説明

新規化合物及び当該化合物を有効成分とする骨疾患の予防又は治療剤

【課題】グリフォラ・ガルガル子実体中の破骨細胞形成抑制効果を示す化合物の特定。
【解決手段】式(2)で表されるエルゴステロール系化合物を有効成分とする骨疾患の予防又は治療剤の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨粗鬆症等の骨疾患の予防や治療に有用な新規化合物と、当該化合物を有効成分とする骨疾患の予防又は治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
骨は、骨形成と骨吸収とを繰り返している。このような骨のライフ・サイクルは、概略次のとおりである。
【0003】
即ち、軟骨細胞、骨芽細胞及び破骨細胞が、機能的な分業を行い、各細胞が骨の代謝を制御している。骨の代謝は、(1)軟骨内骨化による骨新生と成長、(2)骨形成と骨吸収のサイクルからなるリモデリングによる質的、量的な維持、及び(3)骨折等の損傷における骨再生の三過程に分類される。そして、骨の代謝は、種々のカルシウム代謝ホルモンやサイトカイン、各種細胞内伝達機構や転写因子等を介して、各細胞系の機能や細胞間の相互作用を調節することによって制御されている。
【0004】
例えば、休止期にある骨の表面が刺激を受けると、破骨細胞に情報が伝達されて骨の吸収が始まる。骨が吸収されているとき、他方では、骨芽細胞による骨の修復、形成が行なわれている。このように、正常な状態にある生体においては、骨の吸収と骨の形成とが並行して行なわれて、骨は新しく生まれ変わっている。
【0005】
ところで、近年においては、高齢者の骨粗鬆症が注目を浴びている。骨粗鬆症は、骨のリモデリングにおいて、骨の吸収が骨の形成を上回ることによって招来されるものである。従って、骨粗鬆症の予防、治療には、骨吸収を抑制するか、骨形成を促進することが必要である。
【0006】
このような状況下、種々の骨粗鬆症治療剤や、骨粗鬆症治療効果が期待される漢方薬や食品に由来する成分が提案されている。前者としては、活性型ビタミンDや特許文献1に記載されたリベロマイシンA誘導体等が挙げられる。また、後者としては、特許文献2に記載された冬虫夏草、特許文献3に記載されたエリンギや五加皮の水抽出物、特許文献4に記載された熟地黄や骨砕補の水抽出物、特許文献5に記載されたマコモタケ抽出物等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−35895号公報
【特許文献2】特開2004−315454号公報
【特許文献3】特開2005−330289号公報
【特許文献4】特開2005−330290号公報
【特許文献5】特開2006−193452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献の発明者等と同様に、本発明者等も、骨粗鬆症の予防・治療効果があり、副作用の問題の少ない化合物を希求して、研究を重ねてきた。そして、学名がグリフォラ・ガルガル(Grifola gargal;和名:アンニンコウ)である茸の子実体からの抽出物が、破骨細胞形成抑制効果を示すことを見出した。しかし、骨粗鬆症等の骨疾患の予防又は治療剤としてヒトに摂取させるには、グリフォラ・ガルガルの子実体中に存在する破骨細胞形成抑制効果を示す化合物そのものの方が都合がよい。従って、本発明の目的は、グリフォラ・ガルガルの子実体中に存在する破骨細胞形成抑制効果を示す化合物を特定し、当該化合物を骨疾患の予防又は治療剤として提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、グリフォラ・ガルガルの子実体中に存在する破骨細胞形成抑制効果を示す化合物を特定するために鋭意研究を重ね、本発明を完成させた。
【0010】
即ち、本発明は、次の式(1)乃至(4)で表される化合物等に関する:
【化1】

【0011】
【化2】

【0012】
【化3】

【0013】
及び
【化4】

【0014】
より具体的には、本発明は、前記式(1)乃至(4)のいずれかで表わされる化合物又はその薬理学的に許容される塩、あるいは加水分解によって前記式(1)乃至(4)のいずれかで表わされる化合物を提供する化合物に関する。
【0015】
本発明は、前記式(1)で表される化合物、前記式(1)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、加水分解によって前記式(1)で表わされる化合物を提供する化合物、前記式(2)で表される化合物、前記式(2)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、及び加水分解によって前記式(2)で表わされる化合物を提供する化合物、前記式(3)で表される化合物、前記式(3)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、加水分解によって前記式(3)で表わされる化合物を提供する化合物、前記式(4)で表される化合物、前記式(4)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、及び加水分解によって前記式(4)で表わされる化合物を提供する化合物からなる群から選択される一種以上を薬理学的に有効な量で含有することを特徴とする、骨疾患の予防又は治療剤に関する。
【0016】
前記骨疾患としては、骨粗鬆症が挙げられる。また、前記有効成分は、破骨細胞形成阻害剤として使用されることが好ましい。前記骨疾患の予防又は治療剤において有効成分として使用される化合物は、グリフォラ・ガルガル(和名:アンニンコウ)の子実体からの抽出物であってよい。
【0017】
なお、前記式(2)及び(4)で表される化合物及びそれらの薬理学的に許容される塩は、新規な化合物である。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、安全性が高く、骨粗鬆症等の骨疾患の予防及び治療に有効な骨疾患の予防又は治療剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】共存培養後にTRAP染色を行った、コントロールのウェルの顕微鏡写真である。
【図2】共存培養後にTRAP染色を行った、破骨細胞の形成が抑制されたウェルの顕微鏡写真である。
【図3】グリフォラ・ガルガル子実体温風乾燥物からの、破骨細胞形成抑制活性を示す成分の抽出手順を示す図である。
【図4】図3に示した手順の後に行われた、破骨細胞形成抑制活性を示す成分の抽出手順を示す図である。
【図5】化合物4のX線結晶解析結果を示す分子模型である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る前記式(1)乃至(4)で表わされる化合物は、各々エルゴステロール系化合物である。これらの中、前記式(4)で表される化合物は、その立体配置が、下記式(4−1)で表されるものであることが好ましい。
【0021】
【化5】

【0022】
前記式(1)乃至(4)で表わされる化合物は、化学構造上、異性体を有することがある。本発明において、「式(x)で表わされる化合物」とは、化合物の構造上生ずる総ての幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体等の異性体及び異性体混合物を包含する。但し、前記式(1)及び(3)で表される化合物の立体配置については、各々、それらの式に示されたとおりである。
【0023】
また、前記式(1)乃至(4)で表わされる化合物に結晶多形が存在する場合、本発明においては、結晶形は限定されず、いずれかの単一結晶形であっても、それらの混合物であってもよい。
【0024】
これらの化合物の薬理学的に許容される塩とは、例えば、前記式(1)乃至(4)において、水酸基の水素が、ナトリウム、カリウム、カルシウム等で置換されてアルカリ又はアルカリ土類金属塩となっているものやアンモニウム基で置換されてアンモニウム塩となっているもの、塩酸、硫酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、グリシン等のアミノ酸が付加した付加塩をいう。しかし、これらに限定されず、薬理学的に許容されるものであれば、いずれであってもよい。
【0025】
「加水分解によって式(x)で表わされる化合物を提供する化合物」とは、前記式(1)乃至(4)中の水酸基が、保護基で保護されている、換言すれば、当該水酸基中の水素原子が、何らかの基によって置換されており、加水分解されると水酸基となる化合物をいう。このような「保護基で保護されている水酸基」の例としては、メトキシメチルエーテル基、テトラヒドロピラニルエーテル基、ターシャリーブチルエーテル基、アリルエーテル基、安息香酸エステル基、アセテート基(アセチルオキシ基)、ホルメート基、クロトネート基、p−フェニル安息香酸エステル基、トリメチルアセチルオキシ基、ターシャリーブチルジメチルシリルオキシ基、ターシャリーブチルジフェニルシリルオキシ基、トリチルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0026】
前記式(1)乃至(4)で表わされる化合物は、ステロール類の合成方法を参考にして、有機合成をすることができる。
【0027】
また、前記式(1)乃至(4)で表わされる化合物は、グリフォラ・ガルガルやカワリハラタケの子実体から抽出によって単離することができる。ここで、グリフォラ・ガルガルは、南米原産のグリフォラ属の茸であり、近年、菌床栽培も可能となったものである。グリフォラ・ガルガルの子実体を得るための菌床栽培方法は、例えば特開2007−20560に開示されている。また、カワリハラタケは、ハラタケ属の茸である。
【0028】
前記式(1)乃至(4)で表わされる化合物のグリフォラ・ガルガルの子実体からの抽出は、例えば、次のようにして行う。子実体乾燥物をヘキサン等の有機溶媒や水に入れ、可溶性画分と不溶性画分とに分ける。その後、各画分から酢酸エチル等を用いて抽出を行う。その抽出液をカラム・クロマトグラフィーにかけ、有用成分を保持させた後、適切な条件での流出を行って化合物を分取し、精製すればよい。
【0029】
本発明に係る骨疾患の予防又は治療剤の有効成分は、式(1)で表される化合物、式(1)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、加水分解によって式(1)で表わされる化合物を提供する化合物、式(2)で表される化合物、式(2)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、加水分解によって式(2)で表わされる化合物を提供する化合物、式(3)で表される化合物、式(3)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、加水分解によって式(3)で表わされる化合物を提供する化合物、式(4)で表される化合物、式(4)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、及び加水分解によって式(4)で表わされる化合物を提供する化合物からなる群から選択される一種以上である。
【0030】
本発明に係る骨疾患の予防又は治療剤の有効成分は、少なくとも破骨細胞の形成を抑制する作用を示す。従って、本発明の骨疾患の予防又は治療剤が有効な疾患には、破骨細胞の過剰な形成や機能亢進を伴って骨量が減少する内因性疾患と、骨折等の外因性疾患とが包含される。骨疾患の具体例としては、骨粗鬆症、破骨細胞腫、骨減少症、骨多孔症、骨軟化症、外傷性骨折、疲労骨折等が挙げられる。
【0031】
本発明に係る骨疾患の予防又は治療剤の剤型、投与方法、投与量等は、使用目的や有効成分の物性を考慮して、適宜決定することができる。剤型の例としては、経口投与を目的として、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等が、また、非経口投与を目的として、注射剤、吸入剤、座剤、経皮吸収剤等が挙げられる。有効成分と共に使用される添加剤としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、溶剤等が挙げられる。
【0032】
投与量は、予防であるか治療であるか、疾患の状態、剤型、投与方法、患者の年齢や体重等の諸条件によって異なるが、成人に経口投与する場合、本発明に係る化合物のいずれを用いる場合も、通常は0.1乃至200μg/体重1kg/日、好ましくは0.2乃至50μg/体重1kg/日である。
【実施例】
【0033】
以下に、実施例により、本発明を具体的に説明する。
【0034】
(実施例1)グリフォラ・ガルガルの子実体からの有効成分の抽出、同定
(1)有効成分の有無の判定方法
抽出液や分画液中の有効成分による活性及び細胞毒性の測定は、次のようにして行なった。
【0035】
(1−1)共存培養法による細胞の培養
マウス(♀、5乃至7週齢)の脛骨及び大腿骨から採取し、培養した骨髄細胞1.3×10個と、頭蓋骨から採取し、培養した骨芽細胞様間質細胞1.0×10個とを、10%牛胎児血清含有α−MEM(Minimum Essential Medium α- Medium)7.2mlに懸濁させた。これを、48穴の破骨細胞活性アッセイ用基質プレートに、150μl/ウェルで分注した。1,25−ジヒドロキシビタミンDの10%牛胎児血清含有α−MEM溶液(濃度:20ng/ml)50μl/ウェルと、被験試料をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し(被験試料100mg/ml)、それを10%牛胎児血清含有α−MEMで希釈したもの(希釈系列の作製)50μl/ウェルとを加え、全量250μl/ウェルとした。炭酸ガスインキュベータを用い、37℃、炭酸ガス濃度5%にて7日間培養した。なお、培養3日目には、各ウェル中の上澄み液100μlを除去し、代わりに、1,25−ジヒドロキシビタミンDの10%牛胎児血清含有α−MEM溶液(濃度:40ng/ml)50μl/ウェルと、被験試料を培養開始前に使用したものの2倍の濃度で含有する被験試料の10%牛胎児血清含有α−MEM溶液50μl/ウェルとを添加した。
【0036】
(1−2)TRAP染色法による破骨細胞形成数の測定
上記のように、骨髄細胞と骨芽細胞様間質細胞とを、活性ビタミンDの存在下で共存培養を行うと、TRAP(酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ)を有する破骨様多核細胞(破骨細胞)に分化する。この細胞は、TRAP染色液で染色される。この染色された細胞の数を計測することにより、破骨細胞の形成が抑制されたか否かが分かる。
【0037】
TRAP染色液は、次のようにして調製した。先ず、50mMの酒石酸ナトリウムと0.1Mの酢酸ナトリウムとを含むTRAP緩衝液(pH=5.0)を調製した。次に、用時調製で、1.5mgのナフトールAS−MXリン酸塩を、150mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた。これにTRAP緩衝液15mlを加え、次に、9mgのファスト・レッド・バイオレットLB塩を加えて溶解させた。
【0038】
染色は、次のようにして行った。ウェル中の培養液を除去し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。次いで、10%ホルマリン(=3.7%ホルムアルデヒド)含有PBS溶液を0.5ml/ウェルで加え、10分間放置し、細胞をウェルに固定させた。その後、エタノールを0.5ml/ウェルで加え、1分間放置した。乾燥後、ウェルにTRAP染色液0.3ml/ウェルを加え、室温で30分間インキュベートさせた。ウェルを蒸留水0.5ml/ウェルで洗浄し、その後乾燥させた。
【0039】
顕微鏡下において、ウェル当たりの、TRAP染色液によって染色された核を2個以上有する多核細胞(TRAP陽性多核細胞)の数を数えた。これが、ウェル当たりの破骨細胞数である。
【0040】
細胞を培養する際に、被験試料をDMSOに溶解し、それを10%牛胎児血清含有α−MEMで希釈したもの(50μl)の代わりに、10%牛胎児血清含有α−MEM(50μl)を添加したものを用意し、同様に処理した。これがコントロールである。
【0041】
コントロールのウェル中の細胞数を100として、被験試料を添加したウェル中の細胞数の割合を算出した。値が小さいほど、破骨細胞形成抑制効果が高い。
【0042】
なお、図1に、コントロールのウェルの顕微鏡写真を、図2に破骨細胞の形成が抑制されたウェルの顕微鏡写真を示す。
【0043】
(1−3)MTTアッセイ法による細胞生存率の測定
MTTとは、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム ブロミドを指す。この化合物は、水溶性であり、水溶液は黄色を示すが、脱水素酵素によって、MTTとNADHとの間で酸化還元反応が生じると、MTTが還元されて青色のフォルマゾンとなる。この脱水素酵素は、ミトコンドリアの呼吸鎖に関連する酵素であるので、細胞の健康状態の指標となる。即ち、細胞が元気であれば、酵素活性が高く、フォルマゾンが多く生成されるが、細胞が死んでしまうと、フォルマゾンは生成されない。よって、波長570nmにおける吸光度測定によって、生成されたフォルマゾンの量、ひいては細胞の生存率を計測することができる。
【0044】
MTT溶液は、MTTを1mg/mlの濃度で含有するPBS溶液である。共存培養後、培養液を除去せず、125μl/ウェルの量でMTT溶液を加えた。次いで、炭酸ガスインキュベータを用い、37℃、炭酸ガス濃度5%にて2時間インキュベートした。培養液を除去し、100μl/ウェルの量でジメチルスルホキシド(DMSO)を加えた。フォルマゾンをよく溶解させた後、波長570nmにおいてDMSO溶液の吸光度を測定した。
【0045】
細胞を培養する際に、被験試料をDMSOに溶解し、それを10%牛胎児血清含有α−MEMで希釈したもの(50μl)の代わりに、10%牛胎児血清含有α−MEM(50μl)を添加したものを用意し、同様に処理した。これがコントロールである。
【0046】
コントロールの吸光度を100として、被験試料を添加した場合の吸光度の割合を算出した。値が小さいほど、細胞生存率又は細胞活性が低く、それは、被験試料の細胞毒性が強いことを示している。
【0047】
(2)原料
菌床栽培において、種菌の植え付けから約120日後にグリフォラ・ガルガル子実体を収穫した。これに、45℃の温風を一昼夜、その後70℃の温風を1時間あて、乾燥させた。このようにして温風乾燥されたグリフォラ・ガルガル子実体を、原料として用いた。
【0048】
(3)有効成分の抽出
抽出方法の概略は、図3及び図4に示すとおりである。具体的には、次のようにして有効成分を抽出した。
【0049】
(3−1)へキサン抽出
温風乾燥されたグリフォラ・ガルガル子実体8.78kgを粉砕した。これをヘキサン50lに入れ、室温にて放置した。濾過により、へキサン溶液と残渣とに分けた。
【0050】
(3−2)酢酸エチル抽出
残渣に酢酸エチル50lを加え、室温にて放置した。濾過により、酢酸エチル溶液と残渣とに分けた。酢酸エチル溶液には、101.5gの固形分(酢酸エチル可溶画分)が含まれていた。
【0051】
(3−3)フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー
(3−2)で得られた酢酸エチル溶液(固形分量で90.1gに相当する量)を、フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(シリカゲル60N;関東化学社製;充填剤重量:350g;φ4cm×60cm)に3回に分けて供し、有効成分をカラムに保持させた。次いで、溶出液として、ヘキサン/酢酸エチル(9:1(容量))混液500ml、塩化メチレン500ml、塩化メチレン/アセトン(8:2(容量))混液500ml、アセトン500ml及び100%エタノール1,000mlをこの順で流した。
【0052】
溶出液を20mlずつ分取した。その後、カラムには90%メタノールを流した。分取した溶液、各々につき、(1−1)及び(1−2)に記載の方法で、TRAP染色法による破骨細胞形成数の測定を行った。
【0053】
この測定結果を踏まえ、溶出液を28の群(順に、3GA−EA−1乃至3GA−EA−28)にまとめた。これら28の群のそれぞれを被験試料として用い、(1−1)、(1−2)及び(1−3)に記載の方法で、TRAP染色法による破骨細胞形成数の測定とMTTアッセイを行った。破骨細胞形成阻害活性が確認されたのは、3GA−EA−11乃至3GA−EA−27であった。
【0054】
(3−4)Sep pakによる前処理と逆相カラムによる高性能液体クロマトグラフィー
(3−3)に記載の処理によって得られた画分3GA−EA−18(3.5892g)をSep Pak(登録商標)プラス C18 カートリッジ(ウォーターズ社製;ODS)に通した。Sep Pak(登録商標)に保持されずに流出した画分(soluble part)2.7352gを取り、これを3GA−EA−18−4と名付けた。
【0055】
3GA−EA−18−4(2.7352g)を、高性能液体クロマトグラフ装置に接続された分取用逆相カラム(野村化学(株)製;ODSカラム30C−UG−15/30)に通し、有効成分を保持させた。90%メタノールで溶出を行い、3GA−EA−18−4−1乃至3GA−EA−18−4−57の画分を得た。
【0056】
各画分を用い、前記の方法で、TRAP染色法による破骨細胞形成数の測定を行った。その結果、3GA−EA−18−4−2乃至3GA−EA−18−4−57に、破骨細胞阻害活性が確認された。これらの結果を基に、三つの画分、即ち3GA−EA−18−4−33、3GA−EA−18−4−34及び3GA−EA−18−4−49につき、さらなる分画及び精製を行った。
【0057】
(3−5)画分3GA−EA−18−4−33の分画及び精製−Sep pakによる前処理及び順相カラムによる高性能液体クロマトグラフィー−
画分3GA−EA−18−4−33(固形分量で46.5mgに相当する量;クロロホルム溶液)を、Sep Pak(登録商標)プラス シリカ カートリッジ(ウォーターズ社製;順相)に通した。Sep Pak(登録商標)に保持されずに流出した画分(soluble part)を、3GA−EA−18−4−33−1と名付けた。その後、クロロホルムで溶出されなかったもの(吸着物;unsoluble part)を、メタノールで溶出させた。その固形分量は、34.6mgであった。
【0058】
3GA−EA−18−4−33−1(固形分量で12.6mgに相当する量)を、高性能液体クロマトグラフ装置に接続された順相カラム(Senshu Pak AQ ss―5251;株式会社センシュー科学製)に通し、有効成分を保持させた。その後、メタノールで溶出を行い、3GA−EA−18−4−33−1−1乃至3GA−EA−18−4−33−1−12の画分を得た。
【0059】
各画分を用い、前記の方法で、TRAP染色法による破骨細胞形成数の測定を行った。その結果、3GA−EA−18−4−33−1−7に有効成分が濃縮されていた。溶媒を留し、固形分1.9mgを得た。後記するように、この固形分は、式(1)で示される化合物1であった。
【0060】
(3−6)画分3GA−EA−18−4−34の分画及び精製−Sep pakによる前処理及び順相カラムによる高性能液体クロマトグラフィー−
画分3GA−EA−18−4−34(固形分量で53.4mgに相当する量;酢酸エチル/クロロホルム(1:9(容量))混液に溶解させたもの)を、Sep Pak(登録商標)プラス シリカ カートリッジ(ウォーターズ社製;順相)に通した。Sep Pak(登録商標)に保持されずに流出した画分(soluble part)を、3GA−EA−18−4−34−1と名付けた。その後、酢酸エチル/クロロホルムで溶出されなかったもの(吸着物;unsoluble part)を、メタノールで溶出させた。その固形分量は、17.1mgであった。
【0061】
3GA−EA−18−4−34−1(固形分量で37.0mgに相当する量)を、高性能液体クロマトグラフ装置に接続された順相カラム(Senshu Pak AQ ss―5251;株式会社センシュー科学製)に通し、有効成分を保持させた。酢酸エチル/クロロホルム(1:9(容量))で溶出を行い、3GA−EA−18−4−34−1−1乃至3GA−EA−18−4−34−1−13の画分を得た。
【0062】
各画分を用い、前記の方法で、TRAP染色法による破骨細胞形成数の測定を行った。その結果、3GA−EA−18−4−34−1−4に有効成分が濃縮されていた。溶媒を留去し、固形分1.0mgを得た。後記するように、この固形分は、式(1)で示される化合物1であった。
【0063】
(3−7)画分3GA−EA−18−4−49の分画及び精製
(3−7−1)画分3GA−EA−18−4−49の再結晶
画分3GA−EA−18−4−49の溶媒を留去し、固形分75.7mgを得た。これを、クロロホルム(固形分が溶解する溶媒)とメタノール(固形分が溶解しない溶媒)の二溶媒系で再結晶させた。結晶化サンプルと、非晶部(others)とが得られた。
【0064】
(3−7−2)結晶化サンプルのSep pakによる前処理及び順相カラムによる高性能液体クロマトグラフィー
得られた結晶化サンプル23.8mgを、酢酸エチル/クロロホルム(1:9(容量))に溶解させた。その溶液を、Sep Pak(登録商標)プラス シリカ カートリッジ(ウォーターズ社製;順相)に通した。Sep Pak(登録商標)に保持されずに流出した画分(soluble part)を、3GA−EA−18−4−49−c−1と名付けた。その後、酢酸エチル/クロロホルムで溶出されなかったもの(吸着物;unsoluble part)を、メタノールで溶出させた。その固形分量は、4.4mgであった。
【0065】
3GA−EA−18−4−49−c−1(固形分量で17.8mgに相当する量)を、高性能液体クロマトグラフ装置に接続された順相カラム(Senshu Pak AQ ss−5251;株式会社センシュー科学製)に通し、有効成分を保持させた。酢酸エチル/クロロホルム(1:9(容量))で溶出を行った。
【0066】
各溶出画分を用い、前記の方法で、TRAP染色法による破骨細胞形成数の測定を行った。その結果に基づき、有効成分が濃縮されている画分を集めた。それらの画分を三つの群に分け、それぞれ、3GA−EA−18−4−49−c−1−1、3GA−EA−18−4−49−c−1−2、3GA−EA−18−4−49−c−1−othersと名付けた。
【0067】
3GA−EA−18−4−49−c−1−1から溶媒を留去し、固形分13.9mgを得た。後記するように、この固形分は、式(2)で示される化合物2であった。
【0068】
3GA−EA−18−4−49−c−1−2から溶媒を留去し、固形分1.0mgを得た。後記するように、この固形分は、式(3)で示される化合物3であった。
【0069】
(3−7−3)画分3GA−EA−18−4−49−oのSep pakによる前処理及び順相カラムによる高性能液体クロマトグラフィー
(3−7−1)で得られた非晶部(others)と、(3−7−2)で得られた吸着物(unsoluble part)及び3GA−EA−18−4−49−c−1−othersをまとめて、3GA−EA−18−4−49−oと名付けた。
【0070】
3GA−EA−18−4−49−o(固形分量54.1mgに相当する量;酢酸エチル/クロロホルム(1:9(容量))溶液)を、Sep Pak(登録商標)プラス シリカ カートリッジ(ウォーターズ社製;順相)に通した。Sep Pak(登録商標)に保持されずに流出した(soluble part)を、3GA−EA−18−4−49−o−1と名付けた。その後、酢酸エチル/クロロホルムで溶出されなかったもの(吸着物;unsoluble part)を、メタノールで溶出させた。その固形分量は、31.2mgであった。
【0071】
3GA−EA−18−4−49−o−1(固形分量で22.5mgに相当する量)を、高性能液体クロマトグラフ装置に接続された順相カラム(Senshu Pak AQ ss−5251;株式会社センシュー科学製)に通し、有効成分を保持させた。酢酸エチル/クロロホルム(1:9(容量))で溶出を行い、3GA−EA−18−4−49−o−1−1乃至3GA−EA−18−4−49−o−1−13の画分を得た。
【0072】
各画分を用い、前記の方法で、TRAP染色法による破骨細胞形成数の測定を行った。その結果、3GA−EA−18−4−49−o−1−4、3GA−EA−18−4−49−o−1−7、3GA−EA−18−4−49−o−1−8及び3GA−EA−18−4−49−o−1−9に有効成分が濃縮されていた。
【0073】
3GA−EA−18−4−49−o−1−4から溶媒を留去し、固形分6.5mgを得た。後記するように、この固形分は、式(2)で示される化合物2であった。
【0074】
3GA−EA−18−4−49−o−1−7から溶媒を留去し、固形分2.3mgを得た。後記するように、この固形分は、式(4−1)で示される化合物4であった。
【0075】
(3−7−4)画分3GA−EA−18−4−49−o−1−8及び3GA−EA−18−4−49−o−1−9のSep pakによる前処理及び逆相カラムによる高性能液体クロマトグラフィー
画分3GA−EA−18−4−49−o−1−8と3GA−EA−18−4−49−o−1−9とをまとめ、3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9と名付けた。これを90%メタノール溶液にし、Sep Pak(登録商標)プラス C18 カートリッジ(ウォーターズ社製;ODS)に通した。Sep Pak(登録商標)に保持されずに流出した画分(soluble part)を、3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9−1と名付けた。その後、90%メタノールで溶出されなかったもの(吸着物;unsoluble part)を、メタノールで溶出させた。その固形分量は、0.9mgであった。
【0076】
3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9−1(固形分量で8.5mgに相当する量)を、高性能液体クロマトグラフ装置に接続された逆相の分取カラム(Cholester Water;ナカライテスク株式会社製)に通し、有効成分を保持させた。80%メタノールで溶出を行い、3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9−1−1乃至3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9−1−10の画分を得た。
【0077】
各画分を用い、前記の方法で、TRAP染色法による破骨細胞形成数の測定を行った。その結果、3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9−1−4及び3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9−1−8に有効成分が濃縮されていた。
【0078】
3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9−1−4から溶媒を留去し、固形分1.8mgを得た。後記するように、この固形分は、式(3)で示される化合物3であった。
【0079】
3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9−1−8から溶媒を留去し、固形分1.7mgを得た。後記するように、この固形分は、式(4−1)で示される化合物4であった。
【0080】
(4)有効成分の同定
(4−1)化合物1
(3−5)及び(3−6)で得た固形分(3GA−EA−18−4−33−1−7、3GA−EA−18−4−34−1−4に含有されていたもの)それぞれを、CDClに溶解させ、ジョエル(JOEL)社製ラムダ500FT H−NMRスペクトロメーターと、ジョエル社製ラムダ500FT 13C−NMRスペクトロメーターに供した。結果を表1に示す。HR−ESI−TOFMS m/z 441.27476(Δ−2.6mmu) [M−H]より、この固形分(以下、「化合物1」という)の分子量は442であり、分子式はC2842であることが分かった。
【0081】
【表1】

【0082】
化合物1における水酸基の位置を特定するため、化合物1の水酸基をp−ブロモ安息香酸エステル化した化合物を調製し、CDClに溶解させ、ジョエル(JOEL)社製ラムダ500FT H−NMRスペクトロメーターに供した。この結果から、化合物1の水酸基の位置が3位であることが確認された。即ち、化合物1の化学構造は、前記式(1)で示されることが確認された。
【0083】
(3−5)及び(3−6)で得た固形分それぞれを、CDClに溶解させ、異核多重結合連結度(Hetero−nuclear Multiple−bond Connectivity(HMBC)スペクトルを得た。このデータからも、この固形分(化合物1)の化学構造は、式(1)に示すとおりであると推定された。
【0084】
(3−5)及び(3−6)で得た化合物1について、常法により、IRスペクトル、旋光度及び融点を求めた。結果を表2に示す。
【0085】
【表2】

【0086】
(4−2)化合物2
(3−7−2)及び(3−7−3)で得た固形分(3GA−EA−18−4−49−c−1−1と3GA−EA−18−4−49−o−1−4に含有されていたもの)を、それぞれCDClに溶解させ、ジョエル社製ラムダ500FT H−NMRスペクトロメーターと、ジョエル社製ラムダ500FT 13C−NMRスペクトロメーターに供した。結果を表3に示す。HR−ESI−TOFMS m/z 425.3056(Δ−2.7mmu) [M−H]より、この固形分(以下、「化合物2」という)の分子量は442であり、分子式はC2842であることが分かった。
【0087】
【表3】

【0088】
化合物2における水酸基の位置を特定するため、化合物2の水酸基をp−ブロモ安息香酸エステル化した化合物を調製し、CDClに溶解させ、ジョエル(JOEL)社製ラムダ500FT H−NMRスペクトロメーターに供した。この結果から、化合物2の水酸基の位置が3位であることが確認された。即ち、化合物2の化学構造は、前記式(2)で示されることが確認された。
【0089】
(3−7−2)及び(3−7−3)で得た固形分を、それぞれCDClに溶解させ、HMBCスペクトルを得た。このデータからも、この固形分(化合物2)の化学構造は、式(2)に示すとおりであると推定された。
【0090】
(3−7−2)及び(3−7−3)で得た化合物2について、常法により、IRスペクトル、旋光度及び融点を求めた。結果を表4に示す。
【0091】
【表4】

【0092】
(4−3)化合物3
(3−7−2)及び(3−7−4)で得た固形分(3GA−EA−18−4−49−c−1−2と3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9−1−4に含有されていたもの)それぞれをCDClに溶解させ、ジョエル(JOEL)社製ラムダ500FT H−NMRスペクトロメーターと、ジョエル社製ラムダ500FT 13C−NMRスペクトロメーターに供した。結果を表5に示す。HR−ESI−TOFMS m/z 411.3263(Δ−2.3mmu) [M+H]より、この固形分(以下、「化合物3」という)の分子量は426であり、分子式はC2842であることが分かった。
【0093】
【表5】

【0094】
化合物3における水酸基の位置を特定するため、化合物3の水酸基をp−ブロモ安息香酸エステル化した化合物を調製し、CDClに溶解させ、ジョエル(JOEL)社製ラムダ500FT H−NMRスペクトロメーターに供した。この結果から、化合物3の水酸基の位置が3位であることが確認された。即ち、化合物3の化学構造は、前記式(3)で示されることが確認された。
【0095】
(3−7−2)及び(3−7−4)で得た固形分を、それぞれCDClに溶解させ、HMBCスペクトルを得た。このデータからも、この固形分(化合物3)の化学構造は、式(3)に示すとおりであると推定された。
【0096】
(3−7−2)及び(3−7−4)で得た化合物3について、常法により、IRスペクトル、旋光度及び融点を求めた。結果を表6に示す
【0097】
【表6】

【0098】
(4−4)化合物4
(3−7−3)及び(3−7−4)で得た固形分(3GA−EA−18−4−49−o−1−7と3GA−EA−18−4−49−o−1−8/9−1−8に含有されていたもの)を、それぞれCDClに溶解させ、ジョエル社製ラムダ500FT H−NMRスペクトロメーターと、ジョエル社製ラムダ500FT 13C−NMRスペクトロメーターに供した。結果を表7に示す。HR−ESI−TOFMS m/z 451.3188(Δ−3.3mmu) [M+Na]より、この固形分(以下、「化合物4」という)の分子量は428であり、分子式はC2844であることが分かった。
【0099】
【表7】

【0100】
化合物4における水酸基の位置を特定するため、化合物4の水酸基をp−ブロモ安息香酸エステル化した化合物を調製し、CDClに溶解させ、ジョエル(JOEL)社製ラムダ500FT H−NMRスペクトロメーターに供した。この結果から、化合物4の水酸基の位置が3位と6位であることが確認された。また、4位と5位に掛けてエポキシ基を有することが確認された。即ち、化合物4の化学構造は、式(4−1)に示すとおりであると推定された。
【0101】
(3−7−3)及び(3−7−4)で得た固形分を、それぞれCDClに溶解させ、HMBCスペクトルを得た。このデータからも、この固形分(化合物4)の化学構造は、式(4−1)に示すとおりであると推定された。
【0102】
(3−7−3)及び(3−7−4)で得た化合物4について、常法により、IRスペクトル、旋光度及び融点を求めた。結果を表8に示す。
【0103】
【表8】

【0104】
また、化合物4をX線結晶解析に供したところ、図5に示す分子構造であることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明に係る化合物は、破骨細胞形成阻害作用を有するので、骨粗鬆症等の骨疾患の予防又は治療剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(2)
【化1】

で表わされる化合物又はその薬理学的に許容される塩、あるいは加水分解によって式(2)で表わされる化合物を提供する化合物。
【請求項2】
式(2)
【化2】

で表わされる化合物。
【請求項3】
式(4)
【化3】

で表わされる化合物又はその薬理学的に許容される塩、あるいは加水分解によって式(4)で表わされる化合物を提供する化合物。
【請求項4】
式(4−1)
【化4】

で表わされる化合物。
【請求項5】
式(1)で表される化合物、式(1)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、加水分解によって式(1)で表わされる化合物を提供する化合物、式(2)で表される化合物、式(2)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、及び加水分解によって式(2)で表わされる化合物を提供する化合物、式(3)で表される化合物、式(3)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、加水分解によって式(3)で表わされる化合物を提供する化合物、式(4)で表される化合物、式(4)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、及び加水分解によって式(4)で表わされる化合物を提供する化合物からなる群から選択される一種以上を薬理学的に有効な量で含有することを特徴とする、骨疾患の予防又は治療剤。
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【請求項6】
式(4)で表される化合物が式(4−1)
【化9】

で表される化合物である、請求項5に記載の骨疾患の予防又は治療剤。
【請求項7】
骨疾患が骨粗鬆症である、請求項5又は6に記載の骨疾患の予防又は治療剤。
【請求項8】
破骨細胞形成阻害剤である、請求項7に記載の骨疾患の予防又は治療剤。
【請求項9】
式(1)で表される化合物、式(1)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、加水分解によって式(1)で表わされる化合物を提供する化合物、式(2)で表される化合物、式(2)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、及び加水分解によって式(2)で表わされる化合物を提供する化合物、式(3)で表される化合物、式(3)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、加水分解によって式(3)で表わされる化合物を提供する化合物、式(4)で表される化合物、式(4)で表わされる化合物の薬理学的に許容される塩、及び加水分解によって式(4)で表わされる化合物を提供する化合物からなる群から選択される一種以上が、グリフォラ・ガルガル(和名:アンニンコウ)の子実体からの抽出物である、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の骨疾患の予防又は治療剤。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−195697(P2010−195697A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40182(P2009−40182)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000141381)株式会社岩出菌学研究所 (14)
【Fターム(参考)】