説明

新規カスパーゼ−14活性化ペプチドおよびそれを含む組成物

本発明は、カスパーゼ-14活性化因子としての一般式(I) R1-(AA)n-X1-X2-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-X3-(AA)p-R2のペプチド化合物に関する。本発明はまた、一般式(I)の少なくとも1つのペプチドを生理学的に許容可能な媒体中に含む化粧品または医薬組成物に関し、DNAに生じる損傷を予防および/または修復するための、老化および光老化の皮膚の兆候を予防および/または治療するための、ならびに皮膚保護機能を向上させるための前記組成物の使用に関する。本発明はさらに、老化および光老化の皮膚の兆候を予防および/または治療するための、ならびにUV放射により生じる損傷を予防および/または修復するための美容的治療方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧品および医薬品の分野に関連する。本発明は、カスパーゼ-14活性化因子としての、以下の一般式(I):
R1-(AA)n-X1-X2-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-X3-(AA)p-R2
のペプチド化合物に関し、DNAに生じる損傷を予防および/または修正するための、皮膚の老化および光老化の兆候を予防および/または治療するための、ならびに皮膚保護機能を向上させるための化粧品および医薬品におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの身体において最も大きな器官である、皮膚の主な機能は、外部からの侵襲を含む多くの形態の侵襲からヒトの身体を保護することである。それらの例には、汚染、UV放射などの侵襲またはまた、界面活性剤、防腐剤もしくは香水などの刺激性化学物質、摩耗、シェービングもしくは脱毛などの機械的侵襲が含まれる。汚染とは、例えば、ディーゼル粒子、オゾン、または重金属に起因する「外部」汚染、および特に、塗料、接着剤もしくは壁紙により放出される溶媒(トルエン、スチレン、キシレン、またはベンズアルデヒドなど)、またはまた、タバコの煙に起因しうる「内部」汚染の両方を意味する。大気の乾燥もまた、皮膚侵襲の主要な原因である。このような外部からの侵襲は皮膚保護機能の変化の原因となり、その結果、皮膚の不快感、緊張もしくはそう痒などの不快な感覚現象、またはさらには過度な脆弱性および発赤が生じる。さらに、これらの外部からの侵襲は、いわゆる皮膚の「外因性」老化を促進することの一因となる。実際に、外因性老化は、身体がその全生涯を通じてさらされる環境要因により引き起こされ、その要因はまとめて外部からの侵襲と称される。
【0003】
物理障壁としてのその役割に加えて、皮膚は、脱水を予防するために水を通さない障壁として作用する。皮膚により形成されるこの障壁は、皮膚の連続再生を確実にする種々の型の細胞からなるいくつかの層から構成される。この再生プロセスは、とりわけ、皮膚の表面細胞が落屑する現象に関与し、その現象は、角質層の細胞、または角質細胞に能動的に分かれ、分化する、基底層におけるケラチノサイトにより確実にされる表皮の再生により補償されなければならない。UV放射により誘発される損傷などの損傷の場合におけるこれらの再生、およびまた、皮膚の修復作用は一連のシグナル伝達経路により高度に制御される。これらのシグナル伝達経路のうちの1つは、プロテアーゼである、カスパーゼ-14に関与する。カスパーゼ-14はカスパーゼファミリーの特異なメンバーである。実際に、遍在的に発現されるカスパーゼファミリーの他のメンバーとは異なって、カスパーゼ-14は、表皮においてのみ発現され活性があり、大部分の他の成体組織において存在しない(Eckhartら、J. Invest. Dermatol.、2003、44:1148〜1151)。表皮により構成される障壁の形成におけるカスパーゼ-14の重要な役割が最近実証されている(Deneckerら、Nat. Cell. Biol. 2007、9:666〜674)。実際に、カスパーゼ-14は、分化および「角質化」が起こる表皮のこれらの層内、ならびに毛包においてのみ発現され、そのタンパク質分解作用を発揮する(Lippensら、Cell Death Differ.、2000、10:257〜259)。しかしながら、カスパーゼ-14は、特にUV放射に起因するものなどの外部からの侵襲の場合において、特に水和、角質細胞形成、およびアポトーシス保護のプロセスの維持において重要な役割を果たすことが示されている(Deneckerら、J. Cell Biology、2008、451〜458)。さらに、カスパーゼ-14は、プロフィラグリンのフィラグリンへの開裂に関与することが示されており、そのフィラグリンは次いで、天然保湿成分を形成するペプチドおよびアミノ酸に加水分解される(Hosteら、J. Invest. Dermatol. Abstract、2007、S71)。これらの結論の全てによりとりわけ、日焼け止め剤として使用されうる、カスパーゼ-14を活性成分として含む医薬組成物の開発が導かれた(国際公開第2008025830号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008025830号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Eckhartら、J. Invest. Dermatol.、2003、44:1148〜1151
【非特許文献2】Deneckerら、Nat. Cell. Biol. 2007、9:666〜674
【非特許文献3】Lippensら、Cell Death Differ.、2000、10:257〜259
【非特許文献4】Deneckerら、J. Cell Biology、2008、451〜458
【非特許文献5】Hosteら、J. Invest. Dermatol. Abstract、2007、S71
【非特許文献6】Kullmanら、J. Biol. Chem. 1980、225、8234
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、UV放射から皮膚を保護し、障壁機能を向上させるために、カスパーゼ-14を活性化でき、したがってプロフィラグリンのフィラグリンへの変換を活性化できる現在利用可能な化粧品化合物は存在しないが、この種の革新的なケアの必要性は明らかに存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願人は、以下の一般式(I):
R1-(AA)n-X1-X2-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-X3-(AA)p-R2
のペプチド化合物が、優れたカスパーゼ-14活性化剤であり、皮膚保護機能の向上に対して、ならびにUV放射などの外部からの侵襲からの皮膚の保護に対して、特にDNA保護機能により顕著な作用を有することを今や実証した。
【0008】
本発明によるペプチド化合物は、
カスパーゼ-14を活性化し、この結果として、プロフィラグリンに対するそのタンパク質分解作用を活性化すること、
表皮の水和を保存するのに役立つこと、
UVB放射にさらされた皮膚細胞のDNAに生じる損傷を予防および修復すること、ならびに
表皮の障壁機能を最適化すること、
を特徴とする。
【0009】
したがって、本発明の第1の目的は、以下の一般式(I):
R1-(AA)n-X1-X2-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-X3-(AA)p-R2
のペプチド化合物を提供することである。
【0010】
本発明の第2の目的は、主要な活性成分として式(I)の前記ペプチド化合物を含む化粧品組成物を提供することである。
【0011】
さらに、本発明の第3の目的は、(i)DNAに生じる損傷を保護および/修復し、カスパーゼ-14を活性化するとともにフィラグリンを形成するため、(ii)皮膚の老化および光老化の兆候を予防および/または治療するため、ならびに(iii)皮膚保護機能および表皮水和を向上させるための、式(I)の前記ペプチド化合物を含む化粧品組成物の使用に関する。
【0012】
最後に、本発明の第4の目的は、式(I)の前記ペプチド化合物を含む組成物を使用して、治療されるべき皮膚またはケラチン付属物の美容的治療方法を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】siRNA/カスパーゼ-14遺伝子によりトランスフェクトした正常なヒトケラチノサイト(NHK)を用いて実施した免疫ブロッティングの結果を示すヒストグラムである。
【図2a】UV放射にさらされた正常なヒトケラチノサイト(NHK)に対して実施した2コメット(comet)試験の結果を示すヒストグラムである。
【図2b】UV放射にさらされた正常なヒトケラチノサイト(NHK)に対して実施した2コメット試験の結果を示すヒストグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の目的は、一般式(I):
R1-(AA)n-X1-X2-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-X3-(AA)p-R2 (I)
(式中、
X1は、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはアミノ酸なしであり、
X2は、アスパラギン、プロリン、セリン、またはアミノ酸なしであり、
X3は、アスパラギン、アルギニン、ロイシン、またはアミノ酸なしであり、
AAは、任意のアミノ酸であり、nおよびpは0から2の間の整数であり、
R1は、遊離N末端アミノ酸の第1級アミン官能基であり、R2は、C1〜C30アルキル鎖、またはNH2、NHYもしくはNYY基(ここで、YはC1〜C4アルキル鎖である)から選択されうる基で置換されている、C末端アミノ酸のカルボキシル官能基のヒドロキシル基であり、
一般式(I)の前記配列は6から13の間のアミノ酸残基を含む)
のペプチド化合物に関する。
【0015】
「ペプチド化合物」または「ペプチド」という用語は、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合により一緒に結合されている2つ以上のアミノ酸の鎖を示す。
【0016】
「ペプチド化合物」または「ペプチド」とは、タンパク質分解により得られるか、または合成的に得られるかに関わらず、上記の本発明による天然に存在するもしくは合成ペプチド、またはその断片の少なくとも1つ、あるいはまた、その配列が全体的もしくは部分的に上述のペプチド配列からなる任意の天然ペプチドもしくは合成ペプチドを意味する。
【0017】
本発明によるペプチド化合物を構成するアミノ酸は、左旋性立体構造、すなわちL-であってもよくおよび/または右旋性立体構造、すなわちD-であってもよい。したがって、本発明によるペプチドはL-、D-またはDL-形態であってもよい。
【0018】
分解に対する耐性を向上させるために、本発明によるペプチドの保護形態を使用することが必要でありうる。保護の形態は生物学的に適合可能な形態でなければならず、化粧品および薬学の分野における使用と適合性であるべきであることは明らかである。好ましくは、N末端アミノ酸の第1級アミノ官能基を保護するために、C1〜C30飽和または不飽和アルキル鎖を有するアシル型のR1基での置換が使用され、それらの基はアセチル基または芳香族基から選択されうる。好ましくは、C末端アミノ酸のカルボキシル官能基を保護するために、C1〜C30アルキル鎖型のR2基、またはNH2、NHYもしくはNYY基(ここで、YはC1〜C4アルキル鎖である)での置換が使用される。
【0019】
本発明によるペプチドは、N末端、C末端または両方の末端で保護されうる。
【0020】
本発明の第1の好ましい実施形態において、一般式(I)において、
X1は、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはアミノ酸なしであり、
X2は、アスパラギン、プロリン、セリン、またはアミノ酸なしであり、
X3は、アスパラギン、アルギニン、ロイシン、またはアミノ酸なしであり、
整数nおよびpは0に等しく、
R1は、遊離N末端アミノ酸の第1級アミノ官能基であり、R2は、C1〜C30アルキル鎖、またはNH2、NHYもしくはNYY基(ここで、YはC1〜C4アルキル鎖である)から選択されうる基で置換されている、C末端アミノ酸のカルボキシル官能基のヒドロキシル基であり、
一般式(I)の前記配列は6から9の間のアミノ酸残基を含む。
【0021】
第2の好ましい実施形態において、ペプチド化合物は以下の式:
(配列番号1)Asp-Pro-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-NH2
(配列番号2)Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-NH2
(配列番号3)Asn-Arg-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-NH2
(配列番号4)Pro-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-Phe-NH2
のうちの1つに対応する。
【0022】
本発明はまた、これらの配列の相同形態に関する。本発明による、「相同」とは、配列番号1〜配列番号4の配列から選択される、前記ペプチド配列の少なくとも50%、または好ましくは少なくとも80%、およびさらにより好ましくは少なくとも90%と同一である任意のペプチド配列を意味する。「少なくともX%と同一であるペプチド配列」とは、2つの配列の最適アラインメント後に得られる、比較される2つの配列のアミノ酸残基間の類似率(%)を意味する。最適アラインメントは、NCBI Webサイトから利用可能なBLAST Pコンピューターソフトウェアにおいて使用されているものなどの局所的ホモロジーアルゴリズムを使用して得られる。
【0023】
「相同」という用語はまた、化学的に等価のアミノ酸の置換により、すなわち、ある残基を同じ特徴を有する別の残基と置換することにより、配列番号1〜配列番号5の配列のペプチドの配列と異なる、ペプチドを指す場合もある。したがって、従来の置換は、Alaと、Valと、Leuと、Ileとの間;SerとThrの間;酸残基AspとGluとの間;AsnとGlnとの間;および塩基残基LysとArgとの間;または芳香族残基PheとTyrとの間で実施される。
【0024】
本発明による一般式(I)のペプチドは、構成アミノ酸またはその誘導体から、従来の化学合成(固相または液体均質相における)によるか、または酵素合成(Kullmanら、J. Biol. Chem. 1980、225、8234)によるかのいずれかで得られうる。
【0025】
本発明によるペプチドは、天然に存在してもよく、または合成であってもよい。好ましくは、本発明によれば、ペプチドは化学合成により得られる。
【0026】
最後に、活性成分は、単一ペプチド、ペプチドの混合物、もしくはペプチド誘導体であってもよく、および/またはアミノ酸の誘導体からなってもよい。
【0027】
本発明によるペプチド化合物は薬物として使用されうる。
【0028】
本発明の1つの有利な実施形態によれば、本発明によるペプチド化合物は、水、グリセロール、エタノール、プロパンジオール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシ化またはプロポキシ化ジグリコール、環状ポリオール、またはそれらの溶媒の任意の混合物などの、当業者により従来から使用される1種または複数の生理学的に好適な溶媒中で可溶化される。
【0029】
本発明のさらに別の有利な実施形態によれば、本発明によるペプチド化合物は、リポソームなどの化粧品もしくは医薬媒介物中で可溶化される、または粉末有機ポリマー、タルクおよびベントナイトなどの無機担体上で吸着され、より一般的には任意の生理学的に好適な媒介物中で溶解される、またはそれらに固定される。
【0030】
本発明の第2の目的は、活性成分として一般式(I)の前記ペプチド化合物を含む化粧品組成物に関する。好ましくは、本発明による組成物は、化粧品として許容可能な媒体を含む、局所適用に好適な形態である。「化粧品として許容可能な」とは、毒性、不適合性、不安定性、アレルギー応答などのいかなる危険性をも有さずに、皮膚またはヒト角質付属物と接触させて使用するのに好適である媒体を意味する。皮膚に適用されることを意図する組成物は、クリーム、水中油型もしくは油中水型エマルションまたは多重エマルション、溶液、懸濁液、マイクロエマルション、水性または無水ゲル、セラム、あるいはまた、ベシクル分散液、パッチ、スプレー、軟膏、ポマード、エマルション、コロイド、ミルク、ローション、スティックの形態、または粉末の形態であってもよく、それらの全ては皮膚、唇および/または角質付属物への適用に好適である。
【0031】
好ましくは、前記ペプチド化合物は、組成物中に約0.0005から500ppmの間の濃度、好ましくは0.01から5ppmの間の濃度で存在する。
【0032】
さらにより好ましくは、本発明による組成物は、前記ペプチド化合物の作用を促進する少なくとも1種の他の活性成分をさらに含有する。例には、非限定的に、以下の成分のクラス:他の活性ペプチド剤、植物抽出物、治療剤、老化防止剤、抗しわ作用剤、無痛化剤、フリーラジカル捕捉剤、および抗UV剤、皮膚高分子の合成またはエネルギー代謝を刺激する作用剤、水和剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、麻酔、皮膚分化、色素沈着または色素脱失を調節する作用剤、爪または髪の成長を刺激する作用剤などが含まれる。好ましくは、フリーラジカル捕捉剤もしくは抗酸化剤などの抗しわ活性を有する作用剤、または皮膚高分子の合成を刺激する作用剤、またはエネルギー代謝を刺激する作用剤も使用されよう。特に、活性成分は、ビタミン、植物ステロール、フラボノイド、DHEAおよび/もしくはその前駆体またはその化学もしくは生物学的誘導体、メタロプロテイナーゼ阻害剤またはレチノイドから選択される。さらに、溶媒、希釈剤、染料、日焼け止め剤、セルフタンニング剤、色素、充填剤、防腐剤、臭気吸収剤、増粘剤、乳化剤、保湿剤、皮膚軟化剤、香水、酸化防止剤、皮膜形成剤、キレート剤、金属イオン封鎖剤、コンディショナーなどの添加剤が組成物に添加されてもよい。
【0033】
全ての場合において、当業者は、これらのアジュバントおよびそれらの割合が、本発明による組成物に求められる有利な特性を損なわないように選択されることを確実にするであろう。例えば、これらのアジュバントは、組成物の全重量の0.01から20%の間の量で存在しうる。本発明による組成物がエマルションである場合、脂肪相は、組成物の全重量の5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%に相当してもよい。組成物に使用される乳化剤および共乳化剤(co-emulsifier)は、当該分野において従来的に使用されているものから選択される。それらは、例えば、組成物の全重量に対して、0.3から30重量%の間の範囲の量で使用されうる。
【0034】
本発明の第3の目的は、DNAに生じる損傷を予防および/または修復し、カスパーゼ-14を活性化するとともにフィラグリンを形成するための、本発明によるペプチド化合物を含む組成物の使用に関する。「DNAに生じる損傷を予防および/または修復する」ことを意図するペプチド化合物とは、シクロブタンピリミジン二量体の形成などの、DNA塩基間の光化学反応に起因する損傷を修復できる生物活性ペプチド化合物または誘導体を意味する。「カスパーゼ-14を活性化できる」ペプチド化合物とは、(遺伝子発現の直接または間接的調節を介して)カスパーゼ-14のタンパク質合成を増加させることによるか、またはメッセンジャーRNA転写物の安定化もしくは非安定化などの他の生物学的プロセスを介してかのいずれかで、カスパーゼ-14の量を増加できる任意の生物活性ペプチドまたは誘導体を意味する。「フィラグリンの形成」を増加できるペプチド化合物とは、カスパーゼ-14のタンパク質分解活性の増加を介して、またはカスパーゼ-14の量の増加を介して、フィラグリンに変換されるプロフィラグリンの量を増加できる任意の生物活性ペプチドまたは誘導体を意味する。
【0035】
特に、本発明による組成物は、外部からの侵襲によりDNAに生じる損傷を予防および/または修復するために使用されよう。「外部からの侵襲」とは、環境により引き起こされうる侵襲を意味する。例には、汚染、UV放射、またはまた、界面活性剤、防腐剤もしくは香水などの刺激性化学物質、摩耗、シェービングもしくは脱毛などの機械的侵襲が含まれる。しかしながら、好ましくは、外部からの侵襲は、UV放射、特にUVB放射から主になる。
【0036】
本発明の別の目的は、皮膚の老化および光老化の兆候を予防および/または治療するための、前記ペプチド化合物および化粧品として許容可能な媒体を含む化粧品組成物の使用に関する。「皮膚の老化の兆候」には、限定されないが、皮膚の老化により引き起こされる全ての顕著な症状が含まれる。特に、これは、しわ、深いおよび粗いしわ、小じわ、亀裂、皮膚および皮下組織のたるみ、皮膚の弾力の喪失、ならびに不活発、硬度および色調の喪失、ならびに皮膚の委縮を示す。さらに、「皮膚の老化の兆候」とはまた、拡大した毛穴、染み、変色、そばかす、角化症、コラーゲン喪失、ならびに真皮および表皮の他の変化だけでなく、老化に起因する皮膚およびケラチン付属物の外観のあらゆる変化、例えば、角質層の表面粗さ、さらに変化した外観に体系的に現れない皮膚のあらゆる内部変化、例えば真皮の菲薄化を意味する。「光老化」とは、太陽に対する長期および累積的曝露により引き起こされる皮膚の早期老化を意味する。
【0037】
好ましくは、本発明は、皮膚の保護機能および表皮の水和を向上させるための、上記のような組成物の使用に関する。
【0038】
最後に、本発明の最後の目的は、本発明によるペプチド化合物の有効量を含む組成物が、皮膚の老化および光老化の兆候を予防および/または治療するために、ならびにUV放射により生じる損傷を予防および/または修復するために、治療されるべき皮膚またはケラチン付属物に局所的に適用されることを特徴とする美容的治療法に関する。特定の実施形態において、組成物は、太陽に対する皮膚の曝露前に適用されるので、DNAレベルで生じる損傷を予防するための優れた前治療である。
【0039】
本発明の第2の実施形態において、組成物は、DNAレベルで皮膚に生じるあらゆる損傷を修復するために、アフターサンケアとして皮膚に適用される。
【0040】
本発明の最後の好ましい実施形態において、組成物は、老化防止デイケアとして午前中、または夜間の修復ケアとして就寝時のいずれかにおいて適用される。デイケアとして適用される場合、組成物は、DNAレベルにおける損傷の出現を制限することによって、UVB放射などの環境侵襲に対して皮膚を保護することになろう。夜間のケアとして、組成物は、皮膚に日中生じた損傷を修復することによって作用することになろう。
【0041】
以下の実施例は、本発明に従って記載されているものなどのペプチド化合物の有効性を記載し、実証しているが、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例1】
【0042】
ペプチド配列番号2の存在下での正常なヒトケラチノサイトにおけるカスパーゼ-14の発現の研究
この研究の目的は、本発明によるペプチドにより処理されているか、または処理されていないかに関わらず、正常なヒトケラチノサイトにおけるカスパーゼ-14の発現を決定することである。
【0043】
プロトコル:
培養した正常なヒトケラチノサイト、NHKを、1%または3%のペプチド配列番号2で24時間処理した。次いで細胞を洗浄し、BSA(1/100倍に希釈した)の存在下で0.1%のトリトンを使用して3.7%のパラホルムアルデヒドで固定した。細胞を、カスパーゼ-14に特異的なマウスモノクローナル抗体(BD Biosciences)、次いで蛍光マーカーに結合した二次抗体の存在下でインキュベートした。次いで細胞を、落射蛍光顕微鏡(Nikon Eclipse E600顕微鏡)により調べた。
【0044】
結果:
対照条件と比較してペプチドで処理したNHK細胞において光強度の増加を観察した。この蛍光の増加は、ペプチド溶液を3%で添加した場合、ペプチド溶液を1%で添加した場合より高くなるので、用量依存的である。したがって、ペプチド配列番号2は、NHKにおいてカスパーゼ-14の発現を活性化させる。
【実施例2】
【0045】
ペプチド配列番号2で処理したNHKにおけるsiRNAによるカスパーゼ-14発現の研究
NHKの集団におけるカスパーゼ-14過剰発現に対する本発明によるペプチドの有効性を定量するために、カスパーゼ-14をコードする遺伝子を、siRNA技術を使用して「消滅させた」。
【0046】
プロトコル:
NHK細胞を60%のコンフルエンスまで6ウェルプレート中で培養し、次いで1%のペプチド配列番号2 20μLで処理した。次いで、カスパーゼ-14のsiRNAおよびトランスフェクション剤を含有する100μLの以前に調製した混合物を、ウェル1つずつに注意深く滴下して添加した。細胞培養プレートを、37℃および5%CO2で72時間インキュベートした。培地は2日ごとに新しくした。4つの条件を実施した:
条件1:siRNAもペプチド活性成分も含有しない対照
条件2:ペプチド活性成分を含有しないsiRNAでトランスフェクトした細胞
条件3:トランスフェクトしていないがペプチド活性成分で処理した細胞
条件4:siRNAでトランスフェクトし、ペプチド活性成分で処理した細胞
【0047】
カスパーゼ-14発現の定量化は、抗カスパーゼ-14抗体を用いて従来のプロトコルに従って実施する従来の免疫ブロッティング法(Western Blot)を使用して観察される。siRNAでトランスフェクトしたNHKにおけるペプチドによりもたらされる補償を解析するために、遺伝子がsiRNAにより消滅されていない、処理していないNHKとの比較を実施した。
【0048】
結果:
条件1と3との間で、ペプチドの添加により、対照と比較してカスパーゼ-14タンパク質発現の20.9%の増加を引き起こすことが見出された。条件1と2との間で、カスパーゼ-14タンパク質発現に対するsiRNAの効果が明確に見られる:発現量は30.6%低下する。しかしながら、siRNAでトランスフェクトした細胞へのペプチド配列番号2の添加はカスパーゼ-14を回復させるのに役立ち、この結果siRNAの存在に起因する減少は対照条件と比較して14%のみである。
【0049】
結論として、本発明によるペプチド配列番号2は、NHKにおいてカスパーゼ-14の発現を増加させる。
【実施例3】
【0050】
ペプチド配列番号1の存在下でのヒトの皮膚生検におけるプロ/フィラグリンの発現の研究
この研究の目的は、ヒトの皮膚生検におけるフィラグリンおよびプロフィラグリン(以下、プロ/フィラグリン)の量に対する本発明によるペプチドの影響を決定することであった。
【0051】
プロトコル:
ヒトの皮膚の試料を空気/液体界面で培養した。第1の条件下で、1%のペプチド配列番号1を用いて24時間および72時間、試料を処理した。第2の条件下で、同じペプチドを用いるが、3%の濃度で24時間および72時間、試料を処理した。
【0052】
その後、これらの皮膚の試料をホルムアルデヒドで固定し、次いでパラフィン内に封入した。次いで2〜3μmのサイズの切片を作製した。ペプシン中でのインキュベーションにより特異的部位を脱マスキングした後、免疫染色を実施した。次いで、フィラグリン特異的マウスモノクローナル抗体(Tebu Santa Cruz)、続いて、蛍光マーカーと結合した二次抗体により免疫染色を実施した。次いで皮膚切片を、落射蛍光顕微鏡(Nikon Eclipse E600顕微鏡)を使用して調べた。
【0053】
結果:
プロ/フィラグリン染色の増加が、本発明によるペプチドで処理した生検上で観察される。この増加は、染色用量依存的だけでなく、(24時間の条件と72時間の条件との間で)時間とともに増加することも示された。このように、ペプチド配列番号1が、プロフィラグリンのフィラグリンへの開裂の増加を、カスパーゼ-14発現および/または活性の増加を介して可能にしたと結論付けることができる。
【実施例4】
【0054】
NHK細胞に対するコメット試験
コメット試験は、DNAに生じる損傷を細胞レベルで定量できる試験である。
【0055】
プロトコル:
この目的のために、NHK細胞を:
条件a下:1%および3%の濃度での配列番号3の配列のペプチド化合物と24時間培養し、次いで細胞に対するペプチド活性成分の保護効果を観察するために、20mJ/cm2でのUVB放射線で照射した;
条件b下:第1の工程において、20mJ/cm2でのUVB放射線で照射し、次いで細胞に対する活性成分の修復効果を観察するために、1%および3%の濃度での前記ペプチド化合物を用いて24時間処理した。
【0056】
各場合においてペプチド活性成分が存在しない対照条件を得た。
【0057】
次いで細胞をトリプシン処理によりそれらの担体から除去し、次いで濃縮およびカウントする前に900rpmにて5分間遠心分離した。
【0058】
次いで特定の細胞数(25,000細胞)を0.75%の低融点アガロースゲル中に封入し、次いで1%アガロースで事前にコーティングしたスライドガラス上に置いた。次いでスライドを、溶菌液中に1.5時間4℃で、次いでアルカリ性溶液中に20分間4℃で浸した。次いで細胞を溶解し、DNAを変性させた。スライドを、電界(20V-250mA)を印加する前に電気泳動溶液中に浸した。このように変性させたDNAを4℃でのアガロースゲル内での泳動に供した。DNA蛍光染料(2μg/mlのヨウ化プロピジウム)をスライド上に適用することにより、DNAが損傷している場合においてコメットの形態であるDNAを観察できた。
【0059】
定量化ソフトウェアを使用して、試験する各条件に適用される平均テイルモーメント(Tail Moment)を決定した。このパラメーターはDNA損傷のレベルについての情報を提供する:このパラメーターが高いほど、DNA損傷が大きくなる。
【0060】
結果:
その結果を図2aおよび2bに示す。条件a下で、テイルモーメントは、ペプチドを前処理(1%または3%の濃度で)として適用する場合57%減少する。すなわち、細胞は、UVB放射ありでの対照条件下より少ない損傷を受けている。これらの結果により、配列番号3のペプチド化合物のNHK細胞に対する保護効果が明確に確認される。さらに、前処理(条件b)をせずに照射した後にペプチドが適用される場合、テイルモーメントは、ペプチドが1%の濃度で適用される場合31%減少する。テイルモーメントは、ペプチドが3%の濃度で適用される場合58%減少する。条件b下でのこの試験により、ペプチド配列番号3の治療上の役割がUV照射下のDNAにおいて実証できた。
【実施例5】
【0061】
UVB放射にさらされたヒトの皮膚生検に対するペプチド配列番号2の治療効果の実証
この実験の目的は、ヒトの皮膚生検のUVB放射への曝露後の本発明によるペプチド化合物の修復能を測定することである。UV放射、特にUVB放射は、2つの隣接するピリミジン(チミジン、シトシン)を含む部位で起こる二量化反応を誘発する。次いで数種類の光生成物が形成され、これらの中にはシクロブタン-ピリミジン二量体すなわちCPDがある。しかしながら、細胞を遺伝毒性ストレスに供した場合、その分裂周期は一時的に停止して、DNA修復が可能となり、後の細胞世代内での変異の発生が回避されることは知られている。細胞増殖はその後にのみ再開する。損傷の率もしくは量が高すぎる場合、または修復が非効率である場合、細胞は、プログラム細胞死であるアポトーシスのプロセスを引き起こす。したがって、抗CPD抗体によって形成される光生成物の量の免疫染色測定により、DNA修復作用を有する化合物の有効性の評価が可能となる。
【0062】
UVB放射にさらされた皮膚生検でのCPD免疫染色プロトコル:
ヒトの皮膚生検を空気/液体界面で培養した。これらの生検を200mJ/cm2でのUVB放射にさらした。照射後、第1の条件下で、ペプチド配列番号2の1%の溶液を、生検に24時間局所的に適用した。第2の条件下で、ペプチド配列番号2の3%の溶液を、24時間、局所的に適用した。照射後のPBS溶液の局所適用により対照条件を得る。
【0063】
シクロブタン-ピリミジン二量体を染色するために、皮膚生検をパラフィン内に封入し、組織学的な3μm厚さの切片を作製した。スライドを脱パラフィンし、水和し、シクロブタン-ピリミジン二量体に対する抗体(MBL D194-1、マウスモノクローナル)、続いて、蛍光マーカーに結合した好適な二次抗体(Invitrogen A21202)を用いる免疫染色に供した。次いで皮膚切片を、落射蛍光顕微鏡(Nikon Eclipse E80i顕微鏡)で調べた。
【0064】
結果:
対照条件下で、観察した蛍光は、生検をUVB放射にさらした場合、より強力であった。ペプチド配列番号2を使用する処理後で試験した両方の条件下で、UVB放射ありでの対照条件下より非常に弱い蛍光を観察した。
【0065】
結論:
ペプチド配列番号2は、特にカスパーゼ-14活性化の結果としてDNAに生じる損傷のより良好かつより顕著な修復をもたらした。また、適用される活性成分の量が増加すると、この修復作用が顕著になるので、これは用量依存的であることも観察した。
【実施例6】
【0066】
日焼け止め剤の組成
【0067】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I):
R1-(AA)n-X1-X2-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-X3-(AA)p-R2
(式中、
X1は、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはアミノ酸なしであり、
X2は、アスパラギン、プロリン、セリン、またはアミノ酸なしであり、
X3は、アスパラギン、アルギニン、ロイシン、またはアミノ酸なしであり、
AAは、任意のアミノ酸であり、nおよびpは0から2の間の整数であり、
R1は、遊離N末端アミノ酸の第1級アミン官能基であり、
R2は、C1〜C30アルキル鎖、またはNH2、NHYもしくはNYY基(ここで、YはC1〜C4アルキル鎖である)から選択されうる基で置換されている、C末端アミノ酸のカルボキシル官能基のヒドロキシル基であり、
一般式(I)の前記配列は6から13の間のアミノ酸残基を含む)
のペプチド化合物。
【請求項2】
以下の式:
(配列番号1)Asp-Pro-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-NH2
(配列番号2)Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-NH2
(配列番号3)Asn-Arg-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-NH2
(配列番号4)Pro-Ile-Gln-Ala-Cys-Arg-Gly-Phe-NH2
のうちの1つに対応することを特徴とする、請求項1に記載のペプチド化合物。
【請求項3】
水、グリセロール、エタノール、プロパンジオール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシ化もしくはプロポキシ化ジグリコール、環状ポリオール、またはこのような溶媒の任意の混合物などの1種または複数の生理学的に好適な溶媒中に可溶化していることを特徴とする、請求項1または2に記載のペプチド化合物。
【請求項4】
薬物として使用されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のペプチド化合物。
【請求項5】
活性成分として請求項1から3のいずれか一項に記載のペプチド化合物を含む、化粧品組成物。
【請求項6】
化粧品として許容可能な媒体を含む、局所適用に好適な形態であることを特徴とする、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記ペプチド化合物が、組成物中に約0.0005から500ppmの間の濃度、好ましくは0.01から5ppmの間の濃度で存在することを特徴とする、請求項5または6に記載の組成物。
【請求項8】
前記ペプチド化合物の作用を促進する少なくとも1種の他の活性成分をさらに含有することを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記活性成分が、フリーラジカル捕捉剤もしくは抗酸化剤などの抗しわ活性を有する作用剤、または皮膚高分子の合成を刺激する作用剤、またはさらにエネルギー代謝を刺激する作用剤であることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
DNAに生じる損傷を予防および/または修復し、カスパーゼ-14およびフィラグリン形成を活性化するための、請求項1から3のいずれか一項に記載のペプチド化合物と、化粧品として許容可能な媒体とを含む化粧品組成物の使用。
【請求項11】
前記損傷が、UV放射により誘発されることを特徴とする、請求項10に記載の組成物の使用。
【請求項12】
皮膚の老化および光老化の兆候を予防および/または治療するための、請求項10に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項13】
皮膚の老化の兆候とは、しわ、深いおよび粗いしわ、小じわ、亀裂、皮膚および皮下組織のたるみ、皮膚の弾力の喪失、ならびに不活発、硬度および色調の喪失、ならびに皮膚の委縮を意味することを特徴とする、請求項12に記載の組成物の使用。
【請求項14】
皮膚保護機能および表皮水和を向上させるための、請求項10に記載の使用。
【請求項15】
請求項1から3のいずれか一項に記載のペプチド化合物の有効量を含む組成物が、皮膚の老化および光老化の兆候を予防および/または治療するために、ならびにUV放射により生じる損傷を予防および/または修復するために、皮膚に局所的に適用されることを特徴とする、美容的治療方法。
【請求項16】
前記組成物が、DNAレベルでの損傷を予防するために、太陽に曝露される前にビフォーサンケアとして適用されることを特徴する、請求項15に記載の美容的治療方法。
【請求項17】
前記組成物が、DNAレベルで生じる損傷を修復するために、太陽に曝露された後にアフターサンケアとして適用されることを特徴とする、請求項15に記載の美容的治療方法。
【請求項18】
前記組成物が、老化防止デイケアとして午前中、または夜間の修復ケアとして就寝時のいずれかにおいて適用されることを特徴とする、請求項15に記載の美容的治療方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【公表番号】特表2013−518866(P2013−518866A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551658(P2012−551658)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【国際出願番号】PCT/FR2011/000060
【国際公開番号】WO2011/095705
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(511239100)アイエスピー・インヴェストメンツ・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】