説明

新規の固体物質及びガスストリームからのCO2の除去法

燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスから二酸化炭素を除去するシステム(10)は、少なくとも1つの吸収容器(12, 14)を含んでなり、プロセスガスは、この吸収容器を通って送給される。吸収容器(12, 14)は吸収剤物質(50)を具備しており、吸収剤物質は、吸収剤物質(50)を通って送給されているプロセスガスから二酸化炭素を可逆的に収集するように作動する。吸収剤物質(50)は、少なくとも1つのアミン、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒、及び前記少なくとも1つのアミン及び前記少なくとも1つの触媒を支持する少なくとも1つの多孔性物質を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年9月5日出願の米国仮特許出願第61/094,437号の利益を主張するものであり、その記載のすべてを参照することにより本明細書に含める。
【0002】
本発明は、燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスから二酸化炭素を除去するシステムに係り、前記システムは、少なくとも1つの吸収容器を含んでなり、プロセスガスは、この吸収容器を通って送給され、前記吸収容器は吸収物質を具備しており、吸収物質は、吸収物質を通って送給されているプロセスガスから二酸化炭素を可逆的に収集するように作動する。
【0003】
本発明は、さらに、吸収物質を製造する方法、及び燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスから二酸化炭素を除去する方法に係る。
【背景技術】
【0004】
石炭、石油、泥炭、廃棄物等の燃料の、発電プラントのような燃焼プラントにおける燃焼では、他の成分のなかでも、水蒸気、窒素、及び二酸化炭素(CO2)を含有するプロセスガスのような熱いプロセスガスが発生する。
【0005】
二酸化炭素の大気中への放出に関連する環境問題についての関心が増大することに鑑み、プロセスガスから二酸化炭素を除去するいくつかのシステムが提案されている。このようなシステムの1つが米国特許第6,755,892号に開示されている。米国特許第6,755,892号のシステムは、2つの並列の吸収剤床を含んでなり、各床は吸収剤を具備している。二酸化炭素は、床の1つにおいて、低温で捕捉され、その間に、他の床は、高温において再生されて、二酸化炭素を放出し、この二酸化炭素は、続いて、二酸化炭素貯蔵設備に送給される。しかし、吸収剤床における大きい圧力損失及び乏しいCO2除去効率のため、米国特許第6,755,892号のシステムは、例えば、石炭焚き発電設備のような発電設備における用途(プロセスガスにおけるCO2濃度が高く、ガス流速が大きい)のような、より大きいガス流速での用途では、有効性に乏しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスから二酸化炭素を効果的に除去するシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスから二酸化炭素を除去するシステムであって、前記システムは、少なくとも1つの吸収容器を含んでなり、プロセスガスは、この吸収容器を通って送給され、前記吸収容器は、吸収物質を具備しており、吸収物質は、当該吸収物質を通って送給されているプロセスガスから二酸化炭素を可逆的に収集するように作動するものであり、前記吸収物質は、少なくとも1つのアミン、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒、及び前記少なくとも1つのアミン及び前記少なくとも1つの触媒を支持する少なくとも1つの多孔性物質を含んでなる。
【0008】
このシステムの利点は、二酸化炭素の除去が非常に効率的であること、すなわち、比較的少量の吸収剤物質によって、短時間で多量の二酸化炭素を吸収できることである。必要な吸収剤が少量であるため、従来技術のシステムの設備コストと比べて、二酸化炭素除去システムの設備コストが増大しないだけでなく、吸収容器を通過するプロセスガスが受ける圧力損失が低減される。圧力損失が低減されることにより、吸収容器を通ってプロセスガスを吸引するために要求されるファンの電力が低減されるため、操作コストが低減される。
【0009】
1具体例によれば、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒は、有機金属錯体触媒、無機金属錯体触媒、金属酸化物、及び金属ハロゲン化物からなる触媒群から選ばれる触媒を含んでなる。これらのタイプの触媒は、アミンに対する二酸化炭素の吸収及び脱離を改善することにおいて効果的であることが知られている。好適な1具体例によれば、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒は、有機遷移金属錯体触媒、及び無機遷移金属錯体触媒から選ばれる触媒を含んでなる。このような触媒は、アミンに対する二酸化炭素の吸収及び脱離の促進において非常に効果的であることが知られている。
【0010】
1具体例によれば、少なくとも1つのアミンは第2級アミンを含む。他の具体例によれば、少なくとも1つのアミンは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミンを含む。好適な1具体例によれば、少なくとも1つのアミンは、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する第2級アミンを含む。これらのタイプのアミンは、二酸化炭素の吸収及び脱離が二酸化炭素を活性化する触媒によって促進され、これによって、二酸化炭素が、アミンへの吸収、又はアミンから脱離に対して、より敏感になる際には、二酸化炭素の吸収及び脱離において特に効果的であることが知られている。
【0011】
1具体例によれば、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒及び少なくとも1つのアミンを支持する少なくとも1つの多孔性物質は、BET比表面積少なくとも50m2/gを有する。このような多孔性物質は、二酸化炭素と触媒及びアミンとの効果的な接触において非常に効果的であることが知られている。好適な1具体例によれば、少なくとも1つの多孔性物質は、BET比表面積100−1000 m2/gを有する。
【0012】
1具体例によれば、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒は、少なくとも1つのアミンを支持する多孔性物質としても機能する。この具体例の利点は、触媒が、その触媒活性に加えて、大きいBET比表面積をもつ多孔性物質(アミンを支持できる)として機能するため、必要な成分が少なくてよいことである。このような多孔性物質としても機能する触媒の例としては、MgO及びアルカリ変性ゼオライト及びクレーが含まれる。
【0013】
1具体例によれば、触媒及びアミンを支持する多孔性物質は、基材上における吸収剤層として提供される。この具体例の利点は、基材に塗布される吸収剤層が、圧力損失を増大させることなく、プロセスガスとの効果的な接触を提供することである。従って、多孔性物質は、ミクロスケールレベルで、プロセスガス、アミン及び触媒の間の効果的な接触を提供し、一方、支持は、マクロスケールレベルで、吸収剤物質を通るプロセスガスの効果的な輸送を提供する。
【0014】
1具体例によれば、基材は、プロセスガスの流れの少なくとも一部を受け取るように機能する少なくとも1つの通路の少なくとも一部を形成する。この具体例の利点は、煙道ガスが、触媒及びアミンとの良好な接触状態で当該通路を送給され、これによって、生ずる圧力損失が小さく、発電プラントの大きいプロセスガス流速のケースにおいても、小さい操作コストを達成できることである。
【0015】
1具体例によれば、基材はモノリシックユニットを形成する。モノリシックユニットは、プロセスガスとモノリシックユニットに形成される吸収剤層との間で良好な接触、及び小さい圧力損失を達成することにおいて効果的である。好適な1具体例によれば、モノリシックユニットは、フロースルーモノリシックユニットである。この具体例の利点は、フロースルーモノリシックユニットが特に小さい圧力損失を有することである。他の好適な具体例によれば、モノリシックユニットは壁面流モノリシックユニットである。この具体例の利点は、プロセスガスが壁及び吸収剤層を通って真直ぐに流れる場合に、プロセスガスとモノリシックユニットの壁上の吸収剤層との間の特に良好な接触が得られることである。
【0016】
好適な1具体例によれば、基材は、少なくとも1つの乱流促進手段を含んでなる構造充填物である。この具体例の利点は、プロセスガスにおいて有意の圧力損失を生ずることなく、プロセスガスと構造充填物の壁上に備えられた吸収剤層との間の良好な接触が得られることである。
【0017】
本発明の他の目的は、燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスからの二酸化炭素の可逆的な吸収において効果的な吸収剤物質を効果的に製造する方法を提供することにある。
【0018】
この目的は、燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスが通過する吸収容器における二酸化炭素の可逆的吸収のために採用される吸収剤物質を製造する方法であって、多孔性物質上に、少なくとも1つのアミン、及び少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を不動化させることによって前記吸収剤物質を形成することを含んでなる吸収剤物質の製法によって達成される。
【0019】
この方法の利点は、効果的な様式で、プロセスガスにおける圧力損失が小さい効果的な吸収剤物質を形成できることである。
【0020】
1具体例によれば、少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を、一緒に、多孔性物質上に不動化する(共−不動化)。触媒及びアミンを1工程で共−不動化する1つの利点は、必要な工程数が少ないことである。他の利点は、1工程で多孔性物質上に不動化される際、触媒及びアミンの良好な混合及び分配が容易に達成されることである。
【0021】
1具体例によれば、不動化された少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を含んでなる多孔性物質を基材上に被覆して、基材上に吸収剤層を形成する。この具体例の利点は、多孔性物質が、ミクロスケールレベルで、プロセスガス、アミン及び触媒の間の効果的な接触を提供し、支持が、マクロスケールレベルで、吸収剤物質を通るプロセスガスの効果的な輸送を提供することである。
【0022】
1具体例によれば、多孔性物質の上に少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を不動化する前に、多孔性物質を基材上に被覆する。
【0023】
1具体例によれば、吸収剤物質の製法は、
A)多孔性物質、溶媒及び結合剤のスラリーを形成する工程、
B)前記スラリーを基材上に塗布し、乾燥し、ついで、温度200−1000℃でか焼する工程、
C)多孔性物質に、少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を含浸させる工程、及び
D)前記基材を乾燥して、前記吸収剤物質を得る工程
を含んでなる。任意に、工程D)に続いて、工程E)を含むことができ、工程E)は、多孔性物質上に塗布された触媒及びアミンをもつ基材を、温度200−1000℃においてか焼することを含む。任意に、工程B)における乾燥を温度20−150℃において行うことができる。任意に、工程D)における乾燥を温度20−150℃において行うことができる。
【0024】
他の具体例によれば、吸収剤物質の製法は、
A)多孔性物質に、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を湿式含浸する工程、
B)多孔性物質を乾燥する工程、
C)前記多孔性物質、溶媒及び結合剤のスラリーを形成する工程、
D)前記スラリーを基材上に塗布する工程、
E)前記基材を乾燥し、ついで、温度200−1000℃でか焼して、基材上に多孔性物質を不動化させる工程、
F)基材上に不動化された多孔性物質上に、少なくとも1つのアミンを湿式含浸する工程、及び
G)前記基材を乾燥して、前記吸収剤物質を得る工程
を含んでなる。任意に、この方法の工程B)は、さらに、多孔性物質の乾燥工程に続いて、多孔性物質を温度200−1000℃においてか焼する工程を含むことができる。任意に、工程B)における乾燥を温度20−150℃において行うことができる。任意に、工程E)における前記基材の乾燥を温度20−150℃において行うことができる。任意に、工程G)における前記基材の乾燥を温度20−200℃において行うことができる。
【0025】
燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスが通過する吸収容器における二酸化炭素の可逆的吸収に適合する吸収剤物質は、他の態様によれば、二酸化炭素活性化触媒を含む少なくとも1つの多孔性物質の上に、少なくとも1つのアミンを不動化することによって形成される。
【0026】
多孔性物質の特性及び好適な触媒活性の特性の両方を含む物質上へのアミンの不動化は、簡単な態様での吸収剤物質の生成を提供する。
【0027】
本発明のさらに他の目的は、燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスから二酸化炭素を効果的に除去する方法を得ることにある。
【0028】
この目的は、燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスから二酸化炭素を除去する方法であって、前記方法は、プロセスガスを、プロセスガスから二酸化炭素を可逆的に収集するように作動する吸収剤物質と接触させることを含んでなるものであり、前記方法は、プロセスガスを、少なくとも1つのアミン、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒、及び前記少なくとも1つのアミン及び前記少なくとも1つの触媒を支持する少なくとも1つの多孔性物質を含んでなる吸収剤物質と接触させて、前記少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒の影響下において、二酸化炭素を前記少なくとも1つのアミンによって吸収させる二酸化炭素の除去法によって達成される。
【0029】
本発明の更なる目的及び特徴は、下記の記載及び特許請求の範囲から明白になるであろう。
【0030】
次に、添付図面を参照して、本発明をさらに詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】プロセスガスから二酸化炭素を除去するシステムを含んでなる発電プラントの概略図である。
【図2a】二酸化炭素の吸収及び脱離を行うモノリシックユニットの概略断面図である。
【図2b】図2aの矢印IIb−IIbの方向で見たモノリシックユニットの概略断面図である。
【図2c】図2aのモノリシックユニットの壁の拡大した概略断面図である。
【図3a】他の具体例によるモノリシックユニットの概略断面図である。
【図3b】図3aの矢印IIIb−IIIbの方向で見たモノリシックユニットの概略断面図である。
【図3c】図3aのモノリシックユニットの壁の拡大した概略断面図である。
【図4a】二酸化炭素の吸収及び脱離を行う構造充填剤の立体図である。
【図4b】図4aの構造充填剤のプレートの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は概略側面図であり、発電プラント1を示す。発電プラント1は、ボイラー2(石炭、石油、泥炭、又は廃棄物のような燃料が、熱発生下で燃焼される)を具備する。燃焼では、熱いプロセスガス(しばしば、煙道ガスと称される)も発生される。煙道ガスはダクト4を介してボイラー2から放出され、ガス浄化システム6に送給される。ガス浄化システム6は、それ自体、公知のタイプのものであり、静電集塵器のようなフライアッシュ除去装置(その例は米国特許第4,502,872号に示されている)、二酸化イオウ及び塩酸を除去するための湿式スクラバー(例えば、ヨーロッパ特許第0 162 536号に開示されたもの)、及び酸化窒素を除去するための選択的接触還元ユニット(例えば、米国特許第6,146,605号に開示されたもの)を含んでなることができる。従って、ダクト8を介してガス浄化システム6から放出された煙道ガスは、主に、二酸化炭素ガス、窒素ガス、及び水蒸気を含んでなる。
【0033】
ついで、煙道ガスを二酸化炭素除去システム10に送給する。二酸化炭素除去システム10の主な部材は、第1吸収容器12及び第2吸収容器14である。2つの吸収容器12, 14は、同一のデザインであり、並列モードで作動し、吸収器の1つが吸収モードにあって、煙道ガスから二酸化炭素を吸収し、他方の吸収容器は脱離モードにあって、二酸化炭素を放出し、これによって、二酸化炭素除去能力が再生される。第1吸収容器12は、煙道ガス供給ダクト16(シャットオフ弁18を具備する)、煙道ガス除去ダクト20(シャットオフ弁22を具備する)、及び二酸化炭素除去ダクト24(シャットオフ弁26を具備する)を具備している。同様に、第2吸収容器14は、煙道ガス供給ダクト28(シャットオフ弁30を具備する)、煙道ガス除去ダクト32(シャットオフ弁34を具備する)、及び二酸化炭素除去ダクト34(シャットオフ弁38を具備する)を具備している。
【0034】
図1に簡単に図示されているように、第1吸収容器12は、吸収モードにあり、煙道ガスから二酸化炭素を吸収するよう作動する。従って、弁18は開かれており、煙道ガスは、煙道ガス供給ダクト16を介して、弁8から吸収容器12に入る。さらに、弁22は開かれており、これによって、二酸化炭素が少なくとも部分的に除去された煙道ガスが煙道ガス除去ダクト20を介して、第1吸収容器12から排出され、煙道ガスダクトを通って、煙突40を介して大気中に放出される。弁26は閉じられている。第2吸収容器14は脱離モードにあり、既に煙道ガスから除去していた二酸化炭素の放出を行うように作動する。従って、弁30は閉じられており、これによって、煙道ガス供給ダクト28を介して、吸収容器14に二酸化炭素が入ることはない。弁34も閉じられており、これによって、煙道ガスが、煙道ガス除去ダクト32を介して、吸収容器14から放出されることはない。さらに、弁38は開かれており、これによって、第2吸収容器14から放出された二酸化炭素が、二酸化炭素除去ダクト36を介して、吸収容器14から放出される。二酸化炭素除去ダクト36は、二酸化炭素を二酸化炭素貯蔵タンク42に送給し、二酸化炭素は、最終的に廃棄されるまで保存される。
【0035】
2つの吸収容器12, 14が交互様式に作動され、これによって、1つの吸収容器が煙道ガスから二酸化炭素を収集し、同時に、他の吸収容器が再生される。従って、1つの吸収容器が二酸化炭素で充満されたときに、再生のためにオフラインとされ、丁度再生された他の吸収容器がオンラインとされる。
【0036】
煙道ガスからの二酸化炭素の吸収は、低減された温度で行われ、この目的を達成するため、煙道ガスを各吸収容器12, 14に入る前に冷却するように、煙道ガスダクト8に冷却器44が設けられる。代表的には、各容器12, 14内の温度は、吸収モードの間、20−50℃である。一方、吸収容器の再生は高温で行われる。従って、第1吸収容器12はヒーター46を具備し、第2吸収容器14はヒーター48を具備している。図1に簡単に説明するように、ヒーター46が不作動状態にある場合、ヒーター48は作動状態にあって、第2吸収容器14の再生を行う。代表的には、各容器内の温度は、脱離モードの間、60−150℃である。
【0037】
各吸収容器12, 14は固体の吸収剤物質50を具備しており、次に、吸収剤物質について詳述する。
【0038】
図2aは、吸収剤物質50の拡大断面図である。吸収剤物質50は、多数の通路54を有するモノリシックユニット52を含んでなり、図2aにおいてFで示すように、通路を通ってガスが流動できる。従って、モノリシックユニット52は、いわゆる、フロースルータイプである。吸収モードでは、ガスFは煙道ガスであり、脱離モードでは、ガスFは二酸化炭素である。図2bは、図2aの線IIb−IIbに沿って見たモノリシックユニット52を示す断面図である。ユニット52は、図2bに示すように、正方形断面を有することができ、又は環状又は吸収容器12, 14への充填物に適する他の形状を有することができる。通路54は、図2aに示す幅WC(一般に、1−5mm)をもつ正方形断面を有することができる。或いは、通路は、例えば、長方形、三角形、又は環状断面を有することができる。一般に、モノリシックユニット52の高さHは50−2000 mmであり、より一般的には、高さHは250 mm以下であり、幅Wは、図2bに最も良好に示されるように、代表的には、40−600 mmである。吸収剤物質50は、ただ1つのモノリシックユニット52を含むが、より好ましくは、各吸収容器12, 14に、一緒に充填された多数のモノリシックユニットを含むことができる。
【0039】
図2cは、モノリシックユニット52の壁56の一部を拡大して示す図である。壁56の中心部分は基材58である。基材58はユニット52の物理的強度に寄与し、また、ガスFとの効果的な接触を生ずる大きい表面積を提供する。基材58の両側には、吸収剤層60が設けられている。吸収剤層60は、ウオッシュコートを形成するために多孔性物質上に不動化されたアミン及び触媒を含む。ウオッシュコートを、ついで、前記吸収剤層60を形成するために、下記に詳述する様式で、基材58に塗布する。
【0040】
吸収モードにおいて、煙道ガスがモノリシックユニット52の通路54を通過する際、煙道ガスの二酸化炭素が、吸収剤層60の多孔性物質の大きい表面積及び吸収を効果的なものとする吸収剤層60に含まれる触媒のため、吸収剤層60のアミン上に効果的に吸収される。脱離モードにおいて、モノリシックユニット52の温度が上昇されると、吸収剤層60の多孔性物質の大きい表面積及び脱離を効果的なものとする吸収剤層60に含まれる触媒のため、二酸化炭素が、吸収剤層60のアミンから効果的に解放される。従って、吸収剤層60は、従来技術と比べ、吸収剤物質50における二酸化炭素の吸収及び脱離の両方を効果的なものとする。
【0041】
図3aは、他の吸収剤物質150の拡大側断面図である。吸収剤物質150は、いわゆる、壁流タイプであり、第1のタイプの通路154及び第2のタイプの通路155を有しているモノリシックユニット152を含んでなり、前記通路154及び155は、図3a及び3bに示されるように、モノリシックユニット152において交互様式で配置されている。第1のタイプの通路154は、その上方端で閉止されており、第2のタイプの通路155は、その下方端で閉止されている。これらは、図3aの矢印IIIb−IIIbの方向から見た断面図である図3bにも示されている。図3aにおいてFで示されるガスは、図2aを参照して先に説明したものとは対照的に、通路を通って流動するが、図3aにおいて示されるように、事実上の壁を通る2つの流れを有する。
【0042】
図3cは、モノリシックユニット152の壁156の一部拡大図である。壁156の中心部は基材158であり、この基材は、ガスFが通過できるように充分に多孔性であり、その両側部に、上述の吸収剤層60と同じ特性及び機能を有する吸収剤層160を具備している。理解されるように、ガスは壁156を通って流動し、このようにして、吸収剤層160とガスFとの間で、効果的な接触が達成される。別法として、基材158は、その側部の一方にのみ、吸収剤層160を具備してもよいことが理解されるであろう。
【0043】
上述のタイプのモノリシックユニットは、多くのサプライヤーの中でも、Corning Incorporated Environmental Technologies(米国ニューヨーク)から入手可能である。
【0044】
図4aは他の吸収剤物質250の拡大斜視図である。吸収剤物質250は構造充填物252を含んでなる。構造充填物250は、一緒に充填された多くの壁又はプレート256を含んでなる。1つのシングルプレート256を示す図4bにおいて最も良好に示されるように、プレート256は、パターン化表面255を有する。一緒に充填された多くのプレート256は、それらの間に、図4bにおいてFとして示されるガスが流動する通路254を形成する。このような通路は、図4bにおいて示されているように、ある角度に形成されているか、波形であるか、又は他の各種の好適な形状を有していてもよい。通路254の形状は、それ自体、煙道ガスに対して乱れを提供するものであり、これによって、ガスと、プレート256の上に設けられた吸収剤層(この吸収剤層は、図2cを参照して詳述した吸収剤層60と同様である)との間の接触を増大させる。従って、通路254は、それ自体、乱流促進手段である。別法として、又は通路254の形状に加えて、プレート256は、開口259及び表面模様付き部分261のような他の乱流促進手段を具備していてもよい。
【0045】
プレート256は、基材を形成するスチール、プラスチック、セラミック又は他の好適な材料から作製され、基材上には、図2cを参照して詳述して吸収剤層60のタイプの吸収剤層が塗布される。二酸化炭素の吸収及び脱離のために機能する吸収剤層用の基材として利用される好適なタイプの構造充填物の例としては、Koch-Glitsch LP(米国カンサス州ウィチタ)から入手可能なFLEXIPAC及びINTALOXタイプの構造充填物が含まれる。
【0046】
図2cを参照して詳述した吸収剤層60は、好適な具体例では、下記の成分:
1)大きい比表面積を有する多抗生物質;
2)アミン;及び
3)アミンの二酸化炭素との相互作用を促進することができる触媒
を含んでなり、アミン及び触媒は、好ましくは、多孔性物質上に共−不動化される。
【0047】
多孔性物質は、好ましくは、BET比表面積(ASTM C 1069-09に従って測定される)として定義される比表面積少なくとも50m2/g、さらに好ましくは、BET比表面積100−1000 m2/gを有する固体物質である。大きいBET比表面積をもつ多孔性物質は、例えば、酸化物(例えば、アルミナ(Al2O3)又は石英(SiO2))、ゼオライト、クレー、イオン交換樹脂、モレキュラーシーブ物質、塩基変性及び/又は酸変性クレー、又はアクリル酸エステルポリマー、ポリスチレンジビニルベンゼン及びそれらの混合物のようなポリマー吸収剤樹脂である。
【0048】
アミンは、二酸化炭素の吸収及び脱離に適する各種のタイプのものである。アミンに対する二酸化炭素の吸収及び脱離に関する化学は、それ自体公知であり、例えば、M.L. GrayらによってSeparation and Purification Technology 35 (2004) 31-36, Elsevier B.V.において公表された論文「アミン富化フライアッシュ炭素吸収剤によるCO2の捕捉」に開示されている。
【0049】
アミンは、第1級、第2級、又は第3級アミン、又はこれらの混合物である。第1級アミンは、アンモニアにおける3つの水素原子の1つが窒素原子に結合する有機置換基によって置換されているアミンである。第2級アミンは、水素原子と共に、窒素原子に結合した2つの有機置換基を有するアミンである。第3級アミンでは、3つの水素原子の全てが、窒素原子に結合する有機置換基によって置換されたアミンである。アミンは、好ましくは、第2級アミン、又は第2級アミンと第1級及び/又は第3級アミンとの混合物である。さらに好ましくは、米国特許第5,876,488号に開示されているように、複数個のヒドロキシル基(-OH)を含む第2級アミンが吸収剤層60内に含まれる。二酸化炭素の効果的な吸収及び脱離に加えて、アミンは、好ましくは、低揮発度を有し、これによって、アミンが容易には揮発されず、各吸収容器12, 14の吸収及び/又は脱離モードの間に吸収剤層60から失われないものでなければならない。好ましくは、アミンの分圧は、20℃及び吸収容器の作動圧力において約0.05 mmHg以下であり、さらに好ましくは、約0.01 mmHgである。より高い温度のため、揮発は、通常、脱離モードの間において、より多いこと、及び吸収剤物質50の長い作動寿命を得るために、できる限りアミンの損失を低く維持することにおいて、脱離プロセスに利用される時間に鑑み、脱離温度をできる限り低く維持することが重要な態様であることは評価されるであろう。さらに、アミンは、好ましくは、環境及びヒトに対して低毒性でなければならない。吸収剤層60での使用に特に適するアミンは、第2級アミン及び/又はアルコール官能基(OH)を含むアミンであり、このようなアミンの例としては、ジエタノールアミン(DEA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)及び2-ヒドロキシエチルピペラジン(HEP)が含まれる。
【0050】
触媒(二酸化炭素活性化触媒と称される)は、二酸化炭素を活性化し、二酸化炭素(CO2)分子を、吸収モードにおけるアミンとの反応に、より利用され得るように、又は脱離モードにおけるアミンから放出に、より利用され得るようにすることに関して効果的である。このように、触媒は、CO2分子を吸収及び活性化できる化合物である。このような触媒は、触媒の性能を増大させるために追加の成分をドープすることによって改善される。従って、触媒は、異なった遷移状態、及び触媒不存在下での吸収と比べて、アミンへの二酸化炭素の吸収におけるより小さい活性化エネルギーを提供することによって機能する。さらに、触媒は、異なった遷移状態、及び触媒不存在下での吸収と比べて、アミンからの二酸化炭素の脱離におけるより小さい活性化エネルギーを提供する。
【0051】
触媒は、均質系及び/又は不均質系タイプの触媒である。触媒は、好ましくは、MgO、及びBaO、アルカリ(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム)−変性ゼオライト又はクレー、又は有機金属錯体(例えば、ニッケルビピリジン)のような適度な塩基度を持つ物質である。
【0052】
均質系タイプの触媒としては、例えば、ニッケル(Ni)のような遷移金属、及び1以上の無機及び/又は有機リガンドを含んでなる有機金属又は無機金属錯体が含まれる(前記リガンドとしては、例えば、ビピリジン、芳香族基(例えば、フェニル)、及び/又はハロゲン(例えば、塩素(Cl))が含まれる。このような均質系触媒の有機及び/又は無機遷移金属錯体は、不活性なCO2分子の活性化に関して非常に効果的な態様のものである。遷移金属の周りにおけるリガンドの配位によって、リガンドの反応性の変化が生じ、リガンドが二酸化炭素分子と相互作用して、二酸化炭素を活性化するために好ましい立体条件が創生される。好適な有機及び/又は無機遷移金属錯体触媒の例としては、ハロゲンタイプの錯体、例えば、Ni(ビピリジン)3Cl2が含まれる。
【0053】
不均質触媒としては、例えば、金属又はその化合物(例えば、酸化物及びハロゲン化物(例えば、塩化物))が含まれる。このような不均質触媒の例として、MgO及びMgCl2が含まれる。
【0054】
1具体例によれば、触媒は、多孔性物質としても使用されるタイプのものである。このような触媒の例としては、酸化マグネシウム(MgO)、アルカリ(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム)−変性ゼオライト又クレーが含まれ、これらは、触媒として及びアミンが不動化される多孔性物質としての作用を併せ持つものである。
【0055】
いわゆる、ウオッシュコーティング法(米国特許第6,759,358号に開示されているように、それ自体、他の技術分野から公知である)によって、多孔性物質、アミン、及び触媒を基材58に塗布して、前記吸収剤層60を形成できる。
【0056】
ウオッシュコーティング法の第1工程では、Ni(ビピリジン)3Cl2のような触媒及びジエタノールアミン(DEA)のようなアミンを、多孔性物質(例えば、アクリル酸エステルポリマー又はアルミナ(Al2O3)である)の上に共−不動化させる。多孔性物質上で触媒及びアミンを一緒に不動化させるプロセスにおいて、触媒、アミン、水及び/又はエタノールのような溶媒、及び任意のBa2+、Na+、K+、NH3のような変性剤から混合物を形成する。ついで、混合物を多孔性物質に湿式含浸し、続いて、好ましくは20−150℃の温度、さらに好ましくは、50−120℃の温度で乾燥する。乾燥プロセスに続いて、多孔性物質を、乾燥温度よりも高い温度においてか焼する。代表的には、か焼工程は、200−1000℃、しばしば200−700℃の範囲の温度において行われ、正確な温度は、多孔性物質、触媒及びアミンのタイプに依存する。米国特許第5,876,488号は、アクリル酸エステルポリマー上にアミンを不動化させる1つの方法を開示している。本発明では、同様の方法ではあるが、アクリル酸エステルポリマー上に塗布される溶液が触媒も含有する点で相違する方法も使用できる。
【0057】
ウオッシュコーティング法の第2の工程では、アミン及び触媒が含浸された多孔性物質及び水のような溶媒からスラリーを形成する。スラリーは、結合剤も含有できる。多孔性物質を基材に結合させることに関して好適な結合剤の1つの例はAl2O3である。ついで、スラリーを、例えば、モノリシックユニット52, 152、又は構造充填物252の通路54の壁56に塗布する。モノリシックユニット又は構造充填物は、好ましくは、セラミック、スチール材料又はプラスチック材料で作製される。スラリーの塗布は、モノリシックユニット又は構造充填物を、スラリーを収容する容器に浸漬することによって行われる。前記スラリーを通路へ噴霧することを含む他の塗布技術も可能である。最後に、モノリシックユニット52を、代表的は温度20−150℃において乾燥し、続いて、より高い温度(代表的には、200−700℃)においてか焼して、溶媒を蒸発させ、壁56の上に多孔性物質(既にアミン及び触媒が含浸されている)を残し、このようにして、前記多孔性物質(アミノ及び触媒が含浸されている)は前記吸収剤層60を形成する。
【0058】
吸収剤物質を調製する他の方法では、第1の工程において、多孔性物質を、モノリシックユニットのような基材上に被覆し、この被覆法は、多孔性物質、溶媒及びAl2O3のような結合剤のスラリーの形成、及び前記スラリーのモノリシックユニットへの塗布、続く、乾燥及び上述の温度におけるか焼を含むものである。ついで、多孔性物質をモノリシックユニットに被覆した後、アミン及び触媒を、第2の工程において、多孔性物質(既にモノリシックユニットの上に配置されている)の上に不動化させる。このような不動化は、水のような溶媒中における前記アミン及び前記触媒の混合物を形成し、前記混合物を、多孔性物質を担持する基材に塗布することによって行われる。基材を、例えば、温度20−150℃において乾燥して、多孔性物質上に不動化されたアミン及び触媒を残す。
【0059】
さらに他の方法では、アミンを、1プロセス操作において、多孔性物質上に不動化させ、触媒を、アミンを不動化させたプロセス操作とは別個の他の1プロセス操作において、多孔性物質上に被覆する。
【0060】
さらに他の方法では、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を、第1の工程において、多孔性物質に含浸させる。ついで、多孔性物質を、例えば、20−150℃の温度において乾燥し、任意に、例えば、200−1000℃の温度においてか焼する。ついで、多孔性物質(触媒を担持している)、水及び/又はエタノールのような溶媒、及びAl2O3のような結合剤からスラリーを形成する。スラリーを、モノリシックユニット又は構造充填物のような基材に塗布する。ついで、基材を、例えば、20−150℃の温度において乾燥し、続いて、基材を温度200−1000℃においてか焼して、多孔性物質を不動化させる。ついで、少なくとも1つのアミンを、基材上に不動化させた多孔性物質に湿式含浸させる。最後に、基材を、例えば、20−200℃の温度において乾燥して、前記吸収剤物質を得る。
【0061】
特許請求の範囲の範囲内において、上述の具体例の多数の変形が可能であることが理解されるであろう。
【0062】
以上、発電プラント1が2つの並列の吸収容器12, 14を具備するものであることを記載した。発電プラントは、3つ、4つ又はそれ以上の並列の吸収容器を具備できることが理解されるであろう。吸収容器の数は、余剰性の要求、二酸化炭素の脱離のための時間対二酸化炭素の吸収のための時間等のようなファクターによって決定される。唯1つの容器によって操作すること可能ではあるが、必ずしも好ましいものではない。この場合、脱離モードの間は発電プラントを休止することが必要となり、或いは、プロセスガスを脱離モードの間は、プロセスガスから全く二酸化炭素を除去することなく、プロセスガスを、バイパスを介して放出させることが必要となるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスから二酸化炭素を除去するシステムであって、前記システムは、少なくとも1つの吸収容器を含んでなり、前記プロセスガスは、この吸収容器を通って送給され、前記吸収容器は、吸収物質を具備しており、前記吸収物質は、当該吸収物質を通って送給されるプロセスガスから二酸化炭素を可逆的に収集するように作動するものであり、前記吸収物質は、少なくとも1つのアミン、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒、及び前記少なくとも1つのアミン及び前記少なくとも1つの触媒を支持する少なくとも1つの多孔性物質を含んでなるものである、二酸化炭素の除去システム。
【請求項2】
少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒が、有機金属錯体触媒、無機金属錯体触媒、金属酸化物、及び金属ハロゲン化物からなる触媒群から選ばれる触媒を含んでなるものである、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒が、有機遷移金属錯体触媒、及び無機遷移金属錯体触媒からなる触媒群から選ばれる触媒を含んでなるものである、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
少なくとも1つのアミンが、第2級アミンを含んでなるものである、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも1つのアミンが、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミンを含んでなるものである、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも1つのアミンが、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する第2級アミンを含んでなるものである、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つの触媒を支持する少なくとも1つの多孔性物質が、少なくとも50m2/gのBET比表面積を有するものである、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの多孔性物質が、100−1000 m2/gのBET比表面積を有するものである、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒が、少なくとも1つのアミンを支持する多孔性物質としても機能するものである、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒及び少なくとも1つのアミンを支持する多孔性物質が、基材上に吸収剤層として提供されている、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
基材が、プロセスガスの流れの少なくとも一部を受け取るように機能する少なくとも1つの通路の少なくとも一部を形成する、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
基材がモノリシックユニットを形成している、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
モノリシックユニットが、フロースルーモノリシックユニットである、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
モノリシックユニットが、壁流モノリシックユニットである、請求項12記載のシステム。
【請求項15】
基材が、少なくとも1つの乱流促進手段を含んでなる構造充填物である、請求項11記載のシステム。
【請求項16】
燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスが通過する吸収容器における二酸化炭素の可逆的な吸収のために採用される吸収剤物質を製造する方法であって、少なくとも1つの多孔性物質上に、少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を不動化させることによって前記吸収剤物質を形成することを含んでなる吸収剤物質の製法。
【請求項17】
少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を、多孔性物質の上に共−不動化させる、請求項16記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒が不動化されている多孔性物質を、基材上に被覆して、前記基材上に吸収剤層を形成する、請求項16記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を不動化させる前に、多孔性物質を、基材上に被覆する、請求項16記載の方法。
【請求項20】
さらに、
A)多孔性物質、溶媒及び結合剤のスラリーを形成し、
B)前記スラリーを基材上に塗布し、続いて、乾燥し、ついで、温度200−1000℃でか焼し、
C)多孔性物質に、少なくとも1つのアミン及び少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を含浸させ、及び
D)前記基材を乾燥して、前記吸収剤物質を得る
ことを含んでなる、請求項16記載の方法。
【請求項21】
A)多孔性物質に、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒を湿式含浸する工程、
B)多孔性物質を乾燥する工程、
C)前記多孔性物質、溶媒及び結合剤のスラリーを形成する工程、
D)前記スラリーを基材上に塗布する工程、
E)前記基材を乾燥し、続いて、温度200−1000℃でか焼して、基材上に多孔性物質を不動化させる工程、
F)基材上に不動化された多孔性物質上に、少なくとも1つのアミンを湿式含浸する工程、及び
G)前記基材を乾燥して、前記吸収剤物質を得る工程
を含んでなる、請求項16記載の方法。
【請求項22】
燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスが通過する吸収容器における二酸化炭素の可逆的な吸収のために採用される吸収剤物質を製造する方法であって、二酸化炭素活性化触媒を含んでなる少なくとも1つの多孔性物質上に、少なくとも1つのアミンを不動化させることによって前記吸収剤物質を形成することを含んでなる吸収剤物質の製法。
【請求項23】
燃料の燃焼の間に発生したプロセスガスから二酸化炭素を除去する方法であって、前記方法は、
プロセスガスを、プロセスガスから二酸化炭素を可逆的に収集するように作動する吸収剤物質と接触させ;及び
前記プロセスガスを、少なくとも1つのアミン、少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒、及び前記少なくとも1つのアミン及び前記少なくとも1つの触媒を支持する少なくとも1つの多孔性物質を含んでなる吸収剤物質と接触させて、前記少なくとも1つの二酸化炭素活性化触媒の影響下において、二酸化炭素を前記少なくとも1つのアミンによって吸収させる
ことを含んでなる、二酸化炭素の除去法。

【図1】
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【図2a.2c】
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【図2b】
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【図3a.3c】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2012−501831(P2012−501831A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526126(P2011−526126)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/055474
【国際公開番号】WO2010/027929
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】