説明

新規のウエハソーイングシステム

【課題】ウエハソーイングシステムおよびウエハソーイングシステム内でインゴットを鋸で切る方法を提供すること。
【解決手段】システムは、インゴット入力モジュール、インゴット出力モジュール、2つ以上のワイヤソーイングチャンバであって、それぞれが2つのワイヤガイドシリンダ、ワイヤガイドシリンダの両方にわたって配設される少なくとも1つのワイヤ、単一のインゴットを受けるように構成される支持テーブル、および支持テーブル上に配設される単一のインゴットを少なくとも1つのワイヤに対して付勢するように構成されるインゴット位置決めシステムを備えるワイヤソーイングチャンバ、ならびにインゴット入力モジュール、2つ以上のワイヤソーイングチャンバのうちの少なくとも1つ、およびインゴット出力チャンバの間で単一のインゴットを移送するように構成されるロボットを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、インゴットから薄い基板を形成するための装置および方法に関する。本発明は、複数のインゴットを一度に鋸で切って薄い基板を形成することができる、複数のワイヤソーイングデバイスを含むシステムにも関する。本発明は、形成された結晶インゴットから薄い結晶シリコン太陽電池基板を製造するのに、特に有用である。
【背景技術】
【0002】
従来型のワイヤソーイングデバイスは、一般的に、鋸で切られるインゴットまたは部片に対して単一の方向に動かされる複数のワイヤを含む。ワイヤソーイングデバイスは、一般的に、電子産業で使用され、フェライト、石英およびシリカを含むインゴットを鋸で切り、ポリシリコンもしくは単結晶シリコンなどの材料、またはGaAs、InP、GGGもしくはその他の石英、合成サファイア、セラミック材料などのさらに新規の材料の薄いスライスを得る。材料が高価である場合には、ダイアモンドディスクソーイングなどの他の技法と比較して、ワイヤソーイングは、より魅力的となる。
【0003】
知られているデバイスでは、ソーイング領域は、平行な複数のシリンダのアセンブリにより構成される。これらのシリンダは、ワイヤガイドと呼ばれ、層のワイヤ間の間隔、すなわちスライスの厚さを画定する溝が彫られている。鋸で切られる部片は、ワイヤの層に垂直に動く支持体上に固定される。部片の移動速度が切断速度を規定する。ワイヤの更新、ならびにワイヤの張力の制御は、インゴットまたは部片が切断されるソーイング領域の上に位置するワイヤ用のいわゆる管理領域で行われる。切断に影響する研磨剤は、例えばダイアモンドワイヤ用といった、ワイヤ上に固定された研磨物、またはスリップまたはスラリの形で提供される束縛されていない研磨物のいずれかである。ワイヤは、研磨材料にとってのキャリアとしてのみ作用する。鋸で切られる部片を薄いスライスに切断する間に、張力を加えられるワイヤは、ワイヤガイドシリンダによって案内され、かつワイヤガイドシリンダによって張力を加えられる。
【0004】
多くの用途で、鋸で切られたスライスは、またはウエハとも本明細書では呼ぶが、鋸で切られる部片の断面または直径と比べて非常に薄い厚さである。したがって、鋸で切られたスライスは、実質的に可撓性を有し、屈曲し湾曲して隣接するスライスと接触する可能性がある。この屈曲は、切断の精度および平坦度にとって望ましくなく、鋸で切られたスライスの表面に、凹凸、溝付けおよび望ましくない不整が生じる可能性がある。これらの不整は、数マイクロメートルであっても、太陽電池用シリコンおよび半導体用シリコンなど、特定用途にとって、スライスを使用不可能にするのに十分である。スライスの変形は、特にスライスがスライスの支持体に連結される結合点の近くで、微小破断および破断をもたらす可能性さえある。
【0005】
ワイヤソーイング技法は、光起電力基板を形成するプロセスで支持されてきた。光起電力(PV)電池または太陽電池は、太陽光を直流(DC)電力に変換するデバイスである。典型的なPV電池は、p型シリコンウエハ、基板、またはシート、特に約0.185mm厚未満のもの、ならびにp型基板の上部上に配設されるn型シリコン材料の薄層を含む。一般的に、シリコン基板ベースの太陽エネルギー技術は、PV太陽電池の使用による太陽電気のコストを減らすため、2つの主な戦略にしたがっている。一方の手法は、単一接合デバイスの変換効率(すなわち、単位面積当たりの電力出力)を増加すること、他方は、太陽電池の製造に関連するコストを低下させることである。変換効率に起因する効果的なコスト低減は、基本的な熱力学および物理的制限により制限を受けるので、可能な増加量は、本明細書に開示する本発明の態様など、基本的な技術的進歩に依存する。商業的に実用的な太陽電池を作る他方の戦略は、太陽電池を形成するのに必要な製造コストを減少させることにある。
【0006】
これらの課題を満足するために、一般的に、以下の太陽電池処理要件が満たされる必要がある。(1)基板製造装置の所有コスト(CoO)が改善される必要がある(例えば、高システムスループット、高い機械稼働時間、安価な機械、安価な消耗品コスト)、(2)プロセスサイクル当たりに処理される面積が増加される必要がある(例えば、Wp当たりの処理を減少する)、(3)形成される層の品質およびフィルムスタック形成プロセスが良好に制御され、高効率の太陽電池を製造するのに十分である必要がある。したがって、太陽電池用途の薄いシリコン基板を、コスト効果的に形成し製造する必要がある。
【0007】
さらに、太陽電池デバイスの需要は成長し続けているので、基板のスループットを増加させることによりコストを減少し、太陽電池の動作中に収集することができる電力の量を増加させるため太陽電池基板のサイズを増加し、ウエハソーシステムのスループット(Mワット/年)を増加し、消耗品のコストを減少し、基板上で実施される堆積プロセスの品質を改善する傾向がある。基板形成コストを削減するために、高基板スループットおよび改善したウエハソーイングプロセス歩留りを有する、新規のウエハソーイングシステムおよびウエハソーイング処理シーケンスを設計することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
上記に照らして、独立請求項1にしたがうウエハソーイングシステム、および独立請求項8にしたがうウエハソーイングシステム内でインゴットを鋸で切る方法が提供される。さらなる利点、特徴、態様および詳細は、従属請求項、説明および図面から明らかである。
【0009】
本発明は、一般的に、インゴット入力モジュール、インゴット出力モジュール、それぞれが2つのワイヤガイドシリンダを含む2つ以上のワイヤソーイングチャンバ、ワイヤガイドシリンダの両方にわたって配設される少なくとも1つのワイヤ、単一のインゴットを受けるように構成される支持テーブル、および支持テーブル上に配設される単一のインゴットを少なくとも1つのワイヤに対して付勢するように構成されるインゴット位置決めシステム、ならびにインゴット入力モジュール、2つ以上のワイヤソーイングチャンバのうちの少なくとも1つ、およびインゴット出力モジュールの間で単一のインゴットを移送するように構成されるロボットを含むウエハソーイングシステムを提供する。
【0010】
本発明の実施形態は、入力モジュールから、移送チャンバの移送領域に対して配置される複数のワイヤソーイングチャンバのうちの1つに単一のインゴットを移送すること、ワイヤソーイングチャンバ内で単一のインゴットを鋸で切ることであって、移送チャンバ内に配設されるロボットから単一のインゴットを受け取ること、単一のインゴットを2つのワイヤガイドにわたって配設されるワイヤの層に対して付勢すること、およびワイヤの層を単一のインゴットに対して動かすことを含む、単一のインゴットを鋸で切ること、ならびに鋸で切られたインゴットをワイヤソーイングチャンバから出力モジュールに移送することを含む、ウエハソーイングシステム内でインゴットを鋸で切る方法をさらに提供することができる。
【0011】
本発明の上記の特徴を詳細に理解できるようにする方法、上で簡単に要約された本発明のより具体的な説明が実施形態を参照することによって得られるように、その一部が添付の図面に示されている。しかし、他の同様に有効な実施形態を本発明が容認することができるので、添付の図面は、本発明の単に典型的な実施形態を示すもので、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングシステムの等角図である。
【図1B】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングシステム内に使用することができるロボットデバイスの等角図である。
【図2】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングシステムの等角図である。
【図3A】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングシステム内で使用することができるウエハソーイングチャンバの側面図である。
【図3B】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングチャンバのウエハソーイング領域内に配設されたインゴットの等角図である。
【図3C】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングシステム内で使用することができるウエハソーイングチャンバの側面図である。
【図3D】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングシステム内で使用することができるウエハソーイングチャンバの側面図である。
【図4】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングシステム内で使用することができるウエハソーイングチャンバの概略図である。
【図5】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングチャンバ内で使用されるワイヤガイドアセンブリの側面図である。
【図6A】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングシステム内で使用することができるウエハソーイングチャンバの側面図である。
【図6B】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、図6Aに例示されたウエハソーイングチャンバの別の側面図である。
【図7A】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、ウエハソーイングシステム内で使用することができるウエハソーイングチャンバの側面図である。
【図7B】本明細書に記載の一実施形態にしたがう、図7Aに例示されたウエハソーイングチャンバの別の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図が見やすいように、適用可能な場合は、図に共通な同一の要素を指定するため、同一の参照番号が使用されている。1つの実施形態の特徴が、さらなる記述なしに、他の実施形態に組み込まれ得ることが意図される。
【0014】
本発明は、一般に、それぞれが独立にインゴットを鋸で切って薄い基板を形成することができる、複数のワイヤソーイングチャンバを含むウエハソーイングシステムを提供する。ウエハソーイングシステムを使用して、太陽電池基板、半導体基板、または他の有用な基板などの様々な種類の基板またはウエハを、インゴット、ブール、またはブロックなどのより大きな部片から形成することができる。一構成では、ウエハソーイングシステムは、結晶シリコン(c−Si)インゴットを受け取り、汚れがなく乾燥した基板を形成するのに必要な処理ステップの全てを実施するように構成される。説明を容易にするため、また混乱を避けるため、本明細書ではインゴットという表現を使用して、ウエハソーイングシステム内で鋸で切られる、より大きな部片、または未切断要素を幅広く表すこととする。
【0015】
図1Aは、中央移送チャンバ125上に配設される、かつ/または中央移送チャンバ125に結合される複数のワイヤソーイングチャンバ300を有するウエハソーイングシステム100の等角図である。一例では、スループットおよびチャンバ稼働時間問題を改善するため、ウエハソーイングシステム100は、独立にインゴットを鋸で切ることができる、少なくとも6つのワイヤソーイングチャンバ300を有する。しかし、より少ない数またはより多い数のワイヤソーイングチャンバ300を使用することができる。ウエハソーイングシステム100内で使用することができるワイヤソーイングチャンバ300の様々な構成が、図3A〜図3D、図4、図6A〜図6Bおよび図7A〜図7Bに関連して下に例示され、さらに議論される。ウエハソーイングシステム100は、一般的に、入力モジュール102、中央移送チャンバ125、中央ロボット120、出力モジュール110、システムコントローラ128および中央移送チャンバ125上に形成される様々な処理位置103〜108に配設される複数のワイヤソーイングチャンバ300を含む。一実施形態において、ワイヤソーイングチャンバ300は、それぞれ、中央移送チャンバ125上に取り付けられる、または中央移送チャンバ125に結合される。ワイヤソーイングチャンバ300は、典型的には中央移送チャンバ125上に取り付けられ、または中央移送チャンバ125に結合され、そのため、ワイヤソーイングチャンバ300のそれぞれは、ワイヤソーイングチャンバ300のそれぞれおよび中央移送チャンバ125から振動的に分離され、切断中に発生する振動が、他の隣接チャンバのうちの1つにおいてウエハソーイングプロセスに影響をおよぼすことを防止する。
【0016】
図1Bは、中央移送チャンバ125に結合され、ウエハソーイングシステム100内に配設される様々な種類の処理チャンバから未処理インゴットおよび処理済みインゴットを移送することができる、ロボットデバイス(例えば、中央ロボット120)の等角図である。処理中に、未切断インゴットが、中央ロボット120によって、入力モジュール102からワイヤソーイングチャンバ300のうちの1つに移送領域を通って移送される。次いで、ワイヤソーイングチャンバ300内で鋸で切られた後、鋸で切られたインゴットは、出力モジュール110に移送される。一実施形態において、洗浄ステーション(図示せず)(例えば、図2内の参照番号209)が、処理位置103〜108の1つに配設され、洗浄ステーションを使用して鋸で切られたインゴットからスラリ材料を洗浄し、その後鋸で切られたインゴットが、中央ロボット120によって出力モジュール110に送り出される。
【0017】
中央ロボット120としては、一般的に、SCARAロボットまたは図1Bに示される6軸ロボットなど、従来型のロボットデバイスが挙げられ、中央ロボット120は、ウエハソーイングシステム100内でインゴットを1つのチャンバから次のチャンバにピックアップして移送することが可能な、少なくとも1つのエンドエフェクタ121、122を有する。1つの実施形態において、中央ロボット120は、ウエハソーイングシステム100を介してインゴットを移送するために使用することができる、少なくとも2つのエンドエフェクタ121および122を有する。この構成では、第1のエンドエフェクタ121を使用して、入力モジュール102から未切断のインゴット(例えば、汚れがなく乾燥した部片)を受け取ることができ、第2のエンドエフェクタ122を使用してワイヤソーイングチャンバ300から出力モジュール110に鋸で切られたインゴット(例えば、湿って、汚れた、割れやすい要素)を移送することができる。第2のエンドエフェクタ122は、移送プロセス中に、エンドエフェクタ122に結合される、割れやすい切断されたウエハまたは基板を支持する支持トレイ要素(例えば、可撓性のブラシ様要素(図示せず))を含むことができる。一実施形態において、エンドエフェクタ121および122の一部は、インゴット317が取り付けられる取付け板376と係合するように構成され(図4)、ウエハソーイングシステム100を介して、未切断インゴットおよび鋸で切られたインゴットを確実に信頼性高く移送する。
【0018】
入力モジュール102は、一般的に、取付け板376に付けられた未切断タイプのインゴット317(図3Aおよび図4)を受け取るように構成される、1つまたは複数のストレージ棚(図示せず)を含む。一実施形態において、取付け板376は、取付け板376内に形成される複数の流体チャンネル(図示せず)を有するセラミック材料を含み、インゴット317上でウエハソーイングプロセスが実施される間および/またはウエハソーイングプロセスが実施された後、熱交換流体および/またはリンス液が複数の流体チャンネル内を流れることを可能にする。
【0019】
出力モジュール110は、一般的に、ウエハソーイングプロセスがインゴット317上で実施された後、インゴット317および取付け板376を受け取るように構成される、1つまたは複数のストレージ棚(図示せず)を含む。出力モジュール110は、ソーイングプロセスで使用されたスラリが処理されたインゴット上で乾燥しないように、鋸で切られたインゴットを湿った状態に保つことが可能な、リンス装置(例えば、DI水デリバリシステム)またはリンスステーションも含むことができる。一実施形態において、出力モジュール110は、形成される基板の表面に見出される任意の汚染を除去するために、鋸で切られたインゴットを洗浄する、リンス装置/システムを含むことができる。
【0020】
一般に、システムコントローラ128を使用して、1つまたは複数の構成要素およびウエハソーイングシステム内で実施されるプロセスを制御する。システムコントローラ128は、一般的に、ウエハソーイングシステムの制御および自動化を可能にするよう設計され、具体的には、中央処理装置(CPU)(図示せず)、メモリ(図示せず)、および支持回路(またはI/O)(図示せず)を含む。CPUは、様々なシステム機能、基板移動、チャンバプロセス、プロセスタイミングおよび支持ハードウェア(例えば、センサ、ロボット、モータ、タイミングデバイスなど)を制御するための産業用設定で使用され、プロセス(例えば、化学物質の濃度、処理変数、チャンバプロセス時間、I/O信号など)を監視するコンピュータプロセッサの任意の形式のうちの1つであってもよい。メモリは、CPUに接続され、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、またはデジタルストレージの任意の他の形式など、ローカルまたはリモートの、容易に入手可能なメモリのうちの1つまたは複数であってもよい。ソフトウェア命令およびデータがコード化され、CPUに命令するためメモリ内に格納することができる。支持回路も、従来のやり方でプロセッサを支持するためにCPUに接続される。支持回路は、キャッシュ、電力供給、クロック回路、入出力回路、サブシステムなどを含むことができる。システムコントローラ128により読取り可能なプログラム、またはコンピュータ命令は、基板上でどのタスクが実施可能であるのかを決定する。好ましくは、プログラムは、ウエハソーイングシステム内のインゴットの監視、移動の実行および制御、支持、および/または位置決めに関するタスクならびにウエハソーイングシステム内のワイヤソーイングチャンバ300のそれぞれで実施される、様々なウエハソーイングレシピタスクおよび様々なウエハソーイングチャンバプロセスレシピステップを実施するコードを含むシステムコントローラ128により読取り可能である。
【0021】
図2は、移送チャンバ225上に配設される、かつ/または移送チャンバ225に結合される複数のワイヤソーイングチャンバ300を有する線形タイプウエハソーイングシステム200の等角図である。一般に、任意の数のワイヤソーイングチャンバ300を線形ロボット220のいずれかの側に配設し、所望のシステムスループットを達成することができる。一例では、スループット改善およびチャンバ可用性問題のために、ウエハソーイングシステム200が、移送チャンバ225の片側に配設され、または移送チャンバ225の両側に均等に分散される、少なくとも6つのワイヤソーイングチャンバ300を有する。しかし、より少ない数またはより多い数のワイヤソーイングチャンバ300を使用することができる。ウエハソーイングシステム200は、一般的に、入力モジュール202、移送チャンバ225、線形ロボット220、出力モジュール210、システムコントローラ128ならびに移送チャンバ225上に形成される様々な処理位置203〜206および212〜215に配設される複数のワイヤソーイングチャンバ300を含む。一実施形態において、ワイヤソーイングチャンバ300は、それぞれ、移送チャンバ225上に取り付けられる、または移送チャンバ225に結合される。ワイヤソーイングチャンバ300は、典型的には移送チャンバ225上に取り付けられ、または移送チャンバ225に結合され、そのため、上で議論したように、ワイヤソーイングチャンバ300は、ワイヤソーイングチャンバ300のそれぞれおよび移送チャンバ125から振動的に分離される。ウエハソーイングシステム100および/または200内で使用することができるワイヤソーイングチャンバ300の様々な構成が、図3A〜図3D、図4、図6A〜図6Bおよび図7A〜図7Bに関連して下に例示され、さらに議論される。入力モジュール202および出力モジュール210は、一般的に、それぞれ、入力モジュール102および出力モジュール110と同様であり、上で議論されているため本明細書ではさらに議論しない。
【0022】
線形ロボット220を使用して、未切断のインゴットを入力モジュール202からワイヤソーイングチャンバ300のうちの1つに移送し、次いでソーイングプロセスを実施した後、鋸で切られたインゴットは、洗浄ステーション209または出力モジュール210に移送される。一実施形態において、洗浄ステーション209を使用して鋸で切られたインゴットからスラリ材料を洗浄し乾燥させ、その後鋸で切られたインゴットは、線形ロボット220によって出力モジュール210に送り出される。ロボット220としては、一般的にSCARAロボットまたは6軸ロボットなど、従来型のロボットデバイスが挙げられ、ロボット220は、ウエハソーイングシステム200の長さに広がる移送領域に配設されるレール221(例えば、図2における方向「M」)に沿って動くように構成される。一般的に、線形ロボット220は、ウエハソーイングシステム200内でインゴットを1つのチャンバから次のチャンバにピックアップして移送することが可能な、上で議論したエンドエフェクタ121、122など、少なくとも1つのエンドエフェクタ(図示せず)を有する。
【0023】
図3Aは、上で議論した、ウエハソーイングシステム100および200などのウエハソーイングシステム内で使用することができるワイヤソーイングチャンバ300の側面図である。図3Bは、ワイヤソーイングチャンバ300のソーイング領域318内に配設されるワイヤ(複数可)323の層319に対して、インゴット317を付勢する、ワイヤソーイングチャンバ300内の様々な自動化された構成要素により部分的に鋸で切られるインゴット317の等角図である。図3Aを参照すると、ソーイングチャンバは、一般的に、フレーム305、フレーム305上に取り付けられかつ回転軸がお互いに平行に配設されるワイヤガイドシリンダ321および322、およびワイヤ(複数可)323の層319に対してインゴット317を付勢するために使用されるアクチュエータアセンブリ310を含む。ワイヤ323は、供給ボビン326から受け取られ、次いでワイヤガイドシリンダ321、322の周りを巻いて、ソーイング領域318内で、平行なワイヤの少なくとも1つの層319を形成する。次いで、ワイヤ323は、受取りボビン327などの好適な受取りデバイスに戻される。ガイドシリンダ321または322のうちの少なくとも1つは、ドライバモータ328(図4)に結合され、ドライバモータ328は、ソーイング領域318内に配設されるワイヤ(複数可)323を単一の方向に、または好ましくは往復運動(例えば、第1の距離を前進し、次いで第2の距離を後退する(例えば、第1の距離>第2の距離))で動かすようになされる。ガイドシリンダ321および322は、1つまたは複数の軸受329(図4)により支持することができ、1つまたは複数の軸受329は、一方のガイドシリンダを他方に対して動かすことによってワイヤ(複数可)323に所望の張力を実現するようになされる、ワイヤ張力調整システム(図示せず)に結合される。処理中に、システムコントローラ128は、ドライバモータ328のトルクを監視して、アクチュエータアセンブリ310によりインゴット317に印加される力を決定することができる。
【0024】
一実施形態において、ウエハソーイングシステム100、200内に配設されるワイヤソーイングチャンバ300のそれぞれの中で、一度に単一のインゴット317だけが配置され鋸で切られる。ワイヤの単一の層319を使用して単一のインゴットを処理することは、比較的遅いワイヤ切断速度(例えば、200〜400μm/分のインゴット移動速度および15m/秒のワイヤ速度)を使用して一度に複数のインゴットを鋸で切ることによりインゴットのスループットを最大化することを試みる従来型のワイヤソーイングシステムを超える著しい利点を有すると考えられる。単一インゴットウエハソーイングチャンバ内のインゴット317の「負荷」すなわち長さ314(図3B)は、従来型ウエハソーイングシステム内で処理されるインゴット317の数よりも少なく比例する一方、単一インゴットウエハソーイングチャンバ300のスループットは、ワイヤ速度を少なくとも比例する量だけ増加させることにより従来型ウエハソーイングチャンバと均等にすることができる。一例では、従来型のワイヤソーイングチャンバを使用して、約200μm/分のインゴット移動速度で、一度に4つのインゴット(例えば、典型的には、2つの別個のワイヤ層上の2つのインゴット)を処理する一方、本明細書に記載の本発明の構成は、少なくとも800μm/分のインゴット移動速度で単一のインゴットを鋸で切り、したがって同様のウエハソーイングスループットを達成するように構成される。ウエハソーイングチャンバ300内で一度に単一のインゴットを鋸で切ることは、複数の理由で有利である。第1に、一度に1つのインゴット317を鋸で切ることは、従来型ワイヤソーイングデバイスにおけるような、典型的には、4つのガイドシリンダの全てにわたって巻かれるワイヤを有する4つのガイドシリンダに対して、単に2つのガイドシリンダ321、322(図3A)を使用することによるなど、ガイドシリンダ321、322の取付け、位置合せおよび構造的な構成を、著しく簡素化することができる。第2に、2つのガイドシリンダ321、322システムの慣性が、2つ以上のワイヤガイドを含むシステムから著しく減少され、このことが、ワイヤの寿命(例えば、ワイヤをワイヤソーイングプロセスから取り外す必要があるまでの時間)を増加させることが判明してきた、往復のワイヤ運動の使用を可能にし、したがってチャンバ保守の停止時間を減少することができる。一実施形態において、ワイヤガイドシリンダ321、322の慣性は、炭素充填強化ポリマーまたは他の種類の複合材料など、低質量密度材料を使用することによって、望ましく減少される。第3に、一度に単に単一のインゴットが処理されるので、ワイヤガイド321、322間のワイヤ(複数可)の層のスパンまたは間隙307(図3A)を減少することが可能であることにより、2つのガイドシリンダワイヤソーイングシステム内で、ウエハソーイングプロセス中に、ワイヤの平行度、ワイヤのピッチ(例えば、ワイヤ間の間隔)、およびワイヤの曲がりのばらつきを著しく減少する。ワイヤの平行度、ワイヤのピッチおよびワイヤの曲がりのばらつきが減少することによって、ワイヤソーイングプロセスの全厚のばらつき(TTV)を改善し、したがってソーイングプロセス歩留りを改善し、かつ/またはより薄いウエハを確実に形成することが可能となる。より薄く鋸で切ったウエハは、次世代の太陽電池および半導体デバイスを形成するのに有用である。
【0025】
したがって、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、インゴット長は、310mmから370mm、例えば330mmから350mmであってもよい。これによって、鋸で切る速度、ウエハの数、歩留りおよびソーイングデバイスの複雑さの間で有利な折り合いを実現し、CoOを改善することができる。
【0026】
一実施形態において、取付け板376などの一時的な支持体を用いて、単一のインゴット317が支持テーブル312上に取り付けられる(図3Aおよび図4)。この支持テーブル312は、アクチュエータアセンブリ310の使用によって、Z方向に、垂直に動かすことができ、アクチュエータアセンブリ310は、カラム311およびモータ315を含むことができ、モータ315は、ソーイングプロセス中にインゴット317をワイヤ(複数可)323の単一の層319に対して付勢するようになされる。
【0027】
ワイヤガイドシリンダ321、322の周囲は、溝333が彫られ(図5)、溝333は、ワイヤの層319の隣接するワイヤ間のピッチ、したがって鋸で切られるスライスの厚さを画定する。これらの鋸で切られるスライスは、スロットまたはソーイング間隙317Aによりお互いから分離される(図3B)。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、溝は、160μmなど、例えば140μmから170μmといった、170μm以下のウエハ厚さをもたらすように構成される。これにより、1回の切断で製造されるウエハの数を増加することにより、所有コストをさらに減少させることができる。したがって、同様に、方法の実施形態は、160μmなど、例えば140μmから170μmといった、170μm以下のウエハを鋸で切ることを含むことができる。
【0028】
ワイヤ323は伸ばされ、往復運動する、または連続して単一方向に運動するように、ワイヤガイドシリンダ321、322によって案内され、かつ張力を加えられる。このワイヤ323は、堅い材料の、または、シリコン、セラミック、III−V族およびII−VI族の元素の化合物、GGG(ガドリニウムガリウムガーネット)、サファイアなど、より特定の組成物のインゴットを、厚さが望ましくは約300μm以下、または好ましくは次世代基板用に180μm以下のスライスに鋸で切るように、0.1と0.2mmの間に含まれる直径を有するばね鋼を含むことができる。研磨剤は、一般的に、ダイアモンド、炭化ケイ素、アルミナ、またはインゴットソーイングプロセスを改善するために使用される他の有用な材料など、市販品である。研磨剤は、ワイヤ323に固定されて良く、または研磨剤粒子の搬送体として働く、スラリなど、液体(例えばPEG)中の懸濁内にある束縛されない形であってもよい。ワイヤソーイングチャンバ300の停止時間を減少させるために、いくつかの実施形態において、供給ボビン326上に配設されるほぼ完全に使用されたワイヤ323の端部に新規のワイヤを溶接または接合すること、したがってワイヤソーイングチャンバが、使用されたワイヤ323を交換するために停止されることなく、インゴット317を処理し続けることが可能になることが望ましい。
【0029】
ワイヤソーイングチャンバ300には、典型的には、ソーイングの最中に、部分的または完全に鋸で切られたスライス317B(例えば、未形成の基板)をお互いに実質的に平行に保持するように配置される保持デバイス377がもうけられ、そのため、ソーイング間隙317Aの幅は、スライスのソーイング中に、実質的に一定に維持される。
【0030】
図3Cは、インゴット位置決めシステム340を含む、アクチュエータアセンブリ310を有するワイヤソーイングチャンバ300の側面図である。インゴット位置決めシステム340は、一般的に、レール341、およびそれぞれがレール341に沿って別個に移動して、アーム343、支持テーブル312およびインゴット317がワイヤ(複数可)323の層319に対して移動させるよう構成される、1つまたは複数のリニアモータ342(2つが示される)を含む。この構成において、リニアモータ342のお互いに対するおよびレール341に対する相対運動を使用して、インゴット317をZ方向に移動させ、また、ワイヤ323の層319に対してインゴット317に傾きをもうけることができる。ソーイングプロセスの最初のステージ中に、ワイヤ(複数可)323に対するインゴット317の角度またはインゴット317の傾きを変えることができることは、スロット317Aをインゴット317にわたって均一に形成することを可能にし、ワイヤガイド321、322上に形成される溝333から外にワイヤが出る、かつ/または破損することを引き起こす場合がある、インゴットの全表面をワイヤ(複数可)323に対し一度に付勢することに対して重要であり得る。
【0031】
図3Dは、インゴット位置決めシステム350を含む、アクチュエータアセンブリ310を有するワイヤソーイングチャンバ300の側面図である。インゴット位置決めシステム350は、一般的に、ベースプレート313、支持テーブル312、および2本バーリンケージのそれぞれを別個に移動させるように構成される1つまたは複数のアクチュエータ352に結合されるバー353の2つの「2本バーリンケージ」を含む。処理中に、アクチュエータ352は、支持テーブル312およびインゴット317をワイヤ(複数可)323の層319に対して移動させるように構成される。この構成において、各アクチュエータ352により印加される運動に起因する2本バーリンケージの相対的な運動を使用して、インゴット317をZ方向に移動し、また、ワイヤ(複数可)323の層319に対してインゴット317に傾きを設定することができるが、このことは上で議論したように重要であり得る。
【0032】
図4は、自動化スラリ供給システム380を有するワイヤソーイングチャンバ300の側面図である。自動化スラリ供給システム380は、一般的に、スラリ補充源381、スラリフィードタンク382、スラリをワイヤ323および/またはインゴット317に供給するように構成されるスラリ供給ライン390、391、スラリ戻りタンク383、スラリ熱交換デバイス384(例えば、流体タイプ熱交換器)およびスラリ戻りタンク383からスラリフィードタンク382にバルブ389を介して研磨材含有スラリを移動させるスラリポンプ386を含む。一実施形態において、スラリフィードタンク382は、スラリ「S」を撹拌するよう構成される撹拌機構385を含む。ウエハソーイングシステム100、200の一構成において、スラリ供給システム380は、所望の量のスラリを、ワイヤソーイングチャンバ300のそれぞれの中の鋸で切られるインゴット317に供給するように構成される中央システムである。ウエハソーイングシステム100、200の別の構成において、別個のスラリ供給システム380が各ワイヤソーイングチャンバ300に配設され、ソーイングプロセス中に、インゴット317へのスラリ供給の個別制御を可能にする。
【0033】
上で簡単に議論したように、ワイヤソーイングチャンバ300の一実施形態において、流体供給システム375は、DI水、冷却剤、またはガスなどの流体を取付け板376内に形成されるチャンネル(図示せず)に供給し、ウエハソーイングプロセスが完了した後、スライス(または基板)を処理またはリンスする間にインゴット317を冷却するよう構成される。
【0034】
図5は、ワイヤソーイングチャンバ300上で実施される保守作業中に、迅速に交換されるように構成される、ワイヤガイド321、322の側面図である。一実施形態において、ワイヤガイドを含むアセンブリは、ワイヤガイド321、322、ワイヤガイド321、322上に形成される軸受表面503と対合する軸受502、ワイヤガイド321、322上に形成される軸受表面504と対合する軸受504を含む。ワイヤガイド321、322のいずれかの端部上に使用される軸受の位置、形状、および種類に起因して、ワイヤガイドが磨耗したとき、ワイヤガイドを迅速に交換することができる。
【0035】
したがって、本開示の態様によれば、本明細書に開示のウエハソーイングシステムは、ウエハを切断するためのワイヤソーの円筒形ワイヤガイドに連結するためのクランプアセンブリを含むことができる。クランプアセンブリは、シャフトが回転軸を有するワイヤソーのシャフトに連結するようになされるシャフト側コネクタを含むことができる。シャフト側コネクタは、軸に直角でワイヤガイドの相補的なコネクタの相補的な外側表面に当接するようになされる外側表面、および外側表面と軸の間の円錐表面を含み、円錐表面は、軸の周りに対称的に配設され、ワイヤガイドの相補的な表面に当接するようになされる。
【0036】
円筒形ワイヤガイドをワイヤソーのシャフトに連結するためのクランプアセンブリは、軸に直角でシャフトの相補的なコネクタの相補的な外側表面に当接するようになされる外側表面、および外側表面と軸の間の円錐表面を含み、円錐表面は、軸の周りに対称的に配設され、相補的なコネクタの相補的な表面に当接するようになされることも可能である。ワイヤソーは、ウエハを切断するようになされる。シャフトは、回転軸を有する。
【0037】
実施形態によれば、クランプアセンブリの外側表面は平坦である。追加または代替として、実施形態によれば、クランプアセンブリの外側表面は、円錐表面に隣接する。クランプアセンブリの外側表面は、円環状に形作られてもよい。
【0038】
外側表面の一部が、軸からシャフト側コネクタの径方向外側端面に、径方向距離の少なくとも約65%、70%、75%または80%の距離に位置することが可能である。外側表面は、円環状に形作られてもよく、外側表面が任意選択で1、2、3、または4個のセクションを含むことが可能である。
【0039】
シャフト側コネクタの円錐表面は、変形可能材料を含むことができる。一般的に、任意の実施形態に限定するものではないが、円錐表面は、1、2、3、または4個の円錐セクションを含むことができる。
【0040】
実施形態によれば、クランプアセンブリのシャフト側コネクタは中空である。シャフト側コネクタは、雌型であってもよい。クランプアセンブリは、シャフト側コネクタに連結されるシャフトを含むことができる。
【0041】
クランプアセンブリは、典型的には、油圧システム、空気圧システム、ネジ、およびこれらの組合せから選択される保持機構を含むことができる。
【0042】
実施形態によれば、クランプアセンブリの円錐表面は、ワイヤガイドに取り付けることができる。外側表面は、円錐表面に隣接してもよい。
【0043】
円筒形ワイヤガイドは、炭素繊維強化ポリマーセクションを含むことができる。
【0044】
図6Aおよび図6Bは、上で議論した、ウエハソーイングシステム100、200内で使用することができるワイヤソーイングチャンバ300の側面図である。図6A〜図6Bを参照すると、ワイヤソーイングチャンバ300は、一般的に、フレーム601、フレーム601上に取り付けられるワイヤガイドシリンダ321および322、供給ボビン326、受取りボビン327、インゴット支持要素611ならびに上で議論した他のチャンバおよびスラリ構成要素を含む。この構成では、インゴット支持要素611は、インゴット317がワイヤ319の層に対して付勢されるときに、インゴット317を案内し支持するように構成される(図3A)。
【0045】
図7Aおよび図7Bは、上で議論した、ウエハソーイングシステム100および200などのウエハソーイングシステム内で使用することができるワイヤソーイングチャンバ300の側面図である。図7A〜図7Bを参照すると、ワイヤソーイングチャンバ300は、一般的に、フレーム601、フレーム601上に取り付けられるワイヤガイドシリンダ321および322、供給ボビン326、受取りボビン327、インゴット位置システム350ならびに上で議論した他のチャンバおよびスラリ構成要素を含む。この構成では、インゴット位置システム350は、図3Dに関連して上で議論したが、インゴット317がワイヤ319の層に対して付勢されるときに、インゴット317を案内し支持するように構成される(図3D)。一構成では、スラリフィードタンク382は、インゴット位置システム350を覆ってまたはインゴット位置システム350の上に配設される。
【0046】
上記が本発明の実施形態を対象とする一方で、本発明の他のさらなる実施形態を、本発明の基本範囲から逸脱することなく考案することができ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲により決定される。
【符号の説明】
【0047】
100、200 ウエハソーイングシステム
102 入力モジュール
103、104、105、106、107、108 処理位置
110、210 出力モジュール
120 中央ロボット
121、122 エンドエフェクタ
125 中央移送チャンバ
128 システムコントローラ
202 入力モジュール
203、204、205、206、212、213、214、215 処理位置
209 洗浄ステーション
220 線形ロボット
221 レール
225 移送チャンバ
300 ワイヤソーイングチャンバ
305 フレーム
307 間隙
310 アクチュエータアセンブリ
311 カラム
312 支持テーブル
313 ベースプレート
314 長さ
315 モータ
317 インゴット
317A ソーイング間隙
317B スライス
318 ソーイング領域
319 層
321、322 ワイヤガイドシリンダ
323 ワイヤ
326 供給ボビン
327 受取りボビン
328 ドライバモータ
329 軸受
333 溝
340、350 インゴット位置決めシステム
341 レール
342 リニアモータ
343 アーム
352 アクチュエータ
353 バー
375 流体供給システム
376 取付け板
380 自動化スラリ供給システム
381 スラリ補充源
382 スラリフィードタンク
383 スラリ戻りタンク
384 スラリ熱交換デバイス
385 撹拌機構
386 スラリポンプ
389 バルブ
390、391 スラリ供給ライン
502 軸受
503、504 軸受表面
601 フレーム
611 インゴット支持要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インゴット入力モジュールと、
インゴット出力モジュールと、
2つ以上のワイヤソーイングチャンバであって、それぞれが、2つのワイヤガイドシリンダを備えるワイヤソーイングチャンバと、
前記ワイヤガイドシリンダの両方にわたって配設される少なくとも1つのワイヤと、
単一のインゴットを受け取るように構成される支持テーブルと、
前記支持テーブル上に配設される前記単一のインゴットを前記少なくとも1つのワイヤに対して付勢するように構成されるインゴット位置決めシステムと、
前記単一のインゴットを前記インゴット入力モジュール、前記2つ以上のワイヤソーイングチャンバのうちの少なくとも1つ、および前記インゴット出力チャンバの間で移送するように構成されるロボットと
を備えるウエハソーイングシステム。
【請求項2】
前記インゴット入力モジュール、インゴット出力モジュールおよび前記2つ以上のワイヤソーイングチャンバが移送チャンバに移送可能に結合される、請求項1に記載のウエハソーイングシステム。
【請求項3】
前記ロボットが前記移送チャンバに結合される、請求項2に記載のウエハソーイングシステム。
【請求項4】
リンスステーションをさらに備える、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のウエハソーイングシステム。
【請求項5】
前記2つのワイヤガイドシリンダの長さが310mmから370mmである、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のウエハソーイングシステム。
【請求項6】
前記2つ以上のソーイングチャンバが一度に1つのインゴットを鋸で切るよう構成される、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のウエハソーイングシステム。
【請求項7】
前記2つ以上のソーイングチャンバが一度に310mmから370mmの長さの負荷を備える1つのインゴットを鋸で切るよう構成される、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のウエハソーイングシステム。
【請求項8】
ウエハを切断するためのワイヤソーの円筒形ワイヤガイドに連結するためのクランプアセンブリをさらに備え、前記クランプアセンブリが、
ワイヤソーのシャフトに連結するようになされ、前記シャフトが回転軸を有する、シャフト側コネクタを備え、
前記シャフト側コネクタが、
前記軸に直角であり、前記ワイヤガイドの相補的なコネクタの相補的な外側表面に当接するようになされる外側表面、および
前記外側表面と前記軸の間の円錐表面であって、前記軸の周りに対称的に配設され、前記ワイヤガイドの相補的な表面に当接するようになされる円錐表面を含む、
請求項1ないし7のいずれか一項に記載のウエハソーイングシステム。
【請求項9】
ワイヤソーのシャフトに円筒形ワイヤガイドを連結するためのクランプアセンブリをさらに備え、前記ワイヤソーがウエハを切断するようになされ、前記シャフトが回転軸を有し、前記クランプアセンブリが、
前記軸に直角で前記シャフトの相補的なコネクタの相補的な外側表面に当接するようになされる外側表面と、前記外側表面と前記軸の間の円錐表面とを備え、前記円錐表面が、前記軸の周りに対称的に配設され、かつ前記相補的なコネクタの相補的な表面に当接するようになされる、
請求項1ないし7のいずれか一項に記載のウエハソーイングシステム。
【請求項10】
入力モジュールから、移送チャンバの移送領域に対して配置される複数のワイヤソーイングチャンバのうちの1つに単一のインゴットを移送するステップと、
前記ワイヤソーイングチャンバ内で前記単一のインゴットを鋸で切るステップであって、前記単一のインゴットを鋸で切るステップが、前記移送チャンバ内に配設されるロボットから前記単一のインゴットを受け取るステップ、
前記単一のインゴットを2つのワイヤガイドにわたって配設されるワイヤの層に対して付勢するステップ、および
前記ワイヤの層を前記単一のインゴットに対して動かすステップを含むステップと、
前記鋸で切られたインゴットを前記ワイヤソーイングチャンバから出力モジュールに移送するステップと
を含む、ウエハソーイングシステム内でインゴットを鋸で切る方法。
【請求項11】
前記ワイヤの層を動かすステップが、前記ワイヤの層を往復運動で動かすステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記層を動かす前記ステップが、少なくとも400μm/分または800μm/分の速度で実行される、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記鋸で切るステップが、20m/秒以上のワイヤ速度で実行される、請求項10ないし12のいずれか一項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2013−86262(P2013−86262A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−232860(P2012−232860)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【出願人】(512272292)
【Fターム(参考)】