説明

新規なジペプチジルペプチダーゼ(DP−IV)化合物

本発明は、ジペプチジルペプチダーゼIV酵素の阻害特性を有する式Iの新規化合物およびその薬学的に許容される塩、鏡像体(DP-IV阻害剤)を対象としている。本発明はまた、これらの化合物を含む薬学的組成物ならびにDP-IV酵素に関連する疾患の予防または治療におけるこれらの化合物およびその組成物の使用をも対象としている。
【化1】


式中、AはR3-R4と定義され、ここで、R3およびR4はともにまたは独立に、1〜10の範囲のアミノ酸を有するペプチドと定義され、Bはペプチドと置換アミンとの間の化学結合であり、R1およびR2は明細書中で定義された通りである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iの新規な抗糖尿病化合物に関し、薬学的活性成分としてのその立体異性体および式Iの化合物を含む組成物ならびにその調製のための方法を含む。
【0002】
【化1】

式中、
Aはペプチドであり、
Bはペプチドと置換アミンとの間のペプチド結合であり、
R1およびR2は明細書中で定義された通りである。
【背景技術】
【0003】
種々のアミノペプチダーゼは哺乳動物に存在し、ピログルタミルアミノペプチダーゼおよびプロリルアミンペプチダーゼ、さらにはジペプチジルペプチダーゼ等の、ペプチドからのペプチダーゼの逐次的な放出を触媒している。ジペプチジルペプチダーゼファミリーには、DP II、DP-IV、DP VIII、DP IXが含まれる(Curr.Opin.Chem.Biol.2003、7、496頁)。新たに合成された化合物は、充分に速い目標速度のDP-IV阻害活性を示す。酵素DP-IVは、免疫調節、シグナル伝達およびアポトーシスに関連するCD26表面領域の一部である。DP-IV酵素は癌および腫瘍の進行においてサプレッサーとして働く。DP-IVはまた、グルコース代謝において主要な役割を担い、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)等のインクレチンの分解に関与している。GLP-1は食物摂取に反応して腸管のL細胞が分泌するインクレチンホルモンである。GLP-1の活性型は30アミノ酸ペプチドを有し、これはインスリンの放出を刺激し、グルカゴンの放出を阻害し、胃内容排出を遅延させる。これらはそれぞれII型糖尿病患者のグルコース恒常性の制御に有益である。GLP-1の活性化は、ジペプチドをN末端から開裂させる血漿DP-IVによって急速に不活性化される(Eur.J.Biochem.、1993、214、829頁およびEndocrinology、1995、136、3585頁)。DP-IV阻害剤には、低血糖リスクの減少、体重減少の可能性、ならびに膵臓β細胞の再生および分化の可能性等、現存する治療法に勝るいくつかの利点の可能性がある。DP-IVはまた、酵素アデノシンデアミナーゼに特異的かつ高い親和性で結合する。
【0004】
カソモルフィンはタンパク質フラグメントであるペプチドの特殊型である。カソモルフィンはミルクおよび乳製品中のカゼインタンパク質の消化から誘導することができる。牛乳からの最も重要なカソモルフィンはβ-カソモルフィンの消化から放出されるものであり、これらは、配列中のアミノ酸の数を示す数字を後ろに付けてBCMと表記される場合がある。β-カソモルフィンの放出の可能性は種および血統の間で変動する。カソモルフィンは3〜8アミノ酸の範囲の一連のペプチドである。本発明において、本出願人はカソモルフィンペプチドのアミノ酸配列に基づいてペプチド誘導体の合成を研究する。置換アミン誘導体を用いて、2〜20アミノ酸の範囲の種々のペプチド誘導体が合成される。
【0005】
以下に示すように、P2部分として修飾プラリン構造を有するいくつかのDP-IV阻害剤が報告されている(Bioorg.Med.Chem.Lett.2008、16、190頁)。
・2005年にSakashitaらは、(4-置換)-L-プロリル-(2S)-2-シアノピロリジンが不飽和類似体と比較して増大したDP-IV活性阻害を示すこと、および(4β-置換)-L-プロリル-(2S)-2-シアノピロリジンが対応する4α異性体よりも20倍強い活性を示すことを開示した(Bioorg.Med.Chem.Lett.2005、15、2441頁)。
・Tsaiらは、(4βカルバモイル)-L-プロリル-(2S)-2-シアノピロリジンが増大したDP-IV阻害活性を示す一方、(5,5-gem-ジメチル)-L-プロリル-(2S)-2-シアノピロリジンが非置換類似体と比較してDP-IV阻害の500倍の減少を示すことを開示した(Bioorg.Med.Chem.Lett.2006、16、3268頁)。
・Heins,Jらは、DP-IVが、配列H-X-Pro-YまたはH-X-Ala-Y(ここで、X,Y=任意のアミノ酸、YはProではない)を有するタンパク質のN末端からのジペプチドの開裂を触媒するセリンプロテアーゼであることを開示している(Biochim.Biophys.Acta.、1988、954、161頁)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、充分に速い目標速度でジペプチジルペプチダーゼIV酵素の阻害特性を有する式Iの新規化合物およびその薬学的に許容される塩、鏡像体(DP-IV阻害剤)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、これらの化合物を含む薬学的組成物ならびにDP-IV酵素に関連する疾患の予防または治療におけるこれらの化合物およびその組成物の使用をも提供する。
【0008】
【化2】

式中、
Aはペプチドであり、
Bはペプチドと置換アミンとの間のペプチド結合であり、
R1およびR2は明細書中で定義された通りである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】DPP IV酵素による式5の化合物からの対象化合物の動力学的放出である。
【図2】DPP IV酵素による式8の化合物からの対象化合物の動力学的放出である。
【図3】DPP IV酵素による式13の化合物からの対象化合物の動力学的放出である。
【図4】DPP IV酵素による式15の化合物からの対象化合物の動力学的放出である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
新たに合成されたペプチド誘導体は、種々の疾患、特に糖尿病に関連する代謝疾患の治療に用いることができる。
【0011】
本出願人はここにプロテアーゼ阻害剤の可能性がある一連の新規化合物を開示する。本発明は式I
【0012】
【化3】

【0013】
[式中、
Aはペプチドであり、
AはさらにR3-R4と定義され、ここで、R3およびR4はともにまたは独立に、1〜10の範囲のアミノ酸を有するペプチドと定義される。ペプチドを形成するためのアミノ酸は、天然由来または合成のアミノ酸類似体から選択される。好ましいペプチドは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、リジン、グルタミン、グルタミン酸、セリン、プロリン、システイン、チロシン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、スレオニンまたはこれらのアミノ酸の混合物から選択されるアミノ酸を用いて形成される。
Bはペプチドと置換アミンとの間のペプチド結合である。
R1および/またはR2は独立に、非置換または置換アルキル;非置換または置換シクロアルキル;非置換または置換シクロアルキルアルコキシ;非置換または置換C16アルキルアルコキシ;非置換または置換シクロアルコキシアルキル;C16アルコキシ-C16アルキル;非置換または置換フェニル;非置換または置換ベンジル;ハロゲン化C16アルキル;C16アルコキシ-C16アルキル;シクロアルコキシ-C16アルキル;非置換または置換アリール;非置換または置換ビシクロC4-C15化合物;N、SおよびOから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和または不飽和でもよいヘテロサイクルであって、非置換またはオキソ、OH、ハロゲン、C16アルキル、およびOC16アルキルから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されたヘテロサイクルから選択され、ここで、C16アルキルおよびOC16アルキルは直鎖状または分枝状で、所望によりにより1〜5個のハロゲンで置換されている。あるいは、R1およびR2はともにまたは独立に水素または
【0014】
【化4】

【0015】
【化5】

【0016】
と定義される。
-----は式Iのペプチド結合におけるN原子の存在を示す。
nは0〜10の間の任意の数である。
R5、R6、R7、またはArは、HまたはC14アルキル、-CH2CF3、-CH2CH=CH2、-CH2-CON(CH3)2、-Ph、-CH2-Ph、-CH2-(4-MeO-Ph)、-CH2-(4-Me-Ph)、-CH2-(4-CN-Ph)、-CH2-(2-CF3Ph)、-CH2-(2-F-Ph)、-CH2-(4-F-Ph)、-CH(OH)-(4-F-Ph)、-CH2-(3,5-ビスCF3-Ph)、-CH2-(2-ピリジル)、-2,4-ジクロロ-Ph、-(4-MeO-Ph)、-(4-Me-Ph)、-(4-CN-Ph)、-(2-Me-Ph)、-(2-クロロ-Ph)、-(2-クロロ-4-MeO-Ph)、-(2-クロロ―4-CN-Ph)、ナフタイル、-(2-F-Ph)、-(2,4-ジ-F-Ph)、-(2,4,5-ジ-F-Ph)の何れかである。
a、またはb、またはcは、N、S、O、Cから独立に選択される]
の新規なペプチド誘導体、およびその薬学的に許容される塩、その鏡像体、本発明による化合物の調製のための方法、それらを含む薬学的組成物、および医学的活性成分としてのそれらの使用に関する。
【0017】
本明細書においては、以下の定義が適用される。
「アルキル」ならびにアルコキシおよびアルカノイル等の接頭辞「アルク」を有する他の基は、炭素鎖が他に定義されない限り、直鎖状または分枝状の何れでもよい炭素鎖およびそれらの組み合わせを意味する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-およびtert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が挙げられる。炭素原子の数が特定されない場合には、C16が意図される。
【0018】
「シクロアルキル」ならびにアルコキシおよびアルカノイル等の接頭辞「アルク」を有する他の基は、特定された炭素原子数、たとえばC3-10が許容されることを意味する。「シクロアルキル」はアルキルのサブセットであり、特定された炭素原子数を有する飽和炭素環を意味する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。他に明示しない限り、シクロアルキル基は一般に単環である。他に定義しない限り、シクロアルキル基は飽和であり、シクロアルキル構造と組み合わされる直鎖状または分枝状のアルキル鎖の組み合わせに限定されない。
【0019】
「アルコキシ」という用語は、特定された炭素原子数(たとえばC110アルコキシ)またはこの範囲内の任意の数の直鎖状または分枝鎖アルコキシド[即ち、メトキシ(MeO-)、エトキシ、イソプロポキシ等]を指す。
【0020】
「アルキルチオ」という用語は、特定された炭素原子数(たとえばC110アルキルチオ)またはこの範囲内の任意の数の直鎖状または分枝鎖アルキルスルフィド[即ち、メチルチオ(MeS-)、エチルチオ、イソプロピルチオ等]を指す。
【0021】
「アルキルアミノ」という用語は、特定された炭素原子数(たとえばC16アルキルアミノ)またはこの範囲内の任意の数の直鎖状または分枝アルキルアミン[即ち、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、t-ブチルアミノ等]を指す。
【0022】
「アルキルスルホニル」という用語は、特定された炭素原子数(たとえばC16アルキルスルホニル)またはこの範囲内の任意の数の直鎖状または分枝鎖アルキルスルホン[即ち、メチルスルホニル(MeSO2-)、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル等]を指す。
【0023】
「アルキルオキシカルボニル」という用語は、特定された炭素原子数(たとえばC16アルキルオキシカルボニル)またはこの範囲内の任意の数の本発明のカルボン酸誘導体の直鎖状または分枝鎖エステル[即ち、メチルオキシカルボニル(MeOCO-)、エチルオキシカルボニル、またはブチルオキシカルボニル]を指す。
【0024】
「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。塩素およびフッ素が一般的に好ましい。ハロゲンがアルキルまたはアルコキシ基上に置換する場合には、フッ素が最も好ましい(たとえばCF3OおよびCF3CH2O)。
【0025】
「アリール」は、炭素環原子を含む単環または多環の芳香環系を意味する。好ましいアリールは、単環または二環の6〜10員芳香環系である。
【0026】
「ヘテロサイクル」および「ヘテロシクリル」は、O、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む飽和もしくは不飽和の非芳香環または環系を指し、硫黄の酸化型、即ちSOおよびSO2をさらに含んでもよい。ヘテロサイクルの例としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジヒドロフラン、1,4-ジオキサン、モルホリン、1,4-ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3-ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3-ジオキサン、1,3-ジチアン、オキサチアン、チオモルホリン等が挙げられる。
【0027】
「ヘテロアリール」は、O、SおよびNから選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む芳香族または部分的芳香族のヘテロサイクルを意味する。ヘテロアリールには、アリール、シクロアルキルおよび芳香族でないヘテロサイクル等の他の種類の環と融合したヘテロアリールも含まれる。ヘテロアリール基の例としては、ピロリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、2-オキソ-(1H)-ピリジニル(2-ヒドロキシ-ピリジニル)、オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、トリアジニル、チエニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ピリダジニル、インダゾリル、イソインドリル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、ベンゾジオキソリル、キノキサリニル、プリニル、フラザニル、イソベンジルフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、インドリル、イソキノリル、ジベンゾフラニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、[1,2,4-トリアゾロ][4,3-a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,4-トリアゾロ][1,5-a]ピリジニル、2-オキソ-1,3-ベンゾキサゾリル、4-オキソ-3H-キナゾリニル、3-オキソ-[1,2,4]-トリアゾロ[4,3-a]-2H-ピリジニル、5-オキソ-[1,2,4]-4H-オキサジアゾリル、2-オキソ-[1,3,4]-3H-オキサジアゾリル、2-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾリル、3-オキソ-2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾリル等が挙げられる。ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基については、3〜15個の原子を含む環および環系が含まれ、1〜3個の環を形成する。
【0028】
アリール-C16アルコキシ、アリール-C16アルキル等における全てのアリールおよびヘテロアリールは、例えば、フェニル、ナフチルであり、それらは非置換であるか、あるいは直鎖状もしくは分枝状またはその非置換もしくは置換1〜5ハロゲン化アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ペンタフルオロメチル、ペンタフルオロメチルオキシおよび/またはトリフルオロエチルによって一、二または三置換されている。
【0029】
ビシクロ化合物は、例えば、非置換もしくはヘテロサイクルで置換されたまたは任意の可能な官能基を含んでもよいC4〜C25員、好ましくは5、6、7、8、9、10員二環化合物である。式Iの化合物またはその類似体における可能な置換基には、水素、OH、カルボキシ、ハロゲン、アミノ、アミド、シアノ、エステル、酸塩化物、カルボン酸、アルデヒド、エーテル、無水物、アセチル、アセトキシ、置換フェニル、置換ベンジルの任意のものが含まれる。
【0030】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無機もしくは有機の塩基および無機もしくは有機の酸を含む薬学的に許容される無毒性の塩基または酸から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が含まれる。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムの塩である。固体状態の塩は、2つ以上の結晶構造で存在してよく、水和物の形態であってもよい。薬学的に許容される有機の無毒性塩基から誘導される塩には、一級、二級および三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の塩が含まれる。
【0031】
本発明の化合物が塩基性の場合には、塩は無機および有機酸を含む薬学的に許容される無毒性の酸から調製することができる。そのような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸等が含まれる。特に好ましいものは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、酒石酸等である。
【0032】
本明細書においては、式Iの化合物についての言及は薬学的に許容される塩をも含むことを意味すると理解されたい。
【0033】
当業者には理解されるように、ハロまたはハロゲンは、本明細書においてはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含むことを意図している。同様に、C18アルキルにおけるようなC18は、直鎖状または分枝状配置における1、2、3、4、5、6、7、または8個の炭素を有する基を同定するために定義され、したがってC18アルキルは具体的にはメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルを含む。同様に、C0アルキルにおけるようなC0は、直接の共有結合の存在を同定するために定義される。置換基によって独立に置換されたと指定される基は、複数個の当該置換基によって独立に置換されてよい。
【0034】
本発明の化合物は1個または複数の不斉中心を含んでよく、したがってラセミ化合物およびラセミ混合物、単一の鏡像体、ジアステレオマー混合物および個別のジアステレオマーとして存在し得る。本発明の化合物は、β炭素原子に1個の不斉中心を有する。分子上の種々の置換基の性質に応じて、追加の不斉中心が存在してもよい。そのような不斉中心の各々は独立に2つの光学異性体を生じることになり、混合物中の可能な光学異性体およびジアステレオマーの全て、並びに純粋なまたは部分的に純化された化合物は本発明の範囲の中に含まれることが意図される。本発明は、これらの化合物の上記のような全ての異性体を包含することを意味している。
【0035】
本明細書に記述する化合物はオレフィン性二重結合を含んでよく、他に明示しない限り、EおよびZの幾何異性体の両方を含むことを意味している。
本明細書に記述する化合物は互変異性体として存在し得る。個々の互変異性体ならびにその混合物は、本発明の化合物に包含される。
【0036】
式Iは、好ましい立体化学なしに化合物の種類の構造を示している。これらの化合物が調製されるβアミノ酸に付いている炭素原子、およびそのβアミノ酸のR9における好ましい立体化学。
【0037】
これらのペプチド誘導体の独自の合成またはそれらのクロマトグラフィーによる分離は、当技術分野で知られているように、本明細書に開示された方法を適当に改変することによって達成することができる。それらの絶対的な立体化学は、結晶性生成物または必要であれば既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬を用いて誘導される結晶性中間体のX線結晶学によって決定することができる。
【0038】
必要であれば、化合物のラセミ混合物を好ましくは分離して、個別の鏡像体を単離してもよい。分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成させ、その後に分別結晶化またはクロマトグラフィー等の標準的方法によって個別のジアステレオマーを分離すること等の、当技術分野で周知の方法によって実施することができる。カップリング反応は多くの場合、鏡像的に純粋な酸または塩基を用いる塩の生成である。次いでジアステレオマー誘導体は、添加されたキラル残基の開裂によって純粋の鏡像体に転換することができる。化合物のラセミ混合物は、当技術分野で周知の方法であるキラル固定相を用いるクロマトグラフィー法で直接に分離することもできる。
【0039】
あるいは、化合物の任意の鏡像体は、当技術分野で周知の方法により、光学的に純粋な出発材料または既知の配置をもつ試薬を用いて、立体選択的合成によって得ることができる。
【0040】
本明細書において、「組成物」という用語は、特定の成分を特定の量で含む生成物、ならびに特定の成分の特定の量における組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図している。薬学的組成物に関するそのような用語は、活性成分(単数または複数)、およびキャリアを構成する不活性成分(単数または複数)を含む生成物、ならびに2以上の任意の成分の組み合わせ、錯体化もしくは凝集、または1個もしくは複数の成分の解離に、または1個もしくは複数の成分の他の型の反応もしくは相互作用から直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図している。したがって、本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物と薬学的に許容されるキャリアとを混合することによって作成される任意の組成物を包含する。「薬学的に許容される」とは、キャリア、賦形剤または添加剤が製剤中の他の成分と親和性がなくてはならず、その受容者にとって有害であってはならないことを意味する。
【0041】
化合物「の投与」および/または化合物「を投与すること」という用語は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを、治療が必要な個人に提供することを意味すると理解されたい。
【0042】
式Iを有する化合物の調製のための一般的合成ルートには以下の一般的スキームが含まれ、ここで、スキームは選択されたアミノ酸を用いて例示されており、プロリンと別のアミノ酸とでペプチドを形成している。本明細書において種々のアミノ酸を用いて合成されるペプチド化合物は、ペプチド結合からなっている。中間ペプチド化合物は種々の一級および二級アミン誘導体とさらに反応して、式Iの化合物を生成する。
【0043】
【化6】

【0044】
本明細書に開示する方法は本明細書で調製する特定の化合物の調製に限定されず、本発明の化合物を調製するための一般的な技術状況が記述されている。これには、以下の実施例で開示する化合物およびその薬学的に許容される塩およびその個別のジアステレオマーからなる群から選択される化合物も含まれる。
【0045】
実施例1:1-(2-アミノ-3-メチル-ブチリル)-ピロリジン-2-カルボン酸[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピル]-アミド塩酸塩の調製
【0046】
ステップ-1:1-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ブチリル)-ピロリジン-2-カルボン酸の調製
【0047】
【化7】

【0048】
THF(120ml)中のN-Boc L-バリン(式2の化合物)[8g、0.037モル]およびトリエチルアミン(5.15ml、0.037モル)の撹拌溶液に、クロロギ酸エチル(3.52ml、0.037モル)を0〜5℃で滴下して加えた。反応液を0℃で15分撹拌し、室温で1時間撹拌した。次いで反応液を0℃に保ち、トリエチルアミン(10.3ml、0.074モル)およびTHF(60ml)の混合物を加えた。
【0049】
最後に、上記混合物に0℃でL-プロリン(4.25g、0.037モル)を加えた。反応液を0℃で30分撹拌し、室温で一夜撹拌した。撹拌後、THFを真空で濃縮し、残留物を1N HClで(pH約3まで)酸性化した。生成物層を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をNa2SO4上で乾燥し、濃縮して(B)を得た。得られた生成物をEtOAc/ヘキサン 5/5を溶離液として用いるカラムクロマトグラフィーにかけてN-Boc Val-Pro(式3の化合物)を得た(収量=3.6g、31%)。
【0050】
ステップ-2:(2-メチル-1-[2-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-ピロリジン-1-カルボニル]-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(式4の化合物)の調製
【0051】
【化8】

【0052】
MDC(40ml)中のN-Boc Val-Pro(式3の化合物)(0.39g、1.23ミリモル)の撹拌溶液に、ジシクロヘキシルジカルボビイミド(0.4g、0.0019モル)を0℃で加え、反応混合物を0℃で5〜10分撹拌した。次いでこの混合物に3-アミノ-1-(3-トリフルオロメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-7-イル)-4-(2,4,5-トリフルオロ-フェニル)-ブタン-1-オン(0.5g、0.00123モル)を0℃で加えた。次いで反応液を室温で4時間撹拌した。反応完了のためにTLCを行なう。
【0053】
反応混合液を濾過してDCCの尿素誘導体を除去した。次いで濾液を真空で濃縮した。精製のために溶媒系としてCHCl3/MeOH(9/1)を用いてこの化合物のカラムクロマトグラフィーを行ない、(2-メチル-1-[2-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-ピロリジン-1-カルボニル]-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(式4の化合物)を得た[0.54g、収率62%]。
【0054】
ステップ-3:1-(2-アミノ-3-メチル-ブチリル)-ピロリジン-2-カルボン酸[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピル]-アミド塩酸塩(式5の化合物)の調製
【0055】
【化9】

【0056】
酢酸エチル(5ml)中の(2-メチル-1-[2-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-ピロリジン-1-カルボニル]-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(式4の化合物)(0.54g、0.00077モル)の撹拌溶液に、酢酸エチル(5ml)中の3M HClの溶液を室温で加えた。次いで反応液を室温で1時間撹拌した。反応完了のためにTLCを行なう。
【0057】
次いで最後に、反応混合物を真空で濃縮して、1-(2-アミノ-3-メチル-ブチリル)-ピロリジン-2-カルボン酸[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピル]-アミドの塩酸塩を得た。このようにして得られた化合物の塩酸塩を重炭酸ナトリウムで処理して、(式5の化合物)を得た[0.46g、収率93.88%]。
【0058】
実施例2:[1-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル(式6の化合物)
【0059】
ステップ-1:[1-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル(式6の化合物)の調製
【0060】
【化10】

【0061】
CH2Cl2(30ml)中のN-Boc-アラニン(1g、0.00245モル)の撹拌溶液に、ジシクロヘキシルジカルボジイミド(1g、0.00245×1.5モル)を0℃で加えた。反応混合物を15分撹拌し、この撹拌混合物に、3-アミノ-1-(3-トリフルオロメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-7-イル)-4-(2,4,5-トリフルオロ-フェニル)-ブタン-1-オン(1g、0.00245モル)を0℃で加えた。次いで反応混合物を室温で4時間撹拌した。撹拌後、ジシクロヘキシル尿素を濾過によって除去し、濾液を真空で濃縮した。溶離液としてCH2Cl2/MeOH(9.7:0.3)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって残留物を精製し、[1-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル(式6の化合物)を得た[1.3g、92%]。
【0062】
ステップ-2:(2-メチル-1-[1-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-エチルカルバモイル]-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(式7の化合物)の調製
【0063】
【化11】

【0064】
化合物[1-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル(式6の化合物)(1g、0.00173モル)に、3M HCl-EtOAc(10ml)を室温で加えた。次いで反応混合物を室温で1時間撹拌した。撹拌後、EtOAcを除去して、2-アミノ-N-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピル]-プロピオンアミドの塩酸塩を得た。塩酸塩を飽和水性NaHCO3に溶解し、EtOAc(30ml×3)で抽出した。EtOAc層を合わせてNa2SO4上で乾燥し、濃縮してAla-Sitagliptinを得た(0.860g、収率97%)。このようにして、さらなるステップでは遊離塩基を用いた。
【0065】
CH2Cl2(40ml)中の2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸(0.390g、0.00179モル)の撹拌溶液に0℃で添加した。次いで反応混合物を15分撹拌した。この撹拌溶液に、2-アミノ-N-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピル]-プロピオンアミド(0.860g、0.00179モル)を0℃で加えた。次いで反応混合物を一夜撹拌した。ジシクロヘキシル尿素を濾過によって除去し、濾液を真空で濃縮した。溶離液としてCH2Cl2/MeOH(9.7:0.3)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって残留物を精製し、(2-メチル-1-[1-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-エチルカルバモイル]-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(式7の化合物)を得た(収量=0.7g、58%)。
【0066】
ステップ-3:2-アミノ-3-メチル-N-[1-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-エチル]-ブチラミド塩酸塩(式8の化合物)の調製
【0067】
【化12】

【0068】
化合物(2-メチル-1-[1-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-エチルカルバモイル]-プロピル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(式7の化合物)(500mg、0.00073モル)に、3M HCl-EtOAc(10ml)を室温で加えた。次いで反応混合物を1時間撹拌した。次いでこれを濃縮して、2-アミノ-3-メチル-N-[1-[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピルカルバモイル]-エチル]-ブチラミド塩酸塩(式8の化合物)を得た(430mg、収率94%)。
【0069】
実施例3:[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチル-ブタノイル)-ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]-カルボキサミド(式21の化合物)
【0070】
ステップ-1:1-(2-アミノ-3-メチル-ブチリル)-ピロリジン-2-カルボン酸[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピル]-アミド(式18の化合物)の調製
【0071】
【化13】

【0072】
1-(2-アミノ-3-メチル-ブチリル)-ピロリジン-2-カルボン酸[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピル]-アミド塩酸塩(式9の化合物)(520mg、0.8ミリモル)を水95mlに溶解した。次いでこの溶液にpHが塩基性(pH約10)になるまで飽和重炭酸ナトリウム溶液(6ml)を加えて塩酸塩を分解した。次いで化合物をEtOAc(3×75ml)で抽出した。有機抽出物をNa2SO4上で乾燥して真空で濃縮し、1-(2-アミノ-3-メチル-ブチリル)-ピロリジン-2-カルボン酸[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピル]-アミド遊離塩基(式10の化合物)を得た(収量=480mg=98%)。
【0073】
ステップ-2:(tert-ブトキシ)-N-[1-(メチルエチル)-2-[2-(N-[1-(メチルエチル)-2-オキソ-2-[2-(N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルバモイル)ピロリジニル]エチル]カルボミル)シアロペンチル]-2-オキソエチル]カルボキサミド(式11の化合物)の調製
【0074】
【化14】

【0075】
MDC(20ml)中の1-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ブチリル)-ピロリジン-2-カルボン酸(274mg、0.87ミリモル)の撹拌溶液にジシクロヘキシルジカルボジイミド(DCC)(270mg、1.3ミリモル)を加え、0℃で5〜10分撹拌した。次いでこの混合物に1-(2-アミノ-3-メチル-ブチリル)-ピロリジン-2-カルボン酸[3-オキソ-1-(2,4,5-トリフルオロ-ベンジル)-3-(3-トリフルオロメチル-5,6-ジヒドロ-8H-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7-イル)-プロピル]-アミド遊離塩基(式10の化合物)(480mg、0.79ミリモル)を0℃で加えた。次いで反応液を室温で4時間撹拌した。反応完了のためにTLCを行なう。
【0076】
反応混合物を濾過してDCCの尿素誘導体を除去した。次いで濾液を真空で濃縮した。精製のため溶媒系としてCH2Cl2/MeOH(9.5/0.5)を用いて、この化合物のカラムクロマトグラフィーを行ない、(tert-ブトキシ)-N-[1-(メチルエチル)-2-[2-(N-(1-(メチルエチル)-2-オキソ-2-[2-(N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルバモイル)ピロリジニル]エチル)カルボミル]シアロペンチル)-2-オキソエチル]カルボキサミド(式11の化合物)を得た(400mg、62%)。
【0077】
ステップ-3:[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルボキサミド塩酸塩(式20の化合物)の調製
【0078】
【化15】

【0079】
酢酸エチル(5ml)中の(tert-ブトキシ)-N-[1-(メチルエチル)-2-[2-(N-[1-(メチルエチル)-2-オキソ-2-[2-(N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルバモイル)ピロリジニル]エチル]カルボミル)シアロペンチル]-2-オキソエチル]カルボキサミド(式11の化合物)(400mg、0.5ミリモル)の撹拌溶液に、酢酸エチル(4ml)中の3M HClの溶液を室温で加えた。次いで反応液を室温で1時間撹拌した。反応の完了のためにTLCを行なう。
【0080】
次いで最後に反応混合物を真空で濃縮し、[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルボキサミド塩酸塩(式12の化合物)を得た(0.350g、収率95%)。
【0081】
ステップ-4:[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルボキサミド塩酸塩(式12の化合物)から[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルボキサミド(式13の化合物)へ
【0082】
【化16】

【0083】
[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルボキサミド塩酸塩(式12の化合物)(265gm、0.32ミリモル)を水(5ml)に溶解し、次いでNaHCO3で飽和した。これにより、塩酸塩を分解した。次いで化合物をEtOAc(3×75ml)で抽出した。有機抽出物をNa2SO4上で乾燥し、真空で濃縮して、[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルボキサミド(式13の化合物)を得た(245mg、97%)。
【0084】
実施例4:(tert-ブトキシ)-N-(1-(メチルエチル)-2-[2-(N-(1-(メチルエチル)-2-[2-[N-(1-メチルエチル)-2-オキソ-2-[2-(N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルバモイル)ピロリジニル]エチル]カルバモイル]ピロリジニル)-2-オキソエチル)カルバモイル]ピロリジニル)-2-オキソエチル]カルボキサミド(式22の化合物)
【0085】
ステップ-1:[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルボキサミド(式21の化合物)の調製
【0086】
【化17】

【0087】
[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルボキサミド塩酸塩(式12の化合物)(265gm、0.32ミリモル)を水(5ml)に溶解し、次いでNaHCO3で飽和した。これにより、塩酸塩を分解した。次いで化合物をEtOAc(3×75ml)で抽出した。有機抽出物をNa2SO4上で乾燥し、真空で濃縮して、[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルボキサミド(式13の化合物)を得た(245mg、97%)。
【0088】
ステップ-2:(tert-ブトキシ)-N-[1-(メチルエチル)-2-[2-(N-(1-(メチルエチル)-2-[2-(N-(1-メチルエチル)-2-オキソ-2-[2-(N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルバモイル)ピロリジニル]エチル)カルバモイル]ピロリジニル)-2-オキソエチル)カルバモイル]ピロリジニル]-2-オキソエチル]カルボキサミド(式14の化合物)の調製
【0089】
【化18】

【0090】
MDC(20ml)中の1-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ブチリル)-ピロリジン-2-カルボン酸(100mg、0.3ミリモル)の撹拌溶液にジシクロヘキシルジカルボジイミド(DCC)(98mg、0.47ミリモル)を0℃で加えた。反応液を0℃で10分撹拌した。撹拌後、[1-(2-[[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)シクロペンチル]カルボニルアミノ]-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルボキサミド(式13の化合物)(254mg、0.3ミリモル)をこの反応混合物に0℃で加えた。反応液を0℃で30分および室温で4時間撹拌した。反応の完了のためTLCを行なう。
反応液を濾過してDCCの尿素誘導体を除去した。次いで濾液を真空で濃縮した。精製のためカラムクロマトグラフィーを行なう。(式14の化合物)(180mg、51%)
【0091】
ステップ-3:[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-(1-(メチルエチル)-2-[2-(N-(1-(メチルエチル)-2-オキソ-2-(N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルバモイル)ピロリジニル)エチル)カルバモイル]ピロリジニル)-2-オキソエチル]カルボキサミド塩酸塩(式23の化合物)の調製
【0092】
【化19】

【0093】
EtOAc(5ml)中の(tert-ブトキシ)-N-[1-(メチルエチル)-2-[2-(N-(1-(メチルエチル)-2-[2-(N-(1-メチルエチル)-2-オキソ-2-[2-(N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)-1-(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルバモイル)ピロリジニル]エチル)カルバモイル]ピロリジニル)-2-オキソエチル)カルバモイル]ピロリジニル]-2-オキソエチル]カルボキサミド(式14の化合物)(180mg、0.16ミリモル)の撹拌溶液に3M HCl-EtOAc(2ml)を加えた。反応液を室温で30分撹拌した。反応の完了のためTLCを行なう。最後に反応液を真空で濃縮して、[1-(2-アミノ-3-メチルブタノイル)ピロリジン-2-イル]-N-(1-(メチルエチル)-2-[2-(N-(1-(メチルエチル)-2-オキソ-2-(N-[3-オキソ-3-[3-(トリフルオロメチル)(1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピペリジン-6-イル)]-1-[(2,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]プロピル]カルバモイル)ピロリジニル)エチル)カルバモイル]ピロリジニル)-2-オキソエチル]カルボキサミド塩酸塩(式15の化合物)を得た(160mg、94.6%)。
【0094】
種々のDPP IV誘導体からのSitagliptinの放出を推定するための分析法
試薬および溶媒:
試薬、溶媒、標準および装置:
・トリフルオロ酢酸(ARグレード)
・アセトニトリル(HPLCグレード)
・MilliQ水
・DPP IV阻害剤の標準試薬としてのSitagliptin塩基
・UV検出器および自動サンプラー付きのShimadzu LC-2010
希釈剤:アセトニトリル
【0095】
緩衝液の調製
正確に測定したMilliQ水1000mlをビーカーに移す。トリフルオロ酢酸でpHを2.00±0.05に調整する。これを穏やかに振盪して0.45μのメンブランフィルターで濾過する。
【0096】
移動相の調製
アセトニトリル300mlを1000mlの容量フラスコに移し、pH2.00±0.05の緩衝液で標識まで体積を補う。
【0097】
標準液の調製
10mlの容量フラスコ中でSitagliptin塩基標準試薬約20mgを正確に秤量する。希釈剤5.0mlを加え、(要すれば)これを超音波処理して固体を溶解し、希釈剤で標識まで体積を補い、濃度2000ppmの標準溶液(ストック溶液)とする。
上のストック溶液をさらに希釈して、0.025μM〜100μMまで変化する種々の濃度の溶液を得た。種々の濃度について、μM単位の濃度に対するピーク面積の線形カーブをプロットした。
【0098】
試料の調製
種々の臓器(肝、腎および膵)および血清試料から抽出試料(タンパク質性物質を除去した後)を得て、これらをHPLC系に直接注入した。
【0099】
クロマトグラフィー条件:
液体クロマトグラフィーには可変波長UV検出器、自動サンプラーおよびデータプロセッサーが備えられている。
カラム:ypersil BDS C8、4.6mm×250mm、5μ
検出器波長:54nm
流量:1.0ml/min
注入量:20μl
カラム温度:60℃
【0100】
方法
ブランク(希釈剤)およびブランク抽出試料を注入し、0.025μM〜100μMの種々の濃度の標準調製液を注入して、μM単位の濃度に対する曲線下面積のグラフをプロットする。試料調製液を注入してクロマトグラムを記録する。ブランクによるいかなるピークをも無視して、種々の時間間隔で集められた抽出試料から放出されたSitagliptinの濃度を計算する。
Sitagliptineの保持時間は約5.0〜6.0分である。
【0101】
計算
試料中のSitagliptinの面積を標準の線形カーブに対して外挿することによって、種々の時間間隔で集められた抽出試料からの放出Stagliptinの濃度を計算する。
【0102】
スクリーニングの一般的方法:
SitagliptinジペプチドまたはSitagliptin塩基をヤギ血清とともに37℃でインキュベートした。0、15、30、45分、1時間、2時間、6時間および24時間の時点で試料を集め、シリカ抽出カートリッジを用いて固相抽出を行なった。両方の分子の標準をアセトニトリル+水中で調製した(抽出効率を確認するため)。試料をHPLCにかけ、「保持時間」および「曲線下面積」を評価した。化合物の保持時間は、化合物の同定のためのパラメーターとして用いる。曲線下面積は、反応液中に存在する分子の量を評価するために用いる。各化合物についてグラフをプロットする。
【0103】
本発明で開示される化合物は、既知の文献に記載されている好ましいプロセスを関与させることによって調製され、医学的に重要な活性成分を得るために有用である。合成された化合物は、この化合物の有効量の投与を含むそのような阻害を必要とする哺乳動物等の患者のジペプチジルペプチダーゼIV酵素を阻害する方法において有用である。本発明は、本明細書に開示された化合物のジペプチジルペプチダーゼIV酵素活性の阻害剤としての使用を対象としている。
【0104】
ヒト等の霊長類に加えて、様々な他の哺乳動物を本発明の方法によって治療することができる。例えば、これだけに限らないが、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラットまたは他のウシ科、ヒツジ種、ウマ科、イヌ科、ネコ科、げっ歯類またはネズミ科の種を含む哺乳動物を治療することができる。しかし、本方法は鳥類(たとえばニワトリ)等の他の種においても実施することができる。
【0105】
本発明はさらに、本発明の化合物を薬学的キャリアまたは賦形剤と組み合わせることを含む、ヒトおよび動物においてDP-IV酵素活性を阻害するための薬剤の製造のための方法を対象としている。
【0106】
本発明をその特定のいくつかの実施形態を参照して記述し説明したが、当業者は本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、式Iに記載された化合物の調製のための方法の種々の適合、変更、改変、置換、削除、または追加が可能であることを認識するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】

[式中、
Aはペプチドであり、
Bはペプチドと置換アミンとの間のペプチド結合であり、
R1およびR2はここに定義された通りであり、
R1およびR2はともにまたは独立に水素または
【化2】

と定義され、
-----は式Iのペプチド結合におけるN原子の存在を示し、
nは0〜10の間の任意の数であり、
R5、R6、R7、またはArは、HまたはC14アルキル、-CH2CF3、-CH2CH=CH2、-CH2-CON(CH3)2、-Ph、-CH2-Ph、-CH2-(4-MeO-Ph)、-CH2-(4-Me-Ph)、-CH2-(4-CN-Ph)、-CH2-(2-CF3Ph)、-CH2-(2-F-Ph)、-CH2-(4-F-Ph)、-CH(OH)-(4-F-Ph)、-CH2-(3,5-ビスCF3-Ph)、-CH2-(2-ピリジル)、-2,4-ジクロロ-Ph、-(4-MeO-Ph)、-(4-Me-Ph)、-(4-CN-Ph)、-(2-Me-Ph)、-(2-クロロ-Ph)、-(2-クロロ-4-MeO-Ph)、-(2-クロロ-4-CN-Ph)、-ナフタイル、-(2-F-Ph)、-(2,4-ジ-F-Ph)、-(2,4,5-ジ-F-Ph)の何れかであり、
a、またはb、またはcは、N、S、O、Cから独立に選択される]
の化合物およびその薬学的に許容される塩、鏡像体。
【請求項2】
DPP IV酵素が対象の化合物を放出する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
DPP IV酵素がDPP IV酵素の阻害剤である化合物を放出する、請求項1および2に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物は安定な化合物である。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の化合物は薬学的に許容される塩を含む。
【請求項6】
請求項1から3に記載の化合物を投与することによる哺乳動物におけるジペプチジルペプチダーゼIV(DP-IV)酵素の阻害。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−504516(P2013−504516A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526589(P2011−526589)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006807
【国際公開番号】WO2010/029422
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(507421393)カディラ ファーマシューティカルズ リミテッド (7)
【Fターム(参考)】