説明

新規な複素環式誘導体

本発明は、一般式(I)の新規な複素環式誘導体、その薬学的に許容される塩、およびその医薬組成物に関する。本発明はさらに詳しくは、一般式(I)の新規な化合物を提供する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の明細書には特に、本発明の本質、およびそれが行われなければならない手法が記述される。
【0002】
本発明は、一般式(I)の新規な複素環式誘導体、その薬学的に許容される塩、およびその医薬組成物に関する。本発明はさらに詳しくは、一般式(I)の新規な化合物を提供する。
【0003】
【化1】

【0004】
本発明は、前記新規な化合物およびそれを含有する組成物を製造するプロセスにも関する。本発明の化合物は、血中グルコース、血清インスリン、遊離脂肪酸、コレステロール、トリグリセリドレベルを下げるのに有効であり、かつII型糖尿病の治療および/または予防に有用である。これらの化合物は、肥満症、炎症、多発性硬化症および慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療に有効である。意外なことに、これらの化合物はレプチンレベルを高め、肝毒性を有さない。
【0005】
さらに本発明の化合物は、多嚢胞性卵巣症候群などのインスリン抵抗性と関連する疾患、ならびに高脂質血症、冠動脈疾患および末梢血管疾患の治療に有用である。
【背景技術】
【0006】
I型およびII型糖尿病の原因は、依然として明らかではないが、遺伝的性質および環境のいずれもが因子であると考えられている。I型は自律神経免疫疾患であり、患者は生存するためにインスリンを摂取しなければならない。II型糖尿病はより一般的な型であり、十分な量のインスリンを体内で生産することができないか、または生産されるインスリンを適切に使用することができないために生じる代謝異常である。インスリン分泌およびインスリン抵抗性が主要な欠陥であると考えられているが、そのメカニズムに関与する正確な遺伝因子は、未知のままである。
【0007】
糖尿病患者は通常、以下の欠陥のうちの1つまたは複数を有する:
−膵臓によるインスリン産生の低下
−肝臓によるグルコースの過剰分泌
−骨格筋によるグルコース取り込みの非依存性
−グルコース輸送体における欠陥、インスリン受容体の脱感作
−多糖類の代謝分解における欠陥
【0008】
非経口投与または皮下投与するインスリン以外に、約4種類の経口用の血糖降下薬、すなわちスルホニル尿素、ビグアニド、αグルコシダーゼ阻害剤およびチアゾリジンジオンが使用されている。糖尿病治療に使用される、入手可能な現在の作用薬(agent)は、それぞれ特定の欠点を有する。したがって糖尿病治療に使用される、経口投与できる新規な作用薬の同定および開発に引き続き関心が寄せられている。
【0009】
前記チアゾリジンジオンの誘導体は、近年II型糖尿病の治療において、より広範に使用される。前記チアゾリジンジオンの誘導体は、患者がインスリン作用に対する応答性を低下させる症状である、「インスリン抵抗性」を抑制するためのインスリン増感剤として特別な有用性を有する。しかしながら、より有効な非毒性のインスリン増感剤が、依然として必要とされている。抗糖尿病活性を有する新規な化合物を探究する継続的な努力において、本発明者らは、複素環式環、つまり置換ピリジン環を含有する新規な化合物を合成することを提案する。
【0010】
最も類似する化合物を開示している、先行技術の参考文献を本明細書にいくつか示す:
I):米国特許出願公開第2004/0142991号には、下記式(I)の化合物が開示されている。
【0011】
【化2】

【0012】
式中、−−−−は、任意の二重結合を表す;Yは、酸素、硫黄またはNRを表し、Rは水素またはアルキルを表す;Zは、酸素または硫黄を表す;R、R、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ホルミル、アミノ、アルキル、アルコキシ基を表す;Aは、単結合、または置換または非置換アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を表し;Xは、アミノ酸またはその誘導体を表す。
【0013】
式(I)の化合物を以下に例示する。
【0014】
【化3】

【0015】
II)国際特許出願公開WO93/00337には、有用な薬理学的特性を有し、糖尿病の治療に用いられる式(I)の化合物が開示されている。中間代謝に作用して、特に血糖レベルを下げる。
【0016】
【化4】

【0017】
III)米国特許第4572912号には、同様に血中脂質および血糖レベルを低下させる能力を有する、下記式(I)の化合物、および新規チアゾリジン誘導体の一群が開示されている。
【0018】
【化5】

【0019】
式中、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素またはC−Cアルキルを表す;Rは、水素、アシル基、(C−Cアルコキシ)カルボニル基またはアラルキルオキシカルボニル基を表す;RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシを表すか、またはRとRが連結してC−Cアルキレンジオキシ基を表す;nは1、2または3である;Wは、−CH−、>COまたは>CH−OR基(Rは、Rに関して定義される原子または基のうちのいずれか1つを表し、かつRと同じでも異なっていてもよい)を表す;YおよびZは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ酸素またはイミノを表す。
【0020】
IV)米国特許第4687777号には、哺乳動物において血糖値低下および脂質低下活性を示し、かつ糖尿病および高脂血症を治療するための治療薬として有用性がある、下記式(I)のチアゾリジンジオン誘導体、およびその薬理学的に許容可能な塩が、新規物質として開示されている。
【0021】
【化6】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的
II型糖尿病における血中グルコース、遊離脂肪酸、コレステロールおよびトリグリセリドを低減する新規化合物を開発すること、および多発性硬化症および慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患を治療することを目的として、本発明者らは、上記疾患の治療に有効な新規化合物を開発する研究を行った。この努力によって、一般式(I)を有する化合物が導かれた。
【0023】
したがって本発明の主な目的は、多嚢胞性卵巣症候群などのインスリン抵抗性と関連する疾患、ならびに高脂質血症、冠動脈疾患および末梢血管疾患の治療に有用である、新規な複素環式誘導体、およびその薬学的に許容される塩を提供することである。本発明の他の目的は、毒性作用を有さないか、または低い毒性作用であるにも係わらず、高活性な新規な複素環式誘導体、およびその薬学的に許容される塩を提供することである。本発明のさらに他の目的は、式(I)の新規な複素環式誘導体、およびその薬学的に許容される塩を製造するプロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
発明の概要
本発明は、式(I)の新規な複素環式誘導体、その薬学的に許容される塩、およびその医薬組成物に関する。
【0025】
【化7】

【0026】
式中、Rは、水素;C−Cアルキル;フェニル、ナフチルなどのアリール基を表す。
は、−OR10(R10は、水素;置換または無置換のC−Cアルキル基;または対イオンを表す)、NR1112(R11およびR12は、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ独立して、H;置換または無置換のC−Cアルキル基;置換または無置換の、フェニル、ナフチルなどのアリール基;置換または無置換のヘテロアリール基を表す)を表す。
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ独立してH;COR13;置換または無置換のC−Cアルキル基を表す。R13は置換または無置換のC−Cアルキル基;置換または無置換の、フェニル、ナフチルなどのアリール基;置換または無置換のヘテロアリール基;置換または無置換のアリールオキシ基;置換または無置換のアルコキシ基;または置換または無置換のアラルコキシ基を表す。
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アミノ基、C−Cアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基を表す。
、R、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ独立して、水素、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、アジド基、ハロ、置換または無置換のC−Cアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ハロアルキル基、アミノ基、ヒドラジン、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、スルファモイル基、カルボン酸基またはその誘導体を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の詳細な説明
Rによって表される適切な基は、水素原子;メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルなどの、置換または無置換の、直鎖状または分岐状のC−Cアルキル基;置換されていてもよい、フェニル、ナフチルなどのアリール基である。
【0028】
によって表される適切な基は、−OR10、NR1112である。
【0029】
およびRによって表される適切な基は、H;COR13;メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルなどの、置換または無置換の、直鎖状または分岐状のC−Cアルキル基から選択される。
【0030】
およびRによって表される適切な基は、水素原子;フッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲン原子;ヒドロキシ基;ニトロ基;シアノ基;ホルミル基;アミノ基;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルなどの、直鎖状または分岐状の、無置換(C−C)アルキル基;置換されていてもよい、クロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチルなどのハロアルキル基;置換されていてもよい、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシなどのアルコキシ基から選択される。
【0031】
、R、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ水素原子;フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素などのハロゲン原子;ヒドロキシ基;ニトロ基;シアノ基;ホルミル基;アミノ基;アジド基;ヒドラジン基;メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルなどの、直鎖状または分岐状の、置換または無置換基のC−Cアルキル基;置換されていてもよい、クロロメチル、クロロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジクロロメチル、ジクロロエチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチルなどのハロアルキル基;置換されていてもよい、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシなどのアルコキシ基;置換されていてもよい、−NHCH、−NHC、−NHC、−NHC13などのモノアルキルアミノ基;置換されていてもよい、−N(CH、−NCH(C)、−N(Cなどのジアルキルアミノ基;エステルまたはアミドなどのカルボン酸基またはその誘導体;置換されていてもよい、−NHC(=O)CH、−NHC(=O)C、−NHC(=O)C、−NHC(=O)C13などのアシルアミノ基;メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソ−プロピルスルホニルなどの、置換されていてもよいアルキルスルホニル基;フェニルスルホニルまたはナフチルスルホニルなどの、置換されていてもよいアリールスルホニル基;メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニルなどの、置換されていてもよいアルキルスルフィニル基;フェニルスルフィニルまたはナフチルスルフィニルなどの、置換されていてもよいアリールスルフィニル基;メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオなどの、置換されていてもよいアルキルチオ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルなどの、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニルなどの、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基;メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチルなどの、置換されていてもよいアルコキシアルキル基;スルファモイル;カルボン酸またはその誘導体から選択される。
【0032】
10によって表される適切な基は、水素原子;メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルなどの置換または無置換の、直鎖状または分岐状のC−Cアルキル基;または対イオンから選択される。対イオンは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属;CaおよびMgなどのアルカリ土類金属;ジエタノールアミン、α−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、ヒドロキシエチルピロリジン、ヒドロキシエチルピペリジン、コリンなどの、アンモニウムまたは置換アンモニウム;アルミニウム;トロメタミンなどの種々の塩基から選択される。
【0033】
11およびR12によって表される適切な基は、水素原子;メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルなどの、置換または無置換の、直鎖状または分岐状のC−Cアルキル基;フェニル、ナフチルなどの、置換されていてもよいアリール基;ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピロリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニルなどのヘテロアリール基から選択される。
【0034】
13によって表される適切な基は、水素原子;メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチルなどの、置換または無置換の、直鎖状または分岐状のC−Cアルキル基;フェニル、ナフチルなどの、置換されていてもよいアリール基;ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピロリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾジオキソリル、キノリニルなどのヘテロアリール基;メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシなどの、置換されていてもよいアルコキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシ、フェニルプロポキシなどのアラルコキシ基;フェノキシ、ナフトキシなどのアリールオキシ基から選択される。
【0035】
、R、R、R、R、R、R、R、Rによって表される基が有する適切な置換基は、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロ、ホルミル基、アジド基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ハロアルキル基、アミノ基、ヒドラジン基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、スルファモイル基、カルボン酸基またはその誘導体から選択される。
【0036】
本発明の薬学的に許容される塩としては、Li、Na、Kなどのアルカリ金属塩;CaおよびMgなどのアルカリ土類金属塩;ジエタノールアミン、α−フェニルエチルアミン、ベンジルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、ヒドロキシエチルピロリジン、ヒドロキシエチルピペリジン、コリンなどの有機塩基の塩;アンモニウムまたは置換アンモニウム塩;アルミニウム塩が挙げられる。さらに塩としては、グリシン、アラニン、シスチン、システイン、リジン、アルギニン、フェニルアラニン、グアニジンなどのアミノ酸塩も挙げられる。塩は、しかるべき場合に、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、ヒドロハロゲン化物塩、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、パルモエート(palmoate)、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩などの、酸付加塩でもよい。
【0037】
薬学的に許容される溶媒和物は、水和物であるか、またはアルコールなどの他の結晶化溶の溶媒和物を含む。
【0038】
本発明による、特に有用な化合物の例には、
メチル-2-アミノ-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパノエートジヒドロクロリド;
メチル(2S)-2-アミノ-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパノエートジヒドロクロリド;
メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{4-[(5-ニトロピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド;
メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{4-[(3-シアノピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド;
メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{4-[(5-トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド;
メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{4-[(3-ニトロピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド;
メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{2-フルオロ-4-[(5-ニトロピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド;
メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{2-フルオロ-4-[(5-トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド;
メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{2-フルオロ-4-[(3-ニトロピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド;
(2S)-2-アミノ-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパン酸ジヒドロクロリド;が含まれる。
【0039】
上記一群の化合物関して好ましい塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩またはマグネシウム塩である。
【0040】
他の態様において本発明は、上記式(I)の複素環式誘導体を含む新規な医薬組成物を提供する。前記組成物は、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と共に、活性成分として前記複素環式誘導体を含有することができる。前記組成物は、当技術分野で公知のプロセスによって製造され、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤の製剤とすることができる。組成物中の活性成分の含有量は60重量%未満である。
【0041】
本発明の他の特徴に従って、スキームIで示されるように、式(I)の化合物を製造するプロセスが提供される。スキームIにおけるすべての記号は上記で定義される通りである。
【0042】
【化8】

【0043】
一般式(I)の化合物は、以下のプロセスによって製造される。
ステップI:トルエン、DMF、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチル、o−ジクロロベンゼンまたはその混合溶媒から選択される溶媒中で、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン、DMAP、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸カリウムなどのアルカリ炭酸塩などの塩基の存在下にて、式(1a)(式中、Pは保護基を表す)の化合物のアミノ酸誘導体とハロニトロベンゼンとの縮合反応を行って、式(2a)の化合物を得る。反応温度は、室温〜還流温度の範囲の温度、一般的に0〜100℃である。あるいは、式(1a)(式中、RはOHである)の化合物と、ハロニトロベンゼンとを縮合反応させて、さらに従来法によってアルキル化することによって、式(2a)の化合物のS異性体だけを生成させる。
【0044】
ステップII:メタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸n−ブチルまたはその混合溶媒などの溶媒の存在下にて、ラネーニッケル、Pd/Cなどの触媒を使用することにより、式(2a)の化合物を水素化する。この反応は0〜100℃で行われ、式(3a)の化合物が生成される反応時間は2〜24時間の範囲である。
【0045】
ステップIII:トルエン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸エチル、o−ジクロロベンゼンまたはその混合溶媒などの溶媒の存在下にて、または溶媒を使用することなく、式(3a)の化合物とハロピリジンとを反応させる。反応は50〜150℃で行われ、式(4a)の化合物を生成させる反応時間は2〜24時間の範囲である。
【0046】
ステップIV:Pd/CまたはHClを使用して、溶媒の存在下にて、式(4a)の化合物の脱保護を行う。あるいは、アセトニトリル、ジクロロメタン、メタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、1-メチル-2-ピロリジノン、N,N-ジメチルアセトアミドなど、またはその混合溶媒から選択される溶媒の存在下にて、HClガスを通す(バブリングする)ことによって脱保護を行ってもよい。
【0047】
上記反応のいずれにおいても、従来の化学的手法によって、基質分子における反応性置換基が保護される。上記反応の全てにおける適切な保護基は、当技術分野で従来から用いられている基でありうる。保護基の形成および除去は、保護される分子に適した従来法を用いて行えばよい。さらに具体的に本発明で用いられる保護基Pは、特に、t-ブトキシカルボニル(t-Boc)基、トリチル基、トリフルオロアセチル基、ベンジルオキシベンジルオキシ基、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)基などの公知の保護基であり、従来の手法によって脱保護することができる。
【0048】
薬学的に許容される塩は、エーテル、THF、メタノール、t-ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、エタノールなどの溶媒中で、1〜4当量の塩基(水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)と、式(I)の化合物とを反応させることによって、製造される。使用する溶媒は混合溶媒であってもよい。リジン、アルギニン、ジエタノールアミン、コリン、グアニジンなどの有機塩基、およびその誘導体も使用することができる。
あるいは、酢酸エチル、エーテル、アルコール、アセトン、THF、ジオキサンなどの溶媒中で、酸処理することによって酸付加塩を製造する。酸の例には、塩化水素酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、コハク酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸などが含まれる。使用する溶媒は、混合溶媒であってもよい。
【0049】
本発明は、以下に示される実施例において詳細に説明されているが、実施例は、単なる実例として示されており、本発明の範囲を制限するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0050】
[実施例1]
メチル-2-アミノ-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロピオネートジヒドロクロリドの製造
【0051】
【化9】

【0052】
ステップI
メチル2-[(t-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[4-(4-ニトロフェノキシ)フェニル]プロパノエートの合成
【0053】
【化10】

【0054】
boc-チロシン-メチルエステル(10g,33.8mmol)および炭酸カリウム(23.3g,169.4mmol)のジメチルホルムアミド(70ml)溶液に、4-フルオロニトロベンゼン(9.5g,67.7mmol)を添加した。反応混合物を15時間70℃に加熱した。続いて、冷却した飽和塩化アンモニウム溶液(300ml)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去させ、目的の生成物11g(78%)を得た。
HNMR[CDCl3,400MHz]δ ppm:1.42(s,9H),3.04(m,1H)),3.15(m,1H),3.74(s,3H),4.6(m,1H),5.03(d,1H),7.00(m,4H),7.19(m,2H),8.19(m,2H);
m/zM+1417.1
【0055】
ステップII
メチル2-[(t-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパノエートの合成
【0056】
【化11】

【0057】
メチル2-アミノ-3-[4-(4-ニトロフェノキシ)フェニル]プロパノエート(6.19g,14.6mmol)のジクロロメタン(300ml)溶液に、10%Pd/C(0.6g)を添加し、30psiで11時間水素化した。反応が完了した後、触媒を濾過除去した。反応液を濃縮して、メチル2ーアミノー3ー[4ー(4ーアミノフェノキシ)フェニル]プロパノエート5.5g(97.1%)を得た。
HNMR[DMSO−d,400MHz]δ ppm:1.30(s,9H),2.75(m,1H),2.88(m,1H),3.58(s,3H),4.2(m,1H),4.96(bs,2H),6.54(d,2H),6.71(m,4H),7.13(d,2H),7.27(d,1H);
m/zM+1387.2
【0058】
ステップ:III
メチル2-[(t-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパノエートの合成
【0059】
【化12】

【0060】
メチル2-[(t-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパノエート(0.6g,1.55mmol)と2-クロロピリジン(1.2ml,10.57mmol)とを、窒素雰囲気下にて130℃で20時間攪拌した。反応の完了後、反応混合物を塩化アンモニウム溶液(25ml)でクエンチし、酢酸エチル(3×25ml)で抽出した。溶媒を留去させて粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィーによって精製し、目的の生成物(0.41g,61.5%)を得た。
HNMR.[CDCl3,400MHz]δ ppm:1.42(s,9H),3.0(m,2H),3.72(s,3H),4.57(m,1H),5.0(d,1H),6.51(s,1H),6.72(m,1H),6.77(d,1H),6.92(d,2H),6.99(d,2H),7.07(d,2H),7.31(d,2H),7.47(t,1H),および8.17(d,1H);
m/zM+1464.2
【0061】
ステップ:IV
メチル2-アミノ-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパノエートジヒドロクロリドの合成
【0062】
【化13】

【0063】
メチル2-[(t-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパノエート(0.29g,0.43mmol)のジクロロメタン(25ml)溶液に、乾燥HClガスを2時間通気(バブリング)した。反応の完了後、過剰なHClガスを窒素ガスの通気によって除去し、減圧下にて溶媒を留去して、白色の固体として生成物0.100g(66%)を得た。
HNMR.[DMSO−d,400MHz]δ ppm:3.1(dd,2H),3.7(s,3H),4.2(m,1H),6.9(t,1H),7.0(d,2H),7.07(dd,3H),7.2(d,2H),7.5(d,2H),8.0(d,1H),8.1(d,1H),8.5(bs,2H),10.31(bs,1H);
m/zM+1363.9
【0064】
[実施例2]
メチル(2S)-2-アミノ-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパノエートジヒドロクロリド
【0065】
【化14】

【0066】
ステップ:I
2-[(t-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[4-(4-ニトロフェノキシ)フェニル]プロパン酸の合成
【0067】
【化15】

【0068】
N-t-ブトキシカルボニル-L-チロシン(10g,35.5mmol)および炭酸カリウム(29.4g,213.5mmol)のジメチルホルムアミド(50ml)溶液に、4-フルオロニトロベンゼン(6.02g,43.6mmol)を添加した。反応混合物を15時間80℃に加熱した。反応の完了後、反応混合物を、冷却した飽和塩化アンモニウム溶液(300ml)でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を分離した。水層を2N HClでpH2に酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、生成物14.13g(98.5%)を得た。
HNMR[CDCl3,400MHz]δ ppm:1.39(s,9H),2.92(m,1H)),3.0(d,1H),4.35(m,1H),7.06(m,4H),7.32(m,2H),8.22(m,2H);
m/zM+1403.2
【0069】
ステップ:II
2-[(t-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[4-(4-ニトロフェノキシ)フェニル]プロパン酸メチルエステルの合成
【0070】
【化16】

【0071】
不活性雰囲気下にて、2-[(t-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[4-(4-ニトロフェノキシ)フェニル]プロパン酸および重炭酸ナトリウム(4.38g,52.25mmol)の無水DMF(40ml)溶液に、ヨードメタン(14.83g,104.4mmol)を添加し、反応混合物を室温で6時間攪拌した。反応の完了後、反応混合物を0.5M KOH溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、減圧下にて溶媒を留去させ、目的の生成物7.0g(97.2%)を得た。
HNMR[CDCl3,400MHz]δ ppm:1.42(s,9H),3.15(m,1H),3.18(m,1H),3.74(s,3H),4.6(m,1H),5.06(m,1H),7.0(m,4H),7.19(m,2H),8.19(m,2H);
m/zM+1417.2
【0072】
ステップ:III
メチル2-[(t-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパノエートの合成(実施例1のステップIIに示される手順で調製した)
【0073】
【化17】

【0074】
収量(5.48g,84.4%);
HNMR[CDCl,400MHz]δ ppm:1.41(s,9H),3.02(m,2H),3.60(bs,2H),3.7(s,3H),4.5(m,1H),5.01(d,1H),6.66(m,2H),6.84(m,4H),7.0(m,2H);
m/zM+1387.2
【0075】
ステップ:IV
2-[(t-ブトキシカルボニル)アミノ]-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパノエートの合成(実施例1のステップIIIに示される手順で調製した)
【0076】
【化18】

【0077】
収量(0.6g,54.5%)
HNMR.[DMSO−d,400MHz]δ ppm:1.42(s,9H),3.0(m,2H),3.7(s,3H),4.5(d,1H),4.99(d,1H)6.45(s,1H),6.7(m,2H),6.92(d,2H),6.99(d,2H),7.07(d,2H),7.31(d,2H),7.49(t,1H),8.1(d,1H);
m/zM+1464.2
【0078】
ステップ:V
メチル2-アミノ-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパノエートジヒドロクロリドの合成(実施例1のステップIVに示される手順で調製した)
【0079】
【化19】

【0080】
収量(0.400g,85.1%),
HNMR.[DMSO−d,400MHz]δ ppm:3.11(m,2H),3.7(s,3H),4.2(t,1H),6.9(m,3H),7.1(m,3H),7.2(d,2H),7.48(d,2H),7.96(m,2H),8.63(bs,2H),10.43(bs,1H);
m/zM+1364.1
【0081】
実施例2に示される手順に従って、以下の化合物を製造した。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
生物学的試験のプロトコル
3T3−L1細胞を使用したグルコース取り込みアッセイ
分化誘導剤(インスリン72μg/ml,0.5mM IBMX,デキサメタゾン400ng/ml)を添加することによって、3T3−L1細胞を4日間分化させた。その後に、分化誘導剤を含まない培地で7〜8日間、細胞を培養した。分化した後、濃度1μMの参照化合物BLX−1002、または表1に記載の化合物と共に、細胞を72時間インキュベートした。そして、14Cデオキシグルコース2.5μCi/mlが追加されたKRPバッファーを添加することによって、グルコース取り込みアッセイを10分間行った。刺激指数は、上述のプロトコルの通りのアッセイ条件で72時間インキュベートされた3T3−L1から分化した脂肪細胞のBLX−1002 1μMによって誘導される、「14Cデオキシグルコースの取り込み量」と定義される。表1に記載の化合物についての値は、参照化合物BLX−1002の刺激指数を基準とする値である。
【0085】
【表3】

【0086】
ストレプトゾトシン誘発糖尿病マウスにおける抗糖尿病活性
10週齢の雌スイスアルビノマウスを用いて研究した。投与量200mg/体重kgのストレプトゾトシンを、腹腔内投与で注入することによって、動物に糖尿病を誘発させた。ストレプトゾトシンの投与から48時間後に、動物を6時間絶食させた。その後、血液を採取し、血漿を分離し、グルコースを評価した。グルコースレベルが200mg/dlを超える動物を糖尿病であるとみなした。これらの動物をランダムに、様々な群に分配した。表2に示されるように、投与量50mg/体重kgの実施例2の化合物を、経口投与で7日間投与した。その後に、動物を6時間絶食させ、血液を採取し、血漿を分離した。血漿から、前記のグルコースの評価と同様に、コレステロールおよびトリグリセリドの生化学的評価を行った。表2に記載の化合物の効果を対照群と比較して、生化学的値の減少%を示した。その結果を表2に示す。
【0087】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で示される新規な複素環式誘導体、その薬学的に許容される塩、およびその医薬組成物。
【化1】

[式(I)において、
Rは、水素原子;C−Cアルキル;フェニル、ナフチルなどのアリール基を表し、
は、−OR10(R10は、水素原子;置換または無置換のC−Cアルキル基;または対イオンを表す)、NR1112(R11およびR12は、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ独立して、H;置換または無置換のC−Cアルキル基;置換または無置換の、フェニル、ナフチルなどのアリール基;置換または無置換のヘテロアリール基を表す)を表し、
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ独立してH;COR13;置換または無置換のC−Cアルキル基を表し、
13は、置換または無置換のC−Cアルキル基;置換または無置換の、フェニル、ナフチルなどのアリール基;置換または無置換のヘテロアリール基;置換または無置換のアリールオキシ基;置換または無置換のアルコキシ基;あるいは置換または無置換のアラルコキシ基を表し;
およびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アミノ基、C−Cアルキル基、ハロアルキル基、またはアルコキシ基を表し;
、R、RおよびRは、互いに同一でも異なっていてもよく、かつ独立して、水素、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、アジド基、ハロ、または置換または無置換のC−Cアルキル基、アルコキシ基、アシル基、ハロアルキル基、アミノ基、ヒドラジン、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシアルキル基、スルファモイル基、カルボン酸基またはその誘導体を表す]
【請求項2】
以下の化合物群から選択される、請求項1に記載の新規な複素環式誘導体。
I)メチル-2-アミノ-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパノエートジヒドロクロリド
II)メチル(2S)-2-アミノ-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパノエートジヒドロクロリド
III)メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{4-[(5-ニトロピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド
IV)メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{4-[(3-シアノピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド
V)メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{4-[(5-トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド
VI)メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{4-[(3-ニトロピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド
VII)メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{2-フルオロ-4-[(5-ニトロピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド
VIII)メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{2-フルオロ-4-[(5-トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド
IX)メチル(2S)-2-アミノ-3-(4-{2-フルオロ-4-[(3-ニトロピリジン-2-イル)アミノ]フェノキシ}フェニル)プロパノエートジヒドロクロリド
X)(2S)-2-アミノ-3-{4-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェノキシ]フェニル}プロパン酸ジヒドロクロリド
【請求項3】
前記薬学的に許容される塩が、塩酸塩、臭化水素酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩またはマグネシウム塩からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の式(I)の新規な複素環式誘導体の薬学的に有効な量、および薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤または溶媒和物を含む、医薬組成物。
【化2】

【請求項5】
錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、液剤、エアゾール剤または懸濁剤の製剤である、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
組成物における請求項1に記載の化合物の含有量が60重量%未満である、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項7】
血漿中の血中グルコース、遊離脂肪酸、コレステロール、トリグリセリドレベルを低減する方法であって、その必要がある患者に、請求項1に記載の式(I)の化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項8】
肥満症、自己免疫疾患、炎症、免疫疾患、癌疾患を治療する方法であって、その必要がある患者に、請求項1に記載の式(I)の化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項9】
インスリン抵抗性と関連する疾患を治療する方法であって、その必要がある患者に、請求項1に記載の式(I)の化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項10】
潜在的な脂質生成を生じさせることなく、血漿中の血中グルコースレベルを低減する方法であって、その必要がある哺乳動物に、請求項1に記載の化合物の有効量、または請求項2に記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項11】
TNFα、IL−6およびIL−βを低減する方法であって、その必要がある哺乳動物に、請求項1に記載の化合物の有効量、または請求項2に記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項12】
癌細胞の進行を抑制する方法であって、その必要がある哺乳動物に、請求項1に記載の化合物の有効量、または請求項2に記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2008−540630(P2008−540630A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511811(P2008−511811)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際出願番号】PCT/IB2006/001304
【国際公開番号】WO2006/123229
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(507380436)オーキッド リサーチ ラボラトリーズ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】