説明

新規なアリールアミン重合体

【課題】優れた移動度特性を有すると共に湿式成膜が可能で、低コストプロセスに適応できる有機エレクトロニクス用として有用なトリアリールアミン重合体を提供する。
【解決手段】下記一般式(I):


で表される繰返し単位を有するアリールアミン重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の有機エレクトロニクス用素材として有用な新規なポリ(トリアリールアミン)に関する。
【背景技術】
【0002】
有機材料の発光特性や電荷輸送特性を利用して、光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など種々の機能素子が提案されている。これらの素子に有機材料を用いることにより、軽量、安価、低製造コスト、フレキシブル等、有機材料の有する最大の利点が生かされ、その効果が発揮されることが期待される。
【0003】
これら機能素子のなかで、光電変換素子用の材料、とりわけ太陽電池および電子写真感光体用ホール輸送材として、これまで低分子系および高分子系の様々な材料が報告されているが、前者(低分子系材料)においてはさらなる高効率化、後者(高分子系材料)においてはプリントの高速化ならびに耐久性が求められている。
【0004】
また、発光素子用の材料としては、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。例えば、低分子系材料の場合においては、種々の積層構造の採用により高効率化を実現することが報告されており、また、ドーピング法をうまくコントロールすることにより耐久性を向上することが報告されている。しかし、低分子系材料、いわゆる低分子集合体の場合には、長時間における経時での膜状態の変化が生じることが報告されており、経時における膜の安定性に関して本質的な問題点を抱えている。
【0005】
一方、高分子系材料においては、これまで、主にPPV(poly-p-phenylenevinylene)系列やpoly-thiophene等について精力的に検討が行われてきた。しかしながら、これらの材料系は純度を上げることが困難であることや、本質的に蛍光量子収率が低いことが問題点として挙げられ、高性能な発光素子は得られていないのが現状である。
【0006】
上記のような問題を有するものの、高分子材料は本質的にガラス状態が安定であることを考慮すると、高蛍光量子効率を付与することができれば優れた発光素子の構築が可能となるため、この分野でさらなる改良が行われている。このような高分子材料の例としては、例えば、繰り返し単位としてアリールアミンユニットを含む高分子材料を挙げることができる(例えば、特許文献1〜5、非特許文献1参照)。
【0007】
一方、有機薄膜トランジスタ素子においても、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。例えば低分子材料ではペンタセン、フタロシアニン、フラーレン、アントラジチオフェン、チオフェンオリゴマー、ビスジチエノチオフェンなどが、また高分子材料ではポリチオフェン、ポリチエニレンビニレンまた繰り返し単位としてアリールアミンユニットを含む高分子材料も検討されている(特許文献6)。
【0008】
上記特許文献6に記載の発明は本発明者らが先に提案したものであるが、このアリールアミンユニットを有する高分子材料を含め前記の従来技術に示される高分子材料において、有機エレクトロニクス用素材における特性値である移動度の向上は目覚しいが、例えば有機エレクトロニクス用素材とりわけ有機FET素子への応用を考慮すると、さらに高移動度の素材が望まれている。
【0009】
また、安価に製造でき、充分な柔軟性と強度をもち、かつ軽量で大面積化が可能であるという有機材料を種々の機能素子(光電変換素子、薄膜トランジスタ素子、発光素子など)に適用して、その最大の特徴を活かすためには、有機材料が、有機溶剤に対する充分な溶解性が必要になる。しかし一般的に、共役が伸張された構造を特徴とするπ共役ポリマーでは構造が剛直である場合が多く、このことが溶解性を低下させる原因になる。上記従来技術においても溶解性に難点を有する高分子材料が多く、これを回避すべく様々な分子設計が行なわれているのが現状である。
【0010】
【特許文献1】WO99/20675号公報(特表2001−520289号公報)
【特許文献2】特開平10−310635号公報
【特許文献3】特開平8−157575号公報
【特許文献4】WO97/09394号公報(特表2002−515078号公報)
【特許文献5】WO03/035714号公報
【特許文献6】特開2005−240001号公報
【非特許文献1】Synth.Met.,84,269(1997)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは先に、π共役結合を主鎖とする(エチレン結合を含む)アリールアミンユニットを繰り返し単位に有する高分子材料が、優れた発光特性を有すると共に、例えば、耐久性に優れた有機薄膜EL素子用として、また有機トランジスタの活性層用高分子材料として有用であることを見出した。しかし、有機エレクトロニクス用素材、とりわけ有機FET素子への応用を考慮すると、さらに移動度の向上が望まれている。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、優れた移動度特性を有すると共に湿式法による成膜が可能で、低コストプロセスに適応でき、発光素子、FET素子、光電変換素子などの有機エレクトロニクス用材料として有用なトリアリールアミン重合体を提供することを目的とする。なお、本発明における移動度特性とは、主にホール輸送に基づく電荷の移動度特性である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構成単位を含有するアリールアミン重合体により上記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
以下、本発明について具体的に説明する。
【0013】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で表される繰返し単位を有することを特徴とするアリールアミン重合体である。
【0014】
【化1】

【0015】
式中、Ar2およびAr3は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の2価基であり、Ar1は置換もしくは無置換の1価の芳香族炭化水素基を表す。R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択された基を表し、同一でも別異でもよく、x、yおよびzは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、nは1以上の整数を表す。
【0016】
また、本発明は、上記アリールアミン重合体において、前記一般式(I)で表される繰返し単位を有する重合体が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする。
【0017】
【化2】

【0018】
式中、Ar1は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の1価基である。R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択された基を表し、同一でも別異でもよく、x、yおよびzは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、uおよびvは、それぞれ0から4までの整数を表し、同一でも別異でもよく、nは1以上の整数を表す。
【0019】
さらに、本発明は、上記アリールアミン重合体において、前記一般式(II)で表される繰返し単位を有する重合体が、下記一般式(III)で表されることを特徴とする。
【0020】
【化3】

【0021】
式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択された基を表し、同一でも別異でもよく、x、yおよびzは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、uおよびvは、それぞれ0から4までの整数を表し、同一でも別異でもよく、wは0から5までの整数を表し、nは1以上の整数を表す。
【発明の効果】
【0022】
本発明の前記一般式(I)、(II)あるいは(III)で表される繰返し単位を有するアリールアミン重合体は、有機溶媒に可溶であることから低コストな湿式成膜が可能であり、低コストプロセスに適応可能である。高いホール輸送性を有すると共に耐久性に優れた光電変換素子用の高分子材料として、あるいは優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた発光素子用の高分子材料として、また、薄膜トランジスタの活性層用高分子材料として特に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明におけるアリールアミン重合体は、前記一般式(I)で表される繰返し単位を有することを特徴とする。ここで、いずれのチオフェンにおいても他との結合位置は任意である。また、nが2以上の場合、R3は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択された基を表し、夫々のチオフェンにおいて同一でも別異でもよく、zは0から2までの整数を表し、夫々のチオフェンにおいて同一でも別異でもよい。
【0024】
また、前記一般式(I)で表される繰返し単位が、前記一般式(II)で表されることを特徴とする。さらに、前記一般式(II)で表される繰返し単位が、前記一般式(III)で表されることを特徴とする、いわゆるポリ(トリアリールアミン)高分子材料である。
【0025】
また、本発明におけるアリールアミン重合体は、前記一般式(I)の中でも、下記一般式(I’)で表される繰返し単位を有することが好ましい。
【0026】
【化4】

【0027】
式中、Ar2およびAr3は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の2価基であり、Ar1は置換もしくは無置換の1価の芳香族炭化水素基を表す。R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択された基を表し、同一でも別異でもよく、x、yおよびzは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、nは1以上の整数を表す。
【0028】
さらに、前記一般式(I’)で表される繰返し単位が、下記一般式(II’)で表されることが好ましい。
【0029】
【化5】

【0030】
式中、Ar1は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の1価基である。R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択された基を表し、同一でも別異でもよく、x、yおよびzは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、uおよびvは、それぞれ0から4までの整数を表し、同一でも別異でもよく、nは1以上の整数を表す。
【0031】
またさらに、前記一般式(I’)で表される繰返し単位が、下記一般式(III’)で表されることが好ましい。
【0032】
【化6】

【0033】
式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択された基を表し、同一でも別異でもよく、x、yおよびzは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、uおよびvは、それぞれ0から4までの整数を表し、同一でも別異でもよく、wは0から5までの整数を表し、nは1以上の整数を表す。
【0034】
前述のように、本発明のアリールアミン重合体は、有機トランジスタ用の電荷輸送性高分子材料として、また有機薄膜EL素子用の高分子材料として、また、電子写真感光体用材料などの有機エレクトロニクス用素材として有用である。
以下に本発明のアリールアミン重合体の製造方法について説明する。
【0035】
本発明のアリールアミン重合体の製造方法としては、例えば、アリールハロゲン化物とアリールホウ素化合物を用いたクロスカップリング反応(Suzuki Coupling)、アリールハロゲンとアリールスズ化合物を用いたクロスカップリング反応(Stille Coupling)などが好ましい。
【0036】
アリールハロゲン化物のハロゲン原子としては、反応性の観点からヨウ素または臭素が好ましい。すなわち、アリールハロゲン化物としてヨウ素化物または臭素化物が好ましい。
【0037】
アリールホウ素化合物としては、アリールボロン酸またはアリールボロン酸エステルが用いられる。アリールボロン酸エステルは、アリールボロン酸を用いた場合に生ずる三量体からなる環状無水物(ボロキシン)を生成しないこと、また、合成物の結晶性が高く、精製が容易であることからより好ましい。
【0038】
アリールボロン酸エステルの合成方法としては、(i)アリールボロン酸とアルキルジオールを無水有機溶媒中にて加熱反応、(ii)アリールハロゲン化物のハロゲン部位をメタル化した後に、アルコキシボロンエステルを加える反応、(iii)アリールハロゲンのグリニャール試薬を調製した後に、アルコキシボロンエステルを加える反応、さらには、(iv)アリールハロゲン化物とビス(ピナコラト)ジボロンやビス(ネオペンチル グリコラト)ジボロンをパラジウム触媒下にて加熱反応することによって得られる。
【0039】
パラジウム触媒としては、Pd(PPh34、PdCl2(PPh32、Pd(OAc)2、PdCl2、またはパラジウムカーボンに配位子として別途トリフェニルホスフィンを加える、など種々の触媒を用いることができるが、最も汎用的にはPd(PPh34が用いられる。
【0040】
上記反応には塩基が必ず必要であるが、Na2CO3、NaHCO3、K2CO3などの比較的弱い塩基が良好な結果を与える。立体障害等の影響を受ける反応系の場合には、Ba(OH)2やK3PO4などの強塩基が有効である。
その他、苛性ソーダ、苛性カリ、金属アルコシド等、例えば、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、リチウムt−ブトキシド、カリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウム2−メチル−2−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシドなども用いることができる。
【0041】
また、反応をよりスムーズに進行させるために相間移動触媒を用いてもよく、好ましくは、テトラアルキルハロゲン化アンモニウム、テトラアルキル硫酸水素アンモニウム、またはテトラアルキル水酸化アンモニウムであり、好ましい例としては、テトラ-n-ブチルハロゲン化アンモニウム、ベンジルトリエチルハロゲン化アンモニウム、または、トリカプリルイルメチル塩化アンモニウムである。
【0042】
反応溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル等のアルコールおよびエーテル系、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル系の他、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等をあげることができる。
【0043】
上記重合反応の反応温度は、用いるモノマーの反応性や、反応溶媒により適宜設定されるが、溶媒の沸点以下に抑えることが好ましい。
上記重合反応における反応時間は、用いるモノマーの反応性や、望まれる重合体の分子量などにおいて適宜設定することができ、2〜50時間が好適であり、さらには、4〜24時間がより好ましい。
【0044】
また、以上の重合反応の操作において、分子量を調節するために分子量調節剤あるいは重合体の末端を封止(末端修飾基)するための封止剤を反応系に後で添加することも可能であるし、あるいは反応開始時に添加しておくことも可能である。従って、本発明における重合体の末端には、停止剤に由来する末端修飾基が結合してもよい。
分子量調節剤あるいは末端封止剤としては、フェニルボロン酸、ブロモベンゼン、ヨウ化ベンゼン等、反応活性基を1個有する化合物が挙げられる。
【0045】
本発明のアリールアミン重合体の好ましい分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合にはクラックの発生等成膜性が悪化し実用性に乏しくなる。また分子量が大きすぎる場合には、一般の有機溶媒への溶解性が悪くなり、例えば、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、やはり実用上問題になる。
【0046】
また、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えて、アリールアミン重合体の分子構造を分岐化することもできる。使用される分岐化剤としては、重合反応活性基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物が用いられる。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また複数併用してもよい。
【0047】
以上のようにして得られた本発明のアリールアミン重合体は、重合に使用した触媒、塩基、未反応モノマー、末端停止剤、あるいは重合中に発生した無機塩等の不純物を除去して使用される。反応生成物の精製操作は、再沈澱、抽出、ソックスレー抽出、限外濾過、透析、吸着剤による吸着等をはじめとする従来公知の方法を使用できる。
【0048】
上記製造方法により得られたアリールアミン重合体を有機溶媒に溶解して塗工液とし、この塗工液を用いて、スピンコート法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、ディスペンス法、スプレー塗工等の公知の成膜方法により、薄膜を作製することが可能である。
これらの成膜方法により形成された薄膜は、クラックの発生等がなく、強度、靭性、耐久性等にも優れ、光電変換素子、FET素子、発光素子等の有機エレクトロニクス用の高分子材料として好適に用いることができる。
【0049】
前記一般式(I)、(II)および(III)で表されるアリールアミン重合体の具体例を以下に示す。
前記一般式(I)及び(II)における置換又は無置換の1価の芳香族炭化水素基Ar1としては,単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えばフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
【0050】
前記一般式(I)における置換又は無置換の芳香族炭化水素基の2価基Ar2、Ar3としては、一例として上記置換もしくは無置換の1価の芳香族炭化水素の2価基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ピレニレン基、フルオレニレン基等の2価の芳香族炭化水素基)が挙げられる。
【0051】
また、これら環状構造を有する基(Ar1、Ar2およびAr3)は、以下に示す種々の置換基を有していてもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の直鎖または分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基。これらはさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルチオ基で置換されていてもよい。
(3)アリールオキシ基:アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これらは、ハロゲン原子を置換基として含有してもよく、炭素数1〜25の直鎖または分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基、またはアルキルチオ基を含有していてもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(4)アルキルチオ基またはアリールチオ基:アルキルチオ基またはアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(5)アルキル置換アミノ基:具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N ,N−ジフェニルアミノ基、N ,N−ジ(p −トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。
(6)アシル基:アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0052】
本発明における前記一般式(I)、(II)および(III)で表されるアリールアミン重合体のチオフェン上に、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基などを置換基として有していてもよく、溶媒への溶解性向上の観点からは、置換基もしくは無置換の、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基を有することが好ましい。
これら置換基の炭素数が増加すれば溶解性はより向上するが、その反面、電荷輸送性等の特性は低下してしまうため、溶解性が損なわれない範囲で所望の特性が得られるような置換基を選択することが好ましい。
【0053】
その場合の好適な置換基の例としては炭素数が1 〜25 の、アルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。これら置換基は同一のものを複数導入してもよいし、異なるものを複数導入してもよい。また、これらのアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、アリール基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、または、炭素数1 〜12 の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基で置換されたアリール基を含有していてもよい。
【0054】
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を一例として挙げることができる。
アルコキシ基、アルキルチオ基としては上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入して、それぞれアルコキシ基またはアルキルチオ基としたものが一例として挙げられる。
【0055】
本発明のアリールアミン重合体は、アルキル基やアルコキシ基の置換基が存在することにより、溶媒への溶解性が向上する。溶媒に対する重合体の溶解性を向上させることは、重合体を溶媒に溶解した塗工液を用いて膜形成して有機EL素子や有機トランジスタ素子を製造する際の湿式成膜過程における製造許容範囲を大きくすることに繋がるため重要である。
すなわち、溶解性の向上により、例えば、塗工溶媒の選択肢、溶液調製時の温度範囲、並びに、溶媒の乾燥時の温度範囲および圧力範囲を拡大することができ、これらプロセッシビリティーの高さにより、結果的に高純度で均一性の高い高品質な薄膜が得られる。
【実施例】
【0056】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例によって制限されるものではない。
〔実施例1〕
〈重合体1の合成;前記一般式(I)におけるn=1の場合〉
下記の反応式に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い、重合体1を合成した。
【0057】
【化7】

【0058】
50ml三つ口フラスコに、上記反応式に示すジボロンエステル体0.938g(1.5mmol)、ジブロモ体0.861g(1.5mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)12.8mg(0.032mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム10.0mg(0.0087mmol)、トルエン9mlを加え、アルゴンガス置換した後、2M−炭酸ナトリウム水溶液を3.5ml加え、6時間還流したのち、停止反応として、まず、フェニルボロン酸80mg(0.66mmol)を加え4時間還流した後、次いで、ブロモベンゼン150mg(0.96mmol)を加え4時間還流した。
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し再沈殿させることにより粗ポリマーを得た。この粗ポリマーをテトラヒドロフラン溶液とし、メタノール/水の混合溶媒中に滴下し再沈殿させてポリマーを得た。次いで、この得られたポリマーをクロロホルム溶液とし、ここにパラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を1g加え室温にて1時間撹拌し、ポリマー中の残留パラジウムを除去した。このシリカゲルを濾別した後、イオン交換水でその洗浄液の導電率がイオン交換水と同等になるまで洗浄を繰り返した。洗浄後、ポリマーをテトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量0.925g、収率79%であった。
【0059】
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量:35000、重量平均分子量:94000、
元素分析値(計算値);C:76.24%(76.39%)、H:7.73%(7.56%)、N:1.92%(1.78%)、S:11.95%(12.23%)
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図1に示した。
【0060】
〔実施例2〕
〈重合体2の合成;前記一般式(I)におけるn=2の場合〉
下記反応式に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い、重合体2を合成した。
【0061】
【化8】

【0062】
50ml三つ口フラスコに、上記反応式に示すジボロンエステル体0.938g(1.5mmol)、ジブロモ体1.237g(1.5mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)12.5mg(0.031mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム10.0mg(0.0087mmol)、トルエン9mlを加え、アルゴンガス置換した後、2M-炭酸ナトリウム水溶液を3.5ml加え、4時間還流したのち、停止反応として、まず、フェニルボロン酸80mg(0.66mmol)を加え4時間還流した後、次いで、ブロモベンゼン150mg(0.96mmol)を加え4時間還流した。
その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し再沈殿させることにより粗ポリマーを得た。この粗ポリマーをテトラヒドロフラン溶液とし、メタノール/水の混合溶媒中に滴下し再沈殿させてポリマーを得た。次いで、この得られたポリマーをクロロホルム溶液とし、ここにパラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を1g加え室温にて1時間撹拌し、ポリマー中の残留パラジウムを除去した。このシリカゲルを濾別した後、イオン交換水でその洗浄液の導電率がイオン交換水と同等になるまで洗浄を繰り返した。洗浄後、ポリマーをテトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量1.10g、収率71%であった。
【0063】
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量:41400、重量平均分子量:116400、
元素分析値(計算値); C:76.43%(76.47%)、H:8.46%(8.26%)、N:1.51%(1.35%)、S:12.23%(12.37%)
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図2に示した。
【0064】
〔実施例3〕
〈重合体3の合成;前記一般式(I)におけるn=4の場合〉
下記反応式に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い、重合体3を合成した。
【0065】
【化9】

【0066】
50ml三つ口フラスコに、上記反応式に示すジボロンエステル体0.698g(1.2mmol)、ジブロモ体1.389g(1.2mmol)、フェニルボロン酸7.3mg(0.060mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)10.7mg(0.026mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム8.6mg(0.0074mmol)を加え、アルゴンガス置換した後、アルゴンガスにて脱気したトルエン10mlおよび2M−炭酸ナトリウム水溶液2.8mlを順次加え、3時間還流したのち、停止反応として、まず、フェニルボロン酸50mg(0.41mmol)を加え2時間還流した後、次いで、ブロモベンゼン120mg(0.76mmol)を加え2時間還流した。その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し再沈殿させることにより粗ポリマーを得た。この粗ポリマーをテトラヒドロフラン溶液とし、メタノール/水の混合溶媒中に滴下し再沈殿させてポリマーを得た。次いで、この得られたポリマーをクロロホルム溶液とし、ここにパラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を1g加え室温にて1時間撹拌し、ポリマー中の残留パラジウムを除去した。このシリカゲルを濾別した後、イオン交換水でその洗浄液の導電率がイオン交換水と同等になるまで洗浄を繰り返した。洗浄後、ポリマーをテトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量1.38g、収率87%であった。
【0067】
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は61900、重量平均分子量は175900、
元素分析値(計算値);C:75.95%(76.14%)、H:8.41%(8.29%)、N:1.07%(1.06%)、S:14.37%(14.52%)
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図3に示した。
【0068】
〔実施例4〕
〈重合体4の合成;前記一般式(I)におけるn=6の場合〉
下記反応式に示す反応工程に沿って以下の条件で重合反応を行い、重合体4を合成した。
【0069】
【化10】

【0070】
50ml三つ口フラスコに、上記反応式に示すジボロンエステル体0.407g(0.7mmol)、ジブロモ体0.925g(0.7mmol)、フェニルボロン酸6.8mg(0.056mmol)、相間移動触媒として、Aliquat336(アルドリッチ社製)7.3mg(0.018mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム5.0mg(0.0043mmol)を加え、アルゴンガス置換した後、アルゴンガスにて脱気したトルエン10mlおよび2M−炭酸ナトリウム水溶液3.0mlを順次加え、4時間還流したのち、停止反応として、まず、フェニルボロン酸40mg(0.33mmol)を加え2時間還流した後、次いで、ブロモベンゼン90mg(0.57mmol)を加え2時間還流した。その後、反応溶液を室温に戻した後、有機層をメタノール/水の混合溶媒中に滴下し再沈殿させることにより粗ポリマーを得た。この粗ポリマーをテトラヒドロフラン溶液とし、メタノール/水の混合溶媒中に滴下し再沈殿させてポリマーを得た。次いで、この得られたポリマーをクロロホルム溶液とし、ここにパラジウムスカベンジャーシリカゲル(アルドリッチ社製)を1g加え室温にて1時間撹拌し、ポリマー中の残留パラジウムを除去した。このシリカゲルを濾別した後、イオン交換水でその洗浄液の導電率がイオン交換水と同等になるまで洗浄を繰り返した。洗浄後、ポリマーをテトラヒドロフラン溶液とし、メタノール中に滴下し再沈殿することによりポリマーを精製した。収量0.97g、収率93%であった。
【0071】
上記ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(いずれもGPC〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〕により測定したポリスチレン換算の平均分子量)、元素分析値(計算値)、および赤外吸収スペクトルを測定した結果は以下のようであった。
GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は47100、重量平均分子量は113200、
元素分析値(計算値); C:74.09%(74.19%)、H:7.78%(7.65%)、N:1.01%(0.94%)、S:17.03%(17.22%)
赤外吸収スペクトル(NaClキャスト膜)を図4に示した。
【0072】
〔応用例1〕
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に、該SiO2の絶縁層上に、実施例1で得られた重合体1をTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒に約1.0wt%となるように溶解して調製した溶液をスピンコートした後、乾燥することにより有機半導体層を形成した。引き続き有機半導体層上にチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにAu膜を蒸着してソース・ドレイン電極を形成し、応用例1のTFTを作製した。
【0073】
作製した応用例1のTFTについて評価し、下記式(a)を用いて有機半導体の電界効果移動度を算出した。
Ids=μCinW(Vg−Vth)2/2L …(a)
(ただし、Cinはゲート絶縁膜の単位面積あたりのキャパシタンス、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Vgはゲート電圧、Idsはソースドレイン電流、μは移動度、Vthはチャネルが形成し始めるゲートの閾値電圧である。)
上記作製した応用例1のTFTの移動度は7.8×10−4(cm2/Vsec)であった。
また、オンオフ比(Vds=−20V、Vg=−20VにおけるIdsと、Vds=−20V、Vg=+10〜−20Vの範囲内で観測された最小のIdsの比)は5.1×10で、閾値電圧は−1.95Vであった。
以上のように、作製した応用例1のTFTは非常に優れた特性を示した。
【0074】
〔応用例2〕
p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiO2の絶縁層を200nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に、該SiO2の絶縁層上に、実施例2で得られた重合体2をTHF/パラキシレン=8/2の混合溶媒に約1.0wt%となるように溶解して調製した溶液をスピンコートした後、乾燥することにより有機半導体層を形成した。引き続き有機半導体層上にチャネル長30μm、チャネル幅10mmとなるようにAu膜を蒸着してソース・ドレイン電極を形成し、応用例2のTFTを作製した。
【0075】
応用例1と同様にして作製した応用例2のTFTについて評価し、電界効果移動度、オンオフ比および閾値電圧を求めたところ、作製したTFTの移動度は1.2×10−3(cm2/Vsec)、オンオフ比は4.4×10、閾値電圧は、−1.79Vであった。
以上のように、作製した応用例2のTFTは非常に優れた特性を示した。
【0076】
上記のように、本発明のアリールアミン重合体は、高いホール輸送性を有し、優れた移動度特性を有すると共に、湿式成膜が可能で低コストプロセスに適応できるため、FET素子、光電変換素子、発光素子の有機エレクトロニクス用材料として有用に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】実施例1で得られた重合体の赤外吸収スペクトル図である。
【図2】実施例2で得られた重合体の赤外吸収スペクトル図である。
【図3】実施例3で得られた重合体の赤外吸収スペクトル図である。
【図4】実施例4で得られた重合体の赤外吸収スペクトル図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される繰返し単位を有する重合体。
【化1】


(式中、Ar2およびAr3は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の2価基であり、
Ar1は置換もしくは無置換の1価の芳香族炭化水素基を表す。
1、R2およびR3は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択された基を表し、同一でも別異でもよく、
x、yおよびzは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、
nは1以上の整数を表す。)
【請求項2】
一般式(I)で表される繰返し単位を有する重合体が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1記載の繰返し単位を有する重合体。
【化2】


(式中、Ar1は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の1価基であり、
1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択された基を表し、同一でも別異でもよく、
x、yおよびzは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、
uおよびvは、それぞれ0から4までの整数を表し、同一でも別異でもよく、
nは1以上の整数を表す。)
【請求項3】
一般式(II)で表される繰返し単位を有する重合体が、下記一般式(III)で表されることを特徴とする請求項2記載の繰返し単位を有する重合体。
【化3】


(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、または置換もしくは無置換のアルキルチオ基から選択された基を表し、同一でも別異でもよく、
x、yおよびzは、それぞれ0から2までの整数を表し、同一でも別異でもよく、
uおよびvは、それぞれ0から4までの整数を表し、同一でも別異でもよく、
wは0から5までの整数を表し、nは1以上の整数を表す。)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−79217(P2009−79217A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225577(P2008−225577)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】