説明

新規なシリコン含有化合物を含む液晶組成物及びこれを用いた液晶ディスプレイ装置

新規なシリコン含有化合物、上記化合物を含む液晶組成物及び上記液晶組成物から製造された液晶層を含む液晶ディスプレイ装置を提供する。
本発明による液晶組成物は、低粘性及び高い正(+)の誘電異方性を有する新規なシリコン含有化合物を用いることにより、早い反応速度を有するほか、低電圧でも駆動可能な液晶ディスプレイ装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なシリコン含有化合物及びこれを含む液晶組成物に関し、さらに詳しくは、低い粘性と高い正の誘電異方性を有する新規な構造のネマチック液晶化合物、上記化合物を含む液晶組成物及びこれを用いて製造される液晶ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屈折異方性(Δn)と誘電異方性(Δε)などの特性を有する液晶化合物は、時計、ノート型パソコン、携帯電話、テレビ及びモニターなどのディスプレイ装置に汎用されており、これに対する需要は毎年急増している。このようなディスプレイ装置に用いられる液晶化合物は、ネマチック液晶相、スメチック液晶相及びコレステリック液晶相を含むが、主として、ネマチック相が最も広範に多用されており、実際には、各種の液晶化合物を混合して用いている。液晶組成物は、水分、光、熱、空気及び電場などに対して安定していることと、使用環境下で互いに化学的に安定していることが求められる。液晶化合物がディスプレイ装置に用いられるためには、広範な液晶相温度範囲、屈折異方性(Δn)値と誘電異方性(Δε)値、粘度及び伝導度などの物性をバランス良く有する必要があり、ディスプレイ装置の種別によって求められる物性も多岐に亘っている。このため、これらの特性をいずれも満たす新規な液晶化合物が切望されているのが現状である。近年に至り、大量の情報を高速にて処理するために、早い反応速度を有する液晶ディスプレイ装置が望まれている。
【非特許文献1】H. Kelker/R. Hatz,Handbook of Liquid Crystals, Verlag Chemie, Weinheim, 1980
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述した問題点を考慮し、低い粘度及び高い正(positive)の誘電異方性を併せ持つことで、ディスプレイの最適化を可能にする新規な液晶化合物、上記化合物を含む液晶組成物及び上記組成物から製作された液晶ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、下記の一般式1で表わされる新規なシリコン含有化合物、下記の化合物を含む液晶組成物及び下記の液晶組成物から製造された液晶層を含む液晶ディスプレイ装置を提供する。
【化1】

式中、AはSiMek1(CQn1、SiEtk1(CQn1、SiFk1(CQn1、SiClk1(CQn1、SiMe(CQn1k1、SiEt(CQn1k1、SiF(CQn1k1、SiCl(CQn1k1、Ok1SiMe(CQn1、Ok1SiEt(CQn1、Ok1SiF(CQn1、Ok1SiCl(CQn1、(CQn1k1SiMe、(CQn1k1SiEt、(CQn1k1SiF、(CQn1k1SiCl、Ok1(CQn1SiMe、Ok1(CQn1SiEt、Ok1(CQn1SiF、Ok1(CQn1SiCl、(CQn1SiMek1、(CQn1SiEtk1、(CQn1SiFk1、(CQn1SiClk1、(CHn1、CH=CH、C≡C、O、S、COO、OCO、CFO、OCF、OCOO、CHO、CHCO、OCH及びCOCHよりなる群から選ばれ、このとき、kは0または1であり、QはHまたはFであり、nは0〜3の整数であり、
環Bは
【化2】

から選ばれ、
環Cは
【化3】

から選ばれ、
環Dは
【化4】

から選ばれ、上記環B、環Cまたは環D上に導入された置換基は、LないしLと同一に表記されていてもそれぞれ独立的であり、
MはC、N、Siから選ばれ、このとき、Nである場合、LまたはLは無く、
ZはCであり、
、a及びaはそれぞれ独立的にC、NRまたはOから選ばれ、
EはSiMek2(CQn2、SiEtk2(CQn2、SiFk2(CQn2、SiClk2(CQn2、SiMe(CQn2k2、SiEt(CQn2k2、SiF(CQn2k2、SiCl(CQn2k2、Ok2SiMe(CQn2、Ok2SiEt(CQn2、Ok2SiF(CQn2、Ok2SiCl(CQn2、(CQn2k2SiMe、(CQn2k2SiEt、(CQn2k2SiF、(CQn2k2SiCl、Ok2(CQn2SiMe、Ok2(CQn2SiEt、Ok2(CQn2SiF、Ok2(CQn2SiCl、(CQn2SiMek2、(CQn2SiEtk2、(CQn2SiFk2、(CQn2SiClk2、(CHn2、C≡C、O、S、COO、OCO、CFO、OCF、OCOO、CHO、CHCO、OCH及びCOCHよりなる群から選ばれ、このとき、kは0または1であり、QはHまたはFであり、nは0〜3の整数であり、
RはH、C〜C15のアルキル基、C〜C15のアルケン基、アルコキシ(RO)基よりなる群から選ばれ、このとき、上記アルケン基はCH=CH、CH=CHCH(E,Z)、CHCH=CH、CH=CHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCH(E,Z)、CHCHCH=CH、CH=CHCHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCHCH(E,Z)、CHCHCH=CHCH(E,Z)またはCHCHCHCH=CHであり、
はH、C〜C15のアルキル基、C〜C15のアルケン基よりなる群から選ばれ、このとき、上記アルケン基はCH=CH、CH=CHCH(E,Z)、CHCH=CH、CH=CHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCH(E,Z)、CHCHCH=CH、CH=CHCHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCHCH(E,Z)、CHCHCH=CHCH(E,Z)またはCHCHCHCH=CHであり、
Xは、H、SiR、CF、OCF、CN、NCS、ハロゲン元素及びRよりなる群から選ばれ、
、R、Rはそれぞれ独立的にR、ハロゲン元素から選ばれ、
、L、L、L、L、L及びLはそれぞれ独立的にH、ハロゲン元素、CN、CF、OCF及びNCSよりなる群から選ばれ、
o、p、qはそれぞれ独立的に0ないし2の整数であり、
E、A、Xよりなる群から選ばれる1種以上がシリコンを含む。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、低い粘性と高い正の誘電異方性の特性を併せ持つ新規な構造のネマチック液晶化合物及びこれを含有する液晶組成物を提供することにより、種々の要求特性に対応できる液晶ディスプレイ装置、すなわち、早い反応速度と低い駆動電圧を有する液晶ディスプレイ装置を製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を詳述する。
本発明は、各種のディスプレイ素子に適用可能な新規なシリコン含有化合物、上記シリコン含有化合物を構成材料として含む液晶組成物、好ましくは、正のネマチック液晶組成物及び上記組成物を用いてなる液晶ディスプレイ装置に関するものであり、上記新規なシリコン含有化合物は、低い粘性と0または高い正(positive)の誘電異方性を併せ持つことを特徴とする。
【0007】
高い誘電異方性(dielectric anisotropy)は、液晶が低い駆動電圧下で動作する上で必要となる特性であって、本発明においては、液晶向けの化合物分子の長軸を基準とした各置換体の対称(symmetry)構造を通じて高い正の誘電異方性を図ることができる。
【0008】
また、粘性(viscosity)は、液晶の早い反応時間を示す上で必要となる特性であって、本発明においては、結合基(linkage)(A、E)及び末端基(terminal)(X)のうち少なくとも一方、または結合基と末端基の両方にシリコン系の置換基を導入することにより、低い粘性を満たすことができる。
【0009】
さらに、本発明においては、結合基及び/または末端基のうち少なくとも一方にシリコン含有置換基を導入するとき、シリコンと1次に結合する置換基として、水素に代えて、ハロゲン原子及び/またはアルキル基を導入することにより、双極子モーメントの向上を図ることができ、このような双極子モーメントの向上を通じて、分極率(polarizability)と双極子モーメント(dipole moment)に主として影響される誘電異方性(dielectric anisotropy)の向上を図ることができる。
【0010】
本発明による上記一般式1の新規なシリコン含有化合物のうち環Bと環Cは、具体的に、下記の一般式2ないし10のように表わせるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

上記一般式2ないし10において、
Zは炭素であり、
MはC、NまたはSiであり、このとき、Nである場合、LまたはLは無く、
、a及びaはそれぞれ独立的にC、NRまたはOから選ばれ、
、L、L3、4、、L及びLはそれぞれ独立的にH、ハロゲン元素、CN、CF、OCF、NCSから選ばれ、このとき、A、E、R、X、o、p及びqは一般式1における定義と同様である。
【0011】
上記一般式2ないし10で表わされる化合物は、具体的に、下記の化合物であるが、本発明のシリコン含有化合物は、下記に例示されたものに限定されるものではない。
【化14】

このとき、AはSiOk1(CQn1、Si(CQn1k1、(CQ)nk1Si、(CQn1SiOk1、Ok1(CQn1Si、Ok1Si(CQn1から選択可能であり、k、Q、n、R、R、R、R、L、L、L、L、L、L、X、M、a、a、aは、上記一般式1における定義と同様である。
【0012】
本発明は、上記一般式1で表わされるシリコン含有化合物の立体異性体(stereo isomer)を含むことができ、このとき、立体異性体を有するシリコン含有化合物は液晶性を示すトランス(trans)のものが好ましい。また、上記シリコン含有化合物の立体異性体のうち、トランス異性体(trans isomer):シス異性体(cis isomer)の割合は、85〜100:15〜0であれば良いが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0013】
上記一般式1で表わされるシリコン含有化合物は、化学的、熱的に安定しているだけではなく、光安定性を有し、ディスプレイとして好適に使用可能に、好適な温度範囲において液晶中間相を形成することができる。
【0014】
本発明による一般式1で表わされるシリコン含有化合物は、当業界に周知の通常の方法に従い製造することができ、この一実施例を挙げると、下記の反応式1ないし5の経路によって合成可能である。
【0015】
【化15】

上記反応式1により示される製造方法の一実施例を挙げると、1,4−ジブロモベンゼンにMgを加えてグリニャール試薬を調製し、この試薬と4−n−プロピルシクロヘキサノンとをグリニャール反応させた後、TsOHにより脱水反応を行う。この化合物にn−BuLiを反応させて陰イオンを生成し、この陰イオンとシリルクロライド誘導体とを反応させる。トランス誘導体を得るために、ラネーニッケル触媒を用いた水素反応を行うことにより、一般式11で表わされるシリル液晶化合物を製造することができる。または、Pdチャコールを用いた水素反応後の再結晶化などを通じてトランス異性体を製造することも可能である。このとき、シリルクロライド誘導体は、当業界に周知の方法に製造可能であり、一例を挙げると、1−ブロモ−4−フルオロベンゼンにMgを加えてグリニャール試薬を調製し、これに過量のMeSiClを入れて得ることができる。
【0016】
【化16】

上記反応式2により示される製造方法の一実施例を挙げると、4,4’−ジブロモビフェニルをグリニャール反応させ、TsOHにより脱水反応を行った後、n−BuLiにより陰イオンを生成し、この陰イオンとシリルクロライド誘導体とを反応させる。水素反応に代えて、p−クロラニルなどを用いると、一般式12で表わされるシリル液晶化合物を製造することができる。
【0017】
【化17】

上記反応式3により示される製造方法の一実施例を挙げると、1,4−ジブロモベンゼンと4−n−プロピルシクロヘキサノン及びMgを用いてカップリング反応を行うことで第3級アルコールを調製した後、これにTsOHを入れて脱水反応を行って、上記の出発物質を得る。この化合物にさらにMgを加えてグリニャール試薬を調製し、この試薬とシリルクロライド誘導体とを反応させた後、p−クロラニルを用いて、一般式13で表されるシリル液晶化合物を製造する。
【0018】
【化18】

上記反応式4により示される製造方法の一実施例を挙げると、4−ブロモ−4’−プロピルビフェニルにフェニルボロン酸誘導体を入れ、Pd(PPhを用いてカップリング反応を行ってトリフェニル化合物を得て、マグネシウムまたはアルキルリチウムを用いてシリル基を導入することにより、一般式14で表わされるシリル液晶化合物を製造することができる。
【0019】
【化19】

上記反応式5により示される製造方法の一実施例を挙げると、トランス,トランス−4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサン-1−olとクロロジメチルフェニルシランを無水溶媒に溶解させた後、塩基を入れて常温で反応させることにより、−O−Si−結合が存在する一般式15で表わされる液晶化合物を製造することができる。
【0020】
上述した反応式1ないし反応式5の経路により製造された化合物の他、これらに類似する経路または当業界における通常の方法に従い合成された化合物も本発明の範疇に属するものである。このようにして製造された本発明のシリコン含有化合物は、適正な割合にて混合して液晶組成物として使用できる。
【0021】
本発明は、上記一般式1で表わされるシリコン含有化合物を含む液晶組成物、好ましくは、ネマチック液晶組成物を提供する。
【0022】
液晶組成物は、液晶に求められる特性を満足するために、通常、約5ないし20種の成分を混合して用いるが、本発明においては、高い正の誘電異方性を与えると共に、粘度を低める役割を果たせる上記一般式1で表わされる新規なシリコン含有化合物を用いることにより、低い駆動電圧と早い反応速度を有する液晶組成物を提供することができる。
【0023】
上記一般式1、さらに詳しくは、一般式2ないし10で表わされる新規なシリコン含有液晶化合物から選ばれる1種以上の化合物のそれぞれの含量には、特に制限はないが、全体の液晶組成物100重量%当たりそれぞれ1ないし50重量%の範囲が好ましい。
【0024】
本発明の液晶組成物は、上記一般式1で表わされるシリコン含有化合物のほか、通常の液晶組成物に使用可能な液晶化合物を含むことができる。このとき、これらの組成比は、目的に応じて適宜に調節可能である。また、必要に応じて、適宜な添加剤が使用可能であるが、このような添加剤は、文献(H. Kelker/R. Hatz,Handbook of Liquid Crystals, Verlag Chemie, Weinheim, 1980)に具体的に開示されている。例えば、ネマチック相の誘電異方性、粘度及び/または配列方向を変えるための物質が付加可能である。本発明の液晶組成物に使用可能な添加剤の例を挙げると、液晶の螺旋構造及び逆方向へのねじれを抑えるキラルドーパントがあり、2色性の色素を用いることができる。
【0025】
本発明の液晶組成物は、当分野に周知の通常の方法に従い製造され、この一実施例を挙げると、上述した各種の成分を室温ないし高温下で溶解させてなる。
【0026】
また、本発明は、上記液晶組成物から製造された液晶層を含む液晶ディスプレイ装置を提供する。
【0027】
上記液晶ディスプレイ装置には特に制限がないが、例えば、シンプル・マトリクス型(simple matrix type)ツイストネマチック方式の液晶表示装置、シンプル・マトリクス型スーパーツイストネマチック方式の液晶表示装置、パッシブ型TFT方式の液晶表示装置、パッシブ型MIM方式の液晶表示装置、パッシブ型IPS方式の液晶表示装置などが挙げられる。
【0028】
本発明の液晶ディスプレイ装置は、当業界における通常の方法により製造することができ、この一実施例を挙げると、液晶組成物を適宜な温度下で溶解させた後、これを液晶素子に仕込むことにより製造する方法がある。溶解された液晶相は、添加剤さえ適正に使用すれば、あらゆるタイプの液晶ディスプレイの構成要素に使用可能な方式のものになりうる。
【0029】
以下、本発明への理解を容易にするために、本発明の好適な実施例を挙げるが、下記の実施例は単なる本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。
【0030】
[実施例1〜17]
実施例1
【化20】

ジクロロジメチルシラン25mlを無水THF50mlに入れた後、ここに0℃の温度条件下で1.0M 臭化4−フルオロフェニルマグネシウム100mlを徐々に滴下し、滴下の完了後、低温で約3時間にかけてさらに攪拌した。次いで、ヘキサンを過量入れてマグネシウム塩を沈殿させた後、該沈殿されたマグネシウム塩をろ過して除去し、減圧蒸留して有機溶媒を完全に除去し、真空蒸留(70〜75℃/8mPa)してクロロジメチル(4−フルオロフェニル)シランを収得した。Mg255mgを無水THF10mlに溶解した後、4―ブロモ―4’−n―プロピルビフェニル2.88gを無水THF20mlに溶解した溶液を加えてグリニャール試薬を調製し、ここに常温でクロロジメチル(4−フルオロフェニル)シラン1.97gを加えた。約10時間にかけて攪拌した後、水とヘキサンによりワークアップし、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:88%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.57 (s, 6H), 0.99 (t, 3H), 1.65〜1.69 (m, 2H), 2.64 (t, 2H), 7.07 (t, 2H), 7.25 (d, 2H), 7.54 (d, 2H), 7.58〜7.61 (m, 6H).
【0031】
実施例2
【化21】

トランス、トランス―シクロヘキサノール2.0gをCHCl20mlに溶解し、0℃の温度条件下でクロロジメチルフェニルシラン1.7gとトリエチルアミン1.08gを入れて、10時間にかけて反応させた。水とCHClによりワークアップし、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:78%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.38 (s, 6H), 0.86〜0.90 (m, 2H), 0.91 (t, 3H), 0.93〜1.09 (m, 6H), 1.09〜1.20 (m, 3H), 1.25〜1.38 (m, 4H), 1.63〜1.71 (br, 4H), 1.71〜1.76 (br, 2H), 1.81〜1.90 (br, 2H), 3.51 (m, 1H), 7.36〜7.40 (m, 3H), 7.59〜7.62 (m, 2H).
【0032】
実施例3
【化22】

ジクロロジメチルシラン6.45gを無水THF20mlに溶解してから0℃まで温度を降温し、ここに4−フルオロベンジルマグネシウムクロライド(0.25M)100mlを徐々に滴下した。滴下の完了後、低温で約3時間にかけてさらに反応させた後、過量のヘキサンを入れてマグネシウム塩を沈殿させ、該沈殿物をろ過して除去した。有機溶媒を減圧蒸留して除去した後、真空蒸留してクロロジメチル(4−フルオロベンジル)シランを80%の収率で得た。4―ブロモ―4’―n―プロピルビフェニル3.0gとMg250mgを無水THF20mlに溶解し、グリニャール試薬を調製した後、ここにクロロジメチル(4−フルオロベンジル)シラン2.3gを加えて60℃に加熱した。これを約10時間にかけて十分に加熱してから常温まで降温し、水とヘキサンによりワークアップし、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:91%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.30 (s, 6H), 0.99 (t, 3H), 1.65〜1.74 (m, 2H), 2.30 (s, 2H), 2.65 (t, 2H), 6.89 (d, 4H), 7.26〜7.28 (m, 2H), 7.50 (d, 2H), 7.54 (d, 2H), 7.58 (d, 2H).
【0033】
実施例4
【化23】

4―ブロモ―4’―n―ペンチルビフェニル3.03gとMg245mgを無水THF20mlに溶解し、グリニャール試薬を調製した後、ここにクロロジメチル(4−フルオロベンジル)シラン2.05gを加えて60℃に加熱した。これを約10時間にかけて十分に加熱してから常温まで降温し、水とヘキサンによりワークアップし、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:94%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.31 (s, 6H), 0.91〜0.97 (m, 3H), 1.36〜1.45 (m, 4H), 1.65〜1.77 (m, 2H), 2.33 (s, 2H), 2.69 (t, 2H), 6.91 (d, 4H), 7.27〜7.32 (m, 2H), 7.53 (d, 2H), 7.56 (d, 2H), 7.61 (d, 2H).
【0034】
実施例5
【化24】

ジクロロジメチルシラン6.45gを無水THF20mlに溶解してから0℃まで温度を降温し、ここに3,4,5−トリフルオロベンジルマグネシウムクロライド25mmolを徐々に滴下した。滴下の完了後、低温で約3時間にかけてさらに反応させた後、過量のヘキサンを入れてマグネシウム塩を沈殿させ、該沈殿物をろ過して除去した。有機溶媒を減圧蒸留して除去した後、真空蒸留してクロロジメチル(3,4,5−トリフルオロベンジル)シランを75%の収率で得た。4―ブロモ―4’―n―プロピルビフェニル2.75gとMg245mgを無水THF20mlに溶解し、グリニャール試薬を調製した後、ここにクロロジメチル(3,4,5−トリフルオロベンジル)シラン2.4gを加えて60℃に加熱した。これを約10時間にかけて十分に加熱してから常温まで降温し、水とヘキサンによりワークアップし、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:87%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.31 (s, 6H), 0.99 (t, 3H), 1.63〜1.76 (m, 2H), 2.26 (s, 2H), 2.64 (t, 2H), 6.46〜6.54 (m, 2H), 7.26 (d, 2H), 7.48 (d, 2H), 7.53 (d, 2H), 7.59 (d, 2H).
【0035】
実施例6
【化25】

4―ブロモ―4’―n―ペンチルビフェニル3.03gとMg245mgを無水THF20mlに溶解し、グリニャール試薬を調製した後、ここにクロロジメチル(3,4,5−トリフルオロベンジル)シラン2.4gを加えて60℃に加熱した。これを約10時間にかけて十分に加熱してから常温まで降温し、水とヘキサンによりワークアップし、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:85%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.35 (s, 6H), 0.93〜0.98 (m, 3H), 1.33〜1.48 (m, 4H), 1.65〜1.77 (m, 2H), 2.29 (s, 2H), 2.68 (t, 2H), 6.50〜6.59 (m, 2H), 7.32 (d, 2H), 7.52 (d, 2H), 7.58 (d, 2H), 7.63 (d, 2H).
【0036】
実施例7
【化26】

3,5―ジフルオロ―4’―n―プロピルビフェニル2.32gを無水THF20mlに溶解し、2.0M LDA5mlを−78℃の温度条件下で滴下し、次いで、約3時間にかけて低温で十分に反応させて陰イオンを生成した。ここにクロロジメチル(4―フルオロベンジル)シラン2.05gを加えてから徐々に常温まで昇温し、常温で1時間にかけてさらに攪拌した後、水とヘキサンによりワークアップし、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:90%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.35 (s, 6H), 0.98 (t, 3H), 1.64〜1.74 (m, 2H), 2.43 (s, 2H), 2.65 (t, 2H), 6.87〜6.97 (m, 4H), 7.05 (d, 2H), 7.28 (d, 2H), 7.50 (d, 2H).
【0037】
実施例8
【化27】

3,5―ジフルオロ―4’―n―ペンチルビフェニル2.60gを無水THF20mlに溶解し、2.0M LDA5mlを−78℃の温度条件下で滴下し、次いで、約3時間にかけて低温で十分に反応させて陰イオンを生成した。ここにクロロジメチル(4―フルオロベンジル)シラン2.05gを加えてから徐々に常温まで昇温し、常温で1時間にかけてさらに攪拌した後、水とヘキサンによりワークアップし、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:85%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.35 (s, 6H), 0.91〜0.93 (m, 3H), 1.31〜1.43 (m, 4H), 1.60〜1.73 (m, 2H), 2.42 (s, 2H), 2.65 (t, 2H), 6.86〜6.98 (m, 4H), 7.05 (d, 2H), 7.28 (d, 2H), 7.49 (d, 2H).
【0038】
実施例9
【化28】

3,5―ジフルオロ―4’―n―プロピルビフェニル2.32gを無水THF20mlに溶解し、2.0M LDA5mlを−78℃の温度条件下で滴下し、次いで、約3時間にかけて低温で十分に反応させて陰イオンを生成した。ここにクロロジメチル(3,4,5―トリフルオロベンジル)シラン2.4gを加えてから徐々に常温まで昇温し、常温で1時間にかけてさらに攪拌した後、水とヘキサンによりワークアップし、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:84%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.44 (s, 6H), 1.04 (t, 3H), 1.69〜1.79 (m, 2H), 2.45 (s, 2H), 2.70 (t, 2H), 6.60〜6.68 (m, 2H), 7.11 (d, 2H), 7.34 (d, 2H), 7.55 (d, 2H).
【0039】
実施例10
【化29】

3,5―ジフルオロ―4’―n―ペンチルビフェニル2.6gを無水THF20mlに溶解し、2.0M LDA5mlを−78℃の温度条件下で滴下し、次いで、約3時間にかけて低温で十分に反応させて陰イオンを生成した。ここにクロロジメチル(3,4,5―トリフルオロベンジル)シラン2.4gを加えてから徐々に常温まで昇温し、常温で1時間にかけてさらに攪拌した後、水とヘキサンによりワークアップし、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:80%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.40 (s, 6H), 0.85〜0.96 (m, 3H), 1.31〜1.42 (m, 4H), 1.61〜1.72 (m, 2H), 2.40 (s, 2H), 2.64 (t, 2H), 6.55〜6.62 (m, 2H), 7.05 (d, 2H), 7.28 (d, 2H), 7.49 (d, 2H).
【0040】
実施例11
【化30】

4―ブロモ―4’―n―プロピルビフェニル3.0gをDME27mlに溶解し、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸2.05g、Pd(PPh380mg、及び2.0M NaCO27mlを加えて、100℃に約10時間にかけて加熱した。水とヘキサンによりワークアップし、次いで、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製してトリフェニル化合物を95%の収率で得た。この化合物3.0gを無水THF20mlに溶解し、−78℃の温度条件下で2.0M LDA5mlを徐々に滴下した。約3時間にかけて陰イオンを生成した後、トリメチルシリルクロライド1.3gを低温で加えて徐々に常温まで昇温し、常温で約1時間にかけてさらに攪拌した後、水とヘキサンによりワークアップし、ヘキサン/MeOH溶媒により再結晶することで上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:95%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.41 (s, 9H), 0.99 (t, 3H), 1.66〜1.75 (m, 2H), 2.65 (t, 2H), 7.09 (d, 2H), 7.28 (d, 2H), 7.56 (d, 2H), 7.63 (d, 2H), 7.68 (d, 2H).
【0041】
実施例12
【化31】

4―ブロモ―4’―n―ペンチルビフェニル3.3gをDME27mlに溶解し、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸2.05g、Pd(PPh380mg、及び2.0M NaCO27mlを加えて、100℃に約10時間にかけて加熱した。水とヘキサンによりワークアップした後、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、トリフェニル化合物を90%の収率で得た。この化合物3.0gを無水THF20mlに溶解し、−78℃の温度条件下で2.0M LDA4.5mlを徐々に滴下した。約3時間にかけて陰イオンを生成した後、トリメチルシリルクロライド1.16gを低温で加えて徐々に常温まで昇温し、常温で約1時間にかけてさらに攪拌した後、水とヘキサンによりワークアップし、ヘキサン/MeOH溶媒により再結晶することで上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:92%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.41 (s, 9H), 0.87〜0.95 (m, 3H), 1.31〜1.42 (m, 4H), 1.63〜1.72 (m, 2H), 2.67 (t, 2H), 7.09 (d, 2H), 7.28 (d, 2H), 7.56 (d, 2H), 7.63 (d, 2H), 7.68 (d, 2H).
【0042】
実施例13
【化32】

3,5―ジフルオロ―4―ヨード―4’―n―プロピルビフェニル3.9gをDME27mlに溶解し、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸2.05g、Pd(PPh380mg、及び2.0M NaCO27mlを加えて、100℃に約10時間にかけて加熱した。水とヘキサンによりワークアップした後、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、トリフェニル化合物を98%の収率で得た。この化合物3.4gを無水THF20mlに溶解し、−78℃の温度条件下で2.0M LDA5mlを徐々に滴下した。約3時間にかけて陰イオンを生成した後、トリメチルシリルクロライド1.2gを低温で加えて徐々に常温まで昇温し、常温で約1時間にかけてさらに攪拌した後、水とヘキサンによりワークアップし、ヘキサン/MeOH溶媒により再結晶することで上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:96%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.42 (s, 9H), 0.99 (t, 3H), 1.65〜1.75 (m, 2H), 2.66 (t, 2H), 7.00 (d, 2H), 7.23 (d, 2H), 7.30 (d, 2H), 7.52 (d, 2H).
【0043】
実施例14
【化33】

3,5―ジフルオロ―4―ヨード―4’―n―ペンチルビフェニル4.2gをDME27mlに溶解し、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸2.05g、Pd(PPh380mg、及び2.0M NaCO27mlを加えて、100℃に約10時間にかけて加熱した。水とヘキサンによりワークアップした後、シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、トリフェニル化合物を93%の収率で得た。この化合物3.7gを無水THF20mlに溶解し、−78℃の温度条件下で2.0M LDA5mlを徐々に滴下した。約3時間にかけて陰イオンを生成した後、トリメチルシリルクロライド1.19gを低温で加えて徐々に常温まで昇温し、常温で約1時間にかけてさらに攪拌した後、水とヘキサンによりワークアップし、ヘキサン/MeOH溶媒により再結晶することで上記一般式で表されるシリコン含有化合物(収率:92%)を得た。400MHz 1H-NMR, CDCl3, δ(ppm) : 0.42 (s, 9H), 0.85〜0.94 (m, 3H), 1.33〜1.41 (m, 4H), 1.62〜1.70 (m, 2H), 2.67 (t, 2H), 6.99 (d, 2H), 7.22 (d, 2H), 7.29 (d, 2H), 7.51 (d, 2H).
【0044】
実施例15.液晶組成物(1)
下記表1の如き組成に従い液晶組成物を製造した。このとき、組成物の%は重量部を意味する。
【表1】

【0045】
実施例16.液晶組成物(2)
下記表2の如き組成に従い液晶組成物を製造した。このとき、組成物の%は重量部を意味する。
【表2】

【0046】
実施例17.液晶組成物(3)
下記表3の如き組成に従い液晶組成物を製造した。このとき、組成物の%は重量部を意味する。
【表3】


【0047】
実験例1.液晶組成物の物性評価
本発明による液晶組成物を用い、下記の如き物性の評価を行った。
実施例15ないし実施例17の液晶組成物を用い、各組成物1gを窒素雰囲気下で試験管に入れ、150℃の温度条件下で2時間にかけて加熱して相転移温度を測定した。このとき、透明点(c.p.)は、ネマチック相における等方性液体の相転移温度である。また、20℃、589nmにおいて屈折異方性(Δn)を測定し、誘電異方性(Δε)は20℃、1kHzにおいて測定した。粘度(rotational viscosity, γ)も20℃の温度条件下で測定した。その結果をまとめて下記表4に示す。
【0048】
実験の結果、一般式1で表わされる新規なシリコン含有化合物を有効成分として含む実施例15ないし17の液晶組成物は、高い正(+)の誘電異方性と低い粘性を示すことが確認できた(表4参照)。
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式1で表わされるシリコン含有化合物:
【化1】

式中、AはSiMek1(CQn1、SiEtk1(CQn1、SiFk1(CQn1、SiClk1(CQn1、SiMe(CQn1k1、SiEt(CQn1k1、SiF(CQn1k1、SiCl(CQn1k1、Ok1SiMe(CQn1、Ok1SiEt(CQn1、Ok1SiF(CQn1、Ok1SiCl(CQn1、(CQn1k1SiMe、(CQn1k1SiEt、(CQn1k1SiF、(CQn1k1SiCl、Ok1(CQn1SiMe、Ok1(CQn1SiEt、Ok1(CQn1SiF、Ok1(CQn1SiCl、(CQn1SiMek1、(CQn1SiEtk1、(CQn1SiFk1、(CQn1SiClk1、(CHn1、CH=CH、C≡C、O、S、COO、OCO、CFO、OCF、OCOO、CHO、CHCO、OCH及びCOCHよりなる群から選ばれ、このとき、kは0または1であり、QはHまたはFであり、nは0〜3の整数であり、
環Bは
【化2】

から選ばれ、
環Cは
【化3】

から選ばれ、
環Dは
【化4】

から選ばれ、前記環B、環Cまたは環D上に導入された置換基は、LないしLと同一に表記されていてもそれぞれ独立的であり、
MはC、N、Siから選ばれ、このとき、Nである場合、LまたはLは無く、
ZはCであり、
、a及びaはそれぞれ独立的にC、NRまたはOから選ばれ、
EはSiMek2(CQn2、SiEtk2(CQn2、SiFk2(CQn2、SiClk2(CQn2、SiMe(CQn2k2、SiEt(CQn2k2、SiF(CQn2k2、SiCl(CQn2k2、Ok2SiMe(CQn2、Ok2SiEt(CQn2、Ok2SiF(CQn2、Ok2SiCl(CQn2、(CQn2k2SiMe、(CQn2k2SiEt、(CQn2k2SiF、(CQn2k2SiCl、Ok2(CQn2SiMe、Ok2(CQn2SiEt、Ok2(CQn2SiF、Ok2(CQn2SiCl、(CQn2SiMek2、(CQn2SiEtk2、(CQn2SiFk2、(CQn2SiClk2、(CHn2、C≡C、O、S、COO、OCO、CFO、OCF、OCOO、CHO、CHCO、OCH及びCOCHよりなる群から選ばれ、このとき、kは0または1であり、QはHまたはFであり、nは0〜3の整数であり、
RはH、C〜C15のアルキル基、C〜C15のアルケン基、アルコキシ(RO)基よりなる群から選ばれ、このとき、前記アルケン基はCH=CH、CH=CHCH(E,Z)、CHCH=CH、CH=CHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCH(E,Z)、CHCHCH=CH、CH=CHCHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCHCH(E,Z)、CHCHCH=CHCH(E,Z)またはCHCHCHCH=CHであり、
はH、C〜C15のアルキル基、C〜C15のアルケン基よりなる群から選ばれ、このとき、前記アルケン基はCH=CH、CH=CHCH(E,Z)、CHCH=CH、CH=CHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCH(E,Z)、CHCHCH=CH、CH=CHCHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCHCH(E,Z)、CHCHCH=CHCH(E,Z)またはCHCHCHCH=CHであり、
Xは、H、SiR、CF、OCF、CN、NCS、ハロゲン元素及びRよりなる群から選ばれ、
、R、Rはそれぞれ独立的にR、ハロゲン元素から選ばれ、
、L、L、L、L、L及びLはそれぞれ独立的にH、ハロゲン元素、CN、CF、OCF及びNCSよりなる群から選ばれ、
o、p、qはそれぞれ独立的に0ないし2の整数であり、
E、A、Xよりなる群から選ばれる1種以上がシリコンを含む。
【請求項2】
前記シリコン含有化合物は、0または正の誘電異方性を有することを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記シリコン含有化合物は、下記の一般式2ないし一般式10のうちいずれかで表わされることを特徴とする請求項1に記載の化合物:
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

式中、AはSiMek1(CQn1、SiEtk1(CQn1、SiFk1(CQn1、SiClk1(CQn1、SiMe(CQn1k1、SiEt(CQn1k1、SiF(CQn1k1、SiCl(CQn1k1、Ok1SiMe(CQn1、Ok1SiEt(CQn1、Ok1SiF(CQn1、Ok1SiCl(CQn1、(CQn1k1SiMe、(CQn1k1SiEt、(CQn1k1SiF、(CQn1k1SiCl、Ok1(CQn1SiMe、Ok1(CQn1SiEt、Ok1(CQn1SiF、Ok1(CQn1SiCl、(CQn1SiMek1、(CQn1SiEtk1、(CQn1SiFk1、(CQn1SiClk1、(CHn1、CH=CH、C≡C、O、S、COO、OCO、CFO、OCF、OCOO、CHO、CHCO、OCH及びCOCHよりなる群から選ばれ、このとき、kは0または1であり、QはHまたはFであり、nは0〜3の整数であり、
MはC、N、Siから選ばれ、このとき、Nである場合、LまたはLは無く、
ZはCであり、
、a及びaはそれぞれ独立的にC、NRまたはOから選ばれ、
EはSiMek2(CQn2、SiEtk2(CQn2、SiFk2(CQn2、SiClk2(CQn2、SiMe(CQn2k2、SiEt(CQn2k2、SiF(CQn2k2、SiCl(CQn2k2、Ok2SiMe(CQn2、Ok2SiEt(CQn2、Ok2SiF(CQn2、Ok2SiCl(CQn2、(CQn2k2SiMe、(CQn2k2SiEt、(CQn2k2SiF、(CQn2k2SiCl、Ok2(CQn2SiMe、Ok2(CQn2SiEt、Ok2(CQn2SiF、Ok2(CQn2SiCl、(CQn2SiMek2、(CQn2SiEtk2、(CQn2SiFk2、(CQn2SiClk2、(CHn2、C≡C、O、S、COO、OCO、CFO、OCF、OCOO、CHO、CHCO、OCH及びCOCHよりなる群から選ばれ、このとき、kは0または1であり、QはHまたはFであり、nは0〜3の整数であり、
RはH、C〜C15のアルキル基、C〜C15のアルケン基、アルコキシ(RO)基よりなる群から選ばれ、このとき、前記アルケン基はCH=CH、CH=CHCH(E,Z)、CHCH=CH、CH=CHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCH(E,Z)、CHCHCH=CH、CH=CHCHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCHCH(E,Z)、CHCHCH=CHCH(E,Z)またはCHCHCHCH=CHであり、
はH、C〜C15のアルキル基、C〜C15のアルケン基よりなる群から選ばれ、このとき、前記アルケン基はCH=CH、CH=CHCH(E,Z)、CHCH=CH、CH=CHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCH(E,Z)、CHCHCH=CH、CH=CHCHCHCH(E,Z)、CHCH=CHCHCH(E,Z)、CHCHCH=CHCH(E,Z)またはCHCHCHCH=CHであり、
XはH、SiR、CF、OCF、CN、NCS、ハロゲン元素、Rから選ばれ、
、R、Rはそれぞれ独立的にR、ハロゲン元素から選ばれ、
、L、L、L、L、L及びLはそれぞれ独立的にH、ハロゲン元素、CN、CF、OCF及びNCSよりなる群から選ばれ、
o、p、qはそれぞれ独立的に0ないし2の整数である。
【請求項4】
前記シリコン含有化合物は、
【化14】

よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の化合物:
式中、AはSiOk1(CQn1、Si(CQn1k1、(CQn1k1Si、(CQn1SiOk1、Ok1(CQn1Si、Ok1Si(CQn1から選ばれ、
R、R、R、R、M、a、a、a、L、L、L、L、L、L、Xは請求項1に定義された通りである。
【請求項5】
前記シリコン含有化合物は、立体異性体を有することを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記立体異性体を有するシリコン含有化合物は、トランス異性体:シス異性体の割合が85〜100:15〜0であることを特徴とする請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のシリコン含有化合物を1種以上含む液晶組成物であって、前記シリコン含有化合物は、下記の一般式1で表わされることを特徴とする液晶組成物:
【化15】

式中、環B、環C、環D、A、E、Z、R、R、R、R、R、M、a、a、a、L、L、L、L、L、L、L、X、o、p、qは請求項1に定義された通りである。
【請求項8】
前記シリコン含有化合物のそれぞれの含量は、全体の液晶組成物100重量%当たり1ないし50重量%の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
請求項7に記載の液晶組成物から製造された液晶層を含む液晶ディスプレイ装置。
【請求項10】
下記の反応式1により製造されることを特徴とするシリコン含有化合物の製造方法:
【化16】

式中、UはSiOk1(CQn1、Si(CQn1k1、(CQn1k1Si、(CQn1SiOk1から選ばれ、このとき、kは0または1であり、QはHまたはFであり、nは0〜3の整数であり、
WはMe、Et、F及びClよりなる群から選ばれ、
環B、環C、環D、R、E、X、o、p及びqは請求項1に定義された通りである。
【請求項11】
下記の反応式2により製造されることを特徴とするシリコン含有化合物の製造方法:
【化17】

式中、VはH、Me、Et、F、Cl、OMe、OEtから選ばれ、
環B、環C、E、R、L、L、o、p及びqは請求項1に定義された通りである。
【請求項12】
下記の反応式3により製造されることを特徴とするシリコン含有化合物の製造方法:
【化18】

式中、UはSiOk1(CQn1、Si(CQn1k1、(CQn1k1Si、(CQn1SiOk1から選ばれ、このとき、kは0または1であり、QはHまたはFであり、nは0〜3の整数であり、
WはMe、Et、F、Clから選ばれ、
環B、環C、環D、R、E、X、o、p及びqは請求項1に定義された通りである。
【請求項13】
下記の反応式4により製造されることを特徴とするシリコン含有化合物の製造方法:
【化19】

式中、VはH、Me、Et、F、Cl、OMe、OEtから選ばれ、
環B、R、E、L、L、L、L、o、p及びqは請求項1に定義された通りである。
【請求項14】
下記の反応式5により製造されることを特徴とするシリコン含有化合物の製造方法:
【化20】

式中、UはSi(CQn1または(CQn1Siであり、このとき、QはHまたはFであり、nは0〜3の整数であり、
WはMe、Et、F、Clから選ばれ、
環B、環C、R、E、X、L、L、o、p及びqは請求項1に定義された通りである。

【公表番号】特表2008−524322(P2008−524322A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548103(P2007−548103)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際出願番号】PCT/KR2006/000132
【国際公開番号】WO2006/075883
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】