説明

断熱性容器及び断熱性容器の製造方法

【課題】平滑な外周面を有する断熱性容器を提供する。
【解決手段】胴部材1及び底部材2を備える断熱性容器であって、胴部材1は、筒状の紙層10と、紙層10の内周面上の熱可塑性樹脂層11と、紙層10の外周面上の発泡断熱層12と、発泡断熱層12の外周面上の一部に配置された第1の印刷層14a,14b,14cと、発泡断熱層12の外周面上の他の一部に配置され、第1の印刷層14a,14b,14cの外周面と同一の面で連続する外周面を有する第2の印刷層15a,15bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製の断熱性容器(紙カップ)及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
断熱性容器は、コーヒー等のホット飲料用やラーメン、スープ、味噌汁等の即席食品用等に使用される。断熱性容器は、手で持ちやすいように、内容物の温度を遮断する断熱構造を有する。又、断熱性容器の外周面には、種々の絵柄や文字、記号、模様、POSバーコード等の印刷が施されているものがある。
【0003】
断熱性容器の一つとして、紙層の両面に熱可塑性樹脂層を積層し、外周面の熱可塑性樹脂層を発泡させる手法がある(例えば、特許文献1及び2参照。)。この場合、印刷層直下の熱可塑性樹脂層の発泡が、印刷層が塗布されていない熱可塑性樹脂層の発泡よりも抑制され、外周面に凹凸が生じて平滑性が低下する。このため、外周面に施された印刷に変形、歪み、ボケ等を生じ、外観を損ねて視認性が低下するといった問題がある。又、近年、POSバーコードでは付加情報が増大するとともに模様が複雑化していることもあり、POSバーコードの変形によりバーコードリーダによる読み取りエラーが頻発する可能性がある。
【特許文献1】特許第3414978号公報
【特許文献2】特許第3408156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、平滑な外周面を有する断熱性容器及び断熱性容器の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の一態様によれば、胴部材及び底部材を備える断熱性容器であって、胴部材は、(イ)筒状の紙層と、(ロ)紙層の内周面上の熱可塑性樹脂層と、(ハ)紙層の外周面上の発泡断熱層と、(ニ)発泡断熱層の外周面上の一部に配置された第1の印刷層と、(ホ)発泡断熱層の外周面上の他の一部に配置され、第1の印刷層の外周面と同一の面で連続する外周面を有する第2の印刷層とを備える断熱性容器が提供される。
【0006】
本願発明の他の態様によれば、(イ)第1の熱可塑性樹脂層を裏面に積層し、且つ第2の熱可塑性樹脂層を表面に積層した水分を含む紙層を用意するステップと、(ロ)第2の熱可塑性樹脂層の表面の一部に第1の印刷層を形成するステップと、(ハ)第2の熱可塑性樹脂層の表面の他の一部に第1の印刷層と表面が同一の面で連続する第2の印刷層を形成するステップと、(ニ)紙層、第1及び第2の熱可塑性樹脂層、第1及び第2の印刷層を含む胴部材を筒状に成形するステップと、(ホ)胴部材を底部材と接合するステップと、(ヘ)加熱により水分を用いて第2の熱可塑性樹脂層を発泡させるステップとを含む断熱性容器の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、平滑な外周面を有する断熱性容器及び断熱性容器の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0009】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0010】
(断熱性容器)
本発明の実施の形態に係る断熱性容器は、図1に示すように、筒状の胴部材1と、胴部材1と接合された底部材2を備える。胴部材1の上端は外側に巻かれ、胴部材1の下端は内側に折り返されている。底部材2の周縁は外側に屈曲している。胴部材1の下端の折り返し部分と、底部材2の周縁の屈曲部分とが接合されている。
【0011】
胴部材1は、図1及び図2に示すように、筒状の紙層10と、紙層10の内周面上の熱可塑性樹脂層(第1の熱可塑性樹脂層)11と、紙層10の外周面上の発泡断熱層(第2の熱可塑性樹脂層)12と、発泡断熱層12の外周面上の一部に配置された第1の印刷層14a,14b,14cと、発泡断熱層12の外周面上の他の一部に配置され、第1の印刷層14a,14b,14cの外周面と同一の面で連続する外周面を有する第2の印刷層15a,15bとを備える。
【0012】
ここで、「同一の面」とは、厳密にフラットであることを意味するものではなく、文字やバーコード等をリーダによって問題なく読み取れる程度の平滑さを有する面を意味するものである。
【0013】
紙層10の厚さは250μm〜350μm程度である。紙層10としては、坪量150g/cm2〜350g/cm2程度の紙が使用可能である。
【0014】
熱可塑性樹脂層11の厚さは10μm〜40μm程度である。熱可塑性樹脂層11は、内容物である液体が紙層10へ浸透することを防止するとともに、断熱性容器の製造における加熱処理時に紙層10に含まれる水分が紙面から直接大気へ蒸発することを防止する。
【0015】
発泡断熱層12の厚さは100μm〜1000μm程度である。発泡断熱層12は、製造時に加熱処理により紙層10に含有された水分の蒸発を利用して熱可塑性樹脂を発泡、膨張させたものであり、内容物の熱が外部に伝わらないよう断熱性を有する。熱可塑性樹脂層11及び発泡断熱層12の材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0016】
又、熱可塑性樹脂層11として、発泡断熱層12より融点の高い熱可塑性樹脂を用いれば、発泡断熱層12を発泡させるための加熱処理時に紙層10の水分が内周面から蒸発することを防ぎ、熱可塑性樹脂層11を発泡させずに、発泡断熱層12だけを発泡させることができる。例えば、熱可塑性樹脂層11及び発泡断熱層12の材料としてポリエチレン樹脂をともに用いる場合、熱可塑性樹脂層11として中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)を用い、発泡断熱層12としてMDPEよりも融点の低い低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を用いれば好適である。
【0017】
第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bは表面のレベルが一致している。第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bの厚さはそれぞれ、0.5μm〜2μm程度である。第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bは、透明であっても良く、白色又は種々のカラーを表示しても良い。第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bの組み合わせにより、文字、記号、図形、模様等を構成する。第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bにより構成される文字、記号、図形、模様等の位置、大きさ、範囲等は適宜設定可能である。
【0018】
又、第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bは、発泡断熱層12を発泡させるための加熱処理時に発泡断熱層12の破れを抑え、且つ第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15b自身に割れが発生しない程度の柔軟性を有する。
【0019】
第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bの材料としては、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、アルキッド・硝化綿との共重合体、ポリアミド、アクリル、アクリルとロジンの共重合体、塩素化ポリオレフィン等の樹脂成分を含む溶剤の他、有色の場合には顔料又は着色染料等を更に含有するインキが使用可能である。第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bは互いに同じ材料を用いても良く、異なる材料を用いても良い。
【0020】
底部材2は、紙層20と、紙層20の内側に配置されたコーティング樹脂層21を備える。コーティング樹脂層21の厚さは30〜50μm程度であり、コーティング樹脂層21の材料としてはLDPE等が使用可能である。紙層20の材料としては、胴部材1の紙層10と同様に、坪量150g/cm2〜350g/cm2程度の紙が使用可能である。なお、図1に示した底部材2の積層構造や形状は一例であり、特に限定されない。
【0021】
本発明の実施の形態に係る断熱性容器によれば、第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bの外周面が同一の面で連続(表面のレベルが一致)しているので、外周面が平滑である。このため、第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bにより構成される絵柄や文字、記号、模様等の視認性が良好であるとともに、POSバーコードの読み取りエラーを防止することができる。
【0022】
(断熱性容器の製造方法)
次に、本発明の実施の形態に係る断熱性容器の製造方法の一例を、図1〜図5を参照して説明する。
【0023】
(イ)まず、坪量150g/cm2〜400g/cm2程度、250μm〜350μm程度の厚さの水分を含む紙層(原紙)10を用意する。紙層10の含水率は、5%〜10%程度が好ましく、更に7%〜8%程度がより好ましい。含水率が5%未満であると後の工程で積層する発泡断熱層が発泡不足となり十分な断熱効果が得られない場合がある。含水率が10%を越えると発泡断熱層の外周面が破裂する場合がある。
【0024】
(ロ)次に、押し出しコーティング法又はラミネート法等により、紙層10の裏面に10μm〜40μm程度の第1の熱可塑性樹脂層11を積層する。更に、押し出しコーティング法又はラミネート法等により、紙層10の表面に第1の熱可塑性樹脂層11よりも低融点の第2の熱可塑性樹脂層12を積層する。第2の熱可塑性樹脂層12の厚さは紙層10の厚み(坪量)に依存し、ここでは第2の熱可塑性樹脂層12の厚さは15μm〜100μm程度である。第2の熱可塑性樹脂層12の厚さが15μm未満又は100μmを越えると、加熱処理の際に第2の熱可塑性樹脂層12が発泡しにくくなる。なお、いわゆるノーコート紙の紙層10に第1の熱可塑性樹脂層11及び第2の熱可塑性樹脂層12を積層する場合を説明したが、紙層10の裏面に第1の熱可塑性樹脂層11を予め積層したり、紙層10として第1の熱可塑性樹脂層11側にコート層が来るように片コート紙を配置したり、或いは紙層10の表面に第2の熱可塑性樹脂層12を予め積層した積層体や、紙層10の裏面及び表面にそれぞれ第1の熱可塑性樹脂層11及び第2の熱可塑性樹脂層12を予め積層した積層体を用意しても良い。
【0025】
(ハ)次に、図3に示すように、グラビア印刷等により、第2の熱可塑性樹脂層12の表面に0.5μm〜2μm程度の第1の印刷層14a,14b及び第2の印刷層15aを表面が同一の面で連続するようにそれぞれ形成する。なお、第1の印刷層14a,14b及び第2の印刷層15aの位置、大きさ、範囲等は特に限定されない。
【0026】
(ニ)次に、紙層10の裏面に第1の熱可塑性樹脂層11が積層され、紙層10の表面に第2の熱可塑性樹脂層12、第1の印刷層14a,14b及び第2の印刷層15aが積層された積層体から、図4に示すように扇状又は帯状の胴部材(ブランク)1を打ち抜く。
【0027】
(ホ)別途、紙層20を用意し、押し出しコーティング法又はラミネート法等により、紙層20の表面にコーティング樹脂層21を積層する。なお、紙層20の表面にコーティング樹脂層21を予め積層した積層体を用意しても良い。そして、紙層10とコーティング樹脂層21の積層体から、図5に示すように、円形の底部材2(ブランク)を打ち抜く。
【0028】
(ヘ)次に、カップ成形機を用いて、胴部材(ブランク)1を筒状に成形し、胴部材1の上端を外側に屈曲させ、胴部材1の下端を内側に折り返す。又、底部材(ブランク)2の周縁を屈曲させる。そして、胴部材1の下端の折り返し部と底部材2の屈曲した周縁とを熱圧着により接合することにより、断熱性容器を成形する。
【0029】
(ト)次に、熱風、赤外線、遠赤外線、マイクロ波、高周波等の加熱手段を用いて、成形された断熱性容器を静置或いはコンベアーにより送りながら、100〜200°C程度、1分〜7分程度加熱する。これにより、紙層10に含まれる水分が第2の熱可塑性樹脂層12側へ蒸発し、この水分により第2の熱可塑性樹脂層12を発泡させる。第2の熱可塑性樹脂層12は、加熱前の厚さと比して3〜12倍程度の厚さに膨張する。このとき、第2の熱可塑性樹脂層12上は第1の印刷層14a,14b及び第2の印刷層15aにより同じ厚さで覆われているので、第2の熱可塑性樹脂層12は全面において均一の厚さで膨張し、発泡断熱層12となる。
【0030】
本発明の実施の形態に係る断熱性容器の製造方法によれば、第2の熱可塑性樹脂層12が均一の厚さで膨張するので、発泡後の断熱性容器の外周面を平滑化することができる。
【0031】
この結果、第1の印刷層14a,14b及び第2の印刷層15aにより構成される絵柄や文字、記号、模様等には変形、歪み、ボケ、ピンホールが生ずることなく、視認性が良好でバーコードの読み取りエラーを防止することができる断熱性容器を実現可能となる。
【0032】
なお、上述した製造方法では、断熱性容器に成形した状態で加熱する例を説明したが、胴部材(ブランク)1を打ち抜く前に、平板状のまま胴部材1を加熱し第2の熱可塑性樹脂層12を発泡させてから、胴部材(ブランク)1を打ち抜き、胴部材1と底部材2とを接合して成形しても良い。
【0033】
又、胴部材(ブランク)1を筒状にする前に、胴部材(ブランク)1を加熱し第2の熱可塑性樹脂層12を発泡させてから、胴部材1と底部材2とを接合して成形しても良い。
【0034】
(第1の変形例)
本発明の実施の形態の第1の変形例に係る断熱性容器は、図6に示すように、発泡断熱層12と第1の印刷層14a,14b及び第2の印刷層15aとの間に配置された下地印刷層13を更に備える点が、図2に示した構造と異なる。
【0035】
下地印刷層13の厚さは0.3μm〜2μm程度であり、下地印刷層13の材料としては、第1の印刷層14a,14b及び第2の印刷層15aと同様に、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂、アルキッド・硝化綿との共重合体、ポリアミド、アクリル、アクリルとロジンの共重合体、塩素化ポリオレフィン等が使用可能である。例えば、第1の印刷層14a,14bはカラーを表示し、第2の印刷層15aは透明であり、下地印刷層13は第1の印刷層14a,14bと異なる色を表示することができる。他の構造は、本発明の実施の形態に係る断熱性容器と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
【0036】
このような断熱性容器を製造する場合には、第2の熱可塑性樹脂層12を形成した後に、グラビア印刷等により第2の熱可塑性樹脂層12の表面に下地印刷層13を形成する。その後、グラビア印刷等により下地印刷層13の表面に、第1の印刷層14a,14b及び第2の印刷層15aを形成すれば良い。
【0037】
本発明の実施の形態の第1の変形例によれば、下地印刷層13を備えることにより印刷の自由度を上げることができる。
【0038】
(第2の変形例)
本発明の実施の形態の第2の変形例に係る断熱性容器は、図7に示すように、紙層10と第1の熱可塑性樹脂層11の間にバリア層16を設けている点が、図2に示した構造と異なる。
【0039】
バリア層16の厚さは5μm〜50μm程度であり、バリア層16の材料としては、片コート紙のコート層として使用されるカオリンクレー等の無機物、或いはポリエチレンテレフタラート(PET)やアルミニウム箔等が使用可能である。他の構造は、本発明の実施の形態に係る断熱性容器と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。このような断熱性容器を製造する場合には、ラミネート法等により紙層10の表面上にバリア層16を積層すれば良い。
【0040】
本発明の実施の形態の第2の変形例によれば、バリア層16を更に備えることによりバリア性が向上し、内面側からの水蒸気の蒸発を防ぐことができる。この場合、熱可塑性樹脂層11として発泡断熱層12よりも融点の低い材料を用いなくても、熱可塑性樹脂層11を発泡させずに、発泡断熱層12だけを発泡させることができる。
【0041】
(第3の変形例)
本発明の実施の形態の第3の変形例において、熱可塑性樹脂層11の材料としてMDPEの代わりに、電子線(EB)が照射されたLDPEを使用しても良い。EBが照射されたLDPEは架橋され、融点が上昇している。このため、MDPEと同様に、水蒸気を遮断することができる。このような断熱性容器を製造する場合には、紙層10の内周面上に熱可塑性樹脂層11としてLDPEを積層してEBを照射すれば良い。
【0042】
本発明の実施の形態の第3の変形例によれば、熱可塑性樹脂層11としてMDPEの代わりにLDPEを用いることができるので、発泡後の表面も滑らかで安価な断熱性容器を実現可能となる。
【0043】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0044】
例えば、断熱性容器本体の形状は、いわゆるカップ状のほか、どんぶり型や弁当箱状とすることもできる。又、第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bを示したが、第1の印刷層14a,14b,14c及び第2の印刷層15a,15bと同一の面で連続する外周面を有する他の印刷層を複数種更に備えていても良い。
【0045】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る断熱性容器を示す一部を切欠断面とした概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る断熱性容器の要部断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る断熱性容器の製造方法を説明するための胴部材を示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る断熱性容器の製造方法を説明するための底部材を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る断熱性容器の製造方法を説明するための要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の第1の変形例に係る断熱性容器の要部断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の第2の変形例に係る断熱性容器の要部断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1…胴部材
2…底部材
10…紙層
11…熱可塑性樹脂層(第1の熱可塑性樹脂層)
12…発泡断熱層(第2の熱可塑性樹脂層)
13…下地印刷層
14a,14b,14c…第1の印刷層
15a,15b…第2の印刷層
16…バリア層
20…紙層
21…コーティング樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部材及び底部材を備える断熱性容器であって、
前記胴部材は、
筒状の紙層と、
前記紙層の内周面上の熱可塑性樹脂層と、
前記紙層の外周面上の発泡断熱層と、
前記発泡断熱層の外周面上の一部に配置された第1の印刷層と、
前記発泡断熱層の外周面上の他の一部に配置され、前記第1の印刷層の外周面と同一の面で連続する外周面を有する第2の印刷層
とを備えることを特徴とする断熱性容器。
【請求項2】
前記発泡断熱層と前記第1及び第2の印刷層とのそれぞれの間に下地印刷層を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の断熱性容器。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂層が、前記発泡断熱層よりも高融点の材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱性容器。
【請求項4】
前記紙層と前記熱可塑性樹脂層との間にバリア層を更に備えることを特徴とする請求項1〜3にのいずれか1項に記載の断熱性容器。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂層及び前記発泡断熱層が、同じ材料からなることを特徴とする請求項4に記載の断熱性容器。
【請求項6】
第1の熱可塑性樹脂層を裏面に積層し、且つ第2の熱可塑性樹脂層を表面に積層した水分を含む紙層を用意するステップと、
前記第2の熱可塑性樹脂層の表面の一部に第1の印刷層を形成するステップと、
前記第2の熱可塑性樹脂層の表面の他の一部に前記第1の印刷層と表面が同一の面で連続する第2の印刷層を形成するステップと、
前記紙層、前記第1及び第2の熱可塑性樹脂層、前記第1及び第2の印刷層を含む胴部材を筒状に成形するステップと、
前記胴部材を底部材と接合するステップと、
加熱により前記水分を用いて前記第2の熱可塑性樹脂層を発泡させるステップ
とを含むことを特徴とする断熱性容器の製造方法。
【請求項7】
前記第1の印刷層を形成するステップの前に、前記第1の熱可塑性樹脂層の表面に下地印刷層を形成するステップ
を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の断熱性容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−190756(P2009−190756A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32801(P2008−32801)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】