説明

新規のシクロアルキル[b]縮合インドール

本発明は、ヒトパピローマウイルスの治療に有用な式(I)の化合物、ならびに上記化合物の製造および使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトパピローマウイルス感染の治療に有用な新規の化合物、ならびに前記化合物の製造および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、多くの状態および疾病に関与する小さい非エンベロープ型DNAウイルスである。たとえば、HPVはさまざまな種類の良性および前癌状態の腫瘍を引き起こす。
【0003】
HPVは直接接触により感染する。HPVは2つのカテゴリー、すなわち、皮膚型および粘膜型に大別される。皮膚型HPVは手および足に尋常性、足底、毛様、または扁平いぼなどのいぼを引き起こす。粘膜型HPV型は肛門性器領域および口腔に感染する。現在までにおよそ100の異なる型のHPVが解析されている。およそ40のHPV型が生殖器および口腔の粘膜に特異的に感染する。
【0004】
粘膜型HPVは性的接触により最も頻繁に感染し、その頻度は単純ヘルペスウイルス感染のおよそ2倍になる。HPVは世界中で最も一般的な性感染症(STD)の一つであると見なされている。
【0005】
ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染は症状を引き起こさない場合があり、常に目に見える生殖器いぼを作るわけではない。実際に症状が発生する場合には、それらは通常ウイルス感染の2〜3か月後に生じる。けれども、症状は感染してから3週間から何年も後に発生することが知られている。このように、HPVは気づかずに拡散する可能性がある。
【0006】
肛門生殖器の疾病に関与している25以上のHPV型は、低リスク型または高リスク型のいずれかに大別される。HPV-6およびHPV-11などの低リスク型HPVは、生殖器いぼ(尖圭コンジローマ)の病因である。HPV-16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、および68などの高リスク型HPVは目に見える生殖器いぼを作らない場合がある。一方、高リスク型のウイルス型はDNA試験により同定することができる。HPV-16およびHPV-18などの高リスク型HPVは、Papスクリーニング試験により発見することができ、頸部細胞の前癌性の変化、子宮頸部形成異常、および子宮頸癌に関連している可能性がある。実際、HPV-16、18、31、33、および35などの高リスク型のHPV型は、頸部の前癌性の変化および癌化に強く関与している。ほとんどの子宮頸癌(約90%)は、これらの高リスク型の一つを含む。高リスク型HPVの感染は、未治療の感染の5〜10%の範囲で生涯に渡る浸潤性癌のリスクを作り出す。
【0007】
子宮頸癌に加えて、高リスク型HPVは多くの肛門および肛門周囲癌に関与している。
【0008】
最近の生殖器いぼおよび子宮頸部形成異常の治療には、凍結療法、電気外科、および外科的切除などの物理的除去が含まれる。現在は、HPV感染に対して有効な抗ウイルス治療は存在しない。
【発明の開示】
【0009】
本発明は、式(I):
【化1】

【0010】
[式中、
nは、0、1、または2であり;
Rは、水素またはアルキルであり;
Xは、NR2、O、またはS(O)mであり;
それぞれのR1は同一であるか、または異なっており、独立して、水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、またはアジドからなる群より選択され;
Yは、場合により置換されたアルキレン、場合により置換されたシクロアルキレン、場合により置換されたアルケニレン、場合により置換されたシクロアルケニレン、または場合により置換されたアルキニレンであり;
dは、0または1であり;
Zは、-R2、-OR2、-C(O)R2、-C(O)2R2、-S(O)mR2、-C(O)NR2R3、-Het、または-Ayであり、ただし、dが0である場合、Zは-HetまたはAyではなく;
それぞれのmは、独立して、0、1または2であり;
それぞれのR10は同一であるか、または異なっており、独立して、アルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、およびアルキニレンから選択され;
pは、0、1、2、3、または4から選択され;
それぞれのR2およびR3は、同一であるか、または異なっており、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w、および-R10NR5R6からなる群より選択され;
wは、1〜10であり;
それぞれのR5およびR6は、同一であるか、または異なっており、独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、およびアルキニルからなる群より選択され;
Ayは、場合により置換されたアリール基を表し;
Hetは、場合により置換された5-または6-員複素環基またはヘテロアリール基を表す]
の化合物を投与することを含む、またはそれらの製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体の投与を含む、HPV感染を原因とする状態または障害の治療または予防の方法を含む。
【0011】
一つの実施形態では、dが1である場合、好ましくは、Yは、場合により置換されたアルキレン、すなわち場合によりアルキル、ジアルキル、またはアリールにより置換されたアルキレンである。より好ましくは、Yは、メチル、ジメチル、または場合により置換されたフェニルにより置換されたメチレンである。
【0012】
別の実施形態では、dが1である場合、好ましくは、Yは、場合により置換されたシクロアルキレンである。より好ましくは、Yはインダンである。
【0013】
好ましくは、Ayが置換アリールである場合、上記アリールはアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、アルキルアミン、ニトロ、またはシアノにより置換されている。
【0014】
好ましくは、pが1である場合、R1はハロゲンである。より好ましくは、R1は臭素または塩素である。
【0015】
好ましくは、nは1である。
【0016】
好ましくは、Xは-NHである。
【0017】
好ましくは、Zは-Ayである。より好ましくは、-Ayはフェニルである。
【0018】
一つの実施形態では、pは1であり、R1はハロゲンであり、nは1であり、XはNHであり、(Y)dは置換アルキレンであり、Zはアリールである。より好ましくは、R1は臭素または塩素であって、図示されたN原子に対してパラ置換されており、上記アルキレンはアルキルにより置換されており、上記アリールはフェニルである。より好ましくは、アルキルはメチルである。
【0019】
一つの実施形態では、pは1であり、R1はハロゲンであり、nは1であり、XはNHであり、(Y)dはシクロアルキレンであり、ZはR2である。より好ましくは、R1は臭素または塩素であって、図示されたN原子に対してパラ置換されており、R2は水素であり、(Y)dはインダンである。
【0020】
本発明の好ましい化合物には下記のものが含まれる:
N-ベンジル-2,3,4,9-テトラヒドロカルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(4-メトキシベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-[(1R)-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-シクロヘキシル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-プロピル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2-メトキシエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(2R)-2-フェニル-2-(2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルアミノ)エタノール塩酸塩
N-[(1S)-1-メチル-3-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(1-メチル-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-9-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(2R)-2-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-ニトロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ニトロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
(3S)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(4-フルオロベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンズヒドリル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)-N-イソプロピル尿素
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルカルバミン酸メチル
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アセトアミド
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)シクロヘキサンカルボキシアミド
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)メタンスルホンアミド
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)尿素;および
N-ベンジル-8-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩。
【0021】
本発明のより好ましい化合物には、下記のものが含まれる:
N-ベンジル-2,3,4,9-テトラヒドロカルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(4-メトキシベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-[(1S)-1-メチル-3-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(1-メチル-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(2R)-2-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ニトロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(4-フルオロベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンズヒドリル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)-N-イソプロピル尿素
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルカルバミン酸メチル
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)シクロヘキサンカルボキシアミド
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)メタンスルホンアミド;および
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)尿素。
【0022】
さらに好ましい化合物には、次のものが含まれる:
N-(4-メトキシベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(1-メチル-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(2R)-2-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ニトロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
N-ベンジル-2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(4-フルオロベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンズヒドリル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)-N-イソプロピル尿素
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルカルバミン酸メチル
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)シクロヘキサンカルボキシアミド;および
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)メタンスルホンアミド。
【0023】
本発明の一つの実施形態は、さらに、
【化2】

【0024】
[式中、
R6は、H、アルキル、-OR2、-NR2R3、Ay、Het、-C(O)R2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)mR2、またはオキソであり、そこにおいて、R2、R3、m、Ay、およびHetは上で定義した通りであり;
R7は、Hまたはアルキルであり;
但し、R6およびR7は両方Hであることはない]
ならびにその塩、溶媒和物および薬理的機能を有する誘導体を包む。
【0025】
本発明の一つの態様は、
【化3】

【0026】
から選択される化合物を含む。
【0027】
本発明の一つの態様は、本発明の化合物および製薬上許容される担体を含む医薬組成物を含む。
【0028】
本発明の一つの態様は、活性な治療用物質として使用するための本発明の化合物を含む。
【0029】
本発明の一つの態様は、アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスなどのレトロウイルス(以前はパポーバウイルスファミリーに属するものとされた)を含む腫瘍ウイルスにより引き起こされる疾病および状態の治療または予防に使用するための本発明の化合物を含む。
【0030】
本発明の一つの態様は、HPV感染を原因とする状態または障害の治療または予防に使用するための本発明の化合物を含む。特に、上記の状態または疾病は、いぼ、生殖器いぼ、子宮頸部形成異常、再発性呼吸器乳頭腫症、またはパピローマウイルス感染に伴う癌である。より特定的には、上記癌は、肛門性器癌、頭部もしくは頸部癌、または皮膚癌である。より特定的には、上記肛門性器癌は、子宮頸癌、肛門もしくは肛門周囲癌、外陰癌、膣癌、または陰茎癌であり;頭部もしくは頸部癌は、口腔咽頭領域または食道癌であり;皮膚癌は、基底細胞癌または扁平上皮癌である。
【0031】
また、本発明の別の態様は、本発明の化合物を、アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスなどのパポーバウイルスファミリーに属するウイルスを含む腫瘍ウイルスの治療または予防に使用するための医薬品の製造に使用することを含む。
【0032】
本発明の一つの態様は、本発明の化合物を、HPV感染を原因とする状態または障害の治療または予防に使用するための医薬品の製造に使用することを含む。特に、本発明は、いぼ、生殖器いぼ、子宮頸部形成異常、再発性呼吸器乳頭腫症、またはパピローマウイルス感染に伴う癌の治療および/または予防に関する有用性を含む。
【0033】
本発明の一つの態様は、本発明の化合物の投与を含む、アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスなどのパポーバウイルスファミリーに属するウイルスを含む腫瘍ウイルスの治療または予防の方法を含む。
【0034】
本発明の一つの態様は、本発明の化合物の投与を含む、HPV感染を原因とする状態または障害の治療または予防の方法を含む。特に、上記の状態または障害は、いぼ、生殖器いぼ、子宮頸部形成異常、再発性呼吸器乳頭腫症、またはパピローマウイルス感染に伴う癌である。
【0035】
本明細書に記載されるとおり、pは0、1、2、3、4、または5であると定義される。ここで、当業者に理解されるように、pの値は、記載された環の置換可能な位置の数を超えてはならない。さらに、nは0、1、または2であると定義される。明確にするために述べると、nが0である場合には、5員環を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
用語はそれらの一般に認められた意味で使用する。下記の定義は、定義された用語を明確にするためのものであり、限定を目的とするものではない。
【0037】
本明細書において、「アルキル」という用語は、好ましくは1〜12個の炭素原子を有し、場合により、本発明の範囲内に含まれる多置換度で置換されていてもよい、直鎖または分枝鎖炭化水素を指す。本明細書で使用される「アルキル」の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、n-ペンチル、およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書全体を通して、好ましい原子の数、たとえば炭素原子の数は、たとえば、「Cx〜Cyアルキル」のように表し、これは特定された数の炭素原子を含有する、本明細書に定義された通りのアルキル基を指す。他の好ましい用語および範囲も同様の術語を使用する。
【0039】
本明細書において、「アルケニル」という用語は、場合により、本発明の範囲内に含まれる多置換度で置換されていてもよい、1個以上の炭素-炭素二重結合を含有する直鎖または分枝鎖脂肪族炭化水素を指す。例としては、ビニル、アリル等およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
本明細書において、「アルキニル」という用語は、場合により、本発明の範囲内に含まれる多置換度で置換されていてもよい、1個以上の炭素-炭素三重結合を含有する直鎖または分枝鎖脂肪族炭化水素を指す。例としては、エチニル等およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
本明細書において、「アルキレン」という用語は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素基を指す。本明細書において定義されるアルキレン基は、場合により、本発明の範囲内に含まれる多置換度で置換されていてもよい。本明細書において使用される「アルキレン」の例には、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレン、およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書において、「アルケニレン」という用語は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、場合により、本発明の範囲内に含まれる多置換度で置換されていてもよい、1個以上の炭素-炭素二重結合を含有する、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素基を指す。例としては、ビニレン、アリレンまたは2-プロペニレン等およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書において、「アルキニレン」という用語は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、場合により、本発明の範囲内に含まれる多置換度で置換されていてもよい、1個以上の炭素-炭素三重結合を含有する、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素基を指す。例としては、エチニレン等およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書において、「シクロアルキル」という用語は、場合により置換された非芳香族環状炭化水素を指し、これは、場合により、シクロアルキルと本発明の範囲内に含まれる多置換度の置換とを連結するアルキレン結合を含む。「シクロアルキル」基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において、「シクロアルキル」という用語には、最大数よりも少ない非集積二重結合を有する、場合により置換された、縮合多環式炭化水素の飽和環または芳香族環系、すなわち、多環式炭化水素が含まれる。たとえば、飽和炭化水素環(たとえば、シクロペンチル環)が芳香族環(本明細書においては、ベンゼン環などの「アリール」)と縮合して、たとえば、インダンなどの基を形成する。
【0045】
本明細書において、「シクロアルケニル」という用語は、場合により置換された、1個以上の炭素-炭素二重結合を含有する非芳香族環状炭化水素を指し、これは、場合により、該シクロアルケニルがそれを介して連結するアルキレン結合を含み、本発明の範囲内に含まれる多置換度の置換を有する。「シクロアルケニル」基の例には、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
本明細書において、「シクロアルキレン」という用語は、場合により、本発明の範囲に含まれる多置換度で置換された、二価の非芳香族環状炭化水素を指す。「シクロアルキレン」基の例には、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、および上で「シクロアルキル」に関して定義した通りの縮合系、ならびにそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
本明細書において、「シクロアルケニレン」という用語は、場合により、本発明の範囲内に含まれる多置換度で置換された、1個以上の炭素-炭素二重結合を含有する二価の非芳香族環状炭化水素を指す。「シクロアルケニレン」基の例には、シクロプロペニレン、シクロブテニレン、シクロペンテニレン、シクロヘキセニレン、シクロヘプテニレン、およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書において、「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、場合により置換された、1以上の不飽和度を有し、また1個以上のヘテロ原子を含有する単環系または多環系を指す。好ましいヘテロ原子には、N、O、および/またはS、ならびにN-オキシド、イオウオキシド、およびジオキシドが含まれる。好ましくは、環は3〜12員で、完全に飽和しているか1以上の不飽和度を有するかのいずれかである。本発明の定義の範囲内で多置換度の置換が含まれる。上記の環は、場合により、1個以上の他の「複素環」またはシクロアルキル環と縮合していてもよい。「複素環」基の例には、テトラヒドロフラン、ピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、テトラヒドロチオピラン、およびテトラヒドロチオフェンが含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
本明細書において、「アリール」という用語は、場合により置換されたベンゼン環、または場合により置換された縮合ベンゼン環系、たとえば、アントラセン、フェナントレン、またはナフタレン環系を指す。本発明の定義の範囲内で多置換度の置換が含まれる。「アリール」基の例には、フェニル、2-ナフチル、1-ナフチル、およびそれらの置換された誘導体が含まれる。
【0050】
本明細書において、「ヘテロアリール」という用語は、場合により置換された、単環の5〜7員芳香族環、または場合により置換された、2個の上記の芳香環を含む縮合二環系芳香環を指す。これらのヘテロアリール環は、1個以上の窒素、イオウ、および/または酸素原子を含有し、ここで、N-オキシド、イオウオキシド、およびジオキシドはヘテロ原子置換として認められる。本発明の定義の範囲内で多置換度の置換が含まれる。本明細書において用いられる「ヘテロアリール」基の例には、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、インダゾール、ベンズイミジゾール、イミダゾピリジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジン、およびそれらの置換型が含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
本明細書において、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
【0052】
本明細書において、「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1個のハロゲンにより置換された、本明細書において定義された通りのアルキル基を指す。本発明に有用な分枝鎖または直鎖「ハロアルキル」基の例には、独立して1個以上のハロゲン、たとえば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素により置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、およびt-ブチルが含まれるが、これらに限定されない。「ハロアルキル」という用語は、ペルフルオロアルキル基等のような置換基を含むものと解釈されるべきである。
【0053】
本明細書において、「アルコキシ」という用語は、-ORa [式中、Raは上で定義された通りのアルキルである]を指す。
【0054】
本明細書において、「アルコキシカルボニル」という用語は、式
【化4】

【0055】
[式中、Raは本明細書に定義された通りのアルキル基を表す]
のような基を指す。
【0056】
本明細書において、「アリールオキシカルボニル」という用語は、式
【化5】

【0057】
[式中、Ayは本明細書に定義された通りのアリール基を表す]
のような基を指す。
【0058】
本明細書において、「ヘテロアリールオキシカルボニル」という用語は、式
【化6】

【0059】
[式中、Hetは本明細書に定義された通りのヘテロアリール基を表す]
のような基を指す。
【0060】
本明細書において、「ニトロ」という用語は、-NO2基を指す。
【0061】
本明細書において、「シアノ」という用語は、-CN基を指す。
【0062】
本明細書において、「アジド」という用語は、-N3基を指す。
【0063】
本明細書において、「アシル」という用語は、RbC(O)-基[式中、Rbは、本明細書に定義された通りのアルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環である]を指す。
【0064】
本明細書において、「オキソ」という用語は、=O基を指す。
【0065】
また、本明細書全体を通して使用される、「場合により置換された」という語句またはそれに類した表現は、1個以上の置換基による、多置換度の置換を含む、場合による置換を示す。上記の語句は、本明細書に記載および図示された置換の同義語であると解釈されるべきではない。場合による置換基の例には、アシル;アルキル;アルケニル;アルキニル;アルキルスルホニル;アルコキシ;アルコキシカルボニル;シアノ;ハロゲン;ハロアルキル;ヒドロキシ;ニトロ;アリール(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);ヘテロアリール(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);アリールスルホニル(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);ヘテロアリールスルホニル(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);アリールオキシ(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);ヘテロアリールオキシ(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);アリールオキシカルボニル(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);ヘテロアリールオキシカルボニル(さらに、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよい);または-N(R*)2(R*は、存在する場合には、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、複素環、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、またはヘテロアリールスルホニルから選択され、ここで、上記アリールまたはヘテロアリールは、存在する場合には、1個以上のアシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換されていてもよく、または2個のR*が結合して、場合により別のヘテロ原子を含み、場合により1以上の不飽和度を有し、また場合によりさらにアシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、またはニトロにより置換された、環を形成してもよい)が含まれる。
【0066】
式(I)の化合物は、多形性として知られる特性である、1つ以上の形で結晶化する可能性があり、このような多形性の形(「多形」)は、式(I)の範囲に含まれる。多形性は一般的に温度、圧力、またはその両方の変化に対する反応として生じ得る。多形性はまた、結晶化の方法の違いからも生じ得る。多形は、X線回折パターン、溶解度、および融点などの当業者に公知のさまざまな物理的特性により識別することができる。
【0067】
本明細書に記載された化合物のあるものは、1個以上のキラル中心を有し、またはそれ以外の複数の立体異性体として存在する可能性がある。本発明の範囲には、立体異性体の混合物、ならびに精製されたエナンチオマーまたはエナンチオマー/ジアステレオマーが濃縮された混合物が含まれる。また、本発明の混合物には、式(I)により表される化合物の個々の異性体、ならびにそれらの完全にまたは部分的に平衡化された混合物が含まれる。本発明はまた、上記の式により表される化合物の個々の異性体を、その1個以上のキラル中心が反転した異性体との混合物として含む。
【0068】
典型的には、絶対的ではないが、本発明の塩は製薬上許容される塩である。「製薬上許容される塩」という用語に包含される塩とは、本発明の化合物の毒性のない塩を指す。本発明の化合物の塩は酸付加塩を含む。
【0069】
代表的な製薬上許容される塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、エデト酸カルシウム塩、カルシン酸塩、炭酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エジシレート、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリラルサニレート、ヘキシルレソルシネート、ヒドラバミン塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸一カリウム塩、ムチン酸塩、ナプシレート、硝酸塩、N-メチルグルカミン塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイド塩、トリメチルアンモニウム塩、および吉草酸塩が含まれるが、これらに限定されるものと考えるべきではない。製薬上許容されない他の塩は、本発明の化合物の調製に有用である場合があり、これらは本発明の別の態様を構成すると考えるべきである。
【0070】
本明細書において、「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明においては、式Iの化合物、またはその塩もしくは生理的に機能性の誘導体)および溶媒により形成されたさまざまな化学量論の複合体を指す。本発明の目的のためには、上記の溶媒は、溶質の生物学的活性に干渉してはならない。好適な溶媒の非限定的な例には、水、メタノール、エタノール、および酢酸が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、使用される溶媒は製薬上許容される溶媒である。好適な製薬上許容される溶媒の非限定的な例には、水、エタノール、および酢酸が含まれる。使用される最も好ましい溶媒は水である。
【0071】
本明細書において、「生理的に機能性の誘導体」という用語は、哺乳類に投与された場合に、本発明の化合物またはその活性代謝物を与えることができる(直接的または間接的に)、本発明の化合物の製薬上許容される誘導体を指す。このような誘導体、たとえば、エステルおよびアミドは、多くの実験をしなくても当業者には明白である。「Burger の医化学および薬物の発見」(Burger’s Medicinal Chemistry And Drug Discovery)、第5版、第1巻、「原理と実践」の記載を参照されたい。この文献を生理的に機能性の誘導体に関する記載の範囲で参照により本明細書に組み入れる。
【0072】
本明細書において、「有効量」という用語は、組織、系、動物、またはヒトの、たとえば研究者または医師が求めている生物学的または医学的反応を引き出す薬物または医薬品の量を意味する。「治療上有効な量」という用語は、上記の量を与えられていない被験体と比べて、疾病、障害、もしくは副作用の治療、治癒、予防、もしくは緩和に改善した結果が得られる、または疾病もしくは障害の進行速度が減少するような量を意味する。この用語は、正常な生理機能を増大するのに有効な量をもその範囲内に含む。治療に使用する場合、治療上有効な量の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体を、加工していない化学物質として投与してもよい。また、活性成分を医薬組成物として提供してもよい。
【0073】
したがって、本発明はさらに、有効量の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体、ならびに1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体は、本明細書に記載した通りである。担体、希釈剤または賦形剤は製剤の他の成分と共存可能であり、また医薬組成物の受容者に害を及ぼさないという意味で、許容されるものでなければならない。
【0074】
本発明の別の態様によれば、式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体を、1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合することを含む医薬製剤の製造法が提供される。
【0075】
本発明の化合物の治療上有効な量は、多くのファクターに依存する。たとえば、受容者の種、年齢、および体重、治療を必要とする正確な状態およびその重篤度、製剤の性質、ならびに投与経路はすべて考慮すべきファクターである。治療上有効な量は、最終的には治療に当たる医師の判断によるが、問題を有するヒトを治療するための式(I)の化合物の有効量は、一般的に、1日あたり0.1〜100mg/受容者(哺乳類)の体重kgの範囲である。より普通には、上記有効量は、1日あたり1〜10mg/体重kgの範囲である。そこで、70kgの成熟した哺乳類に対する1日あたりの実際の量は、通常70〜700mgである。この量を1日1回の投与により与えてもよいし、1日あたりの総量が同じになるように数回(2、3、4、5、またはそれ以上)に分けて投与してもよい。有効量の塩、溶媒和物、または生理的に機能性の誘導体は、式(I)の化合物それ自体の有効量との比から決定される。同様の投与量が、本明細書に記載された他の状態の治療に好適である。
【0076】
医薬製剤は、単位用量あたりあらかじめ決定された量の活性成分を含有する単位用量剤形として提供することができる。上記の単位用量は、非限定的な例として、治療される状態、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および状態に応じて、0.5mg〜1mgの式(I)の化合物を含有し得る。好ましい単位用量剤形は、上記のような1日あたりの用量もしくはその分割量、またはそれらの何分の一かの活性成分を含有するものである。上記の医薬製剤は製薬の技術分野において公知の方法により調製することができる。
【0077】
医薬組成物はいかなる適切な経路、たとえば、経口(口腔または舌下を含む)、直腸、鼻内、局所(口腔、舌下または経皮を含む)、腟内、または非経口(皮下、筋内、静脈内または皮内)経路による投与に適合したものであってもよい。上記の製剤は製薬の技術分野において公知の方法、たとえば、活性成分を担体または賦形剤と混合することにより調製することができる。例として、本発明を限定する意図はないが、本発明の化合物が有用であると考えられている特定の状態および障害を考慮すると、特定の経路が他のものよりも好ましいと言える。HPV感染に伴うことが多い身体的な兆候に基づいて、直腸、局所、または腟内経路による投与が好ましい。一つの例として、子宮頸部形成異常の治療または予防には、好ましい経路は腟内経路である。
【0078】
経口投与に適合した医薬製剤は、カプセルもしくは錠剤などの不連続単位;粉末もしくは顆粒;それぞれ水性または非水性の液体を用いた溶液もしくはサスペンション;食用フォームもしくはホイップ;または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションとして提供することができる。たとえば、錠剤またはカプセルの剤形による経口投与用には、活性薬物成分を、エタノール、グリセロール、水等の経口用の、無毒の製薬上許容される不活性担体と混合する。一般的に、粉末は化合物を好適な微細なサイズまで粉砕し、たとえばデンプンまたはマンニトールなどの食用炭水化物のような適当な医薬担体と混合することにより調製される。
【0079】
カプセルは、粉末、液体、またはサスペンション混合物を調製し、ゼラチンまたは他の適切なシェル材料によりカプセル化することにより製造される。コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固体のポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤をカプセル化の前に混合物に加えることができる。また、カプセルが摂取された時の薬物のアベイラビリティーを改善するために、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を加えることもできる。さらに、所望または必要に応じて、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤を混合物に組み入れることもできる。好適な結合剤の例には、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはβ-ラクトースのような天然糖、トウモロコシ甘味料、アラビアゴム、トラガカント、またはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ロウ等が含まれる。これらの剤形に有用な滑沢剤には、たとえば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が含まれる。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等が含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
錠剤は、たとえば、粉末混合物を調製し、顆粒化またはスラッグ化し、滑沢剤および崩壊剤を加え、錠剤に圧縮することにより製剤される。粉末混合物は、化合物を、好ましくは粉砕して、上記の希釈剤または基剤と混合することにより調製される。任意の成分には、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、またはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解抑制剤、第四級塩などの再吸収促進剤、および/またはベントナイト、カオリン、またはリン酸二カルシウムなどの吸収剤が含まれる。粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アラビアゴム漿剤またはセルロース性もしくは高分子材料の溶液により湿性顆粒にして、ふるいを通してもよい。顆粒化する代わりに、粉末混合物を打錠機に通し、その結果得られた不完全に形成されたスラッグを顆粒に粉砕することができる。顆粒は打錠ダイス型に付着するのを防ぐために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることにより潤滑化することができる。次に、潤滑化された混合物を錠剤に圧縮する。また、本発明の化合物を流動性の不活性担体と混合して、顆粒化またはスラッグ化の段階を経ずに直接錠剤に圧縮することもできる。セラックの密閉コートからなる透明または半透明の保護コーティング、砂糖または高分子材料のコーティング、およびロウの光沢のあるコーティングを施すことができる。異なる単位投与量を識別するために、これらのコーティングに染料を加えることができる。
【0081】
溶液、シロップ、およびエリキシルなどの経口用の液体は、与えられた量があらかじめ決定された量の上記化合物を含有するように、投与単位剤形に調製することができる。シロップは、たとえば、上記化合物を好適な風味を付けた水溶液に溶解することにより調製することができる。一方、エリキシルは、無毒のアルコール性媒体を使用して調製される。サスペンションは、一般的に上記化合物を無毒の媒体に分散することにより製剤することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤;ペパーミント油などの風味添加物、または天然甘味料、サッカリン、または他の人工甘味料等を加えることもできる。
【0082】
適切な場合には、経口投与のための投与単位製剤はマイクロカプセル化される。また、製剤は、たとえば、ポリマー、ロウ等による粒子化した材料のコーティングまたは埋め込みにより、放出を延長または遅延させるように調製することができる。
【0083】
また、式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体は、小型単層小胞、大型単層小胞、および多重膜小胞などのリポソーム送達系の形で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンなどのさまざまなリン脂質から形成することができる。
【0084】
式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体はまた、個別の担体として、上記化合物分子が結合したモノクローナル抗体を使用して送達してもよい。
【0085】
上記化合物はまた、標的化薬物担体である可溶性ポリマーと結合してもよい。このようなポリマーには、ポリビニルピロリドン(PVP)、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチル-アルパルタミドフェノール、またはパルミトイル残基により置換されたポリエチレンオキシドポリリシンが含まれる。さらに、上記化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用なある種の生物分解性ポリマー、たとえば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーと結合させてもよい。
【0086】
経皮投与に適合した医薬製剤は、受容者の表皮と長時間緊密な接触を保つように作られた分離パッチとして提供することができる。たとえば、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に一般的に記載されるように、活性成分をパッチからイオン導入により送達することができる。この文献を上記の送達系に関して参照により本明細書に組み入れる。
【0087】
局所投与に適合した医薬製剤は、軟膏、クリーム、サスペンション、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エーロゾル、またはオイルとして製剤することができる。
【0088】
目または他の外部組織、たとえば口および皮膚の治療用には、製剤は局所用軟膏またはクリームとして適用される。軟膏に製剤される場合、活性成分をパラフィン性または水混和性のいずれかの軟膏基剤と共に用いる。あるいは、活性成分は、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤を用いてクリームに製剤される。
【0089】
目に局所投与するための医薬製剤には、活性成分が好適な担体、特に水性溶媒中に溶解または懸濁している点眼剤が含まれる。
【0090】
口に局所投与するための医薬製剤には、トローチ、パステル剤、および口腔洗浄剤が含まれる。
【0091】
鼻内投与に適合した担体が固体である医薬製剤には、たとえば20〜500ミクロンの粒径を有する粗末が含まれる。上記粗末は、吹入剤を投与する方法により、すなわち、鼻の近くに持ち上げた粗末の容器から鼻道を通して急速に吸入することにより投与される。鼻内スプレーまたは点鼻薬として投与するための、担体が液体である場合の好適な製剤には、活性成分の水または油溶液が含まれる。
【0092】
吸入による投与に適合した医薬製剤には、さまざまなタイプの定量加圧エーロゾル、ネブライザー、または吸入器を用いて生成することができる微粒子粉剤またはミストが含まれる。
【0093】
肛門投与に適合した医薬製剤は、坐剤または浣腸剤として提供することができる。
【0094】
腟内投与に適合した医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレー製剤として提供することができる。
【0095】
非経口投与に適合した医薬製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤をその想定される受容者の血液と等張にするための溶質を含んでもよい水性および非水性無菌注射溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含有してもよい水性および非水性無菌サスペンションが含まれる。上記の製剤は一回投与量または複数回投与量容器、たとえば、密閉されたアンプルおよびバイアル瓶に入れて提供することができる。また凍結乾燥した状態で保存し、使用の直前に無菌の液体の担体、たとえば、注射用の水を加えるのみでよい。即席注射溶液および懸濁液は無菌の粉末、顆粒、および錠剤から調製される。
【0096】
上で特に述べた成分に加えて、製剤は、問題の製剤のタイプを考慮して当業者が従来使用している他の物質を含むことができる。たとえば、経口投与に適した製剤は、着香剤および着色剤を含んでもよい。
【0097】
本発明の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物、および生理的に機能性の誘導体は、単独で、または他の治療薬と組み合わせて使用することができる。式(I)の化合物(1種類または複数種類)および他の薬理活性物質(1種類または複数種類)は一緒にまたは別々に投与してよく、別々に投与する場合には、投与は同時にまたは順次に、いかなる順番でおこなってもよい。所望の併用治療効果を達成するために、式(I)の化合物および他の薬理活性物質の量および投与の相対的なタイミングを選択する。式(I)の化合物、その塩、溶媒和物、または生理活性を有する誘導体と他の治療薬との併用投与は、(1) 両方の成分を含む単一の医薬組成物;または(2) それぞれ一方の化合物を含む別々の医薬組成物の形で同時に投与することにより組み合わされる。あるいは、上記の組合せは、まず一方の治療薬を投与し、次に他方を投与するか、その逆の順序かの方法により順次別々に投与してもよい。このような順次投与は、短い時間内でおこなっても、離れた時間内でおこなってもよい。
【0098】
本発明の化合物はさまざまな障害および状態の治療に用いることができ、したがって、本発明の化合物はそれらの障害または状態の治療または予防に有用なさまざまな他の好適な治療薬と組み合わせて使用することができる。治療はHPV感染の性質およびタイプに依存する。上で簡単に論じたように、いぼの治療は切除による方法と医薬による方法に分けることができる。本発明の化合物は上記方法の一方または両方と組み合わせることができる。
【0099】
切除による方法には、電気乾燥、レーザー、または液体窒素による伝統的な外科切除および破壊が含まれる。そこで、本発明の化合物は上記方法と組み合わせて、または上記方法の後に再発した場合に使用することができる。本発明の化合物は、切除法と組み合わせて再発の頻度を減らすために使用してもよい。
【0100】
あるいは、本発明はさまざまな細胞毒性薬または抗ウイルス薬を含む他の薬物治療と組み合わせてもよい。たとえば、本発明を限定する意図はないが、本発明の化合物は、5-フルオロウラシル、レチノイン酸、ポドフィリン、ポドフィロックス、サリチル酸および/または乳酸などの角質溶解薬、ジフェンシプロン(diphencyprone)(DPC)、スクアリン酸ジブチルエステル(SADBE)またはジニトロクロロベンゼン(DNCB)などのハプテン、ホルマリン、局所トリクロロ酢酸、局所トレチノイン、シドホビル、イミキモドおよび/またはインターフェロンα-2bのようなサイトカインなどの他の治療薬と組み合わせることができる。
【0101】
本発明の一つの態様は、本発明の化合物を、アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスなどのパポーバウイルスファミリーに属するウイルスを含む腫瘍ウイルスにより引き起こされる疾病または状態、およびより特定的にはパピローマウイルス感染を含むがこれに限定されないさまざまな障害の、治療または予防に使用することである。本発明は、治療を必要とする被験体に治療上有効な量の本発明の化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくは生理的に機能性の誘導体を投与することを含む。
【0102】
より特定的には、本発明は、パピローマウイルス感染に伴う状態または疾病の治療または予防を含む。これらの状態および疾病には、いぼ(たとえば、足底いぼ)、生殖器いぼ、再発性呼吸器乳頭腫症(たとえば、喉頭乳頭腫)、およびパピローマウイルス感染に伴う癌が含まれる。パピローマウイルス感染に伴う癌には、肛門性器癌(たとえば、子宮頸癌、肛門および肛門周囲癌、外陰癌、膣癌、陰茎癌)、頭部および頸部癌(たとえば、口腔咽頭領域、食道)、および皮膚癌(たとえば、基底細胞癌、扁平上皮癌)が含まれる。本発明は治療を必要とする被験体に治療上有効な量の本発明の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体を投与することを含む。
【0103】
本発明の化合物は、公知の標準的な合成法を含むさまざまな方法により製造される。一般的な合成法の例を下に記載した後、具体的な実施例において本発明の特定の化合物を調製する。
【0104】
下記のすべての実施例において、必要な場合には、不安定なまたは反応性の基に対する保護基を、合成化学の一般的原則に従って使用する(T. W. GreenおよびP. G. M. Wuts (1991)「有機合成における保護基」(Protecting Groups in Organic Synthesis)、John Wiley & Sons、本文献を保護基に関して参照により本明細書に組み入れる)。これらの基は、化合物の合成の適宜の段階で当業者に公知の方法を用いて除去される。プロセスの選択ならびに反応条件およびそれらの実施の順番は式(I)の化合物の調製と矛盾がないようにする。
【0105】
当業者は式(I)の化合物に立体中心が存在するかどうかを認知できる。したがって、本発明はすべての可能な立体異性体を含み、また、ラセミ化合物のみでなく、個々のエナンチオマーも含む。化合物が単一のエナンチオマーであることが望まれる場合には、これは立体特異的合成により、最終生成物または適宜の中間物質の分割により、または当業者に公知のキラルクロマトグラフィー法により得ることができる。最終生成物、中間物質、または出発物質の分割は、当業者に公知の好適な方法を用いておこなうことができる。たとえば、「有機化合物の立体化学」(Stereochemistry of Organic Compounds)、E. L. Eliel、S. H. Wilen、およびL. N. Mander著 (Wiley-Interscience, 1994)を参照されたい。本文献の立体化学に関する部分を参照により本明細書に組み入れる。
【0106】
実験の部
本明細書において、これらの方法、スキームおよび実施例において使用される記号および取り決めは、個々の略語が特に定義されているかどうかに関わりなく、現代の科学文献、たとえば、the Journal of the American Chemical Societyまたはthe Journal of Biological Chemistryにおいて使用されるものと一致している。特に、限定はしないが、以下の略語が実施例および明細書全体で使用される。
【0107】

【0108】
他に指示しない限り、すべての温度は℃(セ氏温度)で表す。他に記載しない限り、すべての反応は室温でおこなった。
【0109】
1H NMRスペクトルは、Varian VXR-300、Varian Unity-300、Varian Unity-400装置、またはGeneral Electric QE-300により記録された。化学シフトは100万分の1(ppm、δユニット)で表される。結合定数はヘルツ(Hz)を単位にしている。分裂パターンは明白な多重度を記載し、s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、またはbr(幅広)と表される。
【0110】
マススペクトルは、Micromass Ltd., Altricham, UK製のMicromass PlatformまたはZMD質量分析計により、大気圧化学イオン化(APCI)またはエレクトロスプレーイオン化(ESI)のいずれかを用いて得た。
【0111】
単離することができない、または不安定なために完全な解析ができない中間物質の純度を証明するために、および反応の進行を確認するために分析用薄層クロマトグラフィーを使用した。
【0112】
式(I)において、XがNHであり、R1およびpが上で定義されたとおりであり、LVがハロゲン(F、Cl、Br、I)、SOAy、SO2Ay、SOR、SO2Rなどの脱離基である化合物は、下に概要を記載する方法により便利に調製することができる。
【0113】
スキーム1
【化7】

【0114】
一般的に、式(I)においてLVが上記の定義の通りである(すべての式および他のすべての可変基は上で定義されている)化合物を調製する方法は、
a) 式(II)の化合物をギ酸エチルと反応させるステップ;
b) 式(III)の化合物を式(IV)のジアゾ化合物と反応させるステップ;
c) 式(V)の化合物をインドール化して式(VI)の化合物を調製するステップ;
d) 式(VI)の化合物の還元的アミノ化により式(VII)の化合物を形成するステップ;および
e) 求核置換により化合物(VII)から式(I)の化合物を形成するステップ
あるいは、
f) 化合物(VI)の還元的アミノ化により式(I)の化合物を形成するステップ
を含む。
【0115】
より特定的には、式(I)においてすべての可変基が上で定義された通りである化合物は、式(VI)の化合物を、還元剤の存在下で式(VIII)のアミンと反応させて調製することができる。
【化8】

【0116】
[ここでも、式中、すべての可変基は上で定義された通りである]
反応は、水を除去する条件下でイミンを形成し、次いで還元するという2段階のプロセスでおこなわれる。あるいは、この反応はアミン(VIII)および還元剤を、順次または同時に加えることにより、ワンポット反応としておこなうこともできる。
【0117】
2段階のプロセスでは、典型的には、式(VI)の化合物をトルエンのような不活性溶媒に溶解し、当量または過剰の式(VIII)のアミンを加えた後に、場合によりp-トルエンスルホン酸などの酸触媒を加える。反応液を加熱還流して水を共沸除去する。場合により、水を除去するために分子ふるいまたはオルトギ酸トリメチルなどの脱水剤を用いることができる。
【0118】
イミンは単離しても、直接次の反応に使用してもよい。イミンを好適な溶媒に溶解し、還元剤を加えることにより還元する。好適な溶媒には、低級アルコール(メタノール、エタノール等)、テトラヒドロフラン、または他の当業者に公知の同様の溶媒が含まれる。好適な還元剤には、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、ボラン-テトラヒドロフラン錯体、水素化ホウ素ナトリウム等が含まれるが、これらに限定されない。
【0119】
ワンポット反応では、式(VI)の化合物を不活性溶媒に溶解する。この溶液に式(VIII)のアミンを加え、次いで好適な還元剤を加える。場合により、反応液を約50℃〜150℃の間に加熱する。好適な溶媒には、ジクロロメタン、ジクロロエタン等が含まれるが、これらに限定されない。好適な還元剤には、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等が含まれるが、これらに限定されない。
【化9】

【0120】
上記のように、別の方法として、式(I)の化合物は式(VII)のアミンから形成することができる。式(VI)の化合物を不活性溶媒中で、場合により加熱しながらアンモニウム塩および還元剤により処理すると、式(VII)のアミンが得られる。好適な溶媒には、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、ジクロロエタン等が含まれるが、これらに限定されない。好適な還元剤には、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等が含まれるが、これらに限定されない。好適なアンモニウム塩には、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム等が含まれるが、これらに限定されない。式(VII)のアミンは、式(VI)の化合物をヒドロキシルアミンにより処理した後、好適な還元剤(水素化リチウムアルミニウム等が含まれるが、これらに限定されない)により還元することによっても形成することができる。
【0121】
式(VII)の化合物と式(IX)の化合物の縮合により、式(I)の化合物が得られる。この縮合は、溶媒なしで、または溶媒の存在下で、場合により加熱しながらおこなうことができる。縮合は場合により電子レンジ中でおこなってもよい。好適な溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、1-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ニトロメタン等が含まれるが、これらに限定されない。場合により縮合反応に塩基を加えてもよい。好適な塩基の例には、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0122】
当業者に理解されるように、式(VI)の化合物は文献(J. Med. Chem. 1973, 16, 425およびJ. Org. Chem. 1968, 32, 1265)に記載されたものと同様の方法により調製することができる。これらの文献を上記の調製に関して参照により本明細書に組み入れる。
【0123】
式(I)においてXがNHであり、-((Y)d-Z)が-CONR2R3である化合物は、式(VII)の化合物から、下記の通りのイソシアネートとの反応により形成することができる。
【0124】
スキーム2
【化10】

【0125】
より具体的には、式(VII)の化合物を好適な溶媒中で、場合により加熱しながらイソシアネートにより処理する。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、低級アルコール(メタノール、エタノール)等が含まれるが、これらに限定されない。イソシアネートは購入可能であるか、容易な方法または当業者に公知の方法により作ることができる。
【0126】
一般的に、式(I)においてXがOであり、-((Y)d-Z)が上で定義された通りである化合物を調製する方法は、
a) 式(VI)の化合物中の窒素を保護することにより、式(X)により表される化合物を形成するステップ;
b) 式(X)の化合物を還元して、式(XI)のアルコールを形成するステップ;
c) 式(XI)の化合物を式(XII)の化合物と反応させて式(XIII)の化合物を得るステップ;
d) 式(XIII)の化合物を脱保護して、式(I)において、XがOであり、-((Y)d-Z)が本明細書において定義された通りである化合物を得るステップ
を含む。
【0127】
スキーム3
【化11】

【0128】
スキーム3に、好ましい保護基、すなわち、塩化ベンゼンスルホニルを用いる、この一般法の一つの実施形態を示す。より具体的には、式(VI)の化合物中のインドール窒素を好適な保護基を用いて保護する。好適な保護基には、フェニルスルホニルおよび他の関連する保護基が含まれる。そこで、式(VI)の化合物を、塩基の存在下、好適な溶媒中で、場合により加熱しながら塩化ベンゼンスルホニルにより処理すると、式(X)の化合物が得られる。
【0129】
式(X)の化合物を好適な還元剤により還元すると、式(XI)の化合物が得られる。好適な還元剤には、水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン等が含まれるが、これらに限定されない。還元に好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン等)、低級アルコール(メタノール、エタノール等)、および他の同様の溶媒が含まれるが、これらに限定されない。
【0130】
式(XI)の化合物を、好適な溶媒中、脱プロトン剤/塩基の存在下で、場合により加熱しながら式(XII)の化合物と反応させると、式(XIII)の化合物が得られる。好適な溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ニトロメタン、テトラヒドロフラン等が含まれるが、これらに限定されない。好適な塩基には、水素化ナトリウム、ナトリウムt-ブトキシド等が含まれるが、これらに限定されない。
【0131】
たとえば水酸化ナトリウム水溶液による式(XIII)の化合物の脱保護により、式(I)においてXがOである化合物が得られる。
【0132】
別の好適な保護基を使用する場合に、それに合わせて記載したスキームを変更することが可能であることを当業者は理解するであろう。
【0133】
一般的に、下記のように、式(VII)の化合物から、式(I)において、XがNであり、-((Y)d-Z)が置換アルキレン-Ayである化合物を調製することができる。
【0134】
スキーム4
【化12】

【0135】
より具体的には、式(VII)の化合物を好適な還元剤により還元して式(XIV)のアルコールを形成することができる。好適な還元剤には、水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン等が含まれるが、これらに限定されない。還元に好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、および低級アルコール(メタノール、エタノール等)が含まれるが、これらに限定されない。
【0136】
式(XIV)のアルコールを、高温で、場合により酸触媒の存在下、式(XV)のアミンにより処理して、式(I)において-((Y)d-Z)が-CR*R**Ayなどの置換アルキレン-Ayである化合物を得ることができる。ここで、R*およびR**は、本明細書において場合により置換されたものの説明で列挙した置換基を含むさまざまな置換基であってよい。好ましくは、R*およびR**の一方はHであり、他方はH、アルキル、またはアリールから選択される。または、R*およびR**の両方がアルキルである。この反応は、下でより詳細に記載するように、電子レンジ中でおこなってもよい。
【0137】
さらに、式(I)において、Rがハロゲン(以下に「Hal」の略語を用いる)であり、Rが式中のテトラヒドロカルバゾール核の8位に存在する化合物は、下記のように、式(XV)の化合物から合成することができる。
【0138】
スキーム5
【化13】

【0139】
一般的に、式(I)においてハロゲン(Hal)が8位に存在する化合物の調製法は、
a) 式(XV)の化合物の3-ブロモシクロヘキセンとの反応により、式(XVI)の化合物を得るステップ;
b) 式(XVI)の化合物の転移により、式(XVII)の化合物を得るステップ;
c) 式(XVII)の化合物の環化により、式(XVIII)の化合物を得るステップ;
d) 式(XVIII)の化合物をアミン(たとえば、Z-(Y)d-NH2)と反応させて式(XIX)の化合物を形成するステップ;および
e) 式(XIX)の化合物を酸化して、式(I)の化合物を得るステップ
を含む。
【0140】
より具体的には、式(XV)の化合物を好適な溶媒中、塩基の存在下で、場合により加熱しながら3-ブロモシクロヘキセンにより処理すると、式(XVI)の化合物が得られる。好適な溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ニトロメタン等が含まれるが、これらに限定されない。好適な塩基には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0141】
式(XVI)の化合物を、好適な溶媒中、加熱しながら、ルイス酸の存在下で処理すると、式(XVII)の化合物が得られる。好適な溶媒には、キシレン等のような高沸点の溶媒が含まれる。好適なルイス酸には塩化亜鉛等が含まれるが、これらに限定されない。
【0142】
化合物(XVII)を、好適な溶媒中で、ヨウ素および塩基により処理すると、式(XVIII)の化合物が得られる。好適な塩基には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等が含まれるが、これらに限定されない。好適な溶媒には、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0143】
化合物(XVIII)を、好適な溶媒中、場合により加熱しながら、場合により塩基の存在下で、式Z-(Y)d-NH2のアミンと反応させると、式(XIX)の化合物が得られる。当業者に理解されるように、当量または過剰のアミンを使用してもよいし、またはアミンを溶媒として使用してもよい。他の好適な溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、アセトニトリル等が含まれるが、これらに限定されない。好適な塩基には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン等が含まれるが、これらに限定されない。場合により、反応は、約30〜200℃の間に加熱するか、電子レンジ中でおこなってもよい。
【0144】
次に、式(XIX)の化合物を酸化して式(I)の化合物を得る。好適な酸化剤には、図示される通り、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(“DDQ”)等が含まれるが、これらに限定されるものと考えではならない。上記反応に好適な溶媒には、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタンなどの)が含まれる。反応は室温で、または場合により加熱しながらおこなうことができる。
【0145】
当業者に理解されるように、ある式(I)の化合物は、公知の、または容易に利用できる方法により別の式(I)の化合物に変換することができる。
【実施例】
【0146】
実施例1: 6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化14】

【0147】
a) シクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン
4-クロロアニリン(5.6 g, 44 mmol)の濃塩酸(5mL)溶液を冷却し(0℃)、硝酸ナトリウム(3.0 g, 44 mmol)の水(10 mL)溶液を20分以上かけて少しずつ加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。別のフラスコに、2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(Organic Syntheses, Collective Volume 4, 1963, pg. 536、上記の合成に関して参照により本明細書に組み入れる)(5.0 g, 40 mmol)のメタノール(30 mL)溶液を冷却して、酢酸ナトリウム(8.3 g, 101 mmol)の水(25 mL)溶液により処理した。混合物を0℃で20分間撹拌し、上記ジアゾニウム塩スラリーを加えた。合わせた混合物を10〜15分間撹拌し、濾過により収集し、エタノールにより粉砕し、濾過により収集して、シクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン(4.6 g、収率49%)を黄色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ9.93 (s, 1H), 7.29 (m, 4H), 2.55 (m, 2H), 2.40 (m, 2H), 1.84-1.75 (m, 4H)。
【0148】
b) 6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
シクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン(2.3 g, 9.7 mmol)の塩酸(2 mL)および酢酸(8 mL)中の溶液を120℃に20分間加熱した。混合物を少し冷却し、氷水により処理した。得られた沈殿を濾過により収集して、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(1.9 g、収率88%)を褐色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.78 (s, 1H), 7.75 (m, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.28 (dd, 1H), 2.92 (t, 2H), 2.55 (t, 2H), 2.13 (q, 2H); MS m/z 220 (M+1)。
【0149】
実施例2: 6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化15】

【0150】
6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(500 mg, 2.3 mmol)および酢酸アンモニウム(1.8 g, 23 mmol)のメタノール(9 mL)溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(720 mg, 11.5 mmol)を加えた。60℃で15分間加熱した後、混合物を冷却し、濃塩酸により処理してpH = 1にした。有機相を減圧除去し、得られた沈殿を濾過により収集し、酢酸エチルおよびメタノールに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液により洗浄した。相を分離して有機相を濃縮し、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(260 mg、収率52%)を淡褐色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ10.90 (s, 1H), 7.34 (m, 1H), 7.27 (d, 1H), 6.97 (dd, 1H), 3.90 (t, 1H), 2.54 (m, 2H), 2.04-1.89 (m, 2H), 1.66 (m, 1H), 1.50 (m, 1H); MS m/z 221 (M+1)。
【0151】
実施例3: 6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化16】

【0152】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、ブロモアニリンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから、上記と同様の方法により調製し、褐色の固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ8.79 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 2.97 (t, 2H), 2.66 (t, 2H), 2.27 (m, 2H); MS m/z 263, 265 (M+1)。
【0153】
実施例4: 6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化17】

【0154】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを、上記と同様の方法により調製し、固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ8.58 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.20 (m, 2H), 4.12 (t, 1H), 2.70 (t, 2H), 2.24 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.92 (m, 3H), 1.66 (m, 1H); MS m/z 266 (M+1)。
【0155】
実施例5: 6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化18】

【0156】
6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、p-トルイジンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから、上記と同様の方法により調製し、黄褐色の固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.65 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 2.98 (t, 2H), 2.65 (t, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.26 (m, 2H); MS m/z 220 (M+1)。
【0157】
実施例6: 6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化19】

【0158】
6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを、上記と同様の方法により調製し、固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ10.5 (s, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.81 (d, 1H), 3.98 (t, 1H), 3.30 (s, 2H), 2.53 (t, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.02 (m, 1H), 1.90 (m, 1H), 1.68 (m, 1H), 1.65 (m, 1H); MS m/z 201 (M+1)。
【0159】
実施例7: 2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化20】

【0160】
2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、アニリン(2.9 g, 31 mmol)および2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(3.5 g, 28 mmol)から上記と同様の方法により調製し、2.5 g (49%)の褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.6 (s, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.30 (t, 1H), 7.07 (t, 1H), 2.90 (t, 2H), 2.56 (t, 2H), 2.15 (m, 2H); MS m/z 186 (M+1)。
【0161】
実施例8: 塩酸2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化21】

【0162】
2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(1.5 g, 8.10 mmol)のエタノール(20 mL)溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(1.13 g, 16.2 mmol)の水(10mL)溶液および酢酸ナトリウム(2.19 g, 26.7 mmol)の水(10 mL)溶液を加えた。反応混合物を2時間加熱還流し、冷却し、濃縮した。残渣を水により希釈し、酢酸エチル(2 x 100 mL)により抽出した。有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮して褐色の固体を得た。上記オキシムをTHF (80mL)に溶解し、水素化リチウムアルミニウム(THF中1.0 M、24.3 mL)を滴下した。反応液を7時間加熱還流し、氷浴で冷却した。メタノールを発泡が止まるまで滴下した。混合物を酒石酸Na/K水溶液により希釈し、15分間激しく撹拌し、酢酸エチル(2 x 100 mL)により抽出した。抽出液を合わせ、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮した。粗アミンをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(2%〜5%のメタノール/塩化メチレン勾配)により精製して、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを褐色のオイルとして得た。オイルをジエチルエーテルで希釈し、HCl(ジエチルエーテル中1.0M)を加えた。得られた沈殿を濾過により収集して、塩酸2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(760 mg, 42%)を淡褐色の固体として得た。1H-NMR (CD3OD): δ 7.54 (d, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.22 (t, 1H), 7.09 (t, 1H), 4.66 (t, 1H), 2.95-2.73 (m, 2H), 2.39-2.28 (m, 1H), 2.18-2.03 (m, 3H); MS m/z (M + 1) 187。
【0163】
実施例9: 6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化22】

【0164】
6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、p-アニシジンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから上記と同様の方法により調製して、黄褐色の固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.77 (br s, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.03 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 2.98 (t, 2H), 2.66 (t, 2H), 2.28 (m, 2H); MS m/z 216 (M+1)。
【0165】
実施例10: 6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化23】

【0166】
6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを、上記と同様の方法により調製し、固体を得た。1H-NMR (CDCl3): δ8.38 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 6.92 (s, 1H), 6.80 (d, 1H), 4.06 (t, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.67 (t, 2H), 2.18 (m, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.83 (m, 1H), 1.60 (m, 1H); MS m/z 217 (M+1)。
【0167】
実施例11: 6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化24】

【0168】
6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、4-(トリフルオロメチル)アニリン(5.5 g, 34 mmol)および2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(3.9 g, 31 mmol)から上記と同様の方法により調製して、2.25 g (29%)の暗褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ12.05 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.56 (s, 2H), 3.00 (t, 2H), 2.58 (t, 2H), 2.19-2.13 (m, 2H)。
【0169】
実施例12: 2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン
【化25】

【0170】
a) シクロヘプタン-1,2-ジオン(4-ブロモフェニル)ヒドラゾン
4-ブロモアニリン(7.8 g, 46 mmol)の濃塩酸(6 mL)中の溶液を冷却し(0℃)、硝酸ナトリウム(3.2 g, 46 mmol)の水(15 mL)溶液を10分以上かけて少しずつ加えた。混合物を0℃で30分間撹拌した。別のフラスコに、2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘプタノン(5.8 g, 41 mmol)のメタノール(100 mL)溶液を冷却して、酢酸ナトリウム(8.6 g, 105 mmol)の水(30 mL)溶液により処理した。混合物を0℃で20分間撹拌し、上記ジアゾニウム塩のスラリーを加えた。合わせた混合物を30分間撹拌し、濾過により収集し、エタノールから再結晶し、濾過により収集して、シクロヘプタン-1,2-ジオン(4-ブロモフェニル)ヒドラゾン (4.3 g、収率48%)を橙色の固体として得た。1H-NMR (CDCl3): δ7.38 (d, 2H), 7.10 (d, 2H), 2.68 (d, 2H), 2.64 (d, 2H), 1.83-1.75 (m, 6H); MS m/z (M+1) 278, 280。
【0171】
b) 2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン
シクロヘプタン-1,2-ジオン(4-ブロモフェニル)ヒドラゾン(4.3 g, 15 mmol)の塩酸(30 mL)および酢酸(8 mL)中の溶液を120℃に15分間加熱した。混合物を少し冷却し、氷水により処理した。得られた沈殿を濾過により収集して、2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン(3.51 g、収率86%)を褐色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ8.96 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 3.09 (t, 2H), 2.85 (t, 2H), 2.12-1.96 (m, 4H); MS m/z (M+1) 278, 280。
【0172】
実施例13: 塩酸2-ブロモ-5,5a,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン
【化26】

【0173】
2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン(1.5 g, 5.4 mmol)のエタノール(14 mL)溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(750 mg, 11 mmol)の水(10 mL)溶液および酢酸ナトリウム(1.46 g, 18 mmol)の水(10 mL)溶液を加えた。反応混合物を5時間加熱還流し、冷却し、濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、水(2 x 50 mL)により洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮して褐色の固体を得た。上記オキシムをTHF (54 mL)に溶解し、LAH (THF中1.0 M, 16.2 mL, 16.2 mmol)を滴下した。反応液を4時間加熱還流し、氷浴で冷却した。メタノールを発泡が止まるまで滴下した。混合物をNaHSO3水溶液により希釈し、15分間激しく撹拌し、酢酸エチル(2 x 150 mL)により抽出した。抽出液を合わせ、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮した。粗アミンをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(2%〜5%のメタノール/塩化メチレン勾配)により精製し、2-ブロモ-5,5a,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミンを褐色のオイルとして得た。オイルをジエチルエーテルにより希釈して、HCl (1.0 Mジエチルエーテル溶液)を加えた。得られた沈殿を濾過により収集して、塩酸2-ブロモ-5,5a,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン(980 mg, 57%)を淡褐色の固体として得た。1H-NMR (CD3OD): δ7.65 (s, 1H), 7.28-7.21 (m, 2H), 4.68-4.66 (m, 1H), 3.08-3.01 (m, 1H), 2.84-2.76 (m, 1H), 2.33-2.25 (m, 1H), 2.15-1.93 (m, 4H), 1.65-1.55 (m, 1H); MS m/z (M-1) 277, 279。
【0174】
実施例14: 7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化27】

【0175】
7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを、3-ブロモアニリン(7.6 g, 44 mmol)および2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(4.3 g, 34 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、メタノールから再結晶して7-ブロモ異性体を単離し、280 mg (1%)の淡褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ8.94 (s, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.27-7.25 (m, 1H), 3.01-2.98 (m, 2H), 2.68-2.65 (m, 2H), 2.31-2.24 (m, 2H); MS m/z 263, 265 (M + 1)。
【0176】
実施例15: N-ベンジル-2,3,4,9-テトラヒドロカルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化28】

【0177】
2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)のジクロロエタン(5 mL)溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.17 g, 0.80 mmol)、酢酸(0.046 mL, 0.80 mmol)およびベンジルアミン(0.087 mL, 0.80 mmol)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。飽和NaHCO3 (5 mL)およびEtOAc (5 mL)を加えて反応を止め、30分間撹拌した。層を分離し、水層をEtOAc (2 x 5 mL)により抽出し、有機層を合わせ、Na2SO4により乾燥し、濾過し、蒸発させた。精製はシリカゲルクロマトグラフィーにより、溶離液としてヘキサン/酢酸エチルを用いておこない、黄色がかったオイルを得た。上記化合物をジエチルエーテルに溶解し、HClのジエチルエチルエーテル溶液を加えて、蒸発させると白色の沈殿を得た。メタノール/ジエチルエーテルから再結晶して、白色の固体(42 mg, 35%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.2 (s, 1H), 9.70 (s, 1H), 9.58 (s, 1H), 7.64 (d, 2H), 7.43 (m, 5H), 7.14 (t, 1H), 7.02 (t, 1H), 4.67 (s, 1H), 4.29 (s, 2H), 2.71 (m, 2H), 2.22 (m, 2H), 2.08 (m, 1H), 1.82(m, 1H); 13C-NMR (CDCl3): δ140.7, 136.2, 135.7, 128.5, 128.1, 127.5, 127.1, 121.5, 119.0, 118.3, 111.2, 110.8, 51.9, 50.4, 30.5, 21.8, 21.0; MS m/z 277 (M)。
【0178】
実施例16: N-(4-メトキシベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化29】

【0179】
N-(4-メトキシベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)および4-メトキシベンジルアミン(0.07 mL, 0.80 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.03g, 19%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.1 (s, 1H), 9.35 (s, 1H), 9.27 (s, 1H), 7.53 (d, 2H), 7.49 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.15 (t, 1H), 7.02 (t, 1H), 6.99 (d, 2H), 4.62 (s, 1H), 4.24 (s, 2H), 3.76 (s, 3H), 2.72 (m, 2H), 2.18 (m, 2H), 2.10 (m, 1H), 1.82 (m, 1H); MS m/z 305 (M-1)。
【0180】
実施例17: N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化30】

【0181】
N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)およびフェネチルアミン(0.10 mL, 0.80 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.04g, 23%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ7.52 (d, 1H), 7.34 (m, 6H), 7.18 (t, 1H), 7.05 (t, 1H), 4.55 (s, 1H), 3.45 (m, 2H), 3.20 (m, 2H), 3.04 (m, 2H), 2.91 (m, 1H), 2.79 (m, 1H), 2.30 (m, 1H), 2.08 (m, 1H); MS m/z 291 (M+1)。
【0182】
実施例18: N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化31】

【0183】
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.10 mL, 0.80 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、ジアステレオマーの混合物を白色の固体(0.04g, 23%)として得た。1H-NMR (CDCl3): δ8.15 (s, 1H), 7.27-7.49 (m, 7H), 7.15 (t, J=7.7Hz, 1H), 7.08 (t, J=7.7Hz, 1H), 4.13 (q, J=6.5 Hz, 1H), 4.02 (t, J=7.2 Hz, 1H), 2.70 (t, J=6.8 Hz, 2H), 2.23-2.14 (m, 1H), 2.07-1.97 (m, 1H), 1.86-1.74 (m, 1H), 1.50-1.64 (m, 1H), 1.44 (d, J=6.5 Hz, 3H); MS m/z 291 (M+1)。
【0184】
実施例19: N-シクロヘキシル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化32】

【0185】
N-シクロヘキシル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)およびシクロヘキシルアミン(0.09 mL, 0.80 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.015g, 10%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ8.34 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.30 (t, 1H), 7.13 (t, 1H), 7.08 (d, 1H), 4.04 (t, 1H), 2.81-2.68 (m, 3H), 2.32-2.25 (m, 1H), 2.07-1.99 (m, 2H), 1.84-1.41 (m, 5H), 1.37-1.10 (m, 6H); MS m/z 269 (M+1)。
【0186】
実施例20: N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化33】

【0187】
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)および2-インダンアミン(0.10 mL, 0.80 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.07g, 38%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ8.29 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.05-7.47 (m, 7H), 4.06 (t, 1H), 3.97 (m, 1H), 3.24 (d, 1H), 3.19 (d, 1H), 2.89 (d, 1H), 2.79-2.70 (m, 3H), 2.40 (m, 1H), 2.10 (m, 1H), 1.84 (m, 1H), 1.60 (m, 1H); MS m/z 303 (M+1)。
【0188】
実施例21: N-プロピル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化34】

【0189】
N-プロピル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)およびn-プロピルアミン(0.065 mL, 0.80 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.060g, 42%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ8.48 (s, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.33 (d, 1H), 7.16 (t, 1H), 7.08 (t, 1H), 3.99 (t, 1H), 2.84-2.61 (m, 4H), 2.32-2.23 (m, 1H), 2.10-2.00 (m, 1H), 1.86-1.49 (m, 4H), 0.98 (t, 3H); MS m/z 229 (M+1)。
【0190】
実施例22: N-(2-メトキシエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化35】

【0191】
N-(2-メトキシエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)および2-メトキシエタンアミン(0.07 mL, 0.80 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.065g, 43%)を得た。1H-NMR (CDCl3) δ:8.58 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.14 (t, 1H), 7.07 (t, 1H), 4.01 (t, 1H), 3.55 (t, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.07-2.98 (m, 1H), 2.87-2.78 (m, 1H), 2.72 (t, 2H), 2.26-2.17 (m, 1H), 2.12-2.02 (m, 1H), 1.85-1.65 (m, 2H); MS m/z 245 (M+1)。
【0192】
実施例23: (2R)-2-フェニル-2-(2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルアミノ)エタノール塩酸塩
【化36】

【0193】
(2R)-2-フェニル-2-(2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルアミノ)エタノール塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)および(2R)-2-アミノ-2-フェニルエタノール(0.11 mL, 0.80 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.01g, 5%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ8.47 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.41-7.26 (m, 6H), 7.15 (t, 1H), 7.08 (t, 1H), 4.06-4.00 (m, 2H), 3.80 (dd, 1H), 3.61 (dd, 1H), 3.07-2.98 (m, 1H), 2.67 (t, 2H), 2.04-1.87 (m, 2H), 1.77-1.66 (m, 1H), 1.57-1.47 (m, 1H); MS m/z 305 (M-1)。
【0194】
実施例24: N-[(1S)-1-メチル-3-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化37】

【0195】
N-[(1S)-1-メチル-3-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)および(2R)-4-フェニルブタン-2-アミン(0.12 mL, 0.80 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.01g, 4%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ7.50 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.34-7.21 (m, 5H), 7.18 (t, 1H), 7.05 (t, 1H), 4.74 (t, 1H), 3.60 (m, 1H), 2.92-2.70 (m, 4H), 2.29-2.13 (m, 3H), 2.06-1.89 (m, 3H), 1.49 (d, 3H); MS m/z 318 (M)。
【0196】
実施例25: N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化38】

【0197】
N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.52 mmol)および1-(1,3-ベンゾジオキシル-5-イル)メタンアミン(0.10 mL, 0.80 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.02g, 9%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ10.70 (s, 1H), 9.18 (d, 2H), 7.40 (m, 3H), 7.13-6.88 (m, 4H), 6.00 (s, 2H), 3.90 (m, 1H), 2.59 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 1.71 (m, 2H); MS m/z 321 (M+1)。
【0198】
実施例26: 6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化39】

【0199】
6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.38 mmol)およびフェネチルアミン(0.10 mL, 0.57 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.067g, 44%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ7.66 (s, 1H), 7.38-7.25 (m, 7H), 4.57 (t, 1H), 3.50-3.37 (m, 2H), 3.07-3.00 (m, 2H), 2.94-2.86 (m, 1H), 2.77-2.70 (m, 1H), 2.43-2.20 (m, 2H), 2.08-2.04 (m, 2H); MS m/z 367, 369 (M-1)。
【0200】
実施例27: (1R)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化40】

【0201】
(1R)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのラセミ体を超臨界流体クロマトグラフィー(以後は“SFC”と記載する)(Diacel AD-H, Chiral Technologies, 30%メタノール、3000 psi, 40oC, 2 mL/分、保持時間: 16.6分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.4 (s, 1H), 9.61 (s, 1H), 9.42 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.35-7.19 (m, 5H), 4.68 (t, 1H), 4.32 (m., 1H), 3.47 (dd, 1H), 3.32 (m, 3H), 2.74 (m, 1H), 2.65 (m, 1H), 2.18 (m, 2H), 2.01 (m, 1H), 1.87 (m, 1H); MS m/z 379, 381 (ES-1)。
【0202】
実施例28: (1S)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化41】

【0203】
(1S)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのラセミ体を分取SFC (Diacel AD-H, Chiral Technologies, 30%メタノール、3000 psi, 40oC, 2 mL/分、保持時間: 8.6分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.4 (s, 1H), 9.61 (s, 1H), 9.42 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.35-7.19 (m, 5H), 4.68 (t, 1H), 4.32 (m., 1H), 3.47 (dd, 1H), 3.32 (m, 3H), 2.74 (m, 1H), 2.65 (m, 1H), 2.18 (m, 2H), 2.01 (m, 1H), 1.87 (m, 1H); MS m/z 379, 381 (ES-1)。
【0204】
実施例29: N-ベンジル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化42】

【0205】
N-ベンジル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.38 mmol)およびベンジルアミン(0.062 mL, 0.57 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.042g, 31%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ7.67 (s, 1H), 7.54-7.45 (m, 5H), 7.30 (q, 2H), 4.69 (t, 1H), 4.42 (m, 2H), 2.86 (t, 1H), 2.79-2.69 (m, 1H), 2.34-2.27 (m, 2H), 2.04 (m, 2H); MS m/z 354, 356 (M+1);元素分析 C19H20BrN2Clに対する計算値: C, 58.25; H, 5.15; N, 7.15。測定値: C, 58.56; H, 5.17; N, 7.14。
【0206】
実施例30: 6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化43】

【0207】
6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.38 mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.07 mL, 0.57 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体 (0.08g, 52%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ7.65 (m, 3H), 7.56-7.46 (m, 3H), 7.36 (d, J=8.7 Hz, 1H), 7.28 (d, J=8.7 Hz, 1H), 4.76 (q, J=7.8 Hz, 1H), 4.48 (t, J=4.2 Hz, 1H), 2.90-2.82 (m, 1H), 2.73-2.63 (m, 1H), 2.11-2.00 (m, 4H), 1.43 (d, J=6.6 Hz, 3H); 13C-NMR (DMSO-d6): δ138.6, 135.0, 130.3, 129.3, 129.2, 128.6, 128.3, 125.2, 121.3, 113.9, 113.6, 111.8, 56.0, 49.7, 26.1, 20.6, 20.2, 19.2; MS m/z 367, 369 (M-1)。
【0208】
実施例31A: (1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化44】

【0209】
(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC (Berger Amino, Chiral Technologies, 10%メタノール、(2%ジエチルアミン/10%クロロホルム) 1500 psi, 50oC, 2 mL/分、保持時間:
17.5分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。[α]25 = 160 (c 0.20, MeOH); 1H-NMR (DMSO-d6): δ11.6 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 9.30 (s, 1H), 7.80 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.70 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.52-7.45 (m, 3H), 7.43 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=6.8 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.78 (m., J=6.4 Hz, 1H), 4.60 (m, 1H), 2.77-2.65 (m, 2H), 2.20-2.05 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 2H), 1.88-1.80 (m, 1H), 1.71 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 367, 369 (M-1); 元素分析C20H22BrN2Clに対する計算値: C, 59.20; H, 5.46; N, 6.90; Cl, 8.69。測定値: C, 59.34; H, 5.45; N, 6.87; Cl, 8.67。
【0210】
あるいは、(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを、エナンチオ選択的経路を用いて合成することができた。
【0211】
実施例31B: (1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(50 mg, 0.19 mmol)、(R)-α-メチルベンジルアミン(23 mg, 0.19 mmol)、およびp-トルエンスルホン酸(5 mg)のトルエン(15 mL)中の混合物を、ディーン・スタークトラップを付けて16時間還流した。混合物を濃縮し、残渣を高真空で乾燥した。残渣をジクロロメタン(3 mL)に溶解した後、ギ酸(0.036 mL, 0.95 mmol)、トリエチルアミン(0.052 mL, 0.38 mmol)、および(S)-RuCl[(1R,2R)-p-TsNCH(C6H6)CH(C6H6)NH2](η-ベンゼン) (16 mg, 0.038 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。(S)-RuCl[(1R,2R)-p-TsNCH(C6H6)CH(C6H6)NH2](η-ベンゼン)は、Journal of American Chemical Society 1996, 118, 2521-2522およびそこに引用された参照文献に記載された方法により調製した。これらの文献を、上記の合成に関して参照により本明細書に組み入れる。混合物をジクロロメタン(10 mL)により希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(10 mL)により洗浄した。有機相をそのままシリカゲルクロマトグラフィーのカラムに適用し、ジクロロメタン中5%酢酸エチルにより溶離した。適切なフラクションを濃縮して48 mg (68%, 90% de)の(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを得た。1H NMR (DMSO-d6): δ10.84 (s, 1H), 7.47 (m, 3H), 7.32 (m, 3H), 7.22 (t, 1H), 7.12 (d, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.78 (m, 1H), 2.50 (DMSO中でm, 2H), 2.16 (bs, 1H), 1.87 (m, 1H), 1.76 (m, 1H), 1.59 (m, 1H), 1.49 (m, 1H), 1.31 (d, 3H); MS m/z 368 (M-1)。
【0212】
(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(48mg, 90% de)をエチルエーテル(2mL)に溶解した後、1M HClエーテル溶液(2mL)を滴下した。得られた沈殿を濾過により収集して36mgの黄色の固体を得た。固体を熱いメタノール(2mL)に溶解した。溶液を放置して冷却し、エチルエーテルを溶液が白濁するまで滴下した。沈殿した結晶を濾過により収集して16 mg (30%, 100% de)の(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ11.66 (s, 1H), 9.86 (bs, 1H), 9.29 (m, 1H), 7.76 (d, 2H), 7.66 (s, 1H), 7.36-7.48 (m, 4H), 7.24 (d, 1H), 4.73 (m, 1H), 4.55 (m, 1H), 2.63 (m, 2H), 2.09 (m, 1H), 1.96 (m, 2H), 1.79 (m, 1H), 1.67 (d, 3H). MS m/z 367, 369 (M-1)。
【0213】
実施例32: (1S)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化45】

【0214】
(1S)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC (Berger Amino, Chiral Technologies, 10%メタノール、(2%ジエチルアミン/10%クロロホルム) 1500 psi, 50oC, 2 mL/分、保持時間:
19.8分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。[α]25 = -4.3 (c 0.23, MeOH); 1H-NMR (DMSO-d6): δ11.6 (s, 1H), 10.08 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 7.86 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.70 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.55-7.45 (m, 3H), 7.42 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=6.8 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.75 (m., J=6.4 Hz, 1H), 4.57 (m, 1H), 3.47-3.37 (m, 2H), 2.70-2.64 (m, 2H), 2.13-2.07 (m, 2H), 1.65 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 367, 369 (M-1); 元素分析C20H22BrN2Clに対する計算値: C, 59.20; H, 5.46; N, 6.90。測定値: C, 59.29; H, 5.55; N,6.92。
【0215】
実施例33: 6-ブロモ-N-(1-メチル-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化46】

【0216】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(500 mg, 1.9 mmol)のメタノール(20 mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(144 mg, 3.8 mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を1時間攪拌し、水(5 mL)を加えて反応を止めた。反応液を濃縮し、塩化メチレンにより希釈し、水により洗浄した。有機相を濃縮し、粗アルコールをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(5%〜30%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製して、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(255 mg, 50%)を淡褐色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ10.99 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 5.18 (d, 1H), 4.75-4.70 (m, 1H), 2.64-2.53 (m, 2H), 2.02-1.91 (m, 2H), 1.77-1.66 (m, 2H); MS m/z (M+1) 267。
【0217】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(0.04 g, 0.15 mmol)を、撹拌子を入れた2mLの反応容器中、p-トルエンスルホン酸の存在下、クミルアミン(0.5 mL)に溶解することにより、6-ブロモ-N-(1-メチル-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を調製した。容器を密封し、Personal Chemistry Microwave Synthesizer中で150℃で10分間加熱した。粗反応物をシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(5%〜25%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製し、HCl塩に変換して、白色の固体を得た(14 mg, 22%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.20 (s, 1H), 9.50 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 7.79 (d, J=7.0 Hz, 2H), 7.64 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.49 (t, J=7.0 Hz, 2H), 7.43 (t, J=7.0 Hz, 1H), 7.37 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.24 (dd, J=8.6 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.47 (s, 1H), 2.67-2.60 (m, 1H), 2.47-2.20 (m, 1H), 2.00 (s, 3H), 1.81 (m, 4H) 1.59-1.34 (m, 3H); MS m/z 381, 383 (M-1); 元素分析C21H24BrN2Clに対する計算値: C, 60.08; H, 5.76; N, 6.67。測定値: C, 60.01; H, 5.84; N, 6.67。
【0218】
実施例34: 6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化47】

【0219】
6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、上記と同一の方法により調製し、白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.6 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 9.30 (s, 1H), 7.77 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.68 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.49-7.40 (m, 3H), 7.39 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=6.8 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.78 (m., J=6.4 Hz, 1H), 4.60 (t, J=4.4 Hz, 1H), 2.77-2.65 (m, 2H), 2.20-2.05 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 2H), 1.88-1.80 (m, 1H), 1.71 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 367, 369 (M-1)。
【0220】
実施例35: (1S)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化48】

【0221】
(1S)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC (Berger Amino, Chiral Technologies, 10%メタノール、(2%ジエチルアミン/10%クロロホルム) 1500 psi, 50oC, 2 mL/分、保持時間:
17.5分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.6 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 9.30 (s, 1H), 7.80 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.70 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.52-7.45 (m, 3H), 7.43 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=6.8 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.78 (m., J=6.4 Hz, 1H), 4.60 (m, 1H), 2.77-2.65 (m, 2H), 2.20-2.05 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 2H), 1.88-1.80 (m, 1H), 1.71 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 367, 369 (M-1); 元素分析C20H22BrN2Clに対する計算値: C, 59.20; H, 5.46; N, 6.90。測定値: C, 59.36; H, 5.58; N, 6.97。
【0222】
実施例36: (1R)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化49】

【0223】
(1R)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC (Berger Amino, Chiral Technologies, 10%メタノール、(2%ジエチルアミン/10%クロロホルム) 1500 psi, 50oC, 2 mL/分、保持時間:
19.8分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.6 (s, 1H), 10.08 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 7.86 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.70 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.55-7.45 (m, 3H), 7.42 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=6.8 Hz, J=1.8 Hz, 1H), 4.75 (m., J=6.4 Hz, 1H), 4.57 (t, J=4.4 Hz, 1H), 3.47-3.37 (m, 2H), 2.70-2.64 (m, 2H), 2.13-2.07 (m, 2H) 1.71 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 367, 369 (M-1); 元素分析C20H22BrN2Clに対する計算値: C, 59.20; H, 5.46; N, 6.90。測定値: C, 59.32; H,5.58; N, 6.97。
【0224】
実施例37: 6-ブロモ-N-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化50】

【0225】
6-ブロモ-N-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、THF (2.0 mL)中の6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩(0.05 g, 0.12 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.04 mL, 0.25 mmol)およびヨウ化メチル(0.008 mL, 0.12 mmol)から調製した。試薬を丸底フラスコに入れ、不活性雰囲気下、室温で12時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、酢酸エチルを加え(10mL)、有機相を水(2.0 mL)および飽和NaCl (2.0 mL)により洗浄し、Na2SO4により乾燥し、濾過し、蒸発させてオイル性の残渣を得た。10〜50%勾配の酢酸エチル/ヘキサン溶離液を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、透明なオイルを得た。これをHCl塩に変換して白色の固体(0.01 g, 20 %)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ8.30 (s, 1H), 7.53 (d, 2H), 7.38-7.10 (m, 5H), 6.89 (d, 1H), 4.09 (m, 1H), 3.04-2.95 (m, 1H), 2.90-2.80 (m, 2H), 2.70-2.55 (m, 3H), 2.48 (s, 3H), 2.11-1.99 (m, 2H), 1.70-1.60 (m, 2H)。
【0226】
実施例38: 6-ブロモ-9-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化51】

【0227】
6-ブロモ-9-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩(0.05 g, 0.12 mmol)および水素化ナトリウム(0.04 mL, 0.25 mmol)のTHF (2.0 mL)溶液に、不活性雰囲気下で0℃に冷却しながら、ヨウ化メチル(0.016 mL, 0.25 mmol)を加えることにより調製した。混合物を放置して室温に暖め、12時間攪拌した。飽和(sat.)塩化アンモニウム(NH4Cl) (2.0 mL)を加えて反応を止め、酢酸エチル(10 mL)を加えて、有機層を分離して飽和NaCl (2.0 mL)により洗浄し、硫酸ナトリウム(Na2SO4)により乾燥し、濾過し、蒸発させてオイル性の残渣を得た。10〜50%勾配の酢酸エチル/ヘキサン溶離液を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、透明なオイルを得た。これをHCl塩に変換して白色の固体(0.005 g, 9 %)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ7.57 (s, 1H), 7.31-7.21 (m, 7H), 7.09 (d, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.53 (s, 3H), 3.19-3.13 (m, 1H), 2.94-2.87 (m, 1H), 2.84-2.80 (m, 2H), 2.74-2.67 (m, 1H), 2.55-2.47 (m, 1H), 2.17-2.11 (m, 1H), 1.83-1.70 (m, 3H); MS m/z 381, 383 (M-1)。
【0228】
実施例39: 6-ブロモ-N-[(2R)-2-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化52】

【0229】
6-ブロモ-N-[(2R)-2-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.38 mmol)および(2R)-2-フェニルプロパン-1-アミン(0.075 mL, 0.57 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.030 g, 19%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.6 (s, 1H), 9.60 (s, 1H), 9.28 (s, 1/2H), 9.06 (s, 1/2H), 7.67 (d, 1H), 7.39-7.20 (m, 6H), 7.11 (s, 1H), 4.65 (m, 1H), 3.30-3.15 (m, 3H), 2.68-2.60 (m, 2H), 2.23-2.15 (m, 1H), 2.10-2.97 (m, 2H), 1.78-1.70 (m, 1H), 1.32 (dd, 3H); MS m/z 381, 383 (M-1)。
【0230】
実施例40: 6-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化53】

【0231】
6-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.5 mmol)およびフェネチルアミン(0.095 mL, 0.75 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.04 g, 23 %)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ7.38-7.22 (m, 7H), 7.00 (dd, 1H), 4.55 (t, 1H), 3.51-3.40 (m, 2H), 3.07-3.00 (m, 2H), 2.94-2.84 (m, 1H), 2.77-2.66 (m, 1H), 2.39 (s, 3H), 2.32-2.14 (m, 2H), 2.09-2.00 (m, 2H); MS m/z 303 (M-1)。
【0232】
実施例41: N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化54】

【0233】
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.5 mmol)および2-インダンアミン(0.10 mL, 0.75 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.027 g, 15 %)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ7.36-7.22 (m, 6H), 7.00 (dd, 1H), 4.70 (t, 1H), 4.43 (m., 1H), 3.66 (dd, 1H), 3.44 (dd, 1H), 3.28-3.12 (m, 2H), 2.95-2.86 (m, 1H), 2.80-2.69 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.32-2.25 (m, 2H), 2.09-2.00 (m, 2H); MS m/z 184 (M-133)。
【0234】
実施例42: 6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化55】

【0235】
6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.5 mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.07 mL, 0.75 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.075 g, 44%)を得た。1H-NMR (CDCl3): δ8.05 (s, 1H), 7.50-7.18 (m, 7H), 7.36 (d, J=8.1 Hz, 1H), 4.13 (q, J=5.7.7 Hz, 1H), 3.99 (t, J=6.3 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H), 2.20-2.13 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 1H), 1.64-1.48 (m, 4H), 1.42 (d, J=6.3 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121)。
【0236】
実施例43: (1R)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化56】

【0237】
(1R)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン遊離塩基のジアステレオマーをSFC (Berger Amino, 8%メタノール、1500 psi、40℃、2 mL/分:保持時間8.7分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して、白色の固体を得た。[α]25 = 153 (c 0.23, MeOH); 1H-NMR (CD3OD): δ7.63 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.55-7.46 (m, 3H), 7.29 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.02 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.75 (q, J=7.2 Hz, 1H), 4.43 (m, 1H), 2.85 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.67 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.11-1.96 (m, 4H), 1.71 (d, J=7.2 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121); 元素分析C21H25BrN2Clに対する計算値: C, 73.99; H, 7.39; N, 8.22。測定値: C, 73.85; H, 7.38; N, 8.23。
【0238】
実施例44: (1S)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化57】

【0239】
(1S)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC (Berger Amino, 10%メタノール、1500 psi、40℃、2 mL/分:保持時間10.0分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して、白色の固体を得た。[α]25 = -20.0 (c 0.20, MeOH); 1H-NMR (DMSO-d6): δ7.58 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.55-7.46 (m, 3H), 7.26 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.01 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.74 (q, J=7.2 Hz, 1H), 4.43 (t, J=4.8 Hz, 1H), 2.82 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.68 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.8 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.32-2.20 (m, 1H), 2.18-2.00 (m, 2H), 1.98-1.88 (m, 1H), 1.75 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121); 元素分析C21H25BrN2Clに対する計算値: C, 73.99; H, 7.39; N, 8.22。測定値: C, 74.02; H, 7.30; N, 8.31。
【0240】
実施例45: 6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化58】

【0241】
6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.5 mmol)およびS-α-メチルベンジルアミンから、上と同一の方法により調製した。1H-NMR (CDCl3): δ8.05 (s, 1H), 7.50-7.18 (m, 7H), 7.36 (d, J=8.1 Hz, 1H), 4.13 (q, J=5.7.7 Hz, 1H), 3.99 (t, J=6.3 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H), 2.20-2.13 (m, 1H), 2.05-1.95 (m, 1H), 1.64-1.48 (m, 4H), 1.42 (d, J=6.3 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121)。
【0242】
実施例46: (1S)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化59】

【0243】
(1S)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC (Berger Amino, 8%メタノール、1500 psi、40℃、2 mL/分:保持時間8.7分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して、白色の固体を得た。[α]25 = -133.5 (c 0.20, MeOH); 1H-NMR (CD3OD): δ7.63 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.55-7.46 (m, 3H), 7.29 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.02 (d, J=8.4 Hz, 1H), 4.75 (q, J=7.2 Hz, 1H), 4.43 (m, 1H), 2.85 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.67 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.11-1.96 (m, 4H), 1.71 (d, J=7.2 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121)。
【0244】
実施例47: (1R)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化60】

【0245】
(1R)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンのジアステレオマーをSFC (Berger Amino, 10%メタノール、1500 psi、40℃、2 mL/分:保持時間10.0分)を用いて分離することにより調製した。得られたオイルをHCl塩に変換して、白色の固体を得た。[α]25 = 22.5 (c 0.20, MeOH); 1H-NMR (DMSO-d6): δ7.58 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.55-7.46 (m, 3H), 7.26 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.01 (d, J=8.8 Hz, 1H), 4.74 (q, J=7.2 Hz, 1H), 4.43 (t, J=4.8 Hz, 1H), 2.82 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.0 Hz, 1H), 2.68 (dt, J= 16.4 Hz, J=4.8 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.32-2.20 (m, 1H), 2.18-2.00 (m, 2H), 1.98-1.88 (m, 1H), 1.75 (d, J=6.8 Hz, 3H); MS m/z 184 (M-121)。
【0246】
実施例48: N-ベンジル-6-ニトロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化61】

【0247】
N-ベンジル-6-ニトロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ニトロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.1 g, 0.22 mmol)(J. Heterocyclic Chemistry, 1990, 27(7), 1947-51を参照されたい。この文献をこの出発物質の合成に関して参照により本明細書に組み入れる)およびベンジルアミン(0.03 mL, 0.33 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.01 g, 8%)を得た。1H-NMR (CD3OD): δ8.55 (s, 1H), 8.14 (d, 1H), 7.56-7.53 (m, 3H), 7.49-7.45 (m, 3H), 4.71 (t, 1H), 4.44 (m, 2H), 2.99 (dt, 1H), 2.83 (dt, 1H), 2.38-2.25 (m, 2H), 2.15-2.00 (m, 2H); MS m/z 320 (M-1)。
【0248】
実施例49: 6-ニトロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化62】

【0249】
6-ニトロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.05 g, 0.22 mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.04 mL, 0.33 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.005 g, 6%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ12.2 (s, 1H), 9.86 (s, 1H), 9.32 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.04 (d, 1H), 7.75 (d, 2H), 7.59 (d, 1H), 7.47-7.38 (m, 3H), 4.76 (q, 1H), 4.46 (t, J=4.2 Hz, 1H), 2.81-2.67 (m, 2H), 2.14-2.08 (m, 1H), 2.00-1.93 (m, 2H) 1.87-1.80 (m, 1H), 1.67 (d, 3H); MS m/z 334 (M-1)。
【0250】
実施例50: 7-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
【化63】

【0251】
7-ブロモ-1,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-3(2H)-オンを、ブロモアニリンおよび2-(ヒドロキシメチレン)シクロペンタノンから、上記と同様の方法により調製し、0.5gの褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ8.73 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 3.09 (dd, 2H), 3.02 (dd, 2H); MS m/z 249, 251 (M+1)。
【0252】
7-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-1,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-3(2H)-オン(0.1 g, 0.4 mmol)およびフェネチルアミン(0.075 mL, 0.6 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.005 g, 3%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.2 (s, 1H), 9.28 (s, 2H), 7.67 (s, 1H), 7.40-7.22 (m, 7H), 7.36 (d, 3H), 4.80 (m, 1H), 3.30-3.23 (m, 2H), 3.09-3.06 (m, 1H), 3.02-2.85 (m, 2H), 2.75-2.70 (m, 1H); MS m/z 353, 355 (M-1)。
【0253】
実施例51: (3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
【化64】

【0254】
(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-1,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-3(2H)-オン(0.1 g, 0.4 mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.075 mL, 0.6 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体を得た。分取TLCによる精製により、0.004 g (3%)を得た。1H-NMR 80℃ (DMSO-d6): δ11.1 (s, 1H), 10.0 (s, 1H), 9.25 (s, 1H), 7.69-7.60 (m, 3H), 7.44-7.24 (m, 4H), 7.23 (d, 1H), 4.70 (s, 1H), 4.57 (s, 1H), 3.40 (m, 2H), 3.19 (m, 1H), 2.88-2.81 (m, 1H), 2.74-2.64 (m, 2H), 1.68 (d, 3H); MS m/z 353, 355 (M-1)。
【0255】
実施例52: (3S)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
【化65】

【0256】
(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-1,4-ジヒドロシクロペンタ[b]インドール-3(2H)-オン(0.1 g, 0.4 mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(0.075 mL, 0.6 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体を得た。分取TLCによる精製により、目的の化合物(0.001 g, 1%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.4 (s, 1H), 9.67 (s, 1H), 9.60 (s, 1H), 8.13 (d, 1H), 7.74 (dd, 1H), 7.63 (dd, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.39-7.34 (m, 1H), 7.31-7.2 (m, 3H), 4.96 (s, 1H), 4.85 (q, 1H), 3.76 (m, 1H), 3.58-3.50 (m, 2H), 3.30 (m, 1H), 3.23 (d, 3H); MS m/z 353, 355 (M-1)。
【0257】
実施例53: N-ベンジル-6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化66】

【0258】
N-ベンジル-6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、THF中の6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(0.05 g, 0.23 mmol)およびベンズアルデヒド(0.04 mL, 0.35 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、白色の固体(0.02 g, 25%)を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.1 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 7.63 (d, 2H), 7.44-7.39 (m, 3H), 7.28 (d, 1H), 6.95 (s, 1H), 6.78 (d, 1H), 4.62 (t, 1H), 4.26 (m, 2H), 3.74 (s, 3H), 2.71-2.60 (m, 2H), 2.21-2.17 (m, 2H), 2.10-2.04 (m, 1H), 1.81-1.75 (m, 1H); MS m/z 305 (M-1)。
【0259】
実施例54: N-ベンジル-2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
【化67】

【0260】
2-ブロモ-5a,6,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン(50 mg, 0.16 mmol)、臭化ベンジル(54 mg, 0.32 mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(21 mg, 0.48 mmol)を室温で16時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルにより希釈し、水(50 mL)により洗浄し、分離し、濃縮して褐色のオイルを得た。粗オイルをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(5%〜20%酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製して純粋なアミンを得た。アミンをジエチルエーテルにより希釈して、HCl (ジエチルエーテル中、1.0 M)を加えた。溶液を濃縮し、アセトニトリルおよび水に溶解し、凍結乾燥して、25mg (38%)の淡褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.53 (s, 1H), 9.49 (d, 2H), 7.76 (s, 1H), 7.64-7.61 (d, 2H), 7.45-7.43 (m, 3H), 7.38 (d, 1H), 7.26-7.25 (m 1H), 4.68-4.61 (m, 1H), 4.37-4.29 (m, 1H), 4.02-3.93 (m, 1H), 3.02-2.98 (m, 2H), 2.22-1.89 (m, 4H), 1.51-1.26 (m, 2H); MS m/z (M-1) 367, 369。
【0261】
実施例55: 2-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
【化68】

【0262】
2-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩を、2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン(150 mg, 0.54 mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(98 mg, 0.81 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、2.5 mg (1%)の白色の固体を得た。MS m/z (M-1) 381, 383。
【0263】
実施例56: 2-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
【化69】

【0264】
2-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩を、2-ブロモ-5a,7,8,9,10,10a-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン(150 mg, 0.54 mmol)およびフェネチルアミン(65 mg, 0.54 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、81 mg (36%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.45 (s, 1H), 9.47 (d, 1H), 9.10 (d, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.31-7.28 (m, 3H), 7.20-7.18 (m, 4H), 4.57-4.56 (m, 1H), 3.39-3.05 (m, 2H), 2.97-2.83 (m, 4H), 2.45-2.42 (m, 1H), 2.16-1.85 (m, 4H), 1.45-1.35 (m, 1H); MS m/z 278, 280 (M-1) 381, 383。
【0265】
実施例57: 6-ブロモ-N-(4-フルオロベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化70】

【0266】
6-ブロモ-N-(4-フルオロベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100 mg, 0.38 mmol)および4-フルオロベンジルアミン(70 mg, 0.57 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、30 mg (19%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.60 (s, 1H), 9.82-9.65 (m, 2H), 7.77-7.72 (m, 3H), 7.41 (d, 1H), 7.34-7.27 (m, 3H), 4.72-4.69 (m, 1H), 4.39-4.26 (m, 2H), 2.77-2.70 (m, 2H), 2.27-2.22 (m, 2H), 2.16-2.05 (m, 1H), 1.87-1.76 (m, 1H); MS m/z (M-1) 371, 373。
【0267】
実施例58: N-ベンジル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化71】

【0268】
N-ベンジル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150 mg, 0.59 mmol)およびベンジルアミン(130 mg, 1.2 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、52 mg (23%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ12.07 (s, 1H), 10.13-9.95 (m, 2H), 7.87 (s, 1H), 7.68 (d, 2H), 7.57 (d, 1H), 7.42-7.39 (m, 4H), 4.72-4.68 (m, 1H), 4.29-4.25 (m, 2H), 2.74-2.71 (m, 2H), 2.31-2.23 (m, 2H), 2.13-2.08 (m, 1H), 1.81-1.74 (m, 1H)。
【0269】
実施例59: N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化72】

【0270】
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150 mg, 0.59 mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(150 mg, 1.2 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、11 mg (5%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ12.00 (s, 1H), 9.98-9.74 (m, 2H), 7.97-7.90 (m, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.61-7.57 (m, 1H), 7.54-7.38 (m, 5H), 4.77-4.62 (m, 1H), 4.17-4.00 (m, 1H), 2.73-2.70 (m, 1H), 1.60-1.58 (m, 1H), 1.65-1.54 (m, 2H), 1.29-1.27 (m, 1H), 1.23-1.07 (m, 4H); MS m/z (M-1) 357。
【0271】
実施例60: N-ベンズヒドリル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化73】

【0272】
N-ベンズヒドリル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100 mg, 0.38 mmol)およびベンズヒドリルアミン(70 mg, 0.38 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、40 mg (22%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.97 (s, 1H), 10.51-10.46 (m, 1H), 10.14-10.11 (m, 1H), 7.97 (d, 2H), 7.86 (d, 2H), 7.65 (s, 1H), 7.48-7.31 (m, 7H), 7.24 (d, 1H), 5.97-5.94 (m, 1H), 4.42-4.38 (m, 1H), 2.63-2.61 (m, 2H), 2.17-1.97 (m, 3H), 1.75-1.66 (m, 1H); MS m/z (M-1) 429, 431。
【0273】
実施例61: N-ベンジル-7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化74】

【0274】
N-ベンジル-7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(45 mg, 0.17 mmol)およびベンジルアミン(18 mg, 0.17 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、35 mg (52%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.48 (s, 1H), 9.76-9.65 (m, 2H), 7.64-7.61 (m, 1H), 7.55-7.52 (m, 1H), 7.46-7.39 (m, 5H), 7.16-7.14 (m, 1H), 4.67-4.64 (m, 1H), 4.32-4.25 (m, 2H), 2.74-2.60 (m, 2H), 2.21-2.19 (m, 2H), 2.10-2.04 (m, 1H), 1.81-1.75 (m, 1H)。
【0275】
実施例62: 7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化75】

【0276】
7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(45 mg, 0.17 mmol)および(R)-α-メチルベンジルアミン(21 mg, 0.17 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、37 mg (54%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.56 (s, 1H), 9.80-9.75 (m, 1H), 9.31-9.21 (m, 1H), 7.75 (d, 2H), 7.60 (s, 1H), 7.47-7.38 (m, 4H), 7.14 (d, 1H), 4.76-4.70 (m, 1H), 4.55-4.51 (m, 1H), 2.69-2.57 (m, 2H), 2.10-1.72 (m, 4H), 1.66 (d, 3H)。
【0277】
実施例63: 7-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化76】

【0278】
7-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を、7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(45 mg, 0.17 mmol)および2-アミノインダン(23 mg, 0.17 mmol)から、上記と同様の方法により調製し、23 mg (32%)の白色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.38 (s, 1H), 9.74-9.60 (m, 2H), 7.58 (s, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.45-7.15 (m, 5H), 4.67-4.66 (m, 1H), 4.35-4.31 (m, 1H), 3.49-3.25 (m, 4H), 2.76-2.62 (m, 2H), 2.22-2.00 (m, 3H), 1.86-1.82 (m, 1H); MS m/z (M-1) 379, 381。
【0279】
実施例64: 6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
【化77】

【0280】
6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(300 mg, 1.1 mmol)の塩化メチレン(10 mL)溶液に、塩化ベンゼンスルホニル(201 mg, 1.1 mmol)、水酸化ナトリウム水溶液(5N, 1.1 mL, 5.5 mmol)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(触媒量)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。さらに塩化ベンゼンスルホニル(201 mg, 1.1 mmol)および水酸化ナトリウム(300 mg, 7.5 mmol)を加え、反応液を1時間攪拌した。反応液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥し、濾過し、濃縮した。粗ケトンをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(5%〜30%勾配の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(400 mg, 87%)を、淡褐色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ8.26 (d, 1H), 8.12 (d, 2H), 7.76 (s, 1H), 7.63-7.58 (m, 2H), 7.52 (t, 2H), 2.91-2.89 (m, 2H), 2.62-2.59 (m, 2H), 2.20-2.14 (m, 2H)。
【0281】
6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール
6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150 mg, 0.37 mmol)のメタノール(10 mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(30 mg, 0.79 mmol)を加えた。反応液を室温で30分間撹拌し、水(10 mL)により反応を止めた。得られた沈殿を真空濾過により収集し、乾燥して、6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(135 mg, 89%)を黄色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ8.10-8.07 (m, 2H), 7.94 (d, 1H), 7.70-7.64 (m, 2H), 7.55 (t, 2H), 7.48-7.46 (m, 1H), 5.31 (d, 1H), 5.28-5.28 (m, 1H), 2.75-2.68 (m, 2H), 1.99-1.89 (m, 2H), 1.81-1.70 (m, 2H); MS m/z (M+1) 404, 406。
【0282】
6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
6-ブロモ-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(25 mg, 0.06 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2 mL)溶液に、臭化ベンジル(0.5 mL)および水素化ナトリウム(油中60%, 50 mg, 1.2 mmol)を加えた。反応液を10分間撹拌し、水(1 mL)により反応を止めた。反応液を酢酸エチルにより希釈し、水により洗浄し、濃縮して、6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-9-(フェニルスルホニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾールを得た。MS m/z (m-1) 494, 496。粗ベンジルエーテルをメタノール(5 mL)およびテトラヒドロフラン(3 mL)に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(5N, 2 mL)および水酸化ナトリウムペレット(300 mg, 1.1 mmol)を加えた。反応液を70℃で16時間攪拌した。反応液を濃縮し、酢酸エチルにより希釈し、水で洗浄し、濃縮した。粗エーテルをシリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(5%〜10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール(15 mg, 71%)をオイル性の白色の固体として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ11.10 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.39 (d, 2H), 7.33 (t, 2H), 7.29-7.24 (d, 2H), 7.13 (d, 1H), 4.72-4.61 (m, 3H), 2.69-2.63 (m, 1H), 2.55-2.50 (m, 1H), 1.99-1.91 (m, 3H), 1.78-1.71 (m, 1H); MS m/z (M-1) 354, 356。
【0283】
実施例65: N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)-N'-イソプロピル尿素
【化78】

【0284】
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)-N'-イソプロピル尿素を、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよびイソシアン酸イソプロピルから調製し、黄褐色の固体を得た(収率58%)。1H-NMR (DMSO-d6): δ10.89 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.16 (dd, 1H), 6.18 (d, 1H), 5.63 (d, 1H), 4.90 (m, 1H), 3.78 (m, 1H), 2.64 (m, 2H), 1.97 (m, 1H), 1.90-1.67 (m, 3H), 1.08, (d, 6H); MS m/z 350 (M-1)。
【0285】
実施例66: 6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルカルバミン酸メチル
【化79】

【0286】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルカルバミン酸メチルを、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよびクロロギ酸メチルから調製し、黄色のオイルを得た(収率8%)。1H-NMR (CDCl3): δ 8.70 (s, 1H), 7.60 (m, 1H), 7.28-7.16 (m, 2H), 4.98 (m, 1H), 4.90 (m, 1H), 3.74 (s, 3H), 2.66 (m, 2H), 2.21 (m, 1H), 1.90 (m, 2H), 1.81 (m, 1H); MS m/z 324 (M+1)。
【0287】
実施例67: N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アセトアミド
【化80】

【0288】
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アセトアミドを、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび塩化アセチルから調製し、黄褐色の固体を得た(収率52%)。1H-NMR (CDCl3): δ8.86 (s, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.22 (m, 1H), 7.16 (d, 1H), 5.80 (m, 1H), 5.10 (m, 1H), 2.67 (m, 2H), 2.22 (m, 1H), 2.04 (s, 3H), 1.91 (m, 2H), 1.81 (m, 1H); MS m/z 306 (M-1)。
【0289】
実施例68: N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)シクロヘキサンカルボキシアミド
【化81】

【0290】
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)シクロヘキサンカルボキシアミドを、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび塩化シクロヘキサンカルボニルから調製し、黄褐色の固体を得た(収率62%)。1H-NMR (CDCl3): δ8.86 (s, 1H), 7.58 (m, 1H), 7.21 (dd, 1H), 7.16 (d, 1H), 5.74 (m, 1H), 5.07 (m, 1H), 2.66 (m, 2H), 2.26-2.05 (m, 2H), 1.96-1.72 (m, 7H), 1.70-1.63 (m, 1H), 1.52-1.35 (m, 2H), 1.31-1.16 (m, 3H); MS m/z 375 (M-1)。
【0291】
実施例69: N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)メタンスルホンアミド
【化82】

【0292】
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)メタンスルホンアミドを、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンおよび塩化メタンスルホニルから調製し、黄褐色の固体を得た(収率57%)。1H-NMR (CDCl3): δ8.71 (s, 1H), 7.60 (m, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.20 (d, 1H), 4.71-4.59 (m, 2H), 3.07 (s, 3H), 2.67 (m, 2H), 2.22 (m, 1H), 2.00-1.78 (m, 3H); MS m/z 343 (M-1)。
【0293】
実施例70: N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)尿素
【化83】

【0294】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(50 mg, 0.19 mmol)のイソプロパノール(0.30 mL)溶液に、イソシアン酸トリメチルシリルを加えた。混合物を室温で15分間撹拌し、溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0〜5%メタノール-ジクロロメタン)により精製して、23 mg (収率40%)の褐色の固体を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ10.91 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.16 (dd, 1H), 6.46 (d, 1H), 4.87 (m, 1H), 2.64 (m, 2H), 1.97 (m, 1H), 1.90-1.65 (m, 3H); MS m/z 308 (M-1)。
【0295】
実施例71: N-ベンジル-8-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化84】

【0296】
2-ブロモアニリン(2.0 g, 12 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(15 mL)溶液に、炭酸カリウム(2.4 g, 18 mmol)および3-ブロモシクロヘキセン(2.7 mL, 23 mmol)を加えた。混合物を75℃に16時間加熱した。反応液を放置して冷却した後、酢酸エチル(50 mL)およびトルエン(15 mL)により希釈した。溶液を食塩水により洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、濃縮した。残渣を高真空で乾燥し、2.13 g (73%)のN-(2-ブロモフェニル)-N-シクロヘキサ-2-エン-1-イルアミンを得た。1H NMR (DMSO-d6): δ7.40 (d, 1H), 7.16 (t, 1H), 6.79 (d, 1H), 6.53 (t, 1H), 5.83-5.88 (m, 1H), 5.66-5.71 (m, 1H), 4.43 (d, 1H), 4.06 (m, 1H), 1.99 (m, 2H), 1.82 (m, 1H), 1.60 (m, 3H). MS m/z 252, 254 (M+1)。
【0297】
N-(2-ブロモフェニル)-N-シクロヘキサ-2-エン-1-イルアミン(2.13 g, 8.4 mmol)および塩化亜鉛(1.26 g, 9.3 mmol)の混合物をキシレン(30 mL)中で6時間還流した後、放置して室温に冷却した。反応液を室温で16時間攪拌した。粗反応混合物を直接シリカゲルクロマトグラフィーのカラムに注ぎ、3%〜5%〜10%のエチルエーテル/ヘキサンの勾配により溶離した。適切なフラクションを濃縮すると、1.0gの2-ブロモ-6-シクロヘキサ-2-エン-1-イルアニリンおよび副生成物の1:1混合物が残り、これらは順相クロマトグラフィーでは分離できなかった。少量(30 mg)の混合物を逆相クロマトグラフィーにより精製し、分析的に純粋なサンプルを得たが、残りの物質は混合物として次の反応に用いた。1H NMR (DMSO-d6): δ7.22 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 6.47 (t, 1H), 5.90 (m, 1H), 5.58 (d, 1H), 5.05 (s, 2H), 3.55 (m, 1H), 2.01 (m, 2H), 1.91 (m, 1H), 1.54 (m, 2H), 1.37 (m, 1H). MS m/z 252, 254 (M+1)。
【0298】
上記の2-ブロモ-6-シクロヘキサ-2-エン-1-イルアニリン混合物(0.85 g, 3.4 mmol)のジクロロメタン(50 mL)溶液に、炭酸水素ナトリウム(2.3 g, 27 mmol)、次いでヨウ素(3.5 g, 14 mmol)を加えた。反応液を3時間攪拌した後、ジクロロメタン(100 mL)により希釈した。有機相を10% w/wチオ硫酸ナトリウム水溶液により洗浄し、食塩水により洗浄し、疎水性フリットを通すことにより乾燥した。有機溶液を濃縮して、粗8-ブロモ-1-ヨード-2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-カルバゾールを得た。MS m/z 378, 380 (M+1)。
【0299】
上記の8-ブロモ-1-ヨード-2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-カルバゾール(0.63g)、炭酸水素ナトリウム(300mg)、およびベンジルアミン(2.5mL)を、SmithCreator電子レンジ中で150℃に600秒間加熱した。混合物を放置して冷却した後、ジクロロメタンにより希釈した。有機相を水で洗浄し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより、酢酸エチルで溶離して精製した。適切なフラクションを濃縮して、320 mgの1-ベンジル-8-メチル-2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-カルバゾールおよび副生成物の1:1混合物を得たが、これは順相クロマトグラフィーでは分離できなかった。少量の(25mg)混合物を逆相クロマトグラフィーにより精製して、分析的に純粋なサンプルを得たが、残りの物質は混合物として次の反応に用いた。1H NMR (DMSO-d6): δ7.30-7.38 (m, 4H), 7.26 (s, 2H), 7.14 (d, 1H), 6.92 (d, 1H), 6.59 (t, 1H), 4.00 (d, 1H), 3.71 (d, 1H), 3.50 (m, 1H), 3.42 (t, 1H), 2.33 (m, 1H), 2.15 (m, 1H), 2.03 (m, 1H), 1.61-1.82 (m, 2H), 1.15-1.27 (m, 1H), 1.03-1.14 (m, 1H); MS m/z 357, 359 (M+1)。
【0300】
1-ベンジル-8-メチル-2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-カルバゾール(220 mg, 0.62 mmol)のジクロロメタン(8 mL)溶液に、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(210 mg, 0.93 mmol)を加えて、混合物を室温で16時間攪拌した。溶液をジクロロメタン(30 mL)により希釈し、1M水酸化ナトリウム(2 x 25 mL)により洗浄した。有機相を疎水性フリットに通し、濃縮して200mgの粗物質を得た。100mgの粗物質を逆相クロマトグラフィーにより精製した。適切なフラクションを濃縮してオイルを得た。オイルをエチルエーテルに溶解して、2.5M HClエーテル溶液を滴下した。得られた白色の沈殿を濾過により収集し、高真空で乾燥して、16mgのN-ベンジル-8-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ11.20 (s, 1H), 9.20 (bs, 2H), 7.63 (d, 2H), 7.53 (d, 1H), 7.46 (m, 3H), 7.38 (d, 1H), 7.00 (t, 1H), 4.75 (m, 1H), 4.23-4.38 (m, 2H), 2.71 (t, 2H), 2.25-2.34 (m, 1H), 2.07-2.22 (m, 2H), 1.76-1.86 (m, 1H); MS m/z 248, 250 (M-ベンジルアミン)。
【0301】
生物実験およびデータ
本発明の化合物は、HPV感染に伴う状態および疾病の治療および/または予防に有用であると考えられる。HPVにより仲介される活性を下記のW-12細胞アッセイを用いて測定した。
【0302】
細胞培養および培地
使用したW12細胞系は、HPV16 DNAを含有し、Margaret Stanleyによる軽度子宮頸部形成異常組織に由来し、次いでPaul Lambert (University of Wisconsin)によりクローン的に選択された。これらのクローンの一つ、W12-20580はエピソームHPV16 DNAの1000のコピーを含み、細胞に基づくアッセイに使用される。W12-20850細胞は、3T3細胞のガンマ線照射(6000 rads)支持細胞層と共に日常的に培養された。しかしながら、アッセイは、3T3支持細胞層が存在しない状態でおこなわれた。W12- 20850および3T3細胞は、通常これらがサブコンフルエントの時に分離された。W12-20850は、25% DMEM (Gibco BRL, Cat # 12430-047)、75% F12培地(Gibco BRL, Cat # 11765-021)および2.5% FBSから構成されるW12培地中で培養された。添加物には、24.0 mg/mlアデニン(Sigma, Cat # A-9795)、0.4 mg/mlヒドロコルチゾン(Calbiochem, Cat # 386698), 5.0 mg/mlウシインスリン(Sigma, Cat # I-1882), 8.4 ng/mlコレラ毒素(Fluka, Cat # 26694)および10 ng/ml EGF (Invitrogen, Cat # 13247-051)が含まれる。3T3細胞は10% FBSを含有するDMEM中で培養された。細胞系を5% CO2の存在下、37℃でインキュベートした。
【0303】
細胞に基づくアッセイ
アッセイのために、W12-20850細胞を化合物を含有する96ウェルプレートに蒔いた。プレートを5% CO2の存在下、37℃で4日間インキュベートした。4日目に、細胞を溶解し、エピソームHPV-16 DNAの量を、HPV-16特異的捕獲および検出プローブによる非放射性ハイブリッド捕獲技術を用いて定量した。次に、未処理の対照細胞に対する阻害パーセントを決定した。
【0304】
ハイブリッド捕獲
ハイブリッド捕獲アッセイは、96ウェルプレートフォーマットでおこなった。ハイブリダイゼーションプレート(Nunc Maxisorb Cat # 450320)を捕獲プローブおよびReactiBind溶液の混合物により、少なくとも4時間覆い、次いで0.2X SSC, 0.05% Tween20 (SSCT)により洗浄した後、150μl/ウェルの0.2 N NaOH、1% Igepal、10 mg/ml hsDNAにより6〜8時間ブロッキングした。27μlの溶解細胞を45μlの6Mイソチオシアン酸グアニジン中の変性検出プローブと混合することによりハイブリダイゼーションをおこなった。蒸発を防ぐために、それぞれのウェルに50μlの鉱油を加えた。次にプレートを90℃で6.5分間加熱し、42℃で一晩ハイブリダイゼーションを続けた。アッセイプレートをSSC/Tにより6回洗浄した。抗ディゴキシゲニンHRPコンジュゲートAb (Boehringer Mannheim 1207733, 1:5000)をウェル中で、室温で30分間インキュベートし、PBS/0.05% Tween-20により洗浄した。SuperSignal LBA基質(Pierce Cat # 37070)を加え、Wallac 1420 Victorプレートリーダーを用いて化学発光を測定した。
【表1】

【0305】
試験化合物は遊離または塩の形で使用した。
【0306】
すべての研究は、実験動物管理の原則 (NIH出版No. 85-23、1985改訂)および動物の使用に関するGlaxoSmithKlineの方針に従った。
【0307】
本発明の特定の実施形態について本明細書に例示し、詳細に説明したが、本発明はそれに限定されない。上記の詳細な説明は本発明の例として提供したものであって、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。変更は当業者には明白であり、本発明の趣旨を逸脱しないすべての変更は、添付した請求の範囲に含まれることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
nは、0、1、または2であり;
Rは、水素またはアルキルであり;
Xは、NR2、O、またはS(O)mであり;
それぞれのR1は同一であるか、または異なっており、独立して、水素、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、またはアジドからなる群より選択され;
Yは、場合により置換されたアルキレン、場合により置換されたシクロアルキレン、場合により置換されたアルケニレン、場合により置換されたシクロアルケニレン、または場合により置換されたアルキニレンであり;
dは、0または1であり;
Zは、-R2、-OR2、-C(O)R2、-C(O)2R2、-S(O)mR2、-C(O)NR2R3、-Het、または-Ayであり、ただし、dが0である場合、Zは-HetまたはAyではなく;
それぞれのmは、独立して、0、1または2であり;
それぞれのR10は同一であるか、または異なっており、独立して、アルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、およびアルキニレンから選択され;
pは、0、1、2、3、または4から選択され;
それぞれのR2およびR3は、同一であるか、または異なっており、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w、および-R10NR5R6からなる群より選択され;
wは、1〜10であり;
それぞれのR5およびR6は、同一であるか、または異なっており、独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、およびアルキニルからなる群より選択され;
Ayは、場合により置換されたアリール基を表し;
Hetは、場合により置換された5-または6-員複素環基またはヘテロアリール基を表す]
の化合物を投与することを含む、またはそれらの製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは生理的に機能性の誘導体の投与を含む、HPV感染を原因とする状態または障害の治療または予防の方法。
【請求項2】
dが1であり、Yが場合により置換されたアルキレンであって、上記アルキレンが場合によりアルキル、ジアルキル、またはアリールにより置換されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Yが、メチル、ジメチル、または場合により置換されたフェニルにより置換されたメチレンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
dが1であり、Yが場合により置換されたシクロアルキレンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
Yがインダンである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
Ayが置換アリールである場合、前記アリールがアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、アルキルアミン、ニトロ、またはシアノにより置換されている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
pが1であり、R1がハロゲンである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
R1が臭素である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
nが1である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
Xが-NHである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
Zが-Ayである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
-Ayがフェニル、または場合により置換されたフェニルである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
pが1であり、R1がハロゲンであって、図示されたN原子に対してパラ置換されており、nが1であり、XがNHであり、(Y)dが置換アルキレンであり、Zがアリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
R1が臭素または塩素であって、図示されたN原子に対してパラ置換されており、前記アルキレンがアルキルにより置換されており、前記アリールがフェニルまたは場合により置換されたフェニルである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アルキルがメチルである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
pが1であり、R1がハロゲンであり、nが1であり、XがNHであり、(Y)dがシクロアルキレンであり、ZがR2である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
R1が臭素または塩素であって、図示されたN原子に対してパラ置換されており、(Y)dがインダンであり、R2が水素である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記化合物が、
N-ベンジル-2,3,4,9-テトラヒドロカルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(4-メトキシベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-[(1R)-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-シクロヘキシル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-プロピル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2-メトキシエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(2R)-2-フェニル-2-(2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルアミノ)エタノール塩酸塩
N-[(1S)-1-メチル-3-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(1-メチル-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-9-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(2R)-2-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-ニトロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ニトロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
(3S)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(4-フルオロベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンズヒドリル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-7-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)-N-イソプロピル尿素
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルカルバミン酸メチル
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アセトアミド
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)シクロヘキサンカルボキシアミド
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)メタンスルホンアミド
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)尿素;および
N-ベンジル-8-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物が、
N-ベンジル-2,3,4,9-テトラヒドロカルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(4-メトキシベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-[(1S)-1-メチル-3-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(1-メチル-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(2R)-2-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ニトロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(4-フルオロベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンズヒドリル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)-N-イソプロピル尿素
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルカルバミン酸メチル
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)シクロヘキサンカルボキシアミド
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)メタンスルホンアミド;および
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)尿素
である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物が、
N-(4-メトキシベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(1-メチル-1-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1S)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-ブロモ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-[(2R)-2-フェニルプロピル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-(2-フェニルエチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(1R)-6-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ニトロ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
(3R)-7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-アミン塩酸塩
N-ベンジル-2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
2-ブロモ-N-(2-フェニルエチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
6-ブロモ-N-(4-フルオロベンジル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンジル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-[(1R)-1-フェニルエチル]-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
N-ベンズヒドリル-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-[(1R)-1-フェニルエチル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
7-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
6-ブロモ-1-[(フェニルメチル)オキシ]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)-N-イソプロピル尿素
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イルカルバミン酸メチル
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)シクロヘキサンカルボキシアミド;および
N-(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)メタンスルホンアミド
である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
請求項1の化合物が、さらに、
【化2】

[式中、
R6は、H、アルキル、-OR2、-NR2R3、Ay、Het、-C(O)R2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)mR2、またはオキソであり、そこにおいて、R2、R3、m、Ay、およびHetは上で定義した通りであり;
R7は、Hまたはアルキルであり;
但し、R6およびR7は両方Hであることはない]
またはその塩、溶媒和物もしくは薬理的機能を有する誘導体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
【化3】

から選択される化合物。
【請求項23】
アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスを含むパポーバウイルスファミリーに属するウイルスを含む腫瘍ウイルスにより引き起こされる疾病および状態の治療または予防のための、請求項1〜21に記載の方法。
【請求項24】
状態または疾病が、いぼ、生殖器いぼ、子宮頸部形成異常、再発性呼吸器乳頭腫症、またはパピローマウイルス感染に伴う癌である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
癌が、肛門性器癌、頭部もしくは頸部癌、または皮膚癌である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
肛門性器癌が、子宮頸癌、肛門もしくは肛門周囲癌、外陰癌、膣癌、または陰茎癌であり;
頭部もしくは頸部癌が、口腔咽頭領域癌または食道癌であり;
皮膚癌が、基底細胞癌または扁平上皮癌である、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項22の化合物を投与することを含む、アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスを含むパポーバウイルスファミリーに属するウイルスを含む腫瘍ウイルスにより引き起こされる疾病および状態の治療または予防のための方法。
【請求項28】
状態または疾病が、いぼ、生殖器いぼ、子宮頸部形成異常、再発性呼吸器乳頭腫症、またはパピローマウイルス感染に伴う癌である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
癌が、肛門性器癌、頭部もしくは頸部癌、または皮膚癌である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
肛門性器癌が、子宮頸癌、肛門もしくは肛門周囲癌、外陰癌、膣癌、または陰茎癌であり;
頭部もしくは頸部癌が、口腔咽頭領域癌または食道癌であり;
皮膚癌が、基底細胞癌または扁平上皮癌である、
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
アデノウイルス、レトロウイルス、ならびにポリオーマウイルスおよびパピローマウイルスを含むパポーバウイルスファミリーに属するウイルスを含む腫瘍ウイルスの治療または予防に使用するための医薬品の製造における、請求項22に記載の化合物の使用。
【請求項32】
HPV感染を原因とする状態または障害の治療または予防に使用するための医薬品の製造における、請求項22に記載の化合物の使用。
【請求項33】
状態または障害が、いぼ、生殖器いぼ、子宮頸部形成異常、再発性呼吸器乳頭腫症、またはパピローマウイルス感染に伴う癌である、請求項22に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−503434(P2007−503434A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524621(P2006−524621)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/017982
【国際公開番号】WO2005/023245
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】