説明

新規なヘアトリートメント組成物

【課題】髪の毛の疎水性を変えて髪の脱水を生じさせることによって、シャワー、入浴、水泳、洗髪などの後の髪の乾燥を特に時間を短縮して行うことができる方法および組成物の提供。
【解決手段】(a)約15mN/mから約26mN/mの表面張力を有し100秒以下のドレーブス湿潤値を示す少なくとも1つの湿潤剤(b)少なくとも1つのヘアトリートメント成分および(c)水を含む溶媒系からなるヘアトリートメント組成物。湿潤剤は、好ましくは、シリコーンポリエーテル界面活性剤、フッ素化ポリマー、フッ素化表面活性剤、フルオロシリコーン、ジェミニ界面活性剤およびこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、その量は、好ましくは約0.05重量%から10重量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば入浴、洗髪、水泳などの後の濡れた髪を乾かす時間を改善する方法に関する。好ましい態様では、本発明は、整髪(styling)中髪を乾かす時間をさらに短縮する髪のための付けたままにしておくトリートメントとして、濡れた髪に適用されるヘア整髪組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
女性特に長い髪を有する女性の共通の不満は、彼女たちの髪を乾かし整えるのに、あまりに長い時間を要するということである。さらに、髪は、しばしば、ヘアドライヤーからの熱に長い間曝されることによって痛む。これらの問題に対する1つの提案された解決策は、特許文献1に記載され、(a)ポリシロキサンをグラフトした接着性ポリマー、(b)該ポリマーに対する揮発性の水不溶性溶媒、および(c)溶媒に可溶な、ポリマーに対する不揮発性の乾燥用助剤を含む組成物が開示されており、その組成物は髪上にフィルムを形成する。
【0003】
Paul MitchellのSuper Skinnyは、髪の毛中に深く浸透することにより髪の乾燥時間を短縮させるとしており、それは、水を除き髪を締まった直径に収縮させ、それにより乾燥時間を短くすることを助ける。締まった直径は、体積あたりの表面積を増加させるといわれ、それにより水の蒸発速度を早め乾燥時間を短くする。
【0004】
【特許文献1】米国特許5567428
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
髪の毛の疎水性を変えて髪の脱水を生じさせることによって、シャワー、入浴、水泳、洗髪などの後の髪の乾燥を改善する方法を提供するのが本発明の目的である。
乾燥に要する時間を短縮する新規なヘアトリートメント組成物を提供するのが本発明のさらなる目的であり、該組成物は、髪に湿潤剤を結合させることなく髪からの脱水およびシーティング(sheeting)を生じさせる湿潤剤を含む。
【0006】
さらなる目的は、濡れた髪を乾かす時間を短縮しさらに髪を整髪するヘアトリートメント組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、濡れた髪を乾かす時間を短縮しさらに髪を整えるヘアトリートメント組成物を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、髪を乾かす時間を減らすことによりヘアの傷みを減少させる方法を提供することである。
さらなる目的は、部分的に水和された条件に髪を維持することによって、髪の可撓性および扱いやすさを改善することである。
本発明のこれらの目的および他の目的並びに利点は、以下の詳述から明らかになるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の組成物は、少なくとも1つの湿潤剤を含む水性またはアルコールと水とを含むヘアトリートメント組成物である。濡れた髪に適用されるとき、湿潤剤の存在は、髪を疎水性にする。その結果、髪に存在する水は、玉状になり勝ちであり、そして例えば重力により、タオルで拭くことにより、ブラッシングによりまたは梳ることにより、より容易に除かれる。本発明者は、髪を乾かす時間が、風乾、タオルによる乾燥またはドライヤーのブロー乾燥によるかの何れかにより短縮されることをさらに見いだした。好適な湿潤剤は、シリコーンポリエーテル界面活性剤、フッ素化ポリマー、フッ素化表面活性剤、ジェミニ界面活性剤およびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
【0009】
本発明の他の局面では、本発明の組成物は、湿気のある髪、例えば風乾、タオルによる乾燥またはドライヤーのブロー乾燥により完全には乾燥されていない髪に適用される。少なくとも1つの湿潤剤を含む整髪組成物が適用される湿気のある髪は、より容易に乾燥され、そして整髪が容易で早く終わることが分かった。
【0010】
他の態様では、本発明の組成物は、(a)少なくとも1つの湿潤剤、(b)少なくとも1つのヘアトリートメント成分、(c)水および所望により(d)少なくとも1つの揮発性溶媒を含む水性またはアルコールと水とを含むヘアトリートメント組成物である。
【0011】
ヘアトリートメント組成物は、約10重量%から99重量%の水、0.05重量%から10重量%の湿潤剤、0.01重量%から10重量%のヘアトリートメント成分(ヘア固定剤、ヘアコンディショニング剤およびこれらの混合物からなる群から選ばれる)、および0重量%から55重量%の揮発性溶媒を含む。ヘアトリートメント組成物は、ゲル、ムース(エーロゾルまたはポンプの何れか)、クリーム、スプレー(エーロゾルまたはポンプの何れか)、パテ、スプレーワックス、ポマード、ブリリアンチン、ローション、バーム、スティック、片、溶液、分散物またはエマルションの形である。製品は、濡れた髪に適用されそして髪を処理するのに使用できる付けたままにしておく製品であり、例えば整髪製品および固定製品、髪に艶をあたえる製品または髪をより扱いやすくするように髪を調節する製品である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の組成物は、付けたままにしておく製品として、濡れた髪、特に使用者の頭部の人の髪への適用を目的としている。濡れた髪は、湿気のある髪(例えば、乾燥されて髪の毛上の表面水のいくらかまたは全部は除かれているが、実質的に水和されたままである、すなわち水が髪の毛に浸透しそして髪の毛内に残存する髪)のような髪を含む。組成物は、髪を次に乾燥するのに必要な時間を短縮するように処方される。この目的のために、組成物は、湿潤剤を含む。濡れた髪の適用されるとき、湿潤剤は、髪の表面張力を低下させそして髪を実質的に疎水性にする。この増強された疎水性は、髪の上に存在する水を髪の上に玉状にし、そしてまた重力または他の力例えば梳り、ブラッシングまたはブロードライヤーからの風の力によって、水滴を髪から流下させる。このやり方は、「シーティング」とよばれる。過剰の水を除くことにより、湿潤剤により処理された髪は、風乾、タオルによる乾燥またはドライヤーによるブロー乾燥のいずれにせよ、より容易に、すなわちより短い時間で乾燥される。特に、本発明の組成物および方法は、約3インチ(約7.6cm)より長いそして特に約6インチ(約15.2cm)より長い髪に特に適している。
【0013】
どんな理論または作用メカニズムに縛られることを望まないが、湿潤剤特にヘアスタイリング剤と一緒のものは、髪の上にフィルムを形成し、それは、髪のキューティクルに浸透した水のいくらかが髪の毛内に残るようにするものと思われる。これは、さらに、髪から除かれるべき水の量を減少させ、それにより乾燥時間を短縮する。その上、髪中の残存水(すなわち水和された水)は、髪をより可撓性にししかも取り扱いやすくさせ、枝毛を減らす。ブロー乾燥による髪を乾かす時間を短縮することは、また髪への損傷を減らす。
【0014】
本発明の1つの局面では、例えばシャワー、洗髪、入浴、水泳などの後で濡れた髪を乾かすような濡れた髪を乾かす時間を短縮する方法が提供され、その方法は、濡れた髪に湿潤剤を含む水性組成物またはアルコールと水とを含む組成物を適用し、次に髪を乾かすことからなる。乾燥段階前またはその間に、髪は機械的に処理されて水が髪からシーティングするのを助ける。このような処理は、ブラッシング、梳り、タオルによる拭き取りなどを含む。タオルによる拭き取りの場合では、機械的な作用が、典型的な場合に、髪の上に存在する水の吸収と組み合わされることが分かる。髪のブロー乾燥の場合には、ドライヤーからの熱い空気の力が、また水を髪からシーティングさせることが分かる。この態様では、組成物は、水性媒体またはアルコールと水とを含む媒体中に湿潤剤を含む。驚くべきことに、髪を乾かす時間が、髪への追加の水の適用にかかわらず、短縮される。
【0015】
本発明の他の局面では、同時に髪を乾かす時間を短縮しつつ、髪を整える組成物および方法が提供される。前述のように、シャワー、洗髪、入浴、水泳などの後に濡れた髪を乾燥するような濡れた髪を乾かす時間を短縮する方法は、濡れた髪に、湿潤剤、スタイリング成分、水および所望により揮発性溶媒を含む水性またはアルコールと水とを含むヘアスタイリング組成物を適用し、次に髪を乾かすことからなる。乾燥段階の前またはその間、髪は、機械的に処理されて水が髪からシーティングするのを助ける。このような処理は、ブラッシング、梳り、タオルによる拭き取りなどを含む。タオルによる拭き取りの場合、機械的な作用が、典型的な例として、髪の上に存在する水の吸収と組み合わされることが分かる。この態様では、組成物は、水性媒体またはアルコールと水とを含む媒体中の湿潤剤を含む。驚くべきことに、組成物中に存在する追加の水が髪へ適用されることがあっても、髪を乾かす時間は短縮される。
【0016】
本発明の他の局面では、本発明の組成物は、湿気のある髪、例えば風乾、タオルによる乾燥またはブロー乾燥により完全には乾燥されていない髪に適用されるヘアスタイリング組成物である。少なくとも1つの湿潤剤を含むスタイリング組成物が適用される湿気のある髪は、より容易に乾かされ、そして整髪は、容易で早く終わる。このような組成物は、湿潤剤に加えて、整髪することを助けるように適合された1つ以上のヘアトリートメント剤を含むことを特徴とする。
明細書および請求の範囲中の濃度は、それと反することが明示されていない限り、すべて活性成分に基づいた全組成物の重量%である。
【0017】
(湿潤剤)
本発明の組成物で使用される湿潤剤は、髪の表面張力を下げる能力を特徴とする。従って、湿潤剤は、典型的な例として、約15ダイン/cm(mN/m)から約26ダイン/cm(mN/m)そして好ましくは約17ダイン/cm(mN/m)から約23ダイン/cm(mN/m)の範囲の表面張力を有する。湿潤剤の表面張力は、25℃の平衡表面張力であり、それは、臨界ミセル形成濃度(CMC)より上の濃度とは無関係である。平衡表面張力は、例えばWilhemyプレート、DuNouyリングまたはペンダントドロップ形分析法により測定される。www.kruss.info/techniques/surface_tension_e.html参照。
【0018】
本発明の組成物で有用な湿潤剤は、100秒より短い、好ましくは30秒より短いそして最も好ましくは20秒より短いドレーブス湿潤値を有することをさらに特徴とする。ドレーブス湿潤値は、ASTM D2281−68に従って求められる。このテストでは、0.5gの湿潤剤が、1000mL容のビーカー中の1Lの水道水に加えられそして十分に混合される。長さ約22cmに2つに折り畳まれた45cm(5g)のドレーブ40/2木綿の枷(かせ)を、銅の「s字」ホックにより取り付けられた40gの鉛のおもりを有するワイヤーの輪に糸で結ぶ。枷の他端をはさみで切ってそれを開いたままにする。鉛のおもりを次に水の表面に静かに置き、そしてビーカー内に落下する間、鉛のおもりとワイヤーのフックとの間の糸がゆるむ時間を測定する。2つの他の枷について上記の方法を繰り返し、そして3回のテストの平均をとる。
【0019】
さらに、いくつかの場合には、湿潤剤は、スーパー湿潤剤である。スーパー湿潤は、機械的な手段なしにパラフィン基体上に広がる湿潤剤の1%水溶液の能力により規定される。10秒より短いそして好ましくは8秒より短い時間は、湿潤剤についてスーパー湿潤とされる。Randal M.Hill、Surfactant Science Series,v.86(Marcell Dekker 1999)参照。
【0020】
有効な量で存在するとき、湿潤剤のフィルムは髪に形成され、そして水を髪の上で玉状にし、重力により髪から排除する。湿潤剤特にスーパー湿潤剤を含む本発明の組成物が、ブロー乾燥による髪の乾燥時間を15%以上好ましくは25%以上そして最も好ましくは50%以上短縮することが分かっている。
【0021】
湿潤剤は、一般に、約0.05重量%から10重量%、好ましくは約0.1重量%から5重量%、そして最も好ましくは約0.5重量%から2重量%の量で組成物中に存在する。湿潤剤の量は、それがスーパー湿潤剤であるとき、範囲の下端に近づき勝ちである。
【0022】
好ましい湿潤剤は、シリコーンポリエーテル界面活性剤、フッ素化ポリマーおよび表面活性剤、ジェミニ界面活性剤、フルオロシリコーンおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
シリコーンポリエーテル界面活性剤は、それにエトキシル化されたおよび/またはプロポキシル化された鎖を付して表面活性を得たポリシロキサン骨格を有するシリコーンポリマーである。好適なシリコーンポリマーは、構造式
【0023】
【化5】

【0024】
(式中、aは0から6好ましくは1から3の整数であり、bは1から12好ましくは2から4の整数であり、xは約6から約12好ましくは約8の整数であり、そしてyは約0から約3好ましくは0の整数である)を有する。シリコーンポリエーテル界面活性剤は、典型的な例として、約10000より少ない、好ましくは約5000より少ないそして最も好ましくは約600から約2500の分子量を有する。好ましいものは、Siltech LLC(Dacula、Georgia)から販売されている商品名Silsurfの名の下に市販されているシリコーンポリエトキシル化ポリマーの群、例えばSilsurf A−008、A−208、B−208およびC−208である。また好適なのは、Dow Corningから販売されているQ2−5211 Superwetting Agentである。
【0025】
好適な湿潤剤は、またフッ素化ポリマーおよびフッ素化表面活性剤である。
フッ素化ポリマーは、ポリペルフルオロエーテル、例えばSolvayによりFomblin HC/01およびHC/02として販売されているポリペルフルオロメチルイソプロピルエーテル、同じくSolvayによりFomblin HC/H−50およびHC/H−100として販売されているポリペルフルオロエトキシメトキシジフルオロメチルエーテルを含む。
【0026】
好適なエトキシル化されたフルオロ界面活性剤は、化学構造RCHCHO(CHCHO)H(式中、RはF(CFCF(ただし、nは3から8の整数であり、そしてxは0から30の整数である)である)を有する。これらの化合物は、名称Zonylの下Dupontから販売されており、例えばZonyl FSN、FSN−100、FSO−100およびFS−300がある。また好適なのは、Zonyl FS−310である。
【0027】
フルオロ界面活性剤の他の群は、アニオン性フルオロ界面活性剤、例えばZonyl RPとして売られているDEA C8−16ペルフルオロアルキルエチルホスフェートおよびZonyl PSPとして売られているアンモニウムC−C16ペルフルオロアルキルエチルホスフェート(両者ともDupontから)である。また好適なのは、フッ素化カチオン性、両性および双性フルオロ界面活性剤、例えばポリテトラフルオロエチレンアセトキシベタイン(Zonyl FSK)およびC−C18ペルフルオロアルキルエチルチオヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Zonyl FSD)である。
【0028】
また好適なのは、ペルフルオロデカリン(またデカリンペルフルオリドとして知られている)であり、完全にフッ素化された無臭の液体であって、その表面張力は17.6mN/mであり、F2 Chemicalsから商品名Flutec PC6で販売されている。
【0029】
他の好適なフッ素化界面活性剤は、ペルフルオロシクロヘキシルメタノールであって、完全にフッ素化された1−ヒドロキシメチルシクロヘキサン化合物であり、Fiflow PB145としてC.I.T.から市販されている。
また好適なのは、フルオロシリコーン例えばペルフルオロノニルジメチコーンであり、14%のフッ素を含むフッ素化シリコーンであって、商品名Biosil Basics Fluorosilの下Biosil Technologies,Inc.から市販されている。それは、シクロメチコーンおよびシリコーン流体350visに可溶であるが、水、プロピレングリコールおよび鉱油には不溶である。他のフルオロシリコーン製品は、PhoenixからPecosil FST−412として売られているペルフルオロノニルエチルカルボキシデシルラウリルジメチコーンである。
【0030】
湿潤剤は、ジェミニ界面活性剤でもよい。これらは、また二量体界面活性剤として知られており、2つの従来の界面活性剤分子からなり、それぞれは、末端炭化水素の尾部と極性の頭部(カチオン性、アニオン性または非イオン性)とを有しそして長短、可撓性または剛性のスペーサーによりともに化学的に結合している。B.S.Sekhon,Gemini(Dimeric)Surfactants,The Two−Faced Molecules,Resonance,p.42(March,2004)参照。好適なジェミニ界面活性剤は、Air ProductsからDynol 604として販売されている2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、およびすべてAir ProductsからSurfynol 104,−700および−2502または商品名Envirogemとして販売されている2,4,7,9−テトラメチル−5−ドデシン−4,7−ジオールである。
【0031】
(ヘアトリートメント剤)
本発明のヘアトリートメント組成物は、好ましくは、少なくとも1つのヘアトリートメント剤を含む。本発明のヘアトリートメント組成物で使用されるヘアトリートメント剤は、特に、ヘア固定剤、ヘアコンディショナー剤およびこれらの組み合わせである。ヘアトリートメント剤は、梳りまたはブラシュイングとともに、そして特にブロードライヤーまたは髪に熱をもたらす他の装置による乾燥と同時に、消費者が髪を整えることを可能にする。ヘアトリートメント組成物は、特に湿気のある髪に適用される。
【0032】
ヘア固定剤は、典型的な例として、適用後髪の上に剛いフィルムをつくりそして整髪後すなわち梳りまたはブラッシング後に髪をそのままに保つポリマーである。ヘア固定剤は、粘着力により複数の髪の毛をともにくっついたままにすることにより働く。従って、固定性ポリマーは、通常、樹脂またはガムと考えられている。
【0033】
ヘア固定剤は、しばしば、カチオン性ポリマーであるが、また非イオン性、アニオン性および双性ポリマーでもよい。好適なヘア固定剤は、Cosmetics,Toiletries and Fragrance Association(CTFA)から発行されたInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、v.3,p.2227−8(10版、2004)(以下、「INCI」とする)に示されている。
【0034】
ヘアコンディショニング剤は、典型的な例として、髪に軟らかさをもたらすか、または損傷をうけた髪を修復するカチオン性ポリマーである。コンディショニングポリマーは、一般に、滑らかであるが粘着性のない髪にフィルムを形成する。典型的な例として、コンディショニングポリマーは、カチオン性ばかりでなく、または非イオン性、双性および両性である。ヘアコンディショニング剤は、また以下に詳述されるように油でもよい。
【0035】
当業者に周知のように、しばしば、ポリマーの濃度および処方物に存在する他の成分に応じて、ヘアコンディショニング効果およびヘア固定効果をもたらすポリマー間に、いくらかの重複がある。
好適な非イオン性ポリマーのなかで、ビニルピロリドンのホモポリマーおよびコポリマー、特に酢酸ビニルのコポリマーさらに特にLuviskolの商品名の下販売されているもの例えばホモポリマーLuviskol K30,K60またはK90、コポリマーLuviskol VA55、VA64ならびにLuviskol V AP343として販売されているターポリマービニルピロリドン/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニルコポリマー(すべてBASFから);ビニルピロリドン/アクリレートコポリマー;ビニルピロリドン/ヘキサデカンコポリマーおよびビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム/ジメチルアミノエチルメタクリレートアクリレートコポリマーを挙げることができる。ヘア固定剤として好適な他の非イオン性ポリマーは、VP/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー;アジピン酸/ジエチレントリアミンコポリマー;PEG−8/SMDIコポリマー;ポリアクリルアミド−1;ポリ酢酸ビニル;PPG−12/SMDIコポリマー;ポリウレタン−1,ポリウレタン−14;およびポリイミド−1(ISPからAquaflex XL−30として販売されている)を含む。
【0036】
本発明の組成物に適した天然の非イオン性ヘア固定ポリマーおよび誘導体は、中和されたシェラックおよびその誘導体;グアガム;リゾビウムガム;ロジンアクリレート;キサンタンガムおよびデヒドロキシキサンタンガム;ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースを含むセルロース誘導体およびイーストパルミテートを含む。また好適なのは、無機物例えば珪酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)であって、髪をふさふさにする。
【0037】
好適なカチオン性ヘア固定ポリマーは、INCIのカテゴリー名Polyquaterniumを有するものである。典型的な例は、Polyquaternium−4、Polyquaternium−6、Polyquaternium−7、Polyquaternium−10、Polyquaternium−11、Polyquaternium−16、Polyquaternium−22およびPolyquaternium−28、Polyquaternium−37、Polyquaternium−55およびPolyquaternium−68であり、好ましいのはPolyquaternium−11(ISPからGafquatとしてそしてBASFからLuviquat PQとして販売されている)およびPolyquaternium−37(Salcare SC−95)である。
【0038】
好ましくは少なくとも1つの非イオン性および/またはカチオン性ポリマーと混合物で使用される両性または双性のポリマーも、本発明の整髪組成物に好適であることが分かっている。その例は、その商品名Amphomerにより周知のN−オクチルアクリルアミド、アクリル酸またはメタクリル酸および第三級ブチルアミノエチルメタクリレートの共重合物;Yukaformerとして周知のメタクリロイルエチルベタインおよびアルキルメタクリレートのコポリマー;商品名Aquaflex SF40により周知のメタクリル酸またはアクリル酸/イタコン酸/モノアルキルアミノアルキルアクリレートまたはジアルキルアミノアルキルアクリレートの塩基性モノマー、またはメタクリルアミドのメタクリレートまたはアクリレートのターポリマーである。
【0039】
アニオン性ポリマーも、本発明の整髪組成物に好適である。好適なものは、ビニルアルキルエーテル、特に商品名Gantrez ANまたはESの下で販売されているメチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマーである。これらのポリマーは、また一部エステル化されて、例えばGantrez ES225またはES435がある。他の有用なアニオン性ポリマーは、アクリレートコポリマー、アクリレート/酢酸ビニルコポリマー;タイプResynの酢酸ビニル/クロトン酸または酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル/クロトン酸コポリマー;アクリル酸ナトリウム/ビニルアルコールコポリマー;ISPからA100として販売されているナトリウムポリアクリレート;ナトリウムポリスチレンスルホネート例えばFlexan 130;タイプUltraholdのアクリル酸エチル/アクリル酸/N−第三級ブチルアクリルアミドコポリマー;ビニルピロリドン/酢酸ビニル/イタコン酸コポリマー;およびタイプRetenのアクリル酸/アクリルアミドコポリマーまたはそのナトリウム塩である。
【0040】
ヘア固定剤は、典型的な例として、全組成物の約0.01重量%から約10重量%、好ましくは0.1重量%から5重量%そしてさらに好ましくは1重量%から5重量%の量で存在する。
本発明のトリートメント組成物は、ヘアコンディショニング剤を含むことができる。コンディショニング剤は、油状物質、非イオン性物質、両性成分およびカチオン性物質またはそれらの混合物から選ぶことができる。
【0041】
油状物質は、非揮発性のシリコーン油、天然油および合成油から選ばれる。
コンディショニング剤として好適なシリコーン油のなかで、ジメチコーン、ジメチコノール、ポリジメチルシロキサン、Dow CorningからのDC Fluid;ポリシリコーン例えばポリシリコーン−1、ポリシリコーン−2、ポリシリコーン−5、ポリシリコーン−10、ポリシリコーン−14;ジメチコノール/IPDIコポリマー;およびビス−PPG−15ジメチコーン/IPDIコポリマーがある。
【0042】
本発明で好適な天然の油は、オリーブ油、アーモンド油、アボカド油、スクワラン、鉱油およびこれらの組み合わせである。好適な合成油は、水素化有機化合物、例えば水素化ポリデセン、水素化米ぬか油、水素化ミリスチルオリーブエステルなどを含む。他の非イオン性コンディショニング剤は、ポリオール例えばグリセリン、グリコール例えばフィタントリオール、並びにUnion Carbideからの商品名CarbowaxそしてAmercholから商品名Polyox WSRとして周知の低分子量ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、並びにそれぞれ一般式
【0043】
【化6】

【0044】
(式中、RおよびRは互いに独立しており、7−21炭素原子の飽和または不飽和、分枝または非分枝のアルキル基であり、そしてnは典型的な例として2から100である)を有するポリエチレングリコールモノまたはジ−脂肪酸エステルである。
ヘアトリートメント組成物は、式
【0045】
【化7】

【0046】
(式中、Rは(i)8−22炭素原子の飽和または不飽和、分枝または非分枝のアルキル基、(ii)構造RCONH(CH(但し、Rは7−21炭素原子の飽和または不飽和、分枝または非分枝のアルキル基であり、nは典型的な例では1から4の値である)または(iii)構造RCOO(CH(但し、Rは7−21炭素原子の飽和または不飽和、分枝または非分枝のアルキル基であり、nは典型的な例では1から4の値である)であり、Rは(i)Hまたは1−22炭素原子の飽和または不飽和、分枝または非分枝のアルキル基、(ii)構造RCONH(CHまたは(iii)構造RCOO(CH(但し、R、Rおよびnは前記同様である)であり、RおよびRは、個々に水素または1−4炭素原子のアルキル基でありそしてXはアニオンである)
によるカチオン性コンディショニング成分をさらに含むことができる。
【0047】
上記の式のカチオン性コンディショニング成分の典型的な例は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアルジモニウムクロリド、ジパルミトイルジモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアルアミドプロピルトリモニウムクロリド、ジオレオールエチルジメチルアンモニウムメソスルフェートおよびジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメソスルフェートである。第四級化されたヘアコンディショニング剤化合物も、処方物中に拡散することが難しいこれらの成分を可溶化する剤として働く。他のカチオン性ヘアコンディショニング活性剤は、クワテルミウム−8、クワテルミウム−14、クワテルミウム−15、クワテルミウム−18、クワテルミウム−22、クワテルミウム−24、クワテルミウム−26、クワテルミウム−27、クワテルミウム−30、クワテルミウム−33、クワテルミウム−37、クワテルミウム−53、クワテルミウム−60、クワテルミウム−61,クワテルミウム−72、クワテルミウム−78、クワテルミウム−80、クワテルミウム−81、クワテルミウム−82、クワテルミウム−83、クワテルミウム−84およびクワテルミウム−91を含む。
【0048】
特に有用なのは、カチオン性セルロースポリマー、例えばAmercholからUCARE Polymer JRとして販売されているPolyquatermium−10、Rhone−Poulencから商品名Jaguarで周知のカチオン性グアガム例えばグアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。
【0049】
ヘアを調節するのに好適なカチオン性ポリマーは、また第四級化シリコーン例えばシリコーンクワテルミウム−3、シリコーンクワテルミウム−4およびシリコーンクワテルミウム−8を含む。アミノ官能基を有するシリコーン例えばアモジメチコーンも好適である。
【0050】
コンディショニング剤は、さらに、加水分解された有機物質例えば加水分解されたカゼイン、加水分解されたコラーゲン、加水分解された髪ケラチン、加水分解された牛乳蛋白、加水分解されたホホバエステル、加水分解された大豆蛋白、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解米ぬか蛋白、パルミトイル加水分解エンドウマメアミノ蛋白、アミノ酸、ペプチドなどを含む。
【0051】
有用な両性または双性の界面活性剤は、特に、種々の周知のベタイン例えば脂肪酸アミドアルキルヘロインおよびスルホベタイン例えばラウリルヒドロキシスルホベタイン、長鎖アルキルアミノ酸例えばココアミノアセテート、ココアミノプロピオネートおよびナトリウムココアムホプロピオネートおよびナトリウムココアムホアセテートである。
また、有用な両性および双性の物質は、構造
【0052】
【化8】

【0053】
(式中、RはC−C18アルキル基であり、nは1から3である)
のベタイン、構造
【0054】
【化9】

【0055】
(式中、RはC−C18アルキル基であり、nは1から3である)
のスルホベタイン、構造
【0056】
【化10】

【0057】
(式中、RはC−C18アルキル基であり、nおよびmは1から3である)
のアミドアルキルベタインを含む。好ましいのは、脂肪酸アミドアルキルベタイン、特にココアミドプロピルベタイン、およびココアムホアセテートおよびプロピオネート、特にそれらのナトリウム塩である。
【0058】
上記のコンディショナーの任意のものの典型的な濃度範囲は、0.01重量%から10重量%、好ましくは0.1重量%から5重量%そしてさらに好ましくは1重量%から5重量%である。ヘア固定剤およびヘアコンディショニング剤は、典型的な例として、全組成物の約0.1重量%から10重量%の合わせた量で本発明の組成物中に両者が存在できる。
【0059】
本発明で好適なヘアコンディショニング剤は、INCI、v.3、p.2217−27に示されている。もちろん、すべての特定の湿潤剤と融和性のないヘアトリートメント剤は、避けねばならない。
【0060】
(溶媒系)
本発明の組成物は、水性であるかまたはアルコールと水とを含む。組成物は、組成物の約10重量%から99重量%、好ましくは約35重量%から95重量%の水を含む。アルコールと水とを含む組成物では、低分子量のアルコール成分は、約55%以内のアルコール、典型的な例では約1%から55%のアルコールそして好ましくは10%から40%のアルコールを含む。組成物が水性であるかまたはアルコールと水とを含むかは、組成物中の整髪成分を含む他の成分の選択、および可溶化のためのアルコールに基づく溶媒の必要性に依存する。好適なアルコール成分は、低分子量のC−Cアルコール、特にエタノール、イソプロパノールおよびブタノールである。また有用なのは、低分子量のC−Cポリオール特にプロピレングリコール、ブチレングリコールおよびヘキシレングリコールである。
【0061】
溶媒系は、他の揮発性の有機および無機の溶媒(湿潤剤の界面性を示さない)例えばシクロメチコーン、低分子量のジメチコーン、トリメチコーンおよびこれらの混合物をさらに含む。用語「揮発性」は、測定可能な蒸気圧すなわち20℃で少なくとも2mmの水銀柱の蒸気圧を有する油を意味する。他の溶媒成分は、全組成物の約25重量%以内、好ましくは0.001重量%から10重量%そして特に0.01重量%から5重量%の量で組成物中に存在する。
【0062】
(所望の成分)
追加の機能性成分は、当業者に周知のそれらの機能性の利益をもたらすのに有効な量で組成物中に配合される。
機能性成分のなかでは、エモリエント、希釈剤、サンスクリーン剤およびUV光線吸収剤、保存料、香料、金属イオン封鎖剤、キレート剤、抗酸化剤、pH調節剤および染料が挙げられる。さらに、可溶化剤、沈殿防止剤および安定剤が、活性剤を溶液中または安定なエマルション中に確実に維持するために配合できる。濃厚化剤は、処方物に適切なコンシステンシーをもたらすために配合できる。推進剤は、エーロゾルおよびムース製品に配合できる。
【0063】
好適な材料は、INCI、v.3、セクション4に記載されている。
本発明は、製品の色の安定化のため、または弾性の損失、髪の色の損失(太陽光線の漂白作用)のような環境上の影響からの髪の保護のための何れかで存在するサンスクリーンおよび/またはUVフィルターを含むことができる。好適な物質は、4−アミノ安息香酸およびそのエステルおよび塩、シンナミン酸およびそのエステルおよび塩、4−メトキシシンナミン酸およびそのエステルおよび塩、サルチル酸およびそのエステルおよび塩、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンである。
【0064】
本発明の組成物は、必要な成分を混合することにより、簡単に作ることができる。整髪組成物の場合、湿潤剤を含まない同様な製品に一般に使用される方法が使用でき、湿潤剤は、簡単な混合により水性相に配合される。
以下の実施例において、本発明を説明するいくつかの好ましい態様が記述される。しかし、本発明が特定の態様に限定されることを目的としないことを理解すべきである。濃度は、成分の記述または脚注の何れかにおいて、活性が他の方法で指示される場合を除き、活性成分の重量を基準にする。
【実施例1】
【0065】
本発明によるヘアコンディショナー組成物が調製され、それは、98.895%の脱ミネラル水、1.0%のPEG−8ジメチコーン(2100MW)(Siltech LLC.からSilsurf C−208として市販され、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)モノアルキルエーテル希釈剤中の平均8モルのエチレンオキシドを有する90%活性シリコーンポリエチレンエーテル界面活性剤である)、0.1%のジメチコーンコポリオールおよび0.005%のコムギアミノ酸からなった。
【実施例2】
【0066】
本発明によるヘアコンディショナーが調製され、それは、48.895%の脱ミネラル水、50%のアルコールSB40B、1%のSilsurf C−208、0.1%のジメチコーンコポリオールおよび0.005%のコムギアミノ酸からなった。
実施例1および2の組成物を、10人の女性(それぞれは種々のヘアタイプを有する)について、頭部を半分に分ける標準のブラインドテスト(専門の評価者が標準のシャンプーで洗髪しリンスした)の比較によりテストした。髪は、次に真ん中で分けられ、テスト製品を一方の側に適用し、他の側にコントロールである水を適用した。2人の専門の評価者は、それぞれ、同じドライヤーで頭部の片側を乾燥しそしてブラッシュをかけた。本発明の組成物により処理された頭部の側の乾燥時間は、それぞれ実施例1および2について3.0±0.7分および2.9±0.7分であった。実施例2は、もつれが僅かに少ない乾いた髪を残し、ひらひらした髪が明らかに少なくそして僅かにボリュームのある利点を得た。乾燥時間は、不処理の髪よりも明らかに短く、実施例1のコントロールでは、乾燥時間は3.3±0.7分であり、実施例2のコントロールでは、3.6±0.9分であった。
【実施例3】
【0067】
スリー・イン・ワンの整髪コンディショナーの例は、以下に示される。加えて100%とする脱イオン水、1.5%の保存料、0.75%のポリクワテルニウム−4、0.1%のセチルトリメチルアンモニウムブロミド、0.5%のパンテノール−DL、2%のグリセリン、0.5%のコムギアミノ酸、0.2%のクワテルニウム−80、0.75%のポリビニルピロリドン、0.1%のフィタントリオール、0.75%のPPG−5−セテス−20、1%のSilsurf C−208(90%活性)。
【実施例4】
【0068】
エーロゾル整髪ムースは、以下に示される。加えて100%とする脱イオン水、0.09%のグアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、0.20%の保存料、1.35%のステアレス−20、0.27%のステアリルアルコール、1.125%のセテアレス−15、0.99%のナトリウムメチルコシルタウレート(水希釈剤中30%活性)、6.75%のPVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、0.225%のパンテノール−DL、0.225%のコムギアミノ酸、0.9%のリノールアミドDEA、0.27%の香料、0.18%のジメチルパバアミドラウルジモニウムトシレート、0.045%のフィタントリオール、0.02363%のクエン酸、0.09%のメチルグルセス−10、1%のSilsurf C−208(90%活性)。
上記の組成物は、組成物92%およびイソブテン/プロパン推進剤8%を含む推進剤タイプシステム中に配合される。
【実施例5】
【0069】
以下は、ヘアクリームの例である。加えて100%とする脱ミネラル水、0.4%の保存料、12%のエチルヘキシルパルミテート、0.1%のベンゾフェノン−3(オキシベンゾン)、7%のアルコールSD40B、0.001%のバール蛋白、0.05%の香料、2%のソルビタンセスキオレエート、2%のグリセリン、0.2%のVeegum、0.01%のグアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、0.2%のカルボマー、2%のPEG−40ステアレート、1%のソルビタンモノステアレート、0.05%の水酸化カリウム45%、0.5%のジメチコーン/シクロメチコーン15/85、0.5%のベンジルアルコール、1%のSilsurf C−208(90%活性)。
【実施例6】
【0070】
液状ヘアローションの例は、以下から示される。加えて100%とする脱ミネラル水、35%のアルコールSD40B、10%のプロピレングリコール、15%のグリセリン、0.1%の香料、0.001%のコムギアミノ酸、0.01%のアロエ/フラワーブレンド抽出物、0.001%のパンテノール−DL、0.001%のフィタントリオール、1%のSilsurf C−208(90%活性)。
【実施例7】
【0071】
整髪ムースの例は、以下から示される。加えて100%とする脱ミネラル水、10%のPVP−60/VA(エタノール希釈剤中の50%活性)、0.5%のパンテノール−DL、0.7%のジナトリウムココアムホカルボキシプロピオネート、2%の香料、0.25%のポリエチレングリコール300−NF、0.1%の香料、1%の2−フェノキシエタノール、0.01%のクエン酸、6%のアルコールSD40B、1%のSilsurf C−208(90%活性)。
【実施例8】
【0072】
整髪グロスの例は、以下に示される。加えて100%とする脱ミネラル水、1%のヒドロキシエトセルロース、1%のプロピレングリコール、0.2%の保存料、0.01%の水酸化カリウム45%、7%のPVP/VA70/30コポリマー(50%活性)、1%のポリソルベート−20、0.1%の香料、1%のアモジメチコーン/ラウレス−6/PGブレンド、0.2%のメチルジブロモグルタミン、1%のSilsurf C−208(90%活性)。
【実施例9】
【0073】
整髪ゲルは、以下に示される。加えて100%とする脱ミネラル水、0.9%の軽母ポール、0.05%のリン酸、0.2%の保存料、3.35%のアルコールSD40B、5%のPVP/VA(50%活性)、0.85%のアミノメチルプロパノール(95%活性)、0.25%のパンテノール−DL、0.25%のコムギアミノ酸、0.5%の香料、0.3%のジメチルパバアミドラウルジモニウムトシレート、0.05%のフィタントリオール、2%のPPG−5−セテス−20、1%のSilsurf C−208(90%活性)。
【実施例10】
【0074】
整髪パテは、以下に示される。水を加えて100%とする脱ミネラル水、5%のブチレングリコール、1%のグアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、0.1%のクエン酸、0.2%のジナトリウムEDTA、2.5%のPPG−5−セテス−20、2%のステアレス−21、4.5%のセテアリルアルコール/セテアラレス−20、2.5%のグリセリルモノステアレート、1%のPEG/PPG−8/3ラウレート、0.001%の藻抽出物、0.001%のクレアチン、6%のPVP/DMAPAアクリレートコポリマー、4%のPEG−150ペンタエリスリトールテトラステアレート/C8−10GLY、0.4%の保存料、0.2%の香料、Silsurf C−208(90%活性)。
【実施例11】
【0075】
テクスチャリングスプレーワックスは、以下に示される。加えて100%とする脱ミネラル水、3.5%のプロピレングリコール、4%のナトリウムポリスチレンスルホネート、0.2%の加水分解されたコムギ蛋白/コムギオリゴ糖−ブレンド、0.1%のクレアチン、0.5%のフェノキシエタノール、0.001%の藻抽出物、6%のPVP/VAコポリマー(50%活性)、0.25%のポリクワテルニウム−11、0.25%のPPG26ブテス26/PEG40水素化ひまし油、1%のSilsurf C−208(90%活性)。
【実施例12】
【0076】
強度の養毛トリートメントは、以下に示される。加えて100%とする脱ミネラル水、0.01%のパンテノール−DL、0.4%のクレアチン、1%のステアルアミドプロピルジメチルアミン、4%のベヘニルTMAC/セチル−ステアリルアルコール、0.05%のベンゾフェノン−3(オキシベンゾン)、0.001%のフィタントリオール、0.5%のアモジメチコーン、0.5%のジメチコーン/ジメチコノール87/13%、1.0%の保存料、0.25%のジセチルジモニウムクロリド、4%のステアリルアルコール、2%のセチルアルコール、0.25%のクワテルニウム18、0.2%のグルタミン酸、0.2%のグリコール酸(70%)、所望のpHにするために加えられる水酸化ナトリウム50%、0.01%のコムギアミノ酸、0.5%のブラジルナッツ油/ひまわり種子油、0.1%のハイビスカス花抽出物、0.1%のグアバ抽出物、0.001%のトウモロコシ粒、1.5%の香料、Silsurf C−208(90%活性)、0.3%の着色剤/染料。
【実施例13】
【0077】
ヘアゲルは、以下に示される。加えて100%とする脱イオン水、2.25%のヒドロキシルセルロース、0.3%の保存料、0.1%のPOE(75M)ラノリン、3%のリノールアミドプロピルEDES/DLIS85/15、0.1%のナトリウムPCA50%、2.2%のグリセリン、0.1%のケラチンアミノ酸、0.1%のパンテノール−DL、0.2%のイミダゾリジニル尿素、0.5%の蛋白加水分解コムギ、1.5%のポリビニルピロリジン、1%のPOE(20M)ソルビタンモノラウレート、0.1%の染料、3%のプロピレングリコール、0%のリン酸、1.0%のSilsurf C−208(90%活性)。
【実施例14】
【0078】
ヘアコンディショナーは、以下に示される。加えて100%とする脱イオン水、4%のステアルアルコニウムクロリド25%、4%のセチルアルコール、2%の鉱油、0.75%のステアレス−2,0.1%のアラントイン、0.5%の藻抽出物、0.1%の染料、1%のグリセリン、0.964%のプロピレングリコール、0.75%のグリセリルステアレート/PEG−100ステアレート、0.2%の安息香酸、0.1%の保存料、1.0%のSilsurf C−208(90%活性)、0.07%のトリエタノールアミン99%。
【実施例15】
【0079】
シルクヘアトリートメントは、以下に示される。加えて100%とする脱イオン水、0.5%の保存料、0.5%のヒドロキシエチルセルロース、4%のステアルアルコニウムクロリド25%、2%のイソプロピルラノーレート、1.1%のセチルアルコール、1%の鉱油、0.5%のイソプロピルミリステート、3.3%のステアリン酸、1%のステアレス−2、PEG−40ステアレート、0.1%のナトリウムPCA50%、0.2%のナトリウムラクテート60%、0.2%のアラントイン、0.42%のコラーゲンアミノ酸、0.4%の加水分解された絹、0.5%のイミダキソリジニル尿素、0.02%の絹粉末、0.5%のグリセリン、0.36%のトリエタノールアミン99%、0.2%の香料、1.0%のSilsurf C−208(90%活性)。
【実施例16】
【0080】
a)Zonyl FSN−100が、Silsurf C−208の代わりに1%のレベルで配合される実施例3の組成物。
b)ペルフルオロデカリンが、Silsurf C−208の代わりに1%のレベルで配合される実施例5の組成物。
c)ペルフルオロノニルジメチコーンが、Silsurf C−208の代わりに1%のレベルで配合される実施例9の組成物。
d)Surfynol 104が、Silsurf C−208の代わりに1%のレベルで配合される実施例12の組成物。
e)Q2−5211スーパー湿潤剤が、Silsurf C−208の代わりに1%のレベルで配合される実施例13の組成物。
f)Zonyl FSKが、Silsurf C−208の代わりに1%のレベルで配合される実施例14の組成物。
g)Fomblin HC/H−50が、Silsurf C−208の代わりに1%のレベルで配合される実施例15の組成物。
【0081】
本発明の組成物および方法の種々の改変が、本発明の範囲および趣旨から離れることなく、行うことができ、そして本発明が請求の範囲の規定にのみ制限されることを目的とすることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)約15mN/mから約26mN/mの表面張力を有し100秒以下のドレーブス湿潤値を示す少なくとも1つの湿潤剤、(b)少なくとも1つのヘアトリートメント成分および(c)水を含む溶媒系からなることを特徴とする濡れた髪を乾かす時間を短縮するヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
湿潤剤が、シリコーンポリエーテル界面活性剤、フッ素化ポリマー、フッ素化表面活性剤、フルオロシリコーン、ジェミニ(Gemini)界面活性剤およびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項1の組成物。
【請求項3】
湿潤剤がスーパー湿潤剤である請求項2の組成物。
【請求項4】
湿潤剤が、約0.05%から10%の量で存在し、トリートメント剤が、約0.01%から10%の量で存在する請求項2の組成物。
【請求項5】
溶媒系が10%から99%の水を含む請求項1の組成物。
【請求項6】
溶媒系が、35%から95%の水を含み、1%から55%の低分子量のアルコールを含む請求項1の組成物。
【請求項7】
(a)シリコーンポリエーテル界面活性剤、フッ素化ポリマー、フッ素化表面活性剤、フルオロシリコーン、ジェミニ界面活性剤およびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる、100秒以下のドレーブス湿潤値を有する少なくとも1つの湿潤剤、(b)少なくとも1つのヘアトリートメント剤および(c)水を含む溶媒系からなることを特徴とする濡れた髪を乾かす時間を短縮する付けたままにしておく(leave−in)ヘアトリートメント組成物。
【請求項8】
溶媒系が、低分子量のアルコールをさらに含む請求項7の組成物。
【請求項9】
溶媒系が、低分子量のアルコール以外の揮発性溶媒をさらに含む請求項7の組成物。
【請求項10】
揮発性溶媒が、ジメチコーン、シクロメチコーン、トリメチコーンおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項9の組成物。
【請求項11】
湿潤剤が、約0.05%から10%の量で存在し、トリートメント剤が、約0.01%から10%の量で存在し、そして水が約10%から99%の量で存在する請求項7の組成物。
【請求項12】
0.1%から5%の湿潤剤、0.1%から5%のヘアトリートメント成分、35%から95%の水、0%から40%のアルコール、および0.001%から10%のアルコール以外の揮発性溶媒を含む請求項11の組成物。
【請求項13】
ドレーブス湿潤値が約30秒以下である請求項11の組成物。
【請求項14】
ドレーブス湿潤値が約20秒以下である請求項12の組成物。
【請求項15】
湿潤剤が、約15mN/mから約26mN/mの表面張力を有する請求項7の組成物。
【請求項16】
揮発性溶媒が、ジメチコーン、トリメチコーン、シクロメチコーンおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、約0.001%から約55%の量で存在する請求項12の組成物。
【請求項17】
ゲル、ムース、ヘアクリーム、スプレー、バーム、パテ、スプレーワックス、クリーム、ローション、整髪コンディショナーおよびエーロゾルからなる群から選ばれる形体である請求項7の組成物。
【請求項18】
湿潤剤が、式
【化1】

(式中、aは0から6の整数であり、bは1から12の整数であり、xは約6から約12の整数であり、そしてyは約0から約3の整数である)
のシリコーンポリエーテル界面活性剤である請求項7の組成物。
【請求項19】
シリコーンポリエーテル界面活性剤が、約600から約5000の分子量を有する請求項18の組成物。
【請求項20】
aが1から3であり、bが2から4であり、xが7から9であり、yが0である請求項19の組成物。
【請求項21】
湿潤剤がポリペルフルオロエーテルである請求項7の組成物。
【請求項22】
湿潤剤が、(a)化学構造RCHCHO(CHCHO)H(式中、RはF(CFCF(但し、nは3から8の整数である)であり、xは0から30の整数である)を有するエトキシル化されたフルオロ界面活性剤、(b)アニオン性、カチオン性、両性および双性のフルオロ界面活性剤、(c)ペルフルオロデカリン、(d)ペルフルオロシクロヘキシルメタノールおよび(e)これらの組み合わせからなる群から選ばれるフッ素化表面活性剤である請求項7の組成物。
【請求項23】
湿潤剤がフルオロシリコーンである請求項7の組成物。
【請求項24】
湿潤剤がジェミニ界面活性剤である請求項7の組成物。
【請求項25】
少なくとも1つのヘアトリートメント剤が、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、双性ポリマーおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項7の組成物。
【請求項26】
ヘアトリートメント剤がヘア固定剤である請求項25の組成物。
【請求項27】
少なくとも1つのヘアトリートメント剤が、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤および双性界面活性剤からなる群から選ばれる界面活性コンディショニング剤である請求項7の組成物。
【請求項28】
ヘアトリートメント剤として、式
【化2】

(式中、Rは、(i)8−22炭素原子の飽和または不飽和の炭化水素基、(ii)RCONH(CH(式中、Rは7−21炭素原子の飽和または不飽和の炭化水素基でありそしてnは1から4の整数である)、または(iii)RCOO(CH(式中、Rは7−21炭素の飽和または不飽和の炭化水素基であり、nは1から4の整数である)であり、Rは、Rの定義を有するかまたは水素であり、RおよびRは、個々に水素または1−4炭素原子のアルキル基であり、そしてXはアニオンである)
のカチオン性剤を含む請求項27の組成物。
【請求項29】
(A)人の濡れた髪に、髪の疎水性を変化させる水性の付けたままにしておく組成物を適用し、ただし該組成物は、(a)約15mN/mから26mN/mの表面張力を有し100秒以下のドレーブス湿潤値を示す少なくとも1つの湿潤剤、該湿潤剤は、シリコーンポリエーテル界面活性剤、フッ素化ポリマー、フッ素化表面活性剤、フルオロシリコーン、ジェミニ界面活性剤およびこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、(b)少なくとも1つのヘアトリートメント剤および(c)溶媒系を含み、(B)髪を整髪し、そして(C)整髪の間および/またはその後、髪を乾かすことを特徴とする濡れた髪を整髪する方法。
【請求項30】
組成物が、0.05重量%から5重量%の湿潤剤および10%から99%の水を含む請求項29の方法。
【請求項31】
髪が機械的に処理される請求項29の方法。
【請求項32】
組成物が、湿気のある(damp)髪に適用される請求項31の方法。
【請求項33】
髪がブロー乾燥される請求項31の方法。
【請求項34】
組成物が湿気のある髪に適用される請求項33の方法。
【請求項35】
(A)人の濡れた髪に、付けたままにしておく整髪組成物を適用し、ただし該組成物は(a)約15mN/mから約26mN/mの表面張力を有し100秒以下のドレーブス湿潤値を示す少なくとも1つの湿潤剤、ただし該湿潤剤は、シリコーンポリエーテル界面活性剤、フッ素化ポリマー、フッ素化表面活性剤、フルオロシリコーン、ジェミニ界面活性剤およびこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、(b)少なくとも1つのヘアトリートメント剤および(c)水を含む溶媒系を含む、(B)髪を乾かすことを特徴とする濡れた髪を乾かす時間を短縮する方法。
【請求項36】
組成物が、湿気のある髪に適用される請求項35の方法。
【請求項37】
組成物が、0.1重量%から5重量%の湿潤剤および10%から99%の水を含む請求項35の方法。
【請求項38】
組成物が、0.1重量%から5重量%の湿潤剤、35%から95%の水を含み、そして所望により0%から40%の低分子量アルコールを含み、湿潤剤が30以下のドレーブス湿潤値を示す請求項35の方法。
【請求項39】
組成物が、湿気のある髪に適用される請求項38の方法。
【請求項40】
髪が、ブロー乾燥される請求項39の方法。
【請求項41】
髪が、タオルを使って乾かされる請求項39の方法。
【請求項42】
組成物が1重量%から5重量%のヘアトリートメント剤を含む請求項38の方法。
【請求項43】
ヘアトリートメント成分が、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、両性ポリマー、双性ポリマーおよびこれらの組み合わせからなる群から選ばれるヘア固定ポリマーである請求項35の方法。
【請求項44】
ヘアトリートメント成分が、式
【化3】

(式中、Rは、(i)8−22炭素原子の飽和または不飽和の炭化水素基、(ii)RCONH(CH(式中、Rは7−21炭素原子の飽和または不飽和の炭化水素基でありそしてnは1から4の整数である)、または(iii)RCOO(CH(式中、Rは7−21炭素の飽和または不飽和の炭化水素基であり、nは1から4の整数である)であり、Rは、Rの定義を有するかまたは水素であり、RおよびRは、個々に水素または1−4炭素原子のアルキル基であり、そしてXはアニオンである)
のカチオン性界面活性剤である請求項35の方法。
【請求項45】
湿潤剤が、式
【化4】

(式中、aは0から6の整数であり、bは2から4の整数であり、xは約6から約12の整数であり、そしてyは約0から約3の整数である)
のシリコーンポリエーテル界面活性剤である請求項35の方法。
【請求項46】
0.1%から5%の湿潤剤、0.1%から5%のヘアトリートメント成分、35%から95%の水、0%から40%のアルコールおよび0.001%から10%のアルコール以外の揮発性溶媒を含む請求項45の方法。

【公表番号】特表2009−521438(P2009−521438A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547251(P2008−547251)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/045792
【国際公開番号】WO2007/078485
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(399130393)エイボン プロダクツ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】