文書管理システム、画像形成装置、媒体識別装置およびプログラム
【課題】所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制する。
【解決手段】金属線が埋め込まれた印刷用紙の金属線を検知する検知アンテナと、検知アンテナと印刷用紙とを相対移動させることにより検知アンテナにて検知された金属線の分布に基づいて、印刷用紙の識別情報を生成し、生成された識別情報と、画像形成装置4にて文書画像が形成された印刷用紙を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する識別情報サーバ3を備えている。
【解決手段】金属線が埋め込まれた印刷用紙の金属線を検知する検知アンテナと、検知アンテナと印刷用紙とを相対移動させることにより検知アンテナにて検知された金属線の分布に基づいて、印刷用紙の識別情報を生成し、生成された識別情報と、画像形成装置4にて文書画像が形成された印刷用紙を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する識別情報サーバ3を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
文書が印刷された紙等の媒体を管理する文書管理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
機密性の高い情報の漏洩を抑制する紙文書等の管理方法として、例えば、特許文献1には、文字位置をシフトして文字の前後の空白長を変化させることにより情報を埋め込む方法が記載されている。また、特許文献2には、文字パターンのサイズやフォント種別など、文字パターンの形状を変更することで情報を埋め込む方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−230001号公報(第5−7頁)
【特許文献2】特開2001−251490号公報(第4−6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の文書管理システムは、金属線が埋め込まれた媒体の金属線を検知する検知手段と、検知手段と媒体とを相対移動させることにより検知手段にて検知された金属線の分布に基づいて、媒体の識別情報を生成する識別情報生成手段と、媒体に文書画像を形成する画像形成手段と、識別情報生成手段により生成された識別情報と、画像形成手段にて文書画像が形成された媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶手段とを備えたことを特徴としている。
【0006】
ここで、検知手段は、検知手段と媒体との相対移動方向に直交する方向に複数配置され、識別情報生成手段は、複数の検知手段各々にて検知される金属線の分布に基づいて、媒体の識別情報を生成することを特徴とすることができる。また、検知手段は、導線が複数の矩形状からなる閉ループを形成するように複数回巻かれて構成された検知部を含むことを特徴とすることができる。
また、識別情報生成手段にて生成された識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに備え、画像形成手段は、判定手段にて識別情報が上記の条件を満たすと判定された場合に、媒体に文書画像を形成することを特徴とすることができる。さらに、識別情報生成手段にて生成された識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに備え、画像形成手段は、判定手段にて識別情報が上記の条件を満たさないと判定された場合に、媒体を回収することを特徴とすることができる。
また、記憶手段は、追跡情報として、画像形成手段に対して媒体に文書画像の形成を指示したユーザを特定する情報、画像形成手段にて媒体に文書画像を形成した日時に関する情報、画像形成手段に対して媒体に文書画像の形成を指示した機器を特定する情報のいずれか1または複数を記憶することを特徴とすることができる。
【0007】
また、本発明の画像形成装置は、金属線が埋め込まれた媒体の金属線を検知する検知手段と、検知手段と媒体とを相対移動させることにより検知手段にて検知された金属線の分布に基づいて、媒体の識別情報を生成する識別情報生成手段と、識別情報生成手段にて生成された識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、判定手段にて識別情報が上記の条件を満たすと判定された場合に、媒体に文書画像を形成する画像形成手段とを備えたことを特徴とすることができる。
【0008】
ここで、検知手段は、検知手段と媒体との相対移動方向に直交する方向に複数配置され、識別情報生成手段は、複数の検知手段各々にて検知される金属線の分布に基づいて、媒体の識別情報を生成することを特徴とすることができる。また、判定手段にて識別情報が上記の条件を満たさないと判定された場合に、媒体を回収する回収手段をさらに備えたことを特徴とすることができる。また、識別情報生成手段にて生成された識別情報に基づいて、媒体の表裏または媒体の先後端を判別する媒体判別手段をさらに備え、画像形成手段は、媒体判別手段での媒体の表裏または媒体の先後端に関する判別結果に基づいて、媒体に文書画像を形成することを特徴とすることができる。
さらに、判定手段にて識別情報が上記の条件を満たすと判定された場合に、識別情報を外部装置に送信する送信手段をさらに備えたことを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明の媒体識別装置は、金属線が埋め込まれた媒体の金属線を検知する検知手段と、検知手段と媒体とを相対移動させることにより検知手段にて検知された金属線の分布に基づいて、媒体の識別情報を検出する識別情報検出手段とを備えたことを特徴としている。
ここで、媒体を識別する識別情報と、媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶装置から、識別情報検出手段により検出された識別情報に対応する追跡情報を取得する追跡情報取得手段と、追跡情報取得手段にて取得された追跡情報を出力する出力手段とをさらに備えたことを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、金属線が埋め込まれた媒体から得られた金属線の分布情報を取得する機能と、金属線の分布情報に基づいて媒体の識別情報を生成する機能とを実現させることを特徴としている。
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、金属線が埋め込まれた媒体から得られた金属線の分布情報に基づいて、媒体を識別する識別情報を検出する機能と、媒体を識別する識別情報と、媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶装置から、検出された識別情報に対応する追跡情報を取得する機能と、取得した追跡情報を出力する機能とを実現させることを特徴としている。
【0011】
なお、このプログラムは、例えば、ハードディスクやDVD−ROM等の予約領域に格納されたプログラムを、RAMにロードして実行される場合がある。また、予めROMに格納された状態にて、CPUで実行される形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なROMを備えている場合には、機器がアッセンブリされた後に、プログラムだけが提供されてROMにインストールされる場合がある。このプログラムの提供に際しては、インターネット等のネットワークを介して装置にプログラムが伝送され、装置の有するROMにインストールされる形態も考えられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制できる。
また、本発明の請求項2によれば、所定の文書が印刷された媒体が裁断された場合にも、媒体を追跡することができる。
また、本発明の請求項3によれば、本発明を採用しない場合に比べ、精度良く金属線を検知できる。
【0013】
また、本発明の請求項4によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体を特定できないという事態の発生を抑制することができる。
また、本発明の請求項5によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体を特定できないという事態の発生を抑制することができる。
また、本発明の請求項6によれば、所定の文書が印刷された媒体の出所が特定できる。
【0014】
本発明の請求項7によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制できる。
また、本発明の請求項8によれば、所定の文書が印刷された媒体が裁断された場合にも、媒体を追跡することができる。
また、本発明の請求項9によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体を特定できないという事態の発生を抑制することができる。
また、本発明の請求項10によれば、本発明を採用しない場合に比べ、フォームが予め印刷された媒体に印刷する場合に、媒体の表裏や先後端が誤って印刷されることを抑制できる。
また、本発明の請求項11によれば、本発明を採用しない場合に比べ、識別情報が生成された媒体を容易に追跡することができる。
【0015】
本発明の請求項12によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制できる。
また、本発明の請求項13によれば、所定の文書が印刷された媒体の出所が特定できる。
本発明の請求項14によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制できる。
本発明の請求項15によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
本実施の形態が適用される文書管理システムの構成について説明する。図1は、本実施の形態の文書管理システムの全体構成を示した図である。この文書管理システムは、端末装置1、文書サーバ2、記憶手段の一例としての識別情報サーバ3、画像形成手段の一例としての画像形成装置4、および媒体判別装置の一例としての用紙識別装置5が、通信回線やケーブルを利用したLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等のネットワーク6を介して双方向に通信可能に接続されて構成されている。通信回線としては、電話回線や衛星通信回線(例えば、デジタル衛星放送における空間伝送路)を含んでもよい。
なお、本明細書では、文書等を電子化したテキストデータや、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、その他の印刷可能な電子データを、「電子文書」と表現する。
【0017】
端末装置1は、電子文書の印刷を指示するために用いられる。端末装置1としては、例えばパーソナルコンピュータ(PC)が用いられる。
文書サーバ2は、電子文書を記憶する。そして、電子文書の印刷指示があると、電子文書を画像形成装置4に出力する。文書サーバ2は、例えば汎用のサーバコンピュータによって実現することができる。
識別情報サーバ3は、媒体から読み取られた識別情報を記憶する。そして、記憶された識別情報を、その媒体に印刷された電子文書や、その媒体に対して電子文書の印刷指示を行ったユーザに関する情報等といった媒体を特定する際に使用可能な情報(以下、これらを「追跡情報」と称する)と関連付けて管理する。識別情報サーバ3は、例えば汎用のサーバコンピュータによって実現することができる。
【0018】
画像形成装置4は、媒体から識別情報を読み取るとともに、媒体に電子文書が印刷された印刷文書100を形成する。画像形成装置4は、電子文書を印刷する媒体として、紙の繊維に太さ10〜500μm程度のSUSやアルミニウム等からなる金属細線がランダムに埋め込まれた構造を有する印刷用紙Pを用いる。
用紙識別装置5は、画像形成装置4にて印刷用紙Pに電子文書が印刷された印刷文書100を検査し、印刷文書100の識別情報を検出する。
【0019】
次に、本実施の形態の画像形成装置4の構成を説明する。図2は、画像形成装置4の構成の一例を示した図である。図2に示す画像形成装置4は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタであって、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部10、ネットワーク6との通信を制御するインターフェース20、画像形成装置4全体の動作を制御する制御部21、文書サーバ2から受信した電子文書に所定の画像処理を施して画像データを生成する画像処理部22、処理プログラム等が記録される例えばハードディスク(Hard Disk Drive)にて実現される主記憶部23、印刷用紙Pを収容する用紙収容部30、印刷された印刷用紙Pや印刷されずに回収された印刷用紙Pを収容する排紙収容部40を備えている。
また、本実施の形態の画像形成装置4は、印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線を検知する検知手段の一例としての検知アンテナ61、検知アンテナ61にて検知された検知信号から各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成する識別情報生成手段の一例としての識別情報生成部60を備えている。
【0020】
画像形成プロセス部10は、一定の間隔を置いて並列的に配置された、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像をそれぞれ形成する4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(これらを「画像形成ユニット11」とも総称する)を備えている。各画像形成ユニット11は、静電潜像が形成される感光体ドラム12a、感光体ドラム12aを所定電位で一様に帯電する帯電部材12b、感光体ドラム12a上に形成された静電潜像を現像する現像部材12c、感光体ドラム12a表面を清掃する清掃部材12dにて構成されている。
【0021】
さらに、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11に設けられた各感光体ドラム12aを露光するレーザ露光器17、各画像形成ユニット11の各感光体ドラム12a上に形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト14、各画像形成ユニット11の各色トナー像を一次転写部T1にて中間転写ベルト14に順次転写(一次転写)する一次転写ロール13、中間転写ベルト14上に転写された重畳トナー像を二次転写部T2にて印刷用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写ロール15、二次転写された画像を印刷用紙P上に定着させる定着部材18を備えている。
【0022】
用紙収容部30は、上記した金属細線がランダムに埋め込まれた印刷用紙Pを異なる複数の用紙サイズ毎に収容する複数の用紙収容容器31A,31Bを備えている。用紙収容容器31A,31Bそれぞれには、収容する印刷用紙Pを取り出すピックアップロール32が設けられ、所定のタイミングで印刷用紙Pを搬送路L1に送り出す。
【0023】
排紙収容部40は、画像形成プロセス部10において画像が形成された印刷用紙Pを収容する排紙収容容器41、後段で述べる制御部21での判定結果に基づいて、画像形成プロセス部10において画像が形成されずに回収された印刷用紙Pを収容する用紙回収容器42を備えている。また、排紙収容部40には、画像形成プロセス部10の定着部材18から排出された印刷用紙Pを排紙収容容器41に搬送する搬送ロール43、検知アンテナ61を通過した印刷用紙Pを用紙回収容器42に搬送する搬送ロール44が備えられている。
【0024】
また、検知アンテナ61の印刷用紙Pの搬送方向下流側に設けられた搬送ロール33の下流側には、搬送路切替部材34が設けられている。搬送路切替部材34は、後段で述べる制御部21での判定結果に基づいて、印刷用紙Pを画像形成プロセス部10に搬送する搬送路L2、および排紙収容部40の用紙回収容器42に搬送する搬送路L3のいずれか一方に選択的に導く。
【0025】
本実施の形態の画像形成装置4では、文書サーバ2からネットワーク6を介して入力された電子文書は、画像処理部22によって所定の画像処理が施された各色画像データに変換されて、レーザ露光器17に供給される。そして、例えばイエロー(Y)の画像形成ユニット11Yでは、帯電部材12bにより所定電位で一様に帯電された感光体ドラム12aの表面が、レーザ露光器17により画像処理部22からの画像データに基づいて点灯制御されたレーザ光で走査露光されて、感光体ドラム12a上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像部材12cにより現像され、感光体ドラム12a上にはイエロー(Y)のトナー像が形成される。画像形成ユニット11M,11C,11Kにおいても、同様にして、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色トナー像が形成される。
【0026】
各画像形成ユニット11で形成された各色トナー像は、図1の矢印方向に循環移動する中間転写ベルト14上に、一次転写ロール13により順次静電転写され、中間転写ベルト14上に重畳されたトナー像が形成される。重畳トナー像は、中間転写ベルト14の移動に伴って二次転写部T2に向けて搬送される。一方、用紙収容部30では、指定された用紙サイズの印刷用紙Pがピックアップロール32により用紙収容容器31A,31Bのいずれか一方から取り出される。
そして、印刷用紙Pは、用紙収容部30から搬送路L1に送り出され、搬送路L1中に配置された検知アンテナ61を通過する。その際に、検知アンテナ61は、印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線を検知する。検知アンテナ61にて検知された検知信号は識別情報生成部60に送られ、識別情報生成部60は、検知信号に基づいて各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成する。生成された各印刷用紙Pの識別情報は、制御部21による制御の下で、インターフェース20を介して識別情報サーバ3に送信される。
【0027】
検知アンテナ61を通過した際に、後段で述べる制御部21での判定結果に基づいて、識別情報生成部60において生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能であると判定された印刷用紙Pは、搬送路切替部材34により搬送路L2に導かれて、レジストロール19の位置まで搬送される。一方、検知アンテナ61を通過した際に、制御部21により、識別情報生成部60において生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能であると判定されなかった印刷用紙Pは、搬送路切替部材34により搬送路L3に導かれて、排紙収容部40の用紙回収容器42に回収される。
【0028】
識別情報として使用可能であると判定された結果、レジストロール19の位置まで搬送された印刷用紙Pは、中間転写ベルト14上の重畳トナー像が二次転写部T2に搬送されるタイミングに合わせて二次転写部T2に供給される。そして、二次転写部T2にて二次転写ロール15とバックアップロール16との間に形成された転写電界の作用により、重畳トナー像は印刷用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
その後、重畳トナー像が静電転写された印刷用紙Pは、中間転写ベルト14から剥離され、定着部材18まで搬送される。定着部材18に搬送された印刷用紙P上の未定着トナー像は、定着部材18によって熱および圧力による定着処理を受けることで印刷用紙P上に定着される。それにより、印刷文書100が形成される。印刷文書100は、排紙収容部40の排紙収容容器41に搬送される。
【0029】
次に、本実施の形態の用紙識別装置5の構成を説明する。図3は、用紙識別装置5の構成の一例を示した図である。図3に示す用紙識別装置5は、印刷文書100に埋め込まれた金属細線を検知する検知手段の一例としての検知アンテナ51、検知アンテナ51にて検知された検知信号から各印刷文書100に対応した識別情報を検出する識別情報検出手段の一例としての検出部52、印刷文書100の識別情報を識別情報サーバ3に送信する送信部53、ネットワーク6との通信を制御するインターフェース54、識別情報サーバ3から識別情報に対応する追跡情報を受信する追跡情報取得手段の一例としての受信部55を備えている。
また、用紙識別装置5は、識別情報サーバ3から取得した識別情報に対応する追跡情報を表示する際の表示処理を行う表示制御部56、印刷文書100の識別情報に対応する追跡情報を表示する出力手段の一例としての表示部57を備えている。
【0030】
本実施の形態の用紙識別装置5では、給紙部59Aに印刷文書100が置かれると、印刷文書100は、搬送ロール58により検知アンテナ51を通過する搬送路L4を搬送される。そして、検知アンテナ51を通過する際に、印刷文書100に埋め込まれた金属細線を検知する。検知アンテナ51にて検知された検知信号は検出部52に送られ、検出部52は、検知信号に基づいて印刷文書100の識別情報を検出する。検出された印刷文書100の識別情報は、送信部53からインターフェース54を介して識別情報サーバ3に送信される。なお、印刷文書100は、検知アンテナ51を通過した後、排紙部59Bに搬出される。
識別情報サーバ3は、送信された印刷文書100の識別情報に対応する追跡情報を用紙識別装置5に送信する。受信部55は、印刷文書100の識別情報に対応する追跡情報をインターフェース54を介して取得し、表示制御部56に送る。表示制御部56は、印刷文書100の識別情報に対応する追跡情報に所定の表示処理を施して表示部57に送り、表示部57は、追跡情報を表示する。
【0031】
続いて、本実施の形態の文書管理システムにおいて印刷文書100を管理する際の処理を説明する。
図4は、印刷文書100を生成する際の文書管理システムでの動作を示したシーケンス図である。まず、ユーザが、端末装置1を操作し、文書サーバ2に格納された電子文書の中から印刷対象の電子文書を指定する。その際に、端末装置1は、印刷指示を行なったユーザに対して、ユーザを特定する氏名や識別コード等といったユーザ特定情報の入力を要求する(S101)。そして、ユーザ特定情報の入力が行われたら(S102)、その電子文書の印刷指示を文書サーバ2に送信する(S103)。また、端末装置1は、その電子文書の印刷指示を行ったユーザのユーザ特定情報、印刷指示を行った時刻(日時情報)、印刷指示を行った端末装置1を特定する情報(端末特定情報)を識別情報サーバ3に送信する(S104)。
【0032】
文書サーバ2は、端末装置1から電子文書の印刷指示を受信する(S201)。そして、印刷を指示された電子文書の格納場所を識別情報サーバ3に送信する(S202)。また、印刷を指示された電子文書を画像形成装置4に送信し、画像形成を指示する(ステップ203)。
識別情報サーバ3は、文書サーバ2から電子文書の格納場所を受信する(S301)。また、端末装置1からユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報を受信する(S302)。
画像形成装置4は、文書サーバ2から電子文書を受信する(S401)。
【0033】
画像形成装置4では、電子文書を受信すると、用紙収容部30の指定された用紙サイズの印刷用紙Pがピックアップロール32により用紙収容容器31A,31Bのいずれか一方から取り出される。そして、印刷用紙Pが検知アンテナ61を通過する際に、検知アンテナ61が印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線を検知し、検知された検知信号を識別情報生成部60に送る。識別情報生成部60は、取得した検知信号に基づいて、検知アンテナ61を通過した印刷用紙Pの識別情報を生成する(S402)。
画像形成装置4は、制御部21の制御の下で、生成された印刷用紙Pの識別情報を識別情報サーバ3に送信する(S403)。さらには、識別情報が生成された印刷用紙Pに、ステップ401にて受信した電子文書を印刷する(S404)。それにより、印刷文書100が形成される。
【0034】
識別情報サーバ3は、画像形成装置4から印刷用紙Pの識別情報を取得する(S303)。そして、取得した印刷用紙Pの識別情報と、文書サーバ2から取得した電子文書の格納場所と、さらには端末装置1から取得したユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報とを関連付けてデータベースに登録する(ステップ304)。
これにより、本実施の形態の文書管理システムでは、画像形成装置4にて印刷された各印刷用紙Pの識別情報と、各印刷用紙Pに印刷された電子文書と、印刷指示が行われた際の追跡情報(ユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報)とが対応付けられて管理される。
【0035】
ところで、上述した例では、印刷用紙Pの識別情報と、電子文書の格納場所と、印刷指示が行われた際の追跡情報とが関連付けられて構成されたデータベースを識別情報サーバ3に置く構成について説明した。これは、かかるデータベースを共有可能な装置(識別情報サーバ3)に置くことで、複数ユーザへの対応や、サーバのアクセス制御技術を利用した電子文書のセキュリティ確保が可能となるからである。しかしながら、必ずしもこのような構成を採用しなければならないというわけではなく、端末装置1や文書サーバ2にこのようなデータベースを置く構成を採用してもよい。
【0036】
引き続き、図5は、印刷文書100を検査する際の文書管理システムでの動作を示したシーケンス図である。まず、ユーザが、用紙識別装置5を操作し、印刷文書100の検査を指示する(S501)。用紙識別装置5は、印刷文書100の識別情報を検出する(S502)。そして、検出された印刷文書100の識別情報を識別情報サーバ3に送信する(S503)。
識別情報サーバ3は、用紙識別装置5から印刷文書100の識別情報を受信する(S601)。そして、受信した識別情報に対応する電子文書の格納場所、および追跡情報(ユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報)を検索し取得する(S602)。
識別情報サーバ3は、取得した電子文書の格納場所を文書サーバ2に送信する(S603)。また、取得した追跡情報(ユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報)を用紙識別装置5に送信する(S604)。
文書サーバ2は、識別情報サーバ3から電子文書の格納場所を受信する(S701)。そして、受信した電子文書の格納場所に格納された電子文書を用紙識別装置5に送信する(S702)。
【0037】
用紙識別装置5は、文書サーバ2から電子文書を受信する(S504)。また、識別情報サーバ3から追跡情報(ユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報)を受信する(S505)。そして、用紙識別装置5は、印刷文書100の識別情報に対応する電子文書および追跡情報(ユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報)を表示部57に表示する(S506)。
これにより、本実施の形態の文書管理システムでは、印刷文書100に関する追跡情報を取得したり、印刷された電子文書の内容を照合することができる。
【0038】
次に、本実施の形態の文書管理システムに設けられた印刷用紙Pおよび印刷文書100の識別情報の生成・検出機構について説明する。本実施の形態の文書管理システムでは、画像形成装置4および用紙識別装置5に識別情報の生成・検出機構が設けられている。すなわち、画像形成装置4には、識別情報の生成機構として、検知アンテナ61と識別情報生成部60とが備えられている。また、用紙識別装置5には、識別情報の検出機構として、検知アンテナ51と検出部52とが備えられている。そして、画像形成装置4では、検知アンテナ61が印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線を検知し、識別情報生成部60は、検知アンテナ61により検知された検知信号に基づいて各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成する。また、用紙識別装置5では、検知アンテナ51が印刷文書100に埋め込まれた金属細線を検知し、検出部52は、検知アンテナ51により検知された検知信号に基づいて印刷文書100の識別情報を検出する。
【0039】
図6は、検知アンテナ61の構成を示した平面図であり、(a)は送信側アンテナ61A、(b)は受信側アンテナ61Bを示している。本実施の形態の検知アンテナ61は、送信側アンテナ61Aと受信側アンテナ61Bとが、印刷用紙Pが通過可能な間隙を開けて、互いに対向するように配置されている。
図6(a)に示した送信側アンテナ61Aの表面には、例えば線幅0.1〜0.5mmの銅線が複数の矩形状からなる閉ループを形成するように複数回(例えば、25ターン)巻かれて構成された送信アンテナ部611と、送信アンテナ部611に交流電流を供給する入力端子612および出力端子613とが備えられている。また、図6(b)に示した受信側アンテナ61Bの表面には、送信アンテナ部611と同様に構成された検知部の一例としての受信アンテナ部614と、受信アンテナ部614からの検知信号を取り出す検知端子615,616とが備えられている。
【0040】
また、図7は、識別情報生成部60の構成を示したブロック図である。図7に示したように、識別情報生成部60は、信号検知コンパレータ601、単安定マルチバイブレータ602、積分器603、上限電圧コンパレータ604、下限電圧コンパレータ605、セットリセットフリップフロップ回路606を備えている。
信号検知コンパレータ601は、検知アンテナ61にて検知されたアナログの検知信号を所定の比較信号との比較によりデジタル化(2値化)する。
単安定マルチバイブレータ602は、信号検知コンパレータ601から出力されたパルス信号を、送信側アンテナ61Aと受信側アンテナ61Bとの間隙に形成される交流磁界の1波長の長さのパルス信号として出力する。ここでは、リトリガー動作型の単安定マルチバイブレータが用いられ、複数のハイレベルのパルス信号が連続する場合には、それらを1つの連続したパルス信号として出力する。
積分器603は、検知アンテナ61にて検知された検知信号の不安定さを除去するために、所定の連続性を有するアナログ信号に変換する。
【0041】
上限電圧コンパレータ604は、積分器603にてアナログ化された信号を所定の上限比較信号と比較することで、印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線が検知アンテナ61に進入した状態を信号「1」としてデジタル出力する。それ以外は、信号「0」を出力する。
また、下限電圧コンパレータ605は、積分器603にてアナログ化された信号を所定の下限比較信号と比較することで、印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線が検知アンテナ61から離脱した状態を信号「1」としてデジタル出力する。それ以外は、信号「0」を出力する。
セットリセットフリップフロップ回路606は、上限電圧コンパレータ604から出力される信号「1」または「0」と、下限電圧コンパレータ605から出力される信号「1」または「0」とに基づいて、金属細線が検知アンテナ61を通過している状態を信号「1」で出力し、金属細線が検知アンテナ61を通過していない状態を信号「0」で出力する。
【0042】
すなわち、本実施の形態の検知アンテナ61では、送信側アンテナ61Aと受信側アンテナ61Bとの間隙を印刷用紙Pが通過する際に、送信アンテナ部611に交流電流が供給されることで、印刷用紙Pには交流磁界が作用する。図8(印刷用紙Pが検知アンテナ61を通過する様子を示した図)に示したように、印刷用紙Pには金属細線がランダムに埋め込まれているので、送信側アンテナ61Aと受信側アンテナ61Bとの間隙に形成された交流磁界は、印刷用紙Pの金属細線が存在する位置で乱される。そのため、図9(a)に示したように、受信側アンテナ61Bの検知端子615,616から検知される検知信号は、金属細線が存在する位置と、金属細線が存在しない位置とで、出力値が異なることとなる。
【0043】
印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線は、各印刷用紙P毎にそれぞれ異なる位置に存在するので、受信側アンテナ61Bの検知端子615,616からは、各印刷用紙P毎にそれぞれ異なる波形の検知信号が検知される。それにより、図9(b)に示したように、識別情報生成部60により出力される出力信号は、各印刷用紙P毎に異なる信号となる。本実施の形態の文書管理システムでは、この各印刷用紙P毎に異なる検知信号を、印刷用紙Pを識別する識別情報としている。
そして、図9(c)に示したように、識別情報生成部60にて生成された出力信号は、制御部21の制御の下で、印刷用紙Pを識別する識別情報として識別情報サーバ3に送信される。
【0044】
同様に、用紙識別装置5の検知アンテナ51は、画像形成装置4の検知アンテナ61と同様に構成されている。また、用紙識別装置5の検出部52は、画像形成装置4の識別情報生成部60と同様に構成されている。そして、検知アンテナ51が印刷文書100に埋め込まれた金属細線を検知し、検出部52は、検知アンテナ51により検知された検知信号に基づいて印刷文書100の識別情報を検出している。
【0045】
ところで、画像形成装置4の制御部21は、識別情報生成部60において生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能であるか否かを判定する機能を有している。具体的には、制御部21は、識別情報生成部60にて生成された識別情報を受け取る。そして、所定の判断基準(条件)を満たすか否かに基づいて、生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能か否かを判定する。すなわち、受信側アンテナ61Bにて検知される検知信号(図9(a)参照)において、金属細線が存在する位置での出力値と金属細線が存在しない位置での出力値とが、明確に区別されて検出されていない場合には、用紙識別装置5にて印刷文書100の識別情報を検出することができない場合もある。その場合には、印刷文書100の追跡を行うことができなくなり、機密性の高い印刷文書100の管理を充分に行うことが困難となる。
【0046】
そこで、制御部21は、所定の判断基準(条件)を満たすか否かに基づいて、生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能か否かを判定する。そして、生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能であると判定した場合には、制御部21は、識別情報生成部60にて生成された識別情報を識別情報サーバ3に送信する。ここでは、制御部21は、送信手段としても機能する。
その際には、制御部21は、印刷用紙Pが画像形成プロセス部10に搬送される搬送路L2に導かれるように、搬送路切替部材34を設定する。それにより、印刷用紙Pは画像形成プロセス部10にて印刷処理が行われる。
その一方、制御部21は、生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用不能であると判定した場合には、識別情報生成部60にて生成された識別情報を識別情報サーバ3に送信しない。そして、その際には、制御部21は、印刷用紙Pが排紙収容部40の用紙回収容器42に搬送される搬送路L3に導かれるように、搬送路切替部材34を設定する。それにより、印刷用紙Pは画像形成プロセス部10にて印刷処理が行われることなく、排紙収容部40の用紙回収容器42に回収されることとなる。
このように、制御部21は、識別情報生成部60にて生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能か否かを判定する判定手段として機能する。
【0047】
なお、生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能か否かを判定する機能は、識別情報生成部60に置いてもよい。その場合には、識別情報生成部60が判定手段として機能する。
【0048】
次に、識別情報サーバ3が記憶する情報の内容について具体的に説明する。
図10は、識別情報サーバ3に備えられたデータベース内に記憶される情報の一例を示した図である。このデータベースには、印刷用紙Pの識別情報と、電子文書の格納場所と、電子文書が印刷用紙Pに対して印刷指示された際の追跡情報としての日時情報、ユーザ特定情報、端末特定情報とがテーブル形式で記憶されている。
【0049】
識別情報は、本実施の形態の文書管理システムでは、上述したように、各印刷用紙Pの識別情報である。
電子文書の格納場所は、各印刷用紙Pに印刷された電子文書が格納された場所の情報(アドレス情報)である。
日時情報は、各印刷用紙Pに電子文書が印刷された日時の情報である。
ユーザ特定情報は、印刷指示を行なったユーザを特定する氏名や識別コード等の情報である。
端末特定情報は、印刷指示が行われた端末装置1を特定する情報である。
【0050】
そして、これらは、データベース内で相互に関連付けられて記憶されている。例えば、図10のテーブルでは、1行目の識別情報「010001000101」の印刷用紙Pには、電子文書「aa1.doc」が印刷されたことを示している。そして、印刷された日時は、2006年8月10日の12時15分であり、また、印刷指示を行ったユーザは「user_name_A」、印刷指示が行われた端末装置1は「machine_EF」であることを示している。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態の文書管理システムにおいては、画像形成装置4にて電子文書が印刷される媒体として、金属細線がランダムに埋め込まれた構造を有する印刷用紙Pを用いる。そして、印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線を検知し、この検知信号に基づいて各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成する。そして、このように生成された各印刷用紙Pの識別情報を用いて、電子文書が印刷された印刷用紙Pに関する追跡情報を管理している。
それにより、機密性の高い電子文書が印刷された印刷用紙P(印刷文書100)を追跡することができるので、機密漏洩を抑制することができる。また、金属細線が埋め込まれた印刷用紙Pは、例えば建物の入口等に設置された金属探知機等により検知できるので、外部への持ち出しを抑制することもできる。
【0052】
[実施の形態2]
実施の形態1の文書管理システムでは、印刷用紙P等を1個の検知アンテナで検知し、識別情報の生成・検出を行う構成について説明した。本実施の形態の文書管理システムでは、印刷用紙Pの幅方向に複数個の検知アンテナを配置し、複数の検知アンテナを用いて印刷用紙P等について識別情報の生成・検出を行う構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0053】
図11は、本実施の形態の文書管理システムにおいて、画像形成装置4に設けられた識別情報の生成機構を説明する図である。図11に示したように、本実施の形態の画像形成装置4では、検知手段の一例として、印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向に、例えば4個の検知アンテナ61A,61B,61C,61Dが配置されている。これらの検知アンテナ61A,61B,61C,61Dは、それぞれが実施の形態1での検知アンテナ61と同様の構成を有している。そして、検知アンテナ61A,61B,61C,61Dは、それぞれの配置位置に対応する印刷用紙Pの搬送方向に沿って分割される印刷用紙P上の領域に存在する金属細線を検知する。すなわち、検知アンテナ61Aは印刷用紙P上の領域A、検知アンテナ61Bは印刷用紙P上の領域B、検知アンテナ61Cは印刷用紙P上の領域C、検知アンテナ61Dは印刷用紙P上の領域Dに存在する金属細線を検知する。
そして、それぞれで検知された検知信号は、識別情報生成部60に送られる。識別情報生成部60は、印刷用紙P上の各領域A,B,C,D毎に検知された検知信号に基づいて、各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成する。
【0054】
本実施の形態の識別情報生成部60は、各印刷用紙Pに対応した識別情報に、各領域A,B,C,Dを示す領域情報を付加する。例えば、識別情報生成部60では、4個の検知アンテナ61A,61B,61C,61Dによる4つの領域A,B,C,Dをそれぞれ示す2ビットからなる領域情報を識別情報の先頭ビットに付加する。具体的には、例えば領域Aに対応する識別情報の先頭ビットに領域情報“00”、領域Bに対応する識別情報の先頭ビットに領域情報“01”、領域Cに対応する識別情報の先頭ビットに領域情報“10”、領域Dに対応する識別情報の先頭ビットに領域情報“11”を、それぞれ付加する。それにより、各印刷用紙Pを各領域A,B,C,D毎にさらに細かく識別できるように構成している。
【0055】
図12は、本実施の形態の識別情報生成部60にて生成された識別情報が、識別情報サーバ3に備えられたデータベース内に記憶される際のテーブルの一例を示した図である。図12では、識別情報の先頭の2ビットが検知された印刷用紙P上の領域位置を示す領域情報で構成されている。また、図12に示したテーブルでは、4つの識別情報により、1つの印刷用紙Pに対応した識別情報を構成している。
このように、印刷用紙Pを分割した複数の領域A,B,C,D毎の識別情報により、各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成することにより、例えば機密性の高い電子文書が印刷された印刷用紙P(印刷文書100)が裁断された場合にも、その一部により印刷用紙P(印刷文書100)を追跡することができる。
【0056】
また、識別情報生成部60は、各検知アンテナ61A,61B,61C,61Dにより検知される検知信号を時系列に分割し、分割された検知信号に基づいて識別情報を生成するように構成することもできる。それにより、各領域A,B,C,Dに関して、印刷用紙Pの搬送方向においても、分割された領域毎の識別情報を生成することもできる。この場合には、各領域を示す多ビットの領域情報が、領域毎の識別情報の先頭ビットに付加される。
それにより、例えば機密性の高い電子文書が印刷された印刷用紙P(印刷文書100)が搬送方向に直交する方向に裁断された場合にも、その一部により印刷用紙P(印刷文書100)を追跡することができる。
【0057】
また、印刷用紙Pとして、各印刷用紙Pの所定の領域毎に、その領域の位置を表す信号を生成するような金属細線が埋め込まれた構成のものを用いることもできる。このような印刷用紙Pを用いることで、識別情報生成部60は、各印刷用紙Pの各領域の位置を表す信号が内包された識別情報を生成することができる。それによっても、例えば機密性の高い電子文書が印刷された印刷用紙P(印刷文書100)が裁断された場合にも、その一部により印刷用紙P(印刷文書100)を追跡することができる。
さらには、所定の位置に、その位置を表す信号を生成するような金属細線が埋め込まれた構成の印刷用紙Pを用いることで、識別情報生成部60は、生成された識別情報から例えば印刷用紙Pの表裏や印刷用紙Pの先後端等を検知することもできる。それにより、画像形成装置4において、例えばフォームが予め印刷された印刷用紙Pにおいて、印刷用紙Pの表裏や印刷用紙Pの先後端等を誤って印刷されるのが抑制される。ここでの識別情報生成部60は、媒体判別手段としても機能する。
【0058】
ところで、本実施の形態では、印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向に4個の検知アンテナ61A,61B,61C,61Dが配置されている構成について述べた。このような構成の外に、検知アンテナ61をさらに多数配置した構成を用いることができる。その場合には、それぞれの検知アンテナ61が検知する領域の識別情報であることを表す領域情報として、検知アンテナ61の数に対応した3ビット以上のデータを用いることとなる。
また、領域情報は、識別情報の先頭ビットに限らず、後端ビットにおいて、または識別情報中に付加することもできる。
【0059】
このような画像形成装置4に設けられた識別情報の生成機構に対応して、用紙識別装置5における識別情報の検出機構においても、検知アンテナ51として、印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向に、画像形成装置4の4個の検知アンテナ61A,61B,61C,61Dと同様の4個の検知アンテナ51が配置された構成が採用される。そして、検出部52は、画像形成装置4の4個の検知アンテナ61A,61B,61C,61Dがそれぞれ検知する各領域A,B,C,Dに対応する領域に関して、各領域毎の識別情報を検出するように構成される。
【0060】
このように、本実施の形態の文書管理システムでは、印刷用紙Pを所定の領域で分割し、分割された領域毎の識別情報からなる各印刷用紙Pに対応する識別情報を生成している。そして、識別情報サーバ3のデータベース内に記憶するに際して、各領域が区別できるように、識別情報に領域情報を付加して記憶している。それにより、例えば機密性の高い電子文書が印刷された印刷用紙P(印刷文書100)が裁断された場合にも、その一部により印刷用紙P(印刷文書100)を追跡することができる。また、印刷用紙Pの表裏や印刷用紙Pの先後端等を検知することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の文書管理システムの全体構成を示した図である。
【図2】画像形成装置の構成の一例を示した図である。
【図3】用紙識別装置の構成の一例を示した図である。
【図4】印刷文書を生成する際の文書管理システムでの動作を示したシーケンス図である。
【図5】印刷文書を検査する際の文書管理システムでの動作を示したシーケンス図である。
【図6】検知アンテナの構成を示した平面図である。
【図7】識別情報生成部の構成を示したブロック図である。
【図8】印刷用紙が検知アンテナを通過する様子を示した図である。
【図9】検知アンテナにて検知信号が検知され、それに対応して識別情報が生成されて、識別情報サーバに送信される過程を示した図である。
【図10】識別情報サーバに備えられたデータベース内に記憶される情報の一例を示した図である。
【図11】画像形成装置に設けられた識別情報の生成機構を説明する図である。
【図12】識別情報が識別情報サーバに備えられたデータベース内に記憶される際のテーブルの一例を示した図である。
【符号の説明】
【0062】
1…端末装置、2…文書サーバ、3…識別情報サーバ、4…画像形成装置、5…用紙識別装置、6…ネットワーク、21…制御部、51,61…検知アンテナ、52…検出部、60…識別情報生成部
【技術分野】
【0001】
文書が印刷された紙等の媒体を管理する文書管理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
機密性の高い情報の漏洩を抑制する紙文書等の管理方法として、例えば、特許文献1には、文字位置をシフトして文字の前後の空白長を変化させることにより情報を埋め込む方法が記載されている。また、特許文献2には、文字パターンのサイズやフォント種別など、文字パターンの形状を変更することで情報を埋め込む方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−230001号公報(第5−7頁)
【特許文献2】特開2001−251490号公報(第4−6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の文書管理システムは、金属線が埋め込まれた媒体の金属線を検知する検知手段と、検知手段と媒体とを相対移動させることにより検知手段にて検知された金属線の分布に基づいて、媒体の識別情報を生成する識別情報生成手段と、媒体に文書画像を形成する画像形成手段と、識別情報生成手段により生成された識別情報と、画像形成手段にて文書画像が形成された媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶手段とを備えたことを特徴としている。
【0006】
ここで、検知手段は、検知手段と媒体との相対移動方向に直交する方向に複数配置され、識別情報生成手段は、複数の検知手段各々にて検知される金属線の分布に基づいて、媒体の識別情報を生成することを特徴とすることができる。また、検知手段は、導線が複数の矩形状からなる閉ループを形成するように複数回巻かれて構成された検知部を含むことを特徴とすることができる。
また、識別情報生成手段にて生成された識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに備え、画像形成手段は、判定手段にて識別情報が上記の条件を満たすと判定された場合に、媒体に文書画像を形成することを特徴とすることができる。さらに、識別情報生成手段にて生成された識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに備え、画像形成手段は、判定手段にて識別情報が上記の条件を満たさないと判定された場合に、媒体を回収することを特徴とすることができる。
また、記憶手段は、追跡情報として、画像形成手段に対して媒体に文書画像の形成を指示したユーザを特定する情報、画像形成手段にて媒体に文書画像を形成した日時に関する情報、画像形成手段に対して媒体に文書画像の形成を指示した機器を特定する情報のいずれか1または複数を記憶することを特徴とすることができる。
【0007】
また、本発明の画像形成装置は、金属線が埋め込まれた媒体の金属線を検知する検知手段と、検知手段と媒体とを相対移動させることにより検知手段にて検知された金属線の分布に基づいて、媒体の識別情報を生成する識別情報生成手段と、識別情報生成手段にて生成された識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、判定手段にて識別情報が上記の条件を満たすと判定された場合に、媒体に文書画像を形成する画像形成手段とを備えたことを特徴とすることができる。
【0008】
ここで、検知手段は、検知手段と媒体との相対移動方向に直交する方向に複数配置され、識別情報生成手段は、複数の検知手段各々にて検知される金属線の分布に基づいて、媒体の識別情報を生成することを特徴とすることができる。また、判定手段にて識別情報が上記の条件を満たさないと判定された場合に、媒体を回収する回収手段をさらに備えたことを特徴とすることができる。また、識別情報生成手段にて生成された識別情報に基づいて、媒体の表裏または媒体の先後端を判別する媒体判別手段をさらに備え、画像形成手段は、媒体判別手段での媒体の表裏または媒体の先後端に関する判別結果に基づいて、媒体に文書画像を形成することを特徴とすることができる。
さらに、判定手段にて識別情報が上記の条件を満たすと判定された場合に、識別情報を外部装置に送信する送信手段をさらに備えたことを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明の媒体識別装置は、金属線が埋め込まれた媒体の金属線を検知する検知手段と、検知手段と媒体とを相対移動させることにより検知手段にて検知された金属線の分布に基づいて、媒体の識別情報を検出する識別情報検出手段とを備えたことを特徴としている。
ここで、媒体を識別する識別情報と、媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶装置から、識別情報検出手段により検出された識別情報に対応する追跡情報を取得する追跡情報取得手段と、追跡情報取得手段にて取得された追跡情報を出力する出力手段とをさらに備えたことを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、金属線が埋め込まれた媒体から得られた金属線の分布情報を取得する機能と、金属線の分布情報に基づいて媒体の識別情報を生成する機能とを実現させることを特徴としている。
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、金属線が埋め込まれた媒体から得られた金属線の分布情報に基づいて、媒体を識別する識別情報を検出する機能と、媒体を識別する識別情報と、媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶装置から、検出された識別情報に対応する追跡情報を取得する機能と、取得した追跡情報を出力する機能とを実現させることを特徴としている。
【0011】
なお、このプログラムは、例えば、ハードディスクやDVD−ROM等の予約領域に格納されたプログラムを、RAMにロードして実行される場合がある。また、予めROMに格納された状態にて、CPUで実行される形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なROMを備えている場合には、機器がアッセンブリされた後に、プログラムだけが提供されてROMにインストールされる場合がある。このプログラムの提供に際しては、インターネット等のネットワークを介して装置にプログラムが伝送され、装置の有するROMにインストールされる形態も考えられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制できる。
また、本発明の請求項2によれば、所定の文書が印刷された媒体が裁断された場合にも、媒体を追跡することができる。
また、本発明の請求項3によれば、本発明を採用しない場合に比べ、精度良く金属線を検知できる。
【0013】
また、本発明の請求項4によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体を特定できないという事態の発生を抑制することができる。
また、本発明の請求項5によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体を特定できないという事態の発生を抑制することができる。
また、本発明の請求項6によれば、所定の文書が印刷された媒体の出所が特定できる。
【0014】
本発明の請求項7によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制できる。
また、本発明の請求項8によれば、所定の文書が印刷された媒体が裁断された場合にも、媒体を追跡することができる。
また、本発明の請求項9によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体を特定できないという事態の発生を抑制することができる。
また、本発明の請求項10によれば、本発明を採用しない場合に比べ、フォームが予め印刷された媒体に印刷する場合に、媒体の表裏や先後端が誤って印刷されることを抑制できる。
また、本発明の請求項11によれば、本発明を採用しない場合に比べ、識別情報が生成された媒体を容易に追跡することができる。
【0015】
本発明の請求項12によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制できる。
また、本発明の請求項13によれば、所定の文書が印刷された媒体の出所が特定できる。
本発明の請求項14によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制できる。
本発明の請求項15によれば、本発明を採用しない場合に比べ、所定の文書が印刷された媒体の漏洩を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
本実施の形態が適用される文書管理システムの構成について説明する。図1は、本実施の形態の文書管理システムの全体構成を示した図である。この文書管理システムは、端末装置1、文書サーバ2、記憶手段の一例としての識別情報サーバ3、画像形成手段の一例としての画像形成装置4、および媒体判別装置の一例としての用紙識別装置5が、通信回線やケーブルを利用したLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等のネットワーク6を介して双方向に通信可能に接続されて構成されている。通信回線としては、電話回線や衛星通信回線(例えば、デジタル衛星放送における空間伝送路)を含んでもよい。
なお、本明細書では、文書等を電子化したテキストデータや、絵、写真、図形等の画像データ(ラスタデータかベクターデータかによらない)、その他の印刷可能な電子データを、「電子文書」と表現する。
【0017】
端末装置1は、電子文書の印刷を指示するために用いられる。端末装置1としては、例えばパーソナルコンピュータ(PC)が用いられる。
文書サーバ2は、電子文書を記憶する。そして、電子文書の印刷指示があると、電子文書を画像形成装置4に出力する。文書サーバ2は、例えば汎用のサーバコンピュータによって実現することができる。
識別情報サーバ3は、媒体から読み取られた識別情報を記憶する。そして、記憶された識別情報を、その媒体に印刷された電子文書や、その媒体に対して電子文書の印刷指示を行ったユーザに関する情報等といった媒体を特定する際に使用可能な情報(以下、これらを「追跡情報」と称する)と関連付けて管理する。識別情報サーバ3は、例えば汎用のサーバコンピュータによって実現することができる。
【0018】
画像形成装置4は、媒体から識別情報を読み取るとともに、媒体に電子文書が印刷された印刷文書100を形成する。画像形成装置4は、電子文書を印刷する媒体として、紙の繊維に太さ10〜500μm程度のSUSやアルミニウム等からなる金属細線がランダムに埋め込まれた構造を有する印刷用紙Pを用いる。
用紙識別装置5は、画像形成装置4にて印刷用紙Pに電子文書が印刷された印刷文書100を検査し、印刷文書100の識別情報を検出する。
【0019】
次に、本実施の形態の画像形成装置4の構成を説明する。図2は、画像形成装置4の構成の一例を示した図である。図2に示す画像形成装置4は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタであって、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部10、ネットワーク6との通信を制御するインターフェース20、画像形成装置4全体の動作を制御する制御部21、文書サーバ2から受信した電子文書に所定の画像処理を施して画像データを生成する画像処理部22、処理プログラム等が記録される例えばハードディスク(Hard Disk Drive)にて実現される主記憶部23、印刷用紙Pを収容する用紙収容部30、印刷された印刷用紙Pや印刷されずに回収された印刷用紙Pを収容する排紙収容部40を備えている。
また、本実施の形態の画像形成装置4は、印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線を検知する検知手段の一例としての検知アンテナ61、検知アンテナ61にて検知された検知信号から各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成する識別情報生成手段の一例としての識別情報生成部60を備えている。
【0020】
画像形成プロセス部10は、一定の間隔を置いて並列的に配置された、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像をそれぞれ形成する4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(これらを「画像形成ユニット11」とも総称する)を備えている。各画像形成ユニット11は、静電潜像が形成される感光体ドラム12a、感光体ドラム12aを所定電位で一様に帯電する帯電部材12b、感光体ドラム12a上に形成された静電潜像を現像する現像部材12c、感光体ドラム12a表面を清掃する清掃部材12dにて構成されている。
【0021】
さらに、画像形成プロセス部10は、各画像形成ユニット11に設けられた各感光体ドラム12aを露光するレーザ露光器17、各画像形成ユニット11の各感光体ドラム12a上に形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト14、各画像形成ユニット11の各色トナー像を一次転写部T1にて中間転写ベルト14に順次転写(一次転写)する一次転写ロール13、中間転写ベルト14上に転写された重畳トナー像を二次転写部T2にて印刷用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写ロール15、二次転写された画像を印刷用紙P上に定着させる定着部材18を備えている。
【0022】
用紙収容部30は、上記した金属細線がランダムに埋め込まれた印刷用紙Pを異なる複数の用紙サイズ毎に収容する複数の用紙収容容器31A,31Bを備えている。用紙収容容器31A,31Bそれぞれには、収容する印刷用紙Pを取り出すピックアップロール32が設けられ、所定のタイミングで印刷用紙Pを搬送路L1に送り出す。
【0023】
排紙収容部40は、画像形成プロセス部10において画像が形成された印刷用紙Pを収容する排紙収容容器41、後段で述べる制御部21での判定結果に基づいて、画像形成プロセス部10において画像が形成されずに回収された印刷用紙Pを収容する用紙回収容器42を備えている。また、排紙収容部40には、画像形成プロセス部10の定着部材18から排出された印刷用紙Pを排紙収容容器41に搬送する搬送ロール43、検知アンテナ61を通過した印刷用紙Pを用紙回収容器42に搬送する搬送ロール44が備えられている。
【0024】
また、検知アンテナ61の印刷用紙Pの搬送方向下流側に設けられた搬送ロール33の下流側には、搬送路切替部材34が設けられている。搬送路切替部材34は、後段で述べる制御部21での判定結果に基づいて、印刷用紙Pを画像形成プロセス部10に搬送する搬送路L2、および排紙収容部40の用紙回収容器42に搬送する搬送路L3のいずれか一方に選択的に導く。
【0025】
本実施の形態の画像形成装置4では、文書サーバ2からネットワーク6を介して入力された電子文書は、画像処理部22によって所定の画像処理が施された各色画像データに変換されて、レーザ露光器17に供給される。そして、例えばイエロー(Y)の画像形成ユニット11Yでは、帯電部材12bにより所定電位で一様に帯電された感光体ドラム12aの表面が、レーザ露光器17により画像処理部22からの画像データに基づいて点灯制御されたレーザ光で走査露光されて、感光体ドラム12a上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像部材12cにより現像され、感光体ドラム12a上にはイエロー(Y)のトナー像が形成される。画像形成ユニット11M,11C,11Kにおいても、同様にして、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色トナー像が形成される。
【0026】
各画像形成ユニット11で形成された各色トナー像は、図1の矢印方向に循環移動する中間転写ベルト14上に、一次転写ロール13により順次静電転写され、中間転写ベルト14上に重畳されたトナー像が形成される。重畳トナー像は、中間転写ベルト14の移動に伴って二次転写部T2に向けて搬送される。一方、用紙収容部30では、指定された用紙サイズの印刷用紙Pがピックアップロール32により用紙収容容器31A,31Bのいずれか一方から取り出される。
そして、印刷用紙Pは、用紙収容部30から搬送路L1に送り出され、搬送路L1中に配置された検知アンテナ61を通過する。その際に、検知アンテナ61は、印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線を検知する。検知アンテナ61にて検知された検知信号は識別情報生成部60に送られ、識別情報生成部60は、検知信号に基づいて各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成する。生成された各印刷用紙Pの識別情報は、制御部21による制御の下で、インターフェース20を介して識別情報サーバ3に送信される。
【0027】
検知アンテナ61を通過した際に、後段で述べる制御部21での判定結果に基づいて、識別情報生成部60において生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能であると判定された印刷用紙Pは、搬送路切替部材34により搬送路L2に導かれて、レジストロール19の位置まで搬送される。一方、検知アンテナ61を通過した際に、制御部21により、識別情報生成部60において生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能であると判定されなかった印刷用紙Pは、搬送路切替部材34により搬送路L3に導かれて、排紙収容部40の用紙回収容器42に回収される。
【0028】
識別情報として使用可能であると判定された結果、レジストロール19の位置まで搬送された印刷用紙Pは、中間転写ベルト14上の重畳トナー像が二次転写部T2に搬送されるタイミングに合わせて二次転写部T2に供給される。そして、二次転写部T2にて二次転写ロール15とバックアップロール16との間に形成された転写電界の作用により、重畳トナー像は印刷用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
その後、重畳トナー像が静電転写された印刷用紙Pは、中間転写ベルト14から剥離され、定着部材18まで搬送される。定着部材18に搬送された印刷用紙P上の未定着トナー像は、定着部材18によって熱および圧力による定着処理を受けることで印刷用紙P上に定着される。それにより、印刷文書100が形成される。印刷文書100は、排紙収容部40の排紙収容容器41に搬送される。
【0029】
次に、本実施の形態の用紙識別装置5の構成を説明する。図3は、用紙識別装置5の構成の一例を示した図である。図3に示す用紙識別装置5は、印刷文書100に埋め込まれた金属細線を検知する検知手段の一例としての検知アンテナ51、検知アンテナ51にて検知された検知信号から各印刷文書100に対応した識別情報を検出する識別情報検出手段の一例としての検出部52、印刷文書100の識別情報を識別情報サーバ3に送信する送信部53、ネットワーク6との通信を制御するインターフェース54、識別情報サーバ3から識別情報に対応する追跡情報を受信する追跡情報取得手段の一例としての受信部55を備えている。
また、用紙識別装置5は、識別情報サーバ3から取得した識別情報に対応する追跡情報を表示する際の表示処理を行う表示制御部56、印刷文書100の識別情報に対応する追跡情報を表示する出力手段の一例としての表示部57を備えている。
【0030】
本実施の形態の用紙識別装置5では、給紙部59Aに印刷文書100が置かれると、印刷文書100は、搬送ロール58により検知アンテナ51を通過する搬送路L4を搬送される。そして、検知アンテナ51を通過する際に、印刷文書100に埋め込まれた金属細線を検知する。検知アンテナ51にて検知された検知信号は検出部52に送られ、検出部52は、検知信号に基づいて印刷文書100の識別情報を検出する。検出された印刷文書100の識別情報は、送信部53からインターフェース54を介して識別情報サーバ3に送信される。なお、印刷文書100は、検知アンテナ51を通過した後、排紙部59Bに搬出される。
識別情報サーバ3は、送信された印刷文書100の識別情報に対応する追跡情報を用紙識別装置5に送信する。受信部55は、印刷文書100の識別情報に対応する追跡情報をインターフェース54を介して取得し、表示制御部56に送る。表示制御部56は、印刷文書100の識別情報に対応する追跡情報に所定の表示処理を施して表示部57に送り、表示部57は、追跡情報を表示する。
【0031】
続いて、本実施の形態の文書管理システムにおいて印刷文書100を管理する際の処理を説明する。
図4は、印刷文書100を生成する際の文書管理システムでの動作を示したシーケンス図である。まず、ユーザが、端末装置1を操作し、文書サーバ2に格納された電子文書の中から印刷対象の電子文書を指定する。その際に、端末装置1は、印刷指示を行なったユーザに対して、ユーザを特定する氏名や識別コード等といったユーザ特定情報の入力を要求する(S101)。そして、ユーザ特定情報の入力が行われたら(S102)、その電子文書の印刷指示を文書サーバ2に送信する(S103)。また、端末装置1は、その電子文書の印刷指示を行ったユーザのユーザ特定情報、印刷指示を行った時刻(日時情報)、印刷指示を行った端末装置1を特定する情報(端末特定情報)を識別情報サーバ3に送信する(S104)。
【0032】
文書サーバ2は、端末装置1から電子文書の印刷指示を受信する(S201)。そして、印刷を指示された電子文書の格納場所を識別情報サーバ3に送信する(S202)。また、印刷を指示された電子文書を画像形成装置4に送信し、画像形成を指示する(ステップ203)。
識別情報サーバ3は、文書サーバ2から電子文書の格納場所を受信する(S301)。また、端末装置1からユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報を受信する(S302)。
画像形成装置4は、文書サーバ2から電子文書を受信する(S401)。
【0033】
画像形成装置4では、電子文書を受信すると、用紙収容部30の指定された用紙サイズの印刷用紙Pがピックアップロール32により用紙収容容器31A,31Bのいずれか一方から取り出される。そして、印刷用紙Pが検知アンテナ61を通過する際に、検知アンテナ61が印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線を検知し、検知された検知信号を識別情報生成部60に送る。識別情報生成部60は、取得した検知信号に基づいて、検知アンテナ61を通過した印刷用紙Pの識別情報を生成する(S402)。
画像形成装置4は、制御部21の制御の下で、生成された印刷用紙Pの識別情報を識別情報サーバ3に送信する(S403)。さらには、識別情報が生成された印刷用紙Pに、ステップ401にて受信した電子文書を印刷する(S404)。それにより、印刷文書100が形成される。
【0034】
識別情報サーバ3は、画像形成装置4から印刷用紙Pの識別情報を取得する(S303)。そして、取得した印刷用紙Pの識別情報と、文書サーバ2から取得した電子文書の格納場所と、さらには端末装置1から取得したユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報とを関連付けてデータベースに登録する(ステップ304)。
これにより、本実施の形態の文書管理システムでは、画像形成装置4にて印刷された各印刷用紙Pの識別情報と、各印刷用紙Pに印刷された電子文書と、印刷指示が行われた際の追跡情報(ユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報)とが対応付けられて管理される。
【0035】
ところで、上述した例では、印刷用紙Pの識別情報と、電子文書の格納場所と、印刷指示が行われた際の追跡情報とが関連付けられて構成されたデータベースを識別情報サーバ3に置く構成について説明した。これは、かかるデータベースを共有可能な装置(識別情報サーバ3)に置くことで、複数ユーザへの対応や、サーバのアクセス制御技術を利用した電子文書のセキュリティ確保が可能となるからである。しかしながら、必ずしもこのような構成を採用しなければならないというわけではなく、端末装置1や文書サーバ2にこのようなデータベースを置く構成を採用してもよい。
【0036】
引き続き、図5は、印刷文書100を検査する際の文書管理システムでの動作を示したシーケンス図である。まず、ユーザが、用紙識別装置5を操作し、印刷文書100の検査を指示する(S501)。用紙識別装置5は、印刷文書100の識別情報を検出する(S502)。そして、検出された印刷文書100の識別情報を識別情報サーバ3に送信する(S503)。
識別情報サーバ3は、用紙識別装置5から印刷文書100の識別情報を受信する(S601)。そして、受信した識別情報に対応する電子文書の格納場所、および追跡情報(ユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報)を検索し取得する(S602)。
識別情報サーバ3は、取得した電子文書の格納場所を文書サーバ2に送信する(S603)。また、取得した追跡情報(ユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報)を用紙識別装置5に送信する(S604)。
文書サーバ2は、識別情報サーバ3から電子文書の格納場所を受信する(S701)。そして、受信した電子文書の格納場所に格納された電子文書を用紙識別装置5に送信する(S702)。
【0037】
用紙識別装置5は、文書サーバ2から電子文書を受信する(S504)。また、識別情報サーバ3から追跡情報(ユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報)を受信する(S505)。そして、用紙識別装置5は、印刷文書100の識別情報に対応する電子文書および追跡情報(ユーザ特定情報、日時情報、端末特定情報)を表示部57に表示する(S506)。
これにより、本実施の形態の文書管理システムでは、印刷文書100に関する追跡情報を取得したり、印刷された電子文書の内容を照合することができる。
【0038】
次に、本実施の形態の文書管理システムに設けられた印刷用紙Pおよび印刷文書100の識別情報の生成・検出機構について説明する。本実施の形態の文書管理システムでは、画像形成装置4および用紙識別装置5に識別情報の生成・検出機構が設けられている。すなわち、画像形成装置4には、識別情報の生成機構として、検知アンテナ61と識別情報生成部60とが備えられている。また、用紙識別装置5には、識別情報の検出機構として、検知アンテナ51と検出部52とが備えられている。そして、画像形成装置4では、検知アンテナ61が印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線を検知し、識別情報生成部60は、検知アンテナ61により検知された検知信号に基づいて各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成する。また、用紙識別装置5では、検知アンテナ51が印刷文書100に埋め込まれた金属細線を検知し、検出部52は、検知アンテナ51により検知された検知信号に基づいて印刷文書100の識別情報を検出する。
【0039】
図6は、検知アンテナ61の構成を示した平面図であり、(a)は送信側アンテナ61A、(b)は受信側アンテナ61Bを示している。本実施の形態の検知アンテナ61は、送信側アンテナ61Aと受信側アンテナ61Bとが、印刷用紙Pが通過可能な間隙を開けて、互いに対向するように配置されている。
図6(a)に示した送信側アンテナ61Aの表面には、例えば線幅0.1〜0.5mmの銅線が複数の矩形状からなる閉ループを形成するように複数回(例えば、25ターン)巻かれて構成された送信アンテナ部611と、送信アンテナ部611に交流電流を供給する入力端子612および出力端子613とが備えられている。また、図6(b)に示した受信側アンテナ61Bの表面には、送信アンテナ部611と同様に構成された検知部の一例としての受信アンテナ部614と、受信アンテナ部614からの検知信号を取り出す検知端子615,616とが備えられている。
【0040】
また、図7は、識別情報生成部60の構成を示したブロック図である。図7に示したように、識別情報生成部60は、信号検知コンパレータ601、単安定マルチバイブレータ602、積分器603、上限電圧コンパレータ604、下限電圧コンパレータ605、セットリセットフリップフロップ回路606を備えている。
信号検知コンパレータ601は、検知アンテナ61にて検知されたアナログの検知信号を所定の比較信号との比較によりデジタル化(2値化)する。
単安定マルチバイブレータ602は、信号検知コンパレータ601から出力されたパルス信号を、送信側アンテナ61Aと受信側アンテナ61Bとの間隙に形成される交流磁界の1波長の長さのパルス信号として出力する。ここでは、リトリガー動作型の単安定マルチバイブレータが用いられ、複数のハイレベルのパルス信号が連続する場合には、それらを1つの連続したパルス信号として出力する。
積分器603は、検知アンテナ61にて検知された検知信号の不安定さを除去するために、所定の連続性を有するアナログ信号に変換する。
【0041】
上限電圧コンパレータ604は、積分器603にてアナログ化された信号を所定の上限比較信号と比較することで、印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線が検知アンテナ61に進入した状態を信号「1」としてデジタル出力する。それ以外は、信号「0」を出力する。
また、下限電圧コンパレータ605は、積分器603にてアナログ化された信号を所定の下限比較信号と比較することで、印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線が検知アンテナ61から離脱した状態を信号「1」としてデジタル出力する。それ以外は、信号「0」を出力する。
セットリセットフリップフロップ回路606は、上限電圧コンパレータ604から出力される信号「1」または「0」と、下限電圧コンパレータ605から出力される信号「1」または「0」とに基づいて、金属細線が検知アンテナ61を通過している状態を信号「1」で出力し、金属細線が検知アンテナ61を通過していない状態を信号「0」で出力する。
【0042】
すなわち、本実施の形態の検知アンテナ61では、送信側アンテナ61Aと受信側アンテナ61Bとの間隙を印刷用紙Pが通過する際に、送信アンテナ部611に交流電流が供給されることで、印刷用紙Pには交流磁界が作用する。図8(印刷用紙Pが検知アンテナ61を通過する様子を示した図)に示したように、印刷用紙Pには金属細線がランダムに埋め込まれているので、送信側アンテナ61Aと受信側アンテナ61Bとの間隙に形成された交流磁界は、印刷用紙Pの金属細線が存在する位置で乱される。そのため、図9(a)に示したように、受信側アンテナ61Bの検知端子615,616から検知される検知信号は、金属細線が存在する位置と、金属細線が存在しない位置とで、出力値が異なることとなる。
【0043】
印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線は、各印刷用紙P毎にそれぞれ異なる位置に存在するので、受信側アンテナ61Bの検知端子615,616からは、各印刷用紙P毎にそれぞれ異なる波形の検知信号が検知される。それにより、図9(b)に示したように、識別情報生成部60により出力される出力信号は、各印刷用紙P毎に異なる信号となる。本実施の形態の文書管理システムでは、この各印刷用紙P毎に異なる検知信号を、印刷用紙Pを識別する識別情報としている。
そして、図9(c)に示したように、識別情報生成部60にて生成された出力信号は、制御部21の制御の下で、印刷用紙Pを識別する識別情報として識別情報サーバ3に送信される。
【0044】
同様に、用紙識別装置5の検知アンテナ51は、画像形成装置4の検知アンテナ61と同様に構成されている。また、用紙識別装置5の検出部52は、画像形成装置4の識別情報生成部60と同様に構成されている。そして、検知アンテナ51が印刷文書100に埋め込まれた金属細線を検知し、検出部52は、検知アンテナ51により検知された検知信号に基づいて印刷文書100の識別情報を検出している。
【0045】
ところで、画像形成装置4の制御部21は、識別情報生成部60において生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能であるか否かを判定する機能を有している。具体的には、制御部21は、識別情報生成部60にて生成された識別情報を受け取る。そして、所定の判断基準(条件)を満たすか否かに基づいて、生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能か否かを判定する。すなわち、受信側アンテナ61Bにて検知される検知信号(図9(a)参照)において、金属細線が存在する位置での出力値と金属細線が存在しない位置での出力値とが、明確に区別されて検出されていない場合には、用紙識別装置5にて印刷文書100の識別情報を検出することができない場合もある。その場合には、印刷文書100の追跡を行うことができなくなり、機密性の高い印刷文書100の管理を充分に行うことが困難となる。
【0046】
そこで、制御部21は、所定の判断基準(条件)を満たすか否かに基づいて、生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能か否かを判定する。そして、生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能であると判定した場合には、制御部21は、識別情報生成部60にて生成された識別情報を識別情報サーバ3に送信する。ここでは、制御部21は、送信手段としても機能する。
その際には、制御部21は、印刷用紙Pが画像形成プロセス部10に搬送される搬送路L2に導かれるように、搬送路切替部材34を設定する。それにより、印刷用紙Pは画像形成プロセス部10にて印刷処理が行われる。
その一方、制御部21は、生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用不能であると判定した場合には、識別情報生成部60にて生成された識別情報を識別情報サーバ3に送信しない。そして、その際には、制御部21は、印刷用紙Pが排紙収容部40の用紙回収容器42に搬送される搬送路L3に導かれるように、搬送路切替部材34を設定する。それにより、印刷用紙Pは画像形成プロセス部10にて印刷処理が行われることなく、排紙収容部40の用紙回収容器42に回収されることとなる。
このように、制御部21は、識別情報生成部60にて生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能か否かを判定する判定手段として機能する。
【0047】
なお、生成された識別情報が印刷用紙Pを識別する識別情報として使用可能か否かを判定する機能は、識別情報生成部60に置いてもよい。その場合には、識別情報生成部60が判定手段として機能する。
【0048】
次に、識別情報サーバ3が記憶する情報の内容について具体的に説明する。
図10は、識別情報サーバ3に備えられたデータベース内に記憶される情報の一例を示した図である。このデータベースには、印刷用紙Pの識別情報と、電子文書の格納場所と、電子文書が印刷用紙Pに対して印刷指示された際の追跡情報としての日時情報、ユーザ特定情報、端末特定情報とがテーブル形式で記憶されている。
【0049】
識別情報は、本実施の形態の文書管理システムでは、上述したように、各印刷用紙Pの識別情報である。
電子文書の格納場所は、各印刷用紙Pに印刷された電子文書が格納された場所の情報(アドレス情報)である。
日時情報は、各印刷用紙Pに電子文書が印刷された日時の情報である。
ユーザ特定情報は、印刷指示を行なったユーザを特定する氏名や識別コード等の情報である。
端末特定情報は、印刷指示が行われた端末装置1を特定する情報である。
【0050】
そして、これらは、データベース内で相互に関連付けられて記憶されている。例えば、図10のテーブルでは、1行目の識別情報「010001000101」の印刷用紙Pには、電子文書「aa1.doc」が印刷されたことを示している。そして、印刷された日時は、2006年8月10日の12時15分であり、また、印刷指示を行ったユーザは「user_name_A」、印刷指示が行われた端末装置1は「machine_EF」であることを示している。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態の文書管理システムにおいては、画像形成装置4にて電子文書が印刷される媒体として、金属細線がランダムに埋め込まれた構造を有する印刷用紙Pを用いる。そして、印刷用紙Pに埋め込まれた金属細線を検知し、この検知信号に基づいて各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成する。そして、このように生成された各印刷用紙Pの識別情報を用いて、電子文書が印刷された印刷用紙Pに関する追跡情報を管理している。
それにより、機密性の高い電子文書が印刷された印刷用紙P(印刷文書100)を追跡することができるので、機密漏洩を抑制することができる。また、金属細線が埋め込まれた印刷用紙Pは、例えば建物の入口等に設置された金属探知機等により検知できるので、外部への持ち出しを抑制することもできる。
【0052】
[実施の形態2]
実施の形態1の文書管理システムでは、印刷用紙P等を1個の検知アンテナで検知し、識別情報の生成・検出を行う構成について説明した。本実施の形態の文書管理システムでは、印刷用紙Pの幅方向に複数個の検知アンテナを配置し、複数の検知アンテナを用いて印刷用紙P等について識別情報の生成・検出を行う構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0053】
図11は、本実施の形態の文書管理システムにおいて、画像形成装置4に設けられた識別情報の生成機構を説明する図である。図11に示したように、本実施の形態の画像形成装置4では、検知手段の一例として、印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向に、例えば4個の検知アンテナ61A,61B,61C,61Dが配置されている。これらの検知アンテナ61A,61B,61C,61Dは、それぞれが実施の形態1での検知アンテナ61と同様の構成を有している。そして、検知アンテナ61A,61B,61C,61Dは、それぞれの配置位置に対応する印刷用紙Pの搬送方向に沿って分割される印刷用紙P上の領域に存在する金属細線を検知する。すなわち、検知アンテナ61Aは印刷用紙P上の領域A、検知アンテナ61Bは印刷用紙P上の領域B、検知アンテナ61Cは印刷用紙P上の領域C、検知アンテナ61Dは印刷用紙P上の領域Dに存在する金属細線を検知する。
そして、それぞれで検知された検知信号は、識別情報生成部60に送られる。識別情報生成部60は、印刷用紙P上の各領域A,B,C,D毎に検知された検知信号に基づいて、各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成する。
【0054】
本実施の形態の識別情報生成部60は、各印刷用紙Pに対応した識別情報に、各領域A,B,C,Dを示す領域情報を付加する。例えば、識別情報生成部60では、4個の検知アンテナ61A,61B,61C,61Dによる4つの領域A,B,C,Dをそれぞれ示す2ビットからなる領域情報を識別情報の先頭ビットに付加する。具体的には、例えば領域Aに対応する識別情報の先頭ビットに領域情報“00”、領域Bに対応する識別情報の先頭ビットに領域情報“01”、領域Cに対応する識別情報の先頭ビットに領域情報“10”、領域Dに対応する識別情報の先頭ビットに領域情報“11”を、それぞれ付加する。それにより、各印刷用紙Pを各領域A,B,C,D毎にさらに細かく識別できるように構成している。
【0055】
図12は、本実施の形態の識別情報生成部60にて生成された識別情報が、識別情報サーバ3に備えられたデータベース内に記憶される際のテーブルの一例を示した図である。図12では、識別情報の先頭の2ビットが検知された印刷用紙P上の領域位置を示す領域情報で構成されている。また、図12に示したテーブルでは、4つの識別情報により、1つの印刷用紙Pに対応した識別情報を構成している。
このように、印刷用紙Pを分割した複数の領域A,B,C,D毎の識別情報により、各印刷用紙Pに対応した識別情報を生成することにより、例えば機密性の高い電子文書が印刷された印刷用紙P(印刷文書100)が裁断された場合にも、その一部により印刷用紙P(印刷文書100)を追跡することができる。
【0056】
また、識別情報生成部60は、各検知アンテナ61A,61B,61C,61Dにより検知される検知信号を時系列に分割し、分割された検知信号に基づいて識別情報を生成するように構成することもできる。それにより、各領域A,B,C,Dに関して、印刷用紙Pの搬送方向においても、分割された領域毎の識別情報を生成することもできる。この場合には、各領域を示す多ビットの領域情報が、領域毎の識別情報の先頭ビットに付加される。
それにより、例えば機密性の高い電子文書が印刷された印刷用紙P(印刷文書100)が搬送方向に直交する方向に裁断された場合にも、その一部により印刷用紙P(印刷文書100)を追跡することができる。
【0057】
また、印刷用紙Pとして、各印刷用紙Pの所定の領域毎に、その領域の位置を表す信号を生成するような金属細線が埋め込まれた構成のものを用いることもできる。このような印刷用紙Pを用いることで、識別情報生成部60は、各印刷用紙Pの各領域の位置を表す信号が内包された識別情報を生成することができる。それによっても、例えば機密性の高い電子文書が印刷された印刷用紙P(印刷文書100)が裁断された場合にも、その一部により印刷用紙P(印刷文書100)を追跡することができる。
さらには、所定の位置に、その位置を表す信号を生成するような金属細線が埋め込まれた構成の印刷用紙Pを用いることで、識別情報生成部60は、生成された識別情報から例えば印刷用紙Pの表裏や印刷用紙Pの先後端等を検知することもできる。それにより、画像形成装置4において、例えばフォームが予め印刷された印刷用紙Pにおいて、印刷用紙Pの表裏や印刷用紙Pの先後端等を誤って印刷されるのが抑制される。ここでの識別情報生成部60は、媒体判別手段としても機能する。
【0058】
ところで、本実施の形態では、印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向に4個の検知アンテナ61A,61B,61C,61Dが配置されている構成について述べた。このような構成の外に、検知アンテナ61をさらに多数配置した構成を用いることができる。その場合には、それぞれの検知アンテナ61が検知する領域の識別情報であることを表す領域情報として、検知アンテナ61の数に対応した3ビット以上のデータを用いることとなる。
また、領域情報は、識別情報の先頭ビットに限らず、後端ビットにおいて、または識別情報中に付加することもできる。
【0059】
このような画像形成装置4に設けられた識別情報の生成機構に対応して、用紙識別装置5における識別情報の検出機構においても、検知アンテナ51として、印刷用紙Pの搬送方向と直交する方向に、画像形成装置4の4個の検知アンテナ61A,61B,61C,61Dと同様の4個の検知アンテナ51が配置された構成が採用される。そして、検出部52は、画像形成装置4の4個の検知アンテナ61A,61B,61C,61Dがそれぞれ検知する各領域A,B,C,Dに対応する領域に関して、各領域毎の識別情報を検出するように構成される。
【0060】
このように、本実施の形態の文書管理システムでは、印刷用紙Pを所定の領域で分割し、分割された領域毎の識別情報からなる各印刷用紙Pに対応する識別情報を生成している。そして、識別情報サーバ3のデータベース内に記憶するに際して、各領域が区別できるように、識別情報に領域情報を付加して記憶している。それにより、例えば機密性の高い電子文書が印刷された印刷用紙P(印刷文書100)が裁断された場合にも、その一部により印刷用紙P(印刷文書100)を追跡することができる。また、印刷用紙Pの表裏や印刷用紙Pの先後端等を検知することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の文書管理システムの全体構成を示した図である。
【図2】画像形成装置の構成の一例を示した図である。
【図3】用紙識別装置の構成の一例を示した図である。
【図4】印刷文書を生成する際の文書管理システムでの動作を示したシーケンス図である。
【図5】印刷文書を検査する際の文書管理システムでの動作を示したシーケンス図である。
【図6】検知アンテナの構成を示した平面図である。
【図7】識別情報生成部の構成を示したブロック図である。
【図8】印刷用紙が検知アンテナを通過する様子を示した図である。
【図9】検知アンテナにて検知信号が検知され、それに対応して識別情報が生成されて、識別情報サーバに送信される過程を示した図である。
【図10】識別情報サーバに備えられたデータベース内に記憶される情報の一例を示した図である。
【図11】画像形成装置に設けられた識別情報の生成機構を説明する図である。
【図12】識別情報が識別情報サーバに備えられたデータベース内に記憶される際のテーブルの一例を示した図である。
【符号の説明】
【0062】
1…端末装置、2…文書サーバ、3…識別情報サーバ、4…画像形成装置、5…用紙識別装置、6…ネットワーク、21…制御部、51,61…検知アンテナ、52…検出部、60…識別情報生成部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属線が埋め込まれた媒体の当該金属線を検知する検知手段と、
前記検知手段と前記媒体とを相対移動させることにより当該検知手段にて検知された前記金属線の分布に基づいて、当該媒体の識別情報を生成する識別情報生成手段と、
前記媒体に文書画像を形成する画像形成手段と、
前記識別情報生成手段により生成された前記識別情報と、前記画像形成手段にて文書画像が形成された前記媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶手段と
を備えたことを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記検知手段は、当該検知手段と前記媒体との相対移動方向に直交する方向に複数配置され、前記識別情報生成手段は、当該複数の検知手段各々にて検知される前記金属線の分布に基づいて、当該媒体の前記識別情報を生成することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記検知手段は、導線が複数の矩形状からなる閉ループを形成するように複数回巻かれて構成された検知部を含むことを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記識別情報生成手段にて生成された前記識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記画像形成手段は、前記判定手段にて前記識別情報が前記条件を満たすと判定された場合に、前記媒体に文書画像を形成することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記識別情報生成手段にて生成された前記識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記画像形成手段は、前記判定手段にて前記識別情報が前記条件を満たさないと判定された場合に、前記媒体を回収することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記追跡情報として、前記画像形成手段に対して前記媒体に文書画像の形成を指示したユーザを特定する情報、当該画像形成手段にて当該媒体に文書画像を形成した日時に関する情報、当該画像形成手段に対して当該媒体に文書画像の形成を指示した機器を特定する情報のいずれか1または複数を記憶することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項7】
金属線が埋め込まれた媒体の当該金属線を検知する検知手段と、
前記検知手段と前記媒体とを相対移動させることにより当該検知手段にて検知された前記金属線の分布に基づいて、当該媒体の識別情報を生成する識別情報生成手段と、
前記識別情報生成手段にて生成された前記識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記識別情報が前記条件を満たすと判定された場合に、前記媒体に文書画像を形成する画像形成手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記検知手段は、当該検知手段と前記媒体との相対移動方向に直交する方向に複数配置され、前記識別情報生成手段は、当該複数の検知手段各々にて検知される前記金属線の分布に基づいて、当該媒体の前記識別情報を生成することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判定手段にて前記識別情報が前記条件を満たさないと判定された場合に、前記媒体を回収する回収手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記識別情報生成手段にて生成された前記識別情報に基づいて、前記媒体の表裏または当該媒体の先後端を判別する媒体判別手段をさらに備え、
前記画像形成手段は、前記媒体判別手段での前記媒体の表裏または当該媒体の先後端に関する判別結果に基づいて、当該媒体に文書画像を形成することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記判定手段にて前記識別情報が前記条件を満たすと判定された場合に、当該識別情報を外部装置に送信する送信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項12】
金属線が埋め込まれた媒体の当該金属線を検知する検知手段と、
前記検知手段と前記媒体とを相対移動させることにより当該検知手段にて検知された前記金属線の分布に基づいて、当該媒体の識別情報を検出する識別情報検出手段と
を備えたことを特徴とする媒体識別装置。
【請求項13】
前記媒体を識別する前記識別情報と、当該媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶装置から、前記識別情報検出手段により検出された当該識別情報に対応する当該追跡情報を取得する追跡情報取得手段と、
前記追跡情報取得手段にて取得された前記追跡情報を出力する出力手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項12記載の媒体識別装置。
【請求項14】
コンピュータに、
金属線が埋め込まれた媒体から得られた当該金属線の分布情報を取得する機能と、
前記金属線の分布情報に基づいて前記媒体の識別情報を生成する機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
コンピュータに、
金属線が埋め込まれた媒体から得られた当該金属線の分布情報に基づいて、当該媒体を識別する識別情報を検出する機能と、
前記媒体を識別する前記識別情報と、当該媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶装置から、検出された当該識別情報に対応する当該追跡情報を取得する機能と、
取得した前記追跡情報を出力する機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
金属線が埋め込まれた媒体の当該金属線を検知する検知手段と、
前記検知手段と前記媒体とを相対移動させることにより当該検知手段にて検知された前記金属線の分布に基づいて、当該媒体の識別情報を生成する識別情報生成手段と、
前記媒体に文書画像を形成する画像形成手段と、
前記識別情報生成手段により生成された前記識別情報と、前記画像形成手段にて文書画像が形成された前記媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶手段と
を備えたことを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記検知手段は、当該検知手段と前記媒体との相対移動方向に直交する方向に複数配置され、前記識別情報生成手段は、当該複数の検知手段各々にて検知される前記金属線の分布に基づいて、当該媒体の前記識別情報を生成することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記検知手段は、導線が複数の矩形状からなる閉ループを形成するように複数回巻かれて構成された検知部を含むことを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記識別情報生成手段にて生成された前記識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記画像形成手段は、前記判定手段にて前記識別情報が前記条件を満たすと判定された場合に、前記媒体に文書画像を形成することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記識別情報生成手段にて生成された前記識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記画像形成手段は、前記判定手段にて前記識別情報が前記条件を満たさないと判定された場合に、前記媒体を回収することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記追跡情報として、前記画像形成手段に対して前記媒体に文書画像の形成を指示したユーザを特定する情報、当該画像形成手段にて当該媒体に文書画像を形成した日時に関する情報、当該画像形成手段に対して当該媒体に文書画像の形成を指示した機器を特定する情報のいずれか1または複数を記憶することを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項7】
金属線が埋め込まれた媒体の当該金属線を検知する検知手段と、
前記検知手段と前記媒体とを相対移動させることにより当該検知手段にて検知された前記金属線の分布に基づいて、当該媒体の識別情報を生成する識別情報生成手段と、
前記識別情報生成手段にて生成された前記識別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記識別情報が前記条件を満たすと判定された場合に、前記媒体に文書画像を形成する画像形成手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記検知手段は、当該検知手段と前記媒体との相対移動方向に直交する方向に複数配置され、前記識別情報生成手段は、当該複数の検知手段各々にて検知される前記金属線の分布に基づいて、当該媒体の前記識別情報を生成することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記判定手段にて前記識別情報が前記条件を満たさないと判定された場合に、前記媒体を回収する回収手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記識別情報生成手段にて生成された前記識別情報に基づいて、前記媒体の表裏または当該媒体の先後端を判別する媒体判別手段をさらに備え、
前記画像形成手段は、前記媒体判別手段での前記媒体の表裏または当該媒体の先後端に関する判別結果に基づいて、当該媒体に文書画像を形成することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記判定手段にて前記識別情報が前記条件を満たすと判定された場合に、当該識別情報を外部装置に送信する送信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項12】
金属線が埋め込まれた媒体の当該金属線を検知する検知手段と、
前記検知手段と前記媒体とを相対移動させることにより当該検知手段にて検知された前記金属線の分布に基づいて、当該媒体の識別情報を検出する識別情報検出手段と
を備えたことを特徴とする媒体識別装置。
【請求項13】
前記媒体を識別する前記識別情報と、当該媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶装置から、前記識別情報検出手段により検出された当該識別情報に対応する当該追跡情報を取得する追跡情報取得手段と、
前記追跡情報取得手段にて取得された前記追跡情報を出力する出力手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項12記載の媒体識別装置。
【請求項14】
コンピュータに、
金属線が埋め込まれた媒体から得られた当該金属線の分布情報を取得する機能と、
前記金属線の分布情報に基づいて前記媒体の識別情報を生成する機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
コンピュータに、
金属線が埋め込まれた媒体から得られた当該金属線の分布情報に基づいて、当該媒体を識別する識別情報を検出する機能と、
前記媒体を識別する前記識別情報と、当該媒体を特定するに際して使用可能な追跡情報とを関連付けて記憶する記憶装置から、検出された当該識別情報に対応する当該追跡情報を取得する機能と、
取得した前記追跡情報を出力する機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−171072(P2008−171072A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1479(P2007−1479)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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