用いられてしまうと、ユーザ認証が不正に行われることとなってしまう。
【0008】
また、乱数表を用いた方法では、乱数表を用いることでユーザがパスワードを思い出せるため、他のユーザが推測できない複雑なパスワードを設定できる。しかしながら、乱数表を紛失してしまい、他のユーザに用いられてしまうと、上述のICカードを用いる方法と同様に、ユーザ認証が不正に行われることとなってしまう。
【0009】
そこで、ランダムに生成したパスワードに対して、記憶しやすい単語の組合せを語呂としてユーザに提示する方法(例えば、非特許文献1〜3参照)や、アルファベットで構成されるランダムな文字列のうち発音可能な文字列をパスワードとする方法(例えば、非特許文献4参照)が提案されている。これら非特許文献1〜4に記載の方法によれば、上述のような装置を別途に設ける必要がなくなるとともに、ユーザ認証の不正を防止できる。
【非特許文献1】http://strongpasswordgenerator.com/
【非特許文献2】http://seoi.net/goro/
【非特許文献3】http://www2u.biglobe.ne.JP/〜b−jack/zakki/zz−x.html
【非特許文献4】Gasser, M., A Random Word Generator for Pronouncable Passwords,MTR−3006, The MITRE Corporation, Bedford, MA 01730, ESD−TR−75−97, HQElectronic Systems Division, Hanscom AFB, MA 01731. NTIS AD A 017676.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、非特許文献1〜3に記載の方法では、パスワードの語呂がユーザに提示されるので、ユーザによるパスワードの記憶を補助できる。しかしながら、非特許文献1〜3に記載の方法では、パスワードの文字数が増えるに従って、ユーザに提示される語呂が意味不明なものになり、この語呂がユーザにとって記憶の困難なものとなってしまい、パスワードを記憶するのが困難になるおそれがあった。また、非特許文献4に記載の方法では、生成されるパスワードは、発音することはできても意味のない単語の組合せとなるため、ユーザがパスワードを記憶するのが困難になるおそれがあった。
【0011】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、パスワードをユーザが記憶しやすいものにすることができる数字列変換装置、ユーザ認証システム、数字列変換方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
【0013】
(1)本発明は、数字列を文字列に変換する変換手段(例えば、図1の変換部33に相当)と、前記変換手段により文字列に変換された数字列を複数に分割する数字列分割手段(例えば、図1の数字列分割部34に相当)と、前記変換手段により変換された文字列に応じて、各文字列に優先度を付与する優先度付与手段(例えば、図1の優先度付与部35に相当)と、前記優先度付与手段により付与された優先度に基づいて、前記数字列分割手段により複数に分割される前の数字列に対応する文字列を生成する文字列生成手段(例えば、図1の文字列生成部36に相当)と、を備え、前記変換手段による変換と、前記数字列分割手段による分割と、を1回以上繰り返すことを特徴とする数字列変換装置を提案している。
【0014】
この発明によれば、数字列変換装置は、変換手段により、数字列を文字列に変換し、数字列分割手段により、変換手段により文字列に変換された数字列を複数に分割する。そして、優先度付与手段により、変換手段により変換された文字列に応じて、各文字列に優先度を付与し、文字列生成手段により、優先度付与手段により付与された優先度に基づいて、数字列分割手段により複数に分割される前の数字列に対応する文字列を生成する。さらに、変換手段による変換と、数字列分割手段による分割と、を1回以上繰り返す。
【0015】
すなわち、数字列変換装置は、数字列を複数に分割し、分割した複数の数字列ごとに文字列に変換する。そして、変換した文字列に優先度を付与し、この優先度に基づいて、複数に分割される前の数字列に対応する文字列を生成する。
【0016】
このため、数字列の桁数が大きくても、この桁数の大きい数字列を桁数の小さい複数の数字列に分割して、桁数の小さい複数の数字列ごとに文字列に変換できるので、桁数の大きい数字列に対応する文字列を、意味の通じる複数の文字列で構成することができる。したがって、桁数の小さい数字列に対応する文字列だけでなく、桁数の大きい数字列に対応する文字列も、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。そして、文字列を、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができるので、この文字列に対応する数字列で構成されるパスワードも、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。これによれば、数字列変換装置を用いたサービスが設定した他のユーザが推測するのが困難なパスワードや、ユーザ自身が設定した他のユーザが推測するのが困難なパスワードを、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。
【0017】
(2)本発明は、(1)の数字列変換装置について、数字列を生成する数字列生成手段(例えば、図1のパスワード生成部31に相当)を備え、前記変換手段は、前記数字列生成手段により生成された数字列を文字列に変換するとともに、前記数字列分割手段により分割された複数の数字列のそれぞれを文字列に変換することを特徴とする数字列変換装置を提案している。
【0018】
この発明によれば、数字列変換装置は、数字列生成手段により、数字列を生成し、変換手段により、数字列生成手段により生成された数字列を文字列に変換するとともに、数字列分割手段により分割された複数の数字列のそれぞれを文字列に変換する。
【0019】
このため、ユーザにとって記憶しやすい数字列で構成されるパスワードを生成できる。
【0020】
(3)本発明は、(2)の数字列変換装置(例えば、図1の認証装置3に相当)と、前記数字列変換装置と通信可能に設けられた端末(例えば、図1のユーザ端末5に相当)と、を備えるユーザ認証システムであって、前記数字列変換装置は、前記文字列生成手段により生成された文字列をユーザに報知する文字列報知手段(例えば、図1の文字列報知部37に相当)と、前記数字列生成手段により生成された数字列と、前記端末から受信した数字からなる数字列と、を比較する比較手段(例えば、図1のパスワード認証部38に相当)と、を備え、前記端末は、数字と、該数字に対応付けられた文字と、を表示するユーザが操作可能な複数の操作手段(例えば、図3の操作ボタン521A〜521Jに相当)と、前記複数の操作手段のうちユーザに操作されたものが表示する数字を前記数字列変換装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とするユーザ認証システムを提案している。
【0021】
この発明によれば、ユーザ認証システムは、数字列変換装置と、この数字列変換装置と通信可能に設けられた端末と、を備える。そして、数字列変換装置では、文字列報知手段により、文字列生成手段により生成された文字列をユーザに報知し、比較手段により、数字列生成手段により生成された数字列と、端末から受信した数字からなる数字列と、を比較する。一方、端末では、ユーザが操作可能な複数の操作手段のそれぞれにより、数字と、この数字に対応付けられた文字と、を表示し、送信手段により、複数の操作手段のうちユーザに操作されたものが表示する数字を数字列変換装置に送信する。
【0022】
このため、ユーザは、パスワードとしての数字列に対応する文字列を認識でき、この文字列を構成する各文字に対応する操作手段を操作することにより、操作した操作手段に表示されている数字を端末から数字列変換装置に送信させて、パスワード認証を行わせることができる。
【0023】
(4)本発明は、数字列を文字列に変換する第1のステップ(例えば、図7のステップS12に相当)と、前記第1のステップにおいて文字列に変換した数字列を複数に分割する第2のステップ(例えば、図7のステップS13に相当)と、前記第1のステップにおいて変換した文字列に応じて、各文字列に優先度を付与する第3のステップ(例えば、図7のステップS15に相当)と、前記第3のステップにおいて付与した優先度に基づいて、前記第2のステップにおいて複数に分割する前の数字列に対応する文字列を生成する第4のステップ(例えば、図7のステップS16に相当)と、を備え、前記第1のステップおよび前記第2のステップを1回以上繰り返すことを特徴とする数字列変換方法を提案している。
【0024】
この発明によれば、数字列を文字列に変換し、文字列に変換した数字列を複数に分割する。そして、変換した文字列に応じて、各文字列に優先度を付与し、付与した優先度に基づいて、複数に分割する前の数字列に対応する文字列を生成する。さらに、上述の変換および分割を1回以上繰り返す。
【0025】
すなわち、数字列を複数に分割し、分割した複数の数字列ごとに文字列に変換する。そして、変換した文字列に優先度を付与し、この優先度に基づいて、複数に分割される前の数字列に対応する文字列を生成する。
【0026】
このため、数字列の桁数が大きくても、この桁数の大きい数字列を桁数の小さい複数の数字列に分割して、桁数の小さい複数の数字列ごとに文字列に変換できるので、桁数の大きい数字列に対応する文字列を、意味の通じる複数の文字列で構成することができる。したがって、桁数の小さい数字列に対応する文字列だけでなく、桁数の大きい数字列に対応する文字列も、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。そして、文字列を、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができるので、この文字列に対応する数字列で構成されるパスワードも、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。これによれば、数字列変換装置を用いたサービスが設定した他のユーザが推測するのが困難なパスワードや、ユーザ自身が設定した他のユーザが推測するのが困難なパスワードを、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。
【0027】
(5)本発明は、(4)の数字列変換方法について、数字列を生成する第5のステップ(例えば、図6のステップS2に相当)を備え、前記第1のステップでは、前記第5のステップにおいて生成した数字列を文字列に変換するとともに、前記第2のステップにおいて分割した複数の数字列のそれぞれを文字列に変換することを特徴とする数字列変換方法を提案している。
【0028】
この発明によれば、数字列を生成し、上述の数字列を文字列に変換するステップでは、生成した数字列を文字列に変換するとともに、分割した複数の数字列のそれぞれを文字列に変換する。
【0029】
このため、ユーザにとって記憶しやすい数字列で構成されるパスワードを生成できる。
【0030】
(6)本発明は、数字列を文字列に変換する第1のステップ(例えば、図7のステップS12に相当)と、前記第1のステップにおいて文字列に変換した数字列を複数に分割する第2のステップ(例えば、図7のステップS13に相当)と、前記第1のステップにおいて変換した文字列に応じて、各文字列に優先度を付与する第3のステップ(例えば、図7のステップS15に相当)と、前記第3のステップにおいて付与した優先度に基づいて、前記第2のステップにおいて複数に分割する前の数字列に対応する文字列を生成する第4のステップ(例えば、図7のステップS16に相当)と、をコンピュータに実行させ、前記第1のステップおよび前記第2のステップを1回以上繰り返させるためのプログラムを提案している。
【0031】
この発明によれば、プログラムをコンピュータに実行させることで、数字列を文字列に変換し、文字列に変換した数字列を複数に分割する。そして、変換した文字列に応じて、各文字列に優先度を付与し、付与した優先度に基づいて、複数に分割する前の数字列に対応する文字列を生成する。さらに、上述の変換および分割を1回以上繰り返す。
【0032】
すなわち、数字列を複数に分割し、分割した複数の数字列ごとに文字列に変換する。そして、変換した文字列に優先度を付与し、この優先度に基づいて、複数に分割される前の数字列に対応する文字列を生成する。
【0033】
このため、数字列の桁数が大きくても、この桁数の大きい数字列を桁数の小さい複数の数字列に分割して、桁数の小さい複数の数字列ごとに文字列に変換できるので、桁数の大きい数字列に対応する文字列を、意味の通じる複数の文字列で構成することができる。したがって、桁数の小さい数字列に対応する文字列だけでなく、桁数の大きい数字列に対応する文字列も、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。そして、文字列を、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができるので、この文字列に対応する数字列で構成されるパスワードも、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。これによれば、数字列変換装置を用いたサービスが設定した他のユーザが推測するのが困難なパスワードや、ユーザ自身が設定した他のユーザが推測するのが困難なパスワードを、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。
【0034】
(7)本発明は、(6)の数字列変換方法について、数字列を生成する第5のステップ(例えば、図6のステップS2に相当)をコンピュータに実行させ、前記第1のステップでは、前記第5のステップにおいて生成した数字列を文字列に変換させるとともに、前記第2のステップにおいて分割した複数の数字列のそれぞれを文字列に変換させるためのプログラムを提案している。
【0035】
この発明によれば、プログラムをコンピュータに実行させることで、数字列を生成し、上述の数字列を文字列に変換するステップでは、生成した数字列を文字列に変換するとともに、分割した複数の数字列のそれぞれを文字列に変換する。
【0036】
このため、ユーザにとって記憶しやすい数字列で構成されるパスワードを生成できる。
【発明の効果】
【0037】
この発明によれば、数字列の桁数が大きくても、この桁数の大きい数字列を桁数の小さい複数の数字列に分割して、桁数の小さい複数の数字列ごとに文字列に変換できるので、桁数の大きい数字列に対応する文字列を、意味の通じる複数の文字列で構成することができる。したがって、桁数の小さい数字列に対応する文字列だけでなく、桁数の大きい数字列に対応する文字列も、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。そして、文字列を、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができるので、この文字列に対応する数字列で構成されるパスワードも、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。これによれば、数字列変換装置を用いたサービスが設定した他のユーザが推測するのが困難なパスワードや、ユーザ自身が設定した他のユーザが推測するのが困難なパスワードを、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0039】
<認証システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る認証システム1の構成を示す図である。認証システム1は、認証装置3と、認証装置3と通信可能に設けられたユーザ端末5と、を備える。
【0040】
図2は、ユーザ端末5の斜視図である。ユーザ端末5は、操作部側筐体52と、連結部51を介して操作部側筐体52に連結された表示部側筐体53と、を備える。表示部側筐体53は、連結部51を回動軸として、操作部側筐体52に対して所定の角度範囲内で回動可能に設けられる。操作部側筐体52には、ユーザが操作可能な15個の操作ボタン521が設けられ、表示部側筐体53には、画像を表示する表示部531が設けられている。
【0041】
図3は、15個の操作ボタン521の正面図である。これら15個の操作ボタン521のうち10個の操作ボタン521A〜521Jは、数字と、この数字に対応付けられた平仮名文字と、をそれぞれ表示する。具体的には、15個の操作ボタン521のうち、第1操作ボタン521Aは、「1」および「あ」を表示し、第2操作ボタン521Bは、「2」および「か」を表示し、第3操作ボタン521Cは、「3」および「さ」を表示する。第4操作ボタン521Dは、「4」および「た」を表示し、第5操作ボタン521Eは、「5」および「な」を表示し、第6操作ボタン521Fは、「6」および「は」を表示する。第7操作ボタン521Gは、「7」および「ま」を表示し、第8操作ボタン521Hは、「8」および「や」を表示し、第9操作ボタン521Iは、「9」および「ら」を表示し、第10操作ボタン521Jは、「0」および「わ」を表示する。
【0042】
以上のユーザ端末5は、認証装置3からパスワードの入力を要求されたタイミングで操作ボタン521A〜521Jのいずれかを操作されると、図示しない送信部により、操作された操作ボタンに表示されている数字を認証装置3に送信する。このため、上述のタイミングでユーザにより操作ボタン521A〜521Jが複数回操作されると、これら操作された操作ボタンに表示されている数字からなる数字列が、ユーザ端末5から認証装置3にパスワードとして送信されることとなる。
【0043】
図1に戻って、認証装置3は、数字列で構成されるパスワードを生成するパスワード生成部31と、数字列を平仮名文字列に変換する際の変換規則を規定した変換規則情報を生成する変換規則情報生成部32と、数字列を平仮名文字列に変換する変換部33と、数字列を複数に分割する数字列分割部34と、平仮名文字列に優先度を付与する優先度付与部35と、パスワードとしての数字列に対応する平仮名文字列を生成する文字列生成部36と、平仮名文字列をユーザに報知する文字列報知部37と、ユーザが入力したパスワードの正当性を判別するパスワード認証部38と、を備える。
【0044】
パスワード生成部31は、N桁(Nは、N≧1を満たす整数)の数字列からなる乱数を生成する乱数生成部311を備えており、この乱数生成部311によりN桁の数字列からなる乱数を生成し、生成したN桁の数字列をパスワードとする。
【0045】
変換規則情報生成部32は、数字と平仮名文字との対応関係を規定した数字平仮名文字対応情報を格納する数字平仮名文字対応情報データベース321と、変換規則情報を生成する変換規則情報生成実行部322と、変換規則情報を格納する変換規則情報データベース323と、を備える。
【0046】
図4は、数字平仮名文字対応情報データベース321に格納される数字平仮名文字対応情報を示す図である。数字平仮名文字対応情報には、数字に平仮名文字が対応付けられている。
【0047】
具体的には、「0」〜「9」の各数字には、子音に応じた平仮名文字が対応付けられている。例えば、数字の「1」には、清音の「あ行」の平仮名文字、すなわち平仮名文字の「あ」、「い」、「う」、「え」、および「お」と、拗音の「ぁ」行の平仮名文字、すなわち平仮名文字の「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、および「ぉ」と、が対応付けられている。また、数字の「4」には、清音の「た行」の平仮名文字、すなわち平仮名文字の「た」、「ち」、「つ」、「て」、および「と」と、濁音の「だ行」の平仮名文字、すなわち平仮名文字の「だ」、「ぢ」、「づ」、「で」、および「ど」と、促音の平仮名文字の「っ」と、が対応付けられている。また、数字の「6」には、清音の「は行」の平仮名文字、すなわち平仮名文字の「は」、「ひ」、「ふ」、「へ」、および「ほ」と、濁音の「ば行」の平仮名文字、すなわち平仮名文字の「ば」、「び」、「ぶ」、「べ」、および「ぼ」と、半濁音の「ぱ行」の平仮名文字、すなわち平仮名文字の「ぱ」、「ぴ」、「ぷ」、「ぺ」、および「ぽ」と、が対応付けられている。
【0048】
以上により、図4の数字平仮名文字対応情報を用いることで、子音による変換方式で数字を平仮名文字に変換できる。
【0049】
図1に戻って、変換規則情報生成実行部322は、数字平仮名文字対応情報データベース321に格納される数字平仮名文字対応情報に基づいて数字列を平仮名文字列に変換し、数字列とこの数字列を変換した平仮名文字列とを対応づけ、変換規則情報として変換規則情報データベース323に格納する。
【0050】
具体的には、変換規則情報生成実行部322は、図4の数字平仮名文字対応情報に基づいて、「0」〜「9999999999」の各数字列を平仮名文字列に変換し、各数字列とこれら各数字列を変換した各平仮名文字列とを対応付け、変換規則情報として変換規則情報データベース323に格納する。
【0051】
例えば、図5に示すように、変換規則情報生成実行部322は、図4の数字平仮名文字対応情報に基づいて、8桁の数字列である「21414111」を、8文字の平仮名文字列「けいでぃでぃあい」に変換する。そして、これら数字列「21414111」と平仮名文字列「けいでぃでぃあい」とを対応付け、変換規則情報として変換規則情報データベース323に格納する。
【0052】
変換部33は、変換規則情報データベース323に格納されている変換規則情報に基づいて、数字列を平仮名文字列に変換する。具体的には、変換部33は、パスワードとしてのN桁の数字列が数字列分割部34により複数に分割される前では、変換規則情報に基づいて、このN桁の数字列をN文字の平仮名文字列に変換する。また、パスワードとしてのN桁の数字列が数字列分割部34により後述の(X+1)個(Xは、X≧1を満たす整数)の{N/(X+1)}桁の数字列に分割された後では、変換規則情報に基づいて、(X+1)個の{N/(X+1)}桁の数字列を{N/(X+1)}文字の平仮名文字列にそれぞれ変換する。
【0053】
例えば、数字列「21414111」と平仮名文字列「けいでぃでぃあい」とを対応付けて変換規則情報として変換規則情報データベース323に格納されている場合には、変換部33は、パスワード生成部31によりパスワードとして数字列「21414111」が生成されると、平仮名文字列「けいでぃでぃあい」に変換する。
【0054】
数字列分割部34は、数字列を複数に等分割する。具体的には、数字列分割部34は、パスワード生成部31により生成されたパスワードとしてのN桁の数字列について、1回目の分割では、2個の(N/2)桁の数字列に分割する。2回目の分割では、3個の(N/3)桁の数字列に分割する。同様に、X回目の分割では、(X+1)個の{N/(X+1)}桁の数字列に分割する。ただし、{N/(X+1)}が整数とならない場合には、分割後の(X+1)個の数字列のそれぞれの桁数が整数となるように、パスワードとしてのN桁の数字列を複数に分割するものとする。
【0055】
優先度付与部35は、日本語の辞書情報を記憶する辞書情報記憶部351と、変換部33により変換された平仮名文字列に応じてパスワードとしてのN桁の数字列に対応するN文字の平仮名文字列に優先度を付与する優先度付与実行部352と、を備える。
【0056】
辞書情報記憶部351は、日本語の辞書情報、具体的には日本語として意味のある平仮名文字列を複数記憶する。
【0057】
優先度付与実行部352は、N文字の平仮名文字列に対して、以下の4つの方法により優先度を付与する。
【0058】
第1の方法では、N文字の平仮名文字列が1個の平仮名文字列である場合を想定する。そして、まず、この1個の平仮名文字列の中に、辞書情報記憶部351に記憶されている平仮名文字列がいくつ含まれているかを計数する。次に、計数した値が大きくなるに従って、この1個の平仮名文字列とみなしたN文字の平仮名文字列に対して、高い優先度を付与する。
【0059】
第2の方法では、パスワードとしてのN桁の数字列が数字列分割部34により(X+1)個の数字列に分割されたことにより、N文字の平仮名文字列が(X+1)個の平仮名文字列に分割されている場合を想定する。そして、まず、これら(X+1)個の平仮名文字列の中に、辞書情報記憶部351に記憶されている平仮名文字列がいくつ含まれているかを計数する。次に、計数した値が大きくなるに従って、これら(X+1)個の平仮名文字列を連結したN文字の平仮名文字列に対して、高い優先度を付与する。
【0060】
第3の方法では、パスワードとしてのN桁の数字列が数字列分割部34により(X+1)個の数字列に分割されたことにより、N文字の平仮名文字列が(X+1)個の平仮名文字列に分割されている場合を想定する。そして、これら(X+1)個の平仮名文字列のそれぞれの親和性を算出し、親和性が高いほど、これら(X+1)個の平仮名文字列を連結したN文字の平仮名文字列に対して、高い優先度を付与する。
【0061】
第4の方法では、パスワードとしてのN桁の数字列が数字列分割部34により(X+1)個の数字列に分割されたことにより、N文字の平仮名文字列が(X+1)個の平仮名文字列に分割されている場合を想定する。そして、これら(X+1)個の平仮名文字列を連結した場合に意味が通じる度合いを算出し、意味の通じる度合いが高いほど、これら(X+1)個の平仮名文字列を連結したN文字の平仮名文字列に対して、高い優先度を付与する。
【0062】
文字列生成部36は、優先度付与部35により付与された優先度に基づいて、パスワードとしてのN桁の数字列に対応するN文字の平仮名文字列を生成する。具体的には、上述の第1〜第4の方法により付与した優先度が最も高いN文字の平仮名文字列を、パスワードとしてのN桁の数字列に対応するN文字の平仮名文字列とする。
【0063】
文字列報知部37は、文字列生成部36により生成されたN文字の平仮名文字列をユーザに報知する。具体的には、文字列報知部37は、文字列生成部36により生成されたN文字の平仮名文字列をユーザ端末5に送信して、このN文字の平仮名文字列をユーザ端末5の表示部531に表示させる。
【0064】
ユーザは、10個の操作ボタン521A〜521Jのうち、表示部531に表示されたN文字の平仮名文字列を構成する各平仮名文字に対応するものをそれぞれ操作することにより、操作した操作ボタンに表示されている数字で構成されるN桁の数字列をユーザ端末5から認証装置3にパスワードとして送信させることができる。
【0065】
例えば、表示部531に平仮名文字列「けいでぃでぃあい」が表示された場合には、ユーザは、まず、「けいでぃでぃあい」の1文字目の「け」と子音が同一である「か」に対応する第2操作ボタン521Bを1度操作する。すると、ユーザ端末5から認証装置3には、第2操作ボタン521Bに表示されている数字「2」が送信される。次に、「けいでぃでぃあい」の2文字目の「い」と子音が同一である「あ」に対応する第1操作ボタン521Aを1度操作する。すると、ユーザ端末5から認証装置3には、第1操作ボタン521Aに表示されている数字「1」が送信される。「けいでぃでぃあい」の3文字目から8文字目についても、1文字目および2文字目と同様にユーザが操作ボタンを操作することにより、ユーザ端末5から認証装置3には、操作された操作ボタンに表示されている数字が送信される。その結果、ユーザが平仮名文字列「けいでぃでぃあい」に対応する操作ボタンを操作すると、ユーザ端末5から認証装置3には、数字列「21414111」が送信されることとなる。
【0066】
パスワード認証部38は、パスワードの入力をユーザに要求した後に、ユーザ端末5から数字列を受信すると、この受信した数字列と、パスワード生成部31により生成された数字列と、を比較する。そして、これら数字列が一致すると判別した場合には、正しいパスワードが入力されたと判別し、これら数字列が一致しないと判別した場合には、誤ったパスワードが入力されたと判別する。
【0067】
<認証装置によるユーザ認証処理>
認証装置3によりユーザ認証を行う手順について、図6および図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0068】
まず、図6のフローチャートを参照して、認証装置3によりユーザ認証を行うためのメイン処理について説明する。
【0069】
ステップS1において、パスワード生成部31により、数字列で構成されるパスワードを既に生成しているか否かを判別する。数字列で構成されるパスワードを既に生成していると判別した場合には、ステップS5に移り、数字列で構成されるパスワードをまだ生成していないと判別した場合には、ステップS2に移る。
【0070】
ステップS2において、パスワード生成部31により、数字列で構成されるパスワードを生成する。
【0071】
ステップS3において、後に図7を用いて詳述する平仮名文字列生成処理を行う。
【0072】
ステップS4において、文字列報知部37により、ステップS2において生成したパスワードとしての数字列に対応する平仮名文字列をユーザに報知する。
【0073】
ステップS5において、パスワード認証部38により、パスワードとしての数字列をユーザ端末5から受信したか否かを判別する。パスワードとしての数字列をユーザ端末5から受信したと判別した場合には、ステップS6に移り、パスワードとしての数字列をユーザ端末5からまだ受信していないと判別した場合には、ステップS5を繰り返す。
【0074】
ステップS6において、パスワード認証部38により、パスワードとしてユーザ端末5から受信した数字列と、パスワードとしてステップS1において生成した数字列と、を比較し、ユーザがユーザ端末5を用いて入力したパスワードの正誤を判別する。
【0075】
次に、図7のフローチャートを参照して、認証装置3による平仮名文字列生成処理について説明する。
【0076】
ステップS11において、変換規則情報生成部32により、数字列を平仮名文字列に変換する際の変換規則を規定した変換規則情報を生成する。
【0077】
ステップS12において、変換部33により、ステップS11において生成した変換規則情報に基づいて、数字列を平仮名文字列に変換する。なお、この処理において平仮名文字列に変換する数字列とは、この処理を行うのが1回目の場合には、ステップS2において生成したパスワードとしての数字列のことであり、この処理を行うのが2回目以降の場合には、後述のステップS13において複数に分割した数字列のそれぞれのことである。
【0078】
ステップS13において、数字列分割部34により、ステップS2において生成したパスワードとしての数字列を複数に分割する。この処理によれば、この処理を行うのがX回目の場合には、上述のように、パスワードとしてのN桁の数字列が(X+1)個の{N/(X+1)}桁の数字列に分割される。
【0079】
ステップS14において、優先度付与部35により、ステップS12における変換と、ステップS13における分割と、を所定回数行ったか否かを判別する。所定回数行ったと判別した場合には、ステップS15に移り、まだ所定回数行っていないと判別した場合には、ステップS12に移る。
【0080】
ステップS15において、優先度付与部35により、ステップS12において変換した複数の平仮名文字列に基づいて、平仮名文字列に優先度を付与する。
【0081】
ステップS16において、文字列生成部36により、ステップS15において付与した優先度に基づいて、パスワードとしての数字列に対応する平仮名文字列を生成する。
【0082】
以上の認証装置3によれば、パスワードとしての数字列を生成し、生成した数字列を複数に分割し、分割した複数の数字列ごとに平仮名文字列に変換する。そして、変換した平仮名文字列に優先度を付与し、この優先度に基づいて、パスワードとしての数字列に対応する平仮名文字列を生成する。
【0083】
このため、数字列の桁数が大きくても、この桁数の大きい数字列を桁数の小さい複数の数字列に分割して、桁数の小さい複数の数字列ごとに平仮名文字列に変換できるので、桁数の大きい数字列に対応する平仮名文字列を、意味の通じる複数の平仮名文字列で構成することができる。したがって、桁数の小さい数字列に対応する平仮名文字列だけでなく、桁数の大きい数字列に対応する平仮名文字列も、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。そして、平仮名文字列を、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができるので、この平仮名文字列に対応する数字列で構成されるパスワードも、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。これによれば、認証装置3が生成した他のユーザが推測するのが困難なパスワードを、ユーザにとって記憶しやすいものにすることができる。
【0084】
また、以上の認証装置3によれば、ユーザにとって記憶しやすい数字列で構成されるパスワードを生成できる。
【0085】
また、以上の認証装置3およびユーザ端末5を備える認証システム1によれば、認証装置3で生成されたパスワードとしての数字列に対応する平仮名文字列は、ユーザ端末5の表示部531に表示される。また、ユーザ端末5には、数字と、この数字に対応付けられた平仮名文字と、をそれぞれ表示する10個の操作ボタン521A〜521Jが設けられている。このため、ユーザは、表示部531により、パスワードとしての数字列に対応する平仮名文字列を認識でき、この平仮名文字列を構成する各平仮名文字列に対応する操作ボタンを操作することにより、操作した操作ボタンに表示されている数字で構成される数字列をユーザ端末5から認証装置3にパスワードとして送信させて、パスワード認証を行わせることができる。
【0086】
なお、上述の認証装置3の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体にプログラムとして記録し、これをコンピュータシステムを構成する認証装置3に読み込ませ、実行することによって本発明を実現できる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置などのハードウェアを含む。
【0087】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上述のプログラムは、このプログラムを記憶装置などに格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネットなどのネットワーク(通信網)や電話回線などの通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0088】
また、上述のプログラムは、上述の機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述の機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0089】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。
【0090】
例えば、上述の実施形態では、10個の操作ボタン521A〜521Jのそれぞれは、数字と、この数字に対応付けられた平仮名文字と、を表示するものとしたが、これに限らない。例えば、数字と、この数字に対応付けられたアルファベットと、を表示するものとしてもよい。
【0091】
また、上述の実施形態では、図4に示した数字平仮名文字対応情報を用いることで、子音による変換方式で数字を平仮名文字に変換することとしたが、これに限らない。例えば、図8に示す数字平仮名文字対応情報を用いることで、子音および母音による変換方式で2桁の数字列を平仮名文字に変換することとしたり、図9に示す数字アルファベット対応情報を用いることで、数字をアルファベットに変換することとしたりしてもよい。
【0092】
図8の数字平仮名文字対応情報には、2桁の数字列に対して平仮名文字が対応付けられている。
【0093】
具体的には、2桁の数字列のうち2桁目の数字には、子音が対応付けられている。例えば、数字の「1」には子音の「あ行」、数字の「2」には子音の「か行」、数字の「3」には子音の「さ行」が対応付けられている。一方、2桁の数字列のうち1桁目の数字には、母音が対応付けられている。例えば、数字の「1」には母音の「あ」、数字の「2」には母音の「い」、数字の「3」には母音の「う」が対応付けられている。以上によれば、例えば、2桁の数字列の「11」には、平仮名文字の「あ」が対応付けられ、2桁の数字列の「22」には、平仮名文字の「き」が対応付けられることとなる。
【0094】
以上より、図8の数字平仮名文字対応情報を用いることで、子音および母音による変換方式で2桁の数字列を平仮名文字に変換でき、パスワードとしての数字列に対応する平仮名文字列を生成できる。
【0095】
図9の数字アルファベット対応情報には、数字にアルファベットが対応付けられている。
【0096】
具体的には、「2」〜「9」の各数字には、アルファベットが対応付けられている。例えば、数字の「2」にはアルファベットの「A」、「B」、および「C」が対応付けられ、数字の「3」にはアルファベットの「D」、「E」、および「F」が対応付けられている。
【0097】
以上より、図9の数字アルファベット対応情報を用いることで、数字をアルファベットに変換でき、パスワードとしての数字列に対応するアルファベット列を生成できる。
【0098】
また、上述の実施形態では、変換規則情報として変換規則情報データベース323に格納されている数字列と、変換部33により平仮名文字列に変換する数字列と、が完全一致する場合に、変換部33により、変換規則情報として変換規則情報データベース323に格納されている平仮名文字列に数字列を変換することとしたが、これに限らない。
【0099】
例えば、変換部33により平仮名文字列に変換する数字列が、変換規則情報として変換規則情報データベース323に格納されている数字列と前方一致する場合にも、変換部33により、変換規則情報として変換規則情報データベース323に格納されている平仮名文字列に数字列を変換することとしてもよい。
【0100】
具体的には、例えば、変換規則情報として変換規則情報データベース323に数字列「21414111」が格納されており、変換部33により数字列「2141」を平仮名文字列に変換する場合について説明する。この場合、変換部33により平仮名文字列に変換する数字列「2141」は、変換規則情報として変換規則情報データベース323に格納されている数字列「21414111」と前方一致する。このため、変換部33は、数字列「2141」を、数字列「21414111」と同様に、平仮名文字列「けいでぃでぃあい」に変換することとしてもよい。
【0101】
また、上述の実施形態では、数字列分割部34は、数字列を複数に等分割するものとしたが、これに限らない。
【0102】
例えば、分割した複数の数字列を平仮名文字列にそれぞれ変換した場合に各平仮名文字列の意味が通じるように、数字列を複数に分割してもよい。この場合、数字列分割部34により分割した後の複数の数字列に対応する複数の平仮名文字列が、辞書情報記憶部351に記憶されている日本語として意味のある平仮名文字列と前方一致するように、数字列を複数に分割するものとしてもよい。これによれば、パスワードとしての数字列を、より意味の通じやすい平仮名文字列に変換できる場合がある。
【0103】
また、例えば、形態素解析を用いて、数字列を分割したものを平仮名文字列に変換した場合にこれら平仮名文字列が文法的に正しくなるように、数字列を複数に分割するものとしてもよい。これによれば、パスワードとしての数字列を、文法的に正しい平仮名文字列に変換できる場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一実施形態に係る認証システムの構成を示す図である。
【図2】前記認証システムに設けられるユーザ端末の斜視図である。
【図3】前記ユーザ端末が備える複数の操作ボタンの正面図である。
【図4】前記認証システムに設けられる認証装置の数字平仮名文字対応情報データベースに格納される数字平仮名文字対応情報を示す図である。
【図5】前記数字平仮名文字対応情報を用いて数字列を平仮名文字列に変換する方法を説明するための図である。
【図6】前記認証装置によりユーザ認証を行うためのメイン処理のフローチャートである。
【図7】前記認証装置による平仮名文字列生成処理のフローチャートである。
【図8】本発明の変形例に係る数字平仮名文字対応情報を示す図である。
【図9】本発明の変形例に係る数字アルファベット対応情報を示す図である。
【符号の説明】
【0105】
1・・・認証システム
3・・・認証装置
5・・・ユーザ端末
31・・・パスワード生成部
32・・・変換規則情報生成部
33・・・変換部
34・・・数字列分割部
35・・・優先度付与部
36・・・文字列生成部
37・・・文字列報知部
38・・・パスワード認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
数字列を文字列に変換する変換手段と、
前記変換手段により文字列に変換された数字列を複数に分割する数字列分割手段と、
前記変換手段により変換された文字列に応じて、各文字列に優先度を付与する優先度付与手段と、
前記優先度付与手段により付与された優先度に基づいて、前記数字列分割手段により複数に分割される前の数字列に対応する文字列を生成する文字列生成手段と、
を備え、
前記変換手段による変換と、前記数字列分割手段による分割と、を1回以上繰り返すことを特徴とする数字列変換装置。
【請求項2】
数字列を生成する数字列生成手段を備え、
前記変換手段は、前記数字列生成手段により生成された数字列を文字列に変換するとともに、前記数字列分割手段により分割された複数の数字列のそれぞれを文字列に変換することを特徴とする請求項1に記載の数字列変換装置。
【請求項3】
請求項2に記載の数字列変換装置と、
前記数字列変換装置と通信可能に設けられた端末と、
を備えるユーザ認証システムであって、
前記端末は、
数字と、該数字に対応付けられた文字と、を表示するユーザが操作可能な複数の操作手段と、
前記複数の操作手段のうちユーザに操作されたものが表示する数字を前記数字列変換装置に送信する送信手段と、を備え、
前記数字列変換装置は、
前記文字列生成手段により生成された文字列をユーザに報知する文字列報知手段と、
前記数字列生成手段により生成された数字列と、前記端末から受信した数字からなる数字列と、を比較する比較手段と、
を備えることを特徴とするユーザ認証システム。
【請求項4】
数字列を文字列に変換する第1のステップと、
前記第1のステップにおいて文字列に変換した数字列を複数に分割する第2のステップと、
前記第1のステップにおいて変換した文字列に応じて、各文字列に優先度を付与する第3のステップと、
前記第3のステップにおいて付与した優先度に基づいて、前記第2のステップにおいて複数に分割する前の数字列に対応する文字列を生成する第4のステップと、を備え、
前記第1のステップおよび前記第2のステップを1回以上繰り返すことを特徴とする数字列変換方法。
【請求項5】
数字列を生成する第5のステップを備え、
前記第1のステップでは、前記第5のステップにおいて生成した数字列を文字列に変換するとともに、前記第2のステップにおいて分割した複数の数字列のそれぞれを文字列に変換することを特徴とする請求項4に記載の数字列変換方法。
【請求項6】
数字列を文字列に変換する第1のステップと、
前記第1のステップにおいて文字列に変換した数字列を複数に分割する第2のステップと、
前記第1のステップにおいて変換した文字列に応じて、各文字列に優先度を付与する第3のステップと、
前記第3のステップにおいて付与した優先度に基づいて、前記第2のステップにおいて複数に分割する前の数字列に対応する文字列を生成する第4のステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記第1のステップおよび前記第2のステップを1回以上繰り返させるためのプログラム。
【請求項7】
数字列を生成する第5のステップをコンピュータに実行させ、
前記第1のステップでは、前記第5のステップにおいて生成した数字列を文字列に変換させるとともに、前記第2のステップにおいて分割した複数の数字列のそれぞれを文字列に変換させるための請求項6に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−102637(P2010−102637A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275607(P2008−275607)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】