説明

斜流圧縮機

【課題】斜流圧縮機において、作動範囲を拡大する。
【解決手段】回転駆動されて作動流体に動圧を与える斜流インペラ11と、この斜流インペラ11から送出された作動流体の流路に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第1ディフューザ静翼12と、斜流インペラ11から送出された作動流体の流路における第1ディフューザ静翼12より下流側に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第2ディフューザ静翼13とを設けて構成し、第2ディフューザ静翼13における羽根42の枚数を第1ディフューザ静翼12における羽根41の枚数より多く設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を昇圧して圧縮流体とする斜流圧縮機に関し、特に、インペラから送出される作動流体の動圧を静圧に変換するディフューザに関するものである。
【背景技術】
【0002】
気体を圧縮する圧縮機としては、斜流圧縮機が知られている。一般的な斜流圧縮機は、ケーシング内に複数の羽根を有する斜流インペラが回転自在に支持され、この斜流インペラに対してその上流側に軸方向に沿って吸込流路が形成される一方、下流側に径方向に傾斜した吐出流路が形成され、この吐出流路にディフューザ静翼が設けられて構成されている。従って、モータにより斜流インペラを回転すると、作動流体が吸込流路を通してケーシング内に吸い込まれ、この斜流インペラを通過する過程で動圧が付与され、圧縮流体が吐出流路に吐出され、ディフューザ静翼で圧縮流体の動圧が静圧に変換される。
【0003】
なお、上述した圧縮機としては、下記特許文献1に記載されたものがある。
【0004】
【特許文献1】特開平11−173296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した斜流圧縮機では、所定の回転速度にて、作動流体の流量が基準流量より少なくなればサージング現象(以下、サージと称する)が発生して運転不能に陥る一方、作動流体の流量が基準流量より多くなればチョーキング現象(以下、チョークと称する。)が発生してその流量より多い流量を実現することができない。そのため、このサージからチョーク手前の設計点までの領域が、斜流圧縮機を効率良く運転することができる作動範囲として設定されている。
【0006】
従来、斜流圧縮機におけるサージ流量を減少させたり、チョーク流量を増大させることで作動範囲を拡大し、性能を向上させる場合、付加的な流路や装置を設けることが考えられているが、構造の複雑化、大型化、高コスト化を招いてしまうという問題がある。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するものであって、作動範囲を拡大することができる斜流圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の斜流圧縮機は、回転駆動されて作動流体に動圧を与える斜流インペラと、該斜流インペラから送出された作動流体の流路に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第1ディフューザ静翼と、前記斜流インペラから送出された作動流体の流路における前記第1ディフューザ静翼より下流側に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第2ディフューザ静翼とを具えた斜流圧縮機において、前記第2ディフューザ静翼における羽根の枚数は、前記第1ディフューザ静翼における羽根の枚数より多く設けられることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明の斜流圧縮機では、前記第2ディフューザ静翼における羽根の枚数は、前記第1ディフューザ静翼における羽根の枚数の整数倍に設定されることを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明の斜流圧縮機では、前記第2ディフューザ静翼における羽根の枚数は、前記第1ディフューザ静翼における羽根の枚数の2倍に設定され、前記第2ディフューザ静翼の羽根に対して前記第1ディフューザ静翼の羽根が周方向における負圧面側にずれて配置されると共に、前記第2ディフューザ静翼の羽根同士の周方向における距離を1.0にするとき、前記第1ディフューザ静翼の羽根と前記第2ディフューザ静翼の羽根の周方向における距離を0.05〜0.25に設定することを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明の斜流圧縮機では、前記第2ディフューザ静翼にチョーク部が形成されたことを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明の斜流圧縮機では、前記第1ディフューザ静翼は、小弦節比に設定されることを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明の斜流圧縮機では、前記斜流インペラと前記第1ディフューザ静翼との距離は、該第1ディフューザ静翼の羽根の高さの0.8〜1.2倍に設定されることを特徴としている。
【0014】
請求項7の発明の斜流圧縮機では、前記第1ディフューザ静翼は、作動流体の流路の最大外径部に配置されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明の斜流圧縮機によれば、回転駆動されて作動流体に動圧を与える斜流インペラと、斜流インペラから送出された作動流体の流路に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第1ディフューザ静翼と、斜流インペラから送出された作動流体の流路における第1ディフューザ静翼より下流側に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第2ディフューザ静翼とを設けて構成し、第2ディフューザ静翼における羽根の枚数を第1ディフューザ静翼における羽根の枚数より多く設けたので、斜流インペラで動圧が付与された作動流体が第1ディフューザ静翼から第2ディフューザ静翼に流れ込んで動圧が静圧に変換されるとき、第2ディフューザ静翼にて、羽根の圧力面側から負圧面側への作動流体の流れが発生するが、圧力面側と負圧面側との距離が短いため、作動流体が負圧面に沿ってスムースに流れることとなり、作動流体の流れが剥離しにくくなり、大流量となっても安定した流れを確保することができ、作動範囲を拡大することができる。
【0016】
請求項2の発明の斜流圧縮機によれば、第2ディフューザ静翼における羽根の枚数を第1ディフューザ静翼における羽根の枚数の整数倍に設定するので、第1ディフューザ静翼から第2ディフューザ静翼に流れ込んだ作動流体が、この第2ディフューザ静翼における複数の羽根の間を通過するときに、適正に動圧から静圧に変換されることとなり、作動流体の剥離を抑制して安定した流れを確保することができる。
【0017】
請求項3の発明の斜流圧縮機によれば、第2ディフューザ静翼における羽根の枚数を第1ディフューザ静翼における羽根の枚数の2倍に設定し、第2ディフューザ静翼の羽根に対して第1ディフューザ静翼の羽根を周方向における負圧面側にずれて配置すると共に、第2ディフューザ静翼の羽根同士の周方向における距離を1.0にするとき、第1ディフューザ静翼の羽根と第2ディフューザ静翼の羽根の周方向における距離を0.05〜0.25に設定するので、第1ディフューザ静翼から第2ディフューザ静翼に流れ込んだ作動流体が、この第2ディフューザ静翼における複数の羽根の間を通過するときに、適正に動圧から静圧に変換することができる。
【0018】
請求項4の発明の斜流圧縮機によれば、第2ディフューザ静翼にチョーク部を形成するので、サージ流量が低減され、作動流体が小流量となっても、安定した流れを確保することができ、作動範囲を拡大することができる。
【0019】
請求項5の発明の斜流圧縮機によれば、第1ディフューザ静翼を小弦節比に設定するので、第1ディフューザ静翼における羽根の枚数が減少することとなり、斜流インペラの出口における作動流体の流れ角度が鈍角に違うものとなり、作動流体が小流量となっても、安定した流れを確保することができる。
【0020】
請求項6の発明の斜流圧縮機によれば、斜流インペラと第1ディフューザ静翼との距離をこの第1ディフューザ静翼の羽根の高さの0.8〜1.2倍に設定するので、斜流インペラと第1ディフューザ静翼とが所定の距離だけ離間することで、斜流インペラと第1ディフューザ静翼の相互干渉が緩和され、斜流インペラから第1ディフューザ静翼に流れ込む作動流体における圧力分布を均一化することができ、小流量となっても安定した流れを確保することができる。
【0021】
請求項7の発明の斜流圧縮機によれば、第1ディフューザ静翼を作動流体の流路の最大外径部に配置するので、斜流インペラで動圧が付与された作動流体を第1ディフューザ静翼及び第2ディフューザ静翼にて適正に静圧に変換することができ、効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明に係る斜流圧縮機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明の一実施例に係る斜流圧縮機の要部断面図、図2は、本実施例の斜流圧縮機における斜流インペラ及びディフューザ静翼を表す概略図、図3は、本実施例の斜流圧縮機における作動範囲を表すグラフである。
【0024】
本実施例の斜流圧縮機は、図1及び図2に示すように、回転駆動されて作動流体に動圧を与える斜流インペラ11と、この斜流インペラ11から送出された作動流体の流路に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第1ディフューザ静翼12と、斜流インペラ11から送出された作動流体の流路における第1ディフューザ静翼12より下流側に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第2ディフューザ静翼とを有している。
【0025】
即ち、ケーシング21内には、斜流インペラ11が図示しない回転軸により回転自在に支持されており、このインペラ11に対して、吸込流路22と、圧縮流路23と、吐出流路24が形成されている。
【0026】
この斜流インペラ11は、回転軸に一体に固定されたハブ31と、このハブ31の外周部に周方向に均等間隔で固定された複数の羽根32とから構成されている。吸込流路22は、ケーシング21のシュラウド25により区画されている。圧縮流路23は、このシュラウド25の壁面とハブ31の外周面により区画されており、複数の羽根32が位置している。吐出流路24は、シュラウド25の壁面とハブ31側の隔壁部材26により区画されている。
【0027】
第1ディフューザ静翼12は、作動流体の吐出流路24における最大外径部に配置されており、シュラウド25と隔壁部材26とを連結するように、周方向に均等間隔で複数の羽根41が設けられている。第2ディフューザ静翼13は、作動流体の吐出流路24における最大外径部より下流側に配置されており、シュラウド25と隔壁部材26とを連結するように、周方向に均等間隔で複数の羽根42が設けられている。
【0028】
そして、本実施例では、第1ディフューザ静翼12が小弦節比に設定されている。即ち、第1ディフューザ静翼12にて、羽根41の長さ(弦)をC、ピッチ(節)をPとするとき、弦節比C/Pを0.6〜1.0の範囲に設定しており、弦節比C/P=0.9に設定することが望ましい。
【0029】
従って、第1ディフューザ静翼12を小弦節比に設定することで、第1ディフューザ静翼12における羽根41の枚数が減少することとなり、斜流インペラ11の出口における作動流体の流れ角度が鈍角に違いものとなり、作動流体が小流量となっても、安定した流れが確保される。
【0030】
また、本実施例では、第2ディフューザ静翼13における羽根42の枚数は、第1ディフューザ静翼12における羽根41の枚数より多く設けられている。具体的には、第2ディフューザ静翼13における羽根42の枚数が、第1ディフューザ静翼12における羽根41の枚数の整数倍に設定されることが望ましい。
【0031】
本実施例では、第2ディフューザ静翼13における羽根42の枚数が、第1ディフューザ静翼12における羽根41の枚数の2倍に設定されている。そして、第2ディフューザ静翼13の羽根42に対して、第1ディフューザ静翼12の羽根42が周方向における負圧面側にずれて配置すると共に、第2ディフューザ静翼の羽根同士の周方向における距離L1を1.0にするとき、第1ディフューザ静翼12の羽根41と第2ディフューザ静翼13の羽根42の周方向における距離L2を0.05〜0.25に設定することが望ましい。
【0032】
一般に、斜流インペラ11で圧縮された作動流体が第1ディフューザ静翼12から第2ディフューザ静翼13に流れ込んで、動圧が静圧に変換されるとき、第2ディフューザ静翼13では、羽根42の圧力面側から負圧面側への作動流体の流れが発生し、負圧面側の下流側で作動流体の流れが剥離してしまう。一方、本実施例では、第2ディフューザ静翼13における羽根42の枚数を第1ディフューザ静翼12における羽根41の枚数より多く設けていることで、第2ディフューザ静翼13にて、羽根42の圧力面側から負圧面側への作動流体の流れが発生するとき、圧力面側と負圧面側との距離が短いため、作動流体が負圧面に沿ってスムースに流れることとなり、作動流体の流れが剥離しにくくなり、大流量となっても、安定した流れが確保される。
【0033】
そして、第2ディフューザ静翼13の羽根42に対して第1ディフューザ静翼12の羽根42が所定量だけ負圧面側にずれて配置されているため、第1ディフューザ静翼12から第2ディフューザ静翼13に流れ込んだ作動流体が、この第2ディフューザ静翼13における複数の羽根42の間を通過するときに、適正に動圧から静圧に変換されることとなり、作動流体の剥離を抑制して安定した流れが確保される。
【0034】
また、本実施例では、第2ディフューザ静翼13にチョーク部を形成している。即ち、この第2ディフューザ静翼13における羽根42の枚数を増加することで、周方向におけるピッチを狭くし、この第2ディフューザ静翼13(羽根42)の入口で最大吐出流量を規定するようにしている。
【0035】
従って、第2ディフューザ静翼13にチョーク部を形成することで、サージ流量が低減され、この第2ディフューザ静翼13における作動流体が小流量となっても、安定した流れが確保される。
【0036】
更に、斜流インペラ11と第1ディフューザ静翼12との距離Sを、第1ディフューザ静翼12における羽根41の高さの0.8〜1.2倍に設定している。従って、斜流インペラ11と第1ディフューザ静翼12とが距離Sだけ離間することで、斜流インペラ11と第1ディフューザ静翼12の相互干渉が緩和され、斜流インペラ11から第1ディフューザ静翼12に流れ込む作動流体における圧力分布を均一化し、小流量となっても安定した流れが確保される。
【0037】
上述した本実施例の斜流圧縮機における作動範囲について説明する。図3に示すグラスは、流量に対する効率(圧縮比)を表すものであり、下からディフューザ静翼、斜流インペラ、斜流圧縮機全体のものを表している。このグラフからわかるように、実線で表す本実施例のディフューザ静翼におけるチョーク流量G3が、斜流インペラと同様で、且つ、一点鎖線で示す従来のディフューザ静翼におけるチョーク流量G03よりも低流量に設定されると共に、サージ流量G1が、一点鎖線で示す従来のディフューザ静翼におけるサージ流量G01よりも低流量に設定されている。
【0038】
そのため、従来の斜流圧縮機では、ディフューザ静翼におけるサージ流量G01と斜流インペラにおける設計流量G2(チョーク流量G03)で作動範囲A0が設定されるが、本実施例の斜流圧縮機では、ディフューザ静翼におけるサージ流量G1と斜流インペラにおける設計流量G2(チョーク流量G03)で作動範囲A1が設定される。従って、本実施例の斜流圧縮機における作動範囲A1を従来の斜流圧縮機における作動範囲A0に比べて拡大することができる。
【0039】
このように本実施例の斜流圧縮機にあっては、回転駆動されて作動流体に動圧を与える斜流インペラ11と、この斜流インペラ11から送出された作動流体の流路に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第1ディフューザ静翼12と、斜流インペラ11から送出された作動流体の流路における第1ディフューザ静翼12より下流側に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第2ディフューザ静翼13とを設けて構成し、第2ディフューザ静翼13における羽根42の枚数を第1ディフューザ静翼12における羽根41の枚数より多く設けている。
【0040】
従って、斜流インペラ11で動圧が付与された作動流体が第1ディフューザ静翼12から第2ディフューザ静翼13に流れ込んで動圧が静圧に変換されるとき、第2ディフューザ静翼13にて、羽根42の圧力面側から負圧面側への作動流体の流れが発生するが、圧力面側と負圧面側との距離が短いため、作動流体が負圧面に沿ってスムースに流れることとなり、作動流体の流れが剥離しにくくなり、大流量となっても安定した流れを確保することができ、作動範囲を拡大することができる。
【0041】
また、本実施例では、第2ディフューザ静翼13における羽根42の枚数を第1ディフューザ静翼12における羽根41の枚数の整数倍に設定している。従って、第1ディフューザ静翼12から第2ディフューザ静翼13に流れ込んだ作動流体が、この第2ディフューザ静翼13における複数の羽根41の間を通過するときに、適正に動圧から静圧に変換されることとなり、作動流体の剥離を抑制して安定した流れを確保することができる。
【0042】
この場合、第2ディフューザ静翼13における羽根42の枚数を第1ディフューザ静翼12における羽根41の枚数の2倍に設定し、第2ディフューザ静翼13の羽根42に対して第1ディフューザ静翼12の羽根41を周方向における負圧面側にずれて配置すると共に、第2ディフューザ静翼13の羽根42同士の周方向における距離を1.0にするとき、第1ディフューザ静翼12の羽根41と第2ディフューザ静翼13の羽根42の周方向における距離を0.05〜0.25に設定している。従って、第1ディフューザ静翼12から第2ディフューザ静翼13に流れ込んだ作動流体が、この第2ディフューザ静翼13における複数の羽根42の間を通過するときに、適正に動圧から静圧に変換することができる。
【0043】
また、本実施例の斜流圧縮機では、第2ディフューザ静翼13にチョーク部を形成しており、サージ流量を低減することができ、作動流体が小流量となっても安定した流れを確保することができ、作動範囲を拡大することができる。
【0044】
更に、第1ディフューザ静翼12を小弦節比に設定しており、第1ディフューザ静翼12における羽根41の枚数が減少することとなり、斜流インペラ11の出口における作動流体の流れ角度が鈍角に違いものとなり、作動流体が小流量となっても安定した流れを確保することができる。
【0045】
また、斜流インペラ11と第1ディフューザ静翼12との距離をこの第1ディフューザ静翼12の羽根41の高さの0.8〜1.2倍に設定しており、斜流インペラ11と第1ディフューザ静翼12とが所定の距離だけ離間することで、斜流インペラ11と第1ディフューザ静翼12の相互干渉が緩和され、斜流インペラ11から第1ディフューザ静翼12に流れ込む作動流体における圧力分布を均一化することができ、小流量となっても安定した流れを確保することができる。
【0046】
そして、本実施例では、第1ディフューザ静翼12を作動流体の流路の最大外径部に配置しており、斜流インペラ11で動圧が付与された作動流体をこの第1ディフューザ静翼12及び第2ディフューザ静翼13にて適正に静圧に変換することができ、効率を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係る斜流圧縮機は、作動範囲を拡大して効率を向上するものであり、この斜流圧縮機を適用した航空用ジェットエンジン、ガスタービン、船舶用または自動車用過給機、産業用圧縮機などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施例に係る斜流圧縮機の要部断面図である。
【図2】本実施例の斜流圧縮機における斜流インペラ及びディフューザ静翼を表す概略図である。
【図3】本実施例の斜流圧縮機における作動範囲を表すグラフである。
【符号の説明】
【0049】
11 斜流インペラ
12 第1ディフューザ静翼
13 第1ディフューザ静翼
21 ケーシング
22 吸込流路
23 圧縮流路
24 吐出流路
25 シュラウド
26 隔壁部材
31 ハブ
32 羽根
41,42 羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動されて作動流体に動圧を与える斜流インペラと、該斜流インペラから送出された作動流体の流路に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第1ディフューザ静翼と、前記斜流インペラから送出された作動流体の流路における前記第1ディフューザ静翼より下流側に配置されて作動流体の動圧を静圧に変換する第2ディフューザ静翼とを具えた斜流圧縮機において、前記第2ディフューザ静翼における羽根の枚数は、前記第1ディフューザ静翼における羽根の枚数より多く設けられることを特徴とする斜流圧縮機。
【請求項2】
請求項1に記載の斜流圧縮機において、前記第2ディフューザ静翼における羽根の枚数は、前記第1ディフューザ静翼における羽根の枚数の整数倍に設定されることを特徴とする斜流圧縮機。
【請求項3】
請求項2に記載の斜流圧縮機において、前記第2ディフューザ静翼における羽根の枚数は、前記第1ディフューザ静翼における羽根の枚数の2倍に設定され、前記第2ディフューザ静翼の羽根に対して前記第1ディフューザ静翼の羽根が周方向における負圧面側にずれて配置されると共に、前記第2ディフューザ静翼の羽根同士の周方向における距離を1.0にするとき、前記第1ディフューザ静翼の羽根と前記第2ディフューザ静翼の羽根の周方向における距離を0.05〜0.25に設定することを特徴とする斜流圧縮機。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の斜流圧縮機において、前記第2ディフューザ静翼にチョーク部が形成されたことを特徴とする斜流圧縮機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載の斜流圧縮機において、前記第1ディフューザ静翼は、小弦節比に設定されることを特徴とする斜流圧縮機。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の斜流圧縮機において、前記斜流インペラと前記第1ディフューザ静翼との距離は、該第1ディフューザ静翼の羽根の高さの0.8〜1.2倍に設定されることを特徴とする斜流圧縮機。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載の斜流圧縮機において、前記第1ディフューザ静翼は、作動流体の流路の最大外径部に配置されることを特徴とする斜流圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−95638(P2008−95638A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280437(P2006−280437)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】