説明

新規の二環状ジオキサン類、それらの調製、及び芳香性化合物としてのそれらの使用

本発明は、式(I):


の化合物の芳香物質としての使用に関する。この式中では、R及びRが独立して水素原子、C1〜C6アルキル基若しくはC2〜C6アルケニル基であり、RがC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基若しくは(CH0〜2−アリール基であり、RがC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、(CH2)0〜2−アリール基、若しくはC5〜C6シクロアルキル若しくはシクロアルケニル基であり、Rが水素原子、C1〜C6アルキル基若しくはC2〜C6アルケニル基であるか、又はR、R及びRが上記で規定した通りであり、R及びRが、それらが結合する炭素原子と共にC5〜C6シクロアルキル若しくはシクロアルケニル基を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は芳香剤の分野に関する。より具体的には、本発明は、二環状ジオキサン類、それらの調製方法、及び香料製造業の分野におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アセタール類は、芳香族化学の分野において、とりわけ塩基性媒体中で使用するのに重要な化合物群を形成する。最も重要なアセタール類は環状アセタール類であり、そのフルーティな、フローラルな又はアンバー調の芳香で知られている(非特許文献1)。
【0003】
フルーティなノートでは、市販のアセタール類の例として、Methyl Pamplemousse(登録商標)(1)、Floropal(登録商標)(2)及びOxane(登録商標)(3)が挙げられる。これらの化合物は香料製造業の分野において広く使用されている。フローラルなノートでは、ローズ調のノートが極めて重要である。フローラルなノートを有する環状ジオキサンの一例は、Magnolan(登録商標)である。興味深いことに、これはフレッシュさ、特にスズランのアコードをもたらすために使用されている。アンバー調のノートを有する環状ジオキサン類の例としては、Okoumal(6)、Karanal(5)及びSpirambrene(7)が挙げられる。Okoumalは、ウッディなアコードと非常に良く調和するパワフルなアンバー調の芳香を有する。Karanal及びSpirambreneも持続性の(tenacious)匂いを有する。
【0004】
【化1】

【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Kraft, P., Bajgrowicz, J. A., Angew. Chem. Int. Ed. 2000, 39, 2980-3010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
新規の化合物の必要性は、近年或る特定の材料の使用に関するより厳しい国際規制要件、並びに環境問題、及び性能の改善に対する顧客需要と向き合わなければならない芳香剤産業の発展にとって非常に重要である。さらに、香料製造業の分野においてますます頻繁に観察されつつある現象は、芳香性化合物に対するアレルギーである。アレルギーのリスクを最小限に抑える1つの方法は、香料中の芳香性化合物を規則的に置き換えることである。このため、その類似の芳香によって既存の化合物と置き換えるために使用することのできる新規の芳香性化合物が常に必要とされている。
【0007】
したがって、新規の芳香性化合物及びかかる化合物を選択的に製造する手段を提供することが本発明の1つの目的である。
【0008】
このため、出願人は、新規の二環状アセタール類、より正確には二環状1,3−ジオキサン類の合成に焦点を合わせた。驚くべきことに、また予想外に、新規の1,3−ジオキサン誘導体は予想されたアンバー調のノートではなく、予想外のグリーンなノートを主に示していた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、芳香物質としての、式:
【0010】
【化2】

【0011】
の化合物の使用に関する。この式において、
及びRが独立して水素原子、C1〜C6アルキル基若しくはC2〜C6アルケニル基であり、
がC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基若しくは(CH0〜2−アリール基であり、
がC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、(CH0〜2−アリール基、若しくはC5〜C6シクロアルキル若しくはシクロアルケニル基であり、
が水素原子、C1〜C6アルキル基若しくはC2〜C6アルケニル基であるか、
又は
、R及びRが上記で規定した通りであり、
及びRが、それらが結合する炭素原子と共にC5〜C6シクロアルキル若しくはシクロアルケニル基を形成する。
【0012】
本発明者らの知る限りでは、式(I)によって規定され、本発明に従って芳香物質として使用される化合物のうち幾つかは新規である。これとの関連では、本発明は、上記で規定される式(I)の化合物にも関するが、ただし、該化合物は、
2,2−ジメチル−4−エチルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,2−ジメチル−4−n−ペンチルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,2−ジメチル−4−フェニルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,4−ジメチルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,4−ジフェニルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
4−エチル−2−メチルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
4−メチル−2−フェニルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,2,4−トリメチルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン
ではない。
【0013】
本発明は、上記に記載の式(I)の化合物、及びそれらの様々な任意の立体異性体に関する。
【0014】
本発明は、上記に規定される式(I)の化合物の調製方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上述のように、本発明は、先に規定した式:
【0016】
【化3】

【0017】
の化合物、及びこのタイプの化合物の芳香物質としての使用に関する。
【0018】
好ましくは、R及びRは独立して、水素原子、メチル、エチル、i−プロピル、i−ブチル及びt−ブチルからなる群、より好ましくは水素原子、メチル及びt−ブチルからなる群から選択される。
【0019】
は好ましくは、メチル、エチル、i−プロピル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−プロペン−1−イル、アリル、ビニル及びフェニルからなる群、より好ましくはメチル、エチル、i−ブチル及びフェニルからなる群から選択される。
【0020】
は好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−プロペン−1−イル、フェニル、ベンジル及び2,4−ジメチルシクロヘキセン−3−イルからなる群、より好ましくはメチル、エチル、i−プロピル、n−ペンチル、1−プロペン−1−イル、フェニル、ベンジル及び2,4−ジメチルシクロヘキセン−3−イルからなる群から選択される。また、Rは好ましくは、水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル及び1−プロペン−1−イルからなる群、より好ましくは水素原子、メチル及びn−ブチルからなる群から選択される。
【0021】
代替的には、R及びRは、それらが結合する炭素原子と共にシクロペンチル基又はシクロヘキシル基、好ましくはシクロペンチル基を形成する。
【0022】
第1の好ましい実施形態によると、R及びRは水素原子である。この第1の実施形態では、有利には、
が、メチル、エチル、i−ブチル及びフェニルからなる群から選択され、より好ましくはメチルであり、
が、メチル、エチル、i−プロピル、フェニル、ベンジル及び2,4−ジメチルシクロヘキセン−3−イルからなる群から選択され、より好ましくはエチル又はベンジルであり、
が、水素原子、メチル及びn−ブチルからなる群から選択され、より好ましくは水素原子である。
【0023】
第2の好ましい実施形態によると、R及びRは水素原子であり、Rはt−ブチルである。この第2の実施形態では、有利には、
がメチル、エチル又はフェニルであり、
がメチル又はi−プロピルである。
【0024】
第3の好ましい実施形態では、R及びRがメチルであり、Rが水素原子である。この第3の実施形態では、有利には、
がメチル又はエチルであり、
がメチル、i−プロピル及び1−プロペン−1−イルからなる群から選択される。
【0025】
特に好ましい式(I)の化合物は、以下の表の化合物である。
【0026】
【表1】

【0027】
上記に規定される式(I)の化合物は、興味深い嗅覚特性を示す。極めて予想外なことに、また驚くべきことに、式(I)の化合物は、当業者が予想したような典型的なフローラルな、アンバー調の又はフルーティなノートではなく、むしろグリーンかつ/又はスパイシーなノートを示す。
【0028】
別の態様では、本発明はしたがって、上記に記載される式(I)の化合物の芳香物質としての使用に関する。本発明は、本発明による式(I)の化合物を少なくとも1つ含有する芳香性組成物にも関する。
【0029】
本発明は、少なくとも式(I)の化合物を芳香物質又は香味物質(flavouring agent)として含む任意の芳香性組成物を含む。本発明の化合物は、単独で使用しても、又は当業者が所望の効果及び香りを付ける製品の性質に関して選択することが可能な、一般に使用されている他の香料成分、溶剤、添加物若しくは固定剤と組み合わせて使用してもよい。
【0030】
第1の実施形態では、本発明は、香料製造業分野における、香料基剤及び香料濃縮物、芳香剤、香料及び類似の製品(例えば局所(topic)組成物、例えばフェイスクリーム及びボディクリーム、洗顔料、フェイシャルトリートメント(facial treatments)、タルカムパウダー、ヘアオイル、シャンプー、ヘアローション、バスオイル及びバスソルト、シャワー用ジェル及び入浴用ジェル、石鹸、制汗剤(body anti-perspirants)及びデオドラント(deodorizers)、プレシェーブクリーム及びプレシェーブローション、シェービングクリーム及びシェービングローション、並びにポストシェーブ(post-shave)クリーム及びポストシェーブローション、クリーム、歯磨き粉、洗口液(mouth baths)、ポマード等の化粧品組成物、例えば柔軟剤、洗剤、防臭剤及び家庭用クリーニング用品等の洗濯用品)の調製のための本発明による式(I)の化合物、又は少なくとも1つのかかる化合物を含有する組成物の使用に関する。したがって、本発明は、少なくとも1つの式(I)の化合物を含む芳香性組成物にも関する。
【0031】
第2の実施形態では、本発明は、上記に記載される化合物又は組成物の臭気マスキング剤としての使用、及び少なくとも1つの式(I)の化合物又は式(I)の化合物の1つ又は複数の異性体を含有する任意の医薬品組成物又は化粧品組成物に関する。したがって、本発明は、少なくとも1つの本明細書中に記載される式(I)の化合物を任意の好適な賦形剤、とりわけ医薬品用賦形剤又は化粧品用賦形剤と組み合わせて含む任意の組成物にも関する。
【0032】
別の態様では、本発明は、本発明の式(I)の化合物を嗅覚効果のある(olfactory effective)量で組成物に添加することによって該組成物に芳香を付ける方法にも関する。好適な組成物としては、香料基剤及び香料濃縮物、芳香剤、香料及び類似の製品;局所組成物;例えばフェイスクリーム及びボディクリーム、洗顔料、フェイシャルトリートメント、タルカムパウダー、ヘアオイル、シャンプー、ヘアローション、バスオイル及びバスソルト、シャワー用ジェル及び入浴用ジェル、石鹸、制汗剤及びデオドラント、プレシェーブクリーム及びプレシェーブローション、シェービングクリーム及びシェービングローション、並びにポストシェーブクリーム及びポストシェーブローション、クリーム、歯磨き粉、洗口液、ポマード等の化粧品組成物;例えば柔軟剤、洗剤、防臭剤及び家庭用クリーニング用品等の洗濯用品が挙げられる。
【0033】
更に別の態様では、本発明は、少なくとも本発明の式(I)の化合物を嗅覚効果のある量で組成物に添加することを含む、臭気をマスキングする方法にも関する。好適な組成物としては、特に医薬品組成物及び化粧品組成物が挙げられる。好適な化粧品組成物としては、フェイスクリーム及びボディクリーム、洗顔料、フェイシャルトリートメント、タルカムパウダー、ヘアオイル、シャンプー、ヘアローション、バスオイル及びバスソルト、シャワー用ジェル及び入浴用ジェル、石鹸、制汗剤及びデオドラント、プレシェーブクリーム及びプレシェーブローション、シェービングクリーム及びシェービングローション、並びにポストシェーブクリーム及びポストシェーブローション、クリーム、歯磨き粉、洗口液、並びにポマードが挙げられる。
【0034】
本発明の化合物は、0.001重量%〜99重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%、より好ましくは0.1重量%〜30重量%の範囲内に含まれる濃度で使用することができる。これらの値が香りを付ける組成物/物品の性質、所望の香りの強さ、及び該組成物又は物品中に存在する他の成分の性質によって決まることは当業者に既知である。
【0035】
本発明は、上記に規定される式(I)による化合物を調製するプロセスであって、
a)式(II)の化合物とモルホリンとを反応させて、式(III)のエナミンを得る、反応させる工程(式中、R及びRは上記に規定される通りである)と、
【0036】
【化4】

【0037】
b)式(III)のエナミンをR−COCl(式中、Rは上記に規定される通りである)でアシル化して、対応するアシル化エナミンを得る、アシル化する工程と、
【0038】
【化5】

【0039】
c)先の工程で得られるアシル化エナミンを例えば塩酸等の酸の存在下で加水分解して、式(IV)のジケトンを得る、加水分解する工程と、
【0040】
【化6】

【0041】
d)ジケトン(IV)を還元して、対応するジオール(V)を得る、還元する工程と、
【0042】
【化7】

【0043】
及び
e)ジオール(V)とR−CO−R(式中、R及びRは上記に規定される通りである)とを反応させて、式(I)の化合物を得る、反応させる工程と
【0044】
【化8】

【0045】
を含む、式(I)による化合物を調製するプロセスにも関する。
【0046】
本発明のプロセスの工程a)は、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンを含む群から選択することができる有機溶媒中で行われる。好ましい実施形態によると、有機溶媒はシクロヘキサン又はトルエンである。
【0047】
工程a)の反応は有利には還流温度で行われる。
【0048】
工程b)は、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、シクロヘキサン及びメチルシクロヘキサンを含む群から選択することができる有機溶媒中で、アミン、好ましくはトリエチルアミンの存在下で行われる。好ましい実施形態によると、有機溶媒はトルエンである。
【0049】
工程c)は有利には工程b)と同じ溶媒中で行われる。好ましくは、ジケトンを予め精製することなく酸と直接反応させる。
【0050】
工程d)におけるジオールへのジケトンの還元は、当業者に既知の従来の還元方法に従って、例えばNaBH、Dibal−H、LiAlH又はHを用いて行われる。NaBHを用いると特に良好な結果が得られた。
[定義]
「芳香」及び「芳香性」という用語は、化合物又は化合物の混合物に言及する場合には同義で使用され、嗅覚を心地よく刺激することを意図するものである。
【0051】
「嗅覚効果のある量」という用語は、含有される化合物が官能効果を示すときの材料中に存在する芳香性化合物のレベル又は量を意味する。
【0052】
「マスキングする」という用語は、1つ又は複数の分子が製品の組成に加わることによって生じる、悪臭の知覚の軽減又は排除を意味する。
【0053】
「異性体」という用語は、同じ化学式(同じ数及び種類の原子を意味する)を有するが、原子の配置が異なる分子を意味する。「異性体」という用語は、構造異性体、幾何異性体、光学異性体及び立体異性体を含む。この用語は特にシス/トランス異性体を含む。シス異性体は、二環結合(bicyclic junction)がシス型である、すなわち(I)においてアセタール環を形成する置換基がシクロヘキシル環の同じ側にある異性体である。トランス立体配置は、(I)においてアセタール環を形成する置換基がシクロヘキシル環の2つの異なる側にある、すなわち二環結合がトランス型である立体配置である。
【0054】
「C1〜C6アルキル」又は「C1〜C6アルキル基」という用語は、炭素原子数1、2、3、4、5又は6の任意の直鎖又は分岐飽和炭化水素鎖、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル及びn−ペンチル等を意味する。
【0055】
「C2〜C6アルケニル」又は「C2〜C6アルケニル基」という用語は、炭素原子数2、3、4、5又は6の任意の直鎖又は分岐一価又は多価不飽和炭化水素鎖、例えばエテニル、プロパ−1−エニル、アリル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル又はペンテニル等を意味する。
【0056】
「C5〜C6シクロアルキル」又は「C5〜C6シクロアルキル基」という用語は、1つ又は幾つかの上記に記載のアルキル基及び/又はアルケニル基(好ましくはメチル及びエチル)で置換された又は非置換の、炭素原子数5又は6の任意の環状飽和炭化水素鎖(すなわち、シクロペンチル又はシクロヘキシル)を意味する。
【0057】
「C5〜C6シクロアルケニル」又は「C5〜C6シクロアルケニル基」という用語は、1つ又は幾つかの上記に記載のアルキル基及び/又はアルケニル基(好ましくはメチル及びエチル)で置換された又は非置換の、炭素原子数が好ましくは5、6又は7の任意の環状一価又は多価不飽和炭化水素鎖(例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル及びシクロヘプテニル等)を意味する。
【0058】
「アリール」という用語は、単環を有する(すなわちフェニル)、又は原子数が通常は5〜12、好ましくは6〜10の縮合した(例えばナフチル)若しくは共有結合した複数の芳香環を有する多価不飽和芳香族ヒドロカルビル基(少なくとも1つの環が芳香環である)を指す。好ましいアリール基はフェニルである。「(CH0〜2−アリール」という用語はしたがって、上記に規定される任意のアリール基、並びに任意の−CH−アリール基及び任意の−(CH−アリール基を含む(式中、アリール部分は上記に規定される通りである)。好ましい−CH−アリール基はベンジル基であり、好ましい−(CH−アリール基は−(CH−フェニルである。
【0059】
本発明は以下の実施例を参照して、より良く理解される。これらの実施例は本発明の具体的な実施形態を例示することを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0060】
実施例1:4−シクロヘキサ−1−エニル−モルホリン(III)の調製
シクロヘキサノン(98.14g、1.00mol)を、モルホリン(118.48g、1.36mol)の12Mシクロヘキサン溶液(120ml)に65℃〜70℃で滴下する。次いで、反応混合物を還流下で加熱し、反応の完了をGCによって追跡する。生成した水をディーン・スターク装置を用いて除去する。
【0061】
冷却後、溶媒を真空下で除去して、粗生成物の4−シクロヘキサ−1−エニル−モルホリン(橙色の液体、定量的収率)を以下の工程に直接使用する。
【0062】
実施例2:4−(4−tert−ブチル−シクロヘキサ−1−エニル)−モルホリン(III’)の調製
実施例1に従って、化合物III’(白色の固体)を4−tert−ブチルシクロヘキサノン(77.12g、0.50mol)、モルホリン(54.01g、0.62mol)及びシクロヘキサン(60mL)から定量的に得る。
【0063】
実施例3:4−(4,4−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−モルホリン(III’’)の調製
実施例1に従って、化合物III’’(褐色の液体)を4,4−ジメチルシクロヘキサノン(350.03g、2.76mol)、モルホリン(327.01g、3.75mol)及びシクロヘキサン(330mL)から定量的に得る。
【0064】
実施例4:2−アセチル−シクロヘキサノン(IVa)の調製
実施例1で得られた4−シクロヘキサ−1−エニル−モルホリン(82.64g、0.50mol、1当量)の0.65Mトルエン溶液(770ml)に、トリエチルアミン(71.33g、0.70mol、1.41当量)を添加する。次いで、塩化アセチル(55.34g、0.70mol、1.41当量)を滴下して、反応混合物を35℃で20時間、続いて室温で一晩更に撹拌する。
【0065】
反応の完了後(GCによって追跡する)、20%HCl水溶液(250mL)を添加し、混合物を還流下で1時間撹拌する。
【0066】
冷却後、有機相を水で2回、飽和NaHCO水溶液及び塩水で1回洗浄する。次いで、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させて、溶媒を蒸発させる。次いで、粗油を蒸留によって精製して、化合物IVaを無色の油(49.95g、0.36mol、収率72%)として得る。
Bp:48℃/0.6トール
【0067】
実施例5:2−プロピオニル−シクロヘキサノン(IVb)の調製
実施例4に従って、化合物IVbを4−シクロヘキサ−1−エニル−モルホリン(82.64g、0.50mol、実施例1で得られる)、トリエチルアミン(71.33g、1.41mol)、塩化プロピオニル(64.76g、1.41mol)、トルエン(770mL)及び20%HCl水溶液(250mL)から収率49%で無色の油として得る。
Bp:98℃/5.4トール
【0068】
実施例6:2−ベンゾイル−シクロヘキサノン(IVc)の調製
実施例4に従って、化合物IVcを4−シクロヘキサ−1−エニル−モルホリン(40.96g、0.25mol、実施例1で得られる)、トリエチルアミン(35.35g、0.35mol)、塩化ベンゾイル(49.19g、0.35mol)、トルエン(380mL)及び20%HCl水溶液(125mL)から収率50%で黄色の粉末として得る。
Bp:110℃/0.3トール
【0069】
実施例7:2−(3−メチルブタノイル)シクロヘキサノン(IVd)の調製
実施例4に従って、化合物IVdを4−シクロヘキサ−1−エニル−モルホリン(82.64g、0.5mol、実施例1で得られる)、トリエチルアミン(71.34g、0.71mol)、塩化イソバレリル(85.01g、0.71mol)、トルエン(760mL)及び20%HCl水溶液(166mL)から収率90%で淡黄色の液体として得る。
Bp:76℃/0.68トール
【0070】
実施例8:2−アセチル−4−tert−ブチル−シクロヘキサノン(IV’a)の調製
実施例4に従って、化合物IV’aをモルホリノ−エナミンIII’(36.89g、0.17mol、実施例2で得られる)、トリエチルアミン(24.25g、0.24mol)、塩化アセチル(18.84g、0.24mol)、トルエン(260mL)及び20%HCl水溶液(85mL)から収率53%で黄色の油として得る。
Bp:74℃/0.5トール
【0071】
実施例9:4−tert−ブチル−2−プロピオニル−シクロヘキサノン(IV’b)の調製
実施例4に従って、化合物IV’bをモルホリノ−エナミンIII’(36.89g、0.17mol、実施例2で得られる)、トリエチルアミン(24.25g、0.24mol)、塩化プロピオニル(22.2g、0.24mol)、トルエン(260mL)及び20%HCl水溶液(85mL)から収率58%で黄色の油として得る。
Bp:98℃/0.7トール
【0072】
実施例10:2−ベンゾイル−4−tert−ブチル−シクロヘキサノン(IV’c)の調製
実施例4に従って、化合物IV’cをモルホリノ−エナミンIII’(36.89g、0.17mol、実施例2で得られる)、トリエチルアミン(24.25g、0.24mol)、塩化ベンゾイル(33.73g、0.24mol)、トルエン(260mL)及び20%HCl水溶液(85mL)から収率35%で黄色の粉末として得る。
Bp:110℃/0.2トール
【0073】
実施例11:2−((E)−ブタ−2−エノイル)−4−tert−ブチル−シクロヘキサノン(IV’e)の調製
実施例4に従って、化合物IV’eをモルホリノ−エナミンIII’(55.33g、0.25mol、実施例2で得られる)、トリエチルアミン(35.66g、0.35mol)、塩化クロトニル(36.85g、0.35mol)、トルエン(380mL)及び20%HCl水溶液(125mL)から白色の結晶として得る。
Bp:115℃/0.76トール
Mp:73.6℃
【0074】
実施例12:2−アセチル−4,4−ジメチル−シクロヘキサノン(IV’’a)の調製
実施例4に従って、化合物IV’’aをモルホリノ−エナミンIII’’(266.36g、1.36mol、実施例3で得られる)、トリエチルアミン(194.04g、1.91mol)、塩化アセチル(149.93g、1.91mol)、トルエン(2.09L)及び20%HCl水溶液(685mL)から収率33%で淡黄色の油として得る。
Bp:98℃/6.1トール
【0075】
実施例13:4,4−ジメチル−2−プロピオニル−シクロヘキサノン(IV’’b)の調製
実施例4に従って、化合物IV’’bをモルホリノ−エナミンIII’’(131.88g、0.67mol、実施例3で得られる)、トリエチルアミン(95.59g、0.94mol)、塩化プロピオニル(86.96g、0.94mol)、トルエン(1.03L)及び20%HCl水溶液(340mL)から収率26%で橙色の油として得る。
Bp:64℃/1.1トール
【0076】
実施例14:2−(1−ヒドロキシ−エチル)−シクロヘキサノール(Va)の調製
ジケトンIVa(49.95g、0.36mol、1当量、実施例4で得られる)を、NaBH(13.47g、0.36mol、1当量)の10M〜15MEtOH懸濁液(360ml)に滴下する。反応の完了後(tlcによって追跡する)、アセトン(65ml)を反応混合物に添加する。次いで、溶媒の半量を蒸発させて、混合物を水及びMTBEで希釈する。10%HCl水溶液を添加し、水相をMTBEで3回抽出する。次いで、合わせた有機相を飽和NaHCO水溶液及び塩水で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥させた後、有機相を濾過し、溶媒を蒸発させて、粗生成物のジオールVaを淡黄色の油として定量的収率で得る。化合物Vaを更に精製することなく次の工程に使用する。
【0077】
実施例15:2−(1−ヒドロキシ−プロピル)−シクロヘキサノール(Vb)の調製
実施例4に従って、化合物VbをジケトンIVb(37.73g、0.24mol、実施例5で得られる)、NaBH(9.14g、0.24mol)、エタノール(240mL)及びアセトン(40mL)から収率93%で黄色の油として得る。
【0078】
実施例16:2−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−シクロヘキサノール(Vc)の調製
実施例14に従って、化合物VcをジケトンIVc(25.03g、0.12mol、実施例6で得られる)、NaBH(4.67g、0.12mol)、エタノール(120mL)及びアセトン(20mL)から定量的収率で淡黄色の油として得る。
【0079】
実施例17:2−(1−ヒドロキシ−3−メチルブチル)シクロヘキサノール(Vd)の調製
実施例14に従って、化合物VdをジケトンIVd(46.02g、0.25mol、実施例7で得られる)、NaBH(9.45g、0.25mol)、エタノール(240mL)及びアセトン(45mL)から定量的収率で無色の油として得る。
【0080】
実施例18:4−tert−ブチル−2−(1−ヒドロキシ−エチル)−シクロヘキサノール(V’a)の調製
実施例14に従って、化合物V’aをジケトンIV’a(15.5g、0.08mol、実施例8で得られる)、NaBH(3.02g、0.08mol)、エタノール(800mL)及びアセトン(15mL)から定量的収率で黄色の油として得る。
【0081】
実施例19:4−tert−ブチル−2−(ヒドロキシ−プロピル−メチル)−シクロヘキサノール(V’b)の調製
実施例14に従って、化合物V’bをジケトンIV’b(16.7g、0.08mol、実施例9で得られる)、NaBH(3.02g、0.08mol)、エタノール(80mL)及びアセトン(15mL)から定量的収率で黄色の油として得る。
【0082】
実施例20:4−tert−ブチル−2−(ヒドロキシ−フェニル−メチル)−シクロヘキサノール(V’c)の調製
実施例14に従って、化合物V’cをジケトンIV’c(14.56g、0.06mol、実施例10で得られる)、NaBH(2.27g、0.06mol)、エタノール(60mL)及びアセトン(10mL)から収率78%で白色の粉末として得る。
【0083】
実施例21:2−(1−ヒドロキシ−エチル)−4,4−ジメチル−シクロヘキサノール(V’’a)の調製
実施例14に従って、化合物V’’aをジケトンIV’’a(72.17g、0.43mol、実施例12で得られる)、NaBH(16.25g、0.43mol)、エタノール(430mL)及びアセトン(85mL)から定量的収率で淡黄色の油として得る。
【0084】
実施例22:2−(1−ヒドロキシ−プロピル)−4,4−ジメチル−シクロヘキサノール(V’’b)の調製
実施例14に従って、化合物V’’bをジケトンIV’’b(29.99g、0.16mol、実施例13で得られる)、NaBH(6.05g、0.16mol)、エタノール(160mL)及びアセトン(30mL)から定量的収率で淡黄色の油として得る。
【0085】
実施例23:2,4−ジメチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(Iaa)の調製
アセトアルデヒド(28.81g、0.40mol)を、ジオールVa(28.63g、0.20mol、実施例14で得られる)の2.3M還流シクロヘキサン溶液(85ml)に滴下する。反応をPTSAで触媒する。反応混合物を更に2時間還流させて、生成した水をディーン・スターク装置を用いて除去する。
【0086】
反応の完了後(GCによって追跡する)、反応混合物を冷却し、半飽和NaHCO水溶液に注ぎ入れる。水相をMTBEで2回抽出し、合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液及び塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させて、粗生成物を蒸留によって精製し、化合物Iaaを無色の油として収率25%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(83%)をシス異性体及びトランス異性体として70:30の比で含む5つの異性体の混合物である。
Bp:65℃/6.5トール
嗅覚プロファイル:グリーン、アーシー、ローストナッツ、コーヒー
【0087】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.70−1.80(m,8H);1.12(d,3H,J=6.5Hz);1.32(d,3H,J=5.1Hz);1.88(m,1H);3.76(m,2H);4.72(q,1H,J=5.1Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 17.8;19.4;20.5;21.2;25.2;31.7;39.1;75.3;75.5;98.7。
MS[e/m(%)]:169(M,5);155(10);127(3);109(39);98(9);93(11);89(29);82(100);67(75);55(16);43(18);41(15)。
【0088】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 1.17(d,3H,J=6.3Hz);1.32(d,3H,J=5.1Hz);3.21(dt,1H,J=4.0Hz,J=10.2Hz);3.38(dq,1H,J=6.3Hz,J=9.5Hz);4.78(q,1H,J=5.1Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 18.5;21.2;24.6;25.3;25.8;31.6;47.2;76.9;80.5;98.4。
MS[e/m(%)]:169(M,16);155(92);127(7);109(74);98(12);93(15);89(17);82(100);67(96);55(26);43(27);41(21)。
【0089】
微量のシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 5.00(q,1H,J=5.0Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 91.4。
MS[e/m(%)]:idem 主要なシス異性体。
【0090】
実施例24:4−メチル−2−ペンチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(Iab)の調製
実施例23に従って、化合物IabをジオールVa(28.63g、0.2mol、実施例14で得られる)、ヘキサナール(24.03g、0.24mol)及びシクロヘキサン(85ml)から無色の油として収率20%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(98%)を50:50の比で含む3つの異性体の混合物である。
Bp:80℃/0.6トール
嗅覚プロファイル:グリーン、ファッティ
1つ目の異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.87(t,3H,J=6.6Hz);1.05−1.20(m,3H);1.06−1.81(m,16H);1.91(m,1H);3.75(m,2H);4.56(t,1H,J=4.8Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 14.1;17.8;19.4;20.5;22.6;23.6;25.2;31.7;31.8;35.1;39.3;75.2;75.5;101.9。
MS[e/m(%)]:225(M,8);155(64);145(8);127(4);109(100);83(20);82(59);67(46);55(20);43(13);41(15)。
2つ目の異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 3.20(dt,1H,J=4.0Hz,J=10.3Hz);3.37(dq,1H,J=6.2Hz,J=9.5Hz);4.60(t,1H,J=5.2Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 14.0;18.6;22.5;24.0;24.6;25.4;25.9;31.7;31.8;35.1;39.3;77.0;80.6;101.8。
MS[e/m(%)]:225(M,13);155(100);145(3);127(5);109(64);83(15);82(36);67(35);55(18);43(11);41(13)。
【0091】
実施例25:4−メチル−2−プロペニル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(Iac)の調製
実施例23に従って、化合物IacをジオールVa(25.96g、0.18mol、実施例14で得られる)、クロトンアルデヒド(15.14g、0.21mol)及びシクロヘキサン(75ml)から無色の油として収率20%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(85%)をシス異性体及びトランス異性体として62:38の比で含む5つの異性体の混合物である。
Bp:62℃/0.6トール
嗅覚プロファイル:グリーン、熟した果実
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.75−1.85(m,8H);1.16(d,3H,J=6.5Hz);1.73(d,3H,J=6.4Hz);1.95(m,1H);3.85(m,2H);4.98(d,1H,J=6.0Hz);5.61(m,1H);5.90(dq,1H,J=0.5Hz,J=6.4Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 17.4;17.5;19.0;20.1;24.8;31.4;38.9;75.1;75.3;101.0;128.4;130.5。
MS[e/m(%)]:195(M,6);181(10);155(1);127(3);109(68);82(14);71(100);69(18);67(44);55(17);41(19)。
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 1.22(d,3H,J=6.2Hz);1.74(d,3H,J=6.5Hz);3.29(m,1H);3.48(dq,1H,J=6.2Hz,J=9.5Hz);5.06(d,1H,J=5.7Hz);5.97(dq,1H,J=0.5Hz,J=6.5Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 17.3;18.3;24.3;25.0;25.6;31.3;47.0;80.2;80.3;101.4;128.1;130.4。
MS[e/m(%)]:195(M,13);181(59);155(4);127(2);109(50);82(18);71(100);69(25);67(48);55(25);41(23)。
【0092】
実施例26:4−メチル−2−フェニル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(Iad)の調製
実施例23に従って、化合物IadをジオールVa(14.98g、0.1mol、実施例14で得られる)、ベンズアルデヒド(21.22g、0.2mol)及びシクロヘキサン(50ml)から淡黄色の油として収率44%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(84%)をシス異性体/トランス異性体として60:40の比で含む5つの異性体の混合物である。
Bp:102℃/0.5トール
嗅覚プロファイル:グリーン
【0093】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.82−1.43(m,2H);1.23(d,3H,J=6.5Hz);1.44−1.95(m,6H);2.03(m,1H);4.02(m,2H);5.57(s,1H);7.37(m,3H);7.55(m,2H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 17.9;20.5;24.6;25.2;31.7;39.2;75.9;76.2;101.7;126.4;128.2;128.7;139.2。
MS[e/m(%)]:231(M,80);155(2);109(43);107(100);105(36);81(20);79(23);77(23);67(32);51(5);39(6)。
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 1.30(d,3H,J=6.2Hz);3.48(m,1H);3.65(dq,1H,J=6.2Hz,J=9.5Hz);5.65(s,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 18.6;19.5;25.4;25.9;31.7;47.4;77.6;81.1;101.0;126.2;128.2;128.6;138.8。
MS[e/m(%)]:231(M,100);155(8);109(21);107(75);105(44);81(14);79(21);77(21);67(36);51(5);39(6)。
微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 5.89(s,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 32.1。
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 5.84(s,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 31.7。
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 5.94(s,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 31.4。
【0094】
実施例27:2−ベンジル−4−メチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(Iae)の調製
実施例23に従って、化合物IaeをジオールVa(25.96g、0.18mol、実施例14で得られる)、フェニルアセトアルデヒド(25.23g、0.21mol)及びシクロヘキサン(75ml)から無色の油として収率30%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(93%)をシス異性体/トランス異性体として75:25の比で含む4つの異性体の混合物である。
Bp:90℃/0.2トール
嗅覚プロファイル:フローラル(ミモザ、カーネーション)、スパイシー(オイゲノール)、蜂蜜。
【0095】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 1.10(d,3H,J=6.6Hz);1.20−1.83(m,8H);1.88(m,1H);2.91(d,2H,J=5.0Hz);3.69(m,2H);4.70(t,1H,J=5.0Hz);7.23(m,5H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 17.8;19.4;20.5;25.2;31.7;39.2;41.7;75.3;75.5;101.9;126.1;127.9;129.9;137.2。
MS[e/m(%)]:245(M,1);155(52);121(3);109(100);91(31);67(25);55(8);43(5);41(8)。
【0096】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 1.16(d,3H,J=6.3Hz);2.91(d,2H,J=5.0Hz);3.16(dt,1H,J=4.0Hz,J=10.3Hz);3.34(dq,1H,J=6.3Hz,J=9.5Hz);4.74(t,1H,J=5.0Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 18.6;24.5;25.4;25.9;31.6;41.8;47.6;77.1;80.6;102.0;126.2;128.0;129.7;137.1。
MS[e/m(%)]:245(M,4);155(83);121(2);109(100);91(33);67(28);55(12);43(9);41(11)。
【0097】
実施例28:2−エチル−4−メチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン(Iaf)の調製
実施例23に従って、化合物IafをジオールVa(25.96g、0.18mol、実施例14で得られる)、プロピオンアルデヒド(51g、0.88mol)及びシクロヘキサン(450ml)から無色の油として収率60%で得る。この化合物は主に、3つの主要異性体(78%)を47:31:22の比で含む5つの異性体の混合物である。
Bp:80℃〜83℃/5.7トール
嗅覚プロファイル:パワフル、スパイシー(カレー、オイゲノール)、へーゼルナッツ、フェヌグリーク、コーヒー豆、セロリ、マリーゴールド、イモーテル、フルーティ(西洋ナシ、リンゴ、ニンジン)。
【0098】
1つ目の主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.70−1.05(m,1H);0.92(t,J=7.5Hz,3H);1.05−1.53(m,5H);1.17(d,J=6.2Hz,3H);1.53−1.73(m,3H);1.73−2.05(m,2H);3.19(dt,J=10.1,4.00Hz,1H);3.38(tt,J=9.5,5.3Hz,1H);4.54(t,J=5.2Hz,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 8.62;18.56;24.59;25.38;25.88;28.13;31.66;47.54;76.94;80.49;102.70。
MS[e/m(%)]:184(M+,1);183(10);155(63);109(82);93(11);83(14);82(79);81(17);79(13);67(100);59(19);57(27);55(37);54(21);53(13);43(21);41(34);39(18)。
【0099】
2つ目の主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.93(t,J=7.61Hz,3H);1.12(d,J=6.54Hz,3H);3.67−3.85(m,2H);4.51(t,J=4.65Hz,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 8.19;17.8;19.39;20.53;26.63;28.06;31.76;39.32;75.17;75.41;102.50。
MS[e/m(%)]:184(M+,<1);183(4);155(29);109(80);103(14);93(11);83(14);82(100);81(14);79(13);67(100);59(17);57(20);55(29);54(20);43(19);41(30);39(15)。
【0100】
3つ目の主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.90(t,J=7.64Hz,3H);1.23(d,J=6.96Hz,3H);3.45−3.57(m,1H);4.0−4.15(m,1H);4.78(t,J=5.01Hz,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 8.45;13.08;25.23;25.67;28.23,32.14;43.89;71.67;74.18,95.27。
MS[e/m(%)]:184(M+,1);183(9);155(66);127(10);109(100);93(13);83(12);82(40);81(15);79(11);67(90);59(15);57(33);55(37);54(17);53(12);43(19);41(32);39(17)。
【0101】
1つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 1.32(d,J=7.0Hz,3H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 7.99;16.18;20.32;24.59;25.62;28.23;31.58;38.94;69.14;73.86;95.07。
MS[e/m(%)]:184(M+,<1);183(4);155(40);109(100);93(11);83(10);82(30);81(11);79(9);67(70);59(10);57(19);55(26);54(11);43(14);41(23);39(11)。
【0102】
2つ目の微量異性体:
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 44.2;74.9;79.6;97.6。
MS[e/m(%)]:184(M+,<1);183(2);155(40);109(100);93(5);83(10);82(38);81(12);79(10);67(73);59(17);57(21);55(29);54(15);43(16);41(26);39(13)。
【0103】
実施例29:2,2,4−トリメチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン(Iah)の調製
実施例23に従って、化合物IahをジオールVa(40.57g、0.28mol、実施例14で得られる)、アセトン(32.52g、0.56mol)及びシクロヘキサン(110ml)から無色の油として収率14%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(96%)をシス鏡像異性体/トランス鏡像異性体として53:47の比で含む4つの異性体の混合物である。
Bp:44℃/0.6トール
嗅覚プロファイル:グリーン、ミント調、フレッシュ。
【0104】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.70−1.30(m,4H),1.06(d,J=6.46Hz,3H),1.30−1.65(m,2H),1.40(s,3H),1.41(s,3H),3.45(dt,J=9.8Hz,J=3.6Hz,1H),1.65−1.90(m,3H),3.63(qd,J=9.64Hz,J=6.09Hz,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 18.14,19.63,20.18,25.14,25.44,30.06,31.75,39.33,37.97,68.17,98.31。
MS[e/m(%)]:184(M+,<1);169(54);127(11);109(100);93(6);82(18);81(11);67(68);59(77);55(23);54(11);43(62);41(25);39(14)。
【0105】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 1.11(d,J=6.09Hz,3H),1.38(s,3H),1.45(s,3H),3.90−4.09(m,2H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 18.41,19.02,19.95,24.64,25.80,30.29,32.12,47.76,69.85,73.14,98.29。
MS[e/m(%)]:184(M+,<1);169(100);127(19);109(94);93(10);82(26);81(15);67(83);59(95);55(35);54(15);43(89);41(34);39(21)。
【0106】
実施例30:2−ブチル−2,4−ジメチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン(Iai)の調製
実施例23に従って、化合物IaiをジオールVa(40.57g、0.28mol、実施例14で得られる)、2−ヘキサノン(33.65g、0.34mol)及びシクロヘキサン(110ml)から無色の油として収率10%で得る。この化合物は、56:44の比のシス鏡像異性体及びトランス鏡像異性体としての2つの異性体(94%)の混合物である。
Bp:60℃/0.47トール
嗅覚プロファイル:カンファー調、医薬品、天然ゴム。
【0107】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.80−0.95(m,3H);1.02−1.20(m,5H);1.20−1.50(m,10H);1.50−1.87(m,6H);3.92−4.13(m,2H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 39.07&39.38;67.45&67.63;67.71&67.93;99.35&99.41。
MS[e/m(%)]:226(M+,<1);211(29);169(29);127(7);109(100);101(30);85(17);67(42);57(13);55(20);43(44);41(18)。
【0108】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 3.32−3.52(m,1H);3.61(ddd,J=10.2Hz,J=6.1Hz,J=4.0Hz,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 47.47&47.96;69.34&69.58;72.61&72.86;100.19&100.26。
MS[e/m(%)]:226(M+,<1);211(92);169(88);127(15);109(100);101(53);85(44);81(14);67(61);57(26);55(40);43(86);41(34)。
【0109】
実施例31:4−メチルヘキサヒドロ−4H−スピロ[ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン−2,1’−シクロペンタン](Iaj)の調製
実施例23に従って、化合物IajをジオールVa(40.57g、0.28mol、実施例14で得られる)、シクロペンタノン(28.26g、0.34mol)及びシクロヘキサン(110ml)から無色の油として収率16%で得る。この化合物は、57:43の比のシス鏡像異性体/トランス鏡像異性体としての2つの異性体(97%)の混合物である。
Bp:64℃〜68℃/0.57トール
嗅覚プロファイル:ピーナッツ、アニマル、クリーン。
【0110】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 1.06(d,J=6.6Hz);1.05−1.5(m,4H);1.50−2.0(m,9H);3.83−3.97(m,2H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 18.12;20.31;22.61;24.61;24.64;25.15;31.49;31.81;39.40;40.46;69.49;69.75;110.36。
MS[e/m(%)]:210(M+,9);181(48);109(100);85(32);81(11);67(61);56(17);55(63);43(13);41(25);39(11)。
【0111】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.70−0.95(m,1H);1.12(d,J=6.0Hz,3H);3.34(dt,J=10.2Hz,J=3.8Hz,1H);3.52(qd,J=9.8Hz,J=6.1Hz,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 18.53;18.91;22.53;24.48;25.40;25.86;31.65;32.0;40.55;47.75;71.41;74.80;110.25。
MS[e/m(%)]:210(M+,8);182(16);181(100);109(67);85(32);81(10);67(52);56(21);55(77);43(13);41(27);39(12)。
【0112】
実施例32:2−(2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニル)−4−メチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン(Iak)の調製
実施例23に従って、化合物IakをジオールVa(40g、0.278mol、実施例14で得られる)、2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エンカルボアルデヒド(Triplal(商標)、46g、0.333mol)及びシクロヘキサン(140ml)から無色の油として収率28%で得る。この化合物は、4つの主要異性体(85%)を42:31:16:11の比(シス/トランス比:58:42)で含む異性体の混合物である。
Bp:105℃/0.4トール
嗅覚プロファイル:フローラル、グリーン、ややアニマル。
【0113】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.86(d,J=6.8Hz);1.05−1.55(m,13H);1.55−2.0(m,7H);1.63(s,3H);2.0−2.3(m,1H);3.65−3.85(m,2H);4.32−4.45(m,1H);5.15(br s,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 101.80&101.84;127.56;132.65。
MS[e/m(%)]:264(M+,5);249(7);155(11);138(25);137(21);127(24);123(28);120(42);110(14);109(100);107(32);95(14);93(13);91(12);81(17);79(15);67(52);55(20);41(17)。
【0114】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 1.0(d,J=7.0Hz,3H);2.32−2.48(m,1H);3.10−3.30(m,1H);3.30−3.45(m,1H);4.60−4.70(m,1H);5.33(br s,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 103.63&103.55;127.52;132.95。
MS[e/m(%)]:264(M+,7);249(41);155(30);138(18);137(22);127(19);123(22);120(32);110(13);109(100);107(31);95(13);93(13);91(12);81(16);79(13);67(46);55(23);41(19)。
【0115】
微量のシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 3.65−3.85(m,2H);4.60−4.70(m,1H);5.33(br s,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 102.02&102.12;127.16;133.05。
MS[e/m(%)]:264(M+,11);249(21);155(15);138(20);127(15);123(10);120(15);110(10);109(100);107(18);95(13);81(15);79(12);67(44);55(16);41(13)。
【0116】
微量のトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 3.95−4.15(m,2H);4.85−4.97(m,1H);5.15(br s,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 103.38;127.35。
MS[e/m(%)]:264(M+,15);249(41);181(11);155(50);127(16);123(12);120(14);110(10);109(100);107(16);95(12);93(10);81(16);79(12);67(43);55(19);41(16)。
【0117】
実施例33:4−メチル−4a,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−4H−スピロ[ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン−2,1’−シクロヘキサ[2]エン](Ial)の調製
実施例23に従って、化合物IalをジオールVa(40g、0.278mol、実施例14で得られる)及びシクロヘキセノンから無色の油として得る。この化合物は、25:31:20:24の比の異性体の混合物である。
【0118】
1つ目の異性体:
MS[e/m(%)]:222(M+,15);168(97);109(100);97(12);81(13);79(16);77(12);68(22);67(55);55(24);54(24);43(10);41(26);39(19)。
【0119】
2つ目の異性体:
MS[e/m(%)]:222(M+,44);168(12);109(100);97(14);96(47);81(28);79(18);68(18);67(59);55(15);54(22);53(11);43(13);41(25);39(17)。
【0120】
3つ目の異性体
MS[e/m(%)]:222(M+,14);168(100);109(29);97(11);81(13);79(10);68(10);67(31);55(11);54(14)。
4つ目の異性体:
MS[e/m(%)]:222(M+,100);207(13);168(53);114(14);109(70);97(16);96(81);95(14);81(57);79(24);77(12);68(18);67(64);55(37);54(27);53(18);43(18);41(39);39(23)。
【0121】
実施例34:4−エチル−2−イソプロピル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(Ibg)の調製
実施例23に従って、化合物IbgをジオールVb(35.65g、0.23mol、実施例15で得られる)、イソブチルアルデヒド(32.45g、0.45mol)及びシクロヘキサン(100mL)から無色の油として収率65%で得る。この化合物は、3つの主要異性体(85%)を63:20:17の比で含む6つの異性体の混合物である。主要な鏡像異性体はシス立体配置を有する。
Bp:98℃/6.8トール
嗅覚プロファイル:ハーブ調、カモミール
【0122】
1つ目の主要異性体(シス異性体):
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.85−1.00(m,3H);0.94(d,3H,J=6.8Hz);0.95(d,3H,J=6.8Hz);1.01−1.82(m,10H);1.83−1.75(m,2H);3.41(ddd,1H,J=2.0Hz,J=6.9Hz,J=8.0Hz);3.72(m,1H);4.30(d,1H,J=4.4Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 9.8;16.7;17.1;19.6;20.3;24.7;25.4;31.9;32.8;37.9;75.0;81.2;105.0。
MS[e/m(%)]:211(M,6);169(51);141(3);131(18);111(5);123(100);93(11);82(77);81(59);73(28);67(64);55(21);41(24)。
【0123】
2つ目の主要異性体:
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 9.4;25.4;31.8;32.8;45.4;80.5;81.7;105.5。
MS[e/m(%)]:idem 1つ目の主要異性体。
【0124】
3つ目の主要異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.85−1.00(m,3H);0.90(d,3H,J=6.8Hz);0.91(d,3H,J=6.8Hz);1.01−1.82(m,10H);1.83−1.98(m,2H);3.42(m,1H);3.70(ddd,1H,J=3.9Hz,J=5.5Hz,J=11.9Hz);4.38(d,1H,J=5.6Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 9.9;16.9;17.5;18.5;24.5;25.7;26.4;32.2;32.7;43.9;74.8;76.4;97.9。
MS[e/m(%)]:211(M,6);169(75);141(5);123(100);111(38);93(21);82(17);81(66);73(11);67(46);55(22);41(20)。
【0125】
1つ目の微量異性体
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 44.2;74.9;79.6;97.6。
MS[e/m(%)]:idem 3つ目の主要異性体。
【0126】
実施例35:2−メチル−4−フェニル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(Ica)の調製
実施例23に従って、化合物IcaをジオールVc(24.75g、0.12mol、実施例16で得られる)、アセトアルデヒド(17.29g、0.24mol)及びシクロヘキサン(50mL)から白色の結晶として収率25%で得る。この化合物は、1つの主要鏡像異性体(84%)をシス異性体として含む3つの異性体の混合物である。
Bp:88℃/0.3トール
Mp:57.4℃
嗅覚プロファイル:スパイシー、エキゾチックフルーツ
【0127】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.85−1.20(m,2H);1.21−1.51(m,2H);1.47(d,3H,J=5.1Hz);1.52−1.72(m,4H);1.98(m,1H);4.02(m,1H);4.80(m,1H);4.94(q,1H,J=5.1Hz);7.29(m,5H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 20.1;20.6;21.3;25.4;31.9;40.4;75.4;81.2;99.3;125.5;126.9;128.1;140.4。
MS[e/m(%)]:189(1);188(1);171(1);151(15);129(4);117(6);107(100);91(16);82(41);67(52);54(16);41(8);39(6)。
【0128】
1つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 1.36(d,3H,J=5.0Hz);3.90(m,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 31.7;47.0;81.1;84.3;93.2;127.3;128.3。
【0129】
2つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 1.42(d,3H,J=5.1Hz);3.42(dt,1H,J=4.1Hz,J=10.5Hz);4.23(d,1H,J=9.8Hz);4.97(q,1H,J=5.1Hz)。
【0130】
実施例36:4−イソブチル−2−メチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン(Ida)の調製
実施例23に従って、化合物IdaをジオールVd(24g、0.13mol、実施例17で得られる)、アセトアルデヒド(11.3g、0.26mol)及びシクロヘキサン(100mL)から無色の油として収率50%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(75%)をシス鏡像異性体/トランス鏡像異性体として60:40の比で含む6つの異性体の混合物である。
Bp:60℃/0.5トール
嗅覚プロファイル:レザー調、クレゾール。
【0131】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.88(d,J=6.6Hz,3H);0.89(d,J=6.6Hz,3H);1.05−1.37(m,4H);1.33(d,J=5.1Hz,3H);1.37−1.55(m,3H);1.55−1.80(m,3H);1.80−2.20(m,2H);3.58−3.71(m,1H);3.74−3.80(m,1H);4.72(q,J=5.09Hz,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 19.84;20.56;21.21;22.63;22.94;24.0;25.33;31.81;38.16;40.74;75.43;77.94;98.89。
MS[e/m(%)]:212(M+,<0);211(2);197(1);151(3);150(3);131(14);111(4);95(13);87(16);(100);69(17);67(52);55(16);43(21);41(24)。
【0132】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 3.15−3.36(m,1H);3.58−3.71(m,1H);4.95(m,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 25.72&25.79;32.34&34.55;43.67&45.93;73.48&74.71;78.85&80.69;91.19&91.73。
MS[e/m(%)]:212(M+,<0);211(4);197(13);155(29);151(8);131(17);111(65);95(39);93(33);87(33);83(27);82(100);81(29);79(19);69(40);67(81);57(15);55(37);54(21);45(20);43(45);41(51);39(17)。
【0133】
1つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 3.42−3.60(m,1H);3.96−4.05(m,1H);4.76(q,J=10.2Hz,1H)
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 25.38;31.61;38.07;98.56。
MS[e/m(%)]:212(M+,<0);211(3);197(27);155(26);151(10);131(7);111(100);95(53);93(45);83(18);82(61);81(31);79(17);69(40);67(72);55(36);54(18);45(15);43(40);41(46);39(15)。
【0134】
2つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 5.07(q,J=9.8Hz,1H)。
MS[e/m(%)]:212(M+,<0);211(2);197(19);151(9);150(6);131(9);111(13);95(33);87(18);83(19);82(100);81(27);79(15);69(41);67(71);57(13);55(29);54(18);45(14);43(30);41(37);39(11)。
【0135】
実施例37:6−tert−ブチル−2,4−ジメチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(I’aa)の調製
実施例23に従って、化合物I’aaをジオールV’a(48.74g、0.24mol、実施例18で得られる)、アセトアルデヒド(35.23g、0.49mol)及びシクロヘキサン(100ml)から黄色の油として収率26%で得る。この化合物は、3つの主要異性体(65%)を42:29:29の比で含む6つの異性体の混合物である。
Bp:58℃/0.3トール
嗅覚プロファイル:硫黄,ファッティ。
【0136】
1つ目の主要異性体(シス異性体):
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.86(s,9H);0.90−1.92(m,7H);1.16(d,3H,J=6.6Hz);1.33(d,3H,J=5.1Hz);1.99(m,1H);3.73(m,1H);3.83(m,1H);4.74(q,1H,J=5.1Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 17.9;21.2;21.5;25.6;27.6;32.6;36.0;39.8;47.1;74.9;75.5;98.7。
MS[e/m(%)]:225(M,10);211(40);165(21);149(8);138(66);125(5);109(61);108(14);95(37);83(25);82(35);81(32);80(47);79(23);67(25);57(100);55(25);43(26);41(28)。
【0137】
2つ目の主要異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.85(s,9H);4.68(q,1H,J=5.1Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 20.2;29.4;36.0。
MS[e/m(%)]:225(M,2);211(2);165(5);149(10);138(21);136(100);125(20);109(24);108(11);95(18);83(19);82(29);81(29);80(38);79(22);67(21);57(74);55(21);43(22);41(24)。
【0138】
3つ目の主要異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.84(s,9H);0.90−1.85(m,7H);1.19(d,3H,J=6.3Hz);1.32(d,3H,J=5.1Hz);1.96(m,1H);3.15(ddd,1H,J=4.1Hz,J=9.8Hz,J=11.2Hz);3.38(dt,1H,J=6.3Hz,J=9.7Hz);4.78(q,1H,J=5.1Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 18.6;21.2;25.3;26.5;27.8;31.6;32.3;46.7;47.0;77.1;80.6;98.4。
MS[e/m(%)]:idem 1つ目の主要異性体。
【0139】
1つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.83(s,9H);1.24(d,1H,J=7.0Hz);1.26(d,3H,J=5.1Hz);1.96(m,1H);3.47(dt,1H,J=4.4Hz,J=10.7Hz);4.07(dq,1H,J=7.0Hz,J=12.8Hz);5.03(q,1H,J=5.1Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 13.0;21.3;25.3;27.4;27.5;32.1;32.2;43.2;47.5;72.0;74.2;91.1。
MS[e/m(%)]:idem 1つ目の主要異性体。
【0140】
2つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.83(s,9H);3.16(m,1H);3.44(m,1H);4.69(q,1H,J=5.1Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 18.0;20.2;25.6;27.6;32.0;41.1;47.1;75.2;75.7;98.6。
MS[e/m(%)]:211(85);165(24);149(8);138(19);125(9);109(72);108(27);95(40);83(34);82(32);81(28);80(30);79(24);67(25);57(100);55(29);43(26);41(27)。
【0141】
実施例38:6−tert−ブチル−4−エチル−2−イソプロピル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(I’bg)の調製
実施例23に従って、化合物I’bgをジオールV’b(17.83g、0.08mol、実施例19で得られる)、イソブチルアルデヒド(7.19g、0.1mol)及びシクロヘキサン(40mL)から淡黄色の油として収率21%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(76%)をシス鏡像異性体/トランス鏡像異性体として63:37の比で含む5つの異性体の混合物である。
Bp:88℃/0.7トール
嗅覚プロファイル:ハーブ調、カモミール、ウッディ。
【0142】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.84(s,9H);0.87−1.00(m,3H);0.92(d,6H,J=7.0Hz);1.01−1.70(m,9H);1.77(m,1H);1.19(m,1H);3.42(ddd,1H,J=1.6Hz,J=6.1Hz,J=7.7Hz);3.64(m,1H);4.28(d,1H,J=4.4Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 9.9;16.7;17.1;20.4;21.4;24.7;27.5;32.1;32.5;32.8;38.6;47.0;74.5;81.2;104.9。
MS[e/m(%)]:267(M,6);225(62);179(53);163(4);138(33);136(1);123(63);109(45);95(27);83(19);82(28);81(30);80(47);79(19);67(22);57(100);55(18);43(18);41(27)。
【0143】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.85(s,9H);0.91(d,6H,J=8.7Hz);3.42(m,1H);3.75(m,1H);4.22(d,1H,J=4.5Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 9.9;16.8;17.1;19.0;24.8;28.0;29.5;32.4;32.7;33.3;47.0;75.4;81.0;104.8。
MS[e/m(%)]:267(M,3);225(23);179(49);163(7);138(25);136(49);123(66);109(42);95(27);83(20);82(27);81(29);80(42);79(22);67(23);57(100);55(20);43(19);41(29)。
【0144】
1つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.83(s,9H);0.93(d,6H,J=6.8Hz);3.09(m,2H);4.23(d,1H,J=5.6Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 9.5;17.2;17.6;25.1;25.2;26.3;27.6;31.7;32.8;44.9;47.1;80.6;81.9;105.4。
MS[e/m(%)]:idem 主要なシス異性体。
【0145】
2つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 4.50(d,1H,J=4.2Hz)。
MS[e/m(%)]:idem 主要なシス異性体。
【0146】
3つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 4.41(d,1H,J=5.6Hz)。
MS[e/m(%)]:idem 主要なシス異性体。
【0147】
実施例39:6−tert−ブチル−2−メチル−4−フェニル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(I’ca)の調製
実施例23に従って、化合物I’caをジオールV’c(11.55g、0.04mol、実施例20で得られる)、アセトアルデヒド(3.87g、0.09mol)及びシクロヘキサン(20mL)から白色の結晶として収率21%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(77%)をシス異性体として56:44の比で含む3つの異性体の混合物である。この粗生成物を、SiOでのカラムクロマトグラフィー(AcOEt/ヘキサン(5:95))によって精製した。シス異性体は白色の結晶として得られたが、微量トランス異性体は無色の油として得られた。
嗅覚プロファイル:グリーン、薬品。
【0148】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.73(s,9H);0.80−1.80(m,7H);1.46(d,3H,J=5.1Hz);2.08(m,1H);3.96(m,1H);4.84(m,1H);4.93(m,1H);7.29(m,5H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 20.7;21.2;21.4;27.4;32.1;32.5;40.8;47.1;74.9;81.1;99.1;125.3;126.8;127.9;140.0。
MS[e/m(%)]:287(M,1);229(2);151(27);138(20);107(100);80(24);77(7);57(30);51(1);39(2)。
【0149】
微量のシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.71(s,9H);1.45(d,3H,J=5.1Hz);4.08(m,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 19.1;20;21.2;27.9;29.3;33.4;35.6;41.1;75.4;80.3;98.7;125.1;126.7;127.9;140.3。
MS[e/m(%)]:idem シス異性体。
【0150】
微量のトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.74(s,9H);0.80−1.75(m,6H);1.42(d,3H,J=5.1Hz);1.76−1.95(m,1H);2.03(m,1H);3.37(ddd,1H,J=4.2Hz,J=9.7Hz,J=11.2Hz);4.24(d,1H,J=9.9Hz);4.98(q,1H,J=5.1Hz);7.31(m,5H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 21.3;25.4;26.4;27.5;31.7;32.3;46.3;46.8;80.3;84.4;99.1;127.3;128.0;128.3;139.4。
MS[e/m(%)]:idem 主要なシス異性体。
【0151】
実施例40:2,4,6,6−テトラ−メチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(I’’aa)の調製
実施例23に従って、化合物I’’aaをジオールV’’a(74.08g、0.43mol、実施例21で得られる)、アセトアルデヒド(61.95g、0.86mol)及びシクロヘキサン(180mL)から無色の油として収率58%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(75%)をシス鏡像異性体/トランス鏡像異性体として55:45の比で含む4つの異性体の混合物である。
Bp:52℃/1.1トール
嗅覚プロファイル:アロマティック、ウッディ、パワフル。
【0152】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.86(s,3H);0.94(s,3H);0.95−1.65(m,6H);1.11(d,3H,J=6.6Hz);1.32(d,3H,J=5.1Hz);1.72(m,1H);3.72(m,1H);3.82(dq,1H,J=2.4Hz,J=6.6Hz);4.72(q,1H,J=5.1Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 17.8;21.2;24.2;27.6;29.9;32.1;33.0;33.2;35.4;74.7;75.3;98.7。
MS[e/m(%)]:197(M,4);183(8);155(2);137(31);110(100);95(67);89(22);81(63);69(11);55(16);43(20)。
【0153】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.91(s,3H);0.94(s,3H);1.16(d,3H,J=6.3Hz);1.33(d,3H,J=5.1Hz);3.15(ddd,1H,J=4.6Hz,J=9.7Hz,J=10.9Hz);3.35(dq,1H,J=6.3Hz,J=9.3Hz);4.78(q,1H,J=5.1Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 18.5;21.2;25.2;27.7;30.7;32.7;37.3;38.9;42.6;77.3;81.1;98.5。
MS[e/m(%)]:197(M,15);183(95);155(3);137(57);110(95);95(97);81(100);69(21);55(28);43(33);41(23)。
【0154】
1つ目の微量異性体:
MS[e/m(%)]:197(M,11);183(100);155(8);137(68);110(42);95(68);81(77);69(19);55(24);43(28);41(19)。
【0155】
実施例41:4,6,6−トリメチル−2−((E)−プロペニル)−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(I’’ac)の調製
実施例23に従って、化合物I’’acをジオールV’’a(31.01g、0.18mol、実施例21で得られる)、クロトンアルデヒド(14.72g、0.21mol)及びシクロヘキサン(80mL)から黄色の油として収率56%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(76%)をシス鏡像異性体/トランス鏡像異性体として55:45の比で含む8つの異性体の混合物である。
Bp:80℃/0.8トール
嗅覚プロファイル:ハーバル、ミント調、フルーティ
【0156】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.96(s,6H);1.00−1.65(m,6H);1.19(d,3H,J=9.0Hz);1.17−1.85(m,1H);1.71(d,3H,J=1.3Hz);3.23(ddd,1H,J=4.6Hz,J=10.0Hz,J=10.7Hz);3.44(dq,1H,J=6.1Hz,J=9.0Hz);5.04(d,1H,J=5.6Hz);5.60(m,1H);5.93(m,1H)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 17.7;25.2;27.6;30.7;32.0;32.7;38.9;42.7;74.8;75.4;100.7;128.3;130.7。
MS[e/m(%)]:223(M,16);210(8);209(60);183(4);137(44);99(14);95(59);81(80);71(100);69(42);55(32);43(22);41(30)。
【0157】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 0.88(s,3H);0.93(s,3H);1.16(d,3H,J=8.9Hz);1.74(d,3H,J=1.4Hz);3.81(m,1H);3.89(m,1H);4.97(d,1H,J=6.0Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 17.8;24.2;27.7;29.8;32.9;33.1;35.5;37.3;77.4;81.1;101.2;128.6;130.8。
MS[e/m(%)]:idem シス異性体。
【0158】
1つ目の微量異性体:
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 96.9;127.7;129.8。
MS[e/m(%)]:idem シス異性体。
【0159】
2つ目の微量異性体:
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 97.1;127.9;129.9。
MS[e/m(%)]:idem シス異性体。
【0160】
他の微量異性体:
MS[e/m(%)]:210(12);209(92);137(100);127(9);99(1);95(15);81(12);71(4);69(7);55(19);43(8);41(8)。
【0161】
実施例42:4−エチル−2−イソプロピル−6,6−ジメチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン(I’’bg)の調製
実施例23に従って、化合物I’’bgをジオールV’’b(29.81g、0.16mol、実施例22で得られる)、イソブチルアルデヒド(23.05g、0.32mol)及びシクロヘキサン(70mL)から無色の油として収率31%で得る。この化合物は、2つの主要異性体(74%)をシス鏡像異性体/トランス鏡像異性体として60:40の比で含む4つの異性体の混合物である。
Bp:106℃/5.9トール
嗅覚プロファイル:ハーブ調
【0162】
主要なシス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl):δ(ppm) 0.55−1.00(m,15H);1.01−1.67(m,8H);1.68−1.90(m,2H);3.44(ddd,1H,J=4.0Hz,J=7.4Hz,J=10.0Hz);3.66(m,1H);4.27(d,1H,J=4.6Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 9.8;17.3;24.2;24.6;27.8;29.9;32.4;32.9;33.3;34.1;37.3;69.1;80.9;105.0。
MS[e/m(%)]:239(M,4);197(34);151(100);139(1);110(70);109(25);95(69);81(45);69(17);55(15);43(18);41(21)。
【0163】
主要なトランス異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 3.10(m,1H);3.44(m,1H);4.41(d,1H,J=5.7Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl):δ(ppm) 10.0;18.5;24.6;28.3;30.9;33.2;39.4;74.5;77.2;97.7。
【0164】
MS[e/m(%)]:239(M,5);197(69);151(68);139(26);110(14);109(27);95(100);81(44);69(27);55(24);43(23);41(24)。
【0165】
1つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 4.24(d,1H,J=6.0Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 105.6。
MS[e/m(%)]:239(M,5);197(54);151(41);139(3);110(48);109(17);95(100);81(53);69(20);55(19);43(18);41(21)。
【0166】
2つ目の微量異性体:
H−NMR(200MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 4.48(d,1H,J=4.7Hz)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,選択したデータ):δ(ppm) 97.5。
MS[e/m(%)]:239(M,4);197(65);151(100);139(22);110(12);109(26);95(63);81(29);69(24);55(20);43(20);41(19)。
【0167】
実施例43:実施例28で得られる化合物を含む芳香剤組成物
グリーンでウッディなフゼア調の組成物を以下の成分から調製した。
【0168】
【表2】

【0169】
アルコール中通常の希釈率で評価したところ、組成物Aは、タラゴンのノート及びシステ−コケの(cyste-moss)ドライダウンノートを有し、非常にアロマティックであると表現されたが、組成物B(2−エチル−4−メチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシンを含有する)は、よりフレッシュなノート(柑橘系(hesperidic)、グレープフルーツ、僅かに硫黄のアンダートーンを有する)、及びよりモダンなインパクトを芳香剤に与えるマリン系のファセットを有する。
【0170】
シャワー用ジェル基剤中通常の希釈率で評価したところ、組成物A及び組成物Bは芳香の知覚に実質的な違いを示さないが、2−エチル−4−メチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシンを組成物に添加することによって、ノートがよりパワフルになる。
実施例44:実施例28で得られる化合物を含む芳香剤組成物
フローラルな柑橘系の水性(watery)組成物を以下の成分から調製した。
【0171】
【表3】

【0172】
これら2つの組成物をシャワー用ジェル基剤及びアルコール中で当業者に既知の通常の希釈率で使用したが、化合物2−エチル−4−メチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシンを含有するサンプルは、よりフレッシュなレモンゼストのノートを示した。
【0173】
アルコール中では、組成物Bは、よりフローラルなインドール系のミドルノートを伴う、グリーンな酸っぱいファセットを有するとも表現され、より素晴らしく、あまり「人工的(technique)」でないインパクトを芳香剤に与えた。
実施例45:実施例27で得られる化合物を含む芳香剤組成物
フジのアコードを以下の成分から調製した:
【0174】
【表4】

【0175】
2−ベンジル−4−メチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシンを組成物Aに添加すること(組成物B)によって、よりフローラルで蜂蜜様のナチュラルな印象がフジのアコードにもたらされ、幾らかのスズランのアンダートーンを伴う、より丸みのある甘いファセットが与えられる。
実施例46:実施例27で得られる誘導体を含有する芳香剤組成物
ローズのアコードを以下の成分から調製した:
【0176】
【表5】

【0177】
2−ベンジル−4−メチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシンを組成物Aに添加すること(組成物B)によって、よりナチュラルでグリーンな印象がローズのアコードに与えられ、スウィートでパウダリーなファセットが加えられる。
実施例47:実施例27で得られる化合物を含む芳香剤組成物
ミモザのアコードを以下の成分から調製した:
【0178】
【表6】

【0179】
2−ベンジル−4−メチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシンを組成物Aに添加すること(組成物B)によって、パウダリーでグリーンな印象を伴う芳香が、素晴らしいミモザのノートに実際に与えられる。
実施例48:実施例27で得られる化合物を含む芳香剤組成物
スイレンのアコードを以下の成分から調製した:
【0180】
【表7】

【0181】
2−ベンジル−4−メチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシンを組成物Aに添加すること(組成物B)によって、僅かにジャスミン調のファセットを伴う、よりナチュラルでスウィートなスイレンのノートが与えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】

(式中、
及びRが独立して水素原子、C1〜C6アルキル基若しくはC2〜C6アルケニル基であり、
がC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基若しくは(CH0〜2−アリール基であり、
がC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、(CH0〜2−アリール基、若しくはC5〜C6シクロアルキル若しくはシクロアルケニル基であり、
が水素原子、C1〜C6アルキル基若しくはC2〜C6アルケニル基であるか、
又は
、R及びRが上記で規定した通りであり、
及びRが、それらが結合する炭素原子と共にC5〜C6シクロアルキル若しくはシクロアルケニル基を形成するが、
ただし、前記化合物は、
2,2−ジメチル−4−エチルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,2−ジメチル−4−n−ペンチルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,2−ジメチル−4−フェニルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,4−ジメチルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,4−ジフェニルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
4−エチル−2−メチルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
4−メチル−2−フェニルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,2,4−トリメチルヘキサヒドロベンゾ[1,3]ダイオキシンではない)
の化合物。
【請求項2】
及びRが独立して水素原子、メチル、エチル、i−プロピル、i−ブチル及びt−ブチルからなる群から選択され、
がメチル、エチル、i−プロピル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−プロペン−1−イル、アリル、ビニル及びフェニルからなる群から選択され、
がメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−プロペン−1−イル、フェニル、ベンジル及び2,4−ジメチルシクロヘキセン−3−イルからなる群から選択され、
が水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル及び1−プロペン−1−イルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
及びRが水素原子であり、
がメチル、エチル、i−ブチル及びフェニルからなる群から選択され、
がメチル、エチル、i−プロピル、フェニル、ベンジル及び2,4−ジメチルシクロヘキセン−3−イルからなる群から選択され、
が水素原子、メチル及びn−ブチルからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
、R及びRが水素原子であり、
がメチルであり、
がエチル又はベンジルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
及びRが水素原子であり、
がt−ブチルであり、
がメチル、エチル又はフェニルであり、
がメチル又はiープロピルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項6】
及びRがメチルであり、
がメチル又はエチルであり、
がメチル、i−プロピル及び1−プロペン−1−イルからなる群から選択され、
が水素原子である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項7】
2,4−ジメチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
4−メチル−2−ペンチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
4−メチル−2−プロペニル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
4−メチル−2−フェニル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2−ベンジル−4−メチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2−エチル−4−メチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン、
2,2,4−トリメチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン、
2−ブチル−2,4−ジメチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン、
4−メチルヘキサヒドロ−4H−スピロ[ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン−2,1’−シクロペンタン]、
2−(2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニル)−4−メチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン、
2−(2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エニル)−4−メチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン、
4−エチル−2−イソプロピル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2−メチル−4−フェニル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
4−イソブチル−2−メチルヘキサヒドロ−4H−ベンゾ[d][1,3]ダイオキシン、
6−tert−ブチル−2,4−ジメチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
6−tert−ブチル−4−エチル−2−イソプロピル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
6−tert−ブチル−2−メチル−4−フェニル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
2,4,6,6−テトラ−メチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
4,6,6−トリメチル−2−((E)−プロペニル)−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン、
4−エチル−2−イソプロピル−6,6−ジメチル−ヘキサヒドロ−ベンゾ[1,3]ダイオキシン
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
芳香物質として、少なくとも1つの下記式:
【化2】

(式中、
及びRが独立して水素原子、C1〜C6アルキル基若しくはC2〜C6アルケニル基であり、
がC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基若しくは(CH0〜2−アリール基であり、
がC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、(CH0〜2−アリール基、若しくはC5〜C6シクロアルキル若しくはシクロアルケニル基であり、
が水素原子、C1〜C6アルキル基若しくはC2〜C6アルケニル基であるか、
又は
、R及びRが上記で規定した通りであり、
及びRが、それらが結合する炭素原子と共にC5〜C6シクロアルキル若しくはシクロアルケニル基を形成する)
の化合物を含む、芳香性組成物。
【請求項9】
芳香物質として、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物を少なくとも1つ含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
香料基剤、香料濃縮物、芳香剤、香料及び類似の製品からなる群から選択される、請求項8又は9に記載の組成物。
【請求項11】
臭気マスキング剤である、請求項8又は9に記載の組成物。

【公表番号】特表2013−500327(P2013−500327A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522325(P2012−522325)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053424
【国際公開番号】WO2011/013077
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(510116347)
【Fターム(参考)】