説明

文書処理装置

【課題】 処理に時間がかかる場合でも、他のユーザの出力結果と間違えることなく、自分の処理結果を得ることができる文書処理装置を提供すること。
【解決手段】 本発明は、入力文書を読み取り原文画像データを生成する画像読み取り手段と、前記画像読み取り手段により生成された原文画像データに処理を行い処理文書データを生成する文書処理手段と、前記原文画像データに基づいて、前記処理手段による処理に要する処理予測時間、または処理が終了する処理終了予想時刻を算出する処理時間予測手段と、前記処理時間予測手段により算出された処理予測時間または処理終了予想時刻を通知する処理予測時間通知手段と、前記文書処理手段により生成された処理文書データを出力する出力手段とを有する文書処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、翻訳装置において翻訳に要する時間をユーザに通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のグローバルな情報流通、経済活動など、国境を越えた活動の広がりにより、ある言語(例えば、英語)から別の言語(例えば、日本語)への翻訳の需要が高まっている。しかし、翻訳を業者(翻訳者)に依頼すると、一般に価格が高く、また時間もかかるため、コンピュータなどの機械を用いて自動的に翻訳する自動翻訳(機械翻訳)装置の需要が高まっている。特に、翻訳元の文書(原稿)が紙文書で提供された場合に、紙文書を光学的に読み取って電子化し、自動翻訳を行う装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−006948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、翻訳処理は画像読み取りや複写と比較して処理に時間がかかることが多い。したがって原稿を読み取ってから翻訳結果が出力されるまでに相当の時間がかかる場合がある。特に複合機に翻訳機能を持たせて翻訳機として使用する場合、複数のユーザがその翻訳機(複合機)を使用するため、どの出力結果がどのユーザのものであるか判別するのは困難であるという問題があった。特許文献1に記載の技術は、上述のように翻訳に時間がかかる場合についてまったく想定していなかった。
【0004】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、翻訳等の処理に時間がかかる場合でも、他のユーザの出力結果と間違えることなく、自分の処理結果を得ることができる文書処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明は、入力文書を読み取り原文画像データを生成する画像読み取り手段と、前記画像読み取り手段により生成された原文画像データに処理を行い処理文書データを生成する文書処理手段と、前記処理手段による処理に要する処理予測時間、またはその処理が終了する処理終了予想時刻を、前記原文画像データに基づいて算出する処理時間予測手段と、前記処理時間予測手段により算出された処理予測時間または処理終了予想時刻を通知する処理予測時間通知手段と、前記文書処理手段により生成された処理文書データを出力する出力手段とを有する文書処理装置を提供する。
好ましい態様において、前記処理が翻訳であってもよい。
この文書処理装置によれば、処理に時間がかかる場合でも、処理にかかる時間あるいは処理が完了する時刻を知ることができるので、ユーザは他のユーザの出力結果と間違えることなく、自分の処理結果を得ることができる。
【0006】
別の好ましい態様において、この文書処理装置は、前記処理文書データの出力態様を決定する出力態様決定手段をさらに有し、前記出力手段が、前記出力態様決定手段により決定された態様で処理文書データを出力してもよい。
【0007】
さらに別の好ましい態様において、この文書処理装置は、前記処理時間予測手段が、前記入力文書のページ数、文字数、文字枠の数のうち少なくとも1のパラメータに基づいて処理予測時間を算出してもよい。
さらに別の好ましい態様において、この文書処理装置は、翻訳元言語、翻訳先言語、翻訳レベルのうち少なくとも1のパラメータを入力する指示入力手段をさらに有し、前記処理時間予測手段が、前記指示入力手段により入力された少なくとも1のパラメータに基づいて処理予測時間を算出してもよい。
これら2つの態様において、この文書処理装置は、前記少なくとも1のパラメータと処理予想時間との関係を記述した関数あるいはテーブルを記憶した記憶手段をさらに有し、前記処理時間予測手段が、前記少なくとも1のパラメータと前記記憶手段に記憶された関数あるいはテーブルに基づいて処理予測時間を算出してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機100の機能構成を示すブロック図である。画像読み取り部10は、原稿(紙文書)の画像を読み取り、画像データを生成する。翻訳部20は、画像データに対し文字認識処理を行い、原文テキストデータを生成する。翻訳部20はさらに、生成した原文テキストデータに対し翻訳処理を行い、翻訳文テキストデータを生成する。翻訳時間予測部30は、翻訳部20における翻訳処理に要する時間を予測する。翻訳時間通知部40は、翻訳時間予測部30による予測結果をユーザに通知する。翻訳結果出力方法決定部50は、ユーザの操作入力等に従って翻訳結果の出力方法を決定する。翻訳結果出力部60は、翻訳結果出力方法決定部50により決定された方法で翻訳結果を出力する。
【0009】
図2は、複合機100のハードウェア構成を示す図である。複合機100は主に、CPU(Central Processing Unit)110等からなる制御系、原稿の画像を読み取る画像読み取り系160、用紙(記録材)上に画像形成を行う画像形成系170から構成される。CPU110は、記憶部120に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより、複合機100の各構成要素を制御する機能を有する。記憶部120は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等から構成され、制御プログラムや翻訳プログラム等の各種プログラムおよび、画像データやテキストデータ等の各種データを記憶する。表示部130および操作部140は、ユーザインターフェースである。表示部130は、例えば液晶ディスプレイで構成され、CPU110からの制御信号に従ってユーザへのメッセージや作業状況を示す画像などを表示する。操作部140は、テンキー、スタートボタン、ストップボタン、液晶ディスプレイ上に設置されたタッチパネル等で構成され、ユーザの操作入力およびその時の表示画面に応じた信号を出力する。ユーザは表示部130に表示された画像やメッセージを見ながら操作部140を操作することにより、複合機100に対して指示入力を行うことができる。
【0010】
I/F150は、他の装置との間で制御信号やデータの送受信を行うためのインターフェースである。I/F150を介して、例えば公衆電話回線に接続することにより、複合機100はFAXの送受信を行うことができる。あるいは、I/F150を介してインターネット等のネットワークに接続することにより、複合機100は電子メールメッセージの送受信を行うこともできる。あるいは、ネットワークを介して接続されたコンピュータ装置から画像データを受信し、用紙に画像形成を行うことでプリンタとして機能する。
【0011】
画像読み取り系160は、原稿を読み取り位置まで搬送する原稿搬送部161と、読み取り位置にある原稿を読み取りアナログ画像信号を生成する画像読み取り部162と、アナログ画像信号をデジタル画像データに変換し、必要な画像処理を行う画像処理部163とを有する。原稿搬送部161は、例えばADF(Automatic Document Feeder)等の原稿搬送装置である。画像読み取り部162は、原稿を載置するプラテンガラス、光源やCCD(Charge Coupled Device)センサ等の光デバイス、レンズやミラー等の光学系を有する(いずれも図示略)。画像処理部163は、デジタル/アナログ変換を行うA/D変換回路や、シェーディング補正や色空間変換等の処理を行う画像処理回路を有する(いずれも図示略)。
【0012】
画像形成系170は、用紙を画像形成位置まで搬送する用紙搬送部171と、搬送された用紙上に画像形成を行う画像形成部172とを有する。用紙搬送部171は、用紙を収納する用紙トレイ、用紙トレイから用紙を1枚ずつ所定の位置まで搬送する搬送ローラ等を有する(いずれも図示略)。画像形成部172は、例えばYMCK各色のトナー像が作像される感光体ドラム、感光体ドラムを帯電させる帯電器、帯電した感光体ドラムに静電画像を形成する露光装置、感光体ドラムにYMCK各色のトナー像を形成する現像器等を有する(いずれも図示略)。
【0013】
以上の各構成要素は、バス190で相互に接続されている。例えば、画像読み取り系160で原稿から画像データを生成し、生成した画像データに従って画像形成系170で用紙上に画像形成を行うと、複合機100は複写機として機能する。画像読み取り系160で原稿から画像データを生成し、生成した画像データをI/F150を介して他の装置に出力すると、複合機100はスキャナとして機能する。I/F150を介して受信した画像データに従って、画像形成系170で用紙上に画像形成を行うと、複合機100はプリンタとして機能する。画像読み取り系160で原稿からFAXデータを生成し、生成したFAXデータをI/F150および公衆電話回線を介してFAX受信装置に送信すると、複合機100はFAX送信機として機能する。あるいは、画像読み取り系160で原稿から画像データを生成し、さらに、文字認識処理により画像データからテキストデータを生成し、翻訳プログラムを実行することによりテキストデータの翻訳文を生成すると、複合機100はスキャン翻訳機として機能する。なお、図示は省略したが、複合機100には、I/F150を介して複数のコンピュータ装置が接続されている。これらの複数のコンピュータ装置のユーザは、自分のコンピュータ装置を介して複合機100との間でデータを送受信することにより、複合機100をプリンタ、FAX送受信機等として使用することができる。あるいは、複合機100に直接原稿をセットすることにより、複合機100を複写機、FAX送受信機等として使用することができる。
【0014】
図3は、複合機100の動作を示すフローチャートである。電源(図示略)を投入すると、CPU110は記憶部120から制御プログラムを読み出して実行する。制御プログラムを実行することにより、複合機100は図1に示される各機能を具備する。制御プログラムを実行すると、CPU110は表示部130を制御してメニュー画面を表示させる。このとき、複合機100はユーザの操作入力待ち状態となる。
【0015】
ユーザは、まず、翻訳指示を入力する(ステップS110)。具体的には次のとおりである。ユーザは、翻訳処理の対象となる原稿をADFあるいはプラテンガラスにセットする。ユーザは表示部130に表示されるメニュー画面を見ながら操作部140を操作することにより、複合機100に翻訳指示を入力する。翻訳指示は、翻訳元の言語、翻訳先の言語、翻訳レベルなど、処理に必要なパラメータを含んでいる。
【0016】
翻訳指示が入力されると、複合機100は原稿の画像読み取りを行う(ステップS120)。すなわち、CPU110は、画像読み取り系160を制御して原稿の画像を読み取り、原文画像データを生成する。CPU110は、生成された原文画像データを記憶部120に記憶する。次に、CPU110は、原文画像データに対し文字認識処理を行い、原文テキストデータを生成する。CPU110は、生成された原文テキストデータを記憶部120に記憶する。
【0017】
次に、CPU110は、翻訳に要する時間の予測をする(ステップS130)。翻訳時間の予測は例えば次のように行われる。CPU110はまず、原文画像データ、原文テキストデータ、および翻訳指示から翻訳処理に係るパラメータを抽出する。抽出されるパラメータは例えば、原稿のページ数P、文字数M、翻訳元言語Go、翻訳先言語Gt、翻訳レベルL、文字枠の数Wである。CPU110は、これらのパラメータを用いて翻訳予測時間tを次式のように算出する。
t=f(MまたはP)×g(Go)×h(Gt)×j(L)×k(W) …(1)
ここで、f、g、h、j、k、kはそれぞれMまたはP、Go、Gt、L、Wの関数である。記憶部120は、これらの関数をあらかじめ記憶している。
【0018】
f(MまたはP)は、ページ数Pあるいは文字数Mに対し標準的な翻訳時間を出力する関数である。g(Go)は、例えば、f(英語)=1、f(中国語)=3、f(アラビア語)=10のように、翻訳元言語に応じて重み付けを行うための関数である。h(Gt)も同様である。
【0019】
j(L)は例えば、j(1)=1、j(2)=10、j(3)=100のように、要求される翻訳レベルに応じて重み付けを行うための関数である。ここで、翻訳レベルLは数値が大きいほど高度な翻訳を要求するものである。翻訳レベルLはユーザが翻訳指示を入力する際にユーザにより指定される。例えば、翻訳レベルL=1は「意味が通ればよい」、L=2は「契約書で用いる」、L=3は「小説の翻訳」のように、レベルの内容を解説する文言と対応付けて記憶部120に記憶されている。ユーザが翻訳レベルを指定する際には、選択した翻訳レベルに応じてこれらの文言が表示部130に表示される。k(W)は例えば、k(W)=W2のように、文字枠の数により重み付けを行うための関数である。
【0020】
なお、翻訳予測時間tを算出する際には、式(1)に示されるパラメータあるいは関数の全てを用いず、一部のみを用いてもよい。また、上述の関数の代わりに、パラメータの値と重み付け係数とを対応付けたテーブルを記憶部120に記憶しておき、このテーブルを参照することにより重み付け係数を求めてもよい。
CPU110は、上述のように算出した翻訳予測時間tを記憶部120に記憶する。
【0021】
次に、CPU110は、算出された翻訳予測時間tをユーザに通知する(ステップS140)。さらに、CPU110は、翻訳結果を出力する方法を決定する(ステップS150)。これらの処理は、例えば次のように行われる。記憶部120は、翻訳予測時間tのしきい値tthをあらかじめ記憶している。しきい値tthは、翻訳時間が十分短いと判断できる程度の値である。CPU110は、算出された翻訳予測時間tとしきい値tthの大小関係を判断する。翻訳予測時間tがt<tthを満足する場合、CPU110は翻訳がすぐに完了すると判断して、その旨を示すメッセージを表示部130に表示させる。図4は、この場合に表示部130に表示されるメッセージを示す図である。
【0022】
翻訳がすぐに完了しない場合、すなわちt≧tthを満足する場合、CPU110は、翻訳終了予定時刻を算出する。複合機100は計時機能を有しており、CPU110は計時機能に基づいて現在時刻を得ることができる。CPU110は、現在時刻に翻訳予測時間tを加算することにより翻訳終了予定時刻を算出する。CPU110は、算出した翻訳終了予定時刻を記憶部120に記憶する。さらに、CPU110は、翻訳結果を出力する方法を決定する。翻訳結果の出力方法は、例えば、ユーザが翻訳指示を入力する際にユーザにより入力される。CPU110は、翻訳終了予定時刻および翻訳結果の出力方法をユーザに通知するメッセージを表示部130に表示させる。図5は、表示部130に表示されるメッセージを示す図である。ここでは、ユーザは翻訳結果を用紙に印刷し、トレイ番号3のトレイに排出するように指示しており、その旨を示すフラグが記憶部120に記憶されている。フラグは出力方法(例えば「印刷」)と、それに付帯する情報(例えば「排出トレイ3番」)とを含んでいる。なお、図5に示されるメッセージを表示部130に表示する代わりに、このメッセージを印刷した用紙を出力してもよい。
【0023】
翻訳がすぐに完了しない場合、別の態様として、翻訳終了予定時刻をユーザに通知すると同時に、翻訳結果の出力方法の決定を促すメッセージを表示部130に表示してもよい。図6は、この場合に表示部130に表示されるメッセージを示す図である。翻訳終了予定時刻を示すメッセージの下に、「トレイ」、「親展ボックス」、「電子メール」という文字が書かれたボタンが表示される。ユーザは、操作部140のタッチパネルを操作することにより、出力方法を指定する。CPU110は、指定された出力方法を示すフラグを記憶部120に記憶する。ここで、「トレイ」は、翻訳結果を用紙に印刷して特定のトレイに排出することを意味する。「親展ボックス」は、翻訳文テキストデータを記憶部120のうちある特定の領域に記憶し、複合機100に接続されたコンピュータ装置から特定のID番号を入力することによりその特定領域へのアクセスを許可し、翻訳文テキストデータをコンピュータ装置に出力することを意味する。「電子メール」は、翻訳文テキストデータを電子メールメッセージとしてインターネット等のネットワークを介して他のコンピュータ装置に送信することを意味する。
【0024】
図7は、ユーザにより「親展ボックス」が指定されたときに表示部130に表示されるメッセージを示す図である。CPU110は親展ボックスにアクセスするためのID番号を生成する。CPU110は、生成したID番号を翻訳文テキストデータと対応付けて記憶部120に記憶する。CPU110は、ID番号をユーザに通知するメッセージを表示部130に表示させる。CPU110は、ID番号が他のユーザに知られないように、ID番号表示を終了させるようユーザに促すメッセージを表示部130に表示させる。ユーザが「終了」ボタンを押すと、CPU110は表示画面を更新し、ID番号の表示を終了する。
【0025】
翻訳がすぐに完了しない場合、さらに別の態様として、翻訳が完了した時点でその旨を通知あるいは翻訳結果を出力することとしてもよい。
図8は、この態様において表示部130に表示されるメッセージを示す図である。例えば、翻訳が終了した旨を通知する場合、CPU110は、ユーザにその旨を通知する方法の選択を促すメッセージを表示部130に表示させる(図8(a))。ユーザが「FAX」を選択すると、CPU110はその旨を示すフラグを記憶部120に記憶する。ユーザが「FAX」を選択すると、CPU110は、さらにユーザに送信先のFAX番号の入力を促すメッセージを表示部130に表示させる。CPU110は、入力されたFAX番号を先に述べたフラグと対応付けて記憶部120に記憶する。その後、翻訳が完了した時点で、CPU110はフラグの有無を判断する。FAX送信を示すフラグが記憶部120に記憶されている場合、CPU110は、記憶部120からさらにそのフラグに対応付けて記憶されているFAX番号を読み出す。CPU110は、読み出したFAX番号を宛先として、「翻訳が完了しました」等、翻訳完了を示すメッセージをFAX送信する。
【0026】
翻訳が終了した旨を通知する代わりに、翻訳結果を直接送信してもよい。先の説明と同様に、CPU110は、ユーザに翻訳結果受け取り手段の選択を促すメッセージを表示部130に表示させる(図8(b))。CPU110は、翻訳完了を示すメッセージの変わりに、翻訳文テキストデータから翻訳文の画像データを生成し、FAX送信する。ユーザは、自宅やオフィスで翻訳結果を受信することができる。
【0027】
再び図3を参照して説明する。CPU110は、翻訳を行い、指定された方法で翻訳結果の出力を行う(ステップS160)。具体的には次のとおりである。CPU110は、翻訳プログラムを記憶部120から読み出して実行する。翻訳プログラムを実行すると、CPU110は、原文テキストデータをユーザに指定された翻訳先言語に翻訳し、翻訳文テキストデータを生成する。CPU110は、生成した翻訳文テキストデータを記憶部120に記憶する。翻訳が完了すると、CPU110は、記憶部120に記憶されたフラグを参照して翻訳結果の出力方法を判断する。例えば、フラグが印刷を示す場合、CPU110は、翻訳文テキストデータから翻訳文画像データを生成する。CPU110は、翻訳文画像データに従って画像形成系170を制御し、用紙に翻訳文を印刷する。画像形成系170は、印刷した文書をフラグにより示されるトレイから排出させる。あるいは、フラグがFAX送信を示す場合、CPU110は、フラグに示されるFAX番号に翻訳文画像データをFAX送信する。フラグが電子メール送信を示す場合、CPU110は、翻訳文テキストデータをフラグに示される電子メールアドレスに送信する。ユーザは、図3のステップS140において指定された時刻に、複合機100の設置場所に行って、あるいはFAX受信機の設置場所に行って、あるいは電子メールメッセージを開封して、翻訳結果を受け取ればよい。
【0028】
以上で説明したように本発明によれば、翻訳に時間がかかる場合でも、他のユーザの出力結果と間違えることはなく、ユーザは正しい翻訳結果を得ることができる。
なお、上述の実施形態においては複合機100が翻訳処理を行う態様について説明したが、文書の処理は翻訳に限らず、例えば文書の校正であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】一実施形態に係る複合機100の機能構成を示すブロック図である。
【図2】複合機100のハードウェア構成を示す図である。
【図3】複合機100の動作を示すフローチャートである。
【図4】表示部130に表示されるメッセージを示す図である。
【図5】表示部130に表示されるメッセージを示す図である。
【図6】表示部130に表示されるメッセージを示す図である。
【図7】表示部130に表示されるメッセージを示す図である。
【図8】表示部130に表示されるメッセージを示す図である。
【符号の説明】
【0030】
10…画像読み取り部、20…翻訳部、30…翻訳時間予測部、40…翻訳時間通知部、50…翻訳結果出力方法決定部、60…翻訳結果出力部、100…複合機、110…CPU、120…記憶部、130…表示部、140…操作部、150…I/F、160…画像読み取り系、161…原稿搬送部、162…画像読み取り部、163…画像処理部、170…画像形成系、171…用紙搬送部、172…画像形成部、190…バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力文書を読み取り原文画像データを生成する画像読み取り手段と、
前記画像読み取り手段により生成された原文画像データに処理を行い処理文書データを生成する文書処理手段と、
前記処理手段による処理に要する処理予測時間、またはその処理が終了する処理終了予想時刻を、前記原文画像データに基づいて算出する処理時間予測手段と、
前記処理時間予測手段により算出された処理予測時間または処理終了予想時刻を通知する処理予測時間通知手段と、
前記文書処理手段により生成された処理文書データを出力する出力手段と
を有する文書処理装置。
【請求項2】
前記処理が翻訳である請求項1に記載の文書処理装置。
【請求項3】
前記処理文書データの出力態様を決定する出力態様決定手段をさらに有し、
前記出力手段が、前記出力態様決定手段により決定された態様で処理文書データを出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置。
【請求項4】
前記処理時間予測手段が、前記入力文書のページ数、文字数、文字枠の数のうち少なくとも1のパラメータに基づいて処理予測時間または処理終了予想時刻を算出することを特徴とする請求項1に記載の文書処理装置。
【請求項5】
翻訳元言語、翻訳先言語、翻訳レベルのうち少なくとも1のパラメータを入力する指示入力手段をさらに有し、
前記処理時間予測手段が、前記指示入力手段により入力された少なくとも1のパラメータに基づいて処理予測時間または処理終了予想時刻を算出することを特徴とする請求項2に記載の文書処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも1のパラメータと処理予想時間との関係を記述した関数あるいはテーブルを記憶した記憶手段をさらに有し、
前記処理時間予測手段が、前記少なくとも1のパラメータと前記記憶手段に記憶された関数あるいはテーブルに基づいて処理予測時間または処理終了予想時刻を算出することを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の文書処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−260260(P2006−260260A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−77761(P2005−77761)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】